半導体装置の製造方法
【課題】トレンチゲート形成において、ペアスペースパターンの位置ずれの生じないパターン形成方法を提供する。
【解決手段】被加工層1上に、第3〜第1マスク層13,12,11を順次積層する。第1マスク層上に第4マスク層を形成し、第4マスク層をマスクにして第1マスク層をラインパターン形状に成形する。第1マスク層のライン幅方向両側に、サイドウオール層21aを形成してから第1マスク層を除去する。一対のサイドウオール層をマスクにして第2マスク層を一対のラインパターン形状に成形する。第3マスク層上に第5マスク層を形成し、第5マスク層をマスクにして一対の開口部を第3マスク層に設ける。第3マスク層をマスクにして被加工層に一対の溝部を設ける。
【解決手段】被加工層1上に、第3〜第1マスク層13,12,11を順次積層する。第1マスク層上に第4マスク層を形成し、第4マスク層をマスクにして第1マスク層をラインパターン形状に成形する。第1マスク層のライン幅方向両側に、サイドウオール層21aを形成してから第1マスク層を除去する。一対のサイドウオール層をマスクにして第2マスク層を一対のラインパターン形状に成形する。第3マスク層上に第5マスク層を形成し、第5マスク層をマスクにして一対の開口部を第3マスク層に設ける。第3マスク層をマスクにして被加工層に一対の溝部を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサイドウオールダブルパターニング法(サイドウオールDPT:Double Patterning Technology)を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程において、ウェハ上に回路パターンを形成する装置として光学式投影露光装置(以下露光機とする)が広く使われている。通常、露光機には複数の光学条件が設定できるようになっており、露光するパターンの大きさ、形状、配列などによって光学条件を決定する。例えば、パターン同士の集積度が低い疎のパターンに対してはコンベンショナル照明が使われ、DRAM(dynamic random access memory)のセル内のようなパターンの繰り返し性の高い密なパターンに対しては輪帯照明が使われることが多い。
【0003】
また、半導体装置の微細化、高性能化に伴い、回路上で使用されるパターンも多種多様になってきている。DRAMにおいても従来セル内では同形状のパターンが等間隔で繰り返されるものが主であったが、最近では繰り返し性が崩れたパターンも多く使用されるようになり、光学条件の最適化だけでは所望のパターンを形成することが困難になってきている。
繰り返し性が崩れたパターンを露光機により形成する場合、レチクルに形成されたパターンを透過する光強度分布は、パターン中心線に対し非対称となるため、ウェハ上に形成されたパターンは本来形成されるべき位置からずれてしまう可能性がある。
トレンチゲート型MOSトランジスタ(Tr)を備えたDRAMの製造工程において、トレンチゲートパターンをSi基板上に形成する場合にも上記非対称性起因の位置ズレが発生する。
【0004】
図16〜図20には、単純Line & Space(以下L&Sとする)パターンの形成方法を示す。この単純L&Sパターンの形成は、例えば、プレーナータイプのMOS−Trのゲート電極(ワード線)の形成に適用されている。単純L&SパターンをSi基板上に作成する方法としては、図16(a)に示すような所望のL&Sパターンを持つレチクル101を使用する。レチクル101は、石英基板にCr等のマスクパターンからなる遮光部101bが形成されて構成されている。図16に示すレチクル101は、透光部101aが露光光を通し、遮光部101bは露光光を遮光するものとなっている。レチクル101の透光部101aを通過した光強度分布は、図16(b)の符号102に示す波状の曲線となる。図16(b)において、横軸がレチクル101の幅方向の位置に対応し、縦軸は透過光の相対的な光強度に対応する。レチクル101上の透光部101aのパターンはL&Sであることから、光強度分布を示す曲線102は図16(c)に示すようにパターンの中心線Mに対して対称性を保った波形の繰り返しとなる。
【0005】
このようなレチクル101を用いてSi基板上にパターン形成するプロセスとしては、まず図17に示すように、Si基板103上にポジ型フォトレジスト104を塗布する。次に露光機によってレチクル101上のL&Sパターンをポジ型フォトレジスト104に露光する。レチクル101を通過した光強度分布の曲線102のうち、ある閾値TH10以上の光強度を持った位置に対応するポジ型フォトレジスト104は現像処理によって溶解し、閾値TH10未満の位置に対応するポジ型フォトレジスト104はSi基板103上に残る。これにより、図18に示すような、ライン幅L11、スペース幅S11の繰り返しL&Sパターン104aが形成される。
【0006】
次に、図19に示すように、形成されたL&Sパターン104aをマスクとして、Si基板103に対しSiエッチングを行う。次いで、図20に示すようにL&Sパターン104aを除去する。これにより、レチクル101のL&Sパターンに対応した溝パターン103aを有するSi基板103bが完成する。
【0007】
上記L&Sパターンにより、DRAMのメモリセルにおけるプレーナータイプのMOS−Trを形成する具体例について、図26〜図27を用いて説明する。
図26(a)は、DRAMメモリセル領域における活性領域131のレイアウトの一例を示す平面図である。活性領域131は、縦方向および横方向に規則的に配置されている。各々の活性領域131は、素子分離領域130で囲まれることにより互いに絶縁分離されている。図26(b)は、図26(a)のA−A断面を示している。活性領域131を囲む素子分離領域130は、シリコン基板に形成された溝を埋め込む絶縁膜で構成されている。
【0008】
図26に引き続き、図27は、メモリセル領域にMOS−Trを形成した状態を示している。(a)は平面図であり、(b)及び(c)は(a)の部分断面図である。図26で活性領域を形成した後、活性領域表面にゲート絶縁膜を形成し(図示なし)、図27(b)に示すように、シリコン(半導体)基板上全面にゲート電極材料132を形成する。その後、リソグラフィ法によりホトレジストマスクM101を形成する。ホトレジストマスクM101は、ラインL104、スペースS104からなるL&Sパターンで形成される。ラインL104とスペースS104は等間隔で形成される。次に、図27(c)に示すように、ホトレジストマスクM101を用いて、ゲート電極材料132をドライエッチングし、ゲート電極を形成する。ホトレジストマスクM101を除去した後、イオン注入法を用いてドレイン拡散層133とソース拡散層134、135を形成する。これにより、ゲート電極WL102、ソース拡散層134、ドレイン拡散層133からなるTr1とゲート電極WL103、ソース拡散層135、ドレイン拡散層133からなるTr2とが形成される。すなわち、一つの活性領域131にドレイン拡散層133を共通とする二つのプレーナゲート型MOSTrが形成される。図27(a)の平面図を参照すると、各ゲート電極は、複数の活性領域を横切る方向に跨って形成されており、ワード線WL101、WL102、WL103、WL104を構成している。各ワード線は、L104とS104が等しく、等間隔で配置されたL&Sパターンとなる。
【0009】
従来、上記プレーナゲート型MOS−Trが主流として用いられてきたが、近年、半導体素子の微細化に伴い、プレーナゲート型MOS−Trではゲート長(上記L104に相当)が短くなることに起因して短チャネル効果の問題が顕在化している。この問題を回避するために、実効チャネル長を長くすることができるトレンチゲート構造が用いられるようになってきた。以下、トレンチゲート型MOS−Trについて説明する。
【0010】
図28は、トレンチゲート型MOS−Trの製造方法を示す一連の断面図である。前述の図26において、素子分離領域130で囲まれた活性領域131を形成した後、図28(a)に示すように、ワード線を形成するL&Sパターンとは、LとSが反転したマスクパターンM202を用いて、活性領域内のシリコン基板をドライエッチングし、トレンチT1を形成する。この場合、トレンチT1の幅L204とマスクM202の幅は、同じ幅であり且つ等間隔となる。トレンチT1の形成において、素子分離領域130もドライエッチングされ、トレンチT2が形成される。次に、図28(b)に示すように、活性領域131の表面にゲート絶縁膜236を形成した後、全面にゲート電極材料232を形成する。
【0011】
次に、図28(c)に示すように、L204とS204が等しく、等間隔で配置され、ワード線に相当するマスクパターンM203を形成する。次に、図28(d)に示すように、マスクパターンM203をマスクとしてゲート電極材料232をドライエッチングし、ワード線WL201、WL202、WL203、WL204となるトレンチ型ゲート電極を形成する。その後、共通するドレイン拡散層233、ソース拡散層234および235を形成する。これにより、一つの活性領域にトレンチゲート型MOS−Tr3とTr4が形成される。トレンチゲート型Trでは、チャネル長を長くできるので短チャネル効果を回避できる。しかし、図28(d)に示したように、素子分離領域130もエッチングされる結果、WL201やWL204のワード線は、複数の活性領域の側壁237とゲート絶縁膜236のみを介して接することとなる。このためワード線の寄生容量が増加して半導体装置としての高速動作を阻害したり、ゲート絶縁膜236の耐圧不良が生じやすくなり隣接する活性領域間でソース同士がワード線を介してショートし誤動作したりする問題がある。
【0012】
上記トレンチゲート型MOS−Trにおける問題を回避するためには、図29の平面図に示したように、活性領域にのみ一対となるトレンチM321、M322およびM323、M324が形成され、素子分離領域にはトレンチが形成されないようなマスクを用いてトレンチを形成することが有効と考えられるが、この場合にはパターン配置の不均一性によるリソグラフィ特性が変化し、やはり正常な(設計上の)パターンを形成することが困難となる。以下、このリソグラフィにおける光学特性の変化について説明する。
【0013】
一対のトレンチを形成する際には、図21(a)に示すように、単純L&Sパターンのうち、3スペース中1スペースを削除したパターンを有するレチクル401が使用される。即ち、図21に示すレチクル401は、透光部401aが露光光を通し、遮光部401bは露光光を遮光するものとなっている。また、隣接する2つの透光部401aが組になり、この一対の透光部401aが、一つの活性領域内上に形成される一対のトレンチに対応するものとなっている。
また、一対の透光部401aの両側において、一点鎖線で囲まれて図示された部分は、例えば、隣接する活性領域同士の間のSTI分離領域に対応する部分となる。なお、この部分は、図16の単純L&Sパターンでは透光部が配置される部分に相当する。
【0014】
レチクル401の透光部401aを通過した光強度分布は、図21(b)の符号402に示す波状の曲線となる。図21(b)において、横軸がレチクル401の幅方向の位置に対応し、縦軸は透過光の相対的な光強度に対応する。光強度分布を示す曲線402は、単純L&Sパターンの場合とは異なり、非対称な波形の繰り返しとなる。即ち、図21(c)に示すように、閾値TH20以上の曲線402の形状は、パターンの中心線Mに対し非対称になる。
【0015】
このようなレチクル401を用いてSi基板上にトレンチのパターン形成するプロセスとしては、図22に示すように、Si基板403上にポジ型フォトレジスト404を塗布する。次に露光機によってレチクル401上のパターンをポジ型フォトレジスト404に露光する。レチクル401を通過した光強度分布の曲線402のうち、ある閾値TH20以上の光強度を持った位置に対応するポジ型フォトレジスト404は現像処理によって溶解し、閾値TH20未満の位置に対応するポジ型フォトレジスト404はSi基板403上に残る。これにより、図23に示すような、ライン幅L421、スペース幅S421の繰り返しパターン404aが形成される。
【0016】
次に、形成されたパターン404aをマスクとしてSi基板403に対しSiエッチングを行った後に、パターン404aを除去する。これにより、図24に示すトレンチのパターン403aを有するSi基板403bが完成する。
【0017】
しかし、最終的に形成されたSi基板403b上のトレンチのパターン403aにおける溝幅(スペース幅)S421を、図20における溝幅S11と同じになるように露光条件を調整した場合、ペアスペース間のライン幅L421は、図25に示すような本来所望するSi基板503上のペアスペース間ライン幅L431に対し広くなってしまう。これは、図21(b)または図21(c)で説明したパターン透過光の光強度の非対称性によるものであるが、このようなライン幅L421の拡大は、非対称性に起因する露光時のパターンの位置ずれにつながる。そして、このようなパターンの位置ずれは、上層であるゲート層等、他層との重ね合わせエラーの要因となり、回路動作に影響を及ぼす可能性がある。
【0018】
