説明

化合物半導体装置及びその製造方法

【課題】 球形のボールがコーティングされた基板に成長された化合物半導体薄膜を備えた化合物半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る化合物半導体装置は、基板と、前記基板上に配列された多数の球形のボールと、前記球形のボール間と前記球形のボール上部とに形成され、紫外線、可視光線または赤外線領域の光を放出する化合物半導体薄膜とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、より詳しくは、球形のボールがコーティングされた基板に成長された化合物半導体薄膜を備えた化合物半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GaNは青色発光素子または高温電子素子の応用に適合する物質として知られている。しかし、GaN単結晶基板を製造することは容易ではない。GaN固体を加熱しても溶融されないので融液から結晶を成長させる通常のチョクラルスキー法などでは結晶を作ることができない。超高圧を印加して加熱すれば、GaNの溶液が製造できるが、量産に適用することは困難である。
【0003】
青色波長の光を放出する発光素子の需要の急増に伴って窒化物(GaN系列)薄膜の需要がますます増加しており、発光素子の効率を増加させるためにさまざまな方法が使用されている。その中で、内部量子効率を決定する高品質窒化物半導体薄膜を製造するために、最近では ELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法が多用されている。ELO法はホモエピタキシ(Homoepitaxy)による青色レーザーダイオード(Laser Diode)、紫外線レーザーダイオード、高温/高出力素子、HEMT(High Electron Mobility Transistor)、HBT(Hetero−junction Bipolar Transistor)などの高速素子の製造に利用されている。
【0004】
ELO法は、基板とGaN結晶との間に存在する格子定数差と熱膨脹係数差とによるストレス発生をストライプ形態のSiOマスクを使用して減少させる方法である。即ち、ELO法では、基板上にGaN薄膜を成長させた後、GaN薄膜が成長された基板を反応器から取り出した後に蒸着装置に投入してGaN薄膜上にSiO薄膜を形成させる。そして、SiO薄膜が蒸着された基板を蒸着装置から取り出した後に写真蝕刻法を利用してSiOマスクパターンを形成し、これを再び反応器に投入してGaN薄膜を形成する。しかし、このようなELO法は上述のような複雑な工程のために工程時間が長いという短所がある。
【0005】
ELO法については、特許文献1に「GaN単結晶基板及びその製造方法」として開示されている。
【0006】
また、特許文献2の「窒化ガリウム成長用基板及び窒化ガリウム成長用基板の製造方法及び窒化ガリウム基板の製造方法」には、ELOマスク法と欠陷種マスク法(defect mask method)を併用して電位が少ないGaN結晶を成長させる方法が開示されている。
【0007】
特許文献3の「ナノ多孔性シリカ薄膜の向上された製造工程」には、基板上にナノ多孔性絶縁被膜を形成する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2000−22212
【特許文献2】大韓民国公開10−2004−0101179
【特許文献3】大韓民国公開10−2001−0020287
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は上述したような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、球形のボールがコーティングされた基板に成長された化合物半導体薄膜を備えた化合物半導体装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、基板に球形のボールをコーティングして球形のボールがコーティングされた基板に選択的に化合物半導体薄膜を成長させることにより、工程が簡単で化合物半導体薄膜の成長時間が大幅に短縮された化合物半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、基板と、前記基板上に配列された多数の球形のボールと、前記球形のボール間及び前記球形のボール上部に形成され、紫外線、可視光線または赤外線領域の光を放出する化合物半導体薄膜と、を含むことを特徴とする化合物半導体装置が提供される。
【0011】
好ましくは、前記基板と前記化合物半導体薄膜との結晶学的差を緩和させて、前記化合物半導体薄膜の結晶欠陷密度を最小化するために前記基板と前記化合物半導体薄膜との間に形成されたバッファ層をさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記基板と前記化合物半導体薄膜との結晶学的差を緩和させ、前記化合物半導体薄膜の結晶欠陷密度を最小化するために前記基板と前記化合物半導体薄膜との間に形成されたバッファ層と、前記化合物半導体薄膜上に配列された多数の球形のボールと、前記化合物半導体薄膜上に配列された球形のボール間及び前記化合物半導体薄膜上に配列された球形のボール上部に形成され、紫外線、可視光線または赤外線領域の光を放出する化合物半導体薄膜と、を含む。
【0013】
好ましくは、前記基板と前記化合物半導体薄膜との結晶学的差を緩和させ、前記化合物半導体薄膜の結晶欠陷密度を最小化するために前記基板と前記化合物半導体薄膜との間に形成されたバッファ層をさらに含み、前記化合物半導体薄膜は、第1及び第2の化合物半導体薄膜からなり、前記第1の化合物半導体薄膜は、前記バッファ層上に形成され、前記第2の化合物半導体薄膜は、前記第1の化合物半導体薄膜上に形成された前記球形のボール間及び前記球形のボール上部に形成される。
【0014】
好ましくは、前記化合物半導体薄膜上に積層され、前記化合物半導体薄膜とは異なる物質からなる少なくとも1層の化合物半導体薄膜をさらに含む。
