説明

基板支持装置及びそれを有する基板処理装置

基板支持装置は、基板を支持する上部プレートと、上部プレートの下部に位置する下部プレートと、上部プレートと下部プレートとの間に介在される絶縁部材と、上部プレートと絶縁部材との間に介在され前記上部プレートに置かれる基板にプラズマを集中させるための電極と、絶縁部材と下部プレートとの間に介在され前記上部プレートによって支持された基板を加熱するヒッターと、を含む。ここで、絶縁部材は、ヒッターと電極との間の漏洩電流が減少するように約400℃〜800℃の温度で、約10Ωcm以上の体積抵抗を有する物質を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置に関し、より詳しくは基板に対するプラズマ工程を実行するために基板を支持する装置及びそれを含む基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子は、ウエハーのようなシリコン材質の基板上に電気的な回路パターンを形成するFab工程と、前記回路パターンが形成された基板の電気的な特性を検査するEDS(Electrical Die Sorting)工程と、前記基板上に形成された複数のチップを個別化し、エポキシ樹脂で封止するパッケージング工程を通じて製造される。
【0003】
前記回路パターンを形成するために前記基板上には蒸着工程を通じて薄膜が形成されることができる。最近、前記薄膜の電気的特性を改善し、前記蒸着工程の工程温度を下げるためにプラズマを利用する蒸着装置が広く使われている。例えば、前記薄膜を形成するためにプラズマ化学気相蒸着(Plasma−Enhanced Chemical vapor deposition:以下、PE−CVD)装置が広く使われている。
【0004】
前記PE−CVD装置は反応ガスが注入される工程チャンバ、前記工程チャンバ内に配置されて反応ガスから基板に薄膜を蒸着させるためのプラズマを発生させるプラズマ電極及び基板が置かれる支持部を含むことができる。
【0005】
前記支持部は、前記薄膜の蒸着効率を向上させるために前記基板にプラズマを集中させる電極と前記基板を加熱するためのヒッターを含むことができる。前記電極は接地されることができ、前記ヒッターは電源供給器と接続されることができる。
【0006】
しかし、前記ヒッターで高電圧パワーが印加されることによって前記ヒッターと電極との間で漏洩電流が発生することができ、これによって、前記蒸着工程が非正常的に行われることができ、また、前記蒸着装置の構成品が電気的に損傷されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一目的は、ヒッターと電極との間の漏洩電流を減少させることのできる基板支持装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ヒッターと接地電極との間の漏洩電流を減少させることのできる基板支持部を含む基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面による基板支持装置は、上部プレート、下部プレート、絶縁部材、電極、及びヒッターを含むことができる。前記上部プレートは基板を支持することができ、前記下部プレートは前記上部プレートの下部に位置されることができる。前記絶縁部材は、前記上部プレートと前記下部プレートとの間に介在されることができる。前記電極は、前記上部プレートと前記絶縁部材との間に介在されることができ、前記上部プレートによって支持された基板にプラズマを集中させるために使用することができる。前記ヒッターは前記絶縁部材と前記下部プレートとの間に介在されることができ、前記上部プレートによって支持された基板を加熱することができる。ここで、前記絶縁部材は、前記ヒッターと前記電極との間の漏洩電流が減少するように約400℃〜800℃の温度で、約10Ω
cm以上の体積抵抗を有する物質を含むことができる。
【0010】
本発明の実施形態によると、前記絶縁部材は、不活性ガス雰囲気の中で、約1600℃〜1900℃の温度と約0.01ton/cm〜0.3ton/cmの圧力で形成された窒化アルミニウム焼結体であることができる。
【0011】
本発明の実施形態によると、前記絶縁部材は、約95質量%以上の窒化アルミニウムを含むことができる。
【0012】
本発明の実施形態によると、前記絶縁部材は、前記ヒッターと前記電極との間の漏洩電流が減少するように約3mm〜10mm程度の厚さを有することができる。
