説明

塗布装置及び塗布方法

【課題】均一な浮上量で基板を浮上させること。
【解決手段】所定領域に液状体を吐出するノズルを有する塗布部と、前記所定領域を通過するように基板を浮上させて搬送する基板搬送部と、少なくとも前記所定領域において前記基板のうち基板搬送方向に直交する方向の端部の浮上量を調整する調整部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置及び塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイなどの表示パネルを構成するガラス基板上には、配線パターンや電極パターンなどの微細なパターンが形成されている。一般的にこのようなパターンは、例えばフォトリソグラフィなどの手法によって形成される。フォトリソグラフィ法では、ガラス基板上にレジスト膜を形成する工程、このレジスト膜をパターン露光する工程、その後に当該レジスト膜を現像する工程がそれぞれ行われる。
【0003】
基板の表面上にレジスト膜を塗布する装置として、スリットノズルを固定し、当該スリットノズルの下を移動するガラス基板にレジストを塗布する塗布装置が知られている。その中でも、基板を浮上させて移動させる塗布装置が知られている。浮上型の塗布装置としては、例えば基板の端部を保持して移動させる構成が知られている。基板上に厚さが均一になるようにレジストを塗布するためには、基板の被処理面とレジストを吐出するノズル先端との間の距離を一定に保つ必要がある。このため、基板を均一な浮上量で浮上させる必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−88201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、基板のうち例えば端部は、保持力が働いたり、基板の大きさによる撓みが発生したりする場合があるため、当該基板の端部の浮上量が当該基板の他の部分の浮上量とは異なる場合があった。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明は、均一な浮上量で基板を浮上させることが可能な塗布装置及び塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る塗布装置は、所定領域に液状体を吐出するノズルを有する塗布部と、前記所定領域を通過するように基板を浮上させて搬送する基板搬送部と、少なくとも前記所定領域において前記基板のうち基板搬送方向に直交する方向の端部の浮上量を調整する調整部とを備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、ノズルから液状体が吐出される所定領域において、基板のうち基板搬送方向に直交する方向の端部の浮上量を調整する調整部を有するため、基板の端部の浮上量を他の部分の浮上量と等しくなるように調整することができる。これにより、均一な浮上量で基板を浮上させることが可能となる。
【0009】
上記の塗布装置は、前記端部の浮上量を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記調整部による調整量を制御する調整量制御部とを更に備えることを特徴とする。
このような構成によれば、端部の浮上量を検出し、検出結果に基づいて調整部による調整量を制御することができるため、基板の浮上量を精密に調整することができる。
【0010】
上記の塗布装置は、前記検出部は、前記ノズルに設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、検出部がノズルに設けられているため、ノズルを基準としたときの検出結果を得ることができる。これにより、基板に対する液状体の吐出位置での浮上量を精密に調整することができる。
【0011】
上記の塗布装置は、前記検出部は、前記端部に向けて配置されたセンサを有することを特徴とする。
このような構成によれば、端部に向けて配置されたセンサを用いることで、基板の浮上量を精密に検出することができる。
【0012】
上記の塗布装置は、前記センサは、複数設けられ、複数の前記センサは、前記基板搬送方向に直交する方向の両方の前記端部に対応する位置に配置されていることを特徴とする。
このような構成によれば、複数のセンサが基板搬送方向に直交する方向の両方の端部に対応する位置に配置されているので、基板の浮上量を精密に検出することができる。
【0013】
上記の塗布装置は、前記基板搬送部は、前記基板を搬送する搬送部を有し、前記搬送部は、前記端部の少なくとも一部を保持する基板保持部を有することを特徴とする。
このような構成によれば、基板保持部によって基板の端部の少なくとも一部を保持される場合であっても、基板の端部の浮上量を他の部分の浮上量と等しくなるように調整することができる。これにより、均一な浮上量で基板を浮上させることが可能となる。
【0014】
上記の塗布装置は、前記基板に気体を噴出する気体噴出部を更に備え、前記調整部は、前記端部への前記気体の噴出量を調整する噴出量調整部を有することを特徴とする。
このような構成によれば、調整部が、端部への気体の噴出量を調整することにより、基板の端部の浮上量を精密に調整することができる。
【0015】
上記の塗布装置は、前記基板搬送部上を吸引する吸引部を更に備え、前記調整部は、前記端部に対応する部分の吸引量を調整する吸引量調整部を有することを特徴とする。
このような構成によれば、調整部が、端部に対応する部分の吸引量を調整することにより、基板の端部の浮上量を精密に調整することができる。
【0016】
本発明に係る塗布方法は、所定領域を通過するように基板を浮上させて搬送する基板搬送ステップと、前記所定領域を通過する前記基板に液状体を吐出する塗布ステップと、少なくとも前記所定領域において前記基板のうち基板搬送方向に直交する方向の端部の浮上量を調整する調整ステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、ノズルから液状体が吐出される所定領域において、基板のうち基板搬送方向に直交する方向の端部の浮上量が調整されるので、基板の端部の浮上量を他の部分の浮上量と等しくなるように調整されることになる。これにより、均一な浮上量で基板を浮上させることが可能となる。
【0018】
上記の塗布方法は、前記端部の浮上量を検出する検出ステップと、前記検出ステップでの検出結果に基づいて前記調整ステップにおける調整量を制御する調整量制御ステップとを更に含むことを特徴とする。
このような構成によれば、端部の浮上量を検出し、検出結果に基づいて調整部による調整量を制御することができるため、基板の浮上量を精密に調整することができる。
【0019】
上記の塗布方法は、前記基板搬送ステップでは、前記端部の少なくとも一部を保持しつつ前記基板を搬送することを特徴とする。
このような構成によれば、基板の端部の少なくとも一部を保持される場合であっても、基板の端部の浮上量を他の部分の浮上量と等しくなるように調整することができる。これにより、均一な浮上量で基板を浮上させることが可能となる。
【0020】
上記の塗布方法は、前記基板に気体を噴出する気体噴出ステップを更に含み、前記調整ステップは、前記端部への前記気体の噴出量を調整することを含むことを特徴とする。
このような構成によれば、端部への気体の噴出量を調整することにより、基板の端部の浮上量を精密に調整することができる。
【0021】
上記の塗布方法は、前記基板搬送部上を吸引する吸引ステップを更に含み、前記調整ステップは、前記端部に対応する部分の吸引量を調整することを含むことを特徴とする。
このような構成によれば、端部に対応する部分の吸引量を調整することにより、基板の端部の浮上量を精密に調整することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、均一な浮上量で基板を浮上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係る塗布装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る塗布装置の構成を示す正面図である。
