説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】信頼性の高い半導体装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体基板と、半導体基板の第1面側に形成された半導体素子と、半導体基板の第1面側に形成されて半導体素子と電気的に接続された配線を有する配線層と、半導体基板の第1面側に形成された電極パッド部と、半導体基板の第1面からその反対側の第2面まで貫通する貫通孔内に形成された貫通電極とを備え、前記電極パッド部は、半導体基板の第1面に部分的に積層された単一導電層と、単一導電層に積層された混成導電層とを有し、前記単一導電層は、貫通電極と電気的に接続する導電領域部からなり、前記混成導電層は、単一導電層と前記配線とを電気的に接続する導電領域部と、単一導電層と配線とを電気的に絶縁する絶縁領域部とが混成されてなる半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、積み重ね実装に適した半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体パッケージが、電子機器の小型化および軽量化のために小型化されてきている。また、一つの半導体パッケージ内に複数の半導体装置を収容したマルチチップ半導体も実用化されている。
ところが、半導体装置の電極パッドと半導体パッケージの接続端子とを接続するのにボンディングワイヤが用いられるため、半導体パッケージにはボンディングパッド領域が必要となり、このことが半導体パッケージの小型化を阻害する。
また、マルチチップ半導体の場合も、接続端子数が増加するため、半導体パッケージの小型化が困難となってきている。
【0003】
これらの課題を解決する手段の一例として、半導体基板を貫通する電極を介して半導体装置の電極パッドと半導体パッケージの接続端子あるいは半導体装置同士を接続する従来技術1が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図27は従来技術1の一例としての半導体装置の部分断面図を示している。
従来技術1の半導体装置は、第1面に素子分離領域501を有する半導体基板500と、半導体基板500の第1面側に形成された複数の半導体素子511と、半導体素子511と電気的に接続された配線521を有する配線層520と、配線521と電気的に接続された電極パッド部530と、半導体基板500の第1面の反対側の第2面から電極パッド部530まで貫通した貫通孔内に形成された貫通電極540とを備える。なお、電極パッド部530および貫通電極540は、四角形の半導体基板500の複数の所定位置に配置されており、例えば、半導体基板500の四辺に配置されている。
【0004】
電極パッド部530は、複数層のアルミニウム層531、533、535と、アルミニウム層間に配置された複数のタングステンプラグ532、534とを有してなり、素子分離領域501に対応する位置に配置されている。電極パッド部530において、内側のアルミニウム層531が貫通電極540と接触して電気的に接続し、外側のアルミニウム層535は配線521と電気的に接続されると共に外面が外部に露出している。
【0005】
また、半導体基板500の第2面および貫通孔の内面は第1絶縁膜551にて覆われ、貫通電極540は第1導電膜541と第2導電膜542と第3導電膜543が順次積層されてなり、貫通電極540は一部を除いて第2絶縁膜552にて覆われ、貫通電極540の露出した部分には半田バンプ560が付着されている。
また、各半導体素子511の間、各配線521の間、タングステンプラグ532、534の間等には層間絶縁膜が形成されている。
【0006】
ところが、半導体製造プロセスの微細化により、配線材料は従来のアルミニウムから銅に変更されてきている。銅配線プロセスにおいて、電極パッド部530に面積が大きいアルミニウム層531を銅層に単純に置き換えると、CMP(化学機械研磨)による平坦化の際に銅層表面が凹状に削れるディッシング(段差)が発生し、この段差によってプラグを層間絶縁膜内に埋め込むためビアホールの形成が困難となる。つまり、段差によってビアホール形成時のフォト工程においてレジスト開口に不具合が生じる。
なお、図27、後述の図28および図31において、斜線部分は、配線、電極パッド部のアルミニウム層とタングステンプラグ、貫通電極等が電気的に接続された箇所である。
【0007】
図28は、CMPによるディッシングを抑制した従来技術2の一例としての半導体装置の部分断面図を示している(例えば、特許文献2参照)。なお、図28において、図27中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図28に示す半導体装置の電極パッド部630は、半導体基板500の第1面に層間絶縁膜512を介して積層されている。この電極パッド部630は、銅配線プロセスでのCMPによるディッシングを抑制するために、例えば図29や図30に示すように、貫通電極540と接触する銅層631aと、銅層631a内にアイランド状に配置された絶縁層631bとからなる混成導電層631を有している。なお、電極パッド部630において、多層構造の各配線521の端部は、銅プラグ632、633を介して銅層631aと電気的に接続され、露出した外面を有する導電パッド層634が最上層の銅層521に積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4145301号公報
【特許文献2】特開平8−45933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図28に示す従来技術2の場合、半導体基板500に貫通孔を形成する前に、半導体基板500の第1面側に電極パッド部630を含む多層配線構造が形成される。貫通孔を形成する際は、半導体基板500をエッチングし、このとき素子分離領域501がエッチング停止層として用いられ、層間絶縁膜512のエッチング時に混成導電層631がエッチング停止層として用いられる。
