説明

圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計

【課題】 ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを全面に亘って均一に接合することができ、キャビティ内を確実に封止したうえで、スルーホールを利用して外部電極と圧電振動片との導通を図ることができる圧電振動子を効率良く製造すること。
【解決手段】 ベース基板用ウエハを貫通するスルーホール35、36をキャビティC用の凹部の外側に開口が開くように形成する工程と、ベース基板用ウエハの上面に、凹部の周囲を囲む接合層30と、凹部内に収まる一対のマウント層と、接合層と一対のマウント層とを電気的に繋げる一対の引き出し電極層33、34と、を同一の導電性材料によりパターニングする工程と、両ウエハを陽極接合した後、スルーホール36の開口と接合層との間における引き出し電極層34の一部(S2領域)に対してレーザ光を照射して引き出し電極層34を途中で分断する工程と、を備えている圧電振動子1の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合された2枚の基板の間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された表面実装型(SMD)の圧電振動子を製造する圧電振動子の製造方法、該製造方法で製造された圧電振動子、該圧電振動子を有する発振器、電子機器及び電波時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られているが、その1つとして、表面実装型の圧電振動子が知られている。この種の圧電振動子としては、一般的に圧電振動片が形成された圧電基板を、ベース基板とリッド基板とで上下から挟み込むように接合した3層構造タイプのものが知られている。この場合、圧電振動子は、ベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ(密閉室)内に収納されている。また、近年では、上述した3層構造タイプのものではなく、2層構造タイプのものも開発されている。
【0003】
このタイプの圧電振動子は、ベース基板とリッド基板とが直接接合されることで2層構造になっており、両基板の間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が収納されている。
この2層構造タイプの圧電振動子は、3層構造のものに比べて薄型化を図ることができる等の点において優れており、好適に使用されている。このような圧電振動子の1つとして、スルーホールを利用して、圧電振動片とベース基板に形成された外部電極とが電気的に接続された圧電振動子が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
この圧電振動子200は、図22及び図23に示すように、互いに陽極接合されたベース基板201及びリッド基板202と、両基板201、202の間に形成されたキャビティC内に封止された圧電振動片203と、を備えている。
ベース基板201には、該基板201を貫通するスルーホール204が形成されており、該スルーホール204の内面を通じてベース基板201の上面及び下面に亘って導電膜205が形成されている。この導電膜205のうち、ベース基板201の上面に形成された部分が圧電振動片203に対して電気的に接続されるマウントパッド205aとして機能し、ベース基板201の下面に形成された部分が外部に対して電気的に接続される外部電極205bとして機能している。しかも、マウントパッド205aの一部は、ベース基板201とリッド基板202とを陽極接合する際の接合膜として利用されている。また、スルーホール204は、陽極接合されたときに、マウントパッド205aが両基板201、202に密着するので、封止された状態となる。また、ベース基板201とリッド基板202との間には、キャビティCの周囲を囲むように陽極接合用の接合膜206が形成されている。
【0005】
このように構成された圧電振動子200を製造するにあたって、ベース基板201とリッド基板202とを陽極接合する場合には、図22に示すように、接合膜206及び外部電極205bとして機能する導電膜205と、リッド基板202との間に所定の電圧を印加する。すると、両基板201、202は、導電膜205の一部及び接合膜206を介して陽極接合により強固に接合される。これにより、スルーホール204を封止して、圧電振動片203をキャビティC内に気密封止することができる。また、導電膜205を通じて、圧電振動片203に対して外部から導通を図ることができるので、圧電振動片203をキャビティC内で確実に作動させることができる。
【特許文献1】特開平6−343017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の圧電振動子200には、まだ以下の課題が残されている。
始めに、近年の電子機器の小型化に伴って、これら各種の電子機器に搭載される圧電振動子200のさらなる小型化が求められている。そのため、キャビティC内に収納される圧電振動片203も当然にさらなる小型化が求められており、ベース基板201に形成されるスルーホール204の径もできるだけ小さい径が望ましいとされている。ところが、スルーホール204の径を小さくしてしまうと、内面に導電膜205をムラ無く一定の厚みをもって成膜させることが難しくなってしまう。そのため、通常、スパッタ法等で成膜を行うが、図24に示すように、導電膜205がスルーホール204の内面まで確実に回り込まず、途中で分断されてしまう可能性があった。
その結果、陽極接合が不完全になりキャビティC内を封止することができなかったり、導電膜205を介して圧電振動片203との導通を図ることができなかったりする等の不都合が生じる恐れがあった。
【0007】
また、通常、陽極接合を行う場合には、両基板201、202をウエハ状態で接合している。つまり、後にベース基板201となるベース基板用ウエハと、後にリッド基板202となるリッド基板用ウエハとを陽極接合している。そして、陽極接合した両ウエハを格子状に小片化することで、複数の圧電振動子200を製造するのが、一般的な方法である。
ところで、ベース基板用ウエハには、圧電振動片203の数に応じて複数のスルーホール204が形成されると共に、複数の導電膜205がパターニングされる。この際、上述した不都合が生じずに、スルーホール204の内面に導電膜205の成膜が問題なく行われたとしても、以下の不都合が生じる懸念があった。
【0008】
即ち、陽極接合するには、ベース基板用ウエハに形成された複数の導電膜205に電圧を印加する必要があるので、通常は平板状の電極上にベース基板用ウエハを載置して、導電膜205の外部電極205bとして機能する部分を全て電極に導通させる必要がある。しかしながら、ベース基板用ウエハの若干のうねりや、該ウエハと電極との間に介在された異物等によって、実際には図25に示すように、外部電極205bの一部が電極207にコンタクトせず中に浮いた状態となってしまい易かった。そのため、接合不良が部分的に生じてしまい、両ウエハを全面に亘って均一に接合することができない恐れがあった。
