説明

殺虫剤としてのN−(ヘテロ)アリールインドール誘導体

本発明は、一般式(I)


の化合物(式中、R、R、R、R、R、R、A、X、m及びnは、請求項1に記載の意味を有する。)、及び場合によってはその鏡像異性体に関する。これらの活性成分は、有利な殺虫性を有する。これらの活性成分は、温血動物及び植物に付いた寄生生物の防除に特に適切である。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、次式の新しいN−アリールインドール化合物、生産用温血家畜、家庭内の動物、及び植物に付いた外寄生生物、特にマダニ及びノミの防除におけるその製造及び使用、並びにこれらの化合物の少なくとも1種類を含む殺虫剤に関する。
【0002】
【化4】

式中、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、非置換C−C−アルキル、(ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、N−ベンジルアミノ又はN−ピリジルメチルアミノで置換された)C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、NHCOR、NHCOOR、COR、COOR、CONR、C−C−アルキル−シリル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールアルキルオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換アリールアルキルチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ヒドロキシル−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、COR、COOR、CONR、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールアルキルオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールチオであり、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールチオ置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、又は2個のR基はこれらが結合している環原子と一緒に、(窒素、硫黄若しくは酸素からなる群から選択される1若しくは2個の追加のヘテロ原子、又は1個のカルボニル基を含んでいてもよく、ハロゲン、CN、NO、ヒドロキシ、C−C−アルキル及びC−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択される1から4個の置換基で置換されていてもよい)5から6原子の脂肪族環を形成し、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシメチル、非置換フェノキシメチル、フェニル部分においてハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル又はC−C−アルコキシで置換されたフェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキルメチル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、COR、COOR、CONR、CSNR、C−C−アルキル−シリル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、COR、COOR、ピペロニル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、フェニルC−C−アルキニル、C−C−シクロアルキルC−C−アルキニル、C−C−アルキルチオメチル、ヒドロキシメチル、C−C−アルコキシメチル、N原子が非置換であるアミノメチル、N原子がC−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ベンジル、非置換フェニル、ハロゲン−、ハロ−C−C−アルキル−若しくはハロ−C−C−アルコキシ−置換フェニル、非置換ピリジルメチル、又はハロゲン−、ハロ−C−C−アルキル−若しくはハロ−C−C−アルコキシ−置換ピリジルメチルで一置換又は二置換されたアミノメチル、C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルメチル(式中、シクロアルキルの1から3個の炭素原子は、NH、N(C−C−アルキル)、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子で置換されていてもよい。)、シアノ、COR、COOR、ピペロニル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、ハロC−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
又はRとRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、(窒素、硫黄若しくは酸素からなる群から選択される追加の1個のヘテロ原子、又は1個のカルボニル基を含んでいてもよく、ハロゲン、CN、NO、ヒドロキシ、C−C−アルキル及びC−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択される1から4個の置換基で置換されていてもよい)3から6原子の脂肪族環を形成し、
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、COR、COOR、CONR、SF、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールチオであり、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールチオ置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素、非置換若しくは置換C−C−アルキル、非置換若しくは置換C−C−アルコキシC−C−アルキル、非置換若しくは置換C−C−アルケニル、非置換若しくは置換C−C−アルキニル、非置換若しくは置換C−C−シクロアルキル(各場合において、置換基は、ハロゲン、シアノ、NO、C−C−アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から互いに独立に選択される。);非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル(アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択される。)であり、
AはO、S、SO又はSOであり、
XはC又はNであり、
mは0、1、2、3又は4であり、
nは1、2、3、4又は5であって、
ただし、XがCである場合には、nは1よりも大きい。
【0003】
置換N−アリールインドール化合物は、例えば、ナトリウムチャネル阻害剤、ドパミン受容体拮抗物質、抗うつ剤又は抗炎症剤として薬剤活性を示すことが知られている。驚くべきことに、この化合物クラスのある種の誘導体が、特に生産用家畜、家庭内の動物、及び植物に付いた外寄生生物に対して、優れた殺虫性を有することが今回見出された。
【0004】
上記及び下記において使用する一般用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する。
【0005】
(基それ自体として、また、他の基及び化合物、例えばハロゲンアルキル、アルコキシ及びアルキルチオの構造上の要素として)アルキルは、各場合において当該の基又は化合物中の特定の数の炭素原子を十分に考慮して、直鎖、すなわちメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル若しくはヘキシル、又は分枝、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル若しくはイソヘキシル、好ましくは直鎖若しくは分枝C−C−アルキル、特にC−C−アルキルである。
【0006】
(基それ自体として、また、他の基及び化合物の構造上の要素として)アルケニルは、各場合において当該の基又は化合物中の特定の数の炭素原子、及び共役又は孤立二重結合を十分に考慮して、直鎖、例えば、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル、1−ヘキセニル若しくは1,3−ヘキサジエニル、又は分枝、例えば、イソプロペニル、イソブテニル、イソプレニル、tert−ペンテニル若しくはイソヘキセニルである。
【0007】
(基それ自体として、また、他の基及び化合物の構造上の要素として)アルキニルは、各場合において当該の基又は化合物中の特定の数の炭素原子、及び共役又は孤立二重結合を十分に考慮して、直鎖、例えば、プロパルギル、2−ブチニル(butinyl)、3−ペンチニル(pentinyl)、1−ヘキシニル(hexinyl)、1−ヘプチニル(heptinyl)若しくは3−ヘキセン−1−イニル(inyl)、又は分枝、例えば、3−メチルブタ−1−イニル、4−エチルペンタ−1−イニル若しくは4−メチルヘキサ−2−イニルである。
【0008】
(基それ自体として、また、シクロアルキルメチルなどの他の基及び化合物の構造上の要素として)シクロアルキルは、各場合において当該の基又は化合物中の特定の数の炭素原子を十分に考慮して、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル、特にシクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0009】
炭素原子がヘテロ原子で置換されたC−C−シクロアルキルの例は、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、N−メチル−若しくはN−エチルピペラジニル、テトラヒドロフラニル又はジオキソラニル、特にモルホリニル及びN−メチル−又はN−エチルピペラジニルである。
【0010】
(基それ自体として、また、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオなどの他の基及び化合物の構造上の要素として)ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特にフッ素、塩素又は臭素、特にフッ素又は塩素である。
【0011】
ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオなどのハロゲン置換炭素含有基及び化合物は、部分ハロゲン化又は過ハロゲン化することができ、それによって複数のハロゲン化の場合には、ハロゲン置換基は同一でも、異なっていてもよい。(基それ自体として、また、ハロゲン−アルコキシ、ハロゲン−アルキルチオなどの他の基及び化合物の構造上の要素として)ハロゲン−アルキルの例は、CHF、CFなど、フッ素、塩素及び/又は臭素で一置換から三置換されたメチル;CHCF、CFCF、CFCCl、CFCHCl、CFCHF、CFCFCl、CFCHBr、CFCHClF、CFCHBrF又はCClFCHClFなど、フッ素、塩素及び/又は臭素で一置換から五置換されたエチル;CHCHBrCHBr、CFCHFCF、CHCFCF、CH(CFなど、フッ素、塩素及び/又は臭素で一置換から七置換されたプロピル又はイソプロピル;CF(CF)CHFCF、CH(CFCFなど、フッ素、塩素及び/又は臭素で一置換から九置換されたブチル又はその異性体の1つ;CF(CF)(CHF)CF、CH(CFCFなど、フッ素、塩素及び/又は臭素で1回から11回置換されたペンチル又はその異性体の1つ;並びに(CHCHBrCHBr、CF(CHF)CF、CH(CFCF、C(CF(CHF)CFなど、フッ素、塩素及び/又は臭素で1回から13回置換されたヘキシル又はその異性体の1つである。
【0012】
(基それ自体として、また、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアミノなどの他の基及び化合物の構造上の要素として)アリールは、例えば、非置換フェニル、一置換から五置換されたフェニル、非置換ナフチル、又は一置換から七置換されたナフチル、特に非置換フェニル又は置換フェニルである。
【0013】
基それ自体として、また、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアリールアミノなどの他の基及び化合物の構造上の要素として、ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジル、s−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、チエニル、フラニル、ピリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、インドリル又はインダゾリル、好ましくはピリジル、ピリミジル、ピリル、イミダゾリル又はフラニル、特にピリジル又はピリミジルのような基であるが、これらだけに限定されない。
【0014】
アリールアルキルは、アルキルとアリールという用語の組合せ、例えばベンジルとみなされる。
【0015】
ヘテロアリールアルキルは、アルキルとヘテロアリールという用語の組合せとみなされる。
【0016】
アルコキシ基は、好ましくは1から6炭素原子、より好ましくは1から4炭素原子、特に1又は2炭素原子の鎖長を有する。アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシ、並びに異性体ペンチルオキシ及びヘキシルオキシ、好ましくはメトキシ及びエトキシである。ハロアルコキシ基は、好ましくは、1から6炭素原子の鎖長を有する。ハロアルコキシは、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ及び2,2,2−トリクロロエトキシ、好ましくはジフルオロメトキシ、2−クロロエトキシ及びトリフルオロメトキシである。
【0017】
アルキルチオ基は、好ましくは、1から6炭素原子の鎖長を有する。アルキルチオは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ又はtert−ブチルチオ、好ましくはメチルチオ及びエチルチオである。
【0018】
本発明の範囲内の好ましい実施形態は以下のとおりである。
【0019】
1. Rが、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、NHCOR、NHCOOR、COR、COOR、CONR、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールアルキルオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換アリールアルキルチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、COR、COOR、CONR、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールアルキルオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールチオであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキルメチル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、COR、COOR、CONR、CSNR、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH2、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
が、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、COR、COOR、ピペロニル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、COR、COOR、ピペロニル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、COR、COOR、CONR、SF、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールチオであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
及びRが互いに独立に、水素、非置換若しくは置換C−C−アルキル、非置換若しくは置換C−C−アルケニル、非置換若しくは置換C−C−アルキニル、非置換若しくは置換C−C−シクロアルキル(各場合において、置換基は、ハロゲン、シアノ、NO、C−C−アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から互いに独立に選択される。)、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル(各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択される。)であり、
AがO、S、SO又はSOであり、
XがC又はNであり、
mが0、1、2、3又は4であり、
nが1、2、3、4又は5であって、
ただし、XがCである場合には、nは1よりも大きい、
式Iの化合物。
【0020】
2. Rが、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−アルキルカルボニル、ハロ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、NR、非置換若しくは置換フェニル、非置換若しくは置換フェニルチオ、又は非置換若しくは置換ナフチルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及びハロ−C−C−アルキルスルホニルからなる群から互いに独立に選択され、
好ましくは、水素、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、非置換若しくは置換フェニル、非置換若しくは置換フェニルチオ、又は非置換若しくは置換ナフチルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択され、
より好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、非置換若しくは置換フェニル、非置換若しくは置換フェニルチオ、又は非置換若しくは置換ナフチルであり、置換基は、ハロゲン、C−C−アルキル及びハロ−C−C−アルキルからなる群から選択され、
最も好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、非置換フェニル、ハロゲン置換フェニル、非置換フェニルチオ又は非置換ナフチルである、
式Iの化合物。
【0021】
上記意味及び好ましい形態(preference)に加えて、Rの更に好ましい意味は、(例えば、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、N−ベンジルアミノ又はN−ピリジルメチルアミノで置換された)C−C−アルキルに関する。
【0022】
したがって、特に好ましいR基の更なる群は、水素、非置換C−C−アルキル、(ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アルキルアミノ又はN−ピリジルメチルアミノ−で置換された)C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、非置換フェニル、非置換フェニルチオ、(ハロゲン ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はハロ−C−C−アルコキシで各々置換された)フェニル及びフェニルチオ、並びにナフチルを含み、更により好ましいR基は、水素、非置換C−C−アルキル、ヒドロキシル若しくはC−C−アルコキシで置換されたC−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、非置換フェニル、ハロゲン置換フェニル、フェニルチオ、及びナフチル、特に水素である。
【0023】
3. Rが、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、NR、又は非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換ベンジルオキシであり、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及びハロ−C−C−アルキルスルホニルからなる群から選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、
好ましくは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、又は非置換若しくは置換フェニル、非置換若しくは置換フェニルオキシ、非置換若しくは置換ベンジルオキシであり、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、
より好ましくは、ハロゲン、ニトロ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、又は非置換若しくは置換ベンジルオキシであり、置換基は、ハロゲン、C−C−アルキル及びC−C−アルコキシからなる群から選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、最も好ましくは、ハロゲン、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル又はベンジルオキシ;特にハロゲン、ニトロ、メチル、メトキシ、メトキシカルボニル又はベンジルオキシ、特に塩素などのハロゲン、特にフッ素である、
式Iの化合物。
【0024】
2個のR基が、これらが結合している環原子と一緒に、5から6原子の環を形成している場合には、好ましくは、この環は、O及びNからなる群から選択される1又は2個の同じ又は異なるヘテロ原子を含む、非置換5若しくは6員シクロアルキル環、又はC−C−アルキルで置換された5若しくは6員シクロアルキル環、特にジオキソラン環である。
【0025】
特に好ましいR基の更なる群は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ベンジルオキシ、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジC−C−アルキルアミノ、及びC−C−アルコキシカルボニルを含み、又は2個のR基は、これらが結合している炭素原子と一緒にジオキソラン環を形成している。
【0026】
