位置管理システム
【課題】対象者の位置を検出し管理するシステムにおいて、位置管理方法が屋内と屋外とで相違し、利用者にとって使い勝手が悪い。
【解決手段】携帯端末2にGPS機能と無線タグ40とを搭載する。屋内の管理対象領域にはタグリーダ4を設置し、無線タグ40の存在を検出して、検出情報を管理センタ6へ送信する。管理センタ6は、無線タグ40を検知しているタグリーダ4の位置情報及びGPS機能により取得する位置情報を共通の座標形式で管理する。利用者からの位置確認要求があった場合、タグリーダ4又はGPSによる位置情報が示す位置を表示する地図画像を生成して、利用者へ通知する。
【解決手段】携帯端末2にGPS機能と無線タグ40とを搭載する。屋内の管理対象領域にはタグリーダ4を設置し、無線タグ40の存在を検出して、検出情報を管理センタ6へ送信する。管理センタ6は、無線タグ40を検知しているタグリーダ4の位置情報及びGPS機能により取得する位置情報を共通の座標形式で管理する。利用者からの位置確認要求があった場合、タグリーダ4又はGPSによる位置情報が示す位置を表示する地図画像を生成して、利用者へ通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を所持する管理対象者の位置を管理する位置管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、子供が犯罪に巻き込まれる危険性が高まっており、保護者が子供の行動を把握するためのシステムが求められている。
【0003】
その1つとして、RFID(Radio Frequency Identification)システムを利用して児童の登下校管理を行うシステムが提案されている。下記特許文献1に記載された出退記録管理システムでは、児童にICカードを持たせ、予め学校に設置されたICカード読み取り手段で児童等が持つICカードを読み取ることで、児童の登校、下校を検出する。また、児童の登校、下校を検出したときには、予め登録されている児童の保護者に対して、児童が登校したこと、又は下校したことを電子メール等で通知する。保護者は、この通知を受け取ることによって、児童が学校に無事到着したことや学校を出発したことを知ることができるため、登校中や下校中に児童が事件に巻き込まれたとしても迅速な対応をとることができる。
【0004】
また、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用して児童の居場所を確認可能としたシステムが提案されている。下記特許文献2に記載された位置監視システムでは、GPS機能を備えた携帯端末を子供に所持させ、保護者が子供の居場所を知りたいときにパソコンや携帯電話を操作してセンタに携帯端末の現在位置を確認要求する。センタは、子供が持つ携帯端末が取得したGPS情報に基づいて携帯端末の現在位置情報を算出し、子供の居場所を地図上に示して保護者に提供する。これにより、保護者は知りたいときに子供の居場所を確認することができる。
【特許文献1】特開2004−46458号公報
【特許文献2】特開2002−209245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したRFIDを用いた従来の出退記録管理システムでは、管理対象の施設に居るか否かについて明確な情報を得ることは可能であるが、管理される領域が限定的である。そのため、学校等の管理対象の施設外においては、児童の所在を把握することができないという問題があった。
【0006】
また、上述したGPSを用いた従来の位置管理システムでは、正確な位置情報を取得できるためには、携帯端末が、GPS衛星からの電波受信感度が良好な屋外や屋内の窓付近にあることが必要である。したがって、例えば、学校の校舎や体育館の中に居る場合などで、GPS衛星からの電波受信感度が劣悪な場合には、正確な位置情報の取得が困難となる。すなわち、子供が登校して学校の校舎内に居ても、保護者は子供が登校していることを正しく確認することができない場合があるという問題があった。
【0007】
このように、RFIDによる位置管理システムとGPSによる位置管理システムとは、それぞれ適する利用形態が異なる。よって、屋内外の広範な場所で子供の位置を管理したい場合には、RFIDを利用したサービスとGPSを利用したサービスとの両方を利用することが必要となる。
【0008】
しかし、両サービスは、それぞれ独立したシステム形態から成り立っているため、利用者による位置確認の仕方や利用者に提供される情報の形式などが相違する。そのため、利用者にとって使い勝手が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、高い利便性を確保しつつ、管理対象者の居場所に応じた適切な位置情報を把握することが可能な位置管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る位置管理システムは、無線タグ、GPS受信機能及び移動体通信機能を備えた携帯端末を用いて、当該携帯端末を所持する管理対象者の位置を管理するものであって、前記携帯端末の位置を把握する管理センタと、管理領域に設置され、当該管理領域に存在する前記携帯端末の前記無線タグを検出し、検出結果を検出タグ情報として前記管理センタへ送信するタグリーダと、を含み、前記管理センタが、前記GPS受信機能により獲得されるGPS情報を前記携帯端末から取得するGPS情報取得部と、前記GPS情報に基づいて、前記携帯端末の位置を表すGPS測位情報を所定の座標表現形式で求めるGPS測位部と、前記タグリーダの設置場所を示すリーダ位置情報を前記座標表現形式で記憶したリーダ位置記憶部と、前記検出タグ情報及び前記リーダ位置情報に基づいて、検出した前記無線タグを有する前記携帯端末の位置を表すタグ位置情報を前記座標表現形式で求めるタグ測位部と、前記座標表現形式に対応する地図画像を記憶した地図記憶部と、前記GPS測位情報及び前記タグ位置情報で表される前記携帯端末の位置を前記地図画像上に表示した画像を出力する位置提示部と、を備えるものである。
【0011】
他の本発明に係る位置管理システムにおいては、前記管理センタが、さらに、前記リーダ位置記憶部に前記座標表現形式で表された前記リーダ位置情報を登録するリーダ登録部を備え、前記リーダ登録部が、登録対象とする前記タグリーダが前記無線タグを検出したときに、当該無線タグを有する前記携帯端末について得られる前記GPS測位情報に基づき、当該タグリーダの前記リーダ位置情報を定める。
【0012】
前記リーダ登録部は、前記タグリーダから登録用無線タグを検出したことを示す前記検出タグ情報を取得すると、当該登録用無線タグを有する前記携帯端末である特定携帯端末から、前記GPS情報取得部により前記GPS情報を取得し、当該GPS情報から得られる前記GPS測位情報に基づいて前記リーダ位置情報を定めるように構成することができる。
【0013】
本発明に係る位置管理システムは、前記管理センタが、さらに、前記GPS測位情報の誤差を算出する誤差算出部を備え、前記リーダ登録部が、前記誤差が所定の閾値以下であることを条件に、前記GPS測位情報に基づく前記リーダ位置情報を登録するように構成することができる。
【0014】
一方、本発明に係る位置管理システムは、前記管理センタが、さらに、前記GPS測位情報の誤差を算出する誤差算出部を備え、前記特定携帯端末が、前記地図画像を表示する地図表示部と、ユーザの操作に応じて、前記地図画像上の任意の位置を指定する位置指定手段と、前記位置指定手段により指定された指定位置情報を前記管理センタへ送信する指定位置送信部と、を備え、前記リーダ登録部が、前記誤差が所定の閾値以下である場合に、前記GPS測位情報に基づく前記リーダ位置情報を登録し、前記誤差が前記閾値を超える場合に、前記ユーザ指定位置情報に基づいて前記リーダ位置情報を登録するように構成することもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、タグリーダの検出結果に基づく携帯端末の位置と、GPSに基づく携帯端末の位置とが共通の座標表現形式で得られ、当該座標表現形式を有する地図情報に統合的に携帯端末の位置を表示可能となる。また、これにより、利用者は2つのシステムの使い分けを意識することがなくなり、高い利便性を確保しつつ、管理対象者の居場所に応じた適切な位置情報を把握することが可能となる。また、位置管理サービスを提供する者にとっても、位置の提示を単一のアプリケーションで行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0017】
本実施形態は、無線タグ(RFIDタグ)及びGPS機能を備えた携帯端末を管理対象者である児童に所持させ、その位置を管理センタにて把握する位置管理システムである。管理センタにて把握する児童の所在は、保護者等の管理者端末に必要に応じて提供される。
【0018】
図1は、本位置管理システムの概略の構成を示す模式図である。本システムは、携帯端末2、タグリーダ4、管理センタ6を含んで構成される。携帯端末2は、上述のようにGPS機能を備えており、GPS衛星8からの送信信号(GPS信号)を受信することができる。また、携帯端末2は移動体通信を行うことができる。携帯端末2には、後述する登録用携帯端末(特定携帯端末)が含まれる。タグリーダ4、管理センタ6は、公衆回線網等のネットワーク10を介して通信可能に構成される。またネットワーク10には、移動体通信の基地局12、GPS基準局14、管理者端末16も接続される。
【0019】
タグリーダ4は、無線タグによる管理施設である小学校の校舎20及び体育館22や、学習塾24の各階に配置される。
【0020】
