説明

表示装置

【課題】TFTの閾値電圧がシフトしても、駆動回路の高い信頼性を確保することができ
る表示装置を提供する。
【解決手段】出力回路が有するトランジスタのゲートに、順方向バイアスの電圧または逆
方向バイアスの電圧を与えることができる電源制御回路と、出力回路が有するトランジス
タの閾値電圧の変化量をモニターするためのモニター用トランジスタと、出力回路が有す
るトランジスタの閾値電圧を補正するべく、該トランジスタのゲートに逆方向バイアスの
電圧を与えるように電源制御回路を制御する閾値制御回路と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜トランジスタを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
安価なガラス基板を用いて形成される表示装置は、解像度が高くなるにつれて、実装に用
いられる画素部周辺の領域(額縁領域)の基板に占める割合が増大し、小型化が妨げられ
る傾向がある。そのため、単結晶の半導体基板を用いて形成された駆動回路をガラス基板
に実装する方式には限界があると考えられており、駆動回路を画素部と同じガラス基板上
に一体形成する技術、所謂システムオンパネル化が重要視されている。システムオンパネ
ルの実現により、駆動回路と画素部とを接続するためのピン数を削減し、半導体基板の駆
動回路をガラス基板に実装する際に問題となっていた、駆動回路と画素部の接続不良に起
因する歩留まりの低下、ピンを用いた接続箇所における機械的強度の低さなどを、回避す
ることが可能となる。さらに表示装置の小型化のみならず、組立工程や検査工程の削減に
よるコストダウンも、システムオンパネルの実現により可能になる。
【0003】
上記表示装置が有する駆動回路の代表的なものとして、走査線駆動回路と信号線駆動回路
とがある。走査線駆動回路により、複数の画素が1ラインごと、場合によっては複数ライ
ンごとに選択される。そして信号線駆動回路により、該選択されたラインが有する画素へ
のビデオ信号の入力が制御される。
【0004】
信号線駆動回路と走査線駆動回路のうち、走査線駆動回路は信号線駆動回路に比べると駆
動周波数を低く抑えることができるため、比較的ガラス基板上に形成しやすいと言える。
下記の非特許文献1には、アモルファスの半導体を用いたトランジスタで、走査線駆動回
路と画素部とをガラス基板上に形成する技術について記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】YongSoon Lee、外6名、SID 06 DIGEST、16.2(p.1083−p.1086)(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、アモルファス半導体または多結晶半導体を用いた薄膜トランジスタ(TFT)
は、電流の供給能力が単結晶のトランジスタに比べて低い。そのため、駆動回路に用いら
れるTFTのオン電流を高くするために、酸化珪素よりも誘電率の高い窒化珪素膜、窒化
酸化珪素膜などの絶縁膜を、該TFTのゲート絶縁膜として採用することがある。
【0007】
しかし、窒素を含むゲート絶縁膜を用いた薄膜トランジスタは、ゲートに印加される電圧
の絶対値が大きいほど、またオンの状態の時間(駆動時間)が長いほど、その閾値電圧が
大きくシフトしやすい。これはゲートに電圧が印加されると、ゲート絶縁膜に電荷がトラ
ップされるためである。特にアモルファス半導体を用いた薄膜トランジスタの場合、窒素
を含む絶縁膜をゲート絶縁膜に用いる場合が多いため、電荷のトラップによる閾値電圧の
シフトは大きな問題である。
【0008】
図21(A)に、走査線駆動回路に用いられる、走査線への電圧の入力を制御するための
出力回路の一般的な構成を示す。図21(A)に示す出力回路は、直列に接続されたn型
のトランジスタ3001及びn型のトランジスタ3002を有する。そしてトランジスタ
3001のソースとドレインのいずれか一方にはクロック信号CLKの電圧が与えられ、
トランジスタ3002のソースには電源電圧VSSが与えられる。トランジスタ3001
のゲートには電圧Vin1が、またトランジスタ3002のゲートには電圧Vin2が与
えられる。また、トランジスタ3001のソースとドレインの他方とトランジスタ300
2のドレインとが接続されているノードの電圧Voutは、走査線に与えられる。
【0009】
図21(A)に示した出力回路において、入力される電圧及び出力される電圧のタイミン
グチャートを、図21(B)に示す。図21(B)に示すように、クロック信号CLKが
有するハイレベルのパルスの一つが出現する期間と、その前後においてのみ、電圧Vin
1はハイレベルとなる。Vin1がハイレベルになるとトランジスタ3001はオンにな
り、それ以外のVin1がローレベルのときトランジスタ3001はオフになる。
【0010】
一方、クロック信号CLKが有するハイレベルのパルスの一つが出現する期間と、その前
後においてのみ、電圧Vin2はローレベルとなる。Vin2がローレベルになるとトラ
ンジスタ3002はオフになり、それ以外のVin2がハイレベルのときトランジスタ3
002はオンになる。
【0011】
トランジスタ3001がオン、トランジスタ3002がオフの期間において、クロック信
号CLKが有するハイレベルのパルスがサンプリングされ、電圧Voutとして出力され
る。そしてサンプリングされたパルスにより、走査線の選択が行われる。
【0012】
上記構成を有する出力回路では、走査線が選択されていない期間においてトランジスタ3
002はオンの状態を維持している。しかるに走査線が選択されていない期間は、走査線
が選択されている期間に比べて圧倒的に長い。そのため、トランジスタ3002は、トラ
ンジスタ3001に比べて駆動時間が長く、ゲート絶縁膜における電荷のトラップにより
その閾値電圧がシフトしやすい。そして、閾値電圧が大きくシフトするとトランジスタ3
002は正常に動作しなくなるため、ゲート絶縁膜における電荷のトラップは走査線駆動
回路の寿命を縮める一因となっている。
【0013】
本発明は上記問題に鑑み、TFTの閾値電圧がシフトしても、駆動回路の高い信頼性を確
保することができる表示装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、トランジスタのゲートに正の電圧を印加し続けると、該トランジスタの閾
値電圧が正の方向にシフトし、逆に負の電圧を印加し続けると、該トランジスタの閾値電
圧が負の方向にシフトすることに着目した。そして、出力回路のトランジスタの閾値電圧
がシフトしても、逆の極性を有する電圧をゲートに印加することで、閾値電圧を逆の方向
にシフトさせて補正する表示装置を発案した。
【0015】
本発明の表示装置は、出力回路が有するトランジスタのゲートに、該トランジスタのソー
スの電位を基準として、順方向バイアスの電圧または逆方向バイアスの電圧を与えること
ができる電源制御回路と、出力回路が有するトランジスタの閾値電圧の変化量をモニター
するためのモニター用トランジスタと、出力回路が有するトランジスタの閾値電圧を補正
するべく、該トランジスタのゲートにソースの電位を基準として逆方向バイアスの電圧を
与えるように電源制御回路を制御する閾値制御回路と、を有する。
【0016】
モニター用トランジスタの閾値電圧は、出力回路が有するトランジスタの閾値電圧とほぼ
同じであるとみなす。そして上記前提の下、取得されたモニター用トランジスタの閾値電
圧から、出力回路が有するトランジスタの閾値電圧の変化量ΔVthを予測する。そして
予測された変化量ΔVthから、閾値電圧をΔVthだけ逆方向に変化させるために必要
な、逆方向バイアスの電圧をゲートに印加する時間t’を算出する。そして算出された時
間t’だけ、トランジスタのゲートに逆方向バイアスの電圧が印加されるよう、閾値制御
回路は電源制御回路を制御する。
【0017】
閾値制御回路における逆方向バイアスの電圧を印加する時間t’の算出は、逆方向バイア
スの電圧を印加する時間に対する閾値電圧の変化量ΔVthの推移のデータを予めメモリ
に記憶しておき、該データを参照することで行うことができる。
【0018】
なお、閾値電圧の補正は、画素部に画像を表示する期間以外であれば、いつでも行うこと
ができる。例えば、表示装置の電源を投入した後、実際に画像を表示するまでの期間に行
うこともできるし、画像を表示している途中でも適宜表示を一時中断して行うこともでき
る。
【0019】
なお、正確に出力回路のトランジスタの閾値電圧を補正するために、モニター用トランジ
スタの閾値電圧と、出力回路のトランジスタの閾値電圧とは、より近いことが望ましい。
よって、モニター用トランジスタは、駆動回路のトランジスタと同様に薄膜トランジスタ
で形成する。
【0020】
また正確に出力回路のトランジスタの閾値電圧を補正するために、モニター用トランジス
タと出力回路のトランジスタとは、閾値電圧のシフトの大きさも揃っていることが望まし
い。よって、画素部に画像を表示する期間において、順方向バイアスの電圧VCCを駆動
回路のトランジスタのゲートのみならず、モニター用トランジスタのゲートにも印加でき
るようにする。また、閾値電圧を補正する期間において、逆方向バイアスの電圧VEEを
出力回路のトランジスタのゲートのみならず、モニター用トランジスタのゲートにも印加
できるようにする。そして、上記電圧VCCまたは電圧VEE駆動回路のトランジスタの
ゲートに印加する期間の長さと、上記電圧VCCまたは電圧VEEをモニター用トランジ
スタのゲートに印加する期間の長さとを揃えるようにする。
【0021】
そしてモニター用トランジスタにおける閾値電圧の取得は、いつでも行うことができる。
すなわち、走査線駆動回路によって走査線が順に選択される期間に行うこともできるし、
最後の走査線の選択が終了してから最初の走査線の選択が開始されるまでの帰線期間に行
うこともできる。
【0022】
また閾値電圧の補正は、画素部に画像を表示する期間以外であれば、いつでも行うことが
できる。例えば、表示装置の電源を投入した後、実際に画像を表示するまでの期間に行う
こともできるし、画像を表示している途中でも適宜表示を一時中断して、上記補正を行う
こともできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、出力回路に用いられるトランジスタの閾値電圧がシフトしても、該トランジ
スタのゲートに逆方向バイアスの電圧を印加することで、シフトした閾値電圧を元に戻す
ことができる。よって駆動回路、延いては表示装置の信頼性を高めることができる。特に
アモルファス半導体膜を用いた薄膜トランジスタでは、オン電流を確保するために、ゲー
ト絶縁膜に誘電率が酸化珪素より高い窒化珪素または窒化酸化珪素を用いる場合が多い。
誘電率が高い窒化珪素または窒化酸化珪素を用いると電荷がトラップされやすく、そのこ
とが閾値電圧のシフトにつながっていたが、本発明の構成により薄膜トランジスタの閾値
電圧を補正し、表示装置の信頼性を高めることができる。
【0024】
またモニター用トランジスタを用いることで、出力回路のトランジスタにおける閾値電圧
の変化量を正確に把握することが出来る。よって、出力回路のトランジスタにおける閾値
電圧の補正も、正確に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】閾値制御回路の構成を示すブロック図。
【図3】逆方向バイアスを印加する時間に対する閾値電圧の変化を示すグラフ。
【図4】モニター回路の構成を示す図。
【図5】モニター回路の動作を示す図。
【図6】モニター回路の動作を示す図。
【図7】走査線駆動回路の構成を示す図。
【図8】パルス出力回路の構成を示す図。
【図9】パルス出力回路のタイミングチャート。
【図10】パルス出力回路の構成を示す図。
【図11】本発明の表示装置の構成を示すブロック図。
【図12】本発明の表示装置の外観を示す図。
【図13】信号線駆動回路の構成を示すブロック図。
【図14】画素部の構成を示す図。
【図15】画素部の構成を示す図。
【図16】本発明の表示装置の作製方法を示す図。
【図17】本発明の表示装置の作製方法を示す図。
【図18】本発明の表示装置の作製方法を示す図。
【図19】本発明の表示装置の上面図及び断面図。
【図20】本発明の表示装置を用いた電子機器の図。
【図21】出力回路の回路図及び出力回路のタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの
異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することな
くその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って
、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0027】
(実施の形態1)
図1を用いて、本発明の表示装置の構成について説明する。図1(A)は本発明の表示装
置のブロック図である。本発明の表示装置は、閾値制御回路101と、電源制御回路10
2と、モニター回路103と、出力回路104と、を有している。図1(A)に示す本発
明の表示装置は、さらに出力回路104を有するシフトレジスタ105、シフトレジスタ
105を有する走査線駆動回路106、画素部107が示されている。上記構成に加え、
