説明

撮影制御装置、撮影制御方法、制御プログラム、制御プログラムを記録した記録媒体、撮影制御システム、および情報処理システム

【課題】 RFIDタグを含む物品を所持した人間の撮影をより的確に行うことを可能とする撮影制御装置を提供する。
【解決手段】 物品に取り付けられたRFIDタグの位置情報がリーダライタから受信されると、この情報が物品情報格納部51に格納される。位置判定部35は、指定エリア外となる物品を検出すると、防犯カメラ制御部32による撮影制御が開始される。防犯カメラ制御部32は、該当物品の位置情報の履歴に基づいて該当物品の移動方向を推定し、該移動方向および物品の現在位置に基づいて、撮影動作すべき防犯カメラを特定し、該防犯カメラに対して撮影動作制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグが取り付けられている管理対象物に対する撮影を制御する撮影制御装置、撮影制御方法、制御プログラム、制御プログラムを記録した記録媒体、撮影制御システム、および情報処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗などにおいて、例えば万引きや盗難などの商品の不正持ち出しを検知する技術として、RFIDタグを利用する方式が広く採用されている。この方式では、各商品にRFIDタグが取り付けられるとともに、店舗における出入り口付近に、RFIDタグと電波の送受信を行うアンテナを内蔵したゲートが設けられる。商品を持った者が許可されていない状態でゲートを通過すると、ゲートに内蔵されたアンテナによってRFIDタグと通信が行われ、商品が不正に持ち出されたことが検知される。
【0003】
また、例えば特許文献1には、次のような電子機器不正使用防止システムが開示されている。このシステムでは、店舗の料金カウンタに設置されたクレジット端末にリーダライタが設けられるとともに、料金カウンタにRFIDタグが固定設置されている。クレジット端末は、RFIDタグとの通信が正常に行われているか否かを常に判定する。ここで、通信が正常になされていないと判定された場合に、クレジット端末が本来の機能を発揮しえないようにセキュリティ処理が行われる。これにより、クレジット端末が盗難されたとしても、料金カウンタに固定設置されたRFIDタグとの通信が行えなくなることによって、クレジット端末が不正使用されることを防止することができる。
【0004】
また、例えば特許文献2には、次のような監視システムが開示されている。このシステムでは、監視対象にRFIDタグが取り付けられるとともに、該RFIDタグからの出力信号を受信する手段を備えた撮像・監視手段が設けられる。撮像・監視手段は、RFIDタグからの出力信号に基づいて発信方向を判別して監視対象を追尾して撮像監視を行う。これにより、監視対象としての移動体を認識・追尾しながら撮像・監視をすることができる。
【特許文献1】特開2004−135045公報(平成16年(2004)4月30日公開)
【特許文献2】特開2003−317169公報(平成15年(2003)11月7日公開)
【特許文献3】特開2005−11056公報(平成17年(2005)1月13日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のゲートに内蔵されたアンテナによってRFIDタグを認識し、商品の不正持ち出しを検知する方式の場合、出入り口全てにゲートを設ける必要がある。よって、出入り口をなるべく少なくするように店舗を構成したり、アンテナを内蔵させたゲートを多数設けたり、というような措置が必要となる。また、ゲート以外の場所から不正持ち出しが行われた場合にはこれを検知することはできない。
【0006】
特許文献1に開示されているシステムの場合、盗難された電子機器の不正使用を防止することは可能であるが、盗難そのものを防ぐことができない。
【0007】
特許文献2に開示されているシステムの場合、単にRFIDタグの発信方向を判別して監視対象を追尾して撮像監視を行うのみであるので、例えばRFIDタグが取り付けられた物品を所持する人物の背後からの撮影が行われるような場合も考えられる。このような撮影が行われた場合、盗難の証拠画像としては使えないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、RFIDタグを含む物品を所持した人間の撮影をより的確に行うことを可能とする撮影制御装置、撮影制御方法、制御プログラム、制御プログラムを記録した記録媒体、撮影制御システム、および情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る撮影制御装置は、上記課題を解決するために、RFIDタグと無線通信を行うことによって該RFIDタグの位置を測定することが可能なタグ通信装置から、RFIDタグの位置情報を受信する通信処理部と、上記通信処理部において受信されたRFIDタグの位置情報をデータベースに記録するデータベース制御部と、複数箇所に配置されている撮影装置の撮影動作を制御する撮影制御部とを備え、上記撮影制御部が、上記データベースに記録されているRFIDタグの位置情報の履歴に基づいて、該RFIDタグの移動方向を推定するとともに、上記複数の撮影装置の配置位置情報を記録するデータベースから該配置位置情報を読み出し、上記RFIDタグの位置情報および上記移動方向に基づいて、該RFIDタグを含む領域の撮影を行うべき撮影装置を特定し、特定した撮影装置に対して撮影動作制御を行うことを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る撮影制御方法は、RFIDタグと無線通信を行うことによって該RFIDタグの位置を測定することが可能なタグ通信装置から、RFIDタグの位置情報を受信する位置情報受信ステップと、上記通信処理部において受信されたRFIDタグの位置情報をデータベースに記録する記録ステップと、複数箇所に配置されている撮影装置の撮影動作を制御する撮影制御ステップとを有し、上記撮影制御ステップにおいて、上記データベースに記録されているRFIDタグの位置情報の履歴に基づいて、該RFIDタグの移動方向を推定するとともに、上記複数の撮影装置の配置位置情報を記録するデータベースから該配置位置情報を読み出し、上記RFIDタグの位置情報および上記移動方向に基づいて、該RFIDタグを含む領域の撮影を行うべき撮影装置を特定し、特定した撮影装置に対して撮影動作制御を行うことを特徴としている。
【0011】
上記の構成および方法では、まず、RFIDタグの位置を測定することが可能なタグ通信装置から、RFIDタグの位置情報が受信される。この位置情報は、データベースに履歴として記録される。そして、この位置情報の履歴に基づいて、該RFIDタグの移動方向が推定され、位置情報および移動方向に基づいて、撮影を行うべき撮影装置が特定される。したがって、RFIDタグの位置のみならず、その移動方向をも考慮した上で撮影装置が選択され、撮影が行われることになるので、例えばRFIDタグを含む物品を所持した人間の撮影をより的確に行うことが可能となる。
【0012】
具体的には、例えばRFIDタグの移動方向前方にある撮影装置によって該RFIDタグの撮影が行われるように制御することによって、該RFIDタグを含む物品を所持した人間をほぼ正面から撮影した撮影画像を得ることが可能となる。よって、その人間の人相などを的確に把握することが可能な撮影画像を提供することが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る撮影制御装置は、上記の構成において、上記通信処理部において位置情報が受信されたRFIDタグが、所定の領域の外にあるか否かを判定する位置判定部をさらに備え、上記位置判定部によって、上記所定の領域の外にRFIDタグが位置すると判定した場合に、上記撮影制御部が、該RFIDタグに対する撮影制御を行う構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、所定の領域から外へ移動したRFIDタグが検知され、検知されたRFIDタグに対する撮影が行われることになる。したがって、例えばRFIDタグが取り付けられた物品が所定の領域の外へ持ち出された場合に、これを盗難が発生したと判断できるようなシステムを構成することによって、盗難発生時に犯人の撮影を的確に行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る撮影制御装置は、上記の構成において、上記撮影制御部が、上記RFIDタグの位置情報および撮影を行うべき撮影装置の配置位置情報に基づいて、該撮影装置に対してパンニング制御指示および/またはズーム制御指示を行う構成としてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、RFIDタグの位置に的確に対応したパンニング制御およびズーム制御が行われることになるので、RFIDタグに対する撮影をより的確に行うことが可能となる。具体的には、RFIDタグの現在位置に基づいて、撮影装置による撮影方向、ズーム距離に関する制御が行われるので、例えば該RFIDタグを含む物品を所持した人間の画像が、撮影画像の中心付近に適切な大きさとなった状態での撮影画像を得ることが可能となる。
【0017】
また、本発明に係る撮影制御装置は、上記の構成において、複数箇所に配置されている警報装置の警報動作を制御する警報装置制御部をさらに備え、上記警報装置制御部が、上記データベースに記録されているRFIDタグの位置情報の履歴に基づいて、該RFIDタグの移動方向を推定するとともに、上記複数の警報装置の配置位置情報を記録するデータベースから該配置位置情報を読み出し、上記RFIDタグの位置情報および上記移動方向に基づいて、動作すべき警報装置を特定し、特定した警報装置に対して警報動作制御を行うとともに、上記位置判定部によって、上記所定の領域の外にRFIDタグが位置すると判定した場合に、上記警報装置制御部が、上記警報動作制御を行う構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、所定の領域から外へ移動したRFIDタグが検知され、検知されたRFIDタグの位置に基づいて、警報を行うべき警報装置が特定されることになる。したがって、例えばRFIDタグが取り付けられた物品が所定の領域の外へ持ち出された場合に、これを盗難が発生したと判断できるようなシステムを構成することによって、盗難発生時に犯人に対して的確に警報動作を行うことが可能となる。
