説明

不揮発性半導体記憶装置

【課題】電荷蓄積層をもち、電荷のトラップを利用する記憶素子の保持特性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】電荷蓄積層(24)の上のメモリゲート(21)と、第1サイドゲート(22)と、第2サイドゲート(23)と、第1サイドゲート(22)側の第1不純物注入領域(31)と、第2サイドゲート(23)側の第2不純物注入領域(32)と、チャネル領域(33、34、35)とを具備する不揮発性半導体記憶装置を構成する。チャネル領域(33、34、35)は、電荷蓄積層(24)の下の第1領域(33)と、第1領域(33)と第1不純物注入領域(31)との間のセレクト側領域(34)と、第1領域(33)と第2不純物注入領域(32)との間のアシスト側領域(35)とを含むことが好ましい。そして、ゲート長方向におけるセレクト側領域(34)の長さ(L1)は、アシスト側領域(35)の長さ(L2)よりも長いものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置に関し、特に電荷トラップ層を有する不揮発性半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路によって構成される記憶装置の一つに、不揮発性半導体記憶装置がある。不揮発性半導体記憶装置は、電源の供給が断たれても記憶情報が残る素子を備えている。従来の不揮発性半導体記憶装置の一例として、フローティングゲート(FG)を備えた記憶装置(以下、FG型記憶装置と記載する)が知られている。FG型記憶装置は、そのフローティングゲートに蓄積された電荷に基づいて、読み出し電流の閾値電圧がシフトする。FG型記憶装置は、その閾値電圧に対応して情報を記憶している。
【0003】
不揮発性半導体記憶装置に対する微細化の要求や、CMOSLSIプロセスとの整合性の要求に伴って、FG型記憶装置よりも微細化が容易な不揮発性半導体記憶装置が要求されるようになってきた。そのような不揮発性半導体記憶装置として、絶縁膜中に備えられた電荷蓄積層のトラップを利用する不揮発性半導体記憶装置(以下、電荷蓄積層型記憶装置と記載する)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
電荷蓄積層型記憶装置の一例として、MONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)セルを用いたMONOS型不揮発性半導体記憶装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。MONOSセルは、それぞれ、ドレイン、ソースの役割を果たす二つの拡散層(Source/Drain Implant)と、その二つの拡散層に挟まれたチャネル領域上に、メモリゲート絶縁膜を介して設けられたメモリゲート電極を備えている。また、そのメモリゲート電極の側面には、コントロールゲート(選択ゲート)電極が設けられている。
【0005】
図1は、特許文献1に記載のメモリセル101を示す断面図である。特許文献1に記載の技術は、高性能な書きこみ消去特性を有する不揮発性半導体記憶装置を提供することを目的としている。図1を参照すると、そのメモリセル101は、半導体基板のP型ウェル102上に、ゲート絶縁膜106を介して選択ゲート118が形成されている。また、そのP型ウェル102上に、酸化シリコン膜115a、窒化シリコン膜115bおよび酸化シリコン膜115cからなる積層膜115を介してメモリゲート117が形成されている。そのメモリゲート117は、積層膜115を介して選択ゲート118に隣接している。P型ウェル102の選択ゲート118およびメモリゲート117の両側の領域には、ソース、ドレインとしてのn型の不純物拡散層120、n型の不純物拡散層121が形成されている。不純物拡散層120と不純物拡散層121の間に位置するチャネル領域のうち、選択ゲート118により制御され得る領域151と、メモリゲート117により制御され得る領域152とにおける不純物濃度が異なっている。
【0006】
特許文献1に記載の技術では、書き込み効率の良いSSI(Source Side Injection)を可能にしている。また消去においては、Source拡散層とメモリゲートとの間に電位差を生じさせ、BTBT(Band To Band Tunneling)を利用したホットホール消去を実現している。ホットホール消去を実現することによって、特許文献1に記載の技術では、FN-Tunnelingによる電子の引き抜きに比べて、使用する電圧を低く抑えることが可能である。
【0007】
図2は、特許文献2に記載のメモリセル200を示す断面図である。特許文献2に記載の技術は、製造プロセスが容易であるとともに、高集積化でき、書き込み読み出し消去を繰り返しても特性が安定しており、高性能化に適するように占有面積を縮小できる不揮発性半導体記憶装置とその駆動方法及び製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
図2を参照すると、そのメモリセル200は、半導体基板201の上に積層された電荷保持能力を有した電荷保持膜204を備えている。その電荷保持膜204は、ボトムシリコン酸化膜204−1、電荷捕獲膜204−2およびトップシリコン酸化膜204−3を備えている。また、その電荷保持膜204を介して半導体基板201の上に形成されたメモリゲート電極205を備えている。そのメモリゲート電極205の両側面上には、シリコン酸化膜206aによって、メモリゲート電極205から絶縁されたサイドウォールゲート電極207aと、シリコン酸化膜206bによってメモリゲート電極205から絶縁されたサイドウォールゲート電極207bとが形成されている。また、メモリセル200は、半導体基板201内でサイドウォールゲート電極207a、サイドウォールゲート電極207bに隣接するソース不純物拡散層202及びドレイン不純物拡散層203とを有している。
【0009】