【0015】
前記課題を解決するために、本発明の第2の態様によれば、(a) 球形のボールを製造する段階と、(b) 基板上に前記球形のボールをコーティングする段階と、(c) 前記球形のボールがコーティングされた基板上にバッファ層を成長させる段階と、(d) 前記球形のボールの間に化合物半導体薄膜を選択的に成長させる段階と、(e) 前記化合物半導体薄膜を側面方向に成長させて前記球形のボール上で互いに接着させる段階と、(f) 前記化合物半導体薄膜を目標とする厚さまで成長させる段階と、を含むことを特徴とする化合物半導体装置の製造方法 が提供される。
【0016】
好ましくは、前記(f)段階の後に、球形のボールを製造する段階と、前記化合物半導体薄膜上に球形のボールをコーティングする段階と、前記球形のボールがコーティングされた化合物半導体薄膜の上部と前記球形のボールとの間に化合物半導体薄膜を選択的に成長させる段階と、前記化合物半導体薄膜を側面方向に成長させて前記球形のボール上で互いに接着させる段階と、をさらに含む。
【0017】
前記課題を解決するために、本発明の第3の態様によれば、(a) 基板上にバッファ層を成長させる段階と、(b) 前記バッファ層上に第1化合物半導体薄膜を選択的に成長させる段階と、(c) 前記第1の化合物半導体薄膜を側面方向に成長させて互いに接着させる段階と、(d) 球形のボールを製造する段階と、(e) 前記第1の化合物半導体薄膜に球形のボールをコーティングする段階と、(f) 前記第1の化合物半導体薄膜の上部と前記球形のボールとの間に第2の化合物半導体薄膜を選択的に成長させる段階と、(g) 前記第2の化合物半導体薄膜を側面方向に成長させて前記球形のボール上で互いに接着させる段階と、(h) 前記第2の化合物半導体薄膜を目標とする厚さまで成長させる段階と、を含むことを特徴とする、化合物半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、球形のボールがコーティングされた基板に選択的成長法を利用してGaN薄膜を成長させることにより、従来のELO法に比べて優秀な品質のGaN薄膜を成長させることができるとともにGaN薄膜の成長時間を大幅に短縮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。以下の説明において、ある層が他の層の上に存在すると記述されている場合には、これは他の層のすぐ上に存在する場合も、その間に第3の層が介在する場合も含む。また、図面において、各層の厚さやサイズは説明の便宜及び明確性のために誇張されている。図面上で同一符号は同一要素を指称する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、球形のボールがコーティングされた基板に選択成長法を利用して化合物半導体薄膜を成長させて形成する化合物半導体装置及びその製造方法を提示する。図1は、窒化物半導体薄膜のエネルギーバンドギャップと格子定数との関係を示す図である。図2は、本発明の好ましい実施形態による基板上に球形のSiOボールをコーティングした状態を示す走査電子顕微鏡の写真である。
【0021】
<実施例1>
図3〜図7は、本発明の好ましい第1の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0022】
図3を参照すれば、まず、球形のボール105を製作し、製作された球形のボール105を基板100上にコーティングする。球形のボールは、SiOボール、Alボール、TiOボール、ZrOボール、Y−ZrOボール、CuO、CuOボール、Taボール、PZT(Pb(Zr、Ti)O)ボール、Nbボール、FeSOボール、Feボール、Feボール、NaSOボール、GeOボール、CdSボールまたは金属ボールとすることができる。SiOボールを製造する方法を例として説明すれば、まず、球形のボール105を製造するために、テトラエチルオルトシリケート(TEOS:tetraethyl orthosilicate)を無水エタノールに溶かして第1の溶液を製造した後、アンモニアエタノール溶液と脱イオン水(deionized Water)とエタノールとを混ぜて第2の溶液を製造する。この時、アンモニアは球形のボール105を作るための触媒剤として作用する。次に、第1の溶液と前記第2の溶液とを混ぜた後、所定温度で所定時間だけ撹拌する。次に、撹拌して得られた溶液から遠心分離により球形のボール105を分離した後にエタノールで洗って、エタノール溶液に再分散させて球形のボール105を製造する。球形のボール105は、製造条件、即ち、成長時間、温度、反応物質の量によって数ナノメートル(nm)〜数十マイクロ(μm)のサイズまで、例えば、10nm〜2μmサイズまで多様に製造することができる。このようにして得られた球形のボール105をディップコティング(Dip Coating)、スピンコーティング(Spin Coating)のような方法を利用して基板100上にコーティングする。図2は、シリコン基板上に球形のSiOボールがコーティングされた状態を示している。
【0023】
基板100としては、Al、GaAs、スピネル、InP、SiCまたはSiからなる基板が使用できる。サファイア基板は、高温安全性は高いが基板サイズが小さくて大面積製造が困難である。シリコンカーバイド(SiC)基板は、結晶構造が窒化ガリウム(GaN)と同一であり、高温安全性が高くて格子定数及び熱膨脹係数も窒化ガリウム(GaN)と類似するが、価格が高いという短所がある。シリコン基板は、窒化ガリウム(GaN)との格子定数差が17%程度であり、熱膨張係数も35%程度で差がある。上述のように多様な基板を使うことができ、シリコン基板を使用する場合、12インチ以上の大面積でも製造が可能なので製造費用を節減することができ、これを利用した素子の応用範囲を画期的に広げることができる。
【0024】
