説明

洗浄効率が改善されたトンネル式洗浄システム

【課題】トンネル式洗浄機において、流体排気通路で洗浄機の各チャンバからの均等な蒸気排気を容易にし、各チャンバからの熱損失を最小限にするため最適化される。
【解決手段】トンネル式洗浄機には、トンネル式洗浄機のチャンバを分離する間隔を保つ二重壁カーテンが含まれ、チャンバ間およびトンネル式洗浄機外への流体および熱移動が防止される。二重壁カーテンにはトンネル式洗浄機の操作の間にカーテンが互いに粘着することを抑制する表面が含まれる。またトンネル式洗浄機には種々の寸法の物品に対し乾燥効率を均等にする空気マニホールドが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に洗浄システムに関し、特に実験動物を世話する際に使用する物品の洗浄に通常使用するトンネル式洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル式洗浄機は実験動物を世話する際に使用する動物籠(例えば、金網籠およびプラスチック籠)、棚、残骸鍋、給水装置、びん、および供給碗などの物品の洗浄に広範に使用される。トンネル式洗浄機は典型的には複数の処理チャンバに分割され、予備洗浄、洗浄、すすぎおよび乾燥操作がそれぞれ実行される。予備洗浄、洗浄およびすすぎ操作の間は、限定はしないが水および水蒸気を含む種々の流体がそれぞれのチャンバに取り入れられ除去される。乾燥操作の間は加熱空気を乾燥チャンバを通して循環する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は予備洗浄、洗浄、すすぎおよび乾燥操作の効率を改善するトンネル式洗浄機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると物品を洗浄するトンネル式洗浄機が提供される。本洗浄機は物品を処理する複数の隣接処理チャンバと、隣接処理チャンバ間で流体の移動を抑制する少なくとも1組のカーテンとを備え、それぞれ1組のカーテンは第1のカーテンと第2のカーテンで構成され、前記第1のカーテンは第1の位置に取り付けられ、前記第2のカーテンは前記第1の位置から間隔を置いた第2の位置に前記第1のカーテンに一般に平行に取り付けられる。
【0005】
本発明の別の側面によると、物品を洗浄するトンネル式洗浄機であって、予備洗浄チャンバ、洗浄チャンバおよびすすぎチャンバと、通風システム、予備洗浄チャンバおよびすすぎチャンバに流体連絡する排気ダクトと、通風システムを通して排気するため予備洗浄チャンバおよびすすぎチャンバから排気ダクト内に流体を吸い込む送風機とを備え、前記洗浄チャンバは前記排気ダクトに流体接続しないトンネル式洗浄機が提供される。
【0006】
本発明のさらに別の側面によると、物品を洗浄するトンネル式洗浄機であって、予備洗浄チャンバ、洗浄チャンバおよびすすぎチャンバと、第1の入口が予備洗浄チャンバへの入口端に配置され第2の入口がすすぎチャンバの出口端に配置された流体を受け取る入口を2つのみ有し、通風システムに流体連絡する排気ダクトと、通風システムを通して排気するため予備洗浄チャンバおよびすすぎチャンバから排気ダクト内に流体を吸い込む送風機とを備えるトンネル式洗浄機が提供される。
【0007】
本発明のさらに別の側面によると、トンネル式洗浄機の乾燥チャンバで物品を乾燥する装置であって、空気源に流体連絡し、加圧空気流を与える複数のノズルを含む空気管と、第1の端部が前記乾燥チャンバ内に回動可能に取り付けられ第2の端部が前記空気管を支持する一対のアームと、乾燥チャンバ内の第1の位置で前記空気管を吊るす一対の付勢部材とを備え、乾燥チャンバ内空気管の高さは空気管と前記乾燥チャンバで乾燥される物品の上面との間の距離Dが一般に維持されるよう調整可能である装置が提供される。
【0008】
