線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムにおける制御及び安全制動方法及び装置
一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含む個別用高速輸送システムにおける一つ以上の車両がトラックに沿って移動するとき、前記一つ以上の車両の車両速度を制御するための速度制御システムであって、それぞれのモーターは前記一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになり、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムは、前記一つ以上の車両の前記車両速度を制御するように、車両位置及び/または速度センサーから受信した一つ以上のセンサー信号に基づいて前記モーターの中で少なくとも一つのモーターによって生成された前記推力を制御するようになる速度調節サブシステム、及び前記一つ以上の車両の中でそれぞれの車両内に含まれて、前記速度調節サブシステムによる車両速度制御とは無関係に、前記車両上に装着された非常ブレーキを作動させるようになる車両制御システムを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は速度制御に係り、特に線形誘導モーターによって推進される、いわゆる個別用高速輸送システム(Personal Rapid Transit system:以下PRTという)における安全制動に関するもので、より詳しくはハードウェア、ソフトウェア及び通信上の故障に対して堅牢な方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
個別用高速輸送システムは個別的な注文型運送サービスを提供する小型車両を含む。本発明は、トラック内に(in the track)装着されたまたは車両上に(on−board the vehicle)装着された線形誘導モーター(linear induction motor:LIM)の推力によってトラックに沿って車輪で運行する車両を備える個別用高速輸送システムに関するものである。通常、それぞれの車両は3または4人の乗客を持ち運ぶ。したがって、車両がコンパクトで軽く、これにより結局PRT案内路(guide−way:トラック)構造が通常の電車または地下鉄システムのような通常的な鉄路システムに比べて軽くなる。したがって、PRTシステムの建設費が他の解決策の建設費よりずっと低い。PRTシステムは視覚影響がより小さく、低い騷音を発生させ、また局所的な大気汚染を発生させないので、より環境に優しい。また、PRT駅舎は既存の建物内部に建設できる。これに対し、運転間隔(headway)/自由距離(free distance)が比較的短く維持できるので、PRTシステムの交通容量はバス及び路面軌道のような既存の交通手段と同等である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、PRTシステムは車両間の速度及び距離を制御するための速度制御システムを含む。ハードウェアまたは通信上の故障、ソフトウェアエラー及び電源喪失は車両制御の不能を引き起こすことができる。このために、信頼することができて安全な制御システムを提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、前記及びその他の問題は、一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含む個別用高速輸送システムにおける一つ以上の車両がトラックに沿って移動するとき、一つ以上の車両の車両速度を制御するための速度制御システムによって解決され、ここで、それぞれのモーターは一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになり、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムは、一つ以上の車両の車両速度を制御するように、車両位置及び/または速度センサーから受信した一つ以上のセンサー信号に基づいてモーターの中で少なくとも一つのモーターによって生成された推力を制御するようになる速度調節サブシステム、及び一つ以上の車両の中でそれぞれの車両内に含まれて、前記速度調節サブシステムによる車両速度制御とは無関係に、車両上に装着された非常ブレーキを作動させるようになる車両制御システムを含む。
【0005】
一実施例において、個別用高速輸送システムはトラックに沿って位置する複数のモーターを含むイントラック(in−track)車両推進システムを含み、それぞれのモーターは、車両がモーターの近くにあるとき、一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになる、車両速度を制御するための速度制御システムが提供される。
【0006】
他の実施例において、個別用高速輸送システムは、それぞれの車両がモーターの中で少なくとも一つのモーターを含むオンボード(on−board)型車両推進システムを含む、車両速度を制御するための速度制御システムに提供される。オンボード推力はより少ない個数のモーターを含み、多くの場合に費用が低くかかり、オンボード推力がそれぞれの車両への動力の伝達を要求するが円滑な制御を容易にする。
【0007】
結果的に、車両速度及び車両間距離の正常な制御はモーターによって発生した推力を制御する速度調節サブシステムによって実行され、またモーターはトラック内に位置するかまたはそれぞれの車両のボード上に位置する。このような制御は、車両位置及び速度を検出するトラック装着型または車両装着型センサーとそれぞれの車両下部またはそれぞれの車両上部のLIMまたはLIMの推力を制御するためのそれぞれの車両のための速度命令を発生させる領域制御器に基づくことができる。速度命令は有線または無線通信を介してそれぞれのモーター制御器にまたは車両装着型車両制御器に送信できる。
【0008】
それぞれの車両は車両制御システムを含み、車両制御システムは、非常ブレーキ、例えば線路上に作用する機械式非常ブレーキを制御する。好ましくは、車両制御システムは、速度調節システムによって実行される正常な速度制御とは無関係に、作動可能であり、好ましくは動力への接近なしに、特に線路からの動力なしに、自発的に非常ブレーキを作動させるようになる。
【0009】
モーターを非常制動のために充分に強く寸法調整するよりは、モーターを正常な速度調節のために寸法調整するのに十分であるというのが本明細書で説明するシステムの利点である。いくつかの構成要素またはソフトウェアが故障しても、事故を確実に避けることができる方式で作動される非常ブレーキメカニズムを前記システムが含むというのがさらなる利点である。
【0010】
具体的に、本明細書で説明するシステムは、電源とモーターを倍加する費用を避ける安全非常制動メカニズムを提供する点が本明細書で説明するシステムの利点である。
【0011】
本明細書で説明するシステムは、ハードウェア、電源、通信及びソフトウェアの大部分の故障モードで安全な制動を保障することが本明細書で説明するシステムのさらなる利点である。
【0012】
実施例によっては、速度調節サブシステムは、一つ以上のモーター制御器、及び前記センサー信号を受信するようになり、前記モーター制御器がそれぞれの車両の前記速度を調整するようにするための速度命令を生成するようになる少なくとも一つの領域制御器を含み、それぞれのモーター制御器は、前記一つ以上のモーターの中で少なくとも一つのモーターを制御するようになる。イントラックシステムにおいて、領域制御器とセンサーの間及び/または領域制御器とモーター制御器の間の通信が有線通信に基づくとき、特に確実な通信が提供される。
【0013】
好適な実施例において、非常ブレーキはすべてのものが正常に作用する限りは、事前負荷圧力、例えば油圧によって抑制される事前負荷式スプリングを含む。
【0014】
非常ブレーキシステムと係わる車両への通信は通常無線通信に基づく。しかし、無線通信は故障することができる。したがって、実施例によっては、車両制御システムは再帰的な、例えば周期的なOK信号を受信し、信号が消えれば所定の遅延の後に非常ブレーキを作動させる。短い持続時間の一時的な撹乱によって引き起こされる偶発的な制動の危険を減らすというのが本明細書で説明するシステムの利点である。実施例によっては、車両が所定の距離内で停止するように、遅延は車両の速度によって決まる。
【0015】
他の実施例において、車両制御システムは残りの自由距離を示す周期的なメッセージ、すなわち車両がいくら遠く移動することができるかを示すメッセージを受信する。また、車両制御システムは、自体の位置及び速度のトラックを維持し、非常ブレーキを適用するか否かを判断する。例えば、車両線路トランスポンダ(transponder)及びホイールセンサーによって自体の位置及び速度を決定することができる。車両制御システムは、車両位置及び速度を計算し、残余距離及び現在速度に基づいて制動に対する必要性を決定する。
【0016】
受信したメッセージは相対的な距離として直接自由距離を、例えばメートルでまたは他の適切な長さ単位で示すことができる。その代わりに、受信したメッセージが車両前方の自由距離の終端点を示すことにより、車両の正確な位置及び速度と無関係に、距離計算及びデータ通信での任意の遅延と無関係な実際の自由距離を確実に表示することができる。しかし、例えば自由距離の終端に到達するまで、現在車両速度での移動時間などのような自由距離に対する他の尺度が提供されるという事実が理解される。
【0017】
領域制御器、通信またはモーター制御器または車両に対する無線通信の故障は、許容された自由距離が延長しなく車両が停止するように、新しいメッセージを中断させる。短期間の通信中断による不要な停止の危険を減らすというのがこの実施例の利点である。
【0018】
線路センサー故障の影響は、車両制御システムが距離が固定されないとみなす前に自由トラック距離を示す二つのセンサーを要求することにより、減らすことができる。
【0019】
位置及び速度は線路内の表示(marker)とともに一つ以上の車両ホイール上のセンサーによって測定できる。
【0020】
ソフトウェアエラーの影響は、同一ハードウェア内にいろいろなソフトウェアまたはいろいろなソフトウェアモジュールとともに二重領域制御器、モーター制御器及び車両制御器を取り入れることにより、除去することができる。
【0021】
車両制御器の故障の影響は、車両制御器とブレーキ作動機の間に監視機能を含ませることにより、さらに減らすことができる。車両制御器がOK信号を送信しなければ、ブレーキは所定の遅延の後に適用される。
【0022】
本明細書で説明する実施例の有利な効果は、
外部からの動力と命令によって変わらない非常制動のための車両基盤システムによる改善した水準の安全性、
確認された自由距離が毎回知られるため、不要な制動に対する危険減少、
電源、モーター及び通信チャネルを二倍にする必要性なし、及び
信頼性向上のために構成要素の倍加とともにすることができることを含む。
【0023】
本発明は前述及び後述の制御システムを含むいろいろな態様、すなわち車両、個別用高速輸送システム及び方法に関し、これらのそれぞれは前述した制御システムに関連して説明した一つ以上の利益及び利点を産み出し、また前述したシステムに関連して説明した実施例に対応する一つ以上の実施例を持つ。
【0024】
より具体的に、他の態様によれば、個別用高速輸送システムのための車両が提供され、この個別用高速輸送システムは一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含み、それぞれのモーターは車両を推進させるための推力を生成するようになり、個別用高速輸送システムは車両内のまたは線路内の位置及び/または速度センサーから受信した一つ以上のセンサー信号に基づいて車両の速度を制御するために、モーターの中で少なくとも一つによって発生した推力を制御するようになった速度調節サブシステムをさらに含む。車両は、速度調節サブシステムによる速度制御とは無関係に、前記車両に装着された非常ブレーキを作動させるようになって前記車両内に含まれた車両制御システムを含む。
【0025】
他の態様によれば、個別用高速輸送システムは、請求項ないし44項のいずれか1項によって定義されるような速度制御システムを含む。
【0026】
さらに他の態様に従えば、一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含む個別用高速輸送システムにおける一つ以上の車両がトラックに沿って移動するとき、一つ以上の車両の車両速度を制御する方法が提供され、またそれぞれのモーターは一つ以上の車両の中でいずれか一つの車両を推進するための推力を生成するようになる。前記方法は、
一つ以上の車両の中で一つの車両の少なくとも一つの位置を検出する段階、
少なくとも前記センサー信号に基づいて一つ以上の車両の速度を制御するように、モーターの中で少なくとも一つのモーターによって生成された推力を制御する段階、及び
車両内に含まれて、速度制御とは無関係に、車両上に装着された非常ブレーキを作動させるようになる車両制御システムを提供する段階を含む。
【0027】
前述した態様の中でいくつかの実施例において、個別用高速輸送システムはトラックに沿って位置する複数のモーターを含むイントラック型車両推進システムを含み、それぞれのモーターは、車両がモーターの近くにあるとき、車両を推進するための推力を生成するようになる。
【0028】
前述した態様の他の実施例において、個別用高速輸送システムは車両上に位置する一つ以上のモーターを含むオンボード型車両推進システムを含む。
【0029】
他の態様によれば、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムは、
a)一つ以上の1次コアを含むもので、それぞれの1次コアはトラックに沿って移動する車両に推力を提供するようになる線形誘導モーター、
b)車両の少なくとも一つの位置を検出するようになる線路内のまたはそれぞれの車両上の一つ以上の車両位置センサー及び/またはそれぞれの車両上の速度/距離センサー、
c)それぞれ線形誘導モーターの一つ以上のそれぞれの1次コアを制御するようになる一つ以上のモーター制御器、及び
d)連続した車両間の安全な運転間隔の維持及び/または所定の領域内の車両流れの最適化のために、車両位置センサーから受信したデータに基づいて所定の領域内のそれぞれの車両の位置を識別し、二つの連続した車両間の距離を計算し、モーター制御器中の一つ以上のモーター制御器がそれぞれの車両の速度を調整するようにするための車両速度命令を生成するようになる領域制御器を含む。
【0030】
一実施例において、トラックに沿って配列された複数の1次コアを含む線形誘導モーター、及び
トラックに沿って配列された複数のモーター制御器を含む速度制御システムが提供され、車両は反応板を持っている。
【0031】
一実施例において、それぞれが車両内に配列された一つ以上の1次コアを含む線形誘導モーター、及び
それぞれの車両内に配列された一つ以上のモーター制御器を含む速度制御システムが提供され、トラックは反応板を持っている。
【0032】
したがって、さらに他の態様によれば、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法が提供され、この個別用高速輸送システムは反応板に電磁気推力を発生させるための一つ以上の1次コアを含む線形誘導モーターを含み、1次コアはそれぞれのモーター制御器によって制御され、前記方法は
a)それぞれの車両の位置及び速度を検出する段階、
b)検出された位置及び速度を領域制御器に伝達する段階、
c)車両検出された位置に基づいて、領域制御器によって車両間の距離を計算する段階、及び
d)車両の間の計算された距離によって少なくとも一つの車両の速度を調整するように領域制御器によってモーター制御器の中で少なくとも一つのモーター制御器を命令する段階を含む。
【0033】
一実施例において、車両速度を制御するための方法が提供され、ここで、線形誘導モーターはトラックに沿って配列された複数の1次コアを含み、前記方法は、
1次コアの少なくともそれぞれの位置でそれぞれの車両の位置を検出する段階、及び
モーター制御器の中で少なくとも一つのモーター制御器によって領域制御器に検出された位置を伝達する段階を含む。
【0034】
一実施例において、車両速度を制御する方法が提供され、ここで、一つ以上の1次コアがそれぞれの車両内に配列される。
【発明の効果】
【0035】
したがって、本明細書で説明する方法及びシステムはイントラック型線形誘導モーターまたはオンボード型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムにおいて、複数の車両を確かで効率よく制御する。具体的に、非常ブレーキの信頼性は非常ブレーキシステム内の無線通信リンクによって大きく変わらない。
【0036】
本発明の前記及び/またはその他の態様は添付図面を参照する以降の好適な実施例の説明から明らかになり、より容易に理解可能であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
イントラック型線形誘導モーター
図1及び図2はイントラック型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムの一部の例を概略的に示す。個別用高速輸送システムはトラックを含み、そのトラックの一セクションを図1及び図2に参照符号6で指示する。トラックは通常複数の合流点、分岐点及び駅舎を含むネットワークを形成する。個別用高速輸送システムは、概して参照符号1で指示する複数の車両をさらに含む。図1は二台の車両1a及び1bを備えるトラックセクション6を示し、図2は単一車両1の拡大図を示す。たとえ、ただ二台の車両だけを図1に示したが、個別用高速輸送システムがいずれの台数の車両を含むことができることが理解可能である。一般に、それぞれの車両はシャーシまたは骨格運搬ホイール22によって支えられる客室を含む。PRT車両の一例は国際特許出願公開第WO04/098970号に開示されており、ここではその全体内容を参照して組み込む。
【0038】
前述したように、個別用高速輸送システムは、トラック6内に/トラック6に沿って周期的に配列された、概して参照符号5で指示する複数の1次コアを含むイントラック型線形誘導モーターを含む。図1において、車両1a及び1bは、1次コア5a及び5bの上部の位置にそれぞれ示されている。それぞれの車両は車両の底面に装着された反応板7を持つ。反応板7は、通常鋼製支持板上のアルミニウムまたは銅などで製造された金属板である。
【0039】
一つ以上の1次コア5は車両を加速させるか減速させるための推力を制御するために、対応する1次コアに適切なAC電力供給するモーター制御器2によって制御される。推力は、反応板が1次コアの上部に位置するとき、反応板7上の1次コア5によって与えられる。このために、それぞれのモーター制御器2は、1次コア5に駆動力を供給する駆動力の電圧/周波数を、例えば電流をスイッチング(位相角変調(phase angle modulation))するための半導体継電器(solid state relay:SSR)を含む。モーター制御器2は、外部制御信号9に応じて駆動力の電圧/周波数を制御する。フラックスの密度及び周波数のような条件が同一であれば、一般的に反応板7と1次コア5の間で生成する電磁気推力は反応板と1次コアの間の空気間隙の面積に比例する。モーター制御器はそれぞれの1次コアに隣接して位置することができるかあるいは客室内に位置することができ、これにより管理のための接近がより容易になる。後者の場合、一つのモーター制御器がいくつかの1次コアを制御するようにスイッチングできる。1次コア5及びモーター制御器2が固定式トラックまたは線路上に装着されることにより、電気駆動力を車両1に提供するための必要性をなくすことがイントラック線形誘導モーターの利点である。
【0040】
このシステムは、トラックに沿って車両の位置を検出するための複数の車両位置検出センサーをさらに含む。図1及び図2のシステムにおいて、車両位置はそれぞれのセンサーの周りの車両の存在を検出するように構成された車両位置センサー8によって検出される。たとえ、図1及び図2には、車両位置センサー8が複数の1次コア5とともにトラック6に沿って配列されるものと示されているが、車両位置センサーの他の位置も可能である。具体的に、以下により詳細に説明するように、それぞれの車両が車両内センサー(in−vehicle sensor)によって測定されたような位置及び速度をモーター制御器に伝送するように、それぞれの車両は一つ以上の車両位置検出センサーを含むことができる。
【0041】
車両位置センサーは任意の適切な検出メカニズムによって車両の存在を検出することができる。好適な実施例において、車両位置センサーは、車両の速度、方向及び/または線路表示(guideway marker)のIDのようなさらなる媒介変数を検出する。
【0042】
一般に、1次コアはトラックに沿って一定の間隔で位置するかまたは1次コアの間に多様な間隔で位置することができるということが理解できる。例えば、より高い推力が要求される地域では、例えば傾斜面、または例えば駅舎の入口または出口のような加速/減速領域では、これに相応してより短い間隔を選択することができる。本明細書で使用されるような用語、推進及び推力は加速、一定速度の維持及び減速の目的のための推力を示すことが理解できる。
【0043】
実施例によっては、1次コア5の配列周期は、すなわち第1次コアの長さと第1次コアと隣接した1次コアの間の間隙の長さの和は反応板7の長さと実質的に同じである。このような配列は、反応板と1次コアの間の活性空気間隙の変化による推力変動によって引き起こされた車両速度の不安定性(flickering)を防止する。複数の1次コアの配列周期が必ずしも反応板の長さと正確に同一である必要はないが、複数の1次コアの配列周期が反応板の長さの、例えば±15%の誤差範囲内で形成できるということが理解できる。また、配列周期は、例えば反応板の長さの1/2、1/3程度のような所定の分数程度に小さなトラックの、例えば少なくとも一部内に反応板の長さより小さく選択できる。
【0044】
このシステムは、PRTシステムの少なくとも一つの所定のセクションまたは領域の作動を制御するための一つ以上の領域制御器10をさらに含む。それぞれの領域制御器は、例えば2地点間(point−to−point)通信、バスシステム、例えばLAN(local area network)のようなコンピューターネットワークなどを介した有線通信によって、それぞれのモーター制御器2と対応する領域制御器10の間のデータ通信を許すように、領域制御器10によって制御された領域内のモーター制御器2のサブセットに連結される。たとえ、図1が単一の領域制御器のみを示したが、PRTシステムは通常任意の適切な個数の領域制御器を含むことが理解できる。このシステムのいろいろの部分/領域はそれぞれの領域制御器によって制御でき、よって個別領域の互いに独立した作動を提供するだけでなく、システムの適切な大きさ調整を許容する。また、図1及び図2に示されなかったが、それぞれの領域制御器10は領域内のモーター制御器、例えばトラックの所定の部分のモーター制御器に対する分配式制御を提供するように複数の個別的な制御器で構成できる。その代わりにあるいは追加としてリダンダンシー(redundancy)によって信頼度を改善するためにまたはいろいろなグループの領域制御器に直接的な通信経路を提供するためにそれぞれの領域に対して複数の領域制御器が提供できる。
