説明

車両用駆動装置

【課題】コストの上昇や装置の大型化を招くことなく、電源配線が備える接続部材の発熱を抑制することができる車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】ケース2に配置された回転電機側の電源端子と、ケース2とは分離して配置され、回転電機に電力を供給する制御装置11に接続されるケース外電源配線41,42とを電気的に接続する接続部材21,22を備え、ケース2は、その外壁面に、法線ベクトルが車両前方方向の成分を有する傾斜壁面部6を備え、接続部材21,22は、傾斜壁面部6に配置される車両用駆動装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駆動力源としての回転電機と、当該回転電機を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の駆動力源として回転電機を備えた電気自動車や、エンジン及び回転電機を備えたハイブリッド車が、燃費、環境保護等の点から注目を集めている(例えば、下記の特許文献1参照)。このような車両の駆動装置においては、インバータユニット等を備える制御装置と回転電機とは、これらの装置間での電力の授受が可能なように電源配線により電気的に接続される。そして、回転電機は、制御装置から電力の供給を受けて動力を発生したり、車両の減速時等に回生した電力を制御装置に供給する。
【0003】
ところで、上記のようなインバータユニット等を備える制御装置は、回転電機を収容するケースと一体的ではなく、当該ケースから分離して配置される場合がある。このような場合、電源配線は、ケース内に配置されるとともに回転電機に接続されるケース内電源配線と、ケース外に配置されるとともに制御装置に接続されるケース外電源配線と、当該ケース内電源配線と当該ケース外電源配線とを接続する接続部材とを備えて構成されることがある。例えば、特許文献1に記載の構成では、接続部材を構成する接続端子が、回転電機を収容するケースの上方の外壁面に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−97051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような車両用駆動装置において、回転電機には制御装置から高電圧且つ高周波数の交流電力が供給されるため、回転電機と制御装置との間の電源配線において発熱が生じる。回転電機がケース内に備えられ、制御装置が当該ケースから分離して備えられる構成においては、制御装置がケースと一体的に備えられる構成に比べ電源配線が長くなり、電源配線における発熱量が大きくなりやすい。特に、電源配線が、当該電源配線を構成する配線同士を接続するコネクタ等の接続部材を備える場合には、当該接続部材の発熱量が大きくなり得る。なぜなら、コネクタ等を構成する端子間の接触抵抗により、一般的に、接続部材配置箇所における電気抵抗は、その他の場所における電気抵抗より大きくなるからである。
【0006】
この発熱の問題に対処すべく、耐熱材料により接続部材を構成することが考えられるが、接続部材のコストの上昇を招来してしまう。また、接続部材を冷却するための液冷装置等のような冷却装置を設けることも考えられるが、コストの上昇だけでなく駆動装置の大型化をも招いてしまう。なお、特許文献1にはこのような接続部材の発熱対策について特に何らの手段も開示されていない。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転電機の制御を行う制御装置が、回転電機を収容するケースから分離して配置されている車両用駆動装置において、コストの上昇や装置の大型化を招くことなく、電源配線が備える接続部材の発熱を抑制することができる車両用駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る、車両の駆動力源としての回転電機と、当該回転電機を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置の特徴構成は、前記ケースに配置された前記回転電機側の電源端子と、前記ケースとは分離して配置され、前記回転電機に電力を供給する制御装置に接続されるケース外電源配線とを電気的に接続する接続部材を備え、前記ケースは、その外壁面に、法線ベクトルが車両前方方向の成分を有する傾斜壁面部を備え、前記接続部材は、前記傾斜壁面部に配置されている点にある。
【0009】
なお、本願では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
【0010】