位置ずれを修正するためには、レチクル401のパターンの変更が必要になる。レチクル401のパターン修正には、費用、時間を要するだけではなく、位置ずれ量が露光時の照明条件やターゲットとするスペース寸法にも依存するために、シミュレーションによる位置補正量の見積りおよび実露光結果での確認が必要となり、容易には修正できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2001−156283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記の問題を解決するために、例えば特許文献1には、サイドウオールを用いたパターン形成方法が開示されているが、これら特許文献1に記載された技術によっても、露光時のパターンの位置ずれの問題は解消できていない。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を達成するために、本発明の、サイドウオールDPTを用いた半導体装置の製造方法は以下の構成を採用した。
即ち、本発明の半導体装置の製造方法は、被加工層上に、第3マスク層、第2マスク層、第1マスク層を順次積層する工程と、レチクルを用いたフォトリソグラフィによって、前記第1マスク層上にラインパターンからなる第4マスク層を形成する工程と、前記第4マスク層をマスクにして前記第1マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第1マスク層を前記第4マスク層のラインパターンに対応するラインパターン形状に成形する工程と、ラインパターン形状とされた前記第1マスク層のライン幅方向両側に、一対のサイドウオール層を形成してから、前記第1マスク層をエッチングして除去する工程と、前記一対のサイドウオール層をマスクにして前記第2マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第2マスク層を前記一対のサイドウオール層に対応する一対のラインパターン形状に成形する工程と、前記第2マスク層の成形に伴って露出された第3マスク層上に、前記第2マスク層とはエッチング選択比が異なる第5マスク層を形成する工程と、前記第2マスク層をエッチングにより除去してから、前記第5マスク層をマスクにして前記第3マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第2マスク層の一対のラインパターンに対応する一対の開口部を前記第3マスク層に設ける工程と、前記一対の開口部が設けられた前記第3マスク層をマスクにして前記被加工層を部分的にエッチングすることにより、前記被加工層に一対の溝部を設ける工程と、を具備してなることを特徴とする。
【0022】
上記の半導体装置の製造方法では、第4マスク層のラインパターンの幅方向両側に対応する位置に一対のサイドウオール層を形成し、この一対のサイドウオール層に対応する位置に第3マスク層の開口部を形成し、この開口部から露出する被加工層をエッチングすることで、被加工層に一対の溝部を設ける。このため、第4マスク層のラインパターンは、最終的には一対の溝部の間のラインパターンに対応するものとなる。このように上記の半導体装置の製造方法では、一対の溝部の間のラインパターンに対応する第4マスク層を形成すればよく、従来のように溝部の形状に対応するマスク層をフォトリソグラフィで形成する必要はない。従って、レチクルを用いて第4マスク層をフォトリソグラフィで加工する際に、レチクルにおけるパターンの間隔が広げられるので、透過光の非対称性の影響が少なくなり、設計通りのL&Sパターンを形成できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、非対称性に起因する露光時のパターンの位置ずれが生じるおそれがなく、設計通りの回路パターンを形成できる。また、本発明をトレンチゲート型MOSトランジスタの製造に適用した場合は、活性領域にのみトレンチゲート型のMOS−Trを形成することができ、素子分離領域にはトレンチが形成されないので、ワード線の寄生容量が増加して半導体装置としての高速動作を阻害したり、ゲート絶縁膜の耐圧不良が生じやすくなり隣接する活性領域間でソース同士がワード線を介してショートし誤動作したりする問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法によって製造された半導体基板の要部を示す図であって、(a)は平面模式図であり、(b)が断面模式図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法に用いられるレチクルの要部を示す平面模式図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図13】図13は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図14】図14は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図15】図15は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図16】図16は、従来の単純L&Sパターンの形成方法を説明する図であって、(a)はレチクルの要部を示す平面模式図であり、(b)はレチクルを透過した露光光の光強度分布を示すグラフであり、(c)は(b)の一部を拡大する拡大図である。
【図17】図17は、従来の単純L&Sパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図18】図18は、従来の単純L&Sパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図19】図19は、従来の単純L&Sパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図20】図20は、従来の単純L&Sパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図21】図21は、従来の一対のトレンチパターンの形成方法を説明する図であって、(a)はレチクルの要部を示す平面模式図であり、(b)はレチクルを透過した露光光の光強度分布を示すグラフであり、(c)は(b)の一部を拡大する拡大図である。
【図22】図22は、従来の一対のトレンチパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図23】図23は、従来の一対のトレンチパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図24】図24は、従来の一対のトレンチパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図25】図25は、従来の一対のトレンチパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図26】図26は、従来の半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)は平面図であり、(b)は断面模式図である。
【図27】図27は、従来の半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)は平面図であり、(b)及び(c)は断面模式図である。
【図28】図28は、従来の半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)〜(d)は一連の工程を示す断面模式図である。
【図29】図29は、従来の半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図30】図30は、本発明の第2の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)は平面図であり、(b)及び(c)は断面模式図である。
【図31】図31は、本発明の第2の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)〜(h)は一連の工程を示す断面模式図である。
【図32】図32は、本発明の第2の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)〜(c)は一連の工程を示す断面模式図であり、(d)は平面図である。
【図33】図33は、本発明の第2の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)は断面模式図であり、(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
「第1の実施形態」
以下、本発明の実施の第1の形態について、図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の半導体装置の製造方法によって得られる半導体基板の部分拡大図を示し、図2〜図15には、本実施形態の半導体装置の製造方法の工程図を示す。
【0026】
図1には、一対の溝部1aが設けられた半導体基板1を示す。図1に示す半導体基板1は、本実施形態の半導体装置の製造方法によって製造される。図1には、一対の溝部1aが2組形成されている。溝部1a同士の間には、ラインパターン1bが形成されている。
【0027】
また、これら一対の溝部1aの内面には、例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜が形成されるとともに、ゲート絶縁膜を覆うようにゲート電極が溝部1aに埋め込まれるようになっている。また、ゲート電極のゲート長方向両側の半導体基板にはソース領域及びドレイン領域となる不純物拡散領域が形成されるようになっている。このようにして、一対の溝部1aを有する半導体基板1には、トレンチゲート型MOS−Trが形成されるようになっている。また、一対の溝部1aは、一つの活性領域内に設けられるようになっている。
【0028】
以下、本実施形態の半導体装置の製造方法について詳細に説明する。
先ず、図2に示すようなレチクル2を用意する。レチクル2は、透明な石英基板にCr等のマスクパターンからなる遮光部2bが形成されて構成されている。図2に示すレチクル2は、透光部2aが露光光を通し、遮光部2bは露光光を遮光するものとなっている。遮光部2bの幅P1は、図1のラインパターン1bの幅L1に対応する大きさとなっている。また、遮光部2bのピッチP2は、図1のラインパターン1bのピッチL2に対応する大きさになっている。
【0029】
次に、図3に示すように、半導体基板1(被加工層)上に、第3マスク層13、第2マスク層12、第1マスク層11を順次積層する。各マスク層11、12,13は、被加工層1の全面に積層する。被加工層1としては、半導体基板が用いられる。特に、素子分離領域と活性領域とを有する半導体基板が用いられる。また、被加工層1として、半導体装置を構成する層間絶縁層なども用いられる。
第3マスク層13と第2マスク層12とはそれぞれ、エッチング耐性(エッチング速度を意味する)が相互に異なる材質からなることが好ましい。同様に第2マスク層12と第1マスク層11とはそれぞれ、エッチング耐性が相互に異なる材質からなることが好ましい。第3マスク層13と第1マスク層11は、エッチング耐性が相互に異なっていてもよいし、エッチング耐性が同じでもよい。第3マスク層13及び第1マスク層11の材質としてはそれぞれ、例えば酸化シリコン層を例示でき、第2マスク層12の材質は窒化シリコン層を例示できる。
【0030】
次に、第1マスク層11上にポジ型のフォトレジスト膜を積層してから、図2に示したレチクル2を用いてフォトレジスト膜を露光し、現像、溶解の一連の処理(フォトリソグラフィ)を行う。このようにして、レチクル2の遮光部2bのパターンに対応するラインパターンからなる第4マスク層14を形成する。
【0031】
次に、図4に示すように、第4マスク層14をマスクにして第1マスク層11を部分的にドライエッチングする。ドライエッチングは例えば、第2マスク層12(窒化シリコン)よりも第1マスク層11(酸化シリコン層)が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより、第1マスク層11に対するドライエッチングが第2マスク層12に達した時点で停止する。その後、図5に示すように、ポジ型フォトレジストからなる第4マスク層14をアッシング処理で剥離する。このようにして、第1マスク層11がラインパターン形状に成形加工される。
【0032】
次に、図6に示すように、第1マスク層11及び第2マスク層12を覆うように積層膜21を積層する。積層膜21の材質は、第1マスク層11及び第2マスク層とは相互にエッチング耐性の異なる材質を選択する。具体的には例えば、積層膜21をシリコン膜で形成する。積層膜21は、ラインパターン形状の第1マスク層11及び第2マスク層12からなる下地に対して均一な厚みでコンフォーマルに成膜する。積層膜21の成膜手段としては例えば、CVD法(chemical vapor deposition)が用いられる。
【0033】
次に、図7に示すように、積層膜21の全面を異方性エッチングする。異方性エッチングは、第1マスク層11及び第2マスク層12よりも積層膜21(シリコン膜)が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより積層膜21のみが異方性エッチングされ、その一部が第1マスク層11の幅方向両側に一対のサイドウオール層21aとなって残存する。
【0034】
次に、図8に示すように、第1マスク層11をエッチングにより除去する。このエッチングは、第2マスク層12及びサイドウオール層21aよりも第1マスク層11が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより第1マスク層11のみが除去される。
