半導体装置のコンタクト不良検査方法及びその検査方法が適用される半導体装置
【課題】ボルテージコントラスト検査を行う場合における検査パターンを有効に利用してコンタクトチェーンの不良を検出する。
【解決手段】基板検査方法は、基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、第1導電素子と第2導電素子とを第1層と第2層との間で接続するコンタクトホールとの組み合わせによる導電路を検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成し、検査領域に電子線を照射することによって検査領域から放出される電子を検出する。
【解決手段】基板検査方法は、基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、第1導電素子と第2導電素子とを第1層と第2層との間で接続するコンタクトホールとの組み合わせによる導電路を検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成し、検査領域に電子線を照射することによって検査領域から放出される電子を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体装置のコンタクト不良検査方法及びその検査方法が適用される半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の検査では、同一層内の配線の場合には配線加工の途中で回路全体が基板表面に露出しているため、各種の光学的欠陥検査手法を利用できる。しかし、多層の配線間を接続するコンタクトホールの不良の場合には欠陥箇所が表面から見えない場合もある。このため、コンタクト部分の不良発生率の正確な把握にはそのコンタクトチェーン部分の電気的特性を利用する必要がある。ここで、コンタクトチェーンとは、2層以上の配線層の間で配線と配線とをコンタクトホールでチェーン状に接続したパターンをいう。このコンタクトチェーンの電気的検査方法には、一般には配線に直接電極を接続する方法(以下、接触検査という)と、ボルテージコントラスト検査を利用する方法とがある。
【0003】
接触検査を製造工程途中で実施することはいくつかの困難を伴う。そのため、接触検査は、一般にはウエハープロセスが完了した段階で一括して行われる。しかし、この場合、検査結果から製造ラインへのフィードバックには大きな時間差がある。このため、接触検査は製品の出来の判断材料を提供するに留まっている。一方、ボルテージコントラスト検査では製造工程途中で製品表面に非接触で行えるため、近年その利用が進みつつある。なお、下記の特許文献1は、ボルテージコントラスト検査を開示している。
【特許文献1】特表2004−501505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の技術では、検査パターンの無駄を低減し、効率的な検査を行うことの配慮がなかった。本発明の目的は、ボルテージコントラスト検査を行う場合における検査パターンを有効に利用してコンタクトチェーンの不良を検出することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による検査方法は、基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとの組み合わせによる導電路を検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成するステップと、前記検査領域に電子線を照射することによって前記検査領域から放出される電子を検出するステップとを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ボルテージコントラスト検査を行う場合における検査パターンを有効に利用してコンタクトチェーンの不良を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)に係る検出方法について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0008】
<発明の骨子>
多層配線構造では、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属で形成された上層配線と下層配線とを電気的に接続するため、上層配線と下層配線の間の層間絶縁層に金属を埋め込んだコンタクトホールが設けられる。金属を埋め込んだコンタクトホールをコンタクトという。また、複数の上層配線と複数の下層配線と複数のコンタクトとを備え、配線間をコンタクトで電気的に接続した多層配線構造がコンタクトチェーン(ビアチェーンまたはスルーホールチェーンとも称する)を形成する。
<ボルテージコントラスト検査の原理>
検査パターンの切断不良(オープン部分)やショート不良などを検査する方法の1つとして、SEM(Scanning Electron Microscope)装置を用いて、電位コントラストの差異により不良を検査する方法がある。この方法では、検査パターン(検査パターンの存在領域が本発明の検査領域に相当)の表面に電子線が照射され、その照射により放出される二次電子が検出される。その場合、検査パターンの配線の導通状態によって二次電子の放出量が変化するので、画像コントラストが検出される。まず、検査パターンに配置されたコンタクトチェーンの一方の端部を半導体基板と同電位に接地する。そして、二次電子の放出を促進するために検査パターンにプラスの電界をかける。次に、検査パターンの表面に電子線を照射する。コンタクトチェーンの一方の端部を接地した部分(以下、接地側という)からオープン部分までの間は、電子線の照射で放出した二次電子による電子の不足が接地側から補充される。そのため、接地側からオープン部分までの間は電位に変化がない。一方、コンタクトチェーンのもう一方の端部(以下、フローティング側という)からオープン部分までの間は、電子線の照射で放出した二次電子による電子の補充がない。そのため、フローティング側からオープン部分は正に帯電し、二次電子の放出が抑制される。検査パターンにプラスの電界をかけた条件では、接地側からオープン部分までの間は、二次電子の放出量に変化がない。したがって、接地側からオープン部分までは、ボルテージコントラスト検査により明るいコントラストが検出される。一方、フローティング側からオープン部分までは、ボルテージコントラスト検査により暗いコントラストが検出される。したがって、このコントラストの差に基づいて、コンタクトチェーンのオープン部分を特定することが可能となる。
【0009】
図1は、従来のボルテージコントラスト検査による検査パターンの構成を示す平面図である。ボルテージコントラスト検査によるコンタクトチェーンの検査は一般には、図1に示すように検査パターンが用意される。図1では、検査パターンには複数の略長方形の金属素子2(本発明の第2導電素子に相当)が等間隔で配置されている。また、図1では平面からは金属素子2のみが見えている。
【0010】
図2は、図1のA1−A2の断面図である。図2では、2つの金属配線層M1、M2が示されている。基板表面側の層である金属配線層M2には、多数の金属素子2が配置されている。金属配線層M2の下層に形成された金属配線層M1には、多数の金属素子1(本発明の第1導電素子に相当)が配置されている。図2では、金属素子1と金属素子2が基板平面に対して交互に配置されている。さらに隣り合う金属素子1と金属素子2は、その間の層間絶縁膜3に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属(図示せず)により電気的に接続されている。
【0011】
図3は、従来の検査パターンにおけるコンタクトチェーンの配置を示した図である。従来の検査パターンでは、コンタクトチェーン5が検査パターンとして配置される。コンタクトチェーン5は、金属素子1と金属素子2を有する。金属素子1と金属素子2は層間絶縁膜3(図示せず)に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属(図示せず)により電気的に接続されている。図3に示すように、コンタクトチェーン5はそれぞれ縦方向(図3の上下方向)に配置され、隣接するコンタクトチェーン同士は電気的に接続されていない。また、各コンタクトチェーン5の端部301はそれぞれ接地されている。すなわち、コンタクトチェーン5は半導体基板と同電位になるように接続され、端部301が
半導体基板に電気的に接続されている。
【0012】
図4は、従来の検査パターンにおけるボルテージコントラスト検査の説明図である。従来の検査パターンに対してボルテージコントラスト検査を行う場合、図4に示すように指定領域401を指定して行う。ここで指定領域とは、ボルテージコントラスト検査を行う範囲をいう。また、検査パターンは図3と同様である。そして、検査パターン内の指定領域401を検査する。この方法は、比較的広い領域を比較的短時間で検査できるというメリットを持っている。一方で、製品のモニターをこの方法で行うことを考えると、検査用のパターンは出来るだけ小さいことが望まれる。そこで図4の検査パターンを小さくして製品内に設置しようとすると効率が悪くなる。すなわち、一般の欠陥検査装置と同様にボルテージコントラスト検査装置も基板上の検査パターンに対して一定の位置合わせ誤差を持つ。このため、欠陥検査装置で位置ずれがあっても、検査パターンが走査されるようにする必要がある。そこで、本来の検査パターンの存在領域の外側に、さらに検査パターンが設けられる。このように、位置ずれを考慮して指定領域を設定すると検査に関与しない検査パターンの領域が大きくなる。
【0013】
次に、検査パターン内のコンタクトチェーンの不良について説明する。検査パターンのコンタクトチェーンの不良は、検査パターン内のコンタクトホールの密度が小さかったり、大きかったりすることによって生じる場合がある。検査パターン内のコンタクトホールの間隔が狭いと、検査パターン内のコンタクトホールの密度が多くなる。一方、検査パターン内のコンタクトホールの間隔が広いと、検査パターン内のコンタクトホールの密度が少なくなる。ここで、検査パターン内のコンタクトホールを層間絶縁膜に開口する方法には、酸化膜を気化させるガスを用いる方法がある。この方法では、層間絶縁膜が酸化膜で形成されている場合、酸化膜を気化させるガスで酸化膜を気化させて酸化膜にコンタクトホールを開口する。
【0014】
例えば、特定の酸化膜エッチング条件下での一例を考えると、検査パターン内のコンタクトホールの密度が大きい場合には、酸化膜を気化させるガスの使用量が多くなる。したがって、酸化膜を気化させるガスの濃度が薄くなる。そのため、酸化膜にコンタクトホールを開口するエッチング率が低下する。エッチング率が低下すると、酸化膜に対するエッチングが抑制され、正常にコンタクトホールが開口された場合よりもコンタクトホールの開口が小さくなる。また、例えば、検査パターン内のコンタクトホールの密度が小さい場合には、酸化膜を気化させるガスの使用量が少なくなる。したがって、酸化膜を気化させるガスの濃度が濃くなる。そのため、酸化膜にコンタクトホールを開口するエッチング率が上昇する。エッチング率が上昇すると、酸化膜に対するエッチングが促進され、正常にコンタクトホールが開口された場合よりも、コンタクトホールの開口が大きくなる。このように、コンタクトホールの密度の多少は、コンタクトホールの開口を大きくしたり、小さくしたりすることになる。したがって、正常にコンタクトホールが開口されるコンタクトホールの密度に比べて、コンタクトホールの密度の多少はコンタクトチェーンの不良の原因となる。
【0015】