【図3】本実施形態に係る塗布装置の構成を示す平面図である。
【図4】本実施形態に係る塗布装置の構成を示す側面図である。
【図5】搬送機の要部構成を示す図である。
【図6】本実施形態に係る塗布装置の処理ステージの構成を示す平面図である。
【図7】本実施形態に係る塗布装置の処理ステージの一部の構成を示す断面図である。
【図8】本実施形態に係る塗布装置の動作を示す図である。
【図9】同、動作図である。
【図10】同、動作図である。
【図11】同、動作図である。
【図12】同、動作図である。
【図13】同、動作図である。
【図14】変形例に係る搬送機構の構成を示す図である。
【図15】変形例に係る搬送機構の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本実施形態に係る塗布装置1の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る塗布装置1は、例えば液晶パネルなどに用いられるガラス基板上にレジストを塗布する塗布装置であり、基板搬送部(基板搬送系)2と、塗布部(塗布系)3と、管理部4と、制御装置CONTとを主要な構成要素としている。この塗布装置1は、基板搬送部(基板搬送系)2によって基板を浮上させて搬送しつつ塗布部(塗布系)3によって当該基板上にレジストが塗布されるようになっており、管理部4によって塗布部3の状態が管理されるようになっている。
【0025】
図2は塗布装置1の正面図、図3は塗布装置1の平面図、図4は塗布装置1の側面図である。これらの図を参照して、塗布装置1の詳細な構成を説明する。
【0026】
(基板搬送部)
まず、基板搬送部2の構成を説明する。
基板搬送部2は、基板搬入領域20と、塗布処理領域21と、基板搬出領域22と、搬送機構23と、これらを支持するフレーム部24とを有している。この基板搬送部2では、搬送機構23によって基板Sが基板搬入領域20、塗布処理領域21及び基板搬出領域22へと順に搬送されるようになっている。基板搬入領域20、塗布処理領域21及び基板搬出領域22は、基板搬送方向の上流側から下流側へこの順で配列されている。搬送機構23は、基板搬入領域20、塗布処理領域21及び基板搬出領域22の各部に跨るように当該各部の一側方に設けられている。
【0027】
以下、塗布装置1の構成を説明するにあたり、表記の簡単のため、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。基板搬送部2の長手方向であって基板の搬送方向をX方向と表記する。平面視でX方向(基板搬送方向)に直交する方向をY方向と表記する。X方向軸及びY方向軸を含む平面に垂直な方向をZ方向と表記する。なお、X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとする。
【0028】
基板搬入領域20は、装置外部から搬送されてきた基板Sを搬入する部位であり、搬入側ステージ25と、リフト機構26とを有している。
搬入側ステージ25は、フレーム部24の上部に設けられており、例えばSUSなどからなる平面視で矩形の板状部材である。この搬入側ステージ25は、X方向が長手になっている。搬入側ステージ25には、エア噴出口25aと、昇降ピン出没孔25bとがそれぞれ複数設けられている。これらエア噴出口25a及び昇降ピン出没孔25bは、搬入側ステージ25を貫通するように設けられている。
【0029】
エア噴出口25aは、搬入側ステージ25のステージ表面(搬送面)25c上にエアを噴出する孔であり、例えば搬入側ステージ25のうち基板Sの通過する領域に平面視マトリクス状に配置されている。このエア噴出口25aには図示しないエア供給源が接続されている。この搬入側ステージ25では、エア噴出口25aから噴出されるエアによって基板Sを+Z方向に浮上させることができるようになっている。
【0030】
昇降ピン出没孔25bは、搬入側ステージ25のうち基板Sの搬入される領域に設けられている。当該昇降ピン出没孔25bは、ステージ表面25cに供給されたエアが漏れ出さない構成になっている。
【0031】
この搬入側ステージ25のうちY方向の両端部には、アライメント装置25dが1つずつ設けられている。アライメント装置25dは、搬入側ステージ25に搬入された基板Sの位置を合わせる装置である。各アライメント装置25dは長孔と当該長孔内に設けられた位置合わせ部材を有しており、搬入側ステージ25に搬入される基板を両側から機械的に挟持するようになっている。
【0032】
リフト機構26は、搬入側ステージ25の基板搬入位置の裏面側に設けられている。このリフト機構26は、昇降部材26aと、複数の昇降ピン26bとを有している。昇降部材26aは、図示しない駆動機構に接続されており、当該駆動機構の駆動によって昇降部材26aがZ方向に移動するようになっている。複数の昇降ピン26bは、昇降部材26aの上面から搬入側ステージ25へ向けて立設されている。各昇降ピン26bは、それぞれ上記の昇降ピン出没孔25bに平面視で重なる位置に配置されている。昇降部材26aがZ方向に移動することで、各昇降ピン26bが昇降ピン出没孔25bからステージ表面25c上に出没するようになっている。各昇降ピン26bの+Z方向の端部はそれぞれZ方向上の位置が揃うように設けられており、装置外部から搬送されてきた基板Sを水平な状態で保持することができるようになっている。
【0033】
塗布処理領域21は、レジストの塗布が行われる部位であり、基板Sを浮上支持する処理ステージ27が設けられている。
【0034】
処理ステージ27は、ステージ表面(搬送面)27cが例えば硬質アルマイトを主成分とする光吸収材料で覆われた平面視で矩形の板状部材であり、搬入側ステージ25に対して+X方向側に設けられている。処理ステージ27のうち光吸収材料で覆われた部分では、レーザ光などの光の反射が抑制されるようになっている。この処理ステージ27は、Y方向が長手になっている。処理ステージ27のY方向の寸法は、搬入側ステージ25のY方向の寸法とほぼ同一になっている。処理ステージ27には、ステージ表面27c上にエアを噴出する複数のエア噴出口27aと、ステージ表面27c上のエアを吸引する複数のエア吸引口27bとが設けられている。これらエア噴出口27a及びエア吸引口27bは、処理ステージ27を貫通するように設けられている。また、処理ステージ27の内部には、エア噴出口27a及びエア吸引口27bを通過する気体の圧力に抵抗を与えるための図示しない溝が複数設けられている。この複数の溝は、ステージ内部においてエア噴出口27a及びエア吸引口27bに接続されている。
【0035】
処理ステージ27では、エア噴出口27aのピッチが搬入側ステージ25に設けられるエア噴出口25aのピッチよりも狭く、搬入側ステージ25に比べてエア噴出口27aが密に設けられている。また、処理ステージ27においては、エア噴出口27aとともにエア吸引口27bが密に設けられている。これにより、この処理ステージ27では他のステージに比べて基板の浮上量を高精度で調節できるようになっており、基板の浮上量が例えば100μm以下、好ましくは50μm以下となるように制御することが可能になっている。処理ステージ27には、ステージ表面27cと基板Sとの間の距離を検出可能な検出部MSが設けられている。
【0036】
基板搬出領域22は、レジストが塗布された基板Sを装置外部へ搬出する部位であり、搬出側ステージ28と、リフト機構29とを有している。この搬出側ステージ28は、処理ステージ27に対して+X方向側に設けられており、基板搬入領域20に設けられた搬入側ステージ25とほぼ同様の材質、寸法から構成されている。搬出側ステージ28には、搬入側ステージ25と同様、エア噴出口28a及び昇降ピン出没孔28bが設けられている。リフト機構29は、搬出側ステージ28の基板搬出位置の裏面側に設けられており、例えばフレーム部24に支持されている。リフト機構29の昇降部材29a及び昇降ピン29bは、基板搬入領域20に設けられたリフト機構26の各部位と同様の構成になっている。このリフト機構29は、搬出側ステージ28上の基板Sを外部装置へと搬出する際に、基板Sの受け渡しのため昇降ピン29bによって基板Sを持ち上げることができるようになっている。
