説明

情報配信システム及び車載器

【課題】車載器において、路側無線装置を介してセンター装置から配信されたコンテンツ情報に関連する情報に容易にアクセスできるようにする。
【解決手段】本発明に係る情報配信システム100によれば、センター装置30は、路側無線装置20Aを介して車載器10に第1のコンテンツ情報を送信する際に、当該第1のコンテンツ情報に関連する情報の格納場所を示すURL情報を含めて送信する。車載器10は、路側無線装置20Aから受信した第1のコンテンツ情報にURL情報が含まれている場合に、このURL情報が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンを第1のコンテンツ情報に基づき表示した画面上に表示し、操作部による当該操作ボタンの操作に応じてURL情報が示す情報格納場所へ無線通信部を介してアクセスして、第1のコンテンツ情報に関連する第2のコンテンツ情報を取得し表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム及び車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置のような車載器では、DSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)を利用して路上や駐車場等に設置された路側無線装置と無線通信を行い、当該路側無線装置を介してセンター装置から自車の周辺にある施設(例えば、店舗や医療機関等)に関するコンテンツ情報の提供を受けることが可能となっている。車載器においては、路側無線装置から受信した情報をメモリに格納し、路側無線装置と通信できない環境においても、コンテンツ情報を再生できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、車載器においては、携帯電話等の広域通信網に接続できる通信手段を用いてインターネットと接続し、交通情報の受信や電子メールのやりとりを行ったり、Webブラウザで各種Webページを参照したりすることが可能なものもある。
【特許文献1】特開2007−109032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車載器でユーザがWebページを閲覧する場合、パソコンでの作業と同様に、ユーザが参照したい情報のWebページを検索サイトを用いて検索する、若しくは、予め接続先の一覧が記載されているWebページ(ポータルサイト)から接続先を選択する等の作業を行わなければならない。そのため、例えば、ユーザが路側無線装置から情報提供された施設についての詳細情報等を知りたい場合、該当するWebページを検索する作業を行わなければならず、煩雑であった。
【0005】
本発明の課題は、車載器において、路側無線装置を介してセンター装置から配信されたコンテンツ情報に関連する情報に容易にアクセスできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
道路上に設置された路側無線装置を介してコンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記路側無線装置を介して前記センター装置から配信されたコンテンツ情報を受信する受信手段を備えた車載器と、を含む情報配信システムであって、
前記センター装置は、前記コンテンツ情報に関連する情報の格納場所を示すURL情報を前記コンテンツ情報とともに前記車載器に配信する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記車載器は、
操作手段と、
URLにより指定された情報格納場所に無線通信によりアクセスするための無線通信手段と、
前記受信手段により受信されたコンテンツ情報を表示する表示手段と、
前記受信手段により前記コンテンツ情報とともにURL情報が受信され、前記操作手段により前記受信されたURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示された場合に、前記URL情報が示す情報格納場所に前記無線通信手段を用いてアクセスし、前記コンテンツ情報に関連する情報を取得して前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記車載器の制御手段は、前記受信手段によりコンテンツ情報とともにURL情報が受信された場合に、前記URL情報が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンを前記表示手段に表示し、前記操作手段による前記操作ボタンの操作に応じて前記情報格納場所へのアクセスを行う。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記車載器は、
前記受信手段により受信されたコンテンツ情報を記憶する記憶手段を備え、
前記車載器の制御手段は、前記記憶手段に記憶されているコンテンツ情報の中から前記URL情報とともに受信されたコンテンツ情報を抽出して前記表示手段に一覧表示し、前記操作手段により当該一覧表示されたコンテンツ情報の中から何れかのコンテンツ情報が選択され、当該選択されたコンテンツ情報とともに受信されたURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示された場合に、前記無線通信手段を用いて前記URL情報が示す情報格納場所にアクセスする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
道路上に設置された路側無線装置を介してコンテンツ情報を配信するセンター装置から配信されたコンテンツ情報を受信する受信手段を備えた車載器であって、
操作手段と、
URLにより指定された情報格納場所に無線通信によりアクセスするための無線通信手段と、
前記受信手段により受信されたコンテンツ情報を表示する表示手段と、
前記受信手段により前記コンテンツ情報とともに当該コンテンツ情報に関連する情報の格納場所を示すURL情報が受信され、前記操作手段により前記受信されたURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示された場合に、前記URL情報が示す情報格納場所に前記無線通信手段を用いてアクセスし、前記コンテンツ情報に関連する情報を取得して前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記制御手段は、前記受信手段によりコンテンツ情報とともにURL情報が受信された場合に、前記URL情報が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンを前記表示手段に表示し、前記操作手段による前記操作ボタンの操作に応じて前記情報格納場所へのアクセスを行う。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記受信手段により受信されたコンテンツ情報を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されているコンテンツ情報の中から前記URL情報とともに受信されたコンテンツ情報を抽出して前記表示手段に一覧表示し、前記操作手段により当該一覧表示されたコンテンツ情報の中から何れかのコンテンツ情報が選択され、当該選択されたコンテンツ情報とともに受信されたURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示された場合に、前記無線通信手段を用いて前記URL情報が示す情報格納場所にアクセスする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車載器において、路側無線装置を介してセンター装置から配信されたコンテンツ情報に関連する情報に容易にアクセスできるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0015】