本発明の表示装置は、信号線駆動回路を有していても良い。
【0028】
画素部107には複数の画素が設けられており、走査線駆動回路106によって該画素が
ラインごとに選択される。信号線駆動回路は、走査線駆動回路106によって選択された
ラインの画素への、ビデオ信号の入力を制御する。
【0029】
シフトレジスタ105は入力されたクロック信号CLK、スタートパルス信号SPを用い
て、ラインの選択を行う。具体的にはスタートパルス信号SPに従って出力回路104の
スイッチングを制御することで、クロック信号CLKのパルスをサンプリングし、走査線
に供給する。
【0030】
画素において、n型のトランジスタがスイッチング素子として用いられている場合は、パ
ルスが有するハイレベルの電圧VDDが走査線に供給されると、該トランジスタがオンに
なり、該走査線を有するラインの画素が選択の状態となる。またローレベルの電圧VSS
が走査線に供給されると該トランジスタがオフになり、該走査線を有するラインの画素は
非選択の状態となる。
【0031】
逆に画素において、p型のトランジスタがスイッチング素子として用いられている場合は
、パルスが有するローレベルの電圧VSSが走査線に供給されると該トランジスタがオン
になり、該走査線を有するラインの画素が選択の状態となる。またハイレベルの電圧VD
Dが走査線に供給されると該トランジスタがオフになり、該走査線を有するラインの画素
は非選択の状態となる。
【0032】
次に、画素においてn型のトランジスタがスイッチング素子として用いられている場合を
例に挙げ、閾値制御回路101、電源制御回路102、モニター回路103、出力回路1
04、シフトレジスタ105の構成及びその動作について、図1(B)に示すブロック図
を用いて説明する。
【0033】
出力回路104は少なくとも2つのスイッチング素子を有する。具体的に図1(B)に示
す出力回路104は、n型のトランジスタ108と、n型のトランジスタ109とをスイ
ッチング素子として用いる。なお図1(B)ではトランジスタ108及びトランジスタ1
09が共にn型である場合を例示しているが、本発明はこの構成に限定されない。トラン
ジスタ108及びトランジスタ109が共にp型であっても良い。
【0034】
トランジスタ108とトランジスタ109は直列に接続されている。そして画素部107
に画像を表示する期間では、トランジスタ108のソースまたはドレインのいずれか一方
にクロック信号CLKの電圧が与えられ、他方は走査線に接続されている。またトランジ
スタ109のソースには電圧VSSが与えられ、ドレインは走査線に接続されている。従
って、トランジスタ108によりクロック信号CLKのサンプリングが行われ、トランジ
スタ109により電圧VSSの走査線への供給が制御される。
【0035】
電源制御回路102は、ハイレベルの電圧VCCと、ローレベルの電圧VEEのいずれか
を、シフトレジスタ105と、モニター回路103とに与えることが出来る。閾値制御回
路101は、電圧VCCと電圧VEEのどちらかを選択し、選択した電圧がシフトレジス
タ105と、モニター回路103とに与えられるよう、電源制御回路102を制御する。
【0036】
画素部107に画像を表示する期間では、閾値制御回路101は、電圧VCCがシフトレ
ジスタ105に与えられるよう電源制御回路102を制御する。なお電圧VCCは電圧V
DDよりも低いものとする。そしてトランジスタ109は、順方向バイアスの電圧である
電圧VCCがゲートに与えられることで、オンになる。トランジスタ109がオンになる
と、走査線に電圧VSSが与えられ、画素のスイッチング素子として機能するトランジス
タがオフになり、該走査線を有するラインの画素は非選択の状態になる。一方、画素部1
07に画像を表示する期間では、トランジスタ108は、電圧VDDがゲートに与えられ
るとオン、電圧VSSがゲートに与えられるとオフ、というようにスイッチングを行う。
そしてトランジスタ108がオンの時はトランジスタ109をオフ、トランジスタ108
がオフの時はトランジスタ109をオンとする。
【0037】
また画素部107に画像を表示する期間では、閾値制御回路101は、電圧VCCがモニ
ター回路103にも与えられるよう、電源制御回路102を制御する。そしてモニター用
トランジスタ110は、順方向バイアスの電圧である電圧VCCがゲートに与えられるこ
とで、トランジスタ109とゲート電圧がほぼ等しい状態に保たれる。
【0038】
なおトランジスタ109及びモニター用トランジスタ110は、そのゲートにハイレベル
の電圧VCCが与えられる期間が長くなるほど、閾値電圧が正の方向によりシフトする。
よって本発明の表示装置では、トランジスタ109及びモニター用トランジスタ110の
閾値電圧を補正する期間を設ける。
【0039】
トランジスタ109の閾値電圧を補正する期間では、閾値制御回路101は、電圧VEE
がシフトレジスタ105及びモニター回路103に与えられるよう電源制御回路102を
制御する。電圧VEEは電圧VSSよりも低いものとする。そしてトランジスタ109及
びモニター用トランジスタ110は、逆方向バイアスの電圧である電圧VEEがゲートに
与えられることで、閾値電圧が負の方向にシフトする。負の方向において閾値電圧をどの
程度変化させるのかは、画像を表示する期間での正の方向におけるトランジスタ109の
閾値電圧の変化量に従って決めればよい。
【0040】
モニター用トランジスタ110の閾値電圧は、出力回路104のトランジスタ109の閾
値電圧とほぼ同じであるとみなす。特に、モニター用トランジスタ110と出力回路10
4のトランジスタ109とを、同じ作製方法を用い、同じサイズで形成した場合、該二つ
のトランジスタの閾値電圧を極力近いものにすることができる。よって、正の方向におけ
るトランジスタ109の閾値電圧の変化量は、モニター用トランジスタ110の閾値電圧
をモニターすることで予測することが出来る。モニター回路103は、トランジスタ10
9の閾値電圧を補正する期間において、モニター用トランジスタ110の閾値電圧を取得
し、閾値制御回路101にその情報を送ることができる。
【0041】
なお負の方向における閾値電圧の変化量は、トランジスタ109のゲートに逆方向バイア
スの電圧VEEが与えられる時間で予測することが出来る。よって、閾値制御回路101
では、モニター用トランジスタ110の閾値電圧と出力回路104のトランジスタ109
の閾値電圧とが同じであるという前提の下、モニター用トランジスタ110の閾値電圧の
変化量に従って、トランジスタ109のゲートに逆方向バイアスの電圧VEEを与える時
間t’を決めることが出来る。そして閾値制御回路101は、該時間t’の間に、逆方向
バイアスの電圧VEEがシフトレジスタ105及びモニター回路103に与えられるよう
電源制御回路102を制御する。
【0042】
閾値電圧の補正は、画素部107に画像を表示する期間以外であれば、いつでも行うこと
ができる。例えば、表示装置の電源を投入した後、実際に画像を表示するまでの期間に行
うこともできるし、画像を表示している途中でも適宜表示を一時中断して、上記補正を行
うこともできる。
【0043】
走査線が選択されていない期間は選択されている期間に比べて圧倒的に長いため、トラン
ジスタ108の駆動時間よりもトランジスタ109の駆動時間の方が圧倒的に長くなり、
その閾値電圧の変化量は大きくなる。しかし本発明では、トランジスタ109のゲートに
逆方向バイアスの電圧を与えることで、その閾値電圧を補正することが出来る。よって走
査線駆動回路106、延いては表示装置の信頼性を高めることができる。特にアモルファ
ス半導体膜を用いた薄膜トランジスタでは、オン電流を確保するために、ゲート絶縁膜に
誘電率が酸化珪素より高い窒化珪素または窒化酸化珪素を用いる場合が多い。誘電率が高
い窒化珪素または窒化酸化珪素を用いると電荷がトラップされやすく、そのことが閾値電
圧のシフトにつながっていたが、本発明の構成によりトランジスタ109の閾値電圧を補
正し、表示装置の信頼性を高めることができる。
【0044】
なおモニター用トランジスタ110は、n型でもp型でもどちらでも良い。ただし、モニ
ター用トランジスタ110において取得された閾値電圧は、トランジスタ109の閾値電
圧に極力近いことが望ましいため、トランジスタ109とモニター用トランジスタ110
の極性を同じにする。
【0045】
本実施の形態では、n型のトランジスタが画素のスイッチング素子として用いられている
場合を例示して説明しているので、トランジスタ109の閾値電圧を補正する構成につい
て説明した。逆に、p型のトランジスタが画素のスイッチング素子として用いられている
場合について考察する。この場合、トランジスタ108のソースまたはドレインのいずれ
か一方にクロック信号CLKの電圧が与えられ、他方は走査線に接続される。またトラン
ジスタ109のソースには電圧VDDが与えられ、ドレインは走査線に接続される。従っ
て、トランジスタ109により電圧VDDの走査線への供給が制御され、トランジスタ1
08によりクロック信号CLKのサンプリングが行われる。そして画素のトランジスタを
オフにするには、出力回路104においてトランジスタ109をオンにして、ハイレベル
の電圧VDDを走査線に与えなくてはならない。よって、トランジスタ109の方がトラ
ンジスタ108よりも圧倒的に駆動時間が長くなるため、トランジスタ109の閾値電圧
を補正するべく、トランジスタ109のゲートにハイレベルの逆方向バイアスの電圧を与
えるようにする。そしてこの場合も、モニター用トランジスタ110において取得された
閾値電圧は、トランジスタ109の閾値電圧に極力近いことが望ましいため、トランジス
タ109とモニター用トランジスタ110の極性を同じにする。
【0046】
また本実施の形態では、トランジスタ108及びトランジスタ109が同じ極性を有する
出力回路104の構成について説明しているが、本発明はこの構成に限定されない。トラ
ンジスタ108及びトランジスタ109が異なる極性を有していても良い。この場合、p
型ならソースに電圧VDD、n型ならソースに電圧VSSが与えられるのが望ましいので
、トランジスタ108をp型、トランジスタ109をn型にすると良い。
【0047】
また本実施の形態では、トランジスタ108、トランジスタ109、モニター用トランジ
スタ110が、それぞれゲートを1つ有するシングルゲート構造である場合について示し
たが、本発明はこの構成に限定されない。互いに電気的に接続された複数のゲートを有す
るマルチゲート構造のトランジスタであっても良い。ただし、出力回路内のトランジスタ
108とトランジスタ109のうち、閾値電圧のシフトを抑えたい方のトランジスタ10
9と、モニター用トランジスタ110とは、閾値電圧及びそのシフトの加減が揃っている
ことが望ましい。よって、当該トランジスタ109とモニター用トランジスタ110とは
、互いにゲートの数を揃えておくのが良い。
【0048】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の表示装置が有する、閾値制御回路のより具体的な構成の一例
について説明する。図2に示す閾値制御回路200は、コントローラ201と、演算回路
202と、計測回路203と、メモリ204とを有している。また図2では、電源制御回
路210と、モニター回路211と、AD変換回路212とが図示されている。
【0049】
シフトレジスタ220が有する出力回路221は、直列に接続されているトランジスタ2
23と、トランジスタ224とを有している。そして画素部に画像を表示する期間では、
トランジスタ223のソースまたはドレインのいずれか一方にクロック信号CLKの電圧
が与えられ、他方は走査線に接続されている。またトランジスタ224のソースには電圧
VSSが与えられ、ドレインは走査線に接続されている。従って、トランジスタ223に
よりクロック信号CLKのサンプリングが行われ、トランジスタ224により電圧VSS
の走査線への供給が制御される。
【0050】
次に本実施の形態の、表示装置の動作について説明する。まず画素部に画像を表示する期
間において、コントローラ201は、出力回路221及びモニター回路211に順方向バ
イアスの電圧(ここでは電圧VCC)を与えるように、電源制御回路210を制御する。
画像を表示する期間は、コントローラ201に入力される水平同期信号(Hsync)と
、垂直同期信号(Vsync)によって判別することが可能である。電圧VCCがゲート
に与えられると、トランジスタ224はオンになり、電圧VSSが走査線に与えられる。
そして、時間の経過と共に、トランジスタ224の閾値電圧は、正の方向にシフトする。
【0051】
一方、モニター回路211では、モニター回路211が有するモニター用トランジスタ2
13のゲートに、順方向バイアスの電圧VCCが与えられる。よって、モニター用トラン
ジスタ213は、トランジスタ224とゲート電圧がほぼ同じ状態となる。そして、時間
の経過と共に、モニター用トランジスタ213の閾値電圧は、トランジスタ224の閾値
電圧と同様に正の方向にシフトする。
【0052】
次に、トランジスタ224の閾値電圧を補正する期間において、コントローラ201は、
出力回路221及びモニター回路211に逆方向バイアスの電圧(ここでは電圧VEE)
を与えるように、電源制御回路210を制御する。電圧VEEがゲートに与えられると、
