説明

素子搭載用基板およびその製造方法、半導体モジュールおよびその製造方法、ならびに携帯機器

【課題】回路素子にダメージをあまり与えることなく配線を形成する技術を提供する。
【解決手段】半導体モジュールの製造方法において、絶縁層16の一方の面上に導電性バンプ20を形成する第1の工程と、絶縁層16の他方の面から導電性バンプ20を露出させる第2の工程と、導電性バンプ20の露出した箇所および絶縁層16の他方の面上に第1の配線層18を設ける第3の工程と、回路素子が形成された半導体基板であって、基板の表面に電極が形成されている半導体基板を用意する第4の工程と、第3の工程により第1の配線層18が設けられた導電性バンプ20と、電極とを対向させた状態で、絶縁層16と半導体基板とを圧着して導電性バンプ20を絶縁層16に埋め込む第5の工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子搭載用基板およびその製造方法、半導体モジュールおよびその製造方法、ならびに携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化・高機能化に伴い、電子機器に使用される回路装置の小型化が求められている。そのための一つの方策として、回路装置の外部接続電極間のピッチを狭くすることが考えられるが、電極として用いられるはんだバンプ自体の大きさやはんだ付け時のブリッジの発生により、外部接続電極間のピッチを狭くすることによる小型化には限界があった。そこで、更なる回路装置の小型化を図るために、回路装置に再配線を形成することによる外部接続電極の再配置を行う技術が考案されている。
【0003】
一般に、回路装置に再配線を形成する際には、回路装置内の回路素子からの信号を電極パッドを介して外部に取り出すために、電極パッド上の絶縁樹脂層に対してビアコンタクトを設けるための開口部が形成される。従来、このような開口部の形成をレーザ照射により行う方法も考案されているが、電極パッドの下方には回路素子が配置されているため、こうした開口部はなるべく高熱をかけることなく形成されることが望まれる。これを解決する方法としては、特許文献1には、レーザ照射とそれに続くドライエッチングにより開口部を加工する半導体装置の製造方法が開示されている。
【特許文献1】特開2005−286041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、レーザ照射による熱の影響は抑制できるものの、ドライエッチング時にその最終段階で露出する電極パッドがプラズマ雰囲気にさらされることになり、電極パッドに接続されている回路素子、例えばトランジスタなどのチャージアップを引き起こす可能性がある。そのため、チャージアップに伴いデバイス特性が劣化し、回路素子の信頼性の低下が懸念される。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回路素子にダメージをあまり与えることなく配線を形成する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の半導体モジュールの製造方法は、絶縁層の一方の面上に導体部を形成する第1の工程と、絶縁層の他方の面から導体部を露出させる第2の工程と、導体部の露出した箇所および絶縁層の他方の面上に第1の配線層を設ける第3の工程と、回路素子が形成された基板であって、該基板の表面に第2の配線層が形成されている基板を用意する第4の工程と、第3の工程により第1の配線層が設けられた導体部と、第2の配線層とを対向させた状態で、絶縁層と基板とを圧着して導体部を絶縁層に埋め込む第5の工程と、を含む。
【0007】
この態様によると、回路素子が形成された基板に絶縁層を圧着する前に、絶縁層の他方の面から導体部を露出させているので、この工程により回路素子にダメージを与えることがない。また、この態様によると、絶縁層の一方の面上に形成されているとともに絶縁層の他方の面から露出した導体部は、導体部の露出した箇所に第1の配線層が設けられており、その第1の配線層が絶縁層の上にも設けられているので、第1の配線層を介して絶縁層にしっかり固定される。そのため、導体部と第2の配線層とを対向させた状態で絶縁層と基板とを圧着して導体部を絶縁層に埋め込む際に、導体部がずれにくくなる。
【0008】
本発明の別の態様もまた、半導体モジュールの製造方法である。この方法は、繊維の向きが絶縁層の厚さ方向と交差するように配向された繊維状の充填材であって該絶縁層より熱膨張係数が小さい繊維状の充填材、を含有する絶縁層の一方の面上に導体部を形成する第1の工程と、絶縁層の他方の面から導体部を露出させる第2の工程と、導体部の露出した箇所および絶縁層の他方の面上に第1の配線層を設ける第3の工程と、回路素子が形成された基板であって、該基板の表面に第2の配線層が形成されている基板を用意する第4の工程と、第3の工程により第1の配線層が設けられた導体部と、第2の配線層とを対向させた状態で、絶縁層と基板とを圧着して導体部を絶縁層に埋め込む第5の工程と、を含む。
【0009】
この態様によっても、回路素子が形成された基板に絶縁層を圧着する前に、絶縁層の他方の面から導体部を露出させているので、この工程により回路素子にダメージを与えることがない。また、この態様によっても、絶縁層の一方の面上に形成されているとともに絶縁層の他方の面から露出した導体部は、導体部の露出した箇所に第1の配線層が設けられており、その第1の配線層が絶縁層の上にも設けられているので、第1の配線層を介して絶縁層にしっかり固定される。そのため、導体部と第2の配線層とを対向させた状態で絶縁層と基板とを圧着して導体部を絶縁層に埋め込む際に、導体部がずれにくくなる。また、この態様によると、絶縁層より熱膨張係数の小さい繊維状の充填材が絶縁層に含有されているため、半導体モジュールに熱応力がかかった場合の絶縁層の変形が抑えられる。また、絶縁層を貫通している導体部により繊維状の充填材が第1の配線層に向かって湾曲されているため、その復元力により導体部が第2の配線層に押し付けられ密着する。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、素子搭載用基板の製造方法である。