説明

半導体製造装置の洗浄装置及びそれを用いた半導体装置の製造方法

【課題】部品の洗浄効率を向上することができる半導体製造装置の洗浄装置及びそれを用いた半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体製造装置の洗浄装置1には、半導体製造装置の部品に付着した付着物の表面の酸化物を除去する酸化物除去部3と、酸化物除去部3により表面の酸化物が除去された付着物を除去する付着物除去部2と、が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置の洗浄装置及びそれを用いた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基板上方にGaN層及びAlGaN層を順次形成し、GaN層を電子走行層として用いる電子デバイス(化合物半導体装置)の開発が活発である。このような化合物半導体装置の一つとして、GaN系の高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)が挙げられる。GaN系HEMTでは、AlGaNとGaNとのヘテロ接合界面に発生する高濃度の2次元電子ガス(2DEG)が利用されている。
【0003】
GaNのバンドギャップは3.4eVであり、Siのバンドギャップ(1.1eV)及びGaAsのバンドギャップ(1.4eV)よりも大きい。つまり、GaNは高い破壊電界強度を有する。また、GaNは大きい飽和電子速度も有している。このため、GaNは、高電圧動作、且つ高出力が可能な化合物半導体装置の材料として極めて有望である。また、GaNは、省電力化が可能な電源用デバイス材料としても極めて有望である。
【0004】
GaN等の化合物半導体は有機金属気相成長(MOVPE:metal organic vapor phase epitaxy)法を用いて、シリコン基板、炭化珪素基板、サファイア基板等の基板上に成膜される。このようなMOVPE法による化合物半導体の成膜が行われる半導体製造装置の内部には、種々の部品が設けられている。そして、成膜の際には、これらの部品にも化合物半導体の原料が付着する。従って、成膜が繰り返し行われると、これらの部品に化合物半導体の原料が堆積する。また、堆積量が多くなると、応力緩和に起因して付着物が部品から剥離することがある。このような剥離した付着物は半導体製造装置の内部を汚染し、また、良質な結晶成長を妨げる要因ともなり得る。また、半導体製造装置の内部の部品に付着物が存在している場合には、結晶成長時に付着物の表層部が気化し、半導体製造装置を浮遊して被処理基板(ウェハ)に付着することもある。この場合にも、良質な結晶成長が妨げられる。従って、半導体製造装置の内部の部品は、適宜、洗浄することが重要である。
【0005】
部品の洗浄方法として、ウェット洗浄及びドライ洗浄が提案されている。ウェット洗浄では、僅かな水分が不可避的に部品に残留し、この水分が化合物半導体の成膜中に気化する可能性があるため、ドライ洗浄の方が好ましい。また、ドライ洗浄には、対象とする物質のみを選択的に除去することが可能であるという利点もある。つまり、ドライ洗浄によれば、部品自体をほとんどエッチングすることなく付着物を除去することができる。
【0006】
しかしながら、部品のドライ洗浄を行う場合に、長時間を要することがある。部品の洗浄が終了しなければ、半導体製造装置を使用することができないため、その間は化合物半導体の成膜を行うことができない。従って、半導体装置のスループットが低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−282543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、部品の洗浄効率を向上することができる半導体製造装置の洗浄装置及びそれを用いた半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
半導体製造装置の洗浄装置の一態様には、半導体製造装置の部品に付着した付着物の表面の酸化物を除去する酸化物除去手段と、前記酸化物除去手段により表面の酸化物が除去された付着物を除去する付着物除去手段と、が設けられている。
【0010】
半導体製造装置の洗浄方法の一態様では、半導体製造装置の部品に付着した付着物の表面の酸化物を除去し、前記酸化物を除去した前記付着物を除去する。
【0011】
半導体装置の製造方法の一態様では、半導体製造装置を用いて、基板上方に窒化物半導体層を形成し、前記半導体製造装置の部品を、上記の洗浄装置を用いて洗浄する。
【発明の効果】
【0012】
上記の半導体製造装置の洗浄装置等によれば、付着物の表面の酸化物の除去を行うので、付着物を速やかに除去して、部品の洗浄効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る半導体製造装置の洗浄装置を示す模式図である。
【図2】半導体製造装置の部品の例を示す図である。
【図3A】実施形態に係るGaN系HEMTの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図3B】図3Aに引き続き、GaN系HEMTの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図4】高出力増幅器の外観の例を示す図である。
【図5】電源装置を示す図である。
【図6】付着物が付着した部品を示す図である。