【0045】
より詳細に後述するように、検出された車両の位置及び車両IDを示す適切な検出信号をモーター制御器から受信するとき、領域制御器10はそれぞれの車両1;1a、1bの位置を認識する。その代わりに、位置と速度が車両から直接受信されることができる。
【0046】
また、領域制御器は、車両1a及び1b間の距離11によって示されるように、二台の車両間の距離を計算する。よって、車両間の所定の最小運転間隔(headway)または安全距離を維持するようにかつ専用領域内の全体交通流れを管理するように、領域制御器10は二台の車両間の計算された距離11によって車両1a及び1bのそれぞれの所定/推薦の速度を決定する。よって、領域制御器は自由距離及び検出された車両の所定/推薦速度についての情報を、車両が検出された位置にあるモーター制御器に返還する。その代わりに、領域制御器は、所定水準の速度調整を決定することができ、そして対応する命令をモーター制御器に伝送することができる。
【0047】
その代わりにまたは追加として、速度は確認された自由距離に基づいてモーター制御器によって計算されることもできる。よって、モーター制御器が車両に対する最後の公知自由距離に基づいて速度を計算することができるので、安全制御は領域制御器との連続した通信に頼らない。
【0048】
PRTシステムは、領域制御器と中央システム制御器20の間のデータ通信を許すように領域制御器10に連結された中央システム制御器20をさらに含む。中央システム制御器20はPRTシステムの制御センター内に設置でき、そして負荷予測、経路指定テーブル、空車管理、乗客情報などのような交通管理任務を選択的に含む全体システムの運行状態を検出して制御するように構成できる。
【0049】
より詳細に後述するように、それぞれの車両1は車両の運転を制御するための概して13で指示された車両制御器を含む。具体的に、車両制御器13は、車両1内に設置された一つ以上の非常ブレークブレーキ21の作動を制御する。他の類型の非常ブレーキが使用できるが、作動のために電気または他の動力を要求しなくて二重安全機能の(fail−safe)非常ブレーキメカニズムを提供することができるので、事前負荷式スプリング型の機械式非常ブレーキが特に信頼し得るという事実が証明された。このような事前負荷式スプリング型非常ブレーキにおいて、スプリングが例えば油圧または空圧によって予め負荷される。事前負荷圧力を除去してスプリングによってブレーキを膨脹させて作動させることで、例えばトラック6及び/またはホイール22に対して一つ以上のブレーキブロックまたはクランプを加圧することでブレーキが作動される。
【0050】
図3及び図4は個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例のより詳細な図を概略的に示す。図3はイントラック(in−track)車両位置検出センサー基盤のシステムを示し、図4はオンボード(on−board)車両位置センサー基盤のシステムを示す。
【0051】
まず、図3を参照すれば、速度制御システムは、前述したように、トラック(図3及び図4に明確に示していない)上に位置するモーター制御器2と車両位置センサー8、車両1に含まれた車両制御器13、及び領域制御器10を含む。
【0052】
モーター制御器2は、有線データ通信のための通信モデム、送受信機及び/または通信ケーブル9を介して領域制御器10に対してデータを送受信する他の通信インターフェース14を含む。モーター制御器2は、領域制御器10からモデム14を介して受信した命令に従ってインバーター17または他の推力制御器、例えばインバーターまたはスイッチング装置に電圧/周波数命令を出力するための主制御モジュール16をさらに含む。モーター制御器2は、主制御モジュール16からの電圧/周波数命令に従って対応する1次コア(図3及び図4に明確に示していない)に電力線24を介して多重位相AC電力を供給するための信号処理モジュール15及びインバーター17またはスイッチング装置をさらに含む。信号処理モジュール15及び主制御モジュール16は、個別の回路/回路ボードで具現されるか、あるいは単一回路/回路ボード、例えば特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)、適切にプログラムされた一般用途のマイクロプロセッサーなどで具現できる。
【0053】
車両検出センサー8は車両が車両検出センサー8の所定の近所にあるとき、車両1の存在、方向、速度及びIDを検出するように構成され、かつセンサー信号を信号処理回路15に伝送するように構成される。車両位置センサー8は、一つのセンサーまたは複数の個別センサー、例えば位置検出、速度などのための個別センサーを含むことができる。車両位置センサーは、任意の適切な検出メカニズム、例えば誘導式(inductive)センサー、光学センサー、車両に装着されたRFID(radiofrequencyidentification)タグによるトランスポンダ(transponder)または任意の他の適切なセンサー、またはセンサーの組合せによって車両の存在を検出することができる。好適な実施例において、車両位置センサーは、車両速度、方向及び/または車両IDのような追加の媒介変数を検出する。例えば、車両の速度及び方向は、それぞれのセンサーで車両の到着間の時間遅延を決定するように車両の存在をそれぞれ検出する二つの離隔したセンサーによって検出できる。車両IDは、RFIDタグ、他の短距離無線通信、バーコード読取装置(bar code reader)または任意の他の適切なメカニズムによって検出することができる。また、他の類型の存在検出装備も使用できる。
【0054】
他の配置が可能であるが、例えばセンサーが、1次コア上部の位置のように、1次コアの所定の近所に車両が存在するときを検出するように構成される場合、1次コア5に対する所定の空間関係での検出センサー8の配置は車両の存在に応答して1次コアの制御を容易にする。
【0055】
一般に、モーター制御器及びインバーターまたはSSRは、LIMとの統合式ユニットとして配列されるか、あるいはLIMから分離されることができる。例えば、それぞれのモーター制御器及びインバーター/SSRは、車両が存在するLIMに制御をスイッチングすることで、複数のLIMを制御するように構成されることができる。このような配列は、設置費を減少させるが、モーター制御器によって制御されたトラックセクション内で同時に制御可能な車両の台数を制限する。
【0056】
実施例によっては、それぞれのモーター制御器2;2a、2bは、それぞれのモーター制御器に割り当てられた固有のID、例えば固有の数値を持ち、また領域制御器10はそれぞれのモーター制御器2;2a、2bのID及びトラックに沿う位置に対する情報を含むその領域内のモーター制御器のデータベースを維持するように構成される。結果的に、それぞれのモーター制御器2が車両の存在及び車両IDを検出するためのセンサー8と関係するとき、モーター制御器ID及び検出された車両の車両IDを示す検出信号をモーター制御器から受信する場合、領域制御器10は受信したモーター制御器ID及び車両IDに基づいて、かつ領域制御器データベース内の格納された位置情報に基づいてそれぞれの車両1;1a、1bの位置を認識することができる。また、領域制御器は、二台の車両間の距離を計算するようにデータベース内の位置情報を利用することができる。
【0057】
図3の例において、センサー、モーター制御器及び領域制御器を含む速度制御ルーフは有線通信を伴うので、速度制御の信頼度が非常に高い。
【0058】
モーター制御器は、無線送信機または送受信機29及び車両の対応する無線受信機及び送受信機19を介してモーター制御器の近所の車両1の車両制御器13と通信するように構成された無線モデムまたは他の無線通信インターフェース23をさらに含む。無線通信は、任意の適切な無線データ通信媒体、例えば無線周波数通信、具体的に短距離無線通信によって実行することができる。よって、モーター制御器2は、領域制御器10から受信した情報に基づいて車両前方の次の車両までの確認された自由距離に対する情報を通信する。例えば、図1において、車両1aは、車両1bまでの確認された自由距離11に対する情報を維持する。よって、車両制御器13は、その前方の自由距離に対する情報を常に維持する。その後、例えば次のモーター制御器を通るとき、車両制御器13が自由距離に対する更新情報を得ることになるとき、車両制御器13は格納された確認自由距離を更新させる。
【0059】
車両は車両自体の位置及び速度を検出するための車両位置センサー28をさらに含む。確認された自由距離に対する格納情報及びセンサー28からのセンサー信号に基づいて、車両制御器は車両1が車両の確認された自由距離の終端に近付くときを判断し、また確認された自由距離の終端に到逹する前に車両の停止を許すように非常ブレーキ21を間に合って稼動させる。
【0060】
センサー28は、車両1の位置及び速度を検出するための任意の適切なメカニズムに基づくことができる。例えば、車両速度は、ホイールセンサーによって、例えば単位時間当たり一つ以上のホイールの回転数を計数することで検出することができる。車両の位置は、衛星利用測位システム(global positioning system)のような人工衛星基盤ナビゲーションシステムまたは任意の他の適切な検出メカニズムによって、トラックに沿って位置するトランスポンダからの応答信号を検出する無線送受信機によって検出することができる。その代わりにまたは追加として、車両の位置は、検出された速度信号及び/またはその他のものなどを統合することで決定することができる。
【0061】
車両が現在確認された自由距離の終端に近付く前、車両制御器13が車両制御器に格納されている確認自由距離を更新させるモーターのメッセージを受信しなければ、車両制御器は非常ブレーキを作動させる。
【0062】
車両制御器13がモーター制御器及び領域制御器の作用とは無関係に非常ブレーキを制御することでシステムの安全性を増大させることが有利である。これに対し、モーター制御器が現在確認された自由距離の終端に近付く前、かつモーター制御器が次のモーター制御器からの更新された自由距離を受信している限り、個別車両位置センサーまたはモーター制御器または通信リンクの単一故障は必ずしも非常制動を引き起こさなく、よってシステムの作動に対する不要な中断を避けるができる。
【0063】
車両制御器13は周期的な監視信号を非常ブレーキ21に送信するようにさらに構成される。非常ブレーキ21が所定の時間の間に監視信号を受信しなければ、非常ブレーキ21はみずから作動するように構成され、よって車両制御器13の故障に対する安全性を提供する。
【0064】
図4において、車両位置検出がオンボード(on−board)位置検出センサー28に基づくという点を除けば、図4の速度制御システムは図3のシステムと類似している。よって、イントラック車両位置センサー及び対応する信号処理ロジッグが求められない。よって、図4の例において、車両制御器13は、車両ID、現在の車両位置及び速度を車両の送信機19及びモーター制御器の送受信機29と無線通信インターフェース23を介してモーター制御器2に伝送するように構成される。通信は車両とモーター制御器の中のいずれか一つのモーター制御器との間の2地点間通信、または車両による放送通信であることができる。例えば、車両無線インターフェース範囲内でモーター制御器による受信のために、車両の送受信機19を介して車両のID、位置及び速度を周期的に放送することができる。モーター制御器2は、受信したデータを領域制御器10に伝送することで、領域制御器が車両1の自由距離11及び対応する推薦速度を決定することを許容する。依然として可能であるが、領域制御器が車両から発生する実際位置データを受信するので、領域制御器10は車両位置及び自由距離の決定のためにモーター制御器位置のデータベースに頼る必要がない。領域制御器10から車両位置近所のモーター制御器2までの計算された自由距離及び推薦速度及び/または速度調節命令の通信、モーター制御器2による速度制御、モーター制御器2から車両制御器13までの自由距離の伝送、非常ブレーキメカニズム及び監視機能は図3に基づいて説明するように実行される。
【0065】
他の実施例において、車両は車両の位置及び速度を無線通信を介して領域制御器に直接伝送することができ、領域制御器は自由距離をそれぞれの車両に直接伝送することができる。
【0066】
以下、本明細書に開示された速度制御システムの実施例によって具現された速度制御工程を、図1及び図2ないし図3及び図4を続けて参照しながら図5ないし図8を参照して説明する。
図5及び図6は速度制御システムのモーター制御器によって行われる速度制御工程、例えば前述したモーター制御器2の主制御モジュール16によって行われる工程の例の流れ図を示す。
【0067】
最初に、図5の例において、工程は対応する1次コア5の近くに車両が存在するか否かを破断するように、かつ検出された車両の車両IDを決定するように、例えばイントラック車両位置センサーからまたはオンボード車両位置検出センサーからモーター制御器の近くにある車両に対する位置情報を受信する(S50)。車両の存在が検出されれば、工程は、車両が検出されたという表示及び対応する車両ID、及び好ましくは検出された車両の速度及び方向を含むデータを通信ケーブル9を介して領域制御器10に伝送する(S51)。ついで、工程は、目標/推薦車両速度及び/または要求された速度調整を示す速度命令、及び検出された車両前方の自由距離を示す情報を領域制御器から受信する(S52)。速度命令に基づいて、工程は一つ以上の電圧/周波数命令を計算し、また命令をインバーター17に供給する(S53)。電圧/周波数の計算は、追加として車両位置センサーから受信した検出された車両の車両速度の測定に基づくことができる。測定された速度及び受信した目標速度に基づいて、モーター制御器は、所定の加速または減速の量を決定し、また対応する電圧/周波数命令を計算する。よって、インバーターは、例えばパルス幅変調(pulse width modulation)法または位相角基盤スイッチング(phase−angle based switching)を利用することにより、所定の周波数を持つ所定のAC電圧を生成し、またAC電力線形誘導モーターの対応する1次コア5;5a、5bに伝送する。所定の加速/減速の計算は、もう一つの方法として、領域制御器によって実行することができると理解できる。最後に、段階S54で、モーター制御器は、自由距離に対する受信した情報を検出された車両の車両制御器に伝送する。
【0068】
図6の例において、工程は、モーター制御器の近くにある車両に対する位置情報を受信し(S50)、車両位置、速度及びIDを含む車両データを領域制御器10に伝送し(S51)、また図5に基づいて説明したように速度命令を受信する(S52)。図6の例において、工程は、受信した自由距離に基づいて、例えば自由距離と安全速度を関係させるルックアップテーブル(look−up table)によって安全速度を決定する(S55)。選択によっては、ルックアップテーブルは車両質量のような追加的な媒介変数、及び線路勾配のような外部条件などを含むことができる。その代わりにまたは追加として、このような決定は推算された制動距離を計算するための所定の公式に基づいて実行することができる。制動距離の計算は、非常ブレーキに頼る必要なしに制動を許容する安全速度の維持を保障するようにLIMの制動能力及び/または乗客快適さ限界に基づくことができる。
【0069】
ある実施例、具体的に単一モーター制御器が一つ以上のLIMを制御する実施例において、モーター制御器は少なくとも車両がモーター制御器によって制御されたトラックのセクション内に存在する一車両の受信した自由距離及び/または受信した推薦速度を格納することができる。したがって、領域制御器との連続した通信に頼らなくても、速度制御を効率よくかつ確かに実行することができる。
【0070】
段階S56で、工程は、安全速度が、受信した推薦速度より小さいか否かを判断する。安全速度が推薦速度より小さければ、工程は、安全速度に基づいて速度調節を決定することにより(S57)、不要な非常ブレーキの必要がない。そうでなければ、工程は、推薦速度に基づいて速度調節を決定する(S58)。一般に、速度調節は、モーター制御器の比例、積分及び微分(proportional、 integrating and derivating:PID)制御回路に基づくことができる。PID制御回路は、速度を所定値に調整するように、推力レベル、つまり所定の加速度と車両質量の積を決定することができる。車両質量は、例えば駅舎から車両が出発するとき、車両の加速性能を測定することで決定することができ、またそれぞれの車両または領域制御器及びモーター制御器と通信することができる。計算された推力は、乗客快適さ、線路勾配などを保障するように、LIMの明細、限界値のような追加の要因によって制限/修正することができる。計算された速度調節に基づいて、工程は一つ以上の電圧/周波数命令を計算し、前述したようにその命令をインバーター17または他の推力制御器に供給する(S53)。最後に、段階S54で、モーター制御器は、自由距離に対する受信した情報を、検出された車両の車両制御器に伝送する。
【0071】
選択によっては、それぞれのモーター制御器は、円滑な制御の引き渡しのために、速度及び推力を次の下流の制御器に伝達することができる。
【0072】
図7は速度制御システムの領域制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。初期段階S61で、領域制御器10は、モーター制御器または車両制御器2;2a、2bからデータを受信し、このデータは車両位置及び車両IDを示し、そしてそのモーター制御器を通るかあるいはそのモーター制御器上に位置する車両の速度及び方向を選択的に示す。位置情報に基づいて、かつ選択によっては、指定された領域内のモーター制御器に対する領域制御器のデータベース内の格納された情報に基づいて、領域制御器は、車両間の相対的な距離を計算し(S62)、車両が最小運転間隔(headway)を維持するか否かを調査する。具体的に、最小運転間隔が維持されるか否かに対する判断は、計算された距離を、次の車両の速度によって決まる所定の安全距離と比較することで実行される。距離情報に基づいて、領域制御器は、安全距離を維持するための車両に対する推薦速度、かつ例えば駅舎の出口での合流制御(merge control)のための推薦速度を決定する(S63)。領域制御器は、最小運転間隔の維持を保障し、またシステム内の作業処理量及び/または移動時間を最適化するように、かつカーブで乗客快適さを保障するように、領域内の車両の速度を制御するための代案的なまたは追加的な戦略を具現することができることが理解できる。段階S64で、領域制御器は、推薦速度及び車両前方の自由距離に対する情報を車両が検出されたモーター制御器に伝送する。領域制御器は、前述した速度命令とともに、または別個のメッセージとして、自由距離に対する情報を伝送することができることが理解できる。一実施例において、領域制御器は、現在車両1aの前方の自由距離11の終端点を示すように、現在車両1aの真前方の車両1bの位置を伝送する。一般に、車両の自由距離は、車両前方の非占有トラックの長さ、具体的に車両の真前方の一番目の他の車両に対するトラックに沿っての距離/位置として決定することができる。
【0073】
推薦速度を伝送するに代わって、またはそれに付け加えて、領域制御器は、推薦速度調整を決定することができ、また対応する速度調整命令をモーター制御器に伝送することができる。例えば、先行車両と後行車両の間の計算された距離が安全距離より大きければ、領域制御器10は後行車両を加速させるように“高速”命令、あるいは後行車両の同一速度を維持するように“同速”命令を通信ケーブル9を介して対応するモーター制御器2に伝送することができる。これに対し、計算された距離が安全距離より短い場合、領域制御器10は、後行車両を減速させるように“低速”命令を後行車両のモーター制御器に伝送する。
【0074】
図8は速度制御システムの車両制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。初期段階S71で、車両制御器は車両制御器モーター制御器からメッセージを受信したか否かを調査し、このメッセージは自由距離を示す。車両制御器がこのようなメッセージを受信すれば、工程は、段階S72に進む。好ましくは、“自由距離”は車両の動きによって影響を受けない自由距離の終端の位置として通信される。
【0075】
段階S72で、すなわち車両制御器が自由距離を示すモーター制御器からの新しいメッセージを受信するとき、車両制御器は確認された自由距離を示す値を更新する。一実施例において、自由距離がモーター制御器から受信した少なくとも二つのセンサー表示または二つのメッセージによって確認されるとき、車両制御器は確認された自由距離のみを更新する。
【0076】
次の段階S75で、車両制御器は、確認された自由距離が車両の制動可能な所定の制動距離より小さいか否かを判断する。所定の制動距離は、車両制御器内に格納された一定距離であるか、あるいは、例えば現在の車両速度、車両の現在重量及び/または他の媒介変数、例えばトラック上の車両の位置、線路/トラック勾配または天気条件によって決まる距離であることができる。一般に、制動距離は、前述したように、正常な速度調節のために使用された安全距離より小さい。確認された自由距離が制動距離より大きければ、工程は段階S76に進み、そうではなければ、工程は段階S74に進み、段階S74で、車両制御器は非常ブレーキを作動させる。
【0077】
段階S76で、車両制御器は、車両制御器が適切に作動しているということを非常ブレーキに示すように、監視信号を非常ブレーキに送信する。その後、工程は、モーター制御器からのメッセージが受信したか否かを調査するように段階S71に戻る。
【0078】
監視器が車両制御器によって周期的に処理される場合にだけ監視器が監視信号を送信するように構成されるとき、車両位置及び速度の計算に影響を及ぼし得る車両制御器の故障の場合に車両ブレーキが作動するように保障する。
【0079】
非常ブレーキの作動は追加的なまたは代案的な基準にも基づくことができることが理解できる。例えば、車両制御システムは、モーター制御器からの信号の受信なしに、及び/または更新された自由距離の受信なしに、所定の遅延時間の後に非常ブレーキを作動させることができる。遅延時間は車両が所定の距離内に停止するように車両の速度によって決まることができる。
【0080】
本発明の前述した例示的な実施例において、推力が車両に付着された反応板に空気間隙を介して伝達されるので、車両への動力供給が要求されない。よって、通常のオンボード型線形誘導モーター上に装着された集電装置及び給電手段の設置が要求されない。
【0081】
オンボード型線形誘導モーター
図9及び図10はオンボード型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムの一部の例を概略的に示す。個別用高速輸送システムはトラックを含み、参照符号6で指示されたトラックの一セクションが図9及び図10に概略的に示されている。トラックは、通常複数の合流点、分岐点及び駅舎を含むネットワークを形成する。個別用高速輸送システムは、概して参照符号1で指示された複数の車両をさらに含む。図9及び図10は車両1を備えたトラックセクション6を示す。個別用高速輸送システムが任意の個数の車両を含むことができることが理解できる。一般に、それぞれの車両は通常シャーシまたは骨格運搬ホイール22によって支持される客室を含む。
【0082】