しかしながら、層間絶縁膜512をエッチングすると、図31に示すように、混成導電層631の絶縁層631bがエッチングされてしまい、貫通孔底部に段差が生じることになる。
【0010】
そのため、貫通孔内に貫通電極540を形成する際、例えばPVD法によって、貫通孔底部の段差部分にバリア膜(第1導電膜541)およびシード膜(第2導電膜542)を被覆することが困難な箇所が生じるため、銅の拡散やボイドVが発生し、半導体装置の信頼性を損なう結果に繋がる。つまり、銅が層間絶縁膜中に拡散することにより、隣り合う配線521の間にリーク電流が流れ、半導体装置の正常な動作を妨げると共に、貫通電極540から銅が流出してボイドVが発生し、貫通電極540と電極パッド部630との間が高抵抗となる等の不具合が生じることとなる。
【0011】
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、信頼性の高い半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かくして、本発明によれば、半導体基板と、半導体基板の第1面側に形成された半導体素子と、半導体基板の第1面側に形成されて半導体素子と電気的に接続された配線を有する配線層と、半導体基板の第1面側に形成された電極パッド部と、半導体基板の第1面からその反対側の第2面まで貫通する貫通孔内に形成された貫通電極とを備え、前記電極パッド部は、半導体基板の第1面に部分的に積層された単一導電層と、単一導電層に積層された混成導電層とを有し、前記単一導電層は、貫通電極と電気的に接続する導電領域部からなり、前記混成導電層は、単一導電層と前記配線とを電気的に接続する導電領域部と、単一導電層と配線とを電気的に絶縁する絶縁領域部とが混成されてなる半導体装置が提供される。
【0013】
また、本発明の別の観点によれば、半導体基板の第1面側に半導体素子を形成する工程と、半導体基板の第1面側に半導体素子と電気的に接続される配線を有する配線層を形成する工程と、半導体基板の第1面側に電極パッド部を形成する工程と、半導体基板の第1面からその反対側の第2面まで貫通する貫通孔を形成する工程と、貫通孔内に貫通電極を形成する工程とを含み、前記電極パッド部を形成する工程が、貫通電極と電気的に接続される導電領域部からなる単一導電層を半導体基板の第1面に部分的に積層する工程と、単一導電層と前記配線とを電気的に接続する導電領域部と、単一導電層と配線とを電気的に絶縁する絶縁領域部とが混成されてなる混成導電層を、単一導電層に積層する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明において、エッチングにより半導体基板に貫通孔を形成することにより、半導体基板の第1面に積層された電極パッド部の単一導電層は貫通孔内で露出するが、その露出面は、従来技術2のように絶縁領域の絶縁膜がエッチングされることで形成される微細な段差(凹凸)を有さないフラットな面である。
したがって、貫通電極は、単一導電層の前記フラットな面と隙間無く密着して形成され、それによって銅配線プロセスにて従来技術2が有していた銅の拡散やボイドが発生して半導体装置の信頼性を損なうという問題、および貫通電極と電極パッド部との間が高抵抗になるという問題を解消することができる。
【0015】
それに加え、配線層と電気的に接続する混成導電層は、導電領域と絶縁領域とが組み合わされているため、銅配線プロセス中のCMPによるディッシングを抑制して平坦化することができ、低抵抗な多層配線構造を有する電極パッド部を高精度に形成することができる。
つまり、本発明によれば、銅配線プロセスによって形成される多層配線構造を有する信頼性の高い半導体信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明に係る半導体装置の実施形態1の概略構成を示す断面図である。
【図2】図2は図1の部分的な拡大断面図である。
【図3】図3は実施形態1の半導体装置の製造工程を説明する図である。
【図4】図4は図3の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図5】図5は図4の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図6】図6は図5の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図7】図7は図6の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図8】図8は図7の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図9】図9は図8の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図10】図10は図9の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図11】図11は図10の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図12】図12は図11の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図13】図13は図12の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図14】図14は図13の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