窒化チタン障壁層の形成方法及び窒化チタン障壁層を含む半導体デバイス
【課題】追従性が高く良好なステップ・カバレージ及び低い抵抗率を有する窒化チタン障壁層を形成する方法を提供する。
【解決手段】部分的に製作された電子デバイスに窒化チタン障壁層を形成する方法であって、前記部分的に製作された電子デバイスの上に第1の温度で、第1の抵抗率を有する第1の窒化チタンサブレーヤ40を堆積させる工程と、前記第1の窒化チタンサブレーヤの上に第2の温度で、第2の抵抗率を有する第2の窒化チタンサブレーヤ42を堆積させる工程とを備えており、前記第2の温度は前記第1の温度よりも高く、第2の抵抗率は第1の抵抗率よりも低いことを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【解決手段】部分的に製作された電子デバイスに窒化チタン障壁層を形成する方法であって、前記部分的に製作された電子デバイスの上に第1の温度で、第1の抵抗率を有する第1の窒化チタンサブレーヤ40を堆積させる工程と、前記第1の窒化チタンサブレーヤの上に第2の温度で、第2の抵抗率を有する第2の窒化チタンサブレーヤ42を堆積させる工程とを備えており、前記第2の温度は前記第1の温度よりも高く、第2の抵抗率は第1の抵抗率よりも低いことを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス、及び、半導体デバイスを構成する方法に関する。より詳細に言えば、本発明は、半導体デバイスに窒化チタン障壁層を堆積させる技術に関する。より明確に言えば、本発明は、低い抵抗率及び高い追従性を有する窒化チタン障壁層を提供する。
【背景技術】
【0002】
窒化チタン障壁層は、エッチングにより貫通されたコンタクト・ホールすなわち接続孔(vias)を有しているILD(層間絶縁膜)又はIMD(金属間絶縁膜)の如き二酸化ケイ素層又はガラス層の上に形成される。ILDの場合には、コンタクト・ホールは、単結晶シリコン又はケイ化物の基板のソース領域又はドレイン領域に接触する。場合によっては、コンタクト・ホールは、ポリシリコンゲート電極に接触することもできる。
【0003】
窒化チタン障壁層は、少なくとも3つの目的で使用される。第一に、窒化チタン障壁層は、単結晶シリコン基板とコンタクト・ホールの中の金属との間の化学種の拡散を防止する。問題となる程の量の金属が金属接点からシリコン基板への経路を見い出した場合には、デバイスは破壊することになる。第二に、窒化チタンは、タングステン堆積プロセスの間のタングステンの接着を容易にする(タングステンをコンタクト・ホールに使用する場合)。この理由から、窒化チタン障壁層は、「接着」層と呼ばれることが多い。最後に、六フッ化タングステン(WF6)を用いてタングステンを堆積させる場合に、そのような六フッ化タングステンは、シリコン基板を腐食し、従って、半導体デバイスに損傷を与える可能性がある。窒化チタン障壁層は、WF6が上述の損傷を与える可能性のある単結晶シリコン基板に到達するのを防止する。
【0004】
窒化チタンの堆積は、一般的に、MO−CVDと呼ばれることもある「有機金属化学的気相成長」反応によって生ずる。このプロセスは、有機チタン化合物を用いる。この有機チタン化合物は、基板上で熱分解して窒化チタンを形成する。通常は、気体状の反応混合物にアンモニアを加えて、還元剤として作用させる。多くの系においては、上記有機チタン化合物は、テトラキス(ジエチルアミド)チタン(TDEAT)である。場合によっては、テトラキス(ジメチルアミド)チタン(TDMAT)を代わりに用いることができる。
【0005】
窒化チタン障壁層を追従性をもって且つ良好なステップ・カバレージ(段差被覆性)をもって堆積させることが重要である。追従性をもって堆積された層は、トレンチの頂部及び底部の水平面、並びに、トレンチの垂直な側壁の上でほぼ等しい厚さを有している。
【0006】
ステップ・カバレージは、トレンチの底部の水平面における堆積膜すなわち堆積層の厚さのトレンチの直ぐ外側の頂部の水平面における堆積層の厚さに対する比として規定される。従って、例えば図1において、ステップ・カバレージは、下方の膜厚2の上方の膜厚4に対する比によって与えられる。図1においては、追従性を有する膜6(例えば、窒化チタン)が誘電層8の上に形成されており、一方、この誘電層は、半導体基板10の上に形成されている。誘電層8は、この誘電層にエッチングされたコンタクト・ホール12を有している。このコンタクト・ホール12は、適正なアスペクト比を有している。このアスペクト比は、コンタクト・ホールの深さ(垂直方向の寸法)をその幅(コンタクト・ホールの頂部における開口の水平方向の広がり)で除した値として規定される。
【0007】
カバレージ(被覆)の追従性が不十分であるか、及び/又は、ステップ・カバレージ(段差被覆性)が低すぎると、半導体デバイスの故障を生じさせることがある。その理由は、窒化チタン障壁層は、その機能の中の一つを不適切に果たすからである。比較的小さいアスペクト比及び幅の広いトレンチを有するコンタクト・ホールに関しては、上述の問題は重要ではない。しかしながら、デバイス密度が増大し、これに応じてアスペクト比が大きくなるに連れて、追従性のある層を良好なステップ・カバレージをもって堆積させることが困難になる。一般的に言えば、窒化チタンのMO−CVDに関しては、低い堆積温度が常に高いステップ・カバレージを与える。従って、窒化チタンのMO−CVDは、堆積温度を約300°Cよりも低い温度に維持した場合に、5:1程度のアスペクト比を有するコンタクト・ホールに良好なステップ・カバレージを与えることができる。
【0008】
不運にして、低い温度で堆積した窒化チタン障壁層は、幾つかの問題点を有する。最も顕著な問題点は、窒化チタン障壁層の抵抗率が高く、一般的には、約1、200μΩ−cmであって、そのような高い抵抗率は、デバイス間の信号伝送を遅くすることによって、デバイス性能を低下させる。低い温度で堆積する窒化チタン障壁層の抵抗率を結果的に高くするメカニズムは決定的には確立されていないが、そのような窒化チタン障壁層は、高い温度で堆積する障壁層よりも高い多孔性を有しており、従って、高い酸素含有率を有することが観察されている。
【0009】
窒化チタンの化学蒸着法(CVD)は、酸素含有率が低い真空状態で実行される。しかしながら、酸素及び湿分は、デバイスが形成されてCVDチャンバから取り出された後に、窒化チタン障壁層への経路を見い出すことができる。従って、低い温度で堆積する多孔性で低密度の窒化チタン障壁層は、高い温度で堆積する障壁層よりも、酸素及び湿分をよりしっかりと保持する可能性が高い。
【0010】
いずれにしても、デバイス寸法が小さくなり、コンタクト・ホールが益々狭く且つ深くなるに連れて、窒化チタン障壁層を堆積させるための改善された技術が必要とされることが明らかになった。そのような改善された技術は、追従性があって良好なステップ・カバレージ及び低い抵抗率を有する窒化チタン障壁層を形成することができなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、追従性が高く良好なステップ・カバレージ及び低い抵抗率を有する窒化チタン障壁層を形成する方法を提供することである。この目的は、障壁層を二段階の堆積プロセスで堆積させることによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一つの特徴において、本発明は、窒化チタンから成る第1のサブレーヤを低い温度で堆積させ、その後、窒化チタンから成る第2のサブレーヤを高い温度で堆積させることによって、部分的に製作された電子デバイスに窒化チタン障壁層を形成する方法を提供する。一般的に、上記高い温度は、上記低い温度よりも約50°Cだけ高い。好ましい実施例においては、上記低い温度は、約200°Cと約300°Cとの間である。より特定の実施例においては、上記低い温度は、約250°Cと約300°Cとの間である。別の実施例においては、上記高い温度は、約340°Cと約500°Cとの間である。より特定の実施例においては、上記高い温度は、約340°Cと約400°Cとの間で変化する。
【0013】
上記第1の窒化チタンサブレーヤは、約50Åと約600Åとの間の厚さを有するのが好ましい。より特定の実施例においては、上記第1の窒化チタンサブレーヤは、約100Åと約200Åとの間の厚さを有している。上記第2の窒化チタンサブレーヤは、約20Åと約200Åとの間の厚さを有するのが好ましい。より特定の実施例においては、上記第2の窒化チタンサブレーヤは、約20Åと約100Åとの間の厚さを有している。
【0014】
別の実施例においては、上記窒化チタン障壁層は、有機チタン化合物、アンモニア及びキャリアガスから成る混合物のMO−CVD(有機金属化学的気相成長法)によって形成される。より特定の実施例においては、上記気体混合物の圧力は、約0.5トールと約80トールとの間で変化する。別の実施例においては、通常はTDEAT(テトラキス(ジエチルアミド)チタン)又はTDMAT(テトラキス(ジメチルアミド)チタン)である上記有機チタン化合物の流量は、約0.1sccm(立方センチメートル毎分(標準状態下))と約10sccmとの間で変化する。更に別の実施例においては、アンモニアの流量は、約3,000sccmと約40,000sccmとの間である。
【0015】
