説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】どのようなレイアウトの配線に対しても、個々の配線ごとにエアギャップ部を設ける。エアギャップ部によって、配線の寄生容量を低減する。
【解決手段】半導体装置は、層間絶縁膜と、層間絶縁膜内に埋め込まれた配線と、配線の側面と層間絶縁膜との間に設けられたエアギャップ部と、を有する。半導体装置の製造方法は、配線の側面上に第2のサイドウォール膜を形成した後、第2のサイドウォール膜の一部が露出するように第1の絶縁膜を形成する。次に、第2のサイドウォール膜を除去することによりサイドスペースを形成した後、サイドスペースが埋め込まれないように第2の絶縁膜を形成することによりサイドスペースから構成されるエアギャップ部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の微細化に伴い、回路を構成する配線も微細化され、配線抵抗が増大して回路の動作が遅延する問題が顕在化している。この問題を回避するために配線の高さを高くして断面積を増加させ、抵抗の低減を図る対策が考えられる。しかし、この場合、隣接配線における対向側面の面積が増大してしまい、配線の寄生容量が増加し、やはり回路の動作遅延をもたらす結果となる。
【0003】
特許文献1及び2(特開2004−193431号公報、特開2006−165129号公報)には、配線の寄生容量を低減する方法が開示されている。特許文献1及び2では、隣接配線の間隔が狭いことを利用して、段差被覆性(ステップカバレージ)が悪くなる条件で絶縁膜堆積を行なう方法を用いている。この方法を用いると段差被覆性が悪いため、隣接配線の各々の上部で絶縁膜が繋がり、配線間の中央部にボイドが形成される。このボイドを配線間のエアギャップ部として用いることができる。エアギャップ部は絶縁膜よりも誘電率が小さいため、配線の寄生容量を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−193431号公報
【特許文献2】特開2006−165129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1及び2に開示された従来技術によれば、隣接配線自体の物理形状を利用し段差被覆性を悪化させてボイドを発生させている。このため、ボイドは、配線を断面で見た場合の配線間の中央部分にしか発生させることができなかった。したがって、ボイドの形状は、隣接配線自体の物理形状に大きく依存するものとなっていた。例えば、配線間隔を広げるとボイドを発生させることはできなくなる。すなわち、上記従来技術では、一定範囲内にある間隔および高さを有する隣接配線にしか適用できないという問題があった。したがって、種々のレイアウトを有し、幅や高さの異なる全ての配線には適用できず、配線のレイアウトが著しく制限されるという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、どのようなレイアウトの配線に対しても、個々の配線ごとにエアギャップ部を構成するサイドスペースを形成して配線の寄生容量を低減できる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態は、
層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜内に埋め込まれた配線と、
前記配線の側面と層間絶縁膜との間に設けられたエアギャップ部と、
を有する半導体装置に関する。
【0008】
他の実施形態は、
層間絶縁膜と、
側面を有する配線であって、前記側面がエアギャップ部を介して前記層間絶縁膜と対向するように前記層間絶縁膜内に埋め込まれた配線と、
を有する半導体装置に関する。
【0009】
他の実施形態は、
所定平面上に設けられた複数の配線と、
隣り合う配線の側面と隣り合う配線の間に位置する前記所定平面で構成された複数の凹部と、
前記所定平面上に、前記複数の配線を覆うように設けられた層間絶縁膜と、
各凹部内において、前記層間絶縁膜と前記層間絶縁膜に対向する前記配線の側面との間に設けられた2つのエアギャップ部と、
を有する半導体装置に関する。
【0010】
他の実施形態は、
所定平面上に配線を形成する工程と、
前記所定平面上に第2のサイドウォール膜を形成する工程と、
エッチバックにより、前記配線の側面上に第2のサイドウォール膜を残留させる工程と、
第2のサイドウォール膜の一部が露出するように、前記所定平面上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2のサイドウォール膜を除去することによりサイドスペースを形成する工程と、
前記サイドスペースが第2の絶縁膜で埋め込まれないように、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成することにより、前記サイドスペースから構成されるエアギャップ部を形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0011】
他の実施形態は、
所定平面上に配線を形成する工程と、
前記所定平面上に第1のサイドウォール膜及び第2のサイドウォール膜をこの順に形成する工程と、
エッチバックにより、前記配線の側面上に第1及び第2のサイドウォール膜を残留させる工程と、
第2のサイドウォール膜の一部が露出するように、前記所定平面上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2のサイドウォール膜を除去することによりサイドスペースを形成する工程と、
前記サイドスペースが第2の絶縁膜で埋め込まれないように、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成することにより、前記サイドスペースから構成されるエアギャップ部を形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
様々なレイアウトの配線に対して、個々の配線ごとにエアギャップ部を設けることができる。エアギャップ部によって、配線の寄生容量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施例の半導体装置を説明する図である。
【図2】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図3】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図4】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図5】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図6】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図7】図6に対応する平面図である。
【図8】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図9A】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図9B】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図9C】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図10】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図11】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図12】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図13】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図14】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図15】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図16】図15に対応する平面図である。
