説明

低誘電率誘電体を含む超小型電子構造およびその構造内の炭素分配を制御する方法

本発明の実施形態は、超小型電子構造の形成に関する。32nmの次のテクノロジーノード向けの低誘電率誘電体材料は、約2.6未満の誘電率を呈する必要がある。本発明により、全体として超小型電子構造の曲げおよび剪断強度の完全性を向上させながら、そのような低誘電率誘電体材料を使用する半導体デバイスを形成することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、バリア層と上にある低誘電率誘電体層との間の接着を制御するために使用される超小型電子機器の製造方法に関する。本願と共通の発明者を有する関連特許および出願には、2006年12月19日発行の「Method Of Depositing Dielectric Materials Including Oxygen−Doped Silicon Carbide In Damascene Applications」という名称のLeeらの米国特許第7,151,053号、2007年3月13日発行の「Strengthening The Interface Between Dielectric Layers And Barrier Layers With An Oxide Layer Of Varying Composition Profile」という名称のLakshmananらの米国特許第7,189,658号、2007年11月20日発行の「Method To Reduce Gas−Phase Reactions In A PECVD Process With Silicon And Organic Precursors To Deposit Defect−Free Initial Layers」という名称のYimらの米国特許第7,297,376号、2009年11月3日発行の「Multi−Stage Curing Of Low k Nano−Porous Films」という名称のSchmittらの米国特許第7,611,996号、および2009年11月10日発行の「Structure and Method For Porous SiCOH Dielectric Layers And Adhesion Promoting Or Etch Stop Layers Having Increased Interfacial And Mechanical Strength」という名称のEdelsteinらの米国特許第7,615,482号が含まれる。これらの関連特許および出願のいずれにおいても優先権を主張しないが、これらの特許および出願における主題は、本明細書内の本発明の教示に対して不適合ではない程度に、参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
超小型電子機器業界の誘電率要件を満たす複数の低誘電率材料は炭素を含有し、プラズマ化学気相堆積(PECVD)によって堆積される。炭素を含有する低誘電率誘電体では、炭素を均一に分配する必要がある。さらに、炭素の存在は、低誘電率誘電体層と下または上にある拡散バリア層との間の接着に影響を与える。
【0003】
本章は、本発明の開示の実施形態に関係する背景事項について説明する。本章に論じる背景技術は、明示的にも暗示的にも従来技術を法的に構成しようとするものではない。
【0004】
次世代の半導体デバイスは、32nmの「テクノロジーノード」になるであろう。この小さい特徴寸法では、デバイス構造の一部を形成する各材料層は、以前に利用可能であったものより小さい空間内でその機能を実行できる必要がある。その結果、デバイスを構成する非常に薄い材料層(350Å以下)の堆積中、材料の組成および構造の急激な変化が生じることがあり、それによって望ましくない影響をもたらす(デバイス機能に問題を引き起こす)。たとえば、低誘電率材料層は、電気絶縁機能を提供する目的で適用されるが、電気信号の伝達を制御する一方でデバイスの機能を全体として減速させないようにちょうど適用される。近年、複数の低誘電率材料が開発されており、これらの材料は、拡散バリア層の表面に接触して使用されることが多く、それによって導電性材料が隣接する半導体または誘電体層内へマイグレーションするのを防止する。
【0005】
低誘電率誘電体層と拡散バリア層との間に良好な接着が存在することが重要である。これは、デバイス性能の完全性にとって重要である。これはまた、「多層金属」デバイス(すなわち、デバイス寸法を低減させるのに有用な多層接続性デバイス)を作るために最も一般に使用される処理は化学機械研磨などの平延べ処理を使用するダマシン処理であるため、デバイスの製造中にも重要である。これらの圧延処理は、圧延の時点でデバイス構造内に存在する層間のインターフェースに応力を生じさせる。
【0006】
化学機械研磨(CMP)などの処理中にデバイス層間に生じる応力は、デバイスを変形させてインターフェース面を分離し、性能の欠陥を引き起こす可能性がある。
【0007】
近年開発されてきた低誘電率誘電体材料、およびこれらの材料が使用される方法については、たとえば、本明細書ですでに引用した関連特許および出願、ならびに後述する他の関連特許および出願に記載されている。これは、背景技術の包括的な一覧ではなく、本発明によって改善される技術の概略的な理解を提供しようとするものである。
【0008】
2002年9月24日発行の「Method for Forming Damascene Structure Employing Bi−layer Carbon doped Silicon Nitride/Carbon Doped Silicon Oxide Etch Stop Layer」という名称のBaoらの米国特許第6,455,417号は、超小型電子構造を形成するダマシン方法について記載しており、この方法では、基板上に形成された第1のエッチング停止/ライナ層を用い、第1のエッチング停止/ライナ層は炭素がドープされた窒化ケイ素材料を含み、第1の層上には第2の層が形成され、第2の層は炭素がドープされた酸化ケイ素誘電体材料である(要約)。Baoらの構造の好ましい実施形態では、PECVD方法を用いることによって、炭素がドープされた窒化ケイ素材料と炭素がドープされた酸化ケイ素材料との両方が形成される。典型的には、PECVD処理で使用される開始前駆体は、ケイ素および炭素源材料としてオルガノシランを含む。オルガノシラン材料は、たとえば窒素、アンモニア、またはヒドラジンなどの窒素源材料と反応して、炭素がドープされた窒化ケイ素を形成することができる。オルガノシラン材料は、酸素、オゾン、亜酸化窒素、一酸化窒素、一酸化炭素、および二酸化炭素などの酸素源材料と反応して、炭素がドープされた酸化ケイ素を形成することができる。
【0009】
Schmittらの米国特許第7,611,996号は、化学気相堆積(CVD)、好ましくはプラズマCVD(PECVD)を使用して低誘電率誘電体層を堆積することについて記載しており、堆積膜を生じさせるために使用される反応ガスは、プラズマによって励起することができ、膜の堆積にはより低い温度が必要とされる。様々なCVD堆積膜およびそれらの機能に関する議論は、デバイスがより小さくなるにつれて複数の積層膜の構造からの抵抗率の寄与が増大し、デバイスの性能を減速させるという問題を含む。さらに、デバイスの形状寸法がより小さくなる結果、デバイス間の寄生容量が増大する。回路内の同じ層または隣接する層上の金属相互接続間の寄生容量の結果、金属線もしくは相互接続間のクロストークおよび/または抵抗容量(RC)遅延を生じさせ、それによってデバイスの応答時間を低減させ、デバイスの全体的な性能を劣化させる可能性がある。この問題は、金属相互接続の階層数が増大するにつれて悪化する。
【0010】