【0013】
本発明の実施形態によると、前記上部プレートと下部プレートのそれぞれは、セラミック焼結体であることができる。
【0014】
本発明の実施形態によると、前記ヒッターは、電気抵抗熱線を含むことができる。
【0015】
本発明の実施形態によると、前記電極は、メッシュまたはプレート形態を有することができる。
【0016】
本発明の他の側面による基板処理装置は、工程チャンバと、基板支持部、及びガス供給部を含むことができる。前記基板支持部は、前記工程チャンバの内部に配置することができ、基板を支持し加熱するために使用されることができる。前記ガス供給部は、前記基板上に薄膜を形成するために前記工程チャンバの内部に反応ガスを供給することができ、前記反応ガスからプラズマを生成するための上部電極として機能することができる。ここで、前記基板支持部は、上部プレート、下部プレート、絶縁部材、接地電極、及びヒッターを含むことができる。前記上部プレートは基板を支持することができ、前記下部プレートは前記上部プレートの下部に位置することができる。前記絶縁部材は前記上部プレートと前記下部プレートとの間に介在されることができる。前記接地電極は前記上部プレートと前記絶縁部材との間に介在されることができ、前記上部プレートによって支持された基板にプラズマを集中させるために使用されることができる。前記ヒッターは、前記絶縁部材と下部プレートとの間に介在されることができ、前記上部プレートによって支持された基板を加熱することができる。特に、前記絶縁部材は前記ヒッターと前記電極との間の漏洩電流が減少するように約400℃〜800℃の温度で約10Ωcm以上の体積抵抗を有する物質を含むことができる。
【0017】
本発明の実施形態によると、前記基板支持部のヒッターは電気抵抗熱線を含むことができる。
【0018】
本発明の実施形態によると、前記基板支持部の絶縁部材は前記ヒッターと前記接地電極との間の漏洩電流が減少するように約3mm〜10mm程度の厚さを有することができる。
【発明の効果】
【0019】
上述のような本発明の実施形態によると、ヒッターと電極との間の漏洩電流は、約400℃〜800℃の温度で約10Ωcm以上の体積抵抗を有する物質を含む絶縁部材によって充分に減少されることができる。
【0020】
また、前記絶縁部材は、約3mm〜10mm程度の厚さを有するため、前記絶縁部材は前記ヒッターと電極との間においての漏洩電流を減少させるに充分な電気抵抗を有するこ
とができる。
【0021】
また、前記ヒッターが電気抵抗熱線を含むため、前記ヒッターと前記電極が互いに対向する面積が減少されることができ、これによって前記ヒッターと電極との間においての漏洩電流が減少されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による基板支持装置を説明するための概略的な図面である。
【図2】図1に示すヒッターを説明するための概略的な図面である。
【図3】図1に示す電極を説明するための概略的な図面である。
【図4】図1に示すヒッターと電極との間の間隔を説明するための概略的な図面である。
【図5】図1に示すヒッターを説明するための概略的な図面である。
【図6】本発明の他の実施形態による基板処理装置を説明するための概略的な図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明は、本発明の実施形態を示す添付図面を参照し、より一層詳細に説明す
る。しかし、本発明は下記で説明する実施形態に限定されたように構成されなければならないのではなく、これと他の様々な形態で具体化することができる。下記の実施形態は本発明が全て完成できるようにするために提供されるというよりは、本発明の技術分野で熟練した当業者らに本発明の範囲を十分に伝達するために提供されるのである。
【0024】
一つの要素が別の一つの要素または層上に、配置されるか或いは接続されるものとして説明する場合、上記要素は上記他の一つの要素上に直接的に配置されたり接続されることもでき、他の要素または層が、これらの間に掲載されることもできる。これと異なって、一つの要素が別の一つの要素上に直接的に配置されたり接続されることとして説明する場合、それらの間にはまた他の要素はありえない。類似の要素に対しては全体的に類似の参照符号が使われることであり、また、「及び/または」という用語は関連項目のうちのいずれか一つ、または、それ以上の組合を含む。
