基板処理装置のスケジュール作成方法及びそのプログラム
【課題】ロットの追い越し配置を可能にして処理効率を向上させることができる基板処理装置のスケジュール作成方法を提供する。
【解決手段】計画開始位置PSP1〜PSP3から、レシピに基づいて各ブロックを配置する。基板待機部CWSを使用するブロックBから次のブロックCまでの間に待機時間が生じる場合には、第2のロットの計画開始位置PSP2を時間的に後にずらした調整計画開始位置MSP2を求める。制御部は、調整計画開始位置MSP2を含む計画開始位置PSP1,3の時間的に早いロットの順に、ブロックの配置を開始する。これにより、計画開始位置PSP3のままの短時間の処理を行うレシピを採用した第3のロットを、調整計画開始位置MSP2の第2のロットよりも時間的に前に配置してスケジュールする追い越しができ、基板処理装置における処理効率を向上できる。
【解決手段】計画開始位置PSP1〜PSP3から、レシピに基づいて各ブロックを配置する。基板待機部CWSを使用するブロックBから次のブロックCまでの間に待機時間が生じる場合には、第2のロットの計画開始位置PSP2を時間的に後にずらした調整計画開始位置MSP2を求める。制御部は、調整計画開始位置MSP2を含む計画開始位置PSP1,3の時間的に早いロットの順に、ブロックの配置を開始する。これにより、計画開始位置PSP3のままの短時間の処理を行うレシピを採用した第3のロットを、調整計画開始位置MSP2の第2のロットよりも時間的に前に配置してスケジュールする追い越しができ、基板処理装置における処理効率を向上できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示装置のガラス基板(以下、単に基板と称する)に洗浄、乾燥等の所定の処理を施す基板処理装置のスケジュール作成方法及びそのプログラムに係り、特に、実際に基板に対する処理を実行する前に予めスケジュールを作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の方法として、基板に処理を施すための処理部を複数個備えた基板処理装置によって複数個のロットを処理する際に、制御部が、複数個の処理工程を含むレシピに基づいて各々のロットを各処理部で順次に処理するために各ロットの処理順序を決定するものが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような基板処理装置のスケジュール作成方法は、実際にロットの処理を開始する前に、どのロットをどの処理部でどの時点で処理するかを決めているので、前詰めでロットを配置でき、効率よくロットを配置できる。したがって、基板処理装置の稼働率を向上させることができる。
【0004】
上述した基板処理装置の構成例としては、複数の棚を備え、処理前の複数枚の基板がカセットに収納された状態で収容され、処理済の複数枚の基板がカセットに収納された状態で収容される収容部と、収容部に沿って移動可能であって、処理前の基板をカセットから取り出して姿勢変換したり、処理済の基板の姿勢変換をしてカセットに払い出したりする第1搬送機構と、第1搬送機構との間で基板を受け渡しする第2搬送機構と、第2搬送機構の移動方向に沿って配置された乾燥処理部、純水洗浄処理部、薬液処理部等と、を備えているものがある。
【0005】
なお、第1搬送機構と第2搬送機構との間における基板の受け渡しは、一系統だけである。そのため、第1搬送機構から未処理の基板を第2搬送機構に渡す場合には、第2搬送機構から処理済の基板を第1搬送機構に渡すことができない。逆に、第2搬送機構から処理済の基板を第1搬送機構に渡す場合には、第1搬送機構から未処理の基板を第2搬送機構に渡すことができない。そこで、このような不都合を解消するために、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理の基板を渡す搬入機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済の基板を払い出す払出機構とを備えたものが提案されている。なお、搬入機構の下流側には、基板を保持したまま第2搬送機構へ未処理の基板を受け渡すために待機可能な待機部が設けられている。
【0006】
この提案装置によると、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済の基板を払い出す際には、払出機構により払い出しさせる。そして、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理の基板を搬入機構により搬入させる。これにより、搬入と払出を効率的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許3758992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の提案装置によるスケジュール作成方法では、例えば、3つのロットを処理する場合であって、第1のロットと第2のロットが第1の純水洗浄処理部で長時間の処理を行い、第2のロットが第2の純水洗浄処理部で短時間の処理を行う場合には、次のような不都合が生じ得る。
【0009】
すなわち、まず第1のロットを計画開始位置でスケジュールし、次に第2のロットを第1のロットに続く計画開始位置でスケジュールするが、第2のロットは第1のロットも使用する第1の純水洗浄処理部で処理するので、第2のロットは第1のロットが第1の純水洗浄処理部から搬出されるまで搬入機構の下流側の待機部で待機する必要が生じる。したがって、使用されていない第2の純水洗浄処理部を短時間利用する第3のロットが処理可能な状況にあるにもかかわらず、第2のロットに続く第3のロットの計画開始位置でスケジュールすると、第2のロットが待機している関係上、第3のロットを第2の純水洗浄処理に搬送することができない。その結果、第3のロットを搬入機構で長時間にわたり待機させることになる。換言すると、第3のロットが第2のロットを追い越すことができず、第2のロットが第1の純水洗浄処理部に搬送されるまで第3のロットの処理を開始することができないので、処理効率が低下するという問題がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ロットの計画開始位置を工夫することにより、ロットの追い越し配置を可能にして処理効率を向上させることができる基板処理装置のスケジュール作成方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、処理前の基板からなるロット及び処理済の基板からなるロットとを収容する収容部と、前記収容部との間でロットの搬入及び搬出を行う第1搬送機構と、各処理部との間でロットを受け渡す第2搬送機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理のロットを搬入する搬入機構と、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済のロットを払い出す払出機構と、搬入機構の第2搬送機構側でロットを待機可能な待機部と、基板に対して処理を行う複数の処理部とを含むリソースを備えた基板処理装置を用いて、複数のロットを各リソースにより実際に処理する前に、制御部が複数の処理工程からなるレシピに基づき各リソースに処理工程を配置して使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成方法において、同じ処理部で長時間の処理を行うレシピを採用した複数のロットと、前記処理部とは異なる処理部で短時間の処理を行うレシピを採用したロットとをその順序で処理するとして、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置が設定された状態でスケジュールを行うにあたり、計画開始位置からレシピに基づき各リソースに処理工程を配置する過程と、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後に調整して調整計画開始位置を求める過程と、調整計画開始位置を含む計画開始位置のうち計画開始位置が早いロットのものから順に、レシピに基づき各リソースに処理工程を配置する過程と、を実施することを特徴とするものである。
【0012】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、制御部は、まず、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置から、レシピに基づいて各リソースに処理工程を配置する。そして、この結果、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後にずらした調整計画開始位置を求める。これにより、最初に決められている計画開始位置からスケジュールすると、待機時間により無駄が生じるか否かを判断することができ、無駄が生じる場合には配置を調整することで待機時間を抑制できる。さらに、制御部は、調整計画開始位置を含む計画開始位置の時間的に早いロットの順に、処理工程の配置を開始する。これにより、計画開始位置のままの短時間の処理を行うレシピを採用したロットを、調整計画開始位置のロットよりも時間的に前に配置してスケジュールする追い越しが可能となる。したがって、基板処理装置における処理効率を向上させることができる。
【0013】
また、本発明において、前記調整計画開始位置を求める過程では、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じたロットについて、その待機部の使用タイミングと、当該ロットの搬入機構の使用タイミングとを含む前のリソースの使用タイミングを、待機部の後のリソースの使用タイミングに合わせて時間的に後に調整することが好ましい(請求項2)。待機時間が生じたロットの待機部と、搬入機構を含む前のリソースとの使用タイミングを、待機部の後のリソースの使用タイミングに合わせて時間的に後に調整することにより、第1搬送機構による収容部からのロットの搬出を時間的に後にずらすことになる。したがって、待機部における待機時間を抑制するとともに、搬入機構と待機部の間においても待機時間が生じることを抑制できる。
【0014】