本発明のさらに別の側面によると、トンネル式洗浄機の乾燥チャンバで物品を乾燥する装置であって、空気源に流体連絡し、加圧空気流を与える複数のノズルを含む空気管と、乾燥チャンバで乾燥される物品上に乾燥チャンバ内で移動可能な空気管を吊るす手段とを備え、乾燥チャンバ内空気管の高さは空気管と前記乾燥チャンバで乾燥される物品の上面との間の距離Dが一般に維持されるよう調整可能である装置が提供される。
【0009】
本発明のさらに別の側面によると、物品を洗浄するトンネル式洗浄機であって、物品を予備洗浄する予備洗浄チャンバと、予備洗浄後に物品を洗浄する洗浄チャンバと、洗浄後に物品をすすぐすすぎチャンバとを備え、前記すすぎチャンバには物品をすすぐのに使用された水を予備洗浄チャンバおよび洗浄チャンバに再利用する導管が含まれるトンネル式洗浄機が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の利点は洗浄機のチャンバ間の流体移動を最小限にするため最適化された流体排気通路を有するトンネル式洗浄機を備えることにある。
本発明の別の利点は洗浄機のチャンバからの熱損失を最小限にするため最適化された流体排気通路を有するトンネル式洗浄機を備えることにある。
【0011】
本発明の別の利点は洗浄機の各チャンバからの均等な蒸気吸引を容易にする流体排気通路を有するトンネル式洗浄機を備えることにある。
本発明の別の利点はトンネル式洗浄機のチャンバを分離してその間の流体および熱移動を防止する間隔を保つ二重壁カーテンを有するトンネル式洗浄機を備えることにある。
【0012】
本発明のさらなる利点はトンネル式洗浄機の操作の間にカーテンは互いに粘着するのを抑制する表面を備えた二重壁カーテンを有するトンネル式洗浄機を備えることにある。
本発明のさらに別の利点は様々な寸法の物品の乾燥効率を均等にするトンネル式洗浄機を備えることにある。
【0013】
本発明のさらに別の利点は乾燥効率の改善されたトンネル式洗浄機を備えることにある。
これらの利点は付帯する図面および特許請求の範囲とともに以下の好ましい実施形態によって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は一定の部分および部分の配置において具体的な形態をとり、その好ましい実施形態は明細書で詳細に記述し、かつ一部を形成する付帯する図面で説明する。
【図1】本発明の好ましい実施形態によるトンネル式洗浄機の概略側面図であり、トンネル式洗浄機の予備洗浄、洗浄、すすぎおよび乾燥チャンバを示す。
【図2】本発明の好ましい実施形態による分割カーテンの正面図である。
【図3】図2に示す分割カーテンの一部拡大図である。
【図4】図3の線4−4で切断した分割カーテンの断面図である。
【図5】図1に示すトンネル式洗浄機の一部の側断面図であり、洗浄チャンバおよびすすぎチャンバを示す。
【図6】従来のトンネル式洗浄機の一部の側断面図であり、洗浄チャンバの一部およびすすぎチャンバの一部を示す。
【図7】図1に示すトンネル式洗浄機の一部の側断面図であり、すすぎチャンバの一部および乾燥チャンバを示し、乾燥チャンバには第1の位置に配置された空気マニホールドが含まれる。
【図8】図1に示すトンネル乾燥機の一部の側断面図であって、すすぎチャンバの一部および乾燥チャンバを示し、乾燥チャンバには第2の位置に配置された空気マニホールドが含まれる。
【図9】図7の線9−9で切断した乾燥チャンバの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照するに際して、図面は発明の好ましい実施形態のみを示すためであり、それに限定するためではないことに留意されたい。図1は本発明の好ましい実施形態によるトンネル式洗浄機の概略側面図を示す。ハウジング20はコンベヤ30を囲む。ハウジング20は4つの処理チャンバ、すなわち、予備洗浄チャンバ12、洗浄チャンバ14、すすぎチャンバ16および乾燥チャンバ18に分割された内部チャンバを形成する。各チャンバ12,14,16、18の部品および操作については以下に詳述する。
【0016】
