説明

走行時間予測方法、ナビゲーション装置及びプログラム

【課題】混雑の度合いを反映することにより、目的地点に到着するまでの走行時間をより正確に予測することができる走行時間予測方法、ナビゲーション装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、道路を識別する情報、曜日等の日の属性、及び時間帯に自動車(移動体)の走行時間を関連付けた走行時間データを記憶部14に記憶する。ナビゲーション装置1は、自動車が実際の道路を走行する都度、自動車がその道路を走行した際に要した走行時間を計測し、計測した走行時間と記憶してある走行時間を平均することによって、記憶してある走行時間を調整する。ナビゲーション装置1は、目的地点までの経路に含まれる道路、その日の属性及び時間帯に関連付けて記憶している走行時間に基づいて、自動車が目的地点に到着するまでの走行時間を予測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車をナビゲーションするナビゲーション装置に関し、より詳しくは、自動車をナビゲーションする際に、目的地点に到着するまでの走行時間を予測する走行時間予測方法、ナビゲーション装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の現在位置を推定し、推定した現在位置から目的地点までの適切な経路を自動車の運転者に対して案内する自動車のナビゲーション装置が利用されている。通常のナビゲーション装置では、使用者の操作により目的地点の設定を受け付け、GPS(Global Positioning System )等の位置特定技術を用いて自動車の現在位置を特定し、光ディスク又はハードディスク等の記憶装置で記憶している地図データに基づいて現在位置から目的地点までの経路を探索する。更にナビゲーション装置は、自動車の走行に伴い、自動車の位置を含む地図をディスプレイに表示しながら、自動車の運転者に対して経路を案内する。
【0003】
このようなナビゲーション装置では、従来、現在地から目的地点に到着するまでの走行時間を予測する機能が利用されている。ナビゲーション装置で利用する地図データでは、地図に含まれる各道路を高速道路、国道又は県道等の種類別に予め分類している。ナビゲーション装置で走行時間を予測する従来の技術では、道路の種類に対してその道路を走行する自動車の平均速度に対応するパラメータを設定しておき、目的地点までの経路に含まれる各道路の種類を判別し、道路の種類に対して設定してある自動車の速度のパラメータに基づいて予測走行時間を計算する。例えば、高速道路について0.6分/km、国道について1.2分/kmと自動車の単位距離当たりの走行時間が設定されており、目的地点までの経路が高速道路10km及び国道5kmからなる場合は、0.6×10+1.2×5=12により、12分という予測走行時間が計算できる。特許文献1には、予測走行時間を計算して目的地点への到着予想時刻を求め、実際の時刻と対比しながら到着予想時刻を表示するナビゲーション装置が開示されている。
【特許文献1】特開平9−243382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、目的地点までの走行時間を予測するために参照する自動車の速度のパラメータは、道路の種類に対して設定してあるものであり、個々の道路に対して設定してあるものではない。種類が同じ道路同士であっても、道路の広さ、路面の状態、カーブの頻度、舗装の有無、民家の数等、道路環境は夫々に異なっており、道路環境によって自動車の速度は変化する。また、自動車の速度に大きく影響する要因として、混雑の度合いがあり、渋滞が発生した場合は自動車の速度は著しく低下する。混雑の度合いは、道路の位置及び時間帯によって変化するものであり、混雑の度合いによる速度への影響を道路の種類に対して一律に定めることはできない。
【0005】
以上のように、道路の種類に対して設定してある自動車の速度のパラメータは、自動車の速度に影響する個別の道路環境及び混雑の度合いを反映しておらず、設定されたパラメータに基づいて目的地点に到着するまでの走行時間を予測したとしても、特に混雑の影響によって実際の走行時間と大きくずれることがあるという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、道路の種類のみならず、個別の道路環境及び混雑の度合いを反映して走行時間を予測することによって、より正確に走行時間を予測することができる走行時間予測方法、ナビゲーション装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る走行時間予測方法は、ナビゲート対象の移動体の位置を推定し、目的地点までの経路を探索するナビゲーション装置で、前記移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測する方法において、各道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて、移動体による前記道路の走行時間を記憶しておき、日の属性及び時間帯を特定し、目的地点までの経路に含まれる各道路について、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて記憶している走行時間を取得し、前記経路に含まれる各道路について取得した走行時間を合計することによって、前記経路上を走行する移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測することを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る走行時間予測方法は、道路を分類した複数種類の夫々に関連付けて、各種類の道路を走行する移動体の平均速度に対応する速度パラメータを記憶しており、ナビゲート対象の移動体の位置を推定し、目的地点までの経路を探索するナビゲーション装置で、前記移