説明

組成物および炎症障害の治療、共治療または予防のためのその使用

本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、ならびに例えば、リグスチリド、オレウロペインアグリコン、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、マグノリア樹皮エキス、カシューフルーツエキスおよび甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなる新規組成物に関するものであり、ならびに薬物として、特に炎症性障害の治療、共治療または予防のための薬物としてこれらの組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、ならびにリグスチリド、オレウロペインアグリコン(II)、チロソール、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキス、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、メチルスルホニルメタン、SAMe、コラーゲン加水分解物、コラーゲン、アスコルビルホスフェート、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、デビルスクロー、乳タンパク質濃縮物、可溶性ケラチン、セロリ種子エキス、セチル化脂肪酸、カルニチン、チモキノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)、カルドールジエン(XII)、カルドールトリエン(XIII)、カシューフルーツエキス、ボスウェリア酸、カルノシン酸、ウルソール酸、セイヨウトチノキエキス、ジオスメチン、トリプタントリン、ジオスゲニン、クルクミンおよび誘導体、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)および白ヤナギ樹皮エキスの群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなる新規組成物、ならびに薬物としての、特に炎症性障害の治療、共治療または予防のための薬物としてのこれら組成物の使用に関する。
【0002】
炎症性障害は、世界中で最も重要な健康問題の一つである。一般的に炎症は、異物または傷害性刺激による宿主侵襲に対する身体組織の局所的防御応答である。炎症の原因は、細菌、ウィルス、および寄生虫などの感染性因子;火傷または放射線などの物理的因子;毒素、薬物または産業物質などの化学物質;またはアレルギーおよび自己免疫応答などの免疫反応または酸化的ストレスに関連する病態であり得る。
【0003】
炎症は、痛み、発赤、腫脹、発熱、および患部の最終的な機能喪失を特徴とする。これらの症状は、主として免疫系の細胞間で生じる複雑な一連の相互作用の結果である。細胞の応答は、炎症伝達物質:タンパク質(例えば、サイトカイン類、酵素[例えば、プロテアーゼ、ペルオキシダーゼ]、主要塩基性タンパク質、接着分子[ICAM、VCAM])、脂質伝達物質(例えば、エイコサノイド類、プロスタグランジン類、ロイコトリエン類、血小板活性因子[PAF])、反応性酸素種(例えば、ヒドロペルオキシド類、スーパーオキシドアニオンO、酸化窒素[NO]など)、幾つかの群の相互作用ネットワークをもたらす。しかしながら、炎症のこれら伝達物質の多くはまた、正常な細胞活性の制御因子でもある。したがって、炎症反応の欠損により、宿主が易感染性(すなわち、感染症)となる一方、無制御の、したがって慢性的な炎症により、上記伝達物質の幾つかの過剰産生により一部媒介される炎症性疾患に至る。
【0004】
炎症伝達物質の過剰な生合成から生じる急性および慢性の炎症は、関節炎(例えば、骨関節炎、リウマチ様関節炎)、喘息、炎症性腸疾患、皮膚の炎症性疾患(例えば、接触皮膚炎[特におむつ領域の皮膚炎]、アトピー性皮膚炎、乾燥症、湿疹、しゅさ、脂漏症、乾癬、神経皮膚炎、日焼けなどの熱傷および放射線火傷、他のタイプの皮膚炎症、加齢による組織退化作用)およびアテローム硬化症、心疾患、代謝性症候群X、癌、アルツハイマー病などの慢性炎症性障害、および軽度の認知障害などのその前段階、または慢性皮膚炎症に関連する光老化などの多数の炎症性障害に関与する。
【0005】
リウマチ様関節炎は、関節の慢性炎症性疾患でり、関節炎の多様な形態の一つである。例えば、関節炎には、リウマチ様関節炎、脊椎関節障害、痛風性関節炎、骨関節炎、全身紅斑性狼瘡および若年性関節炎が含まれる。喘息と同様に、リウマチ様関節炎は、サイトカイン類、ケモカイン類、キニン類およびそれらの受容体、接着分子およびそれらそれぞれの受容体、ならびに炎症性酵素の分子レベルでの慢性的な不均衡発現を特徴とする。
【0006】
乾癬は、人口の1〜3%が患っている最もありふれた皮膚問題の一つである。炎症性腸疾患は、胃腸管系疾患を述べるために使用される一般的な用語であり、潰瘍性大腸炎およびクローン病などの障害を含む。
【0007】
血管内脂質沈着過程以外に、内皮(すなわち、血管)壁の炎症反応が、アテローム硬化症すなわちアテローム形成に決定的に寄与していると考えられる。アテローム硬化症は、炎症を引き起こす血管傷害から生じる。活性化マクロファージ、Tリンパ球、および最終的に平滑筋細胞が、アテローム硬化性プラークに存在する。単球/マクロファージおよびリンパ球の活性化により、内皮損傷、ならびにアテローム硬化性プラークの形成および最終的には破裂に関係があるとされるエイコサノイド類、サイトカイン類およびマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)類の放出に至る。最後に、C反応性タンパク質(CRP)、フィブリノーゲン、およびインターロイキン類などの循環炎症マーカーが増加するか、または高リスクの冠動脈疾患(CAD)群に変化する。幾つかの臨床試験により、CRP濃度の上昇が、冠動脈および血管事象の危険性増大と関連することを示している。それゆえ、炎症は、アテローム形成の開始と進行に重要な役割を果たしているように見える。
【0008】
炎症過程はまた、アルツハイマー病の病態生理学に関連する。アルツハイマー病が、サイトカイン類および活性化小グリア細胞のレベル増大を特徴とすることから、アルツハイマー病患者の脳に炎症があることは明らかである。したがって、炎症は、古典的な炎症性障害(例えば、関節炎、喘息、腸疾患)に関与するのみならず、多くの慢性の炎症性障害(例えば、アテローム硬化症、心疾患、代謝性症候群X、癌、アルツハイマー病)にも関連する。
【0009】
炎症事象は、種々のタイプの癌(例えば、胃癌および腸癌、黒色腫)の病態生理学にも関連する。プロスタグランジン類などの炎症伝達物質レベルの増加が、ヒトにおける乳癌、大腸癌、肺癌および膵癌に見られている。
【0010】
現在、薬物の2つの主要なクラス、コルチコステロイド系薬および非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)類が、炎症性障害を治療するために使用される。NSAID類およびコルチコステロイド類は、事実上症状の軽減を提供する。現在、コルチコステロイド類は、長期使用による重篤な副作用の懸念が増しつつあるため、その使用は減少している。
【0011】
NSAID類は、主として痛みおよび炎症性障害の治療のため、特に関節炎の治療のために(すなわち、痛みの軽減)、最も広範に使用されている薬物である。
【0012】
疫学的調査によると、NSAID類を服用している患者は、NSAID類を服用していない患者よりもアルツハイマー病の発症の危険性が低いことを示している。NSAID類の予防効果により、シクロオキシゲナーゼが、神経変性過程に関与している可能性が示唆されている。
【0013】
疫学的調査により、NSAID類を服用しない人々と比較してNSAID類を服用する人々の中で大腸癌、胃癌、食道癌、および乳癌の危険性が有意な減少することが示された。動物モデルにおいて、NSAID類は、腫瘍の発現を有意に減少させた。
【0014】
しかしながら、関節炎などの慢性疾患を治療する場合、NSAID類の長期使用は、重篤な胃腸管系合併症、腎毒性または喘息反応のような重篤な副作用によって制限される。
【0015】
したがって、副作用が弱いか、または副作用のない新規な抗炎症剤が求められている。炎症性疾患患者は、疾患予防のため、またアジュバント治療として使用することができる、軽度の抗炎症効果があり、大きな副作用のない「天然」と考えられる治療タイプに特に関心を寄せている。さらに、使用される治療は、過度の炎症反応と不十分な炎症反応との間の釣り合いを維持する必要がある。
【0016】
抗炎症作用を示すような「天然」薬剤については多くの既知例がある。しかしながら、これら「天然」化合物の欠点は、それらの生物活性、したがって阻害活性がしばしば不十分なことである。2つ以上の天然物質が同時に適用される場合、それらの作用は、相加的に、またはさらに相乗的に増強され得る。これによって、疾患の発生または治療に効果をもたらすための各物質の必要量が減少する。各天然物質を低用量で、個々に使用できることから、有害レベルに達する機会が少なくなり、また、慢性使用による重篤な副作用の機会も少なくなる。
【0017】
本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソール、ならびにリグスチリド、オレウロペインアグリコン(II)、チロソール、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキス、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、メチルスルホニルメタン、SAMe、コラーゲン加水分解物、コラーゲン、アスコルビルホスフェート、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、デビルスクロー、乳タンパク質濃縮物、可溶性ケラチン、セロリ種子エキス、セチル化脂肪酸、カルニチン、チモキノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)、カルドールジエン(XII)、カルドールトリエン(XIII)、カシューフルーツエキス、ボスウェリア酸、カルノシン酸、ウルソール酸、セイヨウトチノキエキス、ジオスメチン、トリプタントリン、ジオスゲニン、クルクミンおよび誘導体、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)および白ヤナギ樹皮エキスの群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなる組成物に関する。好ましくは、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソール、ならびにリグスチリド、オレウロペインアグリコン、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、マグノリア樹皮エキス、カシューフルーツエキスおよび甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなる組成物に関する。さらにより好ましくは、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソール、ならびにリグスチリド、マグノロール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、マグノリア樹皮エキス、カシューフルーツエキスおよび甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなる組成物に関する。最も好ましい実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソール、ならびにリグスチリド、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロールおよびEGCGの群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなる組成物に関する。
【0018】
このように、好ましい一実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)ならびにリグスチリドを含んでなる組成物、最も好ましくは、ヒドロキシチロソールおよびリグスチリドを含んでなる組成物、またはオレウロペインおよびリグスチリドを含んでなる組成物に関する。
【0019】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)ならびにホノキオールを含んでなる組成物に関するものであり、最も好ましくは、ヒドロキシチロソールおよびホノキオールを含んでなる組成物に関する。ホノキオールは、ホノキオールおよびマグノロールを含んでなるマグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキスの形態で用いられることが最も好ましい。
【0020】
さらなる好ましい一実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)ならびにゲニステインを含んでなる組成物に関するものであり、最も好ましくは、ヒドロキシチロソールおよびゲニステインを含んでなる組成物に関する。
【0021】
さらなる好ましい一実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)ならびにレスベラトロールを含んでなる組成物に関するものであり、最も好ましくは、ヒドロキシチロソールおよびレスベラトロール、またはオレウロペインおよびレスベラトロールを含んでなる組成物に関する。
【0022】
さらなる好ましい一実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)ならびにEGCGを含んでなる組成物に関するものであり、最も好ましくは、ヒドロキシチロソールおよびEGCGを含んでなる組成物に関する。
【0023】
上記の実施形態の全てにおいて、追加の成分に対するそれぞれヒドロキシ−チロソール、オレウロペインのモル比は、1対1であることが好ましい。
【0024】
別の好ましい一実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソール、ならびにリコペンならびにレスベラトロールを含んでなる組成物に関する。リコペンのモル比が、レスベラトロールのモル量およびヒドロキシチロソールのモル量よりも少なく、レスベラトロールおよびヒドロキシチロソールのモル量が等しい組成物が特に好ましい。最も好ましくは、リコペン対レスベラトロール対ヒドロキシチロソールのモル比は、約1:2:2から1:10:10、特に1:4:4から1:8:8の範囲、特にとりわけ1:6:6の範囲である。
【0025】
驚くべきことに、本発明の組成物中の個々の成分は、それらの抗炎症活性において相乗的に機能することが見出されている。さらに、本発明の組成物は、心疾患、多発性硬化症、骨関節炎およびリウマチ様関節炎、アテローム硬化症、および骨粗しょう症などの炎症障害の治療、共治療および予防に特に有用であり得る。
【0026】
本発明の組成物は、種々の形態の関節炎、特に骨関節炎およびリウマチ様関節炎の治療、共治療および予防に特に好適である。また、本発明の組成物は、関節障害の治療、共治療および予防、特に関節炎症の軽減、関節健康の維持および/または増大、関節硬直の予防、関節可動性の増大、屈曲し易いおよび/または柔軟な関節、関節の滑らかさの提供、関節炎症に関連する痛みの軽減、関節腫脹の減少、関節問題の減少、および関節ケアを提供するための薬剤として好適である。
【0027】
したがって、本発明はまた、炎症性障害ならびに関節障害の治療、共治療および予防のための薬剤としての本発明の組成物の使用に関する。
【0028】
別の態様において、本発明はまた、薬物として使用するための本発明の組成物に関する。
【0029】
さらに別の実施形態において、本発明は、炎症性障害、より好ましくは、関節炎または皮膚炎症、最も好ましくは、骨関節炎または日焼けの治療、共治療および予防に好適な栄養補助食品、医薬品、化粧品または皮膚科用製剤の製造のための本発明による組成物の使用に関する。