【図7】実施例の洗浄が行われた部品を示す図である。
【図8】比較例の洗浄が行われた部品を図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者らは、部品のドライ洗浄に長時間を要する要因を解明すべく鋭意検討を行った結果、付着物の表面が酸化している部品があることが判明した。一般的に、工数及びコストを考慮して、部品のドライ洗浄は、ドライ洗浄の対象部品が所定量に達した時点で一括して行われている。従って、ドライ洗浄前に大気中で長期間保管される部品も存在する。このような部品では、付着物の表面の酸化が徐々に進行して酸化物が生じる。従来、ドライ洗浄の条件は、化合物半導体の原料を構成する元素等を考慮して設定されているが、このような条件では酸化物を除去することは困難である。例えば、ドライ洗浄では、塩素系ガスを用いることとされているが、酸化物は物質的に安定であるため、塩素系ガスとの反応性が低く、酸化物の除去には長時間の洗浄を要することとなる。このような理由で、従来の技術では、ドライ洗浄に長時間を要することがあるのである。
【0015】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、実施形態に係る半導体製造装置の洗浄装置を示す模式図である。
【0016】
本実施形態に係る半導体製造装置の洗浄装置1には、半導体製造装置の部品に付着した付着物を除去する付着物除去部2、及び、付着物の表面に存在する酸化物を除去する酸化物除去部3が設けられている。GaN、AlGaN及びAlNを原料として用いて化合物半導体装置を製造した場合、付着物には、窒化物半導体としてGaN、AlGaN又はAlNの少なくとも一種が含まれる。
【0017】
酸化物除去部3としては、例えば、チャンバ内の部品を不活性ガスのプラズマに曝すプラズマ処理装置が用いられる。つまり、酸化物除去部3は、例えば酸化物に対してプラズマエッチングを行う。不活性ガスとしては、例えばアルゴンガスが用いられる。また、アルゴンガスに水素ガスを混合させたものを用いてもよい。酸化物除去部3はこのようなプラズマ処理装置に限定されず、例えばビーズブラストを行う装置、付着物の表面を研磨する装置等が用いられてもよい。なお、付着物の表面に存在する酸化物の厚さは、10nm程度で飽和する。従って、酸化物除去部3は、10nm程度の酸化物を除去する処理を行うことができればよい。
【0018】
付着物除去部2としては、例えば、化学反応エッチング等の乾式処理を行うドライ洗浄装置が用いられる。エッチングガスとしては、例えば水素ガス、塩素ガス、又は塩化水素ガスの少なくとも一種が用いられる。
【0019】
洗浄装置1による洗浄の対象となる半導体製造装置及びその部品は特に限定されないが、半導体製造装置としては、例えばMOVPE装置が挙げられ、その部品としては、例えば、図2(a)に示すサセプタカバー6、及び図2(b)に示す天井板7等が挙げられる。サセプタカバー6には、ウェハ設置部6aが設けられている。サセプタカバー6は、例えばSiCのコーティングが施されたカーボン製であり、天井板7は、例えば石英製であるが、部品の材質は特に限定されない。
【0020】
次に、洗浄装置1の洗浄対象となる半導体製造装置を用いた半導体装置の製造方法、及び洗浄装置1を用いた半導体製造装置の洗浄方法について説明する。図3A乃至図3Bは、実施形態に係るGaN系HEMT(化合物半導体装置)の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0021】
先ず、図3A(a)に示すように、Si基板11上にバッファ層12、i−GaN層13、i−AlGaN層14a、n−AlGaN層14b及びn−GaN層22を形成する。バッファ層12としては、AlN層又はAlGaN層を形成する。また、AlN層を形成し、その上にAlGaN層を形成してもよい。バッファ層12、i−GaN層13、i−AlGaN層14a、n−AlGaN層14b及びn−GaN層22の形成は、例えばMOVPE法等の結晶成長法により行う。この場合、原料ガスを選択することにより、これらの層を連続して形成することができる。アルミニウム(Al)の原料、ガリウム(Ga)の原料としては、例えば、夫々トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)を使用することができる。また、窒素(N)の原料として、例えばアンモニア(NH3)を使用することができる。また、n−AlGaN層14b及びn−GaN層22に不純物として含まれるシリコン(Si)の原料としては、例えばシラン(SiH4)を使用することができる。
【0022】
n−GaN層22の形成後には、例えばリフトオフ法により、図3A(b)に示すように、ソース電極15s及びドレイン電極15dをn−GaN層22上に形成する。ソース電極15s及びドレイン電極15dの形成では、ソース電極15s及びドレイン電極15dを形成する領域を開口するレジストパターンを形成し、Ti及びAlの蒸着を行い、その後、レジストパターン上に付着したTi及びAlをレジストパターンごと除去する。そして、窒素雰囲気中で400℃〜1000℃(例えば600℃)で熱処理を行い、オーミック接触を確立する。
【0023】
次いで、図3A(c)に示すように、n−GaN層22上に、ソース電極15s及びドレイン電極15dを覆うようにしてパッシベーション膜23を形成する。パッシベーション膜23としては、例えばプラズマ化学気相成長(CVD:chemical vapor deposition)法によりシリコン窒化膜を形成する。