【0025】
多様な要素、造成、領域、層、及び/または部分と同じ多様な項目を説明するために第1、第2、第3などの用語らが使われるが、前記項目はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は単に他の要素から一つの要素を区別するために使われることである。従って、下記で説明する第1要素、造成、領域、層、または、部分は本発明の範囲内でありつつ、第2要素、造成、領域、層、または、部分として表現することができる。
【0026】
空間的に相対的な用語ら、例をあげれば、「下部」または「底」そして「上部」などの用語らは、図面に説明したように、他の要素らに対して、一要素の関係を説明するために使われることができる。 相対的用語は図面に示した方位に加えて装置の他の方位を含む
ことができる。例を挙げれば、図面の一つで装置が方向が変われば、他の要素の下部側にあると説明した要素が上記他の要素の上部側にあることと整合されるだろう。従って、「下部」という典型的な用語は図面の特定方位に対し「下部」及び「上部」方位、全てを含むことができる。これと類似に、図面の一つで装置が方向が変われば、他の要素の「下」または「すぐ下」として説明された要素は上記他の要素の「上」と整合されるだろう。従って、「下」または「すぐ下」という典型的な用語は「下」と「上」の方位全てを含むことができる。
【0027】
下記で使われた専門用語は単に特定実施形態を説明するための目的で使われることであ
り、本発明を限定するためのものではない。 下記で使われたように、単数の形態と表示
されるのは特別に明確に指示しない以上、複数の形態も含む。また、「含む」または「含んでいる」という用語が使われる場合、これは言及された形態、領域、完全体、段階、作用、要素、及び/または、成分の存在を特徴づけることであり、他の一つ以上の形態、領域、完全体、段階、作用、要素、成分、及び/または、これらのグループの追加を排除するのではない。
【0028】
別に限定されない以上、技術及び科学用語を含む全ての用語は本発明の技術分野で通常の知識を有する当業者に理解されることのできる同一意味を有する。通常の辞書で限定されることと同じ上記用語は関連技術と本発明の説明の文脈でそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されることであり、明確に限定されない限り理想的または過度に外形的な直感と解釈されないべきである。
【0029】
本発明の実施形態は本発明の理想的な実施形態の概略的な図面の断面図を参照して説明する。これによって、上記図面の形状からの変化、例をあげれば、製造方法及び/または許容誤差の変化は予想されることができるものである。従って、本発明の実施形態は図面として説明した領域の特定形状に限定した通り説明されるのではなく、形状においての偏差を含むことのである。例を挙げれば、平たいと説明された領域は、一般的に粗さ及び/または非線形的な形態を有することができる。また、図面に説明した尖った角は丸くすることもできる。従って、図面に説明した領域は全面的に概略的であり、これらの形状は領域の正確な形状を説明するためではなく、また、本発明の範囲を限定しようとするのではない。
【0030】
図1は本発明の一実施形態による基板支持装置を説明するための概略的な図面であり、図2は図1に示すヒッターを説明するための概略的な図面であり、図3は図1に示す電極を説明するための概略的な図面である。
【0031】
図1〜図3を参照すると、本発明の一実施形態による基板支持装置100は、基板Wを直接的に支持する上部プレート110、前記上部プレート110の下部に配置する下部プレート120、上部プレート110と下部プレート120との間に介在される絶縁部材130、前記上部プレート110と絶縁部材130との間に介在される電極140、及び前記絶縁部材130と下部プレート120との間に介在されるヒッター150を含むことができる。
【0032】
前記上部プレート110の上面には処理工程を進行する基板Wが直接的に支持されることができる。ここで、前記基板Wは半導体素子を製造するためのシリコン材質のウエハー(wafer)であることができ、前記基板W上には薄膜が蒸着されることができる。しかし、前記基板Wがシリコン材質のウエハーに限定されるのはない。例えば、前記基板Wは、ガラス材質または石英材質からなる平板型基板であることができ、PDP(plasma display panel)、LCD(liquid crystal display)、OLED(organic light emitting diode)などのような平面ディスプレイ装置の製造において実質的に画像を表示するディスプレイパネルを製造するために使用することができる。