トランジスタ224はオフになり、時間の経過と共にその閾値電圧が負の方向にシフトす
る。またモニター回路211では、モニター回路211が有するモニター用トランジスタ
213のゲートに、逆方向バイアスの電圧VEEが与えられる。よって閾値電圧を補正す
る期間においても、モニター用トランジスタ213は、トランジスタ224とゲート電圧
がほぼ同じ状態となる。そして、時間の経過と共に、モニター用トランジスタ213の閾
値電圧は、トランジスタ224の閾値電圧と同様に負の方向にシフトする。
【0053】
逆方向バイアスの電圧VEEを出力回路221及びモニター回路211に与える時間t’
は、モニター用トランジスタ213の閾値電圧と、出力回路221のトランジスタ224
の閾値電圧とが同じであるという前提の下、画像を表示する期間におけるモニター用トラ
ンジスタ213の閾値電圧の変化量を用いて算出する。
【0054】
コントローラ201は、上述した逆方向バイアスの電圧を印加する時間t’の計算を、メ
モリ204に記憶されたデータと、モニター用トランジスタ213の閾値電圧の変化量と
を用いて行うよう、演算回路202を制御する。モニター用トランジスタ213の閾値電
圧の変化量の情報は、モニター回路211から得ることが出来る。図2では、モニター回
路211において、モニター用トランジスタ213の閾値電圧の変化量を情報として含む
信号が生成され、該信号がAD変換回路212においてデジタルに変換された後、コント
ローラ201に送られる。
【0055】
メモリ204には、モニター用トランジスタ213の閾値電圧の変化量から、トランジス
タ224の閾値電圧を補正するための時間t’を一意的に算出するためのデータが記憶さ
れている。図3は、逆方向バイアスの電圧をゲートに印加する時間t’に対する、モニタ
ー用トランジスタ213の閾値電圧Vthの変化を示すデータの一例である。図3に示す
データは、時間tのときに閾値電圧がVth(t)であり、時間tのときに閾値電
圧がVth(0)であることを示している。よって図3に示すデータを用いることで、モ
ニター用トランジスタ213の閾値電圧の変化量Vth(t)−Vth(0)から、逆
方向バイアスの電圧を印加する時間t’=t−tを一意的に算出することが出来る。
【0056】
そしてコントローラ201は、演算回路202において算出された時間t’=t−t
の間に、逆方向バイアスの電圧VEEを出力回路221に与えるように、電源制御回路2
10を制御する。なお時間の計測は、計測回路203を用いて行う。計測回路203は、
カウンタなどの計数回路を用いて形成することが出来る。
【0057】
なお本実施の形態では、メモリ204は不揮発性メモリを用いるのが望ましい。ただし、
電源用の電圧をメモリ204に常に供給することでデータを保存することが出来るのであ
れば、揮発性メモリであっても良い。メモリ204として、例えばSRAM、DRAM、
フラッシュメモリ、EEPROM、FeRAMなどを用いることができる。
【0058】
なお本実施の形態では、閾値電圧の値もしくは変化量が、時間t’に対して連続的に変化
するデータを用いているが、本発明はこの構成に限定されない。閾値電圧の値もしくは変
化量が、時間t’に対して断続的に変化するデータを用いていても良い。
【0059】
本発明では、出力回路221内のトランジスタ224のゲートに、モニター用トランジス
タの閾値電圧の変化量に見合った時間だけ、逆方向バイアスの電圧を印加し、その閾値電
圧を補正する。そのため、ゲート絶縁膜において電荷がトラップされることで、当該トラ
ンジスタ224の閾値電圧Vthがシフトしても、走査線駆動回路、延いては表示装置の
高い信頼性を確保することが出来る。特にアモルファス半導体膜を用いた薄膜トランジス
タでは、オン電流を確保するために、ゲート絶縁膜に誘電率が酸化珪素より高い窒化珪素
または窒化酸化珪素を用いる場合が多い。誘電率が高い窒化珪素または窒化酸化珪素を用
いると電荷がトラップされやすく、そのことが閾値電圧のシフトにつながっていたが、本
発明の構成により閾値電圧のシフトを補正して表示装置の信頼性を高めることができる。
【0060】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0061】
(実施の形態3)
本実施の形態では、モニター回路の具体的な構成について説明する。図4に示すように本
発明のモニター回路300は、モニター用トランジスタ301を有している。さらに本発
明のモニター回路300は、図4に示すように容量303、スイッチング素子SW1を有
していても良い。
【0062】
またモニター用トランジスタ301のドレイン(D)側には、電圧VIN1の印加を制御
することができるスイッチング素子SW2が設けられている。モニター用トランジスタ3
01のゲート(G)側には、電圧VIN2の印加を制御することができるスイッチング素
子SW3が設けられている。さらにモニター用トランジスタ301のゲートとドレインの
接続を制御するスイッチング素子SW4が設けられている。なお、モニター用トランジス
タ301のドレインとゲートへの電圧の印加は、モニター回路300の内部のみならず、
外部において制御することが可能である。よって、スイッチング素子SW2、スイッチン
グ素子SW3、スイッチング素子SW4はモニター回路300の内部に設けられていても
良いし、外部に設けられていても良い。図4ではスイッチング素子SW2、スイッチング
素子SW3、スイッチング素子SW4を、モニター回路300の外部に設けている例を示
す。
【0063】
モニター用トランジスタ301のソースにはローレベルの電圧VSSが与えられている。
モニター用トランジスタ301のゲートの後段にはスイッチング素子SW1が設けられて
いる。また容量303は、モニター用トランジスタ301のゲートとソース間の電圧(ゲ
ート電圧)を保持するように設けられている。ただし容量303とモニター用トランジス
タ301のゲートとの間には、スイッチング素子SW1が設けられている。
【0064】
なお図4では図示していないが、モニター回路300の出力側にインピーダンス変換器を
設けるようにしても良い。インピーダンス変換器として、例えばボルテージフォロワを用
いることができる。インピーダンス変換器は必ずしも設ける必要はないが、上記構成によ
り、後段の回路のインピーダンスに起因する電位の降下を抑えることができる。
【0065】
次に図5及び図6を用いて、図4で示したモニター回路300の動作について説明する。
まず画像を表示する期間では、出力回路内のトランジスタのうち、閾値電圧のシフトを抑
えたい方のトランジスタとゲート電圧が同じになるように、モニター用トランジスタ30
1を駆動させる。具体的には図5(A)に示すように、スイッチング素子SW2及びスイ
ッチング素子SW3をオン、スイッチング素子SW4をオフにして、モニター用トランジ
スタ301のドレインにローレベルの電圧VSSを、ゲートに順方向バイアスの電圧VC
Cを印加する。上記構成により、モニター用トランジスタ301のゲート電圧Vgsは電
圧VCC−電圧VSSとなる。上記構成により、出力回路内の上記トランジスタと、モニ
ター用トランジスタ301とで、閾値電圧のシフトの値を揃えることができる。
【0066】
なお、上記画像を表示する期間では、スイッチング素子SW1はオフとする。
【0067】
次に閾値電圧の取得時における、第1の期間の動作について図5(B)を用いて説明する
。上記第1の期間では、モニター用トランジスタ301のドレイン及びゲートに、電圧V
CCよりも高い電圧VDDを印加する。具体的には、スイッチング素子SW2とスイッチ
ング素子SW3のいずれか一方をオンにし、スイッチング素子SW4をオンにするか、も
しくはスイッチング素子SW2とスイッチング素子SW3を共にオンにし、スイッチング
素子SW4をオンまたはオフにすることで、モニター用トランジスタ301のドレイン及
びゲートに電圧VDDを印加する。上記構成により、モニター用トランジスタ301のゲ
ート電圧Vgsは電圧VDD−電圧VSSとなる。そしてモニター用トランジスタ301
はオンになり、ドレイン電流Idが流れる。
【0068】
なお、上記第1の期間では、スイッチング素子SW1はオフとする。またモニター用トラ
ンジスタ301がp型の場合、第1の期間において、モニター用トランジスタ301のド
レイン及びゲートには、順方向バイアスの電圧よりもさらに低い電圧を印加するようにす
る。
【0069】
次に閾値電圧の取得時における、第2の期間の動作について図6(A)を用いて説明する
。上記第2の期間では、モニター用トランジスタ301のドレイン及びゲートをフローテ
ィング(浮遊状態)にする。具体的には、スイッチング素子SW2及びスイッチング素子
SW3をオフ、スイッチング素子SW4をオンにする。すると、ドレイン電流が流れると
共に、モニター用トランジスタ301のゲート電圧Vgsが、閾値電圧Vthに近づいて
いく。そして最終的にはドレイン電流が0となり、ゲート電圧Vgsは閾値電圧Vthと
等しくなる。
【0070】
また上記第2の期間では、スイッチング素子SW1はオンにする。よって容量303には
、モニター用トランジスタ301のゲート電圧Vgs、すなわち閾値電圧Vthが保持さ
れる。そして該閾値電圧Vthは、閾値制御回路へ送られる。なお、モニター回路300
と閾値制御回路の間にAD変換回路が設けられている場合、閾値電圧Vthはデジタルの
信号に変換されてから閾値制御回路へ送られる。
【0071】
次に、閾値電圧を補正する期間におけるモニター回路300の動作について、図6(B)
を用いて説明する。閾値電圧を補正する期間においても、画像を表示する期間と同様に、
出力回路内のトランジスタのうち、閾値電圧のシフトを抑えたい方のトランジスタとゲー
ト電圧が同じになるように、モニター用トランジスタ301を駆動させる。具体的には図
6(B)に示すように、スイッチング素子SW2及びスイッチング素子SW3をオン、ス
イッチング素子SW4をオフにして、モニター用トランジスタ301のドレインにローレ
ベルの電圧VSSを、ゲートに逆方向バイアスの電圧VEEを印加する。上記構成により
、モニター用トランジスタ301のゲート電圧Vgsは電圧VEE−電圧VSSとなる。
上記構成により、出力回路内の上記トランジスタと、モニター用トランジスタ301とで
、閾値電圧のシフトを同様に補正することができる。
【0072】
なお、上記閾値電圧を補正する期間では、スイッチング素子SW1はオフとする。
【0073】
本発明では、出力回路のトランジスタのゲートに、モニター用トランジスタ301の閾値
電圧の変化量に見合った時間だけ、逆方向バイアスの電圧を印加し、その閾値電圧を補正
する。そのため、ゲート絶縁膜において電荷がトラップされることで、出力回路のトラン
ジスタの閾値電圧Vthがシフトしても、走査線駆動回路、延いては表示装置の高い信頼
性を確保することが出来る。特にアモルファス半導体膜を用いた薄膜トランジスタでは、
オン電流を確保するために、ゲート絶縁膜に誘電率が酸化珪素より高い窒化珪素または窒
化酸化珪素を用いる場合が多い。誘電率が高い窒化珪素または窒化酸化珪素を用いると電
荷がトラップされやすく、そのことが閾値電圧のシフトにつながっていたが、本発明の構
成により閾値電圧のシフトを補正して表示装置の信頼性を高めることができる。
【0074】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0075】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の半導体装置が有する走査線駆動回路の、より詳しい構成とそ
の動作について説明する。
【0076】
図7(A)に、本実施の形態の走査線駆動回路の構成を示す。図7(A)に示す走査線駆
動回路は、複数のパルス出力回路900を有している。パルス出力回路900にはクロッ
ク信号CLK、該クロック信号CLKと周期が半分ずれているクロック信号CLKb、ス
タートパルス信号SP、走査方向切替信号L/R、該走査方向切替信号L/Rの電圧を反
転させた走査方向切替信号L/Rbが入力されている。複数のパルス出力回路900は、
上記信号の入力により、対応する走査線G1〜Gyに順にパルスを出力する。
【0077】
図8に、パルス出力回路900の具体的な回路図の一例を示す。なお、図8に示したパル
ス出力回路における信号の入出力を明確にするために、図7(A)に示したパルス出力回
路900の端子に1から5まで番号を付したものを、図7(B)に示す。図7(B)に示
すパルス出力回路900の1〜5の端子は、図8に示したパルス出力回路の1〜5の端子
に対応するものとする。
【0078】
図8に示すパルス出力回路は、走査方向切替回路910と、第1の振幅補償回路920と
、第2の振幅補償回路930と、出力回路940と、スイッチング素子952とを有して
いる。走査方向切替回路910は、走査方向切替信号L/R及び走査方向切替信号L/R
bに従って、走査線の選択の順序を切り替えることができる。第1の振幅補償回路920
及び第2の振幅補償回路930は、スタートパルス信号SPまたは前段のパルス出力回路
から出力されるパルスと、後段のパルス出力回路から出力されるパルスとに従って、出力
回路940のスイッチングを制御する。出力回路940は、クロック信号CLKまたはク
ロック信号CLKbのパルスをサンプリングし、前段のパルス出力回路または走査線Gj