【0035】
次に、図9に示すように、一対のサイドウオール層21aをマスクにして、第2マスク層12を部分的にドライエッチングする。ドライエッチングは、サイドウオール層21a及び第3マスク層13よりも第2マスク層12(窒化シリコン)が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより、第2マスク層12に対するドライエッチングが、第3マスク層13に達した時点で停止する。このようにして、第2マスク層12を一対のサイドウオール層21aに対応する一対のラインパターン形状に成形加工する。
次いで、図10に示すように、サイドウオール層21aをエッチングで除去する。
【0036】
次に、図11に示すように、一対のラインパターン状に加工された第2マスク層12と第3マスク層13を覆うように、第5マスク層15を積層する。第5マスク層15の材質は、第2マスク層12とは相互にエッチング選択比(エッチング速度比)が異なり、且つ、被加工層1と同じ材質を選択する。具体的には例えば、第5マスク層15をシリコン膜で形成する。第5マスク層15は、ラインパターン形状の第2マスク層12及び第3マスク層13からなる下地に対して均一な厚みでコンフォーマルに成膜する。成膜手段としては例えば、CVD法(chemical vapor deposition)が用いられる。
【0037】
次に、図12に示すように、第5マスク層15の上面をCMPにより研磨する。CMPによる研磨は、第2マスク層12の上面が露出するまで行う。これにより、第3マスク層13上に、一対のラインパターン形状に成形された第2マスク層12と第5マスク層15とが積層される。第5マスク層15は、第2マスク層12が形成された部分以外の部分に形成される。言い換えると、第5マスク層15は、第2マスク層12のパターニングに伴って露出された第3マスク層13上に形成される。
【0038】
次に、図13に示すように、第2マスク層12をエッチングにより除去する。このときのエッチングは、第5マスク層15(シリコン膜)及び第3マスク層13(酸化シリコン)よりも第2マスク層12(窒化シリコン)が優先的にエッチングさえる条件で行う。これにより第2マスク層12のみがエッチングされる。第2マスク層12が除去されることによって、実質的に第5マスク層に開口部15aが形成され、開口部15aからは第3マスク層13の一部が露出した状態になる。
続いて、第5マスク層15をマスクにして、第3マスク層13を部分的にドライエッチングする。ドライエッチングは、例えば、被加工層1(シリコンからなる半導体基板)よりも第3マスク層(酸化シリコン)が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより、開口部15aが第3マスク層13まで貫通する。エッチングは、開口部15aが被加工層1に達した時点で停止する。このようにして、第5マスク層15をマスクにして第3マスク層13を部分的にエッチングすることにより、第2マスク層12の一対のラインパターンに対応する一対の開口部15aを第3マスク層13に形成する。
【0039】
次に、図14に示すように、一対の開口部15aが形成された第5マスク層15及び第3マスク層13をマスクにして、被加工層1を部分的にエッチングすることにより、被加工層1に一対の溝部1aを形成する。このとき、被加工層1と第5マスク層15の材質が同じなので、被加工層1のエッチングと同時に第5マスク層15がエッチングされて除去される。最終的には、残存した第3マスク層13が被加工層1のエッチングマスクとして機能する。
【0040】
最後に、図15に示すように、第3マスク層13をエッチングで除去する。このようにして、被加工層1に一対の溝部1aが設けられる。
【0041】
上記の半導体装置の製造方法では、第4マスク層14のラインパターンの幅方向両側に相当する位置に一対のサイドウオール層21aを形成し、この一対のサイドウオール層21aに相当する位置に開口部15aを形成し、この開口部15aから露出する被加工層1をエッチングすることで、被加工層1に一対の溝部1aを設ける。このため、第4マスク層14のラインパターンは、最終的には一対の溝部1aの間のラインパターン1bに対応するものとなる。このように上記の半導体装置の製造方法では、一対の溝部1aの間のラインパターン1bに対応する第4マスク層14を形成すればよく、従来のように溝部1aの形状に対応するマスク層をフォトリソグラフィで形成する必要はない。従って、レチクル2を用いて第4マスク層14をフォトリソグラフィで成形加工する際に、レチクル2における遮光部2bの間隔を広げられるので、透過光の非対称性の影響が少なくなり、設計通りのL&Sパターンを形成できる。
【0042】
また、上記の半導体装置の製造方法では、最終的には、サイドウオール層21aの形状が、被加工層1に設けられる一対の溝部1aの形状に反映される。一対のサイドウオール層21aは、第1マスク層11及び第2マスク層12を覆うように積層膜21を積層してから、積層膜21の全面を異方性エッチングすることで形成される。このような工程を経て形成された一対のサイドウオール層21a同士は、ほぼ同一の形状に形成される。従って、上記の半導体装置の製造方法では、サイドウオール層21aを前述の工程を経て形成することで、ほぼ同一形状の一対の溝部1aを形成できる。
【0043】
また、上記の半導体装置の製造方法では、一対のラインパターン状に成形された第2マスク層12と第3マスク層13を覆うように第5マスク層15を形成してから、第5マスク層15を研磨して第2マスク層12を露出させる。これにより、第3マスク層13上に、一対のラインパターン形状の第2マスク層12と第5マスク層15とが積層された状態になる。その後、第2マスク層12を除去することで第3マスク層13及び第5マスク層15に開口部15aが設けられる。このような工程を経ることで、サイドウオール層21aに対応する開口部15aを容易に形成できる。
【0044】
また、上記の半導体装置の製造方法では、第5マスク層15を被加工層1と同一の材質で構成し、被加工層1の部分的なエッチングと同時に第5マスク層15をエッチングで除去するので、第5マスク層15の除去工程を別途設けることが不要になり、工程を短縮できる。
【0045】
「第2の実施形態」
本実施形態では、サイドウオールDPTを用い、トレンチゲート型MOS−Trを有するDRAMのメモリセル形成方法について、図30〜33を用いて説明する。図30(a)、図32(d)、図33(b)はメモリセルの一部を抜き出した平面図である。図32(c)および図33(a)は、図32(d)の平面図に示したB−B断面図である。他の図面は、図30(a)の平面図に示したA−A断面図である。
なお、本実施形態ではトレンチの幅をリソグラフィの解像限界で規定される最小加工寸法(F値)が40nmの場合について説明する。
【0046】
まず、図30(a)の平面図に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板1上に、酸化シリコンからなる素子分離領域40に囲まれ、規則的に配置された複数の活性領域31を形成する。具体的には、本実施例のメモリセルは、素子分離領域40に囲まれた複数の長円形の活性領域31を、長円形の長径LLが延在する第1の方向(X方向)および第1の方向に交わる第2の方向(Y方向)に等間隔で繰り返し配置したものとする。より具体的には、複数の活性領域31が第2の方向(Y方向)に等間隔で繰り返し配置された活性領域群(31a、31b、31c)が第1の方向(X方向)に等間隔で繰り返し配置されたものである。すなわち、第1の方向(X方向)に等間隔で繰り返し配置された複数の活性領域群(31a、31b、31c)を有するものである。第1の方向(X方向)における各々の活性領域群(31a、31b、31c)の間隔はF値とされるものである。
【0047】
また、各々の活性領域31は、長径LL方向に第1の拡散層領域、第1のゲート電極領域、第2の拡散層領域、第2のゲート電極領域、第3の拡散層領域を備えるものである。すなわち、活性領域の中央には、第2の拡散層領域が位置し、第2の拡散層領域の左側に第1のゲート電極領域、さらに左側に第1の拡散層領域が配置され、第2拡散層領域の右側に第2のゲート電極領域、さらに右側に第3の拡散層領域が配置されるものである。これらの、長径LL方向に延在する第1の拡散層領域、第1のゲート電極領域、第2の拡散層領域、第2のゲート電極領域、第3の拡散層領域の各々の幅はF値の幅となっている。
【0048】
その後、図30(b)に示すように、例えば酸化シリコンからなる第3マスク層43、例えば窒化シリコンからなる第2マスク層42、例えば酸化シリコンからなる第1マスク層41を順次に全面に形成する。ここで、第1マスク層41の厚さは、少なくとも、後の工程で半導体基板に形成されるトレンチ(T3)の幅より厚いことが必要である。過剰に厚すぎても加工の精度を低下させる原因となるため、トレンチ(T3)の幅の2倍の寸法より薄いことが好ましく、トレンチ(T3)の幅の1.5倍の寸法より薄いことがより好ましい。
【0049】
次に、第1の実施形態と同様にして、リソグラフィ法により、ホトレジストからなり第1のパターンとなる第4マスク層M31を形成する。図30(a)に示したメモリセル領域においては、第2の方向(Y方向)に繰り返し配置された各々の活性領域31の長径LLの中心C1を結んだ直線C2をパターンの中心線とするラインパターンの一つが第1パターン(第4マスク層M31)に相当する。そして、第1の方向(X方向)に延在する各々の活性領域31ごとに、第1パターン(第4マスク層M31、M32、M33)を複数配置する。
また、第4マスク層M31〜M33の幅すなわちラインL5の幅はF値であり、最終的に形成されるトレンチ(T3)の幅40nmと等しくなるように形成する。第4マスク層M31および隣接する別の第4マスク層M32の間隔S5は、第4マスク層M31〜M33の各幅L5の5倍で5Fとなっている。すなわち、第1のパターン(第4マスク層M31、M32、M33)は、ピッチ(L5+S5)がラインL5の6倍で6Fとなる均等配置のL&Sパターンとなっている。
【0050】
次に、図30(c)に示すように、第4のマスク層M31をマスクとして第1マスク層41を異方性ドライエッチングし、第1のパターンを第1マスク層41に転写する。その後、第4マスク層M31をプラズマアッシングなどにより除去する。
次に、図31(a)に示すように、全面にシリコン膜51(積層膜)を形成する。シリコン膜51は、後で形成するトレンチの幅(T3)と同じ膜厚すなわち40nmで形成する。シリコン膜51はポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)でも構わないが、加工精度に影響を与える結晶粒界が存在しない非晶質シリコン膜であることが好ましい。モノシラン(SiH4)を原料ガスとする熱CVD法において、成膜温度を500〜540℃に維持することにより、非晶質シリコン膜を形成することができる。
【0051】
次に、図31(b)に示すように、ドライエッチング法によりシリコン膜51をエッチバックし、第1マスク層41の側壁にシリコン膜からなるサイドウオール層51aを形成する。シリコン膜51は膜厚40nmで形成しているので、サイドウオール層51aの最大幅も40nmとなる。
次に、図31(c)に示すように、第1マスク層41をフッ酸(HF)含有溶液により選択的にエッチングする。これにより、サイドウオール層51aからなる第2のパターンが形成される。第2のパターンは、後で形成されるトレンチ(T3)の位置に対応している。
次に、図31(d)に示すように、サイドウオール層51aをマスクとして窒化シリコン膜からなる第2のマスク層42を異方性ドライエッチングする。
【0052】
次に、図31(e)に示すように、マスクとして用いたサイドウオール層51aを選択的に除去する。サイドウオール層51aの選択的除去には、塩素含有ガスを用いた等方性プラズマエッチングなどを用いることができる。これにより、シリコン膜からなるサイドウオール層51aに形成された第2のパターンが第2マスク層42に転写される。
次に、図31(f)に示すように、全面にシリコン膜52(第5マスク層)を形成する。シリコン膜52も前述のサイドウオール層51aと同様に、ポリシリコンで形成することができるが、非晶質シリコンの方が好ましい。
次に、図31(g)に示すように、第2マスク層42上に形成されて凸状になっているシリコン膜52をCMP法により研磨し、第2マスク層42の表面を露出させる。
【0053】
次に、図31(h)に示すように、第2マスク層42を熱燐酸を用いて選択的に除去する。これにより、第2のマスク層42からなるラインパターンで構成されていた第2のパターンは、シリコン膜52内に形成された幅40nmの溝状パターンに変換される。溝状パターンの底部には酸化シリコン膜からなる第3マスク層43が露出する。
次に、図32(a)に示すように、シリコン膜52をマスクとして、溝状パターンの底部に露出している第3マスク層43をフッ素含有プラズマを用いた異方性ドライエッチングにより除去する。引き続いて、同一チャンバー内において、第3マスク層43の下に露出する基板1のシリコンを、塩素含有ガスプラズマに切り換えることにより異方性ドライエッチングし、一つの活性領域31内に幅40nmの二つのトレンチ(T3)を形成する。この時、素子分離領域40上には溝状パターンが存在しないのでトレンチが形成されることはない。なお、シリコン基板1の異方性ドライエッチングは別のチャンバーで行っても良い。また、シリコン基板1にトレンチ(T3)を形成している間に、マスクとして用いたシリコン膜52も同時にエッチングされるので、後の工程で除去する必要がない。トレンチ(T3)を形成した後、第3マスク層43をフッ酸含有溶液により除去し、活性領域31内のシリコン基板1の表面を露出させる。