同じ層または隣接する層上の金属相互接続間の寄生容量を低減させるには、金属線または相互接続間で使用される低誘電率誘電体材料をさらに低い誘電率を有する材料に変更することが必要とされてきた。Schmittらの特許では、2.5を下回る誘電率が望ましいと述べている。この誘電率を得るために開発された材料は、分散された微細なガスボイドを有するナノ多孔質酸化ケイ素膜であった。この低誘電率誘電体材料は典型的に、PECVD酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、または水素化炭化ケイ素から構成されるバリア層の表面を覆って堆積されると述べている。
【0011】
Leeらの特許(米国特許第7,151,053号)は、酸素を含有する有機ケイ素化合物、酸素および炭素を含む化合物、ならびに酸素のない有機ケイ素化合物を含むガスを反応させることによって、基板上にバリア層を堆積させる方法を記載しており、その結果堆積される膜は、約15原子%以下の酸素含有率を有する酸素がドープされた炭化ケイ素層である。別の実施形態では、反応物質は、酸素および炭素を含む化合物ならびに酸素のない有機ケイ素化合物を含み、これらを使用して、約15原子%以下の酸素含有率を有する酸素がドープされた炭化ケイ素層を生じさせることもできる。
【0012】
低い誘電率と所望の化学的かつ機械的特性との両方を有する酸炭化ケイ素膜の開発は、困難であることがわかってきた。2.5未満の低い誘電率を有することが望ましい酸炭化ケイ素膜は、ケイ素および炭素を含有するバリア層など、下にあるバリア層にうまく接着しないことが多いことが観察されている。Lakshmananらの特許(米国特許第7,189,658号)に記載されている発明の実施形態は、低誘電率誘電体層を堆積させる方法を記載しており、低誘電率誘電体層は、堆積された層内に酸素濃度の勾配が生じるように堆積される。下にあるバリア層は、炭化ケイ素、窒素がドープされた炭化ケイ素、酸素がドープされた炭化ケイ素、または酸素および窒素がドープされた炭化ケイ素層とすることができる。バリア層を覆って堆積される低誘電率誘電体層は、PECVD処理を使用して形成され、処理ガスの供給は有機ケイ素化合物および酸化ガスを含み、堆積が進むにつれて有機ケイ素化合物の流量が増大される。これによりバリア層と低誘電率誘電体層との間のインターフェースでは、酸素含有率がより高くなり、炭素含有率がより低くなる。
【0013】
PECVD処理チャンバ内で一連の層を生じさせて所望の特性を有する超小型電子構造を作るという概念は、Edelsteinらの特許(米国特許第7,615,482号)にも記載されている。開始基板表面が誘電体または導電性材料層である方法が開示されている。基板表面上に酸化物(酸化ケイ素)層が形成され、この酸化物層は炭素を本質的に含有しない。次いで、酸化物層を覆ってグレーデッド遷移層が形成され、グレーデッド遷移層は酸化物層とのインターフェースに炭素を本質的に含まず、多孔質SiCOH層の方へ進むと炭素含有率が段階的に増大し、低誘電率層の上部部分を形成する。SiCOH層を生じさせるために使用される前駆体材料は、PECVD供給ガス内の酸素濃度が減少すると増加すると述べている。
【0014】
Edelsteinらの特許の図2および図3を参照して論じられているように、異なる化学組成を有する様々な層間の接着には問題が伴う可能性が高い。例示を目的として、Edelsteinらの2つの金属化層構造の例に番号を振りなおしたものを示す本願の図1を参照されたい。デバイス構造に応じて最高7つ以上の金属化層が存在しうることが、当業者には理解されるであろう。図1Aでは、半導体構造100は半導体材料102を含み、半導体材料102は、金属線106を含有する低誘電率誘電体層104の下にある。金属線106の上にはキャッピング層110があり、キャッピング層110は、Edelsteinらの特許に記載のように、SiCHまたはSiCHNなどの炭化ケイ素材料とすることができる。キャッピング層110の上にはインターフェース構造112があり、インターフェース構造112は、図1Bにより詳細に示すように、2つの層112aおよび112bから構成されると述べている。
【0015】
層112aは、炭素を本質的に含まない酸化物層であると言われており、ここで「本質的に」とは、0.1から3原子パーセントの炭素の範囲であると定義される。この量の炭素含有率は、酸化物層112aの性能に悪影響を与えないと述べている。層112bは、遷移層であると言われており、炭素を本質的に含まない酸化物層から多孔質SiCOH層へ遷移する。層112bの表面の上には、層114として示す均質な低誘電率誘電体SiCOH層がある。低誘電率誘電体層114は、低誘電率誘電体層104と同等である。低誘電率誘電体層104によって、導電性充填材料108を含有する接続性コンタクトビア108が取り囲まれる。接続性ビア108内に存在する導電性材料には、第2の階層の金属線116が接触する。
【0016】
第2の金属線116の上には第2のキャッピング層120があり、第2のキャッピング層120は、Edelsteinらの特許に記載のように、SiCHまたはSiCHNなどの炭化ケイ素材料とすることができる。第2のキャッピング層120の上には第2のインターフェース構造122があり、第2のインターフェース構造122は、図1Bに示す層112aおよび112bと同等であるはずの2つの層(図示せず)から構成される。導電性材料で充填された第2の階層のコンタクトビア118が、第2の金属線116との接続を形成しており、第2の階層のビア118より上は図示しないが、追加の金属化層に接続することができる。第3の均質な低誘電率誘電体SiCOH層124が、コンタクトビア118を取り囲む。
【0017】
Edelsteinらの特許に論じられているように、従来技術の図1Aおよび図1B(本願)に示す構造に伴う問題は、SiCOH層(104、114、および124)と、下にある層との間の接着が不十分になる傾向があることであると言われており、この下層は、半導体材料102(たとえば、ケイ素など)とすることができ、または典型的に炭化ケイ素ベースの材料であるキャッピング(バリア)材料層(112および122)とすることができる。従来技術の図1B(本願に示す)に112bとして示す遷移層は、層112bと下にある層112aとの間の接着を改善するためのものであり、層112aは、炭素を本質的に含有しない酸化ケイ素層である。さらに、層112aは、低誘電率誘電体SiCOH層(104、114、および124)の表面にうまく結合することが実証されたと述べている。
【0018】
Edelsteinらの特許では、遷移層(本願の従来技術の図1Bに112bとして示す)を堆積させる鍵は、炭素量が増大するにつれて堆積膜内に存在する炭素量が平滑に遷移することであると述べている。しかし、この平滑な遷移を実現する方法を見出すことは達成できそうになかった。たとえば、Edelsteinらの特許は、Edelsteinらの特許の図5に示されている反応性前駆体の供給の結果、形成された炭素のグレーデッド遷移層内に大きな炭素ピークが生じ、最終的に下にある表面とのインターフェース層が機械的に弱くなることを教示している。この問題を解決するために、Edelsteinらの図6に示されている種類のチャンバ内への反応物質の異なる導入予定が使用された。この結果、やはり膜の堆積中に炭素ピークおよび酸素低下が生じたと言われており、これらはどちらも、下にある表面にあるインターフェース層を機械的に弱くする。最後に、Edelsteinらの図7(本願の従来技術の図2)に示されている種類のチャンバ内への反応物質の改訂された導入予定は、炭素と多孔率がどちらも段階的かつ均一に増大する遷移層を提供すると述べている。
【0019】