(j=1〜y)に出力する。スイッチング素子952は、出力回路940への順方向バイ
アスの電圧または逆方向バイアスの電圧の供給を制御する。
【0079】
具体的に走査方向切替回路910は、トランジスタ911〜914を有する。第1の振幅
補償回路920は、トランジスタ921、922を有する。第2の振幅補償回路930は
、トランジスタ931、932を有する。出力回路940は、トランジスタ941、94
2を有する。なお図8では、スイッチング素子952がトランジスタを1つだけ用いてい
るが、本発明はこの構成に限定されない。スイッチング素子952がトランジスタを複数
用いていても良いし、トランジスタ以外の半導体素子を用いていても良い。
【0080】
そしてトランジスタ911のゲートは端子4に接続されている。またトランジスタ911
のソースとドレインは、一方が端子2に、他方がトランジスタ921のゲート及びトラン
ジスタ932のゲートに接続されている。トランジスタ912のゲートは端子5に接続さ
れている。またトランジスタ912のソースとドレインは、一方が端子3に、他方がトラ
ンジスタ921のゲート及びトランジスタ932のゲートに接続されている。トランジス
タ913のゲートは端子5に接続されている。またトランジスタ913のソースとドレイ
ンは、一方が端子2に、他方がトランジスタ931のゲートに接続されている。トランジ
スタ914のゲートは端子4に接続されている。またトランジスタ914のソースとドレ
インは、一方が端子3に、他方がトランジスタ931のゲートに接続されている。
【0081】
トランジスタ921のソースとドレインは、一方に電圧VDDまたは電圧VSSが与えら
れ、他方はトランジスタ941のゲートに接続されている。トランジスタ922のゲート
はトランジスタ942のゲートに接続されている。またトランジスタ922のソースとド
レインは、一方がトランジスタ941のゲートに接続され、他方には電圧VSSが与えら
れている。
【0082】
トランジスタ931のソースとドレインは、一方には電圧VCCまたは電圧VEEが与え
られ、他方はトランジスタ922のゲート及びトランジスタ942のゲートに接続されて
いる。トランジスタ932のソースとドレインは、一方がトランジスタ922のゲート及
びトランジスタ942のゲートに接続され、他方には電圧VSSまたは電圧VEEが与え
られている。
【0083】
トランジスタ941のソースとドレインは、一方が端子1に、他方が走査線Gjに接続さ
れている。トランジスタ942のソースとドレインは、一方が走査線Gjに接続されてお
り、他方には電圧VSSが与えられている。
【0084】
またスイッチング素子952のトランジスタのゲートには電圧VSSが与えられている。
また、スイッチング素子952のトランジスタのソースとドレインは、一方がトランジス
タ922のゲート及びトランジスタ942のゲートに接続されており、他方には電圧VS
Sまたは電圧VEEが与えられている。
【0085】
図9に、画素部に画像を表示する期間における、図8に示すパルス出力回路900の、端
子1〜5及び走査線Gjの電圧のタイミングチャートを示す。またトランジスタ941の
ゲートに入力される電圧IN1と、トランジスタ942のゲートに入力される電圧IN2
のタイミングチャートも、併せて図9に示す。
【0086】
まず画像を表示する期間では、図9に示すように、端子4に入力される走査方向切替信号
L/Rの電圧がハイレベル、端子5に入力される走査方向切替信号L/Rbの電圧がロー
レベルである場合を示している。よって、トランジスタ911及びトランジスタ914は
オン、トランジスタ912及びトランジスタ913はオフである。逆に走査方向切替信号
L/Rの電圧がローレベル、走査方向切替信号L/Rbの電圧がハイレベルであっても、
走査方向が切り替わるだけで、基本的な動作は同じである。
【0087】
また画像を表示する期間では、トランジスタ921のソースまたはドレインの一方には、
電圧VDDが与えられる。トランジスタ931のソースまたはドレインの一方には、電圧
VCCが与えられる。トランジスタ932のソースまたはドレインの他方には、電圧VS
Sが与えられる。スイッチング素子952のトランジスタのソースまたはドレインの他方
には、電圧VSSが与えられる。
【0088】
そして図9に示すように、端子2にスタートパルス信号SPのパルスが入力される前は、
端子2及び端子3に入力される電圧はローレベルである。よって、トランジスタ921、
トランジスタ922、トランジスタ931及びトランジスタ932は全てオフである。ま
た、スイッチング素子952のトランジスタはオフである。したがって、トランジスタ9
41とトランジスタ942のゲートには前周期において与えられた電圧が保持されている

【0089】
次に端子2にスタートパルス信号SPのパルスが入力されると、トランジスタ921及び
トランジスタ932のゲートにハイレベルの電圧が与えられるので、上記トランジスタは
オンになる。よってトランジスタ921を介して、電圧VDDが電圧IN1としてトラン
ジスタ941のゲートに与えられるので、トランジスタ941はオンになる。またトラン
ジスタ932を介して、電圧VSSが電圧IN2としてトランジスタ942のゲートに与
えられるので、トランジスタ942はオフになる。また、スイッチング素子952のトラ
ンジスタはオフのままである。このとき、端子1に入力されるクロック信号CLKの電圧
はローレベルであるので、走査線Gjにはローレベルの電圧が出力される。
【0090】
また端子3に入力される電圧はローレベルのままなので、トランジスタ931はオフの状
態を維持する。トランジスタ932を介して、電圧VSSがトランジスタ922のゲート
に与えられるので、トランジスタ922はオフになる。
【0091】
次に端子2に再びローレベルの電圧が入力されると、トランジスタ921及びトランジス
タ932のゲートにローレベルの電圧が与えられるので、上記トランジスタはオフになる
。また端子3に入力される電圧はローレベルのままなので、トランジスタ931はオフの
状態を維持する。よってトランジスタ922のゲート及びトランジスタ942のゲートは
フローティングとなり、電圧IN2はローレベルの状態を維持するので、トランジスタ9
22及びトランジスタ942はオフとなる。また、スイッチング素子952のトランジス
タはオフのままである。
【0092】
このとき、トランジスタ941のゲートもフローティングとなるが、端子1に入力される
クロック信号CLKの電圧がハイレベルになるので、ブートストラップによりトランジス
タのゲートの電圧IN1はさらに高く持ち上がる。よってトランジスタ941はオンの状
態を維持するため、クロック信号CLKのハイレベルの電圧がサンプリングされ、走査線
Gjに出力される。
【0093】
次に端子2に入力される電圧はローレベルの状態を維持するため、トランジスタ921及
びトランジスタ932はオフのままである。一方、端子3に入力される電圧はハイレベル
になるため、トランジスタ931はオンになる。そしてトランジスタ931を介してトラ
ンジスタ922のゲートに電圧VCCが印加され、トランジスタ922及びトランジスタ
942はオンになる。よって、トランジスタ922を介して、電圧VSSが電圧IN1と
してトランジスタ941のゲートに与えられ、トランジスタ941はオフになる。またト
ランジスタ931を介してトランジスタ942のゲートに、電圧IN2として電圧VCC
が印加される。また、スイッチング素子952のトランジスタはオフのままである。した
がって、トランジスタ942はオンになり、トランジスタ942を介して電圧VSSが走
査線Gjに与えられる。
【0094】
次に、トランジスタ942の閾値電圧を補正する期間における、パルス出力回路900の
動作について説明する。閾値電圧を補正する期間では、信号線駆動回路へのクロック信号
CLK、クロック信号CLKb、スタートパルス信号SP、走査方向切替信号L/R、走
査方向切替信号L/Rbの入力が停止するため、端子1〜5には電圧VSSが与えられる
。そして、トランジスタ921のソースまたはドレインの一方には、電圧VSSが与えら
れる。トランジスタ931のソースまたはドレインの一方には、電圧VEEが与えられる
。トランジスタ932のソースまたはドレインの他方には、電圧VEEが与えられる。ス
イッチング素子952のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、電圧VEEが
与えられる。
【0095】
よって、トランジスタ921及びトランジスタ922はオフ、トランジスタ931及びと
932はオフ、トランジスタ941及びトランジスタ942はオフとなる。そしてスイッ
チング素子952のトランジスタはオンとなり、逆方向バイアスの電圧VEEがトランジ
スタ942のゲートに印加され、トランジスタ942の閾値電圧が補正される。
【0096】
なお、閾値電圧を補正する期間において、トランジスタ941を確実にオフにするために
、トランジスタ941のゲートに電圧VSSを与えるようにしても良い。或いは、閾値電
圧を補正する期間において、走査線Gjに電圧VSSを与えるようにしても良い。
【0097】
図10に、トランジスタ941のゲートへの電圧VSSの印加を制御するスイッチング素
子951と、走査線Gjへの電圧VSSの印加を制御するスイッチング素子953とをさ
らに有する、パルス出力回路900の構成を示す。図10においてスイッチング素子95
1はトランジスタを1つだけ用いているが、本発明はこの構成に限定されない。スイッチ
ング素子951がトランジスタを複数用いていても良いし、トランジスタ以外の半導体素
子を用いていても良い。また図10においてスイッチング素子953はトランジスタを1
つだけ用いているが、本発明はこの構成に限定されない。スイッチング素子953がトラ
ンジスタを複数用いていても良いし、トランジスタ以外の半導体素子を用いていても良い

【0098】
スイッチング素子951のトランジスタのゲートには電圧VSSまたは電圧VLが与えら
れている。スイッチング素子951のトランジスタのソースとドレインは、一方がトラン
ジスタ941のゲートに接続されており、他方には電圧VSSが与えられている。スイッ
チング素子953のトランジスタのゲートには電圧VSSまたは電圧VLが与えられてい
る。スイッチング素子953のトランジスタのソースとドレインは、一方が走査線Gjに
接続されており、他方には電圧VSSが与えられている。
【0099】
画像を表示する期間において、スイッチング素子951のトランジスタのゲート及びスイ
ッチング素子953のトランジスタのゲートには電圧VSSが与えられるため、スイッチ
ング素子951のトランジスタ及びスイッチング素子953のトランジスタはオフになる
。一方、トランジスタ942の閾値電圧を補正する期間では、スイッチング素子951の
トランジスタのゲート及びスイッチング素子953のトランジスタのゲートには電圧VL
が与えられる。電圧VLはスイッチング素子951のトランジスタ及びスイッチング素子
953のトランジスタをオンにする程度の高さを有している。よって、オンになったスイ
ッチング素子951のトランジスタを介して、電圧VSSがトランジスタ941のゲート
に与えられる。またオンになったスイッチング素子953のトランジスタを介して、電圧
VSSが走査線Gjに与えられる。
【0100】
なお、スイッチング素子951とスイッチング素子953とは、必ずしも設ける必要はな
い。ただしスイッチング素子951またはスイッチング素子953を設けることで、補正
を行う期間において走査線Gjを確実に電圧VSSにすることが出来る。
【0101】
なお本実施の形態では、パルス出力回路900が走査方向切替回路910を有する構成に
ついて説明したが、本発明はこの構成に限定されない。走査線の選択の順序を切り替える
必要がなければ、走査方向切替回路910は必ずしも設けなくとも良い。
【0102】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0103】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の表示装置の全体的な構成について説明する。図11に、本実
施の形態の表示装置のブロック図を示す。図11に示す表示装置は、表示素子を備えた画
素を複数有する画素部400と、各画素をラインごとに選択する走査線駆動回路410と
、選択されたラインの画素へのビデオ信号の入力を制御する信号線駆動回路420と、閾
値制御回路430と、電源制御回路431と、モニター回路432とを有する。
【0104】
図11において信号線駆動回路420は、シフトレジスタ421、第1のラッチ422、
第2のラッチ423を有している。シフトレジスタ421には、クロック信号CLK、ス
タートパルス信号SP、走査方向切替信号L/Rが入力されている。シフトレジスタ42
1は、これらクロック信号CLK及びスタートパルス信号SPに従って、パルスが順次シ
フトするタイミング信号を生成し、第1のラッチ422に出力する。タイミング信号のパ
ルスの出現する順序は、走査方向切替信号L/Rによって切り替わる。
【0105】
第1のラッチ422にタイミング信号が入力されると、該タイミング信号のパルスに従っ
て、ビデオ信号が順に第1のラッチ422に書き込まれ、保持される。なお、本実施の形