【0033】
前記上部プレート110は、耐熱性に優れて、電気的に絶縁体であるセラミックからなることができる。前記セラミックは一例として、窒化アルミニウムAlN、窒化シリコンSi、炭化シリコンSiC、窒化ホウ素BN、及びアルミナAlのうち、いずれか一つからなることができ、これらは単独または混合して使用することができる。また、前記上部プレート110は粉末状態の前記セラミックを利用する焼結工程を通じて製造することができる。
【0034】
これによって、前記上部プレート110に置かれた前記基板W上にプラズマを利用して薄膜を蒸着しようとする場合、前記上部プレート110上に置かれた基板Wを安定的に加熱することができ、また、前記プラズマと前記上部プレート110との間においての電気的な干渉を防ぐことができる。
【0035】
前記下部プレート120は、上部プレート110の下部に位置されることができる。前記下部プレート120は、上部プレート110と同一物質で形成されることができる。従って、前記下部プレート120に対する追加的な詳細説明は省略することにする。
【0036】
前記上部プレート110と下部プレート120は、相互対向するように配置することができ、その間には絶縁部材130が介在されることができる。つまり、前記下部プレート120、絶縁部材、及び上部プレート110は、順番に積層されることができ、相互接合されることができる。
【0037】
また、前記絶縁部材130は、前記電極140とヒッター150との間に介在されることができ、前記電極140とヒッター150との間を電気的に絶縁させる絶縁体として機能することができる。
【0038】
ここで、前記絶縁部材130は、充分な絶縁抵抗を有することが望ましい。具体的に前記絶縁部材130は、約400℃〜800℃の温度で、約10Ωcm以上の体積抵抗を有する物質を含むことができる。一方、一般的に物質の抵抗値は温度の上昇に応じて低くなるため、前記絶縁部材130をなす物質が約400℃より低い温度で有する体積抵抗は、約400℃〜800℃の温度で有する体積抵抗より大きい値であることは自明である。
【0039】
一列として、前記絶縁部材130は、窒化アルミニウム焼結体であってもよい。前記窒化アルミニウム焼結体は、粉末状態の窒化アルミニウムAlNを利用する焼結工程によって製造することができる。前記絶縁部材130を製造するための焼結工程は、窒素及びアルゴンなどのような不活性ガス雰囲気で行われることができる。特に、前記絶縁部材が、充分な体積抵抗を有するようにするために、前記焼結工程は、約1600℃〜1900℃の温度と約0.01ton/cm〜0.3ton/cmの圧力で実行されることができ、これによって、前記ヒッターと前記電極は前記絶縁部材によって充分に絶縁されることができる。
【0040】
前記絶縁部材130をなす窒化アルミニウム焼結体は、約95質量%程度の窒化アルミニウムを含んでもよい。
【0041】
これとは異なって、前記絶縁部材130は、上部プレート110または下部プレート120と同一物質からなることができ、この場合、前記上部プレート、下部プレート、及び絶縁部材は、約400℃〜800℃程度の温度で約10Ωcm以上の体積抵抗を有するセラミックからなることができる。
【0042】
前記電極140は、前記上部プレート110と絶縁部材130との間に介在されることができる。前記電極140は、外部の接地部100cと電気的に接続されることができる。前記電極140は、電導性に優れた金属材質からなることができる。例えば、前記電極140は、タンタル(Tantalum,Ta)、タングステン(Tungsten,W)、モリブデン(Molybdenum,Mo)、ニッケル(Nickel,Ni)などを含むことができ、これらの合金が使用されることもできる。
【0043】
前記電極140は、前記基板W上に薄膜を形成するための高周波またはRF(Radi
o Frequency)パワーを利用してプラズマを形成する場合、前記プラズマの形成のための基準電位を提供することができる。また、前記薄膜を形成する間、前記プラズマが前記基板Wに集中するようにすることができる。
【0044】