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測する方法において、所定の道路を識別する情報、所定の日の属性及び所定の時間帯に関連付けて、移動体による前記道路の走行時間を記憶しておき、日の属性及び時間帯を特定し、目的地点までの経路に含まれる各道路について、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶しているか否かを判定し、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶している道路については、記憶している走行時間を取得し、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶していない道路については、該道路の種類に関連付けて記憶してある速度パラメータに基づいて、移動体による前記道路の走行時間を計算し、前記経路に含まれる各道路について得られた走行時間を合計することによって、前記経路上を走行する移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測することを特徴とする。
【0009】
第3発明に係るナビゲーション装置は、道路を分類した複数種類の夫々に関連付けて、各種類の道路を走行する移動体の平均速度に対応する速度パラメータを記憶する手段と、ナビゲート対象の移動体の位置を推定する手段と、各道路の種類を含む、各道路に係る情報を記録した地図データに基づいて、目的地点までの経路に含まれる道路を特定する手段と、該手段が特定した道路の種類を前記地図データに基づいて特定する手段とを備えるナビゲーション装置において、所定の道路を識別する情報、所定の日の属性及び所定の時間帯に関連付けて、移動体による前記道路の走行時間を記憶する記憶手段と、日の属性及び時間帯を特定する手段と、前記経路に含まれる各道路について、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて、前記記憶手段が走行時間を記憶しているか否かを判定する手段と、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて前記記憶手段が走行時間を記憶している道路については、前記記憶手段が記憶する走行時間を取得する手段と、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて前記記憶手段が走行時間を記憶していない道路については、該道路の種類に関連付けて記憶してある速度パラメータに基づいて、前記移動体による前記道路の走行時間を計算する走行時間計算手段と、前記経路に含まれる各道路について得られた走行時間を合計することによって、前記経路上を走行する移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測する手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係るナビゲーション装置は、ナビゲート対象の移動体が道路を走行する都度、前記道路を走行した際に要した走行時間を計測する手段と、前記地図データに基づいて、前記移動体が走行した道路を特定する手段と、日の属性及び時間帯を特定する手段と、特定した道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて、前記記憶手段が走行時間を記憶しているか否かを判定する手段と、前記記憶手段が走行時間を記憶していない場合に、特定した道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて、計測した走行時間を前記記憶手段に記憶させる手段と、前記記憶手段が走行時間を記憶している場合に、前記記憶手段が記憶している走行時間を、計測した走行時間に基づいて調整する調整手段とを更に備えることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係るナビゲーション装置は、前記調整手段は、前記記憶手段が記憶している走行時間と計測した走行時間との相加平均を計算し、計算した相加平均の値を新たな走行時間として、特定した道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて前記記憶手段に記憶させるように構成してあることを特徴とする。
【0012】
第6発明に係るナビゲーション装置は、所定の道路を識別する情報、所定の日の属性及び所定の時間帯に関連付けて、前記道路での混雑の度合いを示す混雑情報を記憶する手段を更に備え、前記走行時間計算手段は、特定した道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて混雑情報が記憶されている場合に、速度パラメータから求めた走行時間に混雑情報が示す混雑の度合いに応じた重み係数を乗することによって、前記移動体による前記道路の走行時間を計算するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第7発明に係るプログラムは、道路を分類した複数種類の夫々に関連付けて、各種類の道路を走行する移動体の平均速度に対応する速度パラメータを記憶しており、ナビゲート対象の移動体の位置を推定し、目的地点までの経路を探索するナビゲーション装置に、前記移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測させるプログラムにおいて、前記ナビゲーション装置に、日の属性及び時間帯を特定させる手順と、前記ナビゲーション装置に、目的地点までの経路に含まれる各道路について、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶しているか否かを判定させる手順と、前記ナビゲーション装置に、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶している道路について、記憶している走行時間を取得させる手順と、前記ナビゲーション装置に、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶していない道路については、該道路の種類に関連付けて記憶してある速度パラメータに基づいて、移動体による前記道路の走行時間を計算させる手順と、前記ナビゲーション装置に、前記経路に含まれる各道路について得られた走行時間を合計することによって、前記経路上を走行する移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測させる手順とを含むことを特徴とする。