【0054】
次に、図32(b)に示すように、トレンチ(T3)内を含み、露出しているシリコン基板表面にゲート絶縁膜53を形成し、さらにトレンチ(T3)が完全に埋まるようにゲート電極材料54を形成する。以下、従来技術で説明した図27や図28の方法を用いてゲート電極、すなわちワード線を形成することもできるが、本実施形態では、さらにサイドウオールDPT法を用いてワード線を形成する。
【0055】
図32(b)に示すように、ゲート電極材料54を全面に形成した後、図30(b)の場合と同様に、第2マスク層42、第1マスク層41を再度全面に形成する(図32(c))。ここでは、ラインパターンを形成すればよいので、第3マスク層43は不要となる。そして、リソグラフィ工程により、図32(c)に示すように、第1のパターンとなるホトレジストからなる第4マスク層M41、M42、M43を形成する。なお、図32(c)は、図32(d)に示した平面図のB−B断面に相当する断面図である。図32(d)を参照すると、第1のパターンとなる第4マスク層M41は、幅がF値であり、図30(a)に示したM31と同様に、第2の方向(Y方向)に繰り返し配置された各々の活性領域31の長径の中心を結んだ直線C2をパターンの中心線とするラインパターンであり、複数の活性領域31の中央をY方向に横切るように配置される。すなわち、図28に示したドレイン拡散層233に重なる位置に配置される。また、隣接する第4マスク層M42は、図32(d)において、M41から間隔S6(3F)だけ離れた位置に形成される。すなわち、中央の活性領域群の左端に位置するソース拡散層234をY方向に横切る位置に配置される。さらに、第4マスク層M43は、図32(d)において、M42から間隔S6(3F)だけ離れた位置に形成される。すなわち、中央の活性領域群の右端に位置するソース拡散層235をY方向に横切る位置に配置される。図32(c)には示していないが、第4マスク層M44は、図32(d)において、右側の活性領域群の中央、すなわちドレイン拡散層233を縦に横切る位置に配置され、M41と同じ位置関係となっている。すなわち、第1パターンM41、M42、M43およびM44は、各々のラインL5の幅がF値の40nmであり、ピッチ(L5+S6)はL5の4倍、すなわち4Fとなるように配置されたL&Sパターンとなる。
【0056】
図32(c)の構造を形成した後、図30(c)から図31(e)までの工程と同様の工程を経て第2のパターン42を形成し、それをマスクとしてゲート電極材料54を異方性ドライエッチングし、図33(a)に示すように、ゲート電極を兼ねるワード線WL1〜WL7を形成する。第1のパターンM41からは、その両側に接して二つの第2のパターン42が生成され、第2のパターン42に対応してWL2およびWL3が形成される。同様に、第1のパターンM42を基にしてWL4およびWL5が形成され、第1のパターンM43を基にしてWL6およびWL7が形成される。なお、ゲート電極材料54の加工のマスクとして用いる第2のパターン42、すなわち窒化シリコン膜からなる第2マスク層42は、ゲート電極を形成した後、除去することなく、ゲート電極の保護膜として残存させることができる。
各々のワード線を形成した後、第2マスク層42をマスクとしてイオン注入および熱処理を行なってドレイン拡散層33、ソース拡散層34および35を形成する。これにより、各々の活性領域内に、ドレイン拡散層33を共通とする二つのトレンチゲート型MOS−Tr(Tr1、Tr2)を形成することができる。この後、さらに、ゲート電極サイドウオールの形成、層間絶縁膜の形成、セルコンタクトプラグの形成、ビットコンタクトプラグおよびビット線の形成、容量コンタクトプラグおよび容量素子の形成などの工程を経ることにより、DRAMのメモリセル領域を形成することができる。
【0057】
本実施形態では、素子分離領域40に囲まれた複数の長円形の活性領域31が、長円形の長径が延在する第1の方向(X方向)および第1の方向に交わる第2の方向(Y方向)に等間隔で繰り返し配置されたメモリセル領域において、第2の方向に配置された各々の活性領域31の長径の中心を結んだ直線をパターンの中心線とするラインパターンを、第1の方向に延在する各々の活性領域ごとに複数配置する第1パターンとして形成し、各々のラインパターンを基にして、その両側に位置する二つの溝状パターンからなる第2のパターンを形成した後、第2のパターンに対応したトレンチを一つの活性領域31内に形成するので、素子分離領域40にトレンチを形成することなく、活性領域内にのみトレンチを形成することができる。
【0058】
また、第1のパターンは、一つのラインパターンの幅の6倍のピッチで均等配置されるL&Sパターンとなるため、リソグラフィの露光時における光学特性の劣化を生じることなく、ホトレジストからなる第1のパターン形成が可能となる。さらに、第2のパターンはCVD法で形成するシリコン膜のサイドウオールを用いて形成され、第2のパターンの幅はシリコン膜の膜厚で制御することができ高精度のパターン形成が可能となる。
本実施例においては、トレンチの形成のみならずワード線となるゲート電極の加工においてもサイドウオールDPTを用いている。この場合、第1のパターンは、ラインパターンのピッチをラインの幅の4倍とする均等配置のL&Sパターンで形成することができるので、リソグラフィの露光時における光学特性の劣化を生じることなく、ホトレジストからなる第1のパターン形成が可能となり高精度のパターンを形成することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…被加工層(半導体基板)、1a…溝部、2…レチクル、11、41…第1マスク層、12、42…第2マスク層、13、43…第3マスク層、14…第4マスク層、15、52…第5マスク層、15a…開口部、21、51…積層膜、21a、51a…サイドウオール層、40…素子分離領域、31…活性領域、54…ゲート電極材料、33…ドレイン拡散層、34、35…ソース拡散層、53…ゲート絶縁膜。
【技術分野】
【0001】
本発明はサイドウオールダブルパターニング法(サイドウオールDPT:Double Patterning Technology)を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程において、ウェハ上に回路パターンを形成する装置として光学式投影露光装置(以下露光機とする)が広く使われている。通常、露光機には複数の光学条件が設定できるようになっており、露光するパターンの大きさ、形状、配列などによって光学条件を決定する。例えば、パターン同士の集積度が低い疎のパターンに対してはコンベンショナル照明が使われ、DRAM(dynamic random access memory)のセル内のようなパターンの繰り返し性の高い密なパターンに対しては輪帯照明が使われることが多い。
【0003】
また、半導体装置の微細化、高性能化に伴い、回路上で使用されるパターンも多種多様になってきている。DRAMにおいても従来セル内では同形状のパターンが等間隔で繰り返されるものが主であったが、最近では繰り返し性が崩れたパターンも多く使用されるようになり、光学条件の最適化だけでは所望のパターンを形成することが困難になってきている。
繰り返し性が崩れたパターンを露光機により形成する場合、レチクルに形成されたパターンを透過する光強度分布は、パターン中心線に対し非対称となるため、ウェハ上に形成されたパターンは本来形成されるべき位置からずれてしまう可能性がある。
トレンチゲート型MOSトランジスタ(Tr)を備えたDRAMの製造工程において、トレンチゲートパターンをSi基板上に形成する場合にも上記非対称性起因の位置ズレが発生する。
【0004】
図16〜図20には、単純Line & Space(以下L&Sとする)パターンの形成方法を示す。この単純L&Sパターンの形成は、例えば、プレーナータイプのMOS−Trのゲート電極(ワード線)の形成に適用されている。単純L&SパターンをSi基板上に作成する方法としては、図16(a)に示すような所望のL&Sパターンを持つレチクル101を使用する。レチクル101は、石英基板にCr等のマスクパターンからなる遮光部101bが形成されて構成されている。図16に示すレチクル101は、透光部101aが露光光を通し、遮光部101bは露光光を遮光するものとなっている。レチクル101の透光部101aを通過した光強度分布は、図16(b)の符号102に示す波状の曲線となる。図16(b)において、横軸がレチクル101の幅方向の位置に対応し、縦軸は透過光の相対的な光強度に対応する。レチクル101上の透光部101aのパターンはL&Sであることから、光強度分布を示す曲線102は図16(c)に示すようにパターンの中心線Mに対して対称性を保った波形の繰り返しとなる。
【0005】
このようなレチクル101を用いてSi基板上にパターン形成するプロセスとしては、まず図17に示すように、Si基板103上にポジ型フォトレジスト104を塗布する。次に露光機によってレチクル101上のL&Sパターンをポジ型フォトレジスト104に露光する。レチクル101を通過した光強度分布の曲線102のうち、ある閾値TH10以上の光強度を持った位置に対応するポジ型フォトレジスト104は現像処理によって溶解し、閾値TH10未満の位置に対応するポジ型フォトレジスト104はSi基板103上に残る。これにより、図18に示すような、ライン幅L11、スペース幅S11の繰り返しL&Sパターン104aが形成される。
【0006】
次に、図19に示すように、形成されたL&Sパターン104aをマスクとして、Si基板103に対しSiエッチングを行う。次いで、図20に示すようにL&Sパターン104aを除去する。これにより、レチクル101のL&Sパターンに対応した溝パターン103aを有するSi基板103bが完成する。
【0007】
上記L&Sパターンにより、DRAMのメモリセルにおけるプレーナータイプのMOS−Trを形成する具体例について、図26〜図27を用いて説明する。
図26(a)は、DRAMメモリセル領域における活性領域131のレイアウトの一例を示す平面図である。活性領域131は、縦方向および横方向に規則的に配置されている。各々の活性領域131は、素子分離領域130で囲まれることにより互いに絶縁分離されている。図26(b)は、図26(a)のA−A断面を示している。活性領域131を囲む素子分離領域130は、シリコン基板に形成された溝を埋め込む絶縁膜で構成されている。
【0008】
図26に引き続き、図27は、メモリセル領域にMOS−Trを形成した状態を示している。(a)は平面図であり、(b)及び(c)は(a)の部分断面図である。図26で活性領域を形成した後、活性領域表面にゲート絶縁膜を形成し(図示なし)、図27(b)に示すように、シリコン(半導体)基板上全面にゲート電極材料132を形成する。その後、リソグラフィ法によりホトレジストマスクM101を形成する。ホトレジストマスクM101は、ラインL104、スペースS104からなるL&Sパターンで形成される。ラインL104とスペースS104は等間隔で形成される。次に、図27(c)に示すように、ホトレジストマスクM101を用いて、ゲート電極材料132をドライエッチングし、ゲート電極を形成する。ホトレジストマスクM101を除去した後、イオン注入法を用いてドレイン拡散層133とソース拡散層134、135を形成する。これにより、ゲート電極WL102、ソース拡散層134、ドレイン拡散層133からなるTr1とゲート電極WL103、ソース拡散層135、ドレイン拡散層133からなるTr2とが形成される。すなわち、一つの活性領域131にドレイン拡散層133を共通とする二つのプレーナゲート型MOSTrが形成される。図27(a)の平面図を参照すると、各ゲート電極は、複数の活性領域を横切る方向に跨って形成されており、ワード線WL101、WL102、WL103、WL104を構成している。各ワード線は、L104とS104が等しく、等間隔で配置されたL&Sパターンとなる。
【0009】
従来、上記プレーナゲート型MOS−Trが主流として用いられてきたが、近年、半導体素子の微細化に伴い、プレーナゲート型MOS−Trではゲート長(上記L104に相当)が短くなることに起因して短チャネル効果の問題が顕在化している。この問題を回避するために、実効チャネル長を長くすることができるトレンチゲート構造が用いられるようになってきた。以下、トレンチゲート型MOS−Trについて説明する。
【0010】
図28は、トレンチゲート型MOS−Trの製造方法を示す一連の断面図である。前述の図26において、素子分離領域130で囲まれた活性領域131を形成した後、図28(a)に示すように、ワード線を形成するL&Sパターンとは、LとSが反転したマスクパターンM202を用いて、活性領域内のシリコン基板をドライエッチングし、トレンチT1を形成する。この場合、トレンチT1の幅L204とマスクM202の幅は、同じ幅であり且つ等間隔となる。トレンチT1の形成において、素子分離領域130もドライエッチングされ、トレンチT2が形成される。次に、図28(b)に示すように、活性領域131の表面にゲート絶縁膜236を形成した後、全面にゲート電極材料232を形成する。
【0011】