前記電極140は、図3に示すようにメッシュ(mesh)形態を有することができる。これとは異なって、前記電極140はプレート形態を有することもできる。前記電極140は、前記上部プレート110上に置かれる基板Wに対応する大きさを有することができる。
【0045】
前記電極140は、前記絶縁部材130を製造するとき、絶縁部材130の上面に配置することができる。つまり、前記絶縁部材130を製造するための焼結工程を進行するとき、絶縁部材130を形成するための粉末状態の物質上に配置することができる。これとは異なって、前記電極140は上部プレート110の下面に配置するように、前記上部プレート110を製造するための焼結工程を進行するとき、上部プレート110を形成するための粉末状態のセラミックの下に配置することができる。また、前記上部プレート110と絶縁部材130を個別的に製造した後、相互接合するとき、その間に配置することもできる。
【0046】
前記ヒッター150は基板Wを加熱するために使用されることができる。具体的には、前記ヒッター150は電源供給部100bと電気的に接続されることができる。
【0047】
前記ヒッター150は、電気抵抗熱線を含むことができる。つまり、前記ヒッター150は、前記電源供給部100bから提供される駆動電圧によって熱を発生させることのできる金属からなることができる。前記ヒッター150は、例えば、タンタル(Tantalum,Ta)、タングステン(Tungsten,W)、モリブデン(Molybdenum,Mo)、ニッケル(Nickel,Ni)などを含むことができ、これらの合金が使用されることもできる。
【0048】
前記ヒッター150は、前記下部プレート120を製造するとき、下部プレート120の上面に配置することができる。つまり、焼結工程を通じて下部プレート120を製造するときに下部プレート120を形成するための粉末状態のセラミック上に配置することができる。これとは異なって、前記ヒッター150は絶縁部材130の下面に配置するように絶縁部材130を製造するための焼結工程を行うときに絶縁部材130を形成するための粉末状態の物質の下に配置することができる。また、絶縁部材130と下部プレート120を個別的に製造した後、相互接合するとき、その間に配置することもできる。
【0049】
前記ヒッター150は、図2に示すように、前記上部プレート110に置かれる基板Wと対応するように配置することができ、均一に分布された電気抵抗熱線152を含むことができる。例えば、前記基板Wが円形状を有する場合(例えば、シリコンウエハーの場合)、前記電気抵抗熱線152は、同心円構造を有することができる。これで、前記ヒッター150は、基板Wを均一に加熱することができる。
【0050】
このように、本発明の一実施形態による基板支持装置100は、ヒッター150と電極140を絶縁させるための絶縁部材130が約400℃〜800℃の温度で、約10Ωcm以上の体積抵抗を有することによって、低温工程はもちろん、高温工程においても前記ヒッター150を前記電極140から充分に絶縁させることができ、これによって、前記ヒッター150と電極140との間においての漏洩電流が充分に減少されることができる。
【0051】
図4は、図1に示す絶縁部材の厚さを説明するための概略的な図面である。
【0052】
図4を参照すると、前記絶縁部材130は、前記電極140とヒッター150との間においての漏洩電流を充分に減少させるために、約3mm〜10mm程度の厚さdを有することが望ましい。この場合、前記絶縁部材130は、約400℃〜800℃の温度で、約10Ωcm以上の体積抵抗を有する物質からなることが望ましい。例えば、前記絶縁部材130は、不活性ガス雰囲気の中で、約1600℃〜1900℃の温度と約0.01ton/cm〜0.3ton/cmの圧力で形成された窒化アルミニウム焼結体であることができる。
【0053】
図5は、図1に示すヒッターを説明するための概略的な図面である。
【0054】
図5を参照すると、前記ヒッター150は電気抵抗熱線を含むことができる。この場合、前記ヒッター150と前記電極140との間においての漏洩電流を減少させるための電気抵抗熱線は円形の断面を有することが望ましい。これは、前記ヒッター150と電極140との間の間隔を増加させることによって前記ヒッター150と電極140との間においての漏洩電流を充分に減少させることができる。
【0055】