そのメモリセル200において、ソース不純物拡散層202及びドレイン不純物拡散層203の間の半導体基板表面領域が、動作時にメモリトランジスタのチャネルが形成されるチャネル領域となる。チャネル領域は、そのほぼ中央に形成された内側チャネル領域Ch2と、その内側チャネル領域Ch2とソース不純物拡散層202の間の外側チャネル領域Ch1と、その内側チャネル領域Ch2とドレイン不純物拡散層203との間の外側チャネル領域Ch3とからなる。内側チャネル領域Ch2は、外側チャネル領域Ch1、外側チャネル領域Ch3に比べ、P型不純物濃度が薄くなるように形成されている。
【0010】
特許文献2に記載の技術では、電荷保持膜204を、中央のメモリゲート電極205の下に用い、両脇のサイドウォール上の電極(サイドウォールゲート電極207a、サイドウォールゲート電極207b)を、選択トランジスタとして使用している。特許文献2に記載の技術では、記憶部204a、記憶部204bをそれぞれ1つの記憶部として使用している。ソース不純物拡散層202、ドレイン不純物拡散層203は、記憶部204a、記憶部204bのどちらのビットを読み出すかによって、Drain、Sourceとしての役割を切り換えて使用している。両脇のサイドウォール上の電極(サイドウォールゲート電極207a、サイドウォールゲート電極207b)は、どちらも選択トランジスタとして機能しなければならない。そのため、外側チャネル領域Ch1、外側チャネル領域Ch3は、オフリークを十分に抑えられるだけのLeff(有効チャンネル長)が必要である。
【0011】
特許文献2に記載のメモリセル200は、その構造上、ホットホール消去を行おうとしても、発生したホールが電荷保持膜204まで到達することが困難となる。そのため、特許文献2に記載の技術では、メモリゲート電極205に高電圧を印加し、FN-Tunnelingによって電子の引き抜くことで消去を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−186452号公報
【特許文献2】特開2005−142354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
MONOSセルに代表されるような、電荷トラップを利用する不揮発性半導体記憶装置の保持特性に関連した問題のひとつとして、電子とホール(正孔)の分布の不均一さに起因する不具合が生じることが知られている。MONOSに代表されるような電荷とラップを利用する不揮発性半導体記憶装置において、注入される電子とホールの物理的な位置分布に違いがあり、それらが、書込、或いは消去動作によるキャリアの注入ですべて再結合しきれず、物理的な位置分布を持って残ってしまうことがある。このような不具合を“ミスマッチ”と呼んでおり、本明細書では、以降“ミスマッチ”という用語をこの意味に用いることとする。
特許文献1に記載のメモリセル101において、消去時にゲートと拡散層との間の電界によって発生させるBTBTを効率的なものにするためには、ゲートと拡散層が十分近接している必要がある。したがって、積層膜115に対して、不純物拡散層120は、オーバーラップする部分を持つように構成されている。そのような構造の場合、消去時にそのオーバーラップ部分に入り込んだホールが、書き込み時に電子と再結合できなくなり、上述の“ミスマッチ”が発生することがある。入り込んだ電荷(ホール)は、書き込み/消去を繰り返すうちに蓄積されてしまう。蓄積した電荷は、時間の経過と共に横方向に拡散し、積層膜115内部の電荷分布、とりわけ、メモリセルの閾値電圧に大きく影響するソース近傍の正味の電荷量を変えてしまう。その結果、データが読み出しにくくなる、或いはデータが破壊されるといった保持特性の劣化が起こる。
【0014】
また、特許文献1に記載のメモリセル101は、選択ゲート118とメモリゲート117の絶縁を、積層膜115によって実現している。選択ゲート118とメモリゲート117の間の積層膜115は、消去のためにホットホールを発生させる拡散層の端部から離れている。なおかつ、選択ゲート118とメモリゲート117の間の積層膜115は、SSIによる書き込みでホットエレクトロンが発生する領域に近い。このようなホットエレクトロンとホットホールの発生位置の違いにより、書込動作時に選択ゲート118とメモリゲート117の間の積層膜115に入り込んだ電子を、消去時のホールで再結合させることができず、書き込み/消去を繰り返すうちに、この部分に電子が蓄積されていく。この電子もまた、電荷蓄積層である積層膜115内を時間とともに移動し、段落[0013]と同様に電荷分布を変え、保持特性劣化の原因となり得る。
【0015】
また、特許文献2に記載のメモリセル200の構造では、ホットホール消去を行うことが困難である。ホットホール消去をするためには、発生したホールが十分届く程度にソース拡散層と電荷蓄積層が物理的に近い必要がある。特許文献2に記載のメモリセル200の構造においては、両端のサイドウォール状のゲートは、セレクトトランジスタの役割を果たしている。そのため、オフリークを抑えるのに十分な長さの実効チャネル長Leffが必要である。この二つの要求を同時に実現することは、困難である。
【0016】
そのため、特許文献2に記載のメモリセル200においては、メモリゲート電極205に高電圧を印加し、FN-Tunnelingによって電子を引き抜くことで消去を行っている。FN-Tunnelingによる消去を実現するためには、電荷蓄積層内部の電荷を引き抜くことができる程度の高電圧を生成する周辺回路が必要になる。そのような周辺回路の構成要素となるトランジスタは、高い電圧に耐えられる拡散層不純物プロファイルと、高電圧をかけてもパンチスルーしないような長いゲート長とが必要となる。このような制約を満足させるためには、周辺回路を構成する素子(トランジスタ)が大きくなり、周辺回路まで含めた回路全体のトータルの面積が増大してしまうことがある。また、このような素子を有する回路においては、回路規模が大きくなってしまうと共に、高速に動作させることが困難となることがある。
【0017】
本発明が解決しようとする課題は、ミスマッチと呼ばれる現象の発生を抑制し、記憶素子の保持特性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以下に、[発明を実施するための形態]で使用される番号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0019】