上記窒化チタン障壁層は、多段CVD反応器の中で形成されるのが好ましい。部分的に製作された電子デバイスは、各段すなわち各ステージの間で移動され、これにより、上記第1及び第2の窒化チタンサブレーヤは各々、1又はそれ以上の異なるステージの中で形成される。別の実施例においては、上記多段CVD反応器は、少なくとも6つの段すなわちステージを備えている。更に特定の実施例においては、上記多段CVD反応器は、上記第2の窒化チタンサブレーヤを形成するための少なくとも1つの又は2つのステージを備えている。
【0016】
更に別の特徴において、本発明は、高い抵抗率を有する窒化チタンから成る第1のサブレーヤを低い温度で堆積させ、その後、低い抵抗率を有する窒化チタンから成る第2のサブレーヤを高い温度で堆積させることによって形成される、窒化チタン障壁層を備える半導体デバイスを提供する。一般的に、そのようなデバイスは、上述の方法に従って形成される。
【0017】
別の特徴において、本発明は、誘電層の上に形成された2つのサブレーヤを含む窒化チタン障壁層を備える半導体デバイスを提供する。この特徴においては、本デバイスは、適宜な方法によって形成することができる。誘電層の上に直接堆積される第1の窒化チタンサブレーヤは、第1の窒化チタン障壁層の上に堆積される第2の窒化チタン層よりも、高い抵抗率及び低い密度を有している。一実施例においては、上記第1の窒化チタンサブレーヤの抵抗率は、約2,000μΩ−cmと約1,600μΩ−cmとの間である。別の実施例においては、上記第2の窒化チタンサブレーヤの抵抗率は、約200μΩ−cmと約600μΩ−cmとの間である。別の実施例においては、上記窒化チタン障壁層の抵抗率は、約1,000μΩ−cmと約200μΩ−cmとの間である。更に別の実施例においては、上記第1の窒化チタンサブレーヤは、上記第2の窒化チタンサブレーヤよりも高い多孔性を有している。
【0018】
上記第1の窒化チタンサブレーヤは、約50Åと約600Åとの間の厚さを有するのが好ましい。上記第2の窒化チタンサブレーヤは、約20Åと約200Åとの間の厚さを有するのが好ましい。
【0019】
本発明の窒化チタン障壁層は、約3.5:1よりも大きいアスペクト比を有するバイア又はコンタクト・ホールに形成された場合に、特定の用途を見い出すことができる。本窒化チタン障壁層は、少なくとも60%のステップ・カバレージを有しており、約80%のステップ・カバレージを有するのが最も好ましい。
本発明の上記及び他の特徴並びに利点を図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、コンタクト・ホール又はバイアを有していて半導体基板の上に形成されている誘電層に設けられた追従性を有する障壁膜の断面図である。
【図2】図2は、MOSトランジスタの横断面図である。
【図3】図3は、ILD層の上に低い温度で堆積された窒化チタンサブレーヤを備えるMOSトランジスタの横断面図である。
【図4】図4は、低い温度で堆積された窒化チタンサブレーヤの上に高い温度で堆積された窒化チタンサブレーヤを備えるMOSトランジスタの横断面図である。
【図5】図5は、ILDの上に堆積されてコンタクト・ホールを完全に充填している金属層を備えるMOSトランジスタの横断面図である。
【図6】図6は、6つの台座を有する回転式CVD反応器の平面図である。
【図7】図7は、3つのチャンバを有するCVD反応器の平面図である。
【図8】図8は、Novellus Connect II反応器を用いて半導体ウエーハを処理する場合に高温窒化チタン堆積プロセスの段数の増加が窒化チタン障壁層の抵抗率に与える影響を示している。
【図9】図9は、Novellus Connect II反応器を用いて半導体ウエーハを処理する場合に高温窒化チタン堆積プロセスの段数の増加が窒化チタン障壁層のステップ・カバレージに与える影響を示している。
【図10】図10は、直径が0.35μmのコンタクト・ホールを有する0.25μmの集積回路に異なる温度で堆積された種々の窒化チタン障壁層の抵抗率を比較したものである。
【図11】図11は、直径が0.40μmのコンタクト・ホールを有する0.25μmの集積回路に異なる温度で堆積された種々の窒化チタン障壁層の抵抗率を比較したものである。
【符号の説明】
【0021】
20 半導体基板
22 ソース
24 ドレイン
26 ILD層
36、38 コンタクト・ホール(バイア)
40 低温で堆積された窒化チタンサブレーヤ
42 高温で堆積された窒化チタンサブレーヤ
44 金属層
【発明の実施するための形態】
【0022】
本発明の特定の実施例を図2乃至図5を参照して説明する。図2は、部分的に製作されたn形又はp形のMOS、あるいは、CMOS半導体デバイスの横断面図である。このデバイスは、半導体基板20を備えており、この半導体基板の上にソース22及びドレイン24が形成されている。半導体のソース領域及びドレイン領域は、一般的に、デバイスのチャンネル付近に薄くドープされた領域を有している。部分的に製作されたデバイスは、ゲート電極28とゲート酸化物32とを備えており、これらゲート電極及びゲート酸化物をスペーサ34a、34bが跨いでいる。部分的に製作された半導体デバイスは、ILD層(層間絶縁膜)26と、フィールド酸化物領域40とを備えている。上記ILD層は、酸化物、及び、ホウ素・リンケイ酸ガラスの如きガラスのような通常の誘電材料から構成されている。最後に、部分的に製作された半導体デバイスは、コンタクト・ホール又はバイア36、38を備えている。これらコンタクト・ホール(接続孔)又はバイアは、ILD層26を通ってソース22及びドレイン24までそれぞれ下方にエッチングされている。一般的に、コンタクト・ホール36、38は、約2:1のアスペクト比を有しており、最近の集積回路ではより大きなアスペクト比を有している。図2に示す構造を通常のフロント・エンド集積回路プロセスによって形成することができることは、当業者には理解されよう。
【0023】
図3は、誘電層26の上に窒化チタンサブレーヤ40を低い温度で堆積させた後の本発明の部分的に製作されたMOS半導体デバイスの横断面図である。窒化チタンサブレーヤ40は、誘電層26の水平方向及び垂直方向の輪郭を覆っている。窒化チタンサブレーヤ40は、追従性をもってコンタクト・ホール36、38を良好なステップ・カバレージ(段差被覆性)で覆っていることに注意する必要がある。一般的に、上記サブレーヤの目的は、大きなアスペクト比を有するコンタクト・ホール又はバイアの中に堆積された時に、窒化チタン障壁層全体が追従性及び良好なステップ・カバレージを有するようにすることである。例えば、サブレーヤ40は、バイア又はコンタクト・ホールの幅が約0.5μmよりも小さく、アスペクト比が約2:1よりも大きい場合に、特に有用である。
【0024】
窒化チタンサブレーヤ40は、約200°Cと約300°Cとの間の温度で堆積されるのが好ましい。上記温度は、約250°Cと約300°Cとの間であるのがより好ましく、約280°Cであるのが最も好ましい。上述の温度で堆積された窒化チタンサブレーヤは、一般的に、良好なステップ・カバレージ(約70%よりも大きい)を有するが、少なくともCVDの環境から取り出した後には高い抵抗率を有する。窒化チタンサブレーヤ40の厚さは、約50Åと約600Åとの間であるのが好ましく、そのような厚さは、約100Åと約200Åとの間であるのがより好ましく、また、約150Åと約200Åとの間であるのが最も好ましい。
【0025】
図4は、低温の窒化チタンサブレーヤ40の上に窒化チタンサブレーヤ42が高い温度で堆積した後の本発明の部分的に製作されたCMOS半導体デバイスの横断面図である。窒化チタンサブレーヤ42は、低温の窒化チタンサブレーヤ40の水平方向及び垂直方向の輪郭を覆っている。サブレーヤ42は、サブレーヤ40のステップ・カバレージ程の良好なステップ・カバレージを有していないが、一般的には、その堆積温度が高いので低い抵抗率を有している。
【0026】
高温の窒化チタンサブレーヤ42は、約340°Cと約500°Cとの間の温度で堆積される。この温度は、約340°Cと約400°Cとの間であるのが好ましく、約350°Cであるのが最も好ましい。窒化チタンサブレーヤ42の厚さは、約20Åと約200Åとの間であり、約20Åと約100Åとの間であるのがより好ましく、約40Åと約50Åとの間であるのが最も好ましい。
【0027】
低温のサブレーヤ40及び高温のサブレーヤ42から成る窒化チタン障壁層の抵抗率は、約1,000μΩ−cmと約200μΩ−cmとの間で変化することができる。低温のサブレーヤ40は、更に高い抵抗率を有することができ、その値は、約10,000μΩ−cmと約1,200μΩ−cmとの間である。低温のサブレーヤ40は、コンタクト・ホール36、38のアスペクト比が約3.5:1よりも大きい場合に、約75%と約95%との間のステップ・カバレージを有している。高温のサブレーヤ42は、より低いステップ・カバレージを有することができ、その値は、コンタクト・ホール36、38のアスペクト比が約3.5:1よりも大きい場合に、約20%と約10%との間である。複合型の窒化チタン障壁層のステップ・カバレージは、コンタクト・ホール36、38のアスペクト比が約3.5:1よりも大きい場合に、約80%と約25%との間で変化する。
【0028】
図5は、窒化チタン障壁層の上に金属層44が堆積された後の本発明の部分的に製作されたCMOS半導体デバイスの横断面図である。金属層44は、コンタクト・ホール36、38を完全に充填すると共に、ILD層26を覆っている。金属層44は、半導体デバイスに使用可能な種々の材料から選択されており、タングステンのCVD(化学蒸着法)、アルミニウムのCVD、銅のCVD、アルミニウムの強制充填、アルミニウムのスパッタリング法(PVD)、及び、アルミニウムの金属イオンプラズマ法(IMP)の如き種々のプロセスによって形成することができる。