【0019】
なお、上記撮影制御装置が備える各部は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として動作させることにより上記撮影制御装置をコンピュータにて実現させる撮影制御装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0020】
また、本発明に係る撮影制御システムは、上記本発明に係る撮影制御装置と、上記通信処理部において受信されたRFIDタグの位置情報、および、上記複数の撮影装置の配置位置情報を記録するデータベースとを備えることを特徴としている。
【0021】
また、本発明に係る情報処理システムは、上記本発明に係る撮影制御システムと、RFIDタグと無線通信を行うことによって該RFIDタグの位置を測定するタグ通信装置とを備えることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、RFIDタグの位置のみならず、その移動方向をも考慮した上で撮影装置が選択され、撮影が行われることになるので、例えばRFIDタグを含む物品を所持した人間の撮影をより的確に行うことを可能とする撮影制御システムおよび情報処理システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る撮影制御装置は、以上のように、撮影制御部が、上記データベースに記録されているRFIDタグの位置情報の履歴に基づいて、該RFIDタグの移動方向を推定するとともに、上記複数の撮影装置の配置位置情報を記録するデータベースから該配置位置情報を読み出し、上記RFIDタグの位置情報および上記移動方向に基づいて、該RFIDタグを含む領域の撮影を行うべき撮影装置を特定し、特定した撮影装置に対して撮影動作制御を行う構成である。
【0024】
また、本発明に係る撮影制御方法は、撮影制御ステップにおいて、上記データベースに記録されているRFIDタグの位置情報の履歴に基づいて、該RFIDタグの移動方向を推定するとともに、上記複数の撮影装置の配置位置情報を記録するデータベースから該配置位置情報を読み出し、上記RFIDタグの位置情報および上記移動方向に基づいて、該RFIDタグを含む領域の撮影を行うべき撮影装置を特定し、特定した撮影装置に対して撮影動作制御を行う方法である。
【0025】
よって、例えばRFIDタグを含む物品を所持した人間の撮影をより的確に行うことが可能となるという効果を奏する。具体的には、例えばRFIDタグの移動方向前方にある撮影装置によって該RFIDタグの撮影が行われるように制御することによって、該RFIDタグを含む物品を所持した人間をほぼ正面から撮影した撮影画像を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。なお、本実施形態においては、例えば店舗などにおいて、商品としての物品の盗難を検知し、盗難発生時にしかるべき処理を行う警備システムについて説明する。
【0027】
(警備システムの構成)
図2は、本実施形態に係る警備システム1の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、警備システム1は、例えば陳列棚などに載置されている複数の物品6…にそれぞれ取り付けられているRFIDタグ2…、アンテナ3、リーダライタ(タグ通信装置)4、管理サーバ5、データベースサーバ8、防犯カメラ(撮影装置)9…、および警報装置10…を備えた構成となっている。
【0028】
RFIDタグ2は、取り付けられている物品6に関する情報を記憶するものである。このRFIDタグ2は、無線通信用IC(Integrated Circuit)、記憶部、およびアンテナなどを備えた構成となっている。本実施形態においては、RFIDタグ2として、電池などの電源を有しておらず、リーダライタ4から電波で送電された電力によって回路が動作し、リーダライタ4と無線通信を行うパッシブタイプのRFIDタグを用いることが想定されている。なお、本実施形態において用いられるRFIDタグ2は、上記のようなパッシブタイプのRFIDタグに限定されるものではなく、電池などの電源を有するアクティブタイプのRFIDタグであっても構わない。
【0029】
アンテナ3は、RFIDタグ2…に対して電波を送信するとともに、RFIDタグ2…から送られてきた電波を受信するアンテナである。このアンテナ3は、例えばパッチアンテナやアレーアンテナなどによって構成される。なお、本構成例では、アンテナ3が送信機能および受信機能ともに有する構成となっているが、送信アンテナと受信アンテナとをそれぞれ別に設けた構成としてもよい。
【0030】
リーダライタ4は、各RFIDタグ2との間でアンテナ3を介して無線通信を行い、RFIDタグ2に記憶されている情報の読み書きを行う装置である。なお、本実施形態では、リーダライタ4は、RFIDタグ2に記憶されている情報の読み書きを行うものとしているが、これに限定されるものではなく、RFIDタグ2に記憶されている情報の読み出しのみを行うRFIDリーダであってもよい。
【0031】
本実施形態では、リーダライタ4がアンテナ3を介して送受信する電波の周波数帯域は、800MHz〜960MHz前後のいわゆるUHF帯としている。このような周波数帯域の電波を用いることにより、リーダライタ4は、数m〜数10m程度の距離範囲内に位置するRFIDタグ2と通信可能となる。なお、本実施形態においては、UHF帯を用いた通信を想定しているが、これに限定されるものではなく、RFIDタグ向けの周波数帯域としての、13.56MHz帯、2.45GHz帯などの周波数帯域を用いてもよく、さらには、無線による通信を行うことが可能なその他の周波数帯による通信が行われても構わない。
【0032】
管理サーバ5は、リーダライタ4によって読み取られた各物品6の情報に基づいて、物品の盗難を検知し、盗難発生時処理を制御するサーバ装置である。この管理サーバ5とリーダライタ4とは、例えば有線のLANケーブルによって接続される。なお、管理サーバ5とリーダライタ4との間の接続形式は、有線に限定されるものではなく、無線であってもよい。また、LAN接続に限定されるものではなく、通信が可能な通信形式であればどのように通信接続であってもよい。
【0033】
データベースサーバ8は、管理対象となる物品6…に関する情報、および、警備が行われる領域としての警備エリアに関する情報を記録するデータベースを有するサーバ装置である。このデータベースサーバ8と管理サーバ5とは、例えば有線のLANケーブルによって接続される。なお、データベースサーバ8と管理サーバ5との間の接続形式は、有線に限定されるものではなく、無線であってもよい。また、LAN接続に限定されるものではなく、通信が可能な通信形式であればどのように通信接続であってもよい。
【0034】
防犯カメラ9…は、警備エリア内の複数箇所に配置される防犯カメラである。各防犯カメラ9は、例えば有線または無線のLANによって管理サーバ5と接続される。なお、防犯カメラ9と管理サーバ5との間の接続形式は、LAN接続に限定されるものではなく、通信が可能な通信形式であればどのように通信接続であってもよい。各防犯カメラ9は、パンニング機能および/またはズーミング機能を有していてもよい。管理サーバ5は、防犯カメラ9の撮像動作を制御するとともに、防犯カメラ9において撮影された映像データを防犯カメラ9から受信する。
【0035】
警報装置10…は、警備エリア内の複数箇所に配置される警報装置である。各警報装置10は、例えば有線または無線のLANによって管理サーバ5と接続される。なお、警報装置10と管理サーバ5との間の接続形式は、LAN接続に限定されるものではなく、通信が可能な通信形式であればどのように通信接続であってもよい。警報装置10の種類としては、例えば警報音や警報音声を発生する音声発生装置、警報に関する情報や画像を表示する表示装置などが挙げられる。
【0036】
なお、図2においては、管理サーバ5に対して1つのリーダライタ4が接続されているが、複数のリーダライタ4が管理サーバ5に対して接続されていてもよい。この場合、複数のRFIDタグ2…から各リーダライタ4が情報を収集し、各リーダライタ4から管理サーバ5が各物品6…の情報を収集することによって、管理サーバ5は全ての物品6…の管理を行うことが可能となる。
【0037】
また、各リーダライタ4に複数のアンテナ3…が接続されており、各アンテナ3で受信された信号が集約的にリーダライタ4に送信されて、リーダライタ4において処理が行われるようになっていてもよい。
【0038】
(リーダライタの構成)
次に、リーダライタ4の構成について図3を参照しながら説明する。同図に示すように、リーダライタ4は、送信処理部11、受信処理部12、通信制御部13、位置測定部14、および外部通信部15を備えた構成となっている。
【0039】
送信処理部11は、アンテナ3から送信される送信信号の変調、増幅などの処理を行うブロックである。また、受信処理部12は、アンテナ3において受信された受信信号の増幅、復調などの処理を行うブロックである。
【0040】
通信制御部13は、通信対象となるRFIDタグ2に対して、アンテナ3を介して情報の読み出しおよび/または書き込み制御を行うブロックである。
【0041】
位置測定部14は、RFIDタグ2から受信した受信信号に基づいて、該RFIDタグ2の位置を測定するブロックである。詳細は後述するが、RFIDタグ2の位置の測定としては、アンテナ3とRFIDタグ2との距離の測定、アンテナ3から見た際のRFIDタグ2の方向の測定、および、RFIDタグ2の空間的な位置の測定などが挙げられる。
【0042】