まず、構成を説明する。
[情報配信システム100]
図1に、本実施形態における情報配信システム100を示す。
情報配信システム100は、センター装置30から車両Cに搭載された車載器10にコンテンツ情報を配信するシステムである。
図1に示すように、センター装置30は、DSRC専用のネットワークN1を介して路上や駐車場、道の駅等に複数設置された路側無線装置20A、20Bと接続されている。各路側無線装置20A、20Bは、DSRC通信機能を備えた車載器10と無線通信可能に構成され、車載器10と通信が確立すると、その旨をセンター装置30に通知し、センター装置30からコンテンツ情報を受信して車載器10に送信する。路側無線装置20Aは、DSRC専用の独自プロトコルにより車載器10及びセンター装置30と通信(DSRC非IP通信という)を行う。路側無線装置20Bは、インターネットプロトコル(IP)により車載器10及びセンター装置30と通信(DSRCIP通信という)を行う。
また、センター装置30は、外部ネットワークN2に接続されている。外部ネットワークN2は、インターネット、及びこれに接続された移動体通信網、無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線通信網を含んでおり、センター装置30は、外部ネットワークN2を介して車載器10からのコンテンツ情報の取得要求を受信すると、要求されたコンテンツ情報を車載器10に送信する。
【0016】
ここで、センター装置30が路側無線装置20Aを介して車載器10に提供するコンテンツ情報は、例えば、車両C周辺の店舗、駐車場、医療施設等の各種施設のサービス案内であり、以下これらのコンテンツ情報を第1のコンテンツ情報と呼ぶ。また、センター装置30が外部ネットワークN2を介して、若しくは路側無線装置20Bを介して車載器10に提供するコンテンツ情報は、車載器10でWebページを表示するためのHTMLファイルや、Webページを介して提供される画像情報、音楽情報等のマルチメディアコンテンツ等であり、以下これらのコンテンツ情報を第2のコンテンツ情報と呼ぶ。
【0017】
以下、各構成装置について詳細に説明する。
[路側無線装置20A、20B]
路側無線装置20A、20Bは、図2に示すように本体装置201とアンテナ202とから構成されている。路側無線装置20A、20Bは、道路脇や道路上方、駐車場、道の駅等に設置されたアンテナ202から、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して近傍に路側エリアZを形成する。この路側エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。以下、路側無線装置20A、20Bと車載器10間の狭域無線通信を路車間通信という場合がある。
【0018】
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は例えば数メートルから数十メートルである。路側無線装置20A、20BからのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置20A、20Bがそれぞれ形成する路側エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。
【0019】
本体装置201は、車載器10とセンター装置30間の情報のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ202を介して車載器10から受信された情報をネットワークN1を介してセンター装置30に転送し、センター装置30から送信された第1又は第2のコンテンツ情報を車載器10へ転送する。本体装置201は、情報処理や通信制御を行う制御部、記憶部等を備えたコンピュータ端末を適用することができる。
【0020】
路側無線装置20Aの本体装置201の制御部は、DSRC専用のプロトコルにより車載器10との通信制御を行う。路側無線装置20Bの本体装置201の制御部は、DSRC専用のプロトコル及びインターネットプロトコルにより車載器10との通信制御を行う。
【0021】
[車載器10]
車載器10は、車両Cに搭載され、案内経路への誘導のための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electronic Toll Collection System)利用のた
めの処理を行う機能等を有している。
車載器10は、図3に示すように、カーナビ部1、VICS(Vehicle Information and Communication)モジュール2、DSRC部3、制御部4、無線通信部5を備えて構成されている。
【0022】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)
等から構成され、記憶部1fに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、制御部4は、路側無線装置20A、20Bとの路車間通信を行う際にはDSRC部3の通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたっては、制御部4はDSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。また、制御部4は、DSRC部3を介してセンター装置30から受信した第1又は第2のコンテンツ情報の保存、再生制御等を行う。
【0023】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、操作部1d、表示部1e、記憶部1f、音声出力部1g等を備え、車両Cを案内経路へ誘導するための処理を行う。
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから取得した現在地の情報及び地図記憶部1cに記憶された地図情報等に基づいて、車両Cの現在地から操作部1dを介して設定された目的地までの案内経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図情報を用いて算出した案内経路へ誘導するための地図画面を生成し、表示部1eにより表示させる。
【0024】