【0029】
図6は、本発明に使用される6つのステーションを有する回転式CVD反応器50(ConnectII)の概念的な平面図であり、この反応器は、Novellus Systems Inc.(カリフォルニア州(95134)San JoseのNorth Street3970)から入手可能である。各々の小さい円52は、個々の半導体ウエーハが設けられる台座を示している。半導体ウエーハは、反応器に入れられて特定の台座の上に設けられる。この台座は、6つのステーションを通って回転される。各々のステーションは、別個のシャワーヘッドと、独立して制御可能な台座温度とを有している。また、ウエーハが各々のステーションに滞留する時間も、独立して変えることができる。
【0030】
好ましい実施例においては、6つのステーションを有する回転式CVD反応器の個々のシャワーヘッドを出る気体混合物は、同じ組成、同じ流量及び同じ圧力を有している。しかしながら、各々のステーションにおける滞留時間及び温度は独立して変えることができる。低温の窒化チタンの堆積は、一般的に、最初の33つ又は4つのステーションで生じ、一方高温の窒化チタンの堆積は、最後の1つ又は2つのステーションに限定されるのが好ましい。
【0031】
図7は、本発明に使用することのできる別の反応器の構造60を示している。この反応器は、3つの孤立したチャンバ62、64、66と、半導体ウエーハを一つのチャンバから次のチャンバへ移動させるための搬送ステーション68とを備えている。図7は、3つの別個の単一ウエーハステーションを備えた反応器を示しているが、2又はそれ以上のウエーハステーションを備えた反応器を本発明に使用することができる。好ましい実施例においては、半導体ウエーハは、最初に第1の単一ウエーハステーション62の中に挿入され、このウエーハステーションにおいて、低温の窒化チタンの堆積が行われる。ウエーハは、最終的に搬送ステーション68を通って最後の単一ウエーハステーション66へ移動し、このウエーハステーションにおいて、高温の窒化チタンの堆積が行われる。中間のステーション64において、高温、低温又は中間温度の窒化チタンの堆積を行わせることができる。従って、異なる温度で堆積する3又はそれ以上のサブレーヤから成る窒化チタン障壁層も本発明の範囲内である。
【0032】
使用する反応器の構造に関係無く、本発明の方法は、特定の窒化チタン堆積条件を必要とする。窒化チタン障壁層のサブレーヤが、MO−CVDによって形成される場合には、通常はTDEAT又はTDMATである有機チタン化合物、一般的にはヘリウムであるキャリアガス、及び、アンモニアから成る混合物を用いる。好ましい実施例においては、上記気体混合物の圧力は、約0.5トールと約80トールとの間で変化し、そのような圧力は、約30トールであるのが最も好ましい。アンモニアの流量は、約3,000sccm(立方センチメートル毎分(標準状態下))と約40,000sccmとの間であるのが好ましく、そのような流量は、約20,000sccmであるのが最も好ましい。有機チタン化合物(TDEAT又はTDMAT)の流量は、約0.1sccmと1.0sccmとの間であるのが好ましく、そのような流量は、約0.2sccmであるのが最も好ましい。
【0033】
例以下に述べる例は、本発明の特徴を単に示す目的で挙げるものであって、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。
【0034】
例 1
図8及び図9は、Novellus Connect II反応器を用いて半導体ウエーハを処理する場合に、高温の窒化チタンを堆積させる工程の数の増加が、窒化チタン障壁層の抵抗率及びステップ・カバレージに与える影響をそれぞれ示している。これらグラフに示すデータは、1.3μmの深さ及び0.37μmの幅を有していてアスペクト比が約3.5:1であるケイ化物ドープされた単結晶シリコン上に窒化チタンを2つのサブレーヤとして堆積させることによって得たものである。単数又は複数の低温のサブレーヤは、約300°Cで堆積され、また、単数又は複数の高温のサブレーヤは、約400°Cで堆積された。基板が各々のステーションに滞留した時間は、約16秒であった。
【0035】
図8及び図9は、高温の堆積工程の数を一つにした場合にステップ・カバレージと低い抵抗率との間に最適のバランスが得られることを示している。最適のバランスである理由は、抵抗率は、約1,900μΩ−cmから約800μΩ−cmまで十分に低下し、一方、ステップ・カバレージは、約75%から約70%まで僅かしか減少していないからである。2つの高温の堆積工程も、ステップ・カバレージと抵抗率との間の良好なバランスを有しており、その理由は、抵抗率は、約650μΩ−cmまで低下し、一方、ステップ・カバレージは、依然として約60%であるからである。しかしながら、高温の堆積工程の数が2よりも多い場合には、ステップ・カバレージが急激に減少し、抵抗率の減少と見合わない。従って、高温の堆積工程の数が1又は2の場合に、低い抵抗率を有する追従性の高い窒化チタン障壁層を得ることができる。
【0036】
例 2
図10及び図11は、0.25μmの集積回路のゲートソース及びドレインを覆うケイ化コバルト(CoSi2)層の上に異なる温度で堆積された種々の窒化チタン障壁層の抵抗率を直接比較している。図10においては、コンタクト・ホールの幅は、0.35μmであり、図11においては、コンタクト・ホールの幅は、0.4μmである。図10及び図11から分かるように、本発明の方法によって形成された2つの部分から成るチタン障壁層(正方形)の抵抗率は、340°C(円形)又は350°C(三角形)で堆積された高温の窒化チタン障壁層に比較して、ほんの僅かしか劣っていない。更に、グラフには示していないが、低温の窒化チタン障壁層は、本発明によって形成された材料に比較して、かなり悪い抵抗率を有している。
【0037】
図10及び図11に示すデータを得るために使用した窒化チタンは、以下のようにして堆積された。
正方形(□): 堆積温度=280°C(下方の層)、堆積温度=340°C(上方の層)、圧力=60トール。
円形(〇): 堆積温度=340°C、圧力=60トール。
三角形(△):堆積温度=350°C、圧力=30トール。
【0038】
図10及び図11のグラフの軸は以下の通りである。
【0039】
ケルビンP+接触抵抗=集積回路の単一のトランジスタのゲートと第1の金属を通って基板に至るソース又はドレインとの間の個々の接触抵抗(Ω)。この測定は、与えられた集積回路のMOSデバイスに関してだけ行った。
【0040】
累積確率=関連する抵抗の測定値よりも低い接触抵抗の測定値の割合。これらの例においては、約50個のダイを上述のようにして測定した。各々のダイの抵抗の測定値は、他のダイの測定値から幾分変化した。この分布は、累積確率の軸に示されている。例えば、0.5の累積確率に関連する抵抗は、残りの抵抗の読取り値の50%がそれよりも低いところに存在する抵抗である。同様に、0.99の累積確率に関連する抵抗の測定値は、残りの抵抗の読取り値の99%がそれよりも低いところに存在する抵抗である。
【0041】
結 言
本発明をその理解を容易にするために幾分詳細に説明したが、請求の範囲に記載の範囲内で一定の変形及び変更を行うことができることは明らかであろう。例えば、本明細書は、窒化チタン障壁層の説明に限定されているが、化学的又は物理的に同様な他の障壁層材料(例えば、窒化シリコンタンタル)に応用することができない理由は原則的にない。従って、上述の実施例は、限定的なものではなく例示的なものと考えるべきであって、本発明は、上述の細部に限定されるのではなく、請求の範囲に記載の範囲内で変更することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス、及び、半導体デバイスを構成する方法に関する。より詳細に言えば、本発明は、半導体デバイスに窒化チタン障壁層を堆積させる技術に関する。より明確に言えば、本発明は、低い抵抗率及び高い追従性を有する窒化チタン障壁層を提供する。
【背景技術】
【0002】
窒化チタン障壁層は、エッチングにより貫通されたコンタクト・ホールすなわち接続孔(vias)を有しているILD(層間絶縁膜)又はIMD(金属間絶縁膜)の如き二酸化ケイ素層又はガラス層の上に形成される。ILDの場合には、コンタクト・ホールは、単結晶シリコン又はケイ化物の基板のソース領域又はドレイン領域に接触する。場合によっては、コンタクト・ホールは、ポリシリコンゲート電極に接触することもできる。
【0003】
窒化チタン障壁層は、少なくとも3つの目的で使用される。第一に、窒化チタン障壁層は、単結晶シリコン基板とコンタクト・ホールの中の金属との間の化学種の拡散を防止する。問題となる程の量の金属が金属接点からシリコン基板への経路を見い出した場合には、デバイスは破壊することになる。第二に、窒化チタンは、タングステン堆積プロセスの間のタングステンの接着を容易にする(タングステンをコンタクト・ホールに使用する場合)。この理由から、窒化チタン障壁層は、「接着」層と呼ばれることが多い。最後に、六フッ化タングステン(WF6)を用いてタングステンを堆積させる場合に、そのような六フッ化タングステンは、シリコン基板を腐食し、従って、半導体デバイスに損傷を与える可能性がある。窒化チタン障壁層は、WF6が上述の損傷を与える可能性のある単結晶シリコン基板に到達するのを防止する。