【0014】
第1発明においては、ナビゲーション装置は、道路、曜日等の日の属性、及び時間帯に関連付けて移動体の走行時間を記憶しておき、目的地点までの経路に含まれる道路、現在の日の属性及び時間帯に関連付けた走行時間を用いて、目的地点に到着するまでの走行時間を予測する。
【0015】
第2、第3及び第7発明においては、ナビゲーション装置は、所定の道路、所定の日の属性、及び所定の時間帯に関連付けて移動体の走行時間を記憶しておき、目的地点までの経路に含まれる各道路の内、同じ日の属性及び時間帯に関連付けた走行時間が記憶されている道路については、走行時間を取得し、走行時間が記憶されていない道路については、その種類の道路を走行する移動体の平均速度に対応する速度パラメータに基づいて走行時間を計算し、各道路について求まった走行時間を合計することによって、目的地点に到着するまでの走行時間を予測する。
【0016】
第4発明においては、ナビゲーション装置は、移動体が実際の道路を走行する都度、移動体がその道路を走行した際に要した走行時間を計測し、計測した走行時間に基づいて、その道路、その日の属性及び時間帯に関連付けて記憶している走行時間を調整する。
【0017】
第5発明においては、ナビゲーション装置は、道路、その日の属性及び時間帯に関連付けて記憶している走行時間と、計測した走行時間との相加平均を新たな走行時間とすることによって、記憶している走行時間の調整を行う。
【0018】
第6発明においては、ナビゲーション装置は、速度パラメータから計算した走行時間に、同じ道路、日の属性及び時間帯に関連付けた混雑情報が示す混雑の度合いに応じた重み係数を乗することによって、走行時間に混雑に応じた重み付けを行う。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、目的地点までの経路に含まれる道路を同じ属性の日及び時間帯に走行する移動体の走行時間を用いて目的地点までの走行時間を予測するので、各道路を移動体が走行する状況に応じた目的地点までの走行時間を予測することができる。
【0020】
また本発明にあっては、目的地点までの経路に含まれる道路を同じ属性の日及び時間帯に実際に自動車で走行した結果に基づいた走行時間を用いて目的地点までの走行時間を予測するので、道路の状態及び混雑の状況をも反映させた上での走行時間を予測することができる。また実際の走行結果に基づいた走行時間が記憶されていない場合でも、同じ道路、日の属性及び時間帯に関連付けた混雑情報が示す混雑の度合いに応じて、道路の種類に基づいて計算した走行時間を重み付けすることで、混雑の状況を反映させた上での走行時間を予測することができる。
【0021】
また本発明にあっては、実際に自動車で道路を走行した際に計測した走行時間に基づいて、道路、日の属性及び時間帯に関連付けた走行時間を調整することにより、記憶された走行時間を、道路の状態及び混雑の状況をも反映した再現性の高い値に定めることができる。
【0022】
また本発明にあっては、実際に自動車で道路を走行した際に計測した走行時間と既に記憶されている走行時間との相加平均を新たな走行時間として記憶することにより、記憶される走行時間にはより最近の計測結果がより強く影響することになり、運転者の運転技量の向上、混雑の緩和、又は渋滞発生時刻の変化等、混雑の度合いを含む走行時間に影響する要因の変化に応じて、適切に走行時間を定めることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、ナビゲート対象の自動車(移動体)に設置されており、自動車の位置を推定しながら目的地点までの適切な経路を案内するナビゲーションを行う。ナビゲーション装置1は、演算を行うためのCPUを用いてなる制御処理部11を備え、制御処理部11には、演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM12、及び本発明のプログラム10を記憶するROM13が接続されている。プログラム10は、ナビゲーション装置1を制御するための制御プログラムであり、制御処理部11は、プログラム10に従ってナビゲーション装置1の動作を制御する処理を実行する。
【0024】
また制御処理部11には、液晶ディスプレイ等の表示部15と、使用者の操作により各種の指示を入力される入力部16とが接続されている。表示部15は、ナビゲーションを行うために必要な地図、画像及び文字を表示する。入力部16は、表示部15と組み合わせたタッチパネル、各種のスイッチ、音声認識手段等を用いて構成されている。
【0025】
また制御処理部11には、ハードディスク又は不揮発性の半導体メモリ等から構成される記憶部14が接続されており、記憶部14は地図データを記憶している。地図データは、道路の交差点、分岐点、又は有料道路の料金所等を示すノードと、ノード間を結ぶ道路を示すリンクとに係る情報を記録している。各リンクに係る情報には、道路を識別する情報、道路の長さ、道路の種類等が含まれている。また各ノードに係る情報には、ノードに接続されているリンクを特定する情報等が含まれている。
【0026】
図2は、地図データから表現される地図の例を示す模式図である。地図は、国道、県道及び市道等の複数種類の道路からなり、各道路の両端は、図中に黒点で示すノードに対応する。各ノードには、図中にa〜gで示す如く、ノードを個別に識別する情報が付されており、各道路は、両端のノードを指定することにより識別される。