前記電気抵抗熱線が円形断面を有する場合、前記電気抵抗熱線の側面部位と前記電極140との間の間隔が前記電気抵抗熱線の最上部と前記電極140との間の間隔より増加されることができるため、前記ヒッター150と前記電極140との間の平均間隔が増加されることができる。結果的に、前記ヒッター150と前記電極140との間の電気抵抗が増加することができ、これによって、前記ヒッター150と前記電極140との間においての漏洩電流が減少されることができる。
【0056】
図6は、本発明の他の実施形態による基板処理装置を説明するための概略的な図面である。
【0057】
図6を参照すると、本発明の他の実施形態による基板処理装置200は、基板Wに対する工程空間を提供する工程チャンバ210、工程を進行する基板Wを支持しつつ、加熱するための基板支持部100、及び工程チャンバ210の内部に反応ガスを供給するガス供給部220を含むことができる。
【0058】
前記供給部220は、工程チャンバ210と接続されたガス注入部222を含むことができる。前記反応ガスは前記基板W上に薄膜を形成するためのソースガスを含むことができる。前記ソースガスは、キャリアーガスと共に前記工程チャンバ210に供給されることができる。例えば、前記ソースガスは、シランSiH、窒素NO、アンモニアNHなどを含むことができ、これらの混合ガスが使用されることもできる。前記キャリアガスとしては、アルゴン及び窒素などのような不活性ガスが使用されることができる。
【0059】
前記支持部100は、前記工程チャンバ210の内部に配置されることができ、前記基板Wは前記基板支持部100によって支持されることができる。前記基板支持部100は、基板Wを直接的に支持する上部プレート110、上部プレート110の下部に位置する下部プレート120、上部プレート110と下部プレート120との間に位置する絶縁部材130、上部プレート110と下部プレート120との間に介在されて前記基板Wにプラズマを集中させるための接地電極140、及び前記絶縁部材130と下部プレート120との間に介在されて前記基板Wを加熱するためのヒッター150を含むことができる。
【0060】
一方、前記基板処理装置200は、前記基板支持部100を支持するための支持部100aをさらに含むことができる。ここで、前記ヒッター150及び接地電極140は、前記支持台100aを通じて電源供給部100b及び接地部100cと電気的に接続される
ことができる。
【0061】
前記基板支持部100は、図1〜図5を参照して既に説明した基板支持装置と同一または類似しているため、これに対する追加的な詳細な説明は省略する。
【0062】
前記ガス供給部220は、工程チャンバ210の上部に配置されたシャワーヘッド224を含むことができる。前記シャワーヘッド224は前記反応ガスを前記基板W上に供給するための複数のガスホールを有することができ、前記ガス注入部222を通じてガスソースと接続されることができる。
【0063】
また、前記ガス供給部220は、前記反応ガスからプラズマを発生させるための上部電極として機能することができる。つまり、前記プラズマは、前記上部電極と前記接地電極140との間で形成される電位差によって発生されることができる。
【0064】
前記プラズマを利用して前記基板W上に薄膜を形成するために前記基板Wは前記基板Wは、前記ヒッター150によって所定の工程温度で加熱されることができる。この場合、前記絶縁部材130が約400℃〜800℃の温度で、約10Ωcm以上の体積抵抗を有する物質からなり、約3mm〜10mm程度の厚さを有するため、前記ヒッター150と接地電極140との間の漏洩電流が充分に減少されることができる。
【0065】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと理解される。
【産業上の利用可能性】
【0066】
上述のような本発明の実施形態によると、プラズマを利用して基板上に薄膜を形成する場合、前記基板を工程温度で加熱するためのヒッターと前記プラズマを形成するための接地電極との間においての漏洩電流は、前記ヒッターと前記接地電極との間に配置される絶縁部材によって充分に減少されることができる。
【0067】
従って、前記ヒッターと接地電極との間においての漏洩電極に起因する薄膜形成装置の損傷を防ぐことができる。また、前記薄膜を形成するためのプラズマを安定的に発生させることができるため、前記基板上に前記薄膜を均一に形成することができ、前記薄膜の電気的特性を改善することができる。
【符号の説明】
【0068】
100、200、300 基板支持装置
100a 支持台
100b 電源供給部