一般に、車両の走行時には、駆動装置が収容される収容室内においても走行風が車両前方から車両後方側へ向かって流れる。この走行風は、収容室内を流れる際に、駆動装置のケース外壁面に接触するが、ケース外壁面の中でも特に車両前方を向く面、すなわち法線ベクトルが車両前方方向の成分を有する面に対してより高い割合で走行風が接触する。上記の特徴構成によれば、接続部材は、法線ベクトルが車両前方方向の成分を有する傾斜壁面部に配置されているため、走行風が当該接続部材に接触する割合を高めることができる。そして、走行風が接続部材と接触した際に、走行風との間の熱交換により接続部材が冷却される。これにより、特別な冷却装置等を設けることなく走行風を利用して接続部材の冷却を行うことができる。よって、コストの上昇や部材の大型化を招くことなく接続部材の発熱を抑制することができる。
【0011】
ここで、前記傾斜壁面部は、前記車両の走行時に走行風が通過するように配置されていると好適である。
【0012】
この構成によれば、接続部材に対してより確実に走行風を接触させることができ、接続部材の発熱を更に抑制することができる。
【0013】
また、前記ケース内に、前記回転電機として第一回転電機及び第二回転電機の2つを備えるとともに、前記車両の駆動力源からの駆動力を2つの車輪に分配する出力用差動歯車装置を更に備え、前記第一回転電機は、車両前後方向に略直交する第一軸上に配置され、前記第二回転電機は、前記第一軸と平行であって前記第一軸とは異なる第二軸上に、前記第一回転電機と軸方向に重複して配置され、前記出力用差動歯車装置は、前記第一軸と平行であって前記第一軸及び前記第二軸とは異なる第三軸上に配置され、前記第二軸は、前記第一軸よりも車両後上方側に配置され、前記第三軸は、前記第一軸より車両後方側であって前記第二軸より車両下方側に配置され、前記傾斜壁面部は、前記第一回転電機の外周面及び前記第二回転電機の外周面の双方に接する面と略平行であって車両後方側へ向かうに従って車両上方側へ向かうように傾斜した面に沿って形成されていると好適である。
【0014】
なお、本願では、「軸方向に重複」は、軸方向における配置に関して2つの部材の少なくとも一部が互いに重複する状態を含む概念として用いている。
【0015】
この構成によれば、傾斜壁面部が、第一回転電機の外周面及び第二回転電機の外周面の双方に接する面と略平行な面に沿って形成されるため、第一回転電機、第二回転電機、及び出力用差動歯車装置を径方向に互いに隣接して配置し、これらを一体的に収容するケースがこれら3つの装置の外周面に全体として沿うような形状で形成されている場合において、そのようなケースの形状を利用して、ケースの大型化を抑制しつつ傾斜壁面部を形成することができる。
また、傾斜壁面部が車両後方側へ向かうに従って車両上方側へ向かうように傾斜した面に沿って形成されることになるため、傾斜壁面部が走行風の車両後方側への流れを大きく阻害することもない。
さらに、傾斜壁面部が、第一回転電機の外周面及び第二回転電機の外周面の双方に接する面と略平行に形成されるため、接続部材と第一回転電機との距離、及び当該接続部材と第二回転電機との距離の双方が共に短くなるように接続部材を傾斜壁面部に配置することができる。従って、接続部材の配置箇所に近接してケースに配置される回転電機側の電源端子と第一回転電機及び第二回転電機とを電気的に接続するケース内電源配線を短くすることができ、ケース内電源配線の抵抗による熱損失の発生を抑制することができる。
【0016】
また、前記接続部材として、前記第一回転電機側の電源端子と前記ケース外電源配線とを電気的に接続する第一接続部材と、前記第二回転電機側の電源端子と前記ケース外電源配線とを電気的に接続する第二接続部材と、を備え、前記第一接続部材と前記第二接続部材とが、前記傾斜壁面部に沿って車両上下方向に並べて配置されていると好適である。
【0017】
この構成によれば、各回転電機に対応して2つの接続部材を備える場合において、接続部材が配置されることによる傾斜壁面部の軸方向における大型化を抑制することができる。
【0018】
また、車両の駆動力源としてのエンジンに駆動連結されるエンジン連結部材を更に備え、当該エンジンの回転軸が前記第一軸上に配置されていると好適である。
【0019】
なお、本願では、「駆動連結」は、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が一又は二以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いている。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。
【0020】
この構成の車両用駆動装置は、駆動力源としてエンジンと回転電機の双方を備えるハイブリッド車両用の駆動装置にも好適に用いることができる。
【0021】
また、前記ケースは、前記第一軸に略平行な軸を有して前記第一回転電機及び前記第二回転電機を主に収容する異形筒状のケース本体部と、当該ケース本体部の軸方向一方側の端部を閉塞する端部カバー部材と、前記ケース本体部の軸方向他方側の端部を閉塞するとともに前記ケース本体部と前記エンジンとを連結する連結カバー部材と、を備え、前記傾斜壁面部は、前記ケース本体部の周壁の一部により構成されていると好適である。
【0022】
この構成によれば、傾斜壁面部をケース本体部と一体的に形成することができる。よって、ケース本体部を鋳造部品とする場合に、傾斜壁面部を形成する工程を簡素なものとすることができる。
