説明

基板の上に配置された膜の特性を測定する方法およびシステム

本発明は、基板の上に配置された膜の特性を測定する方法およびシステムを提供することを対象とする。該方法は、膜の上において複数の処理領域を識別することと、複数の処理領域のサブセットの特性を測定することと、測定された特性を確定することと、測定された特性の1つの変化を決定することと、測定された特性の1つと、サブセットの残りの処理領域に関連付けられる測定された特性との比較に基づいて、変化の原因を関連付けることとを含む。該システムは、上述された方法を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、一般的には、インプリント・リソグラフィに関する。より具体的には、本発明は、インプリント・リソグラフィ・プロセスを使用してパターニングされた膜の特性の測定を対象とする。
【背景技術】
【0002】
微細製造は、たとえばマイクロメートル以下の大きさのフィーチャを有する非常に小さな構造の製造を含む。微細製造が相当大きな影響を有している1つの分野は、集積回路の処理である。半導体処理産業は、より高い生産歩留まりを追求し続け、基板の上に形成される単位面積当たりの回路は増えているので、微細製造は、ますます重要になっている。微細製造は、形成される構造の最小フィーチャ寸法をさらに低減させる、より優れたプロセス制御を必要とする。微細製造が使用されている他の開発分野には、バイオテクノロジ、光学技術、機械システムなどがある。
【0003】
例示的な微細製造技術が、ウィルソン(Willson)らへの米国特許第6334960号、およびUltrafast and Direct Imprint of Nanostructures in Silicon、Nature、Col.417、835〜837ページ、2002年6月においてチョー(Chou)らによって開示されており、後者は、レーザ・アシスト・ダイレクト・インプリント(LADI)・プロセスと呼ばれる。これらのプロセスの両方とも、流動性材料をモールドでエンボス加工し、その後、パターニング層を形成するように流動性材料を硬化させることによって、基板の上に層を形成することを含む。
【0004】
微細製造技術によって小さいサイズのフィーチャが生成される結果として、処理中や処理後に膜の特性を決定するためのプロセス診断がますます重要になっている。膜の特性の決定を容易にするために、多くの従来の技術のプロセス制御や診断技術が、標準的な半導体処理操作において使用されてきた。しかし、既存のプロセス制御や診断技術の多くは、微細製造中に使用されるエンボス技術と共に使用するのには適していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、インプリント・リソグラフィなど、微細製造プロセスと共に使用される改良されたプロセスと診断技術を提供することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基板の上に配置された膜の特性を測定する方法およびシステムを提供することを対象とする。方法は、膜の上で複数の処理領域を識別し、複数の処理領域のサブセットの特性を測定し、測定された特性を確定し、測定された特性の1つの変化を決定し、測定された特性の1つとサブセットの残りの処理領域に関連付けられる測定された特性との比較に基づいて、変化の原因を関連付けることを含む。システムは、上述された方法を実施する。これらおよび他の実施形態が、以下においてより完全に議論される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、一対の間隔をおいて位置するブリッジ・サポート12を含む本発明の一実施形態によるリソグラフィ・システム10を示している。ブリッジ・サポート12は、その間に延びるブリッジ14とステージ・サポート16を有する。ブリッジ14とステージ・サポート16は間隔をおいて配置されている。ブリッジ14には、インプリント・ヘッド18が結合され、インプリント・ヘッド18は、ブリッジ14からステージ・サポート16に向かって延びており、Z軸に沿って動くことができる。インプリント・ヘッド18と対面するようにステージ・サポート16の上に、基板サポート・スタック20と呼ばれる移動ステージが配置されている。基板サポート・スタック20は、X軸、Y軸に沿ってステージ・サポート16に対して移動するように構成されている。インプリント・ヘッド18は、X軸、Y軸だけでなくZ軸に沿って動くことができ、移動ステージ20は、Z軸、X軸、Y軸において動くことができることを理解されたい。例示的な基板サポート・スタック20が、参照によって本明細書に完全に組み込まれている、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願10/194414、2002年7月11日出願、名称「Step and Repeat Imprint Lithography Systems」において開示されている。放射源22が、化学線放射を基板サポート・スタック20に入射させるために、リソグラフィ・システム10に結合されている。示されるように、放射源22はブリッジ14に結合されており、放射源22に接続された電力生成装置24を含む。リソグラフィ・システム10の動作は、通常、それとデータ通信するプロセッサ26によって制御される。