【0037】
搬送機構23は、図4に示すように、第一搬送機構60と、第二搬送機構61とを備えている。なお、図3においては、第一搬送機構60が基板Sを保持した状態を示し、第一搬送機構60の下方に配置されている第二搬送機構61の図示を省略している。
【0038】
第一搬送機構60は、搬送機(保持部)60aと、真空パッド(吸着部)60bと、レール60cと、搬送機60aを基板Sの搬送面と平行な面上を移動可能とする移動機構(進退機構)63とを有している。また、第二搬送機構61は、搬送機(保持部)61aと、真空パッド(吸着部)61bと、レール61cと、搬送機61aを昇降(上下動作)可能とする昇降機構(進退機構)62とを有している。レール60c,61cは、搬入側ステージ25、処理ステージ27及び搬出側ステージ28の側方に各ステージに跨って延在している。
【0039】
搬送機60a,61aは、内部に例えばリニアモータが設けられた構成になっており、当該リニアモータが駆動することによって搬送機60a,61aがレール60c,61c上を移動することで各ステージに沿って移動できるようになっている。すなわち、搬送機60a,61aは、基板Sを保持する保持部としての機能と、該保持部を駆動する駆動部としての機能とを備えたものとなっている。搬送機60a,61aは、所定の部分60d、61dが平面視で基板Sの−Y方向端部に重なるようになっている。この基板Sに重なる部分60d、61dは、基板Sを浮上させたときの基板裏面の高さ位置よりも低い位置に配置されるようになっている。
【0040】
第二搬送機構61は、図4に示すように第一搬送機構60と比べて、フレーム部24の階段状の段差部24aの下段に配置されている。また、平面的に視ると、第二搬送機構61は、第一搬送機構60に対してステージ側に配置されている。
【0041】
図4に示されるように、第二搬送機構61は、上記昇降機構62により搬送機61aを上昇させることで基板Sにアクセス可能(進退可能)となっている。一方、第一搬送機構60は、上記移動機構63により搬送機60aを基板Sの搬送面と平行な面上で水平移動させることで基板Sにアクセス可能(進退可能)となっている。第一搬送機構60の搬送機60aと第二搬送機構61の搬送機61aとは、それぞれ独立して移動可能となっている。
【0042】
また、例えば、第一搬送機構60が基板Sを保持している場合、基板Sを保持していない第二搬送機構61の搬送機61aは、昇降機構62が下降することによって下方に待機し、第一搬送機構60(搬送機60a)の搬送経路から退避している。また、第二搬送機構61が基板Sを保持している場合、基板Sを保持していない第一搬送機構60の搬送機60aは、移動機構63によって−Y方向に移動し、第二搬送機構61(搬送機61a)の搬送経路から退避している。
【0043】
図3に示すように、真空パッド60bは、搬送機60aのうち上記基板Sに重なる部分60dに基板Sの搬送方向に沿って複数(本実施形態では3個)配置されている。この真空パッド60bは、基板Sを真空吸着するための吸着面を有しており、当該吸着面が上方を向くように配置されている。真空パッド60bは、吸着面が基板Sの裏面端部を吸着することで当該基板Sを保持可能になっている。これら真空パッド60bは、基板Sの搬送方向前方側の端部から250mm以内を保持するのが好ましく、80mm以内とするのが望ましい。具体的に本実施形態では、搬送機60aは、基板Sの搬送方向前方の端部から真空パッド60bまでの距離Wが80mm以内となるように基板Sを保持している。これにより搬送機60aにより基板Sが均一に保持されて、基板端部が垂れ下がることが防止され、基板Sを均一に浮上させた状態で搬送することができる。したがって、基板S上に塗布されるレジストを乾燥固化させた膜にムラが生じるのを防止している。
【0044】
なお、第二搬送機構61における搬送機61aの構造は、図3では図示されていないものの、上記搬送機60aと同一構成を有している。すなわち、搬送機61aにおける真空パッド61bは、上記基板Sに重なる部分に基板Sの搬送方向に沿って3個配置されている。
【0045】
ここで、搬送機60a、61aの要部構成について説明する。なお、上述のように搬送機60a、61aはそれぞれ同一構成を有するものであることから、本説明では搬送機60aを例に挙げ、その構成について図5を参照しつつ説明する。なお、図5(a)は搬送機60aの要部の平面構成を示す図であり、図5(b)は搬送機60aの要部の断面構成を示す図である。
【0046】
図5(a)に示されるように、搬送機60aに設けられる真空パッド60bは、基板Sとの接触部が平面視略長円状となっている。そして、真空パッド60bの内部には不図示の真空ポンプ等に接続される排気孔65が設けられている。真空パッド60bは、この排気孔65を介して真空パッド60bと基板Sとの間に生じる密閉空間を排気することで基板Sを真空吸着することが可能となっている。
【0047】
また、図5(b)に示すように、搬送機60a上に設けられた真空パッド60bの側方には、搬送中の基板Sの位置を規制するストッパー部材(位置規制部材)66を備えている。このストッパー部材66は、基板Sの側面S1に対向するとともに、基板Sの下面側に対向する凸部66aを備えている。この凸部66aは、基板Sの下方への撓みを規制するストッパーとして機能する。凸部66aは、図5(a)に示されるように、真空パッド60bの外周部を枠状に囲んだ状態に設けられている。凸部66aの上面は、搬入側ステージ25の上面に対して−30〜+30μmの範囲に設定するのが好ましく、−20μm近傍に設定するのが望ましい。また、凸部66aと真空パッド60bとの位置関係は、真空パッド60bを0〜1mm程度上方に設定するのが好ましい。
【0048】
なお、隣接する真空パッド60bの間に凸部66aが配置される構成、すなわち各真空パッド60bの四方を凸部66aが囲むようにしてもよい。
【0049】
本実施形態に係る真空パッド60bは、基板Sに対して変位可能となっている。具体的な本実施形態では、真空パッド60bが蛇腹構造からなる蛇腹部67を有している。これにより、例えば基板Sの端部に撓みが生じることで基板Sの高さに変動が生じた場合でも、真空パッド60bが基板Sの動きに追従することで当該基板Sに対する吸着を確実に保持することができる。また、真空パッド60bは、ステージ上における基板Sの浮上量を変化させた場合でも、蛇腹部67が変位することで基板Sを良好に吸着することができるようになっている。
【0050】
(塗布部)
次に、塗布部3の構成を説明する。
塗布部3は、基板S上にレジストを塗布する部分であり、門型フレーム31と、ノズル32とを有している。
【0051】
門型フレーム31は、支柱部材31aと、架橋部材31bとを有しており、処理ステージ27をY方向に跨ぐように設けられている。支柱部材31aは処理ステージ27のY方向側に1つずつ設けられており、各支柱部材31aがフレーム部24のY方向側の両側面にそれぞれ支持されている。各支柱部材31aは、上端部の高さ位置が揃うように設けられている。架橋部材31bは、各支柱部材31aの上端部の間に架橋されており、当該支柱部材31aに対して昇降可能となっている。
【0052】
この門型フレーム31は移動機構31cに接続されており、X方向に移動可能になっている。この移動機構31cによって門型フレーム31が管理部4との間で移動可能になっている。すなわち、門型フレーム31に設けられたノズル32が管理部4との間で移動可能になっている。また、この門型フレーム31は、図示しない移動機構によりZ方向にも移動可能になっている。
【0053】