図15】図15は図14の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図16】図16は図15の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図17】図17は図16の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図18】図18は図17の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図19】図19は図18の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図20】図20は図19の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図21】図21は図20の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図22】図22は本発明に係る半導体装置の実施形態2の部分的な拡大断面図である。
【図23】図23は実施形態2の半導体装置の製造工程の途中を説明する図である。
【図24】図24は図23の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図25】図25は図24の製造工程の続きの工程を説明する図である。
【図26】図26は本発明に係る三次元実装半導体装置の概略正面図である。
【図27】図27は従来技術1の一例としての半導体装置の部分断面図を示している。
【図28】図28は、CMPによるディッシングを抑制した従来技術2の一例としての半導体装置の部分断面図を示している。
【図29】図29は従来技術2の電極パッド部の混成導電層を示す平面図である。
【図30】図30は従来技術2の電極パッド部の別の混成導電層を示す平面図である。
【図31】図31は従来技術2の電極パッド部の部分的な拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の半導体装置は、半導体基板と、半導体基板の第1面側に形成された半導体素子と、半導体基板の第1面側に形成されて半導体素子と電気的に接続された配線を有する配線層と、半導体基板の第1面側に形成された電極パッド部と、半導体基板の第1面からその反対側の第2面まで貫通する貫通孔内に形成された貫通電極とを備え、前記電極パッド部は、半導体基板の第1面に部分的に積層された単一導電層と、単一導電層に積層された混成導電層とを有し、前記単一導電層は、貫通電極と電気的に接続する導電領域部からなり、前記混成導電層は、単一導電層と前記配線とを電気的に接続する導電領域部と、単一導電層と配線とを電気的に絶縁する絶縁領域部とが混成されてなることを特徴とする。
ここで、前記「単一導電層」とは、同一の導電性材料にて形成された単一の導電層であって、エッチングされた場合に被エッチング面が均一な速度でエッチングされる導電層を意味する。
【0018】
また、前記混成導電層が、(A)「単一導電層と配線とを電気的に接続する導電領域と該導電領域内に配置された1つ以上の絶縁領域とを備えて構成される」場合とは、導電領域を構成する導電層の一部の領域が絶縁領域を構成する絶縁層に置き換えられた構成を意味し、(B)「絶縁領域と該絶縁領域内に配置されて単一導電層と配線とを電気的に接続する1つ以上の導電領域とを備えて構成される」場合とは、絶縁領域を構成する絶縁層の一部の領域が導電領域を構成する導電層に置き換えられた構成を意味する。
前記(A)および(B)の場合、導電領域および絶縁領域の平面形状は特に限定されないが、混成導電層をCMPにて平坦化する際にディッシングを効果的に抑制できるパターン形状であることが好ましい。(A)の場合の絶縁領域と(B)の場合の導電領域のパターン形状としては、例えば、散点状、ストライプ状、蛇行状、格子状等が挙げられる。
【0019】
この半導体装置は、次の(1)〜(4)ように構成されてもよく、これらの構成を組み合わせてもよい。
(1)半導体基板の第2面および貫通孔の内面が、絶縁膜にて被覆されている。
このようにすれば、貫通電極と半導体基板を絶縁することができ、貫通電極から半導体基板へのリーク電流を抑えることができる。
【0020】
(2)単一導電層がポリシリコン層からなり、単一導電層の混成導電層と電気的に接続した面側がシリサイド化されている。
このようにすれば、電極パッド部の低抵抗化を図ることができる。
(3)前記(2)の場合、半導体素子が、ポリシリコンからなるゲート電極を有する半導体素子であってもよい。ゲート電極を有する半導体素子としては、例えば、電界効果トランジスタ、半導体メモリセル、ゲートコントロールダイオード等が挙げられる。
このようにすれば、半導体基板の第1面にポリシリコンからなるゲート電極と単一導電層とを同時に形成することができるため、製造工数を増やすことなく単一導電層を形成することができる。
【0021】
(4)半導体基板が第1面に素子分離領域を有し、単一導電層が前記素子分離領域に配置されている。
このようにすれば、貫通孔を形成するための半導体基板のエッチング時に、素子分離領域をエッチング停止層として用いることができると共に、素子分離領域のエッチング時に単一導電層をエッチング停止層として用いることができるため、貫通孔のエッチングの制御を容易に行うことができる。
【0022】
以下、本発明に係る半導体装置およびその製造方法について図面を参照しながら詳説する。
(実施形態1)
図1は本発明に係る半導体装置の実施形態1の概略構成を示す断面図であり、図2は図1の部分的な拡大断面図である。なお、図1および図2において、斜線部分は、配線、電極パッド部、貫通電極等が電気的に接続された箇所である。
【0023】
<半導体装置の構成>