図4を参照すれば、球形のボール105がコーティングされた基板100をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置に投入してバッファ層110を成長させる。MOCVD方法を利用してバッファ層を形成する方法について説明すれば、個別的なラインを通じて反応前駆体を所定の流れ速度で反応器(reactor)(MOCVD装置)内に注入し、反応器を適切な圧力、温度で維持しながら反応前駆体を化学反応させて目標とする厚さのバッファ層110を形成する。
【0025】
バッファ層110は、基板100と後続工程で形成される化合物半導体薄膜との結晶学的差を減らし、結晶欠陷密度を最小化するために形成されるものである。即ち、バッファ層110は、基板100と後続工程で形成される化合物半導体薄膜とのミスマッチ(mismatch)を減らし、基板と化合物半導体との界面から発生する欠陷を緩和させるために使用する。したがって、バッファ層110は、後続工程で形成される化合物半導体薄膜との結晶特性が類似であり、化学的に安定した物質を使用することが好ましい。即ち、後続工程で形成される化合物半導体薄膜と結晶構造が同一または類似であるか、格子定数が同一または類似であるか、熱膨脹係数が同一または類似である物質により形成することが好ましい。好ましくは、後続工程で形成される化合物半導体薄膜と結晶構造が同一で、格子定数差が少なくとも20%以内である物質により形成する。
【0026】
バッファ層110は、GaN膜、AlN膜、AlGaN膜またはこれらの組み合わせ膜などにより形成することができる。この場合、反応前駆体は、TMAl、TMGa、TEGaまたはGaClなどにより形成でき、窒化物ソースガスは、NH、窒素または3級ブチルアミン(Tertiarybutylamine(N(C)H)により形成できる。GaNバッファ層の場合、400〜800℃の温度領域で10〜40nmの厚さで成長させる。AlNまたはAlGaNバッファ層の場合、400〜1200℃の温度領域で10〜200nmの厚さで成長させる。バッファ層110は使用する基板、成長装置(MOCVD装置)、成長条件などによって選択的に使用することができる。
【0027】
図5を参照すれば、球形のボール105がコーティングされた基板100上に化合物半導体薄膜115を成長させる。化合物半導体薄膜115はバッファ層110の上部と球形のボール105との間に成長される。
【0028】
化合物半導体薄膜115としては、紫外線、可視光線または赤外線領域の光を放出するIII-V族化合物半導体またはII-VI族化合物半導体薄膜を使用することができる。化合物半導体薄膜115として窒化物半導体系列を使用する場合、GaN、AlN、InN及びこれらの組み合わせ(例えば、Ga1−xAl1−yIn1−zN、0≦x、y、z≦1)などにより形成できる。窒化ガリウム(GaN)は、直接遷移型広帯域半導体(wide bandgap semiconductor)として、バンドギャップ(band gap)エネルギーが3.4eVであり、青色発光素子または高温電子素子の応用に適合する物質として知られている。化合物半導体薄膜115の蒸着時に、インジウム(In)またはアルミニウム(Al)を個別、同時または順次に注入しながら薄膜蒸着工程を実行してInN、AlN、InGaN、AlGaN、InGaAlNなどの薄膜を成長させることにより、素子のバンドギャップを1.9〜6.2eVに調節することができる。GaN薄膜は、3.4eVのバンドギャップを有し、AlN薄膜は、6.2eVのバンドギャップを有し、InN薄膜は、0.7eVのバンドギャップを有することが知られている(図1参照)。図1は、窒化物半導体薄膜のエネルギーバンドギャップ(energy bandgap)と格子定数(lattice constant)との関係を示している。図1に示したように、AlNは、6.2eVのバンドギャップを有するので紫外線(UV:ultraviolet)領域の光を放出し、AlxGa1−xN(0〈x〈1)は、AlNより小さいバンドギャップを有するが紫外線領域の光を放出し、GaNは、AlxGa1−xN(0〈x〈1)より小さい3.4eVのバンドギャップを有し、InxGa1−xN(0〈x〈1)は、GaNより小さいバンドギャップを有して可視光線(V:visible)領域の光を放出し、InNは、InxGa1−xN(0〈x〈1)より小さい0.7eVのバンドギャップを有して赤外線(IR:infrared)領域の光を放出する。
【0029】
球形のボール105がコーティングされた基板100上に化合物半導体薄膜115を蒸着させる好ましい方法としては、有機金属化学蒸着法(MOCVD)、分子ビームエピタキシ薄膜蒸着法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)またはHVPE法(Hydride Vapor Phase Epitaxy)などがある。
【0030】
有機金属化学蒸着法を利用して化合物半導体薄膜115を形成する方法について説明すれば、まず、球形のボール105がコーティングされた基板100を反応器内に投入し、反応前駆体を運搬気体を利用して反応器内に各々注入する。次に、所定範囲の温度と所定範囲の圧力で反応前駆体を化学反応させて化合物半導体薄膜115を成長させる。化合物半導体薄膜が窒化物系列の薄膜である場合、反応前駆体としては、TMAl、TMGa、TEGaまたはGaClを使用することができ、窒化物ソースガスとしては、NH、窒素または3級ブチルアミン(Tertiarybutylamine(N(C)H)を使用することができる。反応器の温度は、900〜1150℃であり、圧力は、10−5〜2000mmHgである。化合物半導体薄膜115は、球形のボール105がコーティングされた基板100上でクラスタ(cluster)または島(island)形態で成長する。基板100と形成しようとする化合物半導体薄膜115との間の結合より形成しようとする化合物半導体薄膜115自体の結合力が強い場合は、小さなクラスタを形成するようになり、このクラスタが基板100に吸着されて島を形成するようになる。クラスタまたは島形態の化合物半導体薄膜はお互いに結合されて連続的な薄膜形態を成す。この時、化合物半導体薄膜115の厚さは品質の要求水準または仕様によって適切に調節可能である。