管理センタ6は、通信サーバ30、測位サーバ32、タグ管理サーバ34及び位置管理サーバ36を有する。なお、本システムでは、管理センタ6が有する機能を、互いにLAN(Local Area Network)38等で接続された複数のサーバ30〜36で構成する例を示しているが、これら機能の全部又は一部を1つのコンピュータ上で実現するように構成することもできる。
【0021】
以下、本システムの主要な構成要素について個別に構造及び機能を説明する。
【0022】
図2は、管理対象者が所持する一般の携帯端末2の概略の構成を示すブロック図である。携帯端末2は、無線タグ40、無線通信部42、記憶部44、制御部46、バッテリ48を含んで構成される。
【0023】
無線タグ40は、タグリーダ4との間で無線通信を行う。具体的には、無線タグ40は、自己を他の無線タグから識別可能とする識別コード(タグ識別情報)としてタグIDを記憶しており、タグリーダ4から所定周波数の質問波を受信すると、自己のタグIDに基づいて変調された応答波を送出する。無線タグ40は、例えば、携帯端末2の表面、バッテリ48の収容スペース、内部回路の空きスペースなどに取り付けることができる。
【0024】
無線通信部42は、基地局通信部50及びGPS受信部52を含んで構成される。基地局通信部50は、基地局12との間で無線通信を行う移動体通信部であり、携帯端末2は基地局通信部50により基地局12及びネットワーク10を介して管理センタ6と通信を行うことができる。GPS受信部52はGPS衛星8からGPS信号を受信して、自己の現在位置に応じたGPS情報を取得する。
【0025】
制御部46は、基地局通信部50による通信の制御やGPS受信部52の駆動制御を行う。制御部46は、管理センタ6から基地局通信部50を介して測位指示信号を受信すると、GPS受信部52及び基地局通信部50を制御して、GPS情報の取得及び当該情報の管理センタ6への送信を行う。
【0026】
記憶部44は、制御部46にて用いる各種制御プログラムや、自己を識別する識別情報等を記憶する。記憶部44により記憶される識別情報には、例えば、携帯端末2に付与された端末IDや通信用アドレスが含まれる。
【0027】
バッテリ48は、携帯端末2の各部に駆動電力を供給する内蔵電源である。
【0028】
図3は、携帯端末2のうち、後述するタグリーダ4の位置登録処理に用いる登録用携帯端末(特定携帯端末)の概略の構成を示すブロック図である。登録用携帯端末は、図2に示す一般の携帯端末2に、さらに表示部54及び操作部56を備えた構成を有する。
【0029】
表示部54は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを用いて構成され、制御部46が出力する画像信号に応じた画像を表示する。表示部54は、後述するように、地図画像を表示する地図表示部として機能することができる。
【0030】
操作部56は、表示部54に表示された地図画像上にてカーソル等を移動させて、任意の位置を指定する位置指定手段を含む。例えば、操作部56は、位置指定手段として、カーソル移動キーや、液晶ディスプレイ画面上に設けられたタッチパネルを有する。なお、操作部56として、この他、文字等を入力するキー入力手段を備えてもよい。操作部56の出力信号は制御部46へ入力される。制御部46は、表示部54にてカーソルを移動させる処理や、操作部56により確定されたユーザ指定位置の情報を基地局通信部50を介して管理センタ6へ送信する指定位置送信処理を行う。
【0031】
次にタグリーダ4を説明する。タグリーダ4は、上述のように校舎20、体育館22、学習塾24といった管理施設に設置される。タグリーダ4は、これら管理施設内を管理対象領域として、当該領域における無線タグ40を検出する。各タグリーダ4は、それが設置された周囲の管理対象領域へ質問波を送出し、それに対する無線タグ40からの応答波を検知することによって無線タグ40を検出する。管理施設内を漏れなくカバーするためにも、管理施設の広さに応じて複数のタグリーダ4を設置するとよい。
【0032】
質問波は、RFIDシステムで用いられる所定の搬送波周波数を有する電波であり、タグリーダ4の個々の管理対象領域の大きさは、搬送波周波数に応じて変わる。本システムでは、タグリーダ4と携帯端末2の無線タグ40との間の無線通信は、基本的に非接触方式で行われるように構成され、搬送波周波数もこれに適応した周波数帯域に設定される。さらに、少数のタグリーダ4で比較的広い管理対象領域をカバーするという点からは、タグリーダ4と無線タグ40との距離が比較的大きくても通信可能な周波数を利用することが好適であり、例えば、UHF帯を用いることができる。
【0033】
タグリーダ4は、応答波を復調して、それを送信した無線タグ40のタグIDを取得し、現時点で管理対象領域にて存在を検知している無線タグ40のタグIDを記憶する。本システムでは、1つのタグリーダ4の管理対象領域内に複数の児童が居ることが想定されるため、アンチコリジョン機能(複数同時読み取り機能)を有するタグリーダ4を用いることが好適である。これにより、管理対象領域に存在する複数の無線タグ40から、一斉かつ漏れなく、タグIDを取得することが可能となる。
【0034】
タグリーダ4は、例えば、検出タグIDについての記憶内容に変化が生じた場合に、現在検出中のタグID及び当該タグリーダ4の識別情報であるリーダIDを含む検出タグ情報を、ネットワーク10を介して管理センタ6へ送信する。なお、検出タグ情報が含むタグIDに関する情報は、現在検出中のタグID全部を直接的に表す情報に代えて、例えば、前回送信後に新たに検出されたり、反対に検出できなくなったという検出タグIDの変化に関する情報とすることもできる。
【0035】
タグリーダ4での読み取りエラー等によって、検出タグIDの変化が不要に発生し得ることへの対策として、任意の無線タグ40の検出/非検出の状態が所定回数の読み取り試行で一定に保たれることを条件に、当該無線タグ40の検出状態を決定し、またその変化を判定する構成とすることができる。
【0036】
本システムにおいて、各タグリーダ4は個別にその検出タグ情報を管理センタ6へ送信するように構成することができる。一方、小学校、学習塾といった管理施設などを単位として、当該単位毎に、その単位の領域内に存在する複数のタグリーダ4を集中管理するリーダ管理端末を設ける構成とすることもできる。この構成では、リーダ管理端末が複数のタグリーダ4の検出タグ情報を収集し、まとめて管理センタ6へ送信する。
【0037】
管理センタ6は、上述のように、通信サーバ30、測位サーバ32、タグ管理サーバ34及び位置管理サーバ36を有する。
【0038】
通信サーバ30は、ネットワーク10と接続され、必要に応じて外部との通信を実行する。通信サーバ30は、通信に用い得るユーザ情報として、児童を識別するユーザID、児童が所持する携帯端末2の端末ID、携帯端末2に付された無線タグ40のタグID、位置確認要求を行う保護者を認証するためのパスワード等を記憶する。
【0039】
図4は、測位サーバ32の概略の構成を示すブロック図である。測位サーバ32は、制御部70、記憶部72及び通信インターフェース74を含んで構成される。制御部70は、測位演算部76及び誤差算出部78を有し、また記憶部72は、携帯端末情報、GPS衛星情報及び測位結果情報などを記憶する。通信インターフェース74は、管理センタ6の各部とのLAN38を介した通信を制御する。
【0040】
測位サーバ32は、GPS基準局14から定期的にGPS衛星8の位置等に関するGPS衛星情報を取得し記憶部72に記憶する。
【0041】
また測位サーバ32は、位置管理サーバ36から携帯端末2についての測位の要求を受けると、当該携帯端末2に対して測位指示信号を送信する。そして、測位サーバ32は、携帯端末2からGPS情報を受信し取得する。測位演算部76は、受信したGPS情報と記憶部72に記憶しているGPS衛星情報とに基づいて、GPS情報を送信した携帯端末2について測位演算を実行して位置情報を算出するGPS測位機能を有する。本システムでは位置情報を表す座標表現形式として例えば、緯度・経度を用いる。誤差算出部78は、測位演算部76が算出するGPS測位情報である位置情報の誤差範囲を示す測位誤差を算出する。測位誤差の求め方として、例えば、GPS衛星8の幾何学的配置によって定まる指標値である精度劣化度(DOP:dilution of precision)に基づいて推定する方法が知られており、誤差算出部78は例えば、この方法により測位誤差を求めることができる。また誤差算出部78は他の方法で測位誤差を求めるように構成しても良い。
【0042】
測位サーバ32は、測位演算部76が求めた携帯端末2の位置情報である緯度・経度、及び誤差算出部78が求めた測位誤差を当該携帯端末2の端末IDと対応付けて、測位結果情報として記憶部72に記憶する。また、測位サーバ32は測位結果情報を位置管理サーバ36へ送信する。
【0043】
図5は、タグ管理サーバ34の概略の構成を示すブロック図である。タグ管理サーバ34は、制御部80、記憶部82及び通信インターフェース84を含んで構成される。制御部80は、検出情報更新部86を有し、また記憶部82は、タグリーダ情報及び検出状態情報などを記憶する。通信インターフェース84は、管理センタ6の各部とのLAN38を介した通信を制御する。
【0044】
図6は、検出状態情報の構造を模式的に表す説明図である。検出状態情報は、タグリーダ4による無線タグ40の検出状態を表す情報であり、タグID毎に、当該タグIDを検出しているタグリーダ4のリーダID又は、当該タグIDが非検出である旨の情報が対応付けられている。図6において、「TGn」(nは番号)はタグIDを表しており、「RDn」(nは番号)はリーダIDを表している。