現在地検出部1bは、GPS(Global Positioning System)アンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサを備え、これらセンサによる検出結果に基づいて車両Cの現在地を検出する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を検出する。また、角度センサは移動方向の変化量を示す車の加速度(単位時間あたりの水平方向への回転速度)を検出し、方位センサは地磁気の検出を行い、車両の絶対方位を検出する。現在地検出部1bは、これらセンサから取得した各検出結果に基づいて車両の現在地を示す現在地情報(経度、緯度等の情報)を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
【0025】
地図記憶部1cは、メモリやDVD等の記録媒体から構成され、案内表示に必要な地図情報、VICSモジュール2を介して受信されるガイド情報(道路情報、渋滞情報等)等を記憶している。
【0026】
操作部1dは、操作キーや表示部1eと一体に構成されるタッチパネル等から構成されている。操作部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、制御部4に出力する。
表示部1eは、モニタを備え、制御部4の制御に従ってモニタ上に各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信した第1又は第2のコンテンツ情報の表示画面等である。
【0027】
記憶部1fは、不揮発性メモリやHDD(Hard Disk Drive)等から構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶している。記憶部1fに記憶されるプログラムは、例えば、制御部4において、後述する第1のコンテンツ情報受信処理、通信デバイス一覧表示処理、ネットワーク接続処理、蓄積コンテンツ表示処理を実行するためのプログラム、Webブラウザとしての機能を実行するためのプログラム等が含まれる。また、記憶部1fは、センター装置30から受信した第1のコンテンツ情報を記憶するための第1のコンテンツ情報記憶領域M1を有する。
【0028】
音声出力部1gは、音声処理部、D/A変換器、増幅器、スピーカ等を備えて構成される。音声出力部1gは、制御部4から指示された音声データをD/A変換器によりアナログ信号に変換してスピーカにより音声出力する。また、音声出力部1gは、制御部4から指示された表音文字列データに基づいて音声処理部により合成音声信号を生成し、スピーカにより音声出力する。
【0029】
VICSモジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナを
それぞれ備え、VICSセンターと光通信、FM通信、電波通信を行う。VICSモジュール2はVICSセンターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部4に出力する。
【0030】
DSRC部3は、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30からコンテンツ情報を受信するための通信処理等を行う。
DSRC部3は、図3に示すようにDSRC制御部3a、通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3e、ICカードI/F部3fを備えて構成されている。
【0031】
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。
例えば、DSRC制御部3aは、通信部3bを介して路側無線装置20AとDSRC非IP通信を行うための制御を行うとともに、通信部3bを介して路側無線装置20BとDSRCIP通信を行うための制御を行う。通信部3bを介してセンター装置30から第1又は第2のコンテンツ情報を受信した場合には、DSRC制御部3aは、これを制御部4に出力する。
また、例えば、DSRC制御部3aは、ETCによる決済を行う際には、通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3eにより決済情報の書込処理を行わせる。
【0032】
通信部3bは、車両Cのダッシュボード上でフロントガラス近傍に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20A、20BやETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
【0033】
記憶部3cは、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶している。
【0034】
ETC処理部3eは、ICカードI/F部3fに挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
ICカードI/F部3fは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3eの間で情報のやりとりを仲介する。
【0035】
無線通信部5は、移動体通信網(PDC/CDMA/PHS/GSM・GPRS等)、無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n等)、WiMAX(IEEE802.16a/e/h等)等の各種の無線通信網の無線通信アクセスポイント40と無線通信を行い、無線通信アクセスポイント40を介して車載器10が外部ネットワークN2に接続されたセンター装置30を始めとする外部機器にアクセスしデータ送受信を行うための通信制御を行う。無線通信部5としては、例えば、無線LANカード、WiMAX用の通信カード、及びこれらを装填するためのスロットや、携帯電話機及び携帯電話機を車載器10に接続するためのUSB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェース等の通信デバイスが含まれる。無線通信部5は、受信した情報を制御部4に出力する。
【0036】
[センター装置30]
次に、センター装置30について説明する。
なお、図1では1台のセンター装置30のみ示したが、コンテンツ情報を配信する配信事業者は複数あり、センター装置30は配信事業者毎に備えられるものである。
【0037】
図4に、センター装置30の機能的構成を示す。
図4に示すように、センター装置30は、制御部31、操作部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成されている。
【0038】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、制御部31は、第1の通信部351により路側無線装置20Aから車載器10と通信が確立したことが通知されると、記憶部34の第1のコンテンツ情報記憶領域341から第1のコンテンツ情報を読み出して第1の通信部351を介して路側無線装置20Aに送信する。
また、制御部31は、Webサーバとしての機能を有し、第1の通信部351により、路側無線装置20Bを介して車載器10から指定されたURL(Uniform Resource Locator)に格納された情報の取得要求が受信されると、第2のコンテンツ情報記憶領域342における車載器10により指定されたURLに対応する領域に格納された第2のコンテンツ情報を読み出し、第1の通信部351により路側無線装置20Bを介して車載器10に送信する等、車載器10からの要求に応じた処理を実行する。また、制御部31は、第2の通信部352により、外部ネットワークN2を介して車載器10から指定されたURLに格納された情報の取得要求が受信されると、第2のコンテンツ情報記憶領域342における車載器10により指定されたURLに対応する領域に格納された第2のコンテンツ情報を読み出し、第2の通信部352により外部ネットワークN2を介して車載器10に送信する等、車載器10からの要求に応じた処理を実行する。