このようなコンタクトホールの密度の多少に関係するコンタクトチェーンの不良は、一定確率で起こる可能性が高い。コンタクトホールの密度の多少に関係しないコンタクトチェーンの不良は、大きい領域の検査パターンを使用してボルテージコントラスト検査を行うことにより、コンタクトチェーンの不良を検出できる可能性が高くなる。一方、コンタクトホールの密度の多少に関係するコンタクトチェーンの不良は、検査パターンを小さくしても検出できる可能性が高い。
【0016】
広い領域の検査パターンについてボルテージコントラスト検査を行う場合は、位置ずれを考慮して検査に関与しない部分を検査パターンに組み込んだとしても問題とはならない
。すなわち、大きい領域の検査パターンを検査する場合、位置ずれを考慮した検査に関与しない領域は、有効な指定領域に対してその比率は小さい。したがって、位置ずれを考慮した検査に関与しない領域を無くす必要性は乏しい。一方、コンタクトホールの密度の多少に関係するコンタクトチェーンの不良を検出するためには、小さい領域に検出パターンは設置することができる。そのため、検出パターンの指定領域が小さければ、広い領域の検出パターンでは設置できない場所を使ってボルテージコントラスト検査を行うことができる。しかし、検査パターンの存在領域が小さいと、ボルテージコントラスト検査を行う場合に問題が生じる。すなわち、位置ずれを考慮して検査に関与しない部分を検査パターンに組み込むと、検査に関与しない領域は、有効な指定領域に対してその比率が大きくなる。
【0017】
ボルテージコントラスト検査の指定領域として、図4では、指定領域401を検査パターン上に設定する。コンタクトチェーンにオープン部分(断線、コンタクト不良等)が発生した場合、コンタクトチェーンの接地側の端部402からオープン部403までの間では、電位は正常である。したがって、この部分の画像コントラストは明るくなる。一方、オープン部403からもう一方の端部404までの間では、フローティング状態となる。このため、オープン部403から端部404までの電位は高くなるので画像コントラストが暗くなる。このように、オープン部403が発生している場合に指定領域401をボルテージコントラスト検査で検査する。そして、オープン部403から端部404までの間のコントラストが暗く検出された場合、コンタクトチェーンに不良があることがボルテージコントラスト検査により検出できる。
【0018】
図5は、従来のボルテージコントラスト検査の検査パターン上における指定領域の設定の説明図である。図5では、検査パターンのすべてを検査するため、指定領域501を設定する。しかし、検査装置の位置合わせ精度により、設定した指定領域501に対して、実際に検査される領域には上下左右に多少の位置ずれが発生する。その場合、ボルテージコントラスト検査を実行した際、指定領域501の位置ずれが発生した部分が不良として検出されたり、検査パターン以外を検査したりするおそれがある。
【0019】
図6は、図5の設定された指定領域501に対して実際に検査された指定領域601が矢印方向(右方向)に位置ずれした場合の説明図である。図5の指定領域501が矢印方向に位置ずれした場合、ボルテージコントラスト検査を実行すると、実際の指定領域601のうち位置ずれ部602が不良として検出される。
【0020】
図7は、図5の設定された指定領域501に対して実際に検査された指定領域701が下方向に位置ずれした場合の説明図である。図5の指定領域501が下方向に位置ずれした場合、図7の指定領域701についてボルテージコントラスト検査を行う。したがって、ボルテージコントラスト検査を検査パターン以外の部分で行うことになる。
【0021】
図8は、指定領域801を検査パターンの内側に設定した場合の説明図である。指定領域が位置ずれにより上下左右により移動した場合、検査パターン内でボルテージコントラスト検査を行うには、図8に示すように検査パターンの内側に指定領域801を設定する必要がある。すなわち、図8に示すように検査パターンの内側に指定領域801を設定すれば、指定領域801が位置ずれにより上下左右により移動した場合でも、検査パターン内でボルテージコントラスト検査を行うことができる。しかし、図8に示すように検査パターンの内側に指定領域801を設定した場合、検査パターン内で検査に利用されない部分が発生する。
【0022】
図9は、検査パターン内で検査に利用されない部分を説明した図である。図8に示すように検査パターンの内側に指定領域801を設定した場合、図9の非指定領域901の部
分が検査に利用されないことになる。すなわち、非指定領域901でコンタクトチェーンの不良が発生しても、ボルテージコントラスト検査の結果には影響がない。
【0023】
<実施形態>
そこで、ここでは、このような検査に利用されない領域を極力少なくするようにコンタクトチェーンの構成を工夫する。以下、図10から図26の図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。図10は、本発明の実施形態の検査パターンの構成を示す平面図である。図11は、図10のA1−A2の断面図である。図12は、図10のB1−B2の断面図である。図10は、検査パターンの中心部分の金属素子2である中心部1001を接地し、検査パターンの周辺に端部1002および端部1003を接地した金属素子1−金属素子2間のコンタクトチェーンを配置している。また、コンタクトチェーンの端部1002と端部1003が対角になるように金属素子2が接地されている。
【0024】
図10に示すように、金属素子1、2はともに、平面上は略長方形である。金属素子1と金属素子2は、互いにその長手方向の端部が平面図上で重なり合って位置する。そして、その長手方向の端部同士がコンタクトによって接続され、金属素子1と金属素子2の長手方向にチェーン状の導電路が形成されている。このようにして、略長方形状をなす検査パターンの存在領域の外周をなす一辺(外側部1004B)からその対辺(外側部1004A)へ向かって1本のコンタクトチェーンが形成される。
コンタクトチェーンは、検査パターンの一方の外側部1004A(上記対辺)で中心方向に向かって折り返すように配置されている。すなわち、隣接するコンタクトチェーンC1、C2は、外側部1004Aで互いに接続されている。そして、中心方向に向かって折り返すように配置されたコンタクトチェーンは検査パターンの他方の外側部1004Bで更に中心方向に向かって折り返すように配置されている。すなわち、隣接するコンタクトチェーンC2、C3は外側部1004Bで互いに接続されている。このように、検査パターンの外側部1004A、1004Bで折り返すようにコンタクトチェーンを繰り返し配置している。また、検査パターンの中心部1001の金属素子2とコンタクトチェーンは電気的に接続されていない。したがって、中心部1001に隣接したコンタクトチェーンの端部1010A、1010Bはそれぞれコンタクトチェーンの端部1002、1003で接地されることになる。
【0025】
コンタクトチェーンは図11に示すように、金属素子1と金属素子2が交互に配置されている。そして、金属素子1と金属素子2の間の層間絶縁膜3に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属(図示せず)であるコンタクトにより電気的に接続されている。図10におけるコンタクトチェーンの端部1002および端部1003は接地されており、各接地部分は複数のコンタクトを有している。各接地部分が複数のコンタクトを有していることが図11および図12に示されている。図11に示すように端部1003は複数のコンタクトを有している。また、端部1002も同様に複数のコンタクトを有している。そして、図12に示すように、検査パターンの中心部1001が接地されており、複数のコンタクトを有している。
【0026】
図13は指定領域として設定する位置を示した平面図である。検査パターンは、図10と同様である。ボルテージコントラスト検査は、ボルテージコントラスト検査装置の位置ずれを考慮して、検査パターンの中心部分を含めた範囲を指定領域(本発明の部分領域に相当する)とする。本実施形態によれば、指定領域が上下左右に多少移動しても、検査パターンの中心部分を含んだ範囲を指定領域とすれば、ボルテージコントラスト検査を行うことが可能となる。検査パターン内にオープン部分が無い場合は、中心部1001の金属素子2以外の金属素子2はコンタクトチェーンを通じて端部1002と端部1003で接地されている。したがって、金属素子2の電位差はなく、コントラストの違いは発生せず、ボルテージコントラスト検査によりオープン部分なしと検出される。
【0027】
図14は、オープン部分が一箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、図10と同様である。すなわち、検査パターンの中心部1001の金属素子2は、コンタクトチェーンの端部(直前部1402、1403)から分離されて接地されている。一方、検査パターンの周辺で端部1002および端部1003を接地したコンタクトチェーンが配置されている。このような検査パターンでオープン部分が一箇所ある場合、オープン部分が発生した箇所から接地側は明るいコントラストを示し、オープン部分が発生した箇所からフローティング側は暗いコントラストを示す。図14では、オープン部1401から端部1002までは明るいコントラストを示している。そして、オープン部1401から中心部1001の直前部1402までは暗いコントラストを示している。
【0028】
図15は、オープン部分が二箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、図10と同様である。オープン部分が二箇所ある場合、各オープン部分が発生した箇所から接地側は明るいコントラストを示し、各オープン部分が発生した箇所からフローティング側は暗いコントラストを示す。図15では、オープン部1501から端部1002まで及びオープン部1502から端部1003までは明るいコントラストを示している。そして、オープン部1501から直前部1503まで及びオープン部1502から直前部1504までは暗いコントラストを示している。
【0029】
図16は、プロセス条件が適切でないプロセスによって発生するコンタクトホールの不良など、ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、図10と同様である。接地部分に最も近い金属素子2は複数のコンタクトで接続されている。したがって、接地部分に最も近い金属素子2はフローティングとならない可能性が高い。そして、そのような極端な場合でも、接地部分に最も近い金属素子2と他の金属素子2ではコントラストの違いが発生する。そのため、ボルテージコントラスト検査により不良を検出することができる。図16では、検査パターンの中心部1001と検査パターンの端部1002と端部1003が明るいコントラストとなり、その他の金属素子2は暗いコントラストを示している。
【0030】
上記実施形態では、検査パターン内でオープン部分が発生した場合、ボルテージコントラスト検査により、コントラストの違いが検出できる。したがって、検査パターン内でオープン部分が発生したか否かを検出することが可能となる。
【0031】
上記実施形態では、検査パターンの中心部1001を接地した例を示したが、検査パターンの中心部1001を接地せず、フローティングさせた状態にしてもよい。以下に検査パターンの中心部1001をフローティングさせた場合のボルテージコントラストの違いを説明する。
【0032】
図17は、オープン部分が一箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、検査パターンの中心部1001の金属素子2が直前部1703、1704から分離され、フローティングになっている。一方、検査パターンの周辺で端部1002および端部1003を接地したコンタクトチェーンが配置されている。検査パターンの他の構成については、図10と同様である。オープン部分が一箇所ある場合、オープン部分が発生した箇所から接地側は明るいコントラストを示し、オープン部分が発生した箇所からフローティング側は暗いコントラストを示す。図17では、オープン部1701から端部1002まで明るいコントラストを示している。そして、オープン部1701から中心部1001まで暗いコントラストを示している。さらに、直前部1704から端部1003まで明るいコントラストを示している。
