説明

地図表示装置

【課題】ユーザーが希望する時間内で到達可能な地点を判りやすく表示する。
【解決手段】地図表示装置1Aは、制御回路2、位置検出器3、地図データ入力器4、操作スイッチ群5、表示装置7、VICS受信機14などを備え、制御回路2は、検出開始の入力があると、検出基点から任意地点の地図上の距離に対する到達可能時間の割合を求め、該距離・時間割合検出結果に基づいて、同一到達可能時間となる地点が、表示装置87の表示画面上で前記検出基点から直線的にほぼ同距離となるように、地図上の距離座標を時間座標に置き換えて表示用の時間地図を作成し、該作成した時間地図を表示装置7に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出基点からの到達可能な地点を検出し表示することが可能な地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、行き先が指定されると、経路計算をして、音声及び表示による案内を行う。この経路を表示する場合に、高速道路が経路に含まれているときには出発点や目的地付近の表示をわかりやすく表示するものとして特許文献1のものがある。
【特許文献1】特開2004−205347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記従来のものでは、決められた目的地に向かうまでの表示を変更するものであり、ユーザーが目的地が定まっていないがどこかへ行きたいとか、旅先で宿に早く着きすぎたので、適当な時間内でどこか見たい、などの要望に応えるのは困難であった。
【0004】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は検出基点から所定時間内で到達可能な地点を判りやすく表示することが可能な地図表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明によれば、検出開始入力手段から検出開始の入力があると、距離・時間割合検出手段が、検出基点設定手段により設定された検出基点からの任意の地点に対する到達可能時間を地図データ記憶手段で記憶した地図データに基づいて検出して任意地点の地図上の距離に対する到達可能時間の割合を求め、そして時間地図作成手段が、該距離・時間割合検出手段により検出された検出結果に基づいて、同一到達可能時間となる地点が前記表示手段の表示画面上で前記検出基点から直線的にほぼ同距離となるように、地図上の距離座標を時間座標に置き換えて表示用の時間地図を作成し、表示制御手段がこの時間地図作成手段により作成した時間地図を前記表示手段に表示させる。この結果、検出基点から所定時間内で到達可能な地点が検出基点から同一半径の円上に示されるようになり、ユーザーが希望する走行時間で行ける複数の地点を表示画面上で容易に確認することができる。
【0006】
この場合、前記地図データ記憶手段で記憶した地図データは、表示用距離地図を複数の単位距離地図領域に分割して記憶しており、前記距離・時間割合検出手段は、前記単位距離地図領域の端の地点を前記任意の地点として該端の地点までの到達可能時間を検出して該単位距離地図領域の端までの距離・時間変換割合を求め、前記時間地図作成手段は、該距離・時間割合検出手段により求められた各単位距離地図領域の端までの距離・時間変換割合に基づいて、表示用の時間地図を作成するようにしても良い(請求項2の発明)。
【0007】
このようにすると、表示用の時間地図を容易に作成することができる。
また、前記単位距離地図領域の端の地点は、該単位距離地図領域の端のうち道路上の地点であっても良い(請求項3の発明)。このようにすると、道路上における所定時間での到達可能地点を容易に検出することができて、表示用の時間地図を容易に作成することができる。
【0008】
また、地図を広域表示モードないし詳細モードに表示変更するための詳細度指定手段を備え、この詳細度指定手段により指定された詳細度が詳細であるほど前記表示用の時間地図の時間座標が短くするようにしても良い(請求項4の発明)。このようにすると、ユーザーが詳細度を指定することにより、当該詳細度に応じた到達可能な時間と当該到達可能な時間に対応する地点とを表示することが可能となり、利便性が良くなる。
【0009】
また情報センタからの交通情報を収受する交通情報収受手段を備え、該交通情報収受手段により収受した交通情報を加味して前記時間座標が補正されるようにしても良い(請求項5の発明)。このようにすると、渋滞情報や、工事情報などにより時間地図の補正ができて利便性が良くなる。