【0004】
窒化チタンの堆積は、一般的に、MO−CVDと呼ばれることもある「有機金属化学的気相成長」反応によって生ずる。このプロセスは、有機チタン化合物を用いる。この有機チタン化合物は、基板上で熱分解して窒化チタンを形成する。通常は、気体状の反応混合物にアンモニアを加えて、還元剤として作用させる。多くの系においては、上記有機チタン化合物は、テトラキス(ジエチルアミド)チタン(TDEAT)である。場合によっては、テトラキス(ジメチルアミド)チタン(TDMAT)を代わりに用いることができる。
【0005】
窒化チタン障壁層を追従性をもって且つ良好なステップ・カバレージ(段差被覆性)をもって堆積させることが重要である。追従性をもって堆積された層は、トレンチの頂部及び底部の水平面、並びに、トレンチの垂直な側壁の上でほぼ等しい厚さを有している。
【0006】
ステップ・カバレージは、トレンチの底部の水平面における堆積膜すなわち堆積層の厚さのトレンチの直ぐ外側の頂部の水平面における堆積層の厚さに対する比として規定される。従って、例えば図1において、ステップ・カバレージは、下方の膜厚2の上方の膜厚4に対する比によって与えられる。図1においては、追従性を有する膜6(例えば、窒化チタン)が誘電層8の上に形成されており、一方、この誘電層は、半導体基板10の上に形成されている。誘電層8は、この誘電層にエッチングされたコンタクト・ホール12を有している。このコンタクト・ホール12は、適正なアスペクト比を有している。このアスペクト比は、コンタクト・ホールの深さ(垂直方向の寸法)をその幅(コンタクト・ホールの頂部における開口の水平方向の広がり)で除した値として規定される。
【0007】
カバレージ(被覆)の追従性が不十分であるか、及び/又は、ステップ・カバレージ(段差被覆性)が低すぎると、半導体デバイスの故障を生じさせることがある。その理由は、窒化チタン障壁層は、その機能の中の一つを不適切に果たすからである。比較的小さいアスペクト比及び幅の広いトレンチを有するコンタクト・ホールに関しては、上述の問題は重要ではない。しかしながら、デバイス密度が増大し、これに応じてアスペクト比が大きくなるに連れて、追従性のある層を良好なステップ・カバレージをもって堆積させることが困難になる。一般的に言えば、窒化チタンのMO−CVDに関しては、低い堆積温度が常に高いステップ・カバレージを与える。従って、窒化チタンのMO−CVDは、堆積温度を約300°Cよりも低い温度に維持した場合に、5:1程度のアスペクト比を有するコンタクト・ホールに良好なステップ・カバレージを与えることができる。
【0008】
不運にして、低い温度で堆積した窒化チタン障壁層は、幾つかの問題点を有する。最も顕著な問題点は、窒化チタン障壁層の抵抗率が高く、一般的には、約1、200μΩ−cmであって、そのような高い抵抗率は、デバイス間の信号伝送を遅くすることによって、デバイス性能を低下させる。低い温度で堆積する窒化チタン障壁層の抵抗率を結果的に高くするメカニズムは決定的には確立されていないが、そのような窒化チタン障壁層は、高い温度で堆積する障壁層よりも高い多孔性を有しており、従って、高い酸素含有率を有することが観察されている。
【0009】
窒化チタンの化学蒸着法(CVD)は、酸素含有率が低い真空状態で実行される。しかしながら、酸素及び湿分は、デバイスが形成されてCVDチャンバから取り出された後に、窒化チタン障壁層への経路を見い出すことができる。従って、低い温度で堆積する多孔性で低密度の窒化チタン障壁層は、高い温度で堆積する障壁層よりも、酸素及び湿分をよりしっかりと保持する可能性が高い。
【0010】
いずれにしても、デバイス寸法が小さくなり、コンタクト・ホールが益々狭く且つ深くなるに連れて、窒化チタン障壁層を堆積させるための改善された技術が必要とされることが明らかになった。そのような改善された技術は、追従性があって良好なステップ・カバレージ及び低い抵抗率を有する窒化チタン障壁層を形成することができなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、追従性が高く良好なステップ・カバレージ及び低い抵抗率を有する窒化チタン障壁層を形成する方法を提供することである。この目的は、障壁層を二段階の堆積プロセスで堆積させることによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一つの特徴において、本発明は、窒化チタンから成る第1のサブレーヤを低い温度で堆積させ、その後、窒化チタンから成る第2のサブレーヤを高い温度で堆積させることによって、部分的に製作された電子デバイスに窒化チタン障壁層を形成する方法を提供する。一般的に、上記高い温度は、上記低い温度よりも約50°Cだけ高い。好ましい実施例においては、上記低い温度は、約200°Cと約300°Cとの間である。より特定の実施例においては、上記低い温度は、約250°Cと約300°Cとの間である。別の実施例においては、上記高い温度は、約340°Cと約500°Cとの間である。より特定の実施例においては、上記高い温度は、約340°Cと約400°Cとの間で変化する。
【0013】
上記第1の窒化チタンサブレーヤは、約50Åと約600Åとの間の厚さを有するのが好ましい。より特定の実施例においては、上記第1の窒化チタンサブレーヤは、約100Åと約200Åとの間の厚さを有している。上記第2の窒化チタンサブレーヤは、約20Åと約200Åとの間の厚さを有するのが好ましい。より特定の実施例においては、上記第2の窒化チタンサブレーヤは、約20Åと約100Åとの間の厚さを有している。
【0014】
別の実施例においては、上記窒化チタン障壁層は、有機チタン化合物、アンモニア及びキャリアガスから成る混合物のMO−CVD(有機金属化学的気相成長法)によって形成される。より特定の実施例においては、上記気体混合物の圧力は、約0.5トールと約80トールとの間で変化する。別の実施例においては、通常はTDEAT(テトラキス(ジエチルアミド)チタン)又はTDMAT(テトラキス(ジメチルアミド)チタン)である上記有機チタン化合物の流量は、約0.1sccm(立方センチメートル毎分(標準状態下))と約10sccmとの間で変化する。更に別の実施例においては、アンモニアの流量は、約3,000sccmと約40,000sccmとの間である。
【0015】
上記窒化チタン障壁層は、多段CVD反応器の中で形成されるのが好ましい。部分的に製作された電子デバイスは、各段すなわち各ステージの間で移動され、これにより、上記第1及び第2の窒化チタンサブレーヤは各々、1又はそれ以上の異なるステージの中で形成される。別の実施例においては、上記多段CVD反応器は、少なくとも6つの段すなわちステージを備えている。更に特定の実施例においては、上記多段CVD反応器は、上記第2の窒化チタンサブレーヤを形成するための少なくとも1つの又は2つのステージを備えている。
【0016】
更に別の特徴において、本発明は、高い抵抗率を有する窒化チタンから成る第1のサブレーヤを低い温度で堆積させ、その後、低い抵抗率を有する窒化チタンから成る第2のサブレーヤを高い温度で堆積させることによって形成される、窒化チタン障壁層を備える半導体デバイスを提供する。一般的に、そのようなデバイスは、上述の方法に従って形成される。
【0017】
別の特徴において、本発明は、誘電層の上に形成された2つのサブレーヤを含む窒化チタン障壁層を備える半導体デバイスを提供する。この特徴においては、本デバイスは、適宜な方法によって形成することができる。誘電層の上に直接堆積される第1の窒化チタンサブレーヤは、第1の窒化チタン障壁層の上に堆積される第2の窒化チタン層よりも、高い抵抗率及び低い密度を有している。一実施例においては、上記第1の窒化チタンサブレーヤの抵抗率は、約2,000μΩ−cmと約1,600μΩ−cmとの間である。別の実施例においては、上記第2の窒化チタンサブレーヤの抵抗率は、約200μΩ−cmと約600μΩ−cmとの間である。別の実施例においては、上記窒化チタン障壁層の抵抗率は、約1,000μΩ−cmと約200μΩ−cmとの間である。更に別の実施例においては、上記第1の窒化チタンサブレーヤは、上記第2の窒化チタンサブレーヤよりも高い多孔性を有している。
【0018】
上記第1の窒化チタンサブレーヤは、約50Åと約600Åとの間の厚さを有するのが好ましい。上記第2の窒化チタンサブレーヤは、約20Åと約200Åとの間の厚さを有するのが好ましい。
【0019】
本発明の窒化チタン障壁層は、約3.5:1よりも大きいアスペクト比を有するバイア又はコンタクト・ホールに形成された場合に、特定の用途を見い出すことができる。本窒化チタン障壁層は、少なくとも60%のステップ・カバレージを有しており、約80%のステップ・カバレージを有するのが最も好ましい。
本発明の上記及び他の特徴並びに利点を図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、コンタクト・ホール又はバイアを有していて半導体基板の上に形成されている誘電層に設けられた追従性を有する障壁膜の断面図である。
【図2】図2は、MOSトランジスタの横断面図である。
【図3】図3は、ILD層の上に低い温度で堆積された窒化チタンサブレーヤを備えるMOSトランジスタの横断面図である。