【0027】
なお記憶部14は、外部から受信した地図データ、又は光ディスク等の記録媒体から読み出した地図データを一時的に記憶するメモリであってもよい。またナビゲーション装置1は、内部の記憶部14に地図データを記憶した形態に限るものではなく、外部のハードディスク又は光ディスク等の記憶手段に記憶されている地図データを必要に応じて読み込むことによって地図データを利用する形態であってもよい。
【0028】
また制御処理部11には、GPS衛星から送信されるGPS信号、自動車の加速度、自動車の方位又は自動車の車速パルス等、自動車の位置を推定するために必要な位置情報を取得する位置情報取得部17が接続されている。位置情報取得部17は、GPS信号を受信する受信手段、自動車から車速パルスを入力されるインタフェース、加速度を検出する加速度センサ、及び方位を検出する方位センサ等からなる。制御処理部11は、位置情報取得部17が取得した位置情報に基づいて自動車の位置を計算し、更に記憶部14が記憶する地図データを用いてマップマッチングを行うことにより、自動車の位置を推定する処理を行う。
【0029】
また制御処理部11には、渋滞の有無等、特定の道路での混雑の度合いを示す混雑情報を受信する受信部18が接続されている。受信部18は、ビーコン又はFM放送波等を用いて外部から送信される混雑情報を受信する。制御処理部11は、受信部18が受信した混雑情報をRAM12に所定時間記憶させ、混雑情報の内容を画像又は文字で表示部15に表示させる処理を行う。
【0030】
また記憶部14は、道路を分類した複数種類の夫々に関連付けて、各種類の道路を走行する自動車の平均速度に対応する速度パラメータを記録した速度パラメータテーブルを記憶している。図3は、速度パラメータテーブルの内容例を示す図表である。高速道路、国道、県道及び市道といった道路の種類に関連付けて、速度パラメータである平均速度の値が時速の単位で記録されている。例えば、高速道路に関連付けて時速100km/hが記録され、国道に関連付けて時速50km/hが記録されている。これらの平均速度の値は、例えば法定速度に基づいて設定されている。更に図3に示す例では、速度パラメータテーブルは、平均速度の値に対応して、自動車が走行する単位距離当たりの走行時間を記録している。例えば、高速道路の場合は、時速が100km/hとなっているので、走行時間は0.6分/kmとなる。なお、速度パラメータテーブルは、速度パラメータとして、時速ではなく秒速又は分速等の他の単位で速度を記録していてもよい。また速度パラメータテーブルは、速度パラメータとして平均速度のみを記録していてもよく、速度パラメータとして単位距離当たりの走行時間のみを記録していてもよい。
【0031】
また記憶部14は、各道路における過去の混雑の度合いを示す混雑情報を曜日及び時間帯別に記録した統計渋滞データを記憶している。統計渋滞データは、交通情報を配信するために集積された混雑の状況を統計処理したデータであり、過去の各道路における混雑の状況を曜日及び時間帯別にまとめたものである。統計渋滞データは、交通情報を集積又は統計処理する機関によって作成されて配布されるものであり、記憶部14は配布された統計渋滞データを記憶する。なお、ナビゲーション装置1は、通信ネットワーク又は記録媒体等を介して外部から統計渋滞データを取り込み、取り込んだ統計渋滞データを記憶部14に記憶させる形態であってもよい。
【0032】
図4は、統計渋滞データの内容例を示す概念図である。両端のノードを指定することにより道路を識別する情報と、曜日と、時間帯とに関連付けて、道路における混雑の度合いを示す混雑情報が記録されている。混雑情報の内、「渋滞無し」は混雑がなく自動車の速度への影響がないことを示し、「混雑」は混雑があって自動車の速度への影響があることを示し、「渋滞」は渋滞があって自動車の速度が大きく影響されることを示す。図4に示す例では、両端のノードがa及びbである道路について、平日、土曜、日曜の各曜日別に、また一日を4時間毎に区分した時間帯別に、混雑情報が記録されている。同一の道路であっても、曜日又は時間帯によって混雑の状況は大きく異なるので、曜日及び時間帯の夫々に混雑情報を関連付ける必要がある。両端のノードがb及びcである道路等のその他の道路についても、同様に曜日別及び時間帯別に混雑情報が記録されている。なお、混雑情報は、3段階に限らず、2段階又はより多段階で混雑の度合いを示すものであってもよい。また一日を区分する時間帯は、4時間毎に限らず、その他の方法で区分してもよい。また日の属性として、曜日のみを用いるのではなく、祝祭日を更に用いてもよく、祝祭日と日曜とをまとめて一つの属性として用いてもよい。更に、曜日とは別に、年末年始及び盆期間等の特異日を日の属性として更に用いてもよい。
【0033】
更に記憶部14は、各道路を自動車で実際に走行した際の走行時間を曜日及び時間帯別に記録した走行時間データを記憶している。図5は、走行時間データの内容例を示す概念図である。道路を識別する情報と、曜日と、時間帯とに関連付けて、道路を自動車で実際に走行した際の走行時間が記録されている。特定の曜日の特定の時間帯に特定の道路を実際に自動車で走行した結果が記録されているので、道路、曜日及び時間帯の全ての組み合わせについて走行時間が関連付けられているわけではなく、実際に自動車が走行したことがない組み合わせについては、走行時間は関連付けられていない。なお、走行時間データで一日を区分する時間帯は、統計渋滞データと同様であることが望ましい。また日の属性としては、曜日とは別に、統計渋滞データと同様のものを用いればよい。
【0034】
次に、以上の構成でなるナビゲーション装置1が行う処理を説明する。ナビゲーション装置1の制御処理部11は、位置情報取得部17が取得した位置情報及び記憶部14が記憶する地図データを用いて自動車の位置を推定する処理を行い、推定した自車位置の地点を含む地図の画像を地図データに基づいて作成し、表示部15に表示させる処理を行う。また制御処理部11は、記憶部14が記憶する走行時間データに含まれる走行時間を自動車の走行に応じて調整する処理と、走行時間データ及び混雑情報に基づいて目的地点までの走行時間を予測する処理とを実行する。