【0008】
図1、2の両方を参照すると、インプリント・ヘッド18には、モールド32を有するテンプレート30が取り付けられるチャック28が含まれる。インプリント・ヘッド18とチャック28は、参照によって本明細書に組み込まれている、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願10/293224、名称「A Chucking System for Modulating Shapes of Substrates」、2002年11月13日出願、ならびに本発明の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許出願10/316963、名称「A Method for Modulating Shapes of Substrates」、2002年12月11日出願において開示されている。モールド32は、複数の間隔をおいて位置する凹み34と突出部36によって形成される複数のフィーチャを含む。複数のフィーチャは当初のパターンを形成し、このパターンは移動ステージ20の上に配置されるウエハ38に転写されるパターンの基礎を形成する。そのために、インプリント・ヘッド18および/または移動ステージ20は、モールド32とウエハ38との距離「d」を変化させることが可能である。このようにして、モールド32のフィーチャは、以下においてより完全に議論されるように、ウエハ38の流動性領域にインプリントされる。放射源22は、モールド32が放射源22とウエハ38との間に位置するように配置される。その結果、モールド32は、放射源22によって生成される放射に対してほぼ透過性である材料から製造される。
【0009】
図2、3の両方を参照すると、インプリント層40などの流動性領域が、ほぼ平面のプロファイルを有する表面42の一部の上に配置される。流動性領域は、参照によって本明細書において完全に組み込まれている米国特許第5772905号において開示されているホット・エンボス・プロセス、または、Ultrafast and Direct Imprint of Nanostructures in Silicon、Nature、Col.417、835〜837ページ、2002年6月においてチョーらよって記載されているタイプのレーザ・アシスト・ダイレクト・インプリント(LADI)・プロセスなど、任意の既知の技法を使用して形成することが可能である。しかし、この実施形態では、流動性領域は、以下でより完全に議論されるように、ウエハ38の上に材料46の複数の間隔をおいて配置されたビード44として設けられたインプリント層40からなる。ビード44を付着させる例示的なシステムが、本発明の譲受人に譲渡され、かつ参照によって本明細書に完全に組み込まれている米国特許出願10/191749、2002年7月9日出願、名称「System and Method for Dispensing Liquids」において開示されている。インプリント層40は、材料46から形成され、材料46は、当初のパターンを記録するために、選択的に重合され、かつ架橋され、記録されたパターンを確定する。材料46の例示的な組成が、参照によって本明細書において完全に組み込まれている米国特許出願10/463396、2003年6月16日出願、名称「Method to Reduce Adhesion Between a Conformable Region and a Pattern of a Mold」において開示されている。材料46は、点48において架橋され、架橋されたポリマー材料50を形成するものとして、図4において示されている。
【0010】
図2、3、5を参照すると、インプリント層40に記憶されているパターンは、一部には、モールド32との機械的接触によって生成される。そのために、距離「d」を小さくして、インプリント・ビード44がモールド32と機械的に接触し、ビード44を拡げて、表面42にわたる材料46の連続的な構成を有するインプリント層40を形成させる。一実施形態では、距離「d」は、インプリント層40の一部分52が、凹み34の中に進入して、凹み34に充填されるように低下させられる。
【0011】
凹み34の充填を容易にするために、材料46は、凹み34を完全に充填し、材料46の連続的な構成で表面42を覆うために必要な特性を備える。この実施形態では、インプリント層40の突出部36が重なる一部分54は、望ましい、通常は最小、距離「d」に到達した後にも残り、厚さt1を有する一部分52と厚さt2を有する一部分54を残す。厚さ「t1」と「t2」は、応用分野に応じて、任意の望ましい厚さとすることが可能である。
【0012】
図2、3、4を参照すると、望ましい距離「d」に到達した後、放射源22は、材料46を重合および架橋し、架橋ポリマー材料50を形成する化学線放射を生成する。その結果、インプリント層40の組成は、材料46から固体である架橋ポリマー材料50に変質する。具体的には、架橋ポリマー材料50は、図5においてより明確に示されるように、モールド32の表面58の形状と一致する形状を有するインプリント層40の面56を形成するように硬化する。図4に示されるように、インプリント層40が架橋ポリマー材料50からなるように変質した後、図2に示されるインプリント・ヘッド18は、モールド32とインプリント層40が離れるように距離「d」を増大させるために移動する。