【0033】
図18は、オープン部分が二箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、検査パターンの中心部1001の金属素子2をフローティングとし、その周辺に端部1002および端部1003を接地したコンタクトチェーンを配置している。検査パターンの他の構成については、図10と同様である。オープン部分が二箇所ある場合、各オープン部分が発生した箇所から接地側は明るいコントラストを示し、各オープン部分が発生した箇所からフローティング側(一方のオープン部分から他方のオープン部分まで)は暗いコントラストを示す。図18では、オープン部1801から端部1002まで及びオープン部1802から端部1003までは明るいコントラストを示している。そして、オープン部1801からオープン部1802までは暗いコントラストを示している。
【0034】
図19は、プロセス条件が適切でないプロセスによって発生するコンタクトホールの不良など、ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、検査パターンの中心部1001の金属素子2をフローティングとし、その周辺に端部1002および端部1003を接地したコンタクトチェーンを配置している。検査パターンの他の構成については、図10と同様である。接地部分に最も近い金属素子2はフローティングとならない可能性が高い。そして、そのような極端な場合でも、接地部分に最も近い金属素子2と他の金属素子2ではコントラストの違いが発生する。検査パターンのすべての部分に対してボルテージコントラスト検査を行った場合、図19に示すように、検査パターンの端部1002と端部1003が明るいコントラストとなる。一方、その他の金属素子2は暗いコントラストとなる。図19の指定領域1901は、検査パターンの端部1002と端部1003を含んでいない。そのため、指定領域1901でボルテージコントラスト検査を行った場合、指定領域1901内のすべての金属素子2は暗いコントラストとなる。オープン部分が発生していない検査パターンに対してボルテージコントラスト検査を行った場合、検査パターンの中心部1001のみが暗いコントラストとなり、他の金属素子2は明るいコントラストとなる。オープン部分が発生していない検査パターンに対してボルテージコントラスト検査を行った画像コントラストと、ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合の検査パターンに対してボルテージコントラスト検査を行った画像コントラストとを比較することにより、コントラストの違いが検出できる。したがって、検査パターン内でオープン部分が発生したか否かを検出することが可能となる。
【0035】
図20は、本実施形態の検査パターンの例を示した図である。図20は、検査パターンとして、一辺を80μmとした矩形の中に金属素子2を配列した平面図である。図21は、図20のA1−A2の断面図である。図22は、図20のB1−B2の断面図である。金属素子1および金属素子2は、縦7μm、横3μmの矩形である。金属素子2の横の間隔を3.75μmピッチとし、金属素子2の縦の間隔を7.5μmした場合、80μmの矩形の中には、横方向で80μm/3.75μm=21.3、すなわち21列の金属素子2を配置できる。また、縦方向で80μm/7.5μm=10.7、すなわち10列の金属素子2を配置できる。そして、検査パターンのコンタクトチェーンの長さは、10×21/2×7.5μm=787.5μmとなる。また、コンタクトホール4の直径は0.14μm、層間絶縁膜3の厚さは0.5μm、配線の厚さは0.25μmである。これらの値は例示であり、本発明の各部の寸法は、これらの値に限定されない。
【0036】
次に指定領域の設定基準について説明する。例えば位置合わせの実行精度が20μm程度の検査装置を用いて、ボルテージコントラスト検査を行った場合、検査パターンの中心部分を基準として縦横40μmをボルテージコントラスト指定領域に設定する。このようにボルテージコントラスト指定領域を設定することで、検査装置の位置ずれが発生してもボルテージコントラスト検査を実行することができる。これらの値は例示であり、本発明の指定領域の設定基準は、これらの値に限定されない。
【0037】
また、本実施形態では、金属素子1と金属素子2の配線幅を太く設定してあるので、金属素子1および金属素子2の断線による不良は実質的に無視できる。したがって、コンタクト部分の不良のみを選択的に検出することも可能である。しかし、金属素子1と金属素子2の配線幅を断線が発生する幅に設定することも可能である。この場合、断線およびコンタクト部分の不良など、コントラストの違いが発生する不良を検出することができる。
【0038】
図23は、本実施形態の検査パターンを半導体ウエハのスクライブ領域に設置した例を示した図である。ボルテージコントラスト検査の検査パターンは各配線層で積層状に配置されており、同一の場所で複数の配線間のコンタクトチェーンの検査をそれぞれ行えるようにしている。また同一層内のコンタクトチェーンのコンタクトホールの間隔を複数設定できる。したがって、特定の間隔のコンタクトホールを有するコンタクトチェーンの不良が発生したかどうかを個別に検出できる。図23では、スクライブ領域に検査パターンを設置した例を示した。検査パターンは、製品として利用される領域内においても設置することができる。すなわち、検査パターンは、ダミーパターンなどの実効的配線に利用されていない部分にも設置できる。
【0039】
図24は、本実施形態の検査パターンを金属配線層M1から金属配線層M6まで積層した際の断面図である。まず金属配線層M1から金属配線層M2まで形成した段階でM1−M2層間のコンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査を実施する。そして、断線に起因するボルテージコントラスト欠陥の半導体基板面内分布、コンタクトホール間隔依存性などの統計情報を収集し、それぞれ原因となる製造工程の処理パラメータなどへのフィードバックを実施する。さらに金属配線層M3から金属配線層M4まで形成した段階でM3−M4層間のコンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査を実施する。そして、M1−M2層間と同様に、断線に起因するボルテージコントラスト欠陥の半導体基板面内分布、コンタクトホール間隔依存性などの統計情報を収集し、それぞれ原因となる製造工程の処理パラメータなどへのフィードバックを実施する。また、さらに上層のコンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査を実施し、フィードバックを実施する。
【0040】
このように各層間のボルテージコントラスト検査と製造工程へのフィードバックを実施することにより、製造ライン全体の高歩留まりを達成することができる。また、本実施形態では、金属配線層M2から金属配線層M3まで形成した段階で、M2−M3層間のコンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査を実施することもできる。なお、上記コンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査は例示であり、上記説明した層間に限定されない。
【0041】
本実施形態では、検査パターンを構成するコンタクトチェーンが、検査パターン存在領域の略外周付近から中心付近に向かって導電路を形成している。そして、1つのコンタクトチェーンは、外周付近の端部(接地点)が接地され、中心付近の端部(フローティング端部)がフローティングとなっている。このため、1つのコンタクトチェーンは、外周付近だけで接地された導電路を構成する。このようなコンタクトチェーンに切断不良(オープン部分)が発生すると、外周付近の接地点からオープン部分までは、接地された状態となる。一方、オープン部分から中心付近のフローティング端部までは、フローティング状態となる。したがって、電子線を照射する指定領域が検査パターン内の中心付近の部分的な領域であった場合でも、指定領域外で発生したオープン部分によって、指定領域内のボルテージコントラストが変化する。当然、指定領域内でオープン部分が発生した場合も指定領域内のボルテージコントラストが変化する。
【0042】
このように、本実施形態の検査方法によれば、オープン部分が実際に電子線を照射する指定領域内、指定領域外のいずれにおいて発生しても、そのオープン部分の発生が検知さ
れる。したがって、指定領域の外側に実際には電子線が照射されない検査パターンが設けられても、それらの検査パターンは、オープン部分の検出に寄与し、無駄にはならない。そのため、本実施形態の検査方法によれば検査パターンを有効利用し、効率的な検査パターンができる。また、無駄な検査パターンが生じない結果、従来よりも小さな検査パターンの領域に、従来よりも小さな指定領域(電子線照射領域)を設定しても、コンタクトチェーンの不良の検出感度を維持できる。
【0043】
<変形例>
図25は、本実施形態の検査パターンの他の例を示した図である。図25は検査パターンの端部2501、2502、2503、2504の金属素子2が接地されている。そして、検査パターンの上部2箇所(端部2501、2502)に接地された金属素子2の下方向に向けてコンタクトチェーンが配置されている。また、検査パターンの下部2箇所(端部2503、2504)に接地された金属素子2の上方向に向けてコンタクトチェーンが配置されている。それぞれのコンタクトチェーンは縦方向(図25で上下方向)で中心に向かって伸びており、中心付近で折り返すように配置されている。また、中心付近で折り返すように配置されたコンタクトチェーンは、検査パターンの外側で更に中心方向に向けて折り返すように配置されている。このように、検査パターンの中心付近と外側で折り返すようにコンタクトチェーンを繰り返し配置している。その結果、検査パターンの上下付近と中心付近との間で、蛇行する導電路が形成されている。図25に示すように、4つのコンタクトチェーンは、コンタクトチェーンの端部2501〜2504の金属素子2が接地されており、それぞれのコンタクトチェーンは互いに電気的に接続されていない。また、図10の検査パターンと同様に中心部1001の金属素子2はコンタクトチェーンと電気的に接続されていない。そして、中心部1001の金属素子2は接地またはフローティングとなっている。コンタクトチェーンの構造は図11、図12で説明したのと同様である。すなわち、金属素子1と金属素子2が交互に配置されており、金属素子1と金属素子2の間の層間絶縁膜3に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属により電気的に接続されている。
【0044】