【0030】
また、本発明は、ヒトを含む動物において、炎症性障害、特に関節炎、さらに特に骨関節炎およびリウマチ様関節炎の治療、共治療および予防するための方法に関するものであり、前記方法は、本発明による組成物の有効量を、それを必要とするヒトを含む動物に投与するステップを含んでなる。好ましくは、炎症性障害は関節炎であり、最も好ましくは、骨関節炎である。
【0031】
「本発明による組成物の有効量」という用語は、生理的効果を得るために必要な量のことである。生理的効果は、単一の一用量または反復用量により達成できる。投与される用量は、もちろん、特定の組成物の生理学的特徴およびその投与様式ならびに投与経路;レシピエントの年令、健康状態および体重;症状の性質および程度;同時治療の種類;治療回数;および所望の効果など、既知の因子に依って変わる可能性があり、当業者により調整することができる。
【0032】
本発明のフレームワークにおいて、動物とは、哺乳動物など全ての動物を意味し、それらの例にはヒトが含まれる。ヒト以外の哺乳動物の好ましい例としては、ネコ、イヌ、ヒトコブラクダ、ラクダ、ゾウ、およびウマなどの非反芻動物または反芻動物である。
【0033】
別の実施形態において、本発明は、本発明による組成物および栄養補助食品として許容できる担体を含んでなる栄養補助食品組成物に関する。
【0034】
本明細書に用いられる栄養補助食品組成物という用語には、食品、食物、食物サプリメント、栄養サプリメント、または食品もしくは食物用サプリメント組成物が含まれる。
【0035】
したがって、別の実施形態において、本発明は、食品、食物、食物サプリメント、栄養サプリメント、または食品もしくは食物用サプリメント組成物である栄養補助食品に関する。
【0036】
本明細書に用いられる食品という用語は、ヒトまたは動物による摂取に好適な任意の食品または飼料のことである。食品は、調製食品および包装食品(例えば、マヨネーズ、サラダドレッシング、パン、またはチーズ食品)または動物飼料(例えば、押出し加工しペレット化した動物飼料、粗混合飼料またはペット食品組成物)であり得る。本明細書に用いられる食物という用語は、ヒトまたは動物の摂取に適した任意の物質のことである。食物サプリメントという用語は、単一または複数の用量単位で包装されたヒトまたは動物の食餌の補助用の少量の化合物のことである。食物サプリメントは一般に、それほどカロリー量を提供しないが、他の微量栄養素(例えば、ビタミン類またはミネラル類)を含有することができる。栄養サプリメントという用語は、カロリー源と組合わせて食物サプリメントを含んでなる組成物のことである。幾つかの実施形態において、栄養サプリメントは、食事代替品またはサプリメント(例えば、栄養剤またはエネルギーバーまたは栄養剤飲料または濃縮物)である。
【0037】
食品または食物は、例えば、非アルコール性ドリンクおよびアルコール性ドリンクなどの飲料ならびに飲料水および液体食品に添加される液体製剤であり、非アルコール性ドリンクは、例えば、ソフトドリンク、スポーツドリンク、例えば、オレンジジュース、アップルジュースおよびグレープフルーツジュースなどのフルーツジュース;レモネード、ティー、水近似ドリンクおよびミルク、ならびに例えば、ヨーグルトドリンクなどの他の酪農ドリンク、および食物ドリンクである。別の実施形態において、食品または食物とは、本発明による組成物を含んでなる固形または半固形食品のことである。これらの形態としては、限定はしないが、ケーキおよびクッキーなどのベーキング品、プディング、酪農製品、菓子、スナック食品、または冷凍菓子もしくは新型製品(例えば、アイスクリーム、ミルクシェーク)、調製冷凍食品、キャンディー、スナック製品(例えば、フライドポテト)、スープ、スプレッド、ソース、サラダドレッシング、調製ミート製品、チーズ、ヨーグルトおよび食品を含有する他の脂肪または油などの液体食品、ならびに食品成分(例えば、小麦粉)を挙げることができる。
【0038】
食品または食物という用語には、機能性食品および調製食品も含まれ、後者は、ヒト摂取用に承認された任意のプレパッケージ食品のことである。
【0039】
ペット食品組成物などの動物飼料には、有利なことに、必要な食物要件、ならびにトリート(例えば、イヌ用ビスケット)または他の食品サプリメントを供給するように意図された食品が含まれる。本発明による組成物を含んでなる動物飼料は、乾燥組成物(例えば、キッブル)、半湿性組成物、ウェット組成物、またはそれら任意の混合物の形態であり得る。あるいは、またはさらに、動物飼料は、肉汁、飲料水、ヨーグルト、粉末、懸濁液、咀嚼用物、トリート(例えば、ビスケット)などのサプリメントまたは任意の他の送達形態である。
【0040】
本発明の食物サプリメントは、任意の好適な様式で送達することができる。好ましい実施形態において、食物サプリメントは、経口送達用に製剤化される。本発明の食物サプリメントの成分は、経口摂取用に許容できる賦形剤および/または担体に含まれる。担体、したがって食物サプリメント自体の実際の形態は重要ではない。担体は、液体、ゲル、ゲルキャップ、カプセル、粉末、固形錠剤(コーティングまたは非コーティング)、ティーなどであり得る。食物サプリメントは、好ましくは、錠剤またはカプセルの形態、最も好ましくは、硬(シェル)ゼラチンカプセルなどであり得る。好適な賦形剤および/または担体としては、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、リン酸ジカルシウム、リン酸トリカルシウム、微結晶性セルロース、デキストロース、米粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、ショ糖、植物ガム、乳糖、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、トウモロコシデンプンなど(それらの混合物を含む)が挙げられる。好ましい担体としては、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マルトデキストリン、およびそれらの混合物が挙げられる。種々の成分および賦形剤および/または担体は従来の技法を用いて混合され、所望の形態に形成される。本発明の錠剤またはカプセルは、pHが約6.0から7.0で溶解する腸溶コーティングでコーティングすることができる。胃内ではなく、小腸内で溶解する好適な腸溶コーティングは、セルロースアセテートフタレートである。製剤化および投与に関する技法に対するさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(マック出版(Maack Publishing)社、イーストン、ペンシルバニア州)の最新版に見ることができる。
【0041】
他の実施形態において、食物サプリメントを、消費者が食品または飲料に添加するのに好適な粉末または液体として提供する。例えば、幾つかの実施形態において、食物サプリメントを、例えば、飲料内に混合し、または例えば、プディング、トッピング、ソース、ピューレ、調理穀物、またはサラダドレッシングなどの半固体食品内に攪拌することによって使用される粉末の形態で、または食品に加える以外に、摂取直前に放出させるために、例えば、食品のキャップまたは飲料容器に封入して個体に投与することができる。特に、食物サプリメントにより食物に添加されるカロリー数を制限することが望ましい場合、食物サプリメントは、1種または複数種の不活性成分を含むことができる。例えば、本発明の食物サプリメントは、例えば、ハーブ類、ビタミン類、ミネラル類、増強剤類、着色剤類、甘味剤類、風味剤類、不活性成分などの任意の成分を含有することもできる。
【0042】
幾つかの実施形態において、食物サプリメントは、限定はしないが、リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム、三塩基性;リン酸カリウム、二塩基性;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;オルトリン酸第二鉄;ナイアシンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;ベータ−カロテン;ピリドキシン塩酸塩;硝酸チアミン;葉酸;ビオチン;塩化クロムまたはピコロン酸クロム;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムなど、ビタミン類およびミネラル類をさらに含んでなる。ビタミン類およびミネラル類に好適な用量は、例えば、U.S.RDAガイドラインを参考にすることにより得ることができる。
【0043】
他の実施形態において、本発明は、本発明による組成物を含んでなる栄養サプリメント(例えば、エネルギーバーまたは食事代替バーまたは飲料)を提供する。栄養サプリメントは、食事またはスナック代替品として役立ち、一般に栄養カロリーを提供する。栄養サプリメントは、釣り合いのとれた量で炭水化物、タンパク質、および脂肪を提供することが好ましい。栄養サプリメントは、単鎖長、中鎖長の炭水化物、または多糖類、もしくはそれらの組合わせをさらに含むことができる。単糖は、所望の官能的性質に関して選択することができる。未調理トウモロコシデンプンは、複合炭水化物の一例である。加熱により、複合炭水化物が、単糖または二糖である単純炭水化物に分解することから、高分子量構造を維持することが望ましい場合、調理または加熱処理をしない食品製剤またはその一部に複合炭水化物を含ませる必要がある。一実施形態において、栄養サプリメントは、3つのレベルの鎖長(単鎖長、中鎖長および複合鎖長;例えば、ショ糖、マルトデキストリン類、および未調理トウモロコシデンプン)の炭水化物源の組合わせを含有する。
【0044】
本発明の栄養サプリメントに取り込まれるタンパク質源としては、栄養製剤に利用される任意の好適なタンパク質でよく、ホエータンパク質、ホエータンパク濃縮物、ホエー粉末、卵、大豆粉、豆乳大豆タンパク質、大豆タンパク質分離物、カゼイン酸塩(例えば、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウムカルシウム、カゼイン酸カルシウム、カゼイン酸カリウム)、動物および植物タンパク質ならびにそれらの加水分解物または混合物を挙げることができる。タンパク質源を選択する際、タンパク質の生物学的値を先ず考慮する必要があり、最高の生物学的値は、カゼイン酸塩、ホエー、ラクトアルブミン、卵アルブミンおよび全卵タンパク質に見られる。好ましい実施形態において、タンパク質は、ホエータンパク濃縮物とカゼイン酸カルシウムとの組合わせである。これらのタンパク質は、高い生物学的値を有しており;すなわち、それらは、高比率の必須アミノ酸を有している。Modern Nutrition in Health and Disease、第八版、リーおよびフェビガー(Lea&Febiger)編集者、1986年、特に1巻、30−32頁を参照されたい。栄養サプリメントは、他のビタミン類、ミネラル類、抗酸化剤類、繊維および他の食物サプリメント類(例えば、タンパク質、アミノ酸、コリン、レシチン)の1種またはそれらの組合わせなど、他の成分を含有することもできる。これら成分の1種または数種の選択は、製剤、デザイン、消費者の嗜好および末端使用者の問題である。本発明の食物サプリメントに添加されたこれら成分の量は、当業者に容易に認識される。このような量に対するガイドラインは、小児および成人に対するU.S.RDAの用量により提供することができる。添加できるさらなるビタミン類およびミネラル類としては、限定はしないが、リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム、三塩基性;リン酸カリウム、二塩基性;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;オルトリン酸第二鉄;ナイアシンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;ベータ−カロテン;ピリドキシン塩酸塩;硝酸チアミン;葉酸;ビオチン;塩化クロムまたはピコロン酸クロム;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムが挙げられる。
【0045】
栄養サプリメントは、種々の形態および種々の製造方法により提供することができる。好ましい実施形態において、食品バーを製造するために、液体成分を調理し;ミキサー中の液体成分に乾燥成分を添加し、ドウ相になるまで混合し;このドウを押出し機に入れて押出し;押出されたドウを適切な長さに切断し;この製造物を冷却する。本明細書に具体的に掲げられた成分に加えて、味覚を増強させるため、このバーに他の栄養分および充填剤を含有させることができる。当業者にとって当然のことながら、栄養サプリメントの加工または製造のために、本明細書に記載されたものに、例えば、充填剤、乳化剤、保存剤などの他の成分を添加することができる。
【0046】
さらに、風味料、着色料、スパイス、ナッツなどを、栄養補助食品組成物に組み込むことができる。風味料は、風味エキス、揮発性油、チョコレート風味料、ピーナッツバター風味料、クッキークラム、クリスプ米、バニラまたは任意の市販の風味料の形態であり得る。有用な風味料の例としては、限定はしないが、純粋アニスエキス、模造バナナエキス、模造サクランボエキス、チョコレートエキス、純粋レモンエキス、純粋オレンジエキス、純粋ペパーミントエキス、模造パイナップルエキス、模造ラムエキス、模造イチゴエキス、または純粋バニラエキス;またはバーム油、ベイ油、ベルガモット油、セダー油、クルミ油、サクランボ油、桂皮油、チョウジ油、またはペパーミント油などの揮発性油;ピーナッツバター、チョコレート風味料、バニラクッキークラム、バタースコッチまたはタフィーが挙げられる。一実施形態において、食物サプリメントは、ココアまたはチョコレートを含有する。
【0047】
乳化剤を、栄養補助食品組成物の安定性のために添加することができる。好適な乳化剤の例としては、限定はしないが、レシチン(例えば、卵または大豆からの)、および/またはモノ−およびジ−グリセリドが挙げられる。他の乳化剤は、当業者にとって容易に明らかであり、好適な乳化剤の選択は、部分的に製剤および最終製品に依って決まる。保存剤もまた、製品の貯蔵期限を延長させるために栄養サプリメントに加えることができる。ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウムまたはカルシウム二ナトリウムEDTAなどの保存剤を使用することが好ましい。
【0048】
上記の炭水化物に加えて、栄養補助食品組成物は、天然または人工(好ましくは低カロリー)の甘味料、例えば、糖類、シクラマート類、アスパルタミン、アスパルテーム、アセスルフェームK、および/またはソルビトールを含有することができる。栄養サプリメントが過体重または肥満の個体、または高血糖症の傾向があるII型糖尿病個体により摂取されることが意図される場合、このような人工甘味料が望ましい場合がある。
【0049】
さらに、総合ビタミンおよびミネラルサプリメントを本発明の栄養補助食品に添加して、幾つかの食品に欠落している適切量の必須栄養剤を得ることができる。総合ビタミンおよびミネラルサプリメントは、生活様式による栄養欠損および栄養欠乏に対する疾患の予防および防止にも有用であり得る。
【0050】
ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)ならびに栄養補助食品を介して投与される少なくとも1種の追加成分の用量および比率は、もちろん、具体的な組成物の生理学的特徴およびその投与様式ならびに投与経路;レシピエントの年令、健康状態および体重;症状の性質および程度;同時治療の種類;治療回数;および通常の治験、または栄養補助食品組成物の製剤に関する通常の考慮により、その分野の専門家によって判定することができる所望の効果など、既知の因子に依って変わり得る。
【0051】
好ましい実施形態において、栄養補助食品は、1回の供給当り0.01gから1g、より好ましくは、0.2mgから500mgの量のヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、ならびに指示された量における
・リグスチリド:0.5mgから500mgおよび/または