【図4】図4は、低い温度で堆積された窒化チタンサブレーヤの上に高い温度で堆積された窒化チタンサブレーヤを備えるMOSトランジスタの横断面図である。
【図5】図5は、ILDの上に堆積されてコンタクト・ホールを完全に充填している金属層を備えるMOSトランジスタの横断面図である。
【図6】図6は、6つの台座を有する回転式CVD反応器の平面図である。
【図7】図7は、3つのチャンバを有するCVD反応器の平面図である。
【図8】図8は、Novellus Connect II反応器を用いて半導体ウエーハを処理する場合に高温窒化チタン堆積プロセスの段数の増加が窒化チタン障壁層の抵抗率に与える影響を示している。
【図9】図9は、Novellus Connect II反応器を用いて半導体ウエーハを処理する場合に高温窒化チタン堆積プロセスの段数の増加が窒化チタン障壁層のステップ・カバレージに与える影響を示している。
【図10】図10は、直径が0.35μmのコンタクト・ホールを有する0.25μmの集積回路に異なる温度で堆積された種々の窒化チタン障壁層の抵抗率を比較したものである。
【図11】図11は、直径が0.40μmのコンタクト・ホールを有する0.25μmの集積回路に異なる温度で堆積された種々の窒化チタン障壁層の抵抗率を比較したものである。
【符号の説明】
【0021】
20 半導体基板
22 ソース
24 ドレイン
26 ILD層
36、38 コンタクト・ホール(バイア)
40 低温で堆積された窒化チタンサブレーヤ
42 高温で堆積された窒化チタンサブレーヤ
44 金属層
【発明の実施するための形態】
【0022】
本発明の特定の実施例を図2乃至図5を参照して説明する。図2は、部分的に製作されたn形又はp形のMOS、あるいは、CMOS半導体デバイスの横断面図である。このデバイスは、半導体基板20を備えており、この半導体基板の上にソース22及びドレイン24が形成されている。半導体のソース領域及びドレイン領域は、一般的に、デバイスのチャンネル付近に薄くドープされた領域を有している。部分的に製作されたデバイスは、ゲート電極28とゲート酸化物32とを備えており、これらゲート電極及びゲート酸化物をスペーサ34a、34bが跨いでいる。部分的に製作された半導体デバイスは、ILD層(層間絶縁膜)26と、フィールド酸化物領域40とを備えている。上記ILD層は、酸化物、及び、ホウ素・リンケイ酸ガラスの如きガラスのような通常の誘電材料から構成されている。最後に、部分的に製作された半導体デバイスは、コンタクト・ホール又はバイア36、38を備えている。これらコンタクト・ホール(接続孔)又はバイアは、ILD層26を通ってソース22及びドレイン24までそれぞれ下方にエッチングされている。一般的に、コンタクト・ホール36、38は、約2:1のアスペクト比を有しており、最近の集積回路ではより大きなアスペクト比を有している。図2に示す構造を通常のフロント・エンド集積回路プロセスによって形成することができることは、当業者には理解されよう。
【0023】
図3は、誘電層26の上に窒化チタンサブレーヤ40を低い温度で堆積させた後の本発明の部分的に製作されたMOS半導体デバイスの横断面図である。窒化チタンサブレーヤ40は、誘電層26の水平方向及び垂直方向の輪郭を覆っている。窒化チタンサブレーヤ40は、追従性をもってコンタクト・ホール36、38を良好なステップ・カバレージ(段差被覆性)で覆っていることに注意する必要がある。一般的に、上記サブレーヤの目的は、大きなアスペクト比を有するコンタクト・ホール又はバイアの中に堆積された時に、窒化チタン障壁層全体が追従性及び良好なステップ・カバレージを有するようにすることである。例えば、サブレーヤ40は、バイア又はコンタクト・ホールの幅が約0.5μmよりも小さく、アスペクト比が約2:1よりも大きい場合に、特に有用である。
【0024】
窒化チタンサブレーヤ40は、約200°Cと約300°Cとの間の温度で堆積されるのが好ましい。上記温度は、約250°Cと約300°Cとの間であるのがより好ましく、約280°Cであるのが最も好ましい。上述の温度で堆積された窒化チタンサブレーヤは、一般的に、良好なステップ・カバレージ(約70%よりも大きい)を有するが、少なくともCVDの環境から取り出した後には高い抵抗率を有する。窒化チタンサブレーヤ40の厚さは、約50Åと約600Åとの間であるのが好ましく、そのような厚さは、約100Åと約200Åとの間であるのがより好ましく、また、約150Åと約200Åとの間であるのが最も好ましい。
【0025】
図4は、低温の窒化チタンサブレーヤ40の上に窒化チタンサブレーヤ42が高い温度で堆積した後の本発明の部分的に製作されたCMOS半導体デバイスの横断面図である。窒化チタンサブレーヤ42は、低温の窒化チタンサブレーヤ40の水平方向及び垂直方向の輪郭を覆っている。サブレーヤ42は、サブレーヤ40のステップ・カバレージ程の良好なステップ・カバレージを有していないが、一般的には、その堆積温度が高いので低い抵抗率を有している。
【0026】
高温の窒化チタンサブレーヤ42は、約340°Cと約500°Cとの間の温度で堆積される。この温度は、約340°Cと約400°Cとの間であるのが好ましく、約350°Cであるのが最も好ましい。窒化チタンサブレーヤ42の厚さは、約20Åと約200Åとの間であり、約20Åと約100Åとの間であるのがより好ましく、約40Åと約50Åとの間であるのが最も好ましい。
【0027】
低温のサブレーヤ40及び高温のサブレーヤ42から成る窒化チタン障壁層の抵抗率は、約1,000μΩ−cmと約200μΩ−cmとの間で変化することができる。低温のサブレーヤ40は、更に高い抵抗率を有することができ、その値は、約10,000μΩ−cmと約1,200μΩ−cmとの間である。低温のサブレーヤ40は、コンタクト・ホール36、38のアスペクト比が約3.5:1よりも大きい場合に、約75%と約95%との間のステップ・カバレージを有している。高温のサブレーヤ42は、より低いステップ・カバレージを有することができ、その値は、コンタクト・ホール36、38のアスペクト比が約3.5:1よりも大きい場合に、約20%と約10%との間である。複合型の窒化チタン障壁層のステップ・カバレージは、コンタクト・ホール36、38のアスペクト比が約3.5:1よりも大きい場合に、約80%と約25%との間で変化する。
【0028】
図5は、窒化チタン障壁層の上に金属層44が堆積された後の本発明の部分的に製作されたCMOS半導体デバイスの横断面図である。金属層44は、コンタクト・ホール36、38を完全に充填すると共に、ILD層26を覆っている。金属層44は、半導体デバイスに使用可能な種々の材料から選択されており、タングステンのCVD(化学蒸着法)、アルミニウムのCVD、銅のCVD、アルミニウムの強制充填、アルミニウムのスパッタリング法(PVD)、及び、アルミニウムの金属イオンプラズマ法(IMP)の如き種々のプロセスによって形成することができる。
【0029】
図6は、本発明に使用される6つのステーションを有する回転式CVD反応器50(ConnectII)の概念的な平面図であり、この反応器は、Novellus Systems Inc.(カリフォルニア州(95134)San JoseのNorth Street3970)から入手可能である。各々の小さい円52は、個々の半導体ウエーハが設けられる台座を示している。半導体ウエーハは、反応器に入れられて特定の台座の上に設けられる。この台座は、6つのステーションを通って回転される。各々のステーションは、別個のシャワーヘッドと、独立して制御可能な台座温度とを有している。また、ウエーハが各々のステーションに滞留する時間も、独立して変えることができる。
【0030】
好ましい実施例においては、6つのステーションを有する回転式CVD反応器の個々のシャワーヘッドを出る気体混合物は、同じ組成、同じ流量及び同じ圧力を有している。しかしながら、各々のステーションにおける滞留時間及び温度は独立して変えることができる。低温の窒化チタンの堆積は、一般的に、最初の33つ又は4つのステーションで生じ、一方高温の窒化チタンの堆積は、最後の1つ又は2つのステーションに限定されるのが好ましい。
【0031】
図7は、本発明に使用することのできる別の反応器の構造60を示している。この反応器は、3つの孤立したチャンバ62、64、66と、半導体ウエーハを一つのチャンバから次のチャンバへ移動させるための搬送ステーション68とを備えている。図7は、3つの別個の単一ウエーハステーションを備えた反応器を示しているが、2又はそれ以上のウエーハステーションを備えた反応器を本発明に使用することができる。好ましい実施例においては、半導体ウエーハは、最初に第1の単一ウエーハステーション62の中に挿入され、このウエーハステーションにおいて、低温の窒化チタンの堆積が行われる。ウエーハは、最終的に搬送ステーション68を通って最後の単一ウエーハステーション66へ移動し、このウエーハステーションにおいて、高温の窒化チタンの堆積が行われる。中間のステーション64において、高温、低温又は中間温度の窒化チタンの堆積を行わせることができる。従って、異なる温度で堆積する3又はそれ以上のサブレーヤから成る窒化チタン障壁層も本発明の範囲内である。
【0032】