4. Rが、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルケニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルケニルオキシカルボニル、C−C−アルキニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルキニルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノチオカルボニル、非置換若しくは置換C−C−アルキルカルボニル(置換基は、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、ハロ−C−C−アルキルカルボニルオキシ及びフェニルからなる群から選択される。);非置換若しくは置換ベンジル、非置換若しくは置換ベンゾイル、非置換若しくは置換ベンジルオキシカルボニル、又は非置換若しくは置換フェニルアミノカルボニル(各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及びハロ−C−C−アルキルスルホニルからなる群から互いに独立に選択される。)であり、
好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルケニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルケニルオキシカルボニル、C−C−アルキニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルキニルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノチオカルボニル、非置換若しくは置換C−C−アルキルカルボニル(置換基は、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ及びフェニルからなる群から選択される。);非置換若しくは置換ベンジル、非置換若しくは置換ベンゾイル、非置換若しくは置換ベンジルオキシカルボニル、又は非置換若しくは置換フェニルアミノカルボニル(各場合において、置換基は、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択される。)であり、
より好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルケニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルケニルオキシカルボニル、C−C−アルキニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルキニルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノチオカルボニル、非置換若しくは置換C−C−アルキルカルボニル(置換基は、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ及びフェニルからなる群から選択される。);非置換若しくは置換ベンジル、非置換若しくは置換ベンゾイル、非置換若しくは置換ベンジルオキシカルボニル、又は非置換若しくは置換フェニルアミノカルボニル(各場合において、置換基は、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から選択される。)であり、
最も好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルケニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルケニルオキシカルボニル、C−C−アルキニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルキニルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノチオカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル又はフェニルアミノカルボニルであり、
特に、水素、メチル、シクロプロピルメチル、2−プロペニル、メトキシカルボニル、2−プロペニルオキシカルボニル、ハロ−ビニルオキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、メチルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル又はフェニルアミノカルボニルである、
式Iの化合物。
【0027】
上記意味及び好ましい形態に加えて、Rの更に好ましい意味は、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシメチル、非置換フェノキシメチル、フェニル部分においてハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル又はC−C−アルコキシで置換されたフェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、及びCOR基(式中、Rは、非置換C−C−アルコキシC−C−アルキル、カルボキシ置換C−C−アルコキシC−C−アルキル、又はCOO−C−C−アルキルである。)に関する。この群内のRの特に好ましい意味は、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシメチル、非置換フェノキシメチル、フェニル部分においてハロゲン、ベンジルオキシメチル及びカルボキシメトキシメチルカルボニルで置換されたフェノキシメチルである。
【0028】
したがって、特に好ましいR基の更なる群は、水素;C−C−アルキル;C−C−シクロアルキルメチル;C−C−アルコキシメチル;C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシメチル;非置換ベンジル、又はハロゲン、ハロ−C−C−アルキル若しくはシアノで置換されたベンジル;非置換フェノキシメチル、非置換ベンジルオキシメチル、又はフェニル部分においてハロゲンで置換されたフェノキシメチル若しくはベンジルオキシメチル;カルボキシメトキシメチルカルボニル;RがC−C−アルキル、アセチルオキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、非置換フェニル、(ハロゲン、ハロ−C−C−アルキル又はシアノで置換された)フェニル、フェニルエチル、チエニル、又はピペロニルであるCOR基;RがC−C−アルキル、非置換フェニル、ハロゲン置換フェニル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、アミノ、又はN−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アミノであるCONHR基;RがC−C−アルキル、ベンジル、非置換C−C−アルケニル若しくはハロゲン置換C−C−アルケニルである、又はC−C−アルキニルである、C(O)OR基;及びRがC−C−アルキル、非置換フェニル、若しくは(ハロゲン、ハロ−C−C−アルキル又はC−C−アルキルで置換された)フェニル、特に水素であるC(S)NHR基を含む。
【0029】
5. Rが、非置換C−C−アルキル、置換C−C−アルキル、COOR又はハロ−C−C−アルキルであり、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から選択され、
好ましくは、非置換C−C−アルキル、置換C−C−アルキル又はハロ−C−C−アルキルであり、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシからなる群から選択され、より好ましくはC−C−アルキル又はハロ−C−C−アルキルであり、より好ましくはC−C−アルキル又はハロ−C−C−アルキルであり、最も好ましくはメチル又はハロメチルであり、特にメチル又はトリフルオロメチルである、
式Iの化合物。
【0030】
6. Rが、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、ピペロニル、COOR、非置換若しくは置換フェニル、又は非置換若しくは置換ベンジルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及びハロ−C−C−アルキルスルホニルからなる群から互いに独立に選択され、
好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、ピペロニル、非置換若しくは置換フェニル、又は非置換若しくは置換ベンジルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択され、
より好ましくは、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、エテニル、エチニル、フェニル又はベンジルであり、
最も好ましくは、メチル、ハロメチル、フェニル又はベンジルであり、
特に、メチル又はトリフルオロメチルである、
式Iの化合物。
【0031】
上記意味及び好ましい形態に加えて、Rの更に好ましい意味は、C−C−アルキルチオメチル;ヒドロキシメチル;C−C−アルコキシメチル;N原子が非置換であるアミノメチル、N原子がC−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ベンジル、非置換フェニル、ハロゲン−、ハロ−C−C−アルキル−若しくはハロ−C−C−アルコキシ−置換フェニル、非置換ピリジルメチル、又はハロゲン−、ハロ−C−C−アルキル−若しくはハロ−C−C−アルコキシ−置換ピリジルメチルで一置換又は二置換されたアミノメチル;C−C−シクロアルキルメチル(シクロアルキルの1から3個の炭素原子は、NH、N(C−C−アルキル)、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子で置換されていてもよい。);フェニル−C−C−アルキニル、特にフェニルエチニル;C−C−シクロアルキル−C−C−アルキニル、特にシクロプロピルエチニル;及びシアノに関する。
【0032】
したがって、特に好ましいR基の更なる群は、水素;C−C−アルキル;ハロ−C−C−アルキル;ヒドロキシメチル;ベンジル;C−C−シクロアルキル;C−C−アルケニル;C−C−アルキニル;フェニル−C−C−アルキニル;C−C−シクロアルキル−C−C−アルキニル;C−C−アルキルチオメチル;C−C−アルコキシメチル;N原子が非置換であるアミノメチル、N原子がC−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ベンジル、非置換フェニル、ハロゲン−、ハロ−C−C−アルキル−若しくはハロ−C−C−アルコキシ−置換フェニル、非置換ピリジルメチル、又はハロゲン置換ピリジルメチルで一置換又は二置換されたアミノメチル;N−C−C−ピペラジニルメチル;モルホリニルメチル;N−イミダゾールメチル;ピペロニル;非置換フェニル、又はハロゲン、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルコキシ若しくはハロ−C−C−アルキルチオで置換されたフェニル;シアノ;及びCOOR基(式中、Rは水素又はC−C−アルキルである。)を含む。Rの最も好ましい意味は、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル又はC−C−アルキニル、特にメチル、トリフルオロメチル、エテニル又はエチニルである。
【0033】
とRが、これらが結合している炭素原子と一緒に環を形成している場合、この環は、例えば、ピペリジニル又はN−C−C−ピペリジニル環である。
【0034】
7. Rが、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル又はハロ−C−C−アルキルスルホニル、SFであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
好ましくは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ又はハロ−C−C−アルキルチオ、SFであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
より好ましくは、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はハロ−C−C−アルコキシ、SFであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
最も好ましくは、ハロゲン、メチル、ハロメチル、メトキシ、又はハロメトキシ、SFであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
特に、ハロゲン又はトリフルオロメチルであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよい、
式Iの化合物。
【0035】
特に好ましいR基の更なる群は、C−C−アルキル、フェニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CHO、C(O)−C−C−アルキル、C(O)O−C−C−アルキル、N−モノ−及びN,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、SF並びにスルホ(SOH)を含む。Rの最も好ましい意味は、塩素、フッ素、トリフルオロメチル又はシアノ、特に塩素及びトリフルオロメチルである。
【0036】
8. AがO又はSであり、
好ましくはOである、
式Iの化合物。
【0037】
9. XがCであり、
好ましくはハロゲン置換Cである、
式Iの化合物。
【0038】
10. mが0、1、2、3又は4であり、
好ましくは0、1又は2であり、
より好ましくは0又は1である、
式Iの化合物。
【0039】
11. nが1、2、3又は4であり、
好ましくは1、2又は3であって、ただし、XがCである場合には、nは1よりも大きく、
より好ましくは2又は3であり、
最も好ましくは3である、
式Iの化合物。
【0040】
12. Rが、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−アルキルカルボニル、ハロ−C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、NR、非置換若しくは置換フェニル、非置換若しくは置換フェニルチオ、又は非置換若しくは置換ナフチルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及びハロ−C−C−アルキルスルホニルからなる群から互いに独立に選択され、
が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、NR、又は非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換ベンジルオキシであり、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及びハロ−C−C−アルキルスルホニルからなる群から選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルケニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルケニルオキシカルボニル、C−C−アルキニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルキニルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノチオカルボニル、非置換若しくは置換C−C−アルキルカルボニル(置換基は、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、ハロ−C−C−アルキルカルボニルオキシ及びフェニルからなる群から選択される。);非置換若しくは置換ベンジル、非置換若しくは置換ベンゾイル、非置換若しくは置換ベンジルオキシカルボニル、又は非置換若しくは置換フェニルアミノカルボニル(各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及びハロ−C−C−アルキルスルホニルからなる群から互いに独立に選択される。)であり、
が、非置換C−C−アルキル、置換C−C−アルキル、COOR又はハロ−C−C−アルキルであり、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から選択され、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、ピペロニル、COOR、非置換若しくは置換フェニル、又は非置換若しくは置換ベンジルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及びハロ−C−C−アルキルスルホニルからなる群から互いに独立に選択され、
が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル又はハロ−C−C−アルキルスルホニル、SFであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
AがO又はSであり、
XがCであり、
mが0、1、2、3又は4であり、
nが1、2、3又は4であって、ただし、XがCである場合には、nは1よりも大きい、
式Iの化合物。
【0041】
13. Rが、水素、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、非置換若しくは置換フェニル、非置換若しくは置換フェニルチオ、又は非置換若しくは置換ナフチルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択され、
が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、又は非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールオキシ(aryoxy)、非置換若しくは置換ベンジルオキシであり、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルケニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルケニルオキシカルボニル、C−C−アルキニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルキニルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノチオカルボニル、非置換若しくは置換C−C−アルキルカルボニル(置換基は、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ及びフェニルからなる群から選択される。);非置換若しくは置換ベンジル、非置換若しくは置換ベンゾイル、非置換若しくは置換ベンジルオキシカルボニル、又は非置換若しくは置換フェニルアミノカルボニルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択され、
が、非置換C−C−アルキル、置換C−C−アルキル又はハロ−C−C−アルキルであり、置換基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシからなる群から選択され、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、ピペロニル、非置換若しくは置換フェニル、又は非置換若しくは置換ベンジルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択され、
が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ又はハロ−C−C−アルキルチオ、SFであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
AがOであり、
Xがハロゲン置換Cであり、
mが0、1又は2であり、
nが1、2又は3であって、ただし、XがCである場合には、nは1よりも大きい、
式Iの化合物。
【0042】
14. Rが、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、非置換若しくは置換フェニル、非置換若しくは置換フェニルチオ、又は非置換若しくは置換ナフチルであり、置換基は、ハロゲン、C−C−アルキル及びハロ−C−C−アルキルからなる群から選択され、
が、ハロゲン、ニトロ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、又は非置換若しくは置換ベンジルオキシであり、置換基は、ハロゲン、C−C−アルキル及びC−C−アルコキシからなる群から選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルケニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルケニルオキシカルボニル、C−C−アルキニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルキニルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノチオカルボニル、非置換若しくは置換C−C−アルキルカルボニル(置換基は、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ及びフェニルからなる群から選択される。);非置換若しくは置換ベンジル、非置換若しくは置換ベンゾイル、非置換若しくは置換ベンジルオキシカルボニル、又は非置換若しくは置換フェニルアミノカルボニル(各場合において、置換基は、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から選択される。)であり、
が、C−C−アルキル又はハロ−C−C−アルキルであり、
が、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、エテニル、エチニル、フェニル又はベンジルであり、
が、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、又はハロ−C−C−アルコキシ、SFであって、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
AがOであり、
Xがハロゲン置換Cであり、
mが0又は1であり、
nが2又は3である、
式Iの化合物。
【0043】
15. Rが、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、非置換フェニル、ハロゲン置換フェニル、非置換フェニルチオ又は非置換ナフチルであり、
が、ハロゲン、ニトロ、メチル、メトキシ、メトキシカルボニル又はベンジルオキシであり、
が、水素、メチル、シクロプロピルメチル、2−プロペニル、メトキシカルボニル、2−プロペニルオキシカルボニル、ハロ−ビニルオキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、メチルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル又はフェニルアミノカルボニルであり、
が、メチル又はトリフルオロメチルであり、
が、メチル又はトリフルオロメチルであり、
が、ハロゲン又はトリフルオロメチルであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
AがOであり、
Xがハロゲン置換Cであり、
mが0又は1であり、
nが3である、
式Iの化合物。
【0044】
16. 次式の化合物。
【0045】
【化5】