・ホノキオールおよび/またはマグノロール:好ましくは、マグノリア樹皮エキスの形態で各々0.2mgから500mgおよび/または
・ゲニステイン:0.5mgから500mgおよび/または
・レスベラトロール:0.2mg〜500mgおよび/または
・EGCG:2.0mgから500mgおよび/または
・カルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII):好ましくは、カシューフルーツエキス(カシューナッツ(Anacardium occidentale))の形態で各々0.2mgから1000mgおよび/または
・甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)または式(III)から(XI)までから選択される1種または数種の化合物:好ましくは、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)エキスの形態で各々0.5mg〜1000mg、
から選択される少なくとも1種の成分を含んでなる。
【0052】
別の態様において、本発明は、本発明による組成物および薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬品に関する。
【0053】
当業者は、薬学的に許容できる担体として使用できる担体を周知である。好適な薬学的担体は、例えば、本分野の標準的な参考書である上記のRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。このような薬学的に許容できる担体の例としては、経口/非経口/注射投与に好適な無機および有機双方の担体材料であり、水、ゼラチン、アラビアゴム、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油などが挙げられる。
【0054】
医薬品組成物は、限定はしないが、水、任意の出所源のゼラチン、植物ガム類、リグニンスルホネート、タルク、糖類、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコール類、風味料、保存剤、安定化剤、乳化剤、緩衝剤、潤滑剤、着色料、湿潤剤など、従来の医薬品用添加剤およびアジュバント、賦形剤または希釈剤をさらに含むことができる。
【0055】
好ましい実施形態において、医薬品は、散剤、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、液剤または固形剤の実施形態である。
【0056】
医薬品組成物中の個々の成分の用量および比率は、通常の前臨床試験および臨床試験、または医薬品組成物の製剤化に関する通常の考慮によりその分野における専門家によって判定することができる。
【0057】
好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)は、少なくとも0.3mg/kg体重/日の量、好ましくは1〜450mg/kg体重/日の量で、最も好ましくは4〜140mg/kg体重/日の量で単回投与または複数回投与のいずれかで医薬品組成物を介して投与する。
【0058】
本発明による栄養補助食品および医薬品は、人体を含む動物身体の投与に好適である任意のガレヌス形態、さらに特に、従来の任意の経口投与形態、例えば、固体形態で、例えば、食品または飼料(添加物/サプリメント)、食品または飼料プレミックス、強化食品または飼料、錠剤、丸剤、顆粒剤、糖衣丸、カプセル剤、および散剤ならびに錠剤などの発泡製剤としての固形形態で、または例えば、飲料、ペーストおよび油性懸濁液としての液剤、乳濁液または懸濁液の液体形態であり得る。ペーストを硬シェルまたは軟シェルカプセルに充填することができる。他の適用形態に関する例は、経皮、非経口、局所または注射可能な投与に関する形態である。栄養補助食品および医薬品は、徐放性(遅延)放出製剤の形態であり得る。医薬品の例としては、クリーム、ゲル、スプレー、乾燥スティック、粉末などの局所適用に好適な組成物も挙げられる。
【0059】
ヒドロキシチロソールという用語は、合成起源または抽出および/または精製によりオリーブの木に由来する産物または副産物など、天然源から入手できる「純粋ヒドロキシチロソール」に関するものである。さらに、ヒドロキシチロソールという用語は、例えば、オリーブの木に由来する産物または副産物から入手できるエキスを含んでなるヒドロキシチロソールを包含する。
【0060】
オリーブの木の産物または副産物は、オリーブ、オリーブ木の葉、オリーブパルプ、オリーブ油、オリーブ由来の植生水およびオリーブ油沈殿物を包含するが、それらに限定されない。抽出方法に基づいて、ヒドロキシチロソールの量、比率のそれぞれは、当業者により容易に調整することができる。ヒドロキシチロソールは、栽培者などの従来の市販源から入手できるオリーブに由来することが好ましい。
【0061】
合成または精製ヒドロキシチロソールの場合、「純粋ヒドロキシチロソール」という用語は、少なくとも90%の純度、より好ましくは、少なくとも91%の純度、さらにより好ましくは、少なくとも92%の純度、さらにより好ましくは、少なくとも93%の純度、さらにより好ましくは、少なくとも94%の純度、さらにより特に、少なくとも95%の純度、特に、少なくとも96%の純度、さらに特に、少なくとも97%の純度、さらにより特に、少なくとも98%の純度、とりわけ特に、少なくとも99%の純度を有するヒドロキシチロソールに関するものである。ヒドロキシチロソールの純度は、例えば、HPLCまたはLC−MSなど、当業者に知られている方法によって決定することができる。
【0062】
本明細書に使用されるヒドロキシチロソールは、当業界に知られた多くの方法により調製することができる。オリーブは、任意の好適な手段により処理して記載された組成物を得ることができる。例えば、オリーブおよび/またはオリーブ葉を圧縮すると、オリーブ油、植生水および固形副産物などの混合物を得ることができる。ヒドロキシチロソールは、この混合物から直接得ることができるか、またはこの混合物を分画するか、および/または精製してヒドロキシチロソールを得ることができる。当業者に知られている多くの方法により、この組成物を分画するか、および/または精製することができる。分画方法の例としては、有機溶媒による分配、クロマトグラフィー、例えば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)または超臨界流体の使用が挙げられる。
【0063】
オリーブ葉からのヒドロキシチロソールの抽出を扱う例としては、国際公開第02/18310A1号パンフレット、米国特許出願公開第2002/0198415A1号明細書、国際公開第2004/005228A1号パンフレット、米国特許第6,416,808号明細書および米国特許出願公開第2002/0058078A1号明細書であり、それらは、オレウロペインの少なくとも90%が変換されるまで2ヵ月から12ヵ月間のオリーブ植生水の酸加水分解に関する方法を開示している。オリーブ、オリーブパルプ、オリーブ油および搾油機廃水からのヒドロキシチロソールの抽出方法は、ユーサナ(Usana)社による特許である米国特許第6,361,803号明細書および国際公開第01/45514A1号パンフレットならびに米国特許出願公開第2002/0004077A1号明細書に記載されている。欧州特許出願公開第1582512A1号明細書には、オリーブ葉からのヒドロキシチロソールの抽出が記載されている。デピッテドオリーブの植生水からヒドロキシチロソールを得る方法は、米国特許出願公開第2004/0039066A1号明細書の段落[0080]−[0091]に開示されている。
【0064】
本発明により使用することができるオリーブエキスを含有する市販のヒドロキシチロソールとしては、例えば、ライフ・エックステンション(Life Extension)からのPolyphen−Oil(商標)、IndenaからのOleaSelect(商標)、GenosaからのHytolive(登録商標)、SeppicからのProlivols、Lalilabからのオリーブ(olea europea)のオリーブ葉(OLIVE LEAF)またはオリーブ水エキス(OLIVE Water Extract)、EbiserからのHitofulvicおよびOlife(商標)などのオリーブフルーツからのエキス、欧州特許第1582512号明細書に記載されているものなどの加水分解オリーブ葉エキス、クレアグリ(CreAgri)からのFurfuralおよびHIDROX(登録商標)から入手できるオレウロペインに富むオリーブ葉エキスが挙げられる。HIDROX(登録商標)2%スプレー乾燥粉末、HIDROX(登録商標)Gold凍結乾燥粉末(9%)およびHIDROX(登録商標)6%凍結乾燥粉末の有機オリーブジュースエキスなどのクレアグリからのHIDROX(登録商標)を使用することが好ましい。
【0065】
ヒドロキシチロソールを、純度>90%で調製することができる合成法の例は、貴金属水素添加触媒の存在下、C1〜10−アルカノール中3,4−ジヒドロキシマンデル酸または3,4−ジヒドロキシマンデル酸C1〜10−アルキルエステルを水素添加するステップを含んでなる方法であり、形成された(3,4−ジヒドロキシフェニル)−酢酸C1〜10−アルキルエステルの任意の還元により、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−エタノール(=ヒドロキシチロソール)を形成することであり、この具体例は下記に説明されている。
【0066】
水素添加は、それ自体知られている様式でPdおよびRhなどの貴金属触媒を個別にまたは混合物の存在下で実施することができる。触媒の活性および安定性を増加させるために、それらを、活性炭、アルミナまたは珪藻土などの担体上で使用することが好ましい。この場合に好ましい水素添加触媒は、Pd/Cである。
【0067】
水素添加は、低級アルコール、すなわち、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのC1〜10−アルカノールの存在下、好ましくは、メタノールまたはエタノールの存在下、好ましくは、強酸、好ましくは塩酸の存在下、好ましくは、周囲温度から100℃またはそれ以上の温度で、好ましくは40〜65℃で、好ましくは、水素添加温度で溶媒の蒸気圧よりも少なくとも高い水素圧で実施される。この圧は、常圧、すなわち、大気圧から100バールまたはそれ以上であり得る。
【0068】
反応は、通しの過程として実施されることが好ましいが、所望ならば、2つの別々のステップ、すなわち、3,4−ジヒドロキシマンデル酸のエステルが、酸のエステル化により形成される第一のステップ、および3,4−ジヒドロキシマンデル酸低級アルキルエステルが、水素添加される第二のステップにおいて達成することができる。ヒドロキシチロソールを得るための(3,4−ジヒドロキシフェニル)−酢酸C1〜10−アルキルエステルの還元は、既知の様式で達成することができる。好ましい還元剤は、LiAlHおよびNaBHなどのアルミニウムおよびホウ素の錯体ヒドリドである。出発物質の3,4−ジヒドロキシマンデル酸は周知であり、文献に記載された方法により、例えば、カテコールとグリオキシル酸との縮合によって調製することができる。
【0069】
ヒドロキシチロソールは、オリーブエキスを含有するヒドロキシチロソールの形態で使用することが好ましい。
【0070】
ヒドロキシチロソールは、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)に投与するのに十分な量である、少なくとも0.02mg/日の用量で使用される。ヒドロキシチロソールは、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が1mg/日から2000mg/日、より好ましくは、5mg/日から500mg/日の範囲になるような濃度で使用されることが好ましい。したがって、毎日の用量は、少なくとも約0.3μg/kg体重、好ましくは、0.01〜30mg/kg体重の平均用量であり、0.1〜10mg/kg体重が最も好ましく使用される。
【0071】
栄養補助食品組成物は、1回の供給で0.2mgから500mg、好ましくは1mgから250mgのヒドロキシチロソールを含んでなることが好ましい。組成物が医薬品組成物である場合、このような組成物は、例えば、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り1mgから500mgの量、液体製剤の毎日の用量当り1mgから500mgの量のヒドロキシチロソールを含むことができる。
【0072】
「純粋ヒドロキシチロソール」の代わりに、エキスを含んでなるヒドロキシチロソールが使用される場合、使用されるエキスの量は、エキス中の「純粋ヒドロキシチロソール」の濃度から誘導することができ、最適用量の発見は、当業者にとってルーチン実験の事項である。
【0073】
フェノール性化合物のオレウロペイン(I)、オレウロペインアグリコン(II)および/またはチロソールは、合成起源から、またはオリーブ木に由来する産物および副産物などの天然源から抽出および/または精製により得ることができる。オリーブ木の産物および副産物には、オリーブ、オリーブ木の葉、オリーブパルプ、オリーブ油、オリーブ由来の植生水およびオリーブ油沈殿物を包含するが、それらに限定されない。
【0074】
本明細書に使用されるフェノール性化合物のオレウロペイン(I)、オレウロペインアグリコン(II)またはチロソールは、当業界に知られた多くの方法により調製することができる。例えば、これらの化合物は、オリーブから誘導し、任意の好適な手段により処理して記載された化合物を得ることができる。例えば、オリーブおよび/またはオリーブの葉を圧縮してオリーブ油、植生水および固形副産物を含む混合物を得ることができる。フェノール性化合物は、この混合物から直接得ることができるか、またはこの混合物を分画するか、および/または精製してフェノール性化合物を得ることができる。当業者に知られている多くの方法により、この組成物を分画するか、および/または精製することができる。分画方法の例としては、有機溶媒による分配、クロマトグラフィー、例えば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)または超臨界流体の使用が挙げられる。
【0075】
フェノール性化合物のオレウロペイン(I)、オレウロペインアグリコン(II)またはチロソールもしくはそれらの混合物は、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が、1mg/日から2000mg/日、より好ましくは、5mg/日から500mg/日の範囲になるような濃度で使用されることが好ましい。栄養補助食品組成物は、1回の供給当り0.2mgから500mgのフェノール性化合物を含んでなる。組成物が医薬品組成物である場合、このような組成物は、例えば、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り1mgから2000mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り1mgから3000mgの量でフェノール性化合物を含むことができる。
【0076】
リグスチリドは、アンゲリカグラウカ(Angelica glauca)、アンゲリカアクチローバ(Angelica acutiloba)、アンゲリカシネンシス(Angelica sinensis)、アンゲリカダフリカエ(Angelica dahuricae)、リグスチカムアクチロバム(Ligusticum acutilobum)、リグスチカムオフィシナーレ(Ligusticum officinale)、リグスチカムシネンセ(Ligusticum sinense)、リグスチカムワリチ(Ligusticum wallichii)、クニジウムオフィシナーレ(Cnidium officinale)、リゾーマチュアンキシオング(Rhizoma Chuanxiong)、プレウロスペルマムフーケリ(Pleurospermum hookeri)、トラキスペルマムロクスブルギアナム(Trachyspermum roxburghianum)、メウムアタマンチカム(Meum athamanticum)、ロマチウムトルレイ(Lomatium torreyi)、スクテラリアバイカレンシス(Scutellaria baicalensis)、オポパナックスチロニウム(Opopanax chironium)、セノロヒウムデヌダタム(Cenolophium denudatum)、コリアンドラムサチビウム(Coriandrum sativuum)、シラウムシラウス(Silaum silaus)などの種々の植物から、当業界に知られた方法(例えば、ベックJ.J.(Beck J.J.)およびステルミッツF.R.(Stermitz F.R.)、J.Natural Products、58巻、7号、1047−1055頁、1995年を参照)により単離することができるが、当業界に公知の方法により合成することができる。