【0009】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを全面に亘って均一に接合することができ、キャビティ内を確実に封止したうえで、スルーホールを利用して外部電極と圧電振動片との導通を図ることができる表面実装型の圧電振動子を、効率良く製造することができる圧電振動子の製造方法を提供することである。
また、圧電振動子の製造方法で製造された圧電振動子、該圧電振動子を有する発振器、電子機器及び電波時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る圧電振動子の製造方法は、互いに陽極接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に複数製造する方法であって、前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとのうち少なくともいずれか一方に、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と、前記ベース基板用ウエハを貫通する一対のスルーホールを、前記凹部外に開口が開くように形成するスルーホール形成工程と、前記ベース基板用ウエハの上面に、前記凹部の周囲を囲む接合層と、前記圧電振動片に対して電気的に接続され、前記凹部内に収まる一対のマウント層と、前記凹部外で前記開口上を通過するように凹部内から凹部外に引き出され、前記一対のマウント層を接合層に対してそれぞれ別々に電気的に繋げる一対の引き出し電極層と、を同一の導電性材料によりパターニングするパターニング工程と、前記一対のマウント層に対して前記圧電振動片をマウントさせた後、前記両ウエハを重ね合わせて前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と、前記接合層と前記リッド基板用ウエハとの間に電圧を印加させて前記両ウエハを陽極接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と、前記一対のスルーホールの開口と前記接合層との間における前記一対の引き出し電極層に対してレーザ光を照射して、接合層から電気的に切り離されるように引き出し電極層を途中で分断する分断工程と、導電性材料により前記一対のスルーホールを塞いで、前記ベース基板用ウエハの下面側に露出する外部電極を形成する外部電極形成工程と、接合された前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程と、を備え、前記パターニング工程の際、前記開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過するように、前記一対の引き出し電極層をパターニングすることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る圧電振動子は、接合層を介して互いに陽極接合されたベース基板及びリッド基板と、前記両基板の間に形成されたキャビティ内に封止された圧電振動片と、前記キャビティ内に収まるように前記ベース基板の上面に形成され、前記圧電振動片に対して電気的に接続される一対のマウント層と、前記ベース基板の上面に形成され、前記一対のマウント層に対してそれぞれ電気的に接続されると共に、前記キャビティ外に引き出された位置で前記リッド基板に対して密着した一対の引き出し電極層と、前記ベース基板を貫通するように形成されると共に、前記キャビティ外に引き出された前記一対の引き出し電極層の途中にそれぞれ開口が開き、且つ、開口の周囲が引き出し電極層で囲まれる大きさで形成された一対のスルーホールと、前記一対のスルーホールを塞ぐように形成され、前記ベース基板用ウエハの下面側に露出する外部電極と、を備えていることを特徴とするものである。
【0012】
この発明に係る圧電振動子及び圧電振動子の製造方法においては、まず、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとのうち少なくともいずれか一方の基板に、キャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程を行う。これら凹部は、後に両ウエハを重ね合わせた際に、キャビティとなる凹部である。
次に、ベース基板を貫通する一対のスルーホールを形成するスルーホール形成工程を行う。この際、凹部内(凹部の内側)ではなく、凹部外(凹部の外側)に開口が開くようにスルーホールを形成する。
【0013】
次に、ベース基板用ウエハの上面に、接合層、一対のマウント層及び一対の引き出し電極層を同一の導電性材料をパターニングすることで形成するパターニング工程を行う。このうち接合層は、後に陽極接合する際に電圧を印加するためのものであって、凹部の周囲を囲むように形成する。また、一対のマウント層は、圧電振動片に対して電気的に接続され、該圧電振動片をマウントするためのものであって、凹部内に収まるように形成する。また、一対の引き出し電極層は、一対のマウント層と接合層との間にパターニングされ、一対のマウント層を接合層に対してそれぞれ別々に電気的に繋げるものである。具体的には、凹部内から凹部外に引き出すようにパターニングすると共に、凹部外において一対のスルーホールの開口上を通過するようにパターニングする。しかもこの際、開口の一部を通過するのではなく、開口の周囲を覆った状態で開口上を通過するようにパターニングする。これにより、開口の周囲が引き出し電極層で囲まれた状態となる。
このパターニング工程を行った時点で、接合層、一対のマウント層及び一対の引き出し電極層は、全て電気的に繋がった状態となっている。
【0014】
上述した各工程が全て終了した後、重ね合わせ工程を行う。まず、複数の凹部内にそれぞれ収まるように形成された一対のマウント層に対して、圧電振動片をそれぞれ重ねるように接合してマウントする。これにより、複数の圧電振動片は、一対のマウント層に電気的に接続された状態でそれぞれ支持される。そして、圧電振動片のマウント後、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを重ね合わせる。これにより、凹部と両ウエハとで囲まれるキャビティ内に圧電振動片を収納することができる。
【0015】
重ね合わせ工程後、接合層とリッド基板用ウエハとの間に所定の電圧を印加させて両ウエハを陽極接合する接合工程を行う。これにより、接合層とリッド基板用ウエハとが強固に密着するので、圧電振動片をキャビティ内に封止することができる。また、上述したように、接合層と一対の引き出し電極層とは電気的に接続されているので、電圧を印加した際に一対の引き出し電極層にも電圧が印加される。よって、凹部外に引き出された一対の引き出し電極層も同様に、リッド基板用ウエハに対して強固に密着する。これにより、スルーホールの開口の周囲が確実に封止され、スルーホールを通してキャビティ内の気密が損なわれることがない。
特に、接合層と一対の引き出し電極層とがパターニング工程によって予め電気的に接続されているので、スルーホールの内面に成膜された導電膜を介して電圧を印加していた従来の方法のように、キャビティ内の封止が不確実になる恐れがない。つまり、スルーホールの存在に影響されることなく陽極接合を行えるので、接合を確実に行うことができる。しかも、接合層に電圧を印加するだけで、全ての一対の引き出し電極層にも同時に電圧を印加できるので、ウエハにうねり等があってとしても、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを全面に亘って均一に接合することができる。そのうえ、従来に比べて電圧印加が簡単で短時間で行うことができるので、製造効率を向上することができる。