外部通信部15は、リーダライタ4において読み出されたRFIDタグ2の読み出し情報、および、該RFIDタグ2の位置情報を管理サーバ5に対して送信する処理、および、管理サーバ5からのRFIDタグ2に対する書き込み情報を受信する処理を行うブロックである。
【0043】
(管理サーバおよびデータベースサーバの構成)
次に、管理サーバ5およびデータベースサーバ8の構成について、図1を参照しながら以下に説明する。管理サーバ5は、通信処理部21、制御部22、表示部23、および入力部24を備えた構成となっている。
【0044】
通信処理部21は、管理サーバ5における通信インターフェースとして機能するものであり、LAN回線を介してリーダライタ4およびデータベースサーバ8との通信処理を行うものである。
【0045】
表示部23は、管理サーバ5における動作や処理内容を表示するものである。この表示部23は、例えば液晶表示装置など、既存の各種ディスプレイ装置によって構成される。
【0046】
入力部24は、管理サーバ5に対するオペレータによる指示入力を受け付けるものである。この入力部24は、例えばキーボードや、マウスなどのポインティング装置などによって構成される。
【0047】
制御部22は、管理サーバ5における各種情報処理動作を行うブロックであり、警報装置制御部31、防犯カメラ制御部(撮影制御部)32、データベース制御部33、警備処理制御部34、および位置判定部35を備えている。
【0048】
データベース制御部33は、データベースサーバ8に対する情報の書き込み処理および読み出し処理を制御する。位置判定部35は、物品6が指定エリア(詳細は後述する)の外へ移動したか否かを判定する。物品6が指定エリアの外へ移動したと判定された場合に、該物品6が盗難されたと判断される。
【0049】
警備処理制御部34は、位置判定部35において物品6が指定エリアの外へ移動したことが判定され、盗難が発生したことが検知された場合に、盗難発生時処理として警報装置制御部31および防犯カメラ制御部32に対して動作開始指示を行う。
【0050】
防犯カメラ制御部32は、盗難発生時処理として、防犯カメラ9…の動作を制御する。防犯カメラ9…に対する撮影制御信号は、通信処理部21を介してLAN回線を通じて各防犯カメラ9に伝送される。この防犯カメラ制御処理の詳細については後述する。
【0051】
警報装置制御部31は、盗難発生時処理として、警報装置10…の動作を制御する。警報装置10…に対する警報制御信号は、通信処理部21を介してLAN回線を通じて各防犯カメラ9に伝送される。この警報装置制御処理の詳細については後述する。
【0052】
なお、図示はしていないが、管理サーバ5には、管理サーバ5における処理を行う上で必要とされるデータを格納する記録装置が備えられている。この記録装置は、例えばハードディスクなど既存の各種情報記録装置によって構成される。
【0053】
データベースサーバ8は、警備システム1において管理すべきデータを統括的に格納・管理するサーバ装置であり、通信処理部41、制御部42、および情報記録部43を備えた構成となっている。
【0054】
通信処理部41は、データベースサーバ8における通信インターフェースとして機能するものであり、LAN回線を介してデータベースサーバ8との通信処理を行うものである。なお、本実施形態では、データベースサーバ8は、管理サーバ5によって情報の書き込みおよび読み出しが行われるようになっているが、管理サーバ5以外のサーバ装置や通信端末によっても情報の書き込みおよび読み出しが行われるようになっていてもよい。
【0055】
制御部42は、データベースサーバ8における各種情報処理動作を行うブロックであり、特に、情報記録部43に対する情報の書き込みおよび読み出し制御を行う。
【0056】
情報記録部43は、各種情報を格納する情報記録装置によって構成され、物品情報格納部51、警備エリア情報格納部52、および撮影データ格納部53を備えている。
【0057】
物品情報格納部51は、警備システム1において管理されている物品6…に関する情報を格納している。警備エリア情報格納部52は、警備エリアに配置されている防犯カメラ9…、および警報装置10…に関する情報、警備エリア内の通路や各種設備に関する情報などを格納している。撮影データ格納部53は、防犯カメラ9…によって撮影された撮影データを格納している。この物品情報格納部51、警備エリア情報格納部52、および撮影データ格納部53に格納される情報の詳細については後述する。
【0058】
なお、図示はしていないが、データベースサーバ8には、動作や処理内容を表示する表示部や、オペレータによる指示入力を受け付ける入力部が設けられていても良い。
【0059】
本実施形態では、上記のように、管理サーバ5とデータベースサーバ8とが別の装置として設けられているが、管理サーバ5が、データベースサーバ8の機能を含んでいる構成としてもよい。この場合、管理サーバ5内に情報記録部43が設けられ、データベース制御部33が直接情報記録部43を制御する構成となる。
【0060】
(警備エリアの例)
ここで、本実施形態における警備システム1における警備エリアの一例について図4を参照しながら説明する。警備エリアは、前記したように、警備が行われる領域であり、リーダライタ4は、警備エリア内に存在するRFIDタグ2と通信が可能となっている。言い換えれば、リーダライタ4の通信可能エリアが警備エリアとなっている。
【0061】
警備エリアの内部には、指定エリアが設けられている。指定エリアは、例えば店舗の内部領域に相当する領域であり、許可されていない状態でも、商品としての物品6が移動することが許される領域である。すなわち、許可されていない状態で指定エリアの外部に商品としての物品6が持ち出された場合には、盗難が発生したと見なされることになる。
【0062】
図4に示す例では、例えばビルの1つのフロア全体が警備エリアに設定されており、そのフロアの一部に設けられる店舗領域が指定エリアに設定されている。指定エリアには2つの出入口EX1・EX2が設けられており、警備エリアには3つの出入口EX3・EX4・EX5が設けられている。出入口EX1・EX2と出入口EX3・EX4・EX5とは、通路によってつながれている。
【0063】
指定エリア内には、防犯カメラ9A〜9D、および警報装置10A・10Bが設けられている。また、指定エリア外、警備エリア内には、防犯カメラ9E〜9L、および警報装置10C〜10Eが設けられている。指定エリア内の防犯カメラ9A〜9Dは、主に店舗内の状況を撮影する用途で用いられる。一方、指定エリア外の防犯カメラ9E〜9Lは、盗難発生時に、犯人の逃走経路において犯人を撮影する用途で用いられる。
【0064】
また、指定エリア内には、精算レジRG1〜RG3が設けられている。利用客が精算レジRG1〜RG3のいずれかにおいて精算を行うと、店員によって精算済の物品6からRFIDタグ2が取り外される、または、RFIDタグ2に精算済フラグが書込まれる処理が行われる。これにより、精算済の物品6は警備の対象外となる。
【0065】
なお、図4においては図示していないが、アンテナ3は、警備エリア内に存在するRFIDタグ2と通信が可能となるように設置される。ここで、必要に応じて、アンテナ3が警備エリア内において複数箇所に設置されてもよい。また、アンテナ3は、例えば、防犯カメラ9…近傍、または、出入口EX近傍に設置してもよい。
【0066】
以上のような警備エリア内の情報が警備エリア情報格納部52に格納される。すなわち、警備エリア情報格納部52には、警備エリア内に配置されている各防犯カメラ9の位置情報、各警報装置10の位置情報、指定エリアの位置情報、出入口の位置情報、および通路の位置情報などが格納される。また、警備エリア情報格納部52には、各防犯カメラ9の撮影能力情報が格納される。撮影能力情報としては、パンニング可能範囲情報、ズーム可能範囲情報などが挙げられる。
【0067】
なお、図4に示した例では、警備エリアが連続した1つの空間内に存在しているが、警備エリアが互いに離れた複数の空間に存在していてもよい。例えば、警備エリアが複数のフロアに分離しているような場合も想定できる。
【0068】
(物品情報格納部の詳細)
次に、物品情報格納部51に記録される情報について説明する。図5は、物品情報格納部51に記録される情報の一例を示している。同図に示すように、物品情報格納部51に記録される情報の項目としては、各RFIDタグ2のID情報、対応する物品6の物品名情報、該当物品の盗難が発生していることを示す盗難発生フラグ、該当RFIDタグ2の現在位置情報、および、該当RFIDタグ2の位置履歴情報となる所定時間前の位置情報がある。
【0069】
ID情報は、各RFIDタグ2に固有のID情報である。物品名情報は、各RFIDタグ2に対応付けられている物品6の物品名に関する情報である。これらのID情報および物品名情報は、RFIDタグ2からの読み出し情報に含まれる情報である。
【0070】
現在位置情報は、対応する物品6の現在位置を示す情報である。同図に示す例では、現在位置情報として、警備エリア内の2次元座標を示す情報が格納されている。なお、現在位置情報としては、上記のような2次元座標情報に限らず、該当物品の現在位置情報を認識することが可能な情報であればどのような位置情報であってもよい。例えば、警備エリア内を複数のブロックに分割し、現在位置情報として、そのブロック番号を記録してもよい。また、必要に応じて、3次元座標情報であってもよい。
【0071】
所定時間前の位置情報は、対応する物品6の過去の位置情報を示す情報である。同図に示す例では、50msec前、100msec前、150msec前、…というように、50msec毎の位置情報が記録されている。すなわち、この例では、50msec毎に各RFIDタグ2の現在位置情報の取得が行われ、これが履歴として物品情報格納部51に格納されていることになる。なお、この過去の位置情報は、所定の時間前までの情報を記憶しておき、それ以前の位置情報は順次削除していくことになる。
【0072】
盗難発生フラグは、対応する物品6が盗難されていることを示すフラグである。この盗難発生フラグは、該当物品6の現在位置情報が指定エリア外となった時点で「1」というフラグが立てられることになる。同図に示す例では、ID情報が「0002」、物品名情報が「bbb」となっている物品6が盗難されたものとして、盗難発生フラグが立てられている。