前述したように、個別用高速輸送システムは、それぞれの車両内に配列され、参照符号5で指示される一つ以上の1次コアを含むオンボード型線形誘導モーターを含むことができる。それぞれの車両は、車両内に装着された一つ以上のLIMを持つ。トラック装着型反応板7は、例えばトラックに沿って配列された連続板の形になり、通常鋼製支持板上にアルミニウム、銅などで製造された金属板である。このような一実施例において、車両はLIMを駆動するための動力を、例えば線路から、例えば適切なすべり接触によって受ける。
【0083】
以下に詳細に説明するように、それぞれの車両1は、車両の運転を制御するために、概して13で指示された車両制御器を含む。
【0084】
それぞれの1次コア5は、車両を加速または減速させるための推力を制御するように、適切なAC電力を対応する1次コアに供給するモーター制御器2によって制御される。推力は1次コア5によって反応板7に与えられる。このために、それぞれのモーター制御器2は駆動力を1次コア5に供給するインバーターまたはスイッチング手段を含む。モーター制御器2は、領域制御器10から車両制御器への外部制御信号9に応じて駆動力の電圧/周波数を制御する。その後、車両制御器は関連信号をモーター制御器に伝送する。
【0085】
オンボードシステムにおいて、領域制御器は無線通信を介して車両制御器13と通信する。その後、車両制御器はモーター制御器2と通信する。図9及び図10は分離型ハードウェアを持つ二つの分離型ユニットとしての車両制御器とモーター制御器を示したが、車両制御器とモーター制御器は単一ユニットとして統合することができ、または同じハードウェア上で実行される二つのプログラムとして具現することができる。
【0086】
一般に、フラックスの密度及び周波数のような条件が同一であれば、反応板7と1次コア5の間で発生する電磁気推力は反応板と1次コアの間の空気間隙の面積に比例する。
【0087】
1次コア5とモーター制御器2が車両上に装着されることにより、トラックに沿って車両の円滑な移動を得ることができるということがオンボード線形誘導モーターの利点である。オンボード型のさらなる利点は、それぞれの車両が車両自体のモーター制御器及び1次コアを運び、よって複数のモーター制御器及び1次コアが全体トラックに沿って位置しないので、通常より少ない個数の1次コア及びモーター制御器が必要であるというのである。
【0088】
オンボードモーターは最大加速及び等級のために寸法調整される必要があり(そして寸法調整されることができ)、オンボードモーターはより優れた性能を持つので、非常ブレーキの適用必要性を減少させる。
【0089】
システムはトラックに沿って車両の位置を検出するための一つ以上の車両位置検出センサーをさらに含むことができる。位置の検出は、図9に示すように、位置検出センサーによってトラック内で起こることができるか、あるいは図10に示すように、車両内の位置検出センサー28から起こることができる。
【0090】
図9のシステムにおいて、車両の位置は、それぞれのセンサーの近所の車両の存在を検出するように構成された車両位置センサー8によって検出される。車両位置センサー8は領域制御器10に連結され、それぞれの検出信号を領域制御器に伝送する。一つの車両位置センサー8のみを図9に示したが、通常一つ以上のセンサーが存在することが理解できる。
【0091】
車両位置センサーは、任意の適切な検出メカニズムによって車両の存在を検出することができる。好適な実施例において、車両位置センサーは、車両速度、方向及び/または車両IDのような追加的な媒介変数を検出する。
【0092】
位置及び速度に対するオンボードセンサーは線路内のセンサーに対する必要性をなくすことができる。
【0093】
このシステムは、PRTシステムの少なくとも一つの所定のセクションまたは領域の作動を制御するための一つ以上の領域制御器10をさらに含む。2地点間通信、バスシステム、例えばLANであるコンピューターネットワークなどを通じる無線通信によって車両制御器13と対応の領域制御器10の間のデータ通信を許すように、それぞれの領域制御器は、領域制御器10によって制御された領域内の車両制御器13のサブセットと通信する。図9及び図10は単一領域制御器のみを示したが、PRTシステムが通常任意の適切な個数の領域制御器を含むことが理解できる。システムのいろいろな部分/領域はそれぞれの領域制御器によって制御されることができ、よって互いに独立した個別的な領域の作動を提供するだけでなく、システムの適切な大きさ調整を許容する。また、図9及び図10に示されていないが、それぞれの領域制御器10は、一領域内の車両制御器に対する分配式制御、例えばトラックの一セクション内に現在存在する車両に対する分配式制御を提供するように、複数の個別的な制御器で構成できる。その代わりにまたは追加として、リダンダンシーによる信頼度を改善するように、それぞれの領域に対して複数の領域制御器が提供されることができる。
【0094】
以下に詳細に説明するように、図10の例において、検出された車両の位置及び車両IDを示す車両制御器からの適切な検出信号を受信するとき、領域制御器10はそれぞれの車両の位置を認識する。
【0095】
また、領域制御器は二台の車両間の距離を計算する。したがって、領域制御器10は、車両間の所定の最小運転間隔または安全距離を維持するように、かつ専用領域内の全体交通流れを管理するように、二台の車両間の計算された距離によって二台の車両のそれぞれの所定/推薦速度を決定する。したがって、領域制御器は検出された車両の自由距離及び所定/推薦速度に対する情報を車両に返還する。その代わりに、領域制御器は、所定程度の速度調整を決定することができ、そして対応命令を車両に伝送することができる。
【0096】
その代わりにまたは追加として、速度は確認された自由距離に基づいてモーター制御器によって計算されることもできる。したがって、モーター制御器が車両に対する最後の公知された安全距離に基づいて速度を計算することができるので、安全制御は領域制御器との連続した通信に頼らない。
【0097】
PRTシステムは、例えばイントラックシステムに対して図1に示すように、領域制御器と中央システム制御器20の間のデータ通信を許すように、領域制御器10に連結された中央システム制御器20をさらに含む。中央システム制御器20はPRTシステムの制御センター内に設置されることができ、また選択的に負荷予測、経路指定テーブル、空車管理(empty vehicle management)、乗客情報などのような交通管理任務を含む全体システムの運行状態を検出して制御するように構成できる。
【0098】
具体的に、車両制御器13は、車両1内に設置された一つ以上の非常ブレーキ21の作動を制御する。他の類型の非常ブレーキが使用できるが、事前負荷式スプリング型の機械式非常ブレーキは作動するための電気または他の動力を要求しなくて二重安全機能の(fail−free)非常ブレーキメカニズムを提供するので、事前負荷式スプリング型の機械式非常ブレーキが特に信頼し得るという事実が証明された。このような事前負荷式スプリング非常ブレーキにおいて、スプリングは例えば油圧または空圧によって事前に負荷される。事前負荷圧力を除去してスプリングによってブレーキを膨脹させて作動させることで、例えばトラック6及び/またはホイール22に対して一つ以上のブレーキブロックまたはクランプを加圧することによりブレーキが作動する。
【0099】
その代わりにまたは追加として、オンボードシステムにおいて、オンボードモーター5が非常ブレーキとして使用できる。このような実施例において、車両は通常線路/トラックを介して正常な作動エネルギーを受けるモーター5の正常エネルギー供給とは無関係に、車両を非常制動させるのに要求されるエネルギーを提供するための十分な性能を持つとともにモーター5に連結されたバッテリーのようなオンボードエネルギー源を含むことができる。
【0100】
車両制御器13は、無線通信を介して領域制御器10に対してデータを送受信するための送受信機及び/またはもう一つの通信インターフェース14を含む。車両制御器13は信号処理モジュール15をさらに含む。モーター制御器2は領域制御器10からの無線通信14を介して、車両制御器13によって受信した命令に従って電圧/周波数命令をインバーター17または他の推力制御器、例えばインバーターまたはスイッチング装置に出力するための主制御モジュール16をさらに含む。インバーター17またはスイッチング装置は、主制御モジュール16からの電圧/周波数命令に従って多重位相AC電力電力線24を介して対応する1次コアに供給する。信号処理モジュール15と主制御モジュール16は分離型回路/回路ボードで具現されるか、あるいは例えば特定用途向け集積回路、適切にプログラムされた一般用途のマイクロプロセッサーなどの単一回路/回路ボードで具現されることができる。
【0101】
領域制御器と車両制御器の間の無線通信は、例えば無線周波数通信、具体的に短距離無線通信によって任意の適切な無線データ通信媒体によって実行できる。したがって、車両制御器13は、車両前方の次の車両までの確認された自由距離に対する情報を受信する。したがって、車両制御器13は車両前方の自由距離に対する情報を常に維持する。その後、車両制御器13が自由距離に対する更新情報を受信するとき、車両制御器13は格納された確認された自由距離を更新する。
【0102】
車両は車両自体の位置及び速度を検出するための車両位置センサー28をさらに含む。確認された自由距離に対する格納情報及びセンサー28からのセンサー信号に応じて、車両制御器車両1が車両の確認された自由距離の終端に到逹するときを判断し、そして確認された自由距離の終端に到逹する前に車両の停止を許すように定刻に非常ブレーキ21を作動させる。
【0103】
車両位置センサー28は、車両1の位置及び速度を検出するための任意の適切なメカニズムに基づくことができる。例えば、車両速度は、ホイールセンサーによって、例えば単位時間当たり一つ以上のホイールの回転数を計数することで検出することができる。車両位置は、衛星利用測位システムのような衛星基盤ナビゲーションシステムによって、または任意の他の適切な検出メカニズムによってトラックに沿って位置するトランスポンダからの応答信号を検出する無線送受信機によって検出することができる。その代わりにまたは追加として、車両位置は検出された速度信号などを統合することで決定することができる。
【0104】
車両が現在の確認された自由距離の終端に近付く前に車両制御器13が格納された確認された自由距離を更新させる領域制御器からのメッセージを車両制御器13が受信しなければ、車両制御器は非常ブレーキを作動させる。
【0105】
車両制御器13が領域制御器の作用とは無関係に非常ブレーキを制御することでシステムの安全性を増大させることが利点である。これに対し、現在の確認された自由距離の終端に近付く前に車両制御器が更新された自由距離を受信する限りは、個別車両位置センサーまたは通信リンクの単一故障は非常ブレーキを必ずしも引き起こされなく、よってシステムの作動の不要な中断を避ける。
【0106】
また、車両制御器13は周期的な監視信号を非常ブレーキ21に送信するように構成される。非常ブレーキ21が所定の時間の間に監視信号を受信しなければ、非常ブレーキ21は自ら作動するように構成され、よって車両制御器13の故障に対する安全性を提供する。
【0107】
車両制御器13は正常な速度制御及び非常ブレーキ制御に対する分離型作用モジュール602及び603をそれぞれ含むことができる。したがって、正常速度制御が速度制御モジュール602内の故障によって作動しないとしても、非常ブレーキ制御は依然としてそれとは無関係に作用する。モジュール602及び603は、例えば分離型ASICである分離型ハードウェアユニットとして、または同一または相異なるハードウェア上で実行される分離型プログラムモジュール、例えば二つの独立した制御プログラムとして具現できる。具体的に、車両は、1次コア5への動力供給とは無関係に、車両制御器13または少なくとも非常ブレーキ制御モジュール603に動力を供給するための例えばバッテリーのような分離型エネルギー源64を含むことができる。
【0108】
他の実施例において、車両の位置検出は、図10に示すように、車両制御器13に連結されたオンボード位置検出センサー28に基づくことができる。図10では、車両制御器が車両に対する領域制御器に情報を伝達するが、図9では、領域制御器が車両に対する車両制御器に情報を伝達する。したがって、図10に示すシステムにおいては、イントラック車両位置センサーが要求されない。よって、車両制御器13は、車両ID、現在車両位置及び速度を無線通信を介して領域制御器に伝送するように構成される。通信は、車両と領域制御器の中で一つの領域制御器との間の2地点間通信、または車両による放送通信であることができる。例えば、車両無線インターフェースの範囲内の領域制御器による受信のために送受信機19を介して車両のID、位置及び速度を周期的に放送することができ、よって領域制御器が車両の自由距離及び対応する推薦速度を決定することを許容する。領域制御器10から車両制御器13までの計算された自由距離及び推薦速度及び/または速度調節命令の通信、モーター制御器2による速度調節、非常ブレーキメカニズム及び監視機能は前述したように実行される。
【0109】
以下、本明細書に開示した速度制御システムの実施例によって具現された速度制御工程を図11〜図14を参照して、かつ図9及び図10を続けて参照して説明する。
図11及び図12は速度制御システムの車両基盤車両制御器及び/またはモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【0110】
図11はオンボードシステムにおける速度制御工程の第1例を示す。まず、工程は、目標/推薦車両速度を示し、そして/または要求された速度調整を示す速度命令及び車両前方の自由距離を示す情報を領域制御器から受信する(S52)。速度命令に基づいて、工程は一つ以上の電圧/周波数命令を計算し、またその命令をインバーター17に供給する(S53)。また、電圧/周波数の計算は車両位置センサーから受信した車両の車両速度の速度測定に基づくことができる。測定された速度及び受信した目標速度に基づいて、工程は所定の加速または減速の量を決定し、対応する電圧/周波数命令を計算する。したがって、インバーターは、例えば位相幅変調技術を利用して所定の周波数を持つ所定AC電圧を生成し、そしてAC電力線形誘導モーターの対応する1次コア5に伝送する。所定の加速/減速は車両制御器及び/またはモーター制御器によって実行可能であることが理解できる。その代わりに、工程は、領域制御器によって実行されることができる。
【0111】
図12に示す例は図11に示す工程と類似している。しかし、図12の例において、工程は、例えば自由距離と安全速度を関係させるルックアップテーブルによって安全速度を受信した自由距離に基づいて決定する(S55)。選択によっては、ルックアップテーブルは車両質量のような追加的な媒介変数、線路勾配のような外部条件などを含む。その代わりにまたは追加として、決定は推算された制動距離を計算するための所定の公式に基づいて実行することができる。制動距離の計算は、非常ブレーキに頼る必要なしに制動を許容する安全速度の維持を保障するように、LIMの制動能力及び/または乗客快適さ限界に基づくことができる。
【0112】
段階S56で、工程は、安全速度が受信した推薦速度より小さいか否かを判断する。安全速度が推薦速度より小さければ、工程は安全速度に基づいて速度調節を決定することにより(S57)、不要な非常ブレーキの必要がない。そうでなければ、工程は推薦速度に基づいて速度調節を決定する(S58)。一般に、速度調節はモーター制御器の比例、積分及び微分(PID)制御回路に基づくことができる。PID制御回路は、速度を所定値に調整するように、推力レベル、すなわち所定加速度と車両質量の積を決定することができる。車両質量は、例えば駅舎からの車両の出発時に車両加速性能を測定することで決定し、それぞれの車両に伝達することができる。計算された推力は、乗客快適さ、線路勾配などを保障するように、LIMの明細、限界値のような追加要因によって制限/修正されることができる。決定された速度調節に基づいて、工程は一つ以上の電圧/周波数命令を計算し、前述したようにその命令をインバーター17または他の推力制御器に供給する(S53)。
【0113】
図13は速度制御システムの領域制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。初期段階S61で、領域制御器10は、場合によって、車両制御器13及び/またはトラック基盤センサー8からデータを受信し、データは車両位置及び車両IDを示し、そして選択によって車両の速度及び方向を示す。所定の領域内の他の車両の位置に対する格納情報及び位置情報に基づいて、領域制御器は、車両間の相対的な距離を計算し(S62)、車両が最小運転間隔(headway)を維持するか否かを調査する。具体的に、最小運転間隔が維持されるか否かに対する判断は次の車両の速度によって決まり、そして選択によって先行車両の速度によって決まる所定の安全距離と計算された距離を比較することで実行される。距離情報に基づいて、領域制御器は、安全距離を維持するために車両のための推薦速度、かつ例えば駅舎からの出口での合流制御のための推薦速度を決定する(S63)。領域制御器は、最小運転間隔の維持を保障し、またシステム内の作業処理量及び/または移動時間を最適化するように、かつカーブで乗客快適さを保障するように、領域内の車両の速度を制御するための他のまたは追加的な戦略を具現することができると理解できる。段階S64で、領域制御器は、推薦速度及び車両前方の自由距離に対する情報を車両が検出されたモーター制御器に伝送する。領域制御器は、前述した速度命令とともに、または別個のメッセージとして、自由距離に対する情報を伝送することが理解できる。一実施例において、領域制御器は、現在車両前方の自由距離の終端点を示すように、現在車両の真前方の車両1bの位置を伝送する。一般に、車両の自由距離は車両前方の非占有トラックの長さとして、具体的に車両の真前方の一番目他の車両に対するトラックに沿う距離/位置として決定することができる。
【0114】
推薦速度を伝送するに代わってまたはそれに追加して、領域制御器は、推薦速度調整を決定することができ、対応する速度調整命令をモーター制御器に伝送することができる。例えば、先行車両と後行車両の間の計算された距離が安全距離より大きければ、領域制御器10は、後行車両を加速させるように、“高速”命令、または後行車両の同一速度を維持するように“同速”命令を通信ケーブル9を介して伝送することができる。これに対し、計算された距離が安全距離より短い場合、領域制御器10は後行車両を減速させるように、“低速”命令を伝送する。
【0115】
図14は速度制御システムの車両制御器によって実行された非常ブレーキ制御工程の例の流れ図を示す。初期段階S71で、車両制御器は、車両制御器モーター制御器からメッセージを受信したか否かを調査するが、そのメッセージは自由距離を示す。車両制御器がこのようなメッセージを受信すれば、工程は、段階S72に進む。好ましく“自由距離”は車両の動きによって影響を受けない自由距離の終端の位置として通信される。
【0116】
段階S72で、すなわち車両制御器が自由距離を示すモーター制御器からの新しいメッセージを受信するとき、車両制御器は確認された自由距離を示す値を更新する。一実施例において、車両制御器は、自由距離が少なくとも二つのセンサー表示または二つのメッセージによって確認されるとき、確認された自由距離のみを更新する。
【0117】
次の段階S75で、車両制御器は、確認された自由距離が車両が制動可能な所定の制動距離より小さいか否かを判断する。所定の制動距離は車両制御器内に格納された一定距離であることができ、あるいは例えば現在の車両速度、車両現在重量及び/または他の媒介変数、例えばトラック上の車両の位置、線路/トラック勾配または天気の条件によって決まる距離であることができる。一般に、制動距離は、前述したように、正常な速度調節のために使用された安全距離より小さいであろう。確認された自由距離が制動距離より大きければ、工程は段階S76に進み、そうではなければ、工程は段階S74に進み、そして段階S74で、車両制御器は非常ブレーキを作動させるようにする。
【0118】
段階S76で、車両制御器は、車両制御器適切に作動していることを非常ブレーキに示すように、監視信号を非常ブレーキに送信する。その後、工程は、メッセージが受信されたか否かを調査するように段階S71に戻る。
【0119】
監視器が車両制御器によって周期的に処理される限りは、監視器が監視信号を送信するように構成されるとき、車両の位置及び速度の計算に影響を及ぼし得る車両制御器の故障の場合に車両ブレーキが作動するように保障される。
【0120】
非常ブレーキの作動は、追加的なまたは代案的な基準に基礎することもできることが理解できる。例えば、車両制御システムは、モーター制御器からの信号の受信な及び/または更新された自由距離の受信なしに、所定の遅延時間の後に非常ブレーキを作動させることができる。遅延時間は、車両が所定の距離内に停止するように、車両の速度によって決まる。
【0121】
いくつかの実施例を詳細に説明して図示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、次の特許請求範囲によって限定された具体的思想の範囲内で他の方式で具体化することもできる。
【0122】
本明細書で説明した方法及び制御システム、そして特に本明細書で説明した車両制御器、領域制御器及びモーター制御器はいくつかの独特の要素を含むハードウェアによって、かつ適切にプログラムされたマイクロプロセッサーまたはその他の処理手段によって具現することができる。処理手段という用語は、例えばコンピューター実行可能な命令のようなプログラムコード手段の実行によって引き起こされるような本明細書で説明した作用を実行するように適切に構成された任意の回路及び/または装置を含む。具体的に、前述した用語は一般的なまたは特殊用途のプログラム可能なマイクロプロセッサー、デジタル信号処理(digital signal processors:DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能な論理アレイ(programmable logic array:PLA)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(field programmable gate array:FPGA)、特定目的の電子回路など、またはこれらの組合せを含む。
【0123】
装置請求項が多くの手段を列挙すれば、これら手段の中でいくつかの手段は同一アイテムのハードウェア、例えば適切にプログラムされたマイクロプロセッサー、一つ以上のデジタル信号プロセッサなどによって具現できる。特定の手段が互いに異なる従属請求項内に記載されており互いに異なる実施例に説明されているという事実だけではこれら手段の組合せが有利に使用できないということを意味しない。
【0124】
用語“含む(comprises)/含む(comprising)”が本明細書で使用されるとき、その用語は前述した特質、整数、段階または構成要素の存在を具体化するために取られたものであるばかり、一つ以上の他の特質、整数、段階、構成要素またはその群の存在または追加を排除しないという点を強調しなければならない。
【0125】
図面において、同じ参照符号は同一あるいは対応する特質、要素、段階などを意味する。また、一つの要素がもう一つの要素に連結されるとき、要素は互いに直接連結されるだけではなく、媒介要素を介して互いに間接的に連結されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】イントラック型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムの一部の例を概略的に示す。