【0016】
次いで、接合が終了した後、接合層と引き出し電極層との電気的な繋がりを途中で分断する分断工程を行う。つまり、引き出し電極層のうち、スルーホールの開口と接合層との間における領域にレーザ光を照射して、この部分の引き出し電極層を切断する。これにより、引き出し電極層は、途中で切り離され、接合層との電気的な繋がりが分断される。この工程を行うことで、一対の引き出し電極層及び一対のマウント層は、接合層から電気的に独立した状態となる。
【0017】
次いで、導電性材料により一対のスルーホールを塞いで外部電極を形成する外部電極形成工程を行う。この際、ベース基板用ウエハの下面側に露出するように外部電極を形成する。特に、スルーホールの開口の周囲は、引き出し電極層に囲まれているので、この工程を行うことで外部電極と引き出し電極層とが電気的に接続された状態となる。よって、外部電極を利用して、キャビティ内に封止された圧電振動片を作動させることができる。
そして、外部電極を形成した後に、接合されたベース基板用ウエハ及びリッド基板用ウエハを切断して、複数の圧電振動子に小片化する切断工程を行う。
【0018】
その結果、互いに陽極接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された表面実装型の圧電振動子を一度に複数製造することができる。特に、キャビティ内が確実に封止され、スルーホールを利用して外部電極と圧電振動片との導通を図ることができる圧電振動子を効率良く製造することができると共に、低コスト化を図ることができる。その結果、信頼性が高く高品質なうえ、低コスト化が図られた圧電振動子を得ることができる。
【0019】
また、本発明に係る圧電振動子の製造方法は、上記本発明の圧電振動子の製造方法において、前記パターニング工程の際、前記一対のスルーホールのうち一方のスルーホールの開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過するように前記接合層をパターニングすると共に、一対の引き出し電極層のうち一方の引き出し電極層を接合層に接続し、他方の引き出し電極層を他方のスルーホールの開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過した後に接合層に接続するようにパターニングを行い、前記分断工程の際、前記他方のスルーホールの開口と前記接合層との間における前記引き出し電極層に対してレーザ光を照射することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明に係る圧電振動子は、上記本発明の圧電振動子において、前記一対の引き出し電極のうち一方の引き出し電極層が、前記接合層に電気的に接続され、前記一対のスルーホールのうち一方のスルーホールが、前記接合層に開口が開き、且つ、開口の周囲が接合層で囲まれる大きさで形成されていることを特徴とするものである。
【0021】
この発明に係る圧電振動子及び圧電振動子の製造方法においては、パターニング工程で接合層を形成する際に、凹部外に開口が開いた一対のスルーホールのうち、一方のスルーホールの開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過するようにパターニングする。これにより、一方のスルーホールの開口の周囲は、接合層で囲まれた状態となる。
また、一対の引き出し電極層を形成する際に、一方の引き出し電極層に関してはスルーホールに関係なく直接接合層に接続し、他方の引き出し電極層に関しては他方のスルーホールの開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過した後に接合層に接続するようにパターニングする。これにより、他方のスルーホールの開口の周囲は、他方の引き出し電極層で囲まれた状態となる。
そして、分断工程を行う際に、他方のスルーホールの開口と接合層との間における他方の引き出し電極層に対してレーザ光を照射し、スルーホールが途中で形成された他方の引き出し電極層の途中を分断する。これにより、スルーホールが形成された他方の引き出し電極層を、接合層から電気的に切り離すことができる。
【0022】
ところで、一方のスルーホールが形成された接合層は、一方の引き出し電極層と電気的に接続されたままの状態となっている。しかしながら、接合層は、他方の引き出し電極層とは電気的に切り離されているので、外部電極が形成された後に関しては、他方の引き出し電極層と外部電極とを電気的に繋げる役割を果す。そのため、やはり外部電極を利用して、圧電振動片を作動させることができる。
特に、一方のスルーホールが接合層側に形成されているので、一方の引き出し電極層の長さを極力短くすることができる。よって、コンパクトに設計でき、圧電振動子の小型化を図ることができる。
【0023】
また、本発明に係る圧電振動子の製造方法は、上記本発明の圧電振動子の製造方法において、前記パターニング工程時に前記引き出し電極層をパターニングする際、前記分断工程で分断する領域を予め他の部分よりも幅が狭くなるようにパターニングしておくことを特徴とするものである。
【0024】
この発明に係る圧電振動子の製造方法においては、引き出し電極層をパターニングする際に、後にレーザ光を照射して分断する領域を、予め他の部分よりも幅が狭くなるようにパターニングする。そのため、短時間で確実に引き出し電極層を分断することができ、分断工程に費やす時間をさらに短くすることができる。従って、製造効率のさらなる向上化を図ることができる。
【0025】
また、本発明に係る発振器は、上記本発明の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る電子機器は、上記本発明の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る電波時計は、上記本発明の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0026】
この発明に係る発振器、電子機器及び電波時計においては、上述した圧電振動子を備えているので、同様に信頼性が高く高品質化されているうえ、低コスト化されている。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る圧電振動子の製造方法によれば、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを全面に亘って均一に接合することができ、キャビティ内を確実に封止したうえで、スルーホールを利用して外部電極と圧電振動片との導通を図ることができる表面実施型の圧電振動子を一度に効率良く製造することができる。
また、本発明に係る圧電振動子によれば、上述した製造方法で製造されているので、キャビティ内の封止が確実にされており、信頼性が高く高品質化が図られていると共に低コスト化が図られている。
また、本発明に係る発振器、電子機器及び電波時計によれば、上述した圧電振動子を備えているので、同様に信頼性が高く高品質化されているうえ、低コスト化が図られている
