説明

熱処理装置及び熱処理方法

【課題】基板を基板保持具に搭載して縦型熱処理炉に搬入し、熱処理を行う熱処理装置において、縦型熱処理炉からアンロードされた基板保持具に搭載された基板を速やかに降温させること。
【解決手段】前面から、当該前面に対向する後面の気流形成用の排気口63aに向って横方向の気流が形成されたローディングエリアS2内にて、熱処理炉2の下方側のアンロード位置におけるウエハボート3Aと前記排気口63aとの間に、アンロードにより高温に加熱された雰囲気を吸引排気するための熱排気用の排気口71が形成された排気ダクト7B,7Cを設ける。アンロードされた高温状態のウエハボート3A近傍の雰囲気は排気ダクト7B,7Cから排気されるので、上方側への熱拡散が抑えられ、横方向の気流がウエハボート3A及びウエハ群に供給されて、熱処理後のウエハを速やかに降温させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハ等の基板を基板保持具に搭載して縦型熱処理炉に搬入し、所定の熱処理を行う熱処理装置において、縦型熱処理炉からアンロードされた基板保持具に搭載されている基板温度を速やかに降温させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置の一つとして、多数の半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に対して一括(バッチ)で熱処理を行う縦型熱処理装置がある。この熱処理装置では、FOUP(搬送容器)に収納されたウエハをウエハボートに棚状に保持させ、次いでこのウエハボートを上昇させて熱処理炉内にロードし、多数枚のウエハに対して同時に所定の熱処理を行う。この後、ウエハボートを下降させて熱処理炉からアンロードし、熱処理後のウエハを移載ロボットによりFOUP内に回収することが行われている。
【0003】
アンロード時のウエハボートやウエハの温度は例えば800℃程度である。この際、高温のウエハを直ちにFOUPに回収しようとすると、FOUPは樹脂製であって耐熱性が低いため、高温のウエハを移載するとFOUPが溶解したり、アウトガスを発生させたりするおそれがある。また、ウエハの熱により移載ロボットの熱変形が発生するおそれもある。このため、アンロード後直ちに熱処理後のウエハをFOUPに移載することはできず、ウエハが70〜80℃程度に降温するまで、アンロード位置にて待機させている。
【0004】
ここで、特許文献1には、熱処理炉の下方側のロード・アンロード領域に、横方向に流れる清浄化気体流を形成する技術が記載されており、この気体流によりアンロード位置にあるウエハは冷却される。また、特許文献2に示すように、冷却ノズルを設けて、アンロード位置にあるウエハボートに冷却ガスを吹き付けることにより、冷却することも行われている。さらに、特許文献3には、熱処理炉の下方領域の移載室を区画し、窒素ガスなどの非酸化ガスによりパ−ジする技術が記載されている。
【0005】
しかしながら、ウエハの大口径化と積載量の増加に伴い、アンロードされたウエハボートやウエハ群のトータルの熱容量が大きくなっている。このように熱容量が大きくなると、熱処理炉の下方側のローディング室への放熱量が大きくなることから、当該ローディング室内に設けられた構成部材の耐熱性も問題となってくる。このため、アンロードされたウエハ等を速やかに降温させることが求められるが、従来の手法では、ウエハ等の降温に時間がかかり、その間は、ウエハボートからウエハの移載を行うことができないため、ウエハの回収時間が遅延したり、スループットの低下を招くという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開平4−137526号公報(第1図)
【特許文献2】特許第4042812号公報(段落0022、図4)
【特許文献3】特許第3502514号公報(段落0003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、縦型の熱処理炉で処理され、前記熱処理炉からアンロードされた基板保持具に搭載されている基板の温度を速やかに降温させることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明の熱処理装置は、複数の基板が棚状に保持された基板保持具を縦型の熱処理炉内にその下方側から搬入し、基板に対して熱処理を行う装置において、
前記熱処理炉の下方側に位置するローディング室と、
このローディング室内に設けられ、アンロード位置と熱処理炉内のロード位置との間で基板保持具を昇降させる保持具昇降機構と、
前記ローディング室における前面から、当該前面に対向する後面の気流形成用の排気口に向って横方向の気流を形成する気流形成機構と、
前記アンロード位置に対して基板保持具の受け渡しを行う保持具搬送機構と、
前記アンロード位置における基板保持具を左右方向から見たときに当該基板保持具の前端よりも後方側でかつ前記排気口よりも前方側に位置すると共に、少なくとも基板保持具の上部領域と対向し、アンロードされた基板保持具及び基板により高温に加熱された雰囲気を吸引排気するための熱排気用の排気口が形成された熱排気部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の熱処理方法は、複数の基板が棚状に保持された基板保持具を縦型の熱処理炉内にその下方側から搬入し、基板に対して熱処理を行う方法において、
前記熱処理炉の下方側に位置するローディング室内にて、前記ローディング室における前面から、当該前面に対向する後面の気流形成用の排気口に向って横方向の気流を形成する工程と、
前記ローディング室内のアンロード位置に対して保持具搬送機構により基板保持具の受け渡しを行う工程と、
前記アンロード位置から熱処理炉内のロード位置に保持具昇降機構により基板保持具を昇降させる工程と、
前記アンロード位置における基板保持具を左右方向から見たときに当該基板保持具の前端よりも後方側でかつ前記排気口よりも前方側に位置すると共に、少なくとも基板保持具の上部領域と対向する熱排気用の排気口が形成された熱排気部により、アンロードされた基板保持具及び基板により高温に加熱された雰囲気を吸引排気する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前面から当該前面に対向する後面の気流形成用の排気口に向って横方向の気流が形成されたローディング室内にて、熱処理炉の下方側のアンロード位置における基板保持具を左右方向から見たときに当該基板保持具の前端よりも後方側でかつ前記排気口よりも前方側に位置すると共に、少なくとも基板保持具の上部領域と対向し、アンロードされた基板保持具及び基板により高温に加熱された雰囲気を吸引排気するための熱排気用の排気口が形成された熱排気部を設けている。このため、アンロードされた基板保持具近傍の高温状態の雰囲気は熱排気部から排気されるので、上方側への熱拡散が抑えられ、ローディング室に形成された横方向の気流の乱れが抑えられる。これにより、横方向の気流が基板保持具及び基板に供給され、熱排気部による熱回収と合わせて、熱処理後の高温状態の基板を速やかに降温させることができる。従って、アンロードされた基板保持具及び基板の熱容量が大きい場合にも、速やかに熱回収が行われるため、ローディング室内の構成部材への熱影響を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明にかかる縦型熱処理装置の一実施の形態の全体構成を示す平面図である。