ノズル32は、一方向が長手の長尺状に構成されており、門型フレーム31の架橋部材31bの−Z方向側の面に設けられている。このノズル32のうち−Z方向の先端32cには、自身の長手方向に沿ってスリット状の開口部32aが設けられており、当該開口部32aからレジストが吐出されるようになっている。ノズル32は、開口部32aの長手方向がY方向に平行になると共に、当該開口部32aが処理ステージ27に対向するように配置されている。開口部32aの長手方向の寸法は搬送される基板SのY方向の寸法よりも小さくなっており、基板Sの周辺領域にレジストが塗布されないようになっている。ノズル32の内部にはレジストを開口部32aに流通させる図示しない流通路が設けられており、この流通路には図示しないレジスト供給源が接続されている。このレジスト供給源は例えば図示しないポンプを有しており、当該ポンプでレジストを開口部32aへと押し出すことで開口部32aからレジストが吐出されるようになっている。支柱部材31aには不図示の移動機構が設けられており、当該移動機構によって架橋部材31bに保持されたノズル32がZ方向に移動可能になっている。ノズル32には不図示の移動機構が設けられており、当該移動機構によってノズル32が架橋部材31bに対してZ方向に移動可能になっている。
【0054】
門型フレーム31の架橋部材31bの下面には、ノズル32の開口部32a、すなわち、ノズル32の先端32cと当該ノズル先端32cに対向する対向面との間のZ方向上の距離を測定するセンサ33が取り付けられている。センサ33としては、例えば光学式センサが用いられており、例えば不図示の発光部及び受光部を有している。センサ33は、例えば基板Sの端部Sdに向けられている。
【0055】
センサ33は、ノズル32に例えば3つ配置されている。3つのセンサ33は、例えばY方向に等ピッチで並んで配置されている。このうち2つのセンサ33は、例えば基板Sの端部Sdに向けられる位置に配置されている。この2つのセンサ33によって、例えば基板Sの端部Sdにおける上記距離を検出可能となっている。また、他の1つのセンサ33は、基板Sの他の部分Sc(例えばY方向中央部)における上記距離を検出可能となっている。
【0056】
センサ33による検出結果は、例えば制御装置CONTに送信されるようになっている。制御装置CONTでは、例えばセンサ33による検出結果に基づき、基板Sの浮上量(D1)を算出可能である。この場合、制御装置CONTには、処理ステージ27の表面27cからノズル先端32cのまでの距離(D2)についてのデータと、基板Sの厚さ(D3)についてのデータとを予め記憶させておき、検出結果(D4)とこれらのデータとを用いて、以下の式(1)に基づいて、基板Sの浮上量(D1)を算出する。
D1=D2−D3−D4…(1)
(管理部)
管理部4の構成を説明する。
管理部4は、基板Sに吐出されるレジスト(液状体)の吐出量が一定になるようにノズル32を管理する部位であり、基板搬送部2のうち塗布部3に対して−X方向側(基板搬送方向の上流側)に設けられている。この管理部4は、予備吐出機構41と、ディップ槽42と、ノズル洗浄装置43と、これらを収容する収容部44と、当該収容部を保持する保持部材45とを有している。保持部材45は、移動機構45aに接続されている。当該移動機構45aにより、収容部44がX方向に移動可能になっている。
【0057】
予備吐出機構41、ディップ槽42及びノズル洗浄装置43は、−X方向側へこの順で配列されている。これら予備吐出機構41、ディップ槽42及びノズル洗浄装置43のY方向の各寸法は上記門型フレーム31の支柱部材31a間の距離よりも小さくなっており、上記門型フレーム31が各部位を跨いでアクセスできるようになっている。
【0058】
予備吐出機構41は、レジストを予備的に吐出する部分である。当該予備吐出機構41はノズル32に最も近くに設けられている。ディップ槽42は、内部にシンナーなどの溶剤が貯留された液体槽である。ノズル洗浄装置43は、ノズル32の開口部32a近傍をリンス洗浄する装置であり、Y方向に移動する図示しない洗浄機構と、当該洗浄機構を移動させる図示しない移動機構とを有している。この移動機構は、洗浄機構よりも−X方向側に設けられている。ノズル洗浄装置43は、移動機構が設けられる分、予備吐出機構41及びディップ槽42に比べてX方向の寸法が大きくなっている。なお、予備吐出機構41、ディップ槽42、ノズル洗浄装置43の配置については、本実施形態の配置に限られず、他の配置であっても構わない。
【0059】
(エア噴出機構・吸引機構)
図6は、基板搬送部2の搬入側ステージ25、処理ステージ27及び搬出側ステージ28のエア噴出機構・吸引機構の構成を示す図である。同図をもとにして、上記の各ステージのエア噴出及びエア吸引に関する構成を説明する。
【0060】
搬入側ステージ25及び搬出側ステージ28にはエア噴出機構150、155のみが設けられており、吸引機構は設けられていない。各エア噴出機構150、155の構成は両ステージにおいて同一の構成になっている。これらのエア噴出機構150、155は、それぞれブロアー151、156、温度コントロールユニット152、157、マニホールド153、158をそれぞれ有している。
【0061】
各ブロアー151、156からは配管150a、155aによって温度コントロールユニット152、157にそれぞれ接続されている。この温度コントロールユニット152、157は、例えば冷媒機構などの冷却機構や電熱線などの加熱機構が設けられており、これら冷却機構及び加熱機構によって、供給されるエアの温度を調節可能に構成されている。温度コントロールユニット152と温度コントロールユニット157とでは、独立してエアの温度を調節できるようになっている。温度コントロールユニット152、157は、配管150b、155bによってマニホールド153、158にそれぞれ接続されている。
【0062】
マニホールド153、158には、それぞれ温度センサ154、159が取り付けられている。
【0063】
温度センサ154、159は、マニホールド153、158内のエアの温度を計測し、計測結果をそれぞれ温度コントロールユニット152、157に送信するようになっている。温度コントロールユニット152、157では、この温度センサ154、159の計測結果をフィードバックさせてエアの温度を調節できるようになっている。このように、温度コントロールユニット152、157及び温度センサ154、159は、エアの温度をフィードバックさせて調節する温度調節機構181、182をそれぞれ構成している。
【0064】
配管150b、155bには圧力計が取り付けられており、配管150c、155cによって搬入側ステージ25及び搬出側ステージ28にそれぞれ接続されている。各配管150a〜150c、155a〜155cには、各種バルブが設けられている。また、配管150a〜150c、155a〜155cには、気中パーティクル量を測定する気中パーティクル量測定器を設けてもよい。
【0065】
一方、処理ステージ27には、エア噴出機構160に加えて吸引機構170が設けられている。
図7は、処理ステージ27に設けられたエア噴出機構及び吸引機構の構成を示す図である。同図に示すように、エア噴出機構160は、ブロアー161、温度コントロールユニット162、フィルタ163、オートプレッシャーコントローラー(APC)164、マニホールド165、温度センサ166及び噴出量監視ポート167を有している。
【0066】
ブロアー161は、エア噴出機構にエアを供給するエア供給源であり、配管160aによって温度コントロールユニット162に接続されている。エア供給源として、ブロアー161の代わりに工場などのエア供給ラインを接続してもよい。
【0067】
温度コントロールユニット162は、例えば供給されるエアの温度を調節するユニットである。温度コントロールユニット162内のエア流通部には、例えば冷媒機構などの冷却機構や電熱線などの加熱機構が設けられている。これらの冷却機構や加熱機構によって、エアの温度を上昇させたり下降させたりすることができるようになっている。温度コントロールユニット162では、上記の温度コントロールユニット152、157に対して独立してエアの温度を調節できるようになっている。温度コントロールユニット162は、配管160bによってAPC164に接続されている。