この方法は、絶縁層の一方の面上に導体部を形成する第1の工程と、絶縁層の他方の面から導体部を露出させる第2の工程と、導体部の露出した箇所および絶縁層の他方の面上に配線層を設ける第3の工程と、を含む。第2の工程において、導体部の露出する面を粗化する粗化手段を用いる。この態様によると、導体部と配線層との密着性が増す。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、素子搭載用基板である。この素子搭載用基板は、絶縁層と、絶縁層の一方の面上に形成された導体部と、絶縁層の他方の面上および絶縁層の他方の面から導体部まで貫通している貫通部に設けられた配線層と、を備える。導体部は、配線層と接触する面の算術平均粗さRaが2〜50μmである。この態様によると、導体部と配線層との密着性が増す。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、半導体モジュールである。この半導体モジュールは、絶縁層と、絶縁層の上に設けられた第1の配線層と、回路素子が形成された基板と、基板の表面に形成された第2の配線層と、絶縁層に埋め込まれた状態で第1の配線層および第2の配線層を電気的に接続する導体部と、を備える。導体部は、第1の配線層と接触する面の算術平均粗さRaが2〜50μmである。
【0013】
この態様によると、導体部と第1の配線層との密着性が増す。なお、上記接触する面の算術平均粗さRaが小さいと、導体部と第1の配線層の密着性が十分ではない。また、上記算術平均粗さRaが大きすぎると、導体部の露出した部分に第1の配線層を電解めっきにより形成する際に電界集中によりめっき層が異常成長し、導電不良の原因となる。
【0014】
本発明のさらに別の態様もまた、半導体モジュールである。この半導体モジュールは、繊維の向きが絶縁層の厚さ方向と交差するように配向された繊維状の充填材であって該絶縁層より熱膨張係数が小さい繊維状の充填材、を含有する絶縁層と、絶縁層の上に設けられた第1の配線層と、回路素子が形成された基板と、基板の表面に形成された第2の配線層と、絶縁層に埋め込まれた状態で第1の配線層および第2の配線層を電気的に接続する導体部と、を備える。繊維状の充填材は、絶縁層より熱膨張係数が小さく、導体部の近傍において第1の配線層に向かって湾曲しており、導体部は、第1の配線層と接触する面の算術平均粗さRaが2〜50μmである。
【0015】
この態様によると、導体部と第1の配線層との密着性が増す。また、この態様によると、絶縁層より熱膨張係数の小さい繊維状の充填材が絶縁層に含有されているため、半導体モジュールに熱応力がかかった場合の絶縁層の変形が抑えられる。また、絶縁層を貫通している導体部により繊維状の充填材が第2の配線層に向かって湾曲されているため、その復元力により導体部が第2の配線層に押し付けられ密着する。
【0016】
本発明のさらに別の態様は、携帯機器である。この携帯機器は、上述したいずれかの態様の半導体モジュールを搭載している。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回路素子にダメージをあまり与えることなく配線を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0019】
(第1の実施の形態)
[半導体モジュールの構造]
図1は、第1の実施の形態に係る半導体モジュールの構成を示す概略断面図である。図1に示すように、第1の実施の形態に係る半導体モジュール10は、表面S(上面側)に周知の技術により所定の電気回路、例えばMOSFETなどの回路素子(不図示)が形成された半導体基板12と、半導体基板12の実装面となる表面S(特に周辺部)に形成された第2の配線層の一部である回路素子の電極14と、電極14の上に設けられた絶縁層16と、絶縁層16の上に設けられた第1の配線層18と、絶縁層16に埋め込まれた状態で電極14および第1の配線層18を電気的に接続する導体部としての導電性バンプ20と、を備える。
【0020】
半導体基板12の表面上には、電極14の所定の領域が露出するように保護膜22が形成されている。また、隣接する電極14同士のピッチをより広くするために、電極14および保護膜22の上に設けられた絶縁層16の上に再配線パターン18aが形成されている。電極14と再配線パターン18aとの接続は、電極14の露出面に接続する導電性バンプ20とこの導電性バンプ20に接続するビアコンタクト18bを介してなされている。再配線パターン18aの所定の領域には外部接続電極としてのはんだバンプ24が設けられており、はんだバンプ24が設けられている領域以外はソルダーレジスト層26により覆われている。
【0021】
より具体的には、絶縁層16は、半導体基板12の表面Sの上方に形成されており、その厚さは、例えば、約80μmである。絶縁層16は、Bステージ状の樹脂により形成されている。材料としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、BT樹脂などの熱硬化性樹脂が望ましい。もしくは、絶縁層16は、加圧したときに塑性流動を引き起こす材料により形成されていてもよい。加圧したときに塑性流動を引き起こす材料の一例としては、エポキシ系熱硬化型樹脂が挙げられる。絶縁層16を形成するためにより好ましいエポキシ系熱硬化型樹脂としては、例えば、温度160℃、圧力8MPaの条件下で、粘度が1kPa・s程度の特性を有する材料であるとよい。また、この材料を、温度160℃の条件下で15MPaで加圧した場合、加圧しない場合と比較して、樹脂の粘度が約1/8に低下する。
【0022】
なお、樹脂としては、編み込まれたガラス繊維に樹脂を含侵させたタイプの膜であってもよい。あるいは、絶縁層内に2μm〜10μm程度の直径を有するフィラーが添加された膜であってもよい。このフィラーとしては、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化シリコン(SiN)および窒化ホウ素(BN)などが好適である。また、フィラーの重量充填率としては、30%〜80%程度が好ましい。導電性バンプ20としては、銅(Cu)やアルミニウム(Al)などの金属を採用することができる。
