説明

二層画像形成システムで使用するための安定な非感光性ポリイミド前駆体組成物

高温に耐えるレリーフ画像を形成するのに使用するための、非−NMP溶媒中の接着促進剤を伴う安定な非感光性ポリイミド前駆体組成物およびこの画像を作成する方法。この非感光性ポリイミド前駆体組成物は、a)ガンマ−ブチロラクトン(GBL)中に可溶な1つまたはそれ以上のポリアミド酸および水性のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ただしポリアミド酸は、ポリイミド前駆体組成物が併用されるべき感光性組成物中に使用される溶媒に対しても耐性があるものとする;b)ガンマ−ブチロラクトンを含む溶媒;およびc)式I〜VI(式中、R1はH、C1〜C10の線状、環状または分枝状のアルキル、フェニルもしくはハロフェニルまたはアルキル置換フェニルであり、R2はC1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキル、フェニル、ハロフェニルもしくはアルキル置換フェニルまたは以下のVII、VIIIまたはIX(式中、R3はC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、R4、R5およびR6は独立にC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基であり、mは1から大体4の整数であり、またnは1から大体5の整数である)の部分構造の1つである)によって表される構造から選択される1つまたはそれ以上の接着促進剤を含有する。
を含む。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二層画像形成システムの一部分として非感光性のポリイミド前駆体組成物を使用する、耐熱性レリーフ構造を製造するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミドのような高温抵抗を付与するポリマーは、マイクロエレクトロニックスの応用で周知である。用途のいくつかには、保護層、絶縁層、層間絶縁膜、および抗反射層が含まれる。いくつかの場合、ポリイミドはその溶液からコートされることができるが、一般にポリアミド酸またはポリアミドエステルのようなポリイミド前駆体としてコートされることができ、また引き続いて高温度への暴露のような既知の技術によってポリイミドに転化される。パターン化という応用の初期の段階ではしばしば、ポリイミド前駆体の特性は完全にイミド化されたポリイミドより有用である。後の段階では、完全にイミド化されたポリイミドの特性が通常一層望まれる。
【0003】
ポリイミドパターンの作成では、感光性のポリイミド前駆体が使用されまたは、ポリイミド前駆体が感光性でない二層法が採用されるであろう。非感光性ポリイミドフィルムをパターン化する方法は、参照によって本記載に加入されている米国特許第3,700,497号中に記載されている。この方法によると、ポリアミド酸のフィルムは基板の表面上で形成された。このとき、ジアゾナフトキノン/ノボラック型のフォトレジストがポリアミド酸のフィルムの上面に形成され、続いて紫外線を使用して像様露光が行われた。フォトレジストの露光された領域およびこれの下方のポリアミド酸の層は希薄な有機物または無機物の塩基性現像液中でエッチングで除去される。残留するフォトレジストはアセトンを使用して除去され、そしてポリアミド酸のフィルムが250℃を越える温度で硬化され、デバイス構造の一部として残るパターン化されたポリイミド層が形成される。
【0004】
この種の方法から得られるパターンのプロフィルは、ポリイミド前駆体の溶解速度を制御する能力、ポリイミド前駆体の厚さ、ならびにフォトレジストのためおよびポリイミド前駆体層のために使用される現像液の強度および種類に依存する。フォトレジスト層の顕著なアンダーカットは、現像液中のポリアミド酸の大きな溶解速度によって起こる。この特性は、米国特許第5,360,697号および第5,017,459号中に開示されているように部分的にイミド化されることができる、薄く、犠牲的なポリイミド前駆体層からリフトオフ(lift off)構造をつくるのに利用されてきた。
【0005】
ポリイミド前駆体の溶解速度はその化学構造およびイミド化の度合いに関係する。施用のために望ましい特性を有するポリイミドを引き続いて生成するであろうポリイミド前駆体の化学構造は、小さい溶解速度を有するであろう。ポリイミド前駆体は米国特許第4,113,550号におけるように溶解速度を制御するために部分的にイミド化されることができる。これらの要因は、現像が2段階の過程であることにつながるであろう。第1に、フォトレジスト層が1つの現像液で現像され、次いでポリイミド前駆体層が、しばしば異なる種類の他の現像液で現像される。ポリイミド前駆体二層システムの2段階現像過程は、例えば米国特許第4,039,371号、第4,411,735号、第5,374,503号、第4,113,550号および第5,470,693号中に記載されている。ポリイミド前駆体層のために使用される典型的な現像液は、アミン、アルコール中のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、またはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水およびN−メチルピロリドンの混合物をベースとする。米国特許第4,039,370号には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水、および酢酸、酒石酸または蓚酸のいずれかをベースとする現像液が開示されている。米国特許第6,221,567号には、複数の現像/リンス段階を有する現像法が開示されている。
【0006】
ポリイミド前駆体のための溶媒は典型的に極性溶媒である。ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン(NMP)は二層施用のためのポリイミド前駆体のために最も普通に使用される溶媒である。しかしながら、NMPのような窒素を含有する溶媒は化学的に増幅された248および193nmのフォトレジストの性能に有害な影響をおよぼすことが確かめられている(米国特許第6,277,546号;“Influence of Polymer Properties On Airborne Chemical Contamination of Chemically Amplified Resists”, W. D, Hinsberg, S. A.MacDonald, N. J.Clecak, C. D. Snyder, and H. Ito, SPIE vol. 1925, pp. 43-52, 1993 もまた参照)。結果としてNMPを含有する組成物の使用は、このような化学的に増幅されたフォトレジストが使用される多くの半導体製造設備で禁止されている。NMPは、その沸点が高くまたイミド化を防止するためにポリイミド前駆体フィルムに対して採用されるソフトベークが比較的低温であるため、ポリイミド前駆体フィルムから除去するのが困難である。米国特許第5,667,922号には、水リンスによってNMPが除去されるので、ポリアミド酸フィルムの生成の後に水リンス段階を採用する工程は精細度が一層良いポリイミドパターンを生じることが開示された。
【0007】
代替的なただしより弱いガンマ−ブチロラクトンのような極性溶媒の使用は、産業的に一層受け入れやすい。しかしながら、所望の硬化された特性を有する多くのポリイミド前駆体組成物はガンマ−ブチロラクトン中に可溶でない。
【0008】
非感光性ポリイミド前駆体組成物は接着促進剤で処理された基板上で一般に使用される。製造段階の数を減らすことにより半導体デバイスの価格を低減するのが好ましい。従って、1つの製造段階を無くすために非感光性ポリイミド前駆体組成物中に接着促進剤を使用するのが好ましい。ポリアミド酸をベースとする非感光性ポリイミド前駆体組成物にいくつかのシラン接着促進剤を添加すると、感光性ポリイミド前駆体組成物の安定性を低下することが見いだされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここに述べる本発明は、高温抵抗性のレリーフ画像を形成するのに使用するための、非−NMP溶媒中の接着促進剤を含む安定な非感光性ポリイミド前駆体組成物、およびこの画像を作成する方法を開示する。この非感光性ポリイミド前駆体組成物は、
a)ガンマ−ブチロラクトン(GBL)中に可溶な1つまたはそれ以上のポリアミド酸および水性のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ただしポリアミド酸は、ポリイミド前駆体組成物が併用されるべき感光性組成物中に使用される溶媒に対しても耐性があるものとする;
b)ガンマ−ブチロラクトンを含む溶媒;および
c)式I〜VI
【化1】

(式中、R1はH、C1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキル、フェニルもしくはハロフェニルまたはアルキル置換フェニルであり、R2はC1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキル、フェニル、ハロフェニルもしくはアルキル置換フェニルまたは以下のVII、VIIIまたはIX
【化2】

(式中、R3はC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、R4、R5およびR6は独立にC1〜C4の線状または分枝状のアルキル基であり、mは1から大体4の整数であり、およびnは1から大体5の整数である)
の部分構造の1つである)
によって表される構造からなる群から選択される1つまたはそれ以上の接着促進剤を含む。
【課題を解決するための手段】
【0010】
非感光性ポリイミド前駆体組成物は、感光性組成物と組み合わせて使用されるとき高温レリーフパターンを作成するために使用できる。非感光性ポリイミド前駆体組成物のフィルムが基板上に形成され、次いで感光性組成物によって上塗りコートされる。感光性組成物がパターン化されそして現像され画像が得られる。下にある非感光性ポリイミド前駆体組成物中の画像は、感光性組成物中での画像形成と同時にまたは後続する段階で現像される。
【0011】
本発明にとって好適であるように、非感光性ポリイミド前駆体組成物はいくつかの特定な特性を有すべきである。これは所望の厚さのコーティングを形成するためにGBL中に十分に可溶でなければならない。非感光性ポリイミドは、感光性組成物と非感光性ポリイミド前駆体組成物との相互溶解を回避するために、感光性組成物のために使用される溶媒中に不溶でなければならない(例えばPGMEA耐性的である)。溶媒(例えばPGMEA)耐性という用語は、ポリアミド酸フィルムの溶解速度が約600オングストローム/分を下まわることと定義される。加えて、非感光性ポリイミド前駆体組成物は、感光性組成物層をつくる際に割れたりまたはヒビがはいったりしてはならない。非感光性ポリイミド前駆体組成物は水性のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド現像液中に可溶でもなければならない。
【0012】
非感光性ポリイミド前駆体組成物は、
a)ガンマ−ブチロラクトン中に可溶な1つまたはそれ以上のポリアミド酸および水性のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ただしポリアミド酸は、ポリイミド前駆体組成物が併用されるべき感光性組成物中に使用される溶媒に対しても耐性があるものとする;
b)ガンマ−ブチロラクトンを含む溶媒;および
c)式I〜VI
【化3】