【図2】イントラック型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムの一部の例を概略的に示す。
【図3】個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例のより詳細な図を概略的に示す。
【図4】個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例のより詳細な図を概略的に示す。
【図5】速度制御システムのモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図6】速度制御システムのモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図7】速度制御システムの領域制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図8】速度制御システムの車両制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図9】個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例を概略的に示す。
【図10】個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例を概略的に示す。
【図11】速度制御システムのモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図12】速度制御システムのモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図13】速度制御システムの領域制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図14】速度制御システムの車両制御器によって実行される非常ブレーキ制御工程の例の流れ図を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は速度制御に係り、特に線形誘導モーターによって推進される、いわゆる個別用高速輸送システム(Personal Rapid Transit system:以下PRTという)における安全制動に関するもので、より詳しくはハードウェア、ソフトウェア及び通信上の故障に対して堅牢な方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
個別用高速輸送システムは個別的な注文型運送サービスを提供する小型車両を含む。本発明は、トラック内に(in the track)装着されたまたは車両上に(on−board the vehicle)装着された線形誘導モーター(linear induction motor:LIM)の推力によってトラックに沿って車輪で運行する車両を備える個別用高速輸送システムに関するものである。通常、それぞれの車両は3または4人の乗客を持ち運ぶ。したがって、車両がコンパクトで軽く、これにより結局PRT案内路(guide−way:トラック)構造が通常の電車または地下鉄システムのような通常的な鉄路システムに比べて軽くなる。したがって、PRTシステムの建設費が他の解決策の建設費よりずっと低い。PRTシステムは視覚影響がより小さく、低い騷音を発生させ、また局所的な大気汚染を発生させないので、より環境に優しい。また、PRT駅舎は既存の建物内部に建設できる。これに対し、運転間隔(headway)/自由距離(free distance)が比較的短く維持できるので、PRTシステムの交通容量はバス及び路面軌道のような既存の交通手段と同等である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、PRTシステムは車両間の速度及び距離を制御するための速度制御システムを含む。ハードウェアまたは通信上の故障、ソフトウェアエラー及び電源喪失は車両制御の不能を引き起こすことができる。このために、信頼することができて安全な制御システムを提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、前記及びその他の問題は、一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含む個別用高速輸送システムにおける一つ以上の車両がトラックに沿って移動するとき、一つ以上の車両の車両速度を制御するための速度制御システムによって解決され、ここで、それぞれのモーターは一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになり、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムは、一つ以上の車両の車両速度を制御するように、車両位置及び/または速度センサーから受信した一つ以上のセンサー信号に基づいてモーターの中で少なくとも一つのモーターによって生成された推力を制御するようになる速度調節サブシステム、及び一つ以上の車両の中でそれぞれの車両内に含まれて、前記速度調節サブシステムによる車両速度制御とは無関係に、車両上に装着された非常ブレーキを作動させるようになる車両制御システムを含む。
【0005】
一実施例において、個別用高速輸送システムはトラックに沿って位置する複数のモーターを含むイントラック(in−track)車両推進システムを含み、それぞれのモーターは、車両がモーターの近くにあるとき、一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになる、車両速度を制御するための速度制御システムが提供される。
【0006】
他の実施例において、個別用高速輸送システムは、それぞれの車両がモーターの中で少なくとも一つのモーターを含むオンボード(on−board)型車両推進システムを含む、車両速度を制御するための速度制御システムに提供される。オンボード推力はより少ない個数のモーターを含み、多くの場合に費用が低くかかり、オンボード推力がそれぞれの車両への動力の伝達を要求するが円滑な制御を容易にする。
【0007】
結果的に、車両速度及び車両間距離の正常な制御はモーターによって発生した推力を制御する速度調節サブシステムによって実行され、またモーターはトラック内に位置するかまたはそれぞれの車両のボード上に位置する。このような制御は、車両位置及び速度を検出するトラック装着型または車両装着型センサーとそれぞれの車両下部またはそれぞれの車両上部のLIMまたはLIMの推力を制御するためのそれぞれの車両のための速度命令を発生させる領域制御器に基づくことができる。速度命令は有線または無線通信を介してそれぞれのモーター制御器にまたは車両装着型車両制御器に送信できる。
【0008】
それぞれの車両は車両制御システムを含み、車両制御システムは、非常ブレーキ、例えば線路上に作用する機械式非常ブレーキを制御する。好ましくは、車両制御システムは、速度調節システムによって実行される正常な速度制御とは無関係に、作動可能であり、好ましくは動力への接近なしに、特に線路からの動力なしに、自発的に非常ブレーキを作動させるようになる。
【0009】
モーターを非常制動のために充分に強く寸法調整するよりは、モーターを正常な速度調節のために寸法調整するのに十分であるというのが本明細書で説明するシステムの利点である。いくつかの構成要素またはソフトウェアが故障しても、事故を確実に避けることができる方式で作動される非常ブレーキメカニズムを前記システムが含むというのがさらなる利点である。
【0010】
具体的に、本明細書で説明するシステムは、電源とモーターを倍加する費用を避ける安全非常制動メカニズムを提供する点が本明細書で説明するシステムの利点である。
【0011】
本明細書で説明するシステムは、ハードウェア、電源、通信及びソフトウェアの大部分の故障モードで安全な制動を保障することが本明細書で説明するシステムのさらなる利点である。
【0012】
実施例によっては、速度調節サブシステムは、一つ以上のモーター制御器、及び前記センサー信号を受信するようになり、前記モーター制御器がそれぞれの車両の前記速度を調整するようにするための速度命令を生成するようになる少なくとも一つの領域制御器を含み、それぞれのモーター制御器は、前記一つ以上のモーターの中で少なくとも一つのモーターを制御するようになる。イントラックシステムにおいて、領域制御器とセンサーの間及び/または領域制御器とモーター制御器の間の通信が有線通信に基づくとき、特に確実な通信が提供される。
【0013】
好適な実施例において、非常ブレーキはすべてのものが正常に作用する限りは、事前負荷圧力、例えば油圧によって抑制される事前負荷式スプリングを含む。
【0014】
非常ブレーキシステムと係わる車両への通信は通常無線通信に基づく。しかし、無線通信は故障することができる。したがって、実施例によっては、車両制御システムは再帰的な、例えば周期的なOK信号を受信し、信号が消えれば所定の遅延の後に非常ブレーキを作動させる。短い持続時間の一時的な撹乱によって引き起こされる偶発的な制動の危険を減らすというのが本明細書で説明するシステムの利点である。実施例によっては、車両が所定の距離内で停止するように、遅延は車両の速度によって決まる。
【0015】
他の実施例において、車両制御システムは残りの自由距離を示す周期的なメッセージ、すなわち車両がいくら遠く移動することができるかを示すメッセージを受信する。また、車両制御システムは、自体の位置及び速度のトラックを維持し、非常ブレーキを適用するか否かを判断する。例えば、車両線路トランスポンダ(transponder)及びホイールセンサーによって自体の位置及び速度を決定することができる。車両制御システムは、車両位置及び速度を計算し、残余距離及び現在速度に基づいて制動に対する必要性を決定する。
【0016】
受信したメッセージは相対的な距離として直接自由距離を、例えばメートルでまたは他の適切な長さ単位で示すことができる。その代わりに、受信したメッセージが車両前方の自由距離の終端点を示すことにより、車両の正確な位置及び速度と無関係に、距離計算及びデータ通信での任意の遅延と無関係な実際の自由距離を確実に表示することができる。しかし、例えば自由距離の終端に到達するまで、現在車両速度での移動時間などのような自由距離に対する他の尺度が提供されるという事実が理解される。
【0017】
領域制御器、通信またはモーター制御器または車両に対する無線通信の故障は、許容された自由距離が延長しなく車両が停止するように、新しいメッセージを中断させる。短期間の通信中断による不要な停止の危険を減らすというのがこの実施例の利点である。
【0018】
線路センサー故障の影響は、車両制御システムが距離が固定されないとみなす前に自由トラック距離を示す二つのセンサーを要求することにより、減らすことができる。
【0019】
位置及び速度は線路内の表示(marker)とともに一つ以上の車両ホイール上のセンサーによって測定できる。
【0020】
ソフトウェアエラーの影響は、同一ハードウェア内にいろいろなソフトウェアまたはいろいろなソフトウェアモジュールとともに二重領域制御器、モーター制御器及び車両制御器を取り入れることにより、除去することができる。
【0021】
車両制御器の故障の影響は、車両制御器とブレーキ作動機の間に監視機能を含ませることにより、さらに減らすことができる。車両制御器がOK信号を送信しなければ、ブレーキは所定の遅延の後に適用される。
【0022】
本明細書で説明する実施例の有利な効果は、
外部からの動力と命令によって変わらない非常制動のための車両基盤システムによる改善した水準の安全性、
確認された自由距離が毎回知られるため、不要な制動に対する危険減少、
電源、モーター及び通信チャネルを二倍にする必要性なし、及び
信頼性向上のために構成要素の倍加とともにすることができることを含む。
【0023】
本発明は前述及び後述の制御システムを含むいろいろな態様、すなわち車両、個別用高速輸送システム及び方法に関し、これらのそれぞれは前述した制御システムに関連して説明した一つ以上の利益及び利点を産み出し、また前述したシステムに関連して説明した実施例に対応する一つ以上の実施例を持つ。
【0024】
より具体的に、他の態様によれば、個別用高速輸送システムのための車両が提供され、この個別用高速輸送システムは一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含み、それぞれのモーターは車両を推進させるための推力を生成するようになり、個別用高速輸送システムは車両内のまたは線路内の位置及び/または速度センサーから受信した一つ以上のセンサー信号に基づいて車両の速度を制御するために、モーターの中で少なくとも一つによって発生した推力を制御するようになった速度調節サブシステムをさらに含む。車両は、速度調節サブシステムによる速度制御とは無関係に、前記車両に装着された非常ブレーキを作動させるようになって前記車両内に含まれた車両制御システムを含む。
【0025】
他の態様によれば、個別用高速輸送システムは、請求項ないし44項のいずれか1項によって定義されるような速度制御システムを含む。
【0026】
さらに他の態様に従えば、一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含む個別用高速輸送システムにおける一つ以上の車両がトラックに沿って移動するとき、一つ以上の車両の車両速度を制御する方法が提供され、またそれぞれのモーターは一つ以上の車両の中でいずれか一つの車両を推進するための推力を生成するようになる。前記方法は、
一つ以上の車両の中で一つの車両の少なくとも一つの位置を検出する段階、
少なくとも前記センサー信号に基づいて一つ以上の車両の速度を制御するように、モーターの中で少なくとも一つのモーターによって生成された推力を制御する段階、及び
車両内に含まれて、速度制御とは無関係に、車両上に装着された非常ブレーキを作動させるようになる車両制御システムを提供する段階を含む。
【0027】
前述した態様の中でいくつかの実施例において、個別用高速輸送システムはトラックに沿って位置する複数のモーターを含むイントラック型車両推進システムを含み、それぞれのモーターは、車両がモーターの近くにあるとき、車両を推進するための推力を生成するようになる。
【0028】
前述した態様の他の実施例において、個別用高速輸送システムは車両上に位置する一つ以上のモーターを含むオンボード型車両推進システムを含む。
【0029】
他の態様によれば、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムは、
a)一つ以上の1次コアを含むもので、それぞれの1次コアはトラックに沿って移動する車両に推力を提供するようになる線形誘導モーター、
b)車両の少なくとも一つの位置を検出するようになる線路内のまたはそれぞれの車両上の一つ以上の車両位置センサー及び/またはそれぞれの車両上の速度/距離センサー、
c)それぞれ線形誘導モーターの一つ以上のそれぞれの1次コアを制御するようになる一つ以上のモーター制御器、及び
d)連続した車両間の安全な運転間隔の維持及び/または所定の領域内の車両流れの最適化のために、車両位置センサーから受信したデータに基づいて所定の領域内のそれぞれの車両の位置を識別し、二つの連続した車両間の距離を計算し、モーター制御器中の一つ以上のモーター制御器がそれぞれの車両の速度を調整するようにするための車両速度命令を生成するようになる領域制御器を含む。
【0030】
一実施例において、トラックに沿って配列された複数の1次コアを含む線形誘導モーター、及び
トラックに沿って配列された複数のモーター制御器を含む速度制御システムが提供され、車両は反応板を持っている。
【0031】
一実施例において、それぞれが車両内に配列された一つ以上の1次コアを含む線形誘導モーター、及び
それぞれの車両内に配列された一つ以上のモーター制御器を含む速度制御システムが提供され、トラックは反応板を持っている。
【0032】
したがって、さらに他の態様によれば、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法が提供され、この個別用高速輸送システムは反応板に電磁気推力を発生させるための一つ以上の1次コアを含む線形誘導モーターを含み、1次コアはそれぞれのモーター制御器によって制御され、前記方法は
a)それぞれの車両の位置及び速度を検出する段階、
b)検出された位置及び速度を領域制御器に伝達する段階、
c)車両検出された位置に基づいて、領域制御器によって車両間の距離を計算する段階、及び
d)車両の間の計算された距離によって少なくとも一つの車両の速度を調整するように領域制御器によってモーター制御器の中で少なくとも一つのモーター制御器を命令する段階を含む。
【0033】
一実施例において、車両速度を制御するための方法が提供され、ここで、線形誘導モーターはトラックに沿って配列された複数の1次コアを含み、前記方法は、
1次コアの少なくともそれぞれの位置でそれぞれの車両の位置を検出する段階、及び
モーター制御器の中で少なくとも一つのモーター制御器によって領域制御器に検出された位置を伝達する段階を含む。
【0034】
一実施例において、車両速度を制御する方法が提供され、ここで、一つ以上の1次コアがそれぞれの車両内に配列される。
【発明の効果】
【0035】
したがって、本明細書で説明する方法及びシステムはイントラック型線形誘導モーターまたはオンボード型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムにおいて、複数の車両を確かで効率よく制御する。具体的に、非常ブレーキの信頼性は非常ブレーキシステム内の無線通信リンクによって大きく変わらない。
【0036】
本発明の前記及び/またはその他の態様は添付図面を参照する以降の好適な実施例の説明から明らかになり、より容易に理解可能であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
イントラック型線形誘導モーター
図1及び図2はイントラック型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムの一部の例を概略的に示す。個別用高速輸送システムはトラックを含み、そのトラックの一セクションを図1及び図2に参照符号6で指示する。トラックは通常複数の合流点、分岐点及び駅舎を含むネットワークを形成する。個別用高速輸送システムは、概して参照符号1で指示する複数の車両をさらに含む。図1は二台の車両1a及び1bを備えるトラックセクション6を示し、図2は単一車両1の拡大図を示す。たとえ、ただ二台の車両だけを図1に示したが、個別用高速輸送システムがいずれの台数の車両を含むことができることが理解可能である。一般に、それぞれの車両はシャーシまたは骨格運搬ホイール22によって支えられる客室を含む。PRT車両の一例は国際特許出願公開第WO04/098970号に開示されており、ここではその全体内容を参照して組み込む。
【0038】
前述したように、個別用高速輸送システムは、トラック6内に/トラック6に沿って周期的に配列された、概して参照符号5で指示する複数の1次コアを含むイントラック型線形誘導モーターを含む。図1において、車両1a及び1bは、1次コア5a及び5bの上部の位置にそれぞれ示されている。それぞれの車両は車両の底面に装着された反応板7を持つ。反応板7は、通常鋼製支持板上のアルミニウムまたは銅などで製造された金属板である。
【0039】
一つ以上の1次コア5は車両を加速させるか減速させるための推力を制御するために、対応する1次コアに適切なAC電力供給するモーター制御器2によって制御される。推力は、反応板が1次コアの上部に位置するとき、反応板7上の1次コア5によって与えられる。このために、それぞれのモーター制御器2は、1次コア5に駆動力を供給する駆動力の電圧/周波数を、例えば電流をスイッチング(位相角変調(phase angle modulation))するための半導体継電器(solid state relay:SSR)を含む。モーター制御器2は、外部制御信号9に応じて駆動力の電圧/周波数を制御する。フラックスの密度及び周波数のような条件が同一であれば、一般的に反応板7と1次コア5の間で生成する電磁気推力は反応板と1次コアの間の空気間隙の面積に比例する。モーター制御器はそれぞれの1次コアに隣接して位置することができるかあるいは客室内に位置することができ、これにより管理のための接近がより容易になる。後者の場合、一つのモーター制御器がいくつかの1次コアを制御するようにスイッチングできる。1次コア5及びモーター制御器2が固定式トラックまたは線路上に装着されることにより、電気駆動力を車両1に提供するための必要性をなくすことがイントラック線形誘導モーターの利点である。
【0040】
このシステムは、トラックに沿って車両の位置を検出するための複数の車両位置検出センサーをさらに含む。図1及び図2のシステムにおいて、車両位置はそれぞれのセンサーの周りの車両の存在を検出するように構成された車両位置センサー8によって検出される。たとえ、図1及び図2には、車両位置センサー8が複数の1次コア5とともにトラック6に沿って配列されるものと示されているが、車両位置センサーの他の位置も可能である。具体的に、以下により詳細に説明するように、それぞれの車両が車両内センサー(in−vehicle sensor)によって測定されたような位置及び速度をモーター制御器に伝送するように、それぞれの車両は一つ以上の車両位置検出センサーを含むことができる。
【0041】
車両位置センサーは任意の適切な検出メカニズムによって車両の存在を検出することができる。好適な実施例において、車両位置センサーは、車両の速度、方向及び/または線路表示(guideway marker)のIDのようなさらなる媒介変数を検出する。
【0042】
一般に、1次コアはトラックに沿って一定の間隔で位置するかまたは1次コアの間に多様な間隔で位置することができるということが理解できる。例えば、より高い推力が要求される地域では、例えば傾斜面、または例えば駅舎の入口または出口のような加速/減速領域では、これに相応してより短い間隔を選択することができる。本明細書で使用されるような用語、推進及び推力は加速、一定速度の維持及び減速の目的のための推力を示すことが理解できる。
【0043】
実施例によっては、1次コア5の配列周期は、すなわち第1次コアの長さと第1次コアと隣接した1次コアの間の間隙の長さの和は反応板7の長さと実質的に同じである。このような配列は、反応板と1次コアの間の活性空気間隙の変化による推力変動によって引き起こされた車両速度の不安定性(flickering)を防止する。複数の1次コアの配列周期が必ずしも反応板の長さと正確に同一である必要はないが、複数の1次コアの配列周期が反応板の長さの、例えば±15%の誤差範囲内で形成できるということが理解できる。また、配列周期は、例えば反応板の長さの1/2、1/3程度のような所定の分数程度に小さなトラックの、例えば少なくとも一部内に反応板の長さより小さく選択できる。
【0044】