この半導体装置は、半導体基板100と、半導体基板100の第1面側の素子形成領域に形成された半導体素子としての電界効果トランジスタ(以下、FETという)111と、半導体基板100の第1面側に形成されてFET111と電気的に接続された配線121を有する配線層120と、半導体基板100の第1面側に形成されて配線121と電気的に接続された電極パッド部130と、半導体基板100の第1面からその反対側の第2面まで貫通する貫通孔内に形成された貫通電極140とを備える。
なお、図1および図2では、配線層120および電極パッド部130の内部構造が分かりやすいように、半導体基板100の厚みに対する配線層120および電極パッド部130の厚みを実際よりも厚くして図示している。
【0024】
半導体基板100としては、特に限定されるものではなく、例えば、第1面に素子分離領域101を有するp型またはn型シリコン基板を用いることができる。さらに、半導体基板100は、その第1面の素子分離領域101間の素子形成領域にn型またはp型のウェル領域を有していてもよい。
素子分離領域101は、半導体基板100の第1面に段差を生じさせないシャロートレンチアイソレーション法により形成された埋め込み絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)にて形成されることが好ましい。
【0025】
FET111は、半導体基板100の第1面にゲート絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)を介して形成されたポリシリコンからなるゲート電極111aと、ゲート電極111aの両側における半導体基板100の第1面の表層にはソース領域およびドレイン領域となる不純物拡散層とを有し、半導体基板100の第1面に複数個形成されている。そして、FET111を覆う層間絶縁膜112(例えばBPSG膜)が半導体基板100の第1面に積層されている。
なお、半導体基板100の第1面の素子形成領域には、半導体メモリセル、ダイオード、容量素子、抵抗素子等の半導体素子が形成されていてもよく、さらには、層間絶縁膜112に積層される配線層120内にも容量素子、抵抗素子等が形成されていてもよく、各種半導体素子と配線とによって集積回路が構成されていてもよい。
【0026】
配線層120は、前記層間絶縁膜112に積層された多層配線構造であって、複数層の層間絶縁膜122と、各層間絶縁膜122にて周囲が覆われた複数層の配線121とを有し、図1および図2では、多層配線構造が3層の場合を例示している。
配線層120において、所定の配線121は、コンタクトプラグ121aを介してFET111のゲート電極111a、ソース/ドレイン領域、他の配線121に電気的に接続されている。
各配線121の材料としては、近年の多層配線構造に主流の銅が適しており、銅の拡散を防止する金属膜として、例えば、層間絶縁膜122側から窒化タンタル膜およびタンタル膜を形成してもよい。コンタクトプラグ121aは主としてタングステンからなるが、低抵抗化を図るため銅を用いてもよい。
【0027】
電極パッド部130は、半導体基板100の第1面に部分的に積層された単一導電層131と、単一導電層131に積層された混成導電層132と、配線層120の複数の配線121の端部が集積した配線端子層133と、配線端子層133に積層されて外面が露出する外部電極パッド134とを備える。なお、電極パッド部130および貫通電極140は、四角形の半導体基板100の複数の所定位置に配置されており、例えば、半導体基板500の四辺に配置されている。
【0028】
単一導電層131は、貫通電極140と電気的に接続された導電領域部からなる(同一の導電性材料からなる)単一の層であり、その導電性材料としては特に限定されず、例えば、FET111のゲート電極111aと同じポリシリコンから形成されていることが好ましい。また、単一導電層131の厚さも特に限定されないが、ゲート電極111aと同じ厚さとすることが好ましく、この場合、50〜400nm程度、好ましくは200nm程度である。
単一導電層131は、半導体基板100の第1面における素子分離領域101に形成されており、FET111を覆う層間絶縁膜112にて覆われている。
【0029】
混成導電層132は、端子層133を介して単一導電層131と各配線121とを電気的に接続する導電領域部と、単一導電層131と各配線121とを電気的に絶縁する絶縁領域部とを備えている。
より詳しく説明すると、導電領域部は、配線層120の1層目の配線121と同じ層位置に配置された導電層132aと、導電層132aと単一導電層131とを電気的に接続するコンタクトプラグ132bからなる。導電層132aは配線121と同じ材料(例えば銅)から形成され、コンタクトプラグ132bはコンタクトプラグ121aと同じ材料(例えばタングステン)から形成されるのが好ましい。
絶縁領域部は、層間絶縁膜122と同じ材料(例えばSiOC膜)から形成されるのが好ましい。
この混成導電層132は、例えば、層間絶縁膜122がストライプ状となる形状(図29参照)または散点状となる形状(図30参照)、導電層用溝132aが格子状となる形状等を採用することができる。
【0030】
配線端子層133は、配線層120における各層の配線121の端部133aと、端部133aと混成導電層132の導電層132aまたは他の層の端部133aとを電気的に接続するコンタクトプラグ133bと、これらの周囲に形成された配線層120の層間絶縁膜122とを有してなる。
外部電極パッド134は、配線端子層133の最上層に積層されている。また、配線層120の最上層は拡散防止膜170(例えばSiC膜)にて覆われ、さらに、拡散防止膜170および外部電極パッド134の周囲部は、保護膜(例えばSiN膜)にて覆われている。
【0031】
貫通電極140は、半導体基板100の第2面から素子分離領域101の第1面まで貫通する貫通孔内に形成されている。