(式中、R1はH、C1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキル、フェニルもしくはハロフェニルまたはアルキル置換フェニルであり、R2はC1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキル、フェニル、ハロフェニルもしくはアルキル置換フェニルまたは以下のVII、VIIIまたはIX
【化4】

(式中、R3はC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、R4、R5およびR6は独立にC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基であり、mは1から大体4の整数であり、またnは1から大体5の整数である)
の部分構造の1つである)
によって表される構造からなる群から選択される1つまたはそれ以上の接着促進剤
を含む。
【0013】
非感光性ポリイミド前駆体組成物は1つまたはそれ以上のポリアミド酸を含有する。好適なGBL溶解性、水性アルカリ溶解性、およびフォトレジスト溶媒抵抗性を有する任意のポリアミド酸は本発明で使用されることができる。本発明で使用するためには、nが大体5から大体200までの範囲の整数である式X
【化5】

を有するポリアミド酸が好ましい。nに関する好ましい範囲は大体25から大体175である。nに関する一層好ましい範囲は大体50から大体150である。
【0014】
式Xのポリアミド酸は、式XIのモノマーを式XIIのモノマー
【化6】

(式中、XおよびYは独立に、異種原子を有するまたは有さない芳香族部分構造または脂肪族部分構造であってよい)
と反応させることにより、または当業者に知られた他の方法によって製造されることができる。式XIのモノマーは、単一の二酸無水物または2つもしくはそれ以上の二酸無水物の混合物であってよいが、ただし最後のポリマーはガンマ−ブチロラクトン中に可溶性であるものとする。式XIの好適な酸無水物の例には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルサルファイドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸の二無水物、特に3,3’,4,4’−ジフェニルオキサイドテトラカルボン酸二無水物(4,4’−オキシジフタル酸二無水物)、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ジフェニルヘキサフルオロプロパン−3,3,4,4−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二酸無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二酸無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物および1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(ピロメリト酸二無水物、PMDA)があるが、これらに限定されない。好ましい態様において式XIの二酸無水物には、構造(XIII〜XV):
【化7】

(式中、Zは−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−または−Si(R’)2−(R’は炭素原子1〜8個をもつ線状、分枝状または環状のアルキル基である)である)
によって記述される化合物からなる群から選択される化合物が含まれる。他の好ましい態様において、式XIの二酸無水物には、式XIII、XIV、およびXVの2つまたはそれ以上の化合物の混合物が含まれる。他の好ましい態様で式XIII、XIV、およびXV中のZは−O−である。一層好ましい態様で、式XIの二酸無水物の全量の少なくとも80%が、Zが−O−である式XIII、XIV、およびXVによって記述される二酸無水物を含む。
【0015】
式XIIのジアミンモノマーは単一なジアミンまたは2つもしくはそれ以上のジアミンの混合物であってよいが、ただし最後のポリマーはGBL中に可溶であるものとする。式XIIのジアミンモノマーの例には、5(6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン(DAPI)、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジアミノエイコサン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−アミノノルボニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、および4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−トリフルオロメチルピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレン−ビス(o−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(3−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ジアニリン、4,4’−オキシ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ビス−(2−クロロアニリン)、4,4’−チオ−ジアニリン、4,4’−チオ−ビス−(2−メチルアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−クロロアニリン)、および3,3’スルホニル−ジアニリンがあるが、これらに限定されない。好ましい態様で、式XIIのジアミンモノマーは、構造XVI
【化8】

(式中、Wは−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−または−Si(R’)2−(R’は炭素原子1〜8個をもつ線状、分枝状または環状のアルキル基である)である)
をもつ少なくとも1つの化合物を含む。
【0016】
Wが−O−である式XVIによって記述されるジアミンは、好ましいジアミンである。一層好ましい態様でこのジアミンは、式XIIのジアミンモノマーの全量の80%より多く含む。ジアミンモノマーXIIの最も好ましい態様は4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジアニリンおよびODAとしても知られる)である。
【0017】
式Xの好ましいポリアミド酸は、式XIII、XIVまたはXVの1つまたはそれ以上の二酸無水物および式XVIの1つまたはそれ以上のジアミンから合成されるポリマーを含む。一層好ましいポリアミド酸は、Zが−O−である式XIII、XIVまたはXVの1つまたはそれ以上の二酸無水物および、Wが−O−である式XVIの1つまたはそれ以上のジアミンから合成されるポリアミド酸ポリマーを含む。本発明の好ましいポリマーの例は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,3’,4,4’−ジフェニルオキサイドテトラカルボン酸二無水物(4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ODPA)から合成されるポリアミド酸ポリマーならびに4,4’−ジアミノジフェニルエーテルお
よびODPA95〜85%と式XIの他の二酸無水物5〜15%との混合物から合成されるポリアミド酸ポリマーである。
【0018】
式Xのポリアミド酸中の二酸無水物単位に対するジアミン単位の比は約0.9〜約1.1で変化してよい。二酸無水物単位に対するポリアミド酸中のジアミン単位の好ましい比は約0.9〜1である。
【0019】
組成物中の式Xのポリアミド酸の百分率は所望の厚さ、式Xのポリマーの分子量およびコーティング溶媒の粘度に依存して変化するであろう。組成物中の式Xのポリアミド酸の濃度は約1〜約25重量%である。好ましい濃度は約6〜約23%である。一層好ましい濃度は約12〜約22重量%である。最も好ましい濃度は約16〜約21重量%である。
【0020】
本発明で使用される組成物は溶媒としてのガンマ−ブチロラクトンもまた包含する。溶媒全体の量は非感光性ポリイミド前駆体組成物の重量の約92%〜約74%である。1つまたはそれ以上の共溶媒もまた、使用する溶媒の全量の約20%まで使用されてよく、残部はガンマ−ブチロラクトンである。共溶媒の例には、ガンマ−バレロラクトン、ガンマ−カプロラクトン、およびデルタ−バレロラクトン、ならびに2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノンのようなケトンがあるが、これらに限定されない。好適な共溶媒は約110〜約230℃の沸点を有すべきである。
【0021】
本発明の非感光性ポリイミド前駆体組成物は式I〜VI
【化9】

(式中、R1はH、C1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキル、フェニルもしくはハロフェニルまたはアルキル置換フェニルであり、R2はC1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキル、フェニル、ハロフェニルもしくはアルキル置換フェニルまたは以下のVII、VIIIまたはIX
【化10】

(式中、R3はC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、R4、R5およびR6は独立にC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基であり、mは1から大体4の整数であり、およびnは1から大体5の整数である)
の部分構造の1つである)
によって表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの接着促進剤を含有する。好ましい接着促進剤は式I、II、IVおよびVによって示されるものである。また好ましい他の接着促進剤は、R1およびR2がそれぞれ独立にC1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキルであるか、またはR1およびR2の1つがフェニルである式Iの接着促進剤である。好ましい接着促進剤の特定の例には、式XVII、XVIII、XIXおよびXX
【化11】

の接着促進剤が含まれるが、これらに限定されない。処方物中の接着促進剤の量は処方物の約0.01〜約2重量%である。接着促進剤の好ましい量は約0.05〜約1.5%である。接着促進剤の一層好ましい量は処方物の約0.15〜約1重量%でありまた最も好ましい量は約0.2〜約0.6重量%である。
【0022】
処方物は、染料、溶解速度調整剤または他の添加剤のような様々な添加剤もまた含有してよい。処方物中の各々の添加剤の量は、それがもし使用されるなら、処方物の約0.02〜約2重量%である。使用される場合、各々の添加剤の好ましい量は処方物の約0.05〜約1.5重量%であり、また一層好ましい量は約0.1〜約1重量%である。
【0023】
本発明の組成物は様々な方法で使用されてよい。非感光性ポリイミド前駆体組成物を使用する1つの方法は、
(a)基板を用意し;
(b)最初のコーティング段階で、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)中および水性のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド中に可溶の1つまたはそれ以上のポリアミド酸、ガンマ−ブチロラクトンを含有する溶媒、ならびに式I〜VI
【化12】

(式中、R1はH、C1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキル、フェニルもしくはハロフェニルまたはアルキル置換フェニルであり、R2はC1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキル、フェニル、ハロフェニルもしくはアルキル置換フェニルまたは以下のVII、VIIIまたはIX
【化13】