また、本発明において、前記調整計画開始位置を求める過程の後、求めた調整計画開始位置をロットに対応づけて記憶する過程を実施することが好ましい(請求項3)。調整計画開始位置をロットに対応づけておくことにより、ロットごとの調整計画開始位置を制御部が参照して、ロットごとに確実にスケジュールを行うことができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、処理前の基板からなるロット及び処理済の基板からなるロットとを収容する収容部と、前記収容部との間でロットの搬入及び搬出を行う第1搬送機構と、各処理部との間でロットを受け渡す第2搬送機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理のロットを搬入する搬入機構と、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済のロットを払い出す払出機構と、搬入機構の第2搬送機構側でロットを待機可能な待機部と、基板に対して処理を行う複数の処理部とを含むリソースを備えた基板処理装置を用いて、複数のロットを各リソースにより実際に処理する前に、制御部が複数の処理工程からなるレシピに基づき各リソースに処理工程を配置して使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成プログラムにおいて、同じ処理部で長時間の処理を行うレシピを採用した複数のロットと、前記処理部とは異なる処理部で短時間の処理を行うレシピを採用したロットとをその順序で処理するとして、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置が設定された状態でスケジュールを行うにあたり、計画開始位置からレシピに基づき各リソースに処理工程を配置する機能と、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後に調整して調整計画開始位置を求める機能と、調整計画開始位置を含む計画開始位置のうち計画開始位置が早いロットのものから順に、レシピに基づき各リソースに処理工程を配置する機能と、を前記制御部であるコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る基板処理装置のスケジュール作成方法によれば、制御部は、まず、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置から、レシピに基づいて各リソースに処理工程を配置する。そして、この結果、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後にずらした調整計画開始位置を求める。これにより、最初に決められている計画開始位置からスケジュールすると、待機時間により無駄が生じるか否かを判断することができ、無駄が生じる場合には配置を調整することで待機時間を抑制できる。さらに、制御部は、調整計画開始位置を含む計画開始位置の時間的に早いロットの順に、処理工程の配置を開始する。これにより、計画開始位置のままの短時間の処理を行うレシピを採用したロットを、調整計画開始位置のロットよりも時間的に前に配置してスケジュールする追い越しが可能となる。したがって、基板処理装置における処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】レシピの例を示すタイムチャートであり、(a)は第1のロット、(b)は第2のロット、(c)は第3のロットを示す。
【図4】動作を示すフローチャートである。
【図5】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図6】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図7】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図8】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図9】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図10】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図11】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図12】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図13】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図14】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図15】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図16】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図17】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図18】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図19】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図20】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図21】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図22】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図23】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図24】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図25】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図26】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図27】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図28】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図29】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図30】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図31】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図32】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図33】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図34】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図35】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図36】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図37】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図38】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図39】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図40】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図41】本発明と従来例のスケジュール作成方法を比較するためのタイムチャートであり、(a)は本実施例、(b)は従来例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図であり、図2は、実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
この基板処理装置は、例えば、基板Wに対して薬液処理及び洗浄処理及び乾燥処理を施すための装置である。基板Wは、複数枚(例えば、25枚)がFOUP1に対して水平姿勢で収納されている。未処理の基板Wを収納したFOUP1は、搬送収納部ACBに設けられている投入部3に載置される。投入部3は、搬送収納部ACBの搬入口(不図示)に付設されている。搬送収納部ACBに沿った投入部3の反対側には、搬送収納部ACBの払出口(不図示)に払出部7が設けられている。ここには、処理を終えた基板Wが収納されたFOUP1が払い出される。
【0020】
搬送収納部ACBは、未処理の基板Wを収納したFOUP1を投入部3から取り込み、作成されたスケジュールに応じて、搬送収納部ACBに隣接して配置された第1搬送機構PCR側にFOUP1を搬送し、FOUP1内の基板Wを搬出可能な状態にする。なお、スケジュールによっては内部に設けられている複数の収納棚にFOUP1を一時的に載置しておく。また、処理済の基板WをFOUP1に収容可能なように、スケジュールに応じてFOUP1を第1搬送機構PCR側に搬送する。また、処理済の基板Wを収納したFOUP1を払出部7に払い出すが、作成されたスケジュールによっては一時的に複数の収納棚に載置しておく。
【0021】
第1搬送機構PCRは、搬送収納部ACBから、未処理の基板Wが収納されたFOUP1から基板Wだけ受け取るとともに、基板の姿勢を水平姿勢から起立姿勢に変換する姿勢変換を行う。そして、起立姿勢の基板Wを1ロットとして構成し、第1搬送機構PCRに隣接して配置された搬入機構WTV2を通してロットを第2搬送機構WTRに渡す。なお、第1搬送機構PCRは、二つのFOUP1から基板Wを受け取り、二つのFOUP1に収納されている基板Wを合わせて1ロット(例えば、50枚)構成とする処理を行うようにしてもよい。
【0022】
搬入機構WTV2は、第1搬送機構PCRから受け取ったロットを第2搬送機構WTRに対して受け渡す。この搬入機構WTV2は、ロットを第1搬送機構PCRから第2搬送機構WTRへ搬送する中継を行うだけである。また、払出機構WTV1は、第2搬送機構WTRから受け取ったロットを第1搬送機構PCRへ受け渡す。この払出機構WTV1は、ロットを第2搬送機構WTRから第1搬送機構PCRへ搬送する中継を行うだけである。なお、図示の関係上、搬入機構WTV2と払出機構WTV1とを水平方向で並設して描いてあるが、例えば、これらを縦方向の積層配置としてもよい。