また、第一回転電機及び第二回転電機が収容されるケース本体部と一体的に傾斜壁面部を設けることにより、当該傾斜壁面部に近接して配置される回転電機側の電源端子と、第一回転電機及び第二回転電機とを電気的に接続するケース内電源配線の構成を簡素なものとすることができるとともに、その接続作業を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】傾斜壁面部に直交する方向から見た車両用駆動装置の斜視図である。
【図2】接続部材を取り外した状態を示す模式図である。
【図3】車両用駆動装置の側面図である。
【図4】車両用駆動装置の斜視図である。
【図5】車両内での車両用駆動装置の配置を概略的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明に係る車両用駆動装置をFF(Front Engine Front Drive)方式のハイブリッド車両に適用した場合を例として説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、ケース本体部3、端部カバー部材4、及び連結カバー部材5を備えるケース2を有し、ケース本体部3に第一接続部材21及び第二接続部材22が配置されている。そして、第一接続部材21を介してケース本体部3に収容された第一回転電機MG1と制御装置11とが電気的に接続されるとともに、第二接続部材22を介してケース本体部3に収容された第二回転電機MG2と制御装置11とが電気的に接続されている。本実施形態に係る車両用駆動装置1は、これらの第一接続部材21及び第二接続部材22の配置構成に特徴を有する。以下、本実施形態に係る車両用駆動装置1の全体構成、ケース2の構成、接続部材21,22の配置構成について順に詳細に説明する。
【0025】
なお、以下の説明では特に断らない限り、車両用駆動装置1が搭載される車両C(図5参照)を基準として、前後、左右、上下の各方向を定義している。そして、図3における上下方向及び左右方向は、車両用駆動装置1を車両Cに搭載した状態(車両搭載状態)における車両Cの上下方向及び前後方向と一致する。よって、図3において、上側は「上」、下側は「下」、左側は「前」、右側は「後」、紙面奥側は「右」、紙面手前側は「左」である。
【0026】
1.全体構成
本実施形態に係る車両用駆動装置1は、図3に示されるように、車両Cの駆動力源としての2つの回転電機(第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2)、及び、車両Cの駆動力源からの駆動力を2つの車輪Wに分配する出力用差動歯車装置DFをケース2の内部に備えている。なお、図3においては、ケース2の内部に収容されている第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、及び出力用差動歯車装置DFの外周面を破線で示してある。本例では、第二回転電機MG2は第一回転電機MG1よりも大径とされている。また、車両用駆動装置1が搭載される車両Cには、駆動力源としてのエンジンEが更に備えられている。そして、図1及び図5に示されるように、エンジンEは、車両用駆動装置1の右側に隣接して横置きされ、エンジンEと車両用駆動装置1とはエンジンEの出力軸Eo(図5参照)の軸方向(左右方向)に連結されている。ここで、エンジンEとしては、例えば、火花点火機関(ガソリンエンジン)や圧縮着火機関(ディーゼルエンジン)等の公知の各種の内燃機関を用いることができる。このように、本実施形態に係る車両Cは、駆動力源としてエンジンE及び2つの回転電機MG1,MG2を備え、これらの駆動力源が出力する回転駆動力によって走行するハイブリッド車両である。なお、図5に示す例では、出力用差動歯車装置DFの出力軸DFoは、前後方向でエンジンEの出力軸Eoよりも後方側に配置されているが、エンジンEの出力軸Eoよりも前方側に配置される構成としても良い。
【0027】
図5に示されるように、車両用駆動装置1はエンジン連結部材IをエンジンEの出力軸Eoと同軸上に有し、本実施形態においては、エンジン連結部材IとエンジンEの出力軸Eoとはダンパ(図示せず)を介して駆動連結されている。すなわち、エンジン連結部材Iは、ダンパを介してエンジンEに駆動連結されている。よって、エンジンEが出力した回転駆動力は、出力軸Eo及びダンパを介してエンジン連結部材Iへ伝達される。なお、出力軸Eoとエンジン連結部材Iとがダンパを介さず一体回転するように駆動連結される構成としても良い。また、ダンパ、クラッチ、及びフライホイールの中から選択した何れか一つや二つの要素、或いはこれら三つの全ての要素を介して、出力軸Eoとエンジン連結部材Iとが駆動連結される構成としても良い。
【0028】
