説明

磁気記憶装置

【課題】 動作マージンの大きな磁気記憶装置を提供する。
【解決手段】 磁気記憶装置は、磁気抵抗効果素子を行列に配置したメモリセルアレイを含む。第1書き込み線4aは、第1方向に沿って延び、第1方向に向かう電流のみが供給される。第2書き込み線4bは、第1方向に沿って延び、第1方向とは逆向きの第2方向に向かう電流のみが供給される。第3書き込み線3aは、第1方向と直交する第3方向に沿って延びる。第1電極54aは、第1、第3書き込み線間に設けられる。第1プラグ55aは第1電極に接続され、第1書き込み線より第3方向に沿って下側に設けられる。第2電極54bは、第2、第3書き込み線間に設けられる。第2プラグ55bは、第2電極に接続され、第2書き込み線より第3方向に沿って上側に設けられる。磁気抵抗効果素子は、第1書き込み線と第3書き込み線とが交わる位置、第2書き込み線と第3書き込み線とが交わる位置に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記憶装置に関し、例えば、メモリセルにおける各部の形状および配置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic Random Access Memory(MRAM))のメモリセルは、1つの磁気抵抗効果素子と、1つの選択トランジスタからなる1T1R型が主流である。各磁気抵抗効果素子に印加される磁場を発生するための2種の書き込み線の両端に書き込み電流回路が接続され、一端の書き込み電流回路から他端の書き込み電流回路に向かって電流を流す。書き込み電流回路を隣接するメモリセルアレイの間に設けることにより、書き込み電流回路を複数のメモリセルアレイ間で共通にしたり、制御信号を共有にすることにより回路構成を簡単にできる。
【0003】
1T1R型のメモリセルの場合、磁気抵抗効果素子は、下部電極およびプラグを介して選択トランジスタに電気的に接続される。2本の書き込み線の間に磁気抵抗効果素子が配置されることが必要なので、前記のプラグは、書き込み線の交差点を避けて配置される。下部電極は、プラグと接続される必要があるので、磁気抵抗効果素子の平面形状と異なる平面形状を有する。また、下部電極はメモリセルを高集積化するためにL字形状等の平面形状を取ることもある。
【0004】
全てのメモリセルは、動作マージンを確保するために、同じ振る舞いをすることが望ましい。この要求を達成するために、電極、磁気抵抗効果素子、配線等の各部の物理的形状を揃えることによって、各メモリセルの特性の均一化が図られる(非特許文献1)。
【0005】
非特許文献1は、書き込み磁場について言及していない。しかしながら、各メモリセルの特性を均質にするには、書き込み磁場の方向、大きさ等の特性をも、各メモリセル相互間で揃えることが好ましい。このためには、電極、磁気抵抗効果素子(特に自由層)、配線等の相対的な位置関係を揃えることが求められる。
【0006】
ところが、書き込み電流を供給する機能のみを有する書き込み電流回路が隣接するメモリセルアレイ相互間に設けられる場合、メモリセルに印加される磁場の方向が、一方のメモリセルアレイ内のメモリセルと、他方のメモリセルアレイ内のメモリセルとで異なる。したがって、メモリセルへの磁場の印加のされ方がメモリセル相互間で異なる。
【0007】
また、下部電極の形状は書き込み磁場に影響を与えることが知られている。その理由の1つは、書き込み磁場と下部電極とが電磁気的に結合して書き込み磁場に影響を与え、この結合が下部電極の形状に依存することである。特に、下部電極の平面形状が非対称の場合、メモリセルへの磁場の印加のされ方がメモリセル相互間で大きく異なる。
【0008】
さらに、製造工程の便宜等の理由により、固定層が下部電極と同じ形状を取ることがある。固定層の磁化は、その向きに応じた方向の漏れ磁場を形成し、書き込み磁場を変化させる。そして、この漏れ磁場は固定層の形状、すなわち下部電極の形状の影響を受ける。このような理由によっても、下部電極の形状が、メモリセルへの磁場の印加のされ方をメモリセル相互間でばらつかせる。
【0009】
以上述べたように、電極、磁気抵抗効果素子、配線等の各部の物理的形状の違いおよび相対的な位置関係の違いの組み合わせによっては、メモリセルへの印加磁場の特性が異なってしまう。この結果、動作マージンが狭くなる。
【0010】
特許文献1の図8は、2つのMRAMマクロRMCA、RMCBを磁気抵抗効果素子VRの磁化困難軸と平行な仮想軸に関して鏡面対称(線対象)とすることを開示する。また、図27は、2つのMRAMマクロRMCJ、RMCKを磁気抵抗効果素子VRの磁化容易軸と平行な仮想軸に関して鏡面対称(線対象)とすることを開示する。こうすることによって、書き込みデータと読み出しデータとの一貫性を維持する効果が得られると述べられている。なお、特許文献1では、同論理(“0”または“1”)のデータの書き込みである限り、MRAMマクロの構造によらずに書き込み磁場の方向は全て同じ向きである。
【特許文献1】特開2005-236177号公報
【特許文献2】米国特許第6,545,906号明細書
【非特許文献1】Dietmar Gogl et al.、 "A 16-Mb MRAM Featuring Bootstrapped Write Drivers"、 IEEE journal of Solid-state Circuits、April 2005、vol. 40 pp.902