次に、図28(c)に示すように、L204とS204が等しく、等間隔で配置され、ワード線に相当するマスクパターンM203を形成する。次に、図28(d)に示すように、マスクパターンM203をマスクとしてゲート電極材料232をドライエッチングし、ワード線WL201、WL202、WL203、WL204となるトレンチ型ゲート電極を形成する。その後、共通するドレイン拡散層233、ソース拡散層234および235を形成する。これにより、一つの活性領域にトレンチゲート型MOS−Tr3とTr4が形成される。トレンチゲート型Trでは、チャネル長を長くできるので短チャネル効果を回避できる。しかし、図28(d)に示したように、素子分離領域130もエッチングされる結果、WL201やWL204のワード線は、複数の活性領域の側壁237とゲート絶縁膜236のみを介して接することとなる。このためワード線の寄生容量が増加して半導体装置としての高速動作を阻害したり、ゲート絶縁膜236の耐圧不良が生じやすくなり隣接する活性領域間でソース同士がワード線を介してショートし誤動作したりする問題がある。
【0012】
上記トレンチゲート型MOS−Trにおける問題を回避するためには、図29の平面図に示したように、活性領域にのみ一対となるトレンチM321、M322およびM323、M324が形成され、素子分離領域にはトレンチが形成されないようなマスクを用いてトレンチを形成することが有効と考えられるが、この場合にはパターン配置の不均一性によるリソグラフィ特性が変化し、やはり正常な(設計上の)パターンを形成することが困難となる。以下、このリソグラフィにおける光学特性の変化について説明する。
【0013】
一対のトレンチを形成する際には、図21(a)に示すように、単純L&Sパターンのうち、3スペース中1スペースを削除したパターンを有するレチクル401が使用される。即ち、図21に示すレチクル401は、透光部401aが露光光を通し、遮光部401bは露光光を遮光するものとなっている。また、隣接する2つの透光部401aが組になり、この一対の透光部401aが、一つの活性領域内上に形成される一対のトレンチに対応するものとなっている。
また、一対の透光部401aの両側において、一点鎖線で囲まれて図示された部分は、例えば、隣接する活性領域同士の間のSTI分離領域に対応する部分となる。なお、この部分は、図16の単純L&Sパターンでは透光部が配置される部分に相当する。
【0014】
レチクル401の透光部401aを通過した光強度分布は、図21(b)の符号402に示す波状の曲線となる。図21(b)において、横軸がレチクル401の幅方向の位置に対応し、縦軸は透過光の相対的な光強度に対応する。光強度分布を示す曲線402は、単純L&Sパターンの場合とは異なり、非対称な波形の繰り返しとなる。即ち、図21(c)に示すように、閾値TH20以上の曲線402の形状は、パターンの中心線Mに対し非対称になる。
【0015】
このようなレチクル401を用いてSi基板上にトレンチのパターン形成するプロセスとしては、図22に示すように、Si基板403上にポジ型フォトレジスト404を塗布する。次に露光機によってレチクル401上のパターンをポジ型フォトレジスト404に露光する。レチクル401を通過した光強度分布の曲線402のうち、ある閾値TH20以上の光強度を持った位置に対応するポジ型フォトレジスト404は現像処理によって溶解し、閾値TH20未満の位置に対応するポジ型フォトレジスト404はSi基板403上に残る。これにより、図23に示すような、ライン幅L421、スペース幅S421の繰り返しパターン404aが形成される。
【0016】
次に、形成されたパターン404aをマスクとしてSi基板403に対しSiエッチングを行った後に、パターン404aを除去する。これにより、図24に示すトレンチのパターン403aを有するSi基板403bが完成する。
【0017】
しかし、最終的に形成されたSi基板403b上のトレンチのパターン403aにおける溝幅(スペース幅)S421を、図20における溝幅S11と同じになるように露光条件を調整した場合、ペアスペース間のライン幅L421は、図25に示すような本来所望するSi基板503上のペアスペース間ライン幅L431に対し広くなってしまう。これは、図21(b)または図21(c)で説明したパターン透過光の光強度の非対称性によるものであるが、このようなライン幅L421の拡大は、非対称性に起因する露光時のパターンの位置ずれにつながる。そして、このようなパターンの位置ずれは、上層であるゲート層等、他層との重ね合わせエラーの要因となり、回路動作に影響を及ぼす可能性がある。
【0018】
位置ずれを修正するためには、レチクル401のパターンの変更が必要になる。レチクル401のパターン修正には、費用、時間を要するだけではなく、位置ずれ量が露光時の照明条件やターゲットとするスペース寸法にも依存するために、シミュレーションによる位置補正量の見積りおよび実露光結果での確認が必要となり、容易には修正できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2001−156283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記の問題を解決するために、例えば特許文献1には、サイドウオールを用いたパターン形成方法が開示されているが、これら特許文献1に記載された技術によっても、露光時のパターンの位置ずれの問題は解消できていない。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を達成するために、本発明の、サイドウオールDPTを用いた半導体装置の製造方法は以下の構成を採用した。
即ち、本発明の半導体装置の製造方法は、被加工層上に、第3マスク層、第2マスク層、第1マスク層を順次積層する工程と、レチクルを用いたフォトリソグラフィによって、前記第1マスク層上にラインパターンからなる第4マスク層を形成する工程と、前記第4マスク層をマスクにして前記第1マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第1マスク層を前記第4マスク層のラインパターンに対応するラインパターン形状に成形する工程と、ラインパターン形状とされた前記第1マスク層のライン幅方向両側に、一対のサイドウオール層を形成してから、前記第1マスク層をエッチングして除去する工程と、前記一対のサイドウオール層をマスクにして前記第2マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第2マスク層を前記一対のサイドウオール層に対応する一対のラインパターン形状に成形する工程と、前記第2マスク層の成形に伴って露出された第3マスク層上に、前記第2マスク層とはエッチング選択比が異なる第5マスク層を形成する工程と、前記第2マスク層をエッチングにより除去してから、前記第5マスク層をマスクにして前記第3マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第2マスク層の一対のラインパターンに対応する一対の開口部を前記第3マスク層に設ける工程と、前記一対の開口部が設けられた前記第3マスク層をマスクにして前記被加工層を部分的にエッチングすることにより、前記被加工層に一対の溝部を設ける工程と、を具備してなることを特徴とする。
【0022】
上記の半導体装置の製造方法では、第4マスク層のラインパターンの幅方向両側に対応する位置に一対のサイドウオール層を形成し、この一対のサイドウオール層に対応する位置に第3マスク層の開口部を形成し、この開口部から露出する被加工層をエッチングすることで、被加工層に一対の溝部を設ける。このため、第4マスク層のラインパターンは、最終的には一対の溝部の間のラインパターンに対応するものとなる。このように上記の半導体装置の製造方法では、一対の溝部の間のラインパターンに対応する第4マスク層を形成すればよく、従来のように溝部の形状に対応するマスク層をフォトリソグラフィで形成する必要はない。従って、レチクルを用いて第4マスク層をフォトリソグラフィで加工する際に、レチクルにおけるパターンの間隔が広げられるので、透過光の非対称性の影響が少なくなり、設計通りのL&Sパターンを形成できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、非対称性に起因する露光時のパターンの位置ずれが生じるおそれがなく、設計通りの回路パターンを形成できる。また、本発明をトレンチゲート型MOSトランジスタの製造に適用した場合は、活性領域にのみトレンチゲート型のMOS−Trを形成することができ、素子分離領域にはトレンチが形成されないので、ワード線の寄生容量が増加して半導体装置としての高速動作を阻害したり、ゲート絶縁膜の耐圧不良が生じやすくなり隣接する活性領域間でソース同士がワード線を介してショートし誤動作したりする問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法によって製造された半導体基板の要部を示す図であって、(a)は平面模式図であり、(b)が断面模式図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法に用いられるレチクルの要部を示す平面模式図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図13】図13は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図14】図14は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図15】図15は、本発明の第1の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する断面模式図である。
【図16】図16は、従来の単純L&Sパターンの形成方法を説明する図であって、(a)はレチクルの要部を示す平面模式図であり、(b)はレチクルを透過した露光光の光強度分布を示すグラフであり、(c)は(b)の一部を拡大する拡大図である。
【図17】図17は、従来の単純L&Sパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図18】図18は、従来の単純L&Sパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図19】図19は、従来の単純L&Sパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図20】図20は、従来の単純L&Sパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図21】図21は、従来の一対のトレンチパターンの形成方法を説明する図であって、(a)はレチクルの要部を示す平面模式図であり、(b)はレチクルを透過した露光光の光強度分布を示すグラフであり、(c)は(b)の一部を拡大する拡大図である。
【図22】図22は、従来の一対のトレンチパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図23】図23は、従来の一対のトレンチパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図24】図24は、従来の一対のトレンチパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図25】図25は、従来の一対のトレンチパターンの製造方法を説明する断面模式図である。
【図26】図26は、従来の半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)は平面図であり、(b)は断面模式図である。
【図27】図27は、従来の半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)は平面図であり、(b)及び(c)は断面模式図である。
【図28】図28は、従来の半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)〜(d)は一連の工程を示す断面模式図である。
【図29】図29は、従来の半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図30】図30は、本発明の第2の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)は平面図であり、(b)及び(c)は断面模式図である。
【図31】図31は、本発明の第2の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)〜(h)は一連の工程を示す断面模式図である。
【図32】図32は、本発明の第2の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)〜(c)は一連の工程を示す断面模式図であり、(d)は平面図である。
【図33】図33は、本発明の第2の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、(a)は断面模式図であり、(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
「第1の実施形態」
