説明

画像形成装置

【課題】現像剤収容部内の現像剤を画像形成ユニット本体に円滑に供給することができる。
【解決手段】画像形成部と、該画像形成部を振動させる振動発生機構と、現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部内の現像剤の凝集状態に基づいて加振条件が成立したかどうかを判断する加振条件判断処理部と、前記加振条件が成立した場合に、前記振動発生機構を作動させる加振処理部とを有する。加振条件が成立したかどうかが判断され、加振条件が成立した場合に、前記振動発生機構が作動させられるので、現像剤収容部に振動を与えることができる。現像剤を画像形成ユニット本体に円滑に供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタは、画像形成ユニットを備え、該画像形成ユニットにおいて、感光体ドラムの表面が、帯電ローラによって帯電させられ、LEDヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、該静電潜像に現像ローラ上で薄層化された現像剤としてのトナーが静電的に付着させられてトナー像が形成されるようになっている。そして、該トナー像は、転写ローラによって用紙に転写され、定着器において定着させられ、画像が形成される。
【0003】
また、前記画像形成ユニットは、現像剤収容部としてのトナーカートリッジを備え、該トナーカートリッジ内のトナーが画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体に供給される。そして、トナーカートリッジ内に攪拌シャフトが配設され、該攪拌シャフトを回転させることによって、トナーカートリッジ内のトナーを攪拌し、トナー同士が凝集するのを防止するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−72657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、長時間にわたりプリンタを放置したり、トナーカートリッジが交換され、新しいトナーカートリッジがセットされた場合には、攪拌シャフトが回転させられていないので、トナーカートリッジ内のトナー同士が凝集してしまう。その結果、トナーカートリッジ内のトナーを画像形成ユニット本体に円滑に供給することができないことがある。
【0005】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、現像剤収容部内の現像剤を画像形成ユニット本体に円滑に供給することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の画像形成装置においては、画像形成部と、該画像形成部を振動させる振動発生機構と、現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部内の現像剤の凝集状態に基づいて加振条件が成立したかどうかを判断する加振条件判断処理部と、前記加振条件が成立した場合に、前記振動発生機構を作動させる加振処理部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置においては、画像形成部と、該画像形成部を振動させる振動発生機構と、現像剤を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部内の現像剤の凝集状態に基づいて加振条件が成立したかどうかを判断する加振条件判断処理部と、前記加振条件が成立した場合に、前記振動発生機構を作動させる加振処理部とを有する。
【0008】
この場合、現像剤収容部内の現像剤の凝集状態に基づいて加振条件が成立したかどうかが判断され、加振条件が成立した場合に、前記振動発生機構が作動させられるので、現像剤収容部に振動を与えることができる。したがって、現像剤収容部内の現像剤を画像形成ユニット本体に円滑に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0010】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0011】
図に示されるように、プリンタ40は、下筐体としてのロワカバー41、及び該ロワカバー41に対して支軸42を中心に揺動自在に、かつ、開閉自在に配設された上筐体としてのアッパカバー43を有し、該アッパカバー43に画像の形成、すなわち、印刷が終了し、プリンタ40外に排出された媒体としての図示されない用紙を積載するためのスタッカ44が形成される。
【0012】
前記ロワカバー41内の下部には、用紙を収容する媒体収容部としての用紙カセット50が配設される。該用紙カセット50の前端には、給紙用の第1の媒体搬送部材としての、かつ、第1の媒体供給部材としての繰出ローラ51が配設され、該繰出ローラ51は用紙を媒体搬送路49に繰り出す。該媒体搬送路49には、給紙用の第2の媒体搬送部材としての、かつ、第2の媒体供給部材としての給紙ローラ45、46、及び転写用の媒体搬送装置としての、かつ、転写ユニットとしてのベルトユニット53が配設される。該ベルトユニット53は、第1のローラとしての駆動ローラR1、第2のローラとしての従動ローラR2、及び前記駆動ローラR1と従動ローラR2とによって張設された搬送部材としての、かつ、第1の転写部材としての搬送ベルト52を有する。
【0013】
そして、前記ベルトユニット53において、用紙は、前記搬送ベルト52が走行させられるのに伴って、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像形成を行う複数の画像形成部としての画像形成ユニット(現像装置)55Bk、55Y、55M、55Cと、該各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cと対向させて配設された第2の転写部材としての転写ローラ57との間を通過させられる。