【図2】前記縦型熱処理装置を側面側から見た縦断面図である。
【図3】前記縦型熱処理装置を背面側から見た縦断面図である。
【図4】前記縦型熱処理装置に設けられるウエハボートと、排気ダクトと、冷却ガスノズルとを示す概略斜視図である。
【図5】前記縦型熱処理装置のローディングエリアを簡略的に示す平面図である。
【図6】アンロード位置にあるウエハボートと、排気ダクトと、冷却ガスノズルとの位置関係を示す平面図である。
【図7】前記ローディングエリアにおける気流を示す概略縦断面図である。
【図8】前記ローディングエリアにおける気流を示す概略平面図である。
【図9】ローディングエリアに排気ダクトを設けない場合の気流を示す概略縦断面図である。
【図10】排気ダクトと冷却ガスノズルの他の配置例を示す概略平面図である。
【図11】排気ダクトと冷却ガスノズルのさらに他の配置例を示す概略平面図である。
【図12】排気ダクトと冷却ガスノズルのさらに他の配置例を示す概略平面図である。
【図13】気流温度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図14】実施例のモデルを示す平面図である。
【図15】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図16】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図17】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図18】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図19】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図20】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図21】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図22】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図23】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図24】気流速度のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図25】アンロード後のウエハ搬送機構の上方雰囲気の温度の測定結果を示す特性図である。
【図26】アンロード後のウエハ搬送機構の上方雰囲気の温度の測定結果を示す特性図である。
【図27】アンロード後のウエハ搬送機構の上方雰囲気の温度の測定結果を示す特性図である。
【図28】アンロード後のウエハ温度の測定結果を示す特性図である。
【図29】アンロード後のボートエレベータのケーブルベア温度の測定結果を示す特性図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明に係る縦型熱処理装置の一実施の形態について説明する。図1は前記縦型熱処理装置の内部を示す平面図であり、以降、図1において、紙面右側を前方側、紙面左側を後方側、図1中X方向を前後方向、図1中Y方向を左右方向として説明を続ける。図2は前記縦型熱処理装置の前方側から見た縦断面図、図3はその左方側から見た縦断面図である。図中1は装置の外装体を構成する筐体であり、この筐体1内には、基板であるウエハWを収納したキャリアCが装置に対して搬入、搬出されるための搬入搬出領域S1と、キャリアC内のウエハを搬送して後述の熱処理炉内に搬入するためのローディング室であるローディングエリアS2と、が設けられている。搬入搬出領域S1とローディングエリアS2とは隔壁11により仕切られており、搬入搬出領域S1は大気雰囲気とされ、ローディングエリアS2は例えば清浄乾燥気体雰囲気(パーティクル及び有機成分が少なく、露点−60℃以下の空気)とされている。
【0013】
前記搬入搬出領域S1は、装置の左右方向(図1中Y方向)から見て手前側に位置する第1の領域12と、奥側に位置する第2の領域13とからなり、第1の領域12には、キャリアCを載置するための第1の載置台14が設けられている。キャリアCとしては、基板である例えば直径300mmのウエハWが複数枚例えば25枚棚状に配列されて収納され、前面の図示しない取り出し口が蓋体により塞がれた例えば樹脂からなる密閉型のFOUPが用いられる。前記第2の領域13には第2の載置台15とキャリア保管部16が設けられると共に、キャリアCを第1の載置台14、第2の載置台15並びにキャリア保管部16の間で搬送するキャリア搬送機構17が設けられている。図1中10は、キャリアC内とローディングエリアS2とを連通する開口部であり、18は当該開口部10の扉、19はキャリアCの蓋体を開閉する蓋開閉機構である。
【0014】
前記ローディングエリアS2の奥側上方には、下端が炉口として開口する縦型の熱処理炉2が設けられている。また、前記ローディングエリアS2内には、例えば2基のウエハボート3(3A,3B)が設けられている。これらウエハボート3(3A,3B)は、夫々多数枚のウエハWを棚状に配列保持する基板保持具をなすものである。ここで、ウエハボート3の構成について図4に基づいて簡単に説明すると、天板31と底板32との間に例えば4本の支柱33が設けられており、この支柱33に形成された図示しない溝部にウエハWの周縁部が保持されて、例えば100枚のウエハWを所定の間隔で上下に配列して保持できるように構成されている。前記底板32の下部には支持部34が設けられている。
【0015】
そして、ローディングエリアS2内には、前記ウエハボート3を載置するためのステージが3箇所に用意されている。このステージの一つは、前記熱処理炉2の下方側に設けられた保持具昇降機構をなすボートエレベータ41の上に設けられている。このボートエレベータ41は昇降自在に構成され、その上には、前記熱処理炉2の蓋体21と前記ステージをなす断熱材22とがこの順序で設けられている。前記断熱材22は例えば石英等により構成されており、その上にウエハボート3が搭載されるようになっている。
【0016】
前記ボートエレベータ41は、上下方向に伸びるガイドレール43に沿って移動機構42により昇降自在に構成され、こうしてウエハボート3をロード位置とアンロード位置との間で昇降させるようになっている。前記ロード位置とは、ウエハボート3が熱処理炉2内の反応容器2Aに搬入され、熱処理炉2の開口部を蓋体21が覆う位置であり、前記アンロード位置とは、ウエハボート3が熱処理炉2の下方側に搬出される位置(図1〜図3に示す位置)である。前記ガイドレール43は、ローディングエリアS2の奥側に後方側(図1中紙面左側)に設けられている。
【0017】
前記ステージとしてはさらに第1のステージ44と第2のステージ45とが設けられている。前記第1のステージ44は、ウエハボート3と第2の載置台15上のキャリアCとの間でウエハの移載を行なう際に、当該ウエハボート3が載置されるステージである。また、第2のステージ45は、熱処理炉2にて熱処理を行なう前後のウエハボート3を仮置きするために用いられるステージである。
【0018】
