説明

不揮発性記憶装置およびその製造方法

【課題】不揮発性記憶装置およびその製造方法に関し、抵抗変化材料を利用したメモリの信頼性の向上を実現する。
【解決手段】積半導体素子を形成する基板の上方に、第1方向に延伸するように複数の金属配線層2を設け、金属配線層2のさら上方に、前記第1方向に直交する第2方向に延伸するように複数の金属配線層3を設ける。また、金属配線層2と金属配線層3とが交差する空間のそれぞれにメモリセルを設ける。前記メモリセルは、選択素子と相変化材料層7とが並列接続された構成とする。ここで、前記選択素子の前記第1方向の寸法が、相変化材料層7の前記第1方向の寸法よりも大きくなるように加工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性記憶装置およびその製造方法に関し、特に、電気的に書き換え可能な相変化メモリおよびその製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、微細化の限界に近付いているフラッシュメモリに代わる不揮発性記憶装置として、抵抗変化型メモリが研究されている。その一例として、記憶素子にカルコゲナイド(chalcogenide)を用いた相変化メモリが盛んに研究されている。この記憶素子は、金属電極の間に相変化材料(例えばカルコゲナイド)を配置したものである。
【0003】
GeSbTeなどのカルコゲナイドの抵抗値は、印加電流により発生されるジュール熱により、アモルファス状態と結晶状態とに変化させることができる。カルコゲナイドはアモルファス状態では抵抗値が高く、結晶状態では抵抗値が低い。これらの抵抗値が、相変化メモリの記憶情報に対応している。
【0004】
相変化メモリの基本的なメモリセルの構造は、記憶素子(相変化材料層)と選択素子とを組み合わせた構造である。
【0005】
また、相変化メモリは、不揮発性でありながら、書込み・読出しの動作がDRAM(Dynamic Random Access Memory)と同程度に高速であると予想され、かつセル面積をフラッシュメモリと同程度に縮小可能であることから、次世代不揮発性メモリとして有力視されている。
【0006】
相変化メモリの書換え動作では、記憶情報に応じて、印加電流が制御される。リセット(消去)動作、すなわち情報「0」の書込み動作では、相変化材料に大電流を短時間流して相変化材料を溶解させた後、電流を急減させる。このような制御により、相変化材料が急冷されることによって、相変化材料は高抵抗のアモルファス状態へ変化する。一方、セット(書込)動作、すなわち情報「1」の書込動作では、相変化材料の結晶化温度に保持するのに十分な電流を長時間流すことにより、相変化材料は低抵抗の結晶状態へ変化する。相変化メモリの読出動作では、素子の両端に一定の電位差を与えて、素子に流れる電流を測定することにより、素子の抵抗状態を判別する。
【0007】
この相変化メモリは、微細化を進めると、カルコゲナイドの状態を変化させるために必要な電流が小さくなる。このため、原理上、微細化に向いている。相変化メモリを高集積化する方法として、特許文献1(特開2008−160004号公報)に、ゲート電極材料と絶縁膜を交互に複数積層した積層構造に、前記積層構造の全層を貫く複数の貫通孔を一括加工で形成し、前記貫通孔の内側にゲート絶縁膜、チャネル層、相変化膜を順に成膜して加工する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−160004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは本願に先立ち、特許文献1の図19に記載されているようなカルコゲナイド材料とダイオードを用いたユニットセルの選択動作を検討した。特に、大電流が印加されるリセット(消去)動作における選択動作について検討した。図44には、特許文献1の図19(c)に記載のユニットセル構造と同様の構造を有するユニットセルの等価回路図を比較例として示している。
【0010】
図44に示す比較例のユニットセルは、半導体基板(図示しない)上に形成されたビット線BLとソース線SLとの間に形成される。本ユニットセルの構造は、縦型トランジスタTReと四つのメモリセルMCj(j=1〜4)が直列接続されたものである。縦型トランジスタTReはソース線をなす配線層の上に形成され、縦型トランジスタTRe上に、メモリセルMCj(j=1〜4)が順に積み重ねられている。メモリセルMCj(j=1〜4)のそれぞれは、トランジスタTRkと抵抗変化素子HRk((j,k)=(1,a),(2,b),(3,c,(4,d))が並列接続された構造を有している。
【0011】
ここで、図44の下から一段目〜三段目のメモリセルMC1〜MC3が非選択状態にあり、下から四段目のメモリセルMC4が選択状態にあるものと仮定し、特に三段目のメモリセルMC3および四段目のメモリセルMC4における素子特性の要件をについて説明する。
【0012】
まず、選択状態にある四段目のメモリセルMC4では、ビット線BLを介して供給するリセット電流IRSTを抵抗変化素子HRdに無駄なく流し込むことが望ましい。そのためには、トランジスタTRdを十分にカットオフさせる必要があるが、実際には、トランジスタTRdにリーク電流ILK_TRdが流れる。したがって、トランジスタTRdのカットオフ特性は、抵抗変化素子HRdに流れる電流IRST_HRd(=リセット電流IRST−リーク電流ILK_TRd)が、抵抗変化素子HRdを高抵抗化するのに必要なリセット電流IRSTよりも大きくなるようなものでなければならない。このためには、トランジスタTRdのゲート長を長くする必要がある。
【0013】
次に、非選択状態にある三段目のメモリセルMC3に注目する。選択状態にある四段目のメモリセルMC4と同様に、メモリセルMC3では、トランジスタTRcに出来るだけリセット電流IRSTを流そうとしても、実際には微量のリーク電流IUS_HRcが抵抗変化素子HRcに流れてしまう可能性がある。リーク電流IUS_HRcの大きさが大きくなった場合、抵抗変化素子HRcに記憶されている記憶情報が誤って書き換えられてしまい、不揮発性記憶装置の信頼性が低下してしまう。
【0014】
また、比較的大きいリーク電流IUS_HRcが多くの回数に渡って抵抗変化素子HRcに流れた場合、抵抗変化素子の抵抗値が上昇するなどの劣化(疲労)が起こり、メモリセルの特性が変化して不揮発性記憶装置の信頼性が低下する問題がある。
【0015】
これに対し、非選択状態のメモリセルMC3の記憶情報を保持し、また、抵抗変化素子の疲労を抑制するには、ビット線BLからメモリセルMC4を介して供給するリセット電流IRSTを、出来る限りトランジスタTRcに迂回させる必要がある。このため、トランジスタTRcの導通状態における抵抗、すなわちオン抵抗RON_TRcは、低抵抗状態における抵抗変化素子HRcの抵抗R1_HRcよりも十分に低くなければならない。言い換えると、低抵抗状態における抵抗変化素子HRcの抵抗R1_HRcを、オン抵抗RON_TRcよりも十分高くすることによって、抵抗変化素子HRcに流れ込むリーク電流IUS_HRcを抑制することができると考えられる。仮に、オン抵抗RON_TRcと抵抗R1_HRcの二つの抵抗比をn(>1)とすると、二つの抵抗の関係は抵抗R1_HRc/オン抵抗RON_TRc>nと表わすことができる。なお、非選択状態にある一段目〜二段目のメモリセルMC1〜MC2において、抵抗変化素子に流れる電流とトランジスタに流れる電流の対であるリーク電流IUS_HRaおよび電流ION_TRaならびにリーク電流IUS_HRbおよび電流ION_TRbの関係は、前述した三段目のメモリセルMC3における電流対であるリーク電流IUS_HRcおよび電流ION_TRcの関係と同じである。
【0016】
一般に、導体の抵抗率はR=ρ×L/(W×T)で示される。ここで、Rは導体の抵抗値、ρは導体の抵抗率、Lは導体の電流方向の長さである。また、右辺の分母は導体の電流方向に直角な断面積であり、Wは導体の幅、Tは導体の膜厚と便宜上呼ぶことにする。前述のn値を大きくする方法、すなわちオン抵抗RON_TRcの値を基準にした時の抵抗変化素子HRcの抵抗R1_HRcを上げる方法は、次の四通りある。
(方法1)抵抗変化素子の抵抗率ρを上げる。
(方法2)抵抗変化素子の長さLを延長する。
(方法3)抵抗変化素子の幅Wを狭くする。
(方法4)抵抗変化素子の膜厚Tを薄くする。
【0017】
このうち、上記の方法2は、特許文献1の図19(a)に記載のユニットセルでは無効である。何故ならば、特許文献1のメモリセルは図19(a)を参照すると、シリコン膜と絶縁膜が交互に積層された堆積物中に形成された孔の側壁に、チャネル層と抵抗変化膜が順に堆積させて形成されているためである。すなわち、抵抗変化素子の長さLを延長させた場合、抵抗変化素子の長さLと共にトランジスタのチャネル長も延長されてしまうので、前述の抵抗比は変わらない。
【0018】
以上を鑑みると、非選択セルにおける抵抗比を実現する手段としては、方法1、方法3および方法4が有望である。
【0019】
本発明の目的は、記憶情報の意図しない書換えおよび不揮発性メモリの劣化を防ぐことにより、不揮発性記憶装置の信頼性を向上させることにある。
【0020】
本発明の前記の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0022】
本願の一発明による不揮発性記憶装置は、
半導体基板上に形成され、
前記半導体基板の主面の第1方向に延在する複数の第1配線と、
前記複数の第1配線のそれぞれの上部に形成され、前記第1配線に電気的に接続された第1メモリセルと、
前記第1メモリセルの上部に形成され、かつ前記第1メモリセルと電気的に接続された、前記第1方向と直交する第2方向に延在する複数の第2配線と、
を有し、
前記第1メモリセルは、並列接続された第1選択素子と可変抵抗素子とを有し、
前記第1方向の前記可変抵抗素子の長さは、前記第1方向の前記第1選択素子の長さよりも小さいものである。
【0023】
また、本願の1発明により不揮発性記憶装置の製造方法は、
(a)半導体基板上にN+1層(N≧1)の第1絶縁膜とN層の第1半導体層とを交互に積層して積層膜を形成する工程と、