【0024】
その後、開口部23aを形成する予定の領域を開口するレジストパターンを形成する。続いて、レジストパターンを用いたエッチングを行うことにより、図3B(d)に示すように、パッシベーション膜23に開口部23aを形成する。次いで、パッシベーション膜23上に、開口部23aを介してn−GaN層22と接するゲート電極15gをリフトオフ法により形成する。ゲート電極15gの形成では、開口部23aを形成する際に用いたレジストパターンを除去した後、ゲート電極15gを形成する領域を開口する新たなレジストパターンを形成し、Ni及びAuの蒸着を行い、その後、レジストパターン上に付着したNi及びAuをレジストパターンごと除去する。
【0025】
その後、図3B(e)に示すように、パッシベーション膜23上に、ゲート電極15gを覆うようにしてパッシベーション膜24を形成する。パッシベーション膜24としては、例えばプラズマCVD法によりシリコン窒化膜を形成する。
【0026】
続いて、複数のゲート電極15gを共通接続するゲート配線、複数のソース電極15sを共通接続するソース配線、及び複数のドレイン電極15dを共通接続するドレイン配線等を形成する。このようにして、GaN系HEMTを得ることができる。
【0027】
このような半導体装置の製造方法を実施すると、バッファ層12、i−GaN層13、i−AlGaN層14a、n−AlGaN層14b及びn−GaN層22等の窒化物半導体(化合物半導体)の形成に用いられた半導体製造装置(例えば、MOVPE装置)の部品に、不可避的に付着物が付着する。従って、例えば所定回数の処理毎に半導体製造装置の部品の洗浄を行う。
【0028】
この洗浄では、先ず、部品を酸化物除去部3に搬送し、例えばアルゴンガスのプラズマに部品を曝して、付着物の表面のプラズマ処理を行う。この結果、付着物の表面に酸化物が存在する場合であっても、当該酸化物が除去される。プラズマ処理の条件は特に限定されないが、付着物の表面に酸化物が存在する場合にその10nm程度を除去できる程度の条件とする。上述のように、洗浄開始前までに付着物の表面に酸化物が生成したとしてもその厚さは10nm程度で飽和するからである。このようなプラズマ処理では、部品自体には、ほとんど損傷が生じない。
【0029】
次いで、部品を付着物除去部2に移送し、例えば塩化水素ガスを用いたドライエッチングにより付着物を部品から除去する。洗浄開始前までに付着物の表面に酸化物が生成していたとしても、既に当該酸化物は酸化物除去部3において除去されているため、速やかに付着物を除去することができる。このようなドライ洗浄でも、部品自体には、ほとんど損傷が生じない。
【0030】
このようにして部品の洗浄を速やかに実行することができる。つまり、短時間で除去効率の高い洗浄を実行することができる。
【0031】
なお、酸化物除去部3での処理が終了してから付着物除去部2での処理が開始されるまでの間、洗浄対象の部品は大気から隔離しておくことが好ましい。このため、例えば、酸化物除去部3での処理が終了後には、酸化物除去部3のチャンバ内を充分に排気し、その後に、ロードロックチャンバで仕切られている付着物除去部2のチャンバへと部品を移送し、付着物除去部2での処理を開始することが好ましい。
【0032】
化合物半導体装置の構造に関し、抵抗体及びキャパシタ等をもSi基板11上に実装してモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)としてもよい。
【0033】
GaN系HEMTは、例えば高出力増幅器として用いることができる。図4に、高出力増幅器の外観の例を示す。この例では、ソース電極に接続されたソース端子81sがパッケージの表面に設けられている。また、ゲート電極に接続されたゲート端子81g、及びドレイン電極に接続されたドレイン端子81dがパッケージの側面から延出している。
【0034】
また、これらの実施形態に係るGaN系HEMTは、例えば電源装置に用いることもできる。図5(a)は、PFC(power factor correction)回路を示す図であり、図5(b)は、図5(a)に示すPFC回路を含むサーバ電源(電源装置)を示す図である。
【0035】
図5(a)に示すように、PFC回路90には、交流電源(AC)が接続されるダイオードブリッジ91に接続されたコンデンサ92が設けられている。コンデンサ92の一端子にはチョークコイル93の一端子が接続され、チョークコイル93の他端子には、スイッチ素子94の一端子及びダイオード96のアノードが接続されている。スイッチ素子94は上記の実施形態におけるHEMTに相当し、当該一端子はHEMTのドレイン電極に相当する。また、スイッチ素子94の他端子はHEMTのソース電極に相当する。ダイオード96のカソードにはコンデンサ95の一端子が接続されている。コンデンサ92の他端子、スイッチ素子94の当該他端子、及びコンデンサ95の他端子が接地される。そして、コンデンサ95の両端子間から直流電源(DC)が取り出される。
【0036】
そして、図5(b)に示すように、PFC回路90は、サーバ電源100等に組み込まれて用いられる。
【0037】
このようなサーバ電源100と同様の、より高速動作が可能な電源装置を構築することも可能である。また、スイッチ素子94と同様のスイッチ素子は、スイッチ電源又は電子機器に用いることができる。更に、これらの半導体装置を、サーバの電源回路等のフルブリッジ電源回路用の部品として用いることも可能である。
【0038】
次に、本発明者らが行った実験について説明する。
