説明

液晶表示装置のアレイ基板及びその製造方法

【課題】ストレージキャパシタの電極の透明導電性物質で形成する場合に、ゲート絶縁膜蒸着工程の時使用されるガスと、前記透明導電性物質が反応して発生されるヘイズの不良を改善するための液晶表示装置アレイ基板、及び製造方法を提供する。
【解決手段】複数の第1領域及び第2領域に区分される基板の前記第1領域上にゲート電極が形成される工程と、前記第2領域の基板上に透明導電性物質で具現されるストレージ下部電極が形成される工程と、前記ゲート電極及びストレージ下部電極を含む基板上にゲート絶縁膜が形成される工程と、を含み、前記ゲート絶縁膜は第1から第3ゲート絶縁層の積層構造で具現されることを特徴とする液晶表示装置のアレイ基板製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置のアレイ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、電界を利用して液晶の光透過率を調節することで画像を表示する。このような液晶表示装置は、薄膜トランジスタが形成されたアレイ基板としての下部基板とカラーフィルターが形成された上部基板に互いに対向するように配置された画素電極と共通電極の間の電界を制御して液晶を駆動する。このために、液晶表示装置は互いに対向されるように合着された下部基板及び上部基板と、下部基板及び上部基板との間でセルギャップを一定に維持するためのスペーサと、セルギャップに満たされた液晶とを具備する。
【0003】
上部基板は、カラー具現のためのカラーフィルター、光漏れ防止のためのブラックマトリックス及び電界を制御するための共通電極と、液晶配向のために塗布された配向膜で構成される。下部基板は、複数の信号配線及び薄膜トランジスタと、薄膜トランジスタと接続された画素電極と、液晶配向のために塗布された配向膜で構成される。また、下部基板は画素電極に充電された画素電圧信号が次の電圧信号が充電されるまで安定的に維持されるようにするストレージキャパシタをさらに具備する。
【0004】
ストレージキャパシタは、絶縁膜を間に置いてストレージ下部電極及びストレージ上部電極が重畳されることで形成される。ここで、ストレージキャパシタは画素電圧信号を安定的に維持すると同時に高解像度に適用可能になるように、大きい容量値が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ストレージキャパシタの容量値を増加するためにストレージ上/下部電極の重畳面積を広げると、上/下部電極が占める面積ほど開口率が低下するという問題がある。
【0006】
また、ストレージキャパシタの容量値を増加しつつも、開口率の低下を防ぐためには、ストレージキャパシタの電極をそれぞれ透明導電性物質と画素電極で形成することが考えられる。
【0007】
しかし、ストレージキャパシタの電極を透明導電性物質で形成する場合、ゲート絶縁膜蒸着工程で使用されるガスと、透明導電性物質とが反応してヘイズ(Haze)現象が発生し得る。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、開口率を向上させ、かつ、ヘイズ不良を改善することが可能な、新規かつ改良された液晶表示装置のアレイ基板、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の第1領域及び第2領域に区分される基板の前記第1領域上にゲート電極が形成される工程と、前記第2領域の基板上に透明導電性物質で具現されるストレージ下部電極が形成される工程と、前記ゲート電極及びストレージ下部電極を含む基板上にゲート絶縁膜が形成される工程と、を含み、前記ゲート絶縁膜は第1から第3ゲート絶縁層の積層構造で具現されることを特徴とする液晶表示装置のアレイ基板製造方法が提供される。
【0010】
また、前記ゲート電極と重畳される領域に半導体層が形成される工程と、前記半導体層の端にそれぞれ電気的に連結されるようにソース及びドレイン電極が形成される工程と、前記ドレイン電極と電気的に連結され、前記ストレージ下部電極と重畳される領域に画素電極が形成される工程と、を含んでもよい。
【0011】
また、前記第1から第3ゲート絶縁層は、同一の物質で形成され、各層が形成される際に適用される、蒸着率(DePositioN Rate)と蒸着工程で使用されるガスの流量とのうち、少なくともいずれかが相異してもよい。
