説明

基板処理方法、その基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体及び基板処理装置

【課題】処理液により基板を処理する際に発生する気泡に起因して基板処理が阻害されるのを防止できる基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板Wを処理するための処理液を貯留する処理槽30と、処理槽30内で基板Wを保持可能な基板保持部41と、基板保持部41を昇降駆動する駆動部53とを有する基板処理装置11における基板処理方法であって、基板保持部41が保持している基板Wを処理槽30が貯留している処理液に浸漬させて処理する際に、基板保持部41を駆動部53により処理槽30から上昇させて基板Wを処理液から引き上げ、上昇させた基板保持部41を駆動部53により下降させて基板Wを再び処理液に浸漬させることによって、基板Wを処理する際に発生する気泡を基板Wから除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理方法、その基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体ウェハ等の基板を処理液により処理する基板処理システムが使用されている。その中でも、基板を処理液に浸漬させて基板処理を行う基板処理装置を備えた基板処理システムが広く普及している。
【0003】
一般に、従来の基板処理装置は、処理液を貯留する処理槽と、基板を保持し、保持した基板を処理槽が貯留している処理液に浸漬させる基板保持部を備えている。基板保持部は、鉛直に配置されたガイドZ軸に沿って処理槽内の位置と処理槽の上方の位置との間を昇降自在に設けられている。そして、基板を保持している基板保持部を処理槽の上方の位置から処理槽内の位置に下降させて基板を処理液に浸漬させることによって、基板の処理を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような基板処理装置を備えた基板処理システムにおいては、処理液をエッチング液とし、基板をエッチング処理(ウェットエッチング)するものがある。例えば、基板としてシリコンウェハを用い、処理液として例えば水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ性のエッチング液を用い、シリコンウェハにウェットエッチングを行うものがある(例えば、特許文献2参照)。昨今では、このようなシリコンウェハのウェットエッチングは、例えば太陽電池の製造プロセス(例えば、特許文献3参照)、あるいはマイクロマシニング加工プロセスにおいて行われることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−164409号公報
【特許文献2】実開平01−104024号公報
【特許文献3】特表2004−526298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記したようなシリコンウェハをアルカリ性のエッチング液によりエッチング処理する基板処理装置においては、次のような問題がある。
【0007】
アルカリ性のエッチング液を用いてシリコンウェハをエッチングする場合、エッチング液とシリコンウェハとの化学反応により気泡が発生する。発生した気泡の一部がシリコンウェハに付着すると、シリコンウェハの表面にエッチング液が到達しにくくなることがある。あるいは、発生した気泡の一部がシリコンウェハの近傍に滞留することがある。気泡がシリコンウェハに付着するか、また、シリコンウェハの近傍に滞留すると、シリコンウェハの周辺における薬液濃度が安定しにくくなり、その結果、シリコンウェハのエッチングが阻害されることがある。具体的には、エッチング時間が長くなるか、あるいは、シリコンウェハ面内におけるエッチングレートの均一性が低下する、等の問題が生ずる。
【0008】
例えば、上記した太陽電池の製造プロセスやマイクロマシニング加工プロセスにおいては、ウェットエッチングによりシリコンウェハに深い溝部(又は貫通孔)を形成することがある。しかし、形成する溝部が深いときは、気泡が溝部に滞留しやすくなる。また、形成する溝部が深いときは、エッチング時間が長くなるため、気泡が溝部に滞留しやすくなる。その結果、形成する溝部が深いときは、シリコンウェハ面内におけるエッチングレートの均一性が低下する、等の問題が生じやすくなる。
【0009】
また、上記の課題は、アルカリ性のエッチング液によりシリコンウェハをエッチングする場合のみならず、各種の処理液により各種の基板を処理する際に、気泡又は溶解物が発生するようなプロセスにおいても共通する課題である。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、処理液により基板を処理する際に発生する気泡に起因して基板処理が阻害されるのを防止できる基板処理方法及び基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の一実施例によれば、基板を処理するための処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽内で基板を保持可能な基板保持部と、前記基板保持部を昇降駆動する駆動部とを有する基板処理装置における基板処理方法であって、前記基板保持部が保持している基板を前記処理槽が貯留している処理液に浸漬させて処理する際に、前記基板保持部を前記駆動部により前記処理槽から上昇させて前記基板を前記処理液から引き上げ、上昇させた前記基板保持部を前記駆動部により下降させて前記基板を再び前記処理液に浸漬させることによって、前記基板を処理する際に発生する気泡を前記基板から除去する、基板処理方法が提供される。