(式中、R3はC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、R4、R5およびR6は独立にC1〜C4の線状または分枝状のアルキル基であり、mは1から大体4の整数であり、またnは1から大体5の整数である)
の部分構造の1つである)
によって表される化合物からなる群から選択される1つまたはそれ以上の接着促進剤を含有するが、ただしポリアミド酸が、ポリイミド前駆体組成物がともに使用されるべき感光性組成物中で使用される溶媒に対してやはり抵抗性があるものとする組成物によって基板をコーティングして、少なくとも約0.5μmの厚さを有する非感光性ポリイミド前駆体組成物の層を形成し;
(c)140℃またはそれ未満の温度および好ましくは130℃を下まわる温度で非感光性ポリイミド前駆体組成物の層をベーキングし;
(d)第2のコーティング段階で、非感光性ポリイミド前駆体組成物の層上にフォトレジストの層をコーティングして二層コーティングを形成し;
(e)二層コーティングをフォトレジストに対して好適な放射線に露光し;
(f)1つまたはそれ以上の水性の現像液によって二層コーティングを現像し;
(g)残留するフォトレジスト層を除去しそして
(h)非感光性ポリイミド前駆体組成物層を少なくとも約200℃の温度で硬化してポリイミド構造をつくる
段階を包含する。
【0024】
本発明で使用するために好適な基板には、応力緩衝コーティング組成物でスピンコートされている珪素、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、金、鉄を含む金属、アルミニウム/銅合金、ポリマー樹脂、二酸化珪素、ドープされた二酸化珪素、シリコーン樹脂、窒化珪素、ヒ素化珪素、ヒ素化ガリウム、燐化インジウム、セレン化インジウム、インジウム−錫酸化物、タンタル、ポリシリコン、無機ガラス、およびセラミックがあるが、これらに限定されない。好ましい基板は熱的に成長された酸化珪素/シリコンウェーファ例えばマイクロプロセッサー、メモリー、および他の微小化された集積回路コンポーネントを製造するのに使用されるものである。最も好ましい基板は、機能的半導体デバイスを製作するのに必要なすべての過程が完了しているシリコンウェーファである。
【0025】
非感光性ポリイミド前駆体組成物層をコーティングする任意の好適な方法が用いられてよい。基板上への本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物のコーティングはスピンコーティング法によってなされるのが好ましい。スピンコーティング法に際して、シリコンウェーファまたは他の基板が、真空チャック上に置かれそして、ウェーファの頂部表面上に応力緩衝組成物が中央部に分散された後またはその最中に高速度(例えば500〜3,000rpm)で回転される。回転速度、回転時間などのようなスピンコーティング法のパラメータは所望の用途に従って変化されてよい。
【0026】
第1のコーティング段階の後、コートされた基板がベークされる。ベーキングは1つの温度または複数の温度で行うことができる。ベーキングはホットプレート上でまたは当業者に知られた様々な種類のオーブン中で行われてよい。好適なオーブンには、加熱されるオーブン、加熱される真空オーブン、および赤外線オーブンまたは赤外線トラックモジュール(track module)がある。ベーキングのために用いる典型的な時間は、選定したベーキング方法ならびに所望の時間および温度に依存するであろうし、またこれは当業者に知られているであろう。好ましいベーキング方法はホットプレート上でのものである。ホットプレート上でベーキングする時、典型的な時間範囲は、約80〜180℃の典型的な温度で約0.5〜約5分の範囲にある。より低いベーク温度および/またはより短い時間は、ポリアミド酸フィルム中に残留する溶媒の量を増大し、このことは深紫外線フォトレジストがコートされるときに相互混合のような問題を惹起するであろう。より高い温度およびより長い時間はポリアミド酸のイミド化を惹起し、その結果リソグラフィーに際して現像液中への溶解が低下する。このベークの際に起きるイミド化の度合いは、使用するポリアミド酸の特定の化学構造および物理的特性に依存するであろう。従って、最適なベーキング温度は特定の組成物とともに変化するであろう。しかし本発明の目的ためには、ベーキングによるイミド化の度合いは、現像液中の非感光性ポリイミド前駆体の溶解を阻止すべきでない。好ましいベーキング温度は約100〜約150℃である。一層好ましいベーキング温度の範囲は約115〜約125℃である。他の好適なベーキング温度範囲は約110℃から140℃を下まわる温度、または約110℃から130℃を下まわる温度である。他の1つの好適な温度範囲は約120℃から140℃を下まわる温度、または約120℃から130℃を下まわる温度である。他の好適な温度範囲は約120〜約135℃であろう。
【0027】
ポリアミド酸の層の厚さは、特定の応用に応じて約100nm〜約50μmであろう。好ましい厚さの範囲は約2〜約40μmである。一層好ましい厚さの範囲は約4〜約20
μmである。
【0028】
第2のコーティング段階で、フォトレジストの層が感光性ポリイミド前駆体組成物のフィルム上にコートされる。フォトレジストをコーティングする任意の好適な方法が用いられてよい。フォトレジストのコーティングの好ましい方法はスピンコーティングである。任意の好適な施用技術および回転速度が用いられてよくまたこれらは当業者に知られている。
【0029】
本方法の例示として深紫外線フォトレジストがここに説明される。しかしながら、他の波長に対する感受性のある他の種類のフォトレジストが、非感光性ポリイミド前駆体組成物とともに使用されてよい。他の好適なフォトレジストの例には、ジアゾナフトキノンジアジドスルホン酸エステルおよびフェノールホルムアルデヒド(ノボラック)ポリマーをベースとするものがある。この種類のフォトレジストの例は、米国特許第5,063,138号、第5,334,481号、第4,377,631号、第5,322,757号、第4,992,596号および第5,554,797号中に見いだすことができる。これらのフォトレジストは、436nmまたは365nmを採用するなどして、他の露光波長で使用されることができる。
【0030】
本発明にとって有用な深紫外線フォトレジストは、250nm未満の波長で画像を形成する感光性組成物である。好ましい態様で深紫外線フォトレジストは化学的に増幅されたフォトレジストでありまたポジまたはネガに働いてもよい。
【0031】
ポジに働く深紫外線フォトレジストは、ポリマー、1つまたはそれ以上の光酸発生剤(PAG)および溶媒を含有する。本発明にとって好適な代表的な深紫外線フォトレジストは、参照によって本記載に加入されている米国特許第5,468,589号、第4,491,628号、第5,679,495号、第6,379,861号、第6,329,125号および第5,206,317号中に見いだすことができる。塩基、染料、接着促進剤、または溶解抑制剤のような、深紫外線フォトレジストへの追加的な添加剤もまた使用されてよい。化学的に増幅されたフォトレジストのための好適なポリマーの例は、酸感受性基によってブロックされているアルカリ可溶化基を有するポリマーを含む。好適なアルカリ可溶化基の例には、カルボン酸、フェノール、ヒドロキシイミド、ヒドロキシメチルイミドおよびフッ素化アルコールがあるが、これらに限定されない。好適なブロッキング基の例には、第3級炭素を含むアルキル基、およびアルファアルコキシアルキル基、およびアリールイソプロピル基があるが、これらに限定されない。ブロックされたアルカリ可溶化基の好適な例には、t−ブチルエステル、アルファアルコキシエステル、t−ブトキシフェニル、t−ブトキシイミド、およびt−ブトキシメチルイミドがあるが、これらに限定されない。ブロックされたアルカリ可溶化基の例は、米国特許第5,468,589号、第4,491,628号、第5,679,495号、第6,379,861号、第6,329,125号および第5,206,317号中に見いだすことができる。
【0032】
ポリマーに加えて、本発明にとって好適な化学的に増幅されたフォトレジストは光酸発生剤も含有するであろう。任意の好適な光酸発生剤化合物は放射線感受性フォトレジスト組成物中で使用されてよい。好適な光酸発生剤の例には、カルボン酸またはスルホン酸のヨードニウム塩およびスルホニウム塩、オキシムスルホネート;およびカルボン酸またはスルホン酸のニトロベンジルエステルがあるが、これらに限定されない。
【0033】
好ましい光酸発生剤は、スルホン酸またはスルフィン酸を発生するものである。スルホン酸またはスルフィン酸を生成する光酸発生剤の好適な部類は、スルホニウム塩またはヨードニウム塩、オキシイミドスルホネート、ビススルホニルジアゾメタン化合物、およびニトロベンジルスルホネートエステルがあるが、これらに限定されない。好適な光酸発生剤化合物は、例えば、参照によって本記載に加入されている米国特許第5,558,978号および第5,468,589号中に開示されている。特に好ましいのは強酸のジ−アリールヨードニウム塩もしくはジ−アルキルヨードニウム塩、またはスルホン酸のトリアリール、ジアリールアルキル、ジアルキルアリール、もしくはトリアルキル置換されたスルホニウム塩である。
【0034】
光酸発生剤の好適な例は、トリフェニルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムヨーダイド、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアーセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルエチルスルホニウムクロライド、フェナシルジメチルスルホニウムクロライド、フェナシルテトラヒドロチオフェニウムクロライド、4−ニトロフェナシルテトラヒドロ−チオフェニウムクロライド、および4−ヒドロキシ−2−メチルフェニルヘキサヒドロチオピリリウムクロライドである。
【0035】
本発明で使用するための好適な光酸発生剤の追加的な例には、トリフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロブタン−スルホネート、メチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、メチルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、4−n−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、2,4,6−トリメチルフェニルジフェニル−スルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、フェニルチオフェニル−ジフェニルスルホニウム4−ドデシルベンゼンスルホン酸、トリス(−t−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、トリス(−t−ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、トリス(−t−ブチルフェニル)スルホニウム2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トリス(−t−ブチルフェニル)スルホニウムベンゼンスルホネート、およびフェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネートがある。
【0036】
本発明で使用するための好適なヨードニウム塩の例には、ジフェニルヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート、ビス−(t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−ブタンスルホネート、ビス−(t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロオクタンスルホネート、ビス−(t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス−(t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、およびジフェニルヨードニウム4−メトキシベンゼンスルホネートがあるが、これらに限定されない。
【0037】
本発明で使用するための好適な光酸発生剤の別な例は、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロ−ヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチル−スルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシル−スルホニル)ジアゾメタン、1−p−トルエンスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−メタンスルホニル−2−メチル−(4−メチルチオ−プロピオフェノン、2,4−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタ−3−オン、1−ジアゾ−1−メチルスルホニル−4−フェニル−2−ブタノン、2−(シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、1−シクロヘキシル−スルホニル−1シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、1−ジアゾ−1−シクロヘキシルスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−アセチル−1−(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−ベンゼンスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(p−トルエン−スルホニル)−3−メチル−2−ブタノン、シクロヘキシル2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)アセテート、第3級−ブチル2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニルアセテート、イソプロピル−2−ジアゾ−2−メタンスルホニルアセテート、シクロヘキシル2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニルアセテート、第3級−ブチル−2−ジアゾ−2−(p−トルエン−スルホニル)アセテート、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート、2,6−ジニトロベンジルp−トルエンスルホネート、および2,4−ジニトロベンジルp−トリフルオロメチルベンゼン−スルホネートである。
【0038】
光酸発生剤化合物は、ポリマー固形物の約0.0001〜20重量%の量、一層好ましくは約1〜10重量%の量で典型的に使用される。好ましい光酸発生剤はスルホニウム塩である。光酸発生剤は単独でまたは1つまたはそれ以上の光酸発生剤と組み合わせて使用されてよい。光酸発生剤混合物中の各々の光酸発生剤の百分率は光酸発生剤混合物全体の約10〜約90%である。
【0039】
ネガに働く化学的に増幅された深紫外線フォトレジストはアルカリ可溶性のポリマー、光酸発生剤、架橋剤、および溶媒を典型的に含む。好適なポリマーの例はヒドロキシスチレンモノマー単位を有するポリマーまたはコポリマーである。好適な光酸発生剤はポジに働く深紫外線フォトレジストに関して上記したものに類似する。任意の好適な架橋剤が使用されてよい。好適な架橋剤の例は、メチロール化されたメラミンおよび/またはメチロール化されそしてエーテル化されたメラミン、メチロール化されたグアナミンおよび/またはメチロール化されそしてエーテル化されたグアナミンならびに少なくとも2つのヒドロキシメチルフェニル基を含む化合物として含まれる。ネガとして働く化学的に増幅された深紫外線フォトレジストの好適な例は、米国特許第6,406,829号、第6,399,275号、第6,245,930号、第6,130,270号および第6,048,666号中に見いだすことができる。
【0040】
フォトレジストのための溶媒およびその濃度の選定は、酸に不安定なポリマー中に含まれる官能基の種類、光酸発生剤、およびコーティング方法に主として依存する。溶媒は不活性であり、フォトレジスト中にすべての成分を溶解し、成分と化学反応をなんら行なわずまたコーティングの後の乾燥によって除去可能でなければならない。フォトレジスト組成物のための好適な溶媒には、ケトン、エーテルおよびエステル例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メトキシ−1−プロピレンアセテート、2−エトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1,2−ジメトキシエタン、エチルアセテート、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルピルベート、エチルピルベート、メチル3−メトキシプロピオネート、エチル3−メトキシプロピオネート、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどおよびこれらの混合物が含まれるであろう。一層好ましい溶媒はプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテートまたはこれらの混合物である。最も好ましい溶媒はプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートである。
【0041】
深紫外線フォトレジストには塩基添加剤が添加されてよい。塩基添加剤の1つの目的は、化学放射線によって照射される前に、フォトレジスト中に存在する陽子を除去することである。塩基は、好ましくない酸による、酸に不安定な基への攻撃および開裂を防止することにより、フォトレジストの性能および安定性が増大される。塩基添加剤の第2の目的は、解像度を制御しそして改善するために、フォトアシッドの拡散を制御することである。フォトレジスト組成物が照射された後に酸に不安定な基の開裂を塩基が妨げるのは好ましくないであろうから、組成物中の塩基の百分率は光酸発生剤より著しく小さくなければならない。塩基化合物が存在するとき、その好ましい範囲は光酸発生剤化合物の約3〜約50重量%である。有用な塩基の例には、アルキルアミン、環状アミン、またはヒドロキシドイオンの塩があるが、これらに限定されない。塩基添加剤の好適な例は2−メチルイミダゾール、トリイソプロピルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドおよび1,5−ジアゾビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンである。
【0042】
第2のコーティング段階の後、コートされた基板がベークされる。ベーキングは、ホットプレート上でまたは当業者に知られた様々な種類のオーブン内で行われてよい。好適なオーブンには加熱を伴うオーブン、加熱を伴う真空オーブン、および赤外線オーブンまたは赤外線トラックモジュールが含まれる。ベーキングのために採用される典型的な時間は、選定したベーキング手段ならびに所望の時間および温度に依存するであろうし、また当業者に知られている。好ましいベーキングはホットプレート上でのそれである。ホットプレート上でベーキングを行うとき、典型的な時間の範囲は一般に約80〜約150℃の温度で約0.5〜約5分である。最適なベークのパラメータは深紫外線フォトレジストおよび使用する溶媒に応じて変化するであろう。深紫外線フォトレジストの分解を最少にしそしてポリアミド酸のイミド化の程度を制御して溶解特性を維持するであろうベーク条件が採用されるべきである。
【0043】
深紫外線フォトレジストの厚さは約0.1〜約3μmであってよい。好ましい厚さの範囲は約0.5〜約2.5μmである。一層好ましい厚さの範囲は約1〜約2μmである。
【0044】
得られる2層システムは引き続いて、所望のパターンを有するマスクを通じて光または他の放射線に露光される。光または他の放射線は使用するフォトレジストに対して適当であるべきである。光または他の放射線の好適な波長の例には、436nm、365nm、310nm、248nm、193nmおよび157nmおよび電子ビームまたはX−線がある。露光には1つまたはそれ以上の波長が用いられてよい。好ましい波長には、365nm、248nmおよび193nmが含まれる。一層好ましい波長は248nmである。
【0045】
化学放射線への露光に続いて、場合による段階において、コートされた基板を約70〜約130℃の温度まで加熱するのが有利である。この工程段階は技術上露光後ベーキングと普通称されまた、フォトレジストコーティングの一層可溶である部分を選択的に溶解するように、酸で触媒される脱ブロック化が十分に起きることを確実にするために実施される。好ましい後露光温度の範囲は約80〜120℃である。後露光ベーク段階の継続時間は典型的に、ホットプレート上で実施される場合、大体数秒から大体数分までの短い時間にわたる。この方法にとって適切なようにベーキング時間を選定するとして、他の好適な手段を採用することができる。
【0046】
2層フィルムは、水性の塩基現像液を使用して現像され、レリーフパターンが得られる。好適な水性塩基現像液の例には、無機アルカリ(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水)、第1級アミン(例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン)、第2級アミン(例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン)、第3級アミン(例えば、トリエチルアミン)、アルコール−アミン(例えば、トリエタノールアミン)、第4級アンモニウム塩(例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)、およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。最も好ましい現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を含有するものである。現像液には、適当な量の界面活性剤または他の添加剤が添加されてよい。
【0047】
現像は、浸漬、噴霧、パドル現像、または他の類似する現像方法によって二層コーティングを現像液と数秒から数分まで接触させることにより実施されることができる。現像には、しばしば厚いフィルムおよび異なる溶解度の露光されたフォトレジストと非感光性ポリイミド前駆体の現像を完結するための1つまたはそれ以上の異なる現像液が使用される。これらの異なる現像液は相互間で濃度がより大きくまたは小さいであろうし、または現像液中に異なる塩基または異なる比率の塩基を含有するであろう。脱イオン水によるリンス段階が現像液処理の間に採用されてよい。最後の現像液処理に続いて、2層レリーフパターンが脱イオン水を使用して次にリンスされる。場合による乾燥段階は任意の好適な乾燥手段を使用して採用される。好適な乾燥手段の例には、スピン乾燥、ホットプレート上またはオーブン内でのベーキングがあり、また継続時間は通常短い。
【0048】
現像(または、所望なら場合による乾燥段階)の後、頂部のフォトレジスト層は、『ストリッピング』と称される工程でこのフォトレジスト層を適当な溶媒中に溶解することにより除去される。ストリッピング溶媒はフォトレジスト層を溶解すべきであるが、ポリアミド酸の底部層は溶解すべきでない。好適なストリッピング溶媒には、ケトン、エーテルおよびエステル例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メトキシ−1−プロピレンアセテート、2−エトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1,2−ジメトキシエタン、エチルアセテート、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルピルベート、エチルピルベート、メチル3−メトキシプロピオネート、エチル3−メトキシプロピオネート、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびこれらの混合物が含まれるであろう。好ましい溶媒はプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテートまたはこれらの混合物である。最も好ましい溶媒はプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートである。ストリッピング工程は、レリーフ構造を有する2層コートされた基板をストリッピング溶媒中に浸漬することにより、または好ましくは、基板をチャック上でゆっくり回転しながら2層レリーフ構造上にストリッピング溶媒を噴霧することにより行うことができる。その上にポリアミド酸レリーフ構造のみがこの時コートされている基板は、引き続いて、新鮮なストリッピング溶媒でリンスされ、そして好適な乾燥手段によって乾燥されてよい。
【0049】
次いで、耐熱性の大きいポリイミドを得るために、ポリアミド酸ポリマーのガラス転移温度、Tgまたはそれを越える温度でポリアミド酸レリーフ構造を有する基板をベークすることにより、ポリアミド酸がポリイミドへと硬化される。用いる温度は使用する特定のポリイミドおよび基板に応じて変化するであろう。硬化温度は約200〜約500℃の範囲にわたってよい。好ましい範囲は約250〜約450℃である。一層好ましい範囲は約300〜約450℃である。硬化はホットプレート、加熱された拡散管またはオーブンを使用して実行されてよく、また単一の温度、もしくはいくつかの温度で行われてよく、または広い温度範囲にわたって昇温されてよい。硬化時間は使用する特定の加熱手段に依存するであろうが、典型的に約30〜60分であろう。その中でベークを行う雰囲気は窒素のような不活性ガス中または空気中であってよい。
【0050】
半導体工業での上記のポリイミドフィルムの応用には、パッケージされた半導体のための応力緩和コーティング、アルファ粒子バリアーフィルム、層間絶縁膜、絶縁フィルムおよびパターン化されたエンジニアリングプラスチック層が含まれるが、これらに限定されない。ここに開示する処方物および方法を用いてつくられる商業物品の例には、DRAMのようなメモリデバイス、マイクロプロセッサーまたはマイクロコントローラのような論理デバイス、メッキステンシルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
以下の実施例は本発明の原理および実施法を一層明確に説明するために提示される。本発明はここに記載する実施例に限定されないことを理解すべきである。
【0052】
比較例1
ビスフェノールA二酸無水物(BPADA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸の製造
【化14】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン199gを入れ、次いでビス−フェノールA二酸無水物(BPADA)26.03g(50ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いでビス−フェノールA二酸無水物が完全に溶解するまで50〜51℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。この場合、沈殿はなんら生成しなかった。オキシジアニリン9.81g(49ミリモル)を3gの部分に小分けにして1時間以内に添加した。オキシジアニリンの容器を反応フラスコ中へとリンスするためにガンマ−ブチロラクトン3.2gを添加した。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。最終生成物の動粘度は1350cStであった。ポリマーは0.262Nの水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシド中に溶解しないことが分かった。
【0053】
比較例2
2,2’−ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸の製造
【化15】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン230.54gを入れ、次いで6FDA44.42g(100ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いで
6FDAが完全に溶解するまで50〜51℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。この場合、沈殿はなんら生成しなかった。オキシジアニリン19.62g(98ミリモル)を3gの部分に小分けにして1時間以内に添加した。ガンマ−ブチロラクトン12.81gを添加してオキシジアニリンの容器を反応フラスコ中へとリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。最終生成物の粘度は4480cStであった。溶液をガンマ−ブチロラクトン75gで希釈し、動粘度1029cStを有する最終生成物を得た。
【0054】
比較例3
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(S−BPDA)/オキシジ
アニリン(ODA)ポリアミド酸の製造
【化16】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン176.54gを入れ、次いでS−BPDA29.42g(100ミリモル)を添加した。得られるスラリーを室温で15分撹拌し、次いで50〜51℃で撹拌した。スラリーは溶解しなかった。反応スラリーを15℃に冷却した。オキシジアニリン19.62g(98ミリモル)を3gの部分に小分けにして1時間以内に添加した。ガンマ−ブチロラクトン59gを添加してオキシジアニリンを反応フラスコ中へとリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。重質で粘稠なスラリーは溶解しなかった。反応物を廃棄した。
【0055】
比較例4
ピロメリト酸二無水物(PMDA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸の製造
【化17】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン200.00gを入れ、次いでPMDA21.8g(100ミリモル)を添加した。得られるスラリーを室温で15分撹拌し、次いで50〜51℃で撹拌した。スラリーは溶解しなかった。反応スラリーを15℃に冷却した。オキシジアニリン19.62g(98ミリモル)を3gの部分に小分けにして1時間以内に添加した。ガンマ−ブチロラクトン17.5gを添加してオキシジアニリンを反応フラスコ中へとリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。重質で粘稠なスラリーは溶解しなかった。反応物を廃棄した。
【0056】
比較例5
4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/1,4フェニレンジアミンポリアミド酸の製造
【化18】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン224.75gを入れ、次いで4,4’
−オキシジフタル酸無水物(ODPA)46.53g(150ミリモル)を添加した。ODPAの装入漏斗をガンマ−ブチロラクトン12.5gでリンスした。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いで4,4’−オキシジフタル酸無水物が完全に溶解するまで73〜75℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。4,4’−オキシジフタル酸無水物が部分的に沈殿した。1,4−フェニレンジアミン15.90g(147ミリモル)を小分けにして1時間以内に添加した。ガンマ−ブチロラクトン12.5gを添加してオキシジアニリンの容器をリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。反応によって黒いタール状の固形物が生成し、これは廃棄した。
【0057】
比較例6
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)/4,4−オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸の製造
【化19】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン186.60gを入れ、次いでBTDA32.20g(100ミリモル)を添加した。BTDAの装入漏斗をガンマ−ブチロラクトン10.40gを使ってリンスした。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いでBTDAが完全に溶解するまで95〜100℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。ODA19.624g(98モル)をいくつかの部分に分けて1時間以内に添加した。ガンマ−ブチロラクトン10.4gを添加してオキシジアニリンの容器をリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。反応によって混濁した溶液が生成した。反応混合物を廃棄した。
【0058】
実施例1
4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸の製造
【化20】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン270gを入れ、次いで4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)31.022g(100ミリモル)を添加した。ODPAの装入漏斗をガンマ−ブチロラクトン15gでリンスした。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いで4,4’−オキシジフタル酸無水物が完全に溶解するまで73〜75℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。4,4’−オキシジフタル酸無水物が部分的に沈殿した。オキシジアニリン19.62g(98ミリモル)をいくつかの部分に分けて1時間以内に添加した。ガンマ−ブチロラクトン13.3gを添加してオキ
シジアニリンの容器をリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。溶液のIRスペクトルの酸無水物のピーク(1800cm-1)が存在しないことが立証されたので反応が完結した。最終生成物の動粘度は1384cStであった。
【0059】
実施例2
4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)−ピロメロト酸二無水物(PMDA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸の製造
【化21】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン234.9gを入れ、続いて4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)27.92g(90ミリモル)およびピロメリト酸二無水物(PMDA)2.18g(10ミリモル)を添加した。ODPA/PMDAの装入漏斗をガンマ−ブチロラクトン13.05gでリンスした。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いで酸無水物が完全に溶解するまで70〜72℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。オキシジアニリン19.62g(98ミリモル)を3gの部分に小分けにして1時間以内に添加した。固形物が一部沈殿した。ガンマ−ブチロラクトン13.3gを反応フラスコに添加してオキシジアニリンの容器をリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。最終生成物の動粘度は472cStであった。
【0060】
実施例3
4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/5(6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン(DAPI)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸の製造
【化22】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン187gを入れ、続いてODPA31.022g(100ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いでODPAが完全に溶解するまで50〜51℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。4,4’−オキシジフタル酸無水物が部分的に沈殿した。オキシジアニリン15.7g(78.4ミリモル)を3gの部分に小分けにして1時間以内に添加し、続いてDAPI5.22g(19.6ミリモル)も3gに小分けして添加した。ガンマ−ブチロラクトン12.81gを反応フラスコに添加してオキシジアニリンおよびDAPIの容器をリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。最終生成物の動粘度は4186cStであった。溶液をガンマ−ブチロラクトン48gで希釈し、動粘度1120cStを有する最終溶液を得た。
【0061】
実施例4
4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/4,3’−オキシジアニリンポリアミド酸の製造
【化23】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン181.00gを入れ、続いて4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)31.022g(100ミリモル)を添加した。ODPAを装入する漏斗をガンマ−ブチロラクトン10gを使ってリンスした。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いで4,4’−オキシジフタル酸無水物が完全に溶解するまで73〜75℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。4,4’−オキシジフタル酸無水物が部分的に沈殿した。4,3’−オキシジアニリン19.22g(96ミリモル)を小分けにして1時間以内に添加した。ガンマ−ブチロラクトン8gを添加してオキシジアニリンの容器をリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。溶液のIRスペクトルの酸無水物のピーク(1800cm-1)が存在しないことが立証されたので反応が完結した。最終生成物の動粘度は1075cStであった。
【0062】
実施例5
4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)ポリアミド酸の製造
【化24】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン214.83gを入れ、続いて4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)31.022g(100ミリモル)を添加した。ODPAを装入する漏斗をガンマ−ブチロラクトン11.93gを使ってリンスした。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いで4,4’−オキシジフタル酸無水物が完全に溶解するまで70〜72℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。4,4’−オキシジフタル酸無水物が部分的に沈殿した。1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)28.65g(98ミリモル)を小分けにして(3gの部分で)1時間以内に添加した。ガンマ−ブチロラクトン15.63gを添加して1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)の容器を反応混合物中にリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。最終生成物の動粘度は1356cStであった。
【0063】
実施例6
4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/5(6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン(DAPI)ポリアミド酸の製造
【化25】