【0035】
図6は、本発明のナビゲーション装置1が自動車の走行に応じて走行時間を調整する処理の手順を示すフローチャートである。ナビゲーション装置1の制御処理部11は、ROM13が記憶するプログラム10に従って以下の処理を実行する。制御処理部11は、ナビゲート対象の自動車が走行している間、自動車の位置を推定する処理を実行し続けており、道路の交差点、分岐点又は有料道路の料金所等、地図データ中のノードに対応する地点を自動車が通過することを待ち受けている(S1)。ノードに対応する地点を自動車が通過しない場合は(S1:NO)、制御処理部11は、ノードに対応する地点を自動車が通過することの待ち受けを続行する。ノードに対応する地点を自動車が通過した場合は(S1:YES)、制御処理部11は、位置情報取得部17で受信するGPS信号から、現在時刻を取得する(S2)。制御処理部11は、取得した時刻をノードに対応付けて記憶する。
【0036】
制御処理部11は、次に、取得した現在時刻から、一つ前に通過したノードの通過時に取得した時刻を差し引くことによって、一つ前に通過したノードと今回通過したノードとを両端とするリンクに対応する道路を自動車が走行した際に要した走行時間を計測する(S3)。一つ前に通過したノードと今回通過したノードとを両端とするリンクに対応する道路は、自動車が走行した道路である。なお、ナビゲーション装置1は、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて走行時間を計測するのではなく、タイマー等の時間を計測する計時手段を備え、計時手段を用いて走行時間を計測する形態であってもよい。
【0037】
制御処理部11は、次に、一つ前に通過したノードと今回通過したノードとを両端とするリンクを地図データから検索することによって、自動車が走行した道路を特定する(S4)。制御処理部11は、次に、現在の日時に係る情報を、位置情報取得部17で受信するGPS信号から取得することによって、現在の日の曜日、及び現在の時間帯を特定する(S5)。なお、ナビゲーション装置1は、GPS信号を用いずに曜日及び時間帯を特定することができるカレンダー機能及び計時機能を備えた形態であってもよい。制御処理部11は、次に、記憶部14で記憶している走行時間データに、移動体が走行した道路、特定した曜日及び時間帯に関連付けた走行時間が含まれているか否かを判定する(S6)。
【0038】
移動体が走行した道路、特定した曜日及び時間帯に関連付けた走行時間が走行時間データに含まれている場合は(S6:YES)、制御処理部11は、走行時間データから、移動体が走行した道路、特定した曜日及び時間帯に関連付けた走行時間を抽出する(S7)。制御処理部11は、次に、抽出した走行時間と計測した走行時間とを相加平均することによって、抽出した走行時間と計測した走行時間とを平均した新たな走行時間を計算する(S8)。制御処理部11は、次に、計算した新たな走行時間を、移動体が走行した道路、特定した曜日及び時間帯に関連付けて、走行時間データを更新する(S9)。例えば、実際に計測した走行時間がxであり、走行時間データで道路、曜日及び時間帯に関連付けた走行時間がyである場合は、新たな走行時間が(x+y)/2と求められる。
【0039】
ステップS6で、移動体が走行した道路、特定した曜日及び時間帯に関連付けた走行時間が走行時間データに含まれていない場合は(S6:NO)、制御処理部11は、計測した走行時間を、移動体が走行した道路、特定した曜日及び時間帯に関連付けて、走行時間データを更新する(S10)。ステップS9又はステップS10が終了した後、制御処理部11は、走行時間データを更新する処理を終了する。制御処理部11は、自動車が走行している間、ステップS1〜S10の処理を繰り返し実行し、道路、曜日及び時間帯に関連付けた走行時間を調整し続ける。
【0040】
以上のように、本発明では、実際に自動車で道路を走行した際に計測した走行時間に基づいて、道路、曜日及び時間帯に関連付けた走行時間を調整する。従って、実状に即した走行時間の値がナビゲーション装置1に記憶される。道路の広さ等の走行時間に影響する要因の一部は道路に依存し、走行時間に大きく影響する混雑の度合いは曜日及び時間帯によって異なるので、道路、曜日及び時間帯に関連付けた走行時間を実際の走行時間に基づいて調整することにより、記憶された走行時間を、道路の状態及び混雑の状況をも反映した再現性の高い値に定めることができる。
【0041】
また、本発明では、実際に自動車で道路を走行した際に計測した走行時間と既に記憶されている走行時間との相加平均を計算することによって、新たな走行時間を求める。実際の走行時間と既に記憶されている走行時間との平均をとることによって、再現性のない偶然の要因による走行時間の変動が抑制され、信頼性の高い走行時間が得られる。また計測した走行時間と既に記憶されている走行時間との相加平均を新たな走行時間として記憶することにより、記憶される走行時間にはより最近の計測結果がより強く影響することになる。従って、運転者の運転技量の向上、混雑の緩和、又は渋滞発生時刻の変化等、混雑の度合いを含む走行時間に影響する要因の変化に応じて、適切に走行時間を定めることができる。
【0042】
次に、走行時間データ及び混雑情報に基づいて目的地点までの走行時間を予測する処理を説明する。図7は、本発明のナビゲーション装置1が目的地点までの走行時間を予測する処理の手順を示すフローチャートである。ナビゲーション装置1の制御処理部11は、ROM13が記憶するプログラム10に従って以下の処理を実行する。制御処理部11は、入力部16を使用者が操作することによって目的地点の設定を受け付け、推定した自動車の位置から目的地点までの経路を探索し、探索した経路に含まれる道路に対応するリンクを地図データから検索することによって、目的地点までの経路に含まれる道路を特定する(S21)。制御処理部11は、次に、現在の日の曜日、及び現在の時間帯を特定する(S22)。