なお、制御部31は、路側無線装置20Aを介して車載器10に第1のコンテンツ情報を送信する際には路側無線装置20Aの配置されているエリアに応じた情報を抽出して配信する。また、制御部31は、各車載器10のユーザが嗜好するカテゴリの情報(嗜好データ)を予め取得しておき、情報の送信先となる車載器10の嗜好データに応じた情報を抽出して配信するようにすることが好ましい。
【0039】
操作部32は、キーボード等を備えて操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
【0040】
記憶部34は、HDD等により構成される。記憶部34は、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。
また、記憶部34は、第1のコンテンツ情報を記憶する第1のコンテンツ情報記憶領域341と、第2のコンテンツ情報を記憶する第2のコンテンツ情報記憶領域342とを有する。
【0041】
通信部35は、第1の通信部351と第2の通信部352により構成される。第1の通信部351は、センター装置30がネットワークN1に接続された路側無線装置20A、20Bとデータ送受信を行うための通信制御を行う。第2の通信部352は、センター装置30が外部ネットワークN2に接続された車載器10を始めとする外部機器とデータ送受信を行うための通信制御を行う。
【0042】
[第1のコンテンツ情報のデータ構成]
次に、第1のコンテンツ情報について説明する。
図5に、第1のコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す。図6に、第1のコンテンツ情報に基づき表示される表示画面例を示す。
図6に示す各画面D1〜D6は、それぞれ1つの第1のコンテンツ情報に基づいて表示される画面である。1つの第1のコンテンツ情報は、図5に示すように、ID00〜ID255により分類される情報が格納可能なファイルにより構成され、提供するコンテンツの内容に応じて必要な情報が格納されている。
【0043】
ここで、ID00〜ID256に分類される情報のうち、本実施の形態に必要な主要な情報について説明する。
ID00に分類される「構成ID情報」は、当該第1のコンテンツ情報を構成するIDの情報である。即ち、構成ID情報は、当該コンテンツ情報の何れのIDに情報が格納されているかを示す情報である。
ID01に分類される「事業者情報」は、当該コンテンツを配信するサービス事業者に関する情報であり、例えば、コンテンツを提供するサービス事業者の「事業者コード」、「事業者名表示用テキスト」等が含まれる。
ID02に分類される「コンテンツ属性情報」は、当該コンテンツの属性を示す情報であり、例えば、コンテンツを提供する情報提供企業の「情報提供企業コード」、「情報提供企業名表示用テキスト」、コンテンツを特定するための「情報コード」、コンテンツの内容を示す「情報タイトル表示用テキスト」、コンテンツのカテゴリを示す「嗜好データカテゴリ情報」等が含まれる。なお、第1のコンテンツ情報は階層構造をなしており(例えば、図6においては、最上位からD1→D2→D3→D4→D5→D6)、本実施の形態においては、情報コードにより、各第1のコンテンツ情報の階層を識別可能であることとする。
ID04に分類される「有効期限情報」は、当該コンテンツの有効期限を示す情報であり、「開始年月日時分秒」、「終了年月日時分秒」等が含まれる。
ID10に分類される「対象地点情報」は、当該コンテンツにより案内されるサービスが提供される地点(対象地点という)に関する情報や当該コンテンツの実データを含む。「対象地点情報」は、対象地点の緯度経度を示す「対象地点座標情報」、対象地点で提供されるサービスや店舗の名称を示す「サービス名称表示用テキスト」、サービスの説明用テキスト情報である「表示用文字データ」、サービス案内を表示するための「表示用画像データ」、サービスの音声案内のための「表音文字列データ」及び「圧縮音声データ」、当該コンテンツの内容に関連する情報を提供するWebページ(第2のコンテンツ情報)の格納場所のアドレスを示す「URL情報」、対象地点以外の提携駐車場を示す「提携駐車場情報」、対象地点を地図画面上に表示する際の「アイコン画像情報」等が含まれる。なお、本実施の形態においては、「URL情報」は、センター装置30の第2のコンテンツ情報記憶領域342内の格納場所を示していることとする。
【0044】
例えば、図6の画面D6を表示するための第1のコンテンツ情報には、ID01、02、04、10の情報はすべて必要であるため、ID01、02、04、10の情報の全てが格納されている。図6の画面D1〜D5のそれぞれを表示するための第1のコンテンツ情報には、ID02の「嗜好データカテゴリ情報」、ID10の「対象地点座標情報」、「サービス名称表示用テキスト」、「URL情報」、「提携駐車場情報」、「アイコン画像情報」等は必要ではないため、これらの情報は格納されていない。
【0045】
[車載器10の動作]
次に、車載器10における動作について説明する。
図7に、通信部3bにより路側無線装置20Aから第1のコンテンツ情報を受信した際に実行される第1のコンテンツ情報受信処理のフローを示す。当該処理は、制御部4と記憶部1fに記憶されたプログラムとの協働により実現される。
【0046】
まず、受信された第1のコンテンツ情報が記憶部1fの第1のコンテンツ情報記憶領域M1に記憶される(ステップS1)。次いで、受信された第1のコンテンツ情報のID10が参照され、「URL情報」が含まれているか否かが判断される(ステップS2)。受信された第1のコンテンツ情報に「URL情報」が含まれていると判断されると(ステップS2;YES)、受信された第1のコンテンツ情報から「URL情報」が抽出され、抽出されたURL情報がRAMに一時記憶されるとともに、当該URLが示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンである「ネットワークに接続」ボタンB1が作成される(ステップS3)。そして、受信された第1のコンテンツ情報の「表示用文字データ」、「表示用画像データ」及びステップS3で作成された「ネットワークに接続」ボタンB1に基づいて画面が作成され、表示部1eに表示されるとともに(ステップS4)、「表音文字列データ」に基づいて音声出力部1gにより音声が出力され(ステップS5)、本処理は終了する。
【0047】
一方、受信された第1のコンテンツ情報に「URL情報」が含まれていないと判断されると(ステップS2;NO)、当該第1のコンテンツ情報に含まれる「表示用文字データ」、「表示用画像データ」に基づいて画面が作成され、表示部1eに表示されるとともに(ステップS6)、「表音文字列データ」に基づいて音声出力部1gにより音声が出力され(ステップS7)、本処理は終了する。
【0048】
図8に、ステップS4において表示部1eに表示される画面の一例を示す。図8に示すように、受信された第1のコンテンツ情報に「URL情報」が含まれていた場合、第1のコンテンツ情報に基づき表示される画面上に「ネットワークに接続」ボタンB1が表示される。