上記のように、本願の従来技術の図2は、Edelsteinらの図7を示す。図200は、軸204上に様々な前駆体材料の相対的な流量を示し、軸202上に流れが発生しているPECVD膜堆積処理に関係する期間を示すグラフである。Edelsteinの開示では、実際の流量は指定されていない。期間は指定されており、T1は1〜4秒の範囲であり、T2は2〜4秒の範囲であり、そしてT3はT2より大きいとされている。T4は、多孔質SiCOH低誘電率誘電体膜を堆積させるための値ですべての流れが安定する時間として記載されている。T4は典型的に、10秒から200秒の範囲であると述べている。曲線206は、ポロゲン(porogen)(当技術分野では周知の種類のもの)前駆体の流れを表し、Edelsteinらの特許では、その正確な組成は定義されていない。曲線208は酸素の流を表し、曲線210はSiCOH低誘電率誘電体前駆体の流れを表す。低誘電率誘電体前駆体材料については、具体的に記載されていない。T2は、誘電体前駆体の流れが安定する時間であると述べている。ポロゲン前駆体は、T1〜T2の間隔中に導入されると述べている。T3は、ポロゲン前駆体の流れが安定する時間であると述べている。従来技術の図2に示すように、ポロゲン前駆体の増加率は誘電体前駆体の増加率より低くすることができる。T2とT3の間隔は、可能な限り短いことが好ましいと述べている。
【0020】
こうしたあらゆる努力にかかわらず、バリア層と低誘電率誘電体層との間の接着は、低誘電率誘電体層を含む全体的な多層金属構造の構成上の安定性に関して問題を引き起こし続けてきた。本発明は、従来技術の問題の多くを本質的に解決する改善されたデバイス構造を提供することによって、上述の従来技術を改善する。本発明は、当技術分野で記載されているものと同じ前駆体材料の多くを使用するが、材料が適用される方法は異なり、これにより改善されたデバイス構造を提供する。
【発明の概要】
【0021】
半導体デバイスの特徴寸法がますます小さくなり、次のデザインノードが32nmになると、堆積させる材料の化学組成および厚さの制御、ならびにその結果得られるデバイスの全体的な構造上の安定性は困難なものになる。本発明の実施形態の焦点は、誘電体材料の誘電率を2.6未満、好ましくは2.5未満になるように制御することに関する。同時に、本発明の方法は、デバイス構造の最も困難な領域全体にわたって良好な曲げおよび引っ張り強度を提供し、構造全体の接着強度の改善は、超小型電子構造を評価するために当技術分野で現在使用されている種類の4点屈曲試験を使用して測定することができる。
【0022】
本発明の概略的な実施形態では、半導体デバイス構造は、3原子%より大きく約12原子%までの範囲の濃度で炭素を含む、少なくとも1つの炭素がドープされた低誘電率拡散バリア材料領域を用いる。拡散バリア材料の上には第1の遷移領域があり、第1の遷移領域は、3原子%以下の濃度で炭素を含む酸化ケイ素を含む。第1の遷移領域の上には第2の遷移領域ができ、第2の遷移領域は、炭素濃度が3原子%から上にある多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料領域の炭素濃度まで増大する酸化ケイ素を含む。典型的には、炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料内の炭素濃度は、約12原子%未満である。この多層構造は、超小型電子機器デバイス内に数回存在することがあり、炭素がドープされた低誘電率拡散バリアまたは他の拡散バリアが存在するときに存在する。本発明のデバイス構造は、拡散バリア材料に続いて(の上に)、拡散バリア材料に比べて貧弱な接着強度を有する炭素がドープされた低誘電率拡散バリア材料が適用されるとき、構造全体に接着強度を提供するのを助けるために使用される。
【0023】
図3を参照すると、関連する概念のよりよい理解を容易にするために、3.0原子%以下の炭素原子を含有する材料を含む酸化ケイ素である第1の遷移領域を、遷移領域306として示すことができる。第2の遷移領域308は、3.0原子%より大きく炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層309内の炭素含有率までの範囲の濃度で炭素原子を含有する材料を含む酸化ケイ素であり、3.0原子%より大きく約12原子%までの範囲の濃度で炭素原子を含有する。3.0原子%以下の炭素原子を含有する酸化ケイ素を含む材料306は、領域304に存在する炭素がドープされた窒化ケイ素バリア層または炭化ケイ素バリア材料からの遷移として存在することができる。炭素がドープされた低誘電率窒化ケイ素バリア材料304または炭化ケイ素バリア材料(図示せず)は、半導体層302または導電層310もしくは312に隣接していることがわかり、バリア層材料は、導電性材料が半導体デバイス構造内の隣接する材料層内へマイグレーションするのを防止するために使用される。
【0024】
炭素がドープされた窒化ケイ素を含むバリア層(または炭化ケイ素バリア層)、3.0原子%以下の炭素原子を含有する酸化ケイ素を含む遷移材料、3.0原子%より大きい炭素から約12原子%の高さの炭素までを含有する酸化ケイ素を含む遷移材料、および炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層をすべて、望みに応じてデバイス構造を調整できるように、類似の前駆体材料を使用して同じ処理チャンバ内で製造することができる。連続して順次実行されるすべての堆積処理中にプラズマを維持することができ、したがってすべての遷移は段階的であり、遷移材料内の炭素含有率は「でこぼこ」しない。さらに、典型的に低減された接着強度を呈するインターフェース面が存在する明確な層が存在する必要はない。記載の構造およびその構造を生じさせる方法を使用すれば、5.9から6.6J/mの範囲内の曲げ強度Gc値を一貫して得ることが可能である。Gc値は、厚さが低減された遷移領域を得るために、ある程度犠牲になることもある。5.9〜6.6J/mの接着強度値は、これに相当する得られた最善のGc(4点曲げ試験)値が4.0〜5.0J/mの範囲内であった従来技術と比較すると、著しい改善である。SIMSデータに基づいて、低誘電率バリア層と低誘電率誘電体層との間の第1の遷移層と第2の遷移層とを組み合わせた厚さは、約160Åまで低くすることができる。
【0025】
本発明の実施形態の主な焦点は、炭素がドープされた低誘電率拡散バリア材料から後に堆積される炭素がドープされた低誘電率誘電体材料まで遷移する遷移材料の形成中に膜形成プラズマに対する特定のガス供給を増加および減少させることに当てられてきた。これらの遷移材料は、限定ではなく例として、炭素がドープされた拡散バリア層の表面を覆って多孔質の炭素がドープされた低誘電率誘電体層を堆積させたときに発生した結合が貧弱であったために開発された。図3には、炭素がドープされた窒化ケイ素バリア材料304を覆って堆積させた領域306および308として、また炭素がドープされた窒化ケイ素バリア材料314を覆って堆積させた領域316および318として、遷移材料を示す。遷移材料の堆積中の相対的なガス供給の制御では、構造全体で許容できる誘電率、膜の厚さ、膜の均一性、および十分な接着強度を提供しながら、平滑に遷移する炭素含有率の形成を可能にしなければならない。
【0026】