さらに、ローディングエリアS2には、ボートエレベータ41と、第1のステージ44と、第2のステージ45との間でウエハボート3の移載を行うボート搬送機構5が設けられている。このボート搬送機構5は保持具搬送機構をなすものであり、図1及び図3に示すように、アーム駆動部51により、昇降自在、水平軸周りに回転自在、進退自在に構成される多間接アーム52を備え、その多間接アーム52の先端には、平面形状が略U字型であって、開口部53aが前記ウエハボート3の支持部34よりも大きく、底板32よりも小さい保持アーム53を備えている。
【0019】
この例では、アンロード位置にあるボートエレベータ41の前方側(図1中紙面右側)に隣接してボート搬送機構5が設けられると共に、このボート搬送機構5の左右方向の手前側及び奥側に夫々第1のステージ44及び第2のステージ45が設けられている。そして、ボート搬送機構5では、前記保持アーム53により移動対象のウエハボート3の支持部34の周囲を囲み、次いで当該保持アーム53を上昇させることにより、底板32を持ち上げて移動させ、その反対の動作にて、移動先のステージにウエハボート3の搬送を行なう。この際、図5にウエハボート3の移動領域を点線にて示すように、ウエハボート3を移動元のステージから一旦ボート搬送機構5に向けて移動させ、次いで、移動先のステージに向けてウエハボート3を移動するようになっている。
【0020】
また、ローディングエリアS2には、例えば第1のステージ44の後方側に隣接して、基板移載機構をなすウエハ搬送機構54が設けられている。このウエハ搬送機構54は、第1のステージ44上のウエハボート3と第2の載置台15上のキャリアCとの間でウエハの移載を行うものである。このウエハ搬送機構54は、ウエハWを保持する複数枚例えば5枚のフォーク55と、これらフォーク55を進退自在に支持する搬送基体56とを備えており、この搬送基体56は、鉛直軸回りに回動自在及び昇降自在、及び図1中X方向に移動自在に構成されている。
【0021】
さらに、ローディングエリアS2における熱処理炉2以外の領域には、例えば熱処理炉2の開口部近傍の高さ位置に天井部23が形成されている。また、ローディングエリアS2の前方側の側面には、第1のフィルタユニット6Aと第2のフィルタユニット6Bが、第2のフィルタユニット6Bが奥側に位置するように並んで設けられている。これらフィルタユニット6A,6Bは、図3に第2のフィルタユニット6Bを代表して示すように、その上端は天井部23近傍に位置し、その下端は底板24に接続されるように、上下方向(図3中Z方向)に伸びるように設けられている。また、フィルタ部61とその前方側に形成された通気空間62とを備えており、この通気空間62は、ローディングエリアS2の底板24の下方に形成された通気室25と連通するように構成されている。
【0022】
一方、ローディングエリアS2の後方側の側面(図1中左側面)近傍には、ボートエレベータ41の駆動系への熱影響を抑えるために、遮蔽板63が設けられている。この遮蔽板63は、ローディングエリアS2における前面に対向する後面を成すものであり、フィルタユニット6A,6Bと対向するように、アンロード位置にあるウエハボート3と、移動機構42やガイドレール43が配置された空間との間に設けられている。また、その上端は天井部23近傍に位置し、その下端は底板24に載置されるように設けられると共に、遮蔽板63の高さ方向(図3中Z方向)に沿って、移動機構42の移動領域を形成するための開口部63aが形成されている。この開口部63aはローディングエリアS2側から見ると、フィルタユニット6からローディングエリアS2内に供給された気体を排気する気流形成用の排気口に相当する。
【0023】
さらに、ローディングエリアS2内には、ウエハ搬送機構54等の駆動系への熱影響を抑えるために、アンロード位置にあるウエハボート3と、ウエハ搬送機構54が配置された空間との間に仕切り板64が設けられている。さらにまた、ローディングエリアS2内には、アンロード位置にあるウエハボート3の温度を検出するための放射温度計35が設けられている。
【0024】
さらにまた、ローディングエリアS2には、熱排気部をなす排気ダクト7と、冷却ガス供給部8とが設けられている。この例では、排気ダクト7として、第1の排気ダクト7Aと、第2の排気ダクト7Bと、第3の排気ダクト7Cとを備えている。第1の排気ダクト7Aは、ローディングエリアS2における搬入搬出領域S1の近傍であって、第1のフィルタユニット6Aと対向する側壁1A近傍に、ウエハ搬送機構54の移動を妨げないように設けられている。
【0025】
また、第2及び第3の排気ダクト7B,7Cは、本発明の第1の熱排気部及び第2の熱排気部に夫々相当するものであり、これらは、アンロード位置にあるウエハボート3Aを左右方向から見たときに、当該ウエハボート3Aの前端よりも後方側でかつ前記開口部63aよりも前方側に位置するように設けられている。ここで、前記ウエハボート3Aを左右方向から見るとは、例えば図3に示す方向から見ることであり、前記ウエハボート3Aの前端とは、図1中Pで示す部位である。この例では、第2及び第3の排気ダクト7B,7Cは、アンロード位置のウエハボート3Aから見て右側及び左側に夫々設けられている。
【0026】
これら排気ダクト7A〜7Cは、図3及び図4に示すように、上下方向に伸びる筒状部材よりなり、排気ダクト7A〜7Cの上端は、例えば天井部23近傍に位置し、その下端は底板24に接続され、前記通気室25と連通している。この例では、排気ダクト7A〜7Cは、平面形状が長方形状の筒状部材からなる。
【0027】
第2及び第3の排気ダクト7B,7Cは、例えば前記長方形状の長辺が、アンロード位置にあるウエハボート3Aに対向するように配置され、このウエハボート3に対向する面70には、少なくともアンロードされたウエハボート3Aの上部領域と対向し、アンロードされたウエハボート3A及びウエハWにより高温に加熱された雰囲気を吸引排気するための熱排気用の排気口71が形成されている。前記アンロードされたウエハボート3Aの上部領域とは、当該ウエハボート3Aに製品ウエハWが搭載されている領域であり、例えば天板31から1000mm下方側までの領域である。
【0028】
この例では、ウエハボート3に対向する面70の長さ方向全体に排気口71が形成されており、この排気口71は、前記ウエハボート3の上部側に対応する高さ位置は最も開口面積が大きくなり、下方側に向けて徐々に開口面積が小さくなるように形成されている。この際、前記開口面積は、排気口71の大きさで調整してもよいし、排気口71の数により調整してもよい。また、排気口71はスリット状のものであってもよい。前記第1の排気ダクト7Aは、例えば前記長方形状の長辺がフィルタユニット6に対向するように構成され、この面に排気口71が形成されている。
【0029】
さらに、アンロード位置にあるウエハボート3Aの周囲には、アンロード位置よりも前方側でありかつボート搬送機構5よりも後方側であって、ボート搬送機構5によるウエハボート3の移載を妨げない位置に冷却ガス供給部8が設けられている。この例の冷却ガス供給部8は、上下方向に伸びる2本の冷却ガスノズル8A,8Bよりなり、これらは本発明の第1のガス供給部及び第2のガス供給部に夫々相当する。これら冷却ガスノズル8A,8Bは、図1及び図3に示すように、アンロード位置のウエハボート3Aから見て夫々左側及び右側に設けられている。
【0030】