(式中、R、R、R、R及びmは、各々上記意味及び好ましい形態が適用され、R’及びR”は独立にハロゲン又はシアノ、例えば独立にフッ素、塩素又はシアノ、特に各々塩素である。)特に好ましい実施形態は、Rが水素、非置換C−C−アルキル、又はヒドロキシル若しくはC−C−アルコキシで置換されたC−C−アルキル、特に水素であり、Rがハロゲン、特にフッ素であり、mが0又は1であり、Rが水素、C−C−アルコキシメチル又はC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシメチル、特に水素であり、Rがメチル、エテニル又はエチニル、特にメチルであり、R’及びR”が各々独立にフッ素、塩素又はシアノであり、好ましくは一方が塩素、他方が塩素、フッ素又はシアノであり、特に各々塩素である、上記式Iaの化合物に関する。
【0046】
本発明においては、表1から3に記載の式Iの化合物が特に好ましく、合成例に挙げた式Iの化合物が最も好ましい。
【0047】
本発明の別の目的は、例えば、次式の化合物
【0048】
【化6】

(式中、R、R、R、R、R、A、X、m及びnは、上で定義したとおりである。)が、場合によっては塩基触媒の存在下で、次式の化合物
−Q III
(式中、Rは、上で定義したとおりであり、Qは脱離基である。)と反応することを特徴とする、それぞれ遊離型又は塩型の式Iの化合物の調製方法である。必要に応じて、それぞれ遊離型若しくは塩型の、本方法によって、若しくは別の方法で得ることができる式Iの化合物は、式Iの別の化合物に転化することができ、本方法によって得ることができる異性体混合物は分離され、単離された所望の異性体及び/又は本方法によって得ることができる式Iの遊離化合物は塩に転化され、又は本方法によって得ることができる式Iの化合物の塩は、式Iの遊離化合物、若しくは別の塩に転化される。
【0049】
化合物Iの塩に対して上で述べたことは、上記及び下記の出発材料の塩にも同様に当てはまる。
【0050】
反応相手は、互いにそのままで、すなわち、溶媒又は希釈剤を添加せずに、例えば、溶融状態で(in the melt)反応し得る。しかし、ほとんどの場合、不活性溶媒若しくは希釈剤又はその混合物を添加することが有利である。かかる溶媒又は希釈剤の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテン、テトラクロロエテンなどの芳香族、脂肪族及び脂環式炭化水素並びにハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;及びジメチルスルホキシドなどのスルホキシドである。
【0051】
好ましい脱離基Qは、ハロゲン、特に塩素、臭素及びヨウ素である。
【0052】
反応の促進に適切な塩基は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、水素化物、アミド、アルカノラート、アセタート、カルボナート、ジアルキルアミド又はアルキルシリルアミド;アルキルアミン、アルキレンジアミン、N−アルキル化されていてもよい、不飽和でもよい、シクロアルキルアミン、塩基性複素環、水酸化アンモニウム、並びに炭素環式アミンである。例として挙げることができる塩基は、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメタノラート、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、カリウムtert−ブタノラート、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化カルシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、N−シクロヘキシル−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、キヌクリジン、N−メチルモルホリン、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム及び1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−5−エン(DBU)である。ジイソプロピルエチルアミン及び水素化ナトリウムが好ましい。
【0053】
反応は、有利には、約0℃から約100℃、好ましくは約10℃から約40℃の温度範囲で起こる。
【0054】
好ましい方法においては、式IIの化合物は、アミド、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド中で、塩基の存在下で、式IIIの化合物と室温で反応する。
【0055】
本発明の別の目的は、例えば、次式の化合物
【0056】
【化7】

(式中、R、R、R、R、X、A、m及びnは、式Iで定義したとおりである。)が、次式の化合物
−Q
(式中、Rは、上で定義したとおりであり、Qは脱離基である。)と反応することを特徴とする、それぞれ遊離型又は塩型の式IIの化合物の調製方法である。必要に応じて、それぞれ遊離型若しくは塩型の、本方法によって、若しくは別の方法で得ることができる式IIの化合物は、式IIの別の化合物に転化することができ、本方法によって得ることができる異性体混合物は分離され、単離された所望の異性体及び/又は本方法によって得ることができる式IIの遊離化合物は塩に転化され、又は本方法によって得ることができる式IIの化合物の塩は、式IIの遊離化合物、若しくは別の塩に転化される。
【0057】
反応相手は、互いにそのままで、すなわち、溶媒又は希釈剤を添加せずに、例えば、溶融状態で反応し得る。しかし、ほとんどの場合、不活性溶媒若しくは希釈剤又はその混合物を添加することが有利である。かかる溶媒又は希釈剤の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテン、テトラクロロエテンなどの芳香族、脂肪族及び脂環式炭化水素並びにハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;及びジメチルスルホキシドなどのスルホキシドである。
【0058】
好ましい脱離基Qは、MgBr、MgCl、MgI又はLi、特にMgBrである。
【0059】
反応は、有利には、約−20℃から約100℃、好ましくは約0℃から約30℃の温度範囲で起こる。
【0060】
好ましい方法においては、式IVの化合物は、エーテル、好ましくはジエチルエーテル中で、式Vの化合物と室温で反応する。
【0061】
本発明の別の目的は、例えば、次式の化合物
【0062】
【化8】

(式中、R、R、R、A及びmは、式Iで定義したとおりである。)が、場合によっては塩基触媒の存在下で、次式の化合物
【0063】
【化9】

(式中、R、X及びnは、式Iで定義したとおりであり、Qは脱離基である。)と反応することを特徴とする、それぞれ遊離型又は塩型の式IVの化合物の調製方法である。必要に応じて、それぞれ遊離型若しくは塩型の、本方法によって、若しくは別の方法で得ることができる式IVの化合物は、式IVの別の化合物に転化することができ、本方法によって得ることができる異性体混合物は分離され、単離された所望の異性体及び/又は本方法によって得ることができる式IVの遊離化合物は塩に転化され、又は本方法によって得ることができる式IVの化合物の塩は、式IVの遊離化合物、若しくは別の塩に転化される。
【0064】
式VI及びVIIの化合物は各々公知であり、又は当分野で公知の方法によって得ることができる。
【0065】
反応相手は、互いにそのままで、すなわち、溶媒又は希釈剤を添加せずに、例えば、溶融状態で反応し得る。しかし、ほとんどの場合、不活性溶媒若しくは希釈剤又はその混合物を添加することが有利である。かかる溶媒又は希釈剤の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテン、テトラクロロエテンなどの芳香族、脂肪族及び脂環式炭化水素並びにハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;及びジメチルスルホキシドなどのスルホキシドである。
【0066】
反応の促進に適切な塩基は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、水素化物、アミド、アルカノラート、アセタート、カルボナート、ジアルキルアミド又はアルキルシリルアミド;アルキルアミン、アルキレンジアミン、N−アルキル化されていてもよい、不飽和でもよい、シクロアルキルアミン、塩基性複素環、水酸化アンモニウム、並びに炭素環式アミンである。例として挙げることができる塩基は、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメタノラート、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、カリウムtert−ブタノラート、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化カルシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、N−シクロヘキシル−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、キヌクリジン、N−メチルモルホリン、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム及び1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−5−エン(DBU)である。
【0067】
好ましい脱離基Qは、ハロゲン、特にフッ素及び塩素である。
【0068】
反応は、有利には、約0℃から約150℃、好ましくは約50℃から約120℃の温度範囲で起こる。
【0069】
好ましい方法においては、式VIの化合物は、アミド、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド中で、塩基、好ましくは炭酸カリウムの存在下で、式VIIの化合物と90℃で反応する。
【0070】
式IIの化合物の代替製造方法は、次式の化合物
【0071】
【化10】

(式中、R、R、R、m及びnは上記のとおりである。)が、有機リチウム(lithium−organic)化合物、例えばn−ブチルリチウムと反応し、続いて生成した有機リチウム化合物が次式のケトンと反応することを特徴とする。
【0072】
【化11】

(式中、A、R及びRは上記のとおりである。)
【0073】
式IVaの化合物は、例えば、次式の化合物
【0074】
【化12】

(式中、R、R、R、m及びnは上記のとおりである。)を、臭素又はN−ブロモスクシンイミド(NBS)を用いて臭素化することによって得ることができる。式IVbの化合物は、次式の化合物
【0075】
【化13】

(式中、R、R及びmは上記のとおりである。)と上記式VIIの化合物との反応によって得ることができる。
【0076】
式IVbの化合物のハロゲン化反応、メタル化反応段階、及びケトンとの更なる反応は、有機化学の教科書からそれ自体公知である方法ですべて実施される。また、式VIa及びVIIIの化合物は公知であり、又は当分野で公知の方法によって得ることができる。
【0077】
式Iの化合物の更なる代替製造方法は、次式の化合物
【0078】
【化14】

(式中、A、R、R、R、R及びmは上記のとおりである。)が上記式VIIの化合物と反応して、上記式(II)の化合物を生成し、上記式(II)の化合物が上記式IIIの化合物と更に反応してもよいことを特徴とする。この一連の反応の反応条件は、上記のように適切に選択される。
【0079】
式VIbの化合物は、例えば塩化メチレン、クロロホルムなどの不活性非プロトン溶媒中で、室温で、又は室温と還流との間の高温で、場合によっては、適切な触媒の存在下で、上記式VIaの化合物と上記式VIIIの化合物のフリーデル−クラフツ型反応によって得ることができる。
【0080】
式VIbの化合物の更なる合成経路は、上記式VIaの化合物が次式の化合物
【0081】
【化15】