Edelsteinの文献に関して上述したように、誘電体前駆体、ポロゲン前駆体、および酸素反応ガスの相対的なガス供給率および減少または増加率はすでに研究されてきた。しかし、上記で論じた遷移材料領域の開発中に、驚くべき発見がなされた。ケイ素前駆体および酸素反応ガスを輸送するために使用されるヘリウムキャリアガスの相対的な減少率は、全体的な構造の接着強度に非常に著しい影響を与えた(すでに論じた4点接着強度試験によって示す)。ヘリウムキャリアガスの量は、遷移領域内の膜の厚さを低減させるのと同時に遷移領域内の接着強度を増大させる目的で、急速に減少させる必要がある。遷移領域の形成中に、遷移領域の膜の厚さの低減と機械的な強度の低減の両方において予想外の改善をもたらすヘリウムキャリアガスの減少率と酸素反応ガスの減少率との間の関係が開発された。良好な結果は、酸素反応物質が減少していないときでも、ヘリウムキャリアガスを減少させることによって実現することができるが、流れは直ちに中断される。これが発生したとき、それでもなお処理チャンバ内に酸素が存在する滞留時間があり、その結果、ヘリウム減少率と「デフォルト」の酸素減少率との比は約3:5(ヘリウム:酸素)になる。ヘリウムキャリアガスと酸素反応ガスがどちらも減少したが、減少比が低く、3:5の減少比の範囲内であるとき、この処理では、第1の遷移領域と第2の遷移領域とを組み合わせた厚さ(SIMSによる)は約157Åであり、4点接着強度は約5.3J/mであり、炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層に対して得られる誘電率は約2.55であった。しかし、ヘリウム減少率と酸素減少率との比が約60:1の範囲内であるとき、より良好な接着強度結果を実現することができる。この例では、組み合わせた遷移領域の厚さは約215Åであり、4点接着強度は約6.6J/mであったが、炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層に対して得られた誘電率は約2.57であった。接着強度は改善された一方、組み合わせた遷移領域の厚さは増大した。約30:1というヘリウム減少率:酸素減少率の比を使用することによって、全体的な改善された結果を得ることができる。この例では、遷移領域の厚さは約160Åであり、4点接着強度は約5.9J/mであったが、炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層に対して得られた誘電率は約2.55であった。この減少率を、例として図4に示す。上記で論じたヘリウムキャリアガス:酸素の相対的な減少率のいずれにおいても、プラズマアークは発生しなかった。
【0027】
上述した方法でヘリウムキャリアガスの流れを低減させることができなかった結果、遷移領域の接着強度(Gc)が低減した。ヘリウム:酸素の減少比が3:5であったときに得られたGcは4.8J/mであり、これは、得られた最善のGcが約4J/mから約5J/mの範囲であった周知の技術(バリア層が窒化ケイ素ではなく炭化ケイ素であったとき)と同等である。炭素がドープされた拡散バリア材料と炭素がドープされた低誘電率誘電体材料との間の組み合わせた遷移領域の堆積中にヘリウムキャリアガスの急速な減少と相対的なヘリウム:酸素の減少率とを組み合わせて使用することによって得られた4.8J/mから6.6J/mへの接着強度の改善は顕著であり、完全に予想外であった。推奨される相対的な減少率比は約60:1から約1:2であり、減少率が約60:1から約30:1の範囲であるときにより高い接着強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】半導体デバイス構造100の従来技術の断面概略図であり、層102がケイ素基板を表し、層104が第1の多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層を表す。層106は金属化層を表す。層110は、金属化層から上にある炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層114内へ金属がマイグレーションするのを防止するために使用されるキャッピング層(バリア層)を表す。この従来技術に示すキャッピング層110は、SiCHまたはSiCHNなどの炭化ケイ素ベースの材料であった。層112は、上にある炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層114とキャッピング/バリア層112との接着を改善するように設計されたデュアル層(図1Bに示す)のインターフェース構造を表す。
【図1B】図1Aに示す半導体デバイス構造の一部分の断面概略図である。図1Bは、第1のインターフェース構造112をより詳細に示す。
【図2】低誘電率誘電体層のPECVD処理、および低誘電率拡散バリア層の表面を覆う炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層の形成中の前駆体の相対的な流量に関する従来技術の図である。
【図3】本発明の一実施形態による半導体デバイス構造300の断面概略図である。層302はケイ素基板を表す。領域304は、典型的に少なくとも3.0原子%から約12原子%の範囲の原子%で炭素を含有する炭素がドープされた窒化ケイ素バリア材料を表す。領域306は、3原子%以下の炭素を含有する酸化ケイ素材料を含む第1の遷移領域を表す。領域308は、3原子%以下の炭素を含み、多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層の炭素誘電率に等しい炭素含有率まで遷移し、このとき炭素含有率を約12原子%の高さとすることができる第2の遷移領域を表す。領域309は、3原子%より大きく約12原子%の炭素までの範囲の原子%で炭素を含有する多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層を表す。層310は金属導体層を表す。
【図4】曲線405によって示すヘリウムキャリアガスと曲線407によって示す酸素試薬ガスとの間の相対的な流れ減少率の重要な関係400を示す図である。これらのガスは、図3に示す種類のデバイスの製造中にPECVDチャンバ内へ供給され、領域304から領域310へ遷移する。
【図5】本明細書に記載する様々な構造に対するPECVD反応を実施できる処理システム500の従来技術の断面概略図である。平行板プラズマ化学気相堆積リアクタ510を、処理チャンバ510へキャリアガスおよび反応ガスを投入するためのガス投入ライン518と組み合わせて示す。スロットルバルブ(図示せず)を有する真空ポンプ532が、処理チャンバ510からのガスおよびプラズマ種の排気率を制御する。
【図6】本発明の方法を実施するために図5に示す処理システム500と組み合わせて使用できるシステムコントローラ600の従来技術のブロック図である。
【図7】半導体基板のSIMSプロファイル700を示す図であり、基板の一部分は、約12原子%の炭素を含有する炭素がドープされた窒化ケイ素拡散バリア層から約10.5原子%の炭素を有する多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体へ遷移する遷移膜構造である。703に示すように、遷移膜の全体的な厚さは約215Åであった。
【図8】半導体基板のSIMSプロファイル800を示す図であり、基板の一部分は、約12原子%の炭素を含有する炭素がドープされた窒化ケイ素拡散バリア層から約10.4原子%の炭素を有する多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体へ遷移する遷移膜構造である。803に示すように、遷移膜の全体的な厚さは約161Åであった。
【図9】半導体基板のSIMSプロファイル900を示す図であり、基板の一部分は、約12原子%の炭素を含有する炭素がドープされた窒化ケイ素拡散バリア層から約10.5原子%の炭素を有する多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体へ遷移する遷移膜構造である。903に示すように、遷移膜の全体的な厚さは約157Åであった。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明の前書きとして、本明細書および添付の特許請求の範囲では、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈上別途明示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。