【0045】
タグ管理サーバ34は、タグリーダ4から検出タグ情報を受信する検出状態取得部として機能し、検出情報更新部86が、受信した検出タグ情報に基づいて検出状態情報を更新する。例えば、RD01のタグリーダ4から受信した検出タグ情報が、TG02を検出している旨を示していれば、検出情報更新部86は、TG02の検出状態を図6に示す「非検出」から「検出中/RD01」に変更する。また、RD03のタグリーダ4から受信した検出タグ情報が、TG01を検出していないことを示していれば、TG01の検出状態を図6に示す「検出中/RD03」から「非検出」に変更する。
【0046】
タグ管理サーバ34は、検出状態情報の更新に連動して、検出状態に変更を生じたタグIDとその変更後の検出状態とを位置管理サーバ36へ送信する。
【0047】
図7は、位置管理サーバ36の概略の構成を示すブロック図である。位置管理サーバ36は、制御部90、記憶部92及び通信インターフェース94を含んで構成される。制御部90は、取得位置更新部96、位置確認部98、位置提示部100及びリーダ登録部102を有し、また記憶部92は、リーダ位置情報、取得位置情報及び地図情報などを記憶する。ここで地図情報における座標は、上述の携帯端末2のGPS測位情報と共通の座標表現形式に対応する地図画像である。地図画像上における座標はそれぞれ固有の緯度経度に対応しており、後述するように、緯度経度情報で表されたGPS測位情報やタグ位置情報が地図画像上のどの位置に対応するタグかを判別可能とする。通信インターフェース94は、管理センタ6の各部とのLAN38を介した通信を制御する。
【0048】
図8は、リーダ位置情報の構造を模式的に表す説明図である。リーダ位置情報は、タグリーダ4の設置場所を示す情報である。記憶部92には、後述する登録処理により、設置された各タグリーダ4のリーダ位置情報として、リーダID、設置場所名及び設置場所の緯度経度情報が互いに対応付けられて登録される。リーダ位置情報は、携帯端末2の位置を、当該携帯端末2に付された無線タグ40を検出したタグリーダ4の設置場所によって特定する際に利用される。ここで、タグリーダ4の設置場所の緯度経度情報は、上述の携帯端末2のGPS測位情報と共通の座標表現形式を有する。
【0049】
図9は、取得位置情報の構造を模式的に表す説明図である。取得位置情報は、児童が所持する携帯端末2に関して取得された位置情報(端末位置情報)を記憶する。端末位置情報として、リーダ位置情報を用いて特定された無線タグ40のタグ位置情報、又は携帯端末2からのGPS情報に基づいて測位サーバ32が算出した携帯端末2の位置情報が利用される。取得位置情報はユーザID毎に管理され、各ユーザIDの取得位置情報は、新たに取得される端末位置情報に基づいて随時更新される。なお、本システムでは、図9に示すように、取得位置情報は、過去の記録内容を例えば所定期間、保持し履歴を管理するように構成している。各ユーザIDに対応して記録される情報は例えば、図9に示すように、タグID又は端末ID、取得時刻、緯度経度情報及び場所名を含む。ここで、タグID又は端末IDを記録するデータフィールドには、端末位置情報がタグ位置情報に基づくものである場合には、タグIDが記録され、一方、端末位置情報が測位サーバ32により算出された携帯端末2の位置情報に基づくものである場合には、端末IDが記録される。ちなみに、図9では、端末位置情報の履歴がタグ位置情報に基づくもののみから構成される例を示している。場所名のデータフィールドには、端末位置情報がタグ位置情報に基づくものである場合に、無線タグ40を検出したタグリーダ4の設置場所名が記録される。
【0050】
取得位置更新部96は、測位サーバ32から測位結果情報を受信した場合には、当該測位結果情報に含まれる端末ID及び緯度・経度で表される携帯端末2の位置情報と、それらの取得時刻とを、当該携帯端末2を所持する児童のユーザIDに対応付けて記憶部92に記録する。
【0051】
取得位置更新部96は、無線タグ40の検出状態の変更に関する情報を受信した場合には、記憶部92に記憶されているリーダ位置情報を参照して、当該無線タグ40の位置情報であるタグ位置情報(緯度経度情報及び場所名)を求めるタグ測位機能を有する。具体的には、取得位置更新部96は、タグの検出状態が「非検出」から「検出中」に変わった場合や、検出中であるタグリーダ4が切り替わった場合には、新たに検出中となったタグリーダ4のリーダIDをキーとして、記憶部92に記憶しているリーダ位置情報を検索し、当該タグリーダ4の緯度経度情報及び設置場所名を無線タグ40のタグ位置情報として定める。一方、タグの検出状態が「検出中」から「非検出」に変わった場合には、無線タグ40のタグ位置情報のうちの例えば緯度経度情報として、非検出となった旨を表す「ロスト」を定義する。取得位置更新部96は、検出状態の変更が検知されたタグID及びタグ位置情報と、それらの取得時刻とを、当該無線タグ40を付された携帯端末2を所持する児童のユーザIDに対応付けて記憶部92に記録する。
【0052】
図10は、位置確認部98の処理を説明する概略のフロー図である。制御部90は、携帯端末2の位置についての確認要求を外部から受け付け、これに応じて位置確認部98を起動する。位置確認要求は、児童の保護者等が児童の位置を確認する際に発せられる。保護者は、管理者端末16を操作して位置確認要求を送信する。例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話を管理者端末16とすることができる。ちなみに、位置確認要求は、児童を識別するユーザIDを指定して行うように構成することができる。
【0053】
位置確認部98は、位置確認要求の対象となる携帯端末2に関して、記憶部92における取得位置情報の最新の記録内容を参照し(S110)、当該携帯端末2の無線タグ40が非検出状態か否かを判定する(S112)。
【0054】
取得位置情報の最新の記録内容が「ロスト」でない場合には、無線タグ40は検出中である(S112の「No」)。この場合には、位置確認部98は、その記録内容であるタグ位置情報を抽出する(S114)。位置提示部100は、記憶部92の地図情報を参照し、タグ位置情報中の緯度経度情報に対応する位置に、携帯端末2の所在を示す標識が表示された地図画像を作成する(S116)。例えば、当該地図画像は、位置確認要求の送信元の管理者端末16に送られ、その表示デバイスに表示される。当該地図画像により、携帯端末2を所持する児童の現在位置が保護者へ通知される(S118)。
【0055】
処理S110にて参照した記録内容が「ロスト」を示す場合には、無線タグ40は非検出状態である(S112の「Yes」)。この場合には、位置確認部98は、測位サーバ32に対して測位を要求し、測位サーバ32が携帯端末2に対して測位指示信号を送信する(S120)。測位指示信号に対し、携帯端末2がGPS情報を送信してきた場合には、測位サーバ32は測位演算を行い、位置確認部98は測位サーバ32から測位結果情報を取得する(S122の「Yes」)。この場合には、位置提示部100は、その測位結果に基づいて携帯端末2の所在を標識により表示した地図画像を作成し(S116)、児童の現在位置を保護者へ通知する(S118)。
【0056】
一方、測位指示信号に対し、携帯端末2がGPS情報を送信してこない場合には、測位結果情報が取得できない(S122の「No」)。この場合には、携帯端末2の無線タグ40及びGPS機能の何れによっても児童の位置を確認できない。そこで、位置確認部98は、この状態を異常状態であると判定し(S124)、例えば、児童の保護者や最後に無線タグ40をロストした学校又は学習塾に対し、異常が発生したことや最後の居場所・時刻の情報などを通知する等の適切な対処を実行する(S126)。
【0057】
なお、上述の構成では、タグリーダ4が無線タグ40を検出している場合の携帯端末2の位置は、リーダ位置情報を用いることによって、GPS情報に基づく測位結果情報と同様に緯度経度で表された座標情報としている。これにより、無線タグ40及びGPS機能のいずれによって位置が把握されている場合も、同様に地図画像により当該位置が提示され、統一したユーザインタフェースが実現される。一方、タグリーダ4が検出している場合には、地図上での標識による位置表示と併せて、無線タグ40を検出しているタグリーダ4が配置された管理施設名等を保護者へ提示してもよい。
【0058】
次に、タグリーダ4の位置登録処理について説明する。当該位置登録処理は、ユーザにより所持された登録用携帯端末と位置管理サーバ36のリーダ登録部102とを用いて行われる。登録用携帯端末を所持するユーザは例えば、本システムの保守作業者等の特定の者とすることができる。ユーザは、登録用携帯端末を所持してタグリーダ4の設置場所に赴く。図11は、リーダ登録部102の処理を説明する概略のフロー図である。リーダ登録部102は、タグリーダ4の位置登録処理を開始すると、タグリーダ4からの検出タグ情報を監視し、登録用携帯端末に付された無線タグ40が検出されるのを待つ(S130)。
【0059】
当該無線タグ40が検出状態となると、リーダ登録部102は、測位サーバ32に対して測位を要求し、測位サーバ32が登録用携帯端末に対して測位指示信号を送信する(S132)。測位指示信号に対し、登録用携帯端末がGPS情報を送信してきた場合には、測位サーバ32は測位演算を行い、リーダ登録部102は測位サーバ32からGPS情報に基づく測位結果情報を取得する(S134の「Yes」)。リーダ登録部102は無線タグ40が同一のタグリーダ4にて検出状態にあることを確認し(S136)、検出状態である場合には、測位サーバ32の誤差算出部78が算出した測位情報結果に含まれた測位誤差を参照する。測位誤差が閾値として設定した所定範囲以内であれば(S138の「Yes」)、リーダ登録部102は、取得した測位結果情報が示す登録用携帯端末の緯度経度による位置を、当該登録用携帯端末を検知しているタグリーダ4のリーダ位置情報として記憶部92に登録する(S140)。このとき、リーダ登録部102は、登録完了を登録用携帯端末へ通知するように構成することができる。測位誤差判定処理S138は、例えば、最大誤差方向への推定誤差が10m以内であるか否かを検査するように構成することができる。