【0014】
前記各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム12、該感光体ドラム12の周囲に当接させて帯電装置としての帯電ローラ13、現像剤としての図示されないトナーを保持する現像剤担持体としての現像ローラ16等を備える。そして、露光装置としてのLEDヘッド56が、前記各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cと隣接させて配設される。なお、本実施の形態においては、前記像担持体としてドラム状の感光体ドラム12が使用されるようになっているが、感光体ドラム12に代えて感光体ベルトを使用することができる。
【0015】
また、前記各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cにおいては、前記感光体ドラム12が、画像形成用の駆動部としての図示されないドラムモータが駆動されるのに伴って、所定の方向に回転させられ、回転に伴って、感光体ドラム12の表面が、前記帯電ローラ13によって一様に帯電させられ、LEDヘッド56によって露光されて潜像としての静電潜像が形成され、該静電潜像に前記現像ローラ16上で薄層化されたトナーが静電的に付着させられて現像剤像としてのトナー像が形成される。
【0016】
そして、前記媒体搬送路49に繰り出され、各給紙ローラ45、46によって搬送された用紙が画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cと各転写ローラ57との間を通過すると、該各転写ローラ57は、前記各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cにおいて形成された各色のトナー像を、順次、前記用紙に転写し、カラーのトナー像を形成する。
【0017】
続いて、前記用紙は、定着装置としての定着器54に送られ、該定着器54においてカラーのトナー像が用紙に定着させられ、カラーの画像が形成される。前記定着器54は、第1の定着用のローラとしての加熱ローラ54a、及び第2の定着用のローラとしての加圧ローラ54bを備える。そして、前記定着器54から排出された用紙は、排出用の媒体搬送部材としての、かつ、排出部材としての排出ローラ47、48によって前記プリンタ40外に排出され、スタッカ44に積載される。なお、転写後に感光体ドラム12上に残留したトナーは、図示されないクリーニング装置としてのクリーニングブレードによって掻き取られて除去される。
【0018】
次に、前記画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cについて説明する。この場合、各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cの構造は同じであるので、画像形成ユニット55Bkについてだけ説明する。
【0019】
図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの断面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの断面図である。
【0020】
図において、11は現像剤収容部としてのトナーカートリッジ、12は感光体ドラム、13は帯電ローラ、14は転写後に感光体ドラム12の表面に残ったトナーを掻き取るクリーニングブレード、16は現像ローラ、15は、該現像ローラ16に圧接させて配設され、トナーを現像ローラ16に供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ、17は、前記現像ローラ16に圧接させて配設され、前記トナーカートリッジ11から供給されたトナーを薄層化する現像ブレードである。
【0021】
前記トナーカートリッジ11は、前記画像形成ユニット55Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設され、内部に収容されたトナーを開口部18を介して画像形成ユニット本体に供給する。そして、前記トナーカートリッジ11内には攪拌部材としての攪拌シャフト60が配設され、該攪拌シャフト60を矢印方向に回転させることによってトナーカートリッジ11に収容されたトナーが攪拌される。
【0022】
また、前記トナーカートリッジ11内のトナーの残量を検出するために、現像剤残量検出ユニットが配設される。該現像剤残量検出ユニットは、前記攪拌シャフト60によるトナーの攪拌に連動してトナーの残量を検出する。そのために、前記現像剤残量検出ユニットは、前記アッパカバー43の近傍において、支軸32を中心にして揺動自在に配設されたセンサレバー33、該センサレバー33の一端に取り付けられた永久磁石31、前記センサレバー33の他端と対向させてアッパカバー43に取り付けられた現像剤残量検出部としてのセンサ34、トナーカートリッジ11内において上下方向に延在させられ、下端が攪拌シャフト60に係止させられたロッド61、該ロッド61の上端に配設された磁性体63、前記トナーカートリッジ11の上壁から垂下させられ、前記ロッド61の上端部を包囲し、案内するガイド62等を備える。
【0023】
前記攪拌シャフト60は、駆動部としての図示されないモータと連結され、モータの回転を受けて回転させられる回転部材、及び該回転部材によって押されて回転させられるクランク部を備え、該クランク部は、トナーカートリッジ11内のトナーの堆積面S1が上死点以上である場合、前記回転部材によって押されて一定の速度で回転させられるのに対して、堆積面S1が上死点より低い場合、上死点に到達したときに、自重で回転部材の回転に先行して回転させられ、トナーの堆積面S1で停止させられて、回転部材によって押されるのを待機する。