【0030】
本明細書では「約」という単語は、提示される公称の値が±10%の範囲内で正確であることを意味するものとする。
【0031】
本発明の実施形態における焦点は、誘電体層の誘電率を2.6未満、好ましくは2.5未満に下げる一方、堆積させたデバイス構造内の構造上の機械的強度を実現することにある。
【0032】
本発明の概略的な実施形態では、半導体デバイス構造は、約12原子%の範囲内の炭素含有率を有する少なくとも1つの炭素がドープされた低誘電率拡散バリア材料を用いる。拡散バリア材料の表面を覆って3原子%より大きい炭素、典型的に約12原子%の高さの炭素までを含有する多孔質の炭素がドープされた低誘電率誘電体材料を堆積させることが望ましい。これらの2つの材料間で良好な曲げ/剪断強度(または接着強度)を得るには、拡散バリア材料から低誘電率誘電体材料への遷移領域を作ることが必要である。全体的な遷移領域は、3.0原子%以下の炭素を含有し、約12原子%の炭素、より典型的には約10原子%の炭素から11原子%の炭素までを含有する炭素がドープされた酸化ケイ素を含む材料まで遷移する酸化ケイ素を含む材料である。
【0033】
図3を参照すると、3.0原子%以下の炭素原子を含有する酸化ケイ素を含む材料を第1の遷移領域306として示し、3.0原子%以下の炭素から12原子%以下の炭素を含有する炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料まで遷移する酸化ケイ素を含む材料を第2の遷移領域308として示す。上にある多孔質の炭素がドープされた低誘電率誘電体材料を、領域309として示す。これと同じ構造を第2の例にも示し、遷移領域316および318は拡散バリア材料314の上にあり、上にある多孔質の炭素がドープされた低誘電率誘電体材料319まで上方へ延びる。それぞれ領域306および308、または316および318の間の違いは、領域306が本質的に酸化ケイ素であり、領域318が酸化ケイ素から上にある多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料層の炭素含有率まで遷移することである。
【0034】
従来技術の図1Aは、半導体デバイス構造100の断面概略図を示し、基層102はケイ素層である。ケイ素層102の上には、第1の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料層104がある。この低誘電率誘電体層は、第1の金属化層106を含む。金属化層106および周囲の低誘電率誘電体材料104の上部表面の上にはバリア/キャッピング層110があり、バリア/キャッピング層110は、金属化層106から、第2の金属化層116の表面を提供する第2の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層114内へ、金属がマイグレーションするのを防止するために使用される。また低誘電率誘電体層114を導電ビア108が貫通しており、導電ビア108も典型的に、金属を含む特徴である。従来技術の図1Aに示すキャッピング層110および120は、SiCHまたはSiCHNなどの炭化ケイ素ベースの材料である。第1のキャッピング層110の上には、第1のキャッピング層110と上にある炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層114との間の接着を改善するように設計された第1のインターフェース構造112がある。第2のキャッピング層120と上にある第2の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体124との間の接着を改善するように、第2のインターフェース構造122が設計される。また第2の低誘電率誘電体層124を導電ビア118が貫通しており、導電ビア118は、半導体処理デバイス100内の第3の金属化層に至ることができる。
【0035】
従来技術の図1Bは、図1Aからの第1のキャッピングインターフェース構造112をより詳細に示し、上にある第2の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層114と下にあるキャッピング/バリア層110との接着を改善するように設計されたデュアル層のインターフェース構造を示す。インターフェース構造112内には、3原子%の炭素を下回る低い炭素含有率を含有する層112aと、低い炭素含有率から約2.6以下の範囲内の誘電率を提供するのに十分なほどより高い炭素含有率まで遷移する層112bとがある。
【0036】
従来技術の図2はEdelsteinらの文献から得たものであり、Edelsteinらの文献ではこの図は図7と表示されていた。図7は、通常1〜4秒の時間T1にわたるPECVD処理チャンバ内への酸素および誘電体前駆体の供給を示すとされている。この説明によれば、酸素を有する処理チャンバ内へ、任意選択でヘリウムまたはアルゴンを導入することができる。軸204に示すように、処理チャンバへの様々な前駆体の流量によって処理200を示す。様々な関連する期間を軸202上に示す。誘電体前駆体材料(オルガノシランなど)の供給率を曲線208上に示し、ポロゲン(当技術分野では周知の種類)の流量を曲線206上に示し、酸素の流量を曲線208上に示す。遷移層の形成中、T1から始まる誘電体前駆体材料210およびポロゲン前駆体206の供給率の増加と、T3から始まる酸素の供給208の減少とを組み合わせることで、炭素ピークまたは炭素低下を発生させることなく炭素グレーデッド遷移層を生じさせると述べている。これは、Edelsteinの文献でカラム6〜8に論じられている。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態による半導体デバイス構造300の断面概略図を示す。層302はケイ素基板を表す。領域304は、典型的に約3原子%より大きく約12原子%までの炭素の原子%で炭素を含有する炭素がドープされた窒化ケイ素バリア材料を表す。領域306は、炭素含有率が3原子%未満の酸化ケイ素を含む遷移領域を表す。すでに論じたように、領域308は、材料が堆積されるにつれて炭素含有率が3原子%の炭素から約12原子%の炭素まで、より典型的には約10原子%の炭素から11原子%の炭素まで増大する遷移領域を表す。領域309は、3原子%より大きく約11原子%の炭素までの範囲の原子%で炭素を含有する多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体層を表す。層310は金属導体層を表す。領域314は、3原子%より大きい炭素から約12原子%の炭素までを含有する第2の炭素がドープされた窒化ケイ素低誘電率バリア材料を表す。領域316は、3原子%以下の炭素を含有する遷移領域を表す。領域318は、本質的に3.0原子%未満の炭素から約12原子%の炭素まで遷移する酸化ケイ素を含有する遷移領域を表す。領域319は、3原子%より大きく約11原子%の炭素までの範囲の原子%で炭素を含有する炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料を表す。領域312は、金属導電性材料で充填されたコンタクトビアを表す。
【0038】
図4は、図3に示す種類のデバイスの製造中に、具体的には領域308から領域310へ遷移するために、PECVDチャンバ内へ供給されるヘリウムキャリアガス405と酸素試薬ガス407との間の相対的な流れ減少率の重要な関係400を示す。領域308では、材料は酸化ケイ素誘電体であり、炭素含有率は3原子%未満である。領域310では、材料は炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体であり、炭素含有率は3原子%より大きく約11原子%までの範囲である。図4の軸400は、ヘリウムキャリアガスおよび酸素反応ガスの相対的な流量を示す。軸402は、曲線405に示すPECVDチャンバへのヘリウムキャリアガス供給の減少の始端410、および曲線407によって示す対応する酸素反応ガスの減少の始端からの相対的な期間を示す。ヘリウムキャリアガスの減少期間の終端を点412で示し、酸素反応ガスの減少期間の終端を点414で示す。図4に示す実施形態では、ヘリウムキャリアガスの減少率は約3,000sccm/秒であり、酸素反応ガスの減少率は約100sccm/秒であった。