(式中、A及びRは上述したとおりであり、Qは脱離基、例えばハロゲンである。)と反応して、上記式VIの化合物を生成し、次いで式VIの化合物が上記式Vの化合物と更に反応することを特徴とする。
【0082】
式VIaの化合物と式IXの化合物の反応は、典型的なフリーデル クラフツアシル化反応であり、有機化学の教科書に記載のように、例えば、非プロトン性有機溶媒中で、適切な触媒の存在下で、実施される。生成した式VIの化合物と式Vの化合物の反応は、式IVとVの化合物間の反応において上述した条件下で実施される。
【0083】
化合物Iの塩は、公知の方法によって製造することができる。例えば、酸付加塩は、化合物Iから、適切な酸、又は適切なイオン交換試薬で処理することによって得ることができる。塩基との塩は、適切な塩基、又は適切なイオン交換試薬で処理することによって得ることができる。
【0084】
化合物Iの塩は、通常の手段によって、遊離化合物Iに転化することができる。例えば、酸付加塩は、適切な塩基組成物、又は適切なイオン交換試薬で処理することによって転化することができ、例えば、塩基との塩は、適切な酸、又は適切なイオン交換試薬で処理することによって転化することができる。
【0085】
化合物Iの塩は、公知の方法によって化合物Iの他の塩に転化することができる。例えば、酸付加塩は、例えば、塩酸塩などの無機酸の塩を、酸のナトリウム、バリウム、銀塩などの適切な金属塩、例えば、酢酸銀を用いて、適切な溶媒中で処理することによって、他の酸付加塩に転化することができる。生成した無機塩、例えば塩化銀は、不溶性であり、したがって反応混合物から沈殿する。
【0086】
方法及び/又は反応条件に応じて、塩形成性の化合物Iを遊離型又は塩型として得ることができる。
【0087】
化合物Iは、その水和物の形で得ることもでき、及び/又は例えば、必要に応じて、固体で存在する化合物の結晶化に用いられる他の溶媒を含むこともできる。
【0088】
化合物I及びIIは、光学異性体及び/又は幾何異性体として、又はその混合物として、存在してもよい。本発明は、純粋な異性体と可能な全異性体混合物の両方に関係し、立体化学的な詳細を例ごとに具体的に記述しない場合でも、上記及び下記でそのように理解されたい。
【0089】
本方法又は別の方法によって得ることができる、化合物I及びIIのジアステレオ異性体混合物は、それらの成分の物理的−化学的差に基づいて、公知の方法によって、例えば、分別結晶、蒸留及び/又はクロマトグラフィーによって、純粋なジアステレオ異性体に分離することができる。
【0090】
それに応じて得ることができる鏡像異性体混合物は、公知の方法によって、例えば、光学活性溶媒からの再結晶によって、鏡像異性吸着剤を備えたクロマトグラフィー、例えば、酢酸セルロース上の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、適切な微生物の助けを借りて、特異的固定化酵素を用いた切断によって、例えば鏡像異性クラウンエーテルを用いて包接化合物を形成し、それによって1種類の鏡像異性体のみを複合体することによって、純粋な異性体に分割することができる。
【0091】
本発明によれば、対応する異性体混合物の分離とは別に、一般に公知のジアステレオ選択的又はエナンチオ選択的合成方法を適用して、例えば、それに対応して適切な立体化学を有する遊離体(educt)を用いて本発明の方法を実施することによって、純粋なジアステレオ異性体又は鏡像異性体を得ることもできる。
【0092】
個々の成分が、異なる生物学的効力を有することを前提に、生物学的により活性な異性体、例えば鏡像異性体を単離又は合成することが有利である。
【0093】
本発明の方法においては、用いる出発材料及び中間体は、好ましくは、特に有用であると最初に記述した化合物Iをもたらす出発材料及び中間体である。
【0094】
本発明は、実施例に記載の調製方法に特に関係する。
【0095】
化合物Iの調製のために本発明に用いられる新しい出発材料及び中間体、並びにその使用及びその調製方法も、同様に、本発明の一目的を形成する。
【0096】
本発明による化合物Iは、その広い活性スペクトルが注目され、特に動物の内外寄生生物の防除を含めて、有害生物防除に貴重な活性成分であると同時に、温血動物、魚及び植物によって十分許容される。
【0097】
本発明においては、外寄生生物は、特に昆虫、ダニ類(ダニ及びマダニ)及び甲殻類(カイアシ(sea lice))であると理解される。外寄生生物としては、以下の順の昆虫が挙げられる:鱗し目、鞘し目、同し目、半し目、異し類、双し目、網し目、総し目、直し目、シラミ目、ノミ目、ハジラミ目、総尾目、等し目、チャタテムシ目及び膜し目。しかし、特に挙げることができる外寄生生物は、ヒト又は動物を悩まし、病原体を保有する外寄生生物、例えば、ムスカ ドメスチカ(Musca domestica)、ムスカ ベツスチシマ(Musca vetustissima)、ムスカ オータムナリス(Musca autumnalis)、ファニア カニクラリス(Fannia canicularis)、サルコファガ カルナリア(Sarcophaga carnaria)、ルシリア クプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア セリカタ(Lucilia sericata)、ハイポデルマ ボビス(Hypoderma bovis)、ハイポデルマ リネアタム(Hypoderma lineatum)、クリソミア クロロピガ(Chrysomyia chloropyga)、デルマトビア ホミニス(Dermatobia hominis)、コクリオミイア ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax)、ガステロフィラス インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)、オエストラス オビス(Oestrus ovis)などのハエ、ヘマトビア イリタンス イリタンス(Haematobia irritans irritans)、ヘマトビア イリタンス エキシグア(Haematobia irritans exigua)、ストモキシス カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、ヘマトポタ(Haematopota)種(例えば、ヘマトポタ プルビアリス(Haematopota pluvialis))及びタバヌス(Tabanus)種(例えば、タバヌス ニグロビッタタス(Tabanus nigrovittatus))などのアブ科の亜科を含むウマバエ(アブ)、クリソプス(Chrysops)種(例えば、クリソプス カエクチエンス(Chrysops caecutiens))などのメクラアブ(Chrysopsinae);メロファガス オビヌス(Melophagus ovinus)(ヒツジシラミバエ)などのシラミバエ科;グロッシニア(Glossinia)種などのツェツェバエなどのサシバエ;セラトポゴニダエ(Ceratopogonidae)(ヌカカ)、シムリイダエ(Simuliidae)(ブユ)、サイコディダエ(Psychodidae)(スナバエ)などの小昆虫のような他の刺咬昆虫;さらに、吸血昆虫、例えば、ハマダラカ属、ヤブカ属、イエカ属などの蚊、クテノセファリデス フェリス(Ctenocephalides felis)及びクテノセファリデス カニス(Ctenocephalides canis)(ネコノミ及びイヌノミ)、ゼノプシラ ケオピス(Xenopsylla cheopis)、プレクス イリタンス(Pulex irritans)、セラトフィルス ガリナエ(Ceratophylllus gallinae)、デルマトフィルス ペネトランス(Dermatophilus penetrans)などのノミ、リノグナサス(Linognathus)種、ヘマトピナス(Haematopinus)種、ソレノポテス(Solenopotes)種、ペディキュラス ヒュマニス(Pediculus humanis)などの吸血シラミ(シラミ目);さらに、ボビコーラ(Bovicola)(ダマリニア(Damalinia))オビス(ovis)、ボビコーラ(ダマリニア)ボビス(bovis)、他のボビコーラ種などのハジラミ(ハジラミ目)である。外寄生生物は、ダニ(例えば、コリオプテス ボビス(Chorioptes bovis)、ケイレチエラ(Cheyletiella)種、デルマニサス ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、デモデクス カニス(Demodex canis)、サルコプテス スカビエイ(Sarcoptes scabiei)、プソロプテス オビス(Psoroptes ovis)及びプソラーガテス(Psorergates)種、マダニなどのダニ目のメンバーも含む。公知の代表的なマダニは、例えば、ウシマダニ属、キララマダニ属、アノセンター(Anocentor)属、カクマダニ属、チマダニ属、イボマダニ属、マダニ属、リピセンター(Rhipicentor)属、マルガロプス属、コイタマダニ属、ナガヒメダニ属、オトビウス属、カズキダニ属などである。これらは、好ましくは、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどの家畜、ニワトリ、シチメンチョウ、ホロホロチョウ、ガチョウなどの家禽、ミンク、キツネ、チンチラ、ウサギなどの毛皮動物、及びネコ、イヌなどの家庭内の動物、さらに、ヒトを含めて、温血動物に寄生する。
【0098】
式Iの化合物は、衛生有害生物(hygiene pest)、特に、イエバエ科、ニクバエ科、アノフィリダエ(Anophilidae)科及びカ科の双し目、直し目、網し目(例えば、ブラテラ ゲルマニカ(Blatella germanica)、ブラッタ オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ アメリカナ(Periplaneta americana)などのゴキブリ科(ゴキブリ))、並びに膜し目(例えば、アリ科(アリ)及びスズメバチ科(スズメバチ))に対して使用することもできる。。
【0099】
化合物Iは、植物の寄生ダニ及び昆虫に対しても持続性のある効力を有する。ダニ目のハダニの場合には、化合物Iは、ハダニ科(ハダニ属及びパノニカス属)の卵、若虫及び成体に対して有効である。
【0100】
化合物Iは、同し目の吸汁性昆虫(sucking insect)に対して、特に、アブラムシ科、ウンカ科、オオヨコバイ科、キジラミ科、ロシダエ科(Loccidae)、マルカイガラムシ科及びフシダニ科(Eriophydidae)(例えば、柑橘類果実上のサビダニ);半し目、異し類及び総し目の有害生物に対して、並びに鱗し目、鞘し目、双し目及び直し目の草食昆虫に対して、高い活性を有する。
【0101】
化合物Iは、土壌中の有害生物に対する土壌殺虫剤として同様に適切である。
【0102】
したがって、式Iの化合物は、穀類、ワタ、コメ、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、野菜、果実、タバコ、ホップ、柑橘類、アボカドなどの作物上の吸汁性昆虫及び食性昆虫(eating insect)の成長の全段階に対して有効である。
【0103】
式Iの化合物は、キタネコブセンチュウ、ダイズシストセンチュウ、ネグサレセンチュウ、クキセンチュウ、ネモグリセンチュウ、ネダニ(Rizoglyphus)などの種の植物の線虫に対しても有効である。
【0104】
特に、式Iの化合物は、内部寄生性線虫及び吸虫が、ほ乳動物及び家禽、例えば、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、ロバ、イヌ、ネコ、モルモット及び外来のトリの重度疾患の原因になり得る、ぜん虫に対して有効である。この適応症の典型的な線虫は、捻転胃虫属、毛様線虫属、オステルタギア属、ネマトディルス属、クーペリア属、回虫属、ブノストヌム属、腸結節虫属(Oesophagostonum)、シャベルチア属(Charbertia)、鞭虫属、ストロンギルス属、トリコネマ属(Trichonema)、デクチオカウラス属、毛頭虫属、ヘテラキス属(Heterakis)、トキソカラ属、アスカリディア属、ギョウチュウ属、鉤虫属、ウンシナリア属、トキサスカリス属及びウマカイチュウである。吸虫としては、肝吸虫、槍形吸虫属、棘口吸虫属、特に、蛭状吸虫科、特に肝蛭が挙げられる。式Iの化合物の特別な利点は、ベンゾイミダゾール系活性成分に対して耐性のある寄生生物に対するその効力である。
【0105】
ネマトディルス属、クーペリア属及び腸結節虫属のある種の有害生物は、宿主動物の腸管に寄生し、一方、捻転胃虫属及びオステルタギア属の他の有害生物は胃に寄生し、デクチオカウラス属の有害生物は肺組織に寄生する。フィラリア属(Filariidae)及びセタリア属(Setariidae)の寄生生物は、内部細胞組織及び器官、例えば、心臓、血管、リンパ管及び皮下組織に存在し得る。特に注目すべき寄生生物は、イヌ糸条虫のディロフィラリア イミチス(Dirofilaria immitis)である。式Iの化合物は、これらの寄生生物に対して極めて有効である。
【0106】
また、式Iの化合物は、ヒト病原性寄生生物の防除に適切である。そのうち、消化管に現れる典型的代表的寄生生物は、鉤虫属、アメリカ鉤虫属、回虫属、糞線虫属、旋毛虫属、毛頭虫属、鞭虫属及びぎょう虫属の寄生生物である。本発明の化合物は、血液、組織及び種々の器官に現れるフィラリア属由来のブケレリア属、ブルギア属、オンコセルカ属及びロア糸状虫属の寄生生物に対して、また、ドラクンクルス属、並びに特に胃腸管に侵入する糞線虫属及び旋毛虫属の寄生生物に対しても有効である。
【0107】
本発明による式Iの化合物の良好な殺虫活性は、上記有害生物の少なくとも50−60%の死滅率に相当する。特に、式Iの化合物は、例外的に長い効力期間が注目される。
【0108】
式Iの化合物は、未改変形態で好ましくは使用され、又は製剤分野で従来使用されるアジュバントと一緒に好ましくは使用され、したがって公知の方法によって加工して、例えば、乳化可能な濃縮物、直接希釈可能な溶液、希薄乳濁液、可溶性粉末、顆粒、又は重合体物質中のマイクロカプセル化を得ることができる。組成物と同様に、適用方法は、所期の目的、及び一般的状況に従って選択される。
【0109】
式Iの活性成分、又はこの活性成分と他の活性成分との組合せを含み、固体若しくは液体アジュバントを含んでいてもよい、製剤、すなわち薬剤、調製物又は組成物は、それ自体公知の方法によって、例えば、活性成分を延展組成物、例えば溶媒、固体担体、及び場合によっては表面活性化合物(界面活性剤)と十分混合及び/又は粉砕することによって、製造される。
【0110】
当該溶媒は、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールエーテル、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチル又はエチルエーテルなどのグリコール並びにそのエーテル及びエステル、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセタノール(diacetanol)アルコールなどのケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの高極性溶媒、又は水、ナタネ油、ヒマシ油、ヤシ油、ダイズ油などの植物油、並びに適切であればシリコーンオイルであり得る。
【0111】
ぜん虫の防除において温血動物に使用される好ましい適用形態としては、溶液剤、乳濁液剤、懸濁液剤(水薬)、食品添加物、散剤、発泡錠剤を含めた錠剤、巨丸剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、ポアオン製剤などが挙げられ、それによって、調合賦形剤の生理学的適合性を考慮しなければならない。
【0112】
錠剤及び巨丸剤の結合剤は、デンプン、セルロース又はタンパク質誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ゼイン、ゼラチンなどのタンパク質など)、及びポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子など、水又はアルコールに可溶である化学修飾重合体天然物質であり得る。錠剤は、充填剤(例えば、デンプン、微結晶セルロース、糖、ラクトースなど)、流動化剤及び崩壊剤も含む。
【0113】
駆虫薬(anthelmintic)が飼料濃縮物の形で存在する場合、用いる担体は、例えば、パフォーマンス飼料(performance feed)、飼料用穀物又はタンパク質濃縮物である。かかる飼料濃縮物又は組成物は、活性成分とは別に、添加剤、ビタミン、抗生物質、化学療法剤又は他の殺虫剤、主に静菌剤、静真菌剤、抗コクシジウム剤、さらにはホルモン製剤、同化作用を有する物質、成長を促進する物質、食肉用動物の肉質に影響を及ぼす物質、又は生物に別の様式で有益である物質を含むことができる。組成物、又はその中に含まれる式Iの活性成分を飼料又は飲料桶に直接添加する場合、処方された飼料又は飲料は、好ましくは濃度0.0005から0.02重量%(5−200ppm)の活性成分を含む。
【0114】
本発明による式Iの化合物は、単独で、又は他の殺生物剤と組み合わせて、使用することができる。本発明による式Iの化合物は、例えば、活性を増大させるために、同じ活性領域(sphere of activity)を有する殺虫剤と組み合わせることができ、又は例えば、活性範囲(range of activity)を拡大するために、別の活性領域を有する物質と組み合わせることができる。いわゆる忌避剤を添加することも賢明であり得る。活性範囲を内部寄生生物に拡大すべき場合、例えば、駆虫剤(wormer)の場合には、式Iの化合物を、内部寄生性を有する物質と適切に組み合わせる。式Iの化合物を抗菌性組成物とも併用できることは言うまでもない。式Iの化合物は、成虫駆除剤であるので、すなわち、特に標的寄生生物の成虫期に対して有効であるので、寄生生物の幼若期を代わりに攻撃する殺虫剤の添加は極めて有利であり得る。このようにして、大きな経済的損害を与える寄生生物の最大部分を網羅する。さらに、この作用は、耐性の形成を回避するのに実質的に寄与する。多数の組合せは相乗効果ももたらし得る。すなわち、活性成分総量を削減することができ、生態学的観点から望ましい。組合せ相手の好ましい群、及び特に好ましい組合せ相手を以下に列挙する。それによって、組合せは、式Iの化合物に加えて、これらの相手の1種類以上を含み得る。
【0115】
混合物中の適切な相手は、殺生物剤、例えば、多様な活性機序を有する殺虫剤及びダニ駆除剤であり得る。これらを以下に列挙する。これらは、当業者に長年知られており、例えば、キチン合成阻害剤、成長調節物質;幼若ホルモンとして作用する活性成分;成虫駆除剤として作用する活性成分;広帯域(broad−band)殺虫剤、広帯域ダニ駆除剤及び殺線虫剤;並びに周知の駆虫薬、昆虫及び/又はダニ阻止物質、前記忌避剤又は分離剤(detacher)である。
【0116】
適切な殺虫剤及びダニ駆除剤の非限定的例:
【0117】
【表1】