【0013】
また、本発明の一実施例によれば、基板を処理するための処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽内で基板を保持可能な基板保持部と、前記基板保持部を昇降駆動する駆動部と、前記基板保持部が保持している基板を前記処理槽が貯留している処理液に浸漬させて処理する際に、前記基板保持部を前記駆動部により前記処理槽から上昇させて前記基板を前記処理液から引き上げ、上昇させた前記基板保持部を前記駆動部により下降させて前記基板を再び前記処理液に浸漬させることによって、前記基板を処理する際に発生する気泡を前記基板から除去する、制御部とを有する、基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、処理液により基板を処理する際に発生する気泡に起因して基板処理が阻害されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態に係る基板処理システムの斜視図である。
【図2】搬送装置の斜視図である。
【図3】基板処理装置の縦断面図である。
【図4】処理槽及び処理液循環機構を模式的に示す断面図である。
【図5】移送装置の斜視図である。
【図6】基板処理システムの制御系統を示すブロック図である。
【図7】実施の形態に係る基板処理方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施の形態に係る基板処理方法の各工程におけるウェハ及びウェハガイドの状態を模式的に示す正面図である。
【図9】実施の形態に係る基板処理方法の各工程におけるウェハ及びウェハガイドの状態を模式的に示す正面図である。
【図10】実施の形態に係る基板処理方法の各工程におけるウェハ及びウェハガイドの状態を模式的に示す正面図及び側面図である。
【図11】実施の形態に係る基板処理方法の各工程におけるウェハ及びウェハガイドの状態を模式的に示す正面図及び側面図である。
【図12】実施の形態に係る基板処理方法の各工程におけるウェハ及びウェハガイドの状態を模式的に示す正面図及び側面図である。
【図13】実施の形態に係る基板処理方法による処理の前後のウェハの形状を模式的に示す断面図である。
【図14】比較例に係る基板処理方法による処理の後のウェハの形状を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を、処理液により半導体ウェハ(以下「ウェハ」という。)を処理するように構成された基板処理装置を備えた基板処理システムに基づいて説明する。
【0017】
基板処理システムは、一例として、ウェハWの基板処理及び乾燥を行うように構成されている。なお、基板処理システムは、ウェハWの処理液により各種の基板の基板処理を行うように構成されていればよく、例えば、洗浄液よりなる処理液によりガラス基板に洗浄処理を行うように構成されていてもよい。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る基板処理システム1の斜視図である。
【0019】
図1に示すように、基板処理システム1は、キャリア搬入出部5、ローダ・アンローダ部6、洗浄・乾燥処理部7及び移送アーム8を有する。
【0020】
キャリア搬入出部5は、複数枚のウェハWを収納したキャリアCが搬入出されるためのものである。ローダ・アンローダ部6は、キャリア内からウェハWを取り出し、キャリア内にウェハWを収納させるためのものである。洗浄・乾燥処理部7は、ウェハWを洗浄、乾燥処理するためのものである。移送アーム8は、キャリア搬入出部5とローダ・アンローダ部6の間で、例えばウェハWを収納する収納可能な容器であるキャリアCを移送する移動体である。
【0021】
洗浄・乾燥処理部7は、乾燥装置10、基板処理装置11、12、13及び搬送装置15を有する。乾燥装置10、基板処理装置11、12、13は、ローダ・アンローダ部6に近い方から、上記した順に配置されている。
【0022】
乾燥装置10は、ウェハWを例えばIPA(イソプロピルアルコール)蒸気や不活性ガスを用いて乾燥させるためのものである。基板処理装置11〜13は、ウェハWに対して薬液成分を主体とした処理液によって基板処理を行う。各基板処理装置11〜13の処理液の薬液成分は、それぞれ種類が異なっている。搬送装置15は、ローダ・アンローダ部6と、乾燥装置10及び各基板処理装置11〜13のいずれかとの間でウェハWを搬送するためのものである。
【0023】
図2は、搬送装置15の斜視図である。
【0024】
図2に示すように、搬送装置15は、ウェハチャック20a、20b及び搬送駆動手段21を有する。ウェハチャック20a、20bは、左右一対に設けられており、移動体として、ウェハWを保持して搬送させる搬送保持手段である。左右のウェハチャック20a、20bの間には、移動体としての基板保持手段、例えば後述するウェハガイド41が通過できる隙間が形成されている。搬送駆動手段21は、ウェハチャック20a、20bを、ローダ・アンローダ部6、乾燥装置10及び各基板処理装置11〜13に沿って水平方向に移動させるためのものである。搬送駆動手段21は、基板処理システム1の長手方向(乾燥装置10及び各基板処理装置11〜13の配置方向)に沿って延びたレール22をスライド移動するように構成されている。
【0025】
基板処理装置11〜13は何れも同様の構成を有するので、基板処理装置11を例にとって説明する。図3は、基板処理装置11の縦断面図である。図4は、処理槽30及び処理液循環機構31を模式的に示す断面図である。なお、図3では、図示を容易にするため、処理液循環機構31の図示を省略している。