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、動作マージンの大きな磁気記憶装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一視点による磁気記憶装置は、磁気抵抗効果素子を行列に配置したメモリセルアレイと、第1方向に沿って延び、前記第1方向に向かう電流のみが供給される第1書き込み線と、前記第1方向に沿って延び、前記第1方向とは逆向きの第2方向に向かう電流のみが供給される第2書き込み線と、前記第1方向と直交する第3方向に沿って延びる第3書き込み線と、前記第1書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第1電極と、前記第1電極に接続され、前記第1書き込み線より前記第3方向に沿って下側に設けられた第1プラグと、前記第2書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第2電極と、前記第2電極に接続され、前記第2書き込み線より前記第3方向に沿って上側に設けられた第2プラグと、を備え、前記磁気抵抗効果素子は、前記第1書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置、および前記第2書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置に配置されることを特徴とする。
【0013】
本発明の一視点による磁気記憶装置は、磁気抵抗効果素子を行列に配置した第1メモリセルアレイおよび第2メモリセルアレイと、前記第1メモリセルアレイ内で第1方向に沿って延び、前記第1方向に向かう電流のみが供給される第1書き込み線と、前記第2メモリセルアレイ内で前記第1方向に沿って延び、前記第1方向とは逆向きの第2方向に向かう電流のみが供給される第2書き込み線と、前記第1メモリセルアレイ内で前記第1方向と直交する第3方向に沿って延びる第3書き込み線と、前記第2メモリセルアレイ内で前記第3方向に沿って延びる第4書き込み線と、前記第1書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第1電極と、前記第1電極に接続され、前記第1書き込み線より前記第3方向に沿って下側に設けられた第1プラグと、前記第2書き込み線と前記第4書き込み線との間に設けられた第2電極と、前記第2電極に接続され、前記第2書き込み線より前記第3方向に沿って上側に設けられた第2プラグと、を備え、前記磁気抵抗効果素子は、前記第1メモリセルアレイ内の前記第1書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置、および前記第2メモリセルアレイ内の前記第2書き込み線と前記第4書き込み線とが交わる位置に配置されることを特徴とする。
【0014】
本発明の一視点による磁気記憶装置は、磁気抵抗効果素子を行列に配置したメモリセルアレイと、第1方向に沿って延び、前記第1方向に向かう電流のみが供給される第1書き込み線と、前記第1方向に沿って延び、前記第1方向とは逆向きの第2方向に向かう電流のみが供給される第2書き込み線と、前記第1方向と直交する第3方向に沿って延びる第3書き込み線と、前記第1書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第1電極と、前記第1電極に接続され、前記第1書き込み線より前記第3方向に沿って下側に設けられた第1プラグと、前記第2書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第2電極と、前記第2電極に接続され、前記第2書き込み線より前記第3方向に沿って上側に設けられた第2プラグと、を備え、前記磁気抵抗効果素子は、前記第1書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置、および前記第2書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置に配置され、前記第1プラグおよび前記第2プラグは、前記第1書き込み線と前記第2書き込み線との間で前記第1方向に沿って並ぶ、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、動作マージンの大きな磁気記憶装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0017】
本明細書において用いられている上下左右という表現は、説明の便宜上、対応する図面の向きに合わせて用いられている。また、同様に請求の範囲において用いられている上下左右という表現も、発明の内容を分かりやすく表現するために用いられている。このため、この表現は絶対的な位置を意味しておらず、適宜回転することによって本明細書、図面、請求項に示す関係に一致する構造も本発明の範囲に含まれる。
【0018】
(第1実施形態)
図1乃至図9を参照して第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る磁気記憶装置のブロック図である。図1に示すように、磁気記憶装置は、2つのメモリセルアレイ1a、1bを含んでいる。メモリセルアレイ1a、1bは、それぞれ、後述のように、行列状に配置された複数のメモリセル2a、2bから構成される(図1では1つずつのみ図示している)。メモリセル2a、2b(包括的には、メモリセル2と称する)は、後述のように、磁気抵抗効果素子を含んでいる。
【0019】