【0118】
適切な駆虫薬の非限定的例を以下に列挙する。少数の代表例は、駆虫活性に加えて、殺虫及び殺ダニ活性を有し、一部は上記リストに既に記載されている。
【0119】
(A1)プラジクアンテル=2−シクロヘキシルカルボニル−4−オキソ−1,2,3,6,7,11b−ヘキサヒドロ−4H−ピラジノ[2,1−α]イソキノリン
(A2)クロサンテール=3,5−ジヨード−N−[5−クロロ−2−メチル−4−(a−シアノ−4−クロロベンジル)フェニル]サリチルアミド
(A3)トリクラベンダゾール=5−クロロ−6−(2,3−ジクロロフェノキシ)−2−メチルチオ−1H−ベンゾイミダゾール
(A4)Levamisol=L−(−)−2,3,5,6−テトラヒドロ−6−フェニルイミダゾ[2,1b]チアゾール
(A5)メベンダゾール=(5−ベンゾイル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)カルバミン酸(carbaminic acid)メチルエステル
(A6)オムファロチン(Omphalotin)=国際公開第97/20857号に記載の真菌オムファロタス オレアリウス(Omphalotus olearius)の大環状発酵産物
(A7)アバメクチン=アベルメクチンB1
(A8)イベルメクチン=22,23−ジヒドロアベルメクチンB1
(A9)モキシデクチン=5−O−デメチル−28−デオキシ−25−(1,3−ジメチル−1−ブテニル)−6,28−エポキシ−23−(メトキシイミノ)−ミルベマイシンB
(A10)ドラメクチン=25−シクロヘキシル−5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)−アベルメクチンA1a
(A11)ミルベメクチン=ミルベマイシンA3とミルベマイシンA4の混合物
(A12)ミルベマイシンオキシム=ミルベメクチンの5−オキシム
【0120】
適切な忌避剤及び脱離剤の非限定的例:
(R1)DEET(N,N−ジエチル−m−トルアミド)
(R2)KBR 3023 N−ブチル−2−オキシカルボニル−(2−ヒドロキシ)−ピペリジン
(R3)シミアゾール=N,−2,3−ジヒドロ−3−メチル−1,3−チアゾル−2−イリデン−2,4−キシリデン。
【0121】
混合物中の前記相手は、この分野の専門家に最もよく知られている。大部分は、種々の版のPesticide Manual, The British Crop Protection Council, Londonに記載されており、他は、種々の版のThe Merck Index, Merck & Co., Inc., Rahway, New Jersey, USA又は特許文献に記載されている。したがって、以下のリストは、例として見出すことができる少数の箇所に限られる。
【0122】
(I)2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド−O−メチルカルバモイルオキシム(アルジカルブ)、The Pesticide Manual, 11th Ed.(1997), The British Crop Protection Council, London, 26ページ;
(II)S−(3,4−ジヒドロ−4−オキソベンゾ[d]−[1,2,3]−トリアジン−3−イルメチル)O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(アジンホスメチル)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 67ページ;
(III)エチル−N−[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル−(メチル)アミノチオール]−N−イソプロピル−β−アラニナート(ベンフラカルブ)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 96ページ;
(IV)2−メチルビフェニル−3−イルメチル−(Z)−(1RS)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ビフェントリン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 118ページ;
(V)2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジアン(thiadiazian)−4−オン(ブプロフェジン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 157ページ;
(VI)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル−メチルカルバマート(カルボフラン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 186ページ;
(VII)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル−(ジブチルアミノチオ)メチルカルバマート(カルボスルファン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 188ページ;
(VIII)S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)−ビス(チオカルバマート)(カルタップ)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 193ページ;
(IX)1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−ウレア(クロルフルアズロン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 213ページ;
(X)O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル−ホスホロチオアート(クロルピリホス)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 235ページ;
(XI)(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル−(1RS,3RS;1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジ−メチルシクロプロパンカルボキシラート(シフルトリン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 293ページ;
(XII)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3R)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートと(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3R)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ラムダ−シハロトリン)の混合物、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 300ページ;
(XIII)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートと(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1S,3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(アルファーシペルメトリン)からなるラセミ体、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 308ページ;
(XIV)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS,−1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ゼータ−シペルメトリン)の立体異性体混合物、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 314ページ;
(XV)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1R,3R)−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(デルタメトリン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 344ページ;
(XVI)(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(ジフルベンズロン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 395ページ;
(XVII)(1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−8,9,10−トリノルボルナ−5−エン−2,3−イルエンビスメチレン)−サルファイト(エンドスルファン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 459ページ;
(XVIII)α−エチルチオ−o−トリル−メチルカルバマート(エチオフェンカルブ)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 479ページ;
(XIX)O,O−ジメチル−O−4−ニトロ−m−トリル−ホスホロチオアート(フェニトロチオン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 514ページ;
(XX)2−sec−ブチルフェニル−メチルカルバマート(フェノブカルブ)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 516ページ;
(XXI)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート(フェンバレラート)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 539ページ;
(XXII)S−[ホルミル(メチル)カルバモイルメチル]−O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(ホルモチオン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 625ページ;
(XXIII)4−メチルチオ−3,5−キシリル−メチルカルバマート(メチオカルブ)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 813ページ;
(XXIV)7−クロロビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2,6−ジエン−6−イル−ジメチルホスファート(へプテノホス)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 670ページ;
(XXV)1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(イミダクロプリド)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 706ページ;
(XXVI)2−イソプロピルフェニル−メチルカルバマート(イソプロカルブ)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 729ページ;
(XXVII)O,S−ジメチル−ホスホルアミドチオアート(メタミドホス)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 808ページ;
(XXVIII)S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミダート(メトミル)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 815ページ;
(XXIX)メチル−3−(ジメトキシホスフィノイルオキシ)ブタ−2−エノアート(メビンホス)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 844ページ;
(XXX)O,O−ジエチル−O−4−ニトロフェニル−ホスホロチオアート(パラチオン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 926ページ;
(XXXI)O,O−ジメチル−O−4−ニトロフェニル−ホスホロチオアート(パラチオンメチル)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 928ページ;
(XXXII)S−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾル−3−イルメチル−O,O−ジエチル−ホスホロジチオアート(ホサロン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 963ページ;
(XXXIII)2−ジメチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イル−ジメチルカルバマート(ピリミカルブ)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 985ページ;
(XXXIV)2−イソプロポキシフェニル−メチルカルバマート(プロポキスル)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1036ページ;
(XXXV)1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(テフルベンズロン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1158ページ;
(XXXVI)S−tert−ブチルチオメチル−O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(テルブホス)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1165ページ;
(XXXVII)エチル−(3−tert−ブチル−1−ジメチルカルバモイル−1H−1,2,4−トリアゾル−5−イル−チオ)−アセタート、(トリアザメート)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1224ページ;
(XXXVIII)アバメクチン、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 3ページ;
(XXXIX)2−sec−ブチルフェニル−メチルカルバマート(フェノブカルブ)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 516ページ;
(XL)N−tert−ブチル−N’−(4−エチルベンゾイル)−3,5−ジメチルベンゾヒドラジド(テブフェノジド)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1147ページ;
(XLI)(±)−5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−トリフルオロメチル−スルフィニルピラゾル−3−カルボニトリル(フィプロニル)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 545ページ;
(XLII)(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS;1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ベータ−シフルトリン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 295ページ;
(XLIII)(4−エトキシフェニル)−[3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン(シラフルオフェン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1105ページ;
(XLIV)tert−ブチル(E)−α−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾル−4−イル−メチレンアミノ−オキシ)−p−トルアート(フェンピロキシメート)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 530ページ;
(XLV)2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン(ピリダベン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1161ページ;
(XLVI)4−[[4−(1,1−ジメチルフェニル)フェニル]エトキシ]−キナゾリン(フェナザキン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 507ページ;
(XLVII)4−フェノキシフェニル−(RS)−2−(ピリジルオキシ)プロピル−エーテル(ピリプロキシフェン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1073ページ;
(XLVIII)5−クロロ−N−{2−[4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ]エチル}−6−エチルピリミジン−4−アミン(ピリミジフェン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1070ページ;
(XLIX)(E)−N−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン(ニテンピラム)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 880ページ;
(L)(E)−N−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N−シアノ−N−メチルアセトアミジン(NI−25、アセタミプリド)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 9ページ;
(LI)アベルメクチンB、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 3ページ;
(LII)昆虫に活性な植物抽出物、特に(2R,6aS,12aS)−1,2,6,6a,12,12a−ヘキサヒドロ(hexhydro)−2−イソプロペニル−8,9−ジメトキシ−クロメノ[3,4−b]フロ[2,3−h]クロメン−6−オン(ロテノン)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1097ページ、及びインドセンダンからの抽出物、特にアザジラクチン、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 59ページ;並びに
(LIII)昆虫に活性な線虫を含む調製物、好ましくはヘテロラブディティス バクテリオフォラ(Heterorhabditis bacteriophora)及びヘテロラブディティス メギディス(Heterorhabditis megidis)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 671ページ、スタイナーネマ フェルチエ(Steinernema feltiae)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1115ページ、及びスタイナーネマ スカプテリシ(Steinernema scapterisci)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1116ページ;
(LIV)バチルス サブチリス(Bacillus subtilis)から得ることができる調製物、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 72ページ;又はGC91若しくはNCTC11821から単離される化合物を除いたバチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)系統から得ることができる調製物;The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 73ページ;
(LV)昆虫に活性な真菌を含む調製物、好ましくはバーティシリウム レカニ(Verticillium lecanii)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1266ページ;ボーベリア ブロンニアティ(Beauveria brogniartii)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 85ページ、及びボーベリア バッシアナ(Beauveria bassiana)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 83ページ;
(LVI)昆虫に活性なウイルスを含む調製物、好ましくはマツノキハバチ(Neodipridon Sertifer)NPV、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1342ページ;ヨトウガ(Mamestra brassicae)NPV、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 759ページ、及びコドリンガ(Cydia pomonella)グラニュローシスウイルス、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 291ページ;
(CLXXXI)7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボニル(4−トリフルオロメトキシフェニル)−カルバモイル]インドル[1,2e]オキサゾリン−4a−カルボキシラート(DPX−MP062、インドキサカルブ(Indoxycarb)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 453ページ;
(CLXXXII)N’−tert−ブチル−N’−(3,5−ジメチルベンゾイル)−3−メトキシ−2−メチルベンゾヒドラジド(RH−2485、メトキシフェノジド)、The Pesticide Manual, 11thEd.(1997), The British Crop Protection Council, London, 1094ページ;並びに
(CLXXXIII)(N’−[4−メトキシ−ビフェニル−3−イル]−ヒドラジンカルボン酸イソプロピルエステル(D 2341)、Brighton Crop Protection Conference, 1996, 487−493;
(R2) Book of Abstracts, 212th ACS National Meeting Orlando, FL, August 25−29(1996), AGRO−020. Publisher: American Chemical Society, Washington, D.C. CONEN: 63BFAF。
【0123】
上記詳細の結果として、本発明の更に本質的な態様は、式Iの化合物に加えて、同じ又は異なる活性領域を有する少なくとも1種類の更なる活性成分と、少なくとも1種類の生理的に許容される担体とを含むことを特徴とする、温血動物の寄生生物を防除する組合せ調製物に関する。本発明は、2要素の(two−fold)組合せに限定されない。
【0124】
概して、本発明による組成物は、式I、Iaの活性成分又はその混合物0.1から99重量%、特に0.1から95重量%、界面活性剤0から25重量%、特に0.1から25重量%を含めて、固体又は液体の混合物99.9から1重量%、特に99.8から5重量%を含む。
【0125】
処置すべき動物への本発明による組成物は、局所的、経口的、非経口的又は皮下に適用することができる。該組成物は、溶液剤、乳濁液剤、懸濁液剤、(水薬)、散剤、錠剤、巨丸剤、カプセル剤及びポアオン製剤である。
【0126】
ポアオン又はスポットオン法は、動物の皮膚又は外被(coat)の特定の場所に、有利には頚部又は背骨に式Iの化合物を適用するものである。これは、例えば、ポアオン又はスポットオン製剤のスワブ又はスプレーを外被の比較的小さい領域に適用することによってなされる。その領域から、活性物質は、製剤中の成分の延展性のために、また、動物の動きに助けられて、毛皮の広い領域全体にほぼ自動的に分散する。
【0127】
ポアオン又はスポットオン製剤は、適切には担体を含む。担体は、皮膚表面全体にわたって、又は宿主動物の外被において、迅速な分散を促進し、一般に延展油(spreading oil)と考えられる。適切な担体は、例えば、油状溶液;2−オクチルドデカノール溶液、オレイルアルコール溶液などのアルコール溶液及びイソプロパノール溶液;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸シュウ酸エステル(lauric acid oxalate)、オレイン酸オレイルエステル、オレイン酸デシルエステル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、鎖長C12−C18の飽和脂肪アルコールのカプリン酸エステルなどのモノカルボン酸エステル溶液;フタル酸ジブチル、イソフタル酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピルエステル、アジピン酸ジ−n−ブチルなどのジカルボン酸エステル溶液、又は脂肪族酸、例えば、グリコールのエステル溶液である。医薬品業界又は化粧品業界で公知である分散剤などの分散剤が更に存在することが有利であり得る。例は、2−ピロリドン、2−(N−アルキル)ピロリドン、アセトン、ポリエチレングリコール並びにそのエーテル及びエステル、プロピレングリコール又は合成トリグリセリドである。
【0128】
油状溶液としては、例えば、オリーブ油、落花生油、ゴマ油、パイン油、亜麻仁油、ヒマシ油などの植物油が挙げられる。植物油は、エポキシ化油としても存在し得る。パラフィン及びシリコーンオイルも使用することができる。
【0129】
ポアオン又はスポットオン製剤は、一般に、式Iの化合物1から20重量%、分散剤0.1から50重量%、及び溶媒45から98.9重量%を含む。
【0130】
ポアオン又はスポットオン法は、動物全部を経口的に、又は注射によって、処置することが困難である、又は時間のかかる、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタなどの群れをなす動物に使用するのに特に有利である。この方法は、単純であるので、個々の家庭内動物、すなわちペットを含めて、他の動物全部に使用できることは言うまでもなく、獣医師の専門家なしでも実施できることが多いので、動物の飼育者に大いに好まれる。
【0131】
市販品を濃縮物として処方することが好ましいが、エンドユーザーは、通常、希薄製剤を使用する。
【0132】
かかる組成物は、特別な効果を得るために、安定剤、消泡剤、粘度調節剤、結合剤、粘着付与剤などの更なる添加剤、及び他の活性成分を含むこともできる。
【0133】
エンドユーザーによって使用されるこのタイプの組成物も、本発明の構成要素を同様に形成する。
【0134】
本発明による有害生物防除方法の各々において、又は本発明による有害生物防除組成物の各々において、式Iの活性成分は、その立体配置の全部で、又はその混合物として使用することができる。
【0135】
本発明は、式の活性成分、又はそれから調製される活性成分製剤を、飼料若しくは飲料への添加剤として、又は固体若しくは液体剤形で、経口的に、注射によって、若しくは非経口的に、動物に投与することを特徴とする、温血動物、特に生産用家畜、家庭内動物及びペットを寄生性有害生物から予防的に保護する方法も含む。本発明は、前記方法の一つに使用される本発明による式Iの化合物も含む。
【0136】
以下の例は、本発明を単に説明するものにすぎず、本発明を限定するものではない。活性成分という用語は、表Iに記載の物質である。
【0137】
特に、好ましい製剤は以下のように構成される。
【0138】
(%=重量パーセント)
処方例
1. 粒状体
【0139】
【表2】