このシステムは、PRTシステムの少なくとも一つの所定のセクションまたは領域の作動を制御するための一つ以上の領域制御器10をさらに含む。それぞれの領域制御器は、例えば2地点間(point−to−point)通信、バスシステム、例えばLAN(local area network)のようなコンピューターネットワークなどを介した有線通信によって、それぞれのモーター制御器2と対応する領域制御器10の間のデータ通信を許すように、領域制御器10によって制御された領域内のモーター制御器2のサブセットに連結される。たとえ、図1が単一の領域制御器のみを示したが、PRTシステムは通常任意の適切な個数の領域制御器を含むことが理解できる。このシステムのいろいろの部分/領域はそれぞれの領域制御器によって制御でき、よって個別領域の互いに独立した作動を提供するだけでなく、システムの適切な大きさ調整を許容する。また、図1及び図2に示されなかったが、それぞれの領域制御器10は領域内のモーター制御器、例えばトラックの所定の部分のモーター制御器に対する分配式制御を提供するように複数の個別的な制御器で構成できる。その代わりにあるいは追加としてリダンダンシー(redundancy)によって信頼度を改善するためにまたはいろいろなグループの領域制御器に直接的な通信経路を提供するためにそれぞれの領域に対して複数の領域制御器が提供できる。
【0045】
より詳細に後述するように、検出された車両の位置及び車両IDを示す適切な検出信号をモーター制御器から受信するとき、領域制御器10はそれぞれの車両1;1a、1bの位置を認識する。その代わりに、位置と速度が車両から直接受信されることができる。
【0046】
また、領域制御器は、車両1a及び1b間の距離11によって示されるように、二台の車両間の距離を計算する。よって、車両間の所定の最小運転間隔(headway)または安全距離を維持するようにかつ専用領域内の全体交通流れを管理するように、領域制御器10は二台の車両間の計算された距離11によって車両1a及び1bのそれぞれの所定/推薦の速度を決定する。よって、領域制御器は自由距離及び検出された車両の所定/推薦速度についての情報を、車両が検出された位置にあるモーター制御器に返還する。その代わりに、領域制御器は、所定水準の速度調整を決定することができ、そして対応する命令をモーター制御器に伝送することができる。
【0047】
その代わりにまたは追加として、速度は確認された自由距離に基づいてモーター制御器によって計算されることもできる。よって、モーター制御器が車両に対する最後の公知自由距離に基づいて速度を計算することができるので、安全制御は領域制御器との連続した通信に頼らない。
【0048】
PRTシステムは、領域制御器と中央システム制御器20の間のデータ通信を許すように領域制御器10に連結された中央システム制御器20をさらに含む。中央システム制御器20はPRTシステムの制御センター内に設置でき、そして負荷予測、経路指定テーブル、空車管理、乗客情報などのような交通管理任務を選択的に含む全体システムの運行状態を検出して制御するように構成できる。
【0049】
より詳細に後述するように、それぞれの車両1は車両の運転を制御するための概して13で指示された車両制御器を含む。具体的に、車両制御器13は、車両1内に設置された一つ以上の非常ブレークブレーキ21の作動を制御する。他の類型の非常ブレーキが使用できるが、作動のために電気または他の動力を要求しなくて二重安全機能の(fail−safe)非常ブレーキメカニズムを提供することができるので、事前負荷式スプリング型の機械式非常ブレーキが特に信頼し得るという事実が証明された。このような事前負荷式スプリング型非常ブレーキにおいて、スプリングが例えば油圧または空圧によって予め負荷される。事前負荷圧力を除去してスプリングによってブレーキを膨脹させて作動させることで、例えばトラック6及び/またはホイール22に対して一つ以上のブレーキブロックまたはクランプを加圧することでブレーキが作動される。
【0050】
図3及び図4は個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例のより詳細な図を概略的に示す。図3はイントラック(in−track)車両位置検出センサー基盤のシステムを示し、図4はオンボード(on−board)車両位置センサー基盤のシステムを示す。
【0051】
まず、図3を参照すれば、速度制御システムは、前述したように、トラック(図3及び図4に明確に示していない)上に位置するモーター制御器2と車両位置センサー8、車両1に含まれた車両制御器13、及び領域制御器10を含む。
【0052】
モーター制御器2は、有線データ通信のための通信モデム、送受信機及び/または通信ケーブル9を介して領域制御器10に対してデータを送受信する他の通信インターフェース14を含む。モーター制御器2は、領域制御器10からモデム14を介して受信した命令に従ってインバーター17または他の推力制御器、例えばインバーターまたはスイッチング装置に電圧/周波数命令を出力するための主制御モジュール16をさらに含む。モーター制御器2は、主制御モジュール16からの電圧/周波数命令に従って対応する1次コア(図3及び図4に明確に示していない)に電力線24を介して多重位相AC電力を供給するための信号処理モジュール15及びインバーター17またはスイッチング装置をさらに含む。信号処理モジュール15及び主制御モジュール16は、個別の回路/回路ボードで具現されるか、あるいは単一回路/回路ボード、例えば特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)、適切にプログラムされた一般用途のマイクロプロセッサーなどで具現できる。
【0053】
車両検出センサー8は車両が車両検出センサー8の所定の近所にあるとき、車両1の存在、方向、速度及びIDを検出するように構成され、かつセンサー信号を信号処理回路15に伝送するように構成される。車両位置センサー8は、一つのセンサーまたは複数の個別センサー、例えば位置検出、速度などのための個別センサーを含むことができる。車両位置センサーは、任意の適切な検出メカニズム、例えば誘導式(inductive)センサー、光学センサー、車両に装着されたRFID(radiofrequencyidentification)タグによるトランスポンダ(transponder)または任意の他の適切なセンサー、またはセンサーの組合せによって車両の存在を検出することができる。好適な実施例において、車両位置センサーは、車両速度、方向及び/または車両IDのような追加の媒介変数を検出する。例えば、車両の速度及び方向は、それぞれのセンサーで車両の到着間の時間遅延を決定するように車両の存在をそれぞれ検出する二つの離隔したセンサーによって検出できる。車両IDは、RFIDタグ、他の短距離無線通信、バーコード読取装置(bar code reader)または任意の他の適切なメカニズムによって検出することができる。また、他の類型の存在検出装備も使用できる。
【0054】
他の配置が可能であるが、例えばセンサーが、1次コア上部の位置のように、1次コアの所定の近所に車両が存在するときを検出するように構成される場合、1次コア5に対する所定の空間関係での検出センサー8の配置は車両の存在に応答して1次コアの制御を容易にする。
【0055】
一般に、モーター制御器及びインバーターまたはSSRは、LIMとの統合式ユニットとして配列されるか、あるいはLIMから分離されることができる。例えば、それぞれのモーター制御器及びインバーター/SSRは、車両が存在するLIMに制御をスイッチングすることで、複数のLIMを制御するように構成されることができる。このような配列は、設置費を減少させるが、モーター制御器によって制御されたトラックセクション内で同時に制御可能な車両の台数を制限する。
【0056】
実施例によっては、それぞれのモーター制御器2;2a、2bは、それぞれのモーター制御器に割り当てられた固有のID、例えば固有の数値を持ち、また領域制御器10はそれぞれのモーター制御器2;2a、2bのID及びトラックに沿う位置に対する情報を含むその領域内のモーター制御器のデータベースを維持するように構成される。結果的に、それぞれのモーター制御器2が車両の存在及び車両IDを検出するためのセンサー8と関係するとき、モーター制御器ID及び検出された車両の車両IDを示す検出信号をモーター制御器から受信する場合、領域制御器10は受信したモーター制御器ID及び車両IDに基づいて、かつ領域制御器データベース内の格納された位置情報に基づいてそれぞれの車両1;1a、1bの位置を認識することができる。また、領域制御器は、二台の車両間の距離を計算するようにデータベース内の位置情報を利用することができる。
【0057】
図3の例において、センサー、モーター制御器及び領域制御器を含む速度制御ルーフは有線通信を伴うので、速度制御の信頼度が非常に高い。
【0058】
モーター制御器は、無線送信機または送受信機29及び車両の対応する無線受信機及び送受信機19を介してモーター制御器の近所の車両1の車両制御器13と通信するように構成された無線モデムまたは他の無線通信インターフェース23をさらに含む。無線通信は、任意の適切な無線データ通信媒体、例えば無線周波数通信、具体的に短距離無線通信によって実行することができる。よって、モーター制御器2は、領域制御器10から受信した情報に基づいて車両前方の次の車両までの確認された自由距離に対する情報を通信する。例えば、図1において、車両1aは、車両1bまでの確認された自由距離11に対する情報を維持する。よって、車両制御器13は、その前方の自由距離に対する情報を常に維持する。その後、例えば次のモーター制御器を通るとき、車両制御器13が自由距離に対する更新情報を得ることになるとき、車両制御器13は格納された確認自由距離を更新させる。
【0059】
車両は車両自体の位置及び速度を検出するための車両位置センサー28をさらに含む。確認された自由距離に対する格納情報及びセンサー28からのセンサー信号に基づいて、車両制御器は車両1が車両の確認された自由距離の終端に近付くときを判断し、また確認された自由距離の終端に到逹する前に車両の停止を許すように非常ブレーキ21を間に合って稼動させる。
【0060】
センサー28は、車両1の位置及び速度を検出するための任意の適切なメカニズムに基づくことができる。例えば、車両速度は、ホイールセンサーによって、例えば単位時間当たり一つ以上のホイールの回転数を計数することで検出することができる。車両の位置は、衛星利用測位システム(global positioning system)のような人工衛星基盤ナビゲーションシステムまたは任意の他の適切な検出メカニズムによって、トラックに沿って位置するトランスポンダからの応答信号を検出する無線送受信機によって検出することができる。その代わりにまたは追加として、車両の位置は、検出された速度信号及び/またはその他のものなどを統合することで決定することができる。
【0061】
車両が現在確認された自由距離の終端に近付く前、車両制御器13が車両制御器に格納されている確認自由距離を更新させるモーターのメッセージを受信しなければ、車両制御器は非常ブレーキを作動させる。
【0062】
車両制御器13がモーター制御器及び領域制御器の作用とは無関係に非常ブレーキを制御することでシステムの安全性を増大させることが有利である。これに対し、モーター制御器が現在確認された自由距離の終端に近付く前、かつモーター制御器が次のモーター制御器からの更新された自由距離を受信している限り、個別車両位置センサーまたはモーター制御器または通信リンクの単一故障は必ずしも非常制動を引き起こさなく、よってシステムの作動に対する不要な中断を避けるができる。
【0063】
車両制御器13は周期的な監視信号を非常ブレーキ21に送信するようにさらに構成される。非常ブレーキ21が所定の時間の間に監視信号を受信しなければ、非常ブレーキ21はみずから作動するように構成され、よって車両制御器13の故障に対する安全性を提供する。
【0064】
図4において、車両位置検出がオンボード(on−board)位置検出センサー28に基づくという点を除けば、図4の速度制御システムは図3のシステムと類似している。よって、イントラック車両位置センサー及び対応する信号処理ロジッグが求められない。よって、図4の例において、車両制御器13は、車両ID、現在の車両位置及び速度を車両の送信機19及びモーター制御器の送受信機29と無線通信インターフェース23を介してモーター制御器2に伝送するように構成される。通信は車両とモーター制御器の中のいずれか一つのモーター制御器との間の2地点間通信、または車両による放送通信であることができる。例えば、車両無線インターフェース範囲内でモーター制御器による受信のために、車両の送受信機19を介して車両のID、位置及び速度を周期的に放送することができる。モーター制御器2は、受信したデータを領域制御器10に伝送することで、領域制御器が車両1の自由距離11及び対応する推薦速度を決定することを許容する。依然として可能であるが、領域制御器が車両から発生する実際位置データを受信するので、領域制御器10は車両位置及び自由距離の決定のためにモーター制御器位置のデータベースに頼る必要がない。領域制御器10から車両位置近所のモーター制御器2までの計算された自由距離及び推薦速度及び/または速度調節命令の通信、モーター制御器2による速度制御、モーター制御器2から車両制御器13までの自由距離の伝送、非常ブレーキメカニズム及び監視機能は図3に基づいて説明するように実行される。
【0065】
他の実施例において、車両は車両の位置及び速度を無線通信を介して領域制御器に直接伝送することができ、領域制御器は自由距離をそれぞれの車両に直接伝送することができる。
【0066】
以下、本明細書に開示された速度制御システムの実施例によって具現された速度制御工程を、図1及び図2ないし図3及び図4を続けて参照しながら図5ないし図8を参照して説明する。
図5及び図6は速度制御システムのモーター制御器によって行われる速度制御工程、例えば前述したモーター制御器2の主制御モジュール16によって行われる工程の例の流れ図を示す。
【0067】
最初に、図5の例において、工程は対応する1次コア5の近くに車両が存在するか否かを破断するように、かつ検出された車両の車両IDを決定するように、例えばイントラック車両位置センサーからまたはオンボード車両位置検出センサーからモーター制御器の近くにある車両に対する位置情報を受信する(S50)。車両の存在が検出されれば、工程は、車両が検出されたという表示及び対応する車両ID、及び好ましくは検出された車両の速度及び方向を含むデータを通信ケーブル9を介して領域制御器10に伝送する(S51)。ついで、工程は、目標/推薦車両速度及び/または要求された速度調整を示す速度命令、及び検出された車両前方の自由距離を示す情報を領域制御器から受信する(S52)。速度命令に基づいて、工程は一つ以上の電圧/周波数命令を計算し、また命令をインバーター17に供給する(S53)。電圧/周波数の計算は、追加として車両位置センサーから受信した検出された車両の車両速度の測定に基づくことができる。測定された速度及び受信した目標速度に基づいて、モーター制御器は、所定の加速または減速の量を決定し、また対応する電圧/周波数命令を計算する。よって、インバーターは、例えばパルス幅変調(pulse width modulation)法または位相角基盤スイッチング(phase−angle based switching)を利用することにより、所定の周波数を持つ所定のAC電圧を生成し、またAC電力線形誘導モーターの対応する1次コア5;5a、5bに伝送する。所定の加速/減速の計算は、もう一つの方法として、領域制御器によって実行することができると理解できる。最後に、段階S54で、モーター制御器は、自由距離に対する受信した情報を検出された車両の車両制御器に伝送する。
【0068】
図6の例において、工程は、モーター制御器の近くにある車両に対する位置情報を受信し(S50)、車両位置、速度及びIDを含む車両データを領域制御器10に伝送し(S51)、また図5に基づいて説明したように速度命令を受信する(S52)。図6の例において、工程は、受信した自由距離に基づいて、例えば自由距離と安全速度を関係させるルックアップテーブル(look−up table)によって安全速度を決定する(S55)。選択によっては、ルックアップテーブルは車両質量のような追加的な媒介変数、及び線路勾配のような外部条件などを含むことができる。その代わりにまたは追加として、このような決定は推算された制動距離を計算するための所定の公式に基づいて実行することができる。制動距離の計算は、非常ブレーキに頼る必要なしに制動を許容する安全速度の維持を保障するようにLIMの制動能力及び/または乗客快適さ限界に基づくことができる。
【0069】
ある実施例、具体的に単一モーター制御器が一つ以上のLIMを制御する実施例において、モーター制御器は少なくとも車両がモーター制御器によって制御されたトラックのセクション内に存在する一車両の受信した自由距離及び/または受信した推薦速度を格納することができる。したがって、領域制御器との連続した通信に頼らなくても、速度制御を効率よくかつ確かに実行することができる。
【0070】
段階S56で、工程は、安全速度が、受信した推薦速度より小さいか否かを判断する。安全速度が推薦速度より小さければ、工程は、安全速度に基づいて速度調節を決定することにより(S57)、不要な非常ブレーキの必要がない。そうでなければ、工程は、推薦速度に基づいて速度調節を決定する(S58)。一般に、速度調節は、モーター制御器の比例、積分及び微分(proportional、 integrating and derivating:PID)制御回路に基づくことができる。PID制御回路は、速度を所定値に調整するように、推力レベル、つまり所定の加速度と車両質量の積を決定することができる。車両質量は、例えば駅舎から車両が出発するとき、車両の加速性能を測定することで決定することができ、またそれぞれの車両または領域制御器及びモーター制御器と通信することができる。計算された推力は、乗客快適さ、線路勾配などを保障するように、LIMの明細、限界値のような追加の要因によって制限/修正することができる。計算された速度調節に基づいて、工程は一つ以上の電圧/周波数命令を計算し、前述したようにその命令をインバーター17または他の推力制御器に供給する(S53)。最後に、段階S54で、モーター制御器は、自由距離に対する受信した情報を、検出された車両の車両制御器に伝送する。
【0071】
選択によっては、それぞれのモーター制御器は、円滑な制御の引き渡しのために、速度及び推力を次の下流の制御器に伝達することができる。
【0072】
図7は速度制御システムの領域制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。初期段階S61で、領域制御器10は、モーター制御器または車両制御器2;2a、2bからデータを受信し、このデータは車両位置及び車両IDを示し、そしてそのモーター制御器を通るかあるいはそのモーター制御器上に位置する車両の速度及び方向を選択的に示す。位置情報に基づいて、かつ選択によっては、指定された領域内のモーター制御器に対する領域制御器のデータベース内の格納された情報に基づいて、領域制御器は、車両間の相対的な距離を計算し(S62)、車両が最小運転間隔(headway)を維持するか否かを調査する。具体的に、最小運転間隔が維持されるか否かに対する判断は、計算された距離を、次の車両の速度によって決まる所定の安全距離と比較することで実行される。距離情報に基づいて、領域制御器は、安全距離を維持するための車両に対する推薦速度、かつ例えば駅舎の出口での合流制御(merge control)のための推薦速度を決定する(S63)。領域制御器は、最小運転間隔の維持を保障し、またシステム内の作業処理量及び/または移動時間を最適化するように、かつカーブで乗客快適さを保障するように、領域内の車両の速度を制御するための代案的なまたは追加的な戦略を具現することができることが理解できる。段階S64で、領域制御器は、推薦速度及び車両前方の自由距離に対する情報を車両が検出されたモーター制御器に伝送する。領域制御器は、前述した速度命令とともに、または別個のメッセージとして、自由距離に対する情報を伝送することができることが理解できる。一実施例において、領域制御器は、現在車両1aの前方の自由距離11の終端点を示すように、現在車両1aの真前方の車両1bの位置を伝送する。一般に、車両の自由距離は、車両前方の非占有トラックの長さ、具体的に車両の真前方の一番目の他の車両に対するトラックに沿っての距離/位置として決定することができる。
【0073】
推薦速度を伝送するに代わって、またはそれに付け加えて、領域制御器は、推薦速度調整を決定することができ、また対応する速度調整命令をモーター制御器に伝送することができる。例えば、先行車両と後行車両の間の計算された距離が安全距離より大きければ、領域制御器10は後行車両を加速させるように“高速”命令、あるいは後行車両の同一速度を維持するように“同速”命令を通信ケーブル9を介して対応するモーター制御器2に伝送することができる。これに対し、計算された距離が安全距離より短い場合、領域制御器10は、後行車両を減速させるように“低速”命令を後行車両のモーター制御器に伝送する。
【0074】
図8は速度制御システムの車両制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。初期段階S71で、車両制御器は車両制御器モーター制御器からメッセージを受信したか否かを調査し、このメッセージは自由距離を示す。車両制御器がこのようなメッセージを受信すれば、工程は、段階S72に進む。好ましくは、“自由距離”は車両の動きによって影響を受けない自由距離の終端の位置として通信される。
【0075】
段階S72で、すなわち車両制御器が自由距離を示すモーター制御器からの新しいメッセージを受信するとき、車両制御器は確認された自由距離を示す値を更新する。一実施例において、自由距離がモーター制御器から受信した少なくとも二つのセンサー表示または二つのメッセージによって確認されるとき、車両制御器は確認された自由距離のみを更新する。
【0076】
次の段階S75で、車両制御器は、確認された自由距離が車両の制動可能な所定の制動距離より小さいか否かを判断する。所定の制動距離は、車両制御器内に格納された一定距離であるか、あるいは、例えば現在の車両速度、車両の現在重量及び/または他の媒介変数、例えばトラック上の車両の位置、線路/トラック勾配または天気条件によって決まる距離であることができる。一般に、制動距離は、前述したように、正常な速度調節のために使用された安全距離より小さい。確認された自由距離が制動距離より大きければ、工程は段階S76に進み、そうではなければ、工程は段階S74に進み、段階S74で、車両制御器は非常ブレーキを作動させる。
【0077】
段階S76で、車両制御器は、車両制御器が適切に作動しているということを非常ブレーキに示すように、監視信号を非常ブレーキに送信する。その後、工程は、モーター制御器からのメッセージが受信したか否かを調査するように段階S71に戻る。
【0078】
監視器が車両制御器によって周期的に処理される場合にだけ監視器が監視信号を送信するように構成されるとき、車両位置及び速度の計算に影響を及ぼし得る車両制御器の故障の場合に車両ブレーキが作動するように保障する。
【0079】
非常ブレーキの作動は追加的なまたは代案的な基準にも基づくことができることが理解できる。例えば、車両制御システムは、モーター制御器からの信号の受信なしに、及び/または更新された自由距離の受信なしに、所定の遅延時間の後に非常ブレーキを作動させることができる。遅延時間は車両が所定の距離内に停止するように車両の速度によって決まることができる。
【0080】
本発明の前述した例示的な実施例において、推力が車両に付着された反応板に空気間隙を介して伝達されるので、車両への動力供給が要求されない。よって、通常のオンボード型線形誘導モーター上に装着された集電装置及び給電手段の設置が要求されない。