【0073】
なお、物品情報格納部51には、上記の情報に限らず、各物品6の管理を行う上で必要とされるその他の情報が格納されていてもよい。このような情報としては、例えば、各物品6の製造日情報、納品日情報、陳列開始日情報、陳列棚情報、使用期限・賞味期限情報などが挙げられる。
【0074】
(警備処理の流れ)
次に、本実施形態に係る警備システム1が行う警備処理の流れについて図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0075】
警備システム1の動作が開始されると、まずステップ1(以降、S1のように称する)において、管理サーバ5は、各RFIDタグ2の現在位置情報を取得する。詳しく説明すると、リーダライタ4は、通信制御部13の制御に基づいて、所定の間隔で通信可能範囲エリア内に存在するRFIDタグ2…と通信を行う。そして、リーダライタ4における位置測定部14が、各RFIDタグ2からの受信信号に基づいて、該RFIDタグの位置を測定し、この位置測定結果が外部通信部15によって管理サーバ5に送られる。これにより、管理サーバ5は、各RFIDタグ2に対応付けられた各物品6の現在位置情報を取得する。
【0076】
管理サーバ5では、リーダライタ4から各RFIDタグ2の現在位置情報が通信処理部21において受信されると、これらがデータベース制御部33に伝送される。データベース制御部33は、各RFIDタグ2の現在位置情報を受信すると、これらをデータベースサーバ8における情報記録部43の物品情報格納部51に記録するように制御を行う(S2)。具体的には、データベース制御部33は、各RFIDタグ2の現在位置情報を通信処理部21を介してデータベースサーバ8に送信する。データベースサーバ8では、制御部42は、通信処理部41を介して各RFIDタグ2の現在位置情報を受信すると、これを情報記録部43の物品情報格納部51に記録する。
【0077】
次に、位置判定部35が、物品情報格納部51に格納されている各物品6の現在位置情報を取得するとともに、警備エリア情報格納部52に格納されている指定エリア情報を取得する。そして、位置判定部35は、指定エリアの外に存在する物品6があるか否かを判定する(S3)。S3においてNO、すなわち、指定エリアの外に存在する物品6がないと判定された場合には、S5からの処理に移行する。
【0078】
一方、S3においてYES、すなわち、指定エリアの外に存在する物品6が検出された場合には、その物品6は盗難された物品であると認識され、位置判定部35は、物品情報格納部51に対して、その物品6に対する盗難発生フラグにフラグを立てるように指示を行う。その後、S4において盗難発生時処理が行われる。この盗難発生時処理としては、防犯カメラ9の動作を制御する防犯カメラ制御処理、および警報装置10の動作を制御する警報装置制御処理が挙げられる。防犯カメラ制御処理および警報装置制御処理の詳細については後述する。なお、盗難発生時処理としては、上記の防犯カメラ制御処理および警報装置制御処理の両方が行われてもよいし、どちらか一方のみが行われてもよい。また、さらに他の処理、例えば警察への通報処理や警備会社への通報処理などが行われるようになっていてもよい。
【0079】
その後、S5において、警備システム1の動作終了指示がなされたか否かが確認され、動作終了指示がなされていなければS1からの処理が繰り返される。一方、動作終了指示がなされた場合には、警備システム1の動作が終了する。なお、動作終了指示は、例えば管理サーバ5における入力部24からオペレータによって動作終了指示入力がなされることによって行われるようになっていればよい。
【0080】
(防犯カメラ制御処理)
次に、盗難発生時処理の1つとしての防犯カメラ制御処理について、図7に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。位置判定部35において盗難物品の発生が検知されると、その情報が警備処理制御部34に伝送される。警備処理制御部34は、盗難物品の発生が通知されると、防犯カメラ制御部32に対して、防犯カメラ9…の制御開始指示を行う。
【0081】
防犯カメラ制御部32は、警備処理制御部34から防犯カメラ9…の制御開始指示を受信すると、まず、データベース制御部33を介して情報記録部43にアクセスし、物品情報格納部51から盗難発生フラグが立っている物品6に関する現在位置情報および所定時間前の位置情報を取得する(S11)。
【0082】
次に、S12において、取得した現在位置情報が警備エリア内であるか否かが判定される。警備エリア外であると判定された場合(S12においてNO)には、防犯カメラ9による撮影は不可能となるので、防犯カメラ制御処理は終了する。なお、警備エリア外となった場合、RFIDタグ2との通信が不可能となることもありうるので、S12のステップは、S11によって現在位置情報の取得が失敗した場合の検知を行うステップでもある。
【0083】
一方、警備エリア内であると判定された場合(S12においてYES)、防犯カメラ制御部32は、該当物品6に関する現在位置情報および所定時間前の位置情報に基づいて、該当物品6の移動方向を推定する(S13)。この移動方向の推定は、次のように行われる。まず、防犯カメラ制御部32は、データベース制御部33を介して情報記録部43にアクセスし、警備エリア情報格納部52に格納されている警備エリア情報を取得する。そして、盗難された物品6に関する現在位置情報および所定時間前の位置情報と、警備エリア情報とに基づいて、盗難された物品6の移動方向を推定する。
【0084】
例えば図4に示す例において、現在位置情報として取得された位置がCP1であり、所定時間前の位置情報の履歴を示す線がHP1であるとすると、警備エリア情報によって示される通路の形状情報を考慮すれば、移動方向は図中矢印AR1の方向になることが推定される。また、図4において、物品6を所持した犯人がT字路を曲がってCP2の位置に移動した場合にも、位置情報の履歴を示すHP2を考慮するとともに、通路の形状を考慮することによって、移動方向は図中矢印AR2の方向になることが推定される。
【0085】
以上のように物品6の移動方向が推定されると、次に、防犯カメラ制御部32は、撮影動作を行うべき防犯カメラ9を特定する(S14)。具体的には、動作すべき防犯カメラ9は次のように特定される。まず、物品6の移動方向を中心として、左右90度以内に設置されている防犯カメラ9…が警備エリア情報に基づいて抽出される。なお、上記の例では、物品6の移動方向を中心として、左右90度以内に設置されている防犯カメラ9…が抽出されるようになっているが、角度は90度に限定されるものではなく、物品6の移動方向に対して前方に位置する防犯カメラ9…が抽出される角度であればよい。
【0086】
そして、抽出された防犯カメラ9…を、物品6に対する距離が近い順にソートし、最も近い位置に設置されている防犯カメラ9によって該物品6の撮影を行うことが可能であるかが判定される。撮影が可能であれば、その防犯カメラ9を動作すべき防犯カメラ9として設定し、撮影が不可能であれば、次に近い位置に設置されている防犯カメラ9によって該物品6の撮影を行うことが可能であるかが判定される。これを繰り返すことによって動作すべき防犯カメラ9が設定される。
【0087】
ここで、物品6の撮影を行うことが不可能である場合とは、例えば通路形状によって物品6が死角になる場合、距離が遠すぎて撮影したとしても有効な画像が得られないことが予想される場合、該当防犯カメラ9のパンニング可能範囲外となる場合などが挙げられる。この撮影可能距離、およびパンニング可能範囲に関しては、警備エリア情報格納部52に格納されている撮影能力情報に基づいて判断される。
【0088】
なお、フローチャート中には示していないが、どの防犯カメラ9によっても撮影が不可能であると判定された場合には、その時点では防犯カメラ9による撮影ができないものと判断され、S11からの処理に戻る。
【0089】
動作すべき防犯カメラ9が特定されると、防犯カメラ制御部32は、特定された防犯カメラ9に対して、通信処理部21からLANを介して撮影制御信号を送信する(S15)。ここでの撮影制御は次のように行われる。まず、物品6と防犯カメラ9との相対位置関係に基づいて、防犯カメラ9による撮影方向、およびズーム距離が算出される。この算出された撮影方向およびズーム距離となるように、防犯カメラ9によるパンニング制御量、ズーム制御量が算出され、これに基づいて撮影制御信号が生成される。
【0090】
このような撮影制御信号を防犯カメラ9が受信すると、これに従って防犯カメラ9が撮影動作を行う。その後、撮影データが防犯カメラ9からLANを介して通信処理部21において受信されると、防犯カメラ制御部32は、該撮影データをデータベースサーバ8の情報記録部43における撮影データ格納部53に格納するように指示を行う(S16)。データベースサーバ8における制御部42は、受信した撮影データを、盗難された物品名情報、RFIDタグ2情報、撮影日時情報、および撮影場所情報の少なくともいずれか1つを含めて、撮影データ格納部53に格納する。これにより、盗難された物品6を所持して逃走している犯人の撮影データおよび盗難に関する情報を記録することが可能となる。なお、撮影データは、動画形式のデータであってもよいし、静止画形式のデータであってもよい。その後、S11からの処理に戻る。
【0091】
以上の処理によれば、盗難された物品6の位置に基づいて撮影を行うべき防犯カメラ9が特定され、撮影が行われるので、該物品6を保持して逃走している犯人の撮影を的確に行うことが可能となる。また、盗難された物品6の移動方向を推定し、移動方向前方にある防犯カメラ9によって該物品6の撮影が行われることになるので、該物品6を保持して逃走している犯人をほぼ正面から撮影した撮影画像を得ることができる。よって、犯人の人相などを的確に把握することが可能な撮影画像を提供することが可能となる。さらに、物品6の現在位置に基づいて、防犯カメラ9による撮影方向、ズーム距離に関する制御が行われるので、例えば犯人の画像が、撮影画像の中心付近に適切な大きさとなった状態での撮影画像を得ることが可能となる。