(b)前記積層膜を前記半導体基板の主面に沿う第1方向にストライプ状に加工して、前記積層膜からなる複数のパターンを形成する工程と、
(c)前記複数のパターンのそれぞれの側壁に第2絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記複数のパターンのそれぞれの側壁に、前記第2絶縁膜を介して第2半導体層を形成する工程と、
(e)前記第2半導体層の側面に沿って、抵抗変化材料層を形成する工程と、
(f)前記抵抗変化材料層の側面に沿って第3絶縁膜を形成し、隣り合う前記パターン同士の間を埋め込む工程と、
(g)前記第2半導体層および前記抵抗変化材料層の一部を除去することによって、前記第2半導体層および前記抵抗変化材料層を残した領域と、前記第2半導体層および前記抵抗変化材料層を除去した領域とを前記第1方向に交互に形成する工程と、
(h)前記(g)工程の後、前記抵抗変化材料層の前記第1方向の側壁の一部を除去する工程と、
を有するものである。
【発明の効果】
【0024】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0025】
本発明によれば、不揮発性記憶装置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1である相変化メモリの俯瞰図である。
【図2】本発明の実施の形態1である相変化メモリの俯瞰図である。
【図3】本発明の実施の形態1である相変化メモリの一部の断面を示す上面図である。
【図4】本発明の実施の形態1である相変化メモリのリセット動作、セット動作および読出動作を説明する図3のA−A線における断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1である相変化メモリの要部俯瞰図である。
【図6】本発明の実施の形態1である相変化メモリの動作を説明する等価回路図である。
【図7】本発明の実施の形態1である相変化メモリのリセット動作、セット動作および読出動作を説明する等価回路図である。
【図8】本発明の実施の形態1である相変化メモリの製造方法を示す俯瞰図である。
【図9】図8に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図10】図9に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図11】図10に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図12】図11に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図13】図12に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図14】図13に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図15】図14に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図16】図15に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図17】図16に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図18】図17に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図19】図18に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図20】図19に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図21】図20に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図22】図21に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図23】図22に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図24】図23に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図25】図24に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図26】図25に示す製造工程中の相変化メモリの上面図である。
【図27】図26のB−B線における断面図である。
【図28】図26のC−C線における断面図である。
【図29】図25に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図30】図29に続く相変化メモリの製造方法を説明する俯瞰図である。
【図31】図30に示す製造工程中の相変化メモリの上面図である。
【図32】図31のD−D線における断面図である。
【図33】図31のE−E線における断面図である。
【図34】図30に続く相変化メモリの製造方法を説明する断面図である。
【図35】図31に続く相変化メモリの製造方法を説明する断面図である。
【図36】図35のF−F線における断面を示す上面図である。
【図37】図35に続く相変化メモリの製造方法を説明する断面図である。
【図38】本発明の実施の形態2である相変化メモリの製造方法を示す平面図である。
【図39】図38のI−I線における断面図である。
【図40】図38のH−H線における断面図である。
【図41】図40のJ−J線における断面を示す上面図である。
【図42】図41に続く相変化メモリの製造方法を説明する上面図である。
【図43】図42のK−K線における断面図である。
【図44】比較例であるユニットセルを示す等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0028】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを省略する場合がある。
【0029】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図、俯瞰図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体基板の主面に沿うワード線およびビット線の間に選択素子であるポリシリコンダイオードと共に直列に接続された縦型チェインメモリのメモリアレイであって、各縦型チェインメモリが、絶縁層およびゲートポリシリコン層を交互に複数層重ねたストライプ状の積層膜の側壁に形成されたメモリセルを有する不揮発性記憶装置の例を示す。
【0031】
<縦型チェインメモリの基本構造>
図1に、本実施の形態の不揮発性記憶装置の俯瞰図を示す。図1には、メモリセルアレイ、配線およびコンタクトプラグの一部を示している。なお、本実施の形態の不揮発性記憶装置は半導体基板上に形成されているが、図1では半導体基板の図示を省略しており、また、メモリセルアレイMA以外の領域では、それぞれの配線またはコンタクトプラグを覆う絶縁膜を示していない。
【0032】
図1に示すように、半導体基板(図示しない)の主面に沿う方向に複数並んでストライプ状に延在する金属配線層2と、金属配線層2の上方に位置し、金属配線層2の延在方向と直交する方向に複数並んでストライプ状に延在するビット線として働く金属配線層3とが形成されている。なお、以下では金属配線層2の延在する方向を第1方向といい、金属配線層3の延在方向を第2方向という。
【0033】
複数の金属配線層2のそれぞれの下部には、金属配線層2と特定の金属配線層2を選択する配線セレクタ(図示しない)とを接続するコンタクトプラグWLCが、金属配線層2と電気的に接続されて形成されている。金属配線層2上には、p型不純物(例えばB(ホウ素))がドープされたポリシリコン層4p、低濃度の不純物がドープされたポリシリコン層5pおよびn型不純物(例えばP(リン))がドープされたポリシリコン層6pが順に積層された積層構造からなるポリシリコンダイオードPDが形成されている。ポリシリコンダイオードPDのそれぞれは柱状の形状を有しており、金属配線層2上において第1方向に一列に複数並んで配置されている。金属配線層2は第2方向に複数並んでストライプ状に形成されているため、複数の金属配線層2上のポリシリコンダイオードPDは第1方向および第2方向にマトリクス状に並んで複数配置されている。
【0034】
破線で示す領域の下部のメモリアレイMAを構成するメモリセルは、ポリシリコンダイオードPDの直上にそれぞれ形成され、ポリシリコンダイオードPDと金属配線層3とを接続するチャネルポリシリコン層を有しており、前記チャネルポリシリコン層はポリシリコンダイオードPDと同様にマトリクス状に配置されている。図示はしていないが、第2方向に隣り合うポリシリコンダイオードPD同士の間には絶縁膜31が形成されており、絶縁膜31上であって、第2方向に隣り合う前記チャネルポリシリコン層同士の間の領域には、絶縁膜31側から順に絶縁膜および導体膜が交互に積層されている。前記導体膜は前記チャネルポリシリコン層をチャネル領域とする選択トランジスタのゲートとして機能するゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24pおよび61pであり、各ゲートポリシリコン層は第1方向に延在している。第2方向に隣り合うポリシリコンダイオードPD同士の間の絶縁膜31(図示しない)上には、絶縁膜11、ゲートポリシリコン層21p、絶縁膜12、ゲートポリシリコン層22p、絶縁膜13、ゲートポリシリコン層23p、絶縁膜14、ゲートポリシリコン層24p、絶縁膜15、ゲートポリシリコン層61pおよび絶縁膜71が順に形成されている。
【0035】