上記の課題を解決するために、基板(12)の上に設けられた電荷蓄積層(24)と、電荷蓄積層(24)を介して基板(12)の上に設けられたメモリゲート(21)と、メモリゲート(21)の第1の側方に、第1絶縁膜(27)を介して配置される第1サイドゲート(22)と、メモリゲート(21)の第1の側方の反対の第2の側方に、第2絶縁膜(28)を介して配置される第2サイドゲート(23)と、第1サイドゲート(22)側の基板(12)に設けられた第1不純物注入領域(31)と、第2サイドゲート(23)側の基板(12)に設けられた第2不純物注入領域(32)と、第1不純物注入領域(31)と第2不純物注入領域(32)との間に設けられたチャネル領域(33)(34)(35)とを具備する不揮発性半導体記憶装置を構成する。ここで、チャネル領域(33)(34)(35)は、電荷蓄積層(24)と基板(12)との界面に対応する第1領域(33)と、第1領域(33)と第1不純物注入領域(31)との間のセレクト側領域(34)と、第1領域(33)と第2不純物注入領域(32)との間のアシスト側領域(35)とを含むことが好ましい。そして、ゲート長方向におけるセレクト側領域(34)の長さ(L1)は、アシスト側領域(35)の長さ(L2)よりも長いものとする。
【0020】
その不揮発性半導体記憶装置において、セレクト側領域(34)は、第1サイドゲート(22)におけるオフリークを抑制することが可能なゲート長方向の長さ(L1)を有し、アシスト側領域(35)は、第2サイドゲート(23)の下で発生したホットホールを電荷蓄積層(24)に供給することが可能となるようなゲート長方向の長さ(L2)を有することが好ましい。
【0021】
その不揮発性半導体記憶装置において、第1不純物注入領域(31)は、第1サイドゲート(22)に、第1の長さ(L3)で重なる第1オーバーラップ領域(36)を含み、第2不純物注入領域(32)は、第2サイドゲート(23)に、第1の長さ(L3)よりも長い第2の長さ(L4)で重なる第2オーバーラップ領域(37)を含むことが好ましい。
【0022】
また、上記の課題を解決するために、
[a]電荷蓄積層を介して基板の上に配置されるメモリゲートを形成するステップと、
[b]基板の表面と、メモリゲートの表面とを覆う絶縁膜を形成するステップと、
[c]絶縁膜を覆う導電材料を形成するステップと、
[d]導電材料をエッチバックして、メモリゲートの側方に、サイドウォール形状の第1サイドゲートと第2サイドゲートとを形成するステップと、
[e]第1サイドゲートの外側の基板に、電荷蓄積層と基板との界面の、第1サイドゲート側の端部から第1距離の位置に端部を有する第1不純物注入領域を形成するステップと、
[f]第2サイドゲートの外側の基板に、界面の第2サイドゲート側の端部から、第1距離より短い第2距離の位置に端部を有する第2不純物注入領域を形成するステップと
を具備する製造方法で不揮発性半導体記憶装置を製造する。
ここにおいて、上記の各ステップは、製造工程に矛盾が生じない範囲で順番を変更することが可能である。
【発明の効果】
【0023】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、電荷蓄積層をもち、電荷のトラップを利用する記憶素子の保持特性を向上させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、従来のメモリセル101を示す断面図である。
【図2】図2は、従来のメモリセル200を示す断面図である。
【図3】図3は、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置1の回路構成を例示する回路図である。
【図4】図4は、本実施形態のメモリセル2の断面の構成を例示する断面図である。
【図5】図5は、本実施形態のメモリセル2を動作させるための電圧配置を例示するテーブルである。
【図6】図6は、本実施形態のメモリセル2の構成と、読み出し動作時の電圧配置を例示する図である。
【図7】図7は、本実施形態のメモリセル2の構成と、書き込み動作時の電圧配置を例示する図である。
【図8】図8は、本実施形態メモリセル2の構成と、消去動作時の電圧配置を例示する図である。
【図9】図9は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第1段階を例示する断面図である。
【図10】図10は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第2段階を例示する断面図である。
【図11】図11は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第3段階を例示する断面図である。
【図12】図12は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第4段階を例示する断面図である。
【図13】図13は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第5段階を例示する断面図である。
【図14】図14は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第6段階を例示する断面図である。
【図15】図15は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第7段階を例示する断面図である。
【図16】図16は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第8段階を例示する断面図である。
【図17】図17は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第9段階を例示する断面図である。
【図18】図18は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第10段階を例示する断面図である。
【図19】図19は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第11段階を例示する断面図である。
【図20】図20は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第12段階を例示する断面図である。