【0077】
リグスチリドは、例えば、その内容が参照として本明細書に援用されている欧州特許出願公開第05 002333.2号明細書に開示されている方法により入手できる少なくとも50重量%のリグスチリド、および10重量%以下の脂肪酸ならびにトリグリセリド類を含んでなるリグスチカム(Ligusticum)種、特にL.ワリチ(L.wallichii)からの精製植物エキスの形態で使用することが好ましい。
【0078】
リグスチリドは、有効用量が0.01mg/kg体重/日から50mg/kg体重/日、より好ましくは、0.1mg/kg体重/日から5mg/kg体重/日で使用することが好ましい。
【0079】
栄養補助食品は、1回の供給当り0.5mgから500mgのリグスチリドを含んでなる。組成物が医薬品組成物である場合、このような組成物は、好ましくは、例えば、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り1mgから500mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り1mgから2000mgの量でリグスチリドを含むことができる。
【0080】
本明細書に用いられる「マグノロール」という用語は、5,5’−ジアリル−2,2’−ビフェニルジオールまたは5,5’−ジ−2−プロペニル−[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジオール(CAS[528−43−8])としても知られている純粋化合物および同一化合物を含有する植物エキスを含んでなる。マグノロールという用語はまた、5,5’−ジアリル−2,2’−ビフェニルジオールまたは5,5’−ジ−2−プロペニル−[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジオールのエーテル化またはエステル化ヒドロキシ誘導体を含んでなる。エステルまたはエーテル基は、例えば、1個から26個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基または1個から26個の炭素原子を有する置換または非置換直鎖状または分枝状脂肪族、芳香脂肪族(araliphatic)または芳香族カルボン酸から誘導することができる。エーテル化ヒドロキシ基の例としては、さらにグルコシド基が挙げられる。エステル化ヒドロキシ基の例としては、さらにグルクロニド基またはスルフェート基が挙げられる。本明細書に用いられるマグノロールは、5,5’−ジアリル−2,2’−ビフェニルジオールまたは5,5’−ジ−2−プロペニル−[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジオールが好ましい。
【0081】
化合物を含有する植物エキスとしては、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)、マグノリアオボバタ(Magnolia obovata)、マグノリアロストラータ(Magnolia rostrata)、マグノリアビルボア(Magnolia bilboa)、マグノリアビオンジ(Magnolia biondii)、マグノリアキンケペータ(Magnolia quinquepeta)、マグノリアスプレンゲリ(Magnolia sprengeri)、マングリエチアインシグニス(Manglietia insignis)、マングリエチアスゼチュアニカ(Manglietia szechuanica)、マングリエチアユユアネンシス(Manglietia yuyuanensis)、セルシジフィラムジャポニカム(Cercidiphyllum japonicum)などからのエキスが挙げられる。マグノロールは公知の抗炎症剤であり、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)の樹皮からのエキスの形態で用いることが好ましいが、もちろん、純粋形態で使用することもできる。
【0082】
マグノロールは、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が、1mg/日から2000mg/日、好ましくは、5mg/日から500mg/日の範囲になるような濃度で使用されることが好ましい。栄養補助食品組成物は、1回の供給当り0.2mgから500mgのマグノロールを含んでなる。医薬品は、例えば、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り1mgから500mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り5mgから2000mgの量でマグノロールを含むことができる。
【0083】
本明細書に用いられる「ホノキオール」という用語は、3’,5−ジアリル−2,4’−ビフェニルジオールまたは3’,5−ジ−2−プロペニル−[1,1’−ビフェニル]−2,4’−ジオール(CAS[35354−74−6])としても知られている純粋化合物および同一化合物を含有する植物エキスを含んでなる。
【0084】
ホノキオールという用語は、3’,5−ジアリル−2,4’−ビフェニルジオールまたは3’,5−ジ−2−プロペニル−[1,1’−ビフェニル]−2,4’−ジオールのエーテル化またはエステル化ヒドロキシ誘導体を含んでなる。エステルまたはエーテル基は、例えば、1個から26個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基または1個から26個の炭素原子を有する置換または非置換直鎖状または分枝状脂肪族、芳香脂肪族または芳香族カルボン酸から誘導することができる。エーテル化ヒドロキシ基の例としては、さらにグルコシド基が挙げられる。エステル化ヒドロキシ基の例としては、さらにグルクロニド基またはスルフェート基が挙げられる。本明細書に用いられる「ホノキオール」は、3’,5−ジアリル−2,4’−ビフェニルジオールまたは3’,5−ジ−2−プロペニル−[1,1’−ビフェニル]−2,4’−ジオールが好ましい。
【0085】
化合物を含有する植物エキスとしては、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)、マグノリアオボバタ(Magnolia obovata)、マグノリアロストラータ(Magnolia rostrata)、マグノリアビルボア(Magnolia bilboa)、マグノリアビオンジ(Magnolia biondii)、マグノリアキンケペータ(Magnolia quinquepeta)、マグノリアスプレンゲリ(Magnolia sprengeri)、マングリエチアインシグニス(Manglietia insignis)、マングリエチアスゼチュアニカ(Manglietia szechuanica)、マングリエチアユユアネンシス(Manglietia yuyuanensis)、セルシジフィラムジャポニカム(Cercidiphyllum japonicum)、マチルスタンベルジ(Machilus thunbergii)などからのエキスが挙げられる。ホノキオールは公知の抗炎症剤であり、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキスの形態で用いることが好ましいが、もちろん、純粋形態で使用することもできる。
【0086】
ホノキオールは、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が、1mg/日から2000mg/日、好ましくは、5mg/日から500mg/日の範囲になるような濃度で使用されることが好ましい。栄養補助食品組成物は、1回の供給当り0.2mgから500mgのホノキオールを含んでなる。医薬品は、例えば、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り1mgから500mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り5mgから約2000mgの量でホノキオールを含むことができる。
【0087】
マグノリア樹皮(任意に乾燥または粉砕形態で)は、還流温度またはより低い温度で、エタノール、ジクロロメタンなどの溶媒により従来どおり抽出することができる。あるいは、SFカーボンジオキシドなどの超臨界流体による抽出、または水と共に樹皮の水蒸気蒸留、次いで蒸留された有機部分のサンプリングにより抽出することができる。サンプリングは、例えば、ジクロロメタンのような有機溶媒よる抽出によって実行することができる。引き続き溶媒の除去により、所望のマグノリア樹皮エキスを得る。任意にこのように得られたマグノリア樹皮エキスは、さらにマグノロールおよび/またはホノキオールの含量を高める処理ステップに供して、マグノロールおよび/またはホノキオールが高濃度のマグノリア樹皮エキスを得ることができる。
【0088】
本発明の全ての実施形態において、マグノロールならびにホノキオールを含んでなるマグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮に由来するエキスが、本発明の全ての実施形態に用いられることが最も好ましい。
【0089】
本明細書に用いられる「ゲニステイン」という用語は、アグリコン(4’,5,7−トリヒドロキシイソフラボン)およびその誘導体、例えば、ゲニステイングリコシド類、ゲニステインスルフェート類、ゲニステイングルクロニド類を含んでなる。
【0090】
ゲニステインは、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が、0.5mg/日から2000mg/日の範囲になるような濃度で使用されることが好ましい。栄養補助食品組成物は、1回の供給当り0.2mgから500mgのゲニステインを含んでなる。医薬品組成物は、例えば、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り0.5mgから500mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り0.5mgから2000mgの量でゲニステインを含むことができる。
【0091】
本明細書に用いられる「レスベラトロール」という用語は、その誘導体、代謝物または類縁体を含んでなる。炭素−炭素二重結合は、トランスでもシスでもよく、シス/トランス混合物をも含む。エーテル化またはエステル化ヒドロキシ基は、1個から26個の炭素原子を有する非置換または置換直鎖または分枝鎖アルキル基、または1個から26個の炭素原子を有する非置換または置換直鎖または分枝鎖脂肪族、芳香脂肪族または芳香族カルボン酸から誘導することができる。エーテル化ヒドロキシ基は、さらにグリコシド基であり得、エステル化ヒドロキシ基は、さらにグルクロニド基またはスルフェート基であり得る。本発明の目的のために主として関心が持たれるのは、(トランス)−レスベラトロールである。
【0092】
レスベラトロールは、好ましくは、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)に投与するのに十分な量である0.5mg/日から2000mg/日で、より好ましくは、5mg/日から500mg/日の用量で使用される。したがって、この組成物が、栄養補助食品組成物である場合、それに含まれるレスベラトロールの量は、1回の供給当り0.2mgから500mgの範囲であることが好ましい。この組成物が、医薬品組成物である場合、このような組成物は、好ましくは、例えば、固体製剤単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り0.5mgから500mg、または液体製剤の毎日の用量当り0.5mgから2000mgを含むことができる。
【0093】
本明細書に用いられる「EGCG」という用語は、(−)−エピガロカテキンガレート(より狭い意味でEGCG)および/または1種または複数種のその誘導体(エステル化体、グリコシド類、スルフェート類)、または(−)エピガロカテキン(EGC)、(−)エピカテキン−3−ガレート(ECG)、(−)エピカテキン(EC)、(+)ガロカテキン、(+)カテキンおよびそれらの誘導体など、緑茶に見られる他のカテキン類を含んでなる。本発明の目的のために主として関心が持たれるのは、(−)−エピガロカテキンガレートである。
【0094】
EGCGは、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が、5mg/日から2000mg/日、好ましくは、20mg/日から300mg/日の範囲になるような濃度で使用されることが好ましい。栄養補助食品組成物は、1回の供給当り2mgから500mgのEGCGを含むことが好ましい。この組成物が、医薬品組成物である場合、このような組成物は、例えば、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り5mgから500mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り10mgから2000mgの量でEGCGを含むことができる。
【0095】
ボスウェリア酸という用語は、純粋なボスウェリア酸およびその誘導体ならびにボスウェリア酸を含むエキスを包含する。例えば、3−O−アセチル−11−ケト−ベータ−ボスウェリア酸を含むボスウェリア酸エキスは、当業者に公知である。例えば、それは、5−LOXIN(登録商標)(PLトーマス(PL Thomas)社)と呼ばれる食品サプリメントで市販されている。このエキス自体は、ゲニハーブス(Geni Herbs)からWokVel(登録商標)として入手できる。それは、ボスウェリアセラータ(Boswellia serrata)から抽出できる。
【0096】
ボスウェリア酸(エキス)のヒト成人(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取量は、1日当り5mgと1000mgとの間が好ましく、1日当り100mgと500mgとの間が好ましい。
【0097】
栄養補助食品組成物は、1回の供給当り5mgと500mgの間のボスウェリア酸またはボスウェリア酸エキスを含むことが好ましい。この組成物が、医薬品組成物である場合、このような組成物は、好ましくは、例えば、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り50mgから500mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り50mgから1000mgの量でボスウェリア酸またはボスウェリア酸エキスを含むことができる。
【0098】
メチルスルホニルメタン(MSM)は、当業者に知られた方法により合成することができる。ヒト成人(例えば、約70kgの体重)によるメチルスルホニルメタンの毎日の摂取量は、好ましくは、1日当り100mgと7000mgとの間、1日当り500mgと2000mgとの間、最も好ましくは、1日当り250mgと750mgとの間である。
【0099】
栄養補助食品は、1回の供給当り5mgから3000mgのMSMを含むことが好ましい。医薬品は、好ましくは、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り10mgから1000mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り250mgから750mgの量でMSMを含むことができる。
【0100】