また、第2及び第3の排気ダクト7B,7Cと冷却ガスノズル8A,8Bとは、前記ウエハボート3を挟んで対向するように設けられている。ここで、「対向する」とは、ウエハボート3の直径方向からずれていても、冷却ガスノズル8A,8Bからの冷却ガスがウエハボート3を介して排気ダクト7B,7Cに排気される場合も含む。
【0031】
この例では、冷却ガスノズル8A,8Bの上端は、例えば天井部23近傍に位置し、その下端は支持部81により底板24に接続されている。また、冷却ガスノズル8A,8Bにおける前記ウエハボート3に対向する面には、前記アンロード位置におけるウエハボート3Aに冷却ガスを供給する供給口82が上下方向に配列して形成されており、この冷却ガスノズル8A,8Bは、バルブVを備えた供給路84により冷却ガスの供給源83と接続されている。例えば冷却ガスとしては、20℃〜30℃程度に温度調整された窒素(N)ガスやアルゴン(Ar)ガスや清浄乾燥気体等が使用される。
【0032】
前記ウエハボート3Aの近傍の排気ダクト7B,7C及び冷却ガスノズル8の配置の一例について図6により説明する。複数個の排気ダクトを設ける場合、例えば2個の排気ダクト7B,7Cは、例えば図6に示すように、ウエハボート3Aの中心Oと同心円状に、夫々の排気口71が形成された面70が位置するように周方向に互いに離れて配置される。ここで、ウエハボート3Aの中心Oとは、ウエハボート3Aの平面形状の中心である。
【0033】
また、これら排気ダクト7B,7Cは、アンロード位置にあるウエハボート3の近傍に設けられることが好ましく、例えば前記排気口71が形成された面70と、ボートエレベータ41上の蓋体21との距離L1が例えば1〜30mmになるように設けられている。排気ダクト7A〜7Cの大きさの一例を示すと、上下方向の大きさは例えば1500mm〜2000mm、平面形状の大きさは例えば100mm×300mm程度である。
【0034】
また、冷却ガスノズル8は、アンロード位置にあるウエハボート3の近傍であり、ウエハボート3の移動を阻害しない位置に設けられることが好ましい。このため、図5に示すウエハボート3Aの移動領域から外れた位置であって、できるだけウエハボート3に近い位置に設けられる。図6に示すように、複数個の冷却ガスノズル8A,8Bを設ける場合には、例えばウエハボート3Aの中心Oの同心円状に、夫々の供給口82が位置するように周方向に互いに離れて配置される。また、前記供給口82と、ボートエレベータ41上の蓋体21の外縁との距離L2が例えば1〜30mmになるように設けられている。ガス供給ノズル8A,8Bの大きさの一例を示すと、上下方向の大きさは例えば1500mm〜1800mm、ノズルの管径は例えば12mm〜15mm、供給口82の大きさは例えば2mmφ〜3mmφである。
【0035】
前記通気室25は、その内部にラジエータ26を備えると共に、前端側にはフィルタユニット6の通気室62に連通するように第1のファン27及び第1のゲートバルブ28が設けられている。さらに、後端側は第2のゲートバルブ29及び第2のファン30を介して工場の排気設備に接続されている。図1及び図3中20は、底板24に形成された排気口、図7中60は、大気の導入路である。
【0036】
前記縦型熱処理装置には制御部100が設けられている。この制御部100は例えばコンピュータからなり、プログラム、メモリ、CPUからなるデータ処理部を備えていて、前記プログラムには制御部100から縦型熱処理装置の各部に制御信号を送り、後述の搬送順序を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。前記プログラムは、コンピュータ記憶媒体例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)等の記憶部に格納されて制御部100にインストールされる。
【0037】
また、制御部100は、例えばボートエレベータ41による熱処理炉2からのウエハボート3Aのアンロード開始のタイミングで、冷却ガスノズル8A,8Bから冷却ガスの吐出を開始し、放射温度計35からの検出値に基づいて冷却ガスノズル8A,8Bから冷却ガスの吐出を停止するように、バルブVへ制御信号を出力する機能を有する。
【0038】
続いて、前記縦型熱処理装置におけるウエハWの流れについて簡単に説明する。前記縦型熱処理装置では、ローディングエリアS2内に大気ガスを通流させる大気運用と、窒素ガスをパージさせる窒素ガスパージ運用とがある。前記大気運用の場合には、第1のゲートバルブ28を開き、第2のファン30を駆動して、第2のゲートバルブ29を開く。なお、第1のファン27は、装置稼働中は常時回転させておく。こうして、図7に示すように、大気の導入路60を介して例えば20℃〜30℃の大気を取り入れると共に、排気を行い、冷却ガスノズル8A,8Bから冷却ガスとして窒素ガス、又は乾燥空気、又は空気を吐出する。こうして、ローディングエリアS2では、図7及び図8に示すように、装置の外部から取り込まれた大気がローディングエリアS2内において、フィルタユニット6A,6B側から当該フィルタユニット6A,6Bに対向する遮蔽板63に向けて流れる。そして、第2及び第3の排気ダクト7B,7C及び、開口部63aを介して遮蔽板63の裏側の領域(ガイドレール43が設けられている領域)に入り込み、排気口20から通気室25へ通気する。この通気室25内の大気及び冷却ガスは、その大部分が装置の外部へ排出される一方、その一部は第1のファン27の駆動により、再びフィルタユニット6A,6Bの通気空間62に向けて流れていく。そして、フィルタユニット6A,6Bにより、清浄状態を維持した気体として再びローディングエリアS2に供給される。
【0039】
また、前記窒素ガスパージ運用の場合には、先ず、第1のゲートバルブ28及び第2のゲートバルブ29を閉じ、大気との遮断を行う。そして、遮断が完了すると、冷却ガスノズル8A,8Bから冷却ガスとして窒素ガスを放出する。この窒素ガスは、第2及び第3の排気ダクト7B,7C及び開口部63aを介して通気室25へ流れていく。第1のファン27は、装置稼働中は常時回転しているため、通気室25内の窒素ガスは、フィルタユニット6A,6Bにより、清浄状態を維持した窒素ガスとしてローディングエリアS2に循環供給される。
【0040】
ここで、ローディングエリアS2内の天井部23よりも下方側の領域では、前面にフィルタユニット6が設けられていると共に、後面近傍に、このフィルタユニット6と対向するように遮蔽板63が設けられている。このため、ローディングエリアS2内では、図7に矢印にて示すように、一方側の側面(前面)から他方側の側面(後面)に向って横方向に流れる気流が形成される。この横方向に流れる気流とは、略水平に流れる気流のことである。この実施の形態では、フィルタユニット6A,6B、遮蔽板63、開口部63a、通気室26、第1及び第2のファン27,30により気流形成機構が構成されている。
【0041】
そして、縦型熱処理装置では、図示しない自動搬送ロボットにより第1の搬送台14に載置されたキャリアCは、FOUP搬送機構17により第2の載置台15に搬送され、図示しない機構により隔壁11の開口部10に気密に当接される。この後、蓋開閉機構19によりキャリアCから蓋体が取り外され、続いて図示しない機構により例えば窒素ガスがキャリアC内に向けて吹き出されて、キャリアC内及びキャリアCと扉18との間の空間が窒素ガスにより置換される。その後、扉18、蓋開閉機構19及び蓋体が例えば上昇して開口部10から退避し、キャリアC内とローディングエリアS2とが連通した状態となる。