【0043】
制御処理部11は、次に、目的地点までの経路に含まれる道路の内、一の道路を選択し(S23)、選択した道路、特定した曜日及び特定した時間帯に関連付けた走行時間が走行時間データに含まれているか否かを判定する(S24)。選択した道路、特定した曜日及び特定した時間帯に関連付けた走行時間が走行時間データに含まれていない場合は(S24:NO)、制御処理部11は、選択した道路に係る情報を地図データから読み出すことによって、選択した道路の長さ及び種類を特定する(S25)。制御処理部11は、次に、特定した道路の種類に関連付けて速度パラメータテーブルに記録してある速度パラメータを抽出する(S26)。制御処理部11は、次に、特定した道路の長さを抽出した速度パラメータである平均速度で除算することによって、特定した道路を自動車が走行する際に予測される走行時間を計算する(S27)。なお、速度パラメータとして単位距離当たりの走行時間を用い、単位距離当たりの走行時間に道路の長さを乗することにより、特定した道路を自動車が走行する際に予測される走行時間を計算する処理を行ってもよい。
【0044】
制御処理部11は、次に、ビーコン又はFM放送波等を用いて受信部18が受信した、選択した道路についての最新の混雑情報が、RAM12に記憶されているか否かを判定する(S28)。受信部18が受信した最新の混雑情報がRAM12に記憶されていない場合は(S28:NO)、制御処理部11は、統計渋滞データから、選択した道路、特定した曜日及び特定した時間帯に関連付けた混雑情報を抽出する(S29)。受信部18が受信した最新の混雑情報がRAM12に記憶されている場合(S28:YES)、又はステップS29で統計渋滞データから混雑情報を抽出した場合は、制御処理部11は、RAM12が記憶する最新の混雑情報又は統計渋滞データから抽出した混雑情報が示す混雑の度合いに対応した重み係数を、計算した走行時間に乗ずることによって、混雑の度合いに応じて走行時間を重み付けする(S30)。ここで制御処理部11は、混雑情報が「渋滞無し」の場合は1、「混雑」の場合は1.5、「渋滞」の場合は2等、混雑情報の内容に対応して予め定めてある重み係数を走行時間に乗する処理を行う。
【0045】
ステップS24で、選択した道路、特定した曜日及び特定した時間帯に関連付けた走行時間が走行時間データに含まれている場合は(S24:YES)、制御処理部11は、選択した道路、特定した曜日及び特定した時間帯に関連付けた走行時間を走行時間データから取得する(S31)。ステップS30又はステップS31によって、選択した道路を自動車が走行する際に予測される走行時間が得られる。ステップS30又はステップS31が終了した後、制御処理部11は、目的地点までの経路に含まれる全ての道路について走行時間が決定したか否かを判定する(S32)。まだ走行時間が決定していない道路がある場合は(S32:NO)、制御処理部11は、処理をステップS23へ戻し、まだ走行時間が決定していない道路を選択する。全ての道路について走行時間が決定している場合は(S32:YES)、制御処理部11は、目的地点までの経路に含まれる各道路について得られた走行時間を合計することによって、目的地点に到着するまでの走行時間を予測した予測走行時間を計算する(S33)。
【0046】
制御処理部11は、計算した予測走行時間を表示部15に表示させる処理を行うか、又は予測走行時間を現在時刻に加算することによって目的地点への到着予想時刻を計算し、計算した到着予想時刻を表示部15に表示させる処理を行う。ステップS33を終了した後は、制御処理部11は、目的地点までの走行時間を予測する処理を終了する。
【0047】
以上の如く、本発明においては、目的地点までの経路に含まれる道路を同じ曜日及び時間帯に実際に自動車で走行した結果に基づいた走行時間が記憶されている場合に、記憶された走行時間を用いて目的地点までの走行時間を予測するので、道路の状態及び混雑の状況をも反映させた上での走行時間を予測することができる。また実際の走行結果に基づいた走行時間が記憶されていないものの、道路に係る最新の混雑情報をビーコン等を用いて受信している場合は、混雑情報が示す混雑の度合いに応じて、道路の種類に基づいて計算した走行時間を重み付けすることで、混雑の状況を反映させた上での走行時間を予測することができる。また実際の走行結果に基づいた走行時間及び受信した最新の混雑情報がない場合でも、過去の混雑情報を記録した統計渋滞データにおいて同じ道路、曜日及び時間帯に関連付けた混雑情報が示す混雑の度合いに応じて、道路の種類に基づいて計算した走行時間を重み付けすることで、混雑の状況を反映させた上での走行時間を予測することができる。従って、渋滞の影響によって予測走行時間と実際の走行時間とが大きくずれる可能性が低下し、より正確に走行時間を予測することが可能となる。特に、実際の走行結果に基づいて値を調整し続ける各道路での走行時間を用いて目的地点までの走行時間を予測するので、運転者の運転技量の向上、混雑の緩和、又は渋滞発生時刻の変化等、自動車の速度に影響する要因が変化した場合でも、正確に走行時間を予測することができる。
【0048】
なお、本実施の形態においては、目的地点までの経路に含まれる道路を同じ曜日及び時間帯に実際に自動車で走行した結果に基づいた走行時間及び混雑情報を用いて目的地点に到着するまでの走行時間を予測する形態を示したが、本発明のナビゲーション装置1の形態は、これに限るものではない。例えば、ナビゲーション装置1は、予め全ての道路、曜日及び時間帯に関連付けた走行時間を設定してある走行時間データを記憶部14に記憶しておき、この走行時間データに基づいて目的地点に到着するまでの走行時間を予測する処理を行う形態であってもよい。この形態の場合、ナビゲーション装置1の制御処理部11は、走行時間を調整する処理において、図6にフローチャートを示した処理の内、ステップS6及びステップS10の処理を省略し、ステップS5の次にステップS7の処理を実行する。また制御処理部11は、目的地点までの走行時間を予測する処理において、図7にフローチャートを示した処理の内、ステップS24〜ステップS30の処理を省略し、ステップS23の次にステップS31の処理を実行する。この形態においても、ナビゲーション装置1は、実際の走行結果に基づいて値を調整し続ける各道路での走行時間を用いて目的地点までの走行時間を予測するので、正確に走行時間を予測することができる。