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る一実施形態を、図1から図16を参照して説明する。
本実施形態の圧電振動子1は、図1から図4に示すように、ベース基板2とリッド基板3とで2層構造の箱状に形成されており、内部のキャビティC内に圧電振動片4が収納されたセラミックパッケージタイプの圧電振動子である。
なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19、20、マウント電極16、17及び重り金属膜21の図示を省略している。
【0029】
圧電振動片4は、図5から図7に示すように、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
この圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10、11と、該一対の振動腕部10、11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10、11の外表面上に形成されて一対の振動腕部10、11を振動させる第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15と、第1の励振電極13及び第2の励振電極14に電気的に接続されたマウント電極16、17とを有している。
また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の振動腕部10、11の両主面上に、該振動腕部10、11の長手方向Xに沿ってそれぞれ形成された溝部18を備えている。この溝部18は、振動腕部10、11の基端側から略中間付近まで形成されている。
【0030】
基部12の両側には、基部12の幅寸法を部分的に短縮するように切り欠き部(以下、ノッチと称する)12aが形成されている。このノッチ12aは、一対の振動腕部10、11から適切な範囲離れた位置に形成されている。このノッチ12aは、一対の振動腕部10、11が振動した際に、振動の垂直成分(厚み方向の成分)に起因する基部12の撓みを抑えて、共振抵抗値のばらつきを低減するものである。このノッチ12aは、必須なものではないが、高性能化を図ることができる点で形成することが好ましい。
【0031】
第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15は、一対の振動腕部10、11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部10、11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、図7に示すように、第1の励振電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と、他方の振動腕部11の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に形成されている。
【0032】
また、第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、図5及び図6に示すように、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19、20を介してマウント電極16、17に電気的に接続されている。そして圧電振動片4は、このマウント電極16、17を介して電圧が印加されるようになっている。
なお、上述した励振電極15、マウント電極16、17及び引き出し電極19、20は、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成されたものである。
【0033】
また、一対の振動腕部10、11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。なお、この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10、11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
【0034】
このように構成された圧電振動片4は、図2から図4に示すように、ベース基板2の後述する一対のマウント層31、32に基部12が載置された状態で図示しない導電性接着剤や金等のバンプ接続によりマウントされている。これにより、マウント電極16、17と一対のマウント層31、32とが電気的に接続されている。
【0035】
上記リッド基板3は、ソーダ石灰ガラスからなるものであり、図1、図3及び図4に示すように、板状に形成されている。そして、ベース基板2が接合される接合面側には、圧電振動片4が収まる矩形状の凹部3aが形成されている。この凹部3aは、両基板2、3が重ね合わされたときに、圧電振動片4を収容するキャビティCとなるキャビティ用の凹部である。
なお、本実施形態では、リッド基板3側にこの凹部3aが形成されている場合を例に挙げて説明するが、ベース基板2側に形成されていても構わないし、両方の基板2、3にそれぞれ形成されていても構わない。
【0036】
上記ベース基板2は、リッド基板3と同様にソーダ石灰ガラスからなるものであり、図1から図4に示すように、リッド基板3に対して重ね合わせ可能な大きさで板状に形成されている。このベース基板2の上面側(リッド基板3が接合される側)には、同一の導電性材料(例えば、アルミニウム)により接合層30と、一対のマウント層31、32と、一対の引き出し電極層33、34とがパターニングされている。
このうち接合層30は、リッド基板3に形成された凹部3aの周囲を囲むようにベース基板2の周縁に沿って形成されている。一対のマウント層31、32は、リッド基板3に形成された凹部3a内に収まるように、それぞれ電気的に切り離された状態で形成されている。一対の引き出し電極層33、34は、一対のマウント層31、32と接合層30との間に凹部3a内から凹部3a外に引き出されるように形成されており、一対のマウント層31、32を接合層30に対してそれぞれ電気的に繋げている。
但し、一対の引き出し電極層33、34のうち、他方の引き出し電極層34は、製造途中では接合層30に繋がっていたが、圧電振動子1が完成した段階では途中で分断された状態となっている。
【0037】
なお、本実施形態では、一方の引き出し電極層33が、凹部3a内に収まるように形成されている。一方、他方の引き出し電極層34は、一部分が凹部3a内に収まるように形成された後、残りの部分が凹部3a外で両基板2、3の間に挟まれるように形成されている。そして、他方の引き出し電極層34のうち、両基板2、3の間に挟まれた領域S1と接合層30との間の領域S2(点線で図示している)は、製造途中では繋がっていたが、圧電振動子1が完成した時点では存在しない部分である。これにより、上述したように、他方の引き出し電極層34は、途中で分断された状態となっている。
【0038】
また、ベース基板2には、該ベース基板2を貫通する一対のスルーホール35、36が形成されている。このうち一方のスルーホール35は、接合層30に開口が開くように形成され、他方のスルーホール36は、他方の引き出し電極層34の途中に開口が開くように形成されている。