【0042】
一方、ローディングエリアS2では、例えば第1のウエハボート3Aを第1のステージ44に、第2のウエハボート3Bを第2のステージ45に夫々載置しておく。そして、第1のステージ44では、ウエハ搬送機構54により、前記第1のウエハボート3Aに対してキャリアC内のウエハWが順次取り出されて移載される。このウエハボート3Aに所定枚数のウエハWが搭載されると、当該ウエハボート3Aは、ボート搬送機構5により、第1のステージ44からボートエレベータ41の断熱材22上に移載され、次いでボートエレベータ41が上昇して熱処理炉2内のロード位置に搬入される。そして、当該ウエハボート3Aに搭載されたウエハWに対して例えば400〜1000℃の温度で熱処理例えばCVD、アニール処理、酸化処理などが行われる。
【0043】
熱処理後の第1のウエハボート3Aは、ボートエレベータ41が下降して熱処理炉2からアンロード位置に搬出されると、冷却ガスノズル8A,8Bから吐出されている冷却ガスがアンロード位置のウエハボート3Aに供給されることになる。こうして、当該ウエハボート3Aに搭載されているウエハWが例えば70〜80℃になるまで冷却する。
【0044】
この際、冷却ガス吐出開始及び冷却ガス吐出停止のタイミングは既述のように制御部100により制御され、この例では、既述のように、ローディングエリアS2に横方向の気流を形成するタイミングで冷却ガスの吐出が開始されるが、例えばボートエレベータ41が下降してウエハボート3Aがアンロード位置に位置したときに冷却ガスの吐出を開始するようにしてもよい。そして、ローディングエリアS2に設けられた放射温度計35により、ウエハボート3Aの検出値が例えば70〜80℃以下となったときに、冷却ガスの吐出が停止される。
【0045】
ここで、ウエハボート3Aが熱処理炉2からアンロード位置に搬出されると、当該ウエハボート3Aは熱容量が大きいため、ウエハボート3A近傍の雰囲気はウエハボート3AやウエハWにより加熱され高温状態となるが、ウエハボート3A近傍の雰囲気は、第2及び第3の排気ダクト7B,7Cから速やかに通気室25に向けて排出される。そして、通気室25内の高温状態の雰囲気は、既述のようにその大部分が装置外部へ排出される一方、その一部がラジエータ26により冷却されてフィルタユニット6A,6Bへ還流され、再びローディングエリアS2へ循環供給される。また、一部は、残留ガスを排気するSCV(スカベンジャー)排気を通じて熱排気される。
【0046】
こうして、フィルタユニット6A,6Bや遮蔽板63の開口部63aによりローディングエリアS2内に形成される横方向の気流と、冷却ガスノズル8A,8Bからの冷却ガスの供給と、排気ダクト7A〜7Cからの高温状態の雰囲気の排気により、アンロード位置のウエハボート3Aは速やかに冷却される。
【0047】
即ち、熱処理後のウエハボート3Aをアンロードすると、ウエハボート3Aは高温状態であるので、ここにフィルタユニット6A,6Bから20℃〜30℃の大気(又は窒素ガス)を供給すると、大気(又は窒素ガス)は熱容量の大きいウエハボート3Aの近傍で瞬時に昇温し、上方へ広がろうとする。しかしながら、前記排気口71により、少なくともウエハボート3Aの上部領域の雰囲気が排気されるので、当該上部領域から上方側へ広がろうとする高温に加熱された雰囲気は速やかに排気口71から排気され、上方側への熱拡散が抑えられる。
【0048】
ここで、ローディングエリアS2内において熱拡散が発生すると、後述するように横方向に流れる気流が乱されるが、排気ダクト7B,7Cによる熱排気により熱拡散が抑えられるので、このような気流の乱れが抑制され、横方向の流れが維持される。これにより、ローディングエリアS2内において、フィルタユニット6A,6Bからの気流がアンロード位置にあるウエハボート3A及びウエハWに供給され、排気ダクト7B,7Cによる熱回収と合わせて、熱処理後の高温状態の基板を速やかに冷却することができる。こうして、アンロード後のウエハWの降温時間が短縮される。
【0049】
一方、排気ダクト7を設けない場合について、図9を参照して説明する。この場合には、アンロードされたウエハボート3A及びウエハWは、フィルタユニット6からの気流や、図示しない冷却ガスノズルからの冷却ガスにより冷却される。ところで、ウエハが大口径化し、かつウエハボート3Aへの搭載枚数も多いため、アンロードされたウエハボート3A及びウエハ群の熱容量が大きい。このため、アンロードされたウエハボート3Aに気流が当たると、この気流が瞬時に昇温し、それが上昇して拡散し、前記ウエハボート3Aの近傍には、上方側に広がる高温領域91が形成される。そして、後述の実施例により明らかなように、フィルタユニット6側から供給される冷たい気流は、この高温領域91に押し下げられ、高温領域91の下方側に入り込むように流れる。このため、ウエハボート3Aに冷たい気流が供給されず、冷却効率が悪化して、ウエハWの降温に時間がかかるものと推察される。
【0050】
こうして、アンロード位置に冷却されたウエハボート3Aは、ボート搬送機構5により、例えば一旦第2のステージ45に搬送された後、第1のステージ44に搬送されて、熱処理後のウエハWはウエハ移載機構54によりキャリアC内に移載される。
【0051】
上述の実施の形態によれば、ローディングエリアS2における前面から、当該前面に対向する後面の気流形成用の排気口63aに向って横方向の気流が形成されたローディングエリアS2内にて、アンロード位置におけるウエハボート3Aを左右方向から見たときに当該ウエハボート3Aの前端よりも後方側でかつ前記排気口63aよりも前方側に位置すると共に、少なくともウエハボート3Aの上部領域と対向し、アンロードされたウエハボート3A及びウエハWにより高温に加熱された雰囲気を吸引排気するための熱排気用の排気口71が形成された排気ダクト7B,7Cを設けている。このため、アンロードされたウエハボート3A及びウエハWの降温時間が短縮される。従って、熱処理後のウエハWをキャリアCに移載するまでの時間が短縮され、スループットの低下を抑えることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、既述のように、排気口71をウエハボート3Aの長さ方向に沿って形成し、この長さ方向に沿って熱回収を行っているので、ウエハボート3Aの長さ方向の温度が揃いやすい。このため、アンロード時において、ウエハボート3Aに上下に配列されているウエハW同士の温度(面間温度)を揃えた状態でウエハWを降温することができる。
【0053】
ここで、パターンの微細化が進み、線幅が27μm程度になると、ウエハWの面間の熱履歴も問題となる。つまり、ウエハWの温度が異なると、不純物の拡散の程度や、窒素ガスパージ運用の場合にはアンロード時に形成される自然酸化膜(SiO)の厚さが変化してしまう。同一ロットのウエハ同士の間で、不純物の拡散の程度や、自然酸化膜の厚さの変化量が大きいと問題となるため、アンロード時に面間温度を揃えた状態で降温することは有効である。
【0054】