500mLの3つ口丸底フラスコに機械撹拌機、温度制御器および窒素流入口を装備した。この反応フラスコにガンマ−ブチロラクトン270gを入れ、続いて4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)31.022g(100ミリモル)を添加した。ODPAを装入する漏斗をガンマ−ブチロラクトン15gを使って反応フラスコ中にリンスした。反応混合物を室温で15分撹拌し、次いで4,4’−オキシジフタル酸無水物が完全に溶解するまで70〜72℃で撹拌した。透明で淡黄色の反応溶液を15℃に冷却した。4,4’−オキシジフタル酸無水物が部分的に沈殿した。DAPI26.11g(98ミリモル)を3gの部分に小分けにして1時間以内に添加した。ガンマ−ブチロラクトン14.94gを添加してDAPIの容器を反応混合物中にリンスした。反応温度をさらに15分間15℃に維持し、次いでゆっくり40℃まで昇温した。反応混合物をこの温度で24時間撹拌し続けた。最終生成物の動粘度は390cStであった。
【0064】
実施例7
0.262Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)溶液中へのポリアミド酸の溶解速度の検討
実施例1〜6で、および比較例2で製造した適当なポリアミド酸の溶液を1μmのテフロンフィルター膜を通じて濾過した。これらの溶液を、Mercator Life Systemsの装置(500ワット、0.3〜0.5トル)中でO2プラズマによって10分間クリーニングしたシリコンウェーファ上にスピンコートした。コートしたウェーファを120℃で3分ベーキングした。このようにして得たポリアミド酸フィルムの厚さは3〜4μmであった。ウェーファを0.262NのTMAH水溶液中に浸漬した。ポリアミド酸フィルムが溶解するのに必要な時間を記録し、そしてこれから溶解速度を算出した(表1参照)。
【0065】
実施例8
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)中へのポリアミド酸の溶解速度の検討
実施例1〜6で、および比較例2で製造したポリアミド酸の溶液を1μmのテフロンフィルター膜を通じて濾過した。これらの溶液を、Mercator Life Systemsの装置(500ワット、0.3〜0.5トル)中でO2プラズマによって10分間クリーニングしたシリコンウェーファ上に回転コートした。コートしたウェーファを120℃で3分ベーキングした。このようにして得たポリアミド酸フィルムの厚さは3〜4μmであった。次いで、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)約20mLをウェーファの頂面に注下し、ウェーファの表面をほとんどすべて覆うパドルをつくった。大体1分後、PGMEAを流し去りそしてウェーファ上のフィルムを、疵(皺)および厚さの減少について検査した。なんらかの疵の徴候および/または600オングストロームを越えるフィルム厚さの減少が認められるフィルムは、PGMEA耐久性が悪いものとした。結果は表1にある。
【表1】