【0012】
また、前記第1及び第3ゲート絶縁層に対して同一の蒸着率を適用し、前記第1及び第3ゲート絶縁層間に具備される第2ゲート絶縁層の蒸着率を、前記第1及び第3ゲート絶縁層に対して適用される蒸着率と異なるように適用して形成してもよい。
【0013】
また、前記第1及び第3ゲート絶縁層に適用される蒸着率は、前記第2ゲート絶縁層に適用される蒸着率より小さくてもよい。
【0014】
また、前記第1及び第3ゲート絶縁層の蒸着工程で使用されるガスのうち、前記透明導電性物質に具備される酸化物との還元反応を引き起こす還元性反応ガスの流量は、第2ゲート絶縁層の蒸着工程で使用される還元性反応ガスの流量より小さくてもよい。
【0015】
また、前記還元性反応ガスは、NHガスまたはSiHガスであってもよい。
【0016】
また、前記ストレージ下部電極と接触する前記第1ゲート絶縁層は、蒸着工程で、SiHガスの流量を前記第3ゲート絶縁層の蒸着工程で使用される還元性反応ガスの流量に比べて少なくして蒸着してもよい。
【0017】
また、前記ストレージ下部電極及び前記画素電極は、ITO(INdiumTiN、Oxide)、TO(TiN Oxide)、IZO(INdium ZiNc Oxide)、ITZO(INdium TiN Oxide)のうちいずれか一つで形成されてもよい。
【0018】
また、前記ストレージ下部電極と重畳される領域下部に、前記ゲート電極と同一物質で具現される接触電極がさらに形成される工程をさらに含んでもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の第1領域及び第2領域に区分される基板と、前記第1領域の基板上に形成されたゲート電極と、前記第2領域の基板上に形成され、透明導電性物質で具現されるストレージ下部電極と、前記ゲート電極及びストレージ下部電極を含む基板上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート電極と重畳される領域に形成される半導体層と、前記半導体層の端にそれぞれ電気的に連結されるソース及びドレイン電極と、前記ドレイン電極と電気的に連結されて前記ストレージ下部電極と重畳される領域に形成される画素電極と、を備え、前記ゲート絶縁膜は第1から第3ゲート絶縁層の積層構造に具現されることを特徴とする液晶表示装置のアレイ基板が提供される。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、開口率を向上させることができる。
【0021】
また、ストレージキャパシタの下部電極として使用される透明導電性物質を形成する場合に、ゲート絶縁膜蒸着工程で使用されるガスと、透明導電性物質とが反応して発生するヘイズの不良を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例による液晶表示装置のアレイ基板を示す断面図である。
【図2a】本発明の実施例による液晶表示装置の製造方法を示す断面図である。
【図2b】本発明の実施例による液晶表示装置の製造方法を示す断面図である。
【図2c】本発明の実施例による液晶表示装置の製造方法を示す断面図である。
【図2d】本発明の実施例による液晶表示装置の製造方法を示す断面図である。
【図2e】本発明の実施例による液晶表示装置の製造方法を示す断面図である。
【図2f】本発明の実施例による液晶表示装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の実施例による液晶表示装置のアレイ基板を示した断面図である。本実施例による基板は、複数の第1領域及び第2領域に区分される基板であるが、図1では説明の便宜のために第1領域の薄膜トランジスタ領域及び第2領域のストレージキャパシタ領域に対してのみ図示されている。
【0025】
まず、図1を参照すれば、本発明の実施例による液晶表示装置のアレイ基板は、透明基板10と、前記透明基板10上に形成される薄膜トランジスタTFT及びストレージキャパシタCstを具備する。
【0026】
前記薄膜トランジスタTFTは、透明基板10上に形成されるゲート電極12と、ゲート電極12上に形成されるゲート絶縁膜18、ゲート絶縁膜18上に形成される半導体層23と、半導体層23上に形成されるソース電極26及びドレイン電極28を具備する。この時、前記ゲート電極12は図示されていないゲートラインと電気的に接続され、ゲートラインからゲート信号の供給を受ける。前記ゲート絶縁膜18は、ゲート電極12上に形成されてゲート電極12とソース/ドレイン電極(26、28)を電気的に絶縁する。