【図21】図21は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第13段階を例示する断面図である。
【図22】図22は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第14段階を例示する断面図である。
【図23】図23は、第2実施形態のメモリセル2の構成を例示する断面図である。
【図24】図24は、第2実施形態のメモリセル2の構成を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態を説明するための図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
図3は、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置1の回路構成を例示する回路図である。本実施形態の不揮発性半導体記憶装置1は、アレイ状に配置された複数のメモリセル2を備えている。また、不揮発性半導体記憶装置1は、平行に配置された複数のビット線3を備えている。さらに、不揮発性半導体記憶装置1は、複数のソース線4と、複数のメモリゲート配線5と、複数のアシストゲート配線6と、複数のセレクトゲート配線7とを備えている。本実施形態において、複数のソース線4、複数のメモリゲート配線5、複数のアシストゲート配線6、及び複数のセレクトゲート配線7は、ビット線3に交差するように配置されている。なお、図3に示す回路構成は、本実施形態の配線を限定するものではない。
【0027】
図3を参照すると、メモリセル2は、メモリゲート21と、セレクトゲート22と、アシストゲート23と、ビット拡散層25と、ソース拡散層26とを備えている。ビット線3はメモリセル2のビット拡散層25に接続されている。また、ソース線4は、メモリセル2のソース拡散層26に接続されている。メモリゲート配線5は、メモリゲート21に接続されている。アシストゲート配線6は、アシストゲート23に接続されている。セレクトゲート配線7は、セレクトゲート22に接続されている。
【0028】
図4は、本実施形態のメモリセル2の断面の構成を例示する断面図である。本実施形態において、メモリセル2は、半導体基板11に設けられたウェル12に形成されている。上述のように、メモリセル2は、メモリゲート21と、セレクトゲート22と、アシストゲート23と、ビット拡散層25と、ソース拡散層26とを備えている。メモリゲート21は、電荷蓄積層(ONO膜)24を介してウェル12の上に形成されている。その電荷蓄積層(ONO膜)24は、ボトムシリコン酸化膜24−1と、シリコン窒化膜24−2と、トップシリコン酸化膜24−3とを含んでいる。本実施形態において、絶縁膜28の膜厚が、約80Å程度であることが好ましい。また、ボトムシリコン酸化膜24−1の膜厚が約40Å程度であり、シリコン窒化膜24−2の膜厚が約50Å程度であり、トップシリコン酸化膜24−3の膜厚が約40Å程度であることが好ましい。
【0029】
セレクトゲート22は、絶縁膜27を介してメモリゲート21の隣に形成されている。その絶縁膜27は、セレクトゲート22とウェル12との間にも形成されている。アシストゲート23は、絶縁膜28を介してメモリゲート21の隣に形成されている。その絶縁膜28は、セレクトゲート22とウェル12との間にも形成されている。セレクトゲート22の側面には、サイドウォール絶縁膜29が形成されている。アシストゲート23の側面には、サイドウォール絶縁膜30が形成されている。サイドウォール絶縁膜29の外側の位置に対応するウェル12には、ビット拡散層25が形成されている。サイドウォール絶縁膜30の外側の位置に対応するウェル12には、ソース拡散層26が形成されている。
【0030】
図4を参照すると、メモリセル2は、ウェル12に設けられた第1不純物注入領域31と、ウェル12に設けられた第2不純物注入領域32とを備えている。メモリセル2は、その第1不純物注入領域31と第2不純物注入領域32との間に、中間チャネル領域33とセレクトゲート側チャネル領域34とアシストゲート側チャネル領域35とを備えている。
【0031】
セレクトゲート側チャネル領域34は、セレクトゲート22の下部におけるチャネル長が第1長さL1の領域である。その第1長さL1によって、セレクトゲート側チャネル領域34には、オフリークを十分に抑えられるだけのLeff(有効チャンネル長)が与えられている。アシストゲート側チャネル領域35は、アシストゲート23の下部におけるチャネル長が第2長さL2の領域である。中間チャネル領域33は、セレクトゲート側チャネル領域34とアシストゲート側チャネル領域35との間の、メモリゲート21の下部の領域である。
【0032】
また、第1不純物注入領域31は、長さが第3長さL3の第1オーバーラップ領域36を含んでいる。第1不純物注入領域31は、その第1オーバーラップ領域36において、セレクトゲート22と重なっている。第2不純物注入領域32は、長さが第4長さL4の第2オーバーラップ領域37を含んでいる。第2不純物注入領域32は、その第2オーバーラップ領域37において、アシストゲート23と重なっている。
【0033】
本実施形態において、メモリセル2は、例えば、セレクトゲート22のゲート長が、0.05um程度であり、また、アシストゲート23のゲート長が0.05um程度のセルであることが好ましい。その場合、上述の第1長さL1が0.045um程度であり、第2長さL2が0.01um程度であり、第3長さL3が0.005um程度であり、第4長さL4が0.04um程度であることが好ましい。また、このとき、中間チャネル領域33の長さが、0.05um程度であることが好ましい。
【0034】
したがって、図4に示されているように、本実施形態のメモリセル2において、
第1長さL1>第2長さL2
となるように、チャネル領域が形成されている。また、
第3長さL3<第4長さL4
となるように、第1不純物注入領域31と第2不純物注入領域32とが形成されている。
【0035】