【0039】
先ず、半導体製造装置を用いて、有機金属気相成長(MOVPE)法によりGaN層の形成を繰り返し行い、当該半導体製造装置の部品の走査型顕微鏡(SEM)写真を撮影した。これを図6(a)に示す。図6(a)に示すように、厚さが50μm〜80μm程度の付着物が観察された。また、X線光電子分光法によるGa2pの強度の測定を行った。この結果を図6(b)に示す。図6(b)に示す結果から、付着物にはGa原子が含まれていることが分かる。
【0040】
次いで、上述の実施形態に係る洗浄装置1を用いた洗浄を行った(実施例)。この洗浄では、酸化物除去部3での処理を行った後に、付着物除去部2での処理を行った。酸化物除去部3での処理では、部品を搬送したチャンバ内に、アルゴンガスを20sccmの流量で供給し、放電出力を200Wとし、チャンバ内圧力を10mTorrとして、アルゴンプラズマを生成した。このようにして付着部の表面に存在する酸化物を除去した。付着物除去部2での処理では、部品を搬送したチャンバ内に、900℃の高温下で塩化水素ガスを2l(リットル)/分の流速で導入して、ドライ洗浄を行った。ドライ洗浄の時間は1時間とした。そして、ドライ洗浄後の部品のSEM写真を撮影した。これを図7(a)に示す。図7(a)に示すように、付着物は観察されなかった。また、X線光電子分光法によるGa2pの強度の測定を行った。この結果を図7(b)に示す。図7(b)に示す結果からも、付着物が存在していないことが分かる。
【0041】
比較のために、上記と同様のGaN層の形成を繰り返して付着物を生じさせた部品に対し、酸化物を除去する処理を省略した洗浄を行った(比較例)。つまり、酸化物の除去を省略して、上記と同様の条件下でドライ洗浄を行った。ただし、ドライ洗浄の時間は2時間とした。そして、ドライ洗浄後の部品のSEM写真を撮影した。これを図8(a)に示す。図8(a)に示すように、厚さが10μm〜20μm程度の付着物が観察された。つまり、量は減っているものの、ドライ洗浄後にも約20%の付着物が存在していた。また、X線光電子分光法によるGa2pの強度の測定を行った。この結果を図8(b)に示す。図8(b)に示すからも、Ga原子を含む付着物が残存していることが分かる。
【0042】
この実験の結果からも、上述の実施形態に係る洗浄装置1によれば、短時間で除去効率の高い洗浄を行うことができるといえる。
【0043】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0044】
(付記1)
半導体製造装置の部品に付着した付着物の表面の酸化物を除去する酸化物除去手段と、
前記酸化物除去手段により表面の酸化物が除去された付着物を除去する付着物除去手段と、
を有することを特徴とする半導体製造装置の洗浄装置。
【0045】
(付記2)
前記酸化物除去手段は、前記酸化物に対してプラズマエッチングを行うことを特徴とする付記1に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【0046】
(付記3)
前記酸化物除去手段は、前記プラズマエッチングに際して、前記酸化物を不活性ガスのプラズマに曝すことを特徴とする付記2に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【0047】
(付記4)
前記付着物除去手段は、前記付着物に対して化学反応エッチングを行うことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【0048】
(付記5)
前記付着物除去手段は、前記化学反応エッチングに際して、水素ガス、塩素ガス、及び塩化水素ガスからなる群から選択された少なくとも一種をエッチングガスとして用いることを特徴とする付記4に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【0049】
(付記6)
前記酸化物除去手段による処理が終了した前記部品を、前記付着物除去手段に大気から隔離しながら移送することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【0050】
(付記7)
前記付着物は、窒化物半導体を含有することを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【0051】
(付記8)
前記窒化物半導体は、GaN、AlGaN及びAlNからなる群から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする付記7に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【0052】
(付記9)
前記部品は、石英、炭化ケイ素及び炭素からなる群から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする付記1乃至8のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【0053】
(付記10)
半導体製造装置の部品に付着した付着物の表面の酸化物を除去する工程と、
前記酸化物を除去した前記付着物を除去する工程と、
を有することを特徴とする半導体製造装置の洗浄方法。
【0054】
(付記11)
前記酸化物を除去する工程において、前記酸化物に対してプラズマエッチングを行うことを特徴とする付記10に記載の半導体製造装置の洗浄方法。
【0055】
(付記12)