【0060】
一方、測位誤差が所定範囲を超えている場合には(S138の「No」)、リーダ登録部102は、測位結果情報が示す登録用携帯端末の位置を示す標識を表示した周辺領域の地図画像を登録用携帯端末に送信し、位置の修正を要求する(S142)。
【0061】
図12は、登録用携帯端末の表示部54の表示画面の一例を示す模式図である。表示部54は、管理センタ6から送信された地図画像を表示する。例えば、当該地図画像には、測位結果に基づく当該携帯端末の位置が星印の標識160で表示される。ユーザは、カーソル操作キーやタッチパネルの操作により、地図画像上にて、タグリーダ4の実際の位置を指定する。例えば、ユーザが指定する修正されたタグリーダ4の位置は地図画像上にて、“+”で示すカーソル162で表される。ユーザは、地図画像上にてカーソル162を目的とする修正位置に移動させた後、その位置を確定する操作を行う。例えば、登録するタグリーダ4が小学校の体育館に設置したものであれば、表示画面上のカーソル162を小学校の体育館がある位置に移動させ、確定させる。これにより、登録用携帯端末の制御部46は、カーソル162が指定する位置情報(ユーザ指定位置情報)を基地局通信部50を介して管理センタ6へ送信する。送信するユーザ指定位置情報は、地図上の位置に対応する緯度経度情報とすることができるが、当初表示された位置との相対座標表示とし、管理センタ6で緯度経度を求めるようにしてもよい。
【0062】
リーダ登録部102は、ユーザ指定位置情報を受信すると(S144)、当該ユーザ指定位置情報に基づいてリーダ位置情報を登録する(S140)。
【0063】
測位要求S132に対して、測位結果情報が得られない場合(S134の「No」)には、リーダ登録部102は登録用携帯端末に、例えば、ユーザに対処を求めた上で(S146)、測位結果の取得を再度試みる(S132,S134)。例えば、登録用携帯端末がGPS衛星信号を受信できない場所にある場合には、リーダ登録部102は、ユーザに対し、測位可能ポイントを探索するように指示する。また、このような場合は、登録用携帯端末自体が、GPS受信部52を監視し、GPS衛星信号を受信していない場合には、その旨を表示部54等を介してユーザに知らせる構成とすることもできる。GPS受信不能を通知されたユーザは、例えば、タグリーダ4が設置された屋内にて、窓際など、GPS衛星信号を受信可能なポイントに移動する。これにより、リーダ登録部102が測位結果情報を取得できるようになった場合には、上述の処理S136〜S144により、リーダ位置情報が登録される。
【0064】
ここで、GPS信号の受信可能ポイントを求めてユーザが移動した結果、登録用携帯端末が位置情報を登録しようとしているタグリーダ4の質問波の到達範囲外となることが想定される。この状況は、リーダ登録部102が検出タグ情報に基づいて、当該登録用携帯端末の無線タグ40が登録対象のタグリーダ4にて検出されなくなったことにより検知することができる(S136の「No」)。リーダ登録部102は、この場合にも、上述した測位誤差が大きい場合と同様の位置修正のための処理S142,S144を行い、それにより得られるユーザ指定位置情報をリーダ位置情報として登録する(S140)。
【0065】
上述したように、本システムでは、タグリーダ4にて携帯端末2の無線タグ40を検出できない場合には、携帯端末2のGPS機能を利用して位置情報を取得することで、位置管理サーバ36において、携帯端末2の無線タグ40及びGPS機能によって児童の位置を継続的に把握することができる。また、屋内では無線タグ40、屋外ではGPS機能といったように、児童の居場所に応じて適切な方式で位置情報を取得することができるので、高精度、高信頼度の位置管理が可能である。さらに、無線タグ40による位置情報とGPS機能による位置情報とを同一のシステムで統一的に保護者に提供することができる。
【0066】
本システムは、無線タグ40による位置管理とGPSによる位置管理とを統合的に行う点に1つの特徴がある。これにより、無線タグ40とGPS機能とを併せ持つ携帯端末2を所持する児童の位置を、上述のように継続的に把握することが可能となる。その一方で、本システムは、無線タグ40とGPS機能とのどちらか一方だけを備えた端末等を所持する児童の位置も管理対象とすることが可能である。すなわち、無線タグ40だけを所持する児童と、GPS端末だけを所持する児童とを1つのシステムで位置管理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係る位置管理システムの概略の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る位置管理システムにおける携帯端末の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る位置管理システムにおける登録用携帯端末の概略の構成を示すブロック図である。
【図4】測位サーバの概略の構成を示すブロック図である。
【図5】タグ管理サーバの概略の構成を示すブロック図である。
【図6】検出状態情報の構造を模式的に表す説明図である。
【図7】位置管理サーバの概略の構成を示すブロック図である。
【図8】リーダ位置情報の構造を模式的に表す説明図である。
【図9】取得位置情報の構造を模式的に表す説明図である。
【図10】位置確認部の処理を説明する概略のフロー図である。
【図11】リーダ登録部の処理を説明する概略のフロー図である。
【図12】登録用携帯端末の表示部の表示画面の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0068】
2 携帯端末、4 タグリーダ、6 管理センタ、8 GPS衛星、10 ネットワーク、12 基地局、14 GPS基準局、16 管理者端末、20 校舎、22 体育館、24 学習塾、30 通信サーバ、32 測位サーバ、34 タグ管理サーバ、36 位置管理サーバ、38 LAN、40 無線タグ、42 無線通信部、44,72,82,92 記憶部、46,70,80,90 制御部、48 バッテリ、50 基地局通信部、52 GPS受信部、54 表示部、56 操作部、74,84,94 通信インターフェース、76 測位演算部、78 誤差算出部、86 検出情報更新部、96 取得位置更新部、98 位置確認部、100 位置提示部、102 リーダ登録部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を所持する管理対象者の位置を管理する位置管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、子供が犯罪に巻き込まれる危険性が高まっており、保護者が子供の行動を把握するためのシステムが求められている。
【0003】
その1つとして、RFID(Radio Frequency Identification)システムを利用して児童の登下校管理を行うシステムが提案されている。下記特許文献1に記載された出退記録管理システムでは、児童にICカードを持たせ、予め学校に設置されたICカード読み取り手段で児童等が持つICカードを読み取ることで、児童の登校、下校を検出する。また、児童の登校、下校を検出したときには、予め登録されている児童の保護者に対して、児童が登校したこと、又は下校したことを電子メール等で通知する。保護者は、この通知を受け取ることによって、児童が学校に無事到着したことや学校を出発したことを知ることができるため、登校中や下校中に児童が事件に巻き込まれたとしても迅速な対応をとることができる。
【0004】
また、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用して児童の居場所を確認可能としたシステムが提案されている。下記特許文献2に記載された位置監視システムでは、GPS機能を備えた携帯端末を子供に所持させ、保護者が子供の居場所を知りたいときにパソコンや携帯電話を操作してセンタに携帯端末の現在位置を確認要求する。センタは、子供が持つ携帯端末が取得したGPS情報に基づいて携帯端末の現在位置情報を算出し、子供の居場所を地図上に示して保護者に提供する。これにより、保護者は知りたいときに子供の居場所を確認することができる。
【特許文献1】特開2004−46458号公報
【特許文献2】特開2002−209245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したRFIDを用いた従来の出退記録管理システムでは、管理対象の施設に居るか否かについて明確な情報を得ることは可能であるが、管理される領域が限定的である。そのため、学校等の管理対象の施設外においては、児童の所在を把握することができないという問題があった。
【0006】
また、上述したGPSを用いた従来の位置管理システムでは、正確な位置情報を取得できるためには、携帯端末が、GPS衛星からの電波受信感度が良好な屋外や屋内の窓付近にあることが必要である。したがって、例えば、学校の校舎や体育館の中に居る場合などで、GPS衛星からの電波受信感度が劣悪な場合には、正確な位置情報の取得が困難となる。すなわち、子供が登校して学校の校舎内に居ても、保護者は子供が登校していることを正しく確認することができない場合があるという問題があった。