【0023】
搬入機構WTV2と第2搬送機構WTRとの間であって、第2搬送機構WTRが最も搬送収納部ACB側に移動可能な位置(搬入機構WTV2の下流側)には、基板待機部CWSが配置されている。この基板待機部CWSは、搬入機構WTV2から第2搬送機構WTRへ基板Wを受け渡す前に一時的に待機させる待機位置として使用する。
【0024】
なお、基板待機部CWSが本発明における「待機部」に相当する。
【0025】
第2搬送機構WTRは、基板待機部CWSから装置の長手方向に移動可能に構成されている。この第2搬送機構WTRの移動方向に沿う位置には、基板待機部CWS側から順に、乾燥処理部LPDと、第1処理部19と、第2処理部21と、第3処理部23とが配置されている。
【0026】
乾燥処理部LPDは、基板Wを乾燥させる処理を行うものであって、例えば、ロットをチャンバ内に収容し、チャンバ内を減圧して乾燥処理を行う。
【0027】
第1処理部19は、ロットを構成する基板Wに対して純水洗浄処理を施すための純水洗浄処理部ONB1と、これに隣接して配置された薬液処理部CHB1とを備えている。薬液処理部CHB1は、ロットを構成する基板Wに対して薬液を含む処理液によって薬液処理を施す。また、第1処理部19は、第2搬送機構WTRとロットを受け渡すとともに、純水洗浄処理部ONB1でのみ昇降可能なリフタLF1と、第2搬送機構WTRとロットを受け渡すとともに薬液処理部CHB1でのみ昇降可能なリフタLF2とを備えている。
【0028】
第2処理部21は、上述した第1処理部19と同様の構成を備えている。つまり、第2処理部21は、純水洗浄処理部ONB2と、薬液処理部CHB2と、リフタLF3,LF4とを備えている。
【0029】
また、第3処理部23は、上述した第1処理部19及び第2処理部21と同様の構成を備えている。つまり、第3処理部23は、純水洗浄処理部ONB3と、薬液処理部CHB3と、リフタLF5,LF6とを備えている。
【0030】
上記のように構成された基板処理装置は、図2のブロック図に示すように制御部31によって統括的に制御される。なお、制御部31が本発明における「コンピュータ」に相当する。
【0031】
制御部31は、CPUやタイマ等を備え、スケジューリング部33と、処理実行指示部35とを備えている。制御部31に接続されている記憶部37は、この基板処理装置のユーザ等によって予め作成され、基板Wからなるロットをどのようにして処理するかを規定した複数の処理工程を含むレシピと、スケジュール作成プログラムと、作成されたスケジュールを実行する処理プログラムなどが予め記憶されている。また、オペレータによるロット群の投入及びレシピの指定とともに、それらの処理順序に基づきスケジューリング部33によって自動的に付与されたロットごとの計画開始位置を記憶している。また、詳細後述するように、スケジューリング部33によって求められた調整計画開始位置も記憶部37に記憶される。制御部31は、基板処理装置の全てのリソースを制御対象としている。ここでリソースとは、第1搬送機構PCR、搬入機構WTV2、払出機構WTV1、第2搬送機構WTR、基板待機部CWS、乾燥処理部LPD、純水洗浄処理部ONB1〜3、薬液処理部CHB1〜3、リフタLF1〜LF6などをいう。
【0032】
スケジューリング機能部33は、例えば、投入部3に載置されたFOUP1に収納された複数枚の基板Wを一つのロットとして取り扱い、装置のオペレータによって指示された、記憶部37に予め記憶されているレシピに応じて、実際に処理を開始する前に、ロットごとの処理工程を時系列的に効率よく配置できるようにスケジュールを作成する。その際には、投入順に、レシピに応じて予め計画開始位置をロットごとに求めて記憶部37に記憶しておく。そして、スケジュールを作成する際に、ロットごとに対応する計画開始位置を基準にして処理工程からなるブロック(詳細後述)を配置する。なお、各ロットの各ブロックを配置する際には、前のブロックの終了予定時刻が最も早いロットを優先し、それに続くブロックを配置する。但し、後述するように、ある条件下において待機時間が生じたロットについては、計画開始位置を時間的に後にずらした調整計画開始位置を求めて、この調整計画開始位置を基準にしてそのロットのブロックを配置する。
【0033】
本実施例においては、理解を容易にするために、第1のロットと、第2のロットと、第3のロットの三つのロットを処理する場合を例に採って説明する。なお、第1のロットと第2のロットは、同じ純水洗浄処理部ONB1による長時間の純水洗浄処理を行い、第3のロットは、純水洗浄処理部ONB2で短時間の純水洗浄処理を行うものとする。なお、本実施例では、第3処理部23については使用しないので、以下のタイムチャート(図3〜図41)では記載を省略してある。
【0034】
次に、各ロットのレシピについて図3を参照して説明する。なお、図3は、レシピの例を示すタイムチャートであり、(a)は第1のロット、(b)は第2のロット、(c)は第3のロットを示す。これらのタイムチャートは、単一のロットだけでタイムチャートに処理工程を示した単バッチのスケジュールである。
【0035】
なお、タイムチャートではリソースである各処理部を処理工程として縦軸に配置している。また、上述した基板処理装置における搬送収納部ACBは、レシピとは関係が低いので省略してある。具体的には、処理工程aは、例えば、第1搬送機構PCRの処理部による搬送・姿勢変換等の処理である。処理工程bは、例えば、払出機構WTV1の処理部による払出処理である。処理工程cは、搬入機構WTV2の処理部による搬入処理である。処理工程dは、例えば、第2搬送機構WTRの処理部による搬送処理である。処理工程eは、例えば、基板待機部CWSの処理部による待機処理である。処理工程fは、例えば、乾燥処理部LPDの処理部による乾燥処理である。処理工程gは、純水洗浄処理部ONB1による純水洗浄処理である。処理工程hは、薬液処理部CHB1の処理部による薬液処理である。処理工程iは、純水洗浄処理部ONB2の処理部による純水洗浄処理である。処理工程jは、薬液処理部CHB2の処理部による薬液処理である。但し、本実施例では、処理工程h、jを使用することがない。
【0036】
第1のロットについてのレシピは、例えば、例えば、図3(a)に示すようなものである。
つまり、第1のロットのレシピは、処理工程a及びcがブロックAを構成し、処理工程eがブロックBを構成し、処理工程d及び処理工程gがブロックCを構成し、処理工程d及び処理工程fがブロックDを構成し、処理工程d及び処理工程bがブロックEを構成し、処理工程aがブロックFを構成する。これらのブロックは、処理を中断することが可能な処理工程でまとめられている。この例では、ブロックCの処理工程gは、純水洗浄処理部ONB1による「長時間」の純水洗浄処理である。
【0037】
また、第2のロットについてのレシピは、例えば、図3(b)に示すようなものである。
第2のロットのレシピは、上述した第1のロットのレシピと同じであり、ブロック構成も同じである。
【0038】
また、第3のロットについてのレシピは、例えば、図3(c)に示すようなものである。
つまり、第3のロットのレシピは、処理工程a及びcがブロックAを構成し、処理工程eがブロックBを構成し、処理工程d及び処理工程iがブロックCを構成し、処理工程d及び処理工程fがブロックDを構成し、処理工程d及び処理工程bがブロックEを構成し、処理工程aがブロックFを構成する。これらのブロックは、処理を中断することが可能な処理工程でまとめられている。この例では、ブロックCの処理工程iは、純水洗浄処理部ONB2による「短時間」の純水洗浄処理である。
【0039】
なお、各ブロックA〜Fの前には数字を付すことで第1〜第3のロットを区別している。つまり、第1のロットのブロックAは、「1−A」と表し、第2のロットのブロックAは、「2−A」と表し、第3のロットのブロックAは、「3−A」と表している。また、上述した各処理工程a〜jにおける前の部分(空白部分)は、準備作業であり、後の部分(空白部分)は後片付けを表し、中央部(ハッチング部分)が処理の実体を表している。但し、処理工程によっては、後片付けが存在しないこともある。
【0040】
ここで、図4〜図40を参照して具体的な動作について説明する。なお、図4は、動作を示すフローチャートであり、図5〜図40は、スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【0041】
ステップS1
制御部31は、搬送収納部ACBを操作して、第1のロット、第2のロット、第3のロットを投入部3からその順で搬送収納部ACBに受け入れる。さらに、装置のオペレータが図示しない操作部を介してロットごとに上述したレシピを指定したとする。すると、制御部31は、バッチスタートによるスケジューリングか否かに応じて処理を分岐する。ここでは、バッチスタートであるとして次のステップS2に移行する。
【0042】
ステップS2〜S9
制御部31のスケジューリング部33は、記憶部37から第1のロットの計画開始位置PSP1を読み出し、図5に示すスケジューリングにおけるタイムチャート上に、第1のロットの計画開始位置PSP1から第1のロットの最初のブロックA(符号1−A)を配置する。そして、第1のロットの各ブロックB〜Fを順に配置する(図6〜図10)が、基板待機部CWS以降のブロックCを配置した際に、ブロックBと、これに続くブロックCとの間に待機時間が生じたか否かを判断し(ステップS6)、処理を分岐する。この第1のロットの例では、図7において第1のロットのブロックC(符号1−C)が配置されているが、図8に示すように待機時間は生じていない。したがって、ステップS6からステップS9を経て、全ブロックを配置することができるので、計画開始位置PSP1は調整されることなくそのままである。
【0043】
次に、図11〜図25に示すように、第1のロットと第2のロットを配置してゆく。その際には、複数のロットの配置なので、前のブロックの終了予定時刻が早い方のロットのブロックを優先して配置するルールの下で行う。なお、最初の配置は、計画配置位置が早いロットを優先する。
【0044】