【0031】
MOCVD法によりGaN薄膜を形成する過程を反応式により示すと、次のようである。
【0032】
[化1]
Ga(CH)+NH→ Ga(CH)・NH
【0033】
トリメチルガリウム(TMGa)とアンモニウム(NH)とが流入されてGa(CH)・NHが生成される。
【0034】
Ga(CH)・NHが基板上で熱分解されながらGaN薄膜が形成され、次のような反応によりGaN膜が形成される。
【0035】
[化2]
Ga(CH)・NH→GaN+nCH+1/2(3−n)H
【0036】
図6を参照すれば、球形のボール105の間で成長された化合物半導体薄膜115を側面方向に継続的に成長させてお互いに接着された化合物半導体薄膜115を形成する。即ち、基板100に吸着されて形成されたクラスタまたは島は継続成長し、これらが結合されて連続的な薄膜形態を成すようになる。
【0037】
図7を参照すれば、球形のボール105上に選択的成長によりお互い接着された化合物半導体薄膜115を継続的に成長させて目標とする厚さの化合物半導体薄膜125を形成する。化合物半導体薄膜125は、化合物半導体薄膜115と同一の物質により形成するかまたは異なる物質により形成することもできる。例えば、化合物半導体薄膜115はGaN薄膜で形成し、化合物半導体薄膜125はAlGaN薄膜で形成することができる。もちろん、化合物半導体薄膜125は化合物半導体薄膜115と同一であるか異なる物質により少なくとも1層以上形成することもできる。
【0038】
<実施例2>
図8は、本発明の好ましい第2の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0039】
図8を参照すれば、図3〜図6を参照して説明した工程段階を適用して化合物半導体薄膜を成長させる。即ち、球形のボール205を製作し、製作された球形のボール205を基板200上にコーティングしてバッファ層210を成長させた後、バッファ層210の上部と球形のボール205との間を埋め立てながらお互いに接着した化合物半導体薄膜215を形成する。
【0040】
次に、化合物半導体薄膜215が形成された基板200を反応器から取り出す。次に、化合物半導体薄膜215上に数nm〜数十μmサイズの球形のボール220をコーティングする。次に、球形のボール220がコーティングされた基板200を再度反応器に投入した後、球形のボール220がコーティングされた化合物半導体薄膜215上に化合物半導体薄膜225を成長させて図8に示したような化合物半導体装置を製造する。
【0041】
<実施例3>
図9は、本発明の好ましい第3の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0042】
図9を参照すれば、図4〜図6を参照して説明したように基板上にバッファ層及び化合物半導体薄膜を形成する。即ち、基板300上にバッファ層310を成長させた後、バッファ層310上に化合物半導体薄膜315を成長させる。
【0043】
次に、化合物半導体薄膜315が形成された基板300を反応器から取り出す。次に、化合物半導体薄膜310上に、図3を参照して説明したように、数nm〜数十μmサイズの球形のボール320をコーティングした後、球形のボール320がコーティングされた化合物半導体薄膜315上に再度化合物半導体薄膜325を成長させて、図9に示したような化合物半導体装置を製造する。
【0044】
上述の実施形態のように球形のボールがコーティングされた基板に選択的成長法を利用して化合物半導体薄膜を成長させる方法は、従来のELO法に比べて工程を単純化させるだけでなく優秀な品質の化合物半導体薄膜を成長させることができ、化合物半導体薄膜を成長させる工程時間を大幅短縮させることができる。
【0045】
また、上述の実施形態において、化合物半導体薄膜の蒸着時に目的とする用途によってSi、Ge、Mg、Zn、O、Se、Mn、Ti、Ni及びFeよりなった群から選択された1種以上の多様な異種物質を注入しながら薄膜蒸着工程を実行することにより、異種物質が添加された形態の化合物半導体薄膜を製造することもできる。このような異種物質は、化合物半導体薄膜の電気的、光学的または磁気的性質を変化させるために使用者の要求によって選択的に追加することができる。異種物質は、インサイチュードーピング(in−situ doping)、エクスサイチュードーピング(ex−situ doping)またはイオン注入(implantation)などにより添加することができる。インサイチュードーピングは薄膜を成長させる際に追加しようとする異種物質を添加する方法であり、エクスサイチュードーピングは化合物半導体薄膜を成長させた後に熱処理やプラズマ(plasma)処理により異種物質を化合物半導体薄膜に注入する方法である。イオン注入は追加しようとする異種物質を加速させて化合物半導体薄膜と衝突させて薄膜内に異種物質を注入する方法である。
【0046】
また、球形のボールがコーティングされた基板に化合物半導体薄膜を形成した後、これに基づいて、即ち、化合物半導体薄膜を基板に使用してHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法を利用して厚い化合物半導体層を蒸着することもできる。HVPE法は気相成長方法の一種で、基板の上にガスを流すことによりガスの反応により結晶が成長される方法である。このようにHVPE法により厚い化合物半導体層が形成される場合、基板として使用した化合物半導体薄膜を切り捨てるか化合物半導体層を除外した領域を研磨(polishingまたはgrinding)して除去し、基板の上に成長された均一で高品質の化合物半導体層だけを選択して使用することもできる。
【0047】
HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法を利用した化合物半導体薄膜上に化合物半導体層、より具体的には、GaN厚膜を形成する方法について説明すれば、反応器内にGa金属を収納した容器を配置し、その容器の周りを設置したヒーター(Heater)により加熱してGa溶液を作る。Ga溶液とHClとを反応させてGaClガスを作る。