より詳しく説明すると、半導体基板100の第2面および貫通孔の周囲面には絶縁膜151(例えばSiO2膜)が形成されており、絶縁膜151を介して貫通孔内および第2面に、第1金属膜141と第2金属膜142と第3金属膜143からなる貫通電極140が形成されている。第1金属膜141は例えばTi膜からなり、第2金属膜142と第3金属膜143は例えばCu膜からなる。
なお、貫通電極140が形成される前の貫通孔によって、電極パッド部130の単一導電層131は第2面側に露出しているため、貫通孔内の貫通電極140の底部の第1金属膜141が単一導電層131と接触して電気的に接続している。
【0032】
絶縁膜151を介して半導体基板100の第2面に積層された貫通電極140には、一部を除いて保護膜152(例えばポリイミド膜)が積層されており、前記一部は露出している。そして、貫通電極140の露出部分にはんだバンプ160が電気的に接合されている。
【0033】
<半導体装置の製造方法>
次に、図1および図2に示した半導体装置の製造方法の一例を説明する。
前記半導体装置の製造方法は、半導体基板100の第1面側に半導体素子としてFET111を形成する工程(A)と、半導体基板100の第1面側にFET111と電気的に接続される配線121を有する配線層120を形成する工程(B)と、半導体基板100の第1面側に電極パッド部130を形成する工程(C)と、半導体基板100の第1面からその反対側の第2面まで貫通する貫通孔を形成する工程(D)と、貫通孔内に貫通電極140を形成する工程とを含む。
さらに、電極パッド部130を形成する工程(C)が、貫通電極140と電気的に接続される導電領域部からなる単一導電層131を半導体基板100の第1面に部分的に積層する工程と、単一導電層131と前記配線121とを電気的に接続する導電領域部131a、132bと、単一導電層131と配線121とを電気的に絶縁する絶縁領域部112、122とが混成されてなる混成導電層132を、単一導電層131に積層する工程とを有する。
【0034】
〔工程(A)と(C)〕
工程(A)では、工程(C)の一部が並行して行われる。
図3を参照しながら説明すると、工程(A)と(C)では、第1面100aに素子分離用域101が埋め込んで形成された半導体基板100の第1面100aに、例えばCVD法によりシリコン酸化膜111bを介してポリシリコン膜を200nm堆積する。
次に、フォトリソグラフィ技術によりレジスト膜(図示省略)をポリシリコン膜上に形成する。このレジスト膜は、ゲート形成領域および電極パッド部形成領域に開口部を有する。
続いて、レジスト膜をマスクとして用いて、RIE法によりポリシリコン膜およびシリコン酸化膜111bをパターニングした後、アッシングによりレジスト膜を除去する。
これにより、図3に示すように、ポリシリコン膜からなるゲート電極111aを素子形成領域に形成すると同時に、ポリシリコン膜からなる電極パッド部の単一導電層(導電領域部)131を素子分離領域101に形成することができる。
【0035】
次に、得られた半導体基板100の第1面全面に絶縁膜(例えばSiO2膜)を堆積し、ポリシリコン膜が露出するまでエッチバックすることにより、ゲート電極111aの両側壁にサイドウォールスペーサを形成する。このとき、単一導電層131の両側壁にも同様のサイドウォールスペーサが形成される。
続いて、ゲート電極111a両側部分に開口するレジスト膜を半導体基板100の第1面100aに堆積し、不純物注入を行なって、ソースおよびドレイン領域としての不純物拡散層を第1面の表層に形成し、アッシングによりレジスト膜を除去する。
その後、得られた半導体基板100の第1面全面に、例えばスパッタリング法により金属膜(例えばTi、W、Pt等)を形成し、熱処理することにより、露出したポリシリコン膜の表面をシリサイド化する。そして、未反応の金属膜をエッチングにより選択的に除去する。
【0036】
〔工程(B)と(C)〕
工程(B)では、工程(C)の一部が並行して行われる。
工程(B)と(C)では、図4に示すように、前記工程を経て得られた半導体基板100の第1面100aに、第1の層間絶縁膜112としてBPSG膜を堆積し、リフロー処理によって平滑化した後、CMPにより平坦化する。なお、平坦化された第1の層間絶縁膜112にSiO2膜を積層してもよい。
次に、図5に示すように、FET111のソース/ドレイン領域に接触するコンタクトプラグ121aと、単一導電層131に接触する電極パッド部のコンタクトプラグ132bを形成する。
この際、例えば公知のフォトリソグラフィ法およびエッチング技術により、第1の層間絶縁膜112にコンタクトホールを形成し、チタン、窒化チタンまたはタングステン等の導電性材料をコンタクトホールが完全に埋まる膜厚で堆積した後、エッチバック法あるいはCMP法により表面の導電性材料を除去することにより、第1の層間絶縁膜112内にコンタクトプラグ121a、132bを埋め込んで形成することができる。
【0037】
次に、図6に示すように、第1の層間絶縁膜112およびコンタクトプラグ121a、132b上に、例えば、第1のエッチング停止層122aとして例えばSiC膜を30nm堆積し、第2の層間絶縁膜122として例えばSiOC膜を300nm堆積する。
次に、図7に示すように、コンタクトプラグ121a、132bが露出するように第2の層間絶縁膜122および第1のエッチング停止層122aをエッチングして、配線用溝121gおよび導電層用溝132gを形成する。
この導電層用溝132gは、例えば、層間絶縁膜122をストライプ状に残す形状(図29参照)または散点状に残す形状(図30参照)に形成したり、導電層用溝132gを格子状に形成することにより、形成できる。
【0038】