【図17】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図18】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図19】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図20】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図21】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図22】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図23】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図24】図23に対応する平面図である。
【図25】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図26】図25に対応する平面図である。
【図27】第2実施例の半導体装置を説明する図である。
【図28】第3実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図29】第3実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図30】第3実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図31】第3実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図32】第3実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図33】第3実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図34】第3実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図35】第3実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図36】第3実施例の半導体装置を説明する図である。
【図37】第4実施例の半導体装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
半導体装置の一実施形態は、配線の側面と層間絶縁膜との間にエアギャップ部を有する。このエアギャップ部により、配線間の寄生容量を安定して低減することが出来る。半導体装置の他の実施形態は、隣り合う配線の側面と所定平面で構成された、複数の凹部を有する。各凹部内には層間絶縁膜が埋め込まれており、各凹部において、層間絶縁膜と、層間絶縁膜に対向する配線の側面との間には2つのエアギャップ部が設けられている。このように凹部ごとに2つのエアギャップ部を設けることにより、配線間の寄生容量をより効果的に低減することが出来る。
【0015】
また、半導体装置の製造方法では、配線サイズ並びにピッチを問わず、どのような配線でも、その側面部にエアギャップ部を形成することが可能である。
【0016】
以下では、図面を参照して、本発明の具体的な態様を説明する。なお、下記実施例は、本発明のより一層の深い理解のために示される具体例であって、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0017】
(第1実施例)
本実施例では、層間絶縁膜との間にエアギャップ部を設けた3層の配線を有する論理素子を例とする半導体装置に関するものである。図1の断面図を参照しながら、本実施例の半導体装置を説明する。
【0018】
図1に示すように、半導体基板1内に、素子分離領域2と拡散領域3を備えている。半導体基板1上には、ゲート絶縁膜4とゲート電極5とキャップ絶縁膜6を有するトランジスタが形成されており、トランジスタは層間絶縁膜7内に埋め込まれている。
【0019】
層間絶縁膜7上には第1の配線9とキャップ絶縁膜10が設けられており、第1の配線9とキャップ絶縁膜10は、エアギャップ部22を介して層間絶縁膜21と23内に埋め込まれている。層間絶縁膜21は第1の絶縁膜、層間絶縁膜23は第2の絶縁膜に相当する。第1の配線9と拡散領域3は、コンタクトプラグ8で接続されている。さらに、層間絶縁膜23上には、第2の配線13とキャップ絶縁膜14が設けられており、第2の配線13とキャップ絶縁膜14は、エアギャップ部27を介して層間絶縁膜26と28内に埋め込まれている。層間絶縁膜26は第1の絶縁膜、層間絶縁膜28は第2の絶縁膜に相当する。層間絶縁膜28上には、第3の配線17とキャップ絶縁膜18が設けられており、第3の配線17とキャップ絶縁膜18は、エアギャップ部32を介して層間絶縁膜31と33内に埋め込まれている。層間絶縁膜31は第1の絶縁膜、層間絶縁膜33は第2の絶縁膜に相当する。上記のように、高さの異なる位置に複数の配線が設けられる場合、第1及び第2の絶縁膜はそれぞれ、複数、存在する場合がある。
【0020】
本実施例の半導体装置は、上記のように互いに異なる高さに配置された第1の配線9、第2の配線13、第3の配線17を有する、3層配線構造を形成している。本実施例の半導体装置では、第1〜第3配線における個々の配線の側面に接するようにエアギャップ部22、27、32が設けられている。より具体的には、第1の配線9、第2の配線13、第3の配線17の左右の側面に接するようにそれぞれ、エアギャップ部22、27、32が設けられている。
【0021】
隣接配線として配線9a、9bに注目すると、配線間には配線9a、9bの側面に接してそれぞれエアギャップ部22a、22bが設けられ、各々のエアギャップ部22a、22bに挟まれた中央に、層間絶縁膜21が配置される構成となっている。したがって、隣接配線間は、各々の配線に接する2つのエアギャップ部と一つの層間絶縁膜からなる絶縁体で構成されている。前述のように、エアギャップ部の比誘電率はほぼ1となり、既存の固体絶縁膜に比べて大幅に誘電率を減少させることができる。これに対して、現在、low−k膜として実用化されている固体の低誘電率膜であっても、その比誘電率はせいぜい3程度である。
【0022】
また、個々のエアギャップ部は、一方の側面が、配線と、配線の上面に位置し配線の側面と同じ位置に側面を有するキャップ絶縁膜に接しており、他方の側面が対向する層間絶縁膜に接している。エアギャップ部の上面は、配線の上方に位置する層間絶縁膜と接し、下面は配線の下層となる層間絶縁膜7に接している。
【0023】
例えば、エアギャップ部22bに注目すると、一方の側面(図1中の右側の側面)は配線9bとキャップ絶縁膜10の側面に接しており、他方の側面(図1中の左側の側面)は配線間に位置する層間絶縁膜21の側面に接している。キャップ絶縁膜10の上面は、配線の上方に位置する層間絶縁膜23と接しており、下面は配線9と接している。
【0024】
視点を変えると、エアギャップ部22bは、配線9b、キャップ絶縁膜10、配線間に位置する層間絶縁膜21、配線の上方に位置する層間絶縁膜23、配線の下層に位置する層間絶縁膜7の各々で囲まれるように構成されている。エアギャップ部における、配線の側面の法線方向の幅は、上部の傾斜面を除いて一定であり、エアギャップ部は少なくとも配線の側面全体と接している。このエアギャップ部の、配線の側面の法線方向の幅は2〜200nmが好ましい。これにより、安定した形状のエアギャップ部を形成して、配線の寄生容量を効果的に低減することができる。
【0025】
図1の第1の絶縁膜から第2の絶縁膜に向かう第1の方向61において、配線間に位置してエアギャップ部に接する層間絶縁膜21の上面の位置は、第1の配線9の上面に位置するキャップ絶縁膜10の上面の位置よりも低くなるように構成されている。また、層間絶縁膜21の上面は、第1の配線9の上面よりも高い位置にあることが望ましい。この場合、第1の配線9の上面、層間絶縁膜21の上面、キャップ絶縁膜10の上面、及び層間絶縁膜23の上面の第1の方向61の位置関係は、第1の配線9の上面、層間絶縁膜21の上面、キャップ絶縁膜10の上面、層間絶縁膜23の上面の順に位置が高くなる。
【0026】
本実施例は、3層配線のいずれの配線についても同じ構成とすることができる。また、3層に限るものではなく、さらに多くの配線層を備えていても同様の構成とすることができる。
【0027】