【0013】
図5を参照すると、追加の処理が、ウエハ38のパターニングを完成するために使用されることが可能である。たとえば、ウエハ38とインプリント層40は、インプリント層40のパターンをウエハ38に転写して、図6に示されるパターニング表面60を形成するように、エッチングすることが可能である。エッチングを容易にするために、インプリント層40が形成される元である材料は、所望に応じて、ウエハ38に関する相対エッチング率を確定するために変更することが可能である。ウエハ38に対するインプリント層40の相対エッチング率は、約1.5:1から約100:1の範囲でよい。
【0014】
図7、8を参照すると、通常、ウエハ38全体は、ステップ・アンド・リピート・プロセスを使用してパターニングされる。ステップ・アンド・リピート・プロセスは、モールド32の上の当初のパターンが記録されるウエハ38の上に、a〜lとして示される複数の領域を決めることを含む。モールド32上の当初のパターンは、モールド32の表面全体と同一の広がりを有してもよく、または単に表面の一部分に位置していてもよい。本発明は、ウエハ38と対面するモールド32の表面と同一の広がりを有する当初のパターンに関して議論される。ステップ・アンド・リピート・プロセスの適切な実行は、モールド32を領域a〜lのそれぞれと適切に位置合わせすることを含む。そのために、モールド32は、位置合わせマーク(図示せず)を含む。領域a〜lの1つまたは複数は、基準マーク(図示せず)を含む。位置合わせマーク(図示せず)が基準マーク(図示せず)と適切に位置合わせされることを保証することによって、モールド32と、モールド32に重ね合わされている領域a〜lの1つとの適切な位置合わせが保証される。そのために、以下においてより完全に議論される感知デバイス62を使用することができる。このようにして、モールド32は、パターンを記録するために、処理領域a〜lのそれぞれと順次接触させられる。
【0015】
感知デバイス62は、プロセス診断を容易にするために使用される。そのために、感知デバイス62は、光源64を含み、かつ光をウエハ38の上に集束させる光学トレイン66を含む。感知デバイス62は、領域a〜lから反射された位置合わせ放射を、光センサ68が配置されている単一焦点面Pの上に集束させるように構成されている。その結果、必要であれば、光学トレイン66を波長に応じた焦点距離となるように構成させ、異なる波長の光を使用できるようにする。光は、当技術分野において既知の任意の方式で生成することが可能である。たとえば、光70として示される単一の広帯域光源が、光学トレイン66に入射する波長を生成することが可能である。光学帯域通過フィルタ(図示せず)が、広帯域源と位置合わせマーク(図示せず)との間に配置されてもよい。
【0016】
代替として、それぞれが異なる光の波長を生成する複数の光源(図示せず)を使用することも可能である。光70は、領域R1およびR2として示される1つまたは複数の領域において、領域a〜lに入射するように光学トレイン66によって集束される。光は、反射光72として示されるように、領域R1およびR2から反射され、コレクタ・レンズ74によって収集される。コレクタ・レンズ74は、光センサ68が反射光72を検出するように、反射光72の全波長を面Pの上に集束させる。反射光は、周知の技術を使用してインプリント層40の特性に関する情報を含む。たとえば、膜の厚さ、パターンの品質、パターンの位置合わせ、パターンの限界寸法変化などの特性が、センサ68によって感知された光によって得られる。センサ68によって感知された情報は、プロセッサ26に送信され、プロセッサ26は、量子化測定値を得るために情報を量子化する。次いで、プロセッサ26は、異常が領域a〜lのインプリント層40に存在するかを決定するために、センサ68から受信した情報を、メモリ106などのルック・アップ・テーブルに含まれている演繹的情報と比較する。
【0017】
図1と7を参照すると、処理領域a〜lにおいて生成されたパターンに異常が見つかると、ステップ・アンド・リピート・インプリント・プロセスは、異常源を容易に決定できること判明している。たとえば、ほぼ同様の異常が処理領域a〜lのそれぞれにおいて見つかる場合、インプリント・ヘッド18が異常の原因であると推測できる。インプリント・ヘッド18のどのサブシステムが異常に寄与したか、または異常を引き起こしたかを決定するために、サブシステムはシステム的に交換される。
【0018】
たとえば、図9、10を参照すると、インプリント・ヘッド18は、チャック本体28を含むチャッキング・システム80を介してテンプレート30が結合されるヘッド・ハウジング76など、多くのサブシステムを含む。具体的には、テンプレート30は、対向面84、86とその間に延びる周囲面88を含む。面86は、チャッキング・システム80と対面し、モールド32は面84から延びる。図2に示されるビード44からの流体が、モールド32の領域を超えて広がらないことを保証するために、モールド32の表面58は、15ミクロンなど、ミクロンの大きさの距離、テンプレート30の面84から離れて位置する。較正システム90が、インプリント・ヘッド・ハウジング76に結合され、チャック本体28は、たわみシステム92と向かい合う較正システム90にテンプレート30を結合させる。較正システム90は、図2に示されるように、テンプレート30とウエハ38との間の適切な配向位置合わせを容易にし、それにより、その間におけるほぼ一様なギャップ距離「d」を達成する。