【0026】
図3及び図4に示すように、基板処理装置11は、処理槽30、処理液循環機構31及び移送装置40を有する。
【0027】
処理槽30は、ウェハWを処理するための処理液を貯留するものであり、内槽32を有する。内槽32(処理槽30)は、箱形の形状を有し、ウェハWを収納するのに十分な大きさを有する。内槽32(処理槽30)内には、例えば純水や種々の薬液などといった処理液が貯留されるようになっている。
【0028】
内槽32(処理槽30)の外側には、外槽33が設けられている。外槽33は、内槽32(処理槽30)の開口部を取り囲むように装着されている。外槽33は、内槽32(処理槽30)から溢れた処理液を受けるためのものである。また、外槽33は、後述する処理液循環機構31を構成するものでもある。
【0029】
内槽32(処理槽30)及び外槽33は、耐食性及び耐薬品性に富む材質、例えば石英により形成されている。
【0030】
処理液循環機構31は、前述した外槽33に加え、供給口32a、排液口33a、循環管路34、ポンプ35及びフィルタ36を備えている。供給口32aは、内槽32(処理槽30)に処理液を供給する処理液供給部である。供給口32aは、例えば内槽32の底部に設けられている。排液口33aは、外槽33の底部に設けられている。循環管路34は、外槽33の排液口33aと供給口32aとを接続する管路である。循環管路34の途中には、例えば排液口33a側から順に、ポンプ35及びフィルタ36が介設されている。ポンプ35は、外槽33から処理液を回収して供給口32aへ送液する送液部である。フィルタ36は、外槽33から回収した処理液を清浄化する浄化部である。
【0031】
処理液循環機構31は、処理槽30から溢れた処理液を外槽33により受け、受けた処理液をポンプ35により外槽33の排液口33aから回収し、回収した処理液をフィルタ36により清浄化し、清浄化した処理液をポンプ35により供給口32aに送液し、送液した処理液を供給口32aにより再び内槽32(処理槽30)に供給することによって、処理液を循環させる。
【0032】
処理液循環機構31は、ポンプ35により、例えば10L/minの所定流量(循環流量)で、処理液を外槽33の排液口33aから回収して供給口32aへ送液することができる。
【0033】
また、処理液循環機構31は、フィルタ36により、後述する気泡G及び溶解物Sを処理液から除去することによって、回収した処理液を清浄化することができる。
【0034】
なお、循環管路34の途中に、処理液の液温を調整するためのヒータ等を含む液温調整部37が設けられていてもよい。これにより、循環する処理液の液温をエッチング処理等の基板処理に最適な温度に保持することができる。
【0035】
また、例えばフィルタ36と供給口32aとの間には、図示しない切換弁を介して図示しない処理液供給源が接続されていてもよい。また、例えば排液口33aとポンプ35との間には、図示しない切換弁を介して図示しないドレン管が接続されていてもよい。これにより、処理槽30を、処理液が循環する処理液を貯留する循環槽としてではなく、処理液を循環させずに貯留するいわゆるソーク槽として用いることもできる。
【0036】
また、例えばフィルタ36と供給口32aとの間には、図示しない切換弁を介して図示しない純水供給源が接続されていてもよい。これにより、処理槽30において、処理液による基板処理の後に、純水によるリンス処理を行うことができる。
【0037】
図5は、移送装置40の斜視図である。
【0038】
図5に示すように、移送装置40は、ウェハガイド41を有する。ウェハガイド41は、処理槽30内でウェハWを保持可能に設けられており、本発明における基板保持部に相当する。移送装置40は、処理槽30内の位置(後述する処理位置A)と処理槽30の上方の位置(後述する上昇位置B)との間で、ウェハガイド41を昇降駆動する。
【0039】
図5に示すように、ウェハガイド41には、3本の保持部材43a、43b、43c、が、平行に設けられている。各保持部材43a〜43cには、溝44が、等間隔で例えば50箇所形成されている。溝44は、ウェハWの周縁下部を保持するためのものである。ウェハガイド41は、例えばキャリアC2個分の50枚のウェハWの周縁部を、各保持部材43a〜43cに形成された各溝44にそれぞれ挿入させることにより、複数枚のウェハWを等間隔で配列させた状態で保持できる構成となっている。
【0040】
各保持部材43a〜43cは、いずれも水平姿勢で支持体45に固定されており、支持体45の裏面には、昇降部材46が取り付けられている。昇降部材46は、カバー体47の前面に形成された溝48を通り、図3に示すように、カバー体47内に収納されたボール・ナット機構49のナット50に接続されている。ナット50は、カバー体47内部において上下に延設されたガイドZ軸51に沿って移動自在に装着されていることにより、ウェハガイド41は、ガイドZ軸51に沿って昇降できるようになっている。
【0041】
ボール・ナット機構49のボールネジ軸52には、カップリング(図示せず)等を介して、モータ53の回転軸54が接続されている。モータ53は、回転軸54と同軸上に、ボールネジ軸52及び後述するアブソリュートエンコーダ55の回転軸(図示せず)を備える。モータ53は、ウェハガイド41を昇降駆動させる駆動手段であり、本発明における駆動部に相当する。
【0042】