本実施例の半導体装置によれば、隣接配線によって形成される物理的形状に影響されることなく、個々の配線に独立してエアギャップ部を設けることができる。このため、エアギャップ部を設けるための配線レイアウトを考慮する必要がない。したがって、配線の寄生抵抗を低減しつつ、配線レイアウトの自由度を向上させることが可能となる。
【0028】
半導体装置の配線レイアウトは、装置仕様によってサイズ、ピッチ共に多様であり、特に多層配線構造においては、各層で大幅に異なっている。従来技術では、特定のレイアウト配線に対してしか、配線間の寄生容量を低減するエアギャップ部を設けることができなかった。
【0029】
これに対して、本実施例では、いかなるレイアウトの配線構造であっても、配線の側壁に接するエアギャップ部を設けることができる。この結果、寄生容量を確実に低減する効果がある。
【0030】
次に、本実施例の半導体装置の製造方法について、図2〜26を参照しながら説明する。なお、図7は、図6の断面図に対応する1層目の配線形成後の平面図であり、図6は図7のA−A’方向の断面図に相当する。図16は、図15の断面図に対応する2層目の配線形成後の平面図であり、図15は図16のA−A’方向の断面図に相当する。同様に、図24は、図23の断面図に対応する3層目の配線形成後の平面図であり、図23は図24のA−A’方向の断面図に相当する。図1〜6、8〜15、17〜23、25の断面図は各平面図に共通するA−A’方向における断面(部分拡大図を含む)であり、図26は3層目の配線が形成された後の、図24のB−B’方向における断面図である。
【0031】
まず、図2に示すように、半導体基板1に、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁膜で構成された素子分離領域2と、リン(P)などのイオン注入法による拡散領域3を形成する。熱酸化法によるゲート絶縁膜4と、ポリシリコンやタングステン(W)などの導電膜であるゲート電極5と、窒化シリコン(SiN)等であるキャップ絶縁膜6を成膜し、ドライエッチングによってトランジスタのパターンを形成する。
【0032】
さらに、窒化シリコン(SiN)等の絶縁膜を成膜してエッチバックする。これにより、トランジスタパターンの側面部をサイドウォール膜6’が被覆して、キャップ絶縁膜6とサイドウォール膜6’によって囲まれたトランジスタが完成する。
【0033】
次に、トランジスタを埋め込むように、塗布絶縁材料(SOD:Spin On Dielectrics)等の層間絶縁膜7を形成してから、CMP[Chemical Mechanical Polishing]で層間絶縁膜7の平坦化を行う。層間絶縁膜7上へ塗布したフォトレジスト膜(図示せず)に露光と現像を行い、所望の拡散層3上で所望の形状の開孔(ホール)パターンを形成し、ドライエッチングを行うことで層間絶縁膜7内に第1開孔(図示せず)を形成する。タングステン(W)等の導電膜を用いて第1開孔の内部を埋め込んでCMP処理を行い、層間絶縁膜7上の導電膜を除去してコンタクトプラグ8を形成する。ここでコンタクトプラグ8は、拡散領域3と接続している。
【0034】
次に、層間絶縁膜7上の全面に、スパッタ法により形成する厚さ50nmのタングステン(W)膜と、PE−CVD法により形成する厚さ100nmの窒化シリコン(SiN)膜からなるキャップ絶縁膜10を順次、成膜する。その後、フォトリソグラフィとドライエッチング法により分離(パターニング)すると、キャップ絶縁膜10を上面に有する第1の配線9が形成される。このドライエッチングには異方性ドライエッチングを用いているので、キャップ絶縁膜10の側面と第1の配線9の側面は同一平面を構成している。第1の配線9は、タングステンに限らず、銅やアルミニウムなどの金属膜配線、シリコン上に金属膜を積層したポリメタル配線、シリコン上に金属シリサイド膜を積層したポリサイド配線であっても良い。
【0035】
さらに、配線間が埋まらないように全面にカーボン(C)からなるカバー膜20Aを形成する。カバー膜20Aは、良好なステップカバレージとなるように、熱反応のみを利用する下記条件のLP−CVD法により形成する。通常、カーボン膜の形成にはプラズマ反応を利用するCVD法が用いられるが、この場合、ステップカバレージが不良となり、後の工程で配線間を埋設するために形成する層間絶縁膜にボイドが発生してしまうため、好ましくない。
【0036】
(1)カーボン成膜のプロセス条件
方式:LP‐CVD法
圧力:120Torr
温度:550℃
プロセスガス(流量):エチレン[C24](1000sccm)/プロピレン[C36](2000sccm)
膜厚:15nm。
【0037】
次に、図3に示すように、カバー膜20Aを異方性ドライエッチングによりエッチバックすると、第1の配線9及びキャップ絶縁膜10の側面上にカバー膜20Aが残留して、カーボン膜からなる第2のサイドウォール膜20が形成される。第2のサイドウォール膜20はエッチバックにより形成するので、全ての配線の側面上に形成することができる。ここで、第1の配線9の間隔X1は50nmとした。上記のように、カバー膜20Aを厚さ15nmで形成しているので、第1の配線9の間の残りの間隔は20nmとなる。また、第1の配線9の厚さが50nmで、キャップ絶縁膜10の厚さが100nmであるので、配線間に形成される凹部のアスペクト比は150/20となり、およそ7程度の高いアスペクト比となる。
【0038】
次に、図4に示すように、下記条件のALD[Atomic Layer Deposition]法による酸化シリコンからなる層間絶縁膜21(第1の絶縁膜に相当する)を成膜して第1の配線9を埋設する。この時、ALD法は埋設性が良いため、上記のように高いアスペクト比を有する凹部であっても、隣接した配線間に空洞が発生しない状態で埋設することが可能である。層間絶縁膜21の形成には、ALD法による酸化シリコン膜のほか回転塗布法により形成する酸化シリコン膜を用いることもできる。
【0039】
(2)酸化シリコンのALD成膜プロセス条件
方式:ALD法
圧力:7Torr
温度:200℃
プロセスガス(流量):モノシラン[SiH4](300sccm)/酸素(500sccm)
バイアスパワー:500W。
【0040】
上記の条件において、シリコンの原料となるモノシランに代えて、トリスジメチルアミノシラン(3DMAS)などの有機シランを用いることもできる。また、酸素に代えてオゾンを酸化剤として用いることもできる。
【0041】
その後、CMPによって、キャップ絶縁膜10をストッパーとして、それより上に形成された層間絶縁膜21を除去する。これにより、配線間に形成されていた凹部は酸化シリコン膜で埋設される。
【0042】
次に、図5に示すように、エッチバックによって、第2のサイドウォール膜20の上端部が露出するまで隣接するキャップ絶縁膜10の側面に存在する層間絶縁膜21を除去する。この時、エッチバック後の層間絶縁膜21の上面が、第1の配線9の上面より高い位置に残存するようにエッチバックすることが好ましい。この理由は、エッチバック後の層間絶縁膜21の上面が、第1の配線9の上面よりも低くなると、後の工程で配線の側壁に形成されるサイドスペースの空間が減少し、寄生容量の低減効果が減少するからである。
【0043】
エッチバック後の層間絶縁膜21の上面を、第1の配線9の上面よりも高い位置に残存させるためには、第1の配線9の上面に形成されているキャップ絶縁膜10の膜厚を、カバー膜20Aの膜厚の2倍以上20倍以下の厚さとすることが好ましい。エッチバック後、カバー膜20Aの上面には傾斜が形成されるが、その傾斜部分の高さがカバー膜20Aの2倍となる。したがって、エッチバック後の層間絶縁膜21の上面を、第1の配線9の上面よりも高い位置に残存させた状態を維持しながら傾斜部分を全て露出させるためには、キャップ絶縁膜10の膜厚をカバー膜20Aの厚さの2倍以上とすることが好ましい。また、20倍よりも厚くなると、層間絶縁膜21が形成されている凹部にカバー膜20Aを埋設することが困難となる問題があるため、20倍以下とすることが好ましい。
【0044】
次に、図6に示すように、上端が露出している第2のサイドウォール膜20を除去する。第2のサイドウォール膜20はカーボン膜で構成されているので、酸素や水素だけでエッチング除去することが可能となる。本実施例では、下記条件に設定して、酸素ガスプラズマにより第2のサイドウォール膜20をドライエッチング除去した。
【0045】
(3)ドライエッチングのプロセス条件