使用する反応器の構造に関係無く、本発明の方法は、特定の窒化チタン堆積条件を必要とする。窒化チタン障壁層のサブレーヤが、MO−CVDによって形成される場合には、通常はTDEAT又はTDMATである有機チタン化合物、一般的にはヘリウムであるキャリアガス、及び、アンモニアから成る混合物を用いる。好ましい実施例においては、上記気体混合物の圧力は、約0.5トールと約80トールとの間で変化し、そのような圧力は、約30トールであるのが最も好ましい。アンモニアの流量は、約3,000sccm(立方センチメートル毎分(標準状態下))と約40,000sccmとの間であるのが好ましく、そのような流量は、約20,000sccmであるのが最も好ましい。有機チタン化合物(TDEAT又はTDMAT)の流量は、約0.1sccmと1.0sccmとの間であるのが好ましく、そのような流量は、約0.2sccmであるのが最も好ましい。
【0033】
例以下に述べる例は、本発明の特徴を単に示す目的で挙げるものであって、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。
【0034】
例 1
図8及び図9は、Novellus Connect II反応器を用いて半導体ウエーハを処理する場合に、高温の窒化チタンを堆積させる工程の数の増加が、窒化チタン障壁層の抵抗率及びステップ・カバレージに与える影響をそれぞれ示している。これらグラフに示すデータは、1.3μmの深さ及び0.37μmの幅を有していてアスペクト比が約3.5:1であるケイ化物ドープされた単結晶シリコン上に窒化チタンを2つのサブレーヤとして堆積させることによって得たものである。単数又は複数の低温のサブレーヤは、約300°Cで堆積され、また、単数又は複数の高温のサブレーヤは、約400°Cで堆積された。基板が各々のステーションに滞留した時間は、約16秒であった。
【0035】
図8及び図9は、高温の堆積工程の数を一つにした場合にステップ・カバレージと低い抵抗率との間に最適のバランスが得られることを示している。最適のバランスである理由は、抵抗率は、約1,900μΩ−cmから約800μΩ−cmまで十分に低下し、一方、ステップ・カバレージは、約75%から約70%まで僅かしか減少していないからである。2つの高温の堆積工程も、ステップ・カバレージと抵抗率との間の良好なバランスを有しており、その理由は、抵抗率は、約650μΩ−cmまで低下し、一方、ステップ・カバレージは、依然として約60%であるからである。しかしながら、高温の堆積工程の数が2よりも多い場合には、ステップ・カバレージが急激に減少し、抵抗率の減少と見合わない。従って、高温の堆積工程の数が1又は2の場合に、低い抵抗率を有する追従性の高い窒化チタン障壁層を得ることができる。
【0036】
例 2
図10及び図11は、0.25μmの集積回路のゲートソース及びドレインを覆うケイ化コバルト(CoSi2)層の上に異なる温度で堆積された種々の窒化チタン障壁層の抵抗率を直接比較している。図10においては、コンタクト・ホールの幅は、0.35μmであり、図11においては、コンタクト・ホールの幅は、0.4μmである。図10及び図11から分かるように、本発明の方法によって形成された2つの部分から成るチタン障壁層(正方形)の抵抗率は、340°C(円形)又は350°C(三角形)で堆積された高温の窒化チタン障壁層に比較して、ほんの僅かしか劣っていない。更に、グラフには示していないが、低温の窒化チタン障壁層は、本発明によって形成された材料に比較して、かなり悪い抵抗率を有している。
【0037】
図10及び図11に示すデータを得るために使用した窒化チタンは、以下のようにして堆積された。
正方形(□): 堆積温度=280°C(下方の層)、堆積温度=340°C(上方の層)、圧力=60トール。
円形(〇): 堆積温度=340°C、圧力=60トール。
三角形(△):堆積温度=350°C、圧力=30トール。
【0038】
図10及び図11のグラフの軸は以下の通りである。
【0039】
ケルビンP+接触抵抗=集積回路の単一のトランジスタのゲートと第1の金属を通って基板に至るソース又はドレインとの間の個々の接触抵抗(Ω)。この測定は、与えられた集積回路のMOSデバイスに関してだけ行った。
【0040】
累積確率=関連する抵抗の測定値よりも低い接触抵抗の測定値の割合。これらの例においては、約50個のダイを上述のようにして測定した。各々のダイの抵抗の測定値は、他のダイの測定値から幾分変化した。この分布は、累積確率の軸に示されている。例えば、0.5の累積確率に関連する抵抗は、残りの抵抗の読取り値の50%がそれよりも低いところに存在する抵抗である。同様に、0.99の累積確率に関連する抵抗の測定値は、残りの抵抗の読取り値の99%がそれよりも低いところに存在する抵抗である。
【0041】
結 言
本発明をその理解を容易にするために幾分詳細に説明したが、請求の範囲に記載の範囲内で一定の変形及び変更を行うことができることは明らかであろう。例えば、本明細書は、窒化チタン障壁層の説明に限定されているが、化学的又は物理的に同様な他の障壁層材料(例えば、窒化シリコンタンタル)に応用することができない理由は原則的にない。従って、上述の実施例は、限定的なものではなく例示的なものと考えるべきであって、本発明は、上述の細部に限定されるのではなく、請求の範囲に記載の範囲内で変更することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分的に製作された電子デバイスに窒化チタン障壁層を形成する方法であって、
前記部分的に製作された電子デバイスの上に第1の温度で、第1の抵抗率を有する第1の窒化チタンサブレーヤを堆積させる工程と、
前記第1の窒化チタンサブレーヤの上に第2の温度で、第2の抵抗率を有する第2の窒化チタンサブレーヤを堆積させる工程とを備えており、前記第2の温度は前記第1の温度よりも高く、第2の抵抗率は第1の抵抗率よりも低いことを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の温度を前記第1の温度よりも少なくとも約50°Cだけ高くすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項3】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記窒化チタン障壁層を、有機チタン化合物、キャリアガス及びアンモニアから成る混合物の有機金属化学的気相成長法によって形成することを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項4】
請求項3に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記混合物の圧力を約0.5トールと約80トールとの間の圧力にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項5】
請求項3に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記アンモニアの流量を約3,000sccmと約40,000sccmとの間の流量にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項6】
請求項3に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記有機チタン化合物の流量を約0.1sccmと約1.0sccmとの間の流量にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項7】
請求項3に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記有機チタン化合物をテトラキス(ジエチルアミド)チタン及びテトラキス(ジメチルアミド)チタンから成る群から選択することを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項8】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記窒化チタン障壁層を、前記部分的に製作された電子デバイスのバイア又はコンタクト・ホールを有する誘電層の上に形成することを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項9】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第1の温度を約200°Cと約300°Cとの間の温度にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第1の温度を約250°Cと約300°Cとの間の温度にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項11】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の温度を約340°Cと約500°Cとの間の温度にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項12】
請求項11に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の温度を約340°Cと約400°Cとの間の温度にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項13】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第1の窒化チタンサブレーヤの厚さを約50Åと約600Åとの間の厚さにすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項14】