また、メモリセルアレイ1a、1bに対して、複数の書き込み線3、4(図1ではメモリセルアレイ1つ当たり1本ずつのみ図示している)を含んでいる。書き込み線3、4は、相互に交わる方向に沿って延び、例えば書き込み線3は紙面の上下方向に沿って延び、書き込み線4は紙面の左右方向に沿って延びる。書き込み線3と書き込み線4とは、メモリセル2の位置で交わり、メモリセル2を挟む。
【0020】
メモリセルアレイ1a、1bの周囲には、メモリセルアレイ1a、1bの各辺に沿って制御回路5が設けられている。
【0021】
メモリセルアレイ1a、1bのそれぞれの上下の辺と並ぶ2つの制御回路5と並んで、電流ソース/シンク6が設けられる。電流ソース/シンク6は、制御回路5を介して書き込み線3と接続される。各電流ソース/シンク6は、トランジスタ等のスイッチ回路の組からなる制御回路5によって、少なくとも1つの書き込み線3と電気的に接続される。
【0022】
図示せぬ制御信号に応じて、書き込み線3の両端に接続された1対の電流ソース/シンク6の一方は、書き込み線3に書き込み電流を供給し、他方は書き込み線3から電流を引き抜く。したがって、メモリセルアレイ1を通る書き込み線3(書き込み線3a)およびメモリセルアレイ1bを通る書き込み線3(書き込み線3b)には、ともに図において上方に向かう電流と下方に向かう電流が流れ得る。書き込み線3を流れる電流の向きによって、書き込み対象のメモリセルに書き込まれる情報が制御される。
【0023】
メモリセルアレイ1aの左の辺と並ぶ制御回路5と、メモリセルアレイ1bの右の辺と並ぶ制御回路5と、の間に電流ソース7が設けられる。メモリセルアレイ1aの右の辺と並ぶ制御回路5と並んで、およびメモリセルアレイ1aの左の辺と並ぶ制御回路5と並んで電流シンク8が設けられる。
【0024】
1組の電流ソース7と電流シンク8は、制御回路5によって、少なくとも1つの書き込み線4の両端と電気的に接続される。そして、電流ソース7が接続された書き込み線4に書き込み電流を供給し、電流シンク8が書き込み電流を引き抜く。したがって、書き込み線4には、一方向の電流のみが流れる。具体的には、メモリセルアレイ1aを通る書き込み線4(書き込み線4a)には紙面の右方向に向かう電流のみが流れ、メモリセルアレイ1bを通る書き込み線4(書き込み線4b)には紙面の左方向に向かう電流のみが流れる。
【0025】
電流ソース7が2つのメモリセルアレイ1a、1bによって共用されているので、電流ソース7の定電流源および制御回路が2つのメモリセルアレイ1a、1bに対して1つで済む等、集積度の高いレイアウトを実現できる。
【0026】
図2は、図1の詳細な構成の一例を示す回路図である。なお、図2は、メモリセルアレイ1aの構成に対応している。メモリセルアレイ1bの回路構成は、図2の電流ソース7と電流シンク8との位置が反転していることを除いてメモリセルアレイ1aと同じである。このため、メモリセルアレイ1bの説明は省略する。
【0027】
図2に示すように、メモリセル2は、磁気抵抗効果素子11と、これと直列接続されたスイッチ素子、例えば選択トランジスタ12とから構成される。メモリセル2の磁気抵抗効果素子11の側の端部は、書き込み線3と接続され、選択トランジスタ12の側の端部は接地される(共通電位端と接続される)。同じ書き込み線4と接続される各メモリセル2の選択トランジスタ12のゲート電極は、読み出し線(図示せぬ)と接続されている。
【0028】
各書き込み線3の両端は、各々、例えばトランジスタからなるスイッチ回路13を介して、共通線15と接続される。スイッチ回路13の組は、制御回路5を構成する。各書き込み線4の両端は、各々、スイッチ回路13を介して共通線14と接続される。
【0029】
各共通線15は、電流ソース/シンク6と接続される。電流ソース/シンク6は、例えば、直列接続された定電流源31、スイッチ回路32、スイッチ回路33から構成される。電流ソース/シンク6のスイッチ回路33の側の端部は接地される。共通線15は、スイッチ回路32とスイッチ回路33との接続ノードに接続される。
【0030】
2本の共通線14の一方(図では左側)は、電流ソース7と接続される。電流ソース7は、例えば、直列接続された定電流源21とスイッチ回路22から構成される。2本の共通線14の他方(図では右側)は、電流シンク8と接続される。電流シンク8は、例えば一端を接地されたスイッチ回路23から構成される。
【0031】
図3に示すように、スイッチ回路13、22、23、32、33の制御端(トランジスタの場合、ゲート電極)には、制御信号が供給される。制御信号は、デコーダ41から供給される。デコーダ41は、アドレス信号を含む制御信号を供給され、外部制御信号に応じた位置のメモリセルに外部制御信号に応じたデータが書き込まれるように制御信号を生成する。スイッチ回路13、22、23、32、33が、この制御信号に従ってオンまたはオフされることにより、アドレス信号が指定する書き込み線3、4に所定の方向の電流が流れ、指定されたメモリセル2にデータが書き込まれる。
【0032】
読み出しの際は、読み出し対象のメモリセル2の選択トランジスタ12がオンされ、この対象のメモリセル2と接続された書き込み線3に電流が供給される。このときの電流値あるいは電圧値をセンスアンプで参照値と比較することにより、メモリセル2が保持していたデータが判別される。
【0033】
次に、メモリセル2a、2bの構造について、図4乃至図7を参照して説明する。図4はメモリセル2aの平面図であり、図5はメモリセル2bの平面図である。図4、図5の紙面の上下左右の向きは、ともに、図1のそれと一致している。すなわち、例えば、図1の下側は、図4、図5においても下側である。
【0034】
また、図6は図4のVI−VI線に沿った断面図であり、図7は図5のVII−VII線に沿った断面図である。