100c 接地部
110 上部プレート
120 下部プレート
130 絶縁部材
140 電極
150 ヒッター
152 電気抵抗熱線
200 基板処理装置
210 工程チャンバ
220 ガス供給部
222 ガス注入部
224 シャワーヘッド
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持する上部プレートと、
前記上部プレートの下部に位置する下部プレートと、
前記上部プレートと前記下部プレートとの間に介在される絶縁部材と、
前記上部プレートと前記絶縁部材との間に介在され、前記上部プレートによって支持された基板にプラズマを集中させるための電極と、
前記絶縁部材と前記下部プレートとの間に介在され、前記上部プレートによって支持された基板を加熱するヒッターと、を含み、
前記絶縁部材は、前記ヒッターと前記電極との間の漏洩電流が減少するように約400℃〜800℃の温度で、約10Ωcm以上の体積抵抗を有する物質を含むことを特徴とする基板支持装置。
【請求項2】
前記絶縁部材は、不活性ガス雰囲気の中で、約1600℃〜1900℃の温度と約0.01ton/cm〜0.3ton/cmの圧力で形成された窒化アルミニウム焼結体であることを特徴とする請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項3】
前記絶縁部材は、約95質量%以上の窒化アルミニウムを含むことを特徴とする請求項2に記載の基板支持装置。
【請求項4】
前記絶縁部材は、前記ヒッターと前記電極との間の漏洩電流が減少するように約3mm〜10mmの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項5】
前記上部プレートと下部プレートのそれぞれは、セラミック焼結体であることを特徴とする請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項6】
前記ヒッターは電気抵抗熱線を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項7】
前記電極は、メッシュまたはプレート形態を有することを特徴とする請求項6に記載の基板支持装置。
【請求項8】
工程チャンバと、
前記工程チャンバの内部に配置され、基板を支持し加熱する基板支持部と、
前記基板上に薄膜を形成するために前記工程チャンバの内部に反応ガスを供給し、前記反応ガスからプラズマを生成するための上部電極として機能するガス供給部と、を含み、
前記基板支持部は、
前記基板を支持する上部プレートと、
前記上部プレートの下部に位置する下部プレートと、
前記上部プレートと前記下部プレートとの間に介在される絶縁部材と、
前記上部プレートと前記絶縁部材との間に介在され、前記上部プレートによって支持された基板にプラズマを集中させるための接地電極と、
前記絶縁部材と下部プレートとの間に介在され、前記上部プレートによって支持された基板を加熱するヒッターと、を含み、
前記絶縁部材は、前記ヒッターと前記電極との間の漏洩電流が減少するように約400℃〜800℃の温度で約10Ωcm以上の体積抵抗を有する物質を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
前記基板支持部のヒッターは、電気抵抗熱線を含むことを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記基板支持部の絶縁部材は前記ヒッターと前記接地電極との間の漏洩電流が減少するように約3mm〜10mmの厚さを有することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−510499(P2011−510499A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543057(P2010−543057)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000247
【国際公開番号】WO2009/091214
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(502394184)コミコ株式会社 (12)
【住所又は居所原語表記】79,Sinmosan−dong,Anseong−si,Gyeonggi−do,Korea
【Fターム(参考)】