まず、図11に示すように、第1のロットのブロックA(符号1−A)を計画開始位置PSP1を基準にして配置し、次に第2のロットのブロックA(符号2−A)を計画開始位置PSP2を基準にして配置する。しかし、搬入機構WTV2において両ロットが衝突することになるので、第2のロットのブロックA(符号2−A)の配置を回避して、図12に示すように、第1のロットの次のブロックB(符号1−B)を配置する。次に、第2のロットのブロックA(符号2−A)を計画開始位置PSP2から配置すると、搬入機構WTV2において衝突は起きないので、その位置に第2のロットのブロックA(符号2−A)を配置する(図13)。次に、終了予定時刻が第1のロットの方が早いので、そのブロックC(符号1−C)を配置する(図14)。このときステップS6における判断は、待機時間が生じないことになるので、順次に両ロットの残りのブロックを配置する。まず、図15に示すように、第2のロットのブロックA(符号2−A)に続いて、第2のロットのブロックB(符号2−B)を配置する。但し、図16に示すように、第1のロットのブロックC(符号1−C)に続いて第2のロットのブロックC(符号2−C)を配置することはできないので、第1のロットのブロックC(符号1−C)に続いては、図17に示すように第1のロットのブロックD(符号1−D)を配置する。
【0045】
図18に示すように、第1のロットのブロックD(符号1−D)に続いて、第2のブロックC(符号2−C)を配置するが、基板待機部CWS以降のブロックCにおいて、待機時間wtが生じる。したがって、ステップS6においてステップS7に処理を分岐する。まず、図19に示すように、第2のロットのブロックB(符号2−B)の基板待機部CWSでの機時間wtをなくするように、時間的に後にシフトして配置する。具体的には、後のブロックC(符号2−C)の処理工程dの準備作業の位置までシフトする。さらに、基板待機部CWSよりも前にブロックA(符号2−A)があるので、これも時間的に後にシフトする(図20)。具体的には、第2のロットのブロックB(符号2−B)の準備作業までシフトする。これで先頭のブロックA(符号2−A)が配置されたので、その先頭位置を、計画開始位置PSP2に代わる調整計画開始位置MSP2とする。スケジューリング部33は、この調整計画開始位置MSP2を記憶部37に記憶する(ステップS8)。次に、第1のロットのブロックE(符号1−E)を配置し(図21)、第1のロットのブロックF(符号1−F)を配置する(図22)。これで第1のロットの全ブロックを配置したので、残りの第2のブロックD〜F(符号2−D〜2−F)を配置する(図23〜図25)。
【0046】
次に、図26〜図40に示すように、調整計画開始位置MSP2を含む計画開始位置PSP1,PSP3で第1のロット〜第3のロットを配置する。第2のロットの計画開始位置PSP2は、第3のロットの計画開始位置PSP3より時間的に前であったが、調整計画開始位置MSP2が時間的に後にシフトされたので、開始順序としては第1のロットに続いて第3のロット、そして第2のロットとなる。第3のロットのブロックC(符号3−C)が配置された時点(図28)でステップS6の判断がなされるが、この場合には第3ロットのブロックB(符号3−B)とブロックC(符号3−C)との間に待機時間wtが生じないので、第3のロットの計画開始位置PSP3が変更されることはない。このようにしてスケジュールが進むと、最終的には図40に示すようになる。
【0047】
このようにして作成されたスケジュールは記憶部37に格納され、処理実行指示部35の制御の下で各リソースが操作されて実際に三つのロットに対する処理が行われる。
【0048】
上述したように、制御部31は、まず、計画開始位置PSP1〜PSP3から、レシピに基づいて各ブロックを配置する。そして、この結果、基板待機部CWSを使用するブロックBから次のブロックCまでの間に待機時間wtが生じる場合には、第2のロットの計画開始位置PSP2を時間的に後にずらした調整計画開始位置MSP2を求める。これにより、最初に決められている計画開始位置PSP2からスケジュールすると、待機時間wtにより無駄が生じるか否かを判断することができ、無駄が生じる場合には、待機時間wtより前のブロックの配置位置を調整することで待機時間wtを抑制できる。さらに、制御部31は、調整計画開始位置MSP2を含む計画開始位置PSP1,3の時間的に早いロットの順に、ブロックの配置を開始する。これにより、計画開始位置PSP3のままの第2の純水洗浄処理部ONB2での短時間の処理を行うレシピを採用した第3のロットを、調整計画開始位置MSP2の第2のロットよりも時間的に前に配置してスケジュールする追い越しが可能となる。したがって、基板処理装置における処理効率を向上させることができる。
【0049】
因みに、本実施例と従来例によるスケジュールとを比較すると図41のようになる。なお、図41は、本発明と従来例のスケジュール作成方法を比較するためのタイムチャートであり、(a)は本実施例、(b)は従来例を示す。
【0050】
このように本実施例と従来例とでは、三つのロットを処理するのに要する全体の時間は変わらないものの、従来例の長い待機時間が発生しているスケジュールよりも、ブロックを時間的に前詰めで配置することができ、効率的にリソースを利用できていることが分かる。一見すると、本発明の場合には、後半に無駄があるように思えるが、さらに多くのロットを処理する場合には、この後半部分にそれらのロットの処理を詰めることができるので、効率的であって無駄ではない。
【0051】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0052】
(1)上述した実施例では、図1に示したような構成の基板処理装置を対象にして説明したが、本発明はその構成だけに限定されるものではない。
【0053】
(2)上述した実施例では、長時間の処理を行うロットが二つで、短時間の処理を行うロットが一つの場合を例に採ったが、長時間の処理を行うロットが3つ以上の場合でも上記同様の効果を奏する。
【0054】
(3)上述した実施例では、長時間の処理が純水洗浄処理で、短時間の処理が純水洗浄処理であったが、本発明はこれらの処理に限定されるものではない。例えば、長時間の処理が純水洗浄処理で、短時間の処理が薬液処理の場合や、長時間の処理が薬液処理で、短時間の処理が純水洗浄処理の場合であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
W … 基板
1 … FOUP
ACB … 搬送収納部
3 … 投入部
7 … 払出部
PCR … 第1搬送機構
WTV1 … 払出機構
WTV2 … 搬入機構
WTR … 第2搬送機構
CWS … 基板待機部
LPD … 乾燥処理部
19 … 第1処理部
21 … 第2処理部
23 … 第3処理部
ONB1〜ONB3 … 純水洗浄処理部
CHB1〜CHB3 … 薬液処理部
LF1〜LF6 … リフタ
31 … 制御部
33 … スケジューリング部
35 … 処理実行指示部
37 … 記憶部
PSP1〜PSP3 … 計画開始位置
MSP2 … 調整計画開始位置
wt … 待機時間
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示装置のガラス基板(以下、単に基板と称する)に洗浄、乾燥等の所定の処理を施す基板処理装置のスケジュール作成方法及びそのプログラムに係り、特に、実際に基板に対する処理を実行する前に予めスケジュールを作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の方法として、基板に処理を施すための処理部を複数個備えた基板処理装置によって複数個のロットを処理する際に、制御部が、複数個の処理工程を含むレシピに基づいて各々のロットを各処理部で順次に処理するために各ロットの処理順序を決定するものが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような基板処理装置のスケジュール作成方法は、実際にロットの処理を開始する前に、どのロットをどの処理部でどの時点で処理するかを決めているので、前詰めでロットを配置でき、効率よくロットを配置できる。したがって、基板処理装置の稼働率を向上させることができる。
【0004】
上述した基板処理装置の構成例としては、複数の棚を備え、処理前の複数枚の基板がカセットに収納された状態で収容され、処理済の複数枚の基板がカセットに収納された状態で収容される収容部と、収容部に沿って移動可能であって、処理前の基板をカセットから取り出して姿勢変換したり、処理済の基板の姿勢変換をしてカセットに払い出したりする第1搬送機構と、第1搬送機構との間で基板を受け渡しする第2搬送機構と、第2搬送機構の移動方向に沿って配置された乾燥処理部、純水洗浄処理部、薬液処理部等と、を備えているものがある。
【0005】
なお、第1搬送機構と第2搬送機構との間における基板の受け渡しは、一系統だけである。そのため、第1搬送機構から未処理の基板を第2搬送機構に渡す場合には、第2搬送機構から処理済の基板を第1搬送機構に渡すことができない。逆に、第2搬送機構から処理済の基板を第1搬送機構に渡す場合には、第1搬送機構から未処理の基板を第2搬送機構に渡すことができない。そこで、このような不都合を解消するために、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理の基板を渡す搬入機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済の基板を払い出す払出機構とを備えたものが提案されている。なお、搬入機構の下流側には、基板を保持したまま第2搬送機構へ未処理の基板を受け渡すために待機可能な待機部が設けられている。
【0006】
この提案装置によると、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済の基板を払い出す際には、払出機構により払い出しさせる。そして、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理の基板を搬入機構により搬入させる。これにより、搬入と払出を効率的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許3758992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の提案装置によるスケジュール作成方法では、例えば、3つのロットを処理する場合であって、第1のロットと第2のロットが第1の純水洗浄処理部で長時間の処理を行い、第2のロットが第2の純水洗浄処理部で短時間の処理を行う場合には、次のような不都合が生じ得る。
【0009】