【0035】
図4乃至図7に示すように、メモリセル2は、上部電極52、磁気抵抗効果素子11、下部電極54、選択トランジスタ12を含んでいる。
【0036】
半導体基板51の上方に書き込み線3a、3bが設けられる。書き込み線3a、3bの下端に上部電極52を介して、メモリセル2aの磁気抵抗効果素子11(磁気抵抗効果素子11a)、メモリセル2bの磁気抵抗効果素子11(磁気抵抗効果素子11b)がそれぞれ接続されている。磁気抵抗効果素子11の磁化容易軸は、書き込み線4の延びる方向に沿っており、磁化困難軸は磁化容易軸と直交する。
【0037】
書き込み線3a、3bを流れる電流I3a、I3bは、両方向を取り得る。
【0038】
磁気抵抗効果素子11a、11bの下面はメモリセル2aの下部電極54(下部電極54a)、メモリセル2bの下部電極(下部電極54b)の上面とそれぞれ接続されている。下部電極54の断面積は磁気抵抗効果素子11の断面積より大きい。
【0039】
磁気抵抗効果素子11は、図8に示すように、下から順に積層された固定層101、非磁性層102、自由層(記録層)103を含んでいる。固定層101は、強磁性層と反強磁性層との積層構造からなり、反強磁性層によって強磁性層の磁化方向は磁化容易軸(図4乃至図7の左右方向)に沿って固定されており、固定層101として固定された磁化を有する。固定層101の下面は下部電極54の上面と接する。
【0040】
非磁性層102は、非磁性材料からなり、磁気抵抗効果素子11の磁気抵抗効果を大きくするために、非磁性層102をトンネルバリア層として機能させる材料が用いられてもよい。このような材料として、例えばAlO2が挙げられる。
【0041】
自由層103は、強磁性材料からなり、磁化の方向が可変である。自由層103の磁化容易軸は、自由層103の磁化容易軸に沿っている。自由層103の上面は上部電極の下面と接する。
【0042】
磁気抵抗効果素子11は、図9に示す構造を有していても良い。図9に示すように、自由層101は下部電極54と同じ平面形状を有する。
【0043】
図4乃至図7に示すように、書き込み線4a、4bは、下部電極54a、54bの下方で、磁気抵抗効果素子11a、11bの直下にそれぞれ設けられる。書き込み線4a、4bを流れる書き込み電流I4a、I4bは1方向のみである。したがって、電流I4aによってメモリセル2aには下向きの書き込み磁場Baが印加され、電流I4bによってメモリセル2bには上向きの書き込み磁場Bbが印加される。下部電極54a、54bと、半導体基板51の表面とは、メモリセルアレイ2aのプラグ55(プラグ55a)、メモリセルアレイ2bのプラグ55(プラグ55b)によりそれぞれ接続されている。
【0044】
磁気抵抗効果素子11aは、図4において下部電極54aの上半分の領域(図6においては下部電極54aの右半分の領域)内に配置される。また、プラグ55aは、図4において、下部電極54aの下半分の領域(図6においては下部電極54aの左半分の領域)内に配置される。
【0045】
一方、磁気抵抗効果素子11bは、図5において下部電極54bの下半分の領域(図7においては下部電極54bの左半分の領域)内に配置される。また、プラグ55bは、図5において、下部電極54bの上半分の領域(図7においては下部電極54bの右半分の領域)内に配置される。
【0046】
磁気抵抗効果素子11、書き込み線3、書き込み線4、下部電極54、プラグ55の形状は、メモリセル2によらずに実質的に同じ形状を有する。ここで、同じであるとは、各部が、同じプロセスによって、同じ形状ができるという期待の元に形成されたことを意味し、誤差は許容されることを意味する。
【0047】
メモリセル2a、2bは、以上述べたような構成を有しているため、容易軸と平行な仮想軸に関して鏡面対称の関係を有している。すなわち、書き込み線3、4、磁気抵抗効果素11、下部電極54の形状、相対的な位置関係は、全てのメモリセル2a、2bにおいて同じである。
【0048】
図6、図7に示すように、半導体基板51のプラグ55が接する位置に、1対のソース/ドレイン拡散領域56の一方が設けられる。ソース/ドレイン拡散領域56の他方は、プラグ61を介して配線層62と接続される。
【0049】
1対のソース/ドレイン拡散領域56相互間の半導体基板51上には、ゲート絶縁膜57を介してゲート電極58が設けられる。ソース/ドレイン拡散領域56、ゲート絶縁膜57、ゲート電極58は選択トランジスタ12を構成する。半導体基板51の表面には、素子分離絶縁膜63も設けられる。
【0050】
第1実施形態に係る磁気記憶装置によれば、メモリセル2aとメモリセル2bとが鏡面対称の関係を有する。このため、磁場Ba、Bb(包括的には磁場B)の方向がメモリセル2a、2b間で異なっていても、磁場Ba、Bbは、磁気抵抗効果素子11a、11bおよび下部電極54a、54bへ、全てのメモリセル2a、2bにおいて同様に印加される。
【0051】
具体的には、何れの磁気抵抗効果素子11a、11bに対しても、下部電極54a、54bの、磁気抵抗効果素子11a、11bの側からプラグ55a、55bの側へと向かう磁場Ba、Bbが印加される。この結果、下部電極54a、54bと磁場Ba、Bbとの相互作用が、メモリセル2a、2b間で統一される。よって、メモリセル2a、2bへの書き込み特性が統一され、メモリセル2a、2b相互間での書き込みマージンの大きな磁気記憶装置を実現できる。
【0052】
