説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】キャパシタ電極とコンタクトプラグとの導通性を向上できる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、絶縁膜15−1と、前記絶縁膜中に設けられ、金属を主成分とするコンタクトプラグ16と、前記絶縁膜上に設けられ、前記金属より酸素親和性が高く、酸化物を主成分とする第1接着膜33−1と、前記コンタクトプラグ上および前記第1接着膜上に設けられ、酸素の拡散を防止するように働く第1キャパシタ電極21と、前記第1キャパシタ電極上に設けられたキャパシタ絶縁膜22と、前記キャパシタ絶縁膜上に設けられた第2キャパシタ電極23とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、例えば、強誘電体記憶装置(FeRAM:ferro-electric random access memory)等に適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、不揮発性半導体メモリの一つとして、強誘電体キャパシタを用いた強誘電体記憶装置(FeRAM)が注目されている。
【0003】
この強誘電体記憶装置では、エリアペナルティの観点から、キャパシタ電極とトランジスタのソースまたはドレインとの電気的な接続を導電性コンタクトプラグにより実現する、いわゆるCOP(capacitor on plug )キャパシタ構造が採用されている(例えば、特許文献1参照)。また、キャパシタ電極の接着性の観点から、キャパシタ電極の界面にTi(チタン)膜等の金属膜により形成された接着膜が設けられることが通常である。
【0004】
しかしながら、微細化の要請に伴い、酸素拡散防止膜としても働くキャパシタ電極のIr(イリジウム)膜の膜厚を薄くする必要がある。さらに、このキャパシタ電極の膜厚が薄いままで、キャパシタ形成工程のダメージを回復するための酸化性雰囲気中の回復アニール工程、または酸化性雰囲気中のその他の熱処理工程等を行うと、キャパシタ電極が酸素の拡散を十分抑制できずに、キャパシタ電極から微量な酸素が漏れ出す。
【0005】
そのため、この漏れ出した酸素により上記接着膜が酸化して、コンタクトプラグとキャパシタ電極の間に、酸化された接着膜(TiO膜:酸化チタン膜)が連続して形成されてしまう。結果、キャパシタ電極とコンタクトプラグとの間に直接接する部分(ダイレクトコンタクト)がなく、キャパシタ電極とコンタクトプラグの導通性を阻害してしまうという問題がある。
【特許文献1】特開2004−6593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、キャパシタ電極とコンタクトプラグとの導通性を向上できる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一態様によれば、絶縁膜と、前記絶縁膜中に設けられ、金属を主成分とするコンタクトプラグと、前記絶縁膜上に設けられ、前記金属より酸素親和性が高く、酸化物を主成分とする第1接着膜と、前記コンタクトプラグ上および前記第1接着膜上に設けられ、酸素の拡散を防止するように働く第1キャパシタ電極と、前記第1キャパシタ電極上に設けられたキャパシタ絶縁膜と、前記キャパシタ絶縁膜上に設けられた第2キャパシタ電極とを具備する半導体装置を提供できる。
【0008】
この発明の一態様によれば、絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜中にコンタクトホールを開口する工程と、前記コンタクトホール内に金属を充填し、コンタクトプラグを形成する工程と、前記絶縁膜上および前記コンタクトプラグ上に、前記金属より酸素親和性が高く、その膜厚が1nm以上5nm以下の金属膜を形成する工程と、前記金属膜上に第1キャパシタ電極を形成する工程と、前記第1キャパシタ電極上に強誘電体膜を形成する工程と、酸化性雰囲気中において熱処理を行い、前記強誘電体膜を結晶化させてキャパシタ絶縁膜を形成すると共に、前記絶縁膜上に前記金属膜と酸素とを反応させた第1接着膜を形成し、前記第1キャパシタ電極と前記コンタクトプラグとが直接接する部分を少なくとも1つは有するように前記コンタクトプラグ上の前記金属膜を拡散させ残存した前記金属膜と酸素を反応させて前記コンタクトプラグ上に第2接着膜を形成する工程と、前記キャパシタ絶縁膜上に第2キャパシタ電極を形成する工程とを具備する半導体装置の製造方法を提供できる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、キャパシタ電極とコンタクトプラグとの導通性を向上できる半導体装置およびその製造方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。尚、この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0011】