【0010】
また、前記表示手段には、時間地図と通常の距離地図とが同時に表示可能であるようにしても良い(請求項6の発明)。このようにすると、実際の距離と所要時間とを対比しながら把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を地図表示装置としての機能を含むカーナビゲーション装置に適用した場合の一実施例について図面を参照して説明する。図1は、カーナビゲーション装置の電気的構成を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1は、マイコンを主体として構成された制御回路2、車両の現在位置を検出するための位置検出器3、地図データ入力器4、操作スイッチ群5、外部メモリインターフェイス6、カラー液晶ディスプレイ等からなる表示装置7、スピーカ8が接続された音声コントローラ9、マイク10から入力された音声を認識する音声認識装置11、リモコン12との間でコマンド等の送受信を行うリモコンセンサ13、例えばVICS(登録商標)センタ15からの種々の交通情報を収受するVICS受信機14から構成されている。
【0012】
ここで、前記制御回路2、位置検出器3、地図データ入力器4、操作スイッチ群5、表示装置7、VICS受信機14などにより地図表示装置1Aが構成されている。
位置検出器3は、車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ16、車両の走行距離を検出する距離センサ17、人工衛星からの送信電波に基づいて車両の現在位置を検出(測位)するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機18を有している。各センサ16〜18は、それぞれ性質の異なる誤差を有している。このため、制御回路2は、各センサ16〜18の検出値を補間しながら用いることにより、車両の現在位置、進行方向、速度、走行距離、現在時刻等を高精度で検出するようになっている。なお、精度によっては、位置検出器3を上述したセンサ16〜18の一部のみで構成してもよい。また、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0013】
地図データ入力器4は、地図データ記憶手段たるものであり、地図データ、目印データ、マップマッチング用データ、目的地データ(施設データベース)、交通情報を道路データに変換するためのテーブルデータなどの各種データを記録した地図データ記録メディアからデータを読み出すためのドライブ装置により構成されている。地図データ記録メディアには、DVD等の大容量記憶媒体を用いるのが一般的であるが、メモリカード、ハードディスク装置等の媒体を用いてもよい。
【0014】
上記地図データは、道路形状、道路幅、道路名、信号、踏切、建造物、各種施設、地名、地形等のデータを含むとともに、その道路地図を表示装置7の画面上に表示するためのデータを含んでいる。そして、各道路については、一方通行又は進入禁止が設定されている場合には、その交通規則情報も併せて記録されている。
【0015】
前記地図データは、図4に示すように、表示のために詳細度に応じた表示用距離地図の地図データを有しており、例えば詳細度として、極めて広域表示に向くレベルn(詳細度としては最も低い)から、全ての道路の詳細表示に向く最高詳細度のレベル0まで、n段階の表示レベルを有している。前記距離地図とは、表示画面上の尺度が距離座標である通常の地図のことをいう。なお、本発明では、表示画面上の尺度が時間座標である地図を時間地図という。
【0016】
例えば、図4において、詳細度が中間程度のレベル4の表示用距離地図H4では、例えば、国道や高速道路程度の道路網を表示するレベルであり、この表示用距離地図H4は、9分割した単位距離地図領域h41〜h49(これらは各レベルに応じた格納単位の記憶エリアに記憶されている)からなる。そして、この表示レベル4から一段詳細なレベル3の表示用距離地図H3では、前記単位距離地図領域h41〜h49の1つをさらに9倍(面積比)に拡大した詳細度となっており、主要県道、国道、高速道路の各道路網を表示するレベルとなっている。
【0017】