【0048】
これを反応式で示すと、次のようである。
【0049】
[化3]
Ga(l)+HCl(g)→GaCl(g)+1/2H(g)
【0050】
GaClガスとアンモニウム(NH)を反応させると、GaN膜が形成される。即ち、次のような反応によりGaN膜が形成される。
【0051】
[化4]
GaCl(g)+NH→GaN+HCl(g)+H
【0052】
反応しなかった気体は、次のような反応により排気される。
【0053】
[化5]
HCl(g)+NH→NHCl(g)
【0054】
HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法は、100μm/hr程度の速い成長率で厚膜成長が可能で高い生産性を示す。
【0055】
<実験例1>
球形のボールを製造するために、まず、0.17モル(7.747ml)のTEOSを無水エタノール(12.253ml)に溶かして第1の溶液を製造する。2.0モルのアンモニアエタノール溶液100mlと7.5モルの脱イオン水(deionized water)(27ml)とエタノール(53ml)とを混ぜて第2の溶液を製造する。第1の溶液と第2の溶液とを混ぜた後(総量は200ml)、約30℃で5時間撹拌する。次に、撹拌して得られた溶液から12000rpmで遠心分離して球形のボールを分離した後、エタノールで洗ってエタノール溶液に再分散させて球形のボールを製造した。この時、得られた球形のボールの平均直径は、図2に示す走査電子顕微鏡写真のように、0.5μm(500nm)である。球形のボールのサイズは製造条件、即ち、成長時間、温度、反応物質の量によって10nm〜2μmまで多様に製造することができる。
【0056】
このようにして得られた0.5μmサイズの球形の酸化シリコン(SiO)ボールをディップコーター(Dip Coater)、スピンコーター(Spin Coater)のような装置を利用してシリコン(Si)基板(例えば、111面にスライシング(slicing)されたシリコン基板)上にコーティングした。より具体的にコーティング方法の例について説明すれば、エタノール溶液に含まれている酸化シリコン(SiO)ボールをスポイトにより基板に落とした後、スピンコーター(spin coater)を利用して1000〜3500rpmで5〜20秒間コーティングした。この方法を数回繰り返してコーティングすれば、酸化シリコン(SiO)ボールが基板を覆う密度を調節することができる。
【0057】
次に、球形の酸化シリコン(SiO)ボールを基板にコーティングした後、MOCVD装置に投入して1150℃で10分間厚さが100nmであるAlNバッファ層を成長させた。より具体的にAlNバッファ層の形成方法について説明すれば、まず、個別的なラインを通じてTMAl及びNH気体を各々30sccm及び1500sccm範囲の流れ速度で反応器内に注入する。この時、運搬用気体としては水素を使用する。反応器の圧力は100torrであり、反応器の温度は1150℃で維持しながら反応前駆体(TMAl、NH)を10分間化学反応させて厚さが約70〜100nmであるAlNバッファ層を、図4に示したようにシリコン基板上部と500nmサイズの酸化シリコン(SiO)ボール間とに成長させた。
【0058】
次に、AlNバッファ層を形成した後、基板の温度を1060℃に下降させて球形の酸化シリコン(SiO)ボール間と酸化シリコン(SiO)ボール上部とにGaN薄膜を成長させた(図10A〜図10D参照)。より具体的にGaN薄膜の形成方法について説明すれば、まず、個別的なラインを通じてTMGa及びNH気体を各々4.2sccm及び1500sccmの流れ速度で反応器内に注入した。この時、運搬用気体としては水素を使用した。反応器の圧力は100torrであり、反応器の温度は1060℃で維持しながら反応前駆体(TMGa、NH)を反応させて、図5に示したように、GaN薄膜を成長させた。図6及び図7を参照して説明したように、続く選択的成長により球形の酸化シリコン(SiO)ボール間で成長したGaN結晶が側面方向に成長して接着するようになり(GaN薄膜を40分以上成長)、均一なGaN薄膜が成長される。この時、GaN薄膜の成長速度は約1μm/hourである。
【0059】
図10A〜図10Dは、本発明の好ましい実施形態による球形の酸化シリコン(SiO)ボールがコーティングされたシリコン基板に成長させた窒化物半導体薄膜の成長段階による走査電子顕微鏡の写真である。図10Aは、約30分間GaN薄膜を成長させた場合の走査電子顕微鏡の写真であり、図10Bは、50分間GaN薄膜を成長させた場合の走査電子顕微鏡の写真であり、図10Cは、60分間GaN薄膜を成長させた場合の走査電子顕微鏡の写真であり、図10Dは、60分以上GaN薄膜を成長させてGaN薄膜が酸化シリコン(SiO)ボールを完全に覆った場合の走査電子顕微鏡の写真である。
【0060】
<実験例2>
実験例1のように、シリコン基板上に球形の酸化シリコン(SiO)ボールをコーティングした後、AlN/AlGaNからなるバッファ層を形成した。AlNバッファ層は、個別的なラインを通じてTMAl及びNH気体を各々30sccm及び1500sccm範囲の流れ速度で水素を運搬用気体として使用して反応器内に注入し、反応器の圧力は100torrで、反応器の温度は1150℃で維持しながら反応前駆体(TMAl、NH)を10分間化学反応させてAlNバッファ層を成長させた。また、AlGaNバッファ層は、個別的なラインを通じてTMAl、TMGa及びNH気体を各々10sccm、4.2sccm及び1500sccm範囲の流れ速度で水素を運搬用気体として使用して反応器内に注入し、反応器の圧力は100torrで、反応器の温度は1100℃で維持しながら反応前駆体(TMAl、TMGa、NH)を10分間化学反応させてAlGaNバッファ層を成長させた。
【0061】