前記プラズマエッチングに際して、前記酸化物を不活性ガスのプラズマに曝すことを特徴とする付記11に記載の半導体製造装置の洗浄方法。
【0056】
(付記13)
前記付着物を除去する工程において、前記付着物に対して化学反応エッチングを行うことを特徴とする付記10乃至12のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄方法。
【0057】
(付記14)
前記化学反応エッチングに際して、水素ガス、塩素ガス、及び塩化水素ガスからなる群から選択された少なくとも一種をエッチングガスとして用いることを特徴とする付記13に記載の半導体製造装置の洗浄方法。
【0058】
(付記15)
前記酸化物の除去が終了した前記部品を、前記付着物の除去を行うチャンバに大気から隔離しながら移送することを特徴とする付記10乃至14のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄方法。
【0059】
(付記16)
前記付着物は、窒化物半導体を含有することを特徴とする付記10乃至15のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄方法。
【0060】
(付記17)
前記窒化物半導体は、GaN、AlGaN及びAlNからなる群から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする付記16に記載の半導体製造装置の洗浄方法。
【0061】
(付記18)
前記部品は、石英、炭化ケイ素及び炭素からなる群から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする付記10乃至17のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄方法。
【0062】
(付記19)
半導体製造装置を用いて、基板上方に窒化物半導体層を形成する工程と、
前記半導体製造装置の部品を、付記1乃至9のいずれか1項に記載の洗浄装置を用いて洗浄する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0063】
1:洗浄装置
2:付着物除去部
3:酸化物除去部
6:サセプタカバー
6a:ウェハ設置部
7:天井板
11:基板
12:バッファ層
13:i−GaN層
14a:i−AlGaN層
14b:n−AlGaN層
15g:ゲート電極
15s:ソース電極
15d:ドレイン電極
22:n−GaN層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造装置の部品に付着した付着物の表面の酸化物を除去する酸化物除去手段と、
前記酸化物除去手段により表面の酸化物が除去された付着物を除去する付着物除去手段と、
を有することを特徴とする半導体製造装置の洗浄装置。
【請求項2】
前記酸化物除去手段は、前記酸化物に対してプラズマエッチングを行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【請求項3】
前記酸化物除去手段は、前記プラズマエッチングに際して、前記酸化物を不活性ガスのプラズマに曝すことを特徴とする請求項2に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【請求項4】
前記付着物除去手段は、前記付着物に対して化学反応エッチングを行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【請求項5】
前記付着物除去手段は、前記化学反応エッチングに際して、水素ガス、塩素ガス、及び塩化水素ガスからなる群から選択された少なくとも一種をエッチングガスとして用いることを特徴とする請求項4に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【請求項6】
前記酸化物除去手段による処理が終了した前記部品を、前記付着物除去手段に大気から隔離しながら移送することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【請求項7】
前記付着物は、窒化物半導体を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【請求項8】
前記部品は、石英、炭化ケイ素及び炭素からなる群から選択された少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体製造装置の洗浄装置。
【請求項9】
半導体製造装置の部品に付着した付着物の表面の酸化物を除去する工程と、
前記酸化物を除去した前記付着物を除去する工程と、
を有することを特徴とする半導体製造装置の洗浄方法。
【請求項10】
半導体製造装置を用いて、基板上方に窒化物半導体層を形成する工程と、
前記半導体製造装置の部品を、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の洗浄装置を用いて洗浄する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−169493(P2012−169493A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30068(P2011−30068)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】