コンベヤ30は一般にコンベヤベルト32と電動機(図示しない)で駆動される一対のローラ34で構成される通常のコンベヤ装置である。コンベヤベルト32は図1に示すようにチャンバ12,14,16、18を通過して延びる。
【0017】
トンネル式洗浄機10で処理される物品4はトンネル式洗浄機の搭載端22においてコンベヤベルト32上に搭載される。トンネル式洗浄機10で処理されたあと、物品4は洗浄機の取出し端24においてコンベヤベルト32から除去される。
【0018】
間隔をおいた垂直の複数の分割カーテン40を各チャンバ12,14,16,18の対向する端部に配置し、このようにして各チャンバの長さを定義し、その間に流体障壁を与えて各チャンバを分離する。カーテン40は一般に平面状の柔軟なシートであり、好ましくは柔軟なポリマーで、より好ましくはエラストマーで作る。またカーテン40はゴムまたは他の適当な材料で作ることもできる。複数の穴48をカーテン40の上端に形成する。以下に述べるように、穴48はチャンバ12,14,16,18の頂部でカーテン40を吊り下げる固定手段が入る寸法にする。図示する実施形態では分割カーテン40は各カーテンの高さに達する寸法にする。各カーテン40に複数のスリットを形成して複数のフラップ44を形成する。各フラップは独立で可動する。図3および4でよく分かるように、間隔をおいた複数の突起をフラップ44の前後面に形成する。図示する実施形態では突起46は一般に半球状バンプである。
【0019】
少なくとも1つの内部カーテン52を各チャンバ12,14,16内に配置する。内部カーテン52は流体障壁としても機能する。内部カーテン52は分割カーテン40とほぼ同一であるが、図示する実施形態によると長さが短い。さらに内部カーテン52は平坦でその前後面に突起を含まない。この点、内部カーテン52のいずれのフラップの前後面はほぼ滑らかである。
【0020】
排気ダクト60がチャンバ12,14,16の上部領域に沿って延び、予備洗浄チャンバ12、すすぎチャンバ16および通風システム(図示しない)と流体連絡する。この点、排気ダクト60は予備洗浄チャンバ12の入口端に配置された第1の入口62aと、すすぎチャンバ16の出口端に配置された第2の入口62bとを有する。排気送風機68が排気ダクト60から流体を吸い込み、通風システム(図示しない)に排気する。
【0021】
再循環ダクト90が乾燥チャンバ18内で流体(例えば高温空気)を再循環させる。再循環ダクト90には入口92、下部の出口94a,および上部の出口94aが含まれる。入口92は取出し端24に最も近い乾燥チャンバ18の上部領域と流体連絡する。下部出口94aは乾燥チャンバ18の下部領域に配置し、これに対し上部出口94bは乾燥チャンバの上部領域に配置する。送風機104およびヒータ106を再循環ダクト90に配置する。送風機104は取出し端24から再循環ダクト90内へ空気を吸い込み、この空気を下部出口94aおよび上部出口94bを通して乾燥チャンバ18内に戻して再循環させる。空気は乾燥チャンバ18に戻す前にヒータ106で加熱する。戻し導管98が液体溜め160D(以下に述べる)および再循環ダクト90を流体連絡する。
【0022】
取付け部材66(図5,7,8でよく分かる)が排気ダクト60および再循環ダクト90から下方に延びる。分割カーテン40は取付け部材66から吊り下げる。図示する実施形態では、分割カーテン40は分割カーテン40の穴48を通る固定手段によって取付けブラケット66に取り付ける。内部分割カーテン52は分割カーテン40と同一の方法で吊り下げるのが好ましい。
【0023】
分割カーテン40は図5,7,8でよく分かるように対で取り付ける。一対の分割カーテン40はその間に隙間を与えるように間隔を保つのが好ましい。間隔を保つ一対の分割カーテン40は入口62a,入口62bおよび入口92の反対側に配置する。したがって、これら一対の分割カーテン40はそれぞれ排気ダクト60の入口62a,62bおよび排気ダクト90の入口92に導く流体通路を形成する。
【0024】