【0066】
実施例9
いろいろな温度でベークしたODPA/ODAポリアミド酸の赤外線(IR)検査
実施例1にのべたのと似た仕方で調製したGBL(16重量%)中のODPA/ODAポリアミド酸溶液100gをGBL60gで希釈した。溶液を、Mercator Life Systemsの装置(500ワット、0.3〜0.5トル)中でO2プラズマによって10分間クリーニングした、二重研磨されたシリコンウェーファ上にスピンコートした。コートしたウェーファを3分間、100℃、120℃、140℃、160℃および180℃での異なるソフトベークに付した。このようにして得たポリアミド酸フィルムの厚さは0.5〜0.6μmであった。このようにしてコートして得たウェーファを、〜1800〜1850cm-1でのピークの存在についてIRによって検査した。結果を表2に要約する。
【0067】
実施例10
いろいろな温度でベークしたODPA/ODAポリアミド酸の溶解速度の測定 実施例1に述べたのと似た仕方で調製したGBL(16重量%)中のODPA/ODAポリアミド酸溶液を、Mercator Life Systemsの装置(500ワット、0.3〜0.5トル)中でO2プラズマによって10分間クリーニングしたシリコンウェーファ上にスピンコートした。コートしたウェーファを3分間、100℃、120℃、140℃、160℃および180℃での異なるソフトベークに付した。このようにして得たポリアミド酸フィルムの厚さは3〜3.5μmであった。ウェーファを、0.262NのTMAH水溶液中に浸漬した。ポリアミド酸フィルムが溶解するのに必要な時間を記録し、これから溶解速度を算出した。結果を表2に要約する。
【表2】