ウェハガイド41は、モータ53が駆動し、回転軸54及びボールネジ軸52が正逆回転することにより昇降移動可能に設けられている。具体的には、ウェハガイド41は、図3中において実線41で示したように処理槽30内に下降して、処理槽30内に貯留された処理液中にウェハWを浸漬させた状態(処理位置A)と、図3中において一点鎖線41'で示したように処理槽30の上方に上昇して、処理槽30の上方にウェハWを引き上げた状態(上昇位置B)との間で上下に移動自在である。
【0043】
すなわち、ウェハガイド41は、処理槽30内でウェハWを保持可能に設けられており、移送装置40は、ウェハガイド41を昇降駆動するものである。
【0044】
ウェハガイド41は、モータ53の回転軸54(ボールネジ軸52)の正逆回転によって昇降移動させられる。従って、モータ53の回転軸54の回転角度と、ウェハガイド41の位置(高さ)は比例関係になっている。
【0045】
なお、ウェハチャック20a、20bは、搬送駆動手段21の駆動によってレール22に沿ってスライド移動する際に、処理位置Aに移動(下降)したウェハガイド41と、上昇位置Bに移動(上昇)したウェハガイド41の間を通過できる位置に配置されている。
【0046】
モータ53には、アブソリュートエンコーダ55が直結して装着されている。アブソリュートエンコーダ55は、モータ53の回転軸54の回転量、例えば回転位置に基づいてウェハガイド41の位置を検出する検出手段の構成要素の1つである。そして、アブソリュートエンコーダ55は、例えば回転板に形成されたスリット模様により光の透過非透過パターンを形成し、このパターンから例えばモータ53の回転軸54の任意の基準点からの回転位置、すなわち回転角度(絶対角度)を検出可能である。モータ53の回転軸54の回転角度とウェハガイド41の位置が比例関係になっているので、アブソリュートエンコーダ55によって検出した駆動軸53の回転角度から、ウェハガイド41の位置を検出することが可能である。
【0047】
なお、代表して基板処理装置11について説明したが、他の基板処理装置12、13も同様の構成を有しており、同様に、処理槽30、ウェハガイド41、及びモータ53等を有している。
【0048】
図6は、基板処理システム1の制御系統を示すブロック図である。
【0049】
図6に示すように、基板処理システム1は、制御部60を有する。制御部60は、搬送装置15に設けられた搬送駆動手段21と、移送装置40に設けられたウェハガイド41を上下に昇降させるモータ53とを制御するためのものである。制御部60は、搬送ドライバ61、ドライバ62、コントローラ63及びメインコントローラ65を有する。
【0050】
搬送ドライバ61は、搬送駆動手段21に駆動命令を出力するためのものである。ドライバ62は、モータ53に駆動命令を出力するためのものである。コントローラ63は、搬送ドライバ61及びドライバ62を制御するためのものである。メインコントローラ65は、例えば、図示しない演算処理部、記憶部及び表示部を有し、コントローラ63に設定値などを入力するものである。
【0051】
搬送駆動手段21及び搬送ドライバ61は、サーボ系として構成される。搬送ドライバ61に対して、搬送駆動手段21に内蔵されたエンコーダ(図示せず)から検出信号が出力される。搬送ドライバ61は、こうして入力された検出信号により、例えばウェハチャック20a、20bがレール22に沿ってスライド移動中であるとか、ウェハチャック20a、20bがローダ・アンローダ部6、乾燥装置10及び各基板処理装置11〜13のいずれかにあるといった位置情報を得ることができる。搬送ドライバ61には、コントローラ63から例えばシーケンス制御プログラム等の設定が入力される。搬送ドライバ61は、こうして入力された設定に基づき、搬送駆動手段21を制御し、ウェハチャック20a、20bを所定の位置に移動させる。
【0052】
モータ53、アブソリュートエンコーダ55及びドライバ62は、サーボ系として構成される。また、アブソリュートエンコーダ55、ドライバ62及びコントローラ63は、ウェハガイド41の位置を検出する検出手段として機能する。ドライバ62に対して、アブソリュートエンコーダ55からモータ53の回転軸54の回転角度の検出信号が入力される。モータ53の回転軸54の回転角度とウェハガイド41の位置が比例関係になっており、ドライバ62は、アブソリュートエンコーダ55から入力された回転角度の検出信号に基づいてウェハガイド41の位置(高さ)を検出する。ドライバ62は、この検出により、例えばウェハガイド41が処理位置Aもしくは上昇位置Bにあるとか、ウェハガイド41がそれら処理位置Aと上昇位置Bの間を昇降移動中であるといった位置情報を得ることができる。そして、ドライバ62は、得られた位置情報をポジションセンサ出力としてコントローラ63に出力する。また、コントローラ63は、例えばシーケンス制御プログラム等の設定をドライバ62に入力する。ドライバ62は、こうして入力された設定に基づき、モータ53の駆動を制御し、ウェハガイド41を所定の位置(高さ)に移動させる。
【0053】
メインコントローラ65は、例えば、図示しない演算処理部、記憶部及び表示部を有しする。演算処理部は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータである。記憶部は、演算処理部に、各種の処理を実行させるためのプログラムを記録した、例えばハードディスクにより構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。表示部は、例えばコンピュータの画面よりなる。演算処理部は、記憶部に記録されたプログラムを読み取り、後述する基板処理方法を実行する。
【0054】