メモリアレイMAの外部の領域において、メモリセルのゲートポリシリコン層21p上、22p上、23p上および24p上には、ゲートポリシリコン層21p、22p、23pおよび24pに給電するための配線GL1、GL2、GL3およびGL4がそれぞれ形成されている。選択トランジスタのゲートポリシリコン層61p上には、ゲートポリシリコン層61pに給電するためのゲート配線STGL1が形成され、他のゲートポリシリコン層61p上にはゲート配線STGL2が形成されている。ゲートポリシリコン層21p上、22p上、23p上および24p上であって、配線GL1、GL2、GL3およびGL4のそれぞれの下部には、ゲートポリシリコン層21p、22p、23pおよび24pと配線GL1、GL2、GL3およびGL4とをそれぞれ接続するコンタクトプラグGC1、GC2、GC3およびGC4が形成されている。また、ゲートポリシリコン層61pおよびゲート配線STGL1ならびに他のゲートポリシリコン層61pおよびゲート配線STGL2を接続するコンタクトプラグSTGC1、STGC2が形成されている。
【0036】
配線GL1、GL2、GL3およびGL4のそれぞれの下部には、配線GL1、GL2、GL3およびGL4と配線セレクタ(図示しない)とを接続するコンタクトプラグGLC1、GLC2、GLC3およびGLC4(図示しない)が形成され、ゲート配線STGL1、STGL2のそれぞれの下部には、ゲート配線STGL1、STGL2と配線セレクタ(図示しない)とを接続するコンタクトプラグSTGLC1、STGLC2が形成されている。また、ビット線である金属配線層3の下部には金属配線層3と配線セレクタ(図示しない)とを接続するコンタクトプラグBLCが形成されている。
【0037】
一部の構成要素、すなわちコンタクトプラグGLC4は配線GL1〜GL4などに隠れて図示されていないが、コンタクトプラグGLC1、GLC2およびGLC3がそれぞれ配線GL1、GL2およびGL3の下部に接続されているのと同様に、コンタクトプラグGLC4も配線GL4の下部に接続されている。また、ワード線である金属配線層2は、図1では図示が省略されている半導体基板(シリコン基板)上に堆積された酸化物の上部に形成されている。また、ストライプ状に並んで形成されているゲートポリシリコン層21pは、全て同一の配線GL1に電気的に接続されている。このことは、ゲートポリシリコン層22p、23pおよび24pも同様である。選択トランジスタのゲートポリシリコン層61pも同様にストライプ状に形成されているが、ストライプ状に並ぶゲートポリシリコン層61pのうち、隣り合うゲートポリシリコン層61pは、互いに絶縁された2つのゲート配線STGL1、STGL2にそれぞれ接続されていて、独立に電圧を印加することができる。すなわち、ストライプ状に並ぶゲートポリシリコン層61pは、一つ置きに同一配線に接続されているため、一本のゲートポリシリコン層61pとのその両隣のゲートポリシリコン層61p同士とは電気的に接続されていない。
【0038】
図2は図1のうち、特に破線で示す領域の下部のメモリアレイMAの部分を抜き出して示した俯瞰図である。なお、ここではポリシリコンダイオードPD同士の間を埋め込み、隣り合う金属配線層2同士の間を埋め込んでいる絶縁膜31は示していない。
【0039】
図2に示すように、メモリアレイはワード線である金属配線層2の上に形成されたポリシリコンダイオードPDと、ポリシリコンダイオードPD上であって、ビット線である金属配線層3の下部に形成されたメモリセルとを有している。ゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24pおよび61pと絶縁膜11、12、13、14、15および71の積層膜は、金属配線層2と平行な方向(第1方向)にストライプ状にパターニングされている。
【0040】
また、ゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24pおよび61pと絶縁膜11、12、13、14、15および71との積層膜からなるストライプ状の構造が、ワード線である金属配線層2同士の間のスペースの直上にそれぞれ配置されている。ビット線である金属配線層3は、金属配線層2が延在する第1方向と直交する第2方向に延在するストライプ形状の配線で、絶縁膜71上にn型のポリシリコン層38pを介して配置されている。
【0041】
ゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24pおよび61pと絶縁膜11、12、13、14、15および71とからなる積層膜同士の間のスペース部分であって、金属配線層3の直下には、ゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24p、絶縁膜11、12、13および14の側壁ならびに絶縁膜15の側壁の下部に、ゲート絶縁膜である絶縁膜9、チャネルポリシリコン層8p、拡散防止膜10、相変化材料層7が順に形成されている。拡散防止膜10は、相変化材料層7およびチャネルポリシリコン層8p間の不純物などの拡散を防止するための層である。すなわち、ストライプ状に形成されたゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24p、61p、絶縁膜11、12、13、14、15および71からなる積層膜であって、隣り合う前記積層膜同士の対向する側壁にはそれぞれ絶縁膜9、チャネルポリシリコン層8p、拡散防止膜10、相変化材料層7が順に形成されている。さらに、隣り合う前記積層膜の対向する側壁にそれぞれ形成された相変化材料層7同士の間には絶縁膜91が埋め込まれている。第2方向における拡散防止膜10と絶縁膜91との間であって、相変化材料層7が除去されている部分には絶縁膜33が埋め込まれている。
【0042】
また、絶縁膜15の側壁の上部、ゲートポリシリコン層61p、絶縁膜71の下部のそれぞれの側壁には、絶縁膜9、チャネルポリシリコン層8pが順に形成されており、第2方向に向かい合う絶縁膜15の側壁の上部、ゲートポリシリコン層61p、絶縁膜71の下部のそれぞれの側壁に形成されたチャネルポリシリコン層8p同士の間には絶縁膜92が埋め込まれている。絶縁膜71の上部の側壁には絶縁膜9、ポリシリコン層38pが積層されている。
【0043】
ゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24p、61p、絶縁膜11、12、13、14、15および71の積層膜同士の間のスペース部分であって金属配線層3の下部の底部では、ポリシリコン層6pの上面とチャネルポリシリコン層8pとが接触している。金属配線層3とポリシリコンダイオードPDとは、ポリシリコン層38pおよびチャネルポリシリコン層8pを介して、ゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24p、61p、絶縁膜11、12、13、14、15および71からなる積層膜同士の対向する側壁のそれぞれの近傍で接続されている。
【0044】
すなわち、絶縁膜9はゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24p、61p、絶縁膜11、12、13、14、15および71からなる積層膜の側壁の全面に形成されており、チャネルポリシリコン層8pは絶縁膜9の片方の側壁と、ポリシリコン層6pの上面とにかけて連続的に形成されたU字型の断面形状を有している。ただし、チャネルポリシリコン層8pの最上端はゲートポリシリコン層61pの上面よりも上方の位置であって絶縁膜71の上面よりも下方に位置している。チャネルポリシリコン層8pの最上端の直上には、チャネルポリシリコン層8pと接してポリシリコン層38pが形成されている。ポリシリコン層38pは絶縁膜9の片方の側壁および上面ならびに絶縁膜71の上面にかけて連続的に形成されており、その上面は金属配線層3と接している。
【0045】
また、拡散防止膜10、相変化材料層7および絶縁膜91のそれぞれの最上端はゲートポリシリコン層24pの上面よりも上方であってゲートポリシリコン層61pの下面よりも下方に位置している。拡散防止膜10、相変化材料層7および絶縁膜91の直上であって、金属配線層3の下部には絶縁膜92が埋め込まれている。
【0046】
ゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24p、61p、絶縁膜11、12、13、14、15および71からなる積層膜同士の間のスペース部分であって、かつ、隣り合う金属配線層3同士の間のスペース部分の直下では、チャネルポリシリコン層8p、ポリシリコン層38p、相変化材料層7および拡散防止膜10は除去されており、ポリシリコンダイオードPDも形成されていない。このスペース部分には、図2では示されていないが、絶縁膜33が埋め込まれている。すなわち、チャネルポリシリコン層8p、38p、相変化材料層7、拡散防止膜10および絶縁膜91は、ゲートポリシリコン層21p、22p、23p、24p、61p、絶縁膜11、12、13、14、15および71からなる積層膜と、前記積層膜同士の間のスペースであって、隣り合う金属配線層3同士の間のスペースの直下に埋め込まれた絶縁膜33とにより囲まれた領域(以下、本実施の形態では、「接続孔」と呼ぶ)に形成される。
【0047】
図2に示すように、相変化材料層7はそれぞれのポリシリコンダイオードPDの第1方向の端部の直上には形成されていない。つまり、第1方向の相変化材料層7の幅は同方向のチャネルポリシリコン膜8pの幅よりも狭い。
【0048】
図3は、図2に示したメモリセルの一部であって、ゲートポリシリコン層21pを含む半導体基板の主面に平行な面での断面である上面図を示したものである。図3には、ゲートポリシリコン層21pを挟んで形成された二箇所の接続孔内に形成された二つのメモリセルを示している。
【0049】
図4は、本実施の形態のメモリセルアレイに含まれる接続孔の一つを示す断面図であって、図3のA−A線における断面図である。絶縁膜31は、図1および図2では図をわかりやすくするために示していなかった膜であり、ポリシリコンダイオードPD同士の間のスペースに埋め込まれている。
【0050】
本実施の形態の不揮発性記憶装置の特徴は、図3に示した上面図から明らかなように、相変化材料層7の第1方向(ワード線方向)の長さ(以下、本実施の形態では、「線幅」と呼ぶ)である線幅WGSTがチャネルポリシリコン層8pの第1方向(ワード線方向)の長さである線幅WSIよりも短い点にある。また、図3に示すように、ゲートポリシリコン層21p同士の間であって絶縁膜91、相変化材料層7、拡散防止膜10、チャネルポリシリコン層8pおよび絶縁膜9が形成されていない領域には絶縁膜33が埋め込まれている。第1方向における相変化材料層7の線幅はチャネルポリシリコン層8pの線幅より短いため、チャネルポリシリコン層8pおよび拡散防止膜10と絶縁膜91との間の領域であって相変化材料層7が形成されていないスペースには絶縁膜33が形成されている。