図7−9でよく分かるように、高さ調整可能な空気マニホールド110で乾燥チャンバ18内の物品4を乾燥する空気の高い圧力流を与える。空気マニホールド110は一対の一般に平行なアーム120、空気管130および一対の付勢部材116とで構成される。各アームの第1の端部122は乾燥チャンバ18の上部領域に配置したそれぞれの支持部材112に回転可能に結合する。各アーム120の第2の端部124は空気管130を支持する。複数のノズル134を空気管130の長さに沿って設ける。ノズル124は加圧空気の流れを与える。空気管130は空気源を供給する送風機140に連結された柔軟な空気送風管142に流体連絡する。図9でよく分かるように、付勢部材116はアーム120とハウジング20との間で結合する。付勢部材116は乾燥チャンバ18を移動する物品4の上方で空気管130を吊り下げる。図示する実施形態では、付勢部材116はばねである。以下に詳細を記載するように、付勢部材116は乾燥チャンバ18内を通過する物品の上方に空気管30を「浮かせる」。
【0025】
各チャンバ12,14,16,18は関連する流体の回復・循環システムを有する。
各関連する流体の回復・循環システムの類似する部品には同一符号を付す。
予備洗浄チャンバ12に関して、コンベヤベルト32の下方に配置した液体溜め160Aでチャンバ12の流体を集める。ヒータ16に液体溜め160Aに集まった液体を加熱する。再循環導管170は液体溜め160Aと流体連絡し、液体溜め160Aに集まった液体を予備洗浄チャンバに戻して再循環させる。このため、再循環導管170には下部出口172aおよび上部出口172bが含まれる。下部出口172aはチャンバ12の下部領域に配置し、一方、上部出口172bはチャンバ12の上部領域に配置する。下部出口172aおよび上部出口172bには複数のノズルを形成する。
【0026】
ポンプ166で液体を再循環導管170を通して再循環させるため再循環導管170にポンプ166を設ける。また再循環導管170にフィルタ176を設け、予備洗浄チャンバに戻る前に再循環液体を濾過する。
【0027】
出口導管178が再循環導管170を共通のドレーン導管190に流体連絡する。ドレーン導管190はドレーンに流体連絡する。第2の出口導管188も再循環導管170をドレーン導管190に接続する。第2の出口導管188は図1に示すようにフィルタ176の箇所で再循環導管170に接続する。
【0028】
次に洗浄チャンバ14を参照すると、流体溜め160Bをコンベヤベルト32の下方に配置してチャンバ14から流体を集める。ヒータ162で流体溜め160Bに集まった液体を加熱する。
【0029】
再循環導管170は液体溜め160Bと流体連絡し、液体溜め160Bに集まった液体を洗浄チャンバ14に戻して再循環させる。このため、再循環導管170には下部出口172aおよび上部出口172bが含まれる。下部出口172aはチャンバ14の下部領域に配置し、一方、上部出口172bはチャンバ14の上部領域に配置する。下部出口172aおよび上部出口172bには複数のノズルを形成する。再循環導管170にポンプを設けて液体を再循環導管170を通して再循環させる。
【0030】
出口導管178で再循環導管170を共通のドレーン導管190に流体接続する。
次にすすぎチャンバ16に関し、液体溜め160Cをコンベヤベルト32の下方に配置して液体をチャンバ16から集める。ヒータ162で液体溜めに160Cに集まった液体を加熱する。
【0031】
再循環導管170が液体溜め160Cに流体連絡し、液体溜め160Cに集まった液体をすすぎチャンバ16に戻して再循環させる。このため、再循環導管170には下部出口172aおよび上部出口172bが含まれる。下部出口172aはチャンバ16の上部領域に配置し、一方、上部出口172bはチャンバ16の上部領域に配置する。下部出口172aおよび上部出口172bには複数のノズルを形成する。再循環導管170も再利用導管180に流体接続する。再利用導管180には洗浄チャンバ14に配置された第1の再利用出口181および予備洗浄チャンバ12に配置された第2の再利用出口184が含まれる。第2の再利用出口184には下部出口186aおよび上部出口186bが含まれる。下部出口182a,上部出口182b、下部出口186aおよび上部出口186bには複数のノズルが形成される。再循環導管170にはポンプ166を設け液体を再循環導管170を通して再循環させる。