AlN/AlGaNバッファ層が形成された後、実験例1のような方法によりGaN薄膜を60分間成長させた。引き続いて、GaN薄膜上に個別的なラインを通じてTMAl、TMGa及びNH気体を各々10sccm、4.2sccm及び1500sccm範囲の流れ速度で水素を運搬用気体として使用して反応器内に注入し、反応器の圧力は100torrで、反応器の温度は1100℃で維持しながら反応前駆体(TMAl、TMGa、NH)を10分間化学反応させてAlGaN薄膜を成長させた。
【0062】
図11A及び図11Bは、GaN薄膜の結晶性を検査するためにX−rayθスキャン(XRD Rocking Curve)したグラフである。X−ray回折(X−ray Diffraction; 以下、‘XRD'と称する)は、回折ピーク(peak)を通じた薄膜の結晶学的構造分析に使用され、ラックキングカーブ(Rocking Curve)測定を通じて結晶性分析ができる。図11Aは、酸化シリコン(SiO)ボールをコーティングしないでシリコン基板上にGaN 薄膜を成長させた場合のXRDラックキングカーブであり、図11Bは上述した実験例1によって約500nmサイズの酸化シリコン(SiO)ボールをシリコン基板にコーティングさせた後に90分間GaN薄膜を成長させた場合のXRDラックキングカーブである。
【0063】
図11A及び図11Bを参照すれば、球形の酸化シリコン(SiO)ボールをコーティングしなかったシリコン基板に成長されたGaN薄膜のXRDラックキングカーブの半価幅(Full Width Half Maximum: FWHM)は0.33゜であり、球形の酸化シリコン(SiO)ボールがコーティングされたシリコン基板に選択的成長方法により製造されたGaN薄膜のXRDラックキングカーブの半価幅(FWHM)は0.18゜であった。これから、酸化シリコン(SiO)ボールがコーティングされたシリコン基板に選択的成長方法により製造されたGaN薄膜の品質が一層優秀であることが分かる。
【0064】
図12A及び図12Bは、GaN薄膜の光学的特性を検査するために低温(10K)測光(Photoluminescence; 以下、‘PL'と称する)を測定した結果を示すグラフである。PL測定は、He−Cdレーザーの325nm波長を光源として使用して測定し、バンドギャップ内での電子(electron)とホール(hole)の再結合を通じて物質の光学的特性を評価する。図12Aの(a)は、上述した実験例1によって約500nmサイズの酸化シリコン(SiO)ボールをシリコン基板にコーティングさせた後に60分間GaN薄膜を成長させた場合のPLピーク(peak)を示し、(b)は酸化シリコン(SiO)ボールをコーティングしなかったシリコン基板に60分間GaN薄膜を成長させた場合のPLピークを示す。図12Bの(a)は、上述した実験例2によって約500nmサイズの酸化シリコン(SiO)ボールをシリコン基板にコーティングした後にGaN薄膜を成長させてGaN薄膜上にAlGaN薄膜を成長させた場合のPLピーク(peak)を示し、(b)は、酸化シリコン(SiO)ボールをコーティングしなかったシリコン基板に60分間GaN薄膜を成長させた場合のPLピークを示す。
【0065】
図12Aを参照すれば、低温(10K)測光測定において、球形の酸化シリコン(SiO)ボールをコーティングして選択的成長方法により成長させたGaN薄膜のPLピーク(peak)強度が酸化シリコン(SiO)ボールをコーティングしなかったシリコン基板に一般的な方法によりGaN薄膜を成長させた場合に比較して約2倍以上の強度を得た。
【0066】
このように、本発明の好ましい実施形態によって球形のボールがコーティングされた基板に選択的成長方法により成長された化合物半導体薄膜の品質は非常に良好であることが確認できる(図12A及び図12B参照)。
【0067】
以上、添付の図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】窒化物半導体薄膜のエネルギーバンドギャップと格子定数との関係を示す図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態による基板上に球形のSiOボールをコーティングした状態を示す走査電子顕微鏡の写真である。
【図3】本発明の好ましい第1の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の好ましい第1の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の好ましい第1の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の好ましい第1の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の好ましい第1の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の好ましい第2の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の好ましい第3の実施形態による化合物半導体装置及びその製造方法を説明するための断面図である。
【図10A】本発明の好ましい実施形態による球形の酸化シリコン(SiO)ボールがコーティングされたシリコン基板に成長させた窒化物半導体薄膜の成長段階による走査電子顕微鏡の写真である。
【図10B】本発明の好ましい実施形態による球形の酸化シリコン(SiO)ボールがコーティングされたシリコン基板に成長させた窒化物半導体薄膜の成長段階による走査電子顕微鏡の写真である。
【図10C】本発明の好ましい実施形態による球形の酸化シリコン(SiO)ボールがコーティングされたシリコン基板に成長させた窒化物半導体薄膜の成長段階による走査電子顕微鏡の写真である。
【図10D】本発明の好ましい実施形態による球形の酸化シリコン(SiO)ボールがコーティングされたシリコン基板に成長させた窒化物半導体薄膜の成長段階による走査電子顕微鏡の写真である。
【図11A】GaN薄膜の結晶性を検査するためにX−rayθスキャン(XRD Rocking Curve)したグラフである。