【0039】
図4は本発明の一実施形態を表し、これらの流量は処理チャンバの1つの寸法を示す。他の実施形態では、異なる処理装置ならびに異なる流量および減少率を使用することが企図される。重要なことは、ヘリウムキャリアガスの流量と酸素反応性ガスの流量との間の関係であり、遷移領域の形成中のこれらの2つのガスの相対的な減少率については上記で論じた。熱および質量伝達の技術に関する当業者であれば、堆積膜の炭素含有率の平滑な遷移を提供するのに必要なヘリウムキャリアガスおよび酸素反応ガスの開始率を推定することができ、最小限の実験後には本明細書に記載するものに類似の結果に到達することができる。
【0040】
PECVD処理チャンバへのヘリウムキャリアガスおよび酸素反応ガスの流量の変更は、有機ケイ素化合物および炭素源を含む化合物(たとえば、ポロゲン前駆体化合物)の追加の前駆体材料の供給を使用して、炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料が形成されることを背景にしていることも重要である。これらの他の前駆体材料が変更されると、本明細書に論じた反応性酸素化合物および関連するヘリウムキャリアガスの減少率の調整を加えることが必要になることがある。しかし、本発明の概略的な概念は同じままであり、当業者であれば、本開示を見て調整を加えることができる。
【0041】
本実験例は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.によって製造されたProducer(登録商標)処理チャンバ内で実施した。Producer(登録商標)処理チャンバ(200mmまたは300mm)は、炭素がドープされた酸化ケイ素および他の材料を堆積させるために使用できる2つの分離された処理領域を有する。2つの分離された処理領域を有するチャンバについては、1999年1月5日発行の「Ultra High Throughput Wafer Vacuum Processing System」という名称のMaydanらの米国特許第5,855,681号に記載されている。同特許を参照により本明細書に組み込む。
【0042】
本明細書に記載する種類の炭素がドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体材料を形成するために使用される有機ケイ素化合物は、テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ジエトキシメチルシラン、ジメチルジシロキサン、テトラシラノ−2,6−ジオキシ−4,8−ジメチレン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ビス(シラノメチレン)−ジシロキサン、ビス(1−メチルジシロキサニル)メタン、ビス(1−メチルジシロキサニル)プロパン、ヘキサメトキシジシロキサン、ジメチルジメトキシシラン、およびジメトキシメチルビニルシラン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択することができる。これらの前駆体材料は、限定ではなく例として示す。本明細書に記載する種類の炭素がドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体材料を形成するために使用されるポロゲン化合物は、シクロヘキサジエン、ビシクロヘプタジエン、1−メチル−4−(1−メチル−エチル)−1,3−シクロヘキサジエン、1−メチル−4−(1−メチルエチル)−ベンゼン、α−テルピネン、3−カレン、フェンコン、リモネン、酸化シクロペンテン、ビニル−1,4−ジオキシニルエーテル、ビニルフリルエーテル、ビニル−1,4−ジオキシン、ビニルフラン、フロン酸メチル、蟻酸フリル、酢酸フリル、フルアルデヒド、ジフリルケトン、ジフリルエーテル、ジフルフリルエーテル、フラン、1,4ジオキシン、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0043】
本発明の実施形態を生みだした開発作業において、ケイ素を含有する前駆体のmgm供給率は、約300mgmから約2200mgmの範囲であった。ポロゲン供給率は、約200mgmから約3500mgmの範囲であった。酸素流量は、約50sccmから約3000sccmの範囲であった。ヘリウムキャリアガス流量は、約500から約5500sccmの範囲であった。印加されたプラズマ出力は、約450Wから約650Wの範囲であった。印加された出力は、周波数13.56MHZでRF出力であった。
【0044】
組み合わせた遷移領域を形成する1つの例示的な処理では、第1の遷移領域を開始する際、処理チャンバへの酸素の流量は約500sccmの範囲内であり、処理チャンバへのヘリウムキャリアガスの流量は約5500sccmであり、有機ケイ素前駆体化合物の典型的な流量は約300mg/分(mgm)であり、ポロゲン化合物の流量は200mgmであった。第2の遷移領域が形成されるにつれて、炭素がドープされた低誘電率誘電体層の形成の始端まで、有機ケイ素前駆体流量は約1000mgmまで増大され、ポロゲン化合物前駆体流量は約1250mgmまで増大された。同時に、酸素供給率は約50sccmまで低減され、ヘリウムキャリアガス供給率は約1000sccmまで低減された。多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体のバルク堆積が始まった時点で、ケイ素前駆体ヘリウムキャリアガスは約3,000sccmであり、ポロゲン前駆体ヘリウムキャリアガスは約3,000sccmであり、合計約6,000sccmのヘリウムキャリアガスの流れを提供した。膜の形成中に印加されたRF出力の量は、第1の遷移領域の開始時の約650Wから、遷移材料の終端時および多孔質の炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料の堆積の開始時の約450Wまでの範囲であった。有機ケイ素前駆体の流量の増加率は約1000mgm/秒であり、有機(ポロゲン)前駆体の流量の増加率は約500mgm/秒であった。有機ケイ素前駆体向けのヘリウムキャリアガスの減少率は約1000sccm/秒であり、ポロゲン前駆体向けのヘリウムキャリアガスの減少率は約500sccm/秒であった。低誘電率バリア材料と炭素がドープされた低誘電率誘電体材料との間の遷移材料の形成中、処理チャンバ内でアークの兆候は見られなかった。炭素がドープされた低誘電率誘電体層のバルク形成中、ケイ素前駆体ヘリウムガスの流れは典型的に、約4,000から約5,000sccmの範囲であり、良好な膜の均一性を提供した。有機(ポロゲン)前駆体ヘリウムガスの流れは典型的に、約500から約2,500sccmの範囲であり、良好な膜の均一性を提供した。これにより、ヘリウムキャリアガスは合計約4,500sccmから約7,500sccmになる。
【0045】
従来技術の図5は、本明細書に記載する様々な構造に対するPECVD反応を実施できる処理システム500の断面概略図示す。平行板プラズマ化学気相堆積リアクタ510を、処理チャンバ510へキャリアガスおよび反応ガスを投入するためのガス投入ライン518と組み合わせて示す。スロットルバルブ(図示せず)を有する真空ポンプ532が、処理チャンバ510からのガスおよびプラズマ種の排気率を制御する。