【0051】
また、図2の俯瞰図に破線で示したメモリセルMCを拡大すると、図5に示すような構造になる。図5は一つのメモリセルを拡大して示す要部俯瞰図であり、図5では絶縁膜33、91およびゲートポリシリコン層21pの上下の絶縁膜を示していない。図5に示すように、ゲートポリシリコン層21pの両側の側壁には絶縁膜9を介してチャネルポリシリコン層8p、拡散防止膜10およびチャネルポリシリコン層8pの線幅WSIよりも狭い線幅WGSTを有する相変化材料層7がそれぞれ形成されている。
【0052】
図3〜図5に示すように、一つのメモリセルMCはチャネルポリシリコン層8pおよび相変化材料層7を含んでいる。このメモリセルMCのチャネルポリシリコン層8pおよび相変化材料層7のどちらに電流を流すかを制御する選択トランジスタは、当該メモリセルMCの側壁に形成されたゲートポリシリコン層(例えばゲートポリシリコン層21p)および当該ゲートポリシリコン層と絶縁膜9により隔てられたチャネルポリシリコン層8pにより構成される。
【0053】
このような構造体にすることによって、セット状態における相変化材料層7の抵抗値をON状態におけるトランジスタの抵抗値よりも高くすることができる。このような寸法にする必然性については、縦型チェインメモリの動作を説明した後に詳述する。
【0054】
<縦型チェインメモリの動作>
図6は、図4の断面図に記載されている素子の等価回路図である。すなわち、一つの接続孔内に形成された複数のメモリセルを示しており、一つの接続孔内には、直列に接続された複数のメモリセルおよび一つの選択トランジスタが並列に二列接続されて形成されている。以下では、図6に従って、メモリセルの動作を説明する。図6では、破線で囲まれたメモリセルのうち、選択されていない(書き換えを行わない、または読み出しを行わない)メモリセルを非選択セルUSMC1とし、選択する(書き換えを行う、または読み出しを行う)メモリセルを選択セルSMCとして示している。
【0055】
まず、選択セルSMCが接続されている配線GL1には0Vを印加し、チャネルポリシリコン層8pをチャネルとするトランジスタをカットオフ状態にする。選択セルSMCが接続されていない配線GL2、GL3およびGL4には5Vを印加し、トランジスタを導通状態にする。ビット線BL1には0V、ワード線WL1にはリセット動作時、セット動作時、読出し動作時にそれぞれ5、4、2Vを印加する。選択トランジスタのゲートポリシリコンは、選択セルSMCと接続されている側のゲート、すなわちゲート配線STGL1に5Vを印加させ、トランジスタを導通状態にする。選択セルSMCが接続されていない側のゲート、すなわちゲート配線STGL2には0Vを印加しトランジスタをカットオフ状態にする。
【0056】
非選択セルUSMC1では、トランジスタが導通状態となることにより、そのチャネルの抵抗が低くなる。また、ゲート配線STGL1が5Vに駆動されることにより、対応する選択トランジスタは導通状態になっており、そのチャネルポリシリコン層8pも低抵抗状態になっている。本実施の形態の相変化メモリでは、前述したとおり、セット状態における相変化材料層7の抵抗値が、導通状態におけるトランジスタの抵抗値よりも十分に高くなるように、相変化材料層7の線幅が、チャネルポリシリコン層8pの線幅よりも狭く形成されているので、非選択セルUSMC1に入力された電流の殆どは、トランジスタを流れる。よって、非選択セルUSMC1において相変化材料層7にリーク電流が流れることを防ぎ、相変化材料層7の抵抗値が意図せずに変化することを防ぐことができる。すなわち、誤書込み動作が起こることを回避することができる。また、相変化材料層7への電荷注入が抑制されるので、相変化材料層7の電気特性の劣化、所謂疲労を防ぐことができる。
【0057】
一方、選択セルSMCでは、トランジスタがカットオフ状態であるため、入力電流の大半は相変化材料層7を流れる。リセット動作、セット動作では、相変化材料層7を流れる電流によって、相変化材料層7の抵抗値が変わり、情報が記憶される。読出し動作で、相変化材料層7の抵抗値に応じて流れる電流値を分別することによって、記憶情報を検知する。
【0058】
非選択セルUSMC2、USMC3におけるトランジスタのゲート電圧のそれぞれは、選択セルSMC、非選択セルUSMC1のトランジスタと共通であるので、非選択セルUSMC2のトランジスタはカットオフ状態、非選択セルUSMC3のトランジスタは導通状態である。しかし、ゲート配線であるゲート配線STGL2が0Vに保持されることによって、対応する選択トランジスタはOFF状態に保たれているので、非選択セルUSMC2、USMC3を経由した電流は流れない。以上から、選択セルSMCの相変化材料層7に対してのみ、必要な電流を印加するような選択動作が実現できる。
【0059】
<相変化材料層の形状>
縦型チェインメモリにおける相変化材料層7の特徴は、図3および図5に示したように、相変化材料層7のワード線方向(第1方向)の長さ、すなわち線幅WGSTがチャネルポリシリコン層8pの同方向の線幅WSIよりも短い点にある。このような構造にすることの目的は、非選択セルにおいて、低抵抗状態における相変化材料層7の抵抗値を導通状態におけるトランジスタの抵抗値よりも高くすることにある。以下では、相変化材料層7の抵抗値の調整手段として、線幅WGSTを細くする方法を採用した理由を説明する。
【0060】
一般に、導体の抵抗率はR=ρ×L/(W×T)である。ここで、前述の式において、Rは導体の抵抗値、ρは導体の抵抗率、Lは導体の電流方向の長さ、Wは導体の幅、Tは導体の膜厚をそれぞれ示している。トランジスタの導通状態における抵抗値(以下では、オン抵抗値と呼ぶ)を基準にしたとき、低抵抗状態における抵抗変化素子の抵抗値を上げる方法は、次のように四通りの方法が考えられる。
(方法1)抵抗変化素子の抵抗率ρを上げる。
(方法2)抵抗変化素子の長さLを延長する。
(方法3)抵抗変化素子の幅Wを狭くする。
(方法4)抵抗変化素子の膜厚Tを薄くする。
【0061】
ここで、方法2を本縦型チェインセルに適用することができないことは、図2または図4から明らかなように、次の理由による。すなわち、本メモリセルは、シリコン膜と絶縁膜が交互に積層された堆積物中に形成された孔の側壁に、チャネル層と抵抗変化膜を順に堆積させて形成される。このため、トランジスタのチャネル長(チャネルポリシリコン層8pの長さ)と共に、相変化材料層7の長さも延長されてしまうので、トランジスタのオン抵抗値を維持しながら、低抵抗状態における抵抗変化素子の抵抗値だけを上げることができない。
【0062】
次に、方法4は、成膜条件の調整により、抵抗変化素子の膜厚(ここでは、金属配線層3で形成されたビット線が延伸する方向(第2方向)の寸法)を薄くすることは容易である。しかし、ビットコスト低減要求の強い不揮発性記憶装置では、チップ面積の大半を占めるメモリセルを出来る限り小さく形成することが重要である。そこで、最先端加工技術を用いて形成された直径数十ナノメートルの孔の中に成膜される抵抗変化膜の厚さは、僅か数ナノメートル程度に過ぎなくなる(例えば3ナノメートル程度)。このように極端に薄い抵抗変化膜においては、抵抗変化現象が発現し難くなる虞がある。したがって、将来的には、有効性を失うものと推察される。
【0063】
一方、方法1は次に述べる理由により、次善の策とするのが望ましい。すなわち、抵抗変化素子の抵抗率ρは、抵抗変化素子の物性に依存するので、抵抗変化素子の抵抗率ρを上げるには、所望の抵抗値に応じた新材料を導入する必要がある。しかし、抵抗変化素子の材料を変更すると、メモリセルの動作特性が変わってしまう虞がある。したがって、相変化材料の抵抗値調整の全てを、新材料に頼るのは困難であると推察される。また、抵抗率ρのみを上げるだけでは抵抗変化素子に流れるリーク電流を低減することが困難となることが考えられるため、抵抗変化素子の抵抗率ρを上昇させるか否かに関わらず、構造的に抵抗変化素子の抵抗値を上昇させる方法を採用することが重要となる。
【0064】
以上の考察により、必然的に、方法3が抵抗値の調整手段と好ましいことがわかる。
【0065】
<メモリセルアレイ構成と選択動作>
本実施の形態のメモリセルアレイは、複数のビット線と複数のワード線とのそれぞれの交点におけるビット線とワード線との間に形成された、縦型チェインメモリおよびポリシリコンダイオードPDで構成されている。図7では、本実施の形態の相変化メモリのリセット動作、セット動作および読出し動作を行う際の、ビット線BL1、BL2、BL3、ワード線WL1、WL2、WL3、配線GL1、GL2、GL3、GL4、ゲート配線STGL1およびSTGL2の電位の関係を示している。図7では、ビット線BL1とワード線WL1との交点に接続された縦型チェインメモリにおけるポリシリコンダイオードPDにだけ順バイアスを印加し、必要な電流が流れるようにするために、リセット動作時、セット動作時、読出し動作時のワード線WL1の電位は、図4と同様に5/4/2Vに設定している。また、ビット線BL1の電位は、常時0Vとしている。このような電圧設定下、縦型チェインメモリ内において、図4を用いて説明した制御が行われることにより、選択セルSMCのみを選択することが可能となる。
【0066】