以下、本発明の実施の第1の形態について、図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の半導体装置の製造方法によって得られる半導体基板の部分拡大図を示し、図2〜図15には、本実施形態の半導体装置の製造方法の工程図を示す。
【0026】
図1には、一対の溝部1aが設けられた半導体基板1を示す。図1に示す半導体基板1は、本実施形態の半導体装置の製造方法によって製造される。図1には、一対の溝部1aが2組形成されている。溝部1a同士の間には、ラインパターン1bが形成されている。
【0027】
また、これら一対の溝部1aの内面には、例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜が形成されるとともに、ゲート絶縁膜を覆うようにゲート電極が溝部1aに埋め込まれるようになっている。また、ゲート電極のゲート長方向両側の半導体基板にはソース領域及びドレイン領域となる不純物拡散領域が形成されるようになっている。このようにして、一対の溝部1aを有する半導体基板1には、トレンチゲート型MOS−Trが形成されるようになっている。また、一対の溝部1aは、一つの活性領域内に設けられるようになっている。
【0028】
以下、本実施形態の半導体装置の製造方法について詳細に説明する。
先ず、図2に示すようなレチクル2を用意する。レチクル2は、透明な石英基板にCr等のマスクパターンからなる遮光部2bが形成されて構成されている。図2に示すレチクル2は、透光部2aが露光光を通し、遮光部2bは露光光を遮光するものとなっている。遮光部2bの幅P1は、図1のラインパターン1bの幅L1に対応する大きさとなっている。また、遮光部2bのピッチP2は、図1のラインパターン1bのピッチL2に対応する大きさになっている。
【0029】
次に、図3に示すように、半導体基板1(被加工層)上に、第3マスク層13、第2マスク層12、第1マスク層11を順次積層する。各マスク層11、12,13は、被加工層1の全面に積層する。被加工層1としては、半導体基板が用いられる。特に、素子分離領域と活性領域とを有する半導体基板が用いられる。また、被加工層1として、半導体装置を構成する層間絶縁層なども用いられる。
第3マスク層13と第2マスク層12とはそれぞれ、エッチング耐性(エッチング速度を意味する)が相互に異なる材質からなることが好ましい。同様に第2マスク層12と第1マスク層11とはそれぞれ、エッチング耐性が相互に異なる材質からなることが好ましい。第3マスク層13と第1マスク層11は、エッチング耐性が相互に異なっていてもよいし、エッチング耐性が同じでもよい。第3マスク層13及び第1マスク層11の材質としてはそれぞれ、例えば酸化シリコン層を例示でき、第2マスク層12の材質は窒化シリコン層を例示できる。
【0030】
次に、第1マスク層11上にポジ型のフォトレジスト膜を積層してから、図2に示したレチクル2を用いてフォトレジスト膜を露光し、現像、溶解の一連の処理(フォトリソグラフィ)を行う。このようにして、レチクル2の遮光部2bのパターンに対応するラインパターンからなる第4マスク層14を形成する。
【0031】
次に、図4に示すように、第4マスク層14をマスクにして第1マスク層11を部分的にドライエッチングする。ドライエッチングは例えば、第2マスク層12(窒化シリコン)よりも第1マスク層11(酸化シリコン層)が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより、第1マスク層11に対するドライエッチングが第2マスク層12に達した時点で停止する。その後、図5に示すように、ポジ型フォトレジストからなる第4マスク層14をアッシング処理で剥離する。このようにして、第1マスク層11がラインパターン形状に成形加工される。
【0032】
次に、図6に示すように、第1マスク層11及び第2マスク層12を覆うように積層膜21を積層する。積層膜21の材質は、第1マスク層11及び第2マスク層とは相互にエッチング耐性の異なる材質を選択する。具体的には例えば、積層膜21をシリコン膜で形成する。積層膜21は、ラインパターン形状の第1マスク層11及び第2マスク層12からなる下地に対して均一な厚みでコンフォーマルに成膜する。積層膜21の成膜手段としては例えば、CVD法(chemical vapor deposition)が用いられる。
【0033】
次に、図7に示すように、積層膜21の全面を異方性エッチングする。異方性エッチングは、第1マスク層11及び第2マスク層12よりも積層膜21(シリコン膜)が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより積層膜21のみが異方性エッチングされ、その一部が第1マスク層11の幅方向両側に一対のサイドウオール層21aとなって残存する。
【0034】
次に、図8に示すように、第1マスク層11をエッチングにより除去する。このエッチングは、第2マスク層12及びサイドウオール層21aよりも第1マスク層11が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより第1マスク層11のみが除去される。
【0035】
次に、図9に示すように、一対のサイドウオール層21aをマスクにして、第2マスク層12を部分的にドライエッチングする。ドライエッチングは、サイドウオール層21a及び第3マスク層13よりも第2マスク層12(窒化シリコン)が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより、第2マスク層12に対するドライエッチングが、第3マスク層13に達した時点で停止する。このようにして、第2マスク層12を一対のサイドウオール層21aに対応する一対のラインパターン形状に成形加工する。
次いで、図10に示すように、サイドウオール層21aをエッチングで除去する。
【0036】
次に、図11に示すように、一対のラインパターン状に加工された第2マスク層12と第3マスク層13を覆うように、第5マスク層15を積層する。第5マスク層15の材質は、第2マスク層12とは相互にエッチング選択比(エッチング速度比)が異なり、且つ、被加工層1と同じ材質を選択する。具体的には例えば、第5マスク層15をシリコン膜で形成する。第5マスク層15は、ラインパターン形状の第2マスク層12及び第3マスク層13からなる下地に対して均一な厚みでコンフォーマルに成膜する。成膜手段としては例えば、CVD法(chemical vapor deposition)が用いられる。
【0037】
次に、図12に示すように、第5マスク層15の上面をCMPにより研磨する。CMPによる研磨は、第2マスク層12の上面が露出するまで行う。これにより、第3マスク層13上に、一対のラインパターン形状に成形された第2マスク層12と第5マスク層15とが積層される。第5マスク層15は、第2マスク層12が形成された部分以外の部分に形成される。言い換えると、第5マスク層15は、第2マスク層12のパターニングに伴って露出された第3マスク層13上に形成される。
【0038】
次に、図13に示すように、第2マスク層12をエッチングにより除去する。このときのエッチングは、第5マスク層15(シリコン膜)及び第3マスク層13(酸化シリコン)よりも第2マスク層12(窒化シリコン)が優先的にエッチングさえる条件で行う。これにより第2マスク層12のみがエッチングされる。第2マスク層12が除去されることによって、実質的に第5マスク層に開口部15aが形成され、開口部15aからは第3マスク層13の一部が露出した状態になる。
続いて、第5マスク層15をマスクにして、第3マスク層13を部分的にドライエッチングする。ドライエッチングは、例えば、被加工層1(シリコンからなる半導体基板)よりも第3マスク層(酸化シリコン)が優先的にエッチングされる条件で行う。これにより、開口部15aが第3マスク層13まで貫通する。エッチングは、開口部15aが被加工層1に達した時点で停止する。このようにして、第5マスク層15をマスクにして第3マスク層13を部分的にエッチングすることにより、第2マスク層12の一対のラインパターンに対応する一対の開口部15aを第3マスク層13に形成する。
【0039】
次に、図14に示すように、一対の開口部15aが形成された第5マスク層15及び第3マスク層13をマスクにして、被加工層1を部分的にエッチングすることにより、被加工層1に一対の溝部1aを形成する。このとき、被加工層1と第5マスク層15の材質が同じなので、被加工層1のエッチングと同時に第5マスク層15がエッチングされて除去される。最終的には、残存した第3マスク層13が被加工層1のエッチングマスクとして機能する。
【0040】
最後に、図15に示すように、第3マスク層13をエッチングで除去する。このようにして、被加工層1に一対の溝部1aが設けられる。
【0041】
上記の半導体装置の製造方法では、第4マスク層14のラインパターンの幅方向両側に相当する位置に一対のサイドウオール層21aを形成し、この一対のサイドウオール層21aに相当する位置に開口部15aを形成し、この開口部15aから露出する被加工層1をエッチングすることで、被加工層1に一対の溝部1aを設ける。このため、第4マスク層14のラインパターンは、最終的には一対の溝部1aの間のラインパターン1bに対応するものとなる。このように上記の半導体装置の製造方法では、一対の溝部1aの間のラインパターン1bに対応する第4マスク層14を形成すればよく、従来のように溝部1aの形状に対応するマスク層をフォトリソグラフィで形成する必要はない。従って、レチクル2を用いて第4マスク層14をフォトリソグラフィで成形加工する際に、レチクル2における遮光部2bの間隔を広げられるので、透過光の非対称性の影響が少なくなり、設計通りのL&Sパターンを形成できる。
【0042】
また、上記の半導体装置の製造方法では、最終的には、サイドウオール層21aの形状が、被加工層1に設けられる一対の溝部1aの形状に反映される。一対のサイドウオール層21aは、第1マスク層11及び第2マスク層12を覆うように積層膜21を積層してから、積層膜21の全面を異方性エッチングすることで形成される。このような工程を経て形成された一対のサイドウオール層21a同士は、ほぼ同一の形状に形成される。従って、上記の半導体装置の製造方法では、サイドウオール層21aを前述の工程を経て形成することで、ほぼ同一形状の一対の溝部1aを形成できる。
【0043】
また、上記の半導体装置の製造方法では、一対のラインパターン状に成形された第2マスク層12と第3マスク層13を覆うように第5マスク層15を形成してから、第5マスク層15を研磨して第2マスク層12を露出させる。これにより、第3マスク層13上に、一対のラインパターン形状の第2マスク層12と第5マスク層15とが積層された状態になる。その後、第2マスク層12を除去することで第3マスク層13及び第5マスク層15に開口部15aが設けられる。このような工程を経ることで、サイドウオール層21aに対応する開口部15aを容易に形成できる。
【0044】
また、上記の半導体装置の製造方法では、第5マスク層15を被加工層1と同一の材質で構成し、被加工層1の部分的なエッチングと同時に第5マスク層15をエッチングで除去するので、第5マスク層15の除去工程を別途設けることが不要になり、工程を短縮できる。
【0045】
「第2の実施形態」
本実施形態では、サイドウオールDPTを用い、トレンチゲート型MOS−Trを有するDRAMのメモリセル形成方法について、図30〜33を用いて説明する。図30(a)、図32(d)、図33(b)はメモリセルの一部を抜き出した平面図である。図32(c)および図33(a)は、図32(d)の平面図に示したB−B断面図である。他の図面は、図30(a)の平面図に示したA−A断面図である。
なお、本実施形態ではトレンチの幅をリソグラフィの解像限界で規定される最小加工寸法(F値)が40nmの場合について説明する。
【0046】
まず、図30(a)の平面図に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板1上に、酸化シリコンからなる素子分離領域40に囲まれ、規則的に配置された複数の活性領域31を形成する。具体的には、本実施例のメモリセルは、素子分離領域40に囲まれた複数の長円形の活性領域31を、長円形の長径LLが延在する第1の方向(X方向)および第1の方向に交わる第2の方向(Y方向)に等間隔で繰り返し配置したものとする。より具体的には、複数の活性領域31が第2の方向(Y方向)に等間隔で繰り返し配置された活性領域群(31a、31b、31c)が第1の方向(X方向)に等間隔で繰り返し配置されたものである。すなわち、第1の方向(X方向)に等間隔で繰り返し配置された複数の活性領域群(31a、31b、31c)を有するものである。第1の方向(X方向)における各々の活性領域群(31a、31b、31c)の間隔はF値とされるものである。
【0047】
また、各々の活性領域31は、長径LL方向に第1の拡散層領域、第1のゲート電極領域、第2の拡散層領域、第2のゲート電極領域、第3の拡散層領域を備えるものである。すなわち、活性領域の中央には、第2の拡散層領域が位置し、第2の拡散層領域の左側に第1のゲート電極領域、さらに左側に第1の拡散層領域が配置され、第2拡散層領域の右側に第2のゲート電極領域、さらに右側に第3の拡散層領域が配置されるものである。これらの、長径LL方向に延在する第1の拡散層領域、第1のゲート電極領域、第2の拡散層領域、第2のゲート電極領域、第3の拡散層領域の各々の幅はF値の幅となっている。
【0048】