[第1の実施形態]
まず、この発明の一実施形態に係る半導体装置について、図1を用いて説明する。図1は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【0012】
図示するように、シリコン基板11上にトランジスタTRが設けられ、層間絶縁膜15−2中に強誘電体キャパシタC1が設けられている。
【0013】
トランジスタTRは、基板11上に設けられたゲート絶縁膜12、ゲート絶縁膜12上に設けられたゲート電極13、およびゲート電極13を挟むように基板11中に隔離して設けられたソースまたはドレイン14を備えている。
【0014】
強誘電体キャパシタC1は、接着膜33−1、33−2、下部キャパシタ電極21、キャパシタ絶縁膜22、上部キャパシタ電極23、およびバリア膜28を備えている。
【0015】
また、層間絶縁膜15−1中に、例えば、W(タングステン)等の金属を主成分(即ち、50%以上)とし、ソース/ドレイン14と下部キャパシタ電極21とを電気的に接続する下部コンタクトプラグ16が設けられている。
【0016】
接着膜33−1は、層間絶縁膜15−1上に設けられ、下部コンタクトプラグ16の主成分の上記金属Wより酸素親和性が高く、酸化物を主成分とする絶縁膜である。具体的には、例えば、TiO(酸化チタン)膜等により形成され、その膜厚D1は、1nm以上10nm以下である。ここで、酸素親和性とは、酸素との結合のし易さをいう。
【0017】
接着膜33−2は、下部コンタクトプラグ16上に設けられ、その膜厚D2は接着膜33−1の膜厚D1よりも小さい。より具体的に、接着膜33−2の膜厚D2は、膜厚D1の半分程度である。
【0018】
下部キャパシタ電極21は、下部コンタクトプラグ16上、接着膜33−1、33−2上に設けられている。さらに、下部キャパシタ電極21は、熱処理工程の際における接着膜33−1、33−2への酸素の拡散を防止するようにも働く。この下部キャパシタ電極21は、例えば、Ir(イリジウム)膜等により形成されている。
【0019】
下部キャパシタ電極21と下部コンタクトプラグ16とは、直接に接している部分(ダイレクトコンタクト)30−1、30−2を有している。
【0020】
キャパシタ絶縁膜22は、下部キャパシタ電極21上に設けられ、例えば、PZT(PbZrTi1−x)等の強誘電体膜により形成されている。
【0021】
上部キャパシタ電極23は、キャパシタ絶縁膜22上に設けられ、例えば、Pt(プラチナ)等により形成されている。
【0022】
バリア膜28は、この強誘電体キャパシタの側面上および上面上を覆うようにもうけられ、H(水素)ガス等の拡散によるいわゆる水素アタック等を防止している。
【0023】
層間絶縁膜15−2中に、上部キャパシタ電極と電気的に接続された上部コンタクトプラグ25が設けられている。このコンタクトプラグ25は、例えば、WやAl(アルミニウム)等の金属により形成されている。
【0024】
層間絶縁膜15−3中に、上部コンタクトプラグ25と電気的に接続された配線層27が設けられている。この配線層27は、例えば、いわゆるプレート線として働き、AlやCu(銅)等の金属により形成されている。
【0025】
層間絶縁膜15−1〜15−3は、例えば、SiOC膜等の低誘電率膜(いわゆるLow-k膜)により形成されている。
【0026】
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図1に示した半導体装置を例に挙げて、図2乃至図8を用いて説明する。この説明において、基板11上のトランジスタTRの図示を省略する。
【0027】
まず、半導体基板11上に周知の工程を用いて、トランジスタTRを形成する(図示せず)。
【0028】
続いて、図2に示すように、トランジスタTR上を覆うように、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてSiOC膜等を堆積し、層間絶縁膜15−1を形成する。続いて、トランジスタのソース/ドレイン14上における層間絶縁膜15−1を、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法等を用いて基板11表面上が露出するまでエッチングし、コンタクトホールを形成する。その後、上記コンタクトホール内に、例えば、スパッタ法等を用いて、W(タングステン)膜等を堆積する。続いて、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等を用いて、上記W膜を層間絶縁膜15−1表面上まで平坦化してコンタクトホール内に埋め込み、下部コンタクトプラグ16を形成する。