図5は、本実施形態のメモリセル2を動作させるための電圧配置を例示するテーブルである。図5に示されている“sel”は、メモリセル2が選択ビットの場合の電圧配置を示している。また、“unsel”は、メモリセル2が非選択ビットの場合の電圧配置を示している。図5の電圧配置テーブル38は、レコード38−1、レコード38−2およびレコード38−3を含んでいる。レコード38−1は、メモリセル2に書き込まれたデータを読み出すときの電圧配置を例示している。レコード38−2はメモリセル2にデータを書き込むときの電圧配置を例示している。レコード38−3は、メモリセル2に書き込まれたデータを消去するときの電圧配置を例示している。
【0036】
図6は、本実施形態のメモリセル2の構成と、読み出し動作時の電圧配置を例示する図である。図6に示されているように、読み出し動作を実行するときには、上述の電圧配置テーブル38に従って各ゲート電極に印加する電圧を制御する。読み出し時には、また、ソース線4に約0Vを印加し、ビット線3に約1.2Vを印加する。この状態で、メモリセルトランジスタのしきい値を検出する。電荷蓄積層(ONO膜)24(シリコン窒化膜24−2)に負電荷が蓄積されていれば、負電荷が蓄積されていない場合よりも、しきい値が増加するため、しきい値を検出することにより、書き込まれた情報を読み出すことができる。
【0037】
図7は、本実施形態のメモリセル2の構成と、書き込み動作時の電圧配置を例示する図である。図7に示されているように、書き込み動作を実行するときには、上述の電圧配置テーブル38に従って各ゲート電極に印加する電圧を制御する。書き込み時において、ソース線4に約5Vの正電圧を印加し、ビット線3に約0Vを印加する。図7を参照すると、チャネル領域において発生したホットエレクトロンが、電荷蓄積層(ONO膜)24のシリコン窒化膜24−2に注入される。これをCHE(Channel Hot Electron:チャネル熱電子)注入という。これにより、メモリセルにデータが書き込まれる。
【0038】
図8は、本実施形態メモリセル2の構成と、消去動作時の電圧配置を例示する図である。図8に示されているように、消去動作を実行するときには、上述の電圧配置テーブル38に従って各ゲート電極に印加する電圧を制御する。消去時において、ソース線4には、約5Vの正電圧を印加し、アシストゲート23に、−2Vを印加する。図8に示すように第2不純物注入領域32とアシストゲート23との間に電位差を生じさせ、BTBT(Band To Band Tunneling)により発生したホットホールを電荷蓄積層(ONO膜)24のシリコン窒化膜24−2に注入する。これにより、電荷蓄積層(ONO膜)24のシリコン窒化膜24−2に蓄積されていた負電荷が打ち消され、データが消去される。
【0039】
なお、書込、消去時の電圧は、電圧配置テーブル38に例示される値に限定されるものではない。例えば、一般的な手法にならい、ホットエレクトロン、ホットホールの注入位置を調整するために変化させてもよい。また、メモリゲート21や、ソース線4の電圧を、ベリファイの結果を反映させて変えたり、一回の書込または消去中に段階的に変化させたりしてもよい。
【0040】
本実施形態のメモリセル2において、メモリゲート21の隣に配置されたセレクトゲート22の下部の第1不純物注入領域31は、中間チャネル領域33から、長さが第1長さL1だけ離れている。その第1不純物注入領域31は、長さが第3長さL3となる第1オーバーラップ領域36を含んでいる。また、アシストゲート23の下部の第2不純物注入領域32は、中間チャネル領域33から、長さが第2長さL2だけ離れている。その第2不純物注入領域32は、長さが第4長さL4となる第2オーバーラップ領域37を含んでいる。
【0041】
メモリセル2の第1不純物注入領域31および第2不純物注入領域32は、電荷蓄積層(ONO膜)24から物理的に離れている。そのため、保持劣化の要因とされる拡散層端部でのキャリアのトラップが発生しにくい。また、メモリゲート21とセレクトゲート22との間や、メモリゲート21とアシストゲート23との間に、余分な電荷蓄積層が形成されていない。そのため、ゲート電極間の電荷蓄積層へのトラップに起因する保持劣化を抑制することができる。
さらに、アシストゲート23に対し、第2不純物注入領域32を大きくオーバーラップさせているため、BTBT(Band To Band Tunneling)を利用したホットホール消去を実現し、その消去動作時の動作電圧を低減させることが可能となる。
【0042】
以下に、本実施形態のメモリセル2を製造するための製造工程について説明を行う。図9は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第1段階を例示する断面図である。その第1段階において、半導体基板11にウェル12を形成する。ウェル12を形成する工程において、例えば深いところは、
200keV 1〜2E13/cm
の程度の注入を行うことが好ましい。また、チャネル近傍となるような浅いところは、
30keV 5〜7E12/cm
の程度の注入を行うことが好ましい。ウェル12を形成するために注入された不純物は、最終的に形成されるメモリセル2において、メモリゲート21の中性閾値電圧を決定する。
【0043】
図10は、メモリセル2の製造工程における第2段階を例示する断面図である。その第2段階において、ウェル12の上に、ボトムシリコン酸化膜24−1、シリコン窒化膜24−2、トップシリコン酸化膜24−3を順番に形成して、電荷蓄積層(ONO膜)24を形成する。本実施形態のメモリセル2において、電荷蓄積層としてONO膜を適用している。メモリセル2における電荷蓄積層は、ONO膜に限定されることはなく、同等の機能を発揮するものであれば、どのような構成であっても良い。特性上、あるいはプロセスインテグレーションの都合に合わせて材料を選ぶことが好ましい。
【0044】
図11は、メモリセル2の製造工程における第3段階を例示する断面図である。その第3段階において、電荷蓄積層(ONO膜)24の上に、メモリゲート21を構成するためのメモリゲート用ポリシリコン膜41を形成する。メモリゲート用ポリシリコン膜41を形成した後、そのメモリゲート用ポリシリコン膜41の上のメモリゲート21に対応する位置に、レジスト42を形成する。ポリシリコン膜41は、成膜工程中か、成膜後のイオン注入によりゲート電極として機能するよう十分に不純物を導入しておくことが好ましい。イオン注入ならば、例えば、