次に、図8に示すように、スパッタリング法を用いて、配線用溝121gおよび導電層用溝132gを有する第2の層間絶縁膜122に、第1の拡散防止膜121xとして例えば窒化タンタル膜およびタンタル膜をそれぞれ10nmの膜厚で堆積し、その上に銅シード膜としてCu膜を100nm堆積し、その後、電解メッキ法によりCu膜121yを500nm堆積して、配線用溝121gおよび導電層用溝132gを埋め込む。
【0039】
続いて、図9に示すように、例えばCMP法を用いて、第2の層間絶縁膜122が露出するまでCu膜121yおよび第1の拡散防止膜121xを除去して平坦化することにより、配線121および電極パッド部の導電層132aを形成する。
これによって、導電層132aおよびコンタクトプラグ132bを有する導電領域部と、第1および第2の層間絶縁膜112、122を有する絶縁領域とを備える電極パッド部の混成導電層132が形成される。
このとき、混成導電層132は、導電領域部と絶縁領域部が混成されてなるため、CMPによる導電層132aのディッシングが防止されて平坦化される。
【0040】
次に、図10に示すように、第2の層間絶縁膜122、拡散防止膜121x、配線121および導電層132aの上に、第2のエッチング停止層122aとして例えばSiC膜を30nm堆積し、第3の層間絶縁膜122としてSiOC膜を600nm堆積する。
続いて、図11に示すように、例えば、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてビアホールを形成した後、同様に公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて配線用溝121gを形成する。
【0041】
次に、図12に示すように、スパッタリング法を用いて、配線用溝121gおよびビアホールを有する第3の層間絶縁膜122に、第2の拡散防止膜121xとして例えば窒化タンタル膜およびタンタル膜をそれぞれ10nm堆積し、その上に銅シード膜を100nm堆積し、その後、電解メッキ法によりCu膜121yを800nm堆積して、ビアホールおよび配線用溝121gを埋め込む。
続いて、図13に示すように、例えばCMP法を用いて、第3の層間絶縁膜122が露出するまでCu膜121yおよび第2の拡散防止膜121xを除去して平坦化することにより、配線121、電極パッド部を構成する配線121の端部133aおよびコンタクトプラグ133bとが形成される。
以上のような配線形成工程を繰り返すことにより、多層の配線層120(図14参照)を形成する。
【0042】
〔工程(C)の残り〕
その後、図14に示すように、多層の配線層120上に、例えばSiC膜などの拡散防止膜170を堆積し、電極パッド部形成領域に位置する拡散防止膜170の一部を除去して開口部を形成し、拡散防止膜170上およびその開口部に金属材料を堆積し、例えばチタン50nm、アルミ800nmの膜厚で堆積し、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術により金属材料をパターニングすることにより、電極パッド部の外部電極パッド134を形成する。
これにより、単一導電層131、混成導電層132、配線端子層133および外部電極パッド134を有する電極パッド部130が半導体基板100に形成される。
さらに、拡散防止膜170および外部電極パッド134の周囲部に、保護膜171(例えばSiN膜)を形成する。
【0043】
この後、図示しないが、半導体基板100の第1面側に支持基板を貼り合わせ、半導体基板100を第2面側から公知のCMP法やエッチング法により30μm〜150μm程度の厚さにしてもよい。半導体基板100を薄くすることで、次工程において貫通孔の形成が容易となる。
【0044】
〔工程(D)〕
工程(D)では、図15に示すように、電極パッド部形成領域に対応する半導体基板100の第2面100bに開口するレジスト膜106を公知のパターニング技術を用いて形成し、レジスト膜106をマスクとして半導体基板100の第2面100bをエッチングすることにより貫通孔107を形成し、単一導電層131を露出させる。
このとき、半導体基板100のエッチング時に素子分離領域(シリコン酸化膜)101をエッチング停止層として用い、素子分離領域101のエッチング時に単一導電層(ポリシリコン膜)131をエッチング停止層として用いることで、オーバーエッチングによって単一導電層131を貫通してしまう不具合を回避することができる。
その後、レジスト膜106を除去する。
【0045】
〔工程(E)〕
工程(E)では、図16に示すように、半導体基板100の第2面100b、貫通孔107の内周面および貫通孔107内で露出する単一導電層131を覆うように、PCVD法により、絶縁膜151として例えばSiO2膜を膜厚3μmで堆積する。
このとき、貫通孔107の底部における絶縁膜151は次工程で除去されるが、その厚さは、半導体基板100の第2面100bにおける絶縁膜151の厚さよりも薄く、具体的には30%程度またはそれ以下になることが望ましい。このような絶縁膜151の膜厚制御は、材料ガスの流量、圧力、RFパワー等の成膜条件により制御することができる。
【0046】
次に、絶縁膜151をRIE法にてエッチングすることにより、貫通孔107の底部の絶縁膜151を除去して、図17に示すように、再び単一導電層131を露出させる。
このとき、貫通孔107の底部における絶縁膜151の厚さと、半導体基板100の第2面100bにおける絶縁膜151の厚さの違いにより、半導体基板100の第2面100bの絶縁膜151は完全には除去されずに残存する。また、RIE法によるエッチングであるため、貫通孔107の内周面の絶縁膜151も除去されずに残存する。
次に、図18に示すように、貫通孔107内に貫通電極を形成する。この際、例えば、PVD法を用いて、第1金属膜141としてTi膜を1μm堆積し、第2金属膜142としてCu膜を1μm堆積する。続いて、図19に示すように、公知のパターニング技術にて形成したレジスト膜108をマスクとして、例えば、電界メッキ法により第3金属膜143としてCu膜を6μm堆積する。