【0029】
続いて、図3に示すように、層間絶縁膜15−1上、下部コンタクトプラグ16上に、例えば、スパッタ法等を用いて、膜厚D4が1nm以上5nm以下(例えば、4nm程度)に制御したTi(チタン)膜35を形成する。その後、このTi膜35上に、例えば、スパッタ法を用いてIr(イリジウム)膜等を堆積し、下部キャパシタ電極21を形成する。ここで、この工程の際に形成する下部キャパシタ電極21の膜厚D3は、酸素拡散防止等の観点から、例えば、40nm以上200nm以下程度であることが望ましい。又、この下部キャパシタ電極21は、上記Ir膜の単膜でなくとも、IrO膜やPt膜、SrRu膜等の金属膜との積層でもかまわない。これらの積層膜の場合には、Ir膜がTi膜35の直上に位置するように形成することが望ましい。
【0030】
続いて、図4に示すように、下部キャパシタ電極21上に、例えば、スパッタ法またはMOCVD法を用いてPZT膜等の強誘電体膜を堆積し、キャパシタ絶縁膜22を形成する。
【0031】
続いて、図5に示すように、キャパシタ絶縁膜22を結晶化して配行性を向上するために、O(酸素)雰囲気中でアニール(熱処理)工程を行う。具体的に、このアニ−ル工程は、例えば、拡散炉を用いてO雰囲気中で400℃〜700℃程度の温度で10分〜1時間程度行うか、またはRTP装置等を用いてO雰囲気中で400℃〜800℃程度の温度で10秒〜120秒程度行うことが望ましい。
【0032】
この熱処理工程の際に、層間絶縁膜15−1上におけるTi膜35は、移動し難いために、キャパシタ電極21から漏れ出した酸素により酸化されて酸化膜(TiO膜)となり、膜厚D1が1nm以上10nm以下の接着膜33−1となる。ここで、層間絶縁膜15−1上におけるTi膜35が移動し難いのは、Ti膜35の形成直後に層間絶縁膜15−1との界面に酸化膜(TiO膜)が形成されるためである。
【0033】
一方、下部コンタクトプラグ16上におけるTi膜35は、移動し易いために、この工程の際の熱により、キャパシタ電極21中に拡散して部分30−1、30−2を形成するか、または下部コンタクトプラグ16上を移動しつつ酸化されて島状の酸化膜(TiO膜)となり接着膜33−2となる。ここで、下部コンタクトプラグ16上におけるTi膜35が移動易いのは、コンタクトプラグ16は金属を主成分としているために、酸化が発生するための酸素がなく、コンタクトプラグ16との界面に酸化膜(TiO膜)が形成されないためである。
【0034】
このように、膜厚D4が1nm以上5nm以下に制御したTi膜35を先立って形成し、上記熱処理工程を行うことにより、キャパシタ電極21とコンタクトプラグ16とが直接接する部分(ダイレクトコンタクト)30−1、30−2を形成できる。
【0035】
続いて、図6に示すように、キャパシタ絶縁膜22上に、例えば、CVD法等を用いて、Pt層、IrO層、またはSrRu層等を堆積し、上部キャパシタ電極23を形成する。その後、例えば、RIE法等の異方性エッチングを用いて、キャパシタ電極23、キャパシタ絶縁膜22、キャパシタ電極21、接着膜33−1を層間絶縁膜15−1上までエッチングして分離し、キャパシタ構造を形成する。
【0036】
さらに、キャパシタ構造の側面上および表面上を覆うように、例えば、CVD法を用いてアルミナ膜等を堆積し、バリア膜28を形成する。続いて、バリア膜28上を覆うように、例えば、CVD法を用いてSiOC膜等を堆積し、層間絶縁膜15−2を形成する。さらに、例えば、RIE法等の異方性エッチングを用いて、層間絶縁膜15−2およびバリア膜28を貫通し、上部キャパシタ電極23表面上が露出する開口部43を形成する。
【0037】
続いて、図7に示すように、層間絶縁膜15−1上、開口部43側壁上および上部キャパシタ電極23上に沿って、例えば、CVD法を用いてW(タングステン)層等を堆積する。さらに、例えば、CMP法等を用いて、層間絶縁膜15−2表面上まで平坦化し上記W層を開口部43内に埋め込み、上部コンタクトプラグ25を形成する。尚、上記W層を堆積する工程に先立って、TiN膜等を堆積し、バリアメタル膜を形成することも可能である。また、開口部43内部にAl層を埋め込むことにより、上部コンタクトプラグ25を形成することもできる。
【0038】
続いて、図8に示すように、層間絶縁膜15−2上および上部コンタクトプラグ25上に、例えば、CVD法を用いてSiOC層等を堆積し、層間絶縁膜15−3を形成する。さらに、例えば、RIE法等の異方性エッチングを用いて、層間絶縁膜15−3を貫通し、上部コンタクトプラグ25表面上が露出する開口部を形成する。その後、この開口部内に、例えば、スパッタ法を用いてCu層やAl層等を堆積し、上記開口部内に埋め込み、配線層27を形成する。尚、この配線層27は、開口部内に、Ti膜/TiN膜の積層構造のバリアメタル膜を形成した後、Al−Cu合金層を形成する構成とすることも可能である。以上の製造方法によって、図1に示す半導体装置を製造する。