第1実施形態は、メモリセル2a、2bの各部が鏡面対称であることを必ずしも要しない。各部の形状および向きがメモリセル2間で同じであるとすると、少なくとも、書き込み線3と下部電極54と磁気抵抗効果素子11との相互間の相対的な位置関係、および下部電極54と磁気抵抗効果素子11に対する磁場Bの向き、がメモリセル2相互間で揃っていれば良い。こうすれば、磁場Bは、全てのメモリセル2において、下部電極54の磁気抵抗効果素子11側からプラグ55側へと印加される。この結果、下部電極における磁気抵抗効果素子の位置、および下部電極と磁気抵抗効果素子に対する方向を固定された磁場の向き、がメモリセルによって統一されていない場合よりも大きな書き込みマージンを確保できる。
【0053】
しかしながら、上記に加え、下部電極54a、54bにおける磁気抵抗効果素子11a、11bの位置もが鏡面対称であれば、書き込み特性の統一効果は、より高い。
【0054】
第1実施形態は、図9のように固定層101と下部電極54の平面形状が同じ場合、特に有効である。すなわち、このような構成の磁気抵抗効果素子では、固定層からの漏れ磁場の磁気抵抗効果素子へ印加のされ方がメモリセル相互間で統一されていないと、この漏れ磁場によって書き込み特性がメモリセル相互間で大きくばらつく。これに対し、第1実施形態によれば、図9の構成の磁気抵抗効果素子11a、11bを用いた場合でも、下部電極54a、54bからの漏れ磁場の影響の仕方が全てのメモリセル2a、2bにおいて統一されるため、大きな書き込みマージンを確保できる。
【0055】
(第2実施形態)
第2実施形態は、下部電極の形状が第1実施形態と異なる。
【0056】
図10乃至図12を参照して第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態に係る磁気記憶装置のブロック図である。図11は、図10の詳細な構成の一例を示す回路図である。図10、11に示すように、図面の左右方向に沿って延びる書き込み線4a、4bが、図面の上下方向に沿って順次、交互に設けられる。
【0057】
書き込み線4(4a、4b)に対しても書き込み電流が両方向に流れるように構成されている。すなわち、メモリセルアレイ1の左右両側の制御回路5と並ぶ位置に、電流ソース/シンク6が設けられている。
【0058】
メモリセルアレイ1の左右の電流ソース/シンク6は、メモリセルアレイ1の左右の制御回路5を介して書き込み線4と電気的に接続される。この1対の電流ソース/シンク6は、制御回路5によって、少なくとも1つの書き込み線4の両端と電気的に接続される。
【0059】
図示せぬ制御信号に応じて、書き込み線4の両端に接続された1対の電流ソース/シンク6の一方は、書き込み線4に書き込み電流を供給し、他方は書き込み線4から電流を引き抜く。書き込み線4を流れる電流の方向は、書き込み線4によって固有であり、書き込み線4aにおいては図面の右方向に流れ、書き込み線4bにおいては図面の左方向に流れる。
【0060】
メモリセルアレイ1は、メモリセル2c、2dから構成され、メモリセル2c、2dは、後述のように、平面形状が第1実施形態のそれと異なる。ある書き込み線4に対してはメモリセル2cが設けられ、この書き込み線4と隣接する書き込み線4に対してはメモリセル2dが設けられる。したがって、各書き込み線3に沿って、メモリセル2c、2dが順次交互に配置される。
【0061】
メモリセルアレイ1の左右の電流ソース/シンク6において、スイッチ回路32とスイッチ回路33との接続ノードは、共通線14と接続される。
【0062】
その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0063】
次に、メモリセル2c、2dの構造について、図12を参照して説明する。図12は、メモリセル2c、2dの平面図である。図12の紙面の上下左右の向きは、ともに、図10のそれと一致している。すなわち、例えば、図10の下側は、図12においても下側である。
【0064】
図12に示すように、メモリセル2cは、磁気抵抗効果素子11a、下部電極54c、プラグ55aを含み、メモリセル2dは、磁気抵抗効果素子11b、下部電極54d、プラグ55bを含む。
【0065】
隣接するメモリセル2c、2dは、メモリセル2cを上側に、メモリセル2dを下側として、1つの組を構成している。メモリセル2c、2dは、下部電極54c、54d上にそれぞれ設けられる。
【0066】
下部電極54cと下部電極54dとは、回転対称(点対称)の関係を有する。このような関係を有するものとして、下部電極54c、54dは、例えば以下の形状を有する。
【0067】
下部電極54cは、L字が180°回転した平面形状を有し、左右方向に沿って延びる部分54c1と上下方向に沿って延びる部分54c2とから構成される。部分54c1が図面において上側に、部分54c2が下側に位置する。プラグ55aは、部分54c2と接続される。磁気抵抗効果素子11aは、書き込み線3と書き込み線4aとの間に位置し、その容易軸は、書き込み線4aに沿っている。
【0068】
下部電極54dは、L字の平面形状を有し、左右方向に沿って延びる部分54d1と上下方向に沿って延びる部分54d2とから構成される。部分54d1が図面において下側に、部分54d2が上側に位置する。プラグ55bは、部分54d2と接続される。磁気抵抗効果素子11bは、書き込み線3と書き込み線4bとの間に位置し、その容易軸は、書き込み線4bに沿っている
部分54c2の左辺は部分54d2の右辺と面し、部分54c2の下辺は部分54d1の上辺と面する。部分54d2の上辺は部分54c1の下辺と面する。
【0069】
書き込み線4aを流れる電流I4aは右方向に流れるため、電流I4aによる磁場Baは磁気抵抗効果素子11aにおいて下方向に向かう。書き込み線4bを流れる電流I4bは左方向に流れるため、電流I4bによる磁場Bbは磁気抵抗効果素子11bにおいて上方向に向かう。