【図11B】GaN薄膜の結晶性を検査するためにX−rayθスキャン(XRD Rocking Curve)したグラフである。
【図12A】GaN薄膜の光学的特性を検査するために低温(10K)測光(Photolμminescence)を測定した結果を示すグラフである。
【図12B】GaN薄膜の光学的特性を検査するために低温(10K)測光(Photolμminescence)を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0069】
100、200、300 基板
105、205、220、320 球形のボール
110、210、310 バッファ層
115、125、215、225、315、325 化合物半導体薄膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配列された多数の球形のボールと、
前記球形のボール間及び前記球形のボール上部に形成され、紫外線、可視光線または赤外線領域の光を放出する化合物半導体薄膜と、を含むことを特徴とする化合物半導体装置。
【請求項2】
前記基板と前記化合物半導体薄膜との結晶学的差を緩和させ、前記化合物半導体薄膜の結晶欠陷密度を最小化するために前記基板と前記化合物半導体薄膜との間に形成されたバッファ層をさらに含むこと
を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項3】
前記基板と前記化合物半導体薄膜との結晶学的差を緩和させ、前記化合物半導体薄膜の結晶欠陷密度を最小化するために前記基板と前記化合物半導体薄膜との間に形成されたバッファ層と、
前記化合物半導体薄膜上に配列された多数の球形のボールと、
前記化合物半導体薄膜上に配列された球形のボール間及び前記化合物半導体薄膜上に配列された球形のボール上部に形成され、紫外線、可視光線または赤外線領域の光を放出する化合物半導体薄膜と、を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項4】
前記基板と前記化合物半導体薄膜との結晶学的差を緩和させ、前記化合物半導体薄膜の結晶欠陷密度を最小化するために前記基板と前記化合物半導体薄膜との間に形成されたバッファ層をさらに含み、
前記化合物半導体薄膜は、第1及び第2の化合物半導体薄膜からなり、前記第1の化合物半導体薄膜は、前記バッファ層上に形成され、前記第2の化合物半導体薄膜は、前記第1の化合物半導体薄膜上に形成された前記球形のボール間及び前記球形のボール上部に形成されること
を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項5】
前記化合物半導体薄膜上に積層され、前記化合物半導体薄膜とは異なる物質からなる少なくとも1層の化合物半導体薄膜をさらに含むこと
を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項6】
前記バッファ層は、GaN、AlN、AlGaNまたはこれらを組み合わせた膜により形成すること
を特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
【請求項7】
前記バッファ層と前記化合物半導体薄膜とは、結晶構造が同一であり、格子定数差が少なくとも20%以内であること
を特徴とする請求項6に記載の化合物半導体装置。
【請求項8】
前記球形のボールは、SiOボール、Alボール、TiOボール、ZrOボール、Y−ZrOボール、CuO、CuOボール、Taボール、PZT(Pb(Zr、Ti)O)ボール、Nbボール、FeSOボール、Feボール、Feボール、NaSOボール、GeOボール、CdSボールまたは金属ボールからなること
を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項9】
前記球形のボールの直径は、10nm〜2μmであること
を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項10】
前記化合物半導体薄膜は、GaN、AlN、InNまたはこれらの組み合わせ(Ga1−xAl1−yIn1−zN、0≦x、y、z≦1)により形成された膜であること
を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項11】
前記化合物半導体薄膜は、Si、Ge、Mg、Zn、O、Se、Mn、Ti、Ni及びFeよりなった群から選択された1種以上の異種物質を追加的に含むこと
を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項12】
前記基板は、Al、GaAs、スピネル、InP、SiCまたはSiからなること
を特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項13】
(a) 球形のボールを製造する段階と、
(b) 基板上に前記球形のボールをコーティングする段階と、
(c) 前記球形のボールがコーティングされた基板上にバッファ層を成長させる段階と、
(d) 前記球形のボールの間に化合物半導体薄膜を選択的に成長させる段階と、
(e) 前記化合物半導体薄膜を側面方向に成長させて前記球形のボール上で互いに接着させる段階と、
(f) 前記化合物半導体薄膜を目標とする厚さまで成長させる段階と、を含むこと
を特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記(f)段階の後に、球形のボールを製造する段階と、
前記化合物半導体薄膜上に球形のボールをコーティングする段階と、
前記球形のボールがコーティングされた化合物半導体薄膜の上部と前記球形のボールとの間に化合物半導体薄膜を選択的に成長させる段階と、
前記化合物半導体薄膜を側面方向に成長させて前記球形のボール上で互いに接着させる段階と、をさらに含むこと
を特徴とする請求項13に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項15】