態では第1のラッチ422が有する複数の記憶回路に順にビデオ信号を書き込んでいるが
、本発明はこの構成に限定されない。第1のラッチ422が有する複数の記憶回路をいく
つかのグループに分け、該グループごとに並行してビデオ信号を入力する、いわゆる分割
駆動を行っても良い。なおこのときのグループ数を分割数と呼ぶ。例えば4つの記憶回路
ごとにラッチをグループに分けた場合、4分割で分割駆動することになる。
【0106】
第1のラッチ422の全ての記憶回路への、ビデオ信号の書き込みが一通り終了するまで
の時間を、ライン期間と呼ぶ。実際には、上記ライン期間に水平帰線期間が加えられた期
間をライン期間に含むことがある。
【0107】
1ライン期間が終了すると、第2のラッチ423に入力されるラッチ信号LSのパルスに
従って、第1のラッチ422に保持されているビデオ信号が、第2のラッチ423に一斉
に書き込まれ、保持される。ビデオ信号を第2のラッチ423に送出し終えた第1のラッ
チ422には、再びシフトレジスタ421からのタイミング信号に従って、次のビデオ信
号の書き込みが順次行われる。この2順目の1ライン期間中には、第2のラッチ423に
書き込まれ、保持されているビデオ信号が画素部400に入力される。
【0108】
なお信号線駆動回路420は、シフトレジスタ421の代わりに、パルスが順次シフトす
る信号を出力することができる別の回路を用いても良い。
【0109】
なお図11では第2のラッチ423の後段に画素部400が直接接続されているが、本発
明はこの構成に限定されない。画素部400の前段に、第2のラッチ423から出力され
たビデオ信号に信号処理を施す回路を設けることができる。信号処理を施す回路の一例と
して、例えば波形を整形することができるバッファ、振幅を増幅することができるレベル
シフタ、アナログ信号に変換することができるデジタルアナログ変換回路などが挙げられ
る。
【0110】
次に、走査線駆動回路410の構成について説明する。走査線駆動回路410は、シフト
レジスタ411を有し、シフトレジスタ411は出力回路412を有している。走査線駆
動回路410において、シフトレジスタ411にクロック信号CLK、スタートパルス信
号SP及び走査方向切替信号L/Rが入力されることによって、パルスが順次シフトする
選択信号が出力回路412から出力される。選択信号のパルスの出現する順序は、走査方
向切替信号L/Rによって切り替わる。生成された選択信号のパルスが走査線に入力され
ることで、当該走査線を有するラインの画素が選択され、ビデオ信号が該画素に入力され
る。
【0111】
なお図11では、シフトレジスタ411の後段に画素部400が直接接続されているが、
本発明はこの構成に限定されない。画素部400の前段に、シフトレジスタ411から出
力された選択信号に信号処理を施す回路を設けても良い。信号処理を施す回路の一例とし
て、例えば波形を整形することができるバッファ、振幅を増幅することができるレベルシ
フタなどが挙げられる。
【0112】
またアクティブマトリクス型の表示装置の場合、走査線には1ライン分の画素が有するト
ランジスタのゲートが接続されている。よってシフトレジスタ411の後段に画素部40
0が直接接続されている場合、出力回路412には、1ライン分の画素のトランジスタを
一斉にオンできる程度の、電流供給能力の高いトランジスタを用いることが望ましい。
【0113】
画素部400、走査線駆動回路410、信号線駆動回路420、モニター回路432は、
同じ基板に形成することができる。またトランジスタの特性が向上すれば、閾値制御回路
430または電源制御回路431も、画素部400と同じ基板に形成することができる。
モニター回路432が有するモニター用トランジスタは、出力回路412のトランジスタ
と閾値電圧が同じであり、そして閾値電圧のシフトも同じであることが望ましい。したが
って、モニター用トランジスタは少なくとも出力回路412と同じ基板上に形成するのが
望ましい。もしくは、モニター用トランジスタと出力回路412とを同じ基板上に形成し
なくとも、少なくともモニター用トランジスタと出力回路412が有するトランジスタと
は、共に薄膜トランジスタであることが望ましい。
【0114】
図12(A)に、別途形成された信号線駆動回路420を、画素部400、走査線駆動回
路410、モニター回路432が形成された基板440に実装している表示装置の一形態
を示す。なお実際には、画素部400を基板440との間に挟むようにもう一つの基板を
設けるが、画素部400、走査線駆動回路410、信号線駆動回路420、モニター回路
432の配置を明確にするために、図12(A)では敢えてもう一つの基板が省略された
形態を図示する。
【0115】
画素部400、信号線駆動回路420、走査線駆動回路410、モニター回路432には
、それぞれ電源の電圧、各種信号等が、FPC441を介して供給される。電源制御回路
431と、走査線駆動回路410は、FPC441を介して電気的に接続されている。図
12(A)において、信号線駆動回路420は、単結晶の半導体を用いたトランジスタ、
多結晶の半導体を用いたトランジスタ、またはSOIを用いたトランジスタを有していて
も良い。
【0116】
なお、信号線駆動回路420を実装する際、必ずしも信号線駆動回路420が形成された
基板を、画素部400が形成された基板上に貼り合わせる必要はなく、例えばFPC上に
貼り合わせるようにしても良い。図12(B)に、画素部400、走査線駆動回路410
、モニター回路432が形成された基板450に、別途形成された信号線駆動回路420
がFPC451上に貼り合わせるように実装されている、表示装置の一形態を示す。なお
実際には、画素部400を基板450との間に挟むようにもう一つの基板を設けるが、画
素部400、走査線駆動回路410、信号線駆動回路420、モニター回路432の配置
を明確にするために、図12(B)では敢えてもう一つの基板が省略された形態を図示す
る。画素部400、信号線駆動回路420、走査線駆動回路410、モニター回路432
には、それぞれ電源の電圧、各種信号等が、FPC451を介して供給される。電源制御
回路431と、走査線駆動回路410は、FPC451を介して電気的に接続されている
。図12(B)において、信号線駆動回路420は、単結晶の半導体を用いたトランジス
タ、多結晶の半導体を用いたトランジスタ、またはSOIを用いたトランジスタを有して
いても良い。
【0117】
また信号線駆動回路の一部を、画素部400、走査線駆動回路410、モニター回路43
2と同じ基板上に形成し、残りを別途形成して実装するようにしても良い。画素部400
、走査線駆動回路410、モニター回路432と共に、信号線駆動回路420が有する第
1のラッチ422、第2のラッチ423が形成されている基板460に、別途形成した信
号線駆動回路420のシフトレジスタ421が実装されている、表示装置の一形態を図1
2(C)に示す。なお実際には、画素部400を基板460との間に挟むようにもう一つ
の基板を設けるが、画素部400、走査線駆動回路410、信号線駆動回路420、モニ
ター回路432の配置を明確にするために、図12(C)では敢えてもう一つの基板が省
略された形態を図示する。画素部400、信号線駆動回路420、走査線駆動回路410
、モニター回路432には、それぞれ電源の電圧、各種信号等が、FPC461を介して
供給される。電源制御回路431と、走査線駆動回路410は、FPC461を介して電
気的に接続されている。図12(C)において、信号線駆動回路420のシフトレジスタ
421は、単結晶の半導体を用いたトランジスタ、多結晶の半導体を用いたトランジスタ
、またはSOIを用いたトランジスタを有していても良い。
【0118】
なお、別途形成した基板の接続方法は、特に限定されるものではなく、公知のCOG方法
やワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。また接続する
位置は、電気的な接続が可能であるならば、図12に示した位置に限定されない。また、
コントローラ、CPU、メモリ等を別途形成し、接続するようにしても良い。
【0119】
駆動回路などの集積回路を別途形成して基板に実装することで、全ての回路を画素部と同
じ基板上に形成する場合に比べて、歩留まりを高めることができ、また各回路の特性に合
わせたプロセスの最適化を容易に行なうことができる。
【0120】
なお本発明の表示装置は、例えば液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表され
る発光素子を各画素に備えた発光装置、DMD(Digital Micromirro
r Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(
Field Emission Display)等、アクティブマトリクス型の表示装
置がその範疇に含まれる。またパッシブマトリクス型の表示装置も含まれる。
【0121】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【実施例1】
【0122】
本実施例では、本発明の表示装置が有する信号線駆動回路の、より具体的な構成について
説明する。
【0123】
図13に、信号線駆動回路の回路図を一例として示す。図13に示す信号線駆動回路は、
シフトレジスタ501と、第1のラッチ502と、第2のラッチ503と、レベルシフタ
504と、バッファ505とを有している。
【0124】
シフトレジスタ501は、複数のディレイ型フリップフロップ(DFF)506を有して
いる。そしてシフトレジスタ501は、入力されたスタートパルス信号SP及びクロック
信号CLKに従って、順次パルスがシフトしたタイミング信号を生成し、後段の第1のラ
ッチ502に入力する。
【0125】
第1のラッチ502は複数の記憶回路(LAT)507を有している。そして第1のラッ
チ502は、入力されたタイミング信号のパルスに従って、ビデオ信号を順にサンプリン
グし、記憶回路507にサンプリングしたビデオ信号のデータを書き込む。
【0126】
第2のラッチ503は複数の記憶回路(LAT)508を有する。記憶回路508の数は
それぞれ、画素部における1ラインの画素数と同じか、それよりも多いことが望ましい。
【0127】
第1のラッチ502において記憶回路507に書き込まれたビデオ信号のデータは、第2
のラッチ503に入力されるラッチ信号LSのパルスに従って、第2のラッチ503が有
する記憶回路508に書き込まれ、保持される。そして記憶回路508において保持され
ているデータは、後段のレベルシフタ504にビデオ信号として出力される。
【0128】
レベルシフタ504は、入力されたビデオ信号の電圧の振幅を制御し、後段のバッファ5
05に出力する。入力されたビデオ信号は、バッファ505において波形が整形された後
、信号線に出力される。
【0129】
本実施例は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【実施例2】
【0130】
本実施例では、本発明の表示装置の1つである、アクティブマトリクス型の発光装置が有
する画素部の構成について説明する。
【0131】
アクティブマトリクス型の発光装置は、各画素に表示素子に相当する発光素子が設けられ
ている。発光素子は自ら発光するため視認性が高く、液晶表示装置で必要なバックライト
が要らず薄型化に最適であると共に、視野角にも制限が無い。本実施例では、発光素子の
1つである有機発光素子(OLED:Organic Light Emitting
Diode)を用いた発光装置について説明するが、本発明は他の発光素子を用いた発光
装置であっても良い。
【0132】
OLEDは、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electrolumine
scence)が得られる材料を含む層(以下、電界発光層と記す)と、陽極層と、陰極
層とを有している。エレクトロルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る
際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、
本発明の発光装置は、上述した発光のうちの、いずれか一方の発光を用いていても良いし
、または両方の発光を用いていても良い。
【0133】
本実施例の発光装置の画素部601の拡大図を図14(A)に示す。画素部601はマト
リクス状に配置された複数の画素602を有している。またS1〜Sxは信号線、V1〜
Vxは電源線、G1〜Gyは走査線に相当する。本実例の場合、画素602は、信号線S
1〜Sxと、電源線V1〜Vxと、走査線G1〜Gyとを1つずつ有している。
【0134】
画素602の拡大図を図14(B)に示す。図14(B)において、603はスイッチン
グ用トランジスタである。スイッチング用トランジスタ603のゲートは、走査線Gj(
j=1〜y)に接続されている。スイッチング用トランジスタ603のソースとドレイン
は、一方が信号線Si(i=1〜x)に、他方が駆動用トランジスタ604のゲートにそ
れぞれ接続されている。また電源線Vi(i=1〜x)と、駆動用トランジスタ604の
ゲートの間には、保持容量606が設けられている。
【0135】
保持容量606はスイッチング用トランジスタ603がオフの時、駆動用トランジスタ6