以上のように構成された基板処理システム1においては、先ず図示しない搬送ロボットにより未だ洗浄されていないウェハWを例えば25枚ずつ収納したキャリアCがキャリア搬入出部5に載置されることによってウェハWが搬入される。キャリア搬入出部5に搬入されたキャリアCは、移送アーム8によってローダ・アンローダ部6に移送される。そして、ローダ・アンローダ部6においてキャリアCから取り出されたウェハWは、搬送装置15のウェハチャック20a、20bにより一括して把持される。ウェハチャック20a、20bに把持されているウェハWは、搬送装置15によって各基板処理装置11〜13に適宜搬送され、エッチング処理等の所定の処理が行われ、最後に乾燥装置10に搬送されて乾燥処理される。所定の処理及び乾燥処理が終了したウェハWは、ローダ・アンローダ部6に戻されて再びキャリアCに収納される。ウェハWを収納したキャリアCは、移送アーム8によってローダ・アンローダ部6からキャリア搬入出部5に移送され、図示しない搬送ロボットによって搬出される。
【0055】
次に、本実施の形態に係る基板処理装置11〜13を備えた基板処理システム1における基板処理方法について説明する。
【0056】
図7は、本実施の形態に係る基板処理方法の手順を説明するためのフローチャートである。図8及び図9は、本実施の形態に係る基板処理方法の各工程におけるウェハW及びウェハガイド41の状態を模式的に示す正面図である。図10から図12は、本実施の形態に係る基板処理方法の各工程におけるウェハW及びウェハガイド41の状態を模式的に示す正面図及び側面図である。図10(a)、図11(a)及び図12(a))は正面図を示し、図10(b)、図11(b)及び図12(b)は側面図を示す。図13は、本実施の形態に係る基板処理方法による処理の前後のウェハWの形状を模式的に示す断面図である。図13(a)は、処理前の形状を示し、図13(b)は、処理後の形状を示す。図14は、比較例に係る基板処理方法による処理の後のウェハWの形状を模式的に示す断面図である。
【0057】
本実施の形態に係る基板処理方法は、図7に示すように、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)を有し、ウェハWを処理液により処理する際に、所定のタイミングでウェハWの位置を上下に揺動させるものである。
【0058】
予め、コントローラ63が搬送ドライバ61を通じて搬送駆動手段21による駆動を開始させるように制御することにより、搬送装置15におけるウェハチャック20a、20bが基板処理装置11までスライド移動する。これにより、ウェハチャック20a、20bによって保持しているウェハWを、基板処理装置11に搬入する。そして、図8に示すように、基板処理装置11の処理槽30の上方にウェハWが搬入された状態となる。なお、このように基板処理装置11にウェハWを搬入する場合は、ウェハガイド41は予め下降されており、ウェハガイド41は処理槽30内底部の処理位置Aに位置している。
【0059】
こうして処理槽30の上方にウェハWが搬入されると、コントローラ63はドライバ62を通じてモータ53を駆動させるように制御し、ウェハガイド41をガイドZ軸51に沿って上昇させる。そして、図9に示すように、ウェハガイド41は、処理位置Aから上昇位置Bに向かって上昇する途中で、ウェハチャック20a、20bの隙間を通過(上昇)する際にウェハチャック20a、20bからウェハWを受け取り、上昇位置Bまで上昇する。
【0060】
次に、コントローラ63は、搬送ドライバ61を通じて再び搬送駆動手段21の駆動を開始させるように制御し、ウェハチャック20a、20bをスライド移動させて、基板処理装置11から退出させる。ウェハチャック20a、20bを基板処理装置11から退出させた後、コントローラ63は、ドライバ62を通じてモータ53を再び駆動させるように制御し、ウェハガイド41をガイドZ軸51に沿って下降させる。そして図10(a)に示すように、ウェハガイド41は、処理位置Aまで下降し、ウェハWは処理槽30内に収納された状態となり、処理槽30内に貯留された処理液中にウェハWは浸漬され、ウェハWに対するエッチング処理が施される。
【0061】
本実施の形態では、処理液としてエッチング液を用いるときは、ウェハWにエッチング処理を行うことができる。また、ウェハWとしてシリコンウェハを用いるときは、エッチング液としてアルカリ性のエッチング液を用いることができる。アルカリ性のエッチング液として、水酸化カリウム(KOH)水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液、アンモニア(NHOH)水溶液を含むエッチング液を用いることができ、特に水酸化カリウム(KOH)水溶液を含むエッチング液を用いることが好ましい。
【0062】
また、処理液として水酸化カリウム(KOH)水溶液を含むエッチング液を用いるとき、処理液の濃度を、例えば30重量%とすることができ、処理液の温度を、例えば80℃とすることができる。また、処理時間を、例えば6時間とすることができる。
【0063】
また、ウェハWとしてシリコンウェハを用い、水酸化カリウム(KOH)水溶液を含むエッチング液を用いるときは、図13(a)に示すように、ウェハWの表面に、マスク膜Mが形成され、マスク膜Mには、エッチング処理する部分が除去された開口Eが形成されていることが好ましい。マスク膜Mとして、例えば窒化シリコン(SiN)を用いることができる。水酸化カリウム(KOH)水溶液を含むエッチング液は、シリコンウェハを異方的にエッチング処理することができる。従って、ウェハWの結晶方位を調整することによって、開口EにおいてウェハWの表面から垂直にエッチングすることができる。
【0064】