【0024】
そして、前述されたように、攪拌シャフト60に前記ロッド61の下端が係止させられているので、攪拌シャフト60の回転に伴って、ロッド61が上下に移動すると、それに伴って前記磁性体63が上下方向に移動させられ、永久磁石31を選択的に吸着する。その結果、センサレバー33が揺動させられ、センサ34は、センサレバー33の他端を間欠的に検出してオン・オフさせられる。
【0025】
このとき、トナーカートリッジ11内のトナーの残量によって、クランク部が自重で回転させられる時間、及び前記回転部材によって押されて回転させられる時間が異なるので、攪拌シャフト60の回転が不規則になる。それに伴って、センサレバー33の揺動も不規則になるので、センサ34のオン時間及びオフ時間が変化する。したがって、前記センサ34のセンサ出力を読み込み、オン時間及びオフ時間に基づいてトナーの残量を検出することができる。そして、トナーの残量が少ないときにトナーカートリッジ11の交換を促すメッセージを図示されない表示部に表示することができる。
【0026】
ところで、本実施の形態においては、画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを選択的に上下方向に移動させ、感光体ドラム12と搬送ベルト52とを選択的に接触させることによってカラー印刷及びモノクロ印刷を行うことができるようになっている。
【0027】
次に、画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを、上下方向に移動させることによって振動させるための振動発生機構としてのアップダウン機構について説明する。
【0028】
図5は本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の第1の状態を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の第2の状態を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の要部を示す正面図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の要部を示す平面図である。
【0029】
図に示されるように、各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを上下方向に移動させることができるように、アップダウン機構27が配設される。
【0030】
該アップダウン機構27は、各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを挟み、用紙の搬送方向において進退自在に配設されたプレート27L、27R、プリンタ40の一方の側、本実施の形態においては、用紙の搬送方向に向かって左側のサイドプレート20に取り付けられたリフトアップモータ21、該リフトアップモータ21を駆動することによって発生する回転を順次下流側に伝達する回転伝達系G1等を備える。該回転伝達系G1は、減速機構として機能し、ギヤg1、22〜26、連結部材としての連結ロッド25a等から成る。
【0031】
前記プレート27L、27Rは、帯状の形状を有し、本体部121及び該本体部121の前端から突出させて形成されたラックLk1、Lk2をそれぞれ備える。そして、前記本体部121には、用紙の搬送方向における上流側から下流側にかけて、第1の係止部としての凹部27a〜27dが等ピッチで形成され、該凹部27a〜27dより下流側において、各凹部27a〜27dに隣接させて、第2の係止部としての平坦な凸部27g〜27jが形成される。なお、該凸部27g〜27jは、前記凹部27a〜27dより上方に位置させられる。
【0032】
また、図5及び6に示されるように、前記左側のサイドプレート20において、ギヤ26とプレート27Lに形成されたラックLk1とが噛合させられる。なお、前記ギヤg1はリフトアップモータ21の出力軸に取り付けられた小径ギヤであり、前記ギヤ22は大径ギヤg2及び小径ギヤg3を、ギヤ23は大径ギヤg4及び小径ギヤg5を備え、ギヤg1と大径ギヤg2とが、小径ギヤg3と大径ギヤg4とが、小径ギヤg5とギヤ24とが噛合させられ、リフトアップモータ21によって発生させられた回転は、ギヤ22及びギヤ23によって減速させられ、ギヤ24に伝達される。
【0033】
また、図8に示されるように、図示されない右側のサイドプレートにギヤ25、26が配設され、前記左側のサイドプレート20に配設されたギヤ25と右側のサイドプレートに配設されたギヤ25とが前記連結ロッド25aによって連結され、右側のサイドプレートに配設されたギヤ26とプレート27Rに形成されたラックLk2とが噛合させられる。したがって、左側のサイドプレート20に配設されたギヤ25の回転が、連結ロッド25aを介して右側のサイドプレートに配設されたギヤ25に伝達されるので、前記プレート27R、27Lを同期させて進退させることができる。
【0034】
そして、リフトアップモータ21を駆動してギヤg1を所定の方向、本実施の形態においては、正方向(矢印A方向)に回転させると、ギヤ26は逆方向(矢印B方向)に回転させられ、ラックLk1、Lk2が矢印C方向に移動、本実施の形態においては、後退させられ、リフトアップモータ21を逆方向に駆動してギヤg1を反対の方向、本実施の形態においては、逆方向(矢印D方向)に回転させると、ギヤ26は正方向(矢印E方向)に回転させられ、ラックLk1、Lk2が矢印F方向に移動、本実施の形態においては、前進させられる。なお、ギヤ26及びラックLk1、Lk2によって運動方向変換部が構成され、ギヤ26の回転運動がラックLk1、Lk2の直進運動に変換される。この場合、ギヤ26によって第1の変換要素が、ラックLk1、Lk2によって第2の変換要素が構成される。
【0035】