【0068】
配管160bにはフィルタ163が設けられている。フィルタ163は供給されるエアに混合する異物を除去する部位である。また、配管160bに不図示の逃がし弁を設ける構成であっても構わない。
【0069】
APC164は、エアの供給量を調節するユニットである。APC164は、バタフライバルブ164aとコントローラ164bとを有している。コントローラ164bはバタフライバルブ164aの開度を調節できるようになっており、当該バタフライバルブ164aの開度を調節することでエアの供給量を調節可能になっている。APC164は、配管160cを介してマニホールド165に接続されている。
【0070】
配管160cには、流量計169a及び圧力計169bが取り付けられている。これら流量計169a及び圧力計169bによって配管160c内のエアの流量及び圧力が測定されるようになっている。各測定結果は、例えばAPC164へ送信されるようになっている。
【0071】
マニホールド165は、配管160cを流通するエアを分岐するユニットである。当該マニホールド165において、配管160cは分岐された複数の配管160dに接続されている。各配管160dは、処理ステージ27のエア噴出口27aに接続されている。また、マニホールド165には、配管160fが設けられている。当該配管160fは、処理ステージ27のY方向の端部に配置されたエア噴出口27aに接続されている。
【0072】
配管160fには、噴出量調整機構GCTが設けられている。噴出量調整機構GCTは、処理ステージ27のY方向の端部に配置されたエア噴出口27aから噴出されるエアの噴出量を調整する。このように、APC164からのエアは、配管160c及び各配管160dを介してエア噴出口27aから噴出されるようになっている。
【0073】
図7に戻って、温度センサ166は、マニホールド165内のエアの温度を測定するセンサである。温度センサ166によって測定されたエアの温度のデータは、例えば通信回線などを介して温度コントロールユニット162へ送信されるようになっている。温度コントロールユニット162では、この温度センサ166の計測結果をフィードバックさせることでエアの温度を調節できるようになっている。このように、温度コントロールユニット162及び温度センサ166は、エアの温度をフィードバックさせて調節する温度調節機構183を構成している。
【0074】
噴出量監視ポート167は、エアの流量検知用のポートを有する構成になっており、この流量検知用のポートによってステージ直下の気体流量を検出可能になっている。この噴出量監視ポート167には流量計167a及び圧力計167bが設けられており、エア噴出口27aから噴出されるエアの流量及び圧力が測定可能になっている。なお、流量計167a及び圧力計167bによる測定結果については、APC164内のコントローラ164bに送信される構成であっても構わない。
【0075】
また、上記の配管160a〜160eには、各種のバルブ等が取り付けられており、各バルブにおいて適宜開度を調節できるようになっている。
【0076】
吸引機構170は、ブロアー171と、オートプレッシャーコントローラー(APC)172と、トラップタンク173と、マニホールド174と、吸引量監視ポート175とを有している。ブロアー171、APC172、トラップタンク173、マニホールド174は、互いに配管170a〜170cによって接続されており、各配管170a〜170cには各種バルブが取り付けられている。なお、ブロアー171の代わりに工場などのエア吸引ラインを使用してもよい。また、マニホールド174が設けられない構成であっても構わない。
【0077】
マニホールド174は、分岐された複数の配管170dに接続されている。各配管170dは、処理ステージ27のエア吸引口27bに接続されている。また、マニホールド174には、配管170fが設けられている。当該配管170fは、例えば処理ステージ27に接続されている。配管170fには、吸引量調整機構VCTが設けられている。当該吸引量調整機構VCTは、処理ステージ27のY方向の端部に配置されたエア吸引口27bの吸引量を調整する。
【0078】
図7に戻って、APC172は、エアの供給量を調節するバタフライバルブ172aとコントローラ172bとが設けられている。吸引量監視ポート175は、配管170eによって処理ステージ27に接続され、当該接続部分にエアの流量検知用のポートが接続された構成になっている。吸引量監視ポート175では、この流量検知用のポートによって処理ステージ27の直下の気体流量を検出可能になっている。また、吸引量監視ポート175には流量計175a及び圧力計175bが取り付けられており、エア吸引口27bによって吸引されるエアの流量及び圧力を測定可能になっている。なお、流量計175a及び圧力計175bによる測定結果については、APC172内のコントローラ172bに送信される構成であっても構わない。
【0079】
APC172とエア吸引口27bとの間に流量計を設けて、測定結果を電線(図中破線で示す)等を介してAPC172内のコントローラ172bに送信するようにしても良い。配管160cと配管170cとの間は接続部180によって接続されており、パージ用の洗浄液吸引ラインと真空吸引(エア吸引)ラインとを切り替え可能になっている。
【0080】
次に、上記のように構成された塗布装置1の動作を説明する。
図8〜図13は、塗布装置1の動作過程を示す平面図である。各図を参照して、基板Sにレジストを塗布する動作を説明する。この動作では、基板Sを基板搬入領域20に搬入し、当該基板Sを浮上させて搬送しつつ塗布処理領域21でレジストを塗布し、当該レジストを塗布した基板Sを基板搬出領域22から搬出する。図9〜図11には門型フレーム31及び管理部4の輪郭のみを破線で示し、ノズル32及び処理ステージ27の構成を判別しやすくした。以下、各部分における詳細な動作を説明する。
【0081】
基板搬入領域20に基板を搬入する前に、塗布装置1をスタンバイさせておく。具体的には、搬入側ステージ25の基板搬入位置の−Y方向側に第一搬送機構60の搬送機60aを配置させ、真空パッド60bの高さ位置を基板の浮上高さ位置に合わせておくと共に、搬入側ステージ25のエア噴出口25a、処理ステージ27のエア噴出口27a、エア吸引口27b及び搬出側ステージ28のエア噴出口28aからそれぞれエアを噴出又は吸引し、各ステージ表面に基板が浮上する程度にエアが供給された状態にしておく。
【0082】
この状態で、例えば図示しない搬送アームなどによって外部から図3に示した基板搬入位置に基板Sが搬送されてきたら、昇降部材26aを+Z方向に移動させて昇降ピン26bを昇降ピン出没孔25bからステージ表面25cに突出させる。そして、昇降ピン26bによって基板Sが持ち上げられ、当該基板Sの受け取りが行われる。また、アライメント装置25dの長孔から位置合わせ部材をステージ表面25cに突出させておく。
【0083】
基板Sを受け取った後、昇降部材26aを下降させて昇降ピン26bを昇降ピン出没孔25b内に収容する。このとき、ステージ表面25cにはエアの層が形成されているため、基板Sは当該エアによりステージ表面25cに対して浮上した状態で保持される。基板Sがエア層の表面に到達した際、アライメント装置25dの位置合わせ部材によって基板Sの位置合わせが行われ、基板搬入位置の−Y方向側に配置された第一搬送機構60の移動機構63により搬送機60aの真空パッド60bを基板Sの−Y方向側端部に真空吸着させることができる(図3)。真空パッド60bによって基板Sの−Y方向側端部が吸着された後、搬送機60aをレール60cに沿って移動させる。基板Sが浮上した状態になっているため、搬送機60aの駆動力を比較的小さくしても基板Sはレール60cに沿ってスムーズに移動する。
【0084】