【0070】
メモリセル2c、2dの断面形状は、VI−VI線に沿った形状が図6によって、VII−VII線に沿った形状が図7によって示されている。磁気抵抗効果素子2c、2dの構成は、図8、図9の何れのであってもよい。
【0071】
メモリセル2c、2dは、以上述べたような構成を有しており、点対象の関係を有する。
【0072】
第2実施形態に係る磁気記憶装置によれば、隣接する書き込み線4a、4bがそれぞれ通る下部電極54c、54dが相互に点対称の関係を有し、且つ書き込み線4a、4bを流れる方向を固定された書き込み電流I4a、I4bは相互に反対方向に向かう。このため、下部電極54c、54dの形状が異なっていても、磁場Ba、Bbは、磁気抵抗効果素子11a、11bおよび下部電極54c、54dへ、全てのメモリセル2c、2dにおいて同様に印加される。
【0073】
具体的には、何れの磁気抵抗効果素子11a、11bに対しても、下部電極54c、54dの、磁気抵抗効果素子側からプラグ55a、55b側へと向かう磁場Ba、Bbが印加される。このため、メモリセル2c、2d相互間での書き込みマージンの大きな磁気記憶装置を実現できる。
【0074】
なお、第1実施形態と同様に、少なくとも、書き込み線3と下部電極54と磁気抵抗効果素子11との相互間の相対的な位置関係、および下部電極54と磁気抵抗効果素子11に対する磁場Bの向き、がメモリセル2相互間で揃っていれば、書き込みマージンの増加効果を得られる。
【0075】
第2実施形態も、第1実施形態において記載したのと同じ理由により、固定層101と下部電極54c、54dの平面形状が同じ場合、特に有効である。
【0076】
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態にトグル書き込み方式を適用した場合に関する。
【0077】
トグル書き込み方式では、特許文献2が開示するように、各磁気抵抗効果素子の磁化容易軸は、2種の書き込み線からなる平面において、2種の書き込み線の両方に対して45°の角度を持った方向に沿う。そして、磁気抵抗効果素子の構造および書き込み電流を流すタイミングも従来のものと異なる。
【0078】
図13、図14は、第3実施形態に係るメモリセルの平面図を示しており、第3実施形態を第1実施形態に適用した場合を示している。図13は、図1のメモリセルアレイ1a内に設けられるメモリセル(メモリセル2aに対応)を示している。図14は、図1のメモリセルアレイ1b内に設けられるメモリセル(メモリセル2bに対応)を示している。断面構造は、第1実施形態と同じである。
【0079】
図13および図14に示すように、第3実施形態におけるメモリセル2a、2bは、磁気抵抗効果素子11a、11bの代わりに磁気抵抗効果素子11c、11dをそれぞれ含んでいることを除いて、第1実施形態と同じである。
【0080】
磁気抵抗効果素子11cは、下部電極54a上に設けられる。磁気抵抗効果素子11cの磁化容易軸は、書き込み線3aと書き込み線4aの両方に対して45°の方向に沿っている。磁化困難軸は、磁化容易軸と直交する。したがって、書き込み線3aによる磁界B3a、書き込み線4aによる磁界B4aは、磁化容易軸および磁化困難軸に対して45°の角度を有する。
【0081】
磁気抵抗効果素子11dは、下部電極54b上に設けられる。磁気抵抗効果素子11dの磁化容易軸は、書き込み線3bと書き込み線4bの両方に対して45°の方向に沿っている。磁化困難軸は、磁化容易軸と直交する。したがって、書き込み線3bによる磁界B3b、書き込み線4bによる磁界B4bは、磁化容易軸および磁化困難軸に対して45°の角度を有する。
【0082】
磁気抵抗効果素子11(磁気抵抗効果素子11c、11d)の磁化容易軸は、ともに同じ方向に沿っている。
【0083】
メモリセル2(メモリセル2c、2d)は、以上述べたような構成を有しているため、鏡面対象の関係を有する。
【0084】
磁気抵抗効果素子11c、11dは、図15および図16に示す構造を有している。図15および図16は、トグルMRAMに用いることができるMTJ素子の構造を概略的に示す側面図である。図15は、フリー層とピン層の磁化方向が平行の状態を示している。図16は、フリー層とピン層の磁化方向が反平行の状態を示している。
【0085】
図15および図16に示すように、固定層101は、強磁性金属からなる2つの強磁性層111、112と、これら強磁性層111、112に挟まれた常磁性金属からなる常磁性層113と、反強磁性金属からなる反強磁性層114と、を有する。これら強磁性層111、112と常磁性層113からなる構造が、反強磁性層114上に設けられる。2つの強磁性層111、112は、反強磁性結合している。
【0086】
自由層103は、強磁性金属からなる2つの強磁性層121、122と、これら強磁性層に挟まれた常磁性金属からなる常磁性層123と、を有する。2つの強磁性層121、122は、反強磁性結合している。
【0087】
図15に示すように、平行状態では非磁性層102を挟む2つの強磁性層111、122の磁化方向は平行状態であり、図16に示すように、反平行の状態では非磁性層102を挟む2つの強磁性層111、122の磁化方向は反平行状態である。
【0088】
トグル書き込み方式による書き込みでは、書き込み対象となる磁気抵抗効果素子のデータが読み出され、そのデータと書き込みデータとが一致するならば書き込みを行わず、両者が一致しないときのみ書き込みが行われる。
【0089】