なお、図7の他の端子についても同様に、順にリセット動作時、セット動作時および読出し動作時の電位が表されている。ビット線BL2またはビット線BL3と接続され、ワード線WL1と接続された縦型チェインメモリでは、ビット線とワード線の電位がリセット動作時には共に5V、セット動作時には共に4V、読出動作時には共に2Vであり、ビット線およびワード線の間に電位差がないので電流が流れない。また、ビット線BL1に接続され、ワード線WL2またはワード線WL3と接続された縦型チェインメモリでは、ビット線およびワード線の電位がリセット動作時、セット動作時および読出動作時のいずれにおいても0Vであり、ビット線とワード線との間に電位差がないので電流が流れない。また、ビット線BL2またはビット線BL3と接続され、ワード線WL2またはワード線WL3と接続された縦型チェインメモリでは、リセット動作時にはワード線とビット線にそれぞれ0Vと5V、セット動作時にはワード線とビット線にそれぞれ0Vと4V、読出し動作時にはワード線とビット線にそれぞれ0Vと2Vが印加されているので、縦型チェインメモリを選択するポリシリコンダイオードPDには、逆バイアス方向電圧が印加される。ポリシリコンダイオードPDの耐圧は5Vより大きくなるように作製することができるので、上記の電圧設定によって、ビット線BL2、BL3とワード線WL2、WL3との交点に配置された縦型チェインメモリには、大電流が流れない。以上により、マトリクス状に配置された複数の縦型チェインメモリのうち、選択した縦型チェインメモリにのみ電流を流すことができる。
【0067】
<製造方法>
以下では、図8〜図37を用いて、本実施の形態における不揮発性記憶装置の製造方法を説明する。なお、図8〜図25、図29および図30は本実施の形態の不揮発性記憶装置の製造方法を説明する俯瞰図である。また、図26、図31および図36は本実施の形態の不揮発性記憶装置の製造方法を説明する上面図である。また、図27、図28、図32〜図35および図37は本実施の形態の不揮発性記憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【0068】
まず、図8に示すように、周辺回路(図示しない)とコンタクトプラグWLC(図示しない)とが形成された半導体基板1上に層間絶縁膜30、ワード線となる金属配線層2、p型不純物(例えばB(ホウ素))がドープされたアモルファスシリコン層4a、低濃度の不純物がドープされたアモルファスシリコン層5a、およびn型不純物(例えばP(リン))がドープされたアモルファスシリコン層6aを順に成膜する。このときの性膜工程では、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いる。
【0069】
次に、図9に示すように、図8を用いて説明した工程で成膜したアモルファスシリコン層4a、5a、6aおよび金属配線層2を第1方向に延在するストライプ状のパターンに加工する。アモルファスシリコン層4a、5aおよび6aからワード線である金属配線層2までを自己整合的に一括して加工していることから、第1方向に対しては、金属配線層2とアモルファスシリコンピラーの各層とには積層ずれが発生せず、メモリ動作の信頼性を高めることができる。なお、図9以降の図では半導体基板1の図示を省略する。
【0070】
続いて、図9を用いて説明した工程により形成したストライプ状の積層膜同士の間のスペースを、図10に示すように絶縁膜31で埋め込む。その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法で絶縁膜31の上部を除去して平坦化した後、図11に示すようにアモルファスシリコン層6aの上表面を露出させる。
【0071】
次に、図12に示すように、例えばCVD法により、絶縁膜11、アモルファスシリコン層21a、絶縁膜12、アモルファスシリコン層22a、絶縁膜13、アモルファスシリコン層23a、絶縁膜14、アモルファスシリコン層24a、絶縁膜15、アモルファスシリコン層61aおよび絶縁膜71を順に成膜する。
【0072】
次に、図13に示すように、図12を用いて説明した工程で成膜した積層膜を、第1方向に延在するストライプ状に加工する。その際、金属配線層2の直上に、絶縁膜11、アモルファスシリコン層21a、絶縁膜12、アモルファスシリコン層22a、絶縁膜13、アモルファスシリコン層23a、絶縁膜14、アモルファスシリコン層24a、絶縁膜15、アモルファスシリコン層61aおよび絶縁膜71からなる積層膜のストライプのスペース部分が配置されるように加工する。すなわち、絶縁膜11、アモルファスシリコン層21a、絶縁膜12、アモルファスシリコン層22a、絶縁膜13、アモルファスシリコン層23a、絶縁膜14、アモルファスシリコン層24a、絶縁膜15、アモルファスシリコン層61aおよび絶縁膜71からなる積層膜は絶縁膜31の直上に配置され、ポリシリコンダイオードPDの直上には配置されない。
【0073】
このとき、絶縁膜11、アモルファスシリコン層21a、絶縁膜12、アモルファスシリコン層22a、絶縁膜13、アモルファスシリコン層23a、絶縁膜14、アモルファスシリコン層24a、絶縁膜15、アモルファスシリコン層61aおよび絶縁膜71からなる積層膜の第2方向の幅は、絶縁膜31の同方向の幅に対して細く形成しておいても良い。このような構成にすることにより、後述する絶縁膜9を成膜した時、隣り合う前記積層膜同士の間のスペース部分の第2方向の幅がアモルファスシリコン層4a、5aおよび6aの同方向の幅よりも狭くならないようにすることができる。
【0074】
次に、図14に示すように、図13を用いて説明した工程で形成したストライプパターンのスペースを完全には埋め込まないように、例えばCVD法により絶縁膜9を成膜する。その後、図15に示すように絶縁膜71上の絶縁膜9と、アモルファスシリコン層6aの上面の絶縁膜9とをエッチバックにより除去する。これにより、絶縁膜9は図13を用いて説明した工程で形成したストライプパターンのそれぞれのパターンの両側の側壁のみに残る。
【0075】
次に、図16に示すように、半導体基板(図示しない)の主面の全面上に、チャネルポリシリコン層8p(図示しない)となるアモルファスシリコン層8aと絶縁膜51とを形成する。アモルファスシリコン層8aは、図13を用いて説明した工程で形成したストライプパターンのスペースが完全には埋め込まれないようにCVD法などにより成膜し、絶縁膜51は前記スペースを完全に埋め込むようにCVD法などにより成膜する。つまり、このときアモルファスシリコン層6aの上面はアモルファスシリコン層8aの下面と接しており、絶縁膜71の上面はアモルファスシリコン層8aに接している。
【0076】
次に、図17に示すように、n型の不純物であるヒ素(As)、あるいはリン(P)をイオン打ち込み法で半導体基板(図示しない)の主面に対して垂直な方向から打ち込み、絶縁膜51を介してアモルファスシリコン8a層の上部にドープする。ドープされたアモルファスシリコン層8aはアモルファスシリコン層38aとなる。AsまたはPのドープは、アモルファスシリコン層61aの上面よりは下に広がらないように行なう。すなわち、この工程でn型の不純物がアモルファスシリコン層8aに打ち込まれるのは絶縁膜71の下面よりも上方の領域のみである。
【0077】
次に、図18に示すように、熱処理によりアモルファスシリコン層4a、5a、6a、8a、38a、21a、22a、23a、24aおよび61aの結晶化と、これらに含まれている不純物の活性化を行った後、絶縁膜51を除去する。アモルファスシリコン層4a、5a、6a、8a、38a、21a、22a、23a、24aおよび61aは、熱処理を行なうことでそれぞれポリシリコン層4p、5p、6p、チャネルポリシリコン層8p、38p、ゲートポリシリコン層21p、22p、23pおよび24pとなる。
【0078】
次に、図19に示すように、チャネルポリシリコン層8p上およびポリシリコン層38p上に、拡散防止膜10および相変化材料層7を前記スペースが完全には埋め込まれないようにCVD法などにより順に形成する。ここでは、相変化材料層7の部材は例えばGeSbTeなどであるカルコゲナイドを用いることが好ましい。
【0079】
ここでカルコゲナイドを用いる理由の一つは、カルコゲナイドはアモルファス(非結晶)状態と結晶状態とでの抵抗値の変化量が大きいので、相変化メモリが記憶している情報の読出動作が容易であるという理由がある。また、カルコゲナイドのような相変化材料を用いたメモリは、選択素子として接続するダイオードとの相性が良いためである。例えばスピン電流方式により情報の書き換えを行うMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)のように、抵抗変化素子を構成する磁性体の磁化の向きを変化させて書き換え動作を行う不揮発性記憶装置の場合、磁性体膜に流す電流の向きを変えて情報の書き換えを行う場合、ダイオードの様な整流素子は選択素子として用いることができない。ダイオードの代わりに電界効果トランジスタを用いた場合、ダイオードを用いる場合に比べて選択素子が占める面積が大きくなるため、半導体記憶装置の微細化には不利である。
【0080】
これに対し、カルコゲナイドなどの相変化材料を用いた相変化メモリでは、抵抗変化素子を構成する相変化材料に流す電流の大きさの違いにより情報の書き換えが可能であるため、整流素子であるダイオードを選択素子として用いることができる。すなわち、抵抗変化素子電界効果トランジスタよりも小さい面積で形成可能なダイオードとカルコゲナイドからなるメモリとを直列に接続した相変化メモリは不揮発性記憶装置の微細化に有利である。このため、本実施の形態では相変化メモリの抵抗変化素子の材料としてカルコゲナイドを用いている。
【0081】
次に、図20に示すように、相変化材料層7上に前記スペースが完全に埋め込まれるように絶縁膜91を形成する。ここで、絶縁膜91の部材には、後で選択的に除去し易いように塗布型低誘電率層間絶縁膜材料(SOG:Spin On Glass)を用いることが望ましい。
【0082】
次に、図21に示すように、エッチバックにより、相変化材料層7の最上面の高さが絶縁膜15の最上面の高さよりも低く、絶縁膜15の最下面の高さよりも高くなるように相変化材料層7を加工する。この時、絶縁膜91の一部も、同時に除去され、絶縁膜91の最上面の高さは相変化材料層7の最上面の高さとほぼ同一となる。すなわち、絶縁膜15の最上面より上方に形成されていた絶縁膜91は除去され、絶縁膜91はそれぞれの前記スペース内にのみ残る。
【0083】
相変化材料層7の最上面の高さを絶縁膜15の最上面の高さよりも低くすることは、ゲートポリシリコン層61pをチャネルとするトランジスタをカットオフされた時に、電流が相変化材料層7を介してソース−ドレイン間に流れることを防止するためである。また、相変化材料層7の最上面の高さを絶縁膜15の最下面の高さよりも高くすることは、絶縁膜15の直下に形成されたゲートポリシリコン層24pをチャネルとするトランジスタがカットオフされた時に、ソース−ドレイン間に位置する相変化材料層7に、電流が流れるようにするためである。