【0092】
また、以上の処理によれば、警備エリア内に物品6がある限り、防犯カメラ9による撮影が継続することになるので、例えば複数犯の場合に、一人の犯人が物品6をとって逃走した後に、他の犯人に物品6を受け渡して逃走する、というような行為を行った場合にも、各犯人の画像を全て撮影することが可能となるので、全ての犯人に対する証拠画像を提供することが可能となる。
【0093】
なお、上記の処理では、S12において警備エリアの外である判定された場合に、防犯カメラ制御処理が終了するようになっている。ここで、前記したように、警備エリアが互いに離れた複数の空間に存在するような場合であり、犯人が一度警備エリアを出た後に、再度警備エリアに入ってくるような場合でも、上記の処理によればこれに対応することが可能である。すなわち、犯人が一度警備エリアを出た場合、防犯カメラ制御処理は一旦終了するが、再度警備エリアに入ってきた際には、図6におけるS3において、犯人が所持している物品6が再度検知されることになるので、盗難発生時処理として、防犯カメラ制御処理が再度行われることになる。したがって、例えば警備エリアが複数のフロアに分かれている場合に、例えば二階において検知された犯人が、二階から一階へ移動する間に警備エリアから外れた場合でも、一階に移動後、再度犯人を検知することが可能となる。
【0094】
(警報装置制御処理)
次に、盗難発生時処理の1つとしての警報装置制御処理について、図8に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。位置判定部35において盗難物品の発生が検知されると、その情報が警備処理制御部34に伝送される。警備処理制御部34は、盗難物品の発生が通知されると、警報装置制御部31に対して、警報装置10…の制御開始指示を行う。
【0095】
警報装置制御部31は、警備処理制御部34から警報装置10…の制御開始指示を受信すると、まず、データベース制御部33を介して情報記録部43にアクセスし、物品情報格納部51から盗難発生フラグが立っている物品6に関する現在位置情報および所定時間前の位置情報を取得する(S21)。
【0096】
次に、S22において、取得した現在位置情報が警備エリア内であるか否かが判定される。警備エリア外であると判定された場合(S22においてNO)には、警報装置10による警報処理が不要となるので、警報装置制御処理は終了する。なお、警備エリア外となった場合、RFIDタグ2との通信が不可能となることもありうるので、S22のステップは、S21によって現在位置情報の取得が失敗した場合の検知を行うステップでもある。
【0097】
一方、警備エリア内であると判定された場合(S22においてYES)、警報装置制御部31は、該当物品6に関する現在位置情報および所定時間前の位置情報に基づいて、該当物品6の移動方向を推定する(S23)。この移動方向の推定は、前記した図7におけるS13の処理と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0098】
物品6の移動方向が推定されると、次に、警報装置制御部31は、警報動作を行うべき警報装置10を特定する(S24)。具体的には、動作すべき警報装置10は次のように特定される。まず、物品6の移動方向と警備エリア情報とに基づいて、逃走経路の推定が行われる。そして、推定された逃走経路に配置されている警報装置10が特定される。なお、逃走経路が複数推定される場合には、全ての逃走経路に配置されている警報装置10が特定されるようにしてもよい。
【0099】
動作すべき警報装置10が特定されると、警報装置制御部31は、特定された警報装置10に対して、通信処理部21からLANを介して警報制御信号を送信する(S25)。警報制御信号は、警報装置10の機能に応じて適宜選択される。例えば警報装置10が警報音や警報音声を発生する音声発生装置の場合には、警報音の発生制御、警報音声の内容指示などが行われる。また、例えば警報装置10が警報に関する情報や画像を表示する表示装置である場合には、表示すべき情報や画像データを送信する処理などが行われる。このような警報制御信号を警報装置10が受信すると、これに従って警報装置10が警報動作を行う。その後、S21からの処理に戻る。
【0100】
以上の処理によれば、盗難された物品6の位置に基づいて警報を行うべき警報装置10が特定され、警報が行われるので、該物品6を保持して逃走している犯人に対しての警報を的確に行うことが可能となる。また、盗難された物品6の移動方向を推定し、推定逃走経路に配置されている警報装置10によって警報が行われることになるので、必要最低限の警報を行うことが可能となる。よって、関係のない箇所で無意味に警報が行われることを防止することが可能となる。
【0101】
なお、未精算の物品6を持った人物が指定エリアを出ようとすることを、物品6の位置、移動方向、および移動速度に基づいて推定し、該人物が指定エリアを出る直前で、出入り口付近に設置された警報装置で、精算レジにて精算することを促す表示、音声指示をしてもよい。その時に、複数の精算レジの中から、最も近い精算レジの位置、または、待ち行列の少ない精算レジの位置を案内するようにしても良い。
【0102】
(管理サーバおよびデータベースサーバの別の構成)
次に、盗難が発生した時に、警備員に対して通報を行うことを可能とするシステムについて説明する。図9は、この場合の管理サーバ5の構成およびデータベースサーバ8の構成を示している。
【0103】
同図に示す構成において、図1に示した構成との相違点は次の点である。まず、管理サーバ5に関しては、通報処理部25がさらに設けられているとともに、制御部22において、警備員通報部36がさらに設けられている。また、データベースサーバ8に関しては、情報記録部43において、警備員データ格納部54がさらに設けられている。その他の点については、前記した構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0104】
警備員通報部36は、警備処理制御部34が盗難発生を検知し、該警備処理制御部34から動作開始指示を受信すると、盗難発生時処理として、盗難物品の位置情報などを警備員に対して通報する処理を制御する。通報処理部25は、警備員通報部36による指示に基づいて、警備員が所持する携帯端末に通報する処理を行う。この警備員通報処理の詳細については後述する。
【0105】
警備員データ格納部54は、各警備員が所持する携帯端末に関する情報を格納する。この情報としては、携帯端末が携帯電話機である場合にはその電話番号、携帯端末のメールアドレス、などが挙げられるが、各携帯端末を特定し、通報を行うことを可能とする情報であればどのような情報であってもよい。
【0106】
(警備員通報処理)
次に、図9に示す構成において、盗難発生時処理の1つとして行われる警備員通報処理について、図10に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。位置判定部35において盗難物品の発生が検知されると、その情報が警備処理制御部34に伝送される。警備処理制御部34は、盗難物品の発生が通知されると、警備員通報部36に対して警備員通報開始指示を行う。
【0107】
警備員通報部36は、警備処理制御部34から警備員通報開始指示を受信すると、まず、データベース制御部33を介して情報記録部43にアクセスし、物品情報格納部51から盗難発生フラグが立っている物品6に関する現在位置情報および所定時間前の位置情報を取得する(S31)。
【0108】
次に、S32において、取得した現在位置情報が警備エリア内であるか否かが判定される。警備エリア外であると判定された場合(S32においてNO)には、警備員通報処理が不要となるので、警備員通報処理は終了する。なお、警備エリア外となった場合、RFIDタグ2との通信が不可能となることもありうるので、S32のステップは、S31によって現在位置情報の取得が失敗した場合の検知を行うステップでもある。
【0109】
一方、警備エリア内であると判定された場合(S32においてYES)、警備員通報部36は、該当物品6に関する現在位置情報および所定時間前の位置情報に基づいて、該当物品6の移動方向を推定する。この移動方向の推定は、前記した図7におけるS13の処理と同様であるので、ここではその説明を省略する。物品6の移動方向が推定されると、警備員通報部36は、物品6の移動方向と警備エリア情報とに基づいて、逃走経路の推定を行う(S33)。
【0110】
その後、警備員通報部36は、情報記録部43における警備員データ格納部54から警備員の通報先データを読み出し、各警備員に対して、推定された逃走経路の情報を通報するように通報処理部25を制御する。通報処理部25は、この制御に従って各警備員が所持している携帯電話機などの携帯端末に逃走経路情報を送信する(S34)。その後、S31からの処理に戻る。
【0111】
なお、通報処理部25は、警備員が所持する携帯端末に対して電話をかけ、合成音声などによって逃走経路情報を通知してもよいし、電子メール形式で逃走経路情報を通知してもよい。電子メール形式の場合、添付データとして、犯人の顔画像、盗難物品画像、犯人の現在位置や、推定逃走経路や推定逃走出入口に関する図のデータを送信するようにしてもよい。
【0112】
また、その他の無線通信媒体を利用して警備員が所持する携帯端末に逃走経路情報を通知してもよい。
【0113】
以上の処理によれば、盗難された物品6の位置に基づいて犯人の逃走経路が判定され、その逃走経路情報が警備員に対して通報されるので、警備員による犯人の捕獲の可能性を高めることが可能となる。
【0114】
なお、各警備員にRFIDタグ2を所持させることによって各警備員の現在位置を把握し、犯人に最も近い警備員に対してのみ逃走経路情報の通知を行うようにしてもよい。また、上記の例では、各警備員に対して逃走経路情報を通知するようにしていたが、単に盗難された物品6の位置情報のみを通知するようにしてもよい。
【0115】