トグル書き込み方式では、書き込みを行うと、書き込み前の磁気抵抗効果素子の状態に関わらずMTJ素子の状態が変化する。例えば、書き込みにより、反平行状態の磁気抵抗効果素子は平行状態に変化し、平行状態の磁気抵抗効果素子は反平行状態に変化する。
【0090】
磁気抵抗効果素子の状態を反転させるには、書き込み線3a、3bに、書き込み電流I3a、I3bをそれぞれ流し、書き込み線4a、4bには、書き込み電流I4a、I4bをそれぞれ流せばよい。
【0091】
電流I3a、I3b、I4a、I4bは、書き込みデータによらずその方向が固定されている。また、電流I3a、I3b、I4a、I4bの流れる方向は、電流I3aの方向と電流I3bの方向、電流I4aの方向と電流I4bの方向と、が反対になるように設定される。例えば、図13および図14に示すように、電流I3aは上方向に、電流I4aは右方向に、電流I3bは下方向に、電流I4bは左方向に流れる。
【0092】
電流I3(電流I3a、I3b)、電流I4(電流I4a、I4b)を与えるタイミングは、例えば、図17に示すようなタイミングとする。図17に示すように、時刻T1において、電流I4の供給を開始する。電流I4の供給は継続される。
【0093】
次いで、時刻T1から時間A経過後の時刻T2に電流I3の供給を開始する。この後、時刻T3まで、電流I3、I4の供給は継続される。次いで、時刻T3において、電流I4の供給が停止される。次いで、時刻T4において電流I3の供給が停止される。
【0094】
以上の電流の供給により、磁気抵抗効果素11c、11dの状態が反転する。
【0095】
なお、電流I3の供給開始のタイミングを、電流I4の供給開始のタイミングよりも一定の遅延時間Aだけ早くなるように設定してもよい。
【0096】
第3実施形態に係る磁気記憶装置によれば、第1実施形態と同じくメモリセル2cとメモリセル2dとが鏡面対称の関係を有し、電流I3aの方向と電流I3bの方向および電流I4aの方向と電流I4bの方向が反対である。このため、トグル書き込み方式を用いた場合でもメモリセル2c、2dへの書き込み特性が統一され、メモリセル2c、2d相互間での書き込みマージンの大きな磁気記憶装置を実現できる。
【0097】
なお、第1実施形態と同様に、少なくとも、書き込み線3と書き込み線4と下部電極54と磁気抵抗効果素子11との相互間の相対的な位置関係、下部電極54と磁気抵抗効果素子11に対する磁場B3(B3a、B3b)の向き、下部電極54と磁気抵抗効果素子11に対する磁場B4(B4a、B4b)の向きがメモリセル2相互間で揃っていれば、書き込みマージンの増加効果を得られる。
【0098】
(第4実施形態)
第4実施形態は、第2実施形態にトグル書き込み方式を適用した場合に関する。
【0099】
図18は、第4実施形態に係るメモリセルの平面図を示しており、トグル書き込み方式を第2実施形態に適用した場合を示している。断面構造は、第1実施形態と同じである。
【0100】
図18に示すように、第4実施形態におけるメモリセル2c、2dは、磁気抵抗効果素子11a、11bの代わりに磁気抵抗効果素子11c、11dをそれぞれ含んでいることを除いて、第2実施形態と同じである。
【0101】
磁気抵抗効果素子11c、11dは、下部電極54c、54d上にそれぞれ設けられる。磁気抵抗効果素子11c、11dの磁化容易軸および磁化困難軸は、書き込み線3aと書き込み線4aの両方に対して45°の方向に沿っている。また、磁気抵抗効果素子11c、11dの磁化容易軸は、ともに同じ方向に沿っている。
【0102】
メモリセル2c、2dは、以上述べたような構成を有しており、点対称の関係を有する。
【0103】
書き込み電流I3の流れる方向は、メモリセル2cに対する書き込みの場合と、メモリセル2dに対する書き込みの場合と、で異なる。すなわち、電流I3は、メモリセル2cへの書き込みの場合は下方向に流れ、メモリセル2dへの書き込みの場合は上方向に流れる。その他の書き込み動作は、図13および図14を用いて説明した動作と同じである。
【0104】
第4実施形態に係る磁気記憶装置によれば、第2実施形態と同じく、隣接する書き込み線4a、4bがそれぞれ通る下部電極54c、54dが相互に点対称の関係を有し、且つ電流I3aの方向と電流I3bの方向および電流I4aの方向と電流I4bの方向が反対である。このため、トグル書き込み方式を用いた場合でもメモリセル2c、2dへの書き込み特性が統一され、メモリセル2c、2d相互間での書き込みマージンの大きな磁気記憶装置を実現できる。
【0105】
なお、第1実施形態と同様に、少なくとも、書き込み線3と書き込み線4と下部電極54と磁気抵抗効果素子11との相互間の相対的な位置関係、下部電極54と磁気抵抗効果素子11に対する磁場B3(B3a、B3b)の向き、下部電極54と磁気抵抗効果素子11に対する磁場B4(B4a、B4b)の向きがメモリセル2相互間で揃っていれば、書き込みマージンの増加効果を得られる。
【0106】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1実施形態に係る磁気記憶装置のブロック図。
【図2】第1実施形態の磁気記憶装置の詳細な構成の一例を示す回路図。
【図3】第1実施形態の各スイッチ回路への制御信号の流れを示す図。
【図4】第1実施形態のメモリセルの平面図。
【図5】第1実施形態のメモリセルの平面図。
【図6】第1実施形態の磁気記憶装置の側面図。
【図7】第1実施形態の磁気記憶装置の側面図。
【図8】磁気抵抗効果素子の断面図。
【図9】磁気抵抗効果素子の断面図。
【図10】第2実施形態に係る磁気記憶装置のブロック図。
【図11】第2実施形態の磁気記憶装置の詳細な構成の一例を示す回路図。