【0023】
導電性バンプ20の高さは、例えば、約10μmである。本実施の形態に係る導電性バンプ20は、円錐台(断面形状が台形状)形状に設けられており、電極14の接触面と平行な先端部と、この先端部に近づくにつれて径(寸法)が細くなるように形成された側面部20aとを備えている。つまり、導電性バンプ20は、半導体基板12の表面Sと接する面と鈍角をなす側面部20aを有している。換言すると、導電性バンプ20は、半導体基板12の表面Sと平行な断面の面積が電極14側から第1の配線層18側に向かって大きくなるように形成されている。導電性バンプ20の先端の径および第1の配線層18と接する面の径は、それぞれ約80μmφおよび約100μmφである。また、導電性バンプ20は、電極14と対応する位置に設けられている。そして、導電性バンプ20の先端部は、電極14と直に接するように形成されている。なお、導電性バンプの高さとしては、約5〜20μmの範囲で適宜選択すればよい。
【0024】
再配線パターン18aは、絶縁層16の上に形成され、その厚さは、例えば、約20μmである。再配線パターン18aは、例えば、銅(Cu)などの金属が採用され、絶縁層16の開口部28内に設けたビアコンタクト18bを介して導電性バンプ20と電気的に接続されている。ここで、開口部28の開口幅は約100μmである。ビアコンタクト18bは、開口部28の内面を被覆するように設けられており、再配線パターン18aと一体的に形成されている。なお、電極14の上には導電性バンプ20が介在するので、ビアコンタクト18b(開口部28)の深さは約70μmであり、電極14に直接ビアコンタクト(開口部)を形成する場合に比べてその深さを浅くすることができる。
【0025】
以上のように、本実施の形態に係る半導体モジュール10は、半導体基板12の表面Sに形成された電極14に対して、導電性バンプ20およびビアコンタクト18bを介して再配線パターン18aが形成されているので、外部接続電極であるはんだバンプ24の再配置を行うことができる。
【0026】
[半導体モジュールの製造方法]
次に、図2〜図4を参照して第1の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法について説明する。図2(a)〜図2(c)は、第1の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第1の工程を説明するための概略断面図である。図3(a)、図3(b)は、第1の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第2の工程および第3の工程を説明するための概略断面図である。図4(a)、図4(b)は、第1の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第4の工程および第5の工程を説明するための概略断面図である。
【0027】
まず、図2(a)に示すように、エポキシ系熱硬化型樹脂からなる厚さ約80μmの絶縁層16の一方の面上に、無電解めっき法および電解めっき法を用いて厚さ約10μmの銅層32を形成する。次に、図2(b)に示すように、通常のリソグラフィ法を用いて銅層32上の導電性バンプ形成領域にレジストマスク34を形成する。ここで、導電性バンプ形成領域は、図1に示す半導体基板12の電極14の位置に対応する。
【0028】
そして、図2(c)に示すように、レジストマスク34をマスクとして薬液を用いたウェットエッチング処理により、所定の円錐台形状を有する導電性バンプ20が形成され、その後にレジストマスク34が除去される。この際、導電性バンプ20は、先端部に近づくにつれて径(寸法)が細くなる側面部20aを有するように形成される。つまり、導電性バンプ20は、絶縁層16の表面と接する面と鋭角をなす側面部20aが形成される。換言すると、導電性バンプ20は、絶縁層16の表面からその表面と垂直な方向に向かって、絶縁層16の表面と平行な断面の面積が小さくなるように形成されている。以上、図2(a)〜図2(c)に示した第1の実施の形態に係る第1の工程により、絶縁層16の一方の面上に導電性バンプ20を形成することができる。
【0029】
なお、本実施の形態に係る半導体モジュール10の製造方法では、導電性バンプ20の高さを約10μm、導電性バンプ20の先端の径を約80μmφ、導電性バンプ20が絶縁層16と接している面の径を約100μmφとしている。また、上述の各工程では、エポキシ系熱硬化型樹脂からなる絶縁層16が完全に熱硬化されないように、熱硬化温度まで加熱しないようにして、絶縁層16が半硬化の状態(流動しやすい状態)で維持されている。
【0030】
次に、絶縁層16の他方の面から導電性バンプ20を露出させる第2の工程と、導電性バンプ20の露出した箇所および絶縁層16の他方の面上に第1の配線層18を設ける第3の工程とを説明する。
【0031】
図3(a)に示すように、絶縁層16の上面からレーザを照射して導電性バンプ20が露出するように開口部28を形成する。つまり、開口部28は、絶縁層16の上面から導電性バンプ20まで貫通している貫通部でもある。ここで、レーザ照射には、例えば、炭酸ガスレーザを用いることができる。レーザ照射は、エネルギー密度の高いビームによって任意の深さまで掘る第1の照射条件と、エネルギー密度の低いビームでビア側壁の形状を整える第2の照射条件の二段階で行われる。具体的には、第1の照射条件としては、加工点パワー1.0〜5.0W、パルス数5〜50とすることができる。また、第2の照射条件としては、加工点パワー0.1〜0.5W、パルス数1、ビーム径10〜30μm、シフト量5〜20μm、ピッチ1〜10μmとすることができる。これにより、絶縁層16の表面から導電性バンプ20に近づくにつれて径が縮小するテーパ形状の側壁を有する開口部28を形成することができる。
【0032】