(盗難発生時撮影画像の記録処理)
図4に示したように、指定エリア内にも複数の防犯カメラ9…が設置されている場合、次のように盗難発生時撮影画像が記録されるようにすることも可能である。
【0116】
まず、基本的に、指定エリア内に配置されている複数の防犯カメラ9…は、常時撮影動作を行っているものとする。この撮影データは、常に情報記録部43における撮影データ格納部53に格納される。この撮影データは、一定時間が経過すると、情報記録部43の記憶容量確保のために順次削除されることになる。
【0117】
ここで、図6に示すS3において盗難発生が検出されると、その旨がデータベース制御部33に通知される。データベース制御部33は、盗難発生検知通知を受信すると、盗難発生検知から所定時間前(例えば30秒前など)からの撮影データを保存するように、データベースサーバ8に対して指示を行う。これにより、物品6が犯人によって盗難された瞬間の撮影データを確実に残すことが可能となる。なお、この盗難発生時の撮影データを記録する際にも、盗難された物品名情報、RFIDタグ2情報、撮影日時情報、および撮影場所情報の少なくともいずれか1つを含めて、撮影データ格納部53に格納するようにすればよい。これにより、盗難発生時の撮影データと盗難に関する情報とをひも付けて記録することが可能となる。
【0118】
(盗難発生時撮影画像の記録処理の別の例)
また、指定エリア内に配置されている防犯カメラ9…による撮影開始を次のように制御してもよい。図11は、盗難発生時撮影処理の流れを示すフローチャートである。なお、この盗難発生時撮影処理は、図6に示す警備処理の流れと同時進行で行われることになる。
【0119】
まず、S41において、管理サーバ5は、各RFIDタグ2の現在位置情報を取得する。詳しく説明すると、リーダライタ4は、通信制御部13の制御に基づいて、所定の間隔で通信可能範囲エリア内に存在するRFIDタグ2…と通信を行う。そして、リーダライタ4における位置測定部14が、各RFIDタグ2からの受信信号に基づいて、該RFIDタグの位置を測定し、この位置測定結果が外部通信部15によって管理サーバ5に送られる。これにより、管理サーバ5は、各RFIDタグ2に対応付けられた各物品6の現在位置情報を取得する。
【0120】
管理サーバ5では、リーダライタ4から各RFIDタグ2の現在位置情報が通信処理部21において受信されると、これらがデータベース制御部33に伝送される。データベース制御部33は、各RFIDタグ2の現在位置情報を受信すると、これらをデータベースサーバ8における情報記録部43の物品情報格納部51に記録するように制御を行う(S42)。
【0121】
次に、位置判定部35が、物品情報格納部51に格納されている各物品6の現在位置情報と、所定時間前の位置情報とを取得する。そして、位置判定部35は、位置が移動している物品6があるか否かを判定する(S43)。S43においてNO、すなわち、位置が移動している物品6がないと判定された場合には、S47からの処理に移行する。
【0122】
一方、S43においてYES、すなわち、位置が移動している物品6があると判定された場合には、S44において撮影処理が開始される。詳しく説明すると、物品6は基本的には陳列されている状態では位置が変化しないものである。そして、物品6の位置が移動する場合とは、例えば顧客が該当物品6を購入しようとして手に取った場合、店員が該当物品6の位置を変える場合、および、該当物品6が盗難される場合が考えられる。上記の処理では、以上の全ての場合に撮影が開始されることになる。すなわち、盗難発生時以外にも撮影が開始されることになるが、盗難発生時の瞬間の撮影も行うことが可能となる。
【0123】
ここでの撮影処理は、位置が移動した物品6の位置情報に基づいて、その物品6の撮影が行われるように防犯カメラ制御部32が撮影制御(パンニング制御、ズーム制御など)を行うことによって行われる。したがって、盗難発生時の瞬間の撮影画像を適切に取得することが可能となるので、盗難の状況証拠などとして有効な撮影画像を提供することが可能となる。撮影データは、情報記録部43における撮影データ格納部53に格納される。
【0124】
その後、S45において、物品6の移動が停止したことが確認されると、S46において撮影停止処理が行われる。そして、S47において、警備システム1の動作終了指示がなされたか否かが確認され、動作終了指示がなされていなければS41からの処理が繰り返される。一方、動作終了指示がなされた場合には、警備システム1の動作が終了する。
【0125】
なお、S44において撮影された撮影データは、上記したように、盗難とは関係ない画像データも多く含まれていることになる。よって、これらの撮影データは、一定時間が経過すると、情報記録部43の記憶容量確保の目的、および、個人情報保護という観点から盗難に無関係な利用客情報/画像は残さないという目的で順次削除されることになる。
【0126】
そして、図6に示す警備処理において、実際に盗難が発生したことが確認されると、一時的に格納されている撮影データの中から、該当盗難に関連する撮影データが抽出され、証拠データとして利用されることになる。
【0127】
また、上記の例では、物品6の位置が変化した場合に撮影を開始するようになっているが、管理サーバ5が、各RFIDタグ2からの電波強度に関する情報もリーダライタ4から受信するようにしておき、この電波強度が変化した場合に撮影を開始するようにしてもよい。例えば複数犯の場合、盗難の状況をまわりの人に見せないように、盗難対象物品6のまわりを複数の人間が取り囲むことがありうる。このような場合、該当物品6のRFIDタグ2からの電波強度は変化することになるので、この時点からの撮影が可能となる。
【0128】
(撮影画像による顔認識)
次に、撮影データ格納部53に格納されている撮影データに基づいて、不審な人物を事前に検知する構成について説明する。例えば実際に盗難は発生しなかったが、不審な行動をとった人物が存在した場合を想定する。この場合でも、上記のように物品6の移動を検知した時点で撮影を行っておくことによって、不審な人物の撮影データを記録しておくことが可能となる。ここで、例えばオペレータによる指示により、不審な人物の撮影データを撮影データ格納部53に不審人物撮影データとして別に格納し、一定時間後に削除されないようにしておく。
【0129】
このように不審人物撮影データを格納しておくとともに、指定エリアに入ってきた人物を撮影できるように防犯カメラ9を設置しておくようにする。そして、指定エリアに入ってきた人物の撮影データと、撮影データ格納部53に格納しておいた不審人物撮影データとを照合し、顔認識処理を行うことによって同一人物であると判定された場合に、その旨を例えば警備員に通知することによって、不審人物に対する警戒を高めるように警備を行うことが可能となる。
【0130】
また、犯人が途中で物品6を放棄、あるいはRFIDタグ2のみを剥がして物品6のみを持ち去ろうとしても対応できるように、次のような処理を行ってもよい。まず、物品6を持った犯人撮影画像より顔画像部分を抽出し、撮影データ格納部53に格納する。その後、常時撮影中の防犯カメラ9…による撮影画像の中から、上記顔画像と一致する人物を抽出し、該人物を犯人と認識して、該犯人の現在位置を認識する。このことにより、犯人が複数の場合でも、全ての犯人を個別に追尾することが可能となる。
【0131】
(RFIDタグに警報装置を設ける場合)
次に、RFIDタグ2に警報装置10の機能を設ける場合について説明する。図15は、物品6に、RFIDタグ2とともに、警報装置10として制御部10Xおよび音声出力部10Yを設けた場合の警備システム1の構成を示している。図2に示す構成との相違点は、物品6の構成のみであり、その他の構成は同様である。
【0132】
制御部10Xは、RFIDタグ2がリーダライタ4から音声出力指示信号を受けた場合に、その指示をRFIDタグ2から受け、これに基づいて音声出力部10Yを制御する。音声出力部10Yは、制御部10Xの指示に基づいて音声を出力するものであり、例えばアンプ部およびスピーカーなどによって構成される。
【0133】
以上の構成において、前記した警報装置制御処理は次のように行われる。図8に示すフローチャートにおいて、S24では動作すべき警報装置10…が警報装置制御部31によって特定される。ここで、警報装置制御部31は、動作すべき警報装置10として、さらに、盗難された物品6に設けられている警報装置10をさらに特定する。そして、S25において、警報装置制御部31は、警報制御信号として、盗難された物品6に対応するRFIDタグ2に対して音声出力を行う指示信号を、通信処理部21を介してリーダライタ4に対して送信する。リーダライタ4は、受信した指示信号に基づいて、RF信号によって該当RFIDタグ2に対して音声出力指示を送信する。これにより、物品6に設けられている音声出力部10Yによって警報音の出力がなされる。
【0134】
このような構成によれば、盗難された物品6自体からも警報音が鳴ることになるので、犯人に対して有効な威嚇を行うことが可能となる。すなわち、犯人は、警報音が鳴っている物品6を手放して逃走する、というような行動に出ることも予想され、物品6の盗難を阻止することも期待できる。
【0135】
(距離測定に関する構成)
次に、上記リーダライタ4において、RFIDタグ2と当該リーダライタ4との距離を測定するための構成の一例について図12を参照しながら説明する。同図に示すように、送信処理部11は、周波数調整部としてのPLL(Phase Locked Loop)部11A、変調部11B、および電力増幅部11Cを備えている。また、受信処理部12は、増幅部12A、および、周波数変換部12Bを備えている。また、通信制御部13は、周波数制御部13A、送信制御部13B、および受信制御部13Cを備えている。また、位置測定部14は、位相情報取得部14A、距離算出部14B、および位置特定部14Cを備えている。
【0136】
送信処理部11において、PLL部11Aは、アンテナ3から送信される送信信号の搬送周波数を設定するブロックであり、PLL回路によって構成される。変調部11Bは、PLL部11Aによって生成された搬送信号に変調を加えて送信信号にデータを重畳させる処理を行う。