本発明のフレームワーク内で、SAMeはS−アデノシルメチオニンとして定義される。SAMeは市販されており、50mg/日と3000mg/日との間で投与することが好ましい。市販の製品に使用される量の例は、200mgのSAMe(400mgのSAMeトシレートジスルフェート);400mgのS−アデノシルL−メチオニン(SAMeから);200mgのS−アデノシルメチオニン;400mgのSAMe(S−アデノシルメチオニン1,4−ブタンジスルホネートとして)である。
【0101】
栄養補助食品は、1回の供給当り5mgから1000mgのSAMeを含むことが好ましい。医薬品は、好ましくは、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り10mgから1000mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り10mgから3000mgの量でSAMeを含むことができる。
【0102】
コラーゲン加水分解物は、動物軟骨から抽出することができるタンパク質の混合物である。それは、多くのサプリメント会社から市販されている。コラーゲン加水分解物およびコラーゲンは市販されており、ヒト成人(例えば、約70kgの体重)によるその毎日の摂取量は、好ましくは、1日当り500mgと10000mgとの間、好ましくは、1日当り2000mgと8000mgとの間である。
【0103】
本明細書で「コラーゲン」と称される非加水分解または未変性コラーゲンは、当業者に知られている方法によりニワトリ胸骨から単離することができる。
【0104】
栄養補助食品は、1回の供給当り5mgと5000mgとの間のコラーゲンまたはコラーゲン加水分解物を含むことが好ましい。医薬品組成物は、好ましくは、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り10mgから1000mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り10mgから5000mgの量でコラーゲンを含むことができる。
【0105】
本明細書に用いられる「アスコルビルホスフェート」という用語は、アスコルビン酸のモノ−およびポリ−リン酸エステル類の金属塩類を意味し、アスコルビン酸分子のリン酸化ヒドロキシ基は、1つまたは複数のリン酸(ホスフェート)単位を特徴とし、金属カチオン類、例えば、ナトリウムおよび/またはマグネシウムまたはカルシウムイオンもまた存在する。「ポリ」という用語は一般に、2〜10、好ましくは2〜4のホスフェート単位を意味する。モノ−およびポリホスフェートを包含させるために、アスコルビルホスフェート類は、一般に「アスコルビル(ポリ)ホスフェート類」と称することもできる。本発明の使用に代表的なアスコルビルホスフェート類は、ナトリウムアスコルビルホスフェート、カリウムアスコルビルホスフェート、マグネシウムアスコルビルホスフェート、カルシウムアスコルビルホスフェートおよびナトリウムマグネシウムL−アスコルビル−2−モノホスフェートなどのL−アスコルビン酸ホスフェートエステル塩類である。市販のアスコルビルホスフェート類は、DSMニュートリショナル・プロダクツAG(DSM Nutritional Products AG)(4303 Kaiseraugst、スイス国)からSTAY−C(登録商標)50として入手できるトリナトリウムL−アスコルビル−2−モノホスフェートおよび昭和電工から入手できるマグネシウムL−アスコルビルホスフェートならびにDSMニュートリショナル・プロダクツAG(4303 Kaiseraugst、スイス国)からROVIMIX(登録商標)STAY−C(登録商標)35として入手できるナトリウムマグネシウムL−アスコルビル−2−モノホスフェートおよびL−アスコルビン酸−モノホスフェートを含む。本発明の目的に好ましいアスコルビルホスフェートは、トリナトリウムL−アスコルビル−2−モノホスフェートである。アスコルビルホスフェートは、当業者に知られている多くの用量で栄養補助食品、医薬品、化粧品または皮膚科用製剤に組み込むことができる。
【0106】
リコペン(Ψ,Ψカロテン;C4056;CAS番号:502−65−8)は、カロテノイドファミリーに属し、11の共役二重結合、さらに2つの非共役炭素−炭素二重結合を含有する。リコペンは、主要な食物カロテノイド類の1種であり、種々の果実および植物、特にトマトおよびトマト製品に見られる。それはまた、例えば、スイカ、ピンクグレープフルーツ、グアバに生じる。
【0107】
リコペンは、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が、0.05mg/日から50mg/日、より好ましくは、0.5mg/日から30mg/日の範囲になるような濃度で使用されることが好ましい。栄養補助食品組成物は、1回の供給当り0.05mgから50mgのリコペンを含むことが好ましい。この組成物が、医薬品組成物である場合、このような組成物は、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤もしくは液体製剤当り0.5mgから50mgの量でリコペンを含むことができる。
【0108】
カルドールジエンの化学構造は、図1の構造(XII)に示されている。カルドールトリエンの化学構造は、図1の構造(XIII)に示されている。本発明の組成物にカルドールジエン(XII)を使用することが好ましい。
【0109】
カルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)は、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が、1mg/日から2000mg/日、好ましくは、5mg/日から500mg/日の範囲になるような濃度で使用されることが好ましい。栄養補助食品組成物は、1回の供給当り0.2mgと1000mgとの間のカルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)を含むことが好ましい。医薬品組成物の場合、カルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)の量は、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り0.5mgから2000mg、液体製剤の毎日の用量当り1mgと3000mgとの間で選択することができる。
【0110】
カルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)はまた、エキスの形態、例えば−好ましくは、有機相または超臨界流体−カシュー植物(アナカルジウムオクシデンターレ(Anacardium occidentale))のエキスまたはカシュー植物の一部のエキス、例えば、カシューフルーツのエキスの形態で使用することができる。
【0111】
カルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)は、当業者に知られた方法により合成または抽出および/または精製することができる。
【0112】
カルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)は、栽培者など従来の市販源から得ることができるカシュー植物に由来することが好ましい。多数のフェノール化合物が、アナカルジウムオクシデンターレ(Anacardium occidentale)、カシューナット、カシューナット殻、カシューアップル、およびT.ラジカンス(T.radicans)、T.ジベルシロバム(T.diversilobum)などの種々のトキシコデンドロン(Toxicodendron)種、またルスベルニシフルア(Rhus verniciflua)、およびメラノローエアウシタタ(Melanorrhoea usitata)に見られる。
【0113】
本明細書に使用されるカルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)は、当業界に知られた多数の方法により調製することができる。挙げられた植物は、任意の好適な手段により処理して記載された組成物を得ることができる。例えば、カシューアップルは、抽出することにより混合物を得ることができる。カルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)は、この混合物から直接得ることができるか、またはこの混合物を分画するか、および/または精製してカルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)を得ることができる。当業者に知られた多数の方法により、この組成物を分画するか、および/または精製することができる。分画法の例としては、有機溶媒との分配、クロマトグラフィー、例えば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)または超臨界流体の使用が挙げられる。
【0114】
カルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)は、例えば、メタノール:メチルt−ブチルエーテル(9:1)によるアナカルジウムオクシデンターレ(Anacardium occidentale)の乾燥植物材料の抽出に続き、このように得られた粗製エキスを、緩衝溶媒系の分取HPLCによる分画により得ることができる。
【0115】
カシューフルーツエキスは、カルドールジエン(XII)および/またはカルドールトリエン(XIII)が上記のとおりになるような量で使用することが好ましい。
【0116】
ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)は、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)と組合わせることもできる。「甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)」という用語は、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)ならびにそれに由来するエキスから誘導された植物の全ての部分を包含する。
【0117】
ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)はまた、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)などの甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から単離された化合物、より好ましくは、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸および3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノールの群からの少なくとも1種の化合物に富んだものと組合わせることができる。
【0118】
苗、幼植物、葉、花(任意に乾燥または粉砕形態で)または種子など、全体または一部として甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)は、乾燥および粉砕形態で使用できるか、または還流温度でまたはより低い温度で、エタノール、ジクロロメタンなどの溶媒により従来どおり抽出することができる。あるいは、それは、SFカーボンジオキシドなどの超臨界流体による抽出、または水と共に植物の水蒸気蒸留に次いで蒸留された有機部分のサンプリングにより抽出することができる。サンプリングは、例えば、ジクロロメタン、エチルアセテートなどのような有機溶媒よる抽出によって実行することができる。引き続き溶媒の除去により、所望の甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)エキスが得られる。
【0119】
このように得られた甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)エキスを、任意にさらに特定の化合物の含量を高める処理ステップに供して、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)などの甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)が高濃度の甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)エキス、より好ましくは、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸および3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノールの群からの少なくとも1種の化合物が高濃度なものを得ることができる。化合物(III)〜(XI)を図1に示す。
【0120】
カンナビゲロール酸モノメチルエーテル、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸および3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノールの群から選択される少なくとも1種の化合物が高濃度の甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)エキスが好ましい。
【0121】
全ての化合物(III)〜(XI)は、例えば、メタノール:メチルt−ブチルエーテル(MTB)(9:1)による甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の乾燥植物材料の抽出に続き、このように得られた粗製エキスを、例えば、緩衝溶媒系の分取HPLCによる分画により得ることができるか、または合成することができる。分画法の例としては、有機溶媒との分配、クロマトグラフィー、例えば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)または超臨界流体の使用が挙げられる。もちろん、(III)〜(XI)の化合物はまた、化学合成を介して得ることができる。
【0122】
化合物(III)〜(XI)は、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)に由来するエキスの形態で使用するのが好ましい。
【0123】
甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)エキスおよび/またはそれに含まれる化合物は、栽培者など従来の市販源から得ることができる甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)に由来することが好ましい。
【0124】
甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)ならびにそれに由来するエキスは、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が、0.5mg/日から2000mg/日、より好ましくは、5mg/日から500mg/日の範囲になるように使用されることが好ましい。栄養補助食品組成物は、0.5mgから1000mgの甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)エキスを含むことが好ましい。この組成物が、医薬品組成物である場合、このような組成物は、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り1mgから2000mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り1mgから3000mgの量の甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)エキス含むことができる。
【0125】
甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)から単離された個々の化合物は、ヒトを含む動物(例えば、約70kgの体重)による毎日の摂取が、0.5mg/日から2000mg/日、好ましくは、5mg/日から500mg/日の範囲になるような濃度で使用されることが好ましい。栄養補助食品組成物は、0.5mgから1000mgのこのような化合物を含むことが好ましい。この組成物が、医薬品組成物である場合、このような組成物は、1用量単位当り、例えば、1カプセル剤または1錠剤当り1mgから2000mgの量、または液体製剤の毎日の用量当り1mgから3000mgの量の甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)に含有される化合物の1種またはそれ以上を含むことができる。
【0126】
個々の化合物が、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)エキスの形態で使用される場合、個々の化合物の量が上記のような量でこのエキスを使用することが好ましい。
【0127】
ハルパゴフィタムプロカンベンス(Harpagophytum procumbens)(デビルスクロー)のエキスは市販されている。デビルスクローの活性成分は、ハルパゴシドと呼ばれるグリコシドである。デビルスクローの他の構成成分としては、ベータ−シトステロール、ハルパギド、プロカンビン、糖類、ガム樹脂および苦味成分が挙げられる。デビルスクローの用量は、当業者により容易に判定することができ、市販品と同じ範囲内であることが好ましい。
【0128】
乳タンパク質濃縮物は、乳タンパク質の加水分解物を含み、例えば、ブランデンバーグニュートリション(Brandenburg nutrition)からMicroLactin(商標)またはDSMフードスペシャリティーズ(DSM Food Specialities)からPeptoproとして市販されている。その用量は、当業者により容易に判定することができ、市販品と同じ範囲内であることが好ましい。
【0129】
セイヨウトチノキエキスとは、サポニン類の混合物を含んでなるトチノキ属ヒッポカスタナム(Aesculus hippocastanum)から得られるエキスのことである。
【0130】
ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)が、相乗効果を得るために組合わせることができる化合物の他の例は、可溶性ケラチン、セロリ種子エキス、セチル化脂肪酸、カルニチン、チモキノン、ルテイン、ゼアキサンチンおよびβ−クリプトキサンチンである。
【0131】
別の態様において、本発明は、本発明の組成物の有効量および化粧品用にまたは皮膚科用に許容できる担体を含んでなる化粧品用または皮膚科用製剤(後者の製剤は医薬品の特定のタイプである)に関する。
【0132】
化粧品用または皮膚科用組成物には、それぞれ従来の化粧品に皮膚科用アジュバントおよび/または添加物および/または追加の活性成分をさらに含むことができる。
【0133】
化粧品用または皮膚科用製剤は、皮膚の炎症、特にUV照射により生じた日焼け、接触皮膚炎(特におむつ領域皮膚炎)、アトピー性皮膚炎、乾燥症、湿疹、しゅさ、脂漏症、乾癬、神経皮膚炎、熱傷、光老化の治療、共治療または予防、または皮膚荒れの治療、共治療または予防のための皮膚ケア製剤であることが好ましい。皮膚荒れの例としては、にきび、ざ瘡、および炎症態様による他の皮膚荒れが挙げられる。
【0134】
「有効量」という用語は、化粧品用または皮膚科用組成物の全重量を基準にして上記に掲げた各活性剤の好ましくは少なくとも0.001%を意味する。化粧品用または皮膚科用製剤は、好ましくは、0.01重量%と20重量%との間、より好ましくは、0.05重量%と10重量%との間、さらにより好ましくは、0.1重量%と5重量%との間の量での上記に掲げたものから選択される活性剤を含んでなる。
【0135】
皮膚に適用されることができる化粧品用または皮膚科用製剤の量は、製剤中の活性成分の濃度および所望の化粧品または医薬品の効果に依存する。例えば、クリーム剤が皮膚に塗布されるような適用であり得る。クリーム剤は、約1mgから2mgのクリーム剤/cm皮膚の量で通常塗布される。しかしながら、皮膚に塗布される組成物の量は重要ではなく、ある一定量の塗布組成物で所望の効果が達成できなければ、より多くの活性成分を含有するより高濃度の活性製剤を使用することができるであろう。
【0136】
本発明はまた、皮膚の炎症の化粧品による治療、共治療または予防のため、特に日焼け、接触皮膚炎(特におむつ領域皮膚炎)、アトピー性皮膚炎、乾燥症、湿疹、しゅさ、脂漏症、乾癬、神経皮膚炎、熱傷、または光老化の化粧品による治療、共治療または予防のための化粧品製剤の使用に関する。
【0137】
また、本発明は、皮膚の炎症、特にヒトにおける日焼け、例えばざ瘡などの皮膚荒れ、または慢性皮膚炎症に関連する光老化の治療、共治療または予防のための方法に関するものであり、前記方法は、本発明による皮膚科用組成物の有効量を、それを必要とするヒトに投与するステップを含んでなる。また、本発明は、本発明による化粧品用製剤により皮膚の炎症、特に日焼けまたは皮膚荒れの化粧品による治療、共治療または予防のための方法に関する。日焼け予防は、好ましくは、好適な光遮断剤と併用して本発明の組成物を含んでなる局所適用により達成されることが好ましい。
【0138】
本発明による化粧品用または皮膚科用製剤は、溶媒または脂肪族物質中の懸濁液または分散液の形態、あるいはクリーム、ペースト、ローション、増粘ローションまたはミルク、軟膏形態での小胞性分散液、ゲル、固形チューブスティックまたはエアゾールムースなど、乳濁液またはミクロ乳濁液(特にO/WまたはW/Oタイプ、O/W/OまたはW/O/Wタイプ、Oは油相を表し、Wは水相を表す)の形態であり、ムース、発泡体またはスプレー発泡体、スプレー、スティックまたはエアゾールまたはワイプの形態で提供することができる。化粧品用または皮膚科用製剤の例は、皮膚ケア製剤、特にボディオイル、ボディローション、ボディゲル、トリートメントクリーム、皮膚保護軟膏、加湿ゲル、加湿スプレー、再活性化ボディスプレー、日焼け後用製剤または日焼け止め製剤である。
【0139】
例えば、日焼け、光老化または皮膚荒れなどの皮膚の炎症の治療、共治療または予防のための化粧品用または皮膚科用組成物は、従来どおりの経口投与の形態であり、その例は上記に説明されており、また美容食品およびサプリメントを含む。
【0140】
日焼け止め製剤としてまたは日焼け後用製剤の本発明の化粧品用または皮膚科用製剤は、例えば、通常の化粧品にそれぞれ、保存剤/抗酸化剤、脂肪族物質/油類、水、有機溶媒、シリコーン類、増粘剤、軟化剤、乳化剤、追加の光遮断剤、消泡剤、加湿剤、芳香剤、界面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性ポリマー類またはそれらの混合物、噴射剤、酸性化剤または塩基性化剤、染料、着色剤、色素またはナノ色素、光安定化剤、駆虫剤、皮膚日焼け剤、皮膚美白剤、抗菌剤、保存剤活性成分または化粧品に通常製剤化される他の成分などの皮膚科用アジュバントおよび/または添加剤をさらに含むことができる。
【0141】
本発明の化粧品用または皮膚科用製剤に組み込むことができる光遮断剤、例えば、日焼け止め剤は、IR、UV−A、UV−B、UV−Cおよび/または広帯域フィルタから選択されることが有利である。UV−Bまたは広域スペクトル遮断剤の例、すなわち、約290nmと340nmとの間の吸収極大を有する物質は、有機化合物でも無機化合物でもよい。有機UV−Bまたは広域遮断剤は、例えば、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレン、PARSOL(登録商標)340)、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのアクリレート類;4−メチルベンジリデンカンファー(PARSOL(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファー、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、スルホベンジリデンカンファー、スルホメチルベンジリデンカンファー、テレフタリデンジカンファースルホン酸などのカンファー誘導体;エチルヘキシルメトキシシンナメート(PARSOL(登録商標)MCX)、エトキシエチルメトキシシンナメート、ジエタノールアミンメトキシシンナメート(PARSOL(登録商標)Hydro)、イソアミルメトキシシンナメートなどのシンナメート誘導体、ならびにシロキサン類に結合させた桂皮酸誘導体;p−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシルp−ジメチルアミノベンゾエート、N−オキシプロピレン化エチルp−アミノベンゾエート、グリセリルp−アミノベンゾエートなどのp−アミノ安息香酸誘導体;ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;ジ−(2−エチルヘキシル)4−メトキシベンザルマロネートなどのベンザルマロン酸エステル類;欧州特許出願公開第0895 776号明細書に記載されている2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパンジオン酸ジエチルエステルなどの2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパンジオン酸のエステル類;ポリシリコーン−15(PARSOL(登録商標)SLX)などの欧州特許出願公開第0358584B1号明細書、欧州特許出願公開第0538431B1号明細書および欧州特許出願公開第0709080A1号明細書に記載されているベンズマロネート基を含有するオルガノシロキサン化合物;ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL);例えば、2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩類(PARSOL(登録商標)HS)などのイミダゾール誘導体である。2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩類は、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ塩類、アンモニウム塩類、モルホリン塩類、モノエタノールアミン塩類、ジエタノールアミン塩類などの第一級、第二級および第三級アミンの塩類;イソプロピルベンジルサリシレート、ベンジルサリシレート、ブチルサリシレート、エチルヘキシルサリシレート(PARSOL(登録商標)EHS、NEO Heliopan OS)、イソオクチルサリシレートまたはホモメンチルサリシレート(ホモサレート、PARSOL(登録商標)HMS、NEO Heliopan OS)などのサリシレート誘導体;エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul T−150)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(Uvasorb HEB)などのトリアジン誘導体である。カプセル化エチルヘキシルメトキシシンナメート(Eusolex UV−pearls)またはUVフィルタで装填されたミクロカプセルなどのカプセル化UVフィルタは、例えば、欧州特許第1471995号明細書などに開示されている。無機化合物は、微小粒子化TiO、ZnOなどの色素である。「微小粒子化」という用語は、約5nmから約200nm、特に約15nmから約100nmの粒径のことである。TiO粒子はまた、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの金属酸化物により、または例えば、ポリオール類、メチコーン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機コーティング剤によりコーティングすることができる。このようなコーティングは当業界に周知である。
【0142】
広域スペクトルまたはUV A遮断剤、すなわち、約320nmと400nmとの間の吸収極大を有する物質の例は、有機または無機化合物、例えば、4−tブチル−4’−メトキシジベンゾイル−メタン(PARSOL(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体;2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール(TINOSORB M)などのベンゾトリアゾール誘導体;ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(Tinosorb S)など;2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(Neoheliopan AP)などのフェニレン−1,4−ビス−ベンズイミダゾールスルホン酸類またはその塩類;欧州特許出願公開第1046391号明細書に記載された2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul Aプラス)などのアミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン類;国際公開第2005080341A1号パンフレットに記載されたイオン性UV−Aフィルタ;微小粒子ZnOまたはTiOなどの色素であり得る。「微小粒子化」という用語は、約5nmから約200nm、特に約15nmから約100nmの粒径のことである。この粒子はまた、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの他の金属酸化物により、または例えば、ポリオール類、メチコーン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機コーティング剤によりコーティングすることができる。このようなコーティングは当業界に周知である。
【0143】
ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性は限定されており、これらのUV−A遮断剤を光安定化させることが望ましいと考えらえる。したがって、「従来のUV−A遮断剤」という用語はまた、欧州特許出願公開第0 514 491B1号明細書および欧州特許出願公開第0 780 119A1号明細書に記載された、例えば、3,3−ジフェニルアクリレート誘導体により安定化された、例えば、PARSOL(登録商標)1789などのジベンゾイルメタン誘導体;米国特許第5,605,680号明細書に記載されたベンジリデンカンファー誘導体;欧州特許出願公開第0358584B1号明細書、欧州特許出願公開第0538431B1号明細書および欧州特許出願公開第0709080A1号明細書に記載されたベンズマロネート基を含有するオルガノシロキサン類のことでもある。
【0144】
本発明の化粧品用または皮膚科用製剤に含むことができる活性成分は、例えば、ビタミン類およびそれらの誘導体、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、アスコルビン酸、アスコルビルホスフェート、ビタミンQ、DおよびK、レチノール、レチナール、レチノイン酸、レチノールアセテート、レチノールパルミテート、ビオチン、ベータ−カロテンなどのカロテノイド誘導体、リコペン、アスタキサンチン、植物エキス、抗菌成分、ジペプチド類を含んでなる不安定なアミノ酸類、メチオニンなどのオリゴペプチド類およびポリペプチド類、システイン、シスチン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、フェノール類、ポリフェノール類またはフラボノイド類、ビスアボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸類、補酵素Q10などのユビキノン類、セラミド類、疑似セラミド類、必須油類、植物エキスのデオキシリボ核酸、フィタン酸である。
【0145】
化粧品用および皮膚科用アジュバント、添加物および/または追加の活性成分の必要な量は、所望の製品に基づいて当業者により容易に選択することができ、実施例に例示されるが、それに限定されない。
【0146】