【0068】
実施例11a〜18a、比較例8a〜11a
接着促進剤を含有するポリアミド酸溶液の安定性試験
様々な接着促進剤(コネチカット州GreenwichのOSI Specialtiesの製品)を含有する一連のポリアミド酸溶液の安定性を試験した。各々の処方物は、実施例1で調製した4,4’−オキシジフタル酸酸無水物(ODPA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸溶液50gに添加された、GBL中の接着促進剤の10%溶液2.4gからなった。溶液を室温で24時間混合しそしてゲル化について調べた。結果を表3に要約する。ゲル化の徴候を示さない溶液は1μmのフィルターを通じて濾過されゲル化がないことが確認された。
【0069】
実施例11b〜13b、16b〜18b
ASTM D−3359−83に従う接着促進剤を含有するポリアミド酸溶液の接着試験
表1に列挙した接着促進剤1部をガンマ−ブチロラクトン3部中に溶解した。この溶液を実施例1の4,4’−オキシジフタル酸酸無水物(ODPA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸溶液208部に滴状に添加した。混合物を24時間撹拌して、透明な溶液を得た。シリコンウェーファをMercator Life Systemsの装置(500ワット、0.3〜0.5トル)中でO2プラズマによって10分間クリーニングした。この溶液を上記したシリコンウェーファ上に回転コートした。コートしたウェーファを120℃で3分ベークした。このようにして得たポリアミド酸のフィルムの厚さは7〜8μmであった。スピンコーティングによってポリアミド酸層上にコーティングしそして110℃で90秒ベーキングすることにより、深紫外線フォトレジストGKR−4401(Arch Chemicalsから市販で入手できる)の2μmのフィルムをつくった。次に広帯域の水銀ランプ(ランプ出力は露光時に際して400nmで1000mJ/cm2であった)の光をKarl Suss MA−56広帯域露光器具によって108.2秒使用することによりウェーファを像様に露光した。こうして2mm平方の10×10の格子を形成した。次に露光したウェーファを110℃で10秒間ベークした。次にパドル現像(2パドル、それぞれ50秒)を用いてウェーファを0.262Nの水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシド中で現像した。残留するフォトレジストを、Arch Chemicalsから市販で入手できるフォトレジストストリッパーRER600の霧化されたスプレイを使用して、毎分2000回転で回転しつつ30秒の処理により除去した。次にウェーファが乾燥するまで、ウェーファを毎分3000回転で回転した。ポリアミド酸のパターン化された層を窒素雰囲気下で350℃で1時間イミド化した。次に生成物を圧力クッカーポット内にいれそして121℃の飽和水蒸気に100時間暴露した。次にウェーファへのフィルムの接着を、ASTM D−3359−83中に記載されているように3Mテープ#720を使用するテープ剥離試験を用いて試験した。格子の正方形が剥離しないなら、処方物は試験に合格した。結果を表3に要約する。
【表3】