【0084】
次に、図22に示すように、絶縁膜91上の前記スペース内に、CVD法などにより形成した絶縁膜92を埋め込んだ後、図23に示すように、CMP法によりポリシリコン層38pの最上面を露出させる。これにより、絶縁膜92の上面およびポリシリコン層38pの上面とを平坦化する。ここで、絶縁膜92の部材には、後で選択的に除去し易いように、塗布型低誘電率層間絶縁膜材料(SOG)を用いることが望ましい。
【0085】
続いて、後の工程で形成するビット線である金属配線層3(図1参照)と、半導体基板(図示しない)に形成しておいた周辺回路(図示しない)とを接続するコンタクトプラグBLC(図1参照)を形成する。
【0086】
次に、図24に示すように、例えばスパッタリング法により、ビット線となる金属配線層3を形成する。
【0087】
次に、図25に示すように、金属配線層3およびn型のポリシリコン層38pを、ワード線である金属配線層2の延在方向(第1方向)と直交する方向(第2方向)に延在するストライプ状に加工する。このときの製造工程中の相変化メモリの平面図を図26に示す。図26に示すように、絶縁膜71上のポリシリコン層38pを取り除くことによって、隣り合うビット線同士の短絡経路となりうる主成分が排除される。なお、絶縁膜71および絶縁膜92の間に残留しているポリシリコン層38pは、後の工程にて取り除かれる。
【0088】
図27は、図26のB−B線における断面図である。すなわち、ストライプ状に形成された金属配線層3のうちの一本の金属配線層3の延在方向(第2方向)に沿う断面図であり、この断面図には金属配線層3が含まれている。また、図28は、図26のC−C線における断面図である。この断面図は第2方向に沿う断面であって、隣り合う金属配線層2同士の間における断面を示している。図28に示すように、図25を用いて説明した工程では、絶縁膜71、92が露出されるまで金属配線層3およびポリシリコン層38pが加工される。
【0089】
次に、図29に示すように、金属配線層3を覆うように、半導体基板(図示しない)の主面の全面上に例えばCVD法により絶縁膜101を形成した後に、CMP法で絶縁膜101の上部を除去して絶縁膜101の上面を平坦化する。
【0090】
続いて、図30に示すように、第1方向に複数の縦型チェインセルを形成する際のマスクとして用いるハードマスクの加工を行う。すなわち、図30に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いた異方性のドライエッチングにより、ハードマスクである絶縁膜101を加工する。このとき絶縁膜101には、マトリクス状に並ぶ開口部が複数形成される。前記開口部は絶縁膜101の上面から下面を貫通しており、金属配線層2の直上であって、金属配線層3同士の間のスペースの直上に形成されている。
【0091】
図31は、図30に示す製造工程中の相変化メモリの平面図である。絶縁膜101の開口部は、図26および図31を対比させるとわかるように、例えば絶縁膜92上、ポリシリコン層38p上および絶縁膜9上であって、金属配線層3(図示しない)が形成されていない領域の直上に、異方性のドライエッチングにて形成される。このドライエッチングは、図31のE−E線における断面図である図33に示すように、絶縁膜9、92およびポリシリコン層38pが露出する深さまで行われる。したがって、図29に示した状態での絶縁膜101は、図31のD−D線における断面図である図32に示すように、前記異方性のドライエッチングの後に、金属配線層3からなるビット線上に絶縁膜101が残留する膜厚で形成されている必要がある。
【0092】
次に、図34に示すように、絶縁膜101の上面に形成された複数の開口部の直下に存在する絶縁膜91、92を異方性エッチングにより除去する。続いて、図35に示すように、絶縁膜101の非開口部の直下に存在する絶縁膜9、91(図示しない)および92(図示しない)がそれぞれ一部残留するような等方性エッチングにて、絶縁膜101の開口部の直下に存在するチャネルポリシリコン層8p、38p、拡散防止膜10および相変化材料層7を除去する。ここで、図36に、図35のF−F線における断面である上面図を示す。図36に示すように、縦型チェインセル部、すなわち、金属配線層2(図35参照)の直上であって金属配線層3(図32参照)の直下では、相変化材料層7および拡散防止膜10が、開口部直下の第1方向におけるそれぞれの両側の側壁から削り取られるように除去される。
【0093】
つまり、相変化材料層7および拡散防止膜10は、絶縁膜101の開口部(図30参照)の直下の領域、すなわち図36に示すポリシリコン層6pの直上の領域側から前記等方性エッチングよって、第1方向の両側の側壁の一部を除去される。このとき、拡散防止膜10に接するチャネルポリシリコン層8pの両側の側壁も少々除去されることが考えられるが、前記等方性エッチング工程では、チャネルポリシリコン層8pを構成するシリコン層を除去しにくい選択比を有し、相変化材料層7を構成する部材(例えばカルコゲナイド)を除去し易い選択比を有するエッチングを行うため、第1方向におけるチャネルポリシリコン層8pの線幅は、相変化材料層7の同方向の線幅よりも広くなる。
【0094】
したがって、図36に示すように、半導体基板(図示しない)の主面に沿う線における断面では、相変化材料層7、拡散防止膜10およびチャネルポリシリコン層8pを含むメモリセルの平面形状は、隣接する絶縁膜9から隣接する絶縁膜91にかけて第1方向の幅が狭くなる形状、例えば台形の形状となる。つまり、絶縁膜9に接するチャネルポリシリコン層8pの第1方向の線幅よりも、絶縁膜91に接する相変化材料層7の同方向の線幅の方が小さくなる。
【0095】
なお、図36に記す空隙110は、中空である。空隙110の直下にはポリシリコン層6pが形成されているが、ここでは図示を省略している。以上の方法により、第1方向の相変化材料層7の線幅を同方向のチャネルポリシリコン層8pの線幅よりも細くすることができる。また、絶縁膜101の開口部(図30参照)の直下には、ポリシリコン層6pおよびポリシリコン層6pの側壁に接する絶縁膜31のそれぞれの上面の一部が露出している。
【0096】
次に、図37に示すように、異方性エッチングを用いて絶縁膜101の開口部(図30参照)の直下のポリシリコン層4p、5p、6pを除去することにより、図2に示すポリシリコン膜4p〜5pからなるポリシリコンダイオードPDをそれぞれ形成する。図37は、図31のE−E線と同一の領域における断面図である。
【0097】
その後、図示はしないが、メモリ書換え動作時に高温になった相変化材料層が昇華しないようにするために、開口部およびその下部の空間を絶縁膜33(図2参照)で埋め、相変化材料層7(図2参照)を密封する。ここで、絶縁膜には、塗布型低誘電率層間絶縁膜材料(SOG)を適用することが望ましい。SOGは埋め込み性に優れているので、絶縁膜を微小な空隙110(図36参照)を完全に埋め込むことができる。また、SOGは熱伝導率が低いので、書換え動作における発熱効率が高まることによって、書換え電流が低減される効果も期待できる。
【0098】
<本実施の形態の効果>
ここで、縦型チェインメモリの特徴について以下に説明する。
【0099】
特許文献1(特開2008−160004号公報)に示された半導体記憶装置は、導体膜と絶縁膜との積層膜に複数の貫通孔を形成し、前記貫通孔の内壁に、ゲート絶縁膜、チャネル膜、相変化膜を順に形成するものである。このような相変化メモリでは、各貫通孔の中心方向に向かって全方向から膜を埋めてチャネル膜などを形成するため、少なくともゲート絶縁膜およびチャネル膜は環状の平面形状を有することとなる。この場合、それぞれの貫通孔内には直列のメモリセルが一列のみしか形成することができないため、単位面積当たりに記憶できる情報量が少なく、高集積化には不向きである。
【0100】
これに対し、本実施の形態で説明したような縦型チェインメモリは以下の特徴を有する。
【0101】
第一の特徴は、接続孔の内部に、二列のメモリセルを形成することが可能となった点にある。より具体的には、図3に示したように、接続孔の内部に形成された相変化材料層7は、一方のチャネルポリシリコン層8pの面に接している第一の領域と、絶縁膜91を挟んで向かい合う他方のチャネルポリシリコン層8pの面に接している第二の領域とに分離して形成されている。すなわち、一つの接続孔内には、チャネルポリシリコン層8pおよび拡散防止膜10を介してチャネルポリシリコン層8pと接する相変化材料層7からなるメモリセルが二つ形成されている。また、これら二つの相変化材料層7に流れる電流経路を制御する二つのトランジスタが一つの接続孔の内部に設けられており、左右の相変化材料層7に流す電流をそれぞれ独立して制御する構成となっている。このような構成により、一方の面に形成されているトランジスタをカットオフすることによって、相変化材料層7の前記第一の領域には大電流が流れるが、向かい合う他方の面に形成されているトランジスタを導通状態に保持することによって、前記第二の領域には電流が流れないようにすることが可能となる。したがって、特許文献1のメモリセルよりも多い2ビットの記憶ができ、一つの接続孔の中で2倍の記憶が可能になる効果を有し、ビットコストを低減することができる。
【0102】
第二の特徴は、選択素子に制御されるメモリセルの数が倍増された点にある。図3からも明らかなように、一つの接続孔において、一つのポリシリコンダイオードPD(図2参照)に対して、二つの縦型チェインメモリが接続される構成となっている。ポリシリコンダイオードPDは、金属配線層2(図2参照)からなるワード線と金属配線層3(図2参照)からなるビット線の電位関係により、接続される縦型チェインメモリを選択する機能を有する。従って、本実施の形態のような縦型チェインメモリでは、2つの縦型チェインメモリが一つのダイオードを共有する構成となっている。この構成により、一つのポリシリコンダイオードPDに対するビット数を増やすことが可能となり、ビットコストを低減することができる。
【0103】