【0049】
次に、「ネットワークに接続」ボタンB1が操作部1dを介して押下された際に実行される通信デバイス一覧表示処理について説明する。図9に、通信デバイス一覧表示処理のフローを示す。当該処理は、制御部4と記憶部1fに記憶されたプログラムとの協働により実現される。
【0050】
まず、無線通信部5において接続されている通信デバイスの情報が収集される(ステップS21)。ここで、無線通信部5において接続されている通信デバイスの情報の収集は、例えば、予め車載器10の電源投入時に制御部4が無線通信部5に接続されている通信デバイスの検出を行って検出された通信デバイスの情報をRAMに記憶しておき、ステップS21においては、RAMに記憶されている情報を参照するのみにしてもよいし、ステップS21において、接続されている通信デバイスの検出を行って情報収集を行うようにしてもよい。
【0051】
次いで、収集された情報に基づいて、無線通信部5において接続されている通信デバイスが存在するか否かが判断され、存在すると判断されると(ステップS22;YES)、接続されている通信デバイスの一覧が表示部1eの画面上に表示され(ステップS23)、本処理は終了する。
【0052】
一方、無線通信部5において接続されている通信デバイスが存在しないと判断されると
(ステップS22;NO)、接続されている通信デバイスが存在しない旨のメッセージが表示部1eの画面上に表示され(ステップS24)、本処理は終了する。
【0053】
図10に、ステップS23において表示部1eに表示される画面の一例を示す。図10に示すように、ステップS23においては、無線通信部5において接続されている通信デバイスが存在する場合、接続されている通信デバイスの一覧が画面上に表示されるとともに、ユーザにネットワーク接続を行う際の通信デバイスの選択を促すメッセージが表示される。各通信デバイスの表示は選択ボタンとなっており、ユーザは操作部1dを介して所望の通信デバイスを選択することができる。
【0054】
なお、接続されている通信デバイスが一つしか存在しない場合、ステップS22以降の処理を行わず、その通信デバイスが選択されたものとして直ちに後述するネットワーク接続処理を実行するようにしてもよい。また、接続されている通信デバイスが存在しない場合、接続されている通信デバイスが存在しない旨のメッセージとともに通信デバイスの接続をユーザに促すメッセージを併せて表示し、所定時間後に再度通信デバイスの検出を行って、検出された通信デバイスの一覧表示を行うようにしてもよい。
【0055】
次に、図9のステップS23で表示された通信デバイスの一覧の中から操作部1dを介して何れかの通信デバイスが選択された際に実行されるネットワーク接続処理について説明する。図11に、ネットワーク接続処理のフローを示す。当該処理は、制御部4と記憶部1fに記憶されたプログラムとの協働により実現される。
【0056】
まず、選択された通信デバイスの情報が取得され(ステップS31)、無線通信部5の選択された通信デバイスを用いて外部ネットワークN2との接続が開始され(ステップS32)、表示部1eの画面上にネットワークへの接続処理中であることを示すメッセージ(図12参照)が表示される(ステップS33)。外部ネットワークN2との接続が確立すると(ステップS34;YES)、Webブラウザが起動され(ステップS35)、RAMに一時保存されているURL情報がWebブラウザに設定される(ステップS36)。そして、無線通信部5の選択された通信デバイスによりWebブラウザに設定されたURLにより指定された情報格納場所へのアクセスが行われ、当該格納場所に格納された第2のコンテンツ情報が取得され、この取得された第2のコンテンツ情報に基づいて、表示部1eの画面上に選択された第1のコンテンツ情報に関連する内容のコンテンツ(Webページ)が表示され(ステップS37)、本処理は終了する。
【0057】
一方、ステップS34において、外部ネットワークN2との接続が確立しなかった場合(ステップS34;NO)、表示部1eに外部ネットワークN2と接続できない旨のメッセージが表示され(ステップS38)、本処理は終了する。
なお、上述の通信デバイス一覧表示処理は、「ネットワークに接続」ボタンB1が押下される度に毎回行わなくてもよい。例えば、一度外部ネットワークN2への接続処理を行った後、所定時間内に再度「ネットワークに接続」ボタンB1が押下された場合に、前回接続に使用された通信デバイスで接続を行うようにしてもよい。
【0058】
図13に、ステップS37において第2のコンテンツ情報に基づき表示部1eに表示されるWebページ画面の一例を示す。
Webページでは、画像、音声、テキスト等を提供する(ダウンロードさせる)ことができ、また、他の関連するWebページにアクセスするためのURLをリンクさせることができるので、URL情報を配信することにより、DSRCにより提供される情報に加えて、より多くの情報量をもつコンテンツを車載器10に提供することができる。例えば、DSRCにより提供される第1のコンテンツ情報により対象施設の概要情報のみを配信し、URLが示す情報格納場所においてその施設の詳細情報や駐車場情報等の関連情報を提供することができる。また、Webページでは、入力フォームからの入力等により車載器10から情報登録を行うことができるので、例えば、駐車場の予約サービス等、車載器10との双方向の通信が必要となる各種サービスを提供することができる。
【0059】
なお、受信された第1のコンテンツ情報は記憶部1fに記憶(蓄積)されるので、ユーザが適宜呼び出して表示したり、記憶した第1のコンテンツ情報に含まれるURL情報に基づき第2のコンテンツ情報を取得したりすることができる。
【0060】
図14に、操作部1dにより記憶部1fに記憶された第1のコンテンツ情報を表示する指示が入力された際に実行される蓄積コンテンツ表示処理のフローを示す。当該処理は、制御部4と記憶部1fに記憶されたプログラムとの協働により実現される。
なお、操作部1dによる第1のコンテンツ情報の表示指示は、図15(a)に示すメニュー画面から「Entertainment」ボタンB11を選択し、次いで表示される図15(b)に示すEntertainment画面に表示された配信事業者の一覧の中から何れかの配信事業者を選択することにより行うことができる。
【0061】
コンテンツ表示処理においては、まず、第1のコンテンツ情報記憶領域M1に記憶されている選択された配信事業者の「事業者コード」をもつ第1のコンテンツ情報の中から最上位階層を示す「情報コード」をもつコンテンツ情報が抽出され、抽出されたコンテンツ情報が表示部1eの画面上に表示されるとともに、URL情報を含む第1のコンテンツ情報の抽出を指示するための「URL抽出」ボタンB2が作成され、画面上に表示される(ステップS41)。図16(a)に、ステップS41において表示部1eに表示される画面例を示す。
【0062】
表示された画面において操作部1dにより操作が行われると、当該操作が「URL抽出」ボタンB2の押下であるか否かが判断され、「URL抽出」ボタンB2の押下ではないと判断されると(ステップS42;NO)、操作部1dの操作及び記憶部1fに記憶されている第1のコンテンツ情報の階層構造に応じた画面表示が行われ(ステップS43)、本処理は終了する。
【0063】