基板Sの搬送方向の先端が、処理ステージ27に到達したら、制御装置CONTは、センサ33を用いて基板Sの+Z側の面とノズル32の先端32cとの距離を検出させる。制御装置CONTは、センサ33内の不図示の発光部から検出光を射出させる。当該検出光は、基板Sの+Z側の面で反射され、不図示の受光部によって受光される。受光された検出光は、電気信号として制御装置CONTに送信される。制御装置CONTは、送信された電気信号に基づいて、基板Sの+Z側の面とノズル32の先端32cとの距離を求める。制御装置CONTは、求めた結果から、上記の式(1)を用いて、基板Sの浮上量を算出する。
【0085】
このとき、例えば図8(a)及び図8(c)に示すように、例えば基板SのうちY方向において第一搬送機構60及び第二搬送機構61によって保持された部分とは反対側の端部Sdが撓んだ状態(−Z方向に湾曲した状態)になる場合がある。この場合、当該基板Sの端部Sdの浮上量は、当該基板Sの他の部分Scの浮上量とは異なってしまう。このように、センサ33を用いた検出結果から得られた浮上量が上記のように端部Sdと他の部分Scとで異なる場合、制御装置CONTは、端部Sdの浮上量を調整させるようにする。
【0086】
例えば、図8(b)に示すように、制御装置CONTは、噴出量調整機構GCTを介して配管160fからのエアの流通量を大きくする。この動作により、処理ステージ27のY方向の端部におけるエア噴出口27aの噴出量が大きくなる。当該エア噴出口27aの噴出量が大きくなることにより、基板Sの端部Sdに対して+Z方向に作用する力(浮上力)が大きくなり、端部Sdの撓みが解消される。このため、基板SのY方向全体において均一な浮上量となる。
【0087】
また、例えば図8(d)に示すように、制御装置CONTは、吸引量調整機構VCTを介して配管170fからのエアの流通量を小さくする。この動作により、処理ステージ27のY方向の端部におけるエア吸引口27bの吸引量が小さくなる。当該エア吸引口27bの吸引量が小さくなることにより、基板Sの端部Sdにおいて−Z方向に作用する力(吸引力)が小さくなり、相対的に+Z方向に作用する力(浮上力)が大きくなるため、端部Sdの撓みが解消される。このため、基板SのY方向全体において均一な浮上量となる。
【0088】
このように基板Sの端部Sdの浮上量を調整しつつ、基板Sの搬送方向先端がノズル32の開口部32aの位置に到達したら、図9に示すように、ノズル32の開口部32aから基板Sへ向けてレジストを吐出する。レジストの吐出は、ノズル32の位置を固定させ搬送機60aによって基板Sを搬送させながら行う。
【0089】
本実施形態では、第一搬送機構60により搬送される基板Sに対してレジスト塗布を行っている途中において、例えば図示しない搬送アームなどによって外部から基板搬入位置に他の基板S´を受け渡すようにしている。基板S´を受け取った後、昇降部材26aを下降させて昇降ピン26bを昇降ピン出没孔25b内に収容することで、基板S´はエアによりステージ表面25cに対して浮上した状態で保持される。
【0090】
基板S´がエア層の表面に到達した際、アライメント装置25dの位置合わせ部材によって基板S´の位置合わせが行われ、基板搬入位置の−Z方向側に配置された第二搬送機構61の昇降機構62により搬送機61aを上昇させ、真空パッド61bを基板S´の−Y方向側端部に真空吸着させる。制御装置CONTは、当該基板S´についても、上記の基板Sと同様に浮上量の検出を適宜行わせる。
【0091】
このように本実施形態では、第一搬送機構60の搬送機60aと第二搬送機構61の搬送機61aとがそれぞれ独立して移動可能となっているので、第一搬送機構60によって搬送される基板Sに対するレジスト塗布の処理が終了する前に、第二搬送機構61により他の基板S´をステージ上に搬送することができる。よって、片持ち状態で順次搬送する基板S、S´上にレジストを良好に塗布することができ、レジスト塗布処理において高いスループットを得ることができる。
【0092】
基板Sの移動に伴い、図10に示すように基板S上にレジスト膜Rが塗布されていく。基板Sがレジストを吐出する開口部32aの下を通過することにより、基板Sの所定の領域にレジスト膜Rが形成される。また、第二搬送機構61の搬送機61aは、基板S´を開口部32aの下方に移動させる。
【0093】
レジスト膜Rの形成された基板Sは、搬送機60aによって搬出側ステージ28へと搬送される。搬出側ステージ28では、ステージ表面28cに対して浮上した状態で、図11に示す基板搬出位置まで基板Sが搬送される。また、搬送機61aにより搬送された他の基板S´が開口部32aの下を通過することにより、他の基板S´の所定の領域にレジスト膜Rが形成される。
【0094】
基板Sが基板搬出位置に到達したら、真空パッド60bの吸着を解除し、リフト機構29の昇降部材29aを+Z方向に移動させる。すると、昇降ピン29bが昇降ピン出没孔28bから基板Sの裏面へ突出し、基板Sが昇降ピン29bによって持ち上げられる。この状態で、例えば搬出側ステージ28の+X方向側に設けられた外部の搬送アームが搬出側ステージ28にアクセスし、基板Sを受け取る。基板Sを搬送アームに渡した後、第一搬送機構60は、移動機構63により搬送機60a(真空パッド60b)を基板Sの下方から退避し、他の基板S´を搬送している第二搬送機構61の搬送経路(移動経路)から退避する。
【0095】
そして、第一搬送機構60は、再び搬入側ステージ25の基板搬入位置まで戻り、次の基板が搬送されるまで待機する。このとき、図11に示されるように、第二搬送機構61に搬送される基板S´に対してレジスト塗布が行われているが、第一搬送機構60は、上述のように第二搬送機構61の搬送経路から退避しているので、第二搬送機構61に接触して他の基板S´の搬送を妨げることが無く、搬入側ステージ25の基板搬入位置まで戻ることができる。
【0096】
また、第二搬送機構61により搬送された基板S´が基板搬出位置に到達したら、同様に外部の搬送アームが搬出側ステージ28にアクセスし、基板Sを受け取る。そして、再び搬入側ステージ25の基板搬入位置まで戻り、次の基板Sが搬送されるまで待機する。
【0097】
次の基板が搬送されてくるまでの間、塗布部3では、ノズル32の吐出状態を保持するための予備吐出が行われる。図12に示すように、移動機構31cによって門型フレーム31を管理部4の位置まで−X方向へ移動させる。
【0098】
管理部4の位置まで門型フレーム31を移動させた後、門型フレーム31の位置を調整してノズル32の先端32cをノズル洗浄装置43にアクセスさせ、当該ノズル洗浄装置43によってノズル先端32cを洗浄する。
【0099】
ノズル先端32cの洗浄後、当該ノズル32を予備吐出機構41にアクセスさせる。予備吐出機構41では、開口部32aと予備吐出面との間の距離を測定しながらノズル32の先端32cの開口部32aをZ方向上の所定の位置に移動させ、ノズル32を−X方向へ移動させながら開口部32aからレジストを予備吐出する。
【0100】
予備吐出動作を行った後、門型フレーム31を元の位置に戻す。次の基板Sが搬送されてきたら、図13に示すようにノズル32をZ方向上の所定の位置に移動させる。このように、基板Sにレジスト膜Rを塗布する塗布動作と予備吐出動作とを繰り返し行わせることで、基板Sには良質なレジスト膜Rが形成されることになる。
【0101】
なお、必要に応じて、例えば管理部4に所定の回数アクセスする毎に、当該ノズル32をディップ槽42内にアクセスさせても良い。ディップ槽42では、ノズル32の開口部32aをディップ槽42に貯留された溶剤(シンナー)の蒸気雰囲気に曝すことでノズル32の乾燥を防止する。
【0102】
以上のように、本実施形態によれば、ノズル32からレジストRが吐出される処理ステージ27において、基板Sのうち基板搬送方向(+X方向)に直交する方向(Y方向)の端部Sdの浮上量を調整する調整部として噴出量調整機構GCT及び吸引量調整機構VCTを有するため、基板Sの端部Sdの浮上量を他の部分Scの浮上量と等しくなるように調整することができる。これにより、均一な浮上量で基板Sを浮上させることが可能となる。