図26は、本実施形態の検査パターンの例を示した図である。図26は検査パターンの端部のうち1箇所が接地されている。図26では、端部1002の金属素子2が接地されている。そして、端部1002に接地された金属素子2のa方向(図26で下方向)に向けてコンタクトチェーンが配置されている。検査パターンの端部1002からa方向に向けて配置されたコンタクトチェーンは、検査パターンの下部外側領域でb方向(図26で右方向)に垂直に折れ曲がって配置されている。b方向に垂直に折れ曲がって配置されたコンタクトチェーンは、検査パターンの左下部外側領域でc方向(図26で上方向)に垂直に折れ曲がって配置されている。c方向に垂直に折れ曲がって配置されたコンタクトチェーンは、検査パターンの右上部外側領域でd方向(図26で左方向)に垂直に折れ曲がって配置されている。d方向に垂直に折れ曲がって配置されたコンタクトチェーンは、出発点である端部1002手前のe部分でa方向に垂直に折れ曲がって配置されている。このようにコンタクトチェーンを略うずまき状に中心方向に向かうように配置する。また、図10の検査パターンと同様に中心部1001の金属素子2はコンタクトチェーンと電気的に接続されておらず、中心部1001の金属素子2は接地またはフローティングとなっている。コンタクトチェーンの構造は図11、図12で説明したのと同様である。すなわち、金属素子1と金属素子2が交互に配置されており、金属素子1と金属素子2の間の層間絶縁膜3に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属により電気的に接続されている。
【0045】
上記実施形態では、検査パターンにプラスの電界をかけ、ボルテージコントラスト検査によりコンタクトチェーンのオープン部分を特定した。また、検査パターンにマイナスの電界をかけることで、ボルテージコントラスト検査により検出するコントラストの明暗を
逆にすることも可能である。まず、検査パターンに配置されたコンタクトチェーンの一方の端部を半導体基板と同電位に接地する。そして、二次電子の放出を抑制するために検査パターンにマイナスの電界をかける。次に、検査パターンの表面に電子線を照射する。接地側からオープン部分までの間は、電子線の照射による電子は接地側から流出する。そのため、接地側からオープン部分までの間は電位に変化がない。すなわち、検査パターンにマイナスの電界をかけた条件では、接地側からオープン部分までの間は、二次電子の放出が抑制される。したがって、接地側からオープン部分までの間は、ボルテージコントラスト検査により暗いコントラストが検出される。一方、フローティング側からオープン部分までの間は、電子線の照射により負に帯電する。そのため、フローティング側からオープン部分までの間は、検査パターンの周辺と比較して相対的に電位が下がる。すなわち、フローティング側からオープン部分までの間は、二次電子の放出量が多くなる。したがって、検査パターンにマイナスの電界をかけた条件では、フローティング側からオープン部分までの間は、ボルテージコントラスト検査により明るいコントラストが検出される。したがって、この電位コントラストの差に基づいて、コンタクトチェーンのオープン部分を特定することが可能となる。
【0046】
(付記1)
基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとの組み合わせによる導電路を検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成するステップと、
前記検査領域に電子線を照射することによって前記検査領域から放出される電子を検出するステップとを備える基板検査方法。(1)
【0047】
(付記2)
前記電子線は、前記検査領域の中央部を含み、前記周辺部を除外した部分領域に照射される付記1に記載の基板検査方法。(2)
【0048】
(付記3)
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている付記2に記載の基板検査方法。(3)
(付記4)
【0049】
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に絶縁されて前記第2層に設けられている付記3に記載の基板検査方法。(4)
【0050】
(付記5)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に接続されて前記第2層に設けられている付記3に記載の基板検査方法。(5)
【0051】
(付記6)
前記基板に対して3層以上に配線を積層するステップをさらに備える付記4又は5に記載の基板検査方法。(6)
【0052】
(付記7)
前記検査領域を前記基板上で素子が形成されていない未使用領域または非有効領域に配置するステップをさらに備える付記6に記載の基板検査方法。(7)
【0053】
(付記8)
基板と、前記基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配
置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとを備え、前記複数の第1導電素子と前記複数の第2導電素子と前記コンタクトホールとの組み合わせによる導電路は、検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成されている半導体装置。(8)
【0054】
(付記9)
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている付記8に記載の半導体装置。(9)
【0055】
(付記10)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に絶縁されて前記第2層に設けられている付記9に記載の半導体装置。
【0056】
(付記11)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に接続されて前記第2層に設けられている付記9に記載の半導体装置。
【0057】
(付記12)
前記基板は3層以上に配線が積層されている付記10又は11に記載の半導体装置。
【0058】
(付記13)
基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとを備え、前記複数の第1導電素子と前記複数の第2導電素子と前記コンタクトホールとの組み合わせによる導電路は、検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成されている検査構造。(10)
【0059】
(付記14)
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている付記13に記載の検査構造。
【0060】
(付記15)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に絶縁されて前記第2層に設けられている付記14に記載の検査構造。
【0061】
(付記16)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に接続されて前記第2層に設けられている付記14に記載の検査構造。
【0062】
(付記17)
前記基板は3層以上に配線が積層されている付記15又は16に記載の検査構造。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】従来のボルテージコントラスト検査による検査パターンの構成を示す平面図である。
【図2】図1のA1−A2の断面図である。
【図3】従来の検査パターンにおけるコンタクトチェーンの配置を示した図である。
【図4】従来の検査パターンにおけるボルテージコントラスト検査の説明図である。
【図5】従来のボルテージコントラスト検査の検査パターン上における指定領域の設定の説明図である。
【図6】図5の指定領域501が右方向に位置ずれした場合の説明図である。
【図7】図5の指定領域501が下方向に位置ずれした場合の説明図である。
【図8】指定領域601を検査パターンの内側に設定した場合の説明図である。
【図9】検査パターン内で検査に利用されない部分を説明した図である。
【図10】本発明の実施形態の検査パターンの構成を示す平面図である。
【図11】図10のA1−A2の断面図である。
【図12】図10のB1−B2の断面図である。
【図13】指定領域として設定する位置を示した平面図である。
【図14】オープン部分が一箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図15】オープン部分が二箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図16】ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図17】オープン部分が一箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図18】オープン部分が二箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図19】ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図20】本実施形態の検査パターンの例を示した図である。
【図21】図20のA1−A2の断面図である。
【図22】図20のB1−B2の断面図である。
【図23】本実施形態の検査パターンを半導体ウエハのスクライブ領域に設置した例を示した図である。
【図24】本実施形態の検査パターンを第1層から第6層まで積層した際の断面図である。
【図25】本実施形態の検査パターンの例を示した図である。
【図26】本実施形態の検査パターンの例を示した図である。
【符号の説明】
【0064】
1、2 金属素子
3 層間絶縁膜
4 コンタクトホール
5、C1、C2、C3 コンタクトチェーン
301、402、404、1002、1003、1010A、1010B、2501、2502、2503、2504 端部
401、501、601、701、801、1901 指定領域
901 非指定領域
1001 中心部
1004A、1004B 外側部
403、1401、1501、1502、1701、1801、1802 オープン部
1402、1503、1504、1703、1704 直前部
【技術分野】
【0001】
半導体装置のコンタクト不良検査方法及びその検査方法が適用される半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の検査では、同一層内の配線の場合には配線加工の途中で回路全体が基板表面に露出しているため、各種の光学的欠陥検査手法を利用できる。しかし、多層の配線間を接続するコンタクトホールの不良の場合には欠陥箇所が表面から見えない場合もある。このため、コンタクト部分の不良発生率の正確な把握にはそのコンタクトチェーン部分の電気的特性を利用する必要がある。ここで、コンタクトチェーンとは、2層以上の配線層の間で配線と配線とをコンタクトホールでチェーン状に接続したパターンをいう。このコンタクトチェーンの電気的検査方法には、一般には配線に直接電極を接続する方法(以下、接触検査という)と、ボルテージコントラスト検査を利用する方法とがある。
【0003】
接触検査を製造工程途中で実施することはいくつかの困難を伴う。そのため、接触検査は、一般にはウエハープロセスが完了した段階で一括して行われる。しかし、この場合、検査結果から製造ラインへのフィードバックには大きな時間差がある。このため、接触検査は製品の出来の判断材料を提供するに留まっている。一方、ボルテージコントラスト検査では製造工程途中で製品表面に非接触で行えるため、近年その利用が進みつつある。なお、下記の特許文献1は、ボルテージコントラスト検査を開示している。