04のゲート電圧(ゲートとソース間の電圧)を保持するために設けられている。なお本
実施例では保持容量606を設ける構成を示したが、本発明はこの構成に限定されず、保
持容量606を設けなくても良い。
【0136】
また、駆動用トランジスタ604のソースとドレインは、一方が電源線Vi(i=1〜x
)に接続され、他方が発光素子605に接続されている。発光素子605は陽極と陰極と
、陽極と陰極との間に設けられた電界発光層とを有する。陽極が駆動用トランジスタ60
4のソースまたはドレインと接続している場合、陽極が画素電極、陰極が対向電極となる
。逆に陰極が駆動用トランジスタ604のソースまたはドレインと接続している場合、陰
極が画素電極、陽極が対向電極となる。
【0137】
発光素子605の対向電極と、電源線Viには、それぞれ所定の電圧が与えられている。
【0138】
走査線駆動回路から走査線G1〜Gyに入力される選択信号のパルスに従って、走査線G
jが選択される、言い換えると走査線Gjに対応するラインの画素602が選択されると
、該ラインの画素602において走査線Gjにゲートが接続されたスイッチング用トラン
ジスタ603がオンになる。そして信号線Siにビデオ信号が入力されると、該ビデオ信
号の電圧に従って駆動用トランジスタ604のゲート電圧が決まる。駆動用トランジスタ
604がオンになった場合、電源線Viと発光素子605が電気的に接続され、電流の供
給により発光素子605が発光する。逆に、駆動用トランジスタ604がオフになった場
合、電源線Viと発光素子605は電気的に接続されないので、発光素子605への電流
の供給は行われず、発光素子605は発光しない。
【0139】
なおスイッチング用トランジスタ603、駆動用トランジスタ604は、nチャネル型ト
ランジスタでもpチャネル型トランジスタでもどちらでも用いることができる。ただし駆
動用トランジスタ604のソースまたはドレインが発光素子605の陽極と接続されてい
る場合、駆動用トランジスタ604はpチャネル型トランジスタであることが望ましい。
また、駆動用トランジスタ604のソースまたはドレインが発光素子605の陰極と接続
されている場合、駆動用トランジスタ604はnチャネル型トランジスタであることが望
ましい。
【0140】
またスイッチング用トランジスタ603、駆動用トランジスタ604は、シングルゲート
構造ではなく、ダブルゲート構造、やトリプルゲート構造などのマルチゲート構造を有し
ていても良い。
【0141】
なお本発明は、図14に示した回路構成だけではなく、様々な回路構成を持った画素を有
する表示装置に適用できる。本発明の表示装置が有する画素は、例えば、駆動用トランジ
スタの閾値電圧を補正できる閾値補正型の回路構成や、電流を入力することで駆動用トラ
ンジスタの閾値及び移動度を補正できる電流入力型の回路構成などを有していても良い。
【0142】
本実施例は、上記実施の形態または上記実施例と適宜組み合わせて実施することができる

【実施例3】
【0143】
本実施例では、本発明の表示装置の1つである、アクティブマトリクス型の液晶表示装置
が有する画素部の構成について説明する。
【0144】
本実施例の表示装置の画素部610の拡大図を図15に示す。図15において、画素部6
10には複数の画素611がマトリクス状に設けられている。またS1〜Sxは信号線、
G1〜Gyは走査線に相当する。本実例の場合、画素611は、信号線S1〜Sxと、走
査線G1〜Gyとを1つずつ有している。
【0145】
画素611は、スイッチング素子として機能するトランジスタ612と、表示素子に相当
する液晶セル613と、保持容量614とを有している。液晶セル613は、画素電極と
、対向電極と、画素電極と対向電極によって電圧が印加される液晶とを有している。トラ
ンジスタ612のゲートは走査線Gj(j=1〜y)に接続されており、トランジスタ6
12のソースまたはドレインは、一方が信号線Si(i=1〜x)に、他方が液晶セル6
13の画素電極に接続されている。また保持容量614が有する2つの電極は、一方が液
晶セル613の画素電極に、他方がコモン電極に接続されている。コモン電極は液晶セル
613の対向電極に接続されていても良いし、他の走査線に接続されていても良い。
【0146】
走査線駆動回路から走査線G1〜Gyに入力される選択信号のパルスに従って、走査線G
jが選択される、言い換えると走査線Gjに対応するラインの画素611が選択されると
、該ラインの画素611において走査線Gjにゲートが接続されたトランジスタ612が
オンになる。そして信号線駆動回路から信号線Siにビデオ信号が入力されると、該ビデ
オ信号の電圧に従って液晶セル613の画素電極と対向電極の間に電圧が印加される。液
晶セル613は、画素電極と対向電極の間に印加される電圧の値に従って、その透過率が
決まる。また液晶セル613の画素電極と対向電極の間の電圧は、保持容量614におい
て保持される。
【0147】
本実施例は、上記実施の形態または上記実施例と適宜組み合わせて実施することができる

【実施例4】
【0148】
次に、本発明の表示装置の、具体的な作製方法について説明する。なお本実施例では、ト
ランジスタを有する発光装置を例に挙げて説明する。
【0149】
まず図16(A)に示すように、基板700上に導電膜を形成した後、該導電膜を所定の
形状に加工(パターニング)することで、導電膜701、702を形成する。基板700
として、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基
板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、ステンレス基板を含む金
属基板、またはシリコン基板等の半導体基板を用いても良い。プラスチック等の可撓性を
有する合成樹脂からなる基板は、上記基板と比較して耐熱温度が一般的に低い傾向にある
が、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
【0150】
プラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエス
テル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカ
ーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF
)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。
【0151】
また導電膜701、702には、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti
)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ
(Nb)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、
上記金属を含む化合物を用いても良い。または、半導体膜に導電性を付与するリン等の不
純物元素をドーピングした、多結晶珪素などの半導体を用いて形成しても良い。
【0152】
また、本実施例では導電膜701、702を積層された1つの導電膜で形成しているが、
本実施例はこの構成に限定されない。導電膜701、702は2つ以上の導電膜を積層す
ることで形成されていても良い。3つ以上の導電膜を積層する3層構造の場合は、モリブ
デン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。導電膜の形成には
CVD法、スパッタリング法等を用いることが出来る。
【0153】
次に、導電膜701、702を覆うようにゲート絶縁膜703を形成する。ゲート絶縁膜
703は、プラズマCVD法またはスパッタリング法などを用い、酸化珪素、窒化珪素(
SiNx、Si等)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化珪
素(SiNxOy)(x>y>0)等を含む膜を、単層で、または積層させて形成するこ
とができる。積層する場合には、例えば、導電膜701、702側から酸化珪素膜、窒化
珪素膜、酸化珪素膜の3層構造とするのが好ましい。
【0154】
次にゲート絶縁膜703上に、第1の半導体膜704を形成する。第1の半導体膜704
の膜厚は20〜200nm(望ましくは40〜170nm、好ましくは50〜150nm
)とする。なお第1の半導体膜704は、非晶質半導体であっても良いし、多結晶半導体
であっても良い。また半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることがで
きる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5at
omic%程度であることが好ましい。
【0155】
なお第1の半導体膜704は、公知の技術により結晶化しても良い。公知の結晶化方法と
しては、レーザ光を用いたレーザ結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法がある。或いは、
触媒元素を用いる結晶化法とレーザ結晶化法とを組み合わせて用いることもできる。また
、基板700として石英のような耐熱性に優れている基板を用いる場合、電熱炉を使用し
た熱結晶化方法、赤外光を用いたランプアニール結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法、
950℃程度の高温アニールを組み合わせた結晶化法を用いても良い。
【0156】
例えばレーザ結晶化を用いる場合、レーザ結晶化の前に、レーザに対する第1の半導体膜
704の耐性を高めるために、550℃、4時間の加熱処理を該第1の半導体膜704に
対して行なう。そして連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高
調波のレーザ光を照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、代表的に
は、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高
調波(355nm)を用いるのが望ましい。具体的には、連続発振のYVOレーザから
射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換し、出力10Wのレーザ光を得
る。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形
して、第1の半導体膜704に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100
MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、走査
速度を10〜2000cm/sec程度とし、照射する。
【0157】
連続発振の気体レーザとして、Arレーザ、Krレーザなどを用いることが出来る。また
連続発振の固体レーザとして、YAGレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlO
レーザ、フォルステライト(MgSiO)レーザ、GdVOレーザ、Y
ーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレー
ザなどを用いることが出来る。
【0158】
またパルス発振のレーザとして、例えばArレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、CO
レーザ、YAGレーザ、Yレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlO
レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレ
ーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザを用いることができる。
【0159】
また、パルス発振のレーザ光の発振周波数を10MHz以上とし、通常用いられている数
十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を用いてレーザ結晶化を行なって
も良い。パルス発振でレーザ光を照射することで第1の半導体膜704が溶融してから第
1の半導体膜704が完全に固化するまでの時間は数十nsec〜数百nsecと言われ
ている。よって上記周波数を用いることで、第1の半導体膜704がレーザ光によって溶
融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できる。したがって、第1の半
導体膜704中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に向
かって連続的に成長した結晶粒を有する第1の半導体膜704が形成される。具体的には
、含まれる結晶粒の走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向
における幅が1〜5μm程度の結晶粒の集合を形成することができる。該走査方向に沿っ
て連続的に成長した単結晶の結晶粒を形成することで、少なくともトランジスタのチャネ