その後、図30(b)に示すように、例えば酸化シリコンからなる第3マスク層43、例えば窒化シリコンからなる第2マスク層42、例えば酸化シリコンからなる第1マスク層41を順次に全面に形成する。ここで、第1マスク層41の厚さは、少なくとも、後の工程で半導体基板に形成されるトレンチ(T3)の幅より厚いことが必要である。過剰に厚すぎても加工の精度を低下させる原因となるため、トレンチ(T3)の幅の2倍の寸法より薄いことが好ましく、トレンチ(T3)の幅の1.5倍の寸法より薄いことがより好ましい。
【0049】
次に、第1の実施形態と同様にして、リソグラフィ法により、ホトレジストからなり第1のパターンとなる第4マスク層M31を形成する。図30(a)に示したメモリセル領域においては、第2の方向(Y方向)に繰り返し配置された各々の活性領域31の長径LLの中心C1を結んだ直線C2をパターンの中心線とするラインパターンの一つが第1パターン(第4マスク層M31)に相当する。そして、第1の方向(X方向)に延在する各々の活性領域31ごとに、第1パターン(第4マスク層M31、M32、M33)を複数配置する。
また、第4マスク層M31〜M33の幅すなわちラインL5の幅はF値であり、最終的に形成されるトレンチ(T3)の幅40nmと等しくなるように形成する。第4マスク層M31および隣接する別の第4マスク層M32の間隔S5は、第4マスク層M31〜M33の各幅L5の5倍で5Fとなっている。すなわち、第1のパターン(第4マスク層M31、M32、M33)は、ピッチ(L5+S5)がラインL5の6倍で6Fとなる均等配置のL&Sパターンとなっている。
【0050】
次に、図30(c)に示すように、第4のマスク層M31をマスクとして第1マスク層41を異方性ドライエッチングし、第1のパターンを第1マスク層41に転写する。その後、第4マスク層M31をプラズマアッシングなどにより除去する。
次に、図31(a)に示すように、全面にシリコン膜51(積層膜)を形成する。シリコン膜51は、後で形成するトレンチの幅(T3)と同じ膜厚すなわち40nmで形成する。シリコン膜51はポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)でも構わないが、加工精度に影響を与える結晶粒界が存在しない非晶質シリコン膜であることが好ましい。モノシラン(SiH4)を原料ガスとする熱CVD法において、成膜温度を500〜540℃に維持することにより、非晶質シリコン膜を形成することができる。
【0051】
次に、図31(b)に示すように、ドライエッチング法によりシリコン膜51をエッチバックし、第1マスク層41の側壁にシリコン膜からなるサイドウオール層51aを形成する。シリコン膜51は膜厚40nmで形成しているので、サイドウオール層51aの最大幅も40nmとなる。
次に、図31(c)に示すように、第1マスク層41をフッ酸(HF)含有溶液により選択的にエッチングする。これにより、サイドウオール層51aからなる第2のパターンが形成される。第2のパターンは、後で形成されるトレンチ(T3)の位置に対応している。
次に、図31(d)に示すように、サイドウオール層51aをマスクとして窒化シリコン膜からなる第2のマスク層42を異方性ドライエッチングする。
【0052】
次に、図31(e)に示すように、マスクとして用いたサイドウオール層51aを選択的に除去する。サイドウオール層51aの選択的除去には、塩素含有ガスを用いた等方性プラズマエッチングなどを用いることができる。これにより、シリコン膜からなるサイドウオール層51aに形成された第2のパターンが第2マスク層42に転写される。
次に、図31(f)に示すように、全面にシリコン膜52(第5マスク層)を形成する。シリコン膜52も前述のサイドウオール層51aと同様に、ポリシリコンで形成することができるが、非晶質シリコンの方が好ましい。
次に、図31(g)に示すように、第2マスク層42上に形成されて凸状になっているシリコン膜52をCMP法により研磨し、第2マスク層42の表面を露出させる。
【0053】
次に、図31(h)に示すように、第2マスク層42を熱燐酸を用いて選択的に除去する。これにより、第2のマスク層42からなるラインパターンで構成されていた第2のパターンは、シリコン膜52内に形成された幅40nmの溝状パターンに変換される。溝状パターンの底部には酸化シリコン膜からなる第3マスク層43が露出する。
次に、図32(a)に示すように、シリコン膜52をマスクとして、溝状パターンの底部に露出している第3マスク層43をフッ素含有プラズマを用いた異方性ドライエッチングにより除去する。引き続いて、同一チャンバー内において、第3マスク層43の下に露出する基板1のシリコンを、塩素含有ガスプラズマに切り換えることにより異方性ドライエッチングし、一つの活性領域31内に幅40nmの二つのトレンチ(T3)を形成する。この時、素子分離領域40上には溝状パターンが存在しないのでトレンチが形成されることはない。なお、シリコン基板1の異方性ドライエッチングは別のチャンバーで行っても良い。また、シリコン基板1にトレンチ(T3)を形成している間に、マスクとして用いたシリコン膜52も同時にエッチングされるので、後の工程で除去する必要がない。トレンチ(T3)を形成した後、第3マスク層43をフッ酸含有溶液により除去し、活性領域31内のシリコン基板1の表面を露出させる。
【0054】
次に、図32(b)に示すように、トレンチ(T3)内を含み、露出しているシリコン基板表面にゲート絶縁膜53を形成し、さらにトレンチ(T3)が完全に埋まるようにゲート電極材料54を形成する。以下、従来技術で説明した図27や図28の方法を用いてゲート電極、すなわちワード線を形成することもできるが、本実施形態では、さらにサイドウオールDPT法を用いてワード線を形成する。
【0055】
図32(b)に示すように、ゲート電極材料54を全面に形成した後、図30(b)の場合と同様に、第2マスク層42、第1マスク層41を再度全面に形成する(図32(c))。ここでは、ラインパターンを形成すればよいので、第3マスク層43は不要となる。そして、リソグラフィ工程により、図32(c)に示すように、第1のパターンとなるホトレジストからなる第4マスク層M41、M42、M43を形成する。なお、図32(c)は、図32(d)に示した平面図のB−B断面に相当する断面図である。図32(d)を参照すると、第1のパターンとなる第4マスク層M41は、幅がF値であり、図30(a)に示したM31と同様に、第2の方向(Y方向)に繰り返し配置された各々の活性領域31の長径の中心を結んだ直線C2をパターンの中心線とするラインパターンであり、複数の活性領域31の中央をY方向に横切るように配置される。すなわち、図28に示したドレイン拡散層233に重なる位置に配置される。また、隣接する第4マスク層M42は、図32(d)において、M41から間隔S6(3F)だけ離れた位置に形成される。すなわち、中央の活性領域群の左端に位置するソース拡散層234をY方向に横切る位置に配置される。さらに、第4マスク層M43は、図32(d)において、M42から間隔S6(3F)だけ離れた位置に形成される。すなわち、中央の活性領域群の右端に位置するソース拡散層235をY方向に横切る位置に配置される。図32(c)には示していないが、第4マスク層M44は、図32(d)において、右側の活性領域群の中央、すなわちドレイン拡散層233を縦に横切る位置に配置され、M41と同じ位置関係となっている。すなわち、第1パターンM41、M42、M43およびM44は、各々のラインL5の幅がF値の40nmであり、ピッチ(L5+S6)はL5の4倍、すなわち4Fとなるように配置されたL&Sパターンとなる。
【0056】
図32(c)の構造を形成した後、図30(c)から図31(e)までの工程と同様の工程を経て第2のパターン42を形成し、それをマスクとしてゲート電極材料54を異方性ドライエッチングし、図33(a)に示すように、ゲート電極を兼ねるワード線WL1〜WL7を形成する。第1のパターンM41からは、その両側に接して二つの第2のパターン42が生成され、第2のパターン42に対応してWL2およびWL3が形成される。同様に、第1のパターンM42を基にしてWL4およびWL5が形成され、第1のパターンM43を基にしてWL6およびWL7が形成される。なお、ゲート電極材料54の加工のマスクとして用いる第2のパターン42、すなわち窒化シリコン膜からなる第2マスク層42は、ゲート電極を形成した後、除去することなく、ゲート電極の保護膜として残存させることができる。
各々のワード線を形成した後、第2マスク層42をマスクとしてイオン注入および熱処理を行なってドレイン拡散層33、ソース拡散層34および35を形成する。これにより、各々の活性領域内に、ドレイン拡散層33を共通とする二つのトレンチゲート型MOS−Tr(Tr1、Tr2)を形成することができる。この後、さらに、ゲート電極サイドウオールの形成、層間絶縁膜の形成、セルコンタクトプラグの形成、ビットコンタクトプラグおよびビット線の形成、容量コンタクトプラグおよび容量素子の形成などの工程を経ることにより、DRAMのメモリセル領域を形成することができる。
【0057】
本実施形態では、素子分離領域40に囲まれた複数の長円形の活性領域31が、長円形の長径が延在する第1の方向(X方向)および第1の方向に交わる第2の方向(Y方向)に等間隔で繰り返し配置されたメモリセル領域において、第2の方向に配置された各々の活性領域31の長径の中心を結んだ直線をパターンの中心線とするラインパターンを、第1の方向に延在する各々の活性領域ごとに複数配置する第1パターンとして形成し、各々のラインパターンを基にして、その両側に位置する二つの溝状パターンからなる第2のパターンを形成した後、第2のパターンに対応したトレンチを一つの活性領域31内に形成するので、素子分離領域40にトレンチを形成することなく、活性領域内にのみトレンチを形成することができる。
【0058】
また、第1のパターンは、一つのラインパターンの幅の6倍のピッチで均等配置されるL&Sパターンとなるため、リソグラフィの露光時における光学特性の劣化を生じることなく、ホトレジストからなる第1のパターン形成が可能となる。さらに、第2のパターンはCVD法で形成するシリコン膜のサイドウオールを用いて形成され、第2のパターンの幅はシリコン膜の膜厚で制御することができ高精度のパターン形成が可能となる。
本実施例においては、トレンチの形成のみならずワード線となるゲート電極の加工においてもサイドウオールDPTを用いている。この場合、第1のパターンは、ラインパターンのピッチをラインの幅の4倍とする均等配置のL&Sパターンで形成することができるので、リソグラフィの露光時における光学特性の劣化を生じることなく、ホトレジストからなる第1のパターン形成が可能となり高精度のパターンを形成することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…被加工層(半導体基板)、1a…溝部、2…レチクル、11、41…第1マスク層、12、42…第2マスク層、13、43…第3マスク層、14…第4マスク層、15、52…第5マスク層、15a…開口部、21、51…積層膜、21a、51a…サイドウオール層、40…素子分離領域、31…活性領域、54…ゲート電極材料、33…ドレイン拡散層、34、35…ソース拡散層、53…ゲート絶縁膜。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工層上に、第3マスク層、第2マスク層、第1マスク層を順次積層する工程と、
レチクルを用いたフォトリソグラフィによって、前記第1マスク層上にラインパターンからなる第4マスク層を形成する工程と、
前記第4マスク層をマスクにして前記第1マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第1マスク層を前記第4マスク層のラインパターンに対応するラインパターン形状に成形する工程と、
ラインパターン形状とされた前記第1マスク層のライン幅方向両側に、一対のサイドウオール層を形成してから、前記第1マスク層をエッチングして除去する工程と、
前記一対のサイドウオール層をマスクにして前記第2マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第2マスク層を前記一対のサイドウオール層に対応する一対のラインパターン形状に成形する工程と、
前記第2マスク層の成形に伴って露出された第3マスク層上に、前記第2マスク層とはエッチング選択比が異なる第5マスク層を形成する工程と、
前記第2マスク層をエッチングにより除去してから、前記第5マスク層をマスクにして前記第3マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第2マスク層の一対のラインパターンに対応する一対の開口部を前記第3マスク層に設ける工程と、
前記一対の開口部が設けられた前記第3マスク層をマスクにして前記被加工層を部分的にエッチングすることにより、前記被加工層に一対の溝部を設ける工程と、