【特許文献1】特表2004−501505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の技術では、検査パターンの無駄を低減し、効率的な検査を行うことの配慮がなかった。本発明の目的は、ボルテージコントラスト検査を行う場合における検査パターンを有効に利用してコンタクトチェーンの不良を検出することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による検査方法は、基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとの組み合わせによる導電路を検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成するステップと、前記検査領域に電子線を照射することによって前記検査領域から放出される電子を検出するステップとを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ボルテージコントラスト検査を行う場合における検査パターンを有効に利用してコンタクトチェーンの不良を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)に係る検出方法について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0008】
<発明の骨子>
多層配線構造では、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属で形成された上層配線と下層配線とを電気的に接続するため、上層配線と下層配線の間の層間絶縁層に金属を埋め込んだコンタクトホールが設けられる。金属を埋め込んだコンタクトホールをコンタクトという。また、複数の上層配線と複数の下層配線と複数のコンタクトとを備え、配線間をコンタクトで電気的に接続した多層配線構造がコンタクトチェーン(ビアチェーンまたはスルーホールチェーンとも称する)を形成する。
<ボルテージコントラスト検査の原理>
検査パターンの切断不良(オープン部分)やショート不良などを検査する方法の1つとして、SEM(Scanning Electron Microscope)装置を用いて、電位コントラストの差異により不良を検査する方法がある。この方法では、検査パターン(検査パターンの存在領域が本発明の検査領域に相当)の表面に電子線が照射され、その照射により放出される二次電子が検出される。その場合、検査パターンの配線の導通状態によって二次電子の放出量が変化するので、画像コントラストが検出される。まず、検査パターンに配置されたコンタクトチェーンの一方の端部を半導体基板と同電位に接地する。そして、二次電子の放出を促進するために検査パターンにプラスの電界をかける。次に、検査パターンの表面に電子線を照射する。コンタクトチェーンの一方の端部を接地した部分(以下、接地側という)からオープン部分までの間は、電子線の照射で放出した二次電子による電子の不足が接地側から補充される。そのため、接地側からオープン部分までの間は電位に変化がない。一方、コンタクトチェーンのもう一方の端部(以下、フローティング側という)からオープン部分までの間は、電子線の照射で放出した二次電子による電子の補充がない。そのため、フローティング側からオープン部分は正に帯電し、二次電子の放出が抑制される。検査パターンにプラスの電界をかけた条件では、接地側からオープン部分までの間は、二次電子の放出量に変化がない。したがって、接地側からオープン部分までは、ボルテージコントラスト検査により明るいコントラストが検出される。一方、フローティング側からオープン部分までは、ボルテージコントラスト検査により暗いコントラストが検出される。したがって、このコントラストの差に基づいて、コンタクトチェーンのオープン部分を特定することが可能となる。
【0009】
図1は、従来のボルテージコントラスト検査による検査パターンの構成を示す平面図である。ボルテージコントラスト検査によるコンタクトチェーンの検査は一般には、図1に示すように検査パターンが用意される。図1では、検査パターンには複数の略長方形の金属素子2(本発明の第2導電素子に相当)が等間隔で配置されている。また、図1では平面からは金属素子2のみが見えている。
【0010】
図2は、図1のA1−A2の断面図である。図2では、2つの金属配線層M1、M2が示されている。基板表面側の層である金属配線層M2には、多数の金属素子2が配置されている。金属配線層M2の下層に形成された金属配線層M1には、多数の金属素子1(本発明の第1導電素子に相当)が配置されている。図2では、金属素子1と金属素子2が基板平面に対して交互に配置されている。さらに隣り合う金属素子1と金属素子2は、その間の層間絶縁膜3に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属(図示せず)により電気的に接続されている。
【0011】
図3は、従来の検査パターンにおけるコンタクトチェーンの配置を示した図である。従来の検査パターンでは、コンタクトチェーン5が検査パターンとして配置される。コンタクトチェーン5は、金属素子1と金属素子2を有する。金属素子1と金属素子2は層間絶縁膜3(図示せず)に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属(図示せず)により電気的に接続されている。図3に示すように、コンタクトチェーン5はそれぞれ縦方向(図3の上下方向)に配置され、隣接するコンタクトチェーン同士は電気的に接続されていない。また、各コンタクトチェーン5の端部301はそれぞれ接地されている。すなわち、コンタクトチェーン5は半導体基板と同電位になるように接続され、端部301が
半導体基板に電気的に接続されている。
【0012】
図4は、従来の検査パターンにおけるボルテージコントラスト検査の説明図である。従来の検査パターンに対してボルテージコントラスト検査を行う場合、図4に示すように指定領域401を指定して行う。ここで指定領域とは、ボルテージコントラスト検査を行う範囲をいう。また、検査パターンは図3と同様である。そして、検査パターン内の指定領域401を検査する。この方法は、比較的広い領域を比較的短時間で検査できるというメリットを持っている。一方で、製品のモニターをこの方法で行うことを考えると、検査用のパターンは出来るだけ小さいことが望まれる。そこで図4の検査パターンを小さくして製品内に設置しようとすると効率が悪くなる。すなわち、一般の欠陥検査装置と同様にボルテージコントラスト検査装置も基板上の検査パターンに対して一定の位置合わせ誤差を持つ。このため、欠陥検査装置で位置ずれがあっても、検査パターンが走査されるようにする必要がある。そこで、本来の検査パターンの存在領域の外側に、さらに検査パターンが設けられる。このように、位置ずれを考慮して指定領域を設定すると検査に関与しない検査パターンの領域が大きくなる。
【0013】
次に、検査パターン内のコンタクトチェーンの不良について説明する。検査パターンのコンタクトチェーンの不良は、検査パターン内のコンタクトホールの密度が小さかったり、大きかったりすることによって生じる場合がある。検査パターン内のコンタクトホールの間隔が狭いと、検査パターン内のコンタクトホールの密度が多くなる。一方、検査パターン内のコンタクトホールの間隔が広いと、検査パターン内のコンタクトホールの密度が少なくなる。ここで、検査パターン内のコンタクトホールを層間絶縁膜に開口する方法には、酸化膜を気化させるガスを用いる方法がある。この方法では、層間絶縁膜が酸化膜で形成されている場合、酸化膜を気化させるガスで酸化膜を気化させて酸化膜にコンタクトホールを開口する。
【0014】
例えば、特定の酸化膜エッチング条件下での一例を考えると、検査パターン内のコンタクトホールの密度が大きい場合には、酸化膜を気化させるガスの使用量が多くなる。したがって、酸化膜を気化させるガスの濃度が薄くなる。そのため、酸化膜にコンタクトホールを開口するエッチング率が低下する。エッチング率が低下すると、酸化膜に対するエッチングが抑制され、正常にコンタクトホールが開口された場合よりもコンタクトホールの開口が小さくなる。また、例えば、検査パターン内のコンタクトホールの密度が小さい場合には、酸化膜を気化させるガスの使用量が少なくなる。したがって、酸化膜を気化させるガスの濃度が濃くなる。そのため、酸化膜にコンタクトホールを開口するエッチング率が上昇する。エッチング率が上昇すると、酸化膜に対するエッチングが促進され、正常にコンタクトホールが開口された場合よりも、コンタクトホールの開口が大きくなる。このように、コンタクトホールの密度の多少は、コンタクトホールの開口を大きくしたり、小さくしたりすることになる。したがって、正常にコンタクトホールが開口されるコンタクトホールの密度に比べて、コンタクトホールの密度の多少はコンタクトチェーンの不良の原因となる。
【0015】
このようなコンタクトホールの密度の多少に関係するコンタクトチェーンの不良は、一定確率で起こる可能性が高い。コンタクトホールの密度の多少に関係しないコンタクトチェーンの不良は、大きい領域の検査パターンを使用してボルテージコントラスト検査を行うことにより、コンタクトチェーンの不良を検出できる可能性が高くなる。一方、コンタクトホールの密度の多少に関係するコンタクトチェーンの不良は、検査パターンを小さくしても検出できる可能性が高い。
【0016】
広い領域の検査パターンについてボルテージコントラスト検査を行う場合は、位置ずれを考慮して検査に関与しない部分を検査パターンに組み込んだとしても問題とはならない
。すなわち、大きい領域の検査パターンを検査する場合、位置ずれを考慮した検査に関与しない領域は、有効な指定領域に対してその比率は小さい。したがって、位置ずれを考慮した検査に関与しない領域を無くす必要性は乏しい。一方、コンタクトホールの密度の多少に関係するコンタクトチェーンの不良を検出するためには、小さい領域に検出パターンは設置することができる。そのため、検出パターンの指定領域が小さければ、広い領域の検出パターンでは設置できない場所を使ってボルテージコントラスト検査を行うことができる。しかし、検査パターンの存在領域が小さいと、ボルテージコントラスト検査を行う場合に問題が生じる。すなわち、位置ずれを考慮して検査に関与しない部分を検査パターンに組み込むと、検査に関与しない領域は、有効な指定領域に対してその比率が大きくなる。
【0017】
ボルテージコントラスト検査の指定領域として、図4では、指定領域401を検査パターン上に設定する。コンタクトチェーンにオープン部分(断線、コンタクト不良等)が発生した場合、コンタクトチェーンの接地側の端部402からオープン部403までの間では、電位は正常である。したがって、この部分の画像コントラストは明るくなる。一方、オープン部403からもう一方の端部404までの間では、フローティング状態となる。このため、オープン部403から端部404までの電位は高くなるので画像コントラストが暗くなる。このように、オープン部403が発生している場合に指定領域401をボルテージコントラスト検査で検査する。そして、オープン部403から端部404までの間のコントラストが暗く検出された場合、コンタクトチェーンに不良があることがボルテージコントラスト検査により検出できる。
【0018】
図5は、従来のボルテージコントラスト検査の検査パターン上における指定領域の設定の説明図である。図5では、検査パターンのすべてを検査するため、指定領域501を設定する。しかし、検査装置の位置合わせ精度により、設定した指定領域501に対して、実際に検査される領域には上下左右に多少の位置ずれが発生する。その場合、ボルテージコントラスト検査を実行した際、指定領域501の位置ずれが発生した部分が不良として検出されたり、検査パターン以外を検査したりするおそれがある。
【0019】
図6は、図5の設定された指定領域501に対して実際に検査された指定領域601が矢印方向(右方向)に位置ずれした場合の説明図である。図5の指定領域501が矢印方向に位置ずれした場合、ボルテージコントラスト検査を実行すると、実際の指定領域601のうち位置ずれ部602が不良として検出される。
【0020】
図7は、図5の設定された指定領域501に対して実際に検査された指定領域701が下方向に位置ずれした場合の説明図である。図5の指定領域501が下方向に位置ずれした場合、図7の指定領域701についてボルテージコントラスト検査を行う。したがって、ボルテージコントラスト検査を検査パターン以外の部分で行うことになる。