【図12】第2実施形態のメモリセルの平面図。
【図13】第3実施形態のメモリセルの平面図。
【図14】第3実施形態のメモリセルの平面図。
【図15】第3実施形態の磁気抵抗効果素子の側面図。
【図16】第3実施形態の磁気抵抗効果素子の側面図。
【図17】書き込み電流のタイミングチャート。
【図18】第4実施形態のメモリセルの平面図。
【符号の説明】
【0108】
1a、1b…メモリセルアレイ、2a、2b…メモリセル、3a、3b、4a、4b…書き込み線、5…制御回路、6…電流ソース/シンク、7…電流ソース、8…電流シンク、11…磁気抵抗効果素子、12…選択トランジスタ、13…スイッチ回路、14、15…共通線、54a、54b…下部電極、55a、55b…プラグ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気抵抗効果素子を行列に配置したメモリセルアレイと、
第1方向に沿って延び、前記第1方向に向かう電流のみが供給される第1書き込み線と、
前記第1方向に沿って延び、前記第1方向とは逆向きの第2方向に向かう電流のみが供給される第2書き込み線と、
前記第1方向と直交する第3方向に沿って延びる第3書き込み線と、
前記第1書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第1電極と、
前記第1電極に接続され、前記第1書き込み線より前記第3方向に沿って下側に設けられた第1プラグと、
前記第2書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第2電極と、
前記第2電極に接続され、前記第2書き込み線より前記第3方向に沿って上側に設けられた第2プラグと、
を備え、
前記磁気抵抗効果素子は、前記第1書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置、および前記第2書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置に配置されることを特徴とする磁気記憶装置。
【請求項2】
磁気抵抗効果素子を行列に配置した第1メモリセルアレイおよび第2メモリセルアレイと、
前記第1メモリセルアレイ内で第1方向に沿って延び、前記第1方向に向かう電流のみが供給される第1書き込み線と、
前記第2メモリセルアレイ内で前記第1方向に沿って延び、前記第1方向とは逆向きの第2方向に向かう電流のみが供給される第2書き込み線と、
前記第1メモリセルアレイ内で前記第1方向と直交する第3方向に沿って延びる第3書き込み線と、
前記第2メモリセルアレイ内で前記第3方向に沿って延びる第4書き込み線と、
前記第1書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第1電極と、
前記第1電極に接続され、前記第1書き込み線より前記第3方向に沿って下側に設けられた第1プラグと、
前記第2書き込み線と前記第4書き込み線との間に設けられた第2電極と、
前記第2電極に接続され、前記第2書き込み線より前記第3方向に沿って上側に設けられた第2プラグと、
を備え、
前記磁気抵抗効果素子は、前記第1メモリセルアレイ内の前記第1書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置、および前記第2メモリセルアレイ内の前記第2書き込み線と前記第4書き込み線とが交わる位置に配置されることを特徴とする磁気記憶装置。
【請求項3】
前記第1書き込み線および前記第2書き込み線に電流を供給し、前記第1メモリセルアレイと前記第2メモリセルアレイとの間に配置された、電流ソースをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の磁気記憶装置。
【請求項4】
磁気抵抗効果素子を行列に配置したメモリセルアレイと、
第1方向に沿って延び、前記第1方向に向かう電流のみが供給される第1書き込み線と、
前記第1方向に沿って延び、前記第1方向とは逆向きの第2方向に向かう電流のみが供給される第2書き込み線と、
前記第1方向と直交する第3方向に沿って延びる第3書き込み線と、
前記第1書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第1電極と、
前記第1電極に接続され、前記第1書き込み線より前記第3方向に沿って下側に設けられた第1プラグと、
前記第2書き込み線と前記第3書き込み線との間に設けられた第2電極と、
前記第2電極に接続され、前記第2書き込み線より前記第3方向に沿って上側に設けられた第2プラグと、
を備え、
前記磁気抵抗効果素子は、前記第1書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置、および前記第2書き込み線と前記第3書き込み線とが交わる位置に配置され、
前記第1プラグおよび前記第2プラグは、前記第1書き込み線と前記第2書き込み線との間で前記第1方向に沿って並ぶ、
ことを特徴とする磁気記憶装置。
【請求項5】
前記第1電極および前記第2電極および前記磁気抵抗効果素子は、同じ形状を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−311488(P2007−311488A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137983(P2006−137983)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】