より詳細に説明すると、一方のスルーホール35は、一方の引き出し電極層33が繋がった付近の接合層30に開口が開くように形成されており、開口の周囲が接合層30で囲まれる大きさとされている。また、他方のスルーホール36は、両基板2、3の間に挟まれた他方の引き出し電極層34の領域S1に開口が開くように形成されており、やはり開口の周囲が引き出し電極層34で囲まれる大きさとされている。
【0039】
ベース基板2及びリッド基板3は、上述した接合層30を利用した陽極接合によって接合されている。つまり、ベース基板2上に形成された接合層30は、陽極接合によってリッド基板3に強固に密着した状態となっている。この際、両基板2、3の間に形成された他方の引き出し電極層34の領域S1に関しても、陽極接合によってリッド基板3に強固に密着した状態となっている。そのため、一対のスルーホール35、36の開口の周囲は、それぞれ接合層30及び他方の引き出し電極層34によって、確実に封止された状態となっている。
【0040】
また、ベース基板2には、一対のスルーホール35、36内に導電性材料が埋め込まれ、該ベース基板2の下面側に露出する外部電極37、38が形成されている。この際、一方の外部電極37は、接合層30に対して電気的に接続され、他方の外部電極38は、他方の引き出し電極層34に電気的に接続された状態となっている。その結果、一方の外部電極37は、接合層30、一方の引き出し電極層33、一方のマウント層31を介して、圧電振動片4の第1の励振電極13に電気的に接続されている。また、他方の外部電極38は、他方の引き出し電極層34及び他方のマウント層32を介して、圧電振動片4の第2の励振電極14に電気的に接続されている。
【0041】
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極37、38に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15に電流を流すことができ、一対の振動腕部10、11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10、11の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
【0042】
次に、上述した圧電振動子1を、図8に示すフローチャートを参照しながら、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを利用して一度に複数製造する製造方法について以下に説明する。
【0043】
初めに、圧電振動片作製工程を行って図5から図8に示す圧電振動片4を作製する(S10)。具体的には、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハとする。続いて、このウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする。続いて、ウエハに洗浄等の適切な処理を施した後、該ウエハをフォトリソグラフィ技術によって圧電振動片4の外形形状でパターニングすると共に、金属膜の成膜及びパターニングを行って、励振電極15、引き出し電極19、20、マウント電極16、17、重り金属膜21を形成する。これにより、複数の圧電振動片4を作製することができる。
【0044】
また、圧電振動片4を作製した後、共振周波数の粗調を行っておく。これは、重り金属膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、重量を変化させることで行う。なお、共振周波数をより高精度に調整する微調に関しては、マウント後に行う。これについては、後に説明する。
【0045】
次に、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態まで作製する第1のウエハ作製工程を行う(S20)。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、図9に示すように、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成する(S21)。次いで、リッド基板用ウエハ50の接合面に、エッチング等により行列方向にキャビティ用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程を行う(S22)。この時点で、第1のウエハ作製工程が終了する。
【0046】
次に、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態まで作製する第2のウエハ作製工程を行う(S30)。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。
次いで、図10に示すように、ベース基板用ウエハ40に、例えばブラスト加工により一対のスルーホール35、36を複数形成するスルーホール形成工程を行う(S32)。なお、図10に示す点線Mは、後に行う切断工程で切断する切断線を図示している。この際、リッド基板用ウエハ50を重ねた際に、凹部3aの内側ではなく、凹部3aの外側に開口が開くようにスルーホール35、36を形成する。
【0047】
次いで、ベース基板用ウエハ40の接合面に、図11に示すように、接合層30と、一対のマウント層31、32と、一対の引き出し電極層33、34とを同一の導電性材料によりパターニングするパターニング工程を行う(S33)。なお、図11に示す点線Mは、後に行う切断工程で切断する切断線を図示している。
特に、接合層30を形成する際、一方のスルーホール35の開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過するように導電性材料をパターニングする。これにより、一方のスルーホール35の開口の周囲は、接合層30で囲まれた状態となる。しかも、スルーホール形成工程後にパターニングを行っているので、一方のスルーホール35の内面に接合層30が若干入り込んだ状態となっている(後述する図14及び図16参照)。
【0048】
また、一方の引き出し電極層33に関しては、スルーホールに関係なく一方のマウント層31を接合層30に直接電気的に繋がるようにパターニングする。そして、他方の引き出し電極層34に関しては、他方のスルーホール36の開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過した後に、他方のマウント層32と接合層30とが電気的に繋がるようにパターニングする。つまり、上述した領域S2を介して領域S1と接合層30とが繋がるように他方の引き出し電極層34を形成しておく。これにより、この工程を行った時点で、接合層30、一対のマウント層31、32及び一対の引き出し電極層33、34は、全て電気的に繋がった状態となっている。この時点で、第2のウエハ作製工程が終了する。
なお、他方のスルーホール36の開口の周囲は、他方の引き出し電極層34の領域S1によって囲まれた状態となる。しかも、スルーホール形成工程後にパターニングを行っているので、他方のスルーホール36の内面に他方の引き出し電極層34が若干入り込んだ状態となっている(後述する図14及び図16参照)。
【0049】
次に、作製した複数の圧電振動片4を一対のマウント層31、32に対してそれぞれマウントさせた後、両ウエハ40、50を重ね合わせて凹部3aと両ウエハ40、50とで囲まれるキャビティC内に圧電振動片4を収納する重ね合わせ工程を行う(S40)。