一方、操作部1dにより「URL抽出」ボタンB2が押下されたと判断されると(ステップS42;YES)、記憶部1fに記憶されている第1のコンテンツ情報の中からID10に「URL情報」が含まれるコンテンツ情報が抽出され(ステップS44)、抽出されたコンテンツ情報のID02に含まれる「情報タイトル表示用テキスト」の一覧(即ち、URL付の第1のコンテンツ情報(URL付コンテンツ)の一覧)と、一覧の中から選択されたコンテンツ情報の表示を指示するための「表示」ボタンB3、及び、一覧の中から選択されたコンテンツ情報のURL情報が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための「接続」ボタンB4が表示部1eの画面上に表示される(ステップS45)。図16(b)に、ステップS45において表示される画面の一例を示す。なお、URL付コンテンツの一覧には「情報タイトル表示用テキスト」と併せて「情報提供企業名表示用テキスト」を表示するようにしてもよい。
【0064】
ステップS45で表示された画面において、操作部1dによりURL付コンテンツの一覧の中から何れかの第1のコンテンツ情報が選択されると、選択された第1のコンテンツ情報の「URL情報」がRAMに一時記憶される(ステップS46)。「接続」ボタンB4が押下され、選択された第1のコンテンツ情報に含まれるURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示されると(ステップS47;YES)、図9に示す通信デバイス一覧表示処理が実行され(ステップS53)、次いで、図11に示すネットワーク接続処理が実行されることにより、選択された第1のコンテンツ情報に含まれるURL情報が示す情報格納場所から第2のコンテンツ情報が取得されて表示される(ステップS54)。そして、本処理は終了する。
【0065】
一方、ステップS45で表示された画面において、操作部1dにより「接続」ボタンB4が押下されず(ステップS47;NO)、「表示」ボタンB3が押下されると(ステップS48;YES)、選択された第1のコンテンツ情報から「URL情報」が抽出され、抽出された「URL情報」が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンである「ネットワークに接続」ボタンが作成される(ステップS49)。そして、選択された第1のコンテンツ情報に含まれる「表示用文字データ」、「表示用画像データ」及びステップS49で作成された「ネットワークに接続」ボタンに基づいて画面が作成され、表示部1eに表示される(図8参照)とともに(ステップS50)、「表音文字列データ」に基づいて音声出力部1gにより音声が出力される(ステップS51)。操作部1dにより「ネットワークに接続」ボタンが押下されると(ステップS52;YES)、処理はステップS53に移行する。操作部1dにより「ネットワークに接続」ボタンB1が押下されなければ(ステップS52;NO)、本処理は終了する。
【0066】
以上説明したように、情報配信システム100によれば、センター装置30は、路側無線装置20Aを介して車載器10に第1のコンテンツ情報を送信する場合に、第1のコンテンツ情報に、当該第1のコンテンツ情報に関連する情報の格納場所を示すURL情報を含めて送信する。従って、情報提供側は、DSRCで配信した第1のコンテンツ情報と関連する、より情報量の多いコンテンツをインターネット上で提供することができ、第1のコンテンツ情報に関連する様々な情報やサービスの提供を行うことができる。車載器側においては、ユーザは、受信した第1のコンテンツ情報に関連する情報に容易にアクセスすることが可能となり、利便性が向上する。
【0067】
また、車載器10は、路側無線装置20Aから受信した第1のコンテンツ情報にURL情報が含まれている場合に、このURL情報が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンを第1のコンテンツ情報に基づき表示した画面上に表示し、操作部1dによる当該操作ボタンの操作に応じてURL情報が示す情報格納場所へ無線通信部5を介してアクセスして、第1のコンテンツ情報に関連する第2のコンテンツ情報を取得し表示部1eに表示する。従って、ユーザは、第1のコンテンツ情報に関連する情報を検索画面等で検索する作業を行うことなく、表示された操作ボタンを押下操作するだけで受信した第1のコンテンツ情報に関連する第2のコンテンツ情報に容易にアクセスすることが可能となり、操作性、利便性を向上させることができる。
【0068】
また、車載器10は、路側無線装置20Aから受信した第1のコンテンツ情報を記憶部1fに記憶し、操作部1dから入力の指示に応じて、記憶部1fに記憶されている第1のコンテンツ情報の中からURL情報を含むコンテンツ情報を抽出して表示部1eに一覧表示し、操作部1dにより一覧表示されたコンテンツ情報の中から何れかのコンテンツ情報が選択され、当該選択されたコンテンツ情報とともに受信されたURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示された場合に、無線通信部5を用いてURL情報が示す情報格納場所にアクセスする。従って、ユーザは、過去に受信された第1のコンテンツ情報に関連する情報に容易にアクセスすることが可能となる。
【0069】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報配信システムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0070】
例えば、上記実施の形態では、センター装置30が第1のコンテンツ情報及びこれに関連する第2のコンテンツ情報の双方を記憶し、車載器10に配信することとして説明したが、第1のコンテンツ情報を配信する装置と第2のコンテンツ情報を配信する装置は、別々であってもよい。例えば、第2のコンテンツ情報を配信する装置は、情報提供企業のサーバ等であってもよい。
【0071】
また、上記実施の形態においては、センター装置30はインターネットに接続されている構成としたが、第2のコンテンツ情報を提供する装置は、インターネットの技術を利用したIPネットワークに接続されていればよく、例えば無線通信網と専用線を介して接続
し、セキュリティを確保するようにしてもよい。
【0072】
また、記憶部1fに記憶された第1のコンテンツ情報からURL情報を含むコンテンツを抽出し一覧表示する際には、有効期限情報や対象地点情報等の検索条件により更に絞込みを行えるようにしてもよい。
【0073】
また、車両Cの停車中に、車載器10で下記のURL自動表示処理AやURL自動表示処理Bを行って、車両Cの現在地(自車位置)に応じたURL情報を提供するようにしてもよい。
図17に、車両Cの停車中に車載器10で実行されるURL自動表示処理Aのフローを示す。当該処理は、車両Cの停車中(例えば、図示しないI/Fを介してエンジンスイッチキーがOFFに切り替えられた際)に制御部4と記憶部1fに記憶されたプログラムとの協働により実現される。
【0074】
まず、現在設定されている目的地の緯度経度と現在地検出部1bにより検出された現在地の緯度経度に基づいて、目的地と現在地が所定距離以内であるか否かが判断される(ステップS61)。目的地と現在地が所定距離以内ではないと判断されると(ステップS61;NO)、本処理は終了する。