ル方向には結晶粒界のほとんど存在しない第1の半導体膜704の形成が可能となる。
【0160】
なおレーザ結晶化は、連続発振の基本波のレーザ光と連続発振の高調波のレーザ光とを並
行して照射するようにしても良いし、連続発振の基本波のレーザ光とパルス発振の高調波
のレーザ光とを並行して照射するようにしても良い。
【0161】
なお、希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射するようにしても良い。
これにより、レーザ光照射による半導体表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度の
ばらつきによって生じる閾値電圧のばらつきを抑えることができる。
【0162】
上述したレーザ光の照射により、結晶性がより高められた第1の半導体膜704が形成さ
れる。なお、予め第1の半導体膜704に、スパッタ法、プラズマCVD法、熱CVD法
などで形成した多結晶半導体を用いるようにしても良い。
【0163】
また本実施例では第1の半導体膜704を結晶化しているが、結晶化せずに非晶質珪素膜
または微結晶半導体膜のまま、後述のプロセスに進んでも良い。非晶質半導体、微結晶半
導体を用いたトランジスタは、多結晶半導体を用いたトランジスタよりも作製工程が少な
い分、コストを抑え、歩留まりを高くすることができるというメリットを有している。
【0164】
非晶質半導体は、珪素を含む気体をグロー放電分解することにより得ることができる。珪
素を含む気体としては、SiH、Siが挙げられる。この珪素を含む気体を、水
素、水素及びヘリウムで希釈して用いても良い。
【0165】
次に第1の半導体膜704上に、第2の半導体膜705、第3の半導体膜706を順に形
成する。第2の半導体膜705は、価電子制御を目的とした不純物元素を意図的に添加し
ないで形成したものである。この第2の半導体膜705は、一導電型を有し、ソースとし
て機能するソース領域及びドレインとして機能するドレイン領域を形成するための第3の
半導体膜706と、第1の半導体膜704との間に形成することで、バッファ層(緩衝層
)的な働きを持っている。従って、弱n型の電気伝導性を持って第1の半導体膜704に
対して、同じ導電型で一導電型を有する第3の半導体膜706を形成する場合には必ずし
も必要ない。しきい値制御をする目的において、p型を付与する不純物元素を添加する場
合には、第2の半導体膜705は段階的に不純物濃度を変化させる効果を持ち、接合形成
を良好にする上で好ましい形態となる。すなわち、形成されるトランジスタにおいては、
チャネル形成領域と、ソース領域またはドレイン領域との間に形成される低濃度不純物領
域(LDD領域)としての機能を持たせることが可能となる。
【0166】
一導電型を有する第3の半導体膜706はnチャネル型のトランジスタを形成する場合に
は、代表的な不純物元素としてリンを添加すれば良く、珪素を含む気体にPHなどの不
純物気体を加えれば良い。第2の半導体膜705と第3の半導体膜706は、第1の半導
体膜704と同様に、非晶質半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。ま
た半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。
【0167】
以上、ゲート絶縁膜703から一導電型を有する第3の半導体膜706までは、大気に触
れさせることなく連続して形成することが可能である。すなわち、大気成分や大気中に浮
遊する汚染不純物元素に汚染されることなく各積層界面を形成することができるので、ト
ランジスタ特性のばらつきを低減することができる。
【0168】
次に図16(B)に示すように、マスク707を形成し、第1の半導体膜704、第2の
半導体膜705、一導電型を有する第3の半導体膜706を所望の形状に加工(パターニ
ング)して、島状に分離する。
【0169】
次に図16(C)に示すように、マスク707を除去した後、第2導電膜708を形成す
る。第2導電膜708はアルミニウム、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料で
形成するが、半導体膜と接する側の層をチタン、タンタル、モリブデン、タングステン、
銅またはこれらの元素の窒化物で形成した積層構造としても良い。例えば1層目がTaで
2層目がW、1層目が窒化タンタルで2層目がアルミニウム、1層目が窒化タンタルで2
層目がCu、1層目がTiで2層目がアルミニウムで3層目がTiといった組み合わせも
考えられる。また1層目と2層目のいずれか一方にAgPdCu合金を用いても良い。W
、AlとSiの合金(Al−Si)、窒化チタンを順次積層した3層構造としてもよい。
Wの代わりに窒化タングステンを用いてもよいし、AlとSiの合金(Al−Si)に代
えてAlとTiの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、窒化チタンに代えてTiを用
いてもよい。アルミニウムには耐熱性を向上させるためにチタン、シリコン、スカンジウ
ム、ネオジム、銅などの元素を0.5〜5原子%添加させても良い。
【0170】
次に図17(A)に示すようにマスク709を形成する。マスク709は第2導電膜70
8をパターニングすることでソース領域またはドレイン領域と接続する配線を形成するた
めのマスクであり、同時に一導電型を有する第3の半導体膜706を取り除きチャネル形
成領域を形成するためのエッチングマスクとして併用されるものである。アルミニウムま
たはこれを主成分とする導電膜のエチングはBCl、Clなどの塩化物気体を用いて
行なえば良い。このエッチング加工により、第2導電膜708から配線710〜713を
形成する。また、チャネル形成領域を形成するためのエッチングにはSF、NF、C
などのフッ化物気体を用いてエッチングを行なうが、この場合には下地となる第1の
半導体膜704とのエッチング選択比をとれないので、処理時間を適宜調整して行なうこ
ととなる。以上のようにして、チャネルエッチ型のトランジスタの構造を形成することが
できる。
【0171】
次にマスク709を除去した後、図17(B)に示すようにチャネル形成領域の保護を目
的とした絶縁膜714を、窒化珪素膜で形成する。この窒化珪素膜はスパッタリング法や
グロー放電分解法で形成可能であるが、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの
汚染不純物の侵入を防ぐためのものであり、緻密な膜であることが要求される。珪素をタ
ーゲットとして、窒素とアルゴンなどの希ガス元素を混合させたスパッタガスで高周波ス
パッタリングすることで、より緻密な窒化珪素膜を形成することができる。
【0172】
次に図17(C)に示すように、絶縁膜714上に、平坦化を目的とした絶縁膜715を
形成する。絶縁膜715は、アクリル、ポリイミド、ポリアミドなどの有機樹脂、または
シロキサン樹脂を含む絶縁膜で形成することが好ましい。シロキサン樹脂とは、シロキサ
ン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキ
サン樹脂は、置換基として、水素の他、フッ素、フルオロ基、有機基(例えばアルキル基
、芳香族炭化水素)のうち、少なくとも1種を有していても良い。これらの材料は吸水性
を有する。よって、絶縁膜715上に、水分の侵入及び放出を防ぐための絶縁膜716を
形成することが好ましい。絶縁膜716としては上述のような窒化珪素膜を適用すれば良
い。
【0173】
次に絶縁膜714、絶縁膜715、絶縁膜716をパターニングして、配線713が一部
露出するような開口部を形成する。そして該開口部において配線713に接する配線71
7を形成する。
【0174】
次に図18(A)に示すように、配線717に接するように、陽極718を絶縁膜716
上に形成する。本実施例ではスパッタ法を用い、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(I
TSO)で導電膜を形成した後、該導電膜をパターニングすることで陽極718を形成す
る。なお、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(
IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)など、ITSO以外の透光性酸化物導
電材料を陽極718に用いても良い。
【0175】
ITSOを用いる場合、ターゲットとしてITOに酸化珪素が2〜10重量%含まれたも
のを用いることができる。具体的に本実施例では、Inと、SnOと、SiO
とが85:10:5の重量%の割合で含むターゲットを用い、Arの流量を50sccm
、Oの流量を3sccm、スパッタ圧力を0.4Pa、スパッタ電力を1kW、成膜速
度30nm/minとし、105nmの膜厚で、陽極718となる導電膜を形成した。
【0176】
導電膜を形成した後、パターニングする前に、その表面が平坦化されるように、CMP法
、ポリビニルアルコール系の多孔質体による拭浄などで研磨しておいても良い。
【0177】
次に、配線717と、陽極718の一部とを覆うように、絶縁膜716上に、開口部を有
する隔壁719を形成する。隔壁719の開口部において陽極718はその一部が露出し
ている。隔壁719は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成
することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、ポリイミド、ポリアミドなど、
無機絶縁膜ならば酸化珪素、窒化酸化珪素などを用いることができる。開口部を形成する
際に用いるマスクは、液滴吐出法または印刷法で形成することができる。また隔壁719
自体を、液滴吐出法または印刷法で形成することもできる。
【0178】
次に本発明では、電界発光層720を形成する前に、隔壁719及び陽極718に吸着し
た水分や酸素等を除去するために、大気雰囲気下で加熱処理または真空雰囲気下で加熱処
理(真空ベーク)を行なう。具体的には、基板の温度を200℃〜450℃、好ましくは
250〜300℃で、0.5〜20時間程度、真空雰囲気下で加熱処理を行なう。望まし
くは4×10−5Pa以下とし、可能であるならば4×10−6Pa以下とするのが最も
望ましい。そして、真空雰囲気下で加熱処理を行なった後に電界発光層720を形成する
場合、電界発光層720を形成する直前まで当該基板を真空雰囲気下に置いておくことで
、信頼性をより高めることができる。また真空ベークの前または後に、陽極718に紫外
線を照射してもよい。
【0179】
次に図18(B)に示すように、陽極718上に電界発光層720を形成する。電界発光
層720は、単数または複数の層からなり、各層には有機材料のみならず無機材料が含ま
れていても良い。電界発光層720におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基
底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)
とが含まれる。
【0180】
次に、電界発光層720を覆うように陰極721を形成する。陰極721は、一般的に仕
事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いること
ができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアル
カリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Liなど)の他、YbやE
r等の希土類金属を用いて形成することもできる。また、電子注入性の高い材料を含む層
を陰極721に接するように形成することで、アルミニウムや、酸化物導電材料等を用い
た、通常の導電膜も用いることができる。
【0181】
陽極718、電界発光層720、陰極721は、隔壁719の開口部において重なり合っ
ており、該重なり合っている部分が発光素子722に相当する。
【0182】
なお発光素子722を形成したら、陰極721上に、絶縁膜を形成しても良い。該絶縁膜
は絶縁膜716と同様に、水分や酸素などの発光素子の劣化を促進させる原因となる物質
を、他の絶縁膜と比較して透過させにくい膜を用いる。代表的には、例えばDLC膜、窒
化炭素膜、RFスパッタ法で形成された窒化珪素膜等を用いるのが望ましい。また上述し
た水分や酸素などの物質を透過させにくい膜と、該膜に比べて水分や酸素などの物質を透
過させやすい膜とを積層させて、上記絶縁膜として用いることも可能である。
【0183】
なお図18では、発光素子722から発せられる光が基板700側に照射される構成を示
しているが、光が基板700とは反対側に向かうような構造の発光素子としても良い。
【0184】
実際には図18(B)まで完成したら、さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱
ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)や透光性
のカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。その際、カバー材の内部を不