【0049】
また例えば、ナビゲーション装置1は、混雑情報のみを用いて目的地点に到着するまでの走行時間を予測する処理を行う形態であってもよい。この形態の場合、ナビゲーション装置1の制御処理部11は、図6にフローチャートを示した走行時間を調整する処理は実行しない。また制御処理部11は、目的地点までの走行時間を予測する処理において、図7にフローチャートを示した処理の内、ステップS24及びステップS31の処理を省略し、ステップS23の次にステップS25の処理を実行する。この形態においても、ナビゲーション装置1は、混雑の状況を反映させた上での走行時間を予測することができる。
【0050】
またナビゲーション装置1は、受信部18で外部から受信した最新の混雑情報又は統計渋滞データのいずれか一方のみを用いて走行時間を予測する形態であってもよい。受信部18で受信した最新の混雑情報のみを用いる形態の場合は、制御処理部11は、最新の混雑情報がないとき、重み係数を1とする処理を行う。また本実施の形態においては、全ての道路、曜日及び時間帯に混雑情報を関連付けた統計渋滞データを用いる形態を示したが、本発明のナビゲーション装置1は、一部の道路、曜日及び時間帯の組み合わせについて混雑情報が関連付けられていない統計渋滞データを用いる形態であってもよい。この形態の場合は、制御処理部11は、道路、曜日及び時間帯に関連付けた混雑情報が統計渋滞データに含まれていないとき、重み係数を1とする処理を行う。
【0051】
また、本実施の形態においては、計測した走行時間と予め記憶された走行時間との相加平均を新たな走行時間として記憶する形態を示したが、これに限るものではなく、本発明のナビゲーション装置1は、計測した走行時間と予め記憶された走行時間とをその他の方法で平均することによって新たな走行時間を計算する形態であってもよい。例えば、過去の走行時間の計測結果がより強く影響するように、予め記憶された走行時間により重い重みを付けた重み付き平均を計算することにより、新たな走行時間を計算してもよい。また、ナビゲーション装置1は、各曜日及び各時間帯に各道路を走行した回数を記憶しておき、{(過去に走行した回数)×(予め記憶された走行時間)+(計測した走行時間)}/{(過去に走行した回数)+1}の式により計測した走行時間と予め記憶された走行時間とを平均することによって、新たな走行時間を計算する形態であってもよい。いずれの形態であっても、ナビゲーション装置1は、記憶された走行時間を実状に即して調整し、従来よりも正確に走行時間を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】地図データから表現される地図の例を示す模式図である。
【図3】速度パラメータテーブルの内容例を示す図表である。
【図4】統計渋滞データの内容例を示す概念図である。
【図5】走行時間データの内容例を示す概念図である。
【図6】本発明のナビゲーション装置が自動車の走行に応じて走行時間を調整する処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明のナビゲーション装置が目的地点までの走行時間を予測する処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1 ナビゲーション装置
10 プログラム
11 制御処理部
12 RAM
13 ROM
14 記憶部
18 受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲート対象の移動体の位置を推定し、目的地点までの経路を探索するナビゲーション装置で、前記移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測する方法において、
各道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて、移動体による前記道路の走行時間を記憶しておき、
日の属性及び時間帯を特定し、
目的地点までの経路に含まれる各道路について、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて記憶している走行時間を取得し、
前記経路に含まれる各道路について取得した走行時間を合計することによって、前記経路上を走行する移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測すること
を特徴とする走行時間予測方法。
【請求項2】
道路を分類した複数種類の夫々に関連付けて、各種類の道路を走行する移動体の平均速度に対応する速度パラメータを記憶しており、ナビゲート対象の移動体の位置を推定し、目的地点までの経路を探索するナビゲーション装置で、前記移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測する方法において、
所定の道路を識別する情報、所定の日の属性及び所定の時間帯に関連付けて、移動体による前記道路の走行時間を記憶しておき、
日の属性及び時間帯を特定し、
目的地点までの経路に含まれる各道路について、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶しているか否かを判定し、
道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶している道路については、記憶している走行時間を取得し、
道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶していない道路については、該道路の種類に関連付けて記憶してある速度パラメータに基づいて、移動体による前記道路の走行時間を計算し、