また、画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cにおいては、感光体ドラム12の支軸12aが、長手方向に貫通させられ、画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cの左右の各壁体から突出させられ、前記各凹部27a〜27d又は凸部27g〜27jと摺動自在に当接させられる。
【0036】
次に、画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを上方の位置に置く場合のアップダウン機構27の動作について説明する。
【0037】
まず、リフトアップモータ21を駆動し、図5に示されるように、ギヤg1を矢印A方向に回転させると、ギヤ26が矢印B方向に回転させられ、プレート27L、27Rが後退(矢印C方向に移動)させられ、各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cにそれぞれ固定された前記支軸12aが凹部27a〜27d内から凸部27g〜27j上に移動して持ち上げられ、画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cが上方の位置に置かれる。
【0038】
次に、画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを下方に移動させる場合について説明する。
【0039】
リフトアップモータ21を駆動し、図6に示されるように、ギヤg1を矢印D方向に回転させると、ギヤ26が矢印E方向に回転させられ、プレート27L、27Rが前進(矢印F方向に移動)させられ、前記支軸12aが凸部27g〜27j上から凹部27a〜27d内に移動して収まり、画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cが下方の位置に置かれる。
【0040】
なお、各凹部27a〜27dの長さをw1〜w4とし、各凸部27g〜27iの長さをm1〜m3としたとき、
w1>w2=w3=w4
m1<m2=m3
にされる。そして、本実施の形態において、凹部27b、27c、27dのピッチと、画像形成ユニット55Y、55M、55Cの各軸12aのピッチとがほぼ等しくされるので、画像形成ユニット55Y、55M、55Cは、プレート27R、27Lの進退に伴って同期してほぼ同じタイミングで上方又は下方の位置に置かれる。また、凹部27aの長さw1は、凹部27b、27c、27dの長さw2〜w4より大きくされるので、プレート27R、27Lの移動量によって画像形成ユニット55Bkだけを下方の位置に置くことができる。
【0041】
次に、前記プリンタ40の制御部について説明する。
【0042】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0043】
図において、71は上位装置としてのホストコンピュータ、73は制御部としてのコントローラであり、前記ホストコンピュータ71から送信された印刷データは、コントローラ73によって画像データに伸張・加工され、印刷機構部74に送られる。
【0044】
該印刷機構部74は、コントローラ73との通信インタフェースを行うコマンド通信部、画像データの受信及び同期制御を行うビデオ制御回路、印刷機構部74の動作シーケンスを制御する動作制御部、前記定着器54(図2)の制御を行う定着器制御部、用紙の搬送を制御する搬送制御部、現像及び転写の制御を行い、画像を形成する画像形成制御部、前記用紙カセット50から用紙を給紙する給紙制御部等を備える。
【0045】
また、81は計時部としてのタイマ、34はトナーの残量を検出する現像剤量検出部としてのセンサ、83は表示部である。
【0046】
次に、前記構成のプリンタ40の動作について説明する。
【0047】
まず、給紙制御部が前記繰出ローラ51を回転させ、用紙カセット50から用紙を繰り出すと、搬送制御部は、用紙を搬送し、用紙が給紙検出部としての図示されない給紙センサを通過すると、用紙を給紙ローラ45に突き当てることによってスキューを取り除く。次に、前記搬送制御部は、給紙ローラ45を回転させて用紙を搬送し、用紙が書出位置検出部としての図示されない書出位置センサを通過するタイミングで、前記画像形成制御部が、画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cによって静電潜像を形成し、各色のトナー像を形成する。続いて、前記画像形成制御部は、転写ローラ57によって前記各色のトナー像を用紙に転写してカラーのトナー像を形成し、定着器54によって前記カラーのトナー像を用紙に定着させる。そして、前記搬送制御部は、排出ローラ47、48によって用紙を排出する。
【0048】
なお、印刷動作を開始する前に、前記コントローラ73の図示されないアップダウン制御部はアップダウン機構27を作動させる。そして、カラー印刷を行う場合、各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを下方の位置に置き、該各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cの感光体ドラム12と搬送ベルト52とを接触させ、モノクロ印刷を行う場合、画像形成ユニット55Bkだけを下方の位置に置き、画像形成ユニット55Bkの感光体ドラム12と搬送ベルト52とを接触させる。
【0049】
ところで、長時間にわたりプリンタ40を放置すると、その間、攪拌シャフト60が回転させられていないので、トナーカートリッジ11内のトナー同士が凝集してしまう。したがって、その状態のままで印刷を開始すると、前記トナーカートリッジ11内のトナーを画像形成ユニット本体に円滑に供給することができないことがある。
【0050】