さらにこの表示用距離地図H3は、さらに9分割した単位距離地図領域h31〜h39からなる。また、さらに詳細度の高い表示用距離地図H2(レベル2)は、単位距離地図領域h31〜h39の1つをさらに9倍に拡大した詳細度となっており、県道一般、主要県道、国道、高速道路などの各道路網を表示するレベルとなっている。なお、ユーザーが選択すれば、主要県道及び国道のみを表示できるものである。
【0018】
さらに上記表示用時間地図H2より9倍拡大された詳細度の表示用時間地図H1では、通過に不向きな道路を除く全ての道路を表示する表示レベルとなっており、さらに、この表示用時間地図H1より9倍拡大された詳細度の表示用時間地図H0では、全ての道路を表示する表示レベルとなっている。
【0019】
また、前記目的地データは、駅等の交通機関、レジャー施設、宿泊施設、公共施設等の施設や、小売店、デパート、レストラン等の各種の店舗、住居やマンション、地名などに関する情報からなり、このデータにはそれらの電話番号や住所、緯度および経度等のデータが含まれるとともに、施設を示すランドマーク等を、表示装置7の画面上に道路地図に重ね合せて表示するためのデータを含んで構成されている。
【0020】
入力手段である操作スイッチ群5は、表示装置7の画面の近傍に設けられたメカニカルスイッチや、表示装置7の画面上に設けられるタッチパネルスイッチを含んで構成されており、これらのメカニカルスイッチやタッチパネルスイッチにより、検出開始入力手段としての時間地図表示開始スイッチ、基点設定手段としての基点設定スイッチ、詳細度指定手段としての詳細度指定スイッチ、また、時間地図表示状態から距離地図表示への切換指令をするための距離地図切換スイッチ、時間地図と距離地図とを同時に表示させるための同時表示スイッチなどが構成されている。
【0021】
ユーザー(ドライバ)は、この操作スイッチ群5を用いて、目的地、目的地の検索に必要な情報(目的地検索条件)、通過点などの入力、後述する有効化経路および有効化地点および表示装置7の画面や表示態様の切り替え(地図縮尺(詳細度)変更、メニュー表示選択、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、音量調整等)を行う各種のコマンドの入力を行う。
【0022】
また、リモコン12には複数の操作スイッチが設けられており、スイッチ操作によりリモコン12からリモコンセンサ13を介して各種の指令信号が制御回路2に送信される。なお、操作スイッチ群5とリモコン12は、何れの操作によっても制御回路2に同様の機能を実行させることができる。
【0023】
外部メモリI/F6は、例えばフラッシュメモリカード等のメモリ媒体に対応するものであり、ナビゲーションに関するものとしては、例えば経路案内時に制御回路2が設定した目的地までの経路のデータ、車両が通過した経路のデータ等を、例えばメモリカードのような記録媒体に書き込んで記憶するために使用される。
【0024】
表示装置7(表示手段)の画面には、車両の位置周辺の地図が各種縮尺で表示されるとともに、その表示に重ね合わせて、車両の現在位置と進行方向とを示す現在地マーク(ポインタ)が表示される。また、目的地までの経路案内の実行時には経路案内用の画面が表示される。さらに、ユーザーが目的地の検索に必要な情報等を入力したり、目的地の検索や設定を行うための入力用の画面や、各種のメッセージ等も表示される。
【0025】
音声認識装置11は、マイク10を介して入力される音声と内部に記憶する認識用の辞書データとを照合し、入力された音声を認識する。音声コントローラ9は、音声認識装置11を制御して音声認識結果を制御回路2に出力するとともに、認識された音声をスピーカ8を介してトークバック出力する。また、制御回路2からの音声出力指令に基づいて音声出力信号をスピーカ8に出力する。スピーカ8から出力される音声は、案内に関する音声、操作説明に関する音声、上記のトークバック音声などである。
【0026】
制御回路2を構成するマイコンは、CPU、メモリ(RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ等)19、I/Oなどを備えている。CPUがROM(またはフラッシュメモリ)に記憶されたプログラムを実行することにより、制御回路2は、目的地設定手段、経路探索手段、経路案内手段などとして機能する。経路探索手段としての機能は、車両の出発地(現在位置)から目的地までの推奨する走行経路を自動計算するものであり、その手法としては例えばダイクストラ法が用いられている。
【0027】