【0027】
また、前記半導体層23は、ソース電極26及びドレイン電極28との間に導通チャンネルを形成する。このために、半導体層23は活性層20と、活性層20とソース電極26及びドレイン電極28との間に形成されるオミック接触層22を備える。
【0028】
活性層20は、不純物がドーピングされていない非晶質シリコンで形成され、オミック接触層22は、N型またはP型不純物がドーピングされた非晶質シリコンで形成される。このような半導体層23は、ゲート電極12にゲート信号が供給される時ソース電極26に供給された電圧をドレイン電極28に供給する。
【0029】
また、前記ストレージキャパシタCstは、ゲート絶縁膜18及び保護層38を誘電体にしてこれを間に置いてストレージ下部電極30とストレージ上部電極の役目を遂行する画素電極42が重畳されて形成される。前記ストレージ下部電極30はゲート電極12と同一層に透明導電性物質で形成される。例えば、ストレージ下部電極30は、ITO、TO、IZO、ITZOで形成されうる。
【0030】
図1の場合、前記ストレージ下部電極30と重畳される所定領域に前記ゲート電極12と同一材質で具現される接触電極12'が形成されうるし、接触電極12'に所定の静電圧が印加されることで、ストレージキャパシタがフローティングされることを防止する。但し、これは一つの実施例であり、本実施例の構成が必ずこれに限定されるのではない。
【0031】
このような構成により、液晶表示装置の各画素領域に具備されるストレージキャパシタCstを透明に具現することで、液晶表示装置の開口率を極大化することができる。ただし、上述したように透明導電性物質をストレージ下部電極30として使用する場合、その上部に形成されるゲート絶縁膜及び/または半導体層蒸着工程の際使用されるガスと透明導電性物質が反応してヘイズ現象が発生し得る。
【0032】
一般に、前記ゲート絶縁膜18及び半導体層23は、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposion)などを利用して形成されるが、蒸着工程の時還元性反応ガス(一例としてNH)を反応ガスとして利用する場合、還元性反応ガスによるHラジカル生成の増加によってストレージ下部電極を具現する酸化物が還元されてヘイズ現象が発生する。
【0033】
そこで、本発明の実施例によるゲート絶縁膜18は、ストレージ下部電極(透明導電性物質)30によってゲート絶縁膜18及び/または半導体層23形成工程の時発生されるヘイズ現象を克服するために特性が相異なる3重層構造、すなわち、第1から第3ゲート絶縁層(18a、18b、18c)に具現されることを特徴とする。
【0034】
以下、本発明の実施例によるゲート絶縁膜の構造及び各層の特性についてより詳しく説明する。ゲート絶縁膜18を構成する第1から第3ゲート絶縁層(18a、18b、18c)は、全て窒化シリコンSiNxで具現される。各ゲート絶縁層(18a、18b、18c)は同じ物質、すなわち、窒化シリコンで具現されるが、蒸着率や、蒸着工程の時使用されるガスの流量などのうち、少なくともいずれかが相異して適用されることから、各ゲート絶縁層には差がある。
【0035】
本発明の実施例の場合、第1及び第3ゲート絶縁層(18a、18c)に対して同一の蒸着率を適用し、その間に具備される第2ゲート絶縁層18bの蒸着率をこれと異なるように適用して形成する。この時、前記第1及び第3ゲート絶縁層(18a、18c)に適用される蒸着率は、第2ゲート絶縁層18bに適用される蒸着率より小さい。
【0036】
また、第1及び第3ゲート絶縁層(18a、18c)の蒸着工程の時使用されるガスのうち、透明導電性物質に具備される酸化物との還元反応を引き起こす還元性反応ガス(一例としてNH、SiH)の流量は、第2ゲート絶縁層18bの蒸着工程の時使用される還元性反応ガスの流量より小さい。
【0037】
特に、本発明の実施例では、前記ストレージ下部電極30と接触される第1ゲート絶縁層18aの場合、蒸着工程の時にNHガスを使用せず、SiHの流量をも第3ゲート絶縁層18cに比べて小さくして蒸着する。このようにして生じる、第1、3ゲート絶縁層(18a、18c)と、第2ゲート絶縁層18bとの差の一例は、下記表1に示す通りである。なお、下記表1は一例であり、本実施例は下記表1の数値に限定されない。