なお別の実施形態において、本発明は、リグスチリド、オレウロペインアグリコン(II)、チロソール、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキス、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、メチルスルホニルメタン、SAMe、コラーゲン加水分解物、コラーゲン、アスコルビルホスフェート、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、デビルスクロー、乳タンパク質濃縮物、可溶性ケラチン、セロリ種子エキス、セチル化脂肪酸、カルニチン、チモキノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)、カルドールジエン(XII)、カルドールトリエン(XIII)、カシューフルーツエキス、ボスウェリア酸、カルノシン酸、ウルソール酸、セイヨウトチノキエキス、ジオスメチン、トリプタントリン、ジオスゲニン、クルクミンおよび誘導体、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)および白ヤナギ樹皮エキス、特にリグスチリド、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロールおよびEGCGの群から選択される1種または複数種の化合物の抗炎症活性を増強させるための、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)の使用に関する。
【0147】
好ましくは、本発明は、リグスチリド、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロールおよびEGCGの群から選択される1種または複数種の化合物の抗炎症活性を増強させるための、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールの使用に関する。
【0148】
したがって、本発明は、リグスチリドの抗炎症活性を増強させるためにヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールの使用に関する。
【0149】
別の実施形態において、本発明は、ホノキオールの抗炎症活性を増強させるための、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールの使用に関する。ホノキオールは、ホノキオールおよびマグノロールを含んでなるマグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキスの形態で使用することが最も好ましい。
【0150】
さらなる一実施形態において、本発明は、ゲニステインの抗炎症活性を増強させるための、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールの使用に関する。
【0151】
さらなる一実施形態において、本発明は、レスベラトロールの抗炎症活性を増強させるための、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールの使用に関する。
【0152】
さらなる一実施形態において、本発明は、EGCGの抗炎症活性を増強させるための、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールの使用に関する。
【0153】
別の実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)を含有する組成物に、リグスチリド、オレウロペインアグリコン(II)、チロソール、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキス、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、メチルスルホニルメタン、SAMe、コラーゲン加水分解物、コラーゲン、アスコルビルホスフェート、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、デビルスクロー、乳タンパク質濃縮物、可溶性ケラチン、セロリ種子エキス、セチル化脂肪酸、カルニチン、チモキノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)、カルドールジエン(XII)、カルドールトリエン(XIII)、カシューフルーツエキス、ボスウェリア酸、カルノシン酸、ウルソール酸、セイヨウトチノキエキス、ジオスメチン、トリプタントリン、ジオスゲニン、クルクミンおよび誘導体、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)および白ヤナギ樹皮エキス、特にリグスチリド、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロールおよびEGCGの群から選択される1種または複数種の成分の有効量を添加することを含んでなる、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)の効力を増強させる方法に関する。「有効量」という用語は、相乗効果を得るのに必要な量のことである。この用量は、もちろん、特定の組成物の物理的特性、および投与様式ならびに投与経路;レシピエントの年令、健康状態および体重;症状の性質および程度;同時治療の種類;治療回数;および所望の効果など、知られた因子に依って変わる可能性があり、当業者により調整することができる。
【0154】
したがって、好ましい実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)を含有する組成物にリグスチリドの有効量を添加することを含んでなる、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)の効力を増強させる方法に関する。
【0155】
別の好ましい実施形態において、本発明はまた、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールを含有する組成物にホノキオールの有効量を添加することを含んでなる、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)の効力を増強させる方法に関する。ホノキオールは、ホノキオールおよびマグノロールを含んでなるマグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキスの形態で使用されることが最も好ましい。
【0156】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)を含有する組成物にゲニステインの有効量を添加することを含んでなる、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールの効力を増強させる方法に関する。
【0157】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)を含有する組成物にレスベラトロールの有効量を添加することを含んでなる、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールの効力を増強させる方法に関する。
【0158】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)を含有する組成物にEGCGの有効量を添加することを含んでなる、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、特にヒドロキシチロソールの効力を増強させる方法に関する。
【0159】
本発明による組成物はまた、関節における軟骨減損または軟骨損傷の治療、共治療または予防にも好適であり、したがって関節障害、例えば、骨関節炎;またはスポーツ傷害などの変性関節障害の軟骨減損要素の治療にも好適である。軟骨減損は、本発明のフレームワーク内では、基質の金属プロテアーゼなどの軟骨減損酵素の産生増加を特徴とする関節軟骨の代謝障害として定義される。
【0160】
骨関節炎は、加齢時の関節の摩耗および断裂により発現する非炎症性起源の関節の慢性変性疾患であり、痛みおよび関節機能の減少がもたらされる。骨関節炎の症状としては、痛み、剛直性および1つまたは複数の関節の運動性損失が挙げられる。過度の関節負荷は、骨関節炎の危険性を増大させ、したがって、骨関節炎は主に、脊椎、膝および股関節などの体重負荷関節が患うが、親指および指の関節も患う可能性がある。関節障害は、傷害、すなわち、微小損傷または鈍的外傷、骨折、腱に対する損傷、半月板または靭帯からも生じ得るし、または過度の機械的ストレスまたは、例えば、傷害または肥満から生じる他の生体力学的不安定性の結果でもあり得る。
【0161】
軟骨減損による関節障害は、高齢者における身体障害および機能障害の主要原因であり;60才を超えるほぼ80%の人々が、これら障害の何らかの証拠を示す。年令、遺伝子因子、筋肉の不使用および脱力、外傷、肥満および解剖学的異常は、障害の発現に寄与する。
【0162】
関節障害の治療は困難である。今日まで治療は大部分が、主として非ステロイド系抗炎症薬により、その症状の治療に限定されている。この薬物は、痛みを制御し、腫脹を抑制するために投与されるが、軟骨に対する損傷の予防または治療をしない。重度の軟骨損傷患者は、しばしば関節代替手術などの外科手術を必要とする。したがって、軟骨の損失および損傷を治療するかまたは予防する薬剤が大いに求められており、その要求は本発明により解決された。
【0163】
本発明の組成物は、1つまたは複数の以下の性質を有し得る:
組成物は関節の健康を維持し、および/または改善し、関節の剛直を予防し、関節の運動性を促進し、しなやかなおよび/または柔軟性のある関節を提供し、関節を滑らかにし、関節炎の痛みを軽減し、関節問題を減らし、関節ケアを提供し、関節の減損を治療または予防し、関節の完全性を提供し、関節損傷の進行を遅らせるかまたは予防し、関節機能を維持し、関節の健康および機能を促進し、活動的な個人に対して関節の健康および運動性を自然に維持し、関節の活動的な柔軟性を維持し、関節の柔軟性を促進し、関節の運動性を促進する。
【0164】
したがって、本発明のさらなる目的は:
・軟骨再生剤および維持剤としての本発明による組成物の使用
・関節健康の維持のための本発明による組成物の使用
・関節軟骨の維持および再生のための(組成物の製造のための)本発明による組成物の使用
・本発明による組成物の有効量を、このような再生および/または維持を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、哺乳動物における(関節)軟骨の再生および/または維持のための方法、
である。
【0165】
次に本発明を、以下の実施例により説明するが、それらに限定されない。
【0166】
[実施例]
以下の実施例において、「(A)群」は、以下の化合物群として定義される:リグスチリド、オレウロペインアグリコン(II)、チロソール、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキス、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、メチルスルホニルメタン、SAMe、コラーゲン加水分解物、コラーゲン、アスコルビルホスフェート、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、デビルスクロー、乳タンパク質濃縮物、可溶性ケラチン、セロリ種子エキス、セチル化脂肪酸、カルニチン、チモキノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)、カルドールジエン(XII)、カルドールトリエン(XIII)、カシューフルーツエキス、ボスウェリア酸、カルノシン酸、ウルソール酸、セイヨウトチノキエキス、ジオスメチン、トリプタントリン、ジオスゲニン、クルクミンおよび誘導体、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)および白ヤナギ樹皮エキス。
【0167】
ヒドロキシチロソールは、ケイマン・ケミカルズ(Cayman Chemicals)から市販されているか、またはDSMニュートリショナル・プロダクツにより合成された。レスベラトロール、リグスチリド、EGCGおよびゲニステインは、DSMニュートリショナル・プロダクツにより合成された。マグノリア(Magnolia)樹皮エキスは、Novanat Bioresources Co.Ltd.、中国に由来し、その仕様書によると>80%のマグノロールおよびホノキオールを含有した。オレウロペイン、マグノロールおよびホノキオールは、和光純薬工業株式会社、日本国、アピン・ケミカルズ社(Apin Chemicals Ltd.)、英国、シグマ(Sigma)、またはクロマデックス(ChromaDex)にて購入することができるか、またはDSMニュートリショナル・プロダクツにより合成された。
【0168】
[実施例1:相乗効果]
OH−チロソールまたはオレウロペインと、他の群の天然物質の代表例(イソフラボン類、カテキン類、フタリド類、ヒドロキシル化ビフェニル類)との抗炎症効果の組合わせを、酸化窒素および/または炎症誘発性プロスタグランジン(PG)類の合成阻害を測定することによって活性化マクロファージにおいて評価した。PGEは、炎症過程において重要な役割を果たし、一方、酸化窒素(NO)は、種々の形態の関節炎、胃腸疾患および代謝症候群を含む種々の慢性炎症疾患における炎症の証明となる。実験に用いられる化合物は、濃厚形態でDMSOに溶解させ、アッセイを妨げる副産物を含有しなかった。最終媒体(DMSO)濃度は、アッセイにおいて0.2%v/vを超えなかった。
【0169】
化合物の抗炎症効果は、American Type Culture Collection(ATCC)から購入されたマウスのマクロファージ指標細胞系RAW267.7を用いて細胞アッセイで試験し、ATCCにより提供されたプロトコルに従ってDMEM中で培養した。細胞(約50,000/ウェル)を、平底マイクロタイタープレートに接種し、1日培養した。次に細胞を、0.25%FCS(D−025)を含有する完全培地中で飢餓状態にした。一晩培養後、培地を除き、最終濃度の2倍の試験化合物を含有する100μLのD−025により置き換えた。引き続き、2μg/mlのLPSを含有する100μLのD−025を加え(すなわち、1μg/mlの最終LPS濃度)、細胞を24時間培養した。物質は通常、2倍希釈のステップで0.2μMから50μM(またはエキスの場合μg/ml)の濃度範囲で試験した。細胞により放出された酸化窒素から発生した亜硝酸塩の濃度を、標品として亜硝酸ナトリウムを用いてグリース(Griess)反応により測定した(例えば、イマイ(Imai)ら、Biochem Biophys Res Comm、197、105頁[1993])。手短に言えば、50μlの上澄液を、グリース試薬1(25μL)およびグリース試薬2(25μL)と混合して遠心分離し、540nmでの光学密度を測定した。細胞培養培地中に分泌されたPGEを、ケイマン・ケミカルズ(アンハーバー、ウィスコンシン州、米国)から入手したEIAにより測定し、その製造元の取扱説明書に従って用いた。IC50値は、最良適合曲線(エクセル適合ソフトウェアプログラム)に関する2パラメトリック最小自乗適合式[y=A+((B−A)/(1+((C−x)^D))]を用いて算出された。
【0170】
表1に、個々に全ての物質が炎症伝達物質の産生を阻害したことが示されている。これはIC50値により示され、物質に特異的な生物学的力価を反映するため物質間で変わる。
【0171】
表2に、レスベラトロール、リグスチリド、EGCG、ホノキオール、ゲニステインまたはマグノリア(Magnolia)樹皮エキスと組合わせた場合のヒドロキシチロソール(OH−チロソール)またはオレウロペインが、酸化窒素の産生を相乗的に阻害することが示されている。Δ(観測された−加算)に関する正の値は、2つの物質が、混合物の個々の2つの成分の阻害力より性能が優れていることを意味する。「観測された」とは、実測された阻害を意味する。「加算」とは、2つの化合物の阻害の理論的総計を意味する。
【0172】
【表1】