すなわち、まず第1のロットを計画開始位置でスケジュールし、次に第2のロットを第1のロットに続く計画開始位置でスケジュールするが、第2のロットは第1のロットも使用する第1の純水洗浄処理部で処理するので、第2のロットは第1のロットが第1の純水洗浄処理部から搬出されるまで搬入機構の下流側の待機部で待機する必要が生じる。したがって、使用されていない第2の純水洗浄処理部を短時間利用する第3のロットが処理可能な状況にあるにもかかわらず、第2のロットに続く第3のロットの計画開始位置でスケジュールすると、第2のロットが待機している関係上、第3のロットを第2の純水洗浄処理に搬送することができない。その結果、第3のロットを搬入機構で長時間にわたり待機させることになる。換言すると、第3のロットが第2のロットを追い越すことができず、第2のロットが第1の純水洗浄処理部に搬送されるまで第3のロットの処理を開始することができないので、処理効率が低下するという問題がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ロットの計画開始位置を工夫することにより、ロットの追い越し配置を可能にして処理効率を向上させることができる基板処理装置のスケジュール作成方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、処理前の基板からなるロット及び処理済の基板からなるロットとを収容する収容部と、前記収容部との間でロットの搬入及び搬出を行う第1搬送機構と、各処理部との間でロットを受け渡す第2搬送機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理のロットを搬入する搬入機構と、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済のロットを払い出す払出機構と、搬入機構の第2搬送機構側でロットを待機可能な待機部と、基板に対して処理を行う複数の処理部とを含むリソースを備えた基板処理装置を用いて、複数のロットを各リソースにより実際に処理する前に、制御部が複数の処理工程からなるレシピに基づき各リソースに処理工程を配置して使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成方法において、同じ処理部で長時間の処理を行うレシピを採用した複数のロットと、前記処理部とは異なる処理部で短時間の処理を行うレシピを採用したロットとをその順序で処理するとして、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置が設定された状態でスケジュールを行うにあたり、計画開始位置からレシピに基づき各リソースに処理工程を配置する過程と、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後に調整して調整計画開始位置を求める過程と、調整計画開始位置を含む計画開始位置のうち計画開始位置が早いロットのものから順に、レシピに基づき各リソースに処理工程を配置する過程と、を実施することを特徴とするものである。
【0012】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、制御部は、まず、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置から、レシピに基づいて各リソースに処理工程を配置する。そして、この結果、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後にずらした調整計画開始位置を求める。これにより、最初に決められている計画開始位置からスケジュールすると、待機時間により無駄が生じるか否かを判断することができ、無駄が生じる場合には配置を調整することで待機時間を抑制できる。さらに、制御部は、調整計画開始位置を含む計画開始位置の時間的に早いロットの順に、処理工程の配置を開始する。これにより、計画開始位置のままの短時間の処理を行うレシピを採用したロットを、調整計画開始位置のロットよりも時間的に前に配置してスケジュールする追い越しが可能となる。したがって、基板処理装置における処理効率を向上させることができる。
【0013】
また、本発明において、前記調整計画開始位置を求める過程では、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じたロットについて、その待機部の使用タイミングと、当該ロットの搬入機構の使用タイミングとを含む前のリソースの使用タイミングを、待機部の後のリソースの使用タイミングに合わせて時間的に後に調整することが好ましい(請求項2)。待機時間が生じたロットの待機部と、搬入機構を含む前のリソースとの使用タイミングを、待機部の後のリソースの使用タイミングに合わせて時間的に後に調整することにより、第1搬送機構による収容部からのロットの搬出を時間的に後にずらすことになる。したがって、待機部における待機時間を抑制するとともに、搬入機構と待機部の間においても待機時間が生じることを抑制できる。
【0014】
また、本発明において、前記調整計画開始位置を求める過程の後、求めた調整計画開始位置をロットに対応づけて記憶する過程を実施することが好ましい(請求項3)。調整計画開始位置をロットに対応づけておくことにより、ロットごとの調整計画開始位置を制御部が参照して、ロットごとに確実にスケジュールを行うことができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、処理前の基板からなるロット及び処理済の基板からなるロットとを収容する収容部と、前記収容部との間でロットの搬入及び搬出を行う第1搬送機構と、各処理部との間でロットを受け渡す第2搬送機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理のロットを搬入する搬入機構と、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済のロットを払い出す払出機構と、搬入機構の第2搬送機構側でロットを待機可能な待機部と、基板に対して処理を行う複数の処理部とを含むリソースを備えた基板処理装置を用いて、複数のロットを各リソースにより実際に処理する前に、制御部が複数の処理工程からなるレシピに基づき各リソースに処理工程を配置して使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成プログラムにおいて、同じ処理部で長時間の処理を行うレシピを採用した複数のロットと、前記処理部とは異なる処理部で短時間の処理を行うレシピを採用したロットとをその順序で処理するとして、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置が設定された状態でスケジュールを行うにあたり、計画開始位置からレシピに基づき各リソースに処理工程を配置する機能と、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後に調整して調整計画開始位置を求める機能と、調整計画開始位置を含む計画開始位置のうち計画開始位置が早いロットのものから順に、レシピに基づき各リソースに処理工程を配置する機能と、を前記制御部であるコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る基板処理装置のスケジュール作成方法によれば、制御部は、まず、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置から、レシピに基づいて各リソースに処理工程を配置する。そして、この結果、待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後にずらした調整計画開始位置を求める。これにより、最初に決められている計画開始位置からスケジュールすると、待機時間により無駄が生じるか否かを判断することができ、無駄が生じる場合には配置を調整することで待機時間を抑制できる。さらに、制御部は、調整計画開始位置を含む計画開始位置の時間的に早いロットの順に、処理工程の配置を開始する。これにより、計画開始位置のままの短時間の処理を行うレシピを採用したロットを、調整計画開始位置のロットよりも時間的に前に配置してスケジュールする追い越しが可能となる。したがって、基板処理装置における処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】レシピの例を示すタイムチャートであり、(a)は第1のロット、(b)は第2のロット、(c)は第3のロットを示す。
【図4】動作を示すフローチャートである。
【図5】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図6】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図7】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図8】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図9】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図10】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図11】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図12】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図13】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図14】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図15】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図16】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図17】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図18】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図19】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図20】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図21】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図22】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図23】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図24】