【0038】
【表1】

【0039】
このような本発明の実施例によれば、ストレージ下部電極30と接触される第1ゲート絶縁層18aの蒸着工程の時、NHガスを使用せず、SiHの流量をも第3ゲート絶縁層18cに比べて少ないようにして蒸着することで、還元性ガスによるHラジカルの生成増加を抑制し、ストレージ下部電極30である透明導電性物質に具備される酸化物との還元反応によるヘイズ不良を改善することができる。
【0040】
図2a〜図2fは、本発明の実施例による液晶表示装置の製造方法を示す断面図である。図2aを参照すれば、まず、透明基板10上の薄膜トランジスタTFT形成領域にゲート電極12が形成される。ゲート電極12は、スパッタリング方法などの蒸着方法を通じて下部基板10上に積層される。このようなゲート電極12はアルミニウムAl、モリブデンMo、クロムCr、銅Cuなどで形成される。
【0041】
また、ゲート電極12が形成されると同時に、透明基板10上のストレージキャパシタCst形成領域に、ゲート電極と同じ物質で形成される接触電極12'が形成されうる。この時、接触電極12'は、以後ストレージキャパシタCst領域に形成されるストレージ下部電極の一部領域と重畳されて電気的に連結され、接触電極12'に所定の静電圧が印加されることで、ストレージキャパシタがフローティングされることを防止する役目を遂行することができる。ただし、これは一つの実施例であり、本実施例の構成が必ずこれに限定されるのではない。
【0042】
次に、図2bに示されたように、ゲート電極12及び接触電極12'が以後の蒸着方法を通じて下部基板上のストレージキャパシタCst形成領域にストレージ下部電極30が形成される。このようなストレージ下部電極30は、透明導電性物質で形成される。例えば、ストレージ下部電極30はITO、TO、IZO及びITZOのうちいずれか一つで形成されうる。
【0043】
また、本発明による実施例の場合、前記ストレージ下部電極30が形成された後、ストレージ下部電極の上面にNプラズマ処理を行う。これは、ストレージ下部電極30上に形成されるゲート絶縁膜蒸着工程の時発生される還元ガスによるHラジカルの生成抑制を具現するためであり、これを通じてHラジカルとストレージ下部電極の酸化物の間の還元によって発生されるヘイズの不良を改善することができる。
【0044】
以後、図2cのように透明基板10上にゲート絶縁膜18が形成され、薄膜トランジスタTFT形成領域に活性層20及びオミック接触層22を含む半導体層23が形成される。
【0045】
ゲート絶縁膜18は、下部基板10上にPECVDなどの蒸着方法によって形成され、図1を参照して上述したように本発明の実施例の場合、ゲート絶縁膜18は互いに異なる特性を持つ第1〜第3ゲート絶縁層(18a、18b、18c)で構成される。この時、ゲート絶縁膜18を構成する第1〜第3ゲート絶縁層(18a、18b、18c)は、全て同じ物質、すなわち窒化シリコンSiNxで具現されるが、蒸着率や、蒸着工程の時使用されるガスの流量などが相異する点から差があり、互いに異なる特性を持つ。
【0046】
本発明による実施例の場合、第1及び第3ゲート絶縁層(18a、18c)に対して同じ蒸着率を適用し、第1及び第3ゲート絶縁層間に具備される第2ゲート絶縁層18bの蒸着率を、第1及び第3ゲート絶縁層(18a、18c)に対して適用される蒸着率と異ならせる。この時、前記第1及び第3ゲート絶縁層(18a、18c)に適用される蒸着率は、第2ゲート絶縁層18bに適用される蒸着率より小さい。
【0047】
また、第1及び第3ゲート絶縁層(18a、18c)の蒸着工程の時使用されるガスのうち、透明導電性物質に具備される酸化物との還元反応を引き起こす還元性反応ガス(一例としてNH、SiH)の流量は、第2ゲート絶縁層18bの蒸着工程の時使用される還元性反応ガスの流量より小さい。
【0048】
特に、本発明の実施例では、ストレージ下部電極30と接触する第1ゲート絶縁層18aは、蒸着工程の時NHガスを使用せず、SiHの流量をも第3ゲート絶縁層18cに比べて小さくして蒸着し、これを通じて還元性ガスによるHラジカル生成の増加を抑制して、ストレージ下部電極である透明導電性物質に具備される酸化物との還元反応によるヘイズの不良を改善することができるようになる。
【0049】