【0137】
本実施形態においては、変調部11Bは、ASK(Amplitude Shift Keying)変調によって送信信号を生成する。なお、送信信号の変調方式としては、上記のASK変調に限定されるものではなく、FSK(Frequency Shift Keying)変調、PSK(Phase Shift Keying)変調など、その他のデジタル変調方式を採用してもよい。電力増幅部11Cは、送信信号の増幅を行うブロックである。
【0138】
受信処理部12において、増幅部12Aは、アンテナ3において受信された受信信号の増幅を行うブロックである。周波数変換部12Bは、増幅部12Aにおいて増幅された受信信号の周波数を変換して、より低周波の信号に変換する処理を行うブロックである。
【0139】
通信制御部13において、周波数制御部13Aは、PLL部11Aによって設定される搬送信号の周波数を制御するブロックである。送信制御部13Bは、変調部11Bに対して、送信信号を変調すべきデータを入力するブロックである。受信制御部13Cは、位置特定部14Cによって特定された位置情報を受信する処理を行うブロックである。
【0140】
位置測定部14において、位相情報取得部14Aは、周波数変換部12Bによって周波数変換された受信信号の位相を検出し、これを位相情報として取得するブロックである。距離算出部14Bは、位相情報取得部14Aによって取得された位相情報に基づいて、該当RFIDタグ2とアンテナ3との距離を算出するブロックである。
【0141】
位置特定部14Cは、距離算出部14Bによって算出された距離に基づいて、該当RFIDタグ2の載置位置を特定するブロックである。例えばアンテナ3が複数設けられている場合、距離算出部14Bによって各アンテナ3とRFIDタグ2との距離がそれぞれ算出されることになる。この場合、位置特定部14Cは、複数の距離情報に基づいて、RFIDタグ2の位置を2次元座標(距離が2種類の場合)または3次元座標(距離が3種類以上の場合)として特定することができる。そして、この特定されたRFIDタグ2の座標によって、位置特定部14Cは、該当RFIDタグ2が警備エリア内のどこに位置しているかを特定することが可能である。このようにして特定されたRFIDタグ2の位置情報が、受信制御部13Cを介して外部通信部15に伝送され、管理サーバ5へ伝送される。
【0142】
なお、上記の例では、複数の距離情報に基づいてRFIDタグ2の座標を特定しているが、これに限定されるものではなく、アンテナ3から見た際のRFIDタグ2の存在位置方向を検出することによって、距離情報と組み合わせてRFIDタグ2の座標を特定するようになっていてもよい。
【0143】
また、上記の例では、リーダライタ4側に位置特定部14Cが設けられる構成となっているが、この位置特定部が管理サーバ5側に設けられる構成となっていてもよい。すなわち、距離算出部14Bによって算出された距離情報がそのまま外部通信部15から管理サーバ5に伝送され、管理サーバ5内に設けられる位置特定部によって位置特定処理が行われる構成であってもよい。さらに、位置測定部14自体がリーダライタ4側ではなく、管理サーバ5側に設けられる構成となっていてもよい。
【0144】
(距離測定の詳細)
上記の距離算出部14Bにおける距離の算出方法の一例について、図13(a)〜図13(c)、および図14を参照して説明する。
【0145】
本実施形態では、リーダライタ4がRFIDタグ2に対してR/W要求信号(要求信号)を送信し、RFIDタグ2がこれに応じてタグ応答信号を返信するようになっている。この様子を図13(a)に示す。
【0146】
リーダライタ4は、常に特定の信号を送信している一方、RFIDタグ2に対してタグ応答信号を送信することを要求する時に、図13(b)に示すように、タグ応答信号の返信を要求するR/W要求信号を送信する。
【0147】
すなわち、リーダライタ4における送信制御部13Bは、定常状態では定常状態を示すデータを送信するように変調部11Bを制御し、タグ応答信号を要求する際には、R/W要求信号を構成するデータを送信するように変調部11Bを制御する。
【0148】
RFIDタグ2は、常にリーダライタ4から送られてくる信号を監視し、R/W要求信号を受信したことを検知すると、それに応答する形でタグ応答信号を送信する。
【0149】
タグ応答信号は、図13(c)に示すように、プリアンブル部とデータ部とによって構成されている。プリアンブル部は、タグ応答信号の始まりを示すデータを示しており、同一規格(例えばISO/IEC 180000−6)内であれば、全てのRFIDタグ2に共通の所定のデータとなっている。データ部は、プリアンブル部に引き続いて送信されるものであり、RFIDタグ2から送信される実質的な情報を示すデータを示している。このデータ部に含まれる情報としては、例えば各RFIDタグ2に固有のID情報などが挙げられるが、RFIDタグ2から送信すべき情報、例えばRFIDタグ2内の記憶部に格納されている各種情報などを含んでいてもよい。
【0150】
そして、リーダライタ4は、R/W要求信号を2回送信するとともに、各R/W要求信号の送信における搬送周波数を互いに異ならせている。すなわち、リーダライタ4における周波数制御部13Aは、1回目のR/W要求信号の送信時には、第1の周波数fで搬送信号を出力するようにPLL部11Aを制御し、2回目のR/W要求信号の送信時には、第1の周波数fとは異なる第2の周波数fで搬送信号を出力するようにPLL部11Aを制御する。この状態を、図14に示す。
【0151】
同図に示すように、第1の周波数fで送信されたR/W要求信号をRFIDタグ2が受信すると、同じく第1の周波数fでタグ応答信号が返信される。そして、リーダライタ4では、位相情報取得部14Aが受信したタグ応答信号のプリアンブル部を解析することによって、タグ応答信号の位相の変化を示すφを検出する。同様に、第2の周波数fで送信されたR/W要求信号をRFIDタグ2が受信すると、同じく第2の周波数fでタグ応答信号が返信される。そして、リーダライタ4では、位相情報取得部14Aが受信したタグ応答信号のプリアンブル部を解析することによって、タグ応答信号の位相の変化を示すφを検出する。
【0152】
なお、上記の例では、タグ応答信号の位相の変化は、プリアンブル部を解析することによって検出するようになっているが、これに限定されるものではなく、データ部をも含めて位相の変化を検出してもよいし、データ部において位相の変化を検出してもよい。ただし、変調方式がPSKである場合には、内容が変化しうるデータ部に基づいて、距離に伴う位相の変化を検出することは困難となるので、内容が固定であるプリアンブル部において位相の変化を検出することが好ましい。
【0153】
また、上記リーダライタ4は、この位相の変化の検出を、本実施形態では50msecごとに行うように設定されている。すなわち、上記リーダライタ4は、50msec間隔でRFIDタグ2に対してR/W要求信号を2回送信するようになっている。なお、この位相の変化の検出のタイミングは50msec間隔に限定されるものではなくもっと短い時間間隔であってもよいし、さらに長い時間間隔であてもよい。物品の移動速度に応じて適切に決められることが好ましい。
【0154】
また、この位相の変化の検出時に、本実施形態ではRFIDタグ2に記憶されている物品に関する物品情報も取得するように構成されているが、物品情報の取得はこの位相の変化の検出とは異なるタイミングで行われてもよい。
【0155】
以上のようにして、位相情報取得部14Aが位相の変化φおよびφを検出すると、この位相の変化の情報が距離算出部14Bに伝送される。距離算出部14Bは、φおよびφに基づいて、RFIDタグ2とアンテナ3との距離を以下のように算出する。
【0156】
まず、アンテナ3からRFIDタグ2までの距離を距離rとすると、第1の周波数fおよび第2の周波数fによって搬送される信号が往復2rの距離を伝搬することによって生じる位相の変化φおよびφは、次の式で表される。
【0157】
【数1】

【0158】
上式において、cは光速を表している。上記の2つの式に基づいて、距離rは、次の式で求められる。
【0159】
【数2】

【0160】
以上のようにして、位相の変化φおよびφに基づいて、アンテナ3からRFIDタグ2までの距離rを求めることができる。なお、RFIDタグ2において、R/W要求信号を受信してからタグ応答信号を送信する間に、位相のずれが生じることが予想されるが、この位相のずれは、第1の周波数fおよび第2の周波数fによって搬送される信号のどちらにおいても同じ量となる。よって、RFIDタグ2における信号の送受信時に生じる位相のずれは、上記の距離の算出に影響を与えることはない。
【0161】
また、上記したように、リーダライタ4は、RFIDタグ2に対して50msec間隔でR/W要求信号を2回送信する構成である。このため、リーダライタ4は、RFIDタグ2と自装置との間の距離を50msecごとに測定することができる。
【0162】
なお、数2において、Δφが2π以上となっている場合には、距離rを的確に算出することができない。すなわち、測定可能な距離rの最大値rmaxは、Δφ=2πの時であり、次の式で表される。
【0163】
【数3】

【0164】
ここで、例えば第1の周波数fと第2の周波数fとの差を5MHzとした場合、数3より最大距離rmaxは30mとなる。また、同様に、第1の周波数fと第2の周波数fとの差を2MHzとした場合、数3より最大距離rmaxは75mとなる。UHF帯を利用した場合では、想定される最大通信距離は10m程度であるので、上記のような測定は実用上問題がないことがわかる。
【0165】
なお、上記の最大距離rmax以上の測定が必要となる場合は、例えば受信信号の受信強度の測定を併用することによって、距離rの測定を行うことが可能である。
【0166】
具体的には、Δφが2π以上となる可能性がある場合、距離rの候補r’は、r’=r+n・rmax(nは0以上の整数)となる。よって、受信信号の受信強度は、距離rが長くなる程小さくなることを利用することによって、上記のnの値を特定することが可能となる。