【0075】
目的地と現在地が所定距離以内であると判断されると(ステップS61;YES)、記憶部1fの第1のコンテンツ情報記憶領域M1に記憶されている第1のコンテンツ情報に目的地と緯度経度が同じ「対象地点座標情報」をもつ第1のコンテンツ情報があるか否かが判断される(ステップS62)。目的地と緯度経度が同じ「対象地点座標情報」をもつ第1のコンテンツ情報がないと判断されると(ステップS62;NO)、本処理は終了する。
【0076】
目的地と緯度経度が同じ「対象地点座標情報」をもつ第1のコンテンツ情報があると判断されると(ステップS62;YES)、該当する第1のコンテンツ情報に「URL情報」が含まれているか否かが判断される(ステップS63)。「URL情報」が含まれていないと判断されると(ステップS63;NO)、本処理は終了し、「URL情報」が含まれていると判断されると(ステップS63;YES)、処理はステップS64に移行する。
【0077】
ステップS64においては、該当する第1のコンテンツ情報から「URL情報」が抽出され、抽出されたURL情報がRAMに一時記憶されるとともに、当該URLが示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンである「ネットワークに接続」ボタンB1が作成される(ステップS64)。そして、該当する第1のコンテンツ情報の「表示用文字データ」、「表示用画像データ」及びステップS64で作成された「ネットワークに接続」ボタンB1に基づいて画面が作成され、表示部1eに表示される(図8参照)(ステップS65)。
【0078】
操作部1dにより「ネットワークに接続」ボタンB1が押下され、表示された第1のコンテンツ情報に含まれるURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示されると(ステップS66;YES)、図9に示す通信デバイス一覧表示処理が実行され(ステップS67)、次いで、図11に示すネットワーク接続処理が実行されることにより、目的地についての第1のコンテンツ情報に含まれるURL情報が示す情報格納場所から目的地に関連する第2のコンテンツ情報が取得されて画面表示される(ステップS68)。そして、本処理は終了する。一方、操作部1dにより「ネットワークに接続」ボタンB1が押下されず(ステップS66;NO)、画面を閉じる指示が入力されると(ステップS69;YES)、本処理は終了する。
【0079】
上記URL自動表示処理Aを実行することにより、例えば、URL情報が第1のコンテンツ情報により案内される対象地点の提携駐車場の予約サービスを提供するWebページのものであれば、ユーザは、目的地からの距離が所定の範囲内となったときに駐車場の予約をすることができ、更に利便性を向上させることができる。
【0080】
図18に、車両Cの停車中に車載器10で実行されるURL自動表示処理Bのフローを示す。当該処理は、車両Cの停車中(例えば、図示しないI/Fを介してエンジンスイッチキーがOFFに切り替えられた際)に制御部4と記憶部1fに記憶されたプログラムとの協働により実現される。
【0081】
まず、記憶部1fの第1のコンテンツ情報記憶領域M1に記憶されている第1のコンテンツ情報の中から、ID10に現在地検出部1bにより検出された現在地の緯度経度から所定距離内の「対象地点座標情報」をもち、かつ、「URL情報」が含まれる第1のコンテンツ情報の抽出が行われ(ステップS71)、抽出されたコンテンツ情報のID02に含まれる「情報タイトル表示用テキスト」の一覧(即ち、URL付の第1のコンテンツ情報(URL付コンテンツ)の一覧)と、一覧の中から選択されたコンテンツ情報の表示を指示するための「表示」ボタンB3、及び、一覧の中から選択されたコンテンツ情報のURL情報が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための「接続」ボタンB4が表示部1eの画面上に表示される(ステップS72)。図16(b)に、ステップS71において表示される画面の一例を示す。なお、ステップS71で該当する第1のコンテンツ情報が抽出されなければ、本処理は終了する。
【0082】
ステップS71で表示された画面において、操作部1dによりURL付コンテンツの一覧の中から何れかの第1のコンテンツ情報が選択されると、選択された第1のコンテンツ情報の「URL情報」がRAMに一時記憶される(ステップS73)。操作部1dにより「接続」ボタンB4が押下され、選択された第1のコンテンツ情報に含まれるURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示されると(ステップS74;YES)、図9に示す通信デバイス一覧表示処理が実行され(ステップS79)、次いで、図11に示すネットワーク接続処理が実行されることにより、選択された第1のコンテンツ情報に含まれるURL情報が示す情報格納場所から第2のコンテンツ情報が取得されて表示される(ステップS80)。そして、本処理は終了する。
【0083】
一方、ステップS73で表示された画面において、操作部1dにより「接続」ボタンB4が押下されず(ステップS74;NO)、「表示」ボタンB3が押下されると(ステップS75;YES)、選択された第1のコンテンツ情報から「URL情報」が抽出され、抽出された「URL情報」が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンである「ネットワークに接続」ボタンが作成される(ステップS76)。そして、選択された第1のコンテンツ情報に含まれる「表示用文字データ」、「表示用画像データ」及びステップS76で作成された「ネットワークに接続」ボタンB1に基づいて画面が作成され、表示部1eに表示される(図8参照)(ステップS77)。操作部1dにより「ネットワークに接続」ボタンB1が押下されると(ステップS78;YES)、処理はステップS79に移行する。操作部1dにより「ネットワークに接続」ボタンB1が押下されなければ(ステップS78;NO)、本処理は終了する。
【0084】
上記URL自動表示処理Bを実行することにより、ユーザは自車位置周辺にある施設に関連する情報に容易にアクセスすることが可能となり、更に利便性を向上させることができる。
【0085】
その他、上記実施の形態における情報配信システム100及びこれを構成する各装置の細部構成及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る実施の形態の情報配信システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の路側無線装置及び路側エリアを説明するための図である。
【図3】図1の車載器の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図1のセンター装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図1のセンター装置から配信される第1のコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図6】第1のコンテンツ情報に基づき表示される画面例を示す図である。