【0019】
図9、11の両方を参照すると、較正システム90は、複数のアクチェータ94、96、98とベース・プレート100を含む。具体的には、アクチェータ94、96、98は、ハウジング76とベース・プレート100との間において接続される。たわみシステム92は、たわみばね102とたわみリング104を含む。たわみリング104は、ベース・プレート100とたわみばね102との間に結合される。アクチェータ94、96、98の動きにより、たわみリング104が配向され、たわみリング104は、たわみばね102、したがってチャック本体28とテンプレート30を粗く較正する。アクチェータ94、96、98は、Z軸に対するたわみリング104の併進をも容易にする。たわみばね102は複数の線形ばねを含み、これは、図2に示されるように、適切な配向位置合わせがウエハ38とテンプレート30との間において達成されることが可能であるように、X−Y面におけるジンバル状の動きを容易にする。
【0020】
図1、10、11を参照すると、モールド32が異常に寄与するか否かを決定するために、テンプレート30が交換される。異常がない場合、モールド32が異常源であると結論付けることができる。異常が依然として存在する場合、たわみばね102など、インプリント・ヘッド18の他のサブシステムを交換する。異常が他の領域a〜lのパターンにおいて存在しないことが判明する場合、たわみばね102が源であると結論付けることができる。異常が依然として存在する場合、チャック本体28、アクチェータ94、96、98、たわみばね104など、他のサブシステムを交換する。
【0021】
異常が処理領域の唯1つにおいて出現することが観測されると、基板サポート・スタック20が異常の原因であると推測することができる。インプリント・ヘッド18に関して上記で議論されたように、基板サポート・スタック20のサブシステムは、異常に寄与するサブシステムを識別するために、個々に交換することが可能である。
【0022】
しかし、異常とその源が、たとえば全ウエハ・パターニング技術を使用して、ステップ・アンド・リピート・インプリントを使用せずに決定されることも可能であることも理解されたい。そのために、一群の基板が、異常が連続基板の上に存在するか否かを決定するために処理中に検査される。連続ウエハ38の上において、ほぼ同様の異常が同じ領域において見つかる場合、または同様の異常が異なる領域において見つかる場合、モールド32またはチャック28が欠陥の原因であると推測することができる。これは、モールド32を交換することによって確認することができる。異常が依然として存在する場合、異常の原因はチャック28であると結論付けることができる。異常が、モールド32の交換の際に反復されないと判明する場合、モールド32が異常の原因であると結論付けることができる。異常がウエハ38の限定された数または1つの上に出現することが観測される場合、ウエハ38が異常の原因であると推測することができる。
【0023】
たとえば、異常は、膜の厚さの変化であることがある。そのために、偏光解析(ellipsometry)、散乱解析(scatteromety)、広帯域分光測定など、いくつかの膜の厚さの測定のいずれか1つを使用することができる。膜の厚さを測定する例示的な技法は、広帯域分光計から得られる反射放射の高速フーリエ変換(FFT)に基づく。これは、参照によって本明細書において完全に組み込まれている米国特許出願09/920341、名称「Methods For High−Precision Gap Orientation Sensing Between a Transparent Template and Substrate For Imprint Lithography」において開示されている。多層膜について、この技法は、1,000の部分など、処理領域a〜lの1つにおける所定の数の部分で測定することによって、各薄膜の平均的な厚さと厚さの変化を得ることが可能である。FFT厚さ測定技法を使用して、反射放射は、デジタル化/量子化され、波数が得られる。次いで、量子化されたデータは、FFTアルゴリズムを使用してそのデータを処理する周波数領域にマッピングされる。周波数領域において、p1とp2として図12に示される1つまたは複数のピークが得られ、その一方は、処理領域a〜lの1つにおける膜の厚さに対応する。p1などの明確に決まる単一ピークについて、膜の厚さ(t)は、ピークp1が中心とする周波数の関数である。これは、演繹的情報から導出する、または決定することが可能である。
【0024】