まず、作製した複数の圧電振動片4をベース基板用ウエハ40に形成された各凹部3a内に収容させた状態で、一対のマウント層31、32にマウントするマウント工程を行う(S41)。具体的には、圧電振動片4の基部12を各凹部3a内に形成された一対のマウント層31、32に載置した後、導電性接着剤やバンプ接続等によりマウントする。これにより、圧電振動片4は、一対のマウント層31、32に機械的に支持されると共に、マウント電極16、17と引き出し電極層33、34とが電気的に接続された状態となる。
【0050】
圧電振動片4のマウントが終了した後、ベース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる。そして、図示しない基準マーク等を指標としながら、両ウエハ40、50を正しい位置にアライメントする(S42)。これにより、圧電振動片4が、ベース基板用ウエハ40に形成された凹部3aと両ウエハ40、50とで囲まれるキャビティC内に収容された状態となる。
【0051】
重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウエハ40、50を図示しない陽極接合装置に入れ、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する接合工程を行う(S50)。具体的には、接合層30とリッド基板用ウエハ50との間に所定の電圧を印加する。すると、接合層30とリッド基板用ウエハ50との界面に電気化学的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極接合される。これにより、圧電振動片4をキャビティC内に封止することができ、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合した図12に示すウエハ体60を得ることができる。なお、図12においては、図面を見易くするために、ウエハ体60を分解した状態を図示している。また、接合層30、マウント層31、32、引き出し電極19、20の図示は、省略している。
【0052】
ところで、陽極接合を行う際、図13及び図14に示すように、接合層30と一対の引き出し電極層33、34とは、電気的に接続されているので、電圧を印加した際に一対の引き出し電極層33、34にも電圧が印加される。よって、他方の引き出し電極層34の領域S1は、接合層30と同様に、陽極接合によってリッド基板用ウエハ50に対して強固に密着する。そのため、一対のスルーホール35、36は、共に開口の周囲が確実に封止されるので、該スルーホール35、36を通してキャビティC内の気密が損なわれることがない。
特に、接合層30と一対の引き出し電極層33、34とがパターニング工程によって予め電気的に接続されているので、スルーホール35、36の内面に成膜された導電膜を介して電圧を印加していた従来の方法のように、キャビティC内の封止が不確実になる恐れがない。つまり、スルーホール35、36の存在に影響されることなく陽極接合を行えるので、接合を確実に行うことができる。
しかも、接合層30に電圧を印加するだけで、ベース基板用ウエハ40に形成された全ての一対の引き出し電極層33、34に電圧を印加できるので、ウエハにうねり等があったとしても、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを全面に亘って均一に接合することができる。そのうえ、従来に比べて電圧印加が簡単で短時間で行うことができるので、製造効率を向上することができる。
【0053】
上述した陽極接合が終了した後、接合層30と他方の引き出し電極層34との電気的な繋がりを途中で分断する分断工程を行う(S51)。つまり、図15及び図16に示すように、他方の引き出し電極層34のうち、他方のスルーホール36の開口と接合層30との間における領域S2にレーザ光Lを照射して、この領域S2の部分を切断する。これにより、他方の引き出し電極層34は、途中で切り離され、接合層30との電気的な繋がりが分断される。この工程を行うことで、他方の引き出し電極層34及び他方のマウント層32は、接合層30から電気的に独立した状態となる。
なお、レーザ光Lを照射した際、領域S2が蒸発することで分断が行われるが、蒸発した成分は図15に示す矢印のように、両ウエハ40、50の間に形成された微小な隙間に拡散する。これにより、分断を確実且つスムーズに行うことができる。
【0054】
次いで、導電性材料により一対のスルーホール35、36を塞いで外部電極37、38を形成する外部電極形成工程を行う(S52)。具体的には、スパッタ法により導電性材料をスルーホール35、36内に成膜させた後、メッキ法により成膜した導電性材料を成長させる。この際、ベース基板用ウエハ40の下面側に露出するように外部電極37、38を形成する。特に、スルーホール35、36の開口は、それぞれ接合層30及び他方の引き出し電極層34に囲まれているので、この工程を行うことで、外部電極37、38をそれぞれ接合層30と他方の引き出し電極層34とに電気的に接続されることができる。
しかも、図16に示すように、一方のスルーホール35内に接合層30の一部が入り込み、他方のスルーホール36内に他方の引き出し電極層34の一部が入り込んでいる。そのため、外部電極37と接合層30、外部電極38と他方の引き出し電極層34との導通をより確実にすることができる。
【0055】
次いで、接合されたウエハ体60を図10及び図11に示す切断線Mに沿って切断して小片化する切断工程を行う(S53)。その結果、互いに陽極接合されたベース基板2とリッド基板3との間に形成されたキャビティC内に圧電振動片4が封止された、図1に示す表面実装型の圧電振動子1を一度に複数製造することができる。
その後、個々の圧電振動子1の周波数を微調整して所定の範囲内に収める微調工程を行う(S54)。具体的に説明すると、両外部電極37、38に電圧を印加して圧電振動片4を振動させる。そして、周波数を計測しながらリッド基板3を通して外部からレーザ光を照射し、重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させる。これにより、一対の振動腕部10、11の先端側の重量が変化するので、圧電振動片4の周波数を、公称周波数の所定範囲内に収まるように微調整することができる。
【0056】
続いて、内部の電気特性検査を行う(S55)。即ち、圧電振動片4の共振周波数、共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、最後に圧電振動子1の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。これをもって圧電振動子1の製造が終了する。
【0057】
特に、上述した製造方法によれば、キャビティC内が確実に封止され、スルーホール35、36を利用して外部電極37、38と圧電振動片4との導通を図ることができる圧電振動子1を効率良く製造することができる。従って、信頼性が高く高品質化な圧電振動子1を製造することができるうえ、低コスト化を図ることができる。
【0058】