活性雰囲気する、または内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置すると、発光素
子の信頼性が向上する。
【0185】
本実施例は、上記実施の形態または上記実施例と適宜組み合わせて実施することができる

【実施例5】
【0186】
本実施例では、本発明の表示装置の一つである発光装置を例に挙げ、その外観について図
19を用いて説明する。図19(A)は、第1の基板上に形成されたトランジスタ及び発
光素子を、第1の基板と第2の基板の間にシール材で封止したパネルの上面図であり、図
19(B)は、図19(A)のA−A’における断面図に相当する。
【0187】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査
線駆動回路4004と、モニター回路4005とを囲むように、シール材4020が設け
られている。また画素部4002、信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004及
びモニター回路4005の上に、第2の基板4006が設けられている。よって画素部4
002、信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004及びモニター回路4005は
、第1の基板4001と第2の基板4006の間において、シール材4020により、充
填材4007と共に密封されている。
【0188】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002、信号線駆動回路4003及び走
査線駆動回路4004は、それぞれトランジスタを複数有している。図19(B)では、
信号線駆動回路4003に含まれるトランジスタ4008と、画素部4002に含まれる
駆動用トランジスタ4009及びスイッチング用トランジスタ4010とを例示している

【0189】
また発光素子4011は、駆動用トランジスタ4009のソース領域またはドレイン領域
と接続されている配線4017の一部を、その画素電極として用いている。また発光素子
4011は、画素電極の他に対向電極4012と電界発光層4013を有している。なお
発光素子4011の構成は、本実施例に示した構成に限定されない。発光素子4011か
ら取り出す光の方向や、駆動用トランジスタ4009の極性などに合わせて、発光素子4
011の構成は適宜変えることができる。
【0190】
また信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられ
る各種信号及び電圧は、図19(B)に示す断面図では図示されていないが、引き出し配
線4014及び4015を介して、接続端子4016から供給されている。また閾値制御
回路または電源制御回路から走査線駆動回路4004またはモニター回路4005に、引
き出し配線4014及び4015を介して逆方向バイアスの電圧が与えられる。
【0191】
本実施例では、接続端子4016が、発光素子4011が有する対向電極4012と同じ
導電膜から形成されている。また、引き出し配線4014は、配線4017と同じ導電膜
から形成されている。また引き出し配線4015は、駆動用トランジスタ4009、スイ
ッチング用トランジスタ4010、トランジスタ4008がそれぞれ有するゲート電極と
、同じ導電膜から形成されている。
【0192】
接続端子4016は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電
気的に接続されている。
【0193】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006として、ガラス、金属(代表的にはステ
ンレス)、セラミックス、プラスチックを用いることができる。但し、発光素子4011
からの光の取り出し方向に位置する第2の基板4006は、透光性を有していなければな
らない。よって第2の基板4006は、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィル
ムまたはアクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いることが望ましい。
【0194】
また、充填材4007としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹
脂または熱硬化樹脂を用いることができる。本実施例では充填材4007として窒素を用
いる例を示している。
【0195】
本実施例は、上記実施の形態または上記実施例と適宜組み合わせて実施することができる

【実施例6】
【0196】
本発明の表示装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型ゲーム機また
は電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマ
ウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オー
ディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(
代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生
し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)などが挙げられる。これら電子機
器の具体例を図20に示す。
【0197】
図20(A)は携帯電話であり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、
音声出力部2104、操作キー2105を有する。表示部2102に本発明の表示装置を
用いることで、信頼性の高い携帯電話が得られる。
【0198】
図20(B)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外
部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607
、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を有する。表示部2602
に本発明の表示装置を用いることで、信頼性の高いビデオカメラが得られる。
【0199】
図20(C)は映像表示装置であり、筐体2401、表示部2402、スピーカー部24
03等を有する。表示部2402に本発明の表示装置を用いることで、信頼性の高い映像
表示装置が得られる。なお、映像表示装置には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受
信用、広告表示用などの、映像を表示するための全ての映像表示装置が含まれる。
【0200】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可
能である。
【0201】
本実施例は、上記実施の形態または上記実施例と適宜組み合わせて実施することができる

【符号の説明】
【0202】
101 閾値制御回路
102 電源制御回路
103 モニター回路
104 出力回路
105 シフトレジスタ
106 走査線駆動回路
107 画素部
108 トランジスタ
109 トランジスタ
110 モニター用トランジスタ
200 閾値制御回路
201 コントローラ
202 演算回路
203 計測回路
204 メモリ
210 電源制御回路
211 モニター回路
212 AD変換回路
213 モニター用トランジスタ
220 シフトレジスタ
221 出力回路
223 トランジスタ
224 トランジスタ
300 モニター回路
301 モニター用トランジスタ
303 容量
400 画素部
410 走査線駆動回路
411 シフトレジスタ
412 出力回路
420 信号線駆動回路
421 シフトレジスタ
422 ラッチ
423 ラッチ
430 閾値制御回路
431 電源制御回路
432 モニター回路
440 基板
441 FPC
450 基板
451 FPC
460 基板
461 FPC
501 シフトレジスタ
502 ラッチ
503 ラッチ
504 レベルシフタ
505 バッファ
506 ディレイ型フリップフロップ(DFF)
507 記憶回路
508 記憶回路
601 画素部
602 画素
603 スイッチング用トランジスタ
604 駆動用トランジスタ
605 発光素子
606 保持容量
610 画素部
611 画素
612 トランジスタ
613 液晶セル
614 保持容量
700 基板
701 導電膜
703 ゲート絶縁膜
704 半導体膜
705 半導体膜
706 半導体膜
707 マスク
708 導電膜
709 マスク
710 配線
713 配線
714 絶縁膜
715 絶縁膜
716 絶縁膜
717 配線
718 陽極
719 隔壁
720 電界発光層
721 陰極
722 発光素子
900 パルス出力回路
910 走査方向切替回路
911 トランジスタ
912 トランジスタ
913 トランジスタ
914 トランジスタ
920 振幅補償回路
921 トランジスタ
922 トランジスタ
930 振幅補償回路
931 トランジスタ
932 トランジスタ
940 出力回路
941 トランジスタ
942 トランジスタ
951 スイッチング素子
952 スイッチング素子
953 スイッチング素子
2101 本体
2102 表示部
2103 音声入力部
2104 音声出力部
2105 操作キー
2401 筐体
2402 表示部
2403 スピーカー部
2601 本体
2602 表示部
2603 筐体
2604 外部接続ポート
2605 リモコン受信部
2606 受像部
2607 バッテリー
2608 音声入力部
2609 操作キー
2610 接眼部
3001 トランジスタ
3002 トランジスタ
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 モニター回路
4006 基板
4007 充填材
4008 トランジスタ
4009 駆動用トランジスタ
4010 スイッチング用トランジスタ
4011 発光素子
4012 対向電極
4013 電界発光層
4014 配線
4015 配線
4016 接続端子
4017 配線
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 シール材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタと、第1のスイッチと、第2のスイッチと、第3のスイッチと、第4のスイッチと、を有し、
前記第1のスイッチの第1の端子は、前記第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第1のスイッチの第2の端子は、第1の配線と電気的に接続され、
前記第2のスイッチの第1の端子は、第2の配線と電気的に接続され、
前記第2のスイッチの第2の端子は、前記トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のスイッチの第1の端子は、第3の配線と電気的に接続され、
前記第3のスイッチの第2の端子は、前記トランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第4のスイッチの第1の端子は、前記トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第4のスイッチの第2の端子は、前記トランジスタのゲートと電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のスイッチがオフであり、前記第2のスイッチ又は前記第3のスイッチの一方がオンであり、且つ前記第4のスイッチがオンである期間と、
前記第1のスイッチがオンであり、前記第2のスイッチがオフであり、前記第3のスイッチがオフであり、且つ前記第4のスイッチがオンである期間と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1のスイッチがオフであり、前記第2のスイッチがオンであり、前記第3のスイッチがオンであり、且つ前記第4のスイッチがオフである期間と、
前記第1のスイッチがオンであり、前記第2のスイッチがオフであり、前記第3のスイッチがオフであり、且つ前記第4のスイッチがオンである期間と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3において、
前記第1のスイッチがオフであり、前記第2のスイッチがオンであり、前記第3のスイッチがオンであり、且つ前記第4のスイッチがオフである期間を有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−252342(P2012−252342A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−154332(P2012−154332)
【出願日】平成24年7月10日(2012.7.10)
【分割の表示】特願2008−62257(P2008−62257)の分割
【原出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】