【0046】
平行板化学気相堆積リアクタ510は、高真空領域515を有する。リアクタ510はガス分配マニホルド511を含み、ガス分配マニホルド511は、リフトモータ14によって上下される基板支持板またはサセプタ512上に位置する基板(図示せず)へ、マニホルド内の穿孔を通ってプロセスガスを分散させる。液体の反応物質を噴射するために、典型的には有機ケイ素化合物の液体の噴射に使用されるような液体噴射システム(図示せず)を設けることもできる。
【0047】
リアクタ510は、抵抗性加熱コイル(図示せず)または外部ランプ(図示せず)などによってプロセスガスおよび基板を加熱することを含む。サセプタ512は、下部のローディング/オフローディング位置(図示せず)とマニホルド511に密接している上部の処理位置との間でサセプタ512を制御可能に動かすことができるように、支持棒513上に取り付けられる。
【0048】
サセプタ512および基板は、処理位置514にあるときは絶縁体517によって取り囲まれ、プロセスガスがマニホルド524内へ排気される。処理中、マニホルド511へのガス入り口は、基板の表面全体にわたって放射状に均一に分配される。スロットルバルブを有する真空ポンプ532が、チャンバからの排気率を制御する。マニホルド511に到達する前に、堆積ガスおよびキャリアガスがガスライン518を通って混合システム519内へ投入され、混合システム519において組み合わされ、次いでマニホルド511へ送られる。酸化ガス用の投入ガスライン上に、アプリケータ管520を有する任意選択のマイクロ波システム(図示せず)を配置して、リアクタ110へ入る前に酸化ガスだけを解離させる追加のエネルギーを提供することができる。本発明では酸化ガスについて酸素として説明しているが、酸化ガスは、本発明の方法を参照して説明した酸素量を生じさせる酸素を含有する化合物とすることができることが当業者には理解されるであろう。マイクロ波アプリケータは、約0から約6000Wの間の出力を提供する。通常、各プロセスガス用のプロセスガス供給ライン518は、(i)チャンバ内へのプロセスガスの流れを自動または手動で遮断するために使用できる安全遮断バルブ(図示せず)と、(ii)ガス供給ラインを通るガスの流れを測定する質量流量コントローラ(図示せず)とを含む。処理中に有毒なガスが使用されるとき、従来の構成における各ガス供給ライン上にいくつかの安全遮断バルブが位置決めされる。
【0049】
リアクタ510内で実行される堆積処理は、冷却された基板ペデスタル上の非プラズマ処理、またはプラズマ処理のいずれかとすることができる。本発明の方法では、プラズマ処理、すなわちPECVD処理を使用した。PECVD処理では、RF電源525から分配マニホルド511に印加したRFエネルギーによって、制御されたプラズマを基板付近に形成した(サセプタ512は接地させた)。別法として、サセプタ512にRF出力を提供することができ、または異なる周波数で異なる構成要素にRF出力を提供することができる。RF電源525は、単一または混合周波数のRF出力を供給して、高真空領域515内へ導入された反応性種の分解を促進させることができる。混合周波数のRF電源は典型的に、約13.56MHZの高RF周波数(RF1)の出力を分配マニホルド511に供給し、約360KHzの低RF周波数(RF2)の出力をサセプタ512に供給する。本発明の酸化ケイ素を含む層は、低レベルまたはパルスレベルの高周波数RF出力を使用して作られることが多い。パルスRF出力は、約10%から約30%のデューティーサイクル中に約20から約200Wで13.56MHZのRF出力を提供することが好ましい。パルス以外のRF出力で典型的に13.56MHZのRF出力は典型的に、約10Wから約700Wの範囲にわたって印加される。低出力の堆積は、約−20℃から約40℃の温度範囲で行われることが多い。好ましい温度範囲にわたって、堆積される炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料は、堆積中に部分的に重合し、重合はその膜の後の硬化中に完了する。本明細書で本発明の実施形態に説明した遷移材料は典型的に、約200℃から約400℃の範囲の温度に加熱された基板上に堆積される。遷移材料の堆積中の処理チャンバの圧力は、約1から約10トルの範囲とすることができるが、典型的には7.5トル±0.5トルの範囲内である。リアクタ内への前駆体ガスの流量は変動することがあり、堆積されている材料の化学的および物理的構成に依存する。所与の遷移材料の堆積期間は典型的に、約1秒から約6秒の範囲である。遷移材料の堆積中は、絶対に必要というわけではないが、プロセスガス流量の変化に基づいてスロットルバルブの位置を調整できるようにすることによって、一定のチャンバ圧力が維持されることが多い。絶対に必要というわけではないが、より再現可能な膜の組成および厚さを提供するために、所与の遷移材料の堆積中には同じ出力レベルが維持されることが多い。
【0050】
従来技術の図6は、図5に示す処理システム500と組み合わせて使用できるシステムコントローラ600のブロック図を示す。システムコントローラ600は、メモリ610とともに動作可能なプログラム可能な中央処理装置(CPU)620、ならびに大容量記憶デバイス615、入力制御ユニット645、およびディスプレイユニット655を含む。メモリ610は、処理システム500の動作を容易にするためにCPU620が実行する命令を含む。CPU620は汎用コンピュータを形成し、本発明の方法の実施形態を実施するために使用できるプログラム605などのプログラムを実行するときは専用コンピュータになる。
【0051】
システムコントローラ600は、システムバス630およびI/O回路640を介して、本発明による堆積処理で用いられる処理システムの要素に結合される。I/O回路640は、CPU620およびシステムバス630を介して、メモリ610内に記憶されたプログラム605からの命令を受け取る。プログラム605は、I/O回路640がリアクタの基板/サセプタ位置決め制御650、プロセスガス制御660、圧力制御670、加熱器制御680、およびプラズママイクロ波制御690を実現できるようにするプログラムサブルーチンを提供する。
【0052】
図7は、半導体基板のSIMSプロファイル700を示し、基板の一部分は、炭素がドープされた窒化ケイ素を含む低誘電率バリア層材料(約12原子%の炭素を含有する)から炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料(約10.5原子%の炭素を含有する)へ遷移する遷移材料である。遷移材料は酸窒化ケイ素材料および酸化ケイ素材料を含み、これらの材料はそれぞれ、3原子%以下の濃度で炭素を含む。703に示すように、遷移膜の全体的な厚さは約215Åであった。遷移膜は、膜の堆積中にヘリウムを約3000sccm/秒の率で減少させ、酸素を約50sccm/秒の率で減少させる処理を使用して作られた。4点屈曲試験によって試験した遷移膜の接着強度は6.6J/mであり、炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体に対して測定したkは2.57であった。
【0053】
図8は、半導体基板のSIMSプロファイル800を示し、基板の一部分は、3原子%未満の炭素を有する酸化ケイ素誘電体から約10.4原子%の炭素を有する炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体への遷移膜である。803に示すように、遷移膜の全体的な厚さは約161Åである。遷移膜は、膜の堆積中にヘリウムを約3000sccm/秒の率で減少させ、酸素を約300sccm/秒の率で減少させる処理を使用して作られた。4点屈曲試験によって試験した遷移膜の接着強度は5.6J/mであり、炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体に対して測定したkは2.55であった。