方式:平行平板プラズマエッチング
圧力:20mTorr
温度:20℃
プロセスガス(流量):酸素(500 sccm)
バイアスパワー:500W。
【0046】
この際、フッ素や塩素などのハロゲンガスプラズマを用いないため、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、シリコン膜、金属膜などはエッチングされない。したがって、他の構造物の形状を損なうことなく、第2のサイドウォール膜20だけを高選択比で除去することができる。これにより、第1の配線9と層間絶縁膜21の間にサイドスペース22を精度よく形成することが出来る。このように、第1の配線9と層間絶縁膜21の間に幅が15nmのサイドスペース22を形成した。
【0047】
図7は、図6の段階における平面図を示している。図7の平面図に示すように、キャップ絶縁膜10の下層となっている全ての配線9の側面部には、サイドスペース22が形成されている。図7の平面図には横方向に長い配線、縦方向に長い配線、十字形状の配線および逆T字形状の配線が示されている。いずれの配線であっても配線の周囲にはサイドスペース22が形成されている。つまり、隣接する配線9の間隔、すなわち、配線のレイアウトによってサイドスペース22の形成状況が変動すること無く、全ての配線の側面上に安定して形成することが可能である。
【0048】
次に、図8に示すように、ステップカバレージの悪い下記条件のPE−CVD(Plasma Enhance−CVD)法により酸化シリコンからなる層間絶縁膜23を成膜する。
【0049】
(4)酸化シリコンの成膜プロセス条件
方式:PE−CVD法
圧力:3Torr
温度:400℃
プロセスガス(流量):モノシラン[SiH4](250sccm)/酸素(2000sccm)
バイアスパワー:450W。
【0050】
これにより、サイドスペース22を残したまま第1の配線9を埋設させることが出来、サイドスペースからなるエアギャップ部22を形成することができた。この理由は、サイドスペース22の開口部で酸化シリコンが庇形状になって成膜されるので、サイドスペース22の内部に成膜ガスが入り込めないためである。
【0051】
図9Aは図8における破線部を拡大したものであり、全ての配線の側面にエアギャップ部22が形成されていることを示している。また、ステップカバレージの悪い層間絶縁膜23を形成した時、エアギャップ部の、第1の絶縁膜から第2の絶縁膜に向う第1の方向61の上端(破線で囲まれた部分)に庇形状が形成される状態を示している。エアギャップ部の上端では、エアギャップ部22が上に先細りとなるように層間絶縁膜23が形成され、層間絶縁膜21の上面付近でエアギャップ部22が完全に塞がれる形状を示している。ステップカバレージの悪い膜はより高い部分に成膜粒子が吸着しやすい性質があるため、この部分での成膜が支配的となり、サイドスペースの内部にまで成膜粒子が拡散できなくなる。この結果、サイドスペース内はほとんど成膜されず、エアギャップ部となる空間を形成することができる。成膜の初期段階ではわずかにサイドスペース内への成膜粒子の拡散が生じて成膜が行われるが、サイドスペースの形状を変化させるほどではなく、実質的に無視できる程度である。
【0052】
図9Bは、ステップカバレージの悪い層間絶縁膜23を単層膜として厚く成膜した場合の断面形状を示している。層間絶縁膜23はステップカバレージの悪い膜なので、厚く形成するとキャップ絶縁膜10の段差に起因してボイド23cや新たな段差23dが発生し、後の工程の障害となる。したがって、通常、図9Bの断面形状で、CMP処理を施してボイド23cや段差23dを消滅させて表面を平坦化させる。この状態が図9Aの状態となる。また、平坦化した後にさらに別の絶縁膜を積層しても図9Aの状態となる。
【0053】
図9Cは、図9Aの状態とするための別な方法を示している。ステップカバレージの悪い絶縁膜23aの成膜をサイドスペース22の開口部が塞がった段階で停止する。その後、回転塗布法による酸化シリコン膜あるいはリフロー可能なBPSG膜を用いて、新たな絶縁膜23bを積層し、凹部を充填すると共に表面を平坦化することにより、図9Aに示す層間絶縁膜23とすることができる。
【0054】
図10に示すように、層間絶縁膜23上へ塗布したフォトレジスト膜(図示せず)に露光と現像を行い、所望の配線9上で所望の形状の開孔(ホール)パターンを形成する。この開孔(ホール)パターンを用いてドライエッチングを行うことで、層間絶縁膜23とキャップ絶縁膜10に第2開孔(図示せず)を形成する。タングステン(W)等の導電膜を用いて第2開孔を埋め込んで、CMP処理を行い、層間絶縁膜23上の導電膜を除去する。これにより、第1の配線9と接続するコンタクトプラグ24を形成する。
【0055】
図11に示すように、層間絶縁膜23上の全面に、スパッタ法により形成する厚さ300nmのタングステン(W)膜と、PE−CVD法により形成する厚さ150nmの窒化シリコン(SiN)膜からなるキャップ絶縁膜を順次、成膜する。その後、フォトリソグラフィとドライエッチング法により分離(パターニング)するとキャップ絶縁膜14を上面に有する第2の配線13が形成される。このドライエッチングには異方性ドライエッチングを用いているので、キャップ絶縁膜14の側面と第2の配線13の側面は同一平面を構成している。
【0056】
さらに、第2の配線間が埋まらないように全面にカーボン(C)からなるカバー膜25Aを形成する。カバー膜25Aは、良好なステップカバレージとなるように、熱反応のみを利用する図2と同じ条件のLP−CVD法により形成する。
【0057】
図12に示すように、カバー膜25Aを異方性ドライエッチングによりエッチバックすると、第2の配線13及びキャップ絶縁膜14の側面上にカバー膜25Aが残留して、カーボン膜からなる第2のサイドウォール膜25が形成される。第2のサイドウォール膜25はエッチバックにより形成するので、全ての配線の側面上に形成することができる。ここで、第2の配線13の間隔X2は100nmとした。上記のように、カバー膜25Aを厚さ15nmで形成しているので、第2の配線13の間の残りの間隔は70nmとなる。また、第2の配線13の厚さが300nmで、キャップ絶縁膜14の厚さが150nmであるので、第2の配線間に形成される凹部のアスペクト比は450/70となり、およそ6.4程度の高いアスペクト比となる。
【0058】
図13に示すように、図4と同じ条件のALD[Atomic Layer Deposition]法による酸化シリコンからなる層間絶縁膜26(第1の絶縁膜に相当する)を成膜して第2の配線13を埋設する。この時、ALD法は埋設性が良いため、隣接した第2の配線間に空洞が発生しない状態で埋設することが可能である。その後、CMPによって、キャップ絶縁膜14をストッパーとして、それより上に形成された層間絶縁膜26を除去する。これにより、第2の配線間に形成されていた凹部は酸化シリコン膜で埋設される。
【0059】
図14に示すように、エッチバックによって、第2のサイドウォール膜25の上端部が露出するまで、隣接するキャップ絶縁膜14の側面に存在する層間絶縁膜26を除去する。この時、配線の場合と同様の理由から、エッチバック後の層間絶縁膜26の上面が、第2の配線13の上面よりも高い位置に残存するようにエッチバックすることが好ましい。このためには、キャップ絶縁膜14の膜厚を、カバー膜25Aの膜厚の2倍以上20倍以下の厚さとすることが好ましい。
【0060】
図15に示すように、図6で示した条件のドライエッチングによって、第2のサイドウォール膜25を除去すると、第2の配線13と層間絶縁膜26の間にサイドスペース27を形成することが出来る。第2の配線13と層間絶縁膜26の間に開口部が狭いサイドスペース27を形成することが好ましい。開口部が狭いサイドスペース27を形成することによって、後の層間絶縁膜を形成する工程において、成膜ガスがサイドスペース27内に入り込んで、サイドスペース27内が完全に層間絶縁膜によって埋め込まれることを防止することができる。
【0061】
図16は、図15の段階における平面図を示している。図15の平面図に示すように、キャップ絶縁膜14の下層となっている第2の配線13の側面上には、全てサイドスペース27が形成されている。つまり、隣接する第2の配線13の間隔によってサイドスペース27の形成状況が変動すること無く、全ての配線側面部に安定して形成することが可能となる。
【0062】