また、排気口71は、ウエハボート3Aの上部側に対応する部位は開口面積が大きく、下方側に向けて徐々に開口面積が小さくなるように設定されており、こうして排気ダクト7B,7Cでは、上部側が最も排気量が大きく、下方側ヘ向けて徐々に排気量が小さくなるように構成されている。ここで、後述の実施例より明らかなように、アンロード位置にあるウエハボート3Aの近傍では、上部側の方が下部側よりも温度が高い状態にある。従って、温度が高いウエハボート3Aの上方側近傍は大きな排気量で、温度が比較的低いウエハボートの下方側近傍は小さな排気量で排気することにより、ウエハボート3Aの長さ方向の温度がより揃いやすい。これにより、ウエハボート3Aに搭載されているウエハWの面間温度差をより揃えた状態で降温することができる。
【0055】
さらにまた、上述の実施の形態では、冷却ガスノズル8A,8Bにより、アンロードされたウエハボート3Aに対して冷却ガスを供給しているので、より冷却時間を短縮できる。冷却ガスは、ウエハボート3Aの近傍から供給され、ウエハボート3Aを介して排気ダクト7B,7Cに排気される。このため、確実にウエハボート3Aや、ウエハボート3Aに搭載されているウエハWに接触し、これらの熱を奪ってローディングエリアS2から排気されるからである。このように、冷却ガスの供給と、排気ダクト7B,7Cからの熱排気との組み合わせによって、アンロード位置にあるウエハボート3A近傍の領域では、速やかな熱回収が行われ、ウエハボート3Aに搭載されているウエハの降温を促進することができる。
【0056】
さらに、上述の実施の形態によれば、アンロード時や、アンロード後の降温時にウエハボート3A及びウエハWからの輻射熱の拡散が抑えられ、ローディングエリアS2内における対流熱の発生が抑えられる。このため、ボート搬送機構5やウエハ移載機構54のケーブルやケーブルベア等が熱影響を受けにくく、これらに熱変形が発生するおそれや、これらからアウトガスが発生するおそれが少ない。ここでケーブルベアとは、樹脂材料に構成された部材である。
【0057】
さらにまた、上述の実施の形態によれば、ローディングエリアS2内において、熱処理炉2が設けられた領域と、ウエハ搬送機構54が設けられた領域とを、仕切り壁64にて区画しているので、ウエハ搬送機構54が設けられた領域へのアンロード時やアンロード後の熱影響が抑えられる。これにより、ウエハ移載機構54やそのケーブル等に熱変形が発生するおそれや、これらからアウトガスが発生するおそれが少ない。
【0058】
続いて、排気ダクトと冷却ガスノズルの配置の他の例について図10〜図11を参照して説明する。本発明では、排気ダクト7は、一方向に略水平に流れる気流が形成されたローディングエリアS2において、アンロード位置にあるウエハボート3Aを左右方向から見たときに、当該ウエハボート3Aの前端よりも後方側でかつ気流形成用の排気口63aよりも前方側に位置すると共に、少なくとも前記ウエハボート3Aの上部領域と対向し、アンロードされたウエハボート3A及びウエハWにより高温に加熱さえた雰囲気を吸引排気するための排気口71が形成されていれば、どのように配置するようにしてもよい。
【0059】
また、冷却ガス供給部は、アンロード位置よりも前方側であり、かつボート搬送機構5よりも後方側に設けられ、アンロード位置におけるウエハボート3Aに冷却ガスを供給する供給口を有する構成であれば、どのように配置するようにしてもよい。
【0060】
例えば図10に示す例は、排気ダクト7Dを、その排気口71が形成されている面70が、左右方向よりも前方寄りに向くように配置し、冷却ガスノズル8Cを、ウエハボート3Aを挟んで排気ダクト7Dと左右方向の反対側に設けた構成である。この構成では、排気ダクト7Dはボート搬送機構5から見てウエハボート3Aの右側に配置され、冷却ガスノズル8Cはボート搬送機構5から見てウエハボート3Aの左側に配置されている。この配置では、排気ダクト7Dの排気口71は前記前方寄りに向くように配置しているので、横方向の気流を排気しやすく、当該気流の乱れを抑えてアンロードされたウエハボート3A及びウエハ群の熱を排気することができる。また、冷却ガスノズル8Cと排気ダクト7Dとがウエハボート3Aを挟んで左右方向の反対側に設けられているので、冷却ガスは前記ウエハボート3Aに接触しながら、排気ダクト7Dに向って流れて排気されるため、冷却ガスが前記ウエハボート3A全体に行き渡りやすく、有効である。
【0061】
さらに、図11(a)に示す例は、排気ダクト7Eを、その排気口71が形成されている面70が、前方側に向くように配置した構成であり、この構成では、前記排気口71が前方側に向いているので、横方向の気流をより排気しやすく、当該気流の乱れをより抑えた状態で、アンロードされたウエハボート3A及びウエハ群の熱を排気することができる。また、排気ダクト7Eと冷却ガスノズル8Dは、ボート搬送機構5から見てウエハボート3Aのほぼ同じ側に配置されているが、このような配置であっても、冷却ガスが前記ウエハボート3Aに接触して、排気ダクト7Eに排気されるので問題はない。
【0062】
以上において、本発明では、図11(b)に示すように、冷却ガス8A,8Bと別個に、図示しない移動機構により移動自在に設けられた冷却ガス8A´,8B´を設置するようにしてもよい。これら冷却ガス8A´、8B´は、通常はウエハボート3の移動を妨げないように、冷却ガス8A,8Bの近傍に待機しており、ウエハボート3がアンロードされたときには、アンロードされたウエハボート3の周方向に沿って点線に示す位置まで移動して、当該位置から冷却ガスを当該ウエハボート3Aに向けて吐出するように構成されている。そして、ウエハが降温すると待機位置に戻り、この後、ウエハボート3Aを移動するようになっている。
【0063】
また、本発明は、図12に示すボート搬送機構57を用いる構成にも適用できる。この例のボート搬送機構57は、駆動機構58により昇降自在かつ鉛直軸周りに回転自在に設けられた基台59に沿って進退自在に構成され、ウエハボート3の支持部34の周囲を囲むアーム59aを備えている。一方、ボートエレベータ41の保温筒22と、第1のステージ44、第2のステージ45は、駆動機構58を回転中心とする同心円上に設けられている。そして、アーム59aを支持部34を囲む位置まで前進させてから上昇させることにより、アーム59aにより支持部34を保持し、次いで、基台59を回転することにより移載先のステージの上方側に支持部34を移動させる。この後、基台59を下降させることにより支持部34を移載先のステージ上に受け渡し、次いでアーム59aを退行させることにより、ステージ同士の間でウエハボート3が搬送されるように構成されている。
【0064】
この例においても、排気ダクト7Gは、横方向に流れる気流が形成されたローディングエリアS2において、熱処理炉2よりも前記気流の流れ方向の下流側であって、前記アンロード位置にあるウエハボート3Aの近傍に設けられ、冷却ガスノズル8Fは、排気ダクト7Gとボート搬送機構58との間における、前記アンロード位置にあるウエハボート3Aの近傍に、冷却ガスが前記ウエハボート3Aを介して排気ダクト7Gに排気されるように設けられる。
【0065】
以上において、本発明では、熱排気部のみを設けた構成においても、既述のようにアンロードされたウエハボート及びウエハ群の熱が排気され、前記ウエハ群を速やかにかつ面間温度差を抑えた状態で降温できるので、必ずしも冷却ガス供給部を設ける必要はない。
【0066】
また、熱排気部の熱排気用の排気口は、少なくとも基板保持具の上部領域と対向するように形成されればよい。アンロードされた基板保持具及び基板により高温に加熱された雰囲気は上方に向けて拡散するため、少なくとも基板保持具の上部領域の雰囲気を吸引排気すれば、熱拡散は抑えられるからである。