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図17を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図17に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上記集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片4が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
【0059】
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、該圧電振動子1内の圧電振動片4が振動する。この振動は、圧電振動片4が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
【0060】
上述したように、本実施形態の発振器100によれば、信頼性が高く高品質化されていると共に低コスト化された圧電振動子1を備えているので、発振器100自体の高品質化及び低コスト化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
【0061】
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図18を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
【0062】
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、図18に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
【0063】
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
【0064】
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片4が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
【0065】
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
【0066】
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
【0067】
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
【0068】
即ち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
【0069】
上述したように、本実施形態の携帯情報機器110によれば、信頼性が高く高品質化されていると共に低コスト化された圧電振動子1を備えているので、携帯情報機器110自体の高品質化及び低コスト化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
【0070】
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図19を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図19に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
【0071】
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
【0072】
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC138に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
【0073】
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
【0074】
上述したように、本実施形態の電波時計130によれば、信頼性が高く高品質化されていると共に低コスト化された圧電振動子1を備えているので、電波時計130自体の高品質化及び低コスト化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
【0075】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0076】
例えば、上記実施形態では、一方のスルーホール35を開口が接合層30に開くように形成したが、図20及び図21に示すように、他方のスルーホール36と同様に、開口が一方の引き出し電極層33の途中に開くように一方のスルーホール35を形成しても構わない。この場合には、分断工程の際に、他方の引き出し電極層34と同様に、スルーホール35の開口が形成されている領域S1と接合層30との間の領域S2にレーザ光Lを照射して、この領域S2の部分を切断すれば良い。この場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
但し、上述した実施形態のように、一方のスルーホール35を接合層30側に形成することで、一方の引き出し電極層33の長さを極力短くすることができる。よって、コンパクトに設計でき、圧電振動子1の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る圧電振動子の一実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。
【図3】図1に示す断面矢視A−A図である。
【図4】図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。
【図5】図1に示す圧電振動子を構成する圧電振動片の上面図である。
【図6】図5に示す圧電振動片の下面図である。
【図7】図5に示す断面矢視B−B図である。
【図8】図1に示す圧電振動片を製造する際の流れを示すフローチャートである。
【図9】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、リッド基板の元となるリッド基板用ウエハに複数の凹部を形成した状態を示す図である。
【図10】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、ベース基板の元となるベース基板用ウエハに接合層、マウント層及び引き出し電極層をパターニングした状態を示す図である。
【図11】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、ベース基板の元となるベース基板用ウエハに複数のスルーホールを形成した状態を示す図である。
【図12】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、圧電振動片をキャビティ内に収容した状態でベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとが陽極接合されたウエハ体の分解斜視図である。
【図13】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、陽極接合時における、接合層とマウント層と引き出し電極層とのパターニングを示す図である。
【図14】図13に示す断面矢視C−C図である。