図17に示すように、ステップカバレージの悪い図8と同じ条件のPE−CVD(Plasma Enhance−CVD)法により、酸化シリコンからなる層間絶縁膜28(第2の絶縁膜に相当する)を成膜する。これにより、サイドスペース27を残したまま第2の配線13を埋設させることが出来、サイドスペースからなるエアギャップ部27を形成することができた。この時、第1の配線9の場合と同様、第1の絶縁膜から第2の絶縁膜に向う第1の方向61において、第2の配線13の上面、層間絶縁膜26の上面、キャップ絶縁膜14の上面、層間絶縁膜28の上面の順に位置が高くなる。
【0063】
図18に示すように、層間絶縁膜28上へ塗布したフォトレジスト膜(図示せず)に露光と現像を行い、所望の第2の配線13上で所望の形状の開孔(ホール)パターンを形成する。この開孔(ホール)パターンを用いてドライエッチングを行うことで、層間絶縁膜28とキャップ絶縁膜14に第2開孔(図示せず)を形成する。タングステン(W)等の導電膜を用いて第2開孔を埋め込んだ後、CMP処理を行い、層間絶縁膜28上の導電膜を除去する。これにより、第2の配線13と接続するコンタクトプラグ29を形成する。
【0064】
図19に示すように、層間絶縁膜28上の全面に、スパッタ法により形成する厚さ300nmのアルミニウム(Al)膜と、PE−CVD法により形成する厚さ150nmの窒化シリコン(SiN)膜からなるキャップ絶縁膜を順次、成膜する。その後、フォトリソグラフィとドライエッチング法により分離(パターニング)するとキャップ絶縁膜18を上面に有する第3の配線17が形成される。キャップ絶縁膜18の側面と第3の配線17の側面は同一平面を構成している。さらに、第3の配線間が埋まらないように全面にカーボン(C)からなるカバー膜30Aを形成する。カバー膜30Aは、良好なステップカバレージとなるように、熱反応のみを利用する図2と同じ条件のLP−CVD法により形成する。
【0065】
図20に示すように、カバー膜30Aを異方性ドライエッチングによりエッチバックすると、第3の配線17及びキャップ絶縁膜18の側面上にカバー膜30Aが残留して、カーボン膜からなる第2のサイドウォール膜30が形成される。第2のサイドウォール膜30はエッチバックにより形成するので、全ての配線の側面上に形成することができる。ここで、第3の配線17の間隔X3は2000nmとした。上記のように、カバー膜30Aを厚さ15nmで形成しているので、第3の配線17の間の残りの間隔は1970nmとなる。また、第3の配線17の厚さが300nmで、キャップ絶縁膜18の厚さが150nmであるので、第3の配線間に形成される凹部のアスペクト比は450/1970となり、およそ0.23程度の低いアスペクト比となる。
【0066】
図21に示すように、図4と同じ条件のALD[Atomic Layer Deposition]法による酸化シリコンからなる層間絶縁膜31(第1の絶縁膜に相当する)を成膜して第3の配線17を埋設する。この時、ALD法は埋設性が良いため、隣接した第3の配線間に空洞が発生しない状態で埋設することが可能である。その後、CMPによって、キャップ絶縁膜18をストッパーとして、それより上に形成された層間絶縁膜31を除去する。これにより、第3の配線間に形成されていた凹部は酸化シリコン膜で埋設される。
【0067】
図22に示すように、エッチバックによって、サイドウォール膜30の上端部が露出するまで、隣接するキャップ絶縁膜18の側面に存在する層間絶縁膜31を除去する。この時、第1の配線の場合と同様の理由から、エッチバック後の層間絶縁膜31の上面が、第3の配線17の上面よりも高い位置に残存するようにエッチバックすることが好ましい。このためには、キャップ絶縁膜18の膜厚を、カバー膜30Aの膜厚の2倍以上20倍以下の厚さとすることが好ましい。
【0068】
図23に示すように、図6で示した条件のドライエッチングによって、第2のサイドウォール膜30を除去すると、第3の配線17と層間絶縁膜31の間にサイドスペース32を形成することが出来る。第3の配線17と層間絶縁膜31の間に開口部が狭いサイドスペース32を形成することにより、後の層間絶縁膜を形成する工程において、サイドスペース32内が完全に層間絶縁膜によって埋め込まれることを防止することができる。
【0069】
図24は、図23の段階における平面図を示している。図24の平面図に示すように、キャップ絶縁膜18の下層となっている第3の配線17の側面上には、全てサイドスペース32が形成されている。つまり、隣接する第3の配線17の間隔によってサイドスペース32の形成状況が変動すること無く、全ての配線の側面部に安定してサイドスペースを形成することが可能となる。
【0070】
図25に示すように、ステップカバレージの悪い図8と同じ条件のPE−CVD(Plasma Enhance−CVD)法により、酸化シリコンからなる層間絶縁膜33(第2の絶縁膜に相当する)を成膜する。これにより、サイドスペース32を残したまま第3の配線17を埋設させることが出来、サイドスペースからなるエアギャップ部32を形成することができた。また、第1の絶縁膜から第2の絶縁膜に向う第1の方向61において、第3の配線17の上面、層間絶縁膜31の上面、キャップ絶縁膜18の上面、層間絶縁膜33の上面の順に位置が高くなる。
【0071】
以上より、第1〜第3の配線を有し、各配線の側面上にはエアギャップ部が設けられた、半導体装置を設けることができた。図26は、図24のB−B’方向の断面図を表したものである。図26に示すように、第1〜第3の全ての配線の側面上には、エアギャップ部が形成されており、隣接する配線はサイドスペースによって層間絶縁膜から分離されている。
【0072】
このように本実施例では、配線サイズ並びにピッチを問わず、どのような配線においてもその側面部にエアギャップ部を形成することが可能である。その結果、配線間の寄生容量を安定して低減することが出来る。
【0073】
(第2実施例)
本実施例は、記憶素子を有する半導体装置に関するものである。以下、図27を参照しながら、本実施例を説明する。
【0074】
図27に示すように、半導体基板1は、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁膜で構成された素子分離領域2と、リン(P)などを拡散させた拡散領域3を備えている。半導体基板1上には、ゲート絶縁膜4とゲート電極5とキャップ絶縁膜6が積層され、さらにその側面部がサイドウォール膜6’で被覆されている。この半導体基板1、拡散領域3、ゲート絶縁膜4、ゲート電極5、キャップ絶縁膜6、及びサイドウォール膜6’からトランジスタが構成されている。図27中の左側に示された1つのトランジスタは第1のトランジスタ、右側に示された2つのトランジスタは第2のトランジスタに相当する。
【0075】
トランジスタが埋め込まれた層間絶縁膜7内には、コンタクトプラグ8が形成されており、拡散領域3に接続されている。層間絶縁膜34に形成されたコンタクトプラグ35は、ビットライン36とコンタクトプラグ8を接続しており、同様にコンタクトプラグ35’は、ビットライン36と拡散領域3を接続している。
【0076】
ビットライン36上には、キャップ絶縁膜37が積層されており、ビットライン36の側面と、層間絶縁膜38及び40との間には、エアギャップ部39が形成されている。
【0077】
ビットライン36のレイアウトは、トランジスタのレイアウトに規制される。このため、従来の配線間にエアギャップ部を形成する方法では、ビットライン間の間隔が安定的に空洞を形成できる寸法になることは稀である。これに対して本実施例の通り、空洞に代わるサイドスペースを各ビットラインの側面部に形成すれば、レイアウト状況に関わらずにビットライン36を分離することができる。この結果、ビットライン間の容量を安定して低減させることが可能となる。
【0078】
層間絶縁膜40上には、容量コンタクト42が形成されており、コンタクトプラグ41を介して、コンタクトプラグ8と接続されている。さらに層間絶縁膜40を被覆するように、ストッパ膜43及び層間絶縁膜44と44’が積層されている。各層間絶縁膜中に下部電極46と容量絶縁膜47と上部電極48が形成されている。また、下部電極46が倒壊しないようにサポート膜45と45’が下部電極46に接続されている。
【0079】
上部電極を埋設する層間絶縁膜49に形成されたコンタクトプラグ50は、配線51と上部電極48に接続されており、同様にコンタクトプラグ50’は配線51と配線36に接続されている。配線51上には、キャップ絶縁膜52が積層されており、配線51の側面と、層間絶縁膜53及び55との間には、エアギャップ部54が形成されている。