【0007】
このように、RFIDによる位置管理システムとGPSによる位置管理システムとは、それぞれ適する利用形態が異なる。よって、屋内外の広範な場所で子供の位置を管理したい場合には、RFIDを利用したサービスとGPSを利用したサービスとの両方を利用することが必要となる。
【0008】
しかし、両サービスは、それぞれ独立したシステム形態から成り立っているため、利用者による位置確認の仕方や利用者に提供される情報の形式などが相違する。そのため、利用者にとって使い勝手が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、高い利便性を確保しつつ、管理対象者の居場所に応じた適切な位置情報を把握することが可能な位置管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る位置管理システムは、無線タグ、GPS受信機能及び移動体通信機能を備えた携帯端末を用いて、当該携帯端末を所持する管理対象者の位置を管理するものであって、前記携帯端末の位置を把握する管理センタと、管理領域に設置され、当該管理領域に存在する前記携帯端末の前記無線タグを検出し、検出結果を検出タグ情報として前記管理センタへ送信するタグリーダと、を含み、前記管理センタが、前記GPS受信機能により獲得されるGPS情報を前記携帯端末から取得するGPS情報取得部と、前記GPS情報に基づいて、前記携帯端末の位置を表すGPS測位情報を所定の座標表現形式で求めるGPS測位部と、前記タグリーダの設置場所を示すリーダ位置情報を前記座標表現形式で記憶したリーダ位置記憶部と、前記検出タグ情報及び前記リーダ位置情報に基づいて、検出した前記無線タグを有する前記携帯端末の位置を表すタグ位置情報を前記座標表現形式で求めるタグ測位部と、前記座標表現形式に対応する地図画像を記憶した地図記憶部と、前記GPS測位情報及び前記タグ位置情報で表される前記携帯端末の位置を前記地図画像上に表示した画像を出力する位置提示部と、を備えるものである。
【0011】
他の本発明に係る位置管理システムにおいては、前記管理センタが、さらに、前記リーダ位置記憶部に前記座標表現形式で表された前記リーダ位置情報を登録するリーダ登録部を備え、前記リーダ登録部が、登録対象とする前記タグリーダが前記無線タグを検出したときに、当該無線タグを有する前記携帯端末について得られる前記GPS測位情報に基づき、当該タグリーダの前記リーダ位置情報を定める。
【0012】
前記リーダ登録部は、前記タグリーダから登録用無線タグを検出したことを示す前記検出タグ情報を取得すると、当該登録用無線タグを有する前記携帯端末である特定携帯端末から、前記GPS情報取得部により前記GPS情報を取得し、当該GPS情報から得られる前記GPS測位情報に基づいて前記リーダ位置情報を定めるように構成することができる。
【0013】
本発明に係る位置管理システムは、前記管理センタが、さらに、前記GPS測位情報の誤差を算出する誤差算出部を備え、前記リーダ登録部が、前記誤差が所定の閾値以下であることを条件に、前記GPS測位情報に基づく前記リーダ位置情報を登録するように構成することができる。
【0014】
一方、本発明に係る位置管理システムは、前記管理センタが、さらに、前記GPS測位情報の誤差を算出する誤差算出部を備え、前記特定携帯端末が、前記地図画像を表示する地図表示部と、ユーザの操作に応じて、前記地図画像上の任意の位置を指定する位置指定手段と、前記位置指定手段により指定された指定位置情報を前記管理センタへ送信する指定位置送信部と、を備え、前記リーダ登録部が、前記誤差が所定の閾値以下である場合に、前記GPS測位情報に基づく前記リーダ位置情報を登録し、前記誤差が前記閾値を超える場合に、前記ユーザ指定位置情報に基づいて前記リーダ位置情報を登録するように構成することもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、タグリーダの検出結果に基づく携帯端末の位置と、GPSに基づく携帯端末の位置とが共通の座標表現形式で得られ、当該座標表現形式を有する地図情報に統合的に携帯端末の位置を表示可能となる。また、これにより、利用者は2つのシステムの使い分けを意識することがなくなり、高い利便性を確保しつつ、管理対象者の居場所に応じた適切な位置情報を把握することが可能となる。また、位置管理サービスを提供する者にとっても、位置の提示を単一のアプリケーションで行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0017】
本実施形態は、無線タグ(RFIDタグ)及びGPS機能を備えた携帯端末を管理対象者である児童に所持させ、その位置を管理センタにて把握する位置管理システムである。管理センタにて把握する児童の所在は、保護者等の管理者端末に必要に応じて提供される。
【0018】
図1は、本位置管理システムの概略の構成を示す模式図である。本システムは、携帯端末2、タグリーダ4、管理センタ6を含んで構成される。携帯端末2は、上述のようにGPS機能を備えており、GPS衛星8からの送信信号(GPS信号)を受信することができる。また、携帯端末2は移動体通信を行うことができる。携帯端末2には、後述する登録用携帯端末(特定携帯端末)が含まれる。タグリーダ4、管理センタ6は、公衆回線網等のネットワーク10を介して通信可能に構成される。またネットワーク10には、移動体通信の基地局12、GPS基準局14、管理者端末16も接続される。
【0019】
タグリーダ4は、無線タグによる管理施設である小学校の校舎20及び体育館22や、学習塾24の各階に配置される。
【0020】
管理センタ6は、通信サーバ30、測位サーバ32、タグ管理サーバ34及び位置管理サーバ36を有する。なお、本システムでは、管理センタ6が有する機能を、互いにLAN(Local Area Network)38等で接続された複数のサーバ30〜36で構成する例を示しているが、これら機能の全部又は一部を1つのコンピュータ上で実現するように構成することもできる。
【0021】
以下、本システムの主要な構成要素について個別に構造及び機能を説明する。
【0022】
図2は、管理対象者が所持する一般の携帯端末2の概略の構成を示すブロック図である。携帯端末2は、無線タグ40、無線通信部42、記憶部44、制御部46、バッテリ48を含んで構成される。
【0023】
無線タグ40は、タグリーダ4との間で無線通信を行う。具体的には、無線タグ40は、自己を他の無線タグから識別可能とする識別コード(タグ識別情報)としてタグIDを記憶しており、タグリーダ4から所定周波数の質問波を受信すると、自己のタグIDに基づいて変調された応答波を送出する。無線タグ40は、例えば、携帯端末2の表面、バッテリ48の収容スペース、内部回路の空きスペースなどに取り付けることができる。
【0024】
無線通信部42は、基地局通信部50及びGPS受信部52を含んで構成される。基地局通信部50は、基地局12との間で無線通信を行う移動体通信部であり、携帯端末2は基地局通信部50により基地局12及びネットワーク10を介して管理センタ6と通信を行うことができる。GPS受信部52はGPS衛星8からGPS信号を受信して、自己の現在位置に応じたGPS情報を取得する。
【0025】
制御部46は、基地局通信部50による通信の制御やGPS受信部52の駆動制御を行う。制御部46は、管理センタ6から基地局通信部50を介して測位指示信号を受信すると、GPS受信部52及び基地局通信部50を制御して、GPS情報の取得及び当該情報の管理センタ6への送信を行う。
【0026】
記憶部44は、制御部46にて用いる各種制御プログラムや、自己を識別する識別情報等を記憶する。記憶部44により記憶される識別情報には、例えば、携帯端末2に付与された端末IDや通信用アドレスが含まれる。
【0027】
バッテリ48は、携帯端末2の各部に駆動電力を供給する内蔵電源である。
【0028】
図3は、携帯端末2のうち、後述するタグリーダ4の位置登録処理に用いる登録用携帯端末(特定携帯端末)の概略の構成を示すブロック図である。登録用携帯端末は、図2に示す一般の携帯端末2に、さらに表示部54及び操作部56を備えた構成を有する。
【0029】
表示部54は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを用いて構成され、制御部46が出力する画像信号に応じた画像を表示する。表示部54は、後述するように、地図画像を表示する地図表示部として機能することができる。
【0030】
操作部56は、表示部54に表示された地図画像上にてカーソル等を移動させて、任意の位置を指定する位置指定手段を含む。例えば、操作部56は、位置指定手段として、カーソル移動キーや、液晶ディスプレイ画面上に設けられたタッチパネルを有する。なお、操作部56として、この他、文字等を入力するキー入力手段を備えてもよい。操作部56の出力信号は制御部46へ入力される。制御部46は、表示部54にてカーソルを移動させる処理や、操作部56により確定されたユーザ指定位置の情報を基地局通信部50を介して管理センタ6へ送信する指定位置送信処理を行う。
【0031】
次にタグリーダ4を説明する。タグリーダ4は、上述のように校舎20、体育館22、学習塾24といった管理施設に設置される。タグリーダ4は、これら管理施設内を管理対象領域として、当該領域における無線タグ40を検出する。各タグリーダ4は、それが設置された周囲の管理対象領域へ質問波を送出し、それに対する無線タグ40からの応答波を検知することによって無線タグ40を検出する。管理施設内を漏れなくカバーするためにも、管理施設の広さに応じて複数のタグリーダ4を設置するとよい。