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図25】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図26】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図27】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図28】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図29】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図30】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図31】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図32】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図33】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図34】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図35】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図36】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図37】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図38】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図39】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図40】スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【図41】本発明と従来例のスケジュール作成方法を比較するためのタイムチャートであり、(a)は本実施例、(b)は従来例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図であり、図2は、実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
この基板処理装置は、例えば、基板Wに対して薬液処理及び洗浄処理及び乾燥処理を施すための装置である。基板Wは、複数枚(例えば、25枚)がFOUP1に対して水平姿勢で収納されている。未処理の基板Wを収納したFOUP1は、搬送収納部ACBに設けられている投入部3に載置される。投入部3は、搬送収納部ACBの搬入口(不図示)に付設されている。搬送収納部ACBに沿った投入部3の反対側には、搬送収納部ACBの払出口(不図示)に払出部7が設けられている。ここには、処理を終えた基板Wが収納されたFOUP1が払い出される。
【0020】
搬送収納部ACBは、未処理の基板Wを収納したFOUP1を投入部3から取り込み、作成されたスケジュールに応じて、搬送収納部ACBに隣接して配置された第1搬送機構PCR側にFOUP1を搬送し、FOUP1内の基板Wを搬出可能な状態にする。なお、スケジュールによっては内部に設けられている複数の収納棚にFOUP1を一時的に載置しておく。また、処理済の基板WをFOUP1に収容可能なように、スケジュールに応じてFOUP1を第1搬送機構PCR側に搬送する。また、処理済の基板Wを収納したFOUP1を払出部7に払い出すが、作成されたスケジュールによっては一時的に複数の収納棚に載置しておく。
【0021】
第1搬送機構PCRは、搬送収納部ACBから、未処理の基板Wが収納されたFOUP1から基板Wだけ受け取るとともに、基板の姿勢を水平姿勢から起立姿勢に変換する姿勢変換を行う。そして、起立姿勢の基板Wを1ロットとして構成し、第1搬送機構PCRに隣接して配置された搬入機構WTV2を通してロットを第2搬送機構WTRに渡す。なお、第1搬送機構PCRは、二つのFOUP1から基板Wを受け取り、二つのFOUP1に収納されている基板Wを合わせて1ロット(例えば、50枚)構成とする処理を行うようにしてもよい。
【0022】
搬入機構WTV2は、第1搬送機構PCRから受け取ったロットを第2搬送機構WTRに対して受け渡す。この搬入機構WTV2は、ロットを第1搬送機構PCRから第2搬送機構WTRへ搬送する中継を行うだけである。また、払出機構WTV1は、第2搬送機構WTRから受け取ったロットを第1搬送機構PCRへ受け渡す。この払出機構WTV1は、ロットを第2搬送機構WTRから第1搬送機構PCRへ搬送する中継を行うだけである。なお、図示の関係上、搬入機構WTV2と払出機構WTV1とを水平方向で並設して描いてあるが、例えば、これらを縦方向の積層配置としてもよい。
【0023】
搬入機構WTV2と第2搬送機構WTRとの間であって、第2搬送機構WTRが最も搬送収納部ACB側に移動可能な位置(搬入機構WTV2の下流側)には、基板待機部CWSが配置されている。この基板待機部CWSは、搬入機構WTV2から第2搬送機構WTRへ基板Wを受け渡す前に一時的に待機させる待機位置として使用する。
【0024】
なお、基板待機部CWSが本発明における「待機部」に相当する。
【0025】
第2搬送機構WTRは、基板待機部CWSから装置の長手方向に移動可能に構成されている。この第2搬送機構WTRの移動方向に沿う位置には、基板待機部CWS側から順に、乾燥処理部LPDと、第1処理部19と、第2処理部21と、第3処理部23とが配置されている。
【0026】
乾燥処理部LPDは、基板Wを乾燥させる処理を行うものであって、例えば、ロットをチャンバ内に収容し、チャンバ内を減圧して乾燥処理を行う。
【0027】
第1処理部19は、ロットを構成する基板Wに対して純水洗浄処理を施すための純水洗浄処理部ONB1と、これに隣接して配置された薬液処理部CHB1とを備えている。薬液処理部CHB1は、ロットを構成する基板Wに対して薬液を含む処理液によって薬液処理を施す。また、第1処理部19は、第2搬送機構WTRとロットを受け渡すとともに、純水洗浄処理部ONB1でのみ昇降可能なリフタLF1と、第2搬送機構WTRとロットを受け渡すとともに薬液処理部CHB1でのみ昇降可能なリフタLF2とを備えている。
【0028】
第2処理部21は、上述した第1処理部19と同様の構成を備えている。つまり、第2処理部21は、純水洗浄処理部ONB2と、薬液処理部CHB2と、リフタLF3,LF4とを備えている。
【0029】
また、第3処理部23は、上述した第1処理部19及び第2処理部21と同様の構成を備えている。つまり、第3処理部23は、純水洗浄処理部ONB3と、薬液処理部CHB3と、リフタLF5,LF6とを備えている。
【0030】
上記のように構成された基板処理装置は、図2のブロック図に示すように制御部31によって統括的に制御される。なお、制御部31が本発明における「コンピュータ」に相当する。
【0031】
制御部31は、CPUやタイマ等を備え、スケジューリング部33と、処理実行指示部35とを備えている。制御部31に接続されている記憶部37は、この基板処理装置のユーザ等によって予め作成され、基板Wからなるロットをどのようにして処理するかを規定した複数の処理工程を含むレシピと、スケジュール作成プログラムと、作成されたスケジュールを実行する処理プログラムなどが予め記憶されている。また、オペレータによるロット群の投入及びレシピの指定とともに、それらの処理順序に基づきスケジューリング部33によって自動的に付与されたロットごとの計画開始位置を記憶している。また、詳細後述するように、スケジューリング部33によって求められた調整計画開始位置も記憶部37に記憶される。制御部31は、基板処理装置の全てのリソースを制御対象としている。ここでリソースとは、第1搬送機構PCR、搬入機構WTV2、払出機構WTV1、第2搬送機構WTR、基板待機部CWS、乾燥処理部LPD、純水洗浄処理部ONB1〜3、薬液処理部CHB1〜3、リフタLF1〜LF6などをいう。
【0032】
スケジューリング機能部33は、例えば、投入部3に載置されたFOUP1に収納された複数枚の基板Wを一つのロットとして取り扱い、装置のオペレータによって指示された、記憶部37に予め記憶されているレシピに応じて、実際に処理を開始する前に、ロットごとの処理工程を時系列的に効率よく配置できるようにスケジュールを作成する。その際には、投入順に、レシピに応じて予め計画開始位置をロットごとに求めて記憶部37に記憶しておく。そして、スケジュールを作成する際に、ロットごとに対応する計画開始位置を基準にして処理工程からなるブロック(詳細後述)を配置する。なお、各ロットの各ブロックを配置する際には、前のブロックの終了予定時刻が最も早いロットを優先し、それに続くブロックを配置する。但し、後述するように、ある条件下において待機時間が生じたロットについては、計画開始位置を時間的に後にずらした調整計画開始位置を求めて、この調整計画開始位置を基準にしてそのロットのブロックを配置する。
【0033】
本実施例においては、理解を容易にするために、第1のロットと、第2のロットと、第3のロットの三つのロットを処理する場合を例に採って説明する。なお、第1のロットと第2のロットは、同じ純水洗浄処理部ONB1による長時間の純水洗浄処理を行い、第3のロットは、純水洗浄処理部ONB2で短時間の純水洗浄処理を行うものとする。なお、本実施例では、第3処理部23については使用しないので、以下のタイムチャート(図3〜図41)では記載を省略してある。
【0034】
次に、各ロットのレシピについて図3を参照して説明する。なお、図3は、レシピの例を示すタイムチャートであり、(a)は第1のロット、(b)は第2のロット、(c)は第3のロットを示す。これらのタイムチャートは、単一のロットだけでタイムチャートに処理工程を示した単バッチのスケジュールである。
【0035】
なお、タイムチャートではリソースである各処理部を処理工程として縦軸に配置している。また、上述した基板処理装置における搬送収納部ACBは、レシピとは関係が低いので省略してある。具体的には、処理工程aは、例えば、第1搬送機構PCRの処理部による搬送・姿勢変換等の処理である。処理工程bは、例えば、払出機構WTV1の処理部による払出処理である。処理工程cは、搬入機構WTV2の処理部による搬入処理である。処理工程dは、例えば、第2搬送機構WTRの処理部による搬送処理である。処理工程eは、例えば、基板待機部CWSの処理部による待機処理である。処理工程fは、例えば、乾燥処理部LPDの処理部による乾燥処理である。処理工程gは、純水洗浄処理部ONB1による純水洗浄処理である。処理工程hは、薬液処理部CHB1の処理部による薬液処理である。処理工程iは、純水洗浄処理部ONB2の処理部による純水洗浄処理である。処理工程jは、薬液処理部CHB2の処理部による薬液処理である。但し、本実施例では、処理工程h、jを使用することがない。