なお、上述の第1の工程において、導電性バンプ20は、絶縁層16の表面からその表面と垂直な方向に向かって、絶縁層16の表面と平行な断面の面積が小さくなるように形成されているため、後述の第3の工程で絶縁層16に埋め込まれた導電性バンプ20は、電極14と接触している面の面積より絶縁層16の他方の面と対向する部分の面積の方が大きくなる。その結果、導電性バンプ20を絶縁層16の他方の面から露出させるためにレーザでビアを形成する際の位置合わせが容易となり、製造コストを低減することができる。このように、図3(a)で示した本実施の形態に係る第2の工程(露出工程)により絶縁層16の他方の面から導電性バンプ20を露出させることができる。
【0033】
また、本実施の形態の第2工程では、絶縁層16の他方の面から導電性バンプ20を露出させる際に、導電性バンプ20の露出する面を粗化している。図5は、レーザにより絶縁層の他方の面から導電性バンプを露出させた様子を示す上面図である。
【0034】
本実施の形態では、導電性バンプ20の表面を粗化する手段としてレーザを用い、複数回のレーザ照射により、絶縁層16の他方の面からレーザのスポット径より大きなビアホールとしての開口部28を形成するとともに導電性バンプ20の露出する面20bを粗化している。これにより、ビアホールの形成と導電性バンプ20の露出する面20bの粗化処理を同じ工程で行うことができるため、製造コストを低減することができる。
【0035】
次に、図3(b)に示すように、第3の工程として、無電解めっき法および電解めっき法を用いて絶縁層16の上面および導電性バンプ20の露出した箇所を含む開口部28の内面上に銅を約20μmの厚さでめっきする。この結果、絶縁層16上に約20μmの厚みを有する銅めっき層からなる第1の配線層18が形成されるとともに、開口部28の内部にビアコンタクト18bが形成される。以上、上述の各工程により図3(b)に示す素子搭載用基板50が製造される。
【0036】
素子搭載用基板50の導電性バンプ20は、第1の配線層18との接合部である前述の工程で露出された面が粗化されているので、第1の配線層18との密着性が増し、導電性バンプ20を絶縁層16に埋め込む際の導電性バンプ20の位置ずれを抑制することができる。なお、第2の工程においては、導電性バンプ20の露出する面、つまり、第1の配線層18と接触する面の算術平均粗さRaが2〜50μmとなるように絶縁層16の他方の面から開口部28を形成する。これにより、導電性バンプ20と第1の配線層18との密着性が更に増す。
【0037】
次に、基板の表面に第2の配線層である電極14が形成されている半導体基板12を用意する第4の工程と、前述の第3の工程により第1の配線層18が設けられた導電性バンプ20と、電極14とを対向させた状態で、絶縁層16と半導体基板12とを圧着して導電性バンプ20を絶縁層16に埋め込む第5の工程とを説明する。
【0038】
まず、P型シリコン基板などの半導体基板12に対して、その表面S近傍の領域に周知の技術により、所定の電気回路、例えばMOSFETなどの回路素子(図示せず)およびその周辺部若しくは上部に電極14を形成する。電極14の材料としては、一般的にアルミニウムなどの金属が用いられる。そして、電極14の所定部分が露出するように、半導体基板12の表面S上の領域に、半導体基板12を保護するための絶縁性の保護膜22が形成される。保護膜22としては、シリコン酸化膜(SiO)やシリコン窒化膜(SiN)などが用いられる。
【0039】
このように作製した半導体基板12を、図4(a)に示すように用意し、第1の配線層18が設けられた導電性バンプ20と電極14とが対向するような状態で、絶縁層16と半導体基板12とを積層する。そして、この状態でプレス装置を用いて加圧成型することにより、図4(b)に示すように、導電性バンプ20が絶縁層16に埋め込まれながら半導体基板12、導電性バンプ20および絶縁層16が一体化される(埋め込み工程)。
【0040】
ここで、プレス装置を用いた加圧成形時の圧力は約5MPa、温度は約200℃である。このプレス加工により絶縁層16の粘度が低下し、絶縁層16は塑性流動を起こす。そのため、導電性バンプ20は電極14と接触した状態で絶縁層16の内部に自己整合的に埋設される。なお、本実施の形態では、絶縁層16の厚さが約80μm、導電性バンプ20の高さが約20μmであるため、加圧成形の際に導電性バンプ20は絶縁層16を貫通することなく埋め込まれる。
【0041】
導電性バンプ20が絶縁層16に埋め込まれた後も、引き続き、絶縁層16に熱処理(150℃、30分)を加えることにより、絶縁層16を完全に硬化させる。この結果、半導体基板12の上に絶縁層16が圧着され固定されるとともに、導電性バンプ20が電極14に接触し押し付けられた状態で絶縁層16内に固定される。このように、図4(a)および図4(b)で示した本実施の形態に係る第4の工程および第5の工程により、電極14と導電性バンプ20とを接触させた状態で半導体基板12と絶縁層16とを圧着して導電性バンプ20を絶縁層16に埋め込むことができる。
【0042】
その後、図1に示したように、通常のリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて第1の配線層18を加工することにより、所定のライン/スペースパターンを有する再配線パターン18aが形成される。そして、再配線パターン18aの電極パッド形成領域に開口部が形成されるように絶縁層16および再配線パターン18aをソルダーレジスト層26により覆う。ソルダーレジスト層26は、再配線パターン18aの保護膜として機能し、エポキシ樹脂などを用いることができる。本実施の形態に係るソルダーレジスト層26の厚さは、例えば、約40μmである。そして、はんだ印刷法を用いて、ソルダーレジスト層26の開口部から露出する部分の再配線パターン18aに対して外部接続端子として機能するはんだバンプ24を形成する。
【0043】