【0032】
出口導管178が再循環導管170を共通のドレーン導管190に流体接続する。
オーバーフロー導管200が液体溜め160Cと液体溜め160Bを液体溜め160Aに流体接続する。この点に関し、オーバーフロー導管200には液体溜め160Cに配置された第1の入口202aと,液体溜め160Bに配置された第2の入口202bと、液体溜め160Aに配置された出口204とが含まれる。
【0033】
洗浄水導管210がすすぎチャンバ16を洗浄水源に接続する。洗浄水導管210にはすすぎチャンバ16の下部領域に配置された下部出口214aとすすぎチャンバ16の上部領域に配置された上部出口214bとが含まれる。下部出口214aおよび上部出口214bにはノズルが形成される。
【0034】
次に乾燥チャンバ18を参照すると、コンベヤベルト32の下方に液体をチャンバ18から集めるため液体溜め160Dが設けられる。出口導管198が液体溜め160Dを共通のドレーン導管190に流体接続する。
【0035】
図1に示すように、隣接するチャンバ12,14,16,18間に隣接するチャンバからの液体流をそらすため分流装置150を設ける。図示する実施形態では一般に分流装置150は間隔を有する一対の分割カーテン40下に中心をもちコンベヤベルトの下方に配置される。
【0036】
次にトンネル式洗浄機10の操作について詳述する。物品4(例えば籠)を、チャンバ12,14,16,18を連続して運ばれる公知のコンベヤベルト32上に載置する。予備洗浄チャンバ12で、典型的には物品4を温水に露出させて塵と残骸を取り除く。洗浄チャンバ14で、典型的には物品4を温水と適当な洗剤からなる洗剤溶液に露出させる。すすぎチャンバ16で、物品4に温水を噴射して物品4から残留洗剤溶液を除去する。乾燥チャンバ18で、典型的には物品4に温風を吹き付けて物品4を乾燥させ、そこから残留水分を取り除く。
【0037】
物品4が搭載端22に配置された分割カーテン40を通過するとき、予備洗浄チャンバ12から漏れるガス状流体(例えば、水蒸気)は第1の入口62aで排気ダクト60に捕獲されて通風システムに排気される。ガス状流体は送風機68によって排気ダクト60内に吸い込まれる。分割カーテン40を間隔を保つように配置したことにより、ガス状流体の排気ダクト内への流れが容易になり、搭載端22において流体がトンネル式洗浄機10の外部へ漏出することが抑制される。搭載端22において分割カーテン40はガス状流体が排気ダクト60に達する通路を形成し、また液体流がトンネル式洗浄機10から漏れ出すのを抑制する障壁を形成する。
【0038】
予備洗浄チャンバ12と洗浄チャンバ14との間に設けられた分割カーテンの間隔を保つ配置はチャンバ12と14間の流体の移動を抑制する。同様に、洗浄チャンバ14とすすぎチャンバ16との間に設けられた分割カーテン40の間隔を保つ配置はチャンバ14と16間の流体の移動を抑制する。
【0039】
物品4がすすぎチャンバ16と乾燥チャンバ18との間の分割カーテン40を通過するとき、すすぎチャンバ16から漏れ出すガス状流体(例えば、水蒸気)は排気ダクト60の第2の入口62bで捕獲され通風システムに排気される。送風機68はガス状流体を排気ダクト60内に吸い込む。分割カーテン40の間隔を保つ配置でガス状流体の排気ダクト60内への流れが容易になり、流体の乾燥チャンバ18への漏出が抑制される。分割カーテン40はガス状流体が排気ダクト60に達する通路を形成し、液状流体が乾燥チャンバ18内へ漏れ出すのを抑制する。
【0040】