【0036】
第1のロットについてのレシピは、例えば、例えば、図3(a)に示すようなものである。
つまり、第1のロットのレシピは、処理工程a及びcがブロックAを構成し、処理工程eがブロックBを構成し、処理工程d及び処理工程gがブロックCを構成し、処理工程d及び処理工程fがブロックDを構成し、処理工程d及び処理工程bがブロックEを構成し、処理工程aがブロックFを構成する。これらのブロックは、処理を中断することが可能な処理工程でまとめられている。この例では、ブロックCの処理工程gは、純水洗浄処理部ONB1による「長時間」の純水洗浄処理である。
【0037】
また、第2のロットについてのレシピは、例えば、図3(b)に示すようなものである。
第2のロットのレシピは、上述した第1のロットのレシピと同じであり、ブロック構成も同じである。
【0038】
また、第3のロットについてのレシピは、例えば、図3(c)に示すようなものである。
つまり、第3のロットのレシピは、処理工程a及びcがブロックAを構成し、処理工程eがブロックBを構成し、処理工程d及び処理工程iがブロックCを構成し、処理工程d及び処理工程fがブロックDを構成し、処理工程d及び処理工程bがブロックEを構成し、処理工程aがブロックFを構成する。これらのブロックは、処理を中断することが可能な処理工程でまとめられている。この例では、ブロックCの処理工程iは、純水洗浄処理部ONB2による「短時間」の純水洗浄処理である。
【0039】
なお、各ブロックA〜Fの前には数字を付すことで第1〜第3のロットを区別している。つまり、第1のロットのブロックAは、「1−A」と表し、第2のロットのブロックAは、「2−A」と表し、第3のロットのブロックAは、「3−A」と表している。また、上述した各処理工程a〜jにおける前の部分(空白部分)は、準備作業であり、後の部分(空白部分)は後片付けを表し、中央部(ハッチング部分)が処理の実体を表している。但し、処理工程によっては、後片付けが存在しないこともある。
【0040】
ここで、図4〜図40を参照して具体的な動作について説明する。なお、図4は、動作を示すフローチャートであり、図5〜図40は、スケジュール過程を示すタイムチャートである。
【0041】
ステップS1
制御部31は、搬送収納部ACBを操作して、第1のロット、第2のロット、第3のロットを投入部3からその順で搬送収納部ACBに受け入れる。さらに、装置のオペレータが図示しない操作部を介してロットごとに上述したレシピを指定したとする。すると、制御部31は、バッチスタートによるスケジューリングか否かに応じて処理を分岐する。ここでは、バッチスタートであるとして次のステップS2に移行する。
【0042】
ステップS2〜S9
制御部31のスケジューリング部33は、記憶部37から第1のロットの計画開始位置PSP1を読み出し、図5に示すスケジューリングにおけるタイムチャート上に、第1のロットの計画開始位置PSP1から第1のロットの最初のブロックA(符号1−A)を配置する。そして、第1のロットの各ブロックB〜Fを順に配置する(図6〜図10)が、基板待機部CWS以降のブロックCを配置した際に、ブロックBと、これに続くブロックCとの間に待機時間が生じたか否かを判断し(ステップS6)、処理を分岐する。この第1のロットの例では、図7において第1のロットのブロックC(符号1−C)が配置されているが、図8に示すように待機時間は生じていない。したがって、ステップS6からステップS9を経て、全ブロックを配置することができるので、計画開始位置PSP1は調整されることなくそのままである。
【0043】
次に、図11〜図25に示すように、第1のロットと第2のロットを配置してゆく。その際には、複数のロットの配置なので、前のブロックの終了予定時刻が早い方のロットのブロックを優先して配置するルールの下で行う。なお、最初の配置は、計画配置位置が早いロットを優先する。
【0044】
まず、図11に示すように、第1のロットのブロックA(符号1−A)を計画開始位置PSP1を基準にして配置し、次に第2のロットのブロックA(符号2−A)を計画開始位置PSP2を基準にして配置する。しかし、搬入機構WTV2において両ロットが衝突することになるので、第2のロットのブロックA(符号2−A)の配置を回避して、図12に示すように、第1のロットの次のブロックB(符号1−B)を配置する。次に、第2のロットのブロックA(符号2−A)を計画開始位置PSP2から配置すると、搬入機構WTV2において衝突は起きないので、その位置に第2のロットのブロックA(符号2−A)を配置する(図13)。次に、終了予定時刻が第1のロットの方が早いので、そのブロックC(符号1−C)を配置する(図14)。このときステップS6における判断は、待機時間が生じないことになるので、順次に両ロットの残りのブロックを配置する。まず、図15に示すように、第2のロットのブロックA(符号2−A)に続いて、第2のロットのブロックB(符号2−B)を配置する。但し、図16に示すように、第1のロットのブロックC(符号1−C)に続いて第2のロットのブロックC(符号2−C)を配置することはできないので、第1のロットのブロックC(符号1−C)に続いては、図17に示すように第1のロットのブロックD(符号1−D)を配置する。
【0045】
図18に示すように、第1のロットのブロックD(符号1−D)に続いて、第2のブロックC(符号2−C)を配置するが、基板待機部CWS以降のブロックCにおいて、待機時間wtが生じる。したがって、ステップS6においてステップS7に処理を分岐する。まず、図19に示すように、第2のロットのブロックB(符号2−B)の基板待機部CWSでの機時間wtをなくするように、時間的に後にシフトして配置する。具体的には、後のブロックC(符号2−C)の処理工程dの準備作業の位置までシフトする。さらに、基板待機部CWSよりも前にブロックA(符号2−A)があるので、これも時間的に後にシフトする(図20)。具体的には、第2のロットのブロックB(符号2−B)の準備作業までシフトする。これで先頭のブロックA(符号2−A)が配置されたので、その先頭位置を、計画開始位置PSP2に代わる調整計画開始位置MSP2とする。スケジューリング部33は、この調整計画開始位置MSP2を記憶部37に記憶する(ステップS8)。次に、第1のロットのブロックE(符号1−E)を配置し(図21)、第1のロットのブロックF(符号1−F)を配置する(図22)。これで第1のロットの全ブロックを配置したので、残りの第2のブロックD〜F(符号2−D〜2−F)を配置する(図23〜図25)。
【0046】
次に、図26〜図40に示すように、調整計画開始位置MSP2を含む計画開始位置PSP1,PSP3で第1のロット〜第3のロットを配置する。第2のロットの計画開始位置PSP2は、第3のロットの計画開始位置PSP3より時間的に前であったが、調整計画開始位置MSP2が時間的に後にシフトされたので、開始順序としては第1のロットに続いて第3のロット、そして第2のロットとなる。第3のロットのブロックC(符号3−C)が配置された時点(図28)でステップS6の判断がなされるが、この場合には第3ロットのブロックB(符号3−B)とブロックC(符号3−C)との間に待機時間wtが生じないので、第3のロットの計画開始位置PSP3が変更されることはない。このようにしてスケジュールが進むと、最終的には図40に示すようになる。
【0047】
このようにして作成されたスケジュールは記憶部37に格納され、処理実行指示部35の制御の下で各リソースが操作されて実際に三つのロットに対する処理が行われる。
【0048】
上述したように、制御部31は、まず、計画開始位置PSP1〜PSP3から、レシピに基づいて各ブロックを配置する。そして、この結果、基板待機部CWSを使用するブロックBから次のブロックCまでの間に待機時間wtが生じる場合には、第2のロットの計画開始位置PSP2を時間的に後にずらした調整計画開始位置MSP2を求める。これにより、最初に決められている計画開始位置PSP2からスケジュールすると、待機時間wtにより無駄が生じるか否かを判断することができ、無駄が生じる場合には、待機時間wtより前のブロックの配置位置を調整することで待機時間wtを抑制できる。さらに、制御部31は、調整計画開始位置MSP2を含む計画開始位置PSP1,3の時間的に早いロットの順に、ブロックの配置を開始する。これにより、計画開始位置PSP3のままの第2の純水洗浄処理部ONB2での短時間の処理を行うレシピを採用した第3のロットを、調整計画開始位置MSP2の第2のロットよりも時間的に前に配置してスケジュールする追い越しが可能となる。したがって、基板処理装置における処理効率を向上させることができる。
【0049】
因みに、本実施例と従来例によるスケジュールとを比較すると図41のようになる。なお、図41は、本発明と従来例のスケジュール作成方法を比較するためのタイムチャートであり、(a)は本実施例、(b)は従来例を示す。
【0050】
このように本実施例と従来例とでは、三つのロットを処理するのに要する全体の時間は変わらないものの、従来例の長い待機時間が発生しているスケジュールよりも、ブロックを時間的に前詰めで配置することができ、効率的にリソースを利用できていることが分かる。一見すると、本発明の場合には、後半に無駄があるように思えるが、さらに多くのロットを処理する場合には、この後半部分にそれらのロットの処理を詰めることができるので、効率的であって無駄ではない。
【0051】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0052】
(1)上述した実施例では、図1に示したような構成の基板処理装置を対象にして説明したが、本発明はその構成だけに限定されるものではない。
【0053】
(2)上述した実施例では、長時間の処理を行うロットが二つで、短時間の処理を行うロットが一つの場合を例に採ったが、長時間の処理を行うロットが3つ以上の場合でも上記同様の効果を奏する。
【0054】
(3)上述した実施例では、長時間の処理が純水洗浄処理で、短時間の処理が純水洗浄処理であったが、本発明はこれらの処理に限定されるものではない。例えば、長時間の処理が純水洗浄処理で、短時間の処理が薬液処理の場合や、長時間の処理が薬液処理で、短時間の処理が純水洗浄処理の場合であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