以上、上述の各工程により図1に示される半導体モジュール10が製造される。本実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法によれば、回路素子が形成された半導体基板12に絶縁層16を圧着する前に、絶縁層16の他方の面から導電性バンプ20を露出させているので、レーザを用いた第2の工程により回路素子にダメージを与えることがない。また、第1の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法によると、絶縁層16の一方の面上に形成されているとともに絶縁層16の他方の面から露出した導電性バンプ20は、導電性バンプ20の露出した箇所に第1の配線層18が設けられており、その第1の配線層18がビアコンタクト18bを介して絶縁層16の他方の面上にも設けられている。そのため、導電性バンプ20は、第1の配線層18を介して絶縁層16にしっかり固定される。その結果、導電性バンプ20と電極14とを対向させた状態で絶縁層16と半導体基板12とを圧着して導電性バンプ20を絶縁層16に埋め込む際に、導電性バンプ20がずれにくくなる。
【0044】
また、本実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法では、第1の工程において、絶縁層16の表面と垂直な方向の導電性バンプ20の高さが、絶縁層16の表面と平行な方向の導電性バンプ20の長さより小さくなるように導電性バンプ20を形成している。ここで、導電性バンプの20の長さとは、例えば、形状が円形の場合はその径、形状が長方形の場合は、短辺ととらえることができる。これにより、導電性バンプ20を絶縁層16に埋め込む際に絶縁層16の表面と平行な方向の力が導電性バンプ20にかかるようなときでも導電性バンプ20が変形しにくくなり、導電性バンプ20の位置ずれを抑制することができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態に係る半導体モジュールの構成を示す概略断面図である。第2の実施の形態に係る半導体モジュール210は、第1の実施の形態に係る半導体モジュール10と比較して、絶縁層16の内部にガラス繊維17を含有している点が大きく異なる。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の内容については説明を適宜省略する。
【0046】
図6に示すように、第1の実施の形態に係る半導体モジュール210は、表面S(上面側)に周知の技術により所定の電気回路、例えばMOSFETなどの回路素子(不図示)が形成された半導体基板12と、半導体基板12の実装面となる表面S(特に周辺部)に形成された第1の配線層の一部である回路素子の電極14と、電極14の上に設けられた絶縁層16と、絶縁層16の上に設けられた第1の配線層18と、絶縁層16に埋め込まれた状態で電極14および第1の配線層18を電気的に接続する導体部としての導電性バンプ20と、を備える。
【0047】
半導体基板12の表面上には、電極14の所定の領域が露出するように保護膜22が形成されている。また、隣接する電極14同士のピッチをより広くするために、電極14および保護膜22の上に設けられた絶縁層16の上に再配線パターン18aが形成されている。電極14と再配線パターン18aとの接続は、電極14の露出面に接続する導電性バンプ20とこの導電性バンプ20に接続するビアコンタクト18bを介してなされている。再配線パターン18aの所定の領域には外部接続電極としてのはんだバンプ24が設けられており、はんだバンプ24が設けられている領域以外はソルダーレジスト層26により覆われている。
【0048】
絶縁層16は、繊維の向きが半導体基板12の表面Sに垂直な方向(絶縁層16の厚さ方向)と交差するように配向された繊維状の充填材であるガラス繊維17を内部に含有している。また、ガラス繊維17は、絶縁層16より熱膨張係数が小さいため、半導体モジュール210の駆動時などの発熱により熱応力が発生した場合の絶縁層16の変形を抑えることができる。その結果、半導体基板12と絶縁層16のそれぞれの熱膨張係数が大きく異なっている場合でも、絶縁層16の変形による導電性バンプ20の移動が抑制され、接続信頼性を向上することができる。ここで、ガラス繊維17の熱膨張係数は、半導体基板12の熱膨張係数とほぼ同じであるとよい。
【0049】
具体的には、ガラス繊維17を含有する絶縁層16は、編み込まれたガラスクロス(例えば、紙面横方向に延在する繊維と紙面鉛直方向に延在する繊維とが交差している状態のガラス繊維)に樹脂を含浸させたタイプの膜であり、半導体基板12の表面S(上面側)に形成され、その厚さは、例えば、約80μmである。ガラス繊維17は、半導体基板12の表面Sと平行に、かつ、絶縁層16のほぼ中央部分に設けられており、その厚さは、例えば、約20μmである。
【0050】
そして、ガラス繊維17は、後述する製造方法により、第1の配線層18の一部を構成するビアコンタクト18bの側面に接した状態、かつ、導電性バンプ20の側面近傍において再配線パターン18aに向かって湾曲された状態になっている。つまり、図6に示すように、半導体基板12の表面Sに平行に配置されているガラス繊維17は、導電性バンプ20およびビアコンタクト18bが貫通している箇所に対応して凸状に変形されている。このように、絶縁層16を貫通している導電性バンプ20およびビアコンタクト18bによりガラス繊維17が絶縁層16の他方の面16aに向かって湾曲されているため、その復元力により導電性バンプ20が電極14に押し付けられ密着する。そのため、導電性バンプ20と電極14との接続信頼性を向上するとともに低抵抗な接続が可能となる。
【0051】
また、絶縁層16を貫通するビアコンタクト18bは、ガラス繊維17も貫通しているため動きにくくなる。その結果、ビアコンタクト18bと導電性バンプ20との接続信頼性を向上することができる。また、ガラスクロスとして、半導体基板12に一般的に用いられているシリコン(Si)の熱膨張係数と近いものを選択することで、絶縁層16と半導体基板12との熱膨張係数の差により発生する熱応力を小さくすることができ、導電性バンプ20がずれることを抑制することができる。
【0052】
[半導体モジュールの製造方法]