【0067】
さらに、冷却ガス供給部としては、上下方向に伸びる冷却ガスノズル以外に、水平方向に伸び、先端の供給口から冷却ガスを吐出するガスノズルを多段に配置したものを用いてもよい。また、上下方向に伸びる筒状部材に冷却ガスの供給口を上下方向に配設して設けた構成であってもよい。
【0068】
さらにまた、ローディングエリアS2を不活性ガス雰囲気例えば窒素(N)ガス雰囲気とし、フィルタユニット6を介してNガスをローディングエリアS2内に供給するようにしてもよい。この場合、通気室25内に排気されたNガスは、装置外部へと排気されず、第1のファン27を駆動させて、ラジエータ26を介してFFUにフィルタユニット6に還流される。
【実施例】
【0069】
(実施例1)
ウエハボート3を500℃とし、これを直方体の処理室92内に中に入れ、30℃の大気を図13中右側に設けられた不図示のフィルタユニットからウエハボート3に向けて供給したときの気流温度についてシミュレーションを行った。この際、ウエハボート3に搭載されるウエハWの大きさは300mmサイズ、ウエハボート3へのウエハWの搭載枚数は100枚、処理室92の大きさは、1000mm×1800mm×1800mmとした。
【0070】
この結果について図13に示す。図中aは700℃以上の領域、bは500〜700℃未満の領域、cは300〜500℃未満の領域、dは100〜300℃未満の領域、eは30〜100℃未満の領域である。また、図13中、ウエハボート3は一点鎖線で示している。シミュレーションの結果、ウエハボート3の上方側に拡散するように高温領域a,b,c,dが形成され、冷たい気流は、この高温領域a,b,c,dの下方側に入り込むように流れることが認められる。この気流解析により、ウエハボート3の近傍に排気ダクトを設けない構成では、図13に矢印にて示すように、上昇する対流熱がフィルタユニット6側へ戻ってしまい、冷たい大気がウエハボート3に当たらなくなっているので、ウエハボート3の冷却効率が低下すると推察される。
(実施例2)
図14に示すように、ローディングエリアS2にウエハボート3と、第1〜第3の排気ダクト7A〜7Cと、ガス供給ノズル8A,8Bとを設けたモデルを用いて、気流速度のシミュレーションを行った。この際、ローディングエリアS2の右側から矢印にて示すように気流が供給されることとした。また、ローディングエリアS2は、X方向の大きさが1000mm、Y方向の大きさが1800mm、高さが1800mm、ウエハボート3に搭載されるウエハWの大きさは300mmサイズ、ウエハボート3へのウエハWの搭載枚数は100枚、第2の排気ダクト7Bの排気孔71と、蓋体21の外縁との距離d1は15mm、第3の排気ダクト7Cの排気孔71と蓋体21の外縁との距離d2は15mm、ガス供給ノズル8A,8Bの夫々と蓋体21の外縁との距離はd3は15mmとした。
【0071】
ローディングエリアS2の奥行方向(Y方向)の5つの部位、A1−A1位置、A2−A2位置、A3−A3位置、A4−A4位置、A5−A5位置の縦断面のシミュレーション結果について、図15〜図19に夫々示す。図中Vaは、0.8m/s以上の領域、Vbは0.6m/s以上0.8m/s未満の領域、Vcは、0.4m/s以上0.6m/s未満の領域、Vdは0.2m/s以上0.4m/s未満の領域、Veは0.2m/s未満の領域である。
【0072】
また、比較例として、排気ダクト7A〜7C及びガス供給ノズル8A,8Bを設けないモデルについても同様のシミュレーションを行った。この場合、気流が供給される側面と対向する側面近傍の底板に設けられた図示しない排気口により排気が行われることとした。実施例2と同様に、A1−A1位置、A2−A2位置、A3−A3位置、A4−A4位置、A5−A5位置の縦断面のシミュレーション結果について、図20〜図24に夫々示す。
【0073】
この結果、比較例では、ローディングエリアS2の上方側に気流速度が0.2m/s未満の失速領域が広がること、及び図20や図23、図24に示すように、底板に形成された排気口近傍での気流速度が大きいことが認められ、下向きの気流が形成されていることが理解される。従って、高温状態のウエハボート3がアンロードされると、上部側の失速領域に熱い大気が溜まってしまい、実施例1と同様に、上方側に向けた熱拡散が起こることが推察される。
【0074】
これに対して、実施例2では、排気ダクト7A〜7Cの排気口71近傍の気流速度が大きいことが認められ、これにより排気ダクト7A〜7Cに大気が引き寄せられて、ウエハボート3の高さ方向に沿ってほぼ均一に排気されていることが理解される。また、ウエハボート3の上方側には、失速領域は形成されておらず、横方向に流れる平行流が維持されることが推察される。
(実施例3)
図1〜図3に示す装置を用い、ウエハボート3に300mmサイズのウエハWを100枚搭載して、熱処理炉2内にて700℃の熱処理を例えば60分間行った後、ウエハボート3をアンロードし、アンロード後のウエハ搬送機構54の上方雰囲気の上部側、中央部、下部側の温度を測定した。前記ウエハ搬送機構54の上方雰囲気の上部側とは、底板24から1500mm上方側、中央部とは底板24から1000mm上方側、下部側とは底板24から500mm上方側とした。この際、第2の排気ダクト7Bの排気孔71と蓋体21外縁との距離は15mm、第3の排気ダクト7Cと蓋体21外縁との距離は15mm、ガス供給ノズル8A,8Bの夫々と蓋体21外縁との距離は15mmとした。また、フィルタユニット6から供給される大気の温度は20〜30℃、冷却ガスノズル8A,8Bから供給される冷却ガスの温度は、20〜30℃とし、大気運用を行った。
【0075】
前記上部側、中央部、下部側の測定結果を図25、図26、図27に夫々示す。図25〜図27中、横軸は時間、縦軸は温度である。また、実線が排気ダクト7A〜7C及び冷却ガスノズル8A,8B、仕切り板64を設けた場合の実施例3のデータ、点線が排気ダクト7A〜7C及び冷却ガスノズル8A,8B、仕切り板64を設けない場合の比較例2のデータである。温度測定は多数回行い、図25〜図27には測定結果の平均値を模式的に示している。ここで、アンロード開始のタイミングを0分とし、アンロード位置にボートエレベータ41が下降したタイミングを8分とした。
【0076】
この結果、実施例3は比較例2よりも温度が低いことが認められ、ウエハ搬送機構54の上方雰囲気の上部側では約100℃、中央部では約30℃、下部側では約10℃、実施例3では比較例2よりも温度が低下することが認められた。これにより、排気ダクト7A〜7Cと冷却ガスノズル8A,8Bとの組み合わせにより、熱が排気されると共に、仕切り板64を設けることにより、ウエハ搬送機構54が設けられている領域への熱拡散が抑えられていることが理解された。
【0077】
また、実施例3は比較例2に比べて、ウエハ搬送機構54の上方雰囲気において、上部側、中央部、下部側の温度差が小さいことが認められた。これにより、実施例3の構成によって、ウエハボート3Aのアンロード後のローディングエリアS2内の温度分布が、ウエハボート3Aの高さ方向において、従来に比べて揃えられていることが理解される。従って、アンロード後のウエハWの面間温度の均一性が従来に比べて向上することが認められる。
(実施例4)