【0032】
質問波は、RFIDシステムで用いられる所定の搬送波周波数を有する電波であり、タグリーダ4の個々の管理対象領域の大きさは、搬送波周波数に応じて変わる。本システムでは、タグリーダ4と携帯端末2の無線タグ40との間の無線通信は、基本的に非接触方式で行われるように構成され、搬送波周波数もこれに適応した周波数帯域に設定される。さらに、少数のタグリーダ4で比較的広い管理対象領域をカバーするという点からは、タグリーダ4と無線タグ40との距離が比較的大きくても通信可能な周波数を利用することが好適であり、例えば、UHF帯を用いることができる。
【0033】
タグリーダ4は、応答波を復調して、それを送信した無線タグ40のタグIDを取得し、現時点で管理対象領域にて存在を検知している無線タグ40のタグIDを記憶する。本システムでは、1つのタグリーダ4の管理対象領域内に複数の児童が居ることが想定されるため、アンチコリジョン機能(複数同時読み取り機能)を有するタグリーダ4を用いることが好適である。これにより、管理対象領域に存在する複数の無線タグ40から、一斉かつ漏れなく、タグIDを取得することが可能となる。
【0034】
タグリーダ4は、例えば、検出タグIDについての記憶内容に変化が生じた場合に、現在検出中のタグID及び当該タグリーダ4の識別情報であるリーダIDを含む検出タグ情報を、ネットワーク10を介して管理センタ6へ送信する。なお、検出タグ情報が含むタグIDに関する情報は、現在検出中のタグID全部を直接的に表す情報に代えて、例えば、前回送信後に新たに検出されたり、反対に検出できなくなったという検出タグIDの変化に関する情報とすることもできる。
【0035】
タグリーダ4での読み取りエラー等によって、検出タグIDの変化が不要に発生し得ることへの対策として、任意の無線タグ40の検出/非検出の状態が所定回数の読み取り試行で一定に保たれることを条件に、当該無線タグ40の検出状態を決定し、またその変化を判定する構成とすることができる。
【0036】
本システムにおいて、各タグリーダ4は個別にその検出タグ情報を管理センタ6へ送信するように構成することができる。一方、小学校、学習塾といった管理施設などを単位として、当該単位毎に、その単位の領域内に存在する複数のタグリーダ4を集中管理するリーダ管理端末を設ける構成とすることもできる。この構成では、リーダ管理端末が複数のタグリーダ4の検出タグ情報を収集し、まとめて管理センタ6へ送信する。
【0037】
管理センタ6は、上述のように、通信サーバ30、測位サーバ32、タグ管理サーバ34及び位置管理サーバ36を有する。
【0038】
通信サーバ30は、ネットワーク10と接続され、必要に応じて外部との通信を実行する。通信サーバ30は、通信に用い得るユーザ情報として、児童を識別するユーザID、児童が所持する携帯端末2の端末ID、携帯端末2に付された無線タグ40のタグID、位置確認要求を行う保護者を認証するためのパスワード等を記憶する。
【0039】
図4は、測位サーバ32の概略の構成を示すブロック図である。測位サーバ32は、制御部70、記憶部72及び通信インターフェース74を含んで構成される。制御部70は、測位演算部76及び誤差算出部78を有し、また記憶部72は、携帯端末情報、GPS衛星情報及び測位結果情報などを記憶する。通信インターフェース74は、管理センタ6の各部とのLAN38を介した通信を制御する。
【0040】
測位サーバ32は、GPS基準局14から定期的にGPS衛星8の位置等に関するGPS衛星情報を取得し記憶部72に記憶する。
【0041】
また測位サーバ32は、位置管理サーバ36から携帯端末2についての測位の要求を受けると、当該携帯端末2に対して測位指示信号を送信する。そして、測位サーバ32は、携帯端末2からGPS情報を受信し取得する。測位演算部76は、受信したGPS情報と記憶部72に記憶しているGPS衛星情報とに基づいて、GPS情報を送信した携帯端末2について測位演算を実行して位置情報を算出するGPS測位機能を有する。本システムでは位置情報を表す座標表現形式として例えば、緯度・経度を用いる。誤差算出部78は、測位演算部76が算出するGPS測位情報である位置情報の誤差範囲を示す測位誤差を算出する。測位誤差の求め方として、例えば、GPS衛星8の幾何学的配置によって定まる指標値である精度劣化度(DOP:dilution of precision)に基づいて推定する方法が知られており、誤差算出部78は例えば、この方法により測位誤差を求めることができる。また誤差算出部78は他の方法で測位誤差を求めるように構成しても良い。
【0042】
測位サーバ32は、測位演算部76が求めた携帯端末2の位置情報である緯度・経度、及び誤差算出部78が求めた測位誤差を当該携帯端末2の端末IDと対応付けて、測位結果情報として記憶部72に記憶する。また、測位サーバ32は測位結果情報を位置管理サーバ36へ送信する。
【0043】
図5は、タグ管理サーバ34の概略の構成を示すブロック図である。タグ管理サーバ34は、制御部80、記憶部82及び通信インターフェース84を含んで構成される。制御部80は、検出情報更新部86を有し、また記憶部82は、タグリーダ情報及び検出状態情報などを記憶する。通信インターフェース84は、管理センタ6の各部とのLAN38を介した通信を制御する。
【0044】
図6は、検出状態情報の構造を模式的に表す説明図である。検出状態情報は、タグリーダ4による無線タグ40の検出状態を表す情報であり、タグID毎に、当該タグIDを検出しているタグリーダ4のリーダID又は、当該タグIDが非検出である旨の情報が対応付けられている。図6において、「TGn」(nは番号)はタグIDを表しており、「RDn」(nは番号)はリーダIDを表している。
【0045】
タグ管理サーバ34は、タグリーダ4から検出タグ情報を受信する検出状態取得部として機能し、検出情報更新部86が、受信した検出タグ情報に基づいて検出状態情報を更新する。例えば、RD01のタグリーダ4から受信した検出タグ情報が、TG02を検出している旨を示していれば、検出情報更新部86は、TG02の検出状態を図6に示す「非検出」から「検出中/RD01」に変更する。また、RD03のタグリーダ4から受信した検出タグ情報が、TG01を検出していないことを示していれば、TG01の検出状態を図6に示す「検出中/RD03」から「非検出」に変更する。
【0046】
タグ管理サーバ34は、検出状態情報の更新に連動して、検出状態に変更を生じたタグIDとその変更後の検出状態とを位置管理サーバ36へ送信する。
【0047】
図7は、位置管理サーバ36の概略の構成を示すブロック図である。位置管理サーバ36は、制御部90、記憶部92及び通信インターフェース94を含んで構成される。制御部90は、取得位置更新部96、位置確認部98、位置提示部100及びリーダ登録部102を有し、また記憶部92は、リーダ位置情報、取得位置情報及び地図情報などを記憶する。ここで地図情報における座標は、上述の携帯端末2のGPS測位情報と共通の座標表現形式に対応する地図画像である。地図画像上における座標はそれぞれ固有の緯度経度に対応しており、後述するように、緯度経度情報で表されたGPS測位情報やタグ位置情報が地図画像上のどの位置に対応するタグかを判別可能とする。通信インターフェース94は、管理センタ6の各部とのLAN38を介した通信を制御する。
【0048】
図8は、リーダ位置情報の構造を模式的に表す説明図である。リーダ位置情報は、タグリーダ4の設置場所を示す情報である。記憶部92には、後述する登録処理により、設置された各タグリーダ4のリーダ位置情報として、リーダID、設置場所名及び設置場所の緯度経度情報が互いに対応付けられて登録される。リーダ位置情報は、携帯端末2の位置を、当該携帯端末2に付された無線タグ40を検出したタグリーダ4の設置場所によって特定する際に利用される。ここで、タグリーダ4の設置場所の緯度経度情報は、上述の携帯端末2のGPS測位情報と共通の座標表現形式を有する。
【0049】
図9は、取得位置情報の構造を模式的に表す説明図である。取得位置情報は、児童が所持する携帯端末2に関して取得された位置情報(端末位置情報)を記憶する。端末位置情報として、リーダ位置情報を用いて特定された無線タグ40のタグ位置情報、又は携帯端末2からのGPS情報に基づいて測位サーバ32が算出した携帯端末2の位置情報が利用される。取得位置情報はユーザID毎に管理され、各ユーザIDの取得位置情報は、新たに取得される端末位置情報に基づいて随時更新される。なお、本システムでは、図9に示すように、取得位置情報は、過去の記録内容を例えば所定期間、保持し履歴を管理するように構成している。各ユーザIDに対応して記録される情報は例えば、図9に示すように、タグID又は端末ID、取得時刻、緯度経度情報及び場所名を含む。ここで、タグID又は端末IDを記録するデータフィールドには、端末位置情報がタグ位置情報に基づくものである場合には、タグIDが記録され、一方、端末位置情報が測位サーバ32により算出された携帯端末2の位置情報に基づくものである場合には、端末IDが記録される。ちなみに、図9では、端末位置情報の履歴がタグ位置情報に基づくもののみから構成される例を示している。場所名のデータフィールドには、端末位置情報がタグ位置情報に基づくものである場合に、無線タグ40を検出したタグリーダ4の設置場所名が記録される。
【0050】
取得位置更新部96は、測位サーバ32から測位結果情報を受信した場合には、当該測位結果情報に含まれる端末ID及び緯度・経度で表される携帯端末2の位置情報と、それらの取得時刻とを、当該携帯端末2を所持する児童のユーザIDに対応付けて記憶部92に記録する。
【0051】