たとえば、一部分のいくつかまたはすべてにおいて膜の厚さの測定を得た後、平均値が、これらの厚さの測定から導出される。その後、膜の厚さの測定のそれぞれは、平均値と比較される。厚さの測定のいずれか1つが、所定の閾値より大きく平均値から変化する場合、関連する処理領域a〜lにおける膜の厚さの測定に異常が存在すると決定することが可能である。さらに、処理領域内の異常の位置を確認することが可能である。閾値の実際の値は、任意の望ましいものとすることが可能であり、通常、パターンの設計許容度、膜の厚さなど、いくつかの因子に依存する。代替として、平均値からの標準偏差の変化として異常を決定できることが判明している。そのために、第1、第2、第3標準偏差など、平均値からの標準偏差が所定の閾値と比較される。以上から、処理領域a〜lのそれぞれにおける膜の厚さや、膜の厚さの異常が存在するかを決定することが可能である。
【0025】
図1と13を参照すると、動作時、複数の処理領域が、ステップ200において識別される。ステップ202において、複数の処理領域のサブセットの特性が測定される。サブセットは、処理領域a〜lのすべてを含むことが可能である。ステップ204において、上述された測定技法の1つまたは複数を使用して、測定された特性の1つまたは複数の変化が決定される。この例では、異常が処理領域bに見つかると想定する。ステップ206において、処理領域bにおける変化の原因が、処理領域aおよびc〜lに関連付けられる測定された特性との比較に基づいて決定される。上述された動作を容易にするために、プロセッサ26は、プロセッサ26によって動作されるコードを記憶するメモリ106に結合される。コードは、処理領域a〜lの複数の上に光放射を当て、そこから反射された光放射を検出するために、図8に示される感知デバイス62を制御する第1サブルーチンを含む。第2サブルーチンが含まれ、これは、処理領域a〜lの前記複数の1つにおいて所定の数の測定値を得て、所定の数の測定値を量子化して平均値を得るように、感知デバイスの動作を制御する。第1サブルーチンは、所望に応じておよび/または応用分野に基づいて確立されることが可能である所定の閾値と平均値を比較することによって変化を決定する。
【0026】
上述された本発明の実施形態は、例示である。本発明は、膜の厚さの異常を測定することに関して記述されたが、他の異常を決定することが可能である。たとえば、本発明を使用して、インプリント層において形成される可能性があるパターンのひずみが感知され、その原因が決定されることが可能である。その結果、システムは、パターンフィーチャの限界寸法変化の異常、ならびにフィールド対フィールドおよび/または層対層の位置合わせの誤差を検出するために使用することが可能である。そのような情報により、そのような異常を補正/補償するために、適応的な制御を使用することが可能である。これらの測定は、その場で、または後のプロセスにおいて実施することが可能である。さらに、本発明は、インプリント・リソグラフィ機械の上に配置されることに関して議論された。しかし、本発明は、別の機械によって、インプリント・リソグラフィ・プロセスから離れて実施することが可能である。
【0027】
その結果、依然として本発明の範囲内において、上述された開示に対して多くの変更および修正を実施することが可能である。したがって、本発明の範囲は、上記の記述によって限定されるべきではなく、代わりに、等価物の全範囲と共に添付の請求項を参照して決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明によるリソグラフィ・システムの透視図である。
【図2】図1に示されるリソグラフィ・システムの簡略化された正面図である。
【図3】図2に示されるインプリント層が、重合および架橋される前に構成される元となる材料を示す簡略図である。
【図4】図3に示される材料が、放射にさらされた後に変質される架橋ポリマー材料を示す簡略図である。
【図5】インプリント層をパターニングした後の、図1に示されるインプリント層から間隔をおいて位置するモールドの簡略化された正面図である。
【図6】第1インプリント層のパターンが内部において転写された後の、図5に示される基板の上に配置された追加のインプリント層の簡略化された正面図である。
【図7】図1、2に示される基板のトップ・ダウン図である。
【図8】本発明による感知システムの平面図である。
【図9】図1に示されるインプリント・ヘッドの詳細な透視図である。
【図10】図1に示される、チャッキング・システムに添付された、上にモールドを有する基板の詳細な断面図である。
【図11】図9に示されるインプリント・ヘッドの分解透視図である。
【図12】本発明による周波数領域において、図8に示される感知システムによって感知される反射放射のマッピングを示すグラフである。
【図13】本発明による膜の特性を測定するプロセスを示すフロー・チャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に配置された膜の特性を測定する方法であって、
前記膜の上で複数の処理領域を識別することと、
前記複数の処理領域のサブセットの特性を測定し、測定された特性を確定することと、
前記測定された特性の1つの変化を決定することと、