【0039】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置およびその製造方法によれば、下記(1)乃至(4)に示す効果が得られる。
【0040】
(1)キャパシタ電極21と層間絶縁膜15−1との接着性を確保しつつ、キャパシタ電極21とコンタクトプラグ16との導電性を向上できる。
【0041】
上記に示したように、膜厚D4が1nm以上5nm以下に制御されたTi(チタン)膜35を形成する。続いて、キャパシタ絶縁膜22を結晶化して配行性を向上するために、O(酸素)雰囲気中でアニール(熱処理)工程を行う。
【0042】
この熱処理工程の際に、層間絶縁膜15−1上におけるTi膜35は、移動し難いために、キャパシタ電極21から漏れ出した酸素により酸化されて酸化膜(TiO膜)となり、膜厚D1が1nm以上10nm以下の連続的な接着膜33−1を形成できる。ここで、層間絶縁膜15−1上におけるTi膜35が移動し難いのは、Ti膜35の形成直後に層間絶縁膜15−1の界面に酸化膜(TiO膜)が形成されるためである。
【0043】
そのため、キャパシタ電極21と層間絶縁膜15−1との間に連続的な接着膜33−1を形成でき、キャパシタ電極21と層間絶縁膜15−1との接着性を向上できる点で有利である。
【0044】
一方、この熱処理工程の際に、下部コンタクトプラグ16上におけるTi膜35は、移動し易いために、キャパシタ電極21中に拡散して直接接する部分30−1、30−2(ダイレクトコンタクト)を形成するか、または下部コンタクトプラグ16上を移動しつつ酸化されて島状の酸化膜(TiO膜)となり、膜厚D2が膜厚D1の半分程度の接着膜33−2を形成できる。ここで、下部コンタクトプラグ16上におけるTi膜35が移動し易いのは、コンタクトプラグ16は金属を主成分とするため、酸化が発生するための酸素がなく、コンタクトプラグ16との界面に酸化膜(TiO膜)が形成されないためである。
【0045】
このように、膜厚D4が1nm以上5nm以下に制御したTi膜35を先立って形成した後、上記熱処理工程を行うことにより、Ti膜35が存在しない部分30−1、30−2を安定的に形成できる。結果、キャパシタ電極21とコンタクトプラグ16とが直接接する部分(ダイレクトコンタクト)30−1、30−2を形成でき、キャパシタ電極21とコンタクトプラグ16との導通性を向上できる点で有利である。
【0046】
(2)強誘電体キャパシタC1の容量値を増大できる点で有利である。
【0047】
上記のように、O(酸素)雰囲気中でアニール(熱処理)工程を行うことにより、キャパシタ絶縁膜22を結晶化して配行性を向上でき、キャパシタ絶縁膜22の分極量を増大できる。そのため、強誘電体キャパシタC1の容量値を増大できる点で有利である。
【0048】
(3)微細化に対して有利である。
【0049】
上記のように、上記ダイレクトコンタクト30−1、30−2を形成できることから、酸素拡散防止膜としても働くキャパシタ電極21の膜厚D3をより薄くできる(例えば、D3は、40nm以上200nm以下程度)。
【0050】
よって、キャパシタ電極21の専有面積を低減できる点で、微細化に対して有利である。
【0051】
(4)製造コストの低減に対して有利である。
【0052】
上記(1)および(2)に示した効果は、一回の熱処理工程により得ることが可能である。そのため、製造工程が増大することがない点で製造コストを低減に対して有利である。
【0053】
[第2の実施形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る半導体装置およびその製造方法について、図9を用いて説明する。図9は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0054】
図示するように、下部コンタクトプラグ16上には、実質的に接着膜が形成されておらず、上記第1の実施形態に示した部分30−1、30−2よりも接触面積がより大きな、キャパシタ電極21とコンタクトプラグ16が直接接する部分(ダイレクトコンタクト)55が設けられている点で上記第1の実施形態と相違している。
【0055】
製造方法に関しては、上記Ti膜35を形成する際に、上記第1の実施形態の膜厚D4よりもさらに薄い膜厚(例えば、1nm程度)に形成する点で、上記第1の実施形態と相違する。
【0056】
この実施形態に係る半導体装置およびその製造方法によれば、上記(1)乃至(4)と同様の効果が得られる。
【0057】