【図7】図3の制御部により実行される第1のコンテンツ情報受信処理を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS4において図3の表示部に表示される画面例を示す図である。
【図9】図3の制御部により実行される通信デバイス一覧表示処理を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS23において図3の表示部に表示される画面例を示す図である。
【図11】図3の制御部により実行されるネットワーク接続処理を示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS33において図3の表示部に表示される画面例を示す図である。
【図13】図11のステップS37において図3の表示部に表示される画面例を示す図である。
【図14】図3の制御部により実行される蓄積コンテンツ表示処理を示すフローチャートである。
【図15】第1のコンテンツ情報の表示指示を行う際の操作手順を説明するための図である。
【図16】(a)は、図14のステップS41において図3の表示部に表示される画面例を示す図、(b)は、図14のステップS45において図3の表示部に表示される画面例を示す図である。
【図17】図3の制御部により実行されるURL自動表示処理Aを示すフローチャートである。
【図18】図3の制御部により実行されるURL自動表示処理Bを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
100 情報配信システム
10 車載器
1 カーナビ部
1a カーナビ制御部
1b 現在地検出部
1c 地図記憶部
1d 操作部
1e 表示部
1f 記憶部
M1 第1のコンテンツ情報記憶領域
1g 音声出力部
2 VICSモジュール
3 DSRC部
3a DSRC制御部
3b 通信部
3c 記憶部
3e ETC処理部
3f ICカードI/F部
4 制御部
5 無線通信部
20A 路側無線装置
20B 路側無線装置(IP接続対応)
201 本体装置
202 アンテナ
30 センター装置
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 記憶部
341 第1のコンテンツ情報記憶領域
342 第2のコンテンツ情報記憶領域
35 通信部
351 第1の通信部
352 第2の通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上に設置された路側無線装置を介してコンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記路側無線装置を介して前記センター装置から配信されたコンテンツ情報を受信する受信手段を備えた車載器と、を含む情報配信システムであって、
前記センター装置は、前記コンテンツ情報に関連する情報の格納場所を示すURL情報を前記コンテンツ情報とともに前記車載器に配信する、情報配信システム。
【請求項2】
前記車載器は、
操作手段と、
URLにより指定された情報格納場所に無線通信によりアクセスするための無線通信手段と、
前記受信手段により受信されたコンテンツ情報を表示する表示手段と、
前記受信手段により前記コンテンツ情報とともにURL情報が受信され、前記操作手段により前記受信されたURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示された場合に、前記URL情報が示す情報格納場所に前記無線通信手段を用いてアクセスし、前記コンテンツ情報に関連する情報を取得して前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記車載器の制御手段は、前記受信手段によりコンテンツ情報とともにURL情報が受信された場合に、前記URL情報が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンを前記表示手段に表示し、前記操作手段による前記操作ボタンの操作に応じて前記情報格納場所へのアクセスを行う請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記車載器は、
前記受信手段により受信されたコンテンツ情報を記憶する記憶手段を備え、
前記車載器の制御手段は、前記記憶手段に記憶されているコンテンツ情報の中から前記URL情報とともに受信されたコンテンツ情報を抽出して前記表示手段に一覧表示し、前記操作手段により当該一覧表示されたコンテンツ情報の中から何れかのコンテンツ情報が選択され、当該選択されたコンテンツ情報とともに受信されたURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示された場合に、前記無線通信手段を用いて前記URL情報が示す情報格納場所にアクセスする請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項5】
道路上に設置された路側無線装置を介してコンテンツ情報を配信するセンター装置から配信されたコンテンツ情報を受信する受信手段を備えた車載器であって、
操作手段と、
URLにより指定された情報格納場所に無線通信によりアクセスするための無線通信手段と、
前記受信手段により受信されたコンテンツ情報を表示する表示手段と、
前記受信手段により前記コンテンツ情報とともに当該コンテンツ情報に関連する情報の格納場所を示すURL情報が受信され、前記操作手段により前記受信されたURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示された場合に、前記URL情報が示す情報格納場所に前記無線通信手段を用いてアクセスし、前記コンテンツ情報に関連する情報を取得して前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える車載器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記受信手段によりコンテンツ情報とともにURL情報が受信された場合に、前記URL情報が示す情報格納場所へのアクセスを指示するための操作ボタンを前記表示手段に表示し、前記操作手段による前記操作ボタンの操作に応じて前記情報格納場所へのアクセスを行う請求項5に記載の車載器。
【請求項7】
前記受信手段により受信されたコンテンツ情報を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されているコンテンツ情報の中から前記URL情報とともに受信されたコンテンツ情報を抽出して前記表示手段に一覧表示し、前記操作手段により当該一覧表示されたコンテンツ情報の中から何れかのコンテンツ情報が選択され、当該選択されたコンテンツ情報とともに受信されたURL情報が示す情報格納場所へのアクセスが指示された場合に、前記無線通信手段を用いて前記URL情報が示す情報格納場所にアクセスする請求項5に記載の車載器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−175786(P2009−175786A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10680(P2008−10680)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】