【0021】
図8は、指定領域801を検査パターンの内側に設定した場合の説明図である。指定領域が位置ずれにより上下左右により移動した場合、検査パターン内でボルテージコントラスト検査を行うには、図8に示すように検査パターンの内側に指定領域801を設定する必要がある。すなわち、図8に示すように検査パターンの内側に指定領域801を設定すれば、指定領域801が位置ずれにより上下左右により移動した場合でも、検査パターン内でボルテージコントラスト検査を行うことができる。しかし、図8に示すように検査パターンの内側に指定領域801を設定した場合、検査パターン内で検査に利用されない部分が発生する。
【0022】
図9は、検査パターン内で検査に利用されない部分を説明した図である。図8に示すように検査パターンの内側に指定領域801を設定した場合、図9の非指定領域901の部
分が検査に利用されないことになる。すなわち、非指定領域901でコンタクトチェーンの不良が発生しても、ボルテージコントラスト検査の結果には影響がない。
【0023】
<実施形態>
そこで、ここでは、このような検査に利用されない領域を極力少なくするようにコンタクトチェーンの構成を工夫する。以下、図10から図26の図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。図10は、本発明の実施形態の検査パターンの構成を示す平面図である。図11は、図10のA1−A2の断面図である。図12は、図10のB1−B2の断面図である。図10は、検査パターンの中心部分の金属素子2である中心部1001を接地し、検査パターンの周辺に端部1002および端部1003を接地した金属素子1−金属素子2間のコンタクトチェーンを配置している。また、コンタクトチェーンの端部1002と端部1003が対角になるように金属素子2が接地されている。
【0024】
図10に示すように、金属素子1、2はともに、平面上は略長方形である。金属素子1と金属素子2は、互いにその長手方向の端部が平面図上で重なり合って位置する。そして、その長手方向の端部同士がコンタクトによって接続され、金属素子1と金属素子2の長手方向にチェーン状の導電路が形成されている。このようにして、略長方形状をなす検査パターンの存在領域の外周をなす一辺(外側部1004B)からその対辺(外側部1004A)へ向かって1本のコンタクトチェーンが形成される。
コンタクトチェーンは、検査パターンの一方の外側部1004A(上記対辺)で中心方向に向かって折り返すように配置されている。すなわち、隣接するコンタクトチェーンC1、C2は、外側部1004Aで互いに接続されている。そして、中心方向に向かって折り返すように配置されたコンタクトチェーンは検査パターンの他方の外側部1004Bで更に中心方向に向かって折り返すように配置されている。すなわち、隣接するコンタクトチェーンC2、C3は外側部1004Bで互いに接続されている。このように、検査パターンの外側部1004A、1004Bで折り返すようにコンタクトチェーンを繰り返し配置している。また、検査パターンの中心部1001の金属素子2とコンタクトチェーンは電気的に接続されていない。したがって、中心部1001に隣接したコンタクトチェーンの端部1010A、1010Bはそれぞれコンタクトチェーンの端部1002、1003で接地されることになる。
【0025】
コンタクトチェーンは図11に示すように、金属素子1と金属素子2が交互に配置されている。そして、金属素子1と金属素子2の間の層間絶縁膜3に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属(図示せず)であるコンタクトにより電気的に接続されている。図10におけるコンタクトチェーンの端部1002および端部1003は接地されており、各接地部分は複数のコンタクトを有している。各接地部分が複数のコンタクトを有していることが図11および図12に示されている。図11に示すように端部1003は複数のコンタクトを有している。また、端部1002も同様に複数のコンタクトを有している。そして、図12に示すように、検査パターンの中心部1001が接地されており、複数のコンタクトを有している。
【0026】
図13は指定領域として設定する位置を示した平面図である。検査パターンは、図10と同様である。ボルテージコントラスト検査は、ボルテージコントラスト検査装置の位置ずれを考慮して、検査パターンの中心部分を含めた範囲を指定領域(本発明の部分領域に相当する)とする。本実施形態によれば、指定領域が上下左右に多少移動しても、検査パターンの中心部分を含んだ範囲を指定領域とすれば、ボルテージコントラスト検査を行うことが可能となる。検査パターン内にオープン部分が無い場合は、中心部1001の金属素子2以外の金属素子2はコンタクトチェーンを通じて端部1002と端部1003で接地されている。したがって、金属素子2の電位差はなく、コントラストの違いは発生せず、ボルテージコントラスト検査によりオープン部分なしと検出される。
【0027】
図14は、オープン部分が一箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、図10と同様である。すなわち、検査パターンの中心部1001の金属素子2は、コンタクトチェーンの端部(直前部1402、1403)から分離されて接地されている。一方、検査パターンの周辺で端部1002および端部1003を接地したコンタクトチェーンが配置されている。このような検査パターンでオープン部分が一箇所ある場合、オープン部分が発生した箇所から接地側は明るいコントラストを示し、オープン部分が発生した箇所からフローティング側は暗いコントラストを示す。図14では、オープン部1401から端部1002までは明るいコントラストを示している。そして、オープン部1401から中心部1001の直前部1402までは暗いコントラストを示している。
【0028】
図15は、オープン部分が二箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、図10と同様である。オープン部分が二箇所ある場合、各オープン部分が発生した箇所から接地側は明るいコントラストを示し、各オープン部分が発生した箇所からフローティング側は暗いコントラストを示す。図15では、オープン部1501から端部1002まで及びオープン部1502から端部1003までは明るいコントラストを示している。そして、オープン部1501から直前部1503まで及びオープン部1502から直前部1504までは暗いコントラストを示している。
【0029】
図16は、プロセス条件が適切でないプロセスによって発生するコンタクトホールの不良など、ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、図10と同様である。接地部分に最も近い金属素子2は複数のコンタクトで接続されている。したがって、接地部分に最も近い金属素子2はフローティングとならない可能性が高い。そして、そのような極端な場合でも、接地部分に最も近い金属素子2と他の金属素子2ではコントラストの違いが発生する。そのため、ボルテージコントラスト検査により不良を検出することができる。図16では、検査パターンの中心部1001と検査パターンの端部1002と端部1003が明るいコントラストとなり、その他の金属素子2は暗いコントラストを示している。
【0030】
上記実施形態では、検査パターン内でオープン部分が発生した場合、ボルテージコントラスト検査により、コントラストの違いが検出できる。したがって、検査パターン内でオープン部分が発生したか否かを検出することが可能となる。
【0031】
上記実施形態では、検査パターンの中心部1001を接地した例を示したが、検査パターンの中心部1001を接地せず、フローティングさせた状態にしてもよい。以下に検査パターンの中心部1001をフローティングさせた場合のボルテージコントラストの違いを説明する。
【0032】
図17は、オープン部分が一箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、検査パターンの中心部1001の金属素子2が直前部1703、1704から分離され、フローティングになっている。一方、検査パターンの周辺で端部1002および端部1003を接地したコンタクトチェーンが配置されている。検査パターンの他の構成については、図10と同様である。オープン部分が一箇所ある場合、オープン部分が発生した箇所から接地側は明るいコントラストを示し、オープン部分が発生した箇所からフローティング側は暗いコントラストを示す。図17では、オープン部1701から端部1002まで明るいコントラストを示している。そして、オープン部1701から中心部1001まで暗いコントラストを示している。さらに、直前部1704から端部1003まで明るいコントラストを示している。
【0033】
図18は、オープン部分が二箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、検査パターンの中心部1001の金属素子2をフローティングとし、その周辺に端部1002および端部1003を接地したコンタクトチェーンを配置している。検査パターンの他の構成については、図10と同様である。オープン部分が二箇所ある場合、各オープン部分が発生した箇所から接地側は明るいコントラストを示し、各オープン部分が発生した箇所からフローティング側(一方のオープン部分から他方のオープン部分まで)は暗いコントラストを示す。図18では、オープン部1801から端部1002まで及びオープン部1802から端部1003までは明るいコントラストを示している。そして、オープン部1801からオープン部1802までは暗いコントラストを示している。
【0034】
図19は、プロセス条件が適切でないプロセスによって発生するコンタクトホールの不良など、ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。検査パターンは、検査パターンの中心部1001の金属素子2をフローティングとし、その周辺に端部1002および端部1003を接地したコンタクトチェーンを配置している。検査パターンの他の構成については、図10と同様である。接地部分に最も近い金属素子2はフローティングとならない可能性が高い。そして、そのような極端な場合でも、接地部分に最も近い金属素子2と他の金属素子2ではコントラストの違いが発生する。検査パターンのすべての部分に対してボルテージコントラスト検査を行った場合、図19に示すように、検査パターンの端部1002と端部1003が明るいコントラストとなる。一方、その他の金属素子2は暗いコントラストとなる。図19の指定領域1901は、検査パターンの端部1002と端部1003を含んでいない。そのため、指定領域1901でボルテージコントラスト検査を行った場合、指定領域1901内のすべての金属素子2は暗いコントラストとなる。オープン部分が発生していない検査パターンに対してボルテージコントラスト検査を行った場合、検査パターンの中心部1001のみが暗いコントラストとなり、他の金属素子2は明るいコントラストとなる。オープン部分が発生していない検査パターンに対してボルテージコントラスト検査を行った画像コントラストと、ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合の検査パターンに対してボルテージコントラスト検査を行った画像コントラストとを比較することにより、コントラストの違いが検出できる。したがって、検査パターン内でオープン部分が発生したか否かを検出することが可能となる。
【0035】