請求項13に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第1の窒化チタンサブレーヤの厚さを約100Åと約200Åとの間の厚さにすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項15】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の窒化チタンサブレーヤの厚さを約20Åと約200Åとの間の厚さにすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項16】
請求項15に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の窒化チタンサブレーヤの厚さを約20Åと約100Åとの間の厚さにすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項17】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記窒化チタン障壁層を複数のステージを有する化学的気相成長反応器の中で形成し、これにより、前記部分的に製作された電子デバイスを前記ステージの間で動かし、前記第1の窒化チタンサブレーヤを前記ステージの中の1又はそれ以上のステージで形成し、前記第2の窒化チタンサブレーヤを1又はそれ以上の別のステージで形成することを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項18】
請求項17に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記複数のステージを有する化学的気相成長反応器は、2つと6つとの間の数のステージを備えていることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項19】
請求項18に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の窒化チタンサブレーヤは、前記複数のステージを有する化学的気相成長反応器の中の2つを超えない数のステージで堆積されることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項20】
窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスであって、部分的に製作された電子デバイスの上に第1の抵抗率を有する第1の窒化チタンサブレーヤを第1の温度で堆積させる工程と、前記第1の窒化チタンサブレーヤの上に前記第1の抵抗率よりも小さい第2の抵抗率を有する第2の窒化チタンサブレーヤを前記第1の温度よりも高い第2の温度で堆積させる工程と、を備える方法によって形成されることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項21】
請求項20に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第1の窒化チタンサブレーヤの厚さは、約50Åと約600Åとの間の厚さであることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項22】
請求項20に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第2の窒化チタンサブレーヤの厚さは、約20Åと約200Åとの間の厚さであることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項23】
誘電層の上に形成された窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスであって、
前記窒化チタン障壁層は、
第1の抵抗率及び第1の密度を有していて前記誘電層の上に堆積された第1の窒化チタンサブレーヤと、
第2の抵抗率及び第2の密度を有していて前記第1の窒化チタンサブレーヤの上に堆積された第2の窒化チタンサブレーヤとを備えており、
前記第1の抵抗率は前記第2の抵抗率より高く、前記第1の密度は前記第2の密度よりも小さくなるように構成されたことを特徴とする半導体デバイス。
【請求項24】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第1の窒化チタンサブレーヤは、前記第2の窒化チタンサブレーヤよりも高い多孔性を有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項25】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、当該半導体デバイスは、約3.5:1のアスペクト比を有しており、前記窒化チタン障壁層は、少なくとも約60%のステップ・カバレージを有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項26】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第1の窒化チタンサブレーヤは、約2,000μΩ−cmと約1,600μΩ−cmとの間の抵抗率を有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項27】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第2の窒化チタンサブレーヤは、約200μΩ−cmと約600μΩ−cmとの間の抵抗率を有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項28】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記窒化チタン障壁層は、約1,000μΩ−cmと約200μΩ−cmとの間の抵抗率を有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項29】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第1の窒化チタンサブレーヤの厚さは、約50Åと約600Åとの間の厚さであることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項30】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第2の窒化チタンサブレーヤの厚さは、約20Åと約200Åとの間の厚さであることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項1】
部分的に製作された電子デバイスに窒化チタン障壁層を形成する方法であって、
前記部分的に製作された電子デバイスの上に第1の温度で、第1の抵抗率を有する第1の窒化チタンサブレーヤを堆積させる工程と、
前記第1の窒化チタンサブレーヤの上に第2の温度で、第2の抵抗率を有する第2の窒化チタンサブレーヤを堆積させる工程とを備えており、前記第2の温度は前記第1の温度よりも高く、第2の抵抗率は第1の抵抗率よりも低いことを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の温度を前記第1の温度よりも少なくとも約50°Cだけ高くすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項3】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記窒化チタン障壁層を、有機チタン化合物、キャリアガス及びアンモニアから成る混合物の有機金属化学的気相成長法によって形成することを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項4】
請求項3に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記混合物の圧力を約0.5トールと約80トールとの間の圧力にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項5】
請求項3に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記アンモニアの流量を約3,000sccmと約40,000sccmとの間の流量にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項6】
請求項3に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記有機チタン化合物の流量を約0.1sccmと約1.0sccmとの間の流量にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項7】