【0080】
配線51のレイアウトは、ビットライン36や下部電極46のレイアウトに規制される。このため、従来の配線間にエアギャップ部を形成する方法では、配線間の間隔が安定的に空洞を形成できる寸法になることは稀である。これに対して本実施例では、空洞に代わるサイドスペースを各配線の側面部に形成することができる。この結果、配線のレイアウトに関わらず配線51を分離できるので、配線間の寄生容量を安定して低減させることが可能となる。
【0081】
(第3実施例)
本実施例は第1実施例の変形例であり、配線の側面に接するように第1のサイドウォール膜を有し、この第1のサイドウォール膜と層間絶縁膜との間にエアギャップ部を有する点が、第1実施例とは異なる。
【0082】
以下、図28〜35を参照しながら、本実施例の半導体装置の製造方法を説明する。なお、図28〜35は全て、第1実施例の図1〜6、8、10〜15、17〜23及び25に対応する方向の断面図である。
【0083】
図28に示すように、半導体基板1に、絶縁膜で構成された素子分離領域2と、イオン注入法による拡散領域3を形成する。熱酸化法によるゲート絶縁膜4と、導電膜であるゲート電極5と、窒化シリコン(SiN)等であるキャップ絶縁膜6を成膜し、ドライエッチングによってトランジスタのパターンを形成する。さらに、窒化シリコン(SiN)等の絶縁膜を成膜してエッチバックする。これにより、トランジスタパターンの側面部をサイドウォール膜6’が被覆して、キャップ絶縁膜6とサイドウォール膜6’によって囲まれたトランジスタが完成する。
【0084】
次に、トランジスタを埋め込むように、塗布絶縁材料(SOD:Spin On Dielectrics)等の層間絶縁膜7を形成してから、CMP[Chemical Mechanical Polishing]で層間絶縁膜7の平坦化を行う。層間絶縁膜7上へ塗布したフォトレジスト膜(図示せず)に露光と現像を行い、所望の拡散層3上で所望の形状の開孔(ホール)パターンを形成し、ドライエッチングを行うことで層間絶縁膜7内に第1開孔(図示せず)を形成する。タングステン(W)等の導電膜を用いて第1開孔の内部を埋め込んでCMP処理を行い、層間絶縁膜7上の導電膜を除去してコンタクトプラグ8を形成する。ここでコンタクトプラグ8は、拡散領域3と接続している。
【0085】
次に、層間絶縁膜7上の全面に、スパッタ法により形成する厚さ50nmのタングステン(W)膜と、PE−CVD法により形成する厚さ100nmの窒化シリコン(SiN)膜からなるキャップ絶縁膜10を順次、成膜する。その後、フォトリソグラフィとドライエッチング法により分離(パターニング)するとキャップ絶縁膜10を上面に有する第1の配線9が形成される。このドライエッチングには異方性ドライエッチングを用いているので、キャップ絶縁膜10の側面と第1の配線9の側面は同一平面を構成している。
【0086】
この後、PE−CVD法による窒化シリコン(SiN)等を成膜してからエッチバックする。これにより、第1の配線9及びキャップ絶縁膜10の側面上に窒化シリコンが残留して、第1のサイドウォール膜10’が形成される。
【0087】
次に、図29に示すように、配線間が埋まらないように全面にカーボン(C)からなるカバー膜20Aを形成する。カバー膜20Aは、良好なステップカバレージとなるように、熱反応のみを利用する図2と同じ条件のLP−CVD法により形成する。
【0088】
次に、図30に示すように、カバー膜20Aを異方性ドライエッチングによりエッチバックすると、第1のサイドウォール膜10’及びキャップ絶縁膜10の側面上にカバー膜20Aが残留して、カーボン膜からなる第2のサイドウォール膜20が形成される。第2のサイドウォール膜20はエッチバックにより形成するので、全ての配線の側面上に形成することができる。
【0089】
次に、図31に示すように、図4と同じ条件のALD[Atomic Layer Deposition]法による酸化シリコンからなる層間絶縁膜21を成膜して第1の配線9を埋設する。この時、ALD法は埋設性が良いため、隣接した配線間に空洞が発生しない状態で埋設することが可能である。その後、CMPによって、キャップ絶縁膜10をストッパーとして、それより上に形成された層間絶縁膜21を除去する。これにより、配線間に形成されていた凹部は酸化シリコン膜で埋設される。
【0090】
次に、図32に示すように、エッチバックによって、第2のサイドウォール膜20の上端部が露出するまで隣接するキャップ絶縁膜10の側面に存在する層間絶縁膜21を除去する。この時、エッチバック後の層間絶縁膜21の上面が、第1の配線9の上面より高い位置に残存するようにエッチバックすることが好ましい。
【0091】
図33に示すように、図6で示した条件のドライエッチングによって、第2のサイドウォール膜20を除去すると、第1のサイドウォール膜10’を設けた第1の配線9と層間絶縁膜21の間にサイドスペース22を形成することが出来る。このように第1のサイドウォール膜10’を設けることで、第1実施例と比べて、第1の配線9と層間絶縁膜21を隔てるように開口部が狭いサイドスペース22を形成することができる。また、第1の配線9は第1のサイドウォール膜10'で被覆されているため、第2のサイドウォール膜20の除去時にエッチングガスである酸素に曝されることが無くなる。この結果、第1の配線9の表面酸化を防止でき、図6に示した構造よりも有利となる。
【0092】
図34に示すように、図8の条件に設定したPE−CVD(Plasma Enhance−CVD)法により酸化シリコンからなる層間絶縁膜23を成膜する。これにより、サイドスペース22を残したまま第1の配線9を埋設させることが出来、サイドスペースからなるエアギャップ部22を形成することができた。この理由は、サイドスペース22の開口部で酸化シリコンが庇形状になって成膜されるので、サイドスペース22の内部に成膜ガスが入り込めないためである。
【0093】
図35は、図34の破線部を拡大したものである。図34より、第1のサイドウォール膜10’の全ての側面に、エアギャップ部22が形成されていることが分かる。エアギャップ部22の、第1の配線9の側面の法線方向60の幅は、2〜200nmであることが好ましい。
【0094】
以下は、図10〜26と同様の方法によって、第1の配線9の上方に、第2の配線13及び第3の配線17を形成する。以下、その概略を説明する。層間絶縁膜23とキャップ絶縁膜10に第2開孔を形成する。導電膜を用いて第2開孔を埋め込むことにより、第1の配線9と接続するコンタクトプラグ24を形成する。
【0095】
層間絶縁膜23上の全面に、スパッタ法によりタングステン(W)膜と、PE−CVD法によりキャップ絶縁膜を順次、成膜する。その後、フォトリソグラフィとドライエッチング法により分離(パターニング)するとキャップ絶縁膜14を上面に有する第2の配線13が形成される。
【0096】
この後、PE−CVD法による窒化シリコン(SiN)等を成膜してからエッチバックする。これにより、第2の配線13及びキャップ絶縁膜14の側面上に窒化シリコンが残留して、第1のサイドウォール膜14’が形成される。
【0097】
次に、配線間が埋まらないように全面にカーボン(C)からなるカバー膜を形成する。カバー膜を異方性ドライエッチングによりエッチバックすると、第1のサイドウォール膜14’及びキャップ絶縁膜14の側面上にカバー膜が残留して、カーボン膜からなる第2のサイドウォール膜が形成される。第2のサイドウォール膜はエッチバックにより形成するので、全ての配線の側面上に形成することができる。
【0098】
ALD[Atomic Layer Deposition]法により層間絶縁膜26を成膜して第2の配線13を埋設する。その後、CMPによって、キャップ絶縁膜14をストッパーとして、それより上に形成された層間絶縁膜26を除去する。これにより、第2の配線間に形成されていた凹部は酸化シリコン膜で埋設される。
【0099】
エッチバックによって、第2のサイドウォール膜の上端部が露出するまで、隣接するキャップ絶縁膜14の側面に存在する層間絶縁膜26を除去する。ドライエッチングによって、第2のサイドウォール膜を除去すると、第2の配線13と層間絶縁膜26の間にサイドスペース27を形成することが出来る。
【0100】