活性成分を塩化メチレンに溶解させ、担体上に噴霧し、続いて溶媒を減圧蒸発によって濃縮する。この種の粒状体は、動物飼料と混合することができる。
【0140】
2. 粒状体
【0141】
【表3】

微粉砕活性成分を、混合機中で、ポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに均等に塗布する。このようにして、無塵被覆顆粒剤が得られる。
【0142】
3. 錠剤又は巨丸剤
【0143】
【表4】

I メチルセルロースを水中で撹拌する。材料が膨潤後、ケイ酸を撹拌し、混合物を均一に懸濁させる。活性成分とコーンスターチを混合する。水性懸濁液をこの混合物にまぜ合わせ、混練する。生成したかたまりを12Mふるいに通して顆粒化し、乾燥させる。
II 全4種類の賦形剤を十分混合する。
III I及びIIによって得られた予備混合物を混合し、錠剤又は巨丸剤に加圧成形する。
【0144】
4. 注射剤
A. 油状ビヒクル(徐放性)
【0145】
【表5】

調製:活性成分を、撹拌しながら、必要に応じて軽く加熱しながら、油の一部に溶解させ、次いで冷却後、所望の体積とし、孔径0.22mmの適切なメンブランフィルターに通して無菌ろ過する。
【0146】
B 水混和性溶媒(均一放出(average rate of release))
【0147】
【表6】

調製:活性成分を、撹拌しながら、溶媒の一部に溶解させ、所望の体積とし、孔径0.22mmの適切なメンブランフィルターに通して無菌ろ過する。
【0148】
C. 水溶液可溶化剤(solubilisate)(急速放出)
【0149】
【表7】

調製:活性成分を溶媒及び界面活性剤に溶解させ、水で所望の体積にする。孔径0.22mmの適切なメンブランフィルターに通して無菌ろ過。
【0150】
5. ポアオン
【0151】
【表8】

水系は、経口及び/又はルーメン内適用にも好ましく使用することができる。
【0152】
組成物は、特別な効果を得るために、安定剤、例えば、必要に応じてエポキシ化植物油(エポキシ化ヤシ油、ナタネ油又はダイズ油);消泡剤、例えば、シリコーンオイル、防腐剤、粘度調節剤、結合剤、粘着付与剤、肥料などの更なる添加剤、又は他の活性成分を含むこともできる。
【0153】
式Iの化合物に対して中性であり、処置すべき宿主動物に対して有害な効果を持たない、更なる生物活性物質又は添加剤、並びに無機塩又はビタミンを上記組成物に添加することもできる。
【0154】
以下の実施例は、本発明を説明するものであって、本発明を限定するものではない。文字「h」は時間を表す。
【0155】
調製実施例
【実施例1】
【0156】
2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−インドル−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール
a)テトラヒドロフラン40mlで1H−インドール10gを溶解し、−60℃に冷却し、トリフルオロ酢酸無水物15.4mlで処理する。混合物を室温に加温すると、沈殿が形成される。結晶性固体をろ別し、水で洗浄し、減圧乾燥させて、2,2,2−トリフルオロ−1−(1H−インドル−3−イル)−エタノンを得る。これは、更に精製せずに使用することができる。
【0157】
b)無水N,N−ジメチルホルムアミド150mlで2,2,2−トリフルオロ−1−(1H−インドル−3−イル)−エタノン16.8gを溶解させ、次いで無水炭酸カリウム12.7gを添加する。次いで、3,5−ジクロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド22gを一括添加する。生成した懸濁液を90℃で3時間撹拌する。溶媒を減圧除去後、生成した残渣をジエチルエーテル300mlに懸濁させ、懸濁液を水で洗浄し、水相をジエチルエーテルで2回抽出し、混合有機相を減圧蒸発させて、1−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエタノンを得る。これは、更に精製せずに使用することができる。
【0158】
c)無水ジエチルエーテル500mlで1−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−2,2,2−トリフルオロエタノン33.5gを溶解させる。反応温度を−10℃に維持しながら、臭化メチルマグネシウム溶液(3モル、ジエチルエーテル溶液)52.5mlを徐々に添加する。混合物を20℃まで加温し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で処理し、有機層を分離する。水相をジエチルエーテルで抽出し、混合有機相を硫酸マグネシウムを用いて脱水する。溶媒蒸発後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル/ヘキサン(1:9)を用いて精製する。
【0159】
d)必要に応じて、上記化合物の2種類の鏡像異性体を、以下のHPLC手順によって分離することができる。ラセミ体の10mg/mLヘキサン/イソプロパノール(97:3)溶液をDaicel CHIRALPACK(登録商標)AD−Hカラムに注入する。ヘキサン/イソプロパノール(97:3)で溶出させると、9分後に溶出する画分中に第1の濃縮鏡像異性体(ee=97%)が得られ、11分後に溶出する画分中に第2の純粋な鏡像異性体(ee>97%)が得られる。
【実施例2】
【0160】
2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール
a)ヘキサフルオロアセトン1mlに1H−インドール100mgを懸濁させ、90℃に1時間加熱する。反応終了後、過剰の溶媒を減圧除去して、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−インドル−3−イル)−プロパン−2−オールを得る。これを更に精製せずに更に反応させる。
【0161】
b)N,N−ジメチルホルムアミド1mlに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1H−インドル−3−イル)−プロパン−2−オール88.2mgを窒素雰囲気下で溶解させる。次いで、N,N−ジメチルホルムアミド1mlに溶解させた3,5−ジクロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド86.6mgを添加し、続いて炭酸カリウム50.9mgを添加する。混合物を90℃で2時間加熱する。室温に冷却後、水/ジクロロメタン(1:1)2mlを添加し、混合物を30分間撹拌し、次いでISOLUTE(登録商標)HM−Nを充填したフィルターカートリッジに注ぐ。カートリッジをジクロロメタン20mlで洗浄する。溶媒除去後、Daisogel C18−ODS APカラムを備えた分取逆相クロマトグラフィーにかけ、水/ギ酸(10,000:1)からアセトニトリル/ギ酸(10,000:1)の勾配で残渣を精製する。溶媒を除去して標記化合物を単離する。
【実施例3】
【0162】
2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−1,1−ジフルオロ−1−クロロプロパン−2−オール
a)ジクロロメタン3mlに1H−インドール300mgを溶解させ、0℃に冷却する。次いで、塩化ジエチルアルミニウム(1.8Mトルエン溶液)2.82mlを添加し、混合物を0℃で30分間撹拌する。最後に、反応温度を0℃に維持しながら、ジクロロメタン4mlに溶解させたジフルオロクロロ酢酸塩化物705mgを徐々に添加する。混合物を0℃で2.5時間撹拌し、次いで同じ温度で水でクエンチし、最後に分離漏斗に移し、中和し、炭酸水素ナトリウム飽和溶液、水及び塩水で抽出する。有機相を硫酸ナトリウムを用いて脱水する。ろ過後、有機相を減圧濃縮し、中間生成物2,2−ジフルオロ−2−クロロ−1−(1H−インドル−3−イル)−エタノンを沈殿させる。溶媒除去後、2,2−ジフルオロ−2−クロロ−1−(1H−インドル−3−イル)−エタノンを単離し、更に精製せずに使用する。
【0163】
b)N,N−ジメチルホルムアミド1mlに2,2−ジフルオロ−2−クロロ−1−(1H−インドル−3−イル)−エタノン200mgを窒素雰囲気下で溶解させる。次いで、N,N−ジメチルホルムアミド7mlに溶解させた3,5−ジクロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド287mgを添加し、続いて炭酸カリウム121mgを添加する。混合物を80℃で12時間加熱する。室温に冷却後、水/ジクロロメタン(1:1)5mlを添加し、混合物を30分間撹拌し、次いでISOLUTE(登録商標)HM−Nを充填したフィルターカートリッジに注ぐ。カートリッジをジクロロメタン100mlで洗浄する。溶媒除去後、Daisogel C18−ODS APカラムを備えた分取逆相クロマトグラフィーにかけ、水/ギ酸(10,000:1)からアセトニトリル/ギ酸(10,000:1)の勾配で残渣を精製する。溶媒を除去して、中間生成物1−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−2,2−ジフルオロ−2−クロロエタノンを単離する。
【0164】
c)無水ジエチルエーテル2mlに1−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−2,2−ジフルオロ−2−クロロエタノン87.5mgを溶解させる。次いで、反応温度を−10℃に維持しながら、臭化メチルマグネシウム溶液(3M、ジエチルエーテル溶液)132μlを徐々に添加する。混合物を撹拌しながら20℃に0.5時間加温し、次いで飽和塩化アンモニウム溶液で処理する。有機層を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出し、最後に混合有機相を硫酸マグネシウムを用いて脱水する。溶媒除去後、残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル/ヘキサン勾配によって精製する。溶媒を除去して標記化合物を単離する。
【実施例4】
【0165】
酢酸1−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エチルエステル
ジクロロメタン2mlに酢酸27.2mgを溶解させ、次いでジシクロヘキシルカルボジイミド103.7mg、及び触媒作用量の4−ジメチルアミノピリジンを添加する。生成した懸濁液を30分間撹拌し、2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−インドル−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール100mgの1mlジクロロメタン溶液を添加し、混合物を48時間撹拌する。水及びジクロロメタンでクエンチ後、シリカゲル及びISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジによって混合物をろ過する。ISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジをジクロロメタン45mlで洗浄する。溶媒除去後、Daisogel C18−ODS APカラムを備えた分取逆相クロマトグラフィーにかけ、水/ギ酸(10,000:1)からアセトニトリル/ギ酸(10,000:1)の勾配で残渣を精製して、標記化合物を得る。
【実施例5】
【0166】
ヘキサン酸1−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エチルエステル
ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(2:1、v/v)の混合物0.5mlに、2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−インドル−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール100mgを溶解させ、水素化ナトリウム5.7mgで処理する。混合物を15分間反応させる。次いで、ジクロロメタン0.5mlに溶解させたヘキサン酸塩化物37.7mg、続いてジクロロメタン0.5mlを添加し、22時間撹拌する。混合物を水及びジクロロメタンでクエンチし、シリカゲル及びISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジによってろ過する。ISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジをジクロロメタン45mlで洗浄する。溶媒除去後、Daisogel C18−ODS APカラムを備えた分取逆相クロマトグラフィーによって水/ギ酸(10,000:1)からアセトニトリル/ギ酸(10,000:1)の勾配で残渣を精製する。溶媒を除去して標記化合物を単離する。
【実施例6】
【0167】
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロ−1−メトキシ−1−メチル−エチル)−1H−インドール
ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(2:1、v/v)の混合物0.5mlに、2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−インドル−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール100mgを溶解させ、水素化ナトリウム8.6mgで処理し、30分間撹拌する。次いで、ヨウ化メチル21μlを徐々に添加し、混合物を1時間撹拌する。反応混合物を水でクエンチし、シリカゲル及びISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジによってろ過する。ISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジをジクロロメタン20mlで洗浄する。溶媒除去後、Daisogel C18−ODS APカラムを備えた分取逆相クロマトグラフィーによって水/ギ酸(10,000:1)からアセトニトリル/ギ酸(10,000:1)の勾配で残渣を精製する。溶媒を除去して標記化合物を単離する。
【実施例7】
【0168】
4−{1−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシメチル}−ベンゾニトリル
ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(2:1、v/v)の混合物0.5mlに、2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−インドル−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール80mgを溶解させ、水素化ナトリウム6.9mg及びヨウ化カリウム30mgで処理し、40分間撹拌する。次いで、ジクロロメタン0.5mlに溶解させた4−シアノベンジルブロマイド54.2mgを徐々に添加し、混合物を室温で3時間撹拌し、続いて36℃で12時間撹拌する。反応混合物を水でクエンチし、シリカゲル及びISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジによってろ過する。ISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジをジクロロメタン60mlで洗浄する。溶媒除去後、Daisogel C18−ODS APカラムを備えた分取逆相クロマトグラフィーによって水/ギ酸(10,000:1)からアセトニトリル/ギ酸(10,000:1)の勾配で残渣を精製する。溶媒を除去して標記化合物を単離する。
【実施例8】
【0169】
炭酸1−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4−フルオロ−1H−インドル−3−イル]−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エチルエステルイソプロピルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド1.5mlに、2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4−フルオロ−1H−インドル−3−イル]−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オール150mgを溶解させ、固体水素化ナトリウム8mgを添加する。反応混合物を室温で15分間撹拌する。次いで、クロロギ酸イソプロピル(1Mトルエン溶液)391μlを添加し、生成した混合物を16時間撹拌する。その後、追加のクロロギ酸イソプロピル391μlを添加し、16時間撹拌し続ける。最後に、反応混合物を水でクエンチし、ジクロロメタンで希釈する。混合物を、シリカゲル及びISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジによってろ過する。ISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジをジクロロメタン20mlで洗浄する。溶媒除去後、Daisogel C18−ODS APカラムを備えた分取逆相クロマトグラフィーにかけ、水からアセトニトリルの勾配で残渣を精製する。溶媒を除去して標記化合物を単離する。
【実施例9】
【0170】
ヘキシルカルバミン酸1−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド1mlに2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−インドル−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール100mgを溶解させ、反応物(reaction)を室温に維持しながら、ヘキシルイソシアナート32.2mgを添加する。反応物を4時間撹拌し、次いで塩化銅(I)2.5mgを添加する。更に18時間撹拌後、反応混合物を0℃に冷却し、水でクエンチし、ジクロロメタンで希釈し、シリカゲル及びISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジによってろ過する。ISOLUTE(登録商標)HM−Nを含むカートリッジをジクロロメタン25mlで洗浄する。溶媒を除去し、ヘキサンから再結晶させて、標記化合物を得る。
【実施例10】
【0171】
2−[1−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリド−2−イル)−1H−インドル−3−イル]−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール
a)無水ジエチルエーテル50mlに2,2,2−トリフルオロ−1−(1H−インドル−3−イル)−エタノン5gを溶解させる。反応温度を−10℃に維持しながら、臭化メチルマグネシウム溶液(3モル、ジエチルエーテル溶液)15.6mlを徐々に添加する。混合物を20℃まで加温し、2時間撹拌する。次いで、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で処理し、有機層を分離する。水相をジエチルエーテルで抽出し、混合有機相を硫酸マグネシウムを用いて脱水する。有機相を減圧蒸発させて、1,1,1−トリフルオロ−2−(1H−インドル−3−イル)−プロパン−2−オールを得る。これを更に精製せずに使用する。
【0172】
b)無水N,N−ジメチルホルムアミド4mlで1,1,1−トリフルオロ−2−(1H−インドル−3−イル)−プロパン−2−オール160mgを溶解させ、次いで無水炭酸カリウム111mgを添加する。次いで、2,3−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリジン174mgを一括添加する。生成した懸濁液を90℃で5時間撹拌する。室温に冷却後、水/ジクロロメタン(1:1)5mlを添加し、混合物を30分間撹拌し、次いでISOLUTE(登録商標)HM−Nを充填したフィルターカートリッジに注ぐ。カートリッジをジクロロメタン50mlで洗浄する。溶媒除去後、Daisogel C18−ODS APカラムを備えた分取逆相クロマトグラフィーにかけ、水からアセトニトリルの勾配で残渣を精製する。溶媒を除去して標記化合物を単離する。
【実施例11】
【0173】
2−[1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドル−3−イル]−1,1,1−トリフルオロ−ブタン−2−オール:
a)無水N,N−ジメチルホルムアミド6mlにインドール500mgを溶解させ、次いで無水炭酸カリウム708mgを添加する。次いで、3,5−ジクロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリド1.19gを一括添加する。生成した懸濁液を90℃で18時間撹拌する。室温に冷却後、混合物を濃縮し、次いで水と酢酸エチルに分離する。有機相を脱水し、濃縮して、次の段階に使用するのに十分純粋な粗製1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドールを得る。
【0174】
b)−78℃に冷却した1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドール300mgの4ml THF溶液に、NBS 210mgを添加する。反応混合物を−78℃で2時間撹拌し、次いで室温に加温する。ヘキサン3ml及びピリジン0.05mlを添加し、生成した懸濁液をろ過する。ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル/ヘキサン勾配よって精製し、溶媒除去後に3−ブロモ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドールを得る。
【0175】
c)−78℃に冷却した3−ブロモ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−インドール50mgの0.5ml THF溶液に、nBuLi 1.6Mヘキサン溶液0.18mlを滴下する。溶液を−78℃で15分間撹拌し、トリフルオロ(trifluro)メチルエタノン30μlを添加する。混合物を−78℃で更に1時間撹拌し、次いで徐々に室温に加温する。飽和(satured)NHCl溶液を添加し、混合物をエーテルで抽出する。有機相を脱水し、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチル/ヘキサン勾配によって精製して、標記化合物を得る。
【0176】
下表に列挙する物質も、上記方法と同様に調製することができる。融点の値は℃単位である。「c−C」という用語はシクロプロピル基を表す。
【0177】
表1
【表9】