取得位置更新部96は、無線タグ40の検出状態の変更に関する情報を受信した場合には、記憶部92に記憶されているリーダ位置情報を参照して、当該無線タグ40の位置情報であるタグ位置情報(緯度経度情報及び場所名)を求めるタグ測位機能を有する。具体的には、取得位置更新部96は、タグの検出状態が「非検出」から「検出中」に変わった場合や、検出中であるタグリーダ4が切り替わった場合には、新たに検出中となったタグリーダ4のリーダIDをキーとして、記憶部92に記憶しているリーダ位置情報を検索し、当該タグリーダ4の緯度経度情報及び設置場所名を無線タグ40のタグ位置情報として定める。一方、タグの検出状態が「検出中」から「非検出」に変わった場合には、無線タグ40のタグ位置情報のうちの例えば緯度経度情報として、非検出となった旨を表す「ロスト」を定義する。取得位置更新部96は、検出状態の変更が検知されたタグID及びタグ位置情報と、それらの取得時刻とを、当該無線タグ40を付された携帯端末2を所持する児童のユーザIDに対応付けて記憶部92に記録する。
【0052】
図10は、位置確認部98の処理を説明する概略のフロー図である。制御部90は、携帯端末2の位置についての確認要求を外部から受け付け、これに応じて位置確認部98を起動する。位置確認要求は、児童の保護者等が児童の位置を確認する際に発せられる。保護者は、管理者端末16を操作して位置確認要求を送信する。例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話を管理者端末16とすることができる。ちなみに、位置確認要求は、児童を識別するユーザIDを指定して行うように構成することができる。
【0053】
位置確認部98は、位置確認要求の対象となる携帯端末2に関して、記憶部92における取得位置情報の最新の記録内容を参照し(S110)、当該携帯端末2の無線タグ40が非検出状態か否かを判定する(S112)。
【0054】
取得位置情報の最新の記録内容が「ロスト」でない場合には、無線タグ40は検出中である(S112の「No」)。この場合には、位置確認部98は、その記録内容であるタグ位置情報を抽出する(S114)。位置提示部100は、記憶部92の地図情報を参照し、タグ位置情報中の緯度経度情報に対応する位置に、携帯端末2の所在を示す標識が表示された地図画像を作成する(S116)。例えば、当該地図画像は、位置確認要求の送信元の管理者端末16に送られ、その表示デバイスに表示される。当該地図画像により、携帯端末2を所持する児童の現在位置が保護者へ通知される(S118)。
【0055】
処理S110にて参照した記録内容が「ロスト」を示す場合には、無線タグ40は非検出状態である(S112の「Yes」)。この場合には、位置確認部98は、測位サーバ32に対して測位を要求し、測位サーバ32が携帯端末2に対して測位指示信号を送信する(S120)。測位指示信号に対し、携帯端末2がGPS情報を送信してきた場合には、測位サーバ32は測位演算を行い、位置確認部98は測位サーバ32から測位結果情報を取得する(S122の「Yes」)。この場合には、位置提示部100は、その測位結果に基づいて携帯端末2の所在を標識により表示した地図画像を作成し(S116)、児童の現在位置を保護者へ通知する(S118)。
【0056】
一方、測位指示信号に対し、携帯端末2がGPS情報を送信してこない場合には、測位結果情報が取得できない(S122の「No」)。この場合には、携帯端末2の無線タグ40及びGPS機能の何れによっても児童の位置を確認できない。そこで、位置確認部98は、この状態を異常状態であると判定し(S124)、例えば、児童の保護者や最後に無線タグ40をロストした学校又は学習塾に対し、異常が発生したことや最後の居場所・時刻の情報などを通知する等の適切な対処を実行する(S126)。
【0057】
なお、上述の構成では、タグリーダ4が無線タグ40を検出している場合の携帯端末2の位置は、リーダ位置情報を用いることによって、GPS情報に基づく測位結果情報と同様に緯度経度で表された座標情報としている。これにより、無線タグ40及びGPS機能のいずれによって位置が把握されている場合も、同様に地図画像により当該位置が提示され、統一したユーザインタフェースが実現される。一方、タグリーダ4が検出している場合には、地図上での標識による位置表示と併せて、無線タグ40を検出しているタグリーダ4が配置された管理施設名等を保護者へ提示してもよい。
【0058】
次に、タグリーダ4の位置登録処理について説明する。当該位置登録処理は、ユーザにより所持された登録用携帯端末と位置管理サーバ36のリーダ登録部102とを用いて行われる。登録用携帯端末を所持するユーザは例えば、本システムの保守作業者等の特定の者とすることができる。ユーザは、登録用携帯端末を所持してタグリーダ4の設置場所に赴く。図11は、リーダ登録部102の処理を説明する概略のフロー図である。リーダ登録部102は、タグリーダ4の位置登録処理を開始すると、タグリーダ4からの検出タグ情報を監視し、登録用携帯端末に付された無線タグ40が検出されるのを待つ(S130)。
【0059】
当該無線タグ40が検出状態となると、リーダ登録部102は、測位サーバ32に対して測位を要求し、測位サーバ32が登録用携帯端末に対して測位指示信号を送信する(S132)。測位指示信号に対し、登録用携帯端末がGPS情報を送信してきた場合には、測位サーバ32は測位演算を行い、リーダ登録部102は測位サーバ32からGPS情報に基づく測位結果情報を取得する(S134の「Yes」)。リーダ登録部102は無線タグ40が同一のタグリーダ4にて検出状態にあることを確認し(S136)、検出状態である場合には、測位サーバ32の誤差算出部78が算出した測位情報結果に含まれた測位誤差を参照する。測位誤差が閾値として設定した所定範囲以内であれば(S138の「Yes」)、リーダ登録部102は、取得した測位結果情報が示す登録用携帯端末の緯度経度による位置を、当該登録用携帯端末を検知しているタグリーダ4のリーダ位置情報として記憶部92に登録する(S140)。このとき、リーダ登録部102は、登録完了を登録用携帯端末へ通知するように構成することができる。測位誤差判定処理S138は、例えば、最大誤差方向への推定誤差が10m以内であるか否かを検査するように構成することができる。
【0060】
一方、測位誤差が所定範囲を超えている場合には(S138の「No」)、リーダ登録部102は、測位結果情報が示す登録用携帯端末の位置を示す標識を表示した周辺領域の地図画像を登録用携帯端末に送信し、位置の修正を要求する(S142)。
【0061】
図12は、登録用携帯端末の表示部54の表示画面の一例を示す模式図である。表示部54は、管理センタ6から送信された地図画像を表示する。例えば、当該地図画像には、測位結果に基づく当該携帯端末の位置が星印の標識160で表示される。ユーザは、カーソル操作キーやタッチパネルの操作により、地図画像上にて、タグリーダ4の実際の位置を指定する。例えば、ユーザが指定する修正されたタグリーダ4の位置は地図画像上にて、“+”で示すカーソル162で表される。ユーザは、地図画像上にてカーソル162を目的とする修正位置に移動させた後、その位置を確定する操作を行う。例えば、登録するタグリーダ4が小学校の体育館に設置したものであれば、表示画面上のカーソル162を小学校の体育館がある位置に移動させ、確定させる。これにより、登録用携帯端末の制御部46は、カーソル162が指定する位置情報(ユーザ指定位置情報)を基地局通信部50を介して管理センタ6へ送信する。送信するユーザ指定位置情報は、地図上の位置に対応する緯度経度情報とすることができるが、当初表示された位置との相対座標表示とし、管理センタ6で緯度経度を求めるようにしてもよい。
【0062】
リーダ登録部102は、ユーザ指定位置情報を受信すると(S144)、当該ユーザ指定位置情報に基づいてリーダ位置情報を登録する(S140)。
【0063】
測位要求S132に対して、測位結果情報が得られない場合(S134の「No」)には、リーダ登録部102は登録用携帯端末に、例えば、ユーザに対処を求めた上で(S146)、測位結果の取得を再度試みる(S132,S134)。例えば、登録用携帯端末がGPS衛星信号を受信できない場所にある場合には、リーダ登録部102は、ユーザに対し、測位可能ポイントを探索するように指示する。また、このような場合は、登録用携帯端末自体が、GPS受信部52を監視し、GPS衛星信号を受信していない場合には、その旨を表示部54等を介してユーザに知らせる構成とすることもできる。GPS受信不能を通知されたユーザは、例えば、タグリーダ4が設置された屋内にて、窓際など、GPS衛星信号を受信可能なポイントに移動する。これにより、リーダ登録部102が測位結果情報を取得できるようになった場合には、上述の処理S136〜S144により、リーダ位置情報が登録される。
【0064】
ここで、GPS信号の受信可能ポイントを求めてユーザが移動した結果、登録用携帯端末が位置情報を登録しようとしているタグリーダ4の質問波の到達範囲外となることが想定される。この状況は、リーダ登録部102が検出タグ情報に基づいて、当該登録用携帯端末の無線タグ40が登録対象のタグリーダ4にて検出されなくなったことにより検知することができる(S136の「No」)。リーダ登録部102は、この場合にも、上述した測位誤差が大きい場合と同様の位置修正のための処理S142,S144を行い、それにより得られるユーザ指定位置情報をリーダ位置情報として登録する(S140)。
【0065】