【0167】
なお、上記した「距離測定に関する構成」および「距離測定の詳細」に示す測定方法はアンテナ3とRFIDタグ2との距離を測定するための一例であって、本実施の形態に係るリーダライタ4の構成はこれに限定されるものではない。すなわち、上記リーダライタ4は、アンテナ3とRFIDタグ2との間の距離を、RFIDタグ2から受信した信号から測定することができる構成であればよい。
【0168】
また、アクティブタイプのRFIDタグを用いる場合には、リーダライタ4側からR/W要求信号を送信せずに、RFIDタグ側から能動的に送られるタグ応答信号に基づいて、距離の測定を行うようになっていてもよい。
【0169】
(ソフトウェアによる実現)
なお、上記リーダライタ4が備える通信制御部13、位置測定部14、および外部通信部15、ならびに、管理サーバ5が備える制御部22に含まれる各機能ブロックは、ハードウェアロジックによって構成されていてもよいし、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより実現する構成となっていてもよい。
【0170】
CPUなどの演算手段および記憶手段によって上記の各構成を構成する場合、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行することによって、上記リーダライタ4が備える通信制御部13、位置測定部14、および外部通信部15、ならびに、管理サーバ5が備える制御部22に含まれる各機能ブロックの各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
【0171】
この記録媒体としては、コンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0172】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0173】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0174】
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【0175】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明に係る撮影制御装置は、例えば店舗などにおいて、商品としての物品の盗難を検知し、盗難発生時にしかるべき処理を行う警備システムが備える管理サーバとして適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の一実施形態に係る警備システムが備える管理サーバおよびデータベースサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記警備システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】上記警備システムが備えるリーダライタの概略構成を示すブロック図である。
【図4】警備エリアの具体例を示す図である。
【図5】物品情報格納部に記録される情報の一例を示す図である。
【図6】警備処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】防犯カメラ制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】警報装置制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】警備員に対して通報を行うことを可能とする場合の管理サーバおよびデータベースサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図10】警備員通報処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】盗難発生時撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】リーダライタの構成例を示すブロック図である。
【図13】同図(a)は、リーダライタとRFIDタグとの間でR/W要求信号およびタグ応答信号の送受信が行われる状態を示す図であり、同図(b)は、R/W要求信号の送信状態を示す図であり、同図(c)は、タグ応答信号の送信状態を示す図である。
【図14】2つの異なる周波数によるR/W要求信号およびタグ応答信号の送受信が行われた際の位相の変化を示す図である。
【図15】物品に、RFIDタグとともに、警報装置として制御部および音声出力部を設けた場合の警備システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0178】
1 警備システム
2 RFIDタグ
3 アンテナ
4 リーダライタ
5 管理サーバ
6 物品
8 データベースサーバ
9 防犯カメラ(撮影装置)
10 警報装置
10X 制御部
10Y 音声出力部
11 送信処理部
12 受信処理部
13 通信制御部
14 位置測定部
15 外部通信部
21 通信処理部
22 制御部
23 表示部
24 入力部
25 通報処理部
31 警報装置制御部
32 防犯カメラ制御部(撮影制御部)
33 データベース制御部
34 警備処理制御部
35 位置判定部
36 警備員通報部
41 通信処理部
42 制御部
43 情報記録部
51 物品情報格納部
52 警備エリア情報格納部
53 撮影データ格納部
54 警備員データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグと無線通信を行うことによって該RFIDタグの位置を測定することが可能なタグ通信装置から、RFIDタグの位置情報を受信する通信処理部と、
上記通信処理部において受信されたRFIDタグの位置情報をデータベースに記録するデータベース制御部と、
複数箇所に配置されている撮影装置の撮影動作を制御する撮影制御部とを備え、
上記撮影制御部が、上記データベースに記録されているRFIDタグの位置情報の履歴に基づいて、該RFIDタグの移動方向を推定するとともに、上記複数の撮影装置の配置位置情報を記録するデータベースから該配置位置情報を読み出し、上記RFIDタグの位置情報および上記移動方向に基づいて、該RFIDタグを含む領域の撮影を行うべき撮影装置を特定し、特定した撮影装置に対して撮影動作制御を行うことを特徴とする撮影制御装置。
【請求項2】
上記通信処理部において位置情報が受信されたRFIDタグが、所定の領域の外にあるか否かを判定する位置判定部をさらに備え、
上記位置判定部によって、上記所定の領域の外にRFIDタグが位置すると判定した場合に、上記撮影制御部が、該RFIDタグに対する撮影制御を行うことを特徴とする請求項1記載の撮影制御装置。
【請求項3】
上記撮影制御部が、上記RFIDタグの位置情報および撮影を行うべき撮影装置の配置位置情報に基づいて、該撮影装置に対してパンニング制御指示および/またはズーム制御指示を行うことを特徴とする請求項1記載の撮影制御装置。
【請求項4】
複数箇所に配置されている警報装置の警報動作を制御する警報装置制御部をさらに備え、
上記警報装置制御部が、上記データベースに記録されているRFIDタグの位置情報の履歴に基づいて、該RFIDタグの移動方向を推定するとともに、上記複数の警報装置の配置位置情報を記録するデータベースから該配置位置情報を読み出し、上記RFIDタグの位置情報および上記移動方向に基づいて、動作すべき警報装置を特定し、特定した警報装置に対して警報動作制御を行うとともに、
上記位置判定部によって、上記所定の領域の外にRFIDタグが位置すると判定した場合に、上記警報装置制御部が、上記警報動作制御を行うことを特徴とする請求項2記載の撮影制御装置。
【請求項5】
RFIDタグと無線通信を行うことによって該RFIDタグの位置を測定することが可能なタグ通信装置から、RFIDタグの位置情報を受信する位置情報受信ステップと、
上記通信処理部において受信されたRFIDタグの位置情報をデータベースに記録する記録ステップと、
複数箇所に配置されている撮影装置の撮影動作を制御する撮影制御ステップとを有し、
上記撮影制御ステップにおいて、上記データベースに記録されているRFIDタグの位置情報の履歴に基づいて、該RFIDタグの移動方向を推定するとともに、上記複数の撮影装置の配置位置情報を記録するデータベースから該配置位置情報を読み出し、上記RFIDタグの位置情報および上記移動方向に基づいて、該RFIDタグを含む領域の撮影を行うべき撮影装置を特定し、特定した撮影装置に対して撮影動作制御を行うことを特徴とする撮影制御方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮影制御装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各部として機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の撮影制御装置の制御プログラムを記録したコンピュータの読取り可能な記録媒体。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮影制御装置と、
上記通信処理部において受信されたRFIDタグの位置情報、および、上記複数の撮影装置の配置位置情報を記録するデータベースとを備えることを特徴とする撮影制御システム。
【請求項9】
請求項8記載の撮影制御システムと、
RFIDタグと無線通信を行うことによって該RFIDタグの位置を測定するタグ通信装置とを備えることを特徴とする情報処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−318313(P2006−318313A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141869(P2005−141869)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】