経路案内手段としての機能は、走行経路に沿って移動可能なように、表示装置7の画面に現在地周辺の道路地図を表示するとともに、車両の現在位置と進行方向を示す現在地マークを道路地図に重ね合わせて表示する機能である。この場合、車両の走行に伴って現在地の表示は地図上を移動し、地図は車両の位置に応じてスクロール表示される。このとき、車両の現在地を道路上にのせるマップマッチングが行われる。
【0028】
また、前記制御回路2は、距離・時間割合検出手段及び時間地図作成手段ならびに表示制御手段として機能するものであり、これらの機能については次の作用説明で述べる。
次に、本実施例の作用について図2を参照して説明する。図2は、車両用ナビゲーション装置1の制御回路2が行う処理を、本発明の要旨に係る部分について示すフローチャートである。
【0029】
このフローチャートは、時間距離表示開始スイッチがユーザーにより操作(検出開始入力手段から検出開始の入力操作)があると、スタートする。まず、ステップS1では、例えば初期画面として広域な地図(図3)を表示する(表示画面A)。この表示画面Aにおいては、例えば2時間で走行可能な距離の尺度Sも表示している。
【0030】
ステップS2では、検出基点の設定が有ったか否かを判断する。この場合、検出基点は、前記表示画面Aでのタッチパネルスイッチにより所望部位をタッチしても良いし、ポインタで所望部位を指示しても良いし、あるいは、地名入力などによって設定しても良い。このステップS2で「YES」であると、ステップS3に移行する。
【0031】
ステップS3では、詳細度指定スイッチにより所望の詳細度の入力指定が有ったか否かを判断する。
ここで、仮に表示レベル2の詳細度が設定されたとする。するとステップS4に移行して、当該表示レベル2に対応した表示用距離地図から、時間地図を作成する。
【0032】
すなわち、この表示レベル2の表示用距離地図の一例を図5に示しており、この距離地図において、検出基点は符号Pkで示されている。この表示用距離地図の地図データは、表示用距離地図を9つの単位距離地図領域に分割して記憶されており、各単位距離地図領域の端のうち道路上である地点(P1、P2、・・・)を任意の地点として定め、自車両が前記検出基点Pkから各地点P1、P2、・・・までに要する時間すなわち到達可能時間を検出し、該検出基点Pkから各単位距離地図領域(境界を符号Lで示している)の端までの距離・時間変換割合を求める。この場合、例えばユーザーによる設定が、有料道路使用可という条件となっている。
【0033】
そして、検出基点Pkに対する前記各地点P1、P2、・・・の直線距離を、前記距離・時間変換割合で時間座標に変更し、当該検出基点Pkに対する各地点P1、P2・・・の方角を距離地図の方角に合わせ、当該方角と当該時間座標とで、該検出基点Pkに対する各地点の表示位置を設定し、道路の連続性を持たせる。これにより、図5に示した表示用距離地図から図6に示す時間地図が作成される。この図6における地点Pk´、P1´、P2´、・・・は、図5の地点Pk、P1、P2・・・に対応する。
【0034】
また図6の境界L´は図5の境界Lに対応している。この時間地図は、同一到達可能時間となる各地点が、前記表示装置7の表示画面上で前記検出基点Pkから直線的にほぼ同距離となるように、地図上の距離座標を時間座標に置き換えることにより作成されている。なお、各単位距離地図領域の端に道路が無い時には、予め距離座標・時間座標割合をデフォルト値としても良い、他の地点で検出した距離座標・時間座標割合に基づいて設定しても良い。
【0035】
この図6の場合、太線の境界線L´は、道路上の検出地点がある境界を示している。そして、各単位距離地図領域の境界線L´は便宜上示しているが、表示画面では表示しない。
なお、図6では、時間座標が20分を最大として示している。図7には、図6に比して詳細度が小さい(広域度が大きい)時間地図の例を示しており、時間座標が最大1時間となっている。
【0036】
次のステップS5では、上述の図6の時間地図を表示装置7に表示させる。
この後、ステップS6で、距離地図切換スイッチにより距離地図表示への切換指令があったか否かを判断し、「YES」であれば、ステップS21に移行して、距離地図を表示する。
【0037】
このステップS6で「NO」であれば、ステップS7に移行して前記ステップS5の表示から所定時間が経過したか否かを判断し、所定時間が経過していれば、ステップS8に移行して前記検出基点が現在位置であるか否かを判断し、現在位置であれば、ステップS9で自車位置を検出し、自車位置の移動に応じて、ステップS10で表示用時間地図を作成し直し、ステップS11で再表示する。