W … 基板
1 … FOUP
ACB … 搬送収納部
3 … 投入部
7 … 払出部
PCR … 第1搬送機構
WTV1 … 払出機構
WTV2 … 搬入機構
WTR … 第2搬送機構
CWS … 基板待機部
LPD … 乾燥処理部
19 … 第1処理部
21 … 第2処理部
23 … 第3処理部
ONB1〜ONB3 … 純水洗浄処理部
CHB1〜CHB3 … 薬液処理部
LF1〜LF6 … リフタ
31 … 制御部
33 … スケジューリング部
35 … 処理実行指示部
37 … 記憶部
PSP1〜PSP3 … 計画開始位置
MSP2 … 調整計画開始位置
wt … 待機時間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理前の基板からなるロット及び処理済の基板からなるロットとを収容する収容部と、前記収容部との間でロットの搬入及び搬出を行う第1搬送機構と、各処理部との間でロットを受け渡す第2搬送機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理のロットを搬入する搬入機構と、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済のロットを払い出す払出機構と、搬入機構の第2搬送機構側でロットを待機可能な待機部と、基板に対して処理を行う複数の処理部とを含むリソースを備えた基板処理装置を用いて、複数のロットを各リソースにより実際に処理する前に、制御部が複数の処理工程からなるレシピに基づき各リソースに処理工程を配置して使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成方法において、
同じ処理部で長時間の処理を行うレシピを採用した複数のロットと、前記処理部とは異なる処理部で短時間の処理を行うレシピを採用したロットとをその順序で処理するとして、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置が設定された状態でスケジュールを行うにあたり、
計画開始位置からレシピに基づき各リソースに処理工程を配置する過程と、
待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後に調整して調整計画開始位置を求める過程と、
調整計画開始位置を含む計画開始位置のうち計画開始位置が早いロットのものから順に、レシピに基づき各リソースに処理工程を配置する過程と、
を実施することを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、
前記調整計画開始位置を求める過程では、
待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じたロットについて、その待機部の使用タイミングと、当該ロットの搬入機構の使用タイミングとを含む前のリソースの使用タイミングを、待機部の後のリソースの使用タイミングに合わせて時間的に後に調整することを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、
前記調整計画開始位置を求める過程の後、求めた調整計画開始位置をロットに対応づけて記憶する過程を実施することを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。
【請求項4】
処理前の基板からなるロット及び処理済の基板からなるロットとを収容する収容部と、前記収容部との間でロットの搬入及び搬出を行う第1搬送機構と、各処理部との間でロットを受け渡す第2搬送機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理のロットを搬入する搬入機構と、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済のロットを払い出す払出機構と、搬入機構の第2搬送機構側でロットを待機可能な待機部と、基板に対して処理を行う複数の処理部とを含むリソースを備えた基板処理装置を用いて、複数のロットを各リソースにより実際に処理する前に、制御部が複数の処理工程からなるレシピに基づき各リソースに処理工程を配置して使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成プログラムにおいて、
同じ処理部で長時間の処理を行うレシピを採用した複数のロットと、前記処理部とは異なる処理部で短時間の処理を行うレシピを採用したロットとをその順序で処理するとして、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置が設定された状態でスケジュールを行うにあたり、
計画開始位置からレシピに基づき各リソースに処理工程を配置する機能と、
待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後に調整して調整計画開始位置を求める機能と、
調整計画開始位置を含む計画開始位置のうち計画開始位置が早いロットのものから順に、レシピに基づき各リソースに処理工程を配置する機能と、
を前記制御部であるコンピュータに実行させることを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成プログラム。
【請求項1】
処理前の基板からなるロット及び処理済の基板からなるロットとを収容する収容部と、前記収容部との間でロットの搬入及び搬出を行う第1搬送機構と、各処理部との間でロットを受け渡す第2搬送機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理のロットを搬入する搬入機構と、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済のロットを払い出す払出機構と、搬入機構の第2搬送機構側でロットを待機可能な待機部と、基板に対して処理を行う複数の処理部とを含むリソースを備えた基板処理装置を用いて、複数のロットを各リソースにより実際に処理する前に、制御部が複数の処理工程からなるレシピに基づき各リソースに処理工程を配置して使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成方法において、
同じ処理部で長時間の処理を行うレシピを採用した複数のロットと、前記処理部とは異なる処理部で短時間の処理を行うレシピを採用したロットとをその順序で処理するとして、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置が設定された状態でスケジュールを行うにあたり、
計画開始位置からレシピに基づき各リソースに処理工程を配置する過程と、
待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後に調整して調整計画開始位置を求める過程と、
調整計画開始位置を含む計画開始位置のうち計画開始位置が早いロットのものから順に、レシピに基づき各リソースに処理工程を配置する過程と、
を実施することを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、
前記調整計画開始位置を求める過程では、
待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じたロットについて、その待機部の使用タイミングと、当該ロットの搬入機構の使用タイミングとを含む前のリソースの使用タイミングを、待機部の後のリソースの使用タイミングに合わせて時間的に後に調整することを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、
前記調整計画開始位置を求める過程の後、求めた調整計画開始位置をロットに対応づけて記憶する過程を実施することを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。
【請求項4】
処理前の基板からなるロット及び処理済の基板からなるロットとを収容する収容部と、前記収容部との間でロットの搬入及び搬出を行う第1搬送機構と、各処理部との間でロットを受け渡す第2搬送機構と、第1搬送機構と第2搬送機構との間に配置され、第1搬送機構から第2搬送機構へ未処理のロットを搬入する搬入機構と、第2搬送機構から第1搬送機構へ処理済のロットを払い出す払出機構と、搬入機構の第2搬送機構側でロットを待機可能な待機部と、基板に対して処理を行う複数の処理部とを含むリソースを備えた基板処理装置を用いて、複数のロットを各リソースにより実際に処理する前に、制御部が複数の処理工程からなるレシピに基づき各リソースに処理工程を配置して使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成プログラムにおいて、
同じ処理部で長時間の処理を行うレシピを採用した複数のロットと、前記処理部とは異なる処理部で短時間の処理を行うレシピを採用したロットとをその順序で処理するとして、スケジュールの開始位置を規定する計画開始位置が設定された状態でスケジュールを行うにあたり、
計画開始位置からレシピに基づき各リソースに処理工程を配置する機能と、
待機部を使用する処理工程から次の処理工程までの間に待機時間が生じる場合には、そのロットの計画開始位置を時間的に後に調整して調整計画開始位置を求める機能と、
調整計画開始位置を含む計画開始位置のうち計画開始位置が早いロットのものから順に、レシピに基づき各リソースに処理工程を配置する機能と、
を前記制御部であるコンピュータに実行させることを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
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【図18】
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【図24】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2010−238919(P2010−238919A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85375(P2009−85375)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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