図20は、本実施形態の検査パターンの例を示した図である。図20は、検査パターンとして、一辺を80μmとした矩形の中に金属素子2を配列した平面図である。図21は、図20のA1−A2の断面図である。図22は、図20のB1−B2の断面図である。金属素子1および金属素子2は、縦7μm、横3μmの矩形である。金属素子2の横の間隔を3.75μmピッチとし、金属素子2の縦の間隔を7.5μmした場合、80μmの矩形の中には、横方向で80μm/3.75μm=21.3、すなわち21列の金属素子2を配置できる。また、縦方向で80μm/7.5μm=10.7、すなわち10列の金属素子2を配置できる。そして、検査パターンのコンタクトチェーンの長さは、10×21/2×7.5μm=787.5μmとなる。また、コンタクトホール4の直径は0.14μm、層間絶縁膜3の厚さは0.5μm、配線の厚さは0.25μmである。これらの値は例示であり、本発明の各部の寸法は、これらの値に限定されない。
【0036】
次に指定領域の設定基準について説明する。例えば位置合わせの実行精度が20μm程度の検査装置を用いて、ボルテージコントラスト検査を行った場合、検査パターンの中心部分を基準として縦横40μmをボルテージコントラスト指定領域に設定する。このようにボルテージコントラスト指定領域を設定することで、検査装置の位置ずれが発生してもボルテージコントラスト検査を実行することができる。これらの値は例示であり、本発明の指定領域の設定基準は、これらの値に限定されない。
【0037】
また、本実施形態では、金属素子1と金属素子2の配線幅を太く設定してあるので、金属素子1および金属素子2の断線による不良は実質的に無視できる。したがって、コンタクト部分の不良のみを選択的に検出することも可能である。しかし、金属素子1と金属素子2の配線幅を断線が発生する幅に設定することも可能である。この場合、断線およびコンタクト部分の不良など、コントラストの違いが発生する不良を検出することができる。
【0038】
図23は、本実施形態の検査パターンを半導体ウエハのスクライブ領域に設置した例を示した図である。ボルテージコントラスト検査の検査パターンは各配線層で積層状に配置されており、同一の場所で複数の配線間のコンタクトチェーンの検査をそれぞれ行えるようにしている。また同一層内のコンタクトチェーンのコンタクトホールの間隔を複数設定できる。したがって、特定の間隔のコンタクトホールを有するコンタクトチェーンの不良が発生したかどうかを個別に検出できる。図23では、スクライブ領域に検査パターンを設置した例を示した。検査パターンは、製品として利用される領域内においても設置することができる。すなわち、検査パターンは、ダミーパターンなどの実効的配線に利用されていない部分にも設置できる。
【0039】
図24は、本実施形態の検査パターンを金属配線層M1から金属配線層M6まで積層した際の断面図である。まず金属配線層M1から金属配線層M2まで形成した段階でM1−M2層間のコンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査を実施する。そして、断線に起因するボルテージコントラスト欠陥の半導体基板面内分布、コンタクトホール間隔依存性などの統計情報を収集し、それぞれ原因となる製造工程の処理パラメータなどへのフィードバックを実施する。さらに金属配線層M3から金属配線層M4まで形成した段階でM3−M4層間のコンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査を実施する。そして、M1−M2層間と同様に、断線に起因するボルテージコントラスト欠陥の半導体基板面内分布、コンタクトホール間隔依存性などの統計情報を収集し、それぞれ原因となる製造工程の処理パラメータなどへのフィードバックを実施する。また、さらに上層のコンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査を実施し、フィードバックを実施する。
【0040】
このように各層間のボルテージコントラスト検査と製造工程へのフィードバックを実施することにより、製造ライン全体の高歩留まりを達成することができる。また、本実施形態では、金属配線層M2から金属配線層M3まで形成した段階で、M2−M3層間のコンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査を実施することもできる。なお、上記コンタクトチェーンのボルテージコントラスト検査は例示であり、上記説明した層間に限定されない。
【0041】
本実施形態では、検査パターンを構成するコンタクトチェーンが、検査パターン存在領域の略外周付近から中心付近に向かって導電路を形成している。そして、1つのコンタクトチェーンは、外周付近の端部(接地点)が接地され、中心付近の端部(フローティング端部)がフローティングとなっている。このため、1つのコンタクトチェーンは、外周付近だけで接地された導電路を構成する。このようなコンタクトチェーンに切断不良(オープン部分)が発生すると、外周付近の接地点からオープン部分までは、接地された状態となる。一方、オープン部分から中心付近のフローティング端部までは、フローティング状態となる。したがって、電子線を照射する指定領域が検査パターン内の中心付近の部分的な領域であった場合でも、指定領域外で発生したオープン部分によって、指定領域内のボルテージコントラストが変化する。当然、指定領域内でオープン部分が発生した場合も指定領域内のボルテージコントラストが変化する。
【0042】
このように、本実施形態の検査方法によれば、オープン部分が実際に電子線を照射する指定領域内、指定領域外のいずれにおいて発生しても、そのオープン部分の発生が検知さ
れる。したがって、指定領域の外側に実際には電子線が照射されない検査パターンが設けられても、それらの検査パターンは、オープン部分の検出に寄与し、無駄にはならない。そのため、本実施形態の検査方法によれば検査パターンを有効利用し、効率的な検査パターンができる。また、無駄な検査パターンが生じない結果、従来よりも小さな検査パターンの領域に、従来よりも小さな指定領域(電子線照射領域)を設定しても、コンタクトチェーンの不良の検出感度を維持できる。
【0043】
<変形例>
図25は、本実施形態の検査パターンの他の例を示した図である。図25は検査パターンの端部2501、2502、2503、2504の金属素子2が接地されている。そして、検査パターンの上部2箇所(端部2501、2502)に接地された金属素子2の下方向に向けてコンタクトチェーンが配置されている。また、検査パターンの下部2箇所(端部2503、2504)に接地された金属素子2の上方向に向けてコンタクトチェーンが配置されている。それぞれのコンタクトチェーンは縦方向(図25で上下方向)で中心に向かって伸びており、中心付近で折り返すように配置されている。また、中心付近で折り返すように配置されたコンタクトチェーンは、検査パターンの外側で更に中心方向に向けて折り返すように配置されている。このように、検査パターンの中心付近と外側で折り返すようにコンタクトチェーンを繰り返し配置している。その結果、検査パターンの上下付近と中心付近との間で、蛇行する導電路が形成されている。図25に示すように、4つのコンタクトチェーンは、コンタクトチェーンの端部2501〜2504の金属素子2が接地されており、それぞれのコンタクトチェーンは互いに電気的に接続されていない。また、図10の検査パターンと同様に中心部1001の金属素子2はコンタクトチェーンと電気的に接続されていない。そして、中心部1001の金属素子2は接地またはフローティングとなっている。コンタクトチェーンの構造は図11、図12で説明したのと同様である。すなわち、金属素子1と金属素子2が交互に配置されており、金属素子1と金属素子2の間の層間絶縁膜3に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属により電気的に接続されている。
【0044】
図26は、本実施形態の検査パターンの例を示した図である。図26は検査パターンの端部のうち1箇所が接地されている。図26では、端部1002の金属素子2が接地されている。そして、端部1002に接地された金属素子2のa方向(図26で下方向)に向けてコンタクトチェーンが配置されている。検査パターンの端部1002からa方向に向けて配置されたコンタクトチェーンは、検査パターンの下部外側領域でb方向(図26で右方向)に垂直に折れ曲がって配置されている。b方向に垂直に折れ曲がって配置されたコンタクトチェーンは、検査パターンの左下部外側領域でc方向(図26で上方向)に垂直に折れ曲がって配置されている。c方向に垂直に折れ曲がって配置されたコンタクトチェーンは、検査パターンの右上部外側領域でd方向(図26で左方向)に垂直に折れ曲がって配置されている。d方向に垂直に折れ曲がって配置されたコンタクトチェーンは、出発点である端部1002手前のe部分でa方向に垂直に折れ曲がって配置されている。このようにコンタクトチェーンを略うずまき状に中心方向に向かうように配置する。また、図10の検査パターンと同様に中心部1001の金属素子2はコンタクトチェーンと電気的に接続されておらず、中心部1001の金属素子2は接地またはフローティングとなっている。コンタクトチェーンの構造は図11、図12で説明したのと同様である。すなわち、金属素子1と金属素子2が交互に配置されており、金属素子1と金属素子2の間の層間絶縁膜3に設けられたコンタクトホール4に埋め込まれた金属により電気的に接続されている。
【0045】
上記実施形態では、検査パターンにプラスの電界をかけ、ボルテージコントラスト検査によりコンタクトチェーンのオープン部分を特定した。また、検査パターンにマイナスの電界をかけることで、ボルテージコントラスト検査により検出するコントラストの明暗を
逆にすることも可能である。まず、検査パターンに配置されたコンタクトチェーンの一方の端部を半導体基板と同電位に接地する。そして、二次電子の放出を抑制するために検査パターンにマイナスの電界をかける。次に、検査パターンの表面に電子線を照射する。接地側からオープン部分までの間は、電子線の照射による電子は接地側から流出する。そのため、接地側からオープン部分までの間は電位に変化がない。すなわち、検査パターンにマイナスの電界をかけた条件では、接地側からオープン部分までの間は、二次電子の放出が抑制される。したがって、接地側からオープン部分までの間は、ボルテージコントラスト検査により暗いコントラストが検出される。一方、フローティング側からオープン部分までの間は、電子線の照射により負に帯電する。そのため、フローティング側からオープン部分までの間は、検査パターンの周辺と比較して相対的に電位が下がる。すなわち、フローティング側からオープン部分までの間は、二次電子の放出量が多くなる。したがって、検査パターンにマイナスの電界をかけた条件では、フローティング側からオープン部分までの間は、ボルテージコントラスト検査により明るいコントラストが検出される。したがって、この電位コントラストの差に基づいて、コンタクトチェーンのオープン部分を特定することが可能となる。
【0046】
(付記1)
基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとの組み合わせによる導電路を検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成するステップと、
前記検査領域に電子線を照射することによって前記検査領域から放出される電子を検出するステップとを備える基板検査方法。(1)
【0047】
(付記2)
前記電子線は、前記検査領域の中央部を含み、前記周辺部を除外した部分領域に照射される付記1に記載の基板検査方法。(2)
【0048】
(付記3)
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている付記2に記載の基板検査方法。(3)
(付記4)
【0049】
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に絶縁されて前記第2層に設けられている付記3に記載の基板検査方法。(4)