PE−CVD(Plasma Enhance−CVD)法により、酸化シリコンからなる層間絶縁膜28を成膜する。これにより、サイドスペース27を残したまま第2の配線13を埋設させることが出来、サイドスペースからなるエアギャップ部27を形成することができた。第2の配線13は第1のサイドウォール膜14'で被覆されているため、第2のサイドウォール膜の除去時にエッチングガスである酸素に曝されることが無くなる。この結果、第2の配線13の表面酸化を防止できる。
【0101】
層間絶縁膜28とキャップ絶縁膜14内に第2開孔(図示せず)を形成する。導電膜を用いて第2開孔を埋め込むことにより、第2の配線13と接続するコンタクトプラグ29を形成する。
【0102】
層間絶縁膜28上の全面に、スパッタ法によりタングステン(W)膜と、PE−CVD法により窒化シリコン(SiN)膜からなるキャップ絶縁膜を順次、成膜する。その後、フォトリソグラフィとドライエッチング法により分離(パターニング)するとキャップ絶縁膜18を上面に有する第3の配線17が形成される。
【0103】
この後、PE−CVD法による窒化シリコン(SiN)等を成膜してからエッチバックする。これにより、第3の配線17及びキャップ絶縁膜18の側面上に窒化シリコンが残留して、第1のサイドウォール膜18’が形成される。
【0104】
次に、配線間が埋まらないように全面にカーボン(C)からなるカバー膜を形成する。カバー膜を異方性ドライエッチングによりエッチバックすると、第1のサイドウォール膜18’及びキャップ絶縁膜18の側面上にカバー膜が残留して、カーボン膜からなる第2のサイドウォール膜が形成される。第2のサイドウォール膜はエッチバックにより形成するので、全ての配線の側面上に形成することができる。
【0105】
ALD[Atomic Layer Deposition]法による酸化シリコンからなる層間絶縁膜31を成膜して第3の配線17を埋設する。この時、ALD法は埋設性が良いため、隣接した第3の配線間に空洞が発生しない状態で埋設することが可能である。これにより、第3の配線間に形成されていた凹部は酸化シリコン膜で埋設される。
【0106】
エッチバックによって、第2のサイドウォール膜の上端部が露出するまで、隣接するキャップ絶縁膜18の側面に存在する層間絶縁膜31を除去する。ドライエッチングによって、第2のサイドウォール膜を除去すると、第3の配線17と層間絶縁膜31の間にサイドスペース32を形成することが出来る。
【0107】
PE−CVD(Plasma Enhance−CVD)法により、酸化シリコンからなる層間絶縁膜33を成膜する。これにより、サイドスペース32を残したまま第3の配線17を埋設させることが出来、サイドスペースからなるエアギャップ部32を形成することができた。第3の配線17は第1のサイドウォール膜18'で被覆されているため、第2のサイドウォール膜の除去時にエッチングガスである酸素に曝されることが無くなる。この結果、第3の配線17の表面酸化を防止できる。
【0108】
本実施例では、配線を窒化シリコンからなる第1のサイドウォール膜で被覆した状態で、その外側にエアギャップとなるサイドスペースを設けている。このため、プロセス途上で配線が酸化されたり腐食されたりするといった問題をより効果的に回避でき、配線の信頼性ひいては半導体装置の信頼性をより向上させることができる。また、第1〜第3実施例と同様に、配線の寄生容量を低減することができる。
【0109】
(第4実施例)
図37を参照して、本実施例の半導体装置を説明する。半導体装置100は、例えばコンピュータシステムを含むが、これに限定されない。この半導体装置100は、データプロセッサ120およびDRAM130を含む。このデータプロセッサ120中に、第1及び第3実施例に示した3層の配線構造を含むことができる。また、DRAM130中に、第2実施例に示した記憶素子と配線構造を含むことができる。
【0110】
データプロセッサ120は、例えば、マイクロプロセッサ(MPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DPS)などを含むが、これらに限定されない。図37においては簡単のため、データプロセッサ120は、システムバス110を介してDRAM130に接続されているが、システムバス110を介さずにローカルなバスによって接続される場合もある。
【0111】
また、システムバス110は、ここでは簡便のため1本しか描かれていないが、必要に応じてコネクタなどを介しシリアルないしパラレルに接続される。また、必要に応じ、このシステムでは、記憶デバイス150、入出力装置160、ROM140がシステムバス110に接続されるが、必ずしも必須の構成要素ではない。ここで入出力装置160には、入力デバイスもしくは出力デバイスのいずれか一方のみの場合も含まれる。さらに、各構成要素の個数は、図では簡単のため1つにとどめているが、それに限定されるものではなく、少なくともいずれかが複数個の場合も含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1 半導体基板
2 素子分離領域
3 拡散領域
4 ゲート絶縁膜
5 ゲート電極
6、10、14、18、37、52 キャップ絶縁膜
6’ サイドウォール膜
7、21、23、26、28 層間絶縁膜
8、24、29、35、35’、41、50、50’ コンタクトプラグ
9、9a、9b 配線
10、’20、25、30 サイドウォール膜
13、 第2の配線
17 第3の配線
20A、25A、30A カバー膜
22、22a、22b、27、32、39、54 エアギャップ部
23a、23b 絶縁膜
23c ボイド
23d 段差
31、33、34、38、40、44、44’、49、53、55 層間絶縁膜
36、51 配線
42 容量コンタクト
43 ストッパ膜
45、45’ サポート膜
46 下部電極
47 容量膜
48 上部電極
60 配線の側面の法線方向
61 第1の方向
100 半導体装置
110 システムバス
120 データプロセッサ
130 DRAM
140 ROM
150 記憶デバイス
160 入出力装置
X1 配線
X2 第2の配線
X3 第3の配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜内に埋め込まれた配線と、
前記配線の側面と層間絶縁膜との間に設けられたエアギャップ部と、
を有する半導体装置。
【請求項2】
層間絶縁膜と、
側面を有する配線であって、前記側面がエアギャップ部を介して前記層間絶縁膜と対向するように前記層間絶縁膜内に埋め込まれた配線と、
を有する半導体装置。
【請求項3】
所定平面上に設けられた複数の配線と、
隣り合う配線の側面と隣り合う配線の間に位置する前記所定平面で構成された複数の凹部と、
前記所定平面上に、前記複数の配線を覆うように設けられた層間絶縁膜と、
各凹部内において、前記層間絶縁膜と前記層間絶縁膜に対向する前記配線の側面との間に設けられた2つのエアギャップ部と、
を有する半導体装置。
【請求項4】
更に、前記配線上にキャップ絶縁膜を有し、
前記エアギャップ部は、前記配線の側面と層間絶縁膜の間から更に前記キャップ絶縁膜と層間絶縁膜の間にまで形成される、請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記層間絶縁膜は、第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に設けられた第2の絶縁膜とを有し、
前記第1の絶縁膜内には、前記配線と前記キャップ絶縁膜の下部が埋め込まれ、
前記第2の絶縁膜内には、前記キャップ絶縁膜の上部が埋め込まれる、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記層間絶縁膜は、第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に設けられた第2の絶縁膜とを有し、