物品4が取出し端24に配置された分割カーテン40を通過するとき、乾燥チャンバ18から漏れ出したガス状流体は再循環ダクト90の入口92で捕獲される。送風機104でガス状流体は再循環ダクト90内に吸い込まれる。再循環ダクト90内でガス状流体はヒータ106で再加熱され下部出口94aと上部出口94bを通して乾燥チャンバ18に戻される。分割カーテン40の間隔を保つ配置でガス状流体が再循環ダクト90に至る通路を形成することによって、ガス状流体の再循環ダクト90内への流れが容易になる。また分割カーテン40の間隔を保つ配置は取出し端24でトンネル式洗浄機10から流体が流出するのを抑制する流体障壁を形成する。
【0041】
従来技術においては一対の分割カーテン40Aが取付部材66(図6)に取り付けられるが、本発明の分割カーテン40(図5)のように間隔を保っていない。さらに、従来技術の分割カーテン40Aには本発明に設けられるような突起46が含まれていない。分割カーテン40に間隔を保ち、その表面に突起を形成することで、図5に示すように物品4が運ばれてきてそこを通過するとき分割カーテン40は互いに粘着し難くなり、また物品が分割カーテン40を通過するとき物品に粘着し難くなる。分割カーテンが互いに粘着すると、チャンバ間に流体を移動させることになる開口が生じる。本発明の分割カーテン40の配置および設計は隣接するチャンバを分離させる。このやり方で、分割カーテン40はトンネル式洗浄機10内に流体を保持する「ミスト制御」を行い、トンネル式洗浄機10の隣接するチャンバ間で流体の移動を抑制する。図5に示すように、たとえ一対の分割カーテン40の1つが物品4が現れたことによって動いても、第2の分割カーテン40が障壁として作用する。このように本発明の分割カーテン40はチャンバ12,14,16,18を分離させるので、チャンバ間の流体移動およびトンネル式洗浄機10外部への流体移動が最小限となる。
【0042】
排気入口の数および位置はトンネル式洗浄機で最適化して熱損失および流体移動を最小限にする。搭載端22に配置された入口62aはトンネル式洗浄機10の外部への熱損失を最小限にする。すすぎチャンバ16と乾燥チャンバ18との間に配置された入口62bはすすぎチャンバ16から乾燥チャンバ18へ移動する湿気を最小限にする。したがって、乾燥効能が改善される。また取出端24に配置された再循環ダクト90への入口92もトンネル式洗浄機10の外部への熱損失を最小限にする。熱損失および流体移動を最小限にすることが、トンネル式洗浄機10の所望温度の維持に必要な蒸気消費量の減少に貢献する。
【0043】
次に図7−9を参照すると、物品4の乾燥を容易にするため調整可能な空気マニホールド110が乾燥チャンバ18内に設けられる。空気マニホールド110は乾燥チャンバ18を通過する物品4の上方で「浮く」。この点については、付勢部材116で乾燥チャンバ18を通過する物品4上に空気管130を吊るす。物品4の上面と空気管130との間の距離は、そこを通過する物品4の寸法(すなわち、高さ)に関係せず、距離Dにほぼ保持される。この点については、加圧空気流がノズル134から放出され物品4に対して吹きかけて物品4を乾燥させるので、物品4に加えられる空気圧力が物品4から離れる方向に空気管130を押し上げ、空気管130と物品4の上面との間で距離Dが一般に保持される。図7および8に示すように、一般に物品4の高さに関係せず距離Dが保持される。したがって、乾燥効率は物品4の高さに関係なくほぼ同一になる。好ましい実施形態においてはノズル134から放出される圧力空気の流れは一般にコンベヤベルト32面に垂直である。
【0044】
勿論、空気マニホールド110は流体がすすぎチャンバ16から乾燥チャンバ18に入るのを防止する追加の障壁としても作用する。このことは乾燥効率にも貢献する。