【0081】
オンボード型線形誘導モーター
図9及び図10はオンボード型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムの一部の例を概略的に示す。個別用高速輸送システムはトラックを含み、参照符号6で指示されたトラックの一セクションが図9及び図10に概略的に示されている。トラックは、通常複数の合流点、分岐点及び駅舎を含むネットワークを形成する。個別用高速輸送システムは、概して参照符号1で指示された複数の車両をさらに含む。図9及び図10は車両1を備えたトラックセクション6を示す。個別用高速輸送システムが任意の個数の車両を含むことができることが理解できる。一般に、それぞれの車両は通常シャーシまたは骨格運搬ホイール22によって支持される客室を含む。
【0082】
前述したように、個別用高速輸送システムは、それぞれの車両内に配列され、参照符号5で指示される一つ以上の1次コアを含むオンボード型線形誘導モーターを含むことができる。それぞれの車両は、車両内に装着された一つ以上のLIMを持つ。トラック装着型反応板7は、例えばトラックに沿って配列された連続板の形になり、通常鋼製支持板上にアルミニウム、銅などで製造された金属板である。このような一実施例において、車両はLIMを駆動するための動力を、例えば線路から、例えば適切なすべり接触によって受ける。
【0083】
以下に詳細に説明するように、それぞれの車両1は、車両の運転を制御するために、概して13で指示された車両制御器を含む。
【0084】
それぞれの1次コア5は、車両を加速または減速させるための推力を制御するように、適切なAC電力を対応する1次コアに供給するモーター制御器2によって制御される。推力は1次コア5によって反応板7に与えられる。このために、それぞれのモーター制御器2は駆動力を1次コア5に供給するインバーターまたはスイッチング手段を含む。モーター制御器2は、領域制御器10から車両制御器への外部制御信号9に応じて駆動力の電圧/周波数を制御する。その後、車両制御器は関連信号をモーター制御器に伝送する。
【0085】
オンボードシステムにおいて、領域制御器は無線通信を介して車両制御器13と通信する。その後、車両制御器はモーター制御器2と通信する。図9及び図10は分離型ハードウェアを持つ二つの分離型ユニットとしての車両制御器とモーター制御器を示したが、車両制御器とモーター制御器は単一ユニットとして統合することができ、または同じハードウェア上で実行される二つのプログラムとして具現することができる。
【0086】
一般に、フラックスの密度及び周波数のような条件が同一であれば、反応板7と1次コア5の間で発生する電磁気推力は反応板と1次コアの間の空気間隙の面積に比例する。
【0087】
1次コア5とモーター制御器2が車両上に装着されることにより、トラックに沿って車両の円滑な移動を得ることができるということがオンボード線形誘導モーターの利点である。オンボード型のさらなる利点は、それぞれの車両が車両自体のモーター制御器及び1次コアを運び、よって複数のモーター制御器及び1次コアが全体トラックに沿って位置しないので、通常より少ない個数の1次コア及びモーター制御器が必要であるというのである。
【0088】
オンボードモーターは最大加速及び等級のために寸法調整される必要があり(そして寸法調整されることができ)、オンボードモーターはより優れた性能を持つので、非常ブレーキの適用必要性を減少させる。
【0089】
システムはトラックに沿って車両の位置を検出するための一つ以上の車両位置検出センサーをさらに含むことができる。位置の検出は、図9に示すように、位置検出センサーによってトラック内で起こることができるか、あるいは図10に示すように、車両内の位置検出センサー28から起こることができる。
【0090】
図9のシステムにおいて、車両の位置は、それぞれのセンサーの近所の車両の存在を検出するように構成された車両位置センサー8によって検出される。車両位置センサー8は領域制御器10に連結され、それぞれの検出信号を領域制御器に伝送する。一つの車両位置センサー8のみを図9に示したが、通常一つ以上のセンサーが存在することが理解できる。
【0091】
車両位置センサーは、任意の適切な検出メカニズムによって車両の存在を検出することができる。好適な実施例において、車両位置センサーは、車両速度、方向及び/または車両IDのような追加的な媒介変数を検出する。
【0092】
位置及び速度に対するオンボードセンサーは線路内のセンサーに対する必要性をなくすことができる。
【0093】
このシステムは、PRTシステムの少なくとも一つの所定のセクションまたは領域の作動を制御するための一つ以上の領域制御器10をさらに含む。2地点間通信、バスシステム、例えばLANであるコンピューターネットワークなどを通じる無線通信によって車両制御器13と対応の領域制御器10の間のデータ通信を許すように、それぞれの領域制御器は、領域制御器10によって制御された領域内の車両制御器13のサブセットと通信する。図9及び図10は単一領域制御器のみを示したが、PRTシステムが通常任意の適切な個数の領域制御器を含むことが理解できる。システムのいろいろな部分/領域はそれぞれの領域制御器によって制御されることができ、よって互いに独立した個別的な領域の作動を提供するだけでなく、システムの適切な大きさ調整を許容する。また、図9及び図10に示されていないが、それぞれの領域制御器10は、一領域内の車両制御器に対する分配式制御、例えばトラックの一セクション内に現在存在する車両に対する分配式制御を提供するように、複数の個別的な制御器で構成できる。その代わりにまたは追加として、リダンダンシーによる信頼度を改善するように、それぞれの領域に対して複数の領域制御器が提供されることができる。
【0094】
以下に詳細に説明するように、図10の例において、検出された車両の位置及び車両IDを示す車両制御器からの適切な検出信号を受信するとき、領域制御器10はそれぞれの車両の位置を認識する。
【0095】
また、領域制御器は二台の車両間の距離を計算する。したがって、領域制御器10は、車両間の所定の最小運転間隔または安全距離を維持するように、かつ専用領域内の全体交通流れを管理するように、二台の車両間の計算された距離によって二台の車両のそれぞれの所定/推薦速度を決定する。したがって、領域制御器は検出された車両の自由距離及び所定/推薦速度に対する情報を車両に返還する。その代わりに、領域制御器は、所定程度の速度調整を決定することができ、そして対応命令を車両に伝送することができる。
【0096】
その代わりにまたは追加として、速度は確認された自由距離に基づいてモーター制御器によって計算されることもできる。したがって、モーター制御器が車両に対する最後の公知された安全距離に基づいて速度を計算することができるので、安全制御は領域制御器との連続した通信に頼らない。
【0097】
PRTシステムは、例えばイントラックシステムに対して図1に示すように、領域制御器と中央システム制御器20の間のデータ通信を許すように、領域制御器10に連結された中央システム制御器20をさらに含む。中央システム制御器20はPRTシステムの制御センター内に設置されることができ、また選択的に負荷予測、経路指定テーブル、空車管理(empty vehicle management)、乗客情報などのような交通管理任務を含む全体システムの運行状態を検出して制御するように構成できる。
【0098】
具体的に、車両制御器13は、車両1内に設置された一つ以上の非常ブレーキ21の作動を制御する。他の類型の非常ブレーキが使用できるが、事前負荷式スプリング型の機械式非常ブレーキは作動するための電気または他の動力を要求しなくて二重安全機能の(fail−free)非常ブレーキメカニズムを提供するので、事前負荷式スプリング型の機械式非常ブレーキが特に信頼し得るという事実が証明された。このような事前負荷式スプリング非常ブレーキにおいて、スプリングは例えば油圧または空圧によって事前に負荷される。事前負荷圧力を除去してスプリングによってブレーキを膨脹させて作動させることで、例えばトラック6及び/またはホイール22に対して一つ以上のブレーキブロックまたはクランプを加圧することによりブレーキが作動する。
【0099】
その代わりにまたは追加として、オンボードシステムにおいて、オンボードモーター5が非常ブレーキとして使用できる。このような実施例において、車両は通常線路/トラックを介して正常な作動エネルギーを受けるモーター5の正常エネルギー供給とは無関係に、車両を非常制動させるのに要求されるエネルギーを提供するための十分な性能を持つとともにモーター5に連結されたバッテリーのようなオンボードエネルギー源を含むことができる。
【0100】
車両制御器13は、無線通信を介して領域制御器10に対してデータを送受信するための送受信機及び/またはもう一つの通信インターフェース14を含む。車両制御器13は信号処理モジュール15をさらに含む。モーター制御器2は領域制御器10からの無線通信14を介して、車両制御器13によって受信した命令に従って電圧/周波数命令をインバーター17または他の推力制御器、例えばインバーターまたはスイッチング装置に出力するための主制御モジュール16をさらに含む。インバーター17またはスイッチング装置は、主制御モジュール16からの電圧/周波数命令に従って多重位相AC電力電力線24を介して対応する1次コアに供給する。信号処理モジュール15と主制御モジュール16は分離型回路/回路ボードで具現されるか、あるいは例えば特定用途向け集積回路、適切にプログラムされた一般用途のマイクロプロセッサーなどの単一回路/回路ボードで具現されることができる。
【0101】
領域制御器と車両制御器の間の無線通信は、例えば無線周波数通信、具体的に短距離無線通信によって任意の適切な無線データ通信媒体によって実行できる。したがって、車両制御器13は、車両前方の次の車両までの確認された自由距離に対する情報を受信する。したがって、車両制御器13は車両前方の自由距離に対する情報を常に維持する。その後、車両制御器13が自由距離に対する更新情報を受信するとき、車両制御器13は格納された確認された自由距離を更新する。
【0102】
車両は車両自体の位置及び速度を検出するための車両位置センサー28をさらに含む。確認された自由距離に対する格納情報及びセンサー28からのセンサー信号に応じて、車両制御器車両1が車両の確認された自由距離の終端に到逹するときを判断し、そして確認された自由距離の終端に到逹する前に車両の停止を許すように定刻に非常ブレーキ21を作動させる。
【0103】
車両位置センサー28は、車両1の位置及び速度を検出するための任意の適切なメカニズムに基づくことができる。例えば、車両速度は、ホイールセンサーによって、例えば単位時間当たり一つ以上のホイールの回転数を計数することで検出することができる。車両位置は、衛星利用測位システムのような衛星基盤ナビゲーションシステムによって、または任意の他の適切な検出メカニズムによってトラックに沿って位置するトランスポンダからの応答信号を検出する無線送受信機によって検出することができる。その代わりにまたは追加として、車両位置は検出された速度信号などを統合することで決定することができる。
【0104】
車両が現在の確認された自由距離の終端に近付く前に車両制御器13が格納された確認された自由距離を更新させる領域制御器からのメッセージを車両制御器13が受信しなければ、車両制御器は非常ブレーキを作動させる。
【0105】
車両制御器13が領域制御器の作用とは無関係に非常ブレーキを制御することでシステムの安全性を増大させることが利点である。これに対し、現在の確認された自由距離の終端に近付く前に車両制御器が更新された自由距離を受信する限りは、個別車両位置センサーまたは通信リンクの単一故障は非常ブレーキを必ずしも引き起こされなく、よってシステムの作動の不要な中断を避ける。
【0106】
また、車両制御器13は周期的な監視信号を非常ブレーキ21に送信するように構成される。非常ブレーキ21が所定の時間の間に監視信号を受信しなければ、非常ブレーキ21は自ら作動するように構成され、よって車両制御器13の故障に対する安全性を提供する。
【0107】
車両制御器13は正常な速度制御及び非常ブレーキ制御に対する分離型作用モジュール602及び603をそれぞれ含むことができる。したがって、正常速度制御が速度制御モジュール602内の故障によって作動しないとしても、非常ブレーキ制御は依然としてそれとは無関係に作用する。モジュール602及び603は、例えば分離型ASICである分離型ハードウェアユニットとして、または同一または相異なるハードウェア上で実行される分離型プログラムモジュール、例えば二つの独立した制御プログラムとして具現できる。具体的に、車両は、1次コア5への動力供給とは無関係に、車両制御器13または少なくとも非常ブレーキ制御モジュール603に動力を供給するための例えばバッテリーのような分離型エネルギー源64を含むことができる。
【0108】
他の実施例において、車両の位置検出は、図10に示すように、車両制御器13に連結されたオンボード位置検出センサー28に基づくことができる。図10では、車両制御器が車両に対する領域制御器に情報を伝達するが、図9では、領域制御器が車両に対する車両制御器に情報を伝達する。したがって、図10に示すシステムにおいては、イントラック車両位置センサーが要求されない。よって、車両制御器13は、車両ID、現在車両位置及び速度を無線通信を介して領域制御器に伝送するように構成される。通信は、車両と領域制御器の中で一つの領域制御器との間の2地点間通信、または車両による放送通信であることができる。例えば、車両無線インターフェースの範囲内の領域制御器による受信のために送受信機19を介して車両のID、位置及び速度を周期的に放送することができ、よって領域制御器が車両の自由距離及び対応する推薦速度を決定することを許容する。領域制御器10から車両制御器13までの計算された自由距離及び推薦速度及び/または速度調節命令の通信、モーター制御器2による速度調節、非常ブレーキメカニズム及び監視機能は前述したように実行される。
【0109】
以下、本明細書に開示した速度制御システムの実施例によって具現された速度制御工程を図11〜図14を参照して、かつ図9及び図10を続けて参照して説明する。
図11及び図12は速度制御システムの車両基盤車両制御器及び/またはモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【0110】
図11はオンボードシステムにおける速度制御工程の第1例を示す。まず、工程は、目標/推薦車両速度を示し、そして/または要求された速度調整を示す速度命令及び車両前方の自由距離を示す情報を領域制御器から受信する(S52)。速度命令に基づいて、工程は一つ以上の電圧/周波数命令を計算し、またその命令をインバーター17に供給する(S53)。また、電圧/周波数の計算は車両位置センサーから受信した車両の車両速度の速度測定に基づくことができる。測定された速度及び受信した目標速度に基づいて、工程は所定の加速または減速の量を決定し、対応する電圧/周波数命令を計算する。したがって、インバーターは、例えば位相幅変調技術を利用して所定の周波数を持つ所定AC電圧を生成し、そしてAC電力線形誘導モーターの対応する1次コア5に伝送する。所定の加速/減速は車両制御器及び/またはモーター制御器によって実行可能であることが理解できる。その代わりに、工程は、領域制御器によって実行されることができる。
【0111】
図12に示す例は図11に示す工程と類似している。しかし、図12の例において、工程は、例えば自由距離と安全速度を関係させるルックアップテーブルによって安全速度を受信した自由距離に基づいて決定する(S55)。選択によっては、ルックアップテーブルは車両質量のような追加的な媒介変数、線路勾配のような外部条件などを含む。その代わりにまたは追加として、決定は推算された制動距離を計算するための所定の公式に基づいて実行することができる。制動距離の計算は、非常ブレーキに頼る必要なしに制動を許容する安全速度の維持を保障するように、LIMの制動能力及び/または乗客快適さ限界に基づくことができる。
【0112】
段階S56で、工程は、安全速度が受信した推薦速度より小さいか否かを判断する。安全速度が推薦速度より小さければ、工程は安全速度に基づいて速度調節を決定することにより(S57)、不要な非常ブレーキの必要がない。そうでなければ、工程は推薦速度に基づいて速度調節を決定する(S58)。一般に、速度調節はモーター制御器の比例、積分及び微分(PID)制御回路に基づくことができる。PID制御回路は、速度を所定値に調整するように、推力レベル、すなわち所定加速度と車両質量の積を決定することができる。車両質量は、例えば駅舎からの車両の出発時に車両加速性能を測定することで決定し、それぞれの車両に伝達することができる。計算された推力は、乗客快適さ、線路勾配などを保障するように、LIMの明細、限界値のような追加要因によって制限/修正されることができる。決定された速度調節に基づいて、工程は一つ以上の電圧/周波数命令を計算し、前述したようにその命令をインバーター17または他の推力制御器に供給する(S53)。
【0113】
図13は速度制御システムの領域制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。初期段階S61で、領域制御器10は、場合によって、車両制御器13及び/またはトラック基盤センサー8からデータを受信し、データは車両位置及び車両IDを示し、そして選択によって車両の速度及び方向を示す。所定の領域内の他の車両の位置に対する格納情報及び位置情報に基づいて、領域制御器は、車両間の相対的な距離を計算し(S62)、車両が最小運転間隔(headway)を維持するか否かを調査する。具体的に、最小運転間隔が維持されるか否かに対する判断は次の車両の速度によって決まり、そして選択によって先行車両の速度によって決まる所定の安全距離と計算された距離を比較することで実行される。距離情報に基づいて、領域制御器は、安全距離を維持するために車両のための推薦速度、かつ例えば駅舎からの出口での合流制御のための推薦速度を決定する(S63)。領域制御器は、最小運転間隔の維持を保障し、またシステム内の作業処理量及び/または移動時間を最適化するように、かつカーブで乗客快適さを保障するように、領域内の車両の速度を制御するための他のまたは追加的な戦略を具現することができると理解できる。段階S64で、領域制御器は、推薦速度及び車両前方の自由距離に対する情報を車両が検出されたモーター制御器に伝送する。領域制御器は、前述した速度命令とともに、または別個のメッセージとして、自由距離に対する情報を伝送することが理解できる。一実施例において、領域制御器は、現在車両前方の自由距離の終端点を示すように、現在車両の真前方の車両1bの位置を伝送する。一般に、車両の自由距離は車両前方の非占有トラックの長さとして、具体的に車両の真前方の一番目他の車両に対するトラックに沿う距離/位置として決定することができる。
【0114】
推薦速度を伝送するに代わってまたはそれに追加して、領域制御器は、推薦速度調整を決定することができ、対応する速度調整命令をモーター制御器に伝送することができる。例えば、先行車両と後行車両の間の計算された距離が安全距離より大きければ、領域制御器10は、後行車両を加速させるように、“高速”命令、または後行車両の同一速度を維持するように“同速”命令を通信ケーブル9を介して伝送することができる。これに対し、計算された距離が安全距離より短い場合、領域制御器10は後行車両を減速させるように、“低速”命令を伝送する。
【0115】
図14は速度制御システムの車両制御器によって実行された非常ブレーキ制御工程の例の流れ図を示す。初期段階S71で、車両制御器は、車両制御器モーター制御器からメッセージを受信したか否かを調査するが、そのメッセージは自由距離を示す。車両制御器がこのようなメッセージを受信すれば、工程は、段階S72に進む。好ましく“自由距離”は車両の動きによって影響を受けない自由距離の終端の位置として通信される。
【0116】
段階S72で、すなわち車両制御器が自由距離を示すモーター制御器からの新しいメッセージを受信するとき、車両制御器は確認された自由距離を示す値を更新する。一実施例において、車両制御器は、自由距離が少なくとも二つのセンサー表示または二つのメッセージによって確認されるとき、確認された自由距離のみを更新する。
【0117】
次の段階S75で、車両制御器は、確認された自由距離が車両が制動可能な所定の制動距離より小さいか否かを判断する。所定の制動距離は車両制御器内に格納された一定距離であることができ、あるいは例えば現在の車両速度、車両現在重量及び/または他の媒介変数、例えばトラック上の車両の位置、線路/トラック勾配または天気の条件によって決まる距離であることができる。一般に、制動距離は、前述したように、正常な速度調節のために使用された安全距離より小さいであろう。確認された自由距離が制動距離より大きければ、工程は段階S76に進み、そうではなければ、工程は段階S74に進み、そして段階S74で、車両制御器は非常ブレーキを作動させるようにする。
【0118】
段階S76で、車両制御器は、車両制御器適切に作動していることを非常ブレーキに示すように、監視信号を非常ブレーキに送信する。その後、工程は、メッセージが受信されたか否かを調査するように段階S71に戻る。
【0119】
監視器が車両制御器によって周期的に処理される限りは、監視器が監視信号を送信するように構成されるとき、車両の位置及び速度の計算に影響を及ぼし得る車両制御器の故障の場合に車両ブレーキが作動するように保障される。
【0120】
非常ブレーキの作動は、追加的なまたは代案的な基準に基礎することもできることが理解できる。例えば、車両制御システムは、モーター制御器からの信号の受信な及び/または更新された自由距離の受信なしに、所定の遅延時間の後に非常ブレーキを作動させることができる。遅延時間は、車両が所定の距離内に停止するように、車両の速度によって決まる。
【0121】
いくつかの実施例を詳細に説明して図示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、次の特許請求範囲によって限定された具体的思想の範囲内で他の方式で具体化することもできる。
【0122】
本明細書で説明した方法及び制御システム、そして特に本明細書で説明した車両制御器、領域制御器及びモーター制御器はいくつかの独特の要素を含むハードウェアによって、かつ適切にプログラムされたマイクロプロセッサーまたはその他の処理手段によって具現することができる。処理手段という用語は、例えばコンピューター実行可能な命令のようなプログラムコード手段の実行によって引き起こされるような本明細書で説明した作用を実行するように適切に構成された任意の回路及び/または装置を含む。具体的に、前述した用語は一般的なまたは特殊用途のプログラム可能なマイクロプロセッサー、デジタル信号処理(digital signal processors:DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能な論理アレイ(programmable logic array:PLA)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(field programmable gate array:FPGA)、特定目的の電子回路など、またはこれらの組合せを含む。
【0123】