請求項3に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記有機チタン化合物をテトラキス(ジエチルアミド)チタン及びテトラキス(ジメチルアミド)チタンから成る群から選択することを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項8】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記窒化チタン障壁層を、前記部分的に製作された電子デバイスのバイア又はコンタクト・ホールを有する誘電層の上に形成することを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項9】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第1の温度を約200°Cと約300°Cとの間の温度にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第1の温度を約250°Cと約300°Cとの間の温度にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項11】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の温度を約340°Cと約500°Cとの間の温度にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項12】
請求項11に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の温度を約340°Cと約400°Cとの間の温度にすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項13】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第1の窒化チタンサブレーヤの厚さを約50Åと約600Åとの間の厚さにすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項14】
請求項13に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第1の窒化チタンサブレーヤの厚さを約100Åと約200Åとの間の厚さにすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項15】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の窒化チタンサブレーヤの厚さを約20Åと約200Åとの間の厚さにすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項16】
請求項15に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の窒化チタンサブレーヤの厚さを約20Åと約100Åとの間の厚さにすることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項17】
請求項1に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記窒化チタン障壁層を複数のステージを有する化学的気相成長反応器の中で形成し、これにより、前記部分的に製作された電子デバイスを前記ステージの間で動かし、前記第1の窒化チタンサブレーヤを前記ステージの中の1又はそれ以上のステージで形成し、前記第2の窒化チタンサブレーヤを1又はそれ以上の別のステージで形成することを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項18】
請求項17に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記複数のステージを有する化学的気相成長反応器は、2つと6つとの間の数のステージを備えていることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項19】
請求項18に記載の窒化チタン障壁層の形成方法において、前記第2の窒化チタンサブレーヤは、前記複数のステージを有する化学的気相成長反応器の中の2つを超えない数のステージで堆積されることを特徴とする窒化チタン障壁層の形成方法。
【請求項20】
窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスであって、部分的に製作された電子デバイスの上に第1の抵抗率を有する第1の窒化チタンサブレーヤを第1の温度で堆積させる工程と、前記第1の窒化チタンサブレーヤの上に前記第1の抵抗率よりも小さい第2の抵抗率を有する第2の窒化チタンサブレーヤを前記第1の温度よりも高い第2の温度で堆積させる工程と、を備える方法によって形成されることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項21】
請求項20に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第1の窒化チタンサブレーヤの厚さは、約50Åと約600Åとの間の厚さであることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項22】
請求項20に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第2の窒化チタンサブレーヤの厚さは、約20Åと約200Åとの間の厚さであることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項23】
誘電層の上に形成された窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスであって、
前記窒化チタン障壁層は、
第1の抵抗率及び第1の密度を有していて前記誘電層の上に堆積された第1の窒化チタンサブレーヤと、
第2の抵抗率及び第2の密度を有していて前記第1の窒化チタンサブレーヤの上に堆積された第2の窒化チタンサブレーヤとを備えており、
前記第1の抵抗率は前記第2の抵抗率より高く、前記第1の密度は前記第2の密度よりも小さくなるように構成されたことを特徴とする半導体デバイス。
【請求項24】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第1の窒化チタンサブレーヤは、前記第2の窒化チタンサブレーヤよりも高い多孔性を有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項25】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、当該半導体デバイスは、約3.5:1のアスペクト比を有しており、前記窒化チタン障壁層は、少なくとも約60%のステップ・カバレージを有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項26】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第1の窒化チタンサブレーヤは、約2,000μΩ−cmと約1,600μΩ−cmとの間の抵抗率を有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項27】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第2の窒化チタンサブレーヤは、約200μΩ−cmと約600μΩ−cmとの間の抵抗率を有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項28】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記窒化チタン障壁層は、約1,000μΩ−cmと約200μΩ−cmとの間の抵抗率を有していることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項29】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第1の窒化チタンサブレーヤの厚さは、約50Åと約600Åとの間の厚さであることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項30】
請求項23に記載の窒化チタン障壁層を含む半導体デバイスにおいて、前記第2の窒化チタンサブレーヤの厚さは、約20Åと約200Åとの間の厚さであることを特徴とする半導体デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−109388(P2010−109388A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20234(P2010−20234)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【分割の表示】特願平10−193109の分割
【原出願日】平成10年7月8日(1998.7.8)
【出願人】(591007686)エルエスアイ コーポレーション (93)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【分割の表示】特願平10−193109の分割
【原出願日】平成10年7月8日(1998.7.8)
【出願人】(591007686)エルエスアイ コーポレーション (93)
【Fターム(参考)】
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