エネルギー数keV程度
1E15〜5E15/cm程度
でAsを注入することが好ましい。
【0045】
図12は、メモリセル2の製造工程における第4段階を例示する断面図である。その第4段階において、レジスト42をマスクとして、メモリゲート用ポリシリコン膜41を選択的に除去する。その後、レジスト42を除去することで、リソグラフィーによってパターニングされたメモリゲート21を形成する。そのメモリゲート21を、異方性エッチングのストッパー膜として作用させて、電荷蓄積層(ONO膜)24を選択的に除去し、ウェル12を部分的に露出する。
【0046】
図13は、メモリセル2の製造工程における第5段階を例示する断面図である。その第5段階において、メモリゲート21の側面と、露出しているウェル12の表面とを覆うように、絶縁膜43を形成する。その絶縁膜43は、最終的にメモリゲート21とセレクトゲート22との間を絶縁する。また同様に、絶縁膜43は、最終的にメモリゲート21とアシストゲート23との間を絶縁する。ここで、絶縁膜43の形成前または形成後に、ウェル12に不純物の注入を行っても良い。この段階で不純物の注入を行うことで、最終的なメモリセル2における、セレクトゲート22とアシストゲート23との閾値を調整することが可能である。なお、図13において、本実施形態のメモリセル2の理解を容易にするために、この段階における不純物の注入に関する詳細な説明を省略する。
【0047】
図14は、メモリセル2の製造工程における第6段階を例示する断面図である。その第6段階において、絶縁膜43の上に、セレクトゲート22またはアシストゲート23を構成するためのサイドウォールゲート用ポリシリコン44を形成する。サイドウォールゲート用ポリシリコン44を形成する工程において、最終的に形成されるセレクトゲート22やアシストゲート23のゲート長さを0.05umにするために、サイドウォールゲート用ポリシリコン44は、500Å(=0.05um)程度の膜厚で成膜されることが好ましい。また、メモリゲート用ポリシリコン膜41を形成したときと同様に、セレクトゲート22やアシストゲート23が、ゲート電極として十分に機能するよう、
1〜5E15/cm
程度の注入で不純物導入を行うことが好ましい。
【0048】
図15は、メモリセル2の製造工程における第7段階を例示する断面図である。その第7段階において、サイドウォールゲート用ポリシリコン44をエッチバックしてセレクトゲート22とアシストゲート23とを形成する。
【0049】
図16は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第8段階を例示する断面図である。その第8段階において、後の工程で第1不純物注入領域31を形成する領域を保護するレジスト46を形成する。そして、レジスト46で覆われていないウェル12に対し、例えば、
As 20keV 3E14/cm2
程度の注入を行って、第2不純物注入領域32を形成する。
【0050】
図17は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第9段階を例示する断面図である。その第9段階において、レジスト46を除去して、後の工程で第1不純物注入領域31を形成する領域を露出する。
【0051】
図18は、本実施形態のメモリセル2の製造工程における第10段階を例示する断面図である。その第10段階において、第2不純物注入領域32が形成されている領域を保護するレジスト47を形成する。そして、レジスト47で覆われていないウェル12に対し、例えば、
As 2keV 5E13/cm
程度の注入を行って、第1不純物注入領域31を形成する。
【0052】
図19は、メモリセル2の製造工程における第11段階を例示する断面図である。その第11段階において、第2不純物注入領域32を覆っていたレジスト47を除去する。本実施形態のメモリセル2において、ソース拡散層26に高電圧が印加される。また、ビット拡散層25側のセレクトゲート22は、セレクタの役割を果たす。上述の第8〜第11段階において、第1不純物注入領域31と第2不純物注入領域32を形成するときの条件は、素子の特性に対応して変更可能である。
【0053】
図20は、メモリセル2の製造工程における第12段階を例示する断面図である。その第12段階において、サイドウォール絶縁膜29とサイドウォール絶縁膜30とを構成するための絶縁膜45を形成する。図21は、メモリセル2の製造工程における第13段階を例示する断面図である。その第13段階において、絶縁膜45と絶縁膜43とを同時的にエッチバックして、サイドウォール絶縁膜29とサイドウォール絶縁膜30とを形成する。また、このとき、メモリゲート21の上部の絶縁膜43も除去して、その表面を露出する。セレクトゲート22の外側のサイドウォール絶縁膜29や、アシストゲート23の外側のサイドウォール絶縁膜30は、シリコン基板やゲート表面をシリサイド化するときに、ブリッジング(ショート)を防止する。
【0054】
図22は、メモリセル2の製造工程における第14段階を例示する断面図である。その第14段階において、形成した3つのゲート(メモリゲート21、セレクトゲート22、アシストゲート23)、及び、サイドウォール絶縁膜29、サイドウォール絶縁膜30をマスクとして、ビット拡散層25とソース拡散層26とをイオン注入で形成する。具体的には、セレクトゲート22の外側に対応するウェル12と、アシストゲート23の外側に対応するウェル12とに同時的に不純物を注入して、ビット拡散層25とソース拡散層26を形成する。ビット拡散層25とソース拡散層26とを形成する工程において、例えば、
As 数keV 5E15/cm
程度の注入を行うことが好ましい。
【0055】
上述のように、リソグラフィーにより形成したメモリゲート21と、そのメモリゲート21とウェル12(または基板)との間に電荷蓄積層(ONO膜)24を形成する。そのメモリゲート21の隣に、セレクトゲート22、アシストゲート23を形成し、そのメモリゲート21とセレクトゲート22との間を、電荷蓄積層(ONO膜)24と異なる絶縁膜27で絶縁する。同様に、メモリセル21とアシストゲート23との間を、電荷蓄積層(ONO膜)24と異なる絶縁膜28で絶縁する。セレクトゲート22の外側に形成する拡散層を、浅い接合となるように形成し、アシストゲート23の外側の拡散層は、アシストゲート23に大きくオーバーラップするように形成する。これによって、メモリゲート21を基準にしたときに、非対称なメモリセル2が形成されることとなる。