前記第1の絶縁膜から第2の絶縁膜に向う第1の方向において、前記配線の上面、前記第1の絶縁膜の上面、前記キャップ絶縁膜の上面、及び前記第2の絶縁膜の上面はこの順に高くなる、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記エアギャップ部の前記第1の方向における上端部は、前記第1の方向に向って、配線の側面の法線方向の幅が減少する庇形状を有する、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記キャップ絶縁膜の厚さは、前記エアギャップ部における前記配線の側面の法線方向の幅の2倍以上20倍以下である、請求項4〜7の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記エアギャップ部における、配線の側面の法線方向の幅は2〜200nmである、請求項1〜8の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
更に、前記エアギャップ部内に、前記配線の側面に接するように第1のサイドウォール膜を有する、請求項1〜8の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1のサイドウォール膜は窒化シリコン膜から構成される、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記エアギャップ部における、配線の側面の法線方向の幅は2〜200nmである、請求項10又は11に記載の半導体装置。
【請求項13】
更に、第1のトランジスタを有し、
前記配線は、コンタクトプラグを介して、第1のトランジスタのソース領域及びドレイン領域のそれぞれに接続され、
前記配線はビットラインである、請求項1〜12の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項14】
更に、
第2のトランジスタと、
コンタクトプラグを介して、第2のトランジスタのソース領域及びドレイン領域の一方に接続されたキャパシタと、
を有し、
前記配線は、コンタクトプラグを介して、第2のトランジスタのソース領域及びドレイン領域の他方に接続され、
前記配線はビットラインである、請求項1〜13の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項15】
更に、前記層間絶縁膜内において、層間絶縁膜の厚み方向の互いに異なる高さに埋め込まれた複数の配線と、
前記複数の配線を構成する各配線の側面と層間絶縁膜との間に設けられたエアギャップ部と、
を有する、請求項1〜14の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項16】
所定平面上に配線を形成する工程と、
前記所定平面上に第2のサイドウォール膜を形成する工程と、
エッチバックにより、前記配線の側面上に第2のサイドウォール膜を残留させる工程と、
第2のサイドウォール膜の一部が露出するように、前記所定平面上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2のサイドウォール膜を除去することによりサイドスペースを形成する工程と、
前記サイドスペースが第2の絶縁膜で埋め込まれないように、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成することにより、前記サイドスペースから構成されるエアギャップ部を形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項17】
所定平面上に配線を形成する工程と、
前記所定平面上に第1のサイドウォール膜及び第2のサイドウォール膜をこの順に形成する工程と、
エッチバックにより、前記配線の側面上に第1及び第2のサイドウォール膜を残留させる工程と、
第2のサイドウォール膜の一部が露出するように、前記所定平面上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2のサイドウォール膜を除去することによりサイドスペースを形成する工程と、
前記サイドスペースが第2の絶縁膜で埋め込まれないように、前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成することにより、前記サイドスペースから構成されるエアギャップ部を形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1のサイドウォール膜は窒化シリコン膜から構成される、請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記配線を形成する工程において、
前記配線上にキャップ絶縁膜を形成し、
前記第2のサイドウォール膜を残留させる工程において、
前記配線及びキャップ絶縁膜の側面上に、前記第2のサイドウォール膜を残留させる、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記配線を形成する工程において、
前記配線上にキャップ絶縁膜を形成し、
前記第1及び2のサイドウォール膜を残留させる工程において、
前記配線及びキャップ絶縁膜の側面上に、前記第1及び第2のサイドウォール膜を残留させる、請求項17又は18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記第1の絶縁膜を形成する工程において、
配線、及び前記キャップ絶縁膜の一部が前記第1の絶縁膜内に埋め込まれるように前記第1の絶縁膜を形成し、
前記エアギャップ部を形成する工程において、
前記キャップ絶縁膜を覆うように前記第2の絶縁膜を形成する、請求項19又は20に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記第1の絶縁膜を形成する工程において、
前記配線の上面は前記第1の絶縁膜の上面よりも低くなるように前記第1の絶縁膜を形成し、
前記エアギャップ部を形成する工程において、
前記第2の絶縁膜の上面は前記キャップ絶縁膜の上面よりも高くなるように前記第2の絶縁膜を形成する、請求項19又は20に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記キャップ絶縁膜の厚みが第2のサイドウォール膜の厚みの2倍以上20倍以下となるように前記第2のサイドウォール膜を形成する、請求項19〜22の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記第2のサイドウォール膜の厚みは2〜200nmである、請求項16〜23の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
前記配線を形成する工程の前に更に、
第1のトランジスタ、及び第1のトランジスタのソース領域及びドレイン領域のそれぞれに接続されたコンタクトプラグを形成する工程を有し、
前記配線を形成する工程において、
前記コンタクトプラグに接続されるように、ビットラインである前記配線を形成する、請求項16〜24の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項26】
前記配線を形成する工程の前に更に、
第2のトランジスタを形成する工程を有し、
前記配線を形成する工程において、
第2のトランジスタのソース領域及びドレイン領域の一方に接続されるように、ビットラインである前記配線を形成し、
前記エアギャップ部を形成する工程の後に更に、
第2のトランジスタのソース領域及びドレイン領域の他方に接続されるようにキャパシタを形成する工程を有する、請求項16〜25の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項27】
前記第2のサイドウォール膜はカーボン膜である、請求項16〜26の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項28】
LP−CVD法によって、前記第2のサイドウォール膜であるカーボン膜を形成する、請求項16〜27の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項29】
前記サイドスペースを形成する工程において、
酸素ガス又はオゾンガスを用いて、前記第2のサイドウォール膜を除去する、請求項16〜28の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2011−238833(P2011−238833A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110099(P2010−110099)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】