次に、第1の工程(ステップS11)では、処理槽30内でウェハガイド41が保持しているウェハWを処理槽30が貯留している処理液に浸漬させて処理する際に、ウェハガイド41をモータ53により処理槽30から上昇させてウェハWを処理液から引き上げる。
【0065】
コントローラ63は、ドライバ62を通じてモータ53を駆動させるように制御し、ウェハガイド41をガイドZ軸51に沿って上昇させる。そして図11(a)に示すように、ウェハガイド41が上昇位置Bまで上昇させられ、処理槽30内に貯留された処理液中に浸漬されているウェハWは処理液から引上げられる。
【0066】
次に、第2の工程(ステップS12)では、上昇させたウェハガイド41をモータ53により下降させてウェハWを再び処理液に浸漬させる。
【0067】
第1の工程(ステップS11)の後、ウェハWが処理液中から引上げられた状態で所定時間待機させる。所定時間として、例えば10秒とすることができる。
【0068】
また、この所定時間は、処理槽30内の処理液を循環管路34に設けられたフィルタ36を用いて十分に清浄化したい場合は、例えば2分に設定してもよい。
【0069】
そして、所定時間の後、コントローラ63は、ドライバ62を通じてモータ53を駆動させるように制御し、ウェハガイド41をガイドZ軸51に沿って下降させる。そして図12(a)に示すように、ウェハガイド41が処理位置Aまで下降させられ、処理槽30内に貯留された処理液中にウェハWは再び浸漬される。
【0070】
本実施の形態に係る基板処理方法では、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)を行うことによって、ウェハWを処理する際に発生する気泡Gを除去する。
【0071】
第1の工程(ステップS11)の前、例えば水酸化カリウム(KOH)水溶液を含むエッチング液によるエッチング処理の進行に伴って、図10(b)に示すように、ウェハWの近傍に、気泡Gが滞留する。また、図10(b)に示すように、気泡Gが滞留するとともに、シリコンウェハWが溶解した溶解物Sが滞留することもある。そして、第1の工程(ステップS11)においてウェハWを処理液中から引き上げることにより、図11(b)に示すように、気泡G(又は気泡G及び溶解物S)が、ウェハWの近傍から離れて処理液中に残る。処理液中に残った気泡G(又は気泡G及び溶解物S)は、処理液中に均等に分散する。そして、気泡G(又は気泡G及び溶解物S)が処理液中に均等に分散した状態で、第2の工程(ステップS12)においてウェハWを処理液中に再び浸漬させる。これにより、図12(b)に示すように、ウェハWを処理する際に発生する気泡GをウェハWから除去することができる。あるいは、ウェハWを処理する際に気泡GとともにシリコンウェハWが溶解した溶解物Sが滞留する場合には、気泡G及び溶解物SをウェハWから除去することができる。そして、ウェハWの近傍に気泡Gが滞留しない状態を維持することができ、処理液によりウェハWを処理する際に発生する気泡Gに起因して基板処理が阻害されるのを防止することができる。
【0072】
なお、前述したように、処理槽30を循環槽として用いるときは、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)を行うとともに、処理液循環機構31により、処理槽30に貯留されている処理液の一部又は全部を所定流量(循環流量)で循環させてもよい。すなわち、ウェハWを処理液から引き上げ、処理液から引上げたウェハWを再び処理液に浸漬させるとともに、処理液循環機構31により処理液を循環させてもよい。具体的には、処理槽30から溢れた処理液を外槽により受け、受けた処理液をポンプ35により外槽から回収し、回収した処理液をフィルタ36により清浄化することができる。そして、清浄化した処理液をポンプ35により供給口に送液し、送液した処理液を供給口により再び処理槽30に供給することによって処理液を循環させることができる。そして、処理液を循環させて処理槽30に貯留されている処理液を清浄化することができる。これにより、第2の工程(ステップS12)では、ウェハWを、気泡G(又は気泡G及び溶解物S)を除去した処理液中に浸漬させることができ、気泡G(又は気泡G及び溶解物S)を更に効率よくウェハWから除去することができる。
【0073】
なお、予め、又は、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)を行う際に、処理液循環機構31により処理液を所定期間循環させて処理槽30に貯留されている処理液を清浄化することによって、気泡G(又は気泡G及び溶解物S)をウェハWから除去するものであることが好ましい。特に、ウェハWを処理液から引き上げている時に、処理液循環機構31により処理液を所定期間循環させて処理槽30に貯留されている処理液を清浄化することが好ましい。この所定期間を、気泡G(又は気泡G及び溶解物S)をウェハWから除去するために必要かつ最短の時間に調整することにより、基板処理の時間を短縮できる。
【0074】
また、ウェハWを処理液から引上げている時の処理液循環機構31による処理液を循環させる循環流量は、ウェハWを処理液に浸漬させている時の処理液循環機構31による処理液を循環させる循環流量よりも多いことが好ましい。このようにすることで、プロセスに影響を与えることなく、処理液の清浄時間を短縮できる。
【0075】
また、シリコンウェハに代えて他の各種の基板を用い、水酸化カリウム(KOH)水溶液を含むエッチング液に代えて他の各種の処理液を用いた場合にも、各種の基板を処理する際に発生する気泡Gをその基板から除去することができる。あるいは、その基板を処理する際に気泡Gとともにその基板が溶解した溶解物Sが滞留する場合には、気泡G及び溶解物Sをその基板から除去することができる。