実施例3と同様に、ウエハボート3Aに搭載されているウエハWの温度について測定した。温度測定はウエハボート3Aの高さ方向の異なる数か所の位置に夫々搭載されている複数枚のウエハWについて行い、図28に測定結果の平均値を実線にて示す。また、比較例3として、排気ダクト7A〜7C及び冷却ガスノズル8A,8B、仕切り板64を設けない場合のデータを点線で示す。図28中、横軸は時間、縦軸は温度であり、アンロード開始時が0分である。
【0078】
この結果、アンロード後にウエハが80℃に降温するまでの時間は、実施例4の方が比較例3よりも3分程度短縮されることが認められ、本発明により、アンロード後のウエハWの降温時間を短縮できることが確認された。
(実施例5)
実施例3と同様に、ボートエレベータ41のケーブルベアの温度について測定した。この結果を図29に実線にて示す。また、比較例4として、排気ダクト7A〜7C及び冷却ガスノズル8A,8B、仕切り板64を設けない場合のデータを点線で示す。図29中、横軸は時間、縦軸は温度であり、アンロード開始時が0分である。
【0079】
この結果、実施例5の方が比較例4よりもケーブルベアの最も高温時の温度が約12℃低下することが認められた。これにより、本発明の構成によって、アンロード後の、ボートエレベータ41の移動機構42側への熱拡散が抑えられることが認められた。このように、前記移動機構42側への熱の拡散が抑えられることから、従来よりも高温状態のウエハボート3Aをアンロードさせても、樹脂製のケーブル等からのアウトガスの発生のおそれがなく、熱処理後アンロードするまでの時間を短縮できることが理解される。
【0080】
以上の実施例2〜5は、排気ダクト7B,7Cと、冷却ガスノズル8A,8Bと、仕切り板64とを設けた場合のデータであるが、実施例1のデータから、アンロード後の熱容量の大きいウエハボート3Aの近傍において、排気ダクト7B,7Cにより排気を行い、熱を回収することによって、ローディングエリアS2における熱拡散や熱対流が抑えられることが認められている。また、実施例2より、排気ダクト7B,7Cによって、ウエハボート3Aの周囲では高さ方向に均一に排気が行われることが確認されている。これにより、本発明者は、アンロードされたウエハボート3Aの近傍に排気ダクト7B,7Cを設けることが、アンロードされたウエハの冷却や、面間温度の均一性の向上に、より寄与していると捉えている。
【符号の説明】
【0081】
W 半導体ウエハ
C FOUP
2 熱処理炉
3A,3B ウエボート
41 ボートエレベータ
5 ボート搬送機構
7A,7B,7C 排気ダクト
71 排気口
8A,8B 冷却ガスノズル
81 供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板が棚状に保持された基板保持具を縦型の熱処理炉内にその下方側から搬入し、基板に対して熱処理を行う装置において、
前記熱処理炉の下方側に位置するローディング室と、
このローディング室内に設けられ、アンロード位置と熱処理炉内のロード位置との間で基板保持具を昇降させる保持具昇降機構と、
前記ローディング室における前面から、当該前面に対向する後面の気流形成用の排気口に向って横方向の気流を形成する気流形成機構と、
前記アンロード位置に対して基板保持具の受け渡しを行う保持具搬送機構と、
前記アンロード位置における基板保持具を左右方向から見たときに当該基板保持具の前端よりも後方側でかつ前記排気口よりも前方側に位置すると共に、少なくとも基板保持具の上部領域と対向し、アンロードされた基板保持具及び基板により高温に加熱された雰囲気を吸引排気するための熱排気用の排気口が形成された熱排気部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
前記保持具搬送機構は、前記アンロード位置よりも前方側に設けられ、
前記アンロード位置よりも前方側でありかつ前記保持具搬送機構よりも後方側に設けられ、前記アンロード位置における基板保持具に冷却ガスを供給する供給口を有する冷却ガス供給部を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱処理装置。
【請求項3】
前記熱排気部は上下方向に伸びる筒状部材を備え、この筒状部材に前記熱排気用の排気口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱処理装置。
【請求項4】
前記冷却ガス供給部は、上下方向に伸び、その長さ方向に沿って前記供給口が形成された冷却ガスノズルであることを特徴とする請求項2記載の熱処理装置。
【請求項5】
前記熱排気部は、前記アンロード位置の基板保持具から見て左側及び右側に夫々設けられた第1の熱排気部及び第2の熱排気部を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の熱処理装置。
【請求項6】
前記冷却ガス供給部は、前記アンロード位置の基板保持具から見て左側及び右側に夫々設けられた第1の冷却ガス供給部及び第2の冷却ガス供給部を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の熱処理装置。
【請求項7】
前記排気口は、前記アンロード位置にある保持具の上部側に対応する排気口から下方側に向って、徐々に開口面積が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の熱処理装置。
【請求項8】
複数の基板が棚状に保持された基板保持具を縦型の熱処理炉内にその下方側から搬入し、基板に対して熱処理を行う方法において、
前記熱処理炉の下方側に位置するローディング室内にて、前記ローディング室における前面から、当該前面に対向する後面の気流形成用の排気口に向って横方向の気流を形成する工程と、
前記ローディング室内のアンロード位置に対して保持具搬送機構により基板保持具の受け渡しを行う工程と、
前記アンロード位置から熱処理炉内のロード位置に保持具昇降機構により基板保持具を昇降させる工程と、
前記アンロード位置における基板保持具を左右方向から見たときに当該基板保持具の前端よりも後方側でかつ前記排気口よりも前方側に位置すると共に、少なくとも基板保持具の上部領域と対向し、熱排気用の排気口が形成された熱排気部により、アンロードされた基板保持具及び基板により高温に加熱された雰囲気を吸引排気する工程と、を含むことを特徴とする熱処理方法。
【請求項9】
前記保持具搬送機構は、前記アンロード位置よりも前方側に設けられ、
前記アンロード位置よりも前方側でありかつ前記保持具搬送機構よりも後方側に設けられた冷却ガス供給部により、前記アンロード位置における基板保持具に冷却ガスを供給する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の熱処理方法。
【請求項10】
前記アンロードされた基板保持具及び基板により高温に加熱された雰囲気を吸引排気する工程は、上下方向に伸びる筒状部材に前記熱排気用の排気口が形成された熱排気部により吸引排気する工程であることを特徴とする請求項8又は9記載の熱処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−169367(P2012−169367A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27664(P2011−27664)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】