装置請求項が多くの手段を列挙すれば、これら手段の中でいくつかの手段は同一アイテムのハードウェア、例えば適切にプログラムされたマイクロプロセッサー、一つ以上のデジタル信号プロセッサなどによって具現できる。特定の手段が互いに異なる従属請求項内に記載されており互いに異なる実施例に説明されているという事実だけではこれら手段の組合せが有利に使用できないということを意味しない。
【0124】
用語“含む(comprises)/含む(comprising)”が本明細書で使用されるとき、その用語は前述した特質、整数、段階または構成要素の存在を具体化するために取られたものであるばかり、一つ以上の他の特質、整数、段階、構成要素またはその群の存在または追加を排除しないという点を強調しなければならない。
【0125】
図面において、同じ参照符号は同一あるいは対応する特質、要素、段階などを意味する。また、一つの要素がもう一つの要素に連結されるとき、要素は互いに直接連結されるだけではなく、媒介要素を介して互いに間接的に連結されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】イントラック型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムの一部の例を概略的に示す。
【図2】イントラック型線形誘導モーターを備える個別用高速輸送システムの一部の例を概略的に示す。
【図3】個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例のより詳細な図を概略的に示す。
【図4】個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例のより詳細な図を概略的に示す。
【図5】速度制御システムのモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図6】速度制御システムのモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図7】速度制御システムの領域制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図8】速度制御システムの車両制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図9】個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例を概略的に示す。
【図10】個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムの例を概略的に示す。
【図11】速度制御システムのモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図12】速度制御システムのモーター制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図13】速度制御システムの領域制御器によって実行される速度制御工程の例の流れ図を示す。
【図14】速度制御システムの車両制御器によって実行される非常ブレーキ制御工程の例の流れ図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別用高速輸送システムにおける一つ以上の車両がトラックに沿って移動するとき、前記一つ以上の車両の車両速度を制御するものであって、前記個別用高速輸送システムは一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含み、それぞれのモーターは一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになっている速度制御システムにおいて、
前記一つ以上の車両の前記車両速度を制御するように、車両の位置及び/または速度センサーから受信した一つ以上のセンサー信号に基づいて前記モーターの中で少なくとも一つのモーターによって生成された前記推力を制御するようになった速度調節サブシステム、及び
前記一つ以上の車両の各車両内に含まれ、前記速度調節サブシステムによる車両速度制御とは無関係に、前記車両上に装着された非常ブレーキを作動させるようになった車両制御システムを含むことを特徴とする、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項2】
前記個別用高速輸送システムは、前記トラックに沿って位置する複数のモーターを含むイントラック(in−track)車両推進システムを含み、それぞれのモーターは、前記車両が前記モーターの近くにあるとき、前記一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになることを特徴とする、請求項1に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項3】
前記個別用高速輸送システムは、それぞれの車両が前記モーターの中で少なくとも一つのモーターを含むオンボード(on−board)型車両推進システムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項4】
前記非常ブレーキは、前記トラックと摩擦式で噛み合うためのブレーキ部材を含む機械式ブレーキであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項5】
前記非常ブレーキは、事前負荷圧力によって抑制される事前負荷式スプリング部材を含むことを特徴とする、請求項4に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項6】
前記センサー信号は、少なくとも車両速度と車両位置を示す信号を含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項7】
前記推進システムは一つ以上の線形誘導モーターを含む線形誘導モーターシステムであり、生成された前記推力は反応板上に作用する電子気力によって前記車両に伝えられることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項8】
前記複数の線形誘導モーターは前記トラックに沿って位置し、前記反応板は前記車両上に装着されることを特徴とする、請求項7に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項9】
前記一つ以上の線形誘導モーターは前記車両上に位置し、前記反応板は前記トラック上に装着されることを特徴とする、請求項7に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項10】
前記車両制御システムは、前記個別用高速輸送システムの少なくとも一部を制御するための領域制御システムからの再帰信号を受信するようになることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項11】
前記再帰信号は前記車両前方の自由距離の終端点を示し、前記車両制御システムは、現在位置から前記終端点までの前記距離が所定のスレショルド距離より小さければ、前記非常ブレーキを作動させるようになることを特徴とする、請求項10に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項12】
前記再帰信号は前記車両前方の自由距離を示し、前記車両制御システムは前記車両の前記速度及び現在位置を示すセンサー信号を受信するとともに前記速度、前記現在位置及び前記自由距離に基づいて前記非常ブレーキを作動させるための必要性を決定するようになることを特徴とする、請求項10及び11のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項13】
前記車両制御システムは、受信した前記再帰信号の中で少なくとも二つの再帰信号が前記自由距離を示す場合にだけ、前記自由距離を確認された自由距離として承認するようになることを特徴とする、請求項10及び12のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項14】
前記車両制御システムは、前記再帰信号の受信なしに、所定の遅延時間の後に前記非常ブレーキを作動させるようになることを特徴とする、請求項10ないし13のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項15】
前記車両が所定の距離内に停止するように、前記遅延時間が前記車両の前記速度によって決まることを特徴とする、請求項14に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項16】
前記速度調節サブシステムは、前記一つ以上のモーターの中で少なくとも一つのモーターを制御するようになった一つ以上のモーター制御器、及び前記センサー信号を受信するとともに前記モーター制御器がそれぞれの車両の前記速度を調整するようにするための速度命令を生成するようになった少なくとも一つの領域制御器を含むことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項17】
前記一つ以上のモーター制御器は前記トラックに沿って位置し、前記領域制御器は前記それぞれのモーター制御器に前記速度命令を伝送するようになることを特徴とする、請求項16に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項18】
前記領域制御器はモーター制御器の近くに位置する車両前方の自由距離に対する情報を前記モーター制御器に伝送するようになり、前記モーター制御器は前記情報を前記車両に伝送するようになることを特徴とする、請求項17に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項19】
前記一つ以上のモーター制御器はそれぞれの車両内に位置し、前記少なくとも一つの領域制御器は、対応する前記車両の前記速度を調整するように、それぞれの車両制御器が対応するモーター制御器と通信するようにするために、前記速度命令を前記車両制御器のそれぞれに伝送するようになることを特徴とする、請求項16に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項20】
前記領域制御器は、車両前方の自由距離に対する情報を前記車両に伝送するようになり、それぞれの車両から位置及び速度情報を受信することを特徴とする、請求項16ないし19のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項21】
前記領域制御器のそれぞれの領域制御器及び前記モーター制御器のそれぞれのモーター制御器はそれぞれ二つの重複したサブシステムでなることを特徴とする、請求項16ないし20のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項22】
それぞれの車両は少なくとも二つの重複した車両制御器を含むことを特徴とする、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項23】
前記速度制御システムは再帰監視信号を前記非常ブレーキに送信するようになり、前記非常ブレーキは、前記非常ブレーキが所定の時間の間に前記車両制御システムから監視信号を受信しないとき、作動するようになることを特徴とする、請求項1ないし22のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項24】
前記車両制御システムは、前記車両制御システムからの運転中に周期的に処理される監視器モジュールを含み、前記監視器モジュールは、前記監視器モジュールが所定の時間の間に処理されなければ、前記非常ブレーキを作動させるようになることを特徴とする、請求項1ないし23のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項25】
前記速度調節サブシステムは、
a)一つ以上の1次コアを含むもので、それぞれの1次コアはトラックに沿って移動する車両に推力を提供するようになる線形誘導モーター、
b)前記車両の少なくとも一つの位置を検出するようになる一つ以上の車両位置センサー、
c)それぞれ一つ以上の1次コアを制御するようになった一つ以上のモーター制御器、及び
d)連続した車両間の安全な運転間隔の維持及び/または所定の領域内の車両流れの最適化のために、前記車両位置センサーから受信したデータに基づいて前記所定の領域内のそれぞれの車両の前記位置を識別し、二つの連続した車両間の距離を計算するとともに前記モーター制御器の中で一つ以上のモーター制御器がそれぞれの車両の前記速度を調整するようにするための車両速度命令を生成するようになる領域制御器を含むことを特徴とする、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項26】
前記線形誘導モーターと前記モーター制御器は前記トラックに沿って配列され、前記領域制御器は前記モーター制御器と通信するようになることを特徴とする、請求項1ないし25のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項27】
前記線形誘導モーターと前記モーター制御器はそれぞれの車両内に含まれ、前記領域制御器は前記車両制御器と通信するようになることを特徴とする、請求項1ないし25のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項28】
個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムにおいて、
a)一つ以上の1次コアを含むもので、それぞれの1次コアはトラックに沿って移動する車両に推力を提供するように配列された線形誘導モーター、
b)前記車両の少なくとも一つの位置を検出するようになる一つ以上の車両位置センサー、
c)それぞれ一つ以上の1次コアを制御するようになる一つ以上のモーター制御器、及び
d)連続した車両間の安全な運転間隔の維持及び/または所定の領域内の車両流れの最適化のために、前記車両位置センサーから受信したデータに基づいて前記所定の領域内のそれぞれの車両の前記位置を識別し、二つの連続した車両間の距離を計算するとともに前記モーター制御器の中で一つ以上のモーター制御器がそれぞれの車両の前記速度を調整するようにするための車両速度命令を生成するようになる領域制御器を含むことを特徴とする、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項29】
それぞれのモーター制御器は、
前記1次コアの中で対応する1次コアのターミナルに多重位相AC電圧を供給するための推力制御器、及び
通信を介して前記領域制御器に前記車両検出データを送信し、前記通信を介して前記領域制御器から車両速度命令を受信し、前記推力制御器に電圧/周波数命令を生成するようになる制御回路、を含むことを特徴とする、請求項25ないし28のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項30】
前記通信は有線通信であることを特徴とする、請求項29に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項31】
前記制御回路と前記推力制御器を含む前記モーター制御器は単一ユニットとして統合されることを特徴とする、請求項29及び30のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項32】
複数の前記単一ユニットがトラックに沿って配列されることを特徴とする、請求項31に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項33】
統合された前記単一ユニットの中で一つの単一ユニットは前記線形誘導モーターの1次コアのそれぞれの位置に位置することを特徴とする、請求項32に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項34】
それぞれの1次コアは前記1次コアとモーター制御器を含む統合ユニットとして配列されることを特徴とする、請求項33に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項35】
それぞれのモーター制御器は、前記車両情報データを送信し車両速度命令を受信することにより、前記領域制御器とのデータ通信を提供するための少なくとも一つの通信ユニットを含み、前記制御回路は、前記領域制御器から受信した前記速度命令に基づいて推力制御器に電圧/周波数命令を生成するようになることを特徴とする、請求項29ないし34のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項36】
前記領域制御器は前記所定の領域内の前記位置センサーからの前記受信データに基づいてデータベースを管理するようになり、前記データベースは前記領域内のそれぞれの車両の車両位置、速度、方向及びIDに関する情報を内部に格納し、前記領域制御器は前記車両位置を識別するとともに認識された前記車両の前記位置に基づいて車両間の前記距離を計算するようになり、前記領域制御器は、前記領域制御器に前記データを送信する前記モーター制御器のIDと車両IDを連関させることにより前記車両位置を識別するようになることを特徴とする、請求項29ないし35のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項37】
それぞれのモーター制御器は前記1次コアの中で対応する1次コアのターミナルに多重位相AC電圧を供給するための推力制御器を含み、前記モーター制御器は前記車両制御器と通信するようになり、前記車両制御器は前記領域制御器にデータを送信するようになり、
前記車両制御器は、通信連結を介して前記領域制御器に前記車両検出データを送信し、前記通信連結を介して前記領域制御器から車両速度命令を受信し、前記推力制御器に電圧/周波数命令を生成するようになることを特徴とする、請求項25ないし28のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項38】
前記通信連結は有線通信であることを特徴とする、請求項37に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項39】
それぞれの車両制御器は、前記車両情報データを送信するとともに車両速度命令を受信することにより、前記領域制御器とのデータ通信を提供するための少なくとも一つの通信ユニットを含み、前記制御回路は、前記領域制御器から受信した前記速度命令に基づいて推力制御器に電圧/周波数命令を生成するようになることを特徴とする、請求項37及び38のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項40】
前記車両位置センサーは少なくとも一つの車両位置及び車両速度を検出するようになり、前記制御回路は前記受信した車両速度命令及び前記車両速度データに基づいて前記電圧/周波数命令を決定するようになることを特徴とする、請求項29ないし39のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項41】
前記推力制御器は、前記制御回路から発生した電圧/周波数命令に従って前記それぞれの1次コアに多重位相AC電力を提供するためのインバーターであることを特徴とする、請求項29または37に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項42】
それぞれの車両位置センサーは、車両位置、車両速度、車両方向及び車両ID中の一つ以上に対する情報を提供するようになることを特徴とする、請求項28ないし41のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項43】
前記領域制御器は前記所定の領域内の前記位置センサーからの前記受信データに基づいてデータベースを管理するようになり、前記データベースは、前記領域内のそれぞれの車両の車両位置、速度、方向及びIDに対する情報を内部に格納し、前記領域制御器は前記車両位置を識別するとともに前記認識された車両の位置に基づいて車両間の前記距離を計算するようになることを特徴とする、請求項25ないし42のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項44】
前記領域制御器は安全距離の端部位置をそれぞれの車両に送信するようになり、前記車両は前記対応する安全距離の前記端部の前に非常ブレーキを作動させるようにプログラムされることを特徴とする、請求項25ないし43のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項45】
個別用高速輸送システムのための車両において、前記個別用高速輸送システムは一つ以上のモーターを含む推力システムを含み、それぞれのモーターは前記車両を推進するための推力を生成するようになり、前記個別用高速輸送システムは、それぞれの車両位置及び/または速度センサーから受信した一つ以上のセンサー信号に基づいて前記車両の前記速度を制御するように、前記モーターの中で少なくとも一つのモーターによって発生した前記推力を制御するようになった速度調節サブシステムをさらに含み、前記車両は、前記車両内に含まれて、前記速度調節サブシステムによる前記速度制御とは無関係に、前記車両に装着された非常ブレーキを作動させるようになる車両制御システムを含むことを特徴とする、個別用高速輸送システムのための車両。
【請求項46】
前記個別用高速輸送システムは、前記車両が移動するようになったトラックに沿って位置する複数のモーターを含むイントラック型車両推進システムを含み、前記車両は反応板を含み、それぞれのモーターは、前記車両が前記モーターの近くにあるとき、前記車両を推進するために反応板とともに推力を生成するようになることを特徴とする、請求項45に記載の個別用高速輸送システムのための車両。
【請求項47】
前記個別用高速輸送システムはオンボード型車両推進システムを含み、前記車両は前記一つ以上のモーターを含むことを特徴とする、請求項45に記載の個別用高速輸送システムのための車両。
【請求項48】
請求項1ないし44のいずれか1項に記載の速度制御システムを含むことを特徴とする、個別用高速輸送システム。
【請求項49】
一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含む個別用高速輸送システムにおける一つ以上の車両がトラックに沿って移動するとき、前記一つ以上の車両の車両速度を制御する方法であって、それぞれのモーターは前記一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになる個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法において、
前記一つ以上の車両の中で一つの車両の少なくとも一つの位置を検出する段階、
少なくとも前記センサー信号に基づいて前記一つ以上の車両の前記速度を制御するように、前記モーターの中で少なくとも一つのモーターによって生成された前記推力を制御する段階、及び
前記車両内に含まれて、前記速度制御とは無関係に、前記車両上に装着された非常ブレーキを作動させるようになった車両制御システムを提供する段階、を含むことを特徴とする、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法。
【請求項50】