【0178】
表2
【表10】



【0179】
表3
【表11】


























【0180】
生物学的実施例:
1. クリイロコイタマダニ(イヌダニ)に対するインビトロでの活性。
【0181】
駆虫活性を評価する試験物質を含む、適切に構成された96ウェルプレートに清浄な成体マダニ集団を蒔く。各化合物を、その最小有効量(MED)を決定するために、段階希釈によって試験する。マダニを試験化合物と10分間接触させ、次いで28℃及び相対湿度80%で7日間インキュベートし、その間に試験化合物の効果をモニターする。成体マダニが死滅した場合に、殺ダニ活性が確認される。
【0182】
この試験において、化合物番号1.1−1.4、1.6、1.8−1.10、1.12−1.15、1.26−1.34、1.38、1.44、1.45、1.47−1.53、1.56、1.58−1.60−1.64、1.66、1.68、1.70、1.74−1.76、1.80−1.83、1.86、1.89、1.99、1.110−1.112、1.116−1.117、1.121、1.132、1.138、1.146、1.153、1.185、1.194−1.196、1.200、1.204−1.207、1.209−1.210、1.212、1.214、1.216−1.222、1.224−1.230、1.234−1.239、1.242−1.244、1.246−1.247、1.250、1.251、1.253−1.262、2.4、2.19、2.20、2.34、2.38、2.42、2.44、2.46−2.48、3.1、3.10、3.59、3.73、3.1129−3.1131及び3.1133−3.1136は、640ppmで80%を超える効力を示した。
【0183】
2. クテノセファリデス フェリス(ネコノミ)に対するインビトロでの活性。
【0184】
ノミの混合成体集団を、適切に構成された96ウェルプレートに入れ、人工給餌システムを介して、処理した血液をノミが摂取できるようにする。各化合物を、そのMEDを決定するために、段階希釈によって試験する。処理した血液をノミが24時間摂取した後、化合物の効果を記録する。給餌システムによって記録された死滅したノミの数に基づいて、殺虫活性を求める。
【0185】
この試験では、表1.1−1.18、1.20−1.35、1.38−1.53、1.55、1.56、1.58−1.71、1.74−1.83、1.85−1.89、1.93−1.95、1.99−1.101、1.103、1.104、1.107−1.112、1.114−1.118、1.120、1.121、1.127、1.129、1.132、1.133、1.138、1.146、1.153、1.185−1.239、1.242−1.262、2.2、2.4、2.6、2.7、2.12、2.15、2.19、2.20、2.26、2.34、2.38−2.55、3.1、3.59、3.72、3.73、3.85、3.124、3.125及び3.1126−3.1136の化合物が100ppmで80%を超える効力を示した。
【0186】
3. ウサギのクリイロコイタマダニ(イヌダニ)に対するインビボでの活性。
【0187】
第0日に、所与の用量の試験化合物を、ウサギの耳のみに噴霧することによって、ウサギを処理する。第+1日に、ウサギの耳に成体クリイロコイタマダニ(性比1:1)を寄生させる。ウサギから回収される死滅したマダニ、及び生きているマダニを数えることによって、寄生後24時間、48時間及び72時間で効力を評価する。効力をアボットの式によってプラセボ処置群と比較して表す。効力が低下するまで、寄生を週間隔で繰り返す。
【0188】
この試験では、化合物番号1.1、1.3、1.4、1.6、1.10、1.12−1.15、1.29、1.31、1.33、1.38、1.47−1.51、1.53、1.56、1.58−1.60、1.62、1.63、1.66、1.74、1.76、1.80−1.82、1.89、1.111、1.112、1.117、1.216−1.222、1.225、1.226、1.228−1.230、1.234、1.238、1.239、2.20、2.38、2.44、3.1、3.73、3.1133、3.1135及び3.1136が、最初の寄生で240mg/mで80%を超える効力を示した。
【0189】
4. 捻転胃虫&毛様線虫コルブリフォルミス(colubriformis)(胃腸の線虫)に対するインビトロでの活性
新たに収集し、清浄化した線虫卵を、駆虫活性を評価する試験物質を含む、適切に構成された96ウェルプレートに蒔く。各化合物を、そのMEDを決定するために、段階希釈によって試験する。寒天を主体とした栄養培地に試験化合物を埋め込み、3齢の幼虫まで卵を十分に成長させる。プレートを25℃及び相対湿度(RH)60%で6日間インキュベートする。ふ化とそれに続く幼虫の成長を記録して、可能な殺線虫活性を確認する。効力は、ふ化の減少率、L3の成長抑制、又は全段階の幼虫の停滞&死で表される。
【0190】
この試験では、化合物番号1.1−1.3、1.28、1.48、1.50、1.53、1.58−1.1.60、1.63、1.64、1.66、1.68、1.74、1.77、1.81、1.108、1.111、1.115、1.138、1.146、1.153、1.192、1.193、1.207、1.217、1.220、1.224、1.225、1.229、1.234、1.237、1.244−1.246、1.250、1.254−1.260、2.4、2.6、2.7、2.12、2.15、2.19、2.20、2.26、2.34、2.36、2.39、2.43、2.44、3.59、3.85及び3.1131が、100ppmで80%を超える効力を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式の化合物。
【化1】