上述したように、本システムでは、タグリーダ4にて携帯端末2の無線タグ40を検出できない場合には、携帯端末2のGPS機能を利用して位置情報を取得することで、位置管理サーバ36において、携帯端末2の無線タグ40及びGPS機能によって児童の位置を継続的に把握することができる。また、屋内では無線タグ40、屋外ではGPS機能といったように、児童の居場所に応じて適切な方式で位置情報を取得することができるので、高精度、高信頼度の位置管理が可能である。さらに、無線タグ40による位置情報とGPS機能による位置情報とを同一のシステムで統一的に保護者に提供することができる。
【0066】
本システムは、無線タグ40による位置管理とGPSによる位置管理とを統合的に行う点に1つの特徴がある。これにより、無線タグ40とGPS機能とを併せ持つ携帯端末2を所持する児童の位置を、上述のように継続的に把握することが可能となる。その一方で、本システムは、無線タグ40とGPS機能とのどちらか一方だけを備えた端末等を所持する児童の位置も管理対象とすることが可能である。すなわち、無線タグ40だけを所持する児童と、GPS端末だけを所持する児童とを1つのシステムで位置管理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係る位置管理システムの概略の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る位置管理システムにおける携帯端末の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る位置管理システムにおける登録用携帯端末の概略の構成を示すブロック図である。
【図4】測位サーバの概略の構成を示すブロック図である。
【図5】タグ管理サーバの概略の構成を示すブロック図である。
【図6】検出状態情報の構造を模式的に表す説明図である。
【図7】位置管理サーバの概略の構成を示すブロック図である。
【図8】リーダ位置情報の構造を模式的に表す説明図である。
【図9】取得位置情報の構造を模式的に表す説明図である。
【図10】位置確認部の処理を説明する概略のフロー図である。
【図11】リーダ登録部の処理を説明する概略のフロー図である。
【図12】登録用携帯端末の表示部の表示画面の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0068】
2 携帯端末、4 タグリーダ、6 管理センタ、8 GPS衛星、10 ネットワーク、12 基地局、14 GPS基準局、16 管理者端末、20 校舎、22 体育館、24 学習塾、30 通信サーバ、32 測位サーバ、34 タグ管理サーバ、36 位置管理サーバ、38 LAN、40 無線タグ、42 無線通信部、44,72,82,92 記憶部、46,70,80,90 制御部、48 バッテリ、50 基地局通信部、52 GPS受信部、54 表示部、56 操作部、74,84,94 通信インターフェース、76 測位演算部、78 誤差算出部、86 検出情報更新部、96 取得位置更新部、98 位置確認部、100 位置提示部、102 リーダ登録部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグ、GPS受信機能及び移動体通信機能を備えた携帯端末を用いて、当該携帯端末を所持する管理対象者の位置を管理する位置管理システムであって、
前記携帯端末の位置を把握する管理センタと、
管理領域に設置され、当該管理領域に存在する前記携帯端末の前記無線タグを検出し、検出結果を検出タグ情報として前記管理センタへ送信するタグリーダと、を含み、
前記管理センタは、
前記GPS受信機能により獲得されるGPS情報を前記携帯端末から取得するGPS情報取得部と、
前記GPS情報に基づいて、前記携帯端末の位置を表すGPS測位情報を所定の座標表現形式で求めるGPS測位部と、
前記タグリーダの設置場所を示すリーダ位置情報を前記座標表現形式で記憶したリーダ位置記憶部と、
前記検出タグ情報及び前記リーダ位置情報に基づいて、検出した前記無線タグを有する前記携帯端末の位置を表すタグ位置情報を前記座標表現形式で求めるタグ測位部と、
前記座標表現形式に対応する地図画像を記憶した地図記憶部と、
前記GPS測位情報及び前記タグ位置情報で表される前記携帯端末の位置を前記地図画像上に表示した画像を出力する位置提示部と、
を備えて構成されること、を特徴とする位置管理システム。
【請求項2】
前記管理センタは、さらに、前記リーダ位置記憶部に前記座標表現形式で表された前記リーダ位置情報を登録するリーダ登録部を備え、
前記リーダ登録部は、
登録対象とする前記タグリーダが前記無線タグを検出したときに、当該無線タグを有する前記携帯端末について得られる前記GPS測位情報に基づき、当該タグリーダの前記リーダ位置情報を定めること、
を特徴とする請求項1に記載の位置管理システム。
【請求項3】
前記リーダ登録部は、
前記タグリーダから登録用無線タグを検出したことを示す前記検出タグ情報を取得すると、当該登録用無線タグを有する前記携帯端末である特定携帯端末から、前記GPS情報取得部により前記GPS情報を取得し、当該GPS情報から得られる前記GPS測位情報に基づいて前記リーダ位置情報を定めること、
を特徴とする請求項2に記載の位置管理システム。
【請求項4】
前記管理センタは、さらに、前記GPS測位情報の誤差を算出する誤差算出部を備え、
前記リーダ登録部は、
前記誤差が所定の閾値以下であることを条件に、前記GPS測位情報に基づく前記リーダ位置情報を登録すること、
を特徴とする請求項2又は請求項3に記載の位置管理システム。
【請求項5】
前記管理センタは、さらに、前記GPS測位情報の誤差を算出する誤差算出部を備え、
前記特定携帯端末は、
前記地図画像を表示する地図表示部と、
ユーザの操作に応じて、前記地図画像上の任意の位置を指定する位置指定手段と、
前記位置指定手段により指定された指定位置情報を前記管理センタへ送信する指定位置送信部と、
を備え、
前記リーダ登録部は、
前記誤差が所定の閾値以下である場合に、前記GPS測位情報に基づく前記リーダ位置情報を登録し、
前記誤差が前記閾値を超える場合に、前記ユーザ指定位置情報に基づいて前記リーダ位置情報を登録すること、
を特徴とする請求項3に記載の位置管理システム。
【請求項1】
無線タグ、GPS受信機能及び移動体通信機能を備えた携帯端末を用いて、当該携帯端末を所持する管理対象者の位置を管理する位置管理システムであって、
前記携帯端末の位置を把握する管理センタと、
管理領域に設置され、当該管理領域に存在する前記携帯端末の前記無線タグを検出し、検出結果を検出タグ情報として前記管理センタへ送信するタグリーダと、を含み、
前記管理センタは、
前記GPS受信機能により獲得されるGPS情報を前記携帯端末から取得するGPS情報取得部と、
前記GPS情報に基づいて、前記携帯端末の位置を表すGPS測位情報を所定の座標表現形式で求めるGPS測位部と、
前記タグリーダの設置場所を示すリーダ位置情報を前記座標表現形式で記憶したリーダ位置記憶部と、
前記検出タグ情報及び前記リーダ位置情報に基づいて、検出した前記無線タグを有する前記携帯端末の位置を表すタグ位置情報を前記座標表現形式で求めるタグ測位部と、
前記座標表現形式に対応する地図画像を記憶した地図記憶部と、
前記GPS測位情報及び前記タグ位置情報で表される前記携帯端末の位置を前記地図画像上に表示した画像を出力する位置提示部と、
を備えて構成されること、を特徴とする位置管理システム。
【請求項2】
前記管理センタは、さらに、前記リーダ位置記憶部に前記座標表現形式で表された前記リーダ位置情報を登録するリーダ登録部を備え、
前記リーダ登録部は、
登録対象とする前記タグリーダが前記無線タグを検出したときに、当該無線タグを有する前記携帯端末について得られる前記GPS測位情報に基づき、当該タグリーダの前記リーダ位置情報を定めること、
を特徴とする請求項1に記載の位置管理システム。
【請求項3】
前記リーダ登録部は、
前記タグリーダから登録用無線タグを検出したことを示す前記検出タグ情報を取得すると、当該登録用無線タグを有する前記携帯端末である特定携帯端末から、前記GPS情報取得部により前記GPS情報を取得し、当該GPS情報から得られる前記GPS測位情報に基づいて前記リーダ位置情報を定めること、
を特徴とする請求項2に記載の位置管理システム。
【請求項4】
前記管理センタは、さらに、前記GPS測位情報の誤差を算出する誤差算出部を備え、
前記リーダ登録部は、
前記誤差が所定の閾値以下であることを条件に、前記GPS測位情報に基づく前記リーダ位置情報を登録すること、
を特徴とする請求項2又は請求項3に記載の位置管理システム。
【請求項5】
前記管理センタは、さらに、前記GPS測位情報の誤差を算出する誤差算出部を備え、
前記特定携帯端末は、
前記地図画像を表示する地図表示部と、
ユーザの操作に応じて、前記地図画像上の任意の位置を指定する位置指定手段と、
前記位置指定手段により指定された指定位置情報を前記管理センタへ送信する指定位置送信部と、
を備え、
前記リーダ登録部は、
前記誤差が所定の閾値以下である場合に、前記GPS測位情報に基づく前記リーダ位置情報を登録し、
前記誤差が前記閾値を超える場合に、前記ユーザ指定位置情報に基づいて前記リーダ位置情報を登録すること、
を特徴とする請求項3に記載の位置管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−112256(P2008−112256A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293820(P2006−293820)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】
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