【0173】
【表2】

【0174】
[実施例2:リコペン、レスベラトロールおよびOH−チロソールの組合わせにより観測された相乗効果]
実施例1に記載されたものと同様の方法論的アプローチにおいて、炎症応答に対するリコペン、レスベラトロールおよびOH−チロソールの相乗効果を試験した。マクロファージにおける酸化窒素またはPGEの産生に対する各物質の用量依存効果を測定した。レスベラトロールまたはOH−チロソールとは異なり、リコペンは、抗炎症効果は無かった(<8μmol/Lで)。相乗効果が明らかであった濃度範囲で、単一の化合物は、炎症伝達物質に対する阻害効果が低いか、または無かった。さらに予想外なことに、この組合わせにより、活性化マクロファージにより産生されたNOを有意に減少させた。同様の特徴が、PGE産生に対する効果について見られた。
【0175】
【表3】

【0176】
【表4】

【0177】
驚くべきことに、このデータにより、リコペン対レスベラトロール対OH−チロソールの約1:6:6のモル比の組み合わせで、酸化窒素およびPGEに例示される炎症伝達物質の産生に対する相乗的阻害効果が働くことが示された。
【0178】
[実施例3:軟ゼラチンカプセル]
軟ゼラチンカプセルは従来の手法により調製し、200mgのヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)ならびに50mgの上記に定義された(A)群から選択された少なくとも1種の化合物(例えば、EGCG)の用量を提供する。好適な毎日の用量は1個から8個のカプセルである。他の成分は:グリセロール、水、ゼラチン、植物油である。
【0179】
[実施例4:硬ゼラチンカプセル]
硬ゼラチンカプセルは従来の手法により調製し、400mgのヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)ならびに100mgの上記に定義された(A)群から選択された少なくとも1種の成分(例えば、マグノリア樹皮エキス)の用量を提供する。好適な毎日の用量は1個から5個のカプセルである。
【0180】
他の成分は:
充填剤:適量の乳糖またはセルロースまたはセルロース誘導体、
潤滑剤:必要ならばステアリン酸マグネシウム(0.5%)である。
【0181】
[実施例5:錠剤]
錠剤は従来の手法により調製し、1錠剤当り100mgのヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)の活性成分ならびに上記に定義された(A)群から選択された少なくとも1種の成分、100mgのリグスチリド、賦形剤として500mgの微結晶性セルロース、二酸化シリコーン(SiO)、ステアリン酸マグネシウム、クロスポビドンNF(崩壊剤である)を提供する。
【0182】
[実施例6:ソフトドリンク]
ベータ−カロテン10%CWSで着色され、ヒドロキシチロソールおよび上記に定義された(A)群から選択される少なくとも1種の成分を有するオレンジジュースドリンクは以下のとおり調製することができる:
【0183】
【表5】

【0184】
[調製]
−攪拌しながら水中の安息香酸ナトリウムを溶解する
−攪拌を続け、糖シロップ、アスコルビン酸、クエン酸、ペクチン溶液、ジュース化合物を次々に加える。高スピードミキサーは使用しない
−ビン詰めシロップを(炭酸)水で1リットルの飲料に希釈する
【0185】
【表6】

【0186】
[ジュース化合物の調製]
−ジュース濃縮液に脱イオン水を加え、緩やかに攪拌してジュース濃縮液を水和させる。
−油性風味料およびベータ−カロテン10%CWS原液を加え、ロータ−ステータ−ホモジナイザー中で予備乳化する。
−高圧ホモジナイザー中、200バールでホモジナイズする。
【0187】
[実施例7:日焼けにより生じた皮膚の炎症の(化粧品による)治療に使用することができるヒドロキシチロソール(トリートメントクリーム)を含んでなる皮膚科用組成物の調製]
【0188】
トリートメントクリームは、以下の成分により、以下の量で調製することができる:
【0189】
【表7】

【0190】
[手法:]
A)部およびB)部を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、攪拌しながらA)部にB)部を加える。攪拌しながら約45℃に冷却する。C)部を加える。11000rpmでホモジナイズして小粒径を得る。攪拌しながら周囲温度に冷却する。次いでD)部を加える。
【0191】
[実施例8:O/W日光用乳剤]
【0192】
【表8】

【0193】
[手法:]
A)部およびB)部を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、攪拌しながらA)部にB)部を加える。攪拌しながら周囲温度に冷却してC)部を加える。ホモジナイズして小粒径を得る。
【0194】
[実施例9:耐水日光用乳剤]
【0195】
【表9】

【0196】
[手法:]
A)部およびB)部を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、攪拌しながらA)部にB)部を加える。攪拌しながら周囲温度に冷却してC)部を加える。ホモジナイズして小粒径を得る。
【0197】
[実施例10:乳児および小児のための日光用乳剤]
【0198】
【表10】

【0199】
[手法:]
A)部およびB)部を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、攪拌しながらA)部にB)部を加える。攪拌しながら周囲温度に冷却してC)部を加える。ホモジナイズして小粒径を得る。
【0200】
[実施例11:抗にきび皮膚トニック]
【0201】
【表11】

【0202】
[手法:]
部分1の全ての成分を加え、均質な溶液が得られるまで激しく混合する。酢酸によりpHを6.5に調整する。
【0203】
[実施例12:Stay−C50による抗ざ瘡治療]
【0204】
【表12】

【0205】
[手法:]
部分1を85℃まで加熱し;また部分2を85℃まで過熱する。双方とも同じ温度を有したら、激しくホモジナイズしながら部分1に部分2を加える。攪拌しながら生成物を35℃に冷却する。ここで部分3を加えて再度激しくホモジナイズする。一般に、乳濁液を生成させ真空を用いることが推奨される。
【0206】
[実施例13:日中用保護クリーム]
【0207】
【表13】

【0208】
[手法:]
A)部、B)部およびC)部を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、攪拌しながらA)部にB)部およびC)部を加える。攪拌しながら周囲温度に冷却してD)部およびE)部を加える。ホモジナイズして小粒径を得る。
【0209】
[実施例14:ヒドロキシチロソールおよびゲニステインを含んでなる乾燥ドッグ飼料]
市販の乾燥ドッグフード(ヒルズペットニュートリション社(Hill’s Pet Nutrition GmbH)、Liebigstrasse2−20、D−22113により供給されたヒルズサイエンス(Hill’s Science)のイヌ用飼料「Canine Maintenance dry」)に、体重1kg当り200mgから1gのヒドロキシチロソール、および0.1mgから3mgのゲニステインの毎日の用量を対象に投与するのに十分な量のヒドロキシチロソールおよびゲニステインの水溶液をスプレーする。さらにビタミンCおよびビタミンEならびにベータ−カロテンを、最終フード組成物に30mgのビタミンC/kg、300mgのIUビタミンE/kgおよび280mgのベータ−カロテン/kgを提供するのに十分な量で組み込んでから混合物全体を押出す。約90重量%の乾燥物質を含有するようにこのフード組成物を乾燥する。
【0210】
[実施例15:ヒドロキシチロソールおよびゲニステインを含んでなる湿性キャットフード]
市販の湿性キャットフード(ヒルズペットニュートリション社、Liebigstrasse2−20、D−22113により供給されたヒルズサイエンスのネコ用飼料「Feline Maintenance wet」)を、200mgから1gのヒドロキシチロソールの毎日の用量を対象に投与するのに十分な量のHIDROX(登録商標)の2%スプレー乾燥粉末と混合する。さらにDSMニュートリショナル・プロダクツAGから入手できるROVIMIX(登録商標)STAY−C(登録商標)35、ビタミンEおよびベータ−カロテンを、最終フード組成物に30mgのROVIMIX(登録商標)STAY−C(登録商標)35/kg、300mgのIUビタミンE/kgおよび280mgのベータ−カロテン/kgを提供するのに十分な量で組み込んでから混合物全体を調理する。約90重量%の乾燥物質を含有するようにこのフード組成物を乾燥する。
【0211】
[実施例16穀物バー/ノンベークド]
【0212】
【表14】

【0213】
[2.調製:]
【0214】
【表15】

【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)、ならびにリグスチリド、オレウロペインアグリコン(II)、チロソール、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキス、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、メチルスルホニルメタン、SAMe、コラーゲン加水分解物、コラーゲン、アスコルビルホスフェート、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、デビルスクロー、乳タンパク質濃縮物、可溶性ケラチン、セロリ種子エキス、セチル化脂肪酸、カルニチン、チモキノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)、カルドールジエン(XII)、カルドールトリエン(XIII)、カシューフルーツエキス、ボスウェリア酸、カルノシン酸、ウルソール酸、セイヨウトチノキエキス、ジオスメチン、トリプタントリン、ジオスゲニン、クルクミンおよび誘導体、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)および白ヤナギ樹皮エキスの群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなる組成物。
【請求項2】
少なくとも1種の追加の成分が、リグスチリド、オレウロペインアグリコン(II)、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、ボスウェリア酸、マグノリア樹皮エキス、カシューフルーツエキスおよび甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)の群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ヒドロキシチロソール、リコペンおよびレスベラトロールを含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ヒドロキシチロソールが、オリーブエキスを含有するヒドロキシチロソールの形態である請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
炎症性障害の治療、共治療または予防のための薬剤としての請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項6】
関節健康の維持のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項7】
関節障害の治療、共治療および予防のための薬剤としての請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物および栄養補助食品として許容できる担体を含んでなる栄養補助食品。
【請求項9】
食品、食物、食物サプリメント、栄養サプリメント、または食品もしくは食物用サプリメント組成物である請求項8に記載の栄養補助食品。
【請求項10】
ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)の量が、1回の供給当り0.01gから1g、より好ましくは、0.2mgから500mgである請求項8および9に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項11】
薬物として使用するための請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
炎症性障害の治療処置、共治療または予防を目的とした薬物の製造のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項13】
前記炎症性障害が関節炎である請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記炎症性障害が皮膚の炎症である請求項12に記載の使用。
【請求項15】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物および薬学的に許容できる担体を含んでなる薬剤。
【請求項16】
散剤、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、液剤または固形剤の形態である請求項15に記載の薬剤。
【請求項17】
皮膚科目的用である請求項15に記載の薬剤。
【請求項18】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物および化粧品として許容できる担体を含む化粧品組成物。
【請求項19】
皮膚ケア製剤である請求項18に記載の化粧品組成物。
【請求項20】
動物における炎症性障害の治療、共治療または予防のための方法であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の有効量を、このような治療を必要とする動物に投与するステップを含んでなる方法。
【請求項21】
前記炎症性障害が関節炎である請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記炎症性障害が皮膚の炎症である請求項20に記載の方法。
【請求項23】
リグスチリド、オレウロペインアグリコン(II)、チロソール、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキス、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、メチルスルホニルメタン、SAMe、コラーゲン加水分解物、コラーゲン、アスコルビルホスフェート、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、デビルスクロー、乳タンパク質濃縮物、可溶性ケラチン、セロリ種子エキス、セチル化脂肪酸、カルニチン、チモキノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)、カルドールジエン(XII)、カルドールトリエン(XIII)、カシューフルーツエキス、ボスウェリア酸、カルノシン酸、ウルソール酸、セイヨウトチノキエキス、ジオスメチン、トリプタントリン、ジオスゲニン、クルクミンおよび誘導体、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)および白ヤナギ樹皮エキスの群から選択される1種または数種の化合物の抗炎症活性を増強させるためのヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)の使用。
【請求項24】
ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)を含有する組成物に、リグスチリド、オレウロペインアグリコン(II)、チロソール、マグノリアオフィシナリス(Magnolia officinalis)樹皮からのエキス、マグノロール、ホノキオール、ゲニステイン、レスベラトロール、EGCG、メチルスルホニルメタン、SAMe、コラーゲン加水分解物、コラーゲン、アスコルビルホスフェート、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、デビルスクロー、乳タンパク質濃縮物、可溶性ケラチン、セロリ種子エキス、セチル化脂肪酸、カルニチン、チモキノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(III)、アモルフルチンB(IV)、アモルフルチンA(V)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VI)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(VII)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−ペンチル−安息香酸(VIII)、3−メトキシ−2−(3−メチル−2−ブテニル)−5−(2−フェニルエチル)−フェノール(IX)、式(X)の化合物および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテニル)−6−(2−フェニルエチル)−安息香酸(XI)、カルドールジエン(XII)、カルドールトリエン(XIII)、カシューフルーツエキス、ボスウェリア酸、カルノシン酸、ウルソール酸、セイヨウトチノキエキス、ジオスメチン、トリプタントリン、ジオスゲニン、クルクミンおよび誘導体、甘草フォエチダ(Glycyrrhiza foetida)および白ヤナギ樹皮エキスの群から選択される1種または数種の成分の有効量を添加することを含んでなる、ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペイン(I)の効力を増強させる方法。

【公表番号】特表2010−500964(P2010−500964A)
【公表日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519833(P2009−519833)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006188
【国際公開番号】WO2008/006581
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】