エンジンEの回転駆動力が伝達される上記のエンジン連結部材I、第一回転電機MG1の回転駆動力が伝達される第一回転電機MG1のロータ軸(図示せず)、第二回転電機MG2の回転駆動力が伝達される第二回転電機のロータ軸(図示せず)、及び出力用差動歯車装置DFの出力軸DFoは、ケース2の内部に備えられる駆動伝達機構(図示せず)を介して駆動連結されている。ここで、駆動伝達機構は、例えば、遊星歯車機構等の差動歯車機構や、カウンタギヤ機構、変速機構等を備えて構成することができる。また、出力用差動歯車装置DFは、互いに噛み合う複数の傘歯車を用いた差動歯車機構を有して構成することができる。そして、出力用差動歯車装置DFの出力軸DFoは、図5に示されるように、車輪Wに駆動連結されている。よって、出力軸Eoを介してエンジン連結部材Iに入力されたエンジンEの回転駆動力、第一回転電機MG1の回転駆動力、及び第二回転電機MG2の回転駆動力は、出力用差動歯車装置DFの出力軸DFoを介して車輪Wに伝達され、これらの回転駆動力により車両Cが走行する。例えば、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2の一方又は双方のみを駆動するEV(Electric Vehicle:電動車両)走行モードや、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2の一方又は双方に加えエンジンEを駆動するハイブリッド走行モード等を切り替えて車両Cを走行させることができる。
【0029】
図1に示されるように、車両Cは、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2の制御を行う制御装置11と、制御装置11との間で電力の授受を行うことが可能に接続されている蓄電装置としてのバッテリ10とを備えている。なお、制御装置11は、車両用駆動装置1のケース2とは分離して配置されている。そして、車両用駆動装置1と制御装置11とは、第一ケース外電源配線41及び第二ケース外電源配線42により電気的に接続されており、これらのケース外電源配線41,42を介して、車両用駆動装置1が備える第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2と、制御装置11との間で電力の授受が可能となっている。なお、本実施形態においては、第一ケース外電源配線41及び第二ケース外電源配線42を備えて、本発明におけるケース外電源配線が構成されている。
【0030】
制御装置11は、少なくともインバータユニットを含んで構成されている。ここで、インバータユニットは、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やMOSFET等のスイッチング素子を用いて構成されるブリッジ回路を備え、直流電力と交流電力との間の変換を行う。具体的には、制御装置11は、バッテリ10から供給される直流電力を交流電力に変換して、その交流電力を車両用駆動装置1が備える第一回転電機MG1や第二回転電機MG2へ供給する。また、制御装置11は、第一回転電機MG1や第二回転電機MG2から供給される交流電力を直流電力に変換して、その直流電力をバッテリ10へ供給する。なお、制御装置11は、インバータユニットに加え、バッテリ10からの入力電源を平滑化する平滑コンデンサや、リアクトル等を備えて構成されていても良い。また、バッテリ10に代えてキャパシタ等により蓄電装置を構成したり、複数種類の蓄電装置を併用しても良い。更には、家庭用電源等の外部電源により充電可能に蓄電装置を構成しても良い。
【0031】
第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2のそれぞれは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能を果たすことが可能とされている。なお、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2は、それぞれ回転方向と回転駆動力の向きとの関係に応じてジェネレータ及びモータとしての機能が切り替わる。そして、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2は、ジェネレータとして機能する場合には、発電した電力をバッテリ10に供給して充電し、或いは当該電力をモータとして機能する他方の回転電機MG1,MG2に供給して力行させる。また、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2は、モータとして機能する場合には、蓄電装置に充電され、或いはジェネレータとして機能する他方の回転電機MG1,MG2により発電された電力の供給を受けて力行する。
【0032】
また、本例では、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2は、三相交流で駆動される回転電機であり、図1に示されるように、第一ケース外電源配線41及び第二ケース外電源配線42のそれぞれは、その内部にU相、V相、W相の三相に対応する3つの電源配線(図1中の一点鎖線)を備えて構成されている。なお、第一ケース外電源配線41及び第二ケース外電源配線42のそれぞれが、3つの電源配線をまとめて1つの電源配線として構成されたものではなく、三相に対応する3つの電源配線が個別に存在する形態としても良い。また、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2を、三相交流以外の電力により駆動される回転電機としても良い。