【表4】

【0070】
リソグラフィーの実施例1
深紫外線2層法での接着促進剤を伴う4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸のリソグラフィー評価
N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン1部をガンマ−ブチロラクトン3部中に溶解した。この溶液を実施例1の4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸溶液208部に滴状に添加した。混合物を24時間撹拌して、透明な溶液を得た。シリコンウェーファをMercator Life Systemsの装置(500ワット、0.3〜0.5トル)中でO2プラズマによって10分間クリーニングした。この溶液をクリーニングしたシリコンウェーファ上にスピンコートした。コートしたウェーファを120℃で3分ベークした。このようにして得たポリアミド酸のフィルムの厚さは7〜8μmであった。スピンコーティングによってポリアミド酸層上にコーティングしそして110℃で90秒ベーキングすることにより、深紫外線フォトレジストGKR−4401(Arch Chemicalsから市販で入手できる)の2μmのフィルムをつくった。次に広帯域の水銀ランプ(ランプ出力は露光時に際して400nmで1000mJ/cm2であった)の光をKarl Suss MA−56広帯域露光器具によって108.2秒使用することでウェーファを露光した。次
に露光されたウェーファを110℃で60秒ベークした。次にパドル現像(2パドル、それぞれ50秒)を用いてパターンを0.262Nの水性TMAH中で現像した。残留するフォトレジストを、Arch Chemicalsから市販で入手できるフォトレジストストリッパーRER600の霧化されたスプレイを使用して、毎分2000回転で回転しつつ30秒の処理に際して除去した。次にウェーファが乾燥するまで、ウェーファを毎分3000回転で回転した。ポリアミド酸のパターン化された層をN2雰囲気下で350℃で1時間イミド化した。次に生成物を圧力クッカーポット内にいれた。500時間後にテープ剥離試験に合格した。
【0071】
リソグラフィーの比較例1
接着促進剤を伴わない深紫外線2層法での4,4’−オキシジフタル酸酸無水物(ODPA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸のリソグラフィー評価
シリコンウェーファをMercator Life Systemsの装置(500ワット、0.3〜0.5トル)中でO2プラズマによって10分間クリーニングした。実施例1の4,4’−オキシジフタル酸酸無水物(ODPA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸溶液を上述したシリコンウェーファ上にスピンコートした。コートしたウェーファを120℃で3分ベーキングした。このようにして得たポリアミド酸のフィルムの厚さは7〜8μmであった。スピンコーティングによってポリアミド酸層上にコーティングしそして110℃で90秒ベーキングすることにより、深紫外線フォトレジストGKR−4401(Arch Chemicalsから市販で入手できる)の2μmのフィルムをつくった。次に広帯域の水銀ランプ(ランプ出力は露光時に際して400nmで1000mJ/cm2であった)の光をKarl Suss MA−56広帯域露光器具によって108.2秒使用することでウェーファを露光した。次に露光されたウェーファを110℃で60秒ベークした。次にパドル現像(2パドル、それぞれ50秒)を用いてウェーファを0.262Nの水性TMAH中で現像した。残留するフォトレジストを、Arch Chemicalsから市販で入手できるフォトレジストストリッパーRER600の霧化されたスプレイを使用して、毎分2000回転で回転しつつ30秒の処理により除去した。次にウェーファが乾燥するまで、ウェーファを毎分3000回転で回転した。ポリアミド酸のパターン化された層をN2雰囲気下で350℃で1時間イミド化した。次に生成物を圧力クッカーポット内にいれた。100時間未満でテープ剥離試験に不合格となった。
【0072】
リソグラフィーの実施例2
深紫外線2層法での内部接着促進剤を伴う4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸のリソグラフィー評価
N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン1部を、実施例1に述べたように調製した18.3%(重量)の4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸溶液182部中に溶解した。シリコンウェーファをMercator Life Systemsの装置(500ワット、0.3〜0.5トル)中でO2プラズマによって10分間クリーニングした。この溶液を上述したシリコンウェーファ上にスピンコートした。コートしたウェーファを120℃で3分ベーキングした。このようにして得たポリアミド酸のフィルムの厚さは7.9μmであった。スピンコーティングによってポリアミド酸層上にコーティングしそして110℃で90秒ベーキングすることにより、深紫外線フォトレジストGKR−4401(Arch Chemicalsから市販で入手できる)の2μmのフィルムをつくった。次に、コートしたシリコンウェーファを、ライン/スペースパターンを含むフォトマスクを通じてCanon FPA−3000 EX6ステッパー内でKrFエキシマーレーザービーム(248nm)によって、異なる位置で勾配のある露光を用いて像様に露光した。次に露光したウェーファを85℃で90秒ベーキングした。
次に、パドル現像(2パドル、それぞれ50秒)を用いてウェーファを0.262Nの
水性TMAH中で現像した。残留するフォトレジストを、Arch Chemicalsから市販で入手できるフォトレジストストリッパーRER600の霧化されたスプレイを使用して、毎分2000回転で回転しつつ30秒の処理により除去した。ポリアミド酸のパターン化された層をN2雰囲気下で350℃で1時間イミド化した。得られるパターン化されたポリイミドフィルムは、良好に解像された15〜25μmのフィーチュアを有した。
【0073】
リソグラフィーの実施例3
深紫外線2層法での4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)ポリアミド酸のリソグラフィー評価
シリコンウェーファをMercator Life Systemsの装置(500ワット、0.3〜0.5トル)中でO2プラズマによって10分間クリーニングした。エタノール中のガンマ−アミノプロピルトリエトキシシランの1(重量)%溶液1〜3mLをウェーファ上に施し、そしてウェーファを毎分4000回転で45秒回転乾燥すことにより、このウェーファに外来的な接着促進剤のガンマ−アミノプロピルトリエトキシシランで下塗りした。比較例1で調製した4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)ポリアミド酸を下塗りされたシリコンウェーファ上にスピンコートした。コートしたウェーファを130℃で3分ベーキングした。このようにして得たポリアミド酸のフィルムの厚さは8.37μmであった。スピンコーティングによってポリアミド酸層上にコーティングしそして120℃で90秒ベーキングすることにより、深紫外線フォトレジストGKR−4401(Arch Chemicalsから市販で入手できる)の2μmのフィルムをつくった。次に、コートしたシリコンウェーファを、ライン/スペースパターンを含むフォトマスクを通じてCanon FPA−3000 EX6ステッパー内でKrFエキシマーレーザービーム(248nm)によって、異なる位置で勾配のある露光を用いて像様に露光した。次に露光したウェーファを85℃で90秒をベーキングした。次に、パドル現像を60秒用いてウェーファを0.262Nの水性TMAH中で現像した。残留するフォトレジストを、Arch Chemicalsから市販で入手できるフォトレジストストリッパーRER600の霧化されたスプレイを使用して、毎分2000回転で回転しつつ30秒の処理により除去した。ポリアミド酸のパターン化された層をN2雰囲気下で350℃で1時間イミド化した。走査電子顕微鏡下での検鏡によって、露光された領域中に残留物が見つかったが、これは現像方法を一層よく最適化する必要を示す。
【0074】
リソグラフィーの実施例4
深紫外線2層法での4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)/5(6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン(DAPI)/オキシジアニリン(ODA)ポリアミド酸のリソグラフィー評価
ビニルトリエトキシシラン1部をガンマ−ブチロラクトン3部中に溶解した。この溶液を実施例3で調製したODPA/DAPI/ODAポリアミド酸208部中に滴状に添加した。混合物を24時間撹拌しそして透明な溶液を得た。
上記で調製したODPA/DAPI/ODAポリアミド酸を含有する溶液をシリコンウェーファ上にスピンコートした。コートしたウェーファを130℃で3分ベークした。2500rpmでの30秒のスピンコーティングによってポリアミド酸層上にコーティングしそして110℃で90秒ベーキングすることにより、深紫外線フォトレジストGKR−4401(Arch Chemicalsから市販で入手できる)の厚さ約2μmのフィルムをつくった。コーティングの欠陥のため、フィルム厚さの精確な測定が妨げられた。次に、コートしたシリコンウェーファを、ライン/スペースパターンを含むフォトマスクを通じてCanon FPA−3000 EX6ステッパー内でKrFエキシマーレーザービーム(248nm)によって、露光線量95mJ/cm2まで像様に露光しそして85℃で90秒ベークした。次に、60秒間のパドル現像を用いてパターンを0.262Nの水性TMAH中で現像した。残留するフォトレジストを、Arch Chemicalsから市販で入手できるフォトレジストストリッパーRER600の霧化されたスプレイを使用して、毎分2000回転で回転しつつ60秒の処理により除去した。ポリアミド酸のパターン化された層をN2雰囲気下で350℃で1時間イミド化した。得られるパターン化されたポリイミドフィルムは良好に解像された50μmのフィーチュアを有した。
【0075】
リソグラフィーの実施例5
深紫外線2層法でのオキシジフタル酸無水物(ODPA)/4,3’−オキシジアニリンポリアミド酸のリソグラフィー評価
ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1部をガンマ−ブチロラクトン3部中に溶解した。この溶液を実施例4で調製したオキシジフタル酸無水物(ODPA)/4,3’−オキシジアリニンポリアミド酸208部中に滴状に添加した。混合物を24時間撹拌しそして透明な溶液を得た。
【0076】
上記で調製したオキシジフタル酸二無水物(ODPA)/4,3’−オキシジアニリンポリアミド酸を含有する溶液をシリコンウェーファ上にスピンコートした。コートしたウェーファを130℃で3分ベークした。このようにして得たポリアミド酸のフィルムの厚さは約12.1μmであった。2500rpmでの30秒のスピンコーティングによってポリアミド酸層上にコーティングしそして110℃で90秒ベーキングすることにより、深紫外線フォトレジストGKR−4401(Arch Chemicalsから市販で入手できる)の厚さ約2μmのフィルムをつくった。次に、コートしたシリコンウェーファを、ライン/スペースパターンを含むフォトマスクを通じてCanon FPA−3000 EX6ステッパー内でKrFエキシマーレーザービーム(248nm)によって、露光線量95mJ/cm2まで像様に露光しそして85℃で90秒ベークした。次に、60秒間のパドル現像を用いてパターンを0.262Nの水性TMAH中で現像した。残留するフォトレジストを、Arch Chemicalsから市販で入手できるフォトレジストストリッパーRER600の霧化されたスプレイを使用して、毎分2000回転で回転しつつ60秒の処理により除去した。ポリアミド酸のパターン化された層をN2雰囲気下で350℃で1時間イミド化した。得られるパターン化されたポリイミドフィルムは良好に解像された50μmのフィーチュアを有した。
【0077】
本発明をその特定の態様に言及しつつ述べてきたが、ここに開示した発明概念の趣意および領域を逸脱することなく変化、変更および改変がなされ得ることを了解されよう。従って、付属する特許請求の範囲の趣意および領域に属するような変化、変更および改変はすべて本発明に包含されると考える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ガンマ−ブチロラクトン(GBL)中に可溶な1つまたはそれ以上のポリアミド酸および水性のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ただしポリアミド酸はポリイミド前駆体組成物がそれとともに使用される感光性組成物中で使用される溶媒に対しても耐性があるものとする、
b)ガンマ−ブチロラクトンを含む溶媒;ならびに
c)式I〜VI
【化1】