個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御する方法であって、前記個別用高速輸送システムは反応板に電磁気推力を発生させるための一つ以上の1次コアを含む線形誘導モーターを含み、前記1次コアはそれぞれのモーター制御器によって制御されるようになる個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法において、
a)前記それぞれの車両の位置及び速度を検出する段階、
b)領域制御器に前記検出された位置及び速度を伝達する段階、
c)前記車両の前記検出された位置に基づいて領域制御器によって前記車両間の距離を計算する段階、及び
d)前記車両間の前記計算された距離によって少なくとも一つの車両の前記速度を調整するように、前記領域制御器によって前記モーター制御器の中で少なくとも一つのモーター制御器を命令する段階、を含むことを特徴とする個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法。
【請求項1】
個別用高速輸送システムにおける一つ以上の車両がトラックに沿って移動するとき、前記一つ以上の車両の車両速度を制御するものであって、前記個別用高速輸送システムは一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含み、それぞれのモーターは一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになっている速度制御システムにおいて、
前記一つ以上の車両の前記車両速度を制御するように、車両の位置及び/または速度センサーから受信した一つ以上のセンサー信号に基づいて前記モーターの中で少なくとも一つのモーターによって生成された前記推力を制御するようになった速度調節サブシステム、及び
前記一つ以上の車両の各車両内に含まれ、前記速度調節サブシステムによる車両速度制御とは無関係に、前記車両上に装着された非常ブレーキを作動させるようになった車両制御システムを含むことを特徴とする、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項2】
前記個別用高速輸送システムは、前記トラックに沿って位置する複数のモーターを含むイントラック(in−track)車両推進システムを含み、それぞれのモーターは、前記車両が前記モーターの近くにあるとき、前記一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになることを特徴とする、請求項1に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項3】
前記個別用高速輸送システムは、それぞれの車両が前記モーターの中で少なくとも一つのモーターを含むオンボード(on−board)型車両推進システムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項4】
前記非常ブレーキは、前記トラックと摩擦式で噛み合うためのブレーキ部材を含む機械式ブレーキであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項5】
前記非常ブレーキは、事前負荷圧力によって抑制される事前負荷式スプリング部材を含むことを特徴とする、請求項4に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項6】
前記センサー信号は、少なくとも車両速度と車両位置を示す信号を含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項7】
前記推進システムは一つ以上の線形誘導モーターを含む線形誘導モーターシステムであり、生成された前記推力は反応板上に作用する電子気力によって前記車両に伝えられることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項8】
前記複数の線形誘導モーターは前記トラックに沿って位置し、前記反応板は前記車両上に装着されることを特徴とする、請求項7に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項9】
前記一つ以上の線形誘導モーターは前記車両上に位置し、前記反応板は前記トラック上に装着されることを特徴とする、請求項7に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項10】
前記車両制御システムは、前記個別用高速輸送システムの少なくとも一部を制御するための領域制御システムからの再帰信号を受信するようになることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項11】
前記再帰信号は前記車両前方の自由距離の終端点を示し、前記車両制御システムは、現在位置から前記終端点までの前記距離が所定のスレショルド距離より小さければ、前記非常ブレーキを作動させるようになることを特徴とする、請求項10に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項12】
前記再帰信号は前記車両前方の自由距離を示し、前記車両制御システムは前記車両の前記速度及び現在位置を示すセンサー信号を受信するとともに前記速度、前記現在位置及び前記自由距離に基づいて前記非常ブレーキを作動させるための必要性を決定するようになることを特徴とする、請求項10及び11のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項13】
前記車両制御システムは、受信した前記再帰信号の中で少なくとも二つの再帰信号が前記自由距離を示す場合にだけ、前記自由距離を確認された自由距離として承認するようになることを特徴とする、請求項10及び12のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項14】
前記車両制御システムは、前記再帰信号の受信なしに、所定の遅延時間の後に前記非常ブレーキを作動させるようになることを特徴とする、請求項10ないし13のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項15】
前記車両が所定の距離内に停止するように、前記遅延時間が前記車両の前記速度によって決まることを特徴とする、請求項14に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項16】
前記速度調節サブシステムは、前記一つ以上のモーターの中で少なくとも一つのモーターを制御するようになった一つ以上のモーター制御器、及び前記センサー信号を受信するとともに前記モーター制御器がそれぞれの車両の前記速度を調整するようにするための速度命令を生成するようになった少なくとも一つの領域制御器を含むことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項17】
前記一つ以上のモーター制御器は前記トラックに沿って位置し、前記領域制御器は前記それぞれのモーター制御器に前記速度命令を伝送するようになることを特徴とする、請求項16に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項18】
前記領域制御器はモーター制御器の近くに位置する車両前方の自由距離に対する情報を前記モーター制御器に伝送するようになり、前記モーター制御器は前記情報を前記車両に伝送するようになることを特徴とする、請求項17に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項19】
前記一つ以上のモーター制御器はそれぞれの車両内に位置し、前記少なくとも一つの領域制御器は、対応する前記車両の前記速度を調整するように、それぞれの車両制御器が対応するモーター制御器と通信するようにするために、前記速度命令を前記車両制御器のそれぞれに伝送するようになることを特徴とする、請求項16に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項20】
前記領域制御器は、車両前方の自由距離に対する情報を前記車両に伝送するようになり、それぞれの車両から位置及び速度情報を受信することを特徴とする、請求項16ないし19のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項21】
前記領域制御器のそれぞれの領域制御器及び前記モーター制御器のそれぞれのモーター制御器はそれぞれ二つの重複したサブシステムでなることを特徴とする、請求項16ないし20のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項22】
それぞれの車両は少なくとも二つの重複した車両制御器を含むことを特徴とする、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項23】
前記速度制御システムは再帰監視信号を前記非常ブレーキに送信するようになり、前記非常ブレーキは、前記非常ブレーキが所定の時間の間に前記車両制御システムから監視信号を受信しないとき、作動するようになることを特徴とする、請求項1ないし22のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項24】
前記車両制御システムは、前記車両制御システムからの運転中に周期的に処理される監視器モジュールを含み、前記監視器モジュールは、前記監視器モジュールが所定の時間の間に処理されなければ、前記非常ブレーキを作動させるようになることを特徴とする、請求項1ないし23のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項25】
前記速度調節サブシステムは、
a)一つ以上の1次コアを含むもので、それぞれの1次コアはトラックに沿って移動する車両に推力を提供するようになる線形誘導モーター、
b)前記車両の少なくとも一つの位置を検出するようになる一つ以上の車両位置センサー、
c)それぞれ一つ以上の1次コアを制御するようになった一つ以上のモーター制御器、及び
d)連続した車両間の安全な運転間隔の維持及び/または所定の領域内の車両流れの最適化のために、前記車両位置センサーから受信したデータに基づいて前記所定の領域内のそれぞれの車両の前記位置を識別し、二つの連続した車両間の距離を計算するとともに前記モーター制御器の中で一つ以上のモーター制御器がそれぞれの車両の前記速度を調整するようにするための車両速度命令を生成するようになる領域制御器を含むことを特徴とする、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項26】
前記線形誘導モーターと前記モーター制御器は前記トラックに沿って配列され、前記領域制御器は前記モーター制御器と通信するようになることを特徴とする、請求項1ないし25のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項27】
前記線形誘導モーターと前記モーター制御器はそれぞれの車両内に含まれ、前記領域制御器は前記車両制御器と通信するようになることを特徴とする、請求項1ないし25のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項28】
個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システムにおいて、
a)一つ以上の1次コアを含むもので、それぞれの1次コアはトラックに沿って移動する車両に推力を提供するように配列された線形誘導モーター、
b)前記車両の少なくとも一つの位置を検出するようになる一つ以上の車両位置センサー、
c)それぞれ一つ以上の1次コアを制御するようになる一つ以上のモーター制御器、及び
d)連続した車両間の安全な運転間隔の維持及び/または所定の領域内の車両流れの最適化のために、前記車両位置センサーから受信したデータに基づいて前記所定の領域内のそれぞれの車両の前記位置を識別し、二つの連続した車両間の距離を計算するとともに前記モーター制御器の中で一つ以上のモーター制御器がそれぞれの車両の前記速度を調整するようにするための車両速度命令を生成するようになる領域制御器を含むことを特徴とする、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項29】
それぞれのモーター制御器は、
前記1次コアの中で対応する1次コアのターミナルに多重位相AC電圧を供給するための推力制御器、及び
通信を介して前記領域制御器に前記車両検出データを送信し、前記通信を介して前記領域制御器から車両速度命令を受信し、前記推力制御器に電圧/周波数命令を生成するようになる制御回路、を含むことを特徴とする、請求項25ないし28のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項30】
前記通信は有線通信であることを特徴とする、請求項29に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項31】
前記制御回路と前記推力制御器を含む前記モーター制御器は単一ユニットとして統合されることを特徴とする、請求項29及び30のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項32】
複数の前記単一ユニットがトラックに沿って配列されることを特徴とする、請求項31に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項33】
統合された前記単一ユニットの中で一つの単一ユニットは前記線形誘導モーターの1次コアのそれぞれの位置に位置することを特徴とする、請求項32に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項34】
それぞれの1次コアは前記1次コアとモーター制御器を含む統合ユニットとして配列されることを特徴とする、請求項33に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項35】
それぞれのモーター制御器は、前記車両情報データを送信し車両速度命令を受信することにより、前記領域制御器とのデータ通信を提供するための少なくとも一つの通信ユニットを含み、前記制御回路は、前記領域制御器から受信した前記速度命令に基づいて推力制御器に電圧/周波数命令を生成するようになることを特徴とする、請求項29ないし34のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項36】
前記領域制御器は前記所定の領域内の前記位置センサーからの前記受信データに基づいてデータベースを管理するようになり、前記データベースは前記領域内のそれぞれの車両の車両位置、速度、方向及びIDに関する情報を内部に格納し、前記領域制御器は前記車両位置を識別するとともに認識された前記車両の前記位置に基づいて車両間の前記距離を計算するようになり、前記領域制御器は、前記領域制御器に前記データを送信する前記モーター制御器のIDと車両IDを連関させることにより前記車両位置を識別するようになることを特徴とする、請求項29ないし35のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項37】
それぞれのモーター制御器は前記1次コアの中で対応する1次コアのターミナルに多重位相AC電圧を供給するための推力制御器を含み、前記モーター制御器は前記車両制御器と通信するようになり、前記車両制御器は前記領域制御器にデータを送信するようになり、
前記車両制御器は、通信連結を介して前記領域制御器に前記車両検出データを送信し、前記通信連結を介して前記領域制御器から車両速度命令を受信し、前記推力制御器に電圧/周波数命令を生成するようになることを特徴とする、請求項25ないし28のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項38】
前記通信連結は有線通信であることを特徴とする、請求項37に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項39】
それぞれの車両制御器は、前記車両情報データを送信するとともに車両速度命令を受信することにより、前記領域制御器とのデータ通信を提供するための少なくとも一つの通信ユニットを含み、前記制御回路は、前記領域制御器から受信した前記速度命令に基づいて推力制御器に電圧/周波数命令を生成するようになることを特徴とする、請求項37及び38のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項40】
前記車両位置センサーは少なくとも一つの車両位置及び車両速度を検出するようになり、前記制御回路は前記受信した車両速度命令及び前記車両速度データに基づいて前記電圧/周波数命令を決定するようになることを特徴とする、請求項29ないし39のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項41】
前記推力制御器は、前記制御回路から発生した電圧/周波数命令に従って前記それぞれの1次コアに多重位相AC電力を提供するためのインバーターであることを特徴とする、請求項29または37に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項42】
それぞれの車両位置センサーは、車両位置、車両速度、車両方向及び車両ID中の一つ以上に対する情報を提供するようになることを特徴とする、請求項28ないし41のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項43】
前記領域制御器は前記所定の領域内の前記位置センサーからの前記受信データに基づいてデータベースを管理するようになり、前記データベースは、前記領域内のそれぞれの車両の車両位置、速度、方向及びIDに対する情報を内部に格納し、前記領域制御器は前記車両位置を識別するとともに前記認識された車両の位置に基づいて車両間の前記距離を計算するようになることを特徴とする、請求項25ないし42のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項44】
前記領域制御器は安全距離の端部位置をそれぞれの車両に送信するようになり、前記車両は前記対応する安全距離の前記端部の前に非常ブレーキを作動させるようにプログラムされることを特徴とする、請求項25ないし43のいずれか1項に記載の個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための速度制御システム。
【請求項45】
個別用高速輸送システムのための車両において、前記個別用高速輸送システムは一つ以上のモーターを含む推力システムを含み、それぞれのモーターは前記車両を推進するための推力を生成するようになり、前記個別用高速輸送システムは、それぞれの車両位置及び/または速度センサーから受信した一つ以上のセンサー信号に基づいて前記車両の前記速度を制御するように、前記モーターの中で少なくとも一つのモーターによって発生した前記推力を制御するようになった速度調節サブシステムをさらに含み、前記車両は、前記車両内に含まれて、前記速度調節サブシステムによる前記速度制御とは無関係に、前記車両に装着された非常ブレーキを作動させるようになる車両制御システムを含むことを特徴とする、個別用高速輸送システムのための車両。
【請求項46】
前記個別用高速輸送システムは、前記車両が移動するようになったトラックに沿って位置する複数のモーターを含むイントラック型車両推進システムを含み、前記車両は反応板を含み、それぞれのモーターは、前記車両が前記モーターの近くにあるとき、前記車両を推進するために反応板とともに推力を生成するようになることを特徴とする、請求項45に記載の個別用高速輸送システムのための車両。
【請求項47】
前記個別用高速輸送システムはオンボード型車両推進システムを含み、前記車両は前記一つ以上のモーターを含むことを特徴とする、請求項45に記載の個別用高速輸送システムのための車両。
【請求項48】
請求項1ないし44のいずれか1項に記載の速度制御システムを含むことを特徴とする、個別用高速輸送システム。
【請求項49】
一つ以上のモーターを含む車両推進システムを含む個別用高速輸送システムにおける一つ以上の車両がトラックに沿って移動するとき、前記一つ以上の車両の車両速度を制御する方法であって、それぞれのモーターは前記一つ以上の車両の中で一つの車両を推進するための推力を生成するようになる個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法において、
前記一つ以上の車両の中で一つの車両の少なくとも一つの位置を検出する段階、
少なくとも前記センサー信号に基づいて前記一つ以上の車両の前記速度を制御するように、前記モーターの中で少なくとも一つのモーターによって生成された前記推力を制御する段階、及び
前記車両内に含まれて、前記速度制御とは無関係に、前記車両上に装着された非常ブレーキを作動させるようになった車両制御システムを提供する段階、を含むことを特徴とする、個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法。
【請求項50】
個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御する方法であって、前記個別用高速輸送システムは反応板に電磁気推力を発生させるための一つ以上の1次コアを含む線形誘導モーターを含み、前記1次コアはそれぞれのモーター制御器によって制御されるようになる個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法において、
a)前記それぞれの車両の位置及び速度を検出する段階、
b)領域制御器に前記検出された位置及び速度を伝達する段階、
c)前記車両の前記検出された位置に基づいて領域制御器によって前記車両間の距離を計算する段階、及び
d)前記車両間の前記計算された距離によって少なくとも一つの車両の前記速度を調整するように、前記領域制御器によって前記モーター制御器の中で少なくとも一つのモーター制御器を命令する段階、を含むことを特徴とする個別用高速輸送システムにおける車両速度を制御するための方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−537114(P2009−537114A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509433(P2009−509433)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/KR2007/002301
【国際公開番号】WO2007/133008
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508055342)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/KR2007/002301
【国際公開番号】WO2007/133008
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508055342)
【Fターム(参考)】
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