次に、図7〜図9を参照して第2の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法について説明する。図7(a)〜図7(c)は、第2の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第1の工程を説明するための概略断面図である。図8(a)、図8(b)は、第2の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第2の工程および第3の工程を説明するための概略断面図である。図9(a)、図9(b)は、第2の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第4の工程および第5の工程を説明するための概略断面図である。
【0053】
まず、図7(a)に示すように、内部に厚さ20μmのガラス繊維17を含有するとともに、エポキシ系熱硬化型樹脂からなる厚さ約80μmの絶縁層16の一方の面上に無電解めっき法および電解めっき法を用いて厚さ約10μmの銅層32を形成する。次に、図7(b)に示すように、通常のリソグラフィ法を用いて銅層32上の導電性バンプ形成領域にレジストマスク34を形成する。
【0054】
そして、図7(c)に示すように、第1の実施の形態と同様の方法で所定の円錐台形状を有する導電性バンプ20が形成され、その後にレジストマスク34が除去される。以上、図7(a)〜図7(c)に示した第2の実施の形態に係る第1の工程により、絶縁層16の一方の面上に導電性バンプ20を形成することができる。
【0055】
次に、絶縁層16の他方の面から導電性バンプ20を露出させる第2の工程と、導電性バンプ20の露出した箇所および絶縁層16の他方の面上に第1の配線層18を設ける第3の工程とを説明する。
【0056】
図8(a)に示すように、絶縁層16の上面からレーザを照射して導電性バンプ20が露出するように開口部28を形成する。ここで、レーザ照射の条件は、第1の実施の形態と同様である。このように、図8(a)で示した第2の実施の形態に係る第2の工程(露出工程)により絶縁層16の他方の面から導電性バンプ20を露出させることができる。
【0057】
また、本実施の形態の第2工程では、絶縁層16の他方の面から導電性バンプ20を露出させる際に、図5で示したように、導電性バンプ20の露出する面を粗化している。これにより、第1の実施の形態に係る方法と同様に、ビアホールの形成と導電性バンプ20の露出する面の粗化処理を同じ工程で行うことができるため、製造コストを低減することができる。
【0058】
次に、図8(b)に示すように、第3の工程として、無電解めっき法および電解めっき法を用いて絶縁層16の上面および導電性バンプ20の露出した箇所を含む開口部28の内面上に銅を約20μmの厚さでめっきする。この結果、絶縁層16上に約20μmの厚みを有する銅めっき層からなる第1の配線層18が形成されるとともに、開口部28の内部にビアコンタクト18bが形成される。以上、上述の各工程により図8(b)に示す素子搭載用基板250が製造される。
【0059】
素子搭載用基板250の導電性バンプ20は、第1の配線層18との接合部である前述の工程で露出された面が粗化されているので、第1の配線層18との密着性が増し、導電性バンプ20を絶縁層16に埋め込む際の導電性バンプ20の位置ずれを抑制することができる。なお、第2の工程においては、導電性バンプ20の露出する面20b、つまり、第1の配線層18と接触する面の算術平均粗さRaが2〜50μmとなるように絶縁層16の他方の面から開口部28を形成する。これにより、導電性バンプ20と第1の配線層18との密着性が更に増す。
【0060】
次に、第4の工程として、第1の実施の形態と同様に基板の表面に第2の配線層である電極14が形成されている半導体基板12を用意し、図9(a)に示すように、第1の配線層18が設けられた導電性バンプ20と電極14とが対向するような状態で、絶縁層16と半導体基板12とを積層する。そして、この状態でプレス装置を用いて加圧成型することにより、図9(b)に示すように、導電性バンプ20が絶縁層16に埋め込まれながら半導体基板12、導電性バンプ20および絶縁層16が一体化される(第5の工程)。ここで、プレス装置を用いた加圧成形条件は第1の実施の形態と同様である。
【0061】
この際、加圧成型時に塑性流動する絶縁層16から受ける力によりガラス繊維17は凸状に変形する。これにより、ガラス繊維17は、導電性バンプ20およびビアコンタクト18bが形成された領域では凸状に変形する。つまり、ガラス繊維17は、ビアコンタクト18bの側面近傍において絶縁層16の他方の面16aに向かって湾曲された状態になっている。
【0062】
その後、図6に示したように、第1の実施の形態と同様のリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて第1の配線層18を加工することにより、所定のライン/スペースパターンを有する再配線パターン18aが形成される。そして、再配線パターン18aの電極パッド形成領域に開口部が形成されるように絶縁層16および再配線パターン18aをソルダーレジスト層26により覆う。そして、はんだ印刷法を用いて、ソルダーレジスト層26の開口部から露出する部分の再配線パターン18aに対して外部接続端子として機能するはんだバンプ24を形成する。
【0063】
以上、上述の各工程により図6に示される半導体モジュール210が製造される。本実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、絶縁層16より熱膨張係数の小さいガラス繊維17が絶縁層16に含有されているため、半導体モジュールに熱応力がかかった場合の絶縁層16の変形が抑えられる。そのため、半導体基板12と絶縁層16のそれぞれの熱膨張係数が大きく異なっている場合でも、絶縁層16の変形による導電性バンプ20の移動が抑制され、接続信頼性を向上した半導体モジュール210を製造することができる。また、絶縁層16を貫通しているビアコンタクト18bの近傍においてガラス繊維17が第1の配線層18が設けられている絶縁層16の他方の面16aに向かって湾曲されているため、その復元力によりビアコンタクト18bを介して導電性バンプ20が電極14に押し付けられ密着する。そのため、導電性バンプ20と電極14との接続信頼性を向上するとともに低抵抗な接続が可能な半導体モジュールを製造することができる。