そこで、本実施の形態においては、長時間にわたりプリンタ40を放置した場合、印刷を開始する前に、前記アップダウン機構27を振動発生機構として機能させることによって画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを振動させることにより、凝集したトナーを崩すようにしている。
【0051】
図9は本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示すフローチャートである。
【0052】
まず、所定の印刷が終了すると、コントローラ73の図示されない加振条件判断処理部は、トナーカートリッジ11内のトナーの凝集状態に基づいて、本実施の形態においては、印刷が行われない放置時間に基づいて、加振条件が成立したかどうかを判断する。そのために、前記加振条件判断処理部は、所定の印刷が終了すると、タイマ81よる計時を開始し、前回の印刷が終了してから所定の設定時間、本実施の形態においては、1時間が経過したかどうかによって、加振条件が成立したかどうかを判断する。前回の印刷が終了してから1時間が経過し、加振条件が成立したと判断されると、コントローラ73の図示されない加振処理部は、アップダウン機構27を作動させ、各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを、短時間で少なくとも1回上下方向に移動させてトナーカートリッジ11に振動を与える。その結果、凝集したトナーを崩すことができる。
【0053】
なお、このとき、画像形成ユニット本体にも振動を与えることができ、画像形成ユニット本体内において凝集したトナーも崩すことができるので、トナー供給ローラ15はトナーを円滑に現像ローラ16に供給することができる。したがって、画像品位を向上させることができる。
【0054】
このように、本実施の形態においては、長時間にわたりプリンタ40を放置した場合、トナーカートリッジ11に振動を与えることができるので、トナーカートリッジ11内のトナーを画像形成ユニット本体に円滑に供給することができる。
【0055】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷が終了するのを待機し、印刷が終了した場合はステップS2に進む。
ステップS2 タイマ81による計時を開始する。
ステップS3 1時間が経過するのを待機し、1時間が経過した場合はステップS4に進む。
ステップS4 加振処理を行い、リターンする。
【0056】
本実施の形態においては、所定の時間が経過するたびに加振処理が行われるようになっているが、電源がオンにされたときに加振処理を行うこともできる。
【0057】
次に、電源がオンにされたときに加振処理を行うようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0058】
図10は本発明の第2の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示すフローチャートである。
【0059】
まず、所定の印刷が終了すると、前記加振条件判断処理部は、計時部としてのタイマ81よる計時を開始し、続いて、電源がオフにされた後に、オンにされるのを待機する。電源がオンにされると、前記加振条件判断処理部は、前回の印刷が終了してから所定の設定時間、本実施の形態においては、1時間以上が経過しているかどうかによって、加振条件が成立したかどうかを判断する。前回の印刷が終了してから1時間以上が経過し、加振条件が成立したと判断されると、前記加振処理部は、振動発生機構としてのアップダウン機構27を作動させ、画像形成部としての各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを、短時間で少なくとも1回上下方向に移動させて、現像剤収容部としてのトナーカートリッジ11に振動を与える。その結果、凝集したトナーを崩すことができる。続いて、印刷機構部74は印刷を開始する。
【0060】
このように、本実施の形態においては、長時間にわたりプリンタ40を放置した場合、電源がオンにされるとともに、トナーカートリッジ11に振動を与えることができるので、トナーカートリッジ11内のトナーを画像形成ユニット本体に円滑に供給することができる。
【0061】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 印刷が終了するのを待機し、印刷が終了した場合はステップS12に進む。
ステップS12 タイマ81による計時を開始する。
ステップS13 電源がオンにされるのを待機し、電源がオンにされた場合はステップS14に進む。
ステップS14 1時間以上が経過したかどうかを判断する。1時間以上が経過した場合はステップS15に、1時間以上が経過していない場合はステップS16に進む。
ステップS15 加振処理を行う。
ステップS16 印刷を開始し、処理を終了する。
【0062】
ところで、トナーカートリッジ11内の現像剤としてのトナーが消費されると、新しいトナーカートリッジ11と交換されるが、新しいトナーカートリッジ11において、攪拌部材としての攪拌シャフト60は回転させられることなく、長時間にわたり停止させられることになるので、トナーカートリッジ11内のトナー同士が凝集してしまう。したがって、その状態のまま、トナーカートリッジ11をプリンタ40にセットして印刷を開始すると、トナーカートリッジ11内のトナーを画像形成ユニット本体に円滑に供給することができないことがある。
【0063】
そこで、トナーカートリッジ11を交換した場合に加振処理を行うようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0064】
図11は本発明の第3の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示すフローチャートである。
【0065】