【0076】
また、処理槽30内でウェハガイド41が保持しているウェハWを処理槽30が貯留している処理液により処理する際に、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)よりなる工程を、複数回繰り返して行ってもよい。これにより、ウェハWの近傍に気泡G(又は気泡G及び溶解物S)が滞留しない状態を維持することができ、処理液によりウェハWを処理する際に発生する気泡Gに起因して基板処理が阻害されるのを更に防止することができる。
【0077】
ウェハWとしてシリコンウェハを用い、処理液として80℃の30重量%水酸化カリウム(KOH)水溶液を含むエッチング液を用い、処理時間を6時間とする場合、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)よりなる工程を、例えば3〜36回の所定回数繰り返すことができる。すなわち、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)よりなる工程を、処理時間の間、例えば10分〜2時間の所定間隔で繰り返すことができる。
【0078】
このようにして、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)よりなる工程を所定間隔で繰り返しながら、所定時間ウェハWを処理液中で処理することによって、図13(b)に示すように、開口EにおいてウェハWがエッチング処理され、溝部Tが形成される。
【0079】
ここで、比較例として、ウェハWを処理液により処理する際に、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)よりなる工程を行わない場合は、気泡G(又は気泡G及び溶解物S)が溝部Tに滞留しやすくなる。形成する溝部Tが深くなるほど、気泡Gが溝部Tに滞留しやすい。従って、気泡G(又は気泡G及び溶解物S)をウェハWから除去することができない。その結果、図14に示すように、ウェハWのマスク膜Mが除去された開口Eの部分においてウェハWがエッチング処理され、形成される溝部Tの形状をウェハWの面内において均一にすることができない。例えば、図14の溝部T1に示すように、形成される溝部の深さが均一にならないか、図14の溝部T2に示すように、形成される溝部の底面が平坦にならないことがある。また、ウェハWの表面から裏面に向けて貫通孔を形成するときは、ウェハWの面内において、貫通する部分と貫通しない部分とが混在することもある。
【0080】
一方、本実施の形態によれば、形成する溝部Tが深い場合でも、気泡G(又は気泡G及び溶解物S)を確実にウェハWから除去することができる。そのため、図13(b)に示すように、エッチング処理により形成される溝部T又は貫通孔の形状を、ウェハWの面内で均一にすることができる。
【0081】
このようにして基板処理装置11における所定の処理を終了した後、コントローラ63はドライバ62を通じてモータ53を再び駆動させるように制御し、ウェハガイド41をガイドZ軸51に沿って上昇位置Bまで上昇させ、ウェハWを処理槽30の上方に持ち上げる。そして、コントローラ63は搬送ドライバ61を通じて搬送駆動手段21の駆動を再び開始させるように制御を行い、ウェハチャック20a、20bをスライド移動させ、処理槽30の上方に再び位置させる(図9に示した状態と同様な状態)。次に、コントローラ63はドライバ62を通じてモータ53を再び駆動させるように制御し、ウェハガイド41をガイドZ軸51に沿って下降させる。そして、ウェハガイド41が上昇位置Bから処理位置Aに向かって下降する途中で、ウェハチャック20a、20bの隙間を通過(下降)する際に、ウェハガイド41からウェハチャック20a、20bにウェハWが受け渡される。そして、ウェハガイド41はウェハWを保持しない状態となって、処理位置Aまで下降する(図8に示した状態と同様な状態)。その後、ウェハチャック20a、20bをレール22に沿ってスライド移動させて、ウェハWを基板処理装置11から搬出させる。
【0082】
基板処理装置11から搬出されたウェハWは、次に例えば基板処理装置12、13に順次搬入され、各基板処理装置12、13における同様の処理又は例えば純水によるリンス処理等が行われる。各基板処理装置11〜13における処理を終了したウェハWは、先に説明したように乾燥装置10にて乾燥処理された後、ローダ・アンローダ部6にてキャリアCに収納され、搬入出部5において図示しない搬送ロボットによって搬出される。
【0083】
本実施の形態によれば、ウェハWを処理液により処理する際に、第1の工程(ステップS11)及び第2の工程(ステップS12)よりなる工程を1回行うか、又は所定間隔で複数回繰り返しながら、所定時間基板を処理液中で処理する。これにより、気泡、又は気泡及び溶解物を基板から除去することができ、処理液により基板を処理する際に発生する気泡に起因して基板処理が阻害されるのを防止できる。
【0084】
また、処理液により基板を処理する際に発生する気泡に起因して基板処理が阻害されるのを防止できるため、エッチング処理時間を短縮することができる。そして、エッチング処理により形成される形状を、ウェハの面内で均一にすることができ、更には、一括に処理するロット内又はロット間における各ウェハ同士で均一にすることができる。
【0085】
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0086】
例えば、本実施の形態では、本発明を、50枚のウェハを同時に処理するバッチ処理に適用した例について説明したが、ウェハを同時に処理する枚数は、この枚数(50枚)に限定されるものではない。また、本発明は、ウェハを1枚ずつ処理する枚葉処理にも適用可能である。