【0038】
前記ステップS7で所定時間が経過していなければ、又はステップS8で「NO」であれば、ステップS12に移動して、VICSセンタ15から渋滞情報を収受したから否かを判断し、「YES」であれば、ステップS13渋滞場所や渋滞時間などに応じて表示用時間地図を再作成し、ステップS14で表示する(例えば図8参照)。この図8は、図7に対して渋滞発生部分での時間座標が長くなっており、例えば太線J1部分、J2部分が渋滞発生し、これに従って、時間座標が長くなっている。
【0039】
前記ステップS12で「NO」であれば、ステップS15に移行して、詳細度を変更する指令が入力されたか否かを判断し、変更指令の入力が有れば(「YES」)、ステップS16に移行して、その詳細度に応じて時間地図を作成し、ステップS17で表示する。
【0040】
前記ステップS15で「NO」であれば、またはステップS17の後には、ステップS18で同時表示スイッチにより同時表示指令の入力が有ったか否かを判断し、「YES」であればステップS19で、図9に示すように距離地図と時間地図とを並べて表示する。この後、ステップS20で、検出基点の入力があるか又は詳細度入力があるかを判断し、「YES」であれば、前記ステップS4に戻って、再度時間地図が作成されることになり、「NO」であれば、前記ステップS6に戻る。
【0041】
このような本実施例によれば、制御回路2は、操作スイッチ群5に含まれる時間地図表示開始スイッチ(検出開始入力手段)から検出開始の入力があると、操作スイッチ群5に含まれる基点設定スイッチ(基点設定手段)により設定された検出基点からの任意の地点に対する到達可能時間を地図データに基づいて検出して任意地点の地図上の距離に対する到達可能時間の割合を求め、そしてこの距離・時間割合に基づいて、同一到達可能時間となる地点が、前記表示手段の表示画面上で前記検出基点から直線的にほぼ同距離となるように、地図上の距離座標を時間座標に置き換えて表示用の時間地図を作成し、当該作成した時間地図を前記表示装置7に表示させる。この結果、検出基点から所定時間内で到達可能な地点が検出基点から同一半径の円上に示されるようになり、ユーザーが希望する走行時間で行ける複数の地点を表示画面上で容易に確認することができる。
【0042】
また、本実施例によれば、地図データが、表示用距離地図を複数の単位距離地図領域に分割して記憶しており、制御回路2における距離・時間割合検出手段が、前記単位距離地図領域の端の地点を前記任意の地点として該端の地点までの到達可能時間を検出して該単位距離地図領域の端までの距離・時間変換割合を求め、制御回路2における前記時間地図作成手段が、該距離・時間割合検出手段により求められた各単位距離地図領域の端までの距離・時間変換割合に基づいて、表示用の時間地図を作成するようにしたから、表示用の時間地図を容易に作成することができる。
【0043】
また、本実施例によれば、前記単位距離地図領域の端の地点を、該単位距離地図領域の端のうち道路上の地点としたから、道路上における所定時間での到達可能地点を容易に検出することができて、表示用の時間地図を容易に作成することができる。
【0044】
また、また本実施例によれば、地図を広域表示モードないし詳細モードに表示変更するための詳細度指定手段としての詳細度指定スイッチを操作スイッチ群5が含み、この詳細度指定スイッチにより指定された詳細度が詳細であるほど前記表示用の時間地図の時間座標が短くするようにしたから、ユーザーが詳細度を指定することにより、当該詳細度に応じた到達可能な時間と当該到達可能な時間に対応する地点とを表示することが可能となり、利便性が良くなる。
【0045】
また情報センタとしてのVICSセンタ15からの交通情報を収受する交通情報収受手段たるVICS受信機14を備え、該VICS受信機14により収受した交通情報を加味して前記時間座標を補正するようにしたから、渋滞情報や、工事情報などにより時間地図の補正ができて利便性が良くなる。
【0046】
また、本実施例によれば、表示装置7に、時間地図と通常の距離地図とが同時に表示可能としたから、実際の距離と所要時間とを対比しながら把握することができる。