第三の特徴は、接続孔に形成される各層が、第1方向において接続孔同士を分離する絶縁層と接した構造をなすことにより、単位面積あたりのセルの密度を高める効果を有する点にある。すなわち、図3に示すゲートポリシリコン層21pの側面には、相変化材料層7等が形成されていくが、結晶成長によって膜の厚さが増す方向は、隣り合うゲートポリシリコン層21p同士の対向する2面が向かい合う方向である。ゲートポリシリコン層21pの側壁に形成される膜は、この向かい合う2面の間を埋める方向にのみ形成されていく。この結果、特許文献1のメモリセルのように、孔の中心方向に向かって全方向から埋める方向に膜が形成されることがない。言い換えると、結晶成長によって膜の厚さが増す方向は、2面が向かい合う方向のみであることにより、2面が向かい合う方向と直交する方向には、形成する膜の厚さを考慮して幅を設定、加工する必要がなくなる。したがって、直交する方向は形成する膜の厚さに依存せず、最小加工寸法で形成できる。つまり、単位面積あたりのセル密度向上により、ビットコストを低減することができる。
【0104】
以上に、一つの接続孔内に二列のメモリセルを形成する縦型チェインメモリの特徴を説明したが、上記の三つの特徴を有する縦型チェインメモリでは、前述したように抵抗変化素子の幅を狭くすることにより抵抗変化素子の抵抗値を上げ、非選択のメモリセル内の抵抗変化素子にリーク電流が流れることを防ぐことが難しいという問題があった。
【0105】
これに対し、本実施の形態では、図30に示す絶縁膜101に形成したマトリクス状の開口部を形成した後、その開口部からポリシリコン層6pの上部に達する開口(図35参照)を形成し、続いて等方的なエッチングにより、選択的に相変化材料層7の側壁を一部除去することにより、上記の問題を解決している。なお、前記等方的なエッチングは等速的なエッチングであり、例えば酸化シリコン膜は殆ど除去されないような選択比を有するウェットエッチングであるものとする。
【0106】
これにより、図3に示したように、接続孔の内部に形成される相変化材料層7の線幅をチャネルポリシリコン層8pの線幅よりも細くすることで、相変化材料層7の抵抗値を上昇させることができるため、より理想的な選択動作を実現することができる。つまり、このような構成にすることにより、相変化材料層7の低抵抗状態におけるセット抵抗を、導通状態におけるトランジスタの抵抗よりも高く設定することができる。この結果、接続孔内の一方の面に形成されているメモリセルが選択されている時、選択セルでは、トランジスタをカットオフすることによって、相変化材料層7には大電流が流れるが、非選択セルでは、トランジスタを導通状態とすることによって、相変化材料層7に電流が流れることを防ぐことが可能となる。すなわち、非選択セルにおける相変化材料層7に注入される電荷量を抑制することを可能とすることで、記憶情報保持時間を向上させることができ、さらに、電気特性の劣化を防ぐことができるため、上記の三つの特徴を有する縦型チェインメモリを含む不揮発性記憶装置の信頼性を向上させることができる。
【0107】
(実施の形態2)
本実施の形態では、図2に示した相変化材料層7の線幅を細らせるための製造方法であって、前記実施の形態1とは異なる製造方法の一例を説明する。ここで述べる製造方法は、金属配線層2からなるワード線が延伸する方向(第1方向)に並ぶ縦型チェインセルとポリシリコンダイオードPDを一括して分離した後に、相変化材料層7を選択的にエッチングすることによって、主に相変化材料層7を細線化することに特徴がある。
【0108】
まず、金属配線層2からなるワード線が延伸する方向で隣接する縦型チェインセルとポリシリコンダイオードPDを一括して分離する際に使用するハードマスク形成までの製造方法は、前記実施の形態1の図8〜図33で説明した通りである。続いて、図33で説明した工程の後、図38および図39に示すように、絶縁膜101の開口部の直下に存在する絶縁膜91、92、9、拡散防止膜10、ポリシリコン層4p、5p、6p、8p、38pおよび相変化材料層7を除去する。なお、図38は製造工程中の相変化メモリの平面図であり、図39は図38のI−I線における断面図である。また、図40は図38のH−H線における断面図である。
【0109】
ここで、絶縁膜9が除去されたことにより、ポリシリコン層4p〜6pからなるポリシリコンダイオードを分離する絶縁膜31も僅かに除去される。また、図29に示した金属配線層3の上面から絶縁膜101の上面までの絶縁膜101の膜厚は、図30および図31に示した金属配線層3を保護するために、絶縁膜101が金属配線層3(図40参照)上に残留する程度の厚さに制御されている必要がある。したがって、図39において残留している絶縁膜101の膜厚は、図40において残留している絶縁膜101よりも厚くなっている。また、図40のJ−J線の断面における上面図は、図41のようになる。
【0110】
すなわち、図41に示すように、例えば隣り合うゲートポリシリコン層21p同士の間には、対向するゲートポリシリコン層21p同士の面の一方の面から他方の面に向かって絶縁膜9、チャネルポリシリコン層8p、拡散防止膜10、相変化材料層7、絶縁膜91、相変化材料層7、拡散防止膜10、チャネルポリシリコン層8pおよび絶縁膜9が順に形成されている領域が、第1方向に断続的に形成されている。つまり、隣り合うゲートポリシリコン層21p同士の間には、絶縁膜91、相変化材料層7、拡散防止膜10、チャネルポリシリコン層8pおよび絶縁膜9が形成されている領域と、空隙のみがある領域とが第1方向に交互に形成されており、前記空隙の直下の領域にはポリシリコン層4p〜6pは形成されておらず、金属配線層2が形成されている。
【0111】
次に、等方性エッチングにより、相変化材料層7を選択的に除去する。その結果、図41と同じ位置における断面の上面図は、図42のようになる。なお、図42に示す相変化材料層7の両端に形成された空隙111は、相変化材料層7が除去された部分に相当しており、空隙111の直下には拡散防止膜10およびチャネルポリシリコン層8pが形成されている。なお、図42では、空隙111の直下の拡散防止膜10およびチャネルポリシリコン層8pの図示を省略している。
【0112】
ここで、図43に、図42のK−K線における断面図を示す。図43はチャネルポリシリコン層8pの第1方向の端部を含む第2方向に沿った断面図である。図43に示すように、相変化材料層7が選択的に取り除かれており、その領域には空隙111が形成されている。なお、図43では空隙111の奥に線幅が細くなった相変化材料層7が形成されているが、図をわかりやすくするため相変化材料層7の図示は省略している。
【0113】
その後、メモリ書換え動作時に高温になった相変化材料層が昇華しないようにするために、開口部および空隙111を絶縁膜(図示しない)で埋め、相変化材料層7を密封する。このとき、前記絶縁膜には、塗布型低誘電率層間絶縁膜材料(SOG)を適用することが望ましい。SOGは埋め込み性に優れているので、絶縁膜を微小な空隙111を完全に埋め込むことができる。また、SOGの熱伝導率が低いので、書換え動作における発熱効率が高まることによって、書換え電流が低減される効果も期待できる。
【0114】
以上の製造方法により、図42に示すように、相変化材料層7を選択的に除去することが可能となり、ポリシリコン層38pの線幅を保ったまま、相変化材料層7の線幅を細くすることが可能となる。このように、チャネルポリシリコン層8pが除去されることを防ぎ、相変化材料層7を選択的に細らせることは、より確実にチャネルポリシリコン層8pの線幅を保つことができる点において、前記実施の形態1の構成よりも好ましい。
【0115】
以上により、本実施の不揮発性記憶装置では、相変化材料層7のセット抵抗を、導通状態にあるトランジスタの抵抗よりも大幅に高くすることが可能となり、理想的な選択動作を実現することができる。したがって、不揮発性記憶装置の信頼性を向上することができる。
【0116】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0117】
例えば、前記実施の形態1、2では、記憶素子にカルコゲナイド材料を用いた相変化メモリを前提に説明したが、記憶素子の材料は限定されず、相変化メモリに限らず、磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)または他の抵抗性メモリなど、電流を素子に流すことにより電気的特性が変化する様々な半導体メモリに適用することも可能である。
【0118】
また、前記実施の形態1、2では、ゲート動作を行なうゲートポリシリコン層およびソース・ドレイン経路になるチャネルポリシリコン層等にポリシリコンを用いることを前提に説明したが、ゲートポリシリコン層およびチャネルポリシリコン層の材料は限定されず、ゲート動作を行なうことのできる半導体材料などの導体を適用することによって本発明を実現することができる。
【0119】
さらに、前記実施の形態1、2では、説明をわかりやすくするため、ワード線およびビット線という表現を用いたが、両者は一つの縦型チェインメモリを選択するために用いられる選択線である。従って、位置関係等は、上下反対となってもよく、また、ビット線側にセンスアンプ等の読出回路が接続される必要もないことはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明の不揮発性記憶装置の製造方法は、選択トランジスタのチャネルに隣接して形成された抵抗変化素子を有する不揮発性記憶装置に幅広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0121】
1 半導体基板
2 金属配線層
3 金属配線層
4a〜6a アモルファスシリコン層
4p〜6p ポリシリコン層
7 相変化材料層
8a アモルファスシリコン層
8p チャネルポリシリコン層
9 絶縁膜
10 拡散防止膜
11〜15 絶縁膜
21a〜24a アモルファスシリコン層
21p〜24p ゲートポリシリコン層
30 層間絶縁膜
31〜33 絶縁膜
38a アモルファスシリコン層
38p ポリシリコン層
51 絶縁膜
61a アモルファスシリコン層
61p ゲートポリシリコン層
71 絶縁膜
91、92 絶縁膜
101 絶縁膜
110、111 空隙
BL ビット線
BL1〜BL3 ビット線