【図15】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、引き出し電極層の一部にレーザ光を照射して、引き出し電極層の分断を行っている状態を示す図である。
【図16】図15に示す断面矢視D−D図である。
【図17】本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。
【図18】本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。
【図19】本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。
【図20】本発明に係る圧電振動子の変形例を示す図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。
【図21】図20に示す断面矢視E−E図である。
【図22】従来の圧電振動子の一例を示す断面図である。
【図23】図22に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。
【図24】図22に示す圧電振動子の部分拡大図であって、スルーホールの内面に成膜された導電膜の状態を示す図である。
【図25】図22に示す圧電振動子を製造する際の一工程図であって、ベース基板の元となるベース基板用ウエアに複数の外部電極を形成した後、該ウエハを平板状の電極上に載置した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
C…キャビティ
L…レーザ光
1…圧電振動子
2…ベース基板
3…リッド基板
3a…キャビティ用の凹部
4…圧電振動片
30…接合層
31、32…マウント層
33、34…引き出し電極層
35、36…スルーホール
37、38…外部電極
40…ベース基板用ウエハ
50…リッド基板用ウエハ
100…発振器
101…発振器の集積回路
110…携帯情報機器(電子機器)
113…電子機器の計時部
130…電波時計
131…電波時計のフィルタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに陽極接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に複数製造する方法であって、
前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとのうち少なくともいずれか一方に、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と、
前記ベース基板用ウエハを貫通する一対のスルーホールを、前記凹部外に開口が開くように形成するスルーホール形成工程と、
前記ベース基板用ウエハの上面に、前記凹部の周囲を囲む接合層と、前記圧電振動片に対して電気的に接続され、前記凹部内に収まる一対のマウント層と、前記凹部外で前記開口上を通過するように凹部内から凹部外に引き出され、前記一対のマウント層を接合層に対してそれぞれ別々に電気的に繋げる一対の引き出し電極層と、を同一の導電性材料によりパターニングするパターニング工程と、
前記一対のマウント層に対して前記圧電振動片をマウントさせた後、前記両ウエハを重ね合わせて前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と、
前記接合層と前記リッド基板用ウエハとの間に電圧を印加させて前記両ウエハを陽極接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と、
前記一対のスルーホールの開口と前記接合層との間における前記一対の引き出し電極層に対してレーザ光を照射して、接合層から電気的に切り離されるように引き出し電極層を途中で分断する分断工程と、
導電性材料により前記一対のスルーホールを塞いで、前記ベース基板用ウエハの下面側に露出する外部電極を形成する外部電極形成工程と、
接合された前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程と、を備え、
前記パターニング工程の際、前記開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過するように、前記一対の引き出し電極層をパターニングすることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記パターニング工程の際、前記一対のスルーホールのうち一方のスルーホールの開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過するように前記接合層をパターニングすると共に、一対の引き出し電極層のうち一方の引き出し電極層を接合層に接続し、他方の引き出し電極層を他方のスルーホールの開口の周囲を覆った状態で該開口上を通過した後に接合層に接続するようにパターニングを行い、
前記分断工程の際、前記他方のスルーホールの開口と前記接合層との間における前記引き出し電極層に対してレーザ光を照射することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の圧電振動子の製造方法において、
前記パターニング工程時に前記引き出し電極層をパターニングする際、前記分断工程で分断する領域を予め他の部分よりも幅が狭くなるようにパターニングしておくことを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項4】
接合層を介して互いに陽極接合されたベース基板及びリッド基板と、
前記両基板の間に形成されたキャビティ内に封止された圧電振動片と、
前記キャビティ内に収まるように前記ベース基板の上面に形成され、前記圧電振動片に対して電気的に接続される一対のマウント層と、
前記ベース基板の上面に形成され、前記一対のマウント層に対してそれぞれ電気的に接続されると共に、前記キャビティ外に引き出された位置で前記リッド基板に対して密着した一対の引き出し電極層と、
前記ベース基板を貫通するように形成されると共に、前記キャビティ外に引き出された前記一対の引き出し電極層の途中にそれぞれ開口が開き、且つ、開口の周囲が引き出し電極層で囲まれる大きさで形成された一対のスルーホールと、
前記一対のスルーホールを塞ぐように形成され、前記ベース基板用ウエハの下面側に露出する外部電極と、を備えていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項5】
請求項4に記載の圧電振動子において、
前記一対の引き出し電極のうち一方の引き出し電極層が、前記接合層に電気的に接続され、
前記一対のスルーホールのうち一方のスルーホールが、前記接合層に開口が開き、且つ、開口の周囲が接合層で囲まれる大きさで形成されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項4又は5に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−152824(P2009−152824A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328416(P2007−328416)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】