前記測定された特性の前記1つと、前記サブセットの残りの処理領域に関連付けられる測定された特性との比較に基づいて、前記変化の原因を関連付けることと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記変化が欠陥である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変化が位置合わせ誤差である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記変化が限界寸法変化である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記原因が、インプリント・ヘッドの欠陥、サポート・スタックの欠陥、テンプレートの欠陥、基板の欠陥などの原因の1つの組から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
測定することが、前記複数の処理領域の1つにおいて所定の数の測定値を得て、前記所定の数の測定値を量子化し、平均値を得ることをさらに含み、前記変化を決定することが前記平均値を所定の閾値と比較することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
測定することが、前記複数の処理領域の1つにおいて所定の数の測定値を得て、前記所定の数の測定値を量子化し、平均値とその平均値からの標準偏差を得ることを含み、前記変化を決定することが、前記標準偏差を所定の閾値と比較することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
関連付けることが、前記変化に共通のフィーチャを有する前記サブセットの残りの処理領域における追加の変化を確認して、前記原因をテンプレートの欠陥とインプリント・ヘッドの欠陥の一方に関連付けることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
関連付けることが、前記変化と前記サブセットの残りの処理領域の特性との類似性の欠如を見つけて、前記原因をサポート・スタックの欠陥と基板の欠陥の一方に関連付けることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
測定することが、光放射を前記複数の処理領域に当てて、前記特性に対応する情報を含む前記膜から反射された光放射を感知することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
基板の上に配置された膜の特性を測定する方法であって、
前記膜の上で複数の処理領域を識別することと、
前記複数の処理領域のサブセットの特性を測定し、測定された特性を確定することと、
前記測定された特性の中で異常を決定することと、
前記測定された特性の前記異常と前記処理領域の残りにおける特性との比較に基づいて、前記異常の源を関連付けることと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
基板の上に配置された膜の特性を測定するシステムであって、
基板サポート・スタックと、
前記基板サポート・スタックの上に配置された基板と、
インプリント・ヘッドと、
前記インプリント・ヘッドの上に配置されたテンプレートと、
感知システムと、
関連付けられた特性をサブセットが有する複数の処理領域を識別し、前記複数の処理領域の1つの特性を前記サブセットの残りの処理領域に関連付けられる特性と比較することによって、前記複数の処理領域の前記1つの前記特性における異常の原因を確認する手段と
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項13】
前記原因が、インプリント・ヘッドの欠陥、サポート・スタックの欠陥、テンプレートの欠陥、基板の欠陥などの原因の1つの組から選択される請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
識別する前記手段が、プロセッサとそのプロセッサで動作するコードを記憶するメモリ素子をさらに含み、前記コードが、前記サブセットの前記複数の処理領域に光放射を当てて、それから反射された光放射を検出するように、前記感知デバイスを制御する第1サブルーチンを含む請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記コードが、前記複数の処理領域の前記1つにおいて所定の数の測定値を得て、前記所定の数の測定値を量子化して、平均値とその平均値からの標準偏差を得るように、前記感知デバイスの動作を制御する第2サブルーチンを含み、前記第1サブルーチンが、前記標準偏差値と所定の閾値を比較することによって前記変化を決定する請求項14に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−523492(P2007−523492A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554141(P2006−554141)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/004414
【国際公開番号】WO2005/079304
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】