【0050】
(付記5)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に接続されて前記第2層に設けられている付記3に記載の基板検査方法。(5)
【0051】
(付記6)
前記基板に対して3層以上に配線を積層するステップをさらに備える付記4又は5に記載の基板検査方法。(6)
【0052】
(付記7)
前記検査領域を前記基板上で素子が形成されていない未使用領域または非有効領域に配置するステップをさらに備える付記6に記載の基板検査方法。(7)
【0053】
(付記8)
基板と、前記基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配
置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとを備え、前記複数の第1導電素子と前記複数の第2導電素子と前記コンタクトホールとの組み合わせによる導電路は、検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成されている半導体装置。(8)
【0054】
(付記9)
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている付記8に記載の半導体装置。(9)
【0055】
(付記10)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に絶縁されて前記第2層に設けられている付記9に記載の半導体装置。
【0056】
(付記11)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に接続されて前記第2層に設けられている付記9に記載の半導体装置。
【0057】
(付記12)
前記基板は3層以上に配線が積層されている付記10又は11に記載の半導体装置。
【0058】
(付記13)
基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとを備え、前記複数の第1導電素子と前記複数の第2導電素子と前記コンタクトホールとの組み合わせによる導電路は、検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成されている検査構造。(10)
【0059】
(付記14)
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている付記13に記載の検査構造。
【0060】
(付記15)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に絶縁されて前記第2層に設けられている付記14に記載の検査構造。
【0061】
(付記16)
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に接続されて前記第2層に設けられている付記14に記載の検査構造。
【0062】
(付記17)
前記基板は3層以上に配線が積層されている付記15又は16に記載の検査構造。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】従来のボルテージコントラスト検査による検査パターンの構成を示す平面図である。
【図2】図1のA1−A2の断面図である。
【図3】従来の検査パターンにおけるコンタクトチェーンの配置を示した図である。
【図4】従来の検査パターンにおけるボルテージコントラスト検査の説明図である。
【図5】従来のボルテージコントラスト検査の検査パターン上における指定領域の設定の説明図である。
【図6】図5の指定領域501が右方向に位置ずれした場合の説明図である。
【図7】図5の指定領域501が下方向に位置ずれした場合の説明図である。
【図8】指定領域601を検査パターンの内側に設定した場合の説明図である。
【図9】検査パターン内で検査に利用されない部分を説明した図である。
【図10】本発明の実施形態の検査パターンの構成を示す平面図である。
【図11】図10のA1−A2の断面図である。
【図12】図10のB1−B2の断面図である。
【図13】指定領域として設定する位置を示した平面図である。
【図14】オープン部分が一箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図15】オープン部分が二箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図16】ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図17】オープン部分が一箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図18】オープン部分が二箇所ある場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図19】ほとんどのコンタクトホールが不良になった場合のボルテージコントラストの違いを示した平面図である。
【図20】本実施形態の検査パターンの例を示した図である。
【図21】図20のA1−A2の断面図である。
【図22】図20のB1−B2の断面図である。
【図23】本実施形態の検査パターンを半導体ウエハのスクライブ領域に設置した例を示した図である。
【図24】本実施形態の検査パターンを第1層から第6層まで積層した際の断面図である。
【図25】本実施形態の検査パターンの例を示した図である。
【図26】本実施形態の検査パターンの例を示した図である。
【符号の説明】
【0064】
1、2 金属素子
3 層間絶縁膜
4 コンタクトホール
5、C1、C2、C3 コンタクトチェーン
301、402、404、1002、1003、1010A、1010B、2501、2502、2503、2504 端部
401、501、601、701、801、1901 指定領域
901 非指定領域
1001 中心部
1004A、1004B 外側部
403、1401、1501、1502、1701、1801、1802 オープン部
1402、1503、1504、1703、1704 直前部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとの組み合わせによる導電路を検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成するステップと、
前記検査領域に電子線を照射することによって前記検査領域から放出される電子を検出するステップとを備える基板検査方法。
【請求項2】
前記電子線は、前記検査領域の中央部を含み、前記周辺部を除外した部分領域に照射される請求項1に記載の基板検査方法。
【請求項3】
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている請求項2に記載の基板検査方法。
【請求項4】
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に絶縁されて前記第2層に設けられている請求項3に記載の基板検査方法。
【請求項5】
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に接続されて前記第2層に設けられている請求項3に記載の基板検査方法。
【請求項6】
前記基板に対して3層以上に配線を積層するステップをさらに備える請求項4又は5に記載の基板検査方法。
【請求項7】
前記検査領域を前記基板上で素子が形成されていない未使用領域または非有効領域に配置するステップをさらに備える請求項6に記載の基板検査方法。
【請求項8】
基板と、前記基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとを備え、前記複数の第1導電素子と前記複数の第2導電素子と前記コンタクトホールとの組み合わせによる導電路は、検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成されている半導体装置。
【請求項9】
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとを備え、前記複数の第1導電素子と前記複数の第2導電素子と前記コンタクトホールとの組み合わせによる導電路は、検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成されている検査構造。
【請求項1】
基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとの組み合わせによる導電路を検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成するステップと、
前記検査領域に電子線を照射することによって前記検査領域から放出される電子を検出するステップとを備える基板検査方法。
【請求項2】
前記電子線は、前記検査領域の中央部を含み、前記周辺部を除外した部分領域に照射される請求項1に記載の基板検査方法。
【請求項3】
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている請求項2に記載の基板検査方法。
【請求項4】
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に絶縁されて前記第2層に設けられている請求項3に記載の基板検査方法。
【請求項5】
前記中央部には、前記導電路から電気的に切断された第2導電素子が前記基板から電気的に接続されて前記第2層に設けられている請求項3に記載の基板検査方法。
【請求項6】
前記基板に対して3層以上に配線を積層するステップをさらに備える請求項4又は5に記載の基板検査方法。
【請求項7】
前記検査領域を前記基板上で素子が形成されていない未使用領域または非有効領域に配置するステップをさらに備える請求項6に記載の基板検査方法。
【請求項8】
基板と、前記基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとを備え、前記複数の第1導電素子と前記複数の第2導電素子と前記コンタクトホールとの組み合わせによる導電路は、検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成されている半導体装置。
【請求項9】
前記導電路の前記周辺部に位置する端部は、前記基板に電気的に接続され、前記端部以外は、前記基板から電気的に絶縁されている請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
基板の第1層に配置された複数の第1導電素子と、前記基板の第2層に配置された複数の第2導電素子と、前記第1導電素子と前記第2導電素子とを前記第1層と前記第2層との間で接続するコンタクトホールとを備え、前記複数の第1導電素子と前記複数の第2導電素子と前記コンタクトホールとの組み合わせによる導電路は、検査領域の周辺部から中央部に至る経路に形成されている検査構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
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【図21】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2007−95822(P2007−95822A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280481(P2005−280481)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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