(式中、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、非置換C−C−アルキル、(ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、N−ベンジルアミノ又はN−ピリジルメチルアミノで置換された)C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、NHCOR、NHCOOR、COR、COOR、CONR、C−C−アルキル−シリル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールアルキルオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換アリールアルキルチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ヒドロキシル−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、COR、COOR、CONR、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールアルキルオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールチオであり、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールチオ置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、又は2個のR基はこれらが結合している環原子と一緒に、(窒素、硫黄若しくは酸素からなる群から選択される1若しくは2個の追加のヘテロ原子、又は1個のカルボニル基を含んでいてもよく、ハロゲン、CN、NO、ヒドロキシ、C−C−アルキル及びC−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択される1から4個の置換基で置換されていてもよい)5から6原子の脂肪族環を形成し、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシメチル、非置換フェノキシメチル、フェニル部分においてハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル又はC−C−アルコキシで置換されたフェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキルメチル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、COR、COOR、CONR、CSNR、C−C−アルキル−シリル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、COR、COOR、ピペロニル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、フェニルC−C−アルキニル、C−C−シクロアルキルC−C−アルキニル、C−C−アルキルチオメチル、ヒドロキシメチル、C−C−アルコキシメチル、N原子が非置換であるアミノメチル、N原子がC−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ベンジル、非置換フェニル、ハロゲン−、ハロ−C−C−アルキル−若しくはハロ−C−C−アルコキシ−置換フェニル、非置換ピリジルメチル、又はハロゲン−、ハロ−C−C−アルキル−若しくはハロ−C−C−アルコキシ−置換ピリジルメチルで一置換又は二置換されたアミノメチル、C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルメチル(式中、シクロアルキルの1から3個の炭素原子は、NH、N(C−C−アルキル)、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子で置換されていてもよい。)、シアノ、COR、COOR、ピペロニル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、ハロC−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
又はRとRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、(窒素、硫黄若しくは酸素からなる群から選択される追加の1個のヘテロ原子、又は1個のカルボニル基を含んでいてもよく、ハロゲン、CN、NO、ヒドロキシ、C−C−アルキル及びC−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択される1から4個の置換基で置換されていてもよい)3から6原子の脂肪族環を形成し、
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、COR、COOR、CONR、SF、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールチオであり、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールチオ置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素、非置換若しくは置換C−C−アルキル、非置換若しくは置換C−C−アルコキシC−C−アルキル、非置換若しくは置換C−C−アルケニル、非置換若しくは置換C−C−アルキニル、非置換若しくは置換C−C−シクロアルキル(各場合において、置換基は、ハロゲン、シアノ、NO、C−C−アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から互いに独立に選択される。);非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル(アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキル置換基は、各場合において、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択される。)であり、
AはO、S、SO又はSOであり、
XはC又はNであり、
mは0、1、2、3又は4であり、
nは1、2、3、4又は5であって、
ただし、XがCである場合には、nは1よりも大きい。)
【請求項2】
が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、NHCOR、NHCOOR、COR、COOR、CONR、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールアルキルオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換アリールアルキルチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、COR、COOR、CONR、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールアルキルオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールチオであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよく、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキルメチル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、COR、COOR、CONR、CSNR、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH2、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
が、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、COR、COOR、ピペロニル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
又は、RとRが、これらが結合している酸素及び炭素原子と一緒に、(窒素、硫黄若しくは酸素の追加の1個の原子、又は1個のカルボニル基を含んでいてもよく、ハロゲン、CN、NO、ヒドロキシ、C−C−アルキル及びC−C−アルコキシからなる群から選択される1から4個の置換基で置換されていてもよい)3から6原子の環を形成し、
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、COR、COOR、ピペロニル、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、
が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−シクロアルキル、ハロ−C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルキニルオキシ、ハロ−C−C−シクロアルキルオキシ、SH、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−シクロアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−シクロアルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−シクロアルキルスルホニル、SO、SONR、NR、COR、COOR、CONR、SF、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換アリールオキシ、非置換若しくは置換アリールチオ、非置換若しくは置換ヘテロアリール、非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリールオキシ、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールチオであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択され、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
及びRが互いに独立に、水素、非置換若しくは置換C−C−アルキル、非置換若しくは置換C−C−アルケニル、非置換若しくは置換C−C−アルキニル、非置換若しくは置換C−C−シクロアルキル(各場合において、置換基は、ハロゲン、シアノ、NO、C−C−アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ及びアルコキシカルボニルからなる群から互いに独立に選択される。)、非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールアルキル、非置換若しくは置換ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換ヘテロアリールアルキル(各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルチオ、COR、COOR及びCONRからなる群から互いに独立に選択される。)であり、
AがO、S、SO又はSOであり、
XがC又はNであり、
mが0、1、2、3又は4であり、
nが1、2、3、4又は5であって、
ただし、XがCである場合には、nは1よりも大きい、
請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
が、水素、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、非置換若しくは置換フェニル、非置換若しくは置換フェニルチオ、又は非置換若しくは置換ナフチルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択される、請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
が、水素、非置換C−C−アルキル、(ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アルキルアミノ又はN−ピリジルメチルアミノ−で置換された)C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、非置換フェニル、非置換フェニルチオ、(ハロゲン ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はハロ−C−C−アルコキシで各々置換された)フェニル及びフェニルチオ、並びにナフチルである、請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
が、水素、非置換C−C−アルキル、ヒドロキシル若しくはC−C−アルコキシで置換されたC−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、非置換フェニル、ハロゲン置換フェニル、フェニルチオ、又はナフチルである、請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、又は非置換若しくは置換アリール、非置換若しくは置換アリールオキシ(aryoxy)、非置換若しくは置換ベンジルオキシであり、置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から選択され、それによって、mが1よりも大きい場合には、Rは同一でも、異なっていてもよい、請求項1から5のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ベンジルオキシ、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジC−C−アルキルアミノ、又はC−C−アルコキシカルボニルであり、又は2個のR基が、これらが結合している炭素原子と一緒にジオキソラン環を形成している、請求項1から5のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
が、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシカルボニル、ハロ−C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルケニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルケニルオキシカルボニル、C−C−アルキニルオキシカルボニル、ハロ−C−C−アルキニルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノチオカルボニル、非置換若しくは置換C−C−アルキルカルボニル(置換基は、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ及びフェニルからなる群から選択される。);非置換若しくは置換ベンジル、非置換若しくは置換ベンゾイル、非置換若しくは置換ベンジルオキシカルボニル、又は非置換若しくは置換フェニルアミノカルボニル(各場合において、置換基は、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から選択される。)である、請求項1から7のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
が、水素;C−C−アルキル;C−C−シクロアルキルメチル;C−C−アルコキシメチル;C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシメチル;非置換ベンジル、又はハロゲン、ハロ−C−C−アルキル若しくはシアノで置換されたベンジル;非置換フェノキシメチル、非置換ベンジルオキシメチル、又はフェニル部分においてハロゲンで置換されたフェノキシメチル若しくはベンジルオキシメチル;カルボキシメトキシメチルカルボニル;RがC−C−アルキル、アセチルオキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、非置換フェニル、(ハロゲン、ハロ−C−C−アルキル又はシアノで置換された)フェニル、フェニルエチル、チエニル、又はピペロニルであるCOR基;RがC−C−アルキル、非置換フェニル、ハロゲン置換フェニル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、アミノ、又はN−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アミノであるCONHR基;RがC−C−アルキル、ベンジル、非置換C−C−アルケニル若しくはハロゲン置換C−C−アルケニルである、又はC−C−アルキニルである、C(O)OR基;又はRがC−C−アルキル、非置換フェニル若しくは(ハロゲン、ハロ−C−C−アルキル又はC−C−アルキルで置換された)フェニルであるC(S)NHR基である、請求項1から7のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
が、水素、メチル、シクロプロピルメチル、2−プロペニル、メトキシカルボニル、2−プロペニルオキシカルボニル、ハロ−ビニルオキシカルボニル、プロパルギルオキシカルボニル、チオフェニルカルボニル、ピペロニルカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノチオカルボニル、メチルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル又はフェニルアミノカルボニルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
が、非置換C−C−アルキルである、又はハロゲン、シアノ、ヒドロキシル若しくはC−C−アルコキシで置換されたC−C−アルキルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項12】
がメチル又はトリフルオロメチルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項13】
が、水素、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、ピペロニル、非置換若しくは置換フェニル、又は非置換若しくは置換ベンジルであり、各場合において、置換基は、ハロゲン、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ及びハロ−C−C−アルコキシからなる群から互いに独立に選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項14】
が、水素;C−C−アルキル;ハロ−C−C−アルキル;ヒドロキシメチル;ベンジル;C−C−シクロアルキル;C−C−アルケニル;C−C−アルキニル;フェニル−C−C−アルキニル;C−C−シクロアルキル−C−C−アルキニル;C−C−アルキルチオメチル;C−C−アルコキシメチル;N原子が非置換であるアミノメチル、N原子がC−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ベンジル、非置換フェニル、ハロゲン−、ハロ−C−C−アルキル−若しくはハロ−C−C−アルコキシ−置換フェニル、非置換ピリジルメチル、又はハロゲン置換ピリジルメチルで一置換又は二置換されたアミノメチル;N−C−C−ピペラジニルメチル;モルホリニルメチル;N−イミダゾールメチル;ピペロニル;非置換フェニル、又はハロゲン、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルコキシ若しくはハロ−C−C−アルキルチオで置換されたフェニル;シアノ;又はCOOR基(式中、Rは水素又はC−C−アルキルである。)である、請求項1から12のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項15】
がメチル、トリフルオロメチル、エテニル又はエチニルである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項16】
が、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ又はハロ−C−C−アルキルチオ、SFであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよい、請求項1から15のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項17】
が、C−C−アルキル、フェニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CHO、C(O)−C−C−アルキル、C(O)O−C−C−アルキル、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、SF又はSOHであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよい、請求項1から15のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項18】
がハロゲン又はトリフルオロメチルであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよい、請求項1から15のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項19】
AがOである、請求項1から18のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項20】
Xが、非置換Cである、又はR基で置換されたCである、請求項1から19のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項21】
mが0又は1である、請求項1から20のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項22】
nが2又は3である、請求項1から21のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項23】
が、水素、非置換C−C−アルキル、(ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アルキルアミノ又はN−ピリジルメチルアミノ−で置換された)C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、非置換フェニル、非置換フェニルチオ、(ハロゲン ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はハロ−C−C−アルコキシで各々置換された)フェニル及びフェニルチオ、並びにナフチルであり、
が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ベンジルオキシ、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジC−C−アルキルアミノ、又はC−C−アルコキシカルボニルであり、又は2個のR基が、これらが結合している炭素原子と一緒にジオキソラン環を形成しており、
が、水素;C−C−アルキル;C−C−シクロアルキルメチル;C−C−アルコキシメチル;C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシメチル;非置換ベンジル、又はハロゲン、ハロ−C−C−アルキル若しくはシアノで置換されたベンジル;非置換フェノキシメチル、非置換ベンジルオキシメチル、又はフェニル部分においてハロゲンで置換されたフェノキシメチル若しくはベンジルオキシメチル;カルボキシメトキシメチルカルボニル;RがC−C−アルキル、アセチルオキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、非置換フェニル、(ハロゲン、ハロ−C−C−アルキル又はシアノで置換された)フェニル、フェニルエチル、チエニル、又はピペロニルであるCOR基;RがC−C−アルキル、非置換フェニル、ハロゲン置換フェニル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、アミノ、又はN−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アミノであるCONHR基;RがC−C−アルキル、ベンジル、非置換C−C−アルケニル若しくはハロゲン置換C−C−アルケニルである、又はC−C−アルキニルである、C(O)OR基;又はRがC−C−アルキル、非置換フェニル若しくは(ハロゲン、ハロ−C−C−アルキル又はC−C−アルキルで置換された)フェニルであるC(S)NHR基であり、
が、非置換C−C−アルキルであり、又はハロゲン、シアノ、ヒドロキシル若しくはC−C−アルコキシで置換されたC−C−アルキルであり、
が、水素;C−C−アルキル;ハロ−C−C−アルキル;ヒドロキシメチル;ベンジル;C−C−シクロアルキル;C−C−アルケニル;C−C−アルキニル;フェニル−C−C−アルキニル;C−C−シクロアルキル−C−C−アルキニル;C−C−アルキルチオメチル;C−C−アルコキシメチル;N原子が非置換であるアミノメチル、N原子がC−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ベンジル、非置換フェニル、ハロゲン−、ハロ−C−C−アルキル−若しくはハロ−C−C−アルコキシ−置換フェニル、非置換ピリジルメチル、又はハロゲン置換ピリジルメチルで一置換又は二置換されたアミノメチル;N−C−C−ピペラジニルメチル;モルホリニルメチル;N−イミダゾールメチル;ピペロニル;非置換フェニル、又はハロゲン、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルコキシ若しくはハロ−C−C−アルキルチオで置換されたフェニル;シアノ;又はCOOR基(式中、Rは水素又はC−C−アルキルである。)であり、
とRが、これらが結合している炭素原子と一緒にピペリジニル又はN−C−C−ピペリジニル環を形成しており、
が、C−C−アルキル、フェニル、ハロ−C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CHO、C(O)−C−C−アルキル、C(O)O−C−C−アルキル、N−モノ−若しくはN,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、SF又はSOHであり、それによって、nが幾つであっても、Rは同一でも、異なっていてもよく、
AがOであり、
Xが、非置換N若しくはCであり、又はR基で置換されたN若しくはCであり、
mが0、1又は2であり、nが2又は3である、
請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項24】
次式の化合物。
【化2】

(式中、Rは、水素、非置換C−C−アルキル、又はヒドロキシル若しくはC−C−アルコキシで置換されたC−C−アルキルであり、Rはハロゲンであり、mは0又は1であり、Rは水素、C−C−アルコキシメチル又はC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシメチルであり、Rはメチル、エテニル又はエチニルであり、R’及びR”は各々独立にフッ素、塩素又はシアノである。)
【請求項25】
次式の化合物
【化3】

(式中、R、R、R、R、R、A、X、m及びnは、式Iで定義したとおりである。)が、場合によっては塩基触媒の存在下で、次式の化合物
−Q III
(式中、Rは、式Iで定義したとおりであり、Qは脱離基である。)と反応させらることを特徴とする、請求項1に記載のそれぞれ遊離型又は塩型の式Iの化合物の調製方法。
【請求項26】
ヒト以外の温血動物及び植物に付いた外寄生生物を防除するための、請求項1から24のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項27】
生理的に許容される担体及び/又は分散剤に加えて、請求項1から24のいずれか一項に記載の少なくとも1種類の式Iの化合物の有効量を活性成分として含む、ヒト以外の温血動物又は植物に付いた寄生生物を防除する組成物。
【請求項28】
それによって請求項1から24のいずれか一項に記載の少なくとも1種類の式Iの化合物の有効量が寄生生物又はその所在位置に対して使用される、ヒト以外の温血動物又は植物に付いた寄生生物を防除する方法。
【請求項29】
ヒト以外の温血動物又は植物に付いた寄生生物を防除する方法における、請求項1から24のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項30】
温血動物又は植物に付いた寄生生物に対する薬剤組成物の調製における、請求項1から24のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。

【公表番号】特表2009−514823(P2009−514823A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538302(P2008−538302)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010518
【国際公開番号】WO2007/051619
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】