【0047】
次に、図20に示すように、レジスト膜108を除去し、露出した第2金属膜142(PVD−Cu膜)を例えばウェットエッチングにより除去し、これにより露出した第1金属膜141(PVD−Ti膜)を例えばドライエッチングにより除去する。このとき、電解メッキ法により堆積された第3金属膜143(Cu膜)はPVD−Cu膜より厚いため完全に除去されずに残存する。また、第3金属膜143で覆われた第2および第1金属膜142、141は、第3金属膜143がマスクとなり除去されずに残存する。
このようにして、第1、第2および第3金属膜141、142、143からなり、かつ第1金属膜141が電極パッド部130の単一導電層131と電気的に接続した貫通電極140が形成される。
その後、図21に示すように、第3金属膜143の一部を露出させるように、絶縁膜151および第3金属膜143に保護膜152として例えばポリイミド膜を堆積する。
そして、図2に示すように、第3金属膜143の露出部分にはんだバンプ160を形成することで、実施形態1の半導体装置が得られる。
【0048】
なお、実施形態1では、電極パッド部130の外部電極パッド134の位置とはんだバンプ160の位置が面内方向で若干ずれた場合を例示したが、それらの位置は一致していてもよい。
【0049】
(実施形態2)
図22は本発明に係る半導体装置の実施形態2の部分的な拡大断面図である。なお、図22において、図2中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
この半導体装置の製造では、実施形態1の図3〜図18と同様の製造工程を経た後、図23に示すように、貫通孔部分の第1および第2金属膜141、142を露出させるように、公知のパターニング技術を用いてレジスト膜108を形成し、レジスト膜108をマスクとして、例えば電界メッキ法により第3金属膜243(Cu膜)を堆積することで貫通孔内に埋め込む。
【0050】
次に、図24に示すように、レジスト110を除去し、実施形態1と同様に、露出した第2金属膜142(PVD−Cu膜)を例えばウェットエッチングにより除去し、これにより露出した第1金属膜141(PVD−Ti膜)を例えばドライエッチングにより除去する。このようにして、貫通孔内に埋め込まれた貫通電極240が形成される。
その後、図25に示すように、第3金属膜243の一部を露出させるように、絶縁膜151および第3金属膜243に保護膜152として例えばポリイミド膜を堆積する。
そして、図22に示すように、第3金属膜243の露出部分にはんだバンプ160を形成することで、実施形態2の半導体装置が得られる。
【0051】
(実施形態3)
図26は本発明に係る三次元実装半導体装置の概略正面図である。なお、図26において、図22中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
この三次元実装半導体装置は、前記実施形態2の半導体装置Sを複数個備え、一の半導体装置Sの電極パッド部130または貫通電極240と、他の半導体装置Sの貫通電極240または電極パッド部130とが、導電材料を介して電気的に接続された状態で、複数個の半導体装置Sが積み重ねられた三次元実装構造を有している。
【0052】
詳しく説明すると、この場合の三次元実装半導体装置は、相互に積み重ねられた3個の半導体装置Sと、積み重ねられた半導体装置Sを支持する支持基板300と、樹脂封止部310とを備える。
支持基板300は、一面と他面に、図示しないコンタクトプラグによって相互に電気的に接続されたはんだバンプ301と外部接続端子302とを有し、支持基板300のはんだバンプ301と最下段の半導体装置Sのはんだバンプ160とが溶融一体化することにより相互に電気的に接続されている。
また、最下段の半導体装置Sと支持基板300の間に樹脂材料311が充填されることにより半導体装置Sが支持基板300に固定されている。
【0053】
さらに、最下段の半導体装置Sの外部電極パッド134と中段の半導体装置Sのはんだバンプ160とが電気的に接続され、中段の半導体装置Sの外部電極パッド134と最上段の半導体装置Sのはんだバンプ160とが電気的に接続され、積み重ねられた3個の半導体Sの全体が樹脂封止部310によって被覆されている。
なお、支持基板300の一面に、外部接続端子と電気的に接続された電極パッドを設け、この電極パッドと最上段の半導体装置Sの外部電極パッド134とをワイヤボンディングによって電気的に接続することも可能である。
【0054】
(他の実施形態)
1.実施形態3では、実施形態2の半導体装置を用いた三次元実装半導体装置の場合を例示したが、実施形態1の半導体装置を用いて三次元実装半導体装置を作製することも可能であり、実施形態1の半導体装置と実施形態2の半導体装置の両方を用いて三次元実装半導体装置を作製することも可能である。