本発明は、上記した実施例に限定されずに、次のように変更して実施することができる。情報センタとしては、VICSセンタ15以外に、電話回線網などの広域通信網を利用した路側装置でも良く、制御回路2と双方向に通信可能としても良い。また、検出基点からユーザーが希望する到達可能時間を入力し、この到達可能な時間で表示できる地点を含む詳細度の表示用時間地図を自動的に作成しても良い(詳細度指定手段は必要に応じて設ければ良い)。また、時間地図に表示を切換える際に、距離地図と時間地図の遷移の様子(距離地図と時間地図の中間的な地図)を表示するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施例を示すカーナビゲーション装置の機能的ブロック図
【図2】制御内容を示すフローチャート
【図3】表示例を示す図
【図4】詳細度に応じた表示用距離地図を示す図
【図5】レベル2の詳細度に応じた表示用距離地図を示す図
【図6】表示用時間地図を示す図
【図7】図6とは異なる詳細度の表示用時間地図を示す図
【図8】交通情報を加味した表示用時間地図を示す図
【図9】時間地図と距離地図とを同時に表示する表示例を示す図
【符号の説明】
【0048】
図面中、1はカーナビゲーション装置、1Aは地図表示装置、2は制御回路(距離・時間割合検出手段、時間地図作成手段、表示制御手段)、4は地図データ入力器(地図データ記憶手段)、5は操作スイッチ群(基点設定手段、検出開始入力手段、詳細度指定手段)、7は表示装置(表示手段)、14はVICS受信機(交通情報収受手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される地図表示装置であって、
表示手段と、
地図データを記憶した地図データ記憶手段と、
検出基点を設定する基点設定手段と、
検出開始入力手段と、
前記検出開始入力手段から検出開始の入力があると、前記基点設定手段により設定された前記検出基点からの任意の地点に対する到達可能時間を前記地図データに基づいて検出して任意地点の地図上の距離に対する到達可能時間の割合を求める距離・時間割合検出手段と、
該距離・時間割合検出手段により検出された検出結果に基づいて、同一到達可能時間となる地点が、前記表示手段の表示画面上で前記検出基点から直線的にほぼ同距離となるように、地図上の距離座標を時間座標に置き換えて表示用の時間地図を作成する時間地図作成手段と、
この時間地図作成手段により作成した時間地図を前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えたことを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記地図データ記憶手段で記憶した地図データは、表示用距離地図を複数の単位距離地図領域に分割して記憶しており、
前記距離・時間割合検出手段は、前記単位距離地図領域の端の地点を前記任意の地点として該端の地点までの到達可能時間を検出して該単位距離地図領域の端までの距離・時間変換割合を求め、
前記時間地図作成手段は、該距離・時間割合検出手段により求められた各単位距離地図領域の端までの距離・時間変換割合に基づいて、表示用の時間地図を作成することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記単位距離地図領域の端の地点は、該単位距離地図領域の端のうち道路上の地点であることを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項4】
地図を広域表示モードないし詳細モードに表示変更するための詳細度指定手段を備え、
この詳細度指定手段により指定された詳細度が詳細であるほど前記表示用の時間地図の時間座標が短いことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の地図表示装置。
【請求項5】
情報センタからの交通情報を収受する交通情報収受手段を備え、
該交通情報収受手段により収受した交通情報を加味して前記時間座標が補正されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の地図表示装置。
【請求項6】
前記表示手段には、時間地図と通常の距離地図とが同時に表示可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−210529(P2009−210529A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56524(P2008−56524)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】