このようなゲート絶縁膜18が形成された後、非晶質シリコン層、不純物がドーピングされた非晶質シリコン層が順次形成される。次に、フォトリソグラフィー工程、及びエッチング工程で非晶質シリコン層、及び不純物がドーピングされた非晶質シリコン層がパターニングされることで、活性層20及びオミック接触層22を含む半導体層23が形成される。
【0050】
半導体層23が形成された後、蒸着方法を通じて図2dに示されたように、ソース電極26、ドレイン電極28が形成される。ソース電極26、ドレイン電極28は、スパッタリングなどの蒸着方法で形成される。実質的にソース電極26、ドレイン電極28は金属物質(例えば、モリブデンMo、モリブデンタングステンMoW)などに蒸着された後、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程でパターニングされることで形成される。ここで、ソース電極26とドレイン電極28をマスクにして2つの電極(26、28)の間で露出したオミック接触層22を除去して活性層20が露出される。
【0051】
ソース電極26及びドレイン電極28が形成された後、図2eのようにソース電極26、ドレイン電極28及びストレージ上部電極25を覆うように保護膜38が形成される。保護膜は、PECVD、スピンコーティング(Spin Coating)、スピンリースコーティング(Spinless Coating)などの方法で形成される。そして、保護膜38がフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程によってパターニングされることで、コンタクトホール40が形成される。
【0052】
コンタクトホール40は、ドレイン電極28と重畳する位置に形成される。保護膜38は、ゲート絶縁膜18のような無機絶縁物質で形成されるか、またはアクリルなどのような有機絶縁物質で形成される。
【0053】
保護膜38が形成された後、図2fのように保護膜38上に画素電極42が形成される。画素電極42は、スパッタリングなどのような蒸着方法で形成される。このような画素電極42は、コンタクトホール40を経由してドレイン電極28と電気的に接触され、ストレージ下部電極30と重畳されるように形成されてストレージ上部電極の役目も遂行する。
【0054】
すなわち、ストレージキャパシタCstは、ゲート絶縁膜18及び保護層38を誘電体にしてこれを間に置いてストレージ下部電極30とストレージ上部電極の役目を遂行する画素電極42が重畳されて形成される。一方、画素電極42はITO、TO、IZO及びITZOのような透明導電性物質で形成される。
【0055】
上記説明のように、画素電極42及びストレージ下部電極30が透明導電性物質で形成される場合、開口率と無関係にその重畳面積を広く設定することができる。したがって、大容量のストレージキャパシタCstを形成することができ、これにより駆動の信頼性を向上することができ、高い開口率を確保することができる。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0057】
10 透明基板
12 ゲート電極
12’ 接触電極
18 ゲート絶縁膜
18a、18c 第1ゲート絶縁層
18b 第2ゲート絶縁層
30 ストレージ下部電極
42 画素電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1領域及び第2領域に区分される基板の前記第1領域上にゲート電極が形成される工程と、
前記第2領域の基板上に透明導電性物質で具現されるストレージ下部電極が形成される工程と、
前記ゲート電極及びストレージ下部電極を含む基板上にゲート絶縁膜が形成される工程と、
を含み、
前記ゲート絶縁膜は第1から第3ゲート絶縁層の積層構造で具現されることを特徴とする液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項2】
前記ゲート電極と重畳される領域に半導体層が形成される工程と、
前記半導体層の端にそれぞれ電気的に連結されるようにソース及びドレイン電極が形成される工程と、
前記ドレイン電極と電気的に連結され、前記ストレージ下部電極と重畳される領域に画素電極が形成される工程と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項3】