(a) 基板上にバッファ層を成長させる段階と、
(b) 前記バッファ層上に第1の化合物半導体薄膜を選択的に成長させる段階と、
(c) 前記第1の化合物半導体薄膜を側面方向に成長させて互いに接着させる段階と、
(d) 球形のボールを製造する段階と、
(e) 前記第1の化合物半導体薄膜に球形のボールをコーティングする段階と、
(f) 前記第1の化合物半導体薄膜の上部と前記球形のボールとの間に第2の化合物半導体薄膜を選択的に成長させる段階と、
(g) 前記第2の化合物半導体薄膜を側面方向に成長させて前記球形のボール上でお互いに接着させる段階と、
(h) 前記第2の化合物半導体薄膜を目標とする厚さまで成長させる段階と、を含むこと
を特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記球形のボールの直径は、10nm〜2μmであること
を特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記球形のボールは、SiOボール、Alボール、TiOボール、ZrOボール、Y−ZrOボール、CuO、CuOボール、Taボール、PZT(Pb(Zr、Ti)O)ボール、Nbボール、FeSOボール、Feボール、Feボール、NaSOボール、GeOボール、CdSボールまたは金属ボールからなること
を特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記球形のボールを製造する段階は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS:tetraethyl orthosilicate)を無水エタノールに溶かして第1の溶液を製造する段階と、
アンモニアエタノール溶液と脱イオン水(deionized Water)とエタノールとを混合して第2の溶液を製造する段階と、
前記第1の溶液と前記第2の溶液とを混合した後、所定温度で所定時間撹拌する段階と、
撹拌して得られた溶液から遠心分離により球形のボールを分離する段階と、
分離された前記球形のボールをエタノール溶液に分散させて球形のボールを製造する段階と、を含むこと
を特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記バッファ層は、前記基板と前記化合物半導体薄膜との結晶学的差を緩和させ、前記化合物半導体薄膜の結晶欠陷密度を最小化するために少なくとも10〜200nmの厚さに形成し、GaN、AlN、AlGaNまたはこれらの組み合わせ層に形成すること
を特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記バッファ層を成長させる段階は、反応器内の圧力及び温度を一定に維持する段階と、
個別的なラインを通じて反応前駆体を所定の流れ速度で前記反応器内に注入する段階と、
前記反応器内で前記反応前駆体を化学反応させて目標とする厚さのバッファ層を成長させる段階と、を含むこと
を特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記反応器の温度を400〜1200℃で維持しながら前記バッファ層を成長させること
を特徴とする請求項20に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項22】
TMAl、TMGa、TEGaまたはGaClを第1の反応前駆体として使用し、NH、窒素または3級ブチルアミン(Tertiarybutylamine(N(C)H)を第2の反応前駆体として使用して、GaN、AlN、AlGaNまたはこれらの組み合わせ膜からなるバッファ層を形成すること
を特徴とする請求項20に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記球形のボールの間に化合物半導体薄膜を選択的に成長させる段階は、反応器内の圧力及び温度を一定に維持する段階と、
個別的なラインを通じて反応前駆体を所定の流れ速度で前記反応器内に注入する段階と、
前記反応器内で前記反応前駆体を化学反応させて化合物半導体薄膜を成長させる段階と、を含むこと
を特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記反応器の温度を900〜1150℃で維持しながら前記化合物半導体薄膜を成長させること
を特徴とする請求項23に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項25】
TMAl、TMGa、TEGaまたはGaClを第1の反応前駆体として使用し、NH、窒素または3級ブチルアミン(Tertiarybutylamine(N(C)H)を第2の反応前駆体として使用して、GaN、AlN、AlGaNまたはこれらの組み合わせ膜からなる化合物半導体薄膜を形成すること
を特徴とする請求項23に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項26】
前記化合物半導体薄膜は、Si、Ge、Mg、Zn、O、Se、Mn、Ti、Ni及びFeよりなった群から選択された1種以上の異種物質を追加的に含むこと
を特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項27】
前記基板は、Al、GaAs、スピネル、InP、SiCまたはSiからなること
を特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate


【公開番号】特開2006−253628(P2006−253628A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193051(P2005−193051)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(501348265)シルトロン インク (27)
【出願人】(598057475)學校法人浦項工科大學校 (5)
【Fターム(参考)】