【0103】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、第一搬送機構60及び第二搬送機構61が、それぞれ搬送機60a、61aを一個ずつ備えた構成について説明したが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、図14に示すように、第一搬送機構60としてレール60cに搬送機60aが3個設けられた構成とすることができる。なお、図14においては、図示を省略するものの、第二搬送機構61についても搬送機61aを3個備えた構成とすることができる。また、本説明では、搬送機60a、61aが3個ずつ備える構成について説明するが、本発明はこれに限定されることは無く、搬送機60a、61aを2個ずつ、或いは4個以上ずつ備える構成についても適用可能である。
【0104】
本説明では、基板Sの搬送方向上流側から順に第1の搬送機261、第2の搬送機262、第3の搬送機263と称し、総称して搬送機261、262、263と呼ぶこともある。
【0105】
これら搬送機261、262、263は、基板Sの搬送時においてはそれぞれが同期した状態でレール60c上を移動する。また、各搬送機261、262、263は、基板Sの非搬送時においては、レール60c上でそれぞれ独立に移動可能となっている。この構成によれば、搬送する基板Sの長さに応じて各搬送機261、262、263における基板Sの保持位置を任意に設定することができる。
【0106】
搬送機261の真空パッド60bは、基板Sの搬送方向前方側の端部から250mm以内を保持するのが好ましく、80mm以内とするのが望ましい。具体的に搬送機261は、基板Sの搬送方向前方の端部から真空パッド60bまでの距離W1が80mm以内となるように基板Sを保持している。
【0107】
また、搬送機263の真空パッド60bは、基板Sの搬送方向後方側の端部から250mm以内を保持するのが好ましく、80mm以内とするのが望ましい。具体的に搬送機263は、基板Sの搬送方向後方の端部から真空パッド60bまでの距離W2が80mm以内となるように基板Sを保持している。
【0108】
これら搬送機261、262、263により基板Sが均一に保持されて、基板端部が垂れ下がることが防止され、大型の基板Sを均一に浮上させた状態で搬送することができる。したがって、大型の基板S上に塗布されるレジストを乾燥固化させた膜にムラが生じるのを防止できる。
【0109】
また、上記実施形態では、基板Sの浮上量を検出する検出部として、ノズル32に設けられたセンサ33を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、図15(a)及び図15(b)に示すように、処理ステージ27側に検出部が設けられた構成であっても構わない。
【0110】
図15(a)は、処理ステージ27の構成を示す平面図である。
図15(a)に示すように、処理ステージ27は、第一浮上領域FA、第二浮上領域SA及び第三浮上領域TAを有している。第一浮上領域FAは、処理ステージ27のX方向の両端に配置されている。第一浮上領域FAは、上記の搬入側ステージ25及び搬出側ステージ28よりも浮上量の管理が厳密に行われる領域である。
【0111】
第二浮上領域SAは、第一浮上領域FAよりもX方向の内側に配置されている。第二浮上領域SAは、第一浮上領域FAよりも浮上量の管理が更に厳密に行われる領域である。第二浮上領域SAにおける基板Sの浮上量は、例えば第一浮上領域FAにおける基板の浮上量に対して異なる量に設定されている。
【0112】
第三浮上領域TAは、処理ステージ27のX方向のほぼ中央に配置されており、第二浮上領域SAに挟まれた領域である。第三浮上領域TAは、ノズル32の開口部32aに対向する吐出領域CAを含む領域である。第三浮上領域TAでは、基板Sの浮上量の管理が第一浮上領域FA及び第二浮上領域SAよりも厳密に行われる。第三浮上領域TAにおける基板Sの浮上量は、第二浮上領域SAにおける基板の浮上量に対して異なる量に設定されている。
【0113】
上記の噴出量調整機構GCT及び吸引量調整機構VCTは、当該第三浮上領域TAの端部に接続される配管160f、170fに設けられている。これにより、第三浮上領域TAの端部のエアの噴出量及び吸引量を調整可能となっている。なお、噴出量調整機構GCT及び吸引量調整機構VCTは、第三浮上領域TAに加えて、第一浮上領域FAや第二浮上領域SAの端部におけるエアの噴出量及び吸引量を調整可能に設けられている構成にすると、より好ましい。この場合、噴出量調整機構GCT及び吸引量調整機構VCTを第一浮上領域FA及び第二浮上領域SAの端部に接続される配管160f、170fに配置させると良い。
【0114】
図15(a)に示すように、複数の検出部MSは、それぞれ基板Sが通過する領域内に配置されている。例えば、本実施形態では、処理ステージ27のうちY方向の中央部と、Y方向の両端部とにそれぞれ設けられている。このように、基板Sの搬送方向と直交する方向に分散して配置することにより、基板S全体における浮上量を検出可能になっている。
【0115】
検出部MSのX方向の位置については、例えば図中−X側の第一浮上領域FAと第二浮上領域SAとの境界部分L1に3つ(MS1)配置されており、図中−X側の第二浮上領域SAと第三浮上領域TAとの境界部分L2に3つ(MS2)配置されており、図中+X側の第一浮上領域FAと第二浮上領域SAとの境界部分L3に3つ(MS3)配置されている。このように、基板Sの搬送方向にも分散して配置することにより、基板Sの各搬送位置における浮上量を検出可能になっている。本実施形態では、基板Sの浮上量が変化する位置に検出部MSが設けられているため、当該基板Sの浮上量の管理がより厳密に行われるようになっている。
【0116】
上記の配置において、複数の検出部MSは、処理ステージ27のうちそれぞれ吐出領域CAから外れた位置に設けられている。ノズル32の開口部32aから吐出されるレジストRが検出部MSに直接掛かりにくいため、検出部MSの検出結果に誤差が生じるのを防ぐことができる構成となっている。
【0117】
例えば図中−X側の第二浮上領域SAと第三浮上領域TAとの境界部分に配置された3つの検出部MSは、吐出領域CAに沿った位置に設けられている。このように、検出部MSが吐出領域CAに沿った位置に設けられるため、吐出領域CAにおける浮上量がより精確に検出されるようになっている。また、この3つの検出部MSは、吐出領域CAに対して基板Sの搬送方向の上流側に設けられている。このため、基板Sに対してレジストRを吐出する直前の基板Sの浮上量を検出することができるようになっている。
【0118】
処理ステージ27には、検出部MSを収容するための開口部(検出用開口部)27dが形成されている。各検出部MSは、この検出用開口部27d内に配置されている。検出用開口部27d(及び検出部MS)は、エア噴出口27a及びエア吸引口27bから外れた位置にそれぞれ設けられている。このため、各エア噴出口27aによる気体の噴出及びエア吸引口27bによる吸引にそれぞれ影響が及ばない構成となっている。
【0119】
処理ステージ27の第一浮上領域FA、第二浮上領域SA及び第三浮上領域TAは、例えば上記の搬入側ステージ25及び搬出側ステージ28に比べて、基板Sの浮上量がより精密に調整される構成となっている。なお、処理ステージ27のうち、例えば第一浮上領域FA及び第二浮上領域SAについては、同一の浮上量となるように調整される構成であっても構わない。
【0120】
図15(b)は、処理ステージ27の一部の構成を示す断面図であり、1つの検出用開口部27d及び検出部MSの構成を示している。
図15(b)に示すように、検出用開口部27dは、内部に検出部MSを収容するポートPTを有している。検出部MSが当該ポートPTに収容されることにより、例えば検出部MSは、上端(+Z側の端部)がステージ表面27cに対して深さdx(1mm程度)だけ−Z側に位置するように配置される。
【0121】
検出部MSは、+Z側が球面状に形成されている。当該球面状に形成された部分の内部には、例えば発光部LD及び受光部PDが設けられている。発光部LDは、基板Sの−Z側の面に向けて検出光を照射する。受光部PDは、当該基板Sの−Z側の面で反射された検出光を受光する。