【0054】
図9は、半導体基板のSIMSプロファイル900を示し、基板の一部分は、3原子%未満の炭素を有する酸化ケイ素誘電体から約10.1原子%の炭素を有する炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体への遷移膜である。903に示すように、遷移膜の全体的な厚さは約157Åである。遷移膜は、膜の堆積中にヘリウムを3000sccm/秒の率で減少させ、酸素を3000sccm/秒の率で減少させる処理を使用して作られた。4点屈曲試験によって試験した遷移膜の接着強度は5.9J/mであり、炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体に対して測定したkは2.55であった。
【0055】
前述の例示的な実施形態は、本発明の範囲を限定しようとするものではなく、当業者であれば、本開示を読めば、以下に主張する本発明の主題に一致するようにそのような実施形態を拡大することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡散バリア材料と、遷移領域と、炭素がドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体材料とを含む超小型電子デバイス構造を製造する方法であって、
前記遷移領域を形成するために使用されるガスの組合せの流量を制御しながら、PECVD処理チャンバ内に前記超小型電子デバイス構造を形成するステップを含み、前記遷移領域の形成中に、反応性ガスを輸送するために使用されるヘリウムキャリアガスの流量を減少させ、前記遷移領域の形成中に、酸素を含むガスの流量を減少させるもので、前記ヘリウムキャリアガスおよび前記酸素を含むガスの相対的な減少率が、前記ヘリウムキャリアガスの減少率と前記酸素を含むガスの減少率との比が約60:1から約1:2の範囲になるような関係を有する、方法。
【請求項2】
前記ヘリウムキャリアガスの前記減少率と前記酸素を含むガスの前記減少率との前記比が約60:1から約1:1の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヘリウムキャリアガスの前記減少率と前記酸素を含むガスの前記減少率との前記比が約30:1から約1:2の範囲である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ヘリウムキャリアガスの前記減少率と前記酸素を含むガスの前記減少率との前記比が約30:1から約1:1の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記超小型電子デバイス構造の製造中に前記プラズマを形成する前記ガスが、有機ケイ素化合物、ポロゲン化合物、酸素含有源、およびヘリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記超小型電子デバイス構造の製造中、本明細書に記載する種類の前記炭素がドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体材料を形成するために使用される前記有機ケイ素化合物が、テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ジエトキシメチルシラン、ジメチルジシロキサン、テトラシラノ−2,6−ジオキシ−4,8−ジメチレン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ビス(シラノメチレン)−ジシロキサン、ビス(1−メチルジシロキサニル)メタン、ビス(1−メチルジシロキサニル)プロパン、ヘキサメトキシジシロキサン、ジメチルジメトキシシラン、およびジメトキシメチルビニルシラン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポロゲンが、シクロヘキサジエン、ビシクロヘプタジエン、1−メチル−4−(1−メチル−エチル)−1,3−シクロヘキサジエン、1−メチル−4−(1−メチルエチル)−ベンゼン、α−テルピネン、3−カレン、フェンコン、リモネン、酸化シクロペンテン、ビニル−1,4−ジオキシニルエーテル、ビニルフリルエーテル、ビニル−1,4−ジオキシン、ビニルフラン、フロン酸メチル、蟻酸フリル、酢酸フリル、フルアルデヒド、ジフリルケトン、ジフリルエーテル、ジフルフリルエーテル、フラン、1,4ジオキシン、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記酸素を含むガスが、O、CO、CO、O、HO、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記酸素を含むガスがOである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
炭素がドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体材料を含む超小型電子構造であって、拡散バリア材料と、遷移材料と、前記炭素がドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体材料とを含み、前記拡散バリア材料と前記炭素がドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体材料との間の遷移領域内に存在する前記遷移材料が、前記拡散バリア材料に隣接して、酸化ケイ素が3原子%未満の炭素含有率を呈する酸化ケイ素を含み、約12原子%以下の炭素含有率を含む前記炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料と同じ高さのより高い炭素含有率へ遷移し、前記拡散バリア層と前記ドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体との間に明確なインターフェースがない、超小型電子構造。
【請求項11】
前記構造の4点接着強度が約7.0J/mから約2.5J/mの範囲である、請求項10に記載の超小型電子構造。
【請求項12】
前記構造の前記接着強度が約7.0J/mから約5.0J/mの範囲である、請求項11に記載の超小型電子構造。
【請求項13】
前記構造の前記接着強度が約7.0J/mから約5.9J/mの範囲である、請求項12に記載の超小型電子構造。
【請求項14】
前記炭素がドープされた酸化ケイ素低誘電率誘電体材料が約2.6以下の誘電率を呈する、請求項11ないし13のいずれか一項に記載の超小型電子構造。
【請求項15】
前記炭素がドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体材料内に存在する前記炭素が約11原子%以下である、請求項10に記載の超小型電子構造。
【請求項16】
前記炭素がドープされた酸化ケイ素を含む低誘電率誘電体材料内に存在する前記炭素が約10原子%以下である、請求項10に記載の超小型電子構造。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2013−520792(P2013−520792A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553896(P2012−553896)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2011/000215
【国際公開番号】WO2011/106075
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】