次に図1に戻り、チャンバ12,14,16,18の流体再利用および循環操作について説明する。洗浄水導管210からすすぎチャンバ16内に吹き付けられた水はすすぎチャンバ16内で再循環され再利用導管180を介して洗浄チャンバ14および予備洗浄チャンバ12の両チャンバに再利用される。チャンバ12,14,16でそれぞれ引き続き処理した後は物品4から汚物がより多く除去されるので、チャンバ12,14,16に使用された液体は進むにつれてクリーンになる。チャンバ16内に吹き付けられた水は液体溜め160Cに集められ、再循環導管170を介してすすぎチャンバ16に再循環して戻される。洗浄チャンバ14に吹き付けられた水は液体溜め160Bに集められ、再循環導管170を介してチャンバ14に再循環して戻される。さらに、予備洗浄チャンバ12に吹き付けられた水は再循環導管170を介してチャンバ12に再循環して戻される。物品4が予備洗浄チャンバ12を通過するとき最も汚れているので、チャンバ12の再利用水は再循環でチャンバ12に戻る前にフィルタ176を通過する。
【0045】
液体溜め160Bおよび液体溜め160Cのオーバーフロー液体はオーバーフロー導体200を介して液体溜め160A内に流れる。図示する実施形態では各液体溜め106A,160B,160Cは順次容量が大きくなる。さらに、入口196a,202b,202aの高さはそれぞれ液体溜め160A,160B,160C内で順次高くなる。乾燥チャンバ18の液体溜め160Dで集められた残りの液体は出口導体198を解してドレーン導管190に向う。
【0046】
他人が本明細書を検討するときに別の修正や変更が生まれる。このような修正や変更は特許請求の範囲またはそれと均等な範囲内にある限りすべて本発明に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル式洗浄機の乾燥チャンバで物品を乾燥する装置であって、
空気源に流体連通し、加圧空気流を与える複数のノズルを含む空気管と、
第1の端部が前記乾燥チャンバ内に回動可能に取り付けられ第2の端部が前記空気管を支持する一対のアームと、
乾燥チャンバ内の第1の位置で前記空気管を吊るす一対の付勢部材とを備え、乾燥チャンバ内空気管の高さは空気管と前記乾燥チャンバで乾燥される物品の上面との間の距離Dが維持されるよう調整可能である装置。
【請求項2】
前記加圧空気流で空気管の高さを調整し、加圧空気流を物品に吹き付けたとき距離Dを維持する、請求項に記載の装置。
【請求項3】
トンネル式洗浄機の乾燥チャンバで物品を乾燥する装置であって、
空気源に流体連通し、加圧空気流を与える複数のノズルを含む空気管と、
乾燥チャンバで乾燥される物品上に乾燥チャンバ内で移動可能な空気管を吊るす手段とを備え、乾燥チャンバ内空気管の高さは空気管と前記乾燥チャンバで乾燥される物品の上面との間の距離Dが維持されるよう調整可能である装置。
【請求項4】
前記加圧空気流で空気管の高さを調整し、加圧空気流を物品に吹き付けたとき距離Dを維持する、請求項に記載の装置。
【請求項5】
洗浄作業に続き物品を乾燥する装置であって、
加圧空気源と、
加圧空気源に流体連通した空気管と、前記空気管は物品の方向に加圧空気を噴射し、
空気管を通過し運ばれる物品より上に空気管を支える付勢部材
を有する装置。
【請求項6】
空気管は複数のノズルを有する、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記空気管を支える1対のアームを有し、前記アームの第1の端は支持部材に旋回可能に接続されるアームをさらに備える、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記付勢部材はバネである、請求項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−181007(P2012−181007A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−89779(P2012−89779)
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【分割の表示】特願2010−100444(P2010−100444)の分割
【原出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(505214191)ステリス インク (25)
【Fターム(参考)】