【0122】
発光部LDとしては、例えばレーザダイオードなどが用いられる。また、受光部PDとしては、例えばフォトダイオードなどが用いられる。発光部LD及び受光部PDは、例えば上記の制御装置CONTに接続されている。制御装置CONTは、発光部LDにおける検出光の照射のタイミングや照射強度などを制御すると共に、受光部PDによって検出された検出光の解析を行う。
【0123】
図15(a)及び図15(b)に示す構成において、基板Sの搬送方向の先端が、処理ステージ27の境界部分L1に到達したら、制御装置CONTは、当該境界部分L1に配置された検出部MS1を用いて基板Sの−Z側の面とステージ表面27cとの距離(浮上量)を検出させる。制御装置CONTは、検出部MS1内の発光部LDから検出光を射出させる。当該検出光は、基板Sの−Z側の面で反射され、受光部PDによって受光される。受光された検出光は、電気信号として制御装置CONTに送信される。制御装置CONTは、送信された電気信号に基づいて、基板Sの浮上量を求める。
【0124】
また、基板Sの搬送方向の先端が、処理ステージ27の境界部分L2に到達したら、制御装置CONTは、当該境界部分L2に配置された検出部MS2を用いて基板Sの−Z側の面とステージ表面27cとの距離(浮上量)を検出させる。なお、制御装置CONTは、境界部分L1に配置された検出部MS1を同時に用いて基板Sの浮上量を検出させても構わない。
【0125】
また、検出部MS1を用いた検出結果から得られた浮上量が上記のように端部Sd(図8(a)〜図8(d)参照)と他の部分Sc(図8(a)〜図8(d)参照)とで異なる場合、制御装置CONTは、噴出量調整機構GCT及び吸引量調整機構VCTを用いて、端部Sdの浮上量を調整させるようにする。この動作により、基板Sの端部Sdの撓みが解消され、基板SのY方向全体において均一な浮上量となる。
【0126】
このような検出及び端部Sdの浮上量の調整を行いつつ、基板Sの搬送方向先端がノズル32の開口部32aの位置に到達したら、上記実施形態に記載の図9に示すように、ノズル32の開口部32aから基板Sへ向けてレジストを吐出する。レジストの吐出は、ノズル32の位置を固定させ搬送機60aによって基板Sを搬送させながら行う。
【0127】
さらに、基板Sの搬送方向の先端が、処理ステージ27の境界部分L3に到達したら、制御装置CONTは、当該境界部分L3に配置された検出部MS3を用いて基板Sの−Z側の面とステージ表面27cとの距離(浮上量)を検出させる。なお、制御装置CONTは、境界部分L1に配置された検出部MS1及び境界部分L2に配置された検出部MS2を同時に用いて基板Sの浮上量を検出させても構わない。
【0128】
このように、基板Sの浮上量を処理ステージ27側から検出することにより、基板Sの表面状態(レジストRの有無、パターンの有無など)にかかわらず、より精確な検出結果が得られることとなる。なお、制御装置CONTにおいては、検出部MS(MS1〜MS3)における検出結果に基づいて、基板Sの浮上量を調整しても構わない。この場合、例えば制御装置CONTは、エア噴出口27aからのエア噴出量や、エア吸引口27bの吸引量を調整することにより、基板Sの浮上量を調整可能である。なお、検出部MS1〜MS3とセンサ33との両方を用いて基板Sの浮上量を検出し、当該検出結果を用いて基板Sの端部Sdの浮上量を調整しても構わない。
【0129】
また、上記実施形態においては、例えば図8(a)〜図8(d)に示すように、処理ステージ27のY方向の一方の端部(+Y側端部)において噴出量及び吸引量を調整する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、勿論第一搬送機構60及び第二搬送機構61によって保持される側の端部(−Y側端部)においても、噴出量及び吸引量を調整可能な構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0130】
CONT…制御装置 S…基板 Sd…端部 Sc…他の部分 33…センサ MS(MS1〜MS3)…検出部 GCT…噴出量調整機構 VCT…吸引量調整機構 CCT…噴出量調整機構 1…塗布装置 27…処理ステージ 27c…ステージ表面 27a…エア噴出口 27b…エア吸引口 32…ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定領域に液状体を吐出するノズルを有する塗布部と、
前記所定領域を通過するように基板を浮上させて搬送する基板搬送部と、
少なくとも前記所定領域において前記基板のうち基板搬送方向に直交する方向の端部の浮上量を調整する調整部と
を備える塗布装置。
【請求項2】
前記端部の浮上量を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記調整部による調整量を制御する調整量制御部と
を更に備える請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記ノズルに設けられている
請求項2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記端部に向けて配置されたセンサを有する
請求項2又は請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記センサは、複数設けられ、
複数の前記センサは、前記基板搬送方向に直交する方向の両方の前記端部に対応する位置に配置されている
請求項4に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記基板搬送部は、前記基板を搬送する搬送部を有し、
前記搬送部は、前記端部の少なくとも一部を保持する基板保持部を有する
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記基板に気体を噴出する気体噴出部を更に備え、
前記調整部は、前記端部への前記気体の噴出量を調整する噴出量調整部を有する
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項8】
前記基板搬送部上を吸引する吸引部を更に備え、
前記調整部は、前記端部に対応する部分の吸引量を調整する吸引量調整部を有する
請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項9】
所定領域を通過するように基板を浮上させて搬送する基板搬送ステップと、
前記所定領域を通過する前記基板に液状体を吐出する塗布ステップと、
少なくとも前記所定領域において前記基板のうち基板搬送方向に直交する方向の端部の浮上量を調整する調整ステップと
を含む塗布方法。
【請求項10】
前記端部の浮上量を検出する検出ステップと、
前記検出ステップでの検出結果に基づいて前記調整ステップにおける調整量を制御する調整量制御ステップと
を更に含む請求項9に記載の塗布方法。
【請求項11】
前記基板搬送ステップでは、前記端部の少なくとも一部を保持しつつ前記基板を搬送する
請求項9又は請求項10に記載の塗布方法。
【請求項12】
前記基板に気体を噴出する気体噴出ステップを更に含み、
前記調整ステップは、前記端部への前記気体の噴出量を調整することを含む
請求項9から請求項11のうちいずれか一項に記載の塗布方法。
【請求項13】
前記基板搬送部上を吸引する吸引ステップを更に含み、
前記調整ステップは、前記端部に対応する部分の吸引量を調整することを含む
請求項9から請求項12のうちいずれか一項に記載の塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−134419(P2012−134419A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287315(P2010−287315)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】