前記第1から第3ゲート絶縁層は、同一の物質で形成され、各層が形成される際に適用される、蒸着率と蒸着工程で使用されるガスの流量とのうち、少なくともいずれかが相異することを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項4】
前記第1及び第3ゲート絶縁層に対して同一の蒸着率を適用し、
前記第1及び第3ゲート絶縁層間に具備される第2ゲート絶縁層の蒸着率を、前記第1及び第3ゲート絶縁層に対して適用される蒸着率と異なるように適用して形成することを特徴とする請求項3記載の液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項5】
前記第1及び第3ゲート絶縁層に適用される蒸着率は、前記第2ゲート絶縁層に適用される蒸着率より小さいことを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項6】
前記第1及び第3ゲート絶縁層の蒸着工程で使用されるガスのうち、前記透明導電性物質に具備される酸化物との還元反応を引き起こす還元性反応ガスの流量は、第2ゲート絶縁層の蒸着工程で使用される還元性反応ガスの流量より小さいことを特徴とする請求項3記載の液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項7】
前記還元性反応ガスは、NHガスまたはSiHガスであることを特徴とする請求項6記載の液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項8】
前記ストレージ下部電極と接触する前記第1ゲート絶縁層は、蒸着工程で、SiHガスの流量を前記第3ゲート絶縁層の蒸着工程で使用される還元性反応ガスの流量に比べて少なくして蒸着することを特徴とする請求項6記載の液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項9】
前記ストレージ下部電極及び前記画素電極は、ITO、TO、IZO、ITZOのうちいずれか一つで形成されることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項10】
前記ストレージ下部電極と重畳される領域下部に、前記ゲート電極と同一物質で具現される接触電極が形成される工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置のアレイ基板製造方法。
【請求項11】
複数の第1領域及び第2領域に区分される基板と、
前記第1領域の基板上に形成されたゲート電極と、
前記第2領域の基板上に形成され、透明導電性物質で具現されるストレージ下部電極と、
前記ゲート電極及びストレージ下部電極を含む基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート電極と重畳される領域に形成される半導体層と、
前記半導体層の端にそれぞれ電気的に連結されるソース及びドレイン電極と、
前記ドレイン電極と電気的に連結されて前記ストレージ下部電極と重畳される領域に形成される画素電極と、を備え、
前記ゲート絶縁膜は第1から第3ゲート絶縁層の積層構造に具現されることを特徴とする液晶表示装置のアレイ基板。
【請求項12】
前記第1から第3ゲート絶縁層は、同一の物質で形成され、各層が形成される際に適用される、蒸着率と蒸着工程で使用されるガスの流量とのうち、少なくともいずれかが相異することを特徴とする請求項11記載の液晶表示装置のアレイ基板。
【請求項13】
前記ストレージ下部電極及び前記画素電極は、ITO、TO、IZO、ITZOのうちいずれか一つで形成されることを特徴とする請求項11記載の液晶表示装置のアレイ基板。
【請求項14】
前記ストレージ下部電極と重畳される領域下部に、前記ゲート電極と同一物質で具現される接触電極をさらに備えることを特徴とする請求項11記載の液晶表示装置のアレイ基板。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【公開番号】特開2011−186424(P2011−186424A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199910(P2010−199910)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】