〔式中、R1はH、C1〜C10の線状、環状または分枝状のアルキル、フェニル、ハロフェニルおよびアルキル置換フェニルからなる群から選択され、R2はC1〜C10の線状、環状または分枝状のアルキル、フェニル、ハロフェニルおよびアルキル置換フェニルから選択され、または以下のVII、VIIIもしくはIX
【化2】

(式中、R3はC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルキル基またはC1〜C4の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、R4、R5およびR6は独立にC1〜C4の線状または分枝状のアルキル基であり、mは1から約4の整数であり、そしてnは1から約5の整数である)
の部分構造の1つからなる群から選択される〕
の1つまたはそれ以上の接着促進剤
を含む非感光性ポリイミド前駆体組成物。
【請求項2】
1つまたはそれ以上のポリアミド酸が式X
【化3】

(式中、nは約5〜約200の範囲の整数であり、XおよびYは、異種原子を含んでよい芳香族および脂肪族の部分構造から独立に選択される)
のポリアミド酸からなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式Xの1つまたはそれ以上のポリアミド酸が、式XIの少なくとも1つの酸無水物モノマーを式XIIの少なくとも1つのジアミンモノマー
【化4】

と反応させることにより製造されるポリアミド酸であり、また酸無水物モノマーが、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルサルファイドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルオキサイドテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ジフェニルヘキサフルオロプロパン−3,3,4,4−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物および1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選択され、またジアミンモノマーが、5(6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジアミノエイコサン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−アミノノルボニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、および4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−トリフルオロメチルピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレン−ビス(o−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(3−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ジアニリン、4,4’−オキシ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ビス−(2−クロロアニリン)、4,4’−チオ−ジアニリン、4,4’−チオ−ビス−(2−メチルアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−クロロアニリン)、3,3’スルホニル−ジアニリンからなる群から選択される請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
酸無水物モノマーが、構造(XIII〜XV)
【化5】

(式中、Zは−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−または−Si(R’)2−であり、ここでR’は炭素原子1〜8個を有する線状、分枝状または環状のアルキル基である)
によって示される化合物からなる群から選択される請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
ジアミンモノマーが、構造XVI
【化6】

(式中、Wは−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−および−Si(R’)2−であり、ここでR’は炭素原子1〜8個を有する線状、分枝状または環状のアルキル基である)
を有する少なくとも1つの化合物である請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
Zが−O−でありまたWが−O−である請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
1つまたはそれ以上のポリアミド酸が、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,3’,4,4’−ジフェニルオキサイドテトラカルボン酸二無水物からのポリアミド酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,3’,4,4’−ジフェニルオキサイドテトラカルボン酸二無水物95〜85%と他の式XIの酸無水物5〜15%との混合物からのポリアミド酸ポリマーからなる群から選択されるポリアミド酸である請求項3に記載の方法。
【請求項8】
式Xのポリアミド酸中の二酸無水物に対するジアミンの比が約0.9〜約1である請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
組成物中のポリアミド酸の百分率が組成物の約6〜約23重量%である請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
組成物中のポリアミド酸の百分率が組成物の約12〜約22重量%である請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
溶媒が組成物の約74〜約92重量%を占める請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が約110〜約230℃の沸点を有する共溶媒を少なくとも1つ含有する請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
共溶媒がガンマ−バレロラクトン、ガンマ−カプロラクトン、デルタ−バレロラクトン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、および4−メチル−2−ペンタノンからなる群から選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
接着促進剤が式I、II、IVおよびVの接着促進剤から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
接着促進剤が、R1およびR2がそれぞれ独立に、C1〜C10の線状、環状または分枝状のアルキルであり、またはR1およびR2の1つがフェニルである式Iの接着促進剤である請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
接着促進剤が、式XVII、XVIII、XIXおよびXX
【化7】

の接着促進剤を有するものからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
接着促進剤が組成物の約0.05〜約1.5重量%を占める請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
(a)基板を用意し;
(b)最初のコーティング段階で、請求項1の非感光性ポリイミド前駆体組成物で基板をコートし;
(c)140℃またはそれ未満の温度で非感光性ポリイミド前駆体組成物をベーキングし;
(d)第2のコーティング段階で、非感光性ポリイミド前駆体組成物の層上にフォトレジストの層をコーティングして二層コーティングを形成し;
(e)二層コーティングをフォトレジストに対して好適な放射線で露光し;
(f)1つまたはそれ以上の水性の現像液によって二層コーティングを現像し;
(g)残留するフォトレジスト層を除去し;そして
(h)非感光性ポリイミド前駆体組成物層を少なくとも約200℃の温度で硬化してポリイミド構造をつくる
段階を包含するパターン化されたポリイミド構造を基板上に作製する方法。
【請求項19】
非感光性ポリイミド前駆体組成物中の1つまたはそれ以上のポリアミド酸が式X
【化8】

(式中、nは約5〜約200の範囲の整数であり、XおよびYは、異種原子を含んでよい芳香族および脂肪族の部分構造から独立に選択される)
のポリアミド酸からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
式Xの1つまたはそれ以上のポリアミド酸が、式XIの少なくとも1つの酸無水物モノマーを式XIIの少なくとも1つのジアミンモノマー
【化9】

と反応させることにより製造されるポリアミド酸であり、また酸無水物モノマーが、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルサルファイドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルオキサイドテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ジフェニルヘキサフルオロプロパン−3,3,4,4−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物および1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選択され、またジアミンモノマーが、5(6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジアミノエイコサン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−アミノノルボニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、および4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−トリフルオロメチルピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレン−ビス(o−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(3−メチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ジアニリン、4,4’−オキシ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−オキシ−ビス−(2−クロロアニリン)、4,4’−チオ−ジアニリン、4,4’−チオ−ビス−(2−メチルアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4’−チオ−ビス−(2−クロロアニリン)、3,3’−スルホニル−ジアニリンからなる群から選択される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
酸無水物モノマーが、構造(XIII〜XV):
【化10】

(式中、Zは−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−または−Si(R’)2−であり、ここでR’は炭素原子1〜8個を有する線状、分枝状または環状のアルキル基である)
によって示される化合物からなる群から選択される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ジアミンモノマーが、構造XVI
【化11】

(式中、Wは−O−、−S−、−C(CF32−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−および−Si(R’)2−であり、ここでR’は炭素原子1〜8個を有する線状、分枝状または環状のアルキル基である)
を有する少なくとも1つの化合物である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
Zが−O−であり、Wが−O−である請求項22に記載の方法。
【請求項24】
1つまたはそれ以上のポリアミド酸が、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,3’,4,4’−ジフェニルオキサイドテトラカルボン酸二無水物からのポリアミド酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,3’,4,4’−ジフェニルオキサイドテトラカルボン酸二無水物95〜85%と他の式XIの酸無水物5〜15%との混
合物からのポリアミド酸ポリマーからなる群から選択されるポリアミド酸である請求項20に記載の方法。
【請求項25】
式Xのポリアミド酸中の二無水物に対するジアミンの比が約0.9〜約1である請求項19に記載の方法。
【請求項26】
組成物中のポリアミド酸の百分率が組成物の約6〜約23重量%である請求項18に記載の方法。
【請求項27】
組成物中のポリアミド酸の百分率が組成物の約12〜約22重量%である請求項18に記載の方法。
【請求項28】
溶媒が組成物の約74〜約92重量%を占める請求項27に記載の方法。
【請求項29】
組成物が約110℃〜約230℃の沸点を有する共溶媒を少なくとも1つ含有する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
共溶媒がガンマ−バレロラクトン、ガンマ−カプロラクトン、デルタ−バレロラクトン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、および4−メチル−2−ペンタノンからなる群から選択される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
接着促進剤が式I、II、IVおよびVの接着促進剤から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項32】
接着促進剤が、R1およびR2がそれぞれ独立に、C1〜C10の線状、環状もしくは分枝状のアルキルであり、またはR1およびR2の1つがフェニルである式Iの接着促進剤である請求項18に記載の方法。
【請求項33】
接着促進剤が、式XVII、XVIII、XIXおよびXX
【化12】

の接着促進剤からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項34】
接着促進剤が組成物の約0.05〜約1.5重量%を占める請求項18に記載の方法。
【請求項35】
段階c)においてベーキングが130℃またはそれ未満の温度で実施される請求項18に記載の方法。
【請求項36】
請求項18に記載の方法に従って作成される、基板上のパターン化されたポリイミド構造。

【公表番号】特表2006−509888(P2006−509888A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560776(P2004−560776)
【出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/039441
【国際公開番号】WO2004/055592
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(305037086)フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】