まず、プリンタ40の電源がオンにされると、前記加振条件判断処理部は、現像剤収容部としてのトナーカートリッジ11内の現像剤としてのトナーの凝集状態に基づいて、本実施の形態においては、トナーカートリッジ11が交換されたかどうかを判断することによって、加振条件が成立したかどうかを判断する。
【0066】
そのために、前記加振条件判断処理部は、センサ34のセンサ出力を読み込み、トナーの残量を検出する。そして、センサ出力が、トナーの残量が少ないことを表す状態からトナーの残量が多いことを表す状態に変化したかどうかによって、加振条件が成立したかどうかを判断する。センサ出力が、トナーの残量が少ないことを表す状態からトナーの残量が多いことを表す状態に変化すると、トナーカートリッジ11が交換されたと判断される。
【0067】
そして、トナーカートリッジ11が交換され、加振条件が成立したと判断されると、前記加振処理部は、振動発生機構としてのアップダウン機構27を作動させ、画像形成部としての各画像形成ユニット55Bk、55Y、55M、55Cを、短時間で少なくとも1回上下方向に移動させてトナーカートリッジ11に振動を与える。その結果、凝集したトナーを崩すことができる。続いて、印刷機構部74は印刷を開始する。
【0068】
このように、本実施の形態においては、トナーカートリッジ11が交換されると、新しいトナーカートリッジ11に振動を与えることができるので、トナーカートリッジ11内のトナーを画像形成ユニット本体に円滑に供給することができる。
【0069】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 電源がオンにされるのを待機し、電源がオンにされた場合はステップS22に進む。
ステップS22 トナーの残量を検出する。
ステップS23 トナーカートリッジ11が交換されたかどうかを判断する。トナーカートリッジ11が交換された場合はステップS24に進み、トナーカートリッジ11が交換されない場合はステップS22に戻る。
ステップS24 加振処理を行う。
ステップS25 印刷を開始し、処理を終了する。
【0070】
本実施の形態においては、センサ34のセンサ出力に基づいてトナーカートリッジ11が交換されたかどうかが判断されるようになっているが、トナーカートリッジ11に配設される記憶部材としての図示されないROM、ICタグ等に記録された情報に基づいて、トナーカートリッジ11が交換されたかどうかを判断することができる。
【0071】
前記各実施の形態においては、画像形成装置としてのプリンタ40について説明しているが、本発明を、複写機、ファクシミリ装置、複合機等に適用することができる。
【0072】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の第1の状態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の第2の状態を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の要部を示す正面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の要部を示す平面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施の形態におけるアップダウン機構の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
11 トナーカートリッジ
27 アップダウン機構
40 プリンタ
55Bk、55Y、55M、55C 画像形成ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)画像形成部と、
(b)該画像形成部を振動させる振動発生機構と、
(c)現像剤を収容する現像剤収容部と、
(d)該現像剤収容部内の現像剤の凝集状態に基づいて加振条件が成立したかどうかを判断する加振条件判断処理部と、
(e)前記加振条件が成立した場合に、前記振動発生機構を作動させる加振処理部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記加振条件判断処理部は、印刷が行われない放置時間に基づいて、加振条件が成立したかどうかを判断する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記加振条件判断処理部は、前回の印刷が終了した後、設定時間が経過すると、加振条件が成立したと判断する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記加振条件判断処理部は、電源がオンにされたときに、前回の印刷が終了した後、設定時間以上が経過している場合に、加振条件が成立したと判断する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記加振条件判断処理部は、現像剤収容部が交換された場合、加振条件が成立したと判断する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記加振条件判断処理部は、現像剤収容部内の現像剤の残量に基づいて、現像剤収容部が交換されたかどうかを判断する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記振動発生機構は前記画像形成部を上下方向に移動させるアップダウン機構である請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−39029(P2010−39029A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199376(P2008−199376)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】