を具備してなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1マスク層をラインパターン形状に成形した後に、前記第1マスク層及び前記第2マスク層を覆うように積層膜を積層し、前記積層膜の全面を異方性エッチングすることにより、前記第1マスク層のライン幅方向両側に、前記積層膜の一部からなる前記一対のサイドウオール層を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第5マスク層を形成する工程において、一対のラインパターン状に成形された前記第2マスク層と前記第3マスク層を覆うように、前記第5マスク層を形成してから、前記第5マスク層の上面を研磨して前記第2マスク層を露出させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第5マスク層を前記被加工層と同一の材質で構成し、前記被加工層を部分的にエッチングすると同時に前記第5マスク層をエッチングすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記被加工層として半導体基板を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記被加工層として半導体基板を用い、前記半導体基板に設けられた前記一対の溝部の内面にゲート絶縁膜を成膜するとともに前記溝部にゲート電極を埋め込むことでトレンチゲートトランジスタを形成する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記一対の溝部を、前記半導体基板に設けられた活性領域内に設けることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
半導体基板上に、素子分離領域で囲まれた長円形の複数の活性領域を含み、前記長円形の長径方向を第1の方向とし、前記第1の方向に交わる第2の方向に前記複数の活性領域を等間隔で配置した少なくとも一つの活性領域群を形成する工程と、
前記半導体基板上の全面にマスク層を形成する工程と、
前記マスク層上に、前記活性領域群を構成する前記複数の活性領域に跨る一つのライン状の第1のパターンを形成する工程と、
前記第1のパターンを基にして前記マスク層を加工し、前記第1のパターンに接して両側の位置に二つの第2のパターンを形成する工程と、
前記第2のパターンをマスクとして、各々の活性領域内の半導体基板に二つのトレンチを形成する工程と、
前記トレンチにゲート電極を形成し、前記活性領域群を構成する各々の活性領域内に二つのトレンチゲート型MOSトランジスタを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1のパターンは、前記活性領域群を構成する複数の活性領域において、前記複数の活性領域の前記長径の中心を結んだ直線上に形成されることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記各々の活性領域は長径方向に第1の拡散層領域、第1のゲート電極領域、第2の拡散層領域、第2のゲート電極領域、第3の拡散層領域を備え、前記活性領域群を構成する前記複数の活性領域に跨る一つのライン状の第1のパターンは、前記第2の拡散層領域に対応する位置に形成されることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記活性領域群は、前記第1の方向に複数配置され、前記第1のパターンは、前記複数の活性領域群の各々において、前記長径の中心を結んだ直線上に一つずつ形成されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
リソグラフィの解像限界で決まる最小寸法をF値とした場合、前記各々の活性領域を構成する前記第1の拡散層領域、前記第1のゲート電極領域、前記第2の拡散層領域、前記第2のゲート電極領域、前記第3の拡散層領域における長径方向の幅は前記F値であり、前記複数の活性領域群に形成されるライン状の前記第1のパターンは、各々のラインの幅がF値であり、隣接するラインのピッチが6Fであることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1のパターンはリソグラフィで形成されるホトレジストパターンであることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1のパターンを基にして前記マスク層を加工し、前記第1のパターンに接して両側の位置に二つの第2のパターンを形成する工程は、
全面に第3マスク層、第2マスク層、第1マスク層を順次に形成する工程と、
前記第2の方向に複数配置された前記活性領域の前記第2の拡散層領域を覆うように、前記複数の活性領域に跨り、前記第2の方向に延在するライン状の第1のパターンからなる第4マスク層を前記第1マスク層上に形成する工程と、
前記第4マスク層をマスクとして前記第1マスク層をエッチングし、前記第1マスク層に前記第1のパターンを形成する工程と、
前記マスクとして用いた前記第4マスク層を除去する工程と、
全面にサイドウオール層を形成した後、エッチバックし前記第1のパターンが形成された前記第1マスク層の両側側壁にサイドウオールを形成すると同時に前記第1マスク層の上面を露出させる工程と、
前記上面が露出した第1マスク層を選択的に除去し、前記サイドウオールからなり、前記第1および第2のゲート電極領域に対応する一対の第2のパターンを形成する工程と、
前記サイドウオールからなる一対の第2のパターンをマスクとして前記第2のマスク層をエッチングし、前記第2のマスク層に前記第2のパターンを形成する工程と、
前記マスクとして用いた前記サイドウオールを除去する工程と、
全面に第5マスク層を形成し、前記第2マスク層上に形成された前記第5マスク層を除去して前記第2マスク層の上面を露出させる工程と、
前記上面が露出した第2マスク層を選択的に除去し、前記第5マスク層に、溝状の前記第2のパターンを形成する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
被加工層上に、第3マスク層、第2マスク層、第1マスク層を順次積層する工程と、
レチクルを用いたフォトリソグラフィによって、前記第1マスク層上にラインパターンからなる第4マスク層を形成する工程と、
前記第4マスク層をマスクにして前記第1マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第1マスク層を前記第4マスク層のラインパターンに対応するラインパターン形状に成形する工程と、
ラインパターン形状とされた前記第1マスク層のライン幅方向両側に、一対のサイドウオール層を形成してから、前記第1マスク層をエッチングして除去する工程と、
前記一対のサイドウオール層をマスクにして前記第2マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第2マスク層を前記一対のサイドウオール層に対応する一対のラインパターン形状に成形する工程と、
前記第2マスク層の成形に伴って露出された第3マスク層上に、前記第2マスク層とはエッチング選択比が異なる第5マスク層を形成する工程と、
前記第2マスク層をエッチングにより除去してから、前記第5マスク層をマスクにして前記第3マスク層を部分的にエッチングすることにより、前記第2マスク層の一対のラインパターンに対応する一対の開口部を前記第3マスク層に設ける工程と、
前記一対の開口部が設けられた前記第3マスク層をマスクにして前記被加工層を部分的にエッチングすることにより、前記被加工層に一対の溝部を設ける工程と、
を具備してなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1マスク層をラインパターン形状に成形した後に、前記第1マスク層及び前記第2マスク層を覆うように積層膜を積層し、前記積層膜の全面を異方性エッチングすることにより、前記第1マスク層のライン幅方向両側に、前記積層膜の一部からなる前記一対のサイドウオール層を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第5マスク層を形成する工程において、一対のラインパターン状に成形された前記第2マスク層と前記第3マスク層を覆うように、前記第5マスク層を形成してから、前記第5マスク層の上面を研磨して前記第2マスク層を露出させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第5マスク層を前記被加工層と同一の材質で構成し、前記被加工層を部分的にエッチングすると同時に前記第5マスク層をエッチングすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記被加工層として半導体基板を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記被加工層として半導体基板を用い、前記半導体基板に設けられた前記一対の溝部の内面にゲート絶縁膜を成膜するとともに前記溝部にゲート電極を埋め込むことでトレンチゲートトランジスタを形成する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記一対の溝部を、前記半導体基板に設けられた活性領域内に設けることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
半導体基板上に、素子分離領域で囲まれた長円形の複数の活性領域を含み、前記長円形の長径方向を第1の方向とし、前記第1の方向に交わる第2の方向に前記複数の活性領域を等間隔で配置した少なくとも一つの活性領域群を形成する工程と、
前記半導体基板上の全面にマスク層を形成する工程と、
前記マスク層上に、前記活性領域群を構成する前記複数の活性領域に跨る一つのライン状の第1のパターンを形成する工程と、
前記第1のパターンを基にして前記マスク層を加工し、前記第1のパターンに接して両側の位置に二つの第2のパターンを形成する工程と、
前記第2のパターンをマスクとして、各々の活性領域内の半導体基板に二つのトレンチを形成する工程と、
前記トレンチにゲート電極を形成し、前記活性領域群を構成する各々の活性領域内に二つのトレンチゲート型MOSトランジスタを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1のパターンは、前記活性領域群を構成する複数の活性領域において、前記複数の活性領域の前記長径の中心を結んだ直線上に形成されることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記各々の活性領域は長径方向に第1の拡散層領域、第1のゲート電極領域、第2の拡散層領域、第2のゲート電極領域、第3の拡散層領域を備え、前記活性領域群を構成する前記複数の活性領域に跨る一つのライン状の第1のパターンは、前記第2の拡散層領域に対応する位置に形成されることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記活性領域群は、前記第1の方向に複数配置され、前記第1のパターンは、前記複数の活性領域群の各々において、前記長径の中心を結んだ直線上に一つずつ形成されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
リソグラフィの解像限界で決まる最小寸法をF値とした場合、前記各々の活性領域を構成する前記第1の拡散層領域、前記第1のゲート電極領域、前記第2の拡散層領域、前記第2のゲート電極領域、前記第3の拡散層領域における長径方向の幅は前記F値であり、前記複数の活性領域群に形成されるライン状の前記第1のパターンは、各々のラインの幅がF値であり、隣接するラインのピッチが6Fであることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1のパターンはリソグラフィで形成されるホトレジストパターンであることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1のパターンを基にして前記マスク層を加工し、前記第1のパターンに接して両側の位置に二つの第2のパターンを形成する工程は、
全面に第3マスク層、第2マスク層、第1マスク層を順次に形成する工程と、
前記第2の方向に複数配置された前記活性領域の前記第2の拡散層領域を覆うように、前記複数の活性領域に跨り、前記第2の方向に延在するライン状の第1のパターンからなる第4マスク層を前記第1マスク層上に形成する工程と、
前記第4マスク層をマスクとして前記第1マスク層をエッチングし、前記第1マスク層に前記第1のパターンを形成する工程と、
前記マスクとして用いた前記第4マスク層を除去する工程と、
全面にサイドウオール層を形成した後、エッチバックし前記第1のパターンが形成された前記第1マスク層の両側側壁にサイドウオールを形成すると同時に前記第1マスク層の上面を露出させる工程と、
前記上面が露出した第1マスク層を選択的に除去し、前記サイドウオールからなり、前記第1および第2のゲート電極領域に対応する一対の第2のパターンを形成する工程と、
前記サイドウオールからなる一対の第2のパターンをマスクとして前記第2のマスク層をエッチングし、前記第2のマスク層に前記第2のパターンを形成する工程と、
前記マスクとして用いた前記サイドウオールを除去する工程と、
全面に第5マスク層を形成し、前記第2マスク層上に形成された前記第5マスク層を除去して前記第2マスク層の上面を露出させる工程と、
前記上面が露出した第2マスク層を選択的に除去し、前記第5マスク層に、溝状の前記第2のパターンを形成する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2010−80944(P2010−80944A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194581(P2009−194581)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]