【0064】
(第3の実施の形態)
次に、上述の各実施の形態に係る半導体モジュールを備えた携帯機器について説明する。なお、携帯機器として携帯電話に搭載する例を示すが、例えば、個人用携帯情報端末(PDA)、デジタルビデオカメラ(DVC)、及びデジタルスチルカメラ(DSC)といった電子機器であってもよい。
【0065】
図10は上述の各実施の形態に係る半導体モジュールを備えた携帯電話の構成を示す図である。携帯電話211は、第1の筐体212と第2の筐体214が可動部220によって連結される構造になっている。第1の筐体212と第2の筐体214は可動部220を軸として回動可能である。第1の筐体212には文字や画像等の情報を表示する表示部218やスピーカ部224が設けられている。第2の筐体214には操作用ボタンなどの操作部222やマイク部226が設けられている。なお、前述の各実施の形態に係る半導体モジュールはこうした携帯電話211の内部に搭載されている。
【0066】
図11は、図10に示した携帯電話の部分断面図(第1の筐体212の断面図)である。上述の実施の形態に係る半導体モジュール10は、はんだバンプ24を介してプリント基板228に搭載され、こうしたプリント基板228を介して表示部218などと電気的に接続されている。また、半導体モジュール10の裏面側(はんだバンプ24とは反対側の面)には金属基板などの放熱基板216が設けられ、例えば、半導体モジュールから発生する熱を第1の筐体212内部にこもらせることなく、効率的に第1の筐体212の外部に放熱することができるようになっている。
【0067】
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における素子搭載用基板や半導体モジュールの製造方法の順番を適宜組み替えることや、素子搭載用基板や半導体モジュールにおいて各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0068】
上述の実施の形態では、開口部28内を被覆するようにビアコンタクト18bを設けた例を示したが、例えば、開口部28の開口寸法を狭くして、ビアコンタクト18bを含む第1の配線層18を形成する際、めっき液中に抑制剤および促進剤を添加することによって、開口部28内を銅めっきで完全に埋め込むようにビアコンタクト18bを形成するようにしてもよい。これにより、ビアコンタクト部(導電性バンプ20およびビアコンタクト18b)を低抵抗化することができる。
【0069】
また、上述の実施の形態では、半導体基板12の電極14と再配線パターン18aとの間を接続するビアコンタクト部を設けた例を示したが、例えば、多層配線基板内における下層配線層と上層配線層との間を接続するためにビアコンタクト部を適用してもよい。これにより、多層配線基板の製造安定性を良好にすることができ、多層配線基板を低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1の実施の形態に係る半導体モジュールの構成を示す概略断面図である。
【図2】図2(a)〜図2(c)は、第1の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第1の工程を説明するための概略断面図である。
【図3】図3(a)、図3(b)は、第1の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第2の工程および第3の工程を説明するための概略断面図である。
【図4】図4(a)、図4(b)は、第1の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第4の工程および第5の工程を説明するための概略断面図である。
【図5】レーザにより絶縁層の他方の面から導電性バンプを露出させた様子を示す上面図である。
【図6】第2の実施の形態に係る半導体モジュールの構成を示す概略断面図である。
【図7】図7(a)〜図7(c)は、第2の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第1の工程を説明するための概略断面図である。
【図8】図8(a)、図8(b)は、第2の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第2の工程および第3の工程を説明するための概略断面図である。
【図9】図9(a)、図9(b)は、第2の実施の形態に係る半導体モジュールの製造方法における第4の工程および第5の工程を説明するための概略断面図である。
【図10】第3の実施の形態に係る携帯電話の構成を示す図である。
【図11】図10に示す携帯電話の部分断面図である。
【符号の説明】
【0071】
10 半導体モジュール、 12 半導体基板、 14 電極、 16 絶縁層、 17 ガラス繊維、 18 第1の配線層、 18a 再配線パターン、 18b ビアコンタクト、 20 導電性バンプ、 20a 側面部、 22 保護膜、 24 バンプ、 26 ソルダーレジスト層、 28 開口部、 32 銅層、 34 レジストマスク、 210 半導体モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層の一方の面上に導体部を形成する第1の工程と、
前記絶縁層の他方の面から前記導体部を露出させる第2の工程と、
前記導体部の露出した箇所および前記絶縁層の他方の面上に第1の配線層を設ける第3の工程と、
回路素子が形成された基板であって、該基板の表面に第2の配線層が形成されている基板を用意する第4の工程と、
前記第3の工程により前記第1の配線層が設けられた前記導体部と、前記第2の配線層とを対向させた状態で、前記絶縁層と前記基板とを圧着して前記導体部を前記絶縁層に埋め込む第5の工程と、
を含むことを特徴とする半導体モジュールの製造方法。
【請求項2】
繊維の向きが絶縁層の厚さ方向と交差するように配向された繊維状の充填材であって該絶縁層より熱膨張係数が小さい繊維状の充填材、を含有する絶縁層の一方の面上に導体部を形成する第1の工程と、