2.実施形態3では、半導体装置Sの半導体基板100を支持基板300側に向けて積み重ねた三次元実装構造を例示したが、半導体装置Sの配線層120を支持基板300側に向けて積み重ねた三次元実装構造とすることも可能である。この場合、最上段の半導体装置におけるはんだバンプ160および貫通電極240を省略することができ、三次元実装半導体装置の低コスト化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の半導体装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、ノート、ラップトップ、パーソナル・アシスタント/発信機、ミニコンピュータ、ワークステーション、メインフレーム、マルチプロセッサ・コンピュータまたは他の全ての型のコンピュータシステム等のデータ処理システム;CPU、メモリ、データ記憶装置等のデータ処理システムを構成する電子部品;電話、PHS、モデム、ルータ等の通信機器;ディスプレイパネル、プロジェクタ等の画像表示機器;プリンタ、スキャナ、複写機等の事務機器;ビデオカメラ、デジタルカメラ等の撮像機器;ゲーム機、音楽プレイヤ等の娯楽機器;携帯情報端末、時計、電子辞書等の情報機器;カーナビゲーションシステム、カーオーディオ等の車載機器;動画、静止画、音楽等の情報を記録、再生するためのAV機器;洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫、炊飯器、食器洗い機、掃除機、エアコン等の電化製品;マッサージ器、体重計、血圧計等の健康管理機器;ICカード、メモリカード等の携帯型記憶装置等の電子機器への幅広い用途に適用可能である。特に、携帯電話、携帯情報端末、ICカード、メモリカード、携帯型ゲーム機、デジタルカメラ、ポータブル動画プレイヤ、ポータブル音楽プレイヤ、電子辞書、時計等の携帯電子機器への応用が有効である。
【符号の説明】
【0056】
100 半導体基板
100a 第1面
100b 第2面
107 貫通孔
111 半導体素子(FET)
112、122 層間絶縁膜
120 配線層
121 配線
130 電極パッド部
131 単一導電層
132 混成導電層
132a 導電層(導電領域部)
132b コンタクトプラグ(導電領域部)
133 配線端子層
134 外部電極パッド
140、240 貫通電極
S 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、半導体基板の第1面側に形成された半導体素子と、半導体基板の第1面側に形成されて半導体素子と電気的に接続された配線を有する配線層と、半導体基板の第1面側に形成された電極パッド部と、半導体基板の第1面からその反対側の第2面まで貫通する貫通孔内に形成された貫通電極とを備え、
前記電極パッド部は、半導体基板の第1面に部分的に積層された単一導電層と、単一導電層に積層された混成導電層とを有し、
前記単一導電層は、貫通電極と電気的に接続する導電領域部からなり、
前記混成導電層は、単一導電層と前記配線とを電気的に接続する導電領域部と、単一導電層と配線とを電気的に絶縁する絶縁領域部とが混成されてなることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記半導体基板の第2面および貫通孔の内面が、絶縁膜にて被覆されている請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記単一導電層がポリシリコン層からなり、単一導電層の混成導電層と電気的に接続した面側がシリサイド化されている請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体素子が、ポリシリコンからなるゲート電極を有する半導体素子である請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体基板が第1面に素子分離領域を有し、単一導電層が前記素子分離領域に配置されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体基板の第1面側に半導体素子を形成する工程と、半導体基板の第1面側に半導体素子と電気的に接続される配線を有する配線層を形成する工程と、半導体基板の第1面側に電極パッド部を形成する工程と、半導体基板の第1面からその反対側の第2面まで貫通する貫通孔を形成する工程と、貫通孔内に貫通電極を形成する工程とを含み、
前記電極パッド部を形成する工程が、
貫通電極と電気的に接続される導電領域部からなる単一導電層を半導体基板の第1面に部分的に積層する工程と、
単一導電層と前記配線とを電気的に接続する導電領域部と、単一導電層と配線とを電気的に絶縁する絶縁領域部とが混成されてなる混成導電層を、単一導電層に積層する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記貫通電極を形成する工程が、前記貫通孔を形成した後で貫通電極を形成する前に、半導体基板の第2面および貫通孔の内面を絶縁膜で覆い、貫通孔内面の底部の絶縁膜を除去して単一導電層を露出する工程を含む請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記半導体素子が、ゲート電極を有する半導体素子であり、
前記ゲート電極と前記単一導電層が同時に形成される請求項6または7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記半導体基板が第1面に素子分離領域を有し、
前記単一導電層が前記素子分離領域に形成される請求項6〜8のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
第1面側の電極パッド部と第2面側の貫通電極とを有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置を複数個備え、一の半導体装置の電極パッド部または貫通電極と、隣接する他の半導体装置の貫通電極または電極パッド部とが、導電材料を介して電気的に接続された状態で、複数個の半導体装置が積み重ねられた三次元実装構造を有する三次元実装半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate


【公開番号】特開2011−3645(P2011−3645A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144238(P2009−144238)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】