さらに、下部コンタクトプラグ16上には、実質的に接着膜が形成されておらず、上記部分30−1、30−2よりも接触面積がより大きな、キャパシタ電極21とコンタクトプラグ16が直接接する部分(ダイレクトコンタクト)55が設けられている。
【0058】
そのため、キャパシタ電極21とコンタクトプラグ16との導通性をより向上できる点で有利である。
【0059】
以上、第1、第2の実施形態を用いてこの発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図2】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図3】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図4】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図5】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図6】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図7】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図8】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図9】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【符号の説明】
【0061】
11…半導体基板、C1…強誘電体キャパシタ、TR…トランジスタ、12…ゲート絶縁膜、13…ゲート電極、14…ソースまたはドレイン、15−1〜15−3…層間絶縁膜、16…下部コンタクトプラグ、33−1、33−2…接着膜、30−1、30−2…キャパシタ電極とコンタクトプラグとが直接接する部分(ダイレクトコンタクト)、21、22…キャパシタ電極、22…キャパシタ絶縁膜、28…バリア膜、25…上部コンタクトプラグ、27…配線層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁膜と、
前記絶縁膜中に設けられ、金属を主成分とするコンタクトプラグと、
前記絶縁膜上に設けられ、前記金属より酸素親和性が高く、酸化物を主成分とする第1接着膜と、
前記コンタクトプラグ上および前記第1接着膜上に設けられ、酸素の拡散を防止するように働く第1キャパシタ電極と、
前記第1キャパシタ電極上に設けられたキャパシタ絶縁膜と、
前記キャパシタ絶縁膜上に設けられた第2キャパシタ電極とを具備すること
を特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1接着膜の膜厚は、1nm以上10nm以下であること
を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記コンタクトプラグ上に設けられ、その膜厚が前記第1接着膜の膜厚よりも小さい第2接着膜を更に具備し、
前記第1キャパシタ電極と前記コンタクトプラグとは、直接接する部分を少なくとも1つは有すること
を特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記金属は、Wを含み、
前記第1接着膜は、Tiを含み、
前記第1キャパシタ電極は、Irを含むこと
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜中にコンタクトホールを開口する工程と、
前記コンタクトホール内に金属を充填し、コンタクトプラグを形成する工程と、
前記絶縁膜上および前記コンタクトプラグ上に、前記金属より酸素親和性が高く、その膜厚が1nm以上5nm以下の金属膜を形成する工程と、
前記金属膜上に第1キャパシタ電極を形成する工程と、
前記第1キャパシタ電極上に強誘電体膜を形成する工程と、
酸化性雰囲気中において熱処理を行い、前記強誘電体膜を結晶化させてキャパシタ絶縁膜を形成すると共に、前記絶縁膜上に前記金属膜と酸素とを反応させた第1接着膜を形成し、前記第1キャパシタ電極と前記コンタクトプラグとが直接接する部分を少なくとも1つは有するように前記コンタクトプラグ上の前記金属膜を拡散させ残存した前記金属膜と酸素を反応させて前記コンタクトプラグ上に第2接着膜を形成する工程と、
前記キャパシタ絶縁膜上に第2キャパシタ電極を形成する工程とを具備すること
を特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−73750(P2007−73750A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259420(P2005−259420)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】