【0056】
本実施形態のメモリセル2は、保持特性の改善と、ホットホール消去の採用による消去時の動作電圧の低電圧化とを実現している。具体的には、本実施形態のメモリセル2は、保持劣化の要因となる“ミスマッチ”と呼ばれる現象の発生を、構造的に回避することができる。また、SSI(Source Side Injection)によるチャネルホットエレクトロン注入技術を用いた書き込みと、BTBT(Band To Band Tunneling)によるホットホール消去とを行うことが可能である。
【0057】
[第2実施形態]
上述の製造工程において、リソグラフィー工程とエッチング工程とを追加して、セレクトゲート22とアシストゲート23とを、異なる大きさにしても良い。セレクトゲート22とアシストゲート23との大きさを変えることで、上述の“ミスマッチ”を低減させ、保持特性を改善しつつ、メモリセル2のサイズを小さくすることが可能となる。
【0058】
以下に、図面を参照して、本願発明の第2実施形態について説明を行う。図23は、第2実施形態のメモリセル2の構成を例示する断面図である。第2実施形態のメモリセル2は、セレクトゲート22のゲート長とアシストゲート23のゲート長とが異なっている。セレクトゲート22とアシストゲート23とを非対称にすることで、第1実施形態のメモリセル2と同様に、
第1長さL1>第2長さL2
となるような、チャネル領域を形成することが可能となる。また、図23に示されているように、第2実施形態のメモリセル2は、
第3長さL3≒第4長さL4
となるように、第1不純物注入領域31と第2不純物注入領域32とが形成されている。セレクトゲート22とアシストゲート23とを、図23に例示されているような形状にすることで、第3長さL3や第4長さL4に依存することなく、第1実施形態のメモリセル2と同様の機能を有するメモリセル2を構成することが可能となる。
【0059】
図24は、第2実施形態のメモリセル2の他の構成を例示する断面図である。図24に例示されているメモリセル2は、セレクトゲート22とアシストゲート23とを非対称とし、第1不純物注入領域31と第2不純物注入領域32とを概ね対称に形成している。このような第1不純物注入領域31と第2不純物注入領域32とを構成することで、第2実施形態のメモリセル2を製造する場合の工程数を削減することが可能である。
【0060】
上述のように、本願発明のメモリセル2は、セレクトゲートによるメモリセルの選択と、チャネルホットエレクトロン注入による書き込みと、ホットホール消去とを実現するように、セレクトゲート側チャネル領域34とアシストゲート側チャネル領域35とが構成されているものであれば、第1オーバーラップ領域36の第3長さL3や、第2オーバーラップ領域37の第4長さL4に依存しない。
【0061】
以上、本願発明の実施の形態を具体的に説明した。本願発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。また、上述の複数の実施形態は、その構成・動作に矛盾が生じない範囲において、組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…不揮発性半導体記憶装置
2…メモリセル
3…ビット線
4…ソース線
5…メモリゲート配線
6…アシストゲート配線
7…セレクトゲート配線
11…半導体基板
12…ウェル
21…メモリゲート
22…セレクトゲート
23…アシストゲート
24…電荷蓄積層(ONO膜)
24−1…ボトムシリコン酸化膜
24−2…シリコン窒化膜
24−3…トップシリコン酸化膜
25…ビット拡散層
26…ソース拡散層
27…絶縁膜
28…絶縁膜
29…サイドウォール絶縁膜
30…サイドウォール絶縁膜
31…第1不純物注入領域
32…第2不純物注入領域
33…中間チャネル領域
34…セレクトゲート側チャネル領域
35…アシストゲート側チャネル領域
36…第1オーバーラップ領域
37…第2オーバーラップ領域
38…電圧配置テーブル
38−1…レコード
38−2…レコード
38−3…レコード
41…メモリゲート用ポリシリコン膜
42…レジスト
43…絶縁膜
44…サイドウォールゲート用ポリシリコン
45…絶縁膜
46…レジスト
47…レジスト
L1…第1長さ
L2…第2長さ
L3…第3長さ
L4…第4長さ
101…メモリセル
102…P型ウェル
106…ゲート絶縁膜
115…積層膜
115a…酸化シリコン膜
115b…窒化シリコン膜
115c…酸化シリコン膜
117…メモリゲート
118…選択ゲート
120…不純物拡散層
121…不純物拡散層
151…領域
152…領域
200…メモリセル
201…半導体基板
202…ソース不純物拡散層
203…ドレイン不純物拡散層
204…電荷保持膜
204−1…ボトムシリコン酸化膜
204−2…電荷捕獲膜
204−3…トップシリコン酸化膜
204a…記憶部
204b…記憶部
205…メモリゲート電極
206a…シリコン酸化膜
206b…シリコン酸化膜
207a…サイドウォールゲート電極
207b…サイドウォールゲート電極
Ch1…外側チャネル領域
Ch2…内側チャネル領域
Ch3…外側チャネル領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に設けられた電荷蓄積層と、
前記電荷蓄積層を介して前記基板の上に設けられたメモリゲートと、
前記メモリゲートの第1の側方に、第1絶縁膜を介して配置された第1サイドゲートと、
前記メモリゲートの前記第1の側方の反対の第2の側方に、第2絶縁膜を介して配置された第2サイドゲートと、
前記第1サイドゲート側の前記基板に設けられた第1不純物注入領域と、
前記第2サイドゲート側の前記基板に設けられた第2不純物注入領域と、
前記第1不純物注入領域と前記第2不純物注入領域との間に設けられたチャネル領域と
を具備し、
前記チャネル領域は、
前記電荷蓄積層と前記基板との界面に対応する第1領域と、
前記第1領域と前記第1不純物注入領域との間のセレクト側領域と、