前記経路に含まれる各道路について得られた走行時間を合計することによって、前記経路上を走行する移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測すること
を特徴とする走行時間予測方法。
【請求項3】
道路を分類した複数種類の夫々に関連付けて、各種類の道路を走行する移動体の平均速度に対応する速度パラメータを記憶する手段と、
ナビゲート対象の移動体の位置を推定する手段と、
各道路の種類を含む、各道路に係る情報を記録した地図データに基づいて、目的地点までの経路に含まれる道路を特定する手段と、
該手段が特定した道路の種類を前記地図データに基づいて特定する手段と
を備えるナビゲーション装置において、
所定の道路を識別する情報、所定の日の属性及び所定の時間帯に関連付けて、移動体による前記道路の走行時間を記憶する記憶手段と、
日の属性及び時間帯を特定する手段と、
前記経路に含まれる各道路について、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて、前記記憶手段が走行時間を記憶しているか否かを判定する手段と、
道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて前記記憶手段が走行時間を記憶している道路については、前記記憶手段が記憶する走行時間を取得する手段と、
道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて前記記憶手段が走行時間を記憶していない道路については、該道路の種類に関連付けて記憶してある速度パラメータに基づいて、前記移動体による前記道路の走行時間を計算する走行時間計算手段と、
前記経路に含まれる各道路について得られた走行時間を合計することによって、前記経路上を走行する移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測する手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
ナビゲート対象の移動体が道路を走行する都度、前記道路を走行した際に要した走行時間を計測する手段と、
前記地図データに基づいて、前記移動体が走行した道路を特定する手段と、
日の属性及び時間帯を特定する手段と、
特定した道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて、前記記憶手段が走行時間を記憶しているか否かを判定する手段と、
前記記憶手段が走行時間を記憶していない場合に、特定した道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて、計測した走行時間を前記記憶手段に記憶させる手段と、
前記記憶手段が走行時間を記憶している場合に、前記記憶手段が記憶している走行時間を、計測した走行時間に基づいて調整する調整手段と
を更に備えることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記調整手段は、
前記記憶手段が記憶している走行時間と計測した走行時間との相加平均を計算し、計算した相加平均の値を新たな走行時間として、特定した道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて前記記憶手段に記憶させるように構成してあること
を特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
所定の道路を識別する情報、所定の日の属性及び所定の時間帯に関連付けて、前記道路での混雑の度合いを示す混雑情報を記憶する手段を更に備え、
前記走行時間計算手段は、
特定した道路を識別する情報、日の属性及び時間帯に関連付けて混雑情報が記憶されている場合に、速度パラメータから求めた走行時間に混雑情報が示す混雑の度合いに応じた重み係数を乗することによって、前記移動体による前記道路の走行時間を計算するように構成してあること
を特徴とする請求項3乃至5のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
道路を分類した複数種類の夫々に関連付けて、各種類の道路を走行する移動体の平均速度に対応する速度パラメータを記憶しており、ナビゲート対象の移動体の位置を推定し、目的地点までの経路を探索するナビゲーション装置に、前記移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測させるプログラムにおいて、
前記ナビゲーション装置に、日の属性及び時間帯を特定させる手順と、
前記ナビゲーション装置に、目的地点までの経路に含まれる各道路について、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶しているか否かを判定させる手順と、
前記ナビゲーション装置に、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶している道路について、記憶している走行時間を取得させる手順と、
前記ナビゲーション装置に、道路を識別する情報、特定した日の属性及び特定した時間帯に関連付けて走行時間を記憶していない道路については、該道路の種類に関連付けて記憶してある速度パラメータに基づいて、移動体による前記道路の走行時間を計算させる手順と、
前記ナビゲーション装置に、前記経路に含まれる各道路について得られた走行時間を合計することによって、前記経路上を走行する移動体が目的地点に到着するまでの走行時間を予測させる手順と
を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−241466(P2008−241466A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82661(P2007−82661)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】