前記絶縁層の他方の面から前記導体部を露出させる第2の工程と、
前記導体部の露出した箇所および前記絶縁層の他方の面上に第1の配線層を設ける第3の工程と、
回路素子が形成された基板であって、該基板の表面に第2の配線層が形成されている基板を用意する第4の工程と、
前記第3の工程により前記第1の配線層が設けられた前記導体部と、前記第2の配線層とを対向させた状態で、前記絶縁層と前記基板とを圧着して前記導体部を前記絶縁層に埋め込む第5の工程と、
を含むことを特徴とする半導体モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記第2の工程において、前記導体部の露出する面を粗化する粗化手段を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記粗化手段としてレーザを用い、複数回のレーザ照射により、前記絶縁層の他方の面からレーザのスポット径より大きなビアホールを形成するとともに前記導体部の露出する面を粗化することを特徴とする請求項3に記載の半導体モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記第2の工程において、前記導体部の露出する面の算術平均粗さRaが2〜50μmとなるように前記絶縁層の他方の面から開口部を形成することを特徴とする請求項3または4に記載の半導体モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記第1の工程において、前記絶縁層の表面と垂直な方向の前記導体部の高さが、前記絶縁層の表面と平行な方向の前記導体部の長さより小さくなるように該導体部を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体モジュールの製造方法。
【請求項7】
絶縁層の一方の面上に導体部を形成する第1の工程と、
前記絶縁層の他方の面から前記導体部を露出させる第2の工程と、
前記導体部の露出した箇所および前記絶縁層の他方の面上に配線層を設ける第3の工程と、を含み、
前記第2の工程において、前記導体部の露出する面を粗化する粗化手段を用いることを特徴とする素子搭載用基板の製造方法。
【請求項8】
前記第1の工程において、前記絶縁層は、繊維の向きが絶縁層の厚さ方向と交差するように配向された繊維状の充填材であって該絶縁層より熱膨張係数が小さい繊維状の充填材、を含有する絶縁層していることを特徴とする請求項7に記載の素子搭載用基板の製造方法。
【請求項9】
前記粗化手段としてレーザを用い、複数回のレーザ照射により、前記絶縁層の他方の面からレーザのスポット径より大きなビアホールを形成するとともに前記導体部の露出する面を粗化することを特徴とする請求項7または8に記載の素子搭載用基板の製造方法。
【請求項10】
前記第2の工程において、前記導体部の露出する面の算術平均粗さRaが2〜50μmとなるように前記絶縁層の他方の面から開口部を形成することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の素子搭載用基板の製造方法。
【請求項11】
前記第1の工程において、前記絶縁層の表面と垂直な方向の前記導体部の高さが、前記絶縁層の表面と平行な方向の前記導体部の長さより小さくなるように該導体部を形成することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の素子搭載用基板の製造方法。
【請求項12】
絶縁層と、
前記絶縁層の一方の面上に形成された導体部と、
前記絶縁層の他方の面上および前記絶縁層の他方の面から前記導体部まで貫通している貫通部に設けられた配線層と、を備え、
前記導体部は、前記配線層と接触する面の算術平均粗さRaが2〜50μmであることを特徴とする素子搭載用基板。
【請求項13】
前記絶縁層は、繊維の向きが絶縁層の厚さ方向と交差するように配向された繊維状の充填材であって該絶縁層より熱膨張係数が小さい繊維状の充填材、を含有することを特徴とする請求項12に記載の素子搭載用基板。
【請求項14】
前記導体部は、前記絶縁層の表面と垂直な方向の高さが、前記絶縁層の表面と平行な方向の長さより小さいことを特徴とする請求項12または13に記載の素子搭載用基板。
【請求項15】
絶縁層と、
前記絶縁層の上に設けられた第1の配線層と、
回路素子が形成された基板と、
前記基板の表面に形成された第2の配線層と、
前記絶縁層に埋め込まれた状態で前記第1の配線層および前記第2の配線層を電気的に接続する導体部と、を備え、
前記導体部は、前記第1の配線層と接触する面の算術平均粗さRaが2〜50μmであることを特徴とする半導体モジュール。
【請求項16】
繊維の向きが絶縁層の厚さ方向と交差するように配向された繊維状の充填材であって該絶縁層より熱膨張係数が小さい繊維状の充填材、を含有する絶縁層と、
前記絶縁層の上に設けられた第1の配線層と、
回路素子が形成された基板と、
前記基板の表面に形成された第2の配線層と、
前記絶縁層に埋め込まれた状態で前記第1の配線層および前記第2の配線層を電気的に接続する導体部と、を備え、
前記繊維状の充填材は、前記絶縁層より熱膨張係数が小さく、前記導体部の近傍において前記第1の配線層に向かって湾曲しており、
前記導体部は、前記第1の配線層と接触する面の算術平均粗さRaが2〜50μmであることを特徴とする半導体モジュール。
【請求項17】
前記導体部は、前記絶縁層の表面と垂直な方向の高さが、前記絶縁層の表面と平行な方向の長さより小さいことを特徴とする請求項15または16に記載の半導体モジュール。
【請求項18】
請求項15乃至17のいずれか1項に記載の半導体モジュールを搭載したことを特徴とする携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−294415(P2008−294415A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99483(P2008−99483)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】