前記第1領域と前記第2不純物注入領域との間のアシスト側領域と
を含み、
前記セレクト側領域の長さは、前記アシスト側領域の長さよりも長い
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記セレクト側領域は、
前記第1サイドゲートにおけるオフリークを抑制することが可能なゲート長方向の長さを有し、
前記アシスト側領域は、
前記第2サイドゲートの下で発生したホットホールを前記電荷蓄積層に供給することが可能となるようなゲート長方向の長さを有する
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第1不純物注入領域は、
前記第1サイドゲートに、第1の長さで重なる第1オーバーラップ領域を含み、
前記第2不純物注入領域は、
前記第2サイドゲートに、前記第1の長さよりも長い第2の長さで重なる第2オーバーラップ領域を含む
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第2オーバーラップ領域は、
前記第2サイドゲートの下で発生したホットホールを前記電荷蓄積層に供給することが可能となるような実効チャネル長を与える
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第1オーバーラップ領域は、
前記第1サイドゲートにおけるオフリークを抑制することが可能な実効チャネル長を与える
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項3から5の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第1サイドゲートは、
前記第1絶縁膜を介して前記基板の上に配置され、
前記第1オーバーラップ領域は、
前記基板と前記第1絶縁膜との界面から、第1の深さの位置に、前記第1不純物注入領域と前記基板との境界を有し、
前記第2サイドゲートは、
前記第2絶縁膜を介して前記基板の上に配置され、
前記第2オーバーラップ領域は、
前記基板と前記第2絶縁膜との界面から、前記第1の深さよりも深い第2の深さの位置に、前記第2不純物注入領域と前記基板との境界を有する
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第1サイドゲートは、
第1ゲート長を有し、
前記第2サイドゲートは、
前記第1ゲート長よりも短い第2ゲート長を有する
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第2不純物領域に印加される電圧と前記第2サイドゲートに印加される電圧とに基づいて、前記第2サイドゲートの下にホットホールを発生させ、
前記電荷蓄積層は、
前記ホットホールが注入されることでデータが消去された状態となる
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項9】
請求項8に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第1不純物注入領域に印加される電圧と前記第2不純物注入領域に印加される電圧とに応じて発生したチャネルホットエレクトロンを、前記第1サイドゲートの下で加速させ、
前記電荷蓄積層は、
前記第1サイドゲートの下で加速した前記チャネルホットエレクトロンが注入されることで、データが書き込まれた状態となる
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第1サイドゲートを、選択トランジスタのゲート電極として機能させ、
前記第1不純物注入領域から前記第2不純物注入領域まで流れるドレイン電流に基づいて、データの読み出しを実行する
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項11】
(a)電荷蓄積層を介して基板の上に配置されるメモリゲートを形成するステップと、
(b)前記基板の表面と、前記メモリゲートの表面とを覆う絶縁膜を形成するステップと、
(c)前記絶縁膜を覆う導電材料を形成するステップと、
(d)前記導電材料をエッチバックして、前記メモリゲートの側方に、サイドウォール形状の第1サイドゲートと第2サイドゲートとを形成するステップと、
(e)前記第1サイドゲートの外側の前記基板に、前記電荷蓄積層と前記基板との界面の、前記第1サイドゲート側の端部から第1距離の位置に端部を有する第1不純物注入領域を形成するステップと、
(f)前記第2サイドゲートの外側の前記基板に、前記界面の前記第2サイドゲート側の端部から、前記第1距離より短い第2距離の位置に端部を有する第2不純物注入領域を形成するステップと
を具備する
不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、
前記(e)ステップは、
前記第1サイドゲートの外側の前記基板に、前記第1サイドゲートに第3距離で重なる第1オーバーラップ領域を含むように前記第1不純物注入領域を形成するステップを含み、
前記(f)ステップは、
前記第2サイドゲートの外側の前記基板に、前記第2サイドゲートに前記第3距離よりも長い第4距離で重なる第2オーバーラップ領域を含むように前記第2不純物注入領域を形成するステップを含む
不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、
前記(e)ステップは、
前記第1オーバーラップ領域が、前記基板と前記絶縁膜との界面から、第1の深さになるように前記第1不純物注入領域を形成するステップを含み、
前記(f)ステップは、
前記第2オーバーラップ領域が、前記基板と前記絶縁膜との界面から、前記第1の深さよりも深い第2の深さになるように前記第2不純物注入領域を形成するステップを含む
不揮発性半導体記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−210886(P2011−210886A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76198(P2010−76198)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】