BLC コンタクトプラグ
GC1〜GC4 コンタクトプラグ
GL1〜GL4 配線
GLC1〜GLC4 コンタクトプラグ
HRa〜HRd 抵抗変化素子
HRk 抵抗変化素子
ILK_TRd リーク電流
ION_TRa 電流
ION_TRb 電流
ION_TRc 電流
IRST リセット電流
IRST_HRd 電流
IUS_HRa リーク電流
IUS_HRb リーク電流
IUS_HRc リーク電流
MA メモリアレイ
MC メモリセル
MC1〜MC4 メモリセル
MCj メモリセル
PD ポリシリコンダイオード
R 抵抗値
R1_HRc 抵抗
RON_TRc オン抵抗
SL ソース線
SMC 選択セル
STGC1、STGLC2 コンタクトプラグ
STGL1 ゲート配線
STGL2 ゲート配線
T 膜厚
TRa〜TRd トランジスタ
TRe 縦型トランジスタ
TRk トランジスタ
USMC1 非選択セル
USMC2 非選択セル
USMC3 非選択セル
W 幅
WGST 線幅
WL1〜WL3 ワード線
WLC コンタクトプラグ
WSI 線幅
ρ 抵抗率

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成され、
前記半導体基板の主面の第1方向に延在する複数の第1配線と、
前記複数の第1配線のそれぞれの上部に形成され、前記第1配線に電気的に接続された第1メモリセルと、
前記第1メモリセルの上部に形成され、かつ前記第1メモリセルと電気的に接続された、前記第1方向と直交する第2方向に延在する複数の第2配線と、
を有し、
前記第1メモリセルは、並列接続された第1選択素子と可変抵抗素子とを有し、
前記第1方向の前記可変抵抗素子の長さは、前記第1方向の前記第1選択素子の長さよりも小さいことを特徴とする不揮発性記憶装置。
【請求項2】
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線のそれぞれが平面的に交差する空間のそれぞれには複数の前記第1メモリセルが形成され、
前記複数の第1メモリセルは前記複数の第1配線のそれぞれと前記複数の第2配線のそれぞれとの間に直列接続されていることを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
【請求項3】
前記可変抵抗素子は前記半導体基板の主面に対して垂直な方向に延在し、
前記第1方向および前記第2方向は、前記半導体基板の主面に沿う方向であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
【請求項4】
前記可変抵抗素子はカルコゲナイドを含むことを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
【請求項5】
前記第1メモリセルは並列に接続された第2メモリセルおよび第3メモリセルを有し、
前記第2メモリセルおよび前記第3メモリセルはそれぞれ前記可変抵抗素子および前記第1選択素子を有することを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
【請求項6】
前記第1方向と前記第2方向は、前記半導体基板の主面に対して垂直な方向である第3方向と直交することを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
【請求項7】
前記第1配線と前記第2メモリセルとの間および前記第1配線と前記第3メモリセルとの間のそれぞれには、さらにN個(Nは自然数)の第4メモリセルが形成されており、
前記第4メモリセルはそれぞれ前記可変抵抗素子および前記第1選択素子を有することを特徴とする請求項5記載の不揮発性記憶装置。
【請求項8】
前記複数の第1配線と前記第2メモリセルおよび前記第3メモリセルとの間に第2選択素子が形成され、
前記第2メモリセルと前記第2配線との間に第3選択素子が形成され、
前記第3メモリセルと前記第2配線との間に第4選択素子が形成されていることを特徴とする請求項5記載の不揮発性記憶装置。
【請求項9】
前記第2選択素子はダイオードであることを特徴とする請求項8記載の不揮発性記憶装置。
【請求項10】
半導体基板上に形成され、
前記半導体基板の主面の第1方向に延在する複数の第1配線と、
前記複数の第1配線の上部に形成され、前記第1方向と直交する第2方向に延在する複数の第2配線と、
前記複数の第1配線および前記複数の第2配線が平面的に交差する空間に形成され、前記複数の第1配線のそれぞれと前記複数の第2配線のそれぞれとの間に延在する第1抵抗変化材料層と、
前記複数の第1配線および前記複数の第2配線が平面的に交差する空間に形成され、前記第1抵抗変化材料層に沿って延在する第1半導体膜と、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との間に配置され、前記第1方向に延在する第3配線と、
を有し、
前記第1抵抗変化材料層の前記第1方向の長さは、前記第1半導体膜の前記第1方向の長さよりも小さいことを特徴とする不揮発性記憶装置。
【請求項11】
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との間には、前記第1半導体膜に沿って複数の前記第3配線が形成されていることを特徴とする請求項10記載の不揮発性記憶装置。
【請求項12】
前記第1抵抗変化材料層は前記半導体基板の主面に対して垂直な方向に延在し、
前記第1方向および前記第2方向は前記半導体基板の主面に沿う方向であり、
前記第3配線は、前記第1抵抗変化材料層の直下に形成された前記複数の第1配線のそれぞれと隣り合う前記複数の第1配線との間の領域の直上に配置されていることを特徴とする請求項10記載の不揮発性記憶装置。
【請求項13】
前記第1抵抗変化材料層はカルコゲナイドを含むことを特徴とする請求項10記載の不揮発性記憶装置。
【請求項14】
前記第1抵抗変化材料層は前記複数の第1配線のそれぞれおよび前記複数の第2配線のそれぞれの間に延在する第2抵抗変化材料層および第3抵抗変化材料層を有し、
前記第1半導体膜は、前記第2抵抗変化材料層に沿って延在する第2半導体膜と、前記第3抵抗変化材料層に沿って延在する第3半導体膜とを有し、
前記第3配線は、前記第1半導体膜を挟んで反対側にも形成されていることを特徴とする請求項10記載の不揮発性記憶装置。
【請求項15】
前記複数の第1配線と前記第2抵抗変化材料層および前記第3抵抗変化材料層との間に形成された、第1の導電型を有する半導体膜および第2導電型を有する半導体膜の積層膜と、
前記第3配線と前記複数の第2配線との間に形成された第4配線と、
を有し、
前記第4配線と同じ高さには前記第2抵抗変化材料層および前記第3抵抗変化材料層は形成されておらず、前記第2半導体膜および前記第3半導体膜が形成されていることを特徴とする請求項14記載の不揮発性記憶装置。
【請求項16】
(a)半導体基板上にN+1層(N≧1)の第1絶縁膜とN層の第1半導体層とを交互に積層して積層膜を形成する工程と、
(b)前記積層膜を前記半導体基板の主面に沿う第1方向にストライプ状に加工して、前記積層膜からなる複数のパターンを形成する工程と、
(c)前記複数のパターンのそれぞれの側壁に第2絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記複数のパターンのそれぞれの側壁に、前記第2絶縁膜を介して第2半導体層を形成する工程と、
(e)前記第2半導体層の側面に沿って、抵抗変化材料層を形成する工程と、
(f)前記抵抗変化材料層の側面に沿って第3絶縁膜を形成し、隣り合う前記パターン同士の間を埋め込む工程と、
(g)前記第2半導体層および前記抵抗変化材料層の一部を除去することによって、前記第2半導体層および前記抵抗変化材料層を残した領域と、前記第2半導体層および前記抵抗変化材料層を除去した領域とを前記第1方向に交互に形成する工程と、
(h)前記(g)工程の後、前記抵抗変化材料層の前記第1方向の側壁の一部を除去する工程と、
を有する不揮発性記憶装置の製造方法。
【請求項17】
(a1)前記(a)工程の前に、前記半導体基板上に第4絶縁膜、第1導電層、第1導電型の第3半導体層および第2導電型の第4半導体層を順に積層する工程と、
(a2)前記(a)工程の前に、前記第1導電層、前記第3半導体層および前記第4半導体層を第1方向にストライプ状に加工する工程と、
をさらに有し、
前記(g)工程では、前記第3半導体層および前記第4半導体層の一部を除去することにより、前記第2半導体層、前記抵抗変化材料層、前記第3半導体層および前記第4半導体層を残した領域と、前記第2半導体層、前記抵抗変化材料層、前記第3半導体層および前記第4半導体層を除去した領域とを前記第1方向に交互に形成することを特徴とする請求項16記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
【請求項18】
(f1)前記(f)工程の後であって前記(g)工程の前に、前記第2半導体層上に前記第2半導体層と電気的に接続された第2導電層を形成する工程と、
(f2)前記第2導電層を前記第1方向と直交する第2方向にストライプ状に加工する工程と、
(f3)前記(f2)工程の後、前記第2導電層を覆うように、前記第2導電層の膜厚よりも厚く第5絶縁膜を形成した後に、前記第5絶縁膜の上面を平坦にする工程と、
(f4)ストライプ状に形成された前記第1導電層と、ストライプ状に形成された前記第2導電層のそれぞれのスペース部分が平面的に重なり合う位置の前記第5絶縁膜を除去することにより、前記(g)工程において前記第2半導体層および前記抵抗変化材料層の一部を除去する際に使用するマスクを形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項16記載の不揮発性記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2012−74542(P2012−74542A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218252(P2010−218252)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】