【0087】
また、本実施の形態では、処理液供給部である供給口32aは処理槽30の底部に設けられていたが、処理液供給部は処理槽30の下方に設けられた一対のノズルであってもよい。
【0088】
また、処理槽30の内部であって処理液供給部とウェハとの間に、処理液供給部から供給された処理液の流れを整え、均一にするための整流板が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 基板処理システム
11、12、13 基板処理装置
30 処理槽
31 処理液循環機構
40 移送装置
41 ウェハガイド
53 モータ
60 制御部
63 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽内で基板を保持可能な基板保持部と、前記基板保持部を昇降駆動する駆動部とを有する基板処理装置における基板処理方法であって、
前記基板保持部が保持している基板を前記処理槽が貯留している処理液に浸漬させて処理する際に、前記基板保持部を前記駆動部により前記処理槽から上昇させて前記基板を前記処理液から引き上げ、上昇させた前記基板保持部を前記駆動部により下降させて前記基板を再び前記処理液に浸漬させることによって、前記基板を処理する際に発生する気泡を前記基板から除去する、基板処理方法。
【請求項2】
前記処理槽から溢れた処理液を回収し、回収した処理液を清浄化し、清浄化した処理液を再び前記処理槽に供給することによって処理液を循環させる、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記基板を前記処理液から引き上げている時に、処理液を所定期間循環させて前記処理槽に貯留されている処理液を清浄化する、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記基板を前記処理液から引き上げている時に処理液を循環させる循環流量は、前記基板を前記処理液に浸漬させている時に処理液を循環させる循環流量よりも多い、請求項2又は請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記気泡を前記基板から除去するとともに、前記基板が前記処理液に溶解した溶解物を前記基板から除去するものである、請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記基板は、シリコン基板であり、
前記処理液は、前記シリコン基板をエッチング処理するアルカリ性のエッチング液である、請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項7】
コンピュータに請求項1から請求項6のいずれかに記載の基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
基板を処理するための処理液を貯留する処理槽と、
前記処理槽内で基板を保持可能な基板保持部と、
前記基板保持部を昇降駆動する駆動部と、
前記基板保持部が保持している基板を前記処理槽が貯留している処理液に浸漬させて処理する際に、前記基板保持部を前記駆動部により前記処理槽から上昇させて前記基板を前記処理液から引き上げ、上昇させた前記基板保持部を前記駆動部により下降させて前記基板を再び前記処理液に浸漬させることによって、前記基板を処理する際に発生する気泡を前記基板から除去する、制御部と
を有する、基板処理装置。
【請求項9】
前記処理槽の外側に設けられた外槽と、前記処理槽に処理液を供給する処理液供給部と、前記外槽と前記処理液供給部とを接続する循環管路と、前記循環管路の途中に設けられ、前記外槽から処理液を回収して前記処理液供給部へ送液する送液部と、回収した処理液を清浄化する浄化部とを備え、前記処理槽から溢れた処理液を前記外槽により受け、受けた処理液を前記送液部により前記外槽から回収し、回収した処理液を前記浄化部により清浄化し、清浄化した処理液を前記送液部により前記処理液供給部へ送液し、送液した処理液を前記処理液供給部により再び前記処理槽に供給することによって処理液を循環させる処理液循環機構を有する、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記基板を前記処理液から引き上げている時に、前記処理液循環機構により処理液を所定期間循環させて前記処理槽に貯留されている処理液を清浄化する、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記基板を前記処理液から引き上げている時の前記処理液循環機構による処理液を循環させる循環流量が、前記基板を前記処理液に浸漬させている時の前記処理液循環機構による処理液を循環させる循環流量よりも多くなるように、前記処理液循環機構を制御する、請求項9又は請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記基板は、シリコン基板であり、
前記処理液は、前記シリコン基板をエッチング処理するアルカリ性のエッチング液である、請求項8から請求項11のいずれかに記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−64646(P2012−64646A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205590(P2010−205590)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】