【0033】
2.ケースの構成
ケース2は、図1に示されるように、ケース本体部3、端部カバー部材4、及び連結カバー部材5を備えている。ケース本体部3は、図3及び図4によく示されるように、後述する第一軸A1に略平行な軸を有する異形筒状に形成されており、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2を主に収容している。端部カバー部材4は、図1及び図4によく示されるように、ケース本体部3の軸方向一方側(左側)の端部を閉塞する部材である。また、連結カバー部材5は、図1及び図4によく示されるように、ケース本体部3の軸方向他方側(右側)の端部を閉塞するとともに、ケース本体部3とエンジンEとを連結する部材である。上記のように、本実施形態においては、車両用駆動装置1のエンジン連結部材IとエンジンEの出力軸Eoとはダンパを介して駆動連結されており、このダンパが連結カバー部材5の内部に収容されている。
【0034】
ケース2の内部には、図3に示されるように、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、及び出力用差動歯車装置DFが収容されている。第一回転電機MG1は前後方向に略直交する第一軸A1上に配置されている。第二回転電機MG2は、第一軸A1と平行であって第一軸A1とは異なる第二軸A2上に、第一回転電機MG1と軸方向(図3における紙面に垂直な方向)に重複して配置されている。また、出力用差動歯車装置DFは、第一軸A1と平行であって第一軸A1及び第二軸A2とは異なる第三軸A3上に配置されている。また、本実施形態においては、エンジンEの回転軸である出力軸Eoも第一軸A1上に配置されている。
【0035】
図3に示されるように、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、及び出力用差動歯車装置DFは、径方向に互いに隣接して配置され、これらの軸を結ぶ線が鋭角三角形を形成するように配置されている。これにより、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、及び出力用差動歯車装置DFを、ケース2の径方向における大型化を抑制しつつケース2内に配置することが可能となっている。なお、鋭角三角形ではなく、直角三角形や鈍角三角形が形成されるように、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、及び出力用差動歯車装置DFを配置しても良い。
【0036】
また、図3に示されるように、本実施形態においては、第二軸A2は、第一軸A1よりも後上方側に配置され、第三軸A3は、第一軸A1より後方側であって第二軸A2より下方側に配置されている。なお、本例では、第三軸A3は第一軸A1より下方に配置されているため、第二軸A2と第三軸A3とは、第一軸A1を通る水平面に対して上下方向に反対側に配置されている。そして、ケース2のケース本体部3は、第一回転電機MG1の外周面及び第二回転電機MG2の外周面の双方に接する面と略平行に形成された傾斜壁面部6を有している。なお、傾斜壁面部6は、図4によく示されるように、ケース本体部3の周壁の一部により構成されている。
【0037】
上記の通り、第二回転電機MG2が配置される第二軸A2は、第一回転電機MG1が配置される第一軸A1より後上方側に配置されるとともに、第二回転電機MG2は第一回転電機MG1より大径であるため、傾斜壁面部6は、後方側へ向かうに従って上方側へ向かうように傾斜した面となっている。すなわち、傾斜壁面部6は、前方を向く面、すなわち法線ベクトルが前方方向の成分を有する面であり、本例では、当該法線ベクトルは、前向き及び上向きの成分を有している。さらに、傾斜壁面部6は、図3に示されるように、第一軸A1、第二軸A2、及び第三軸A3に略平行に形成されているため、傾斜壁面部6の法線ベクトルは、左右方向の成分を有さず、前向き及び上向きの成分のみを有している。なお、傾斜壁面部6の法線ベクトルが左右方向の成分を有する構成としても良い。また、本実施形態においては、図3に示されるように、傾斜壁面部6の法線ベクトルは、水平方向に対して約45°だけ上方を向くように形成されている。
【0038】
図5に示されるように、車両用駆動装置1は、車両Cの先端部に配置されるラジエータRの後方に配置されている。よって、車両Cの走行時には、ラジエータRや車両用駆動装置1より前方に存在する空隙等を通過した空気、すなわち、車両Cの走行時の走行風50が、車両用駆動装置1の近傍を前方から後方へ通過する。この時、走行風50の一部は車両用駆動装置1のケース2の外壁面に接触する。なお、上記の傾斜壁面部6は、法線ベクトルが前方方向の成分を有する面であるため、図3に示されるように、傾斜壁面部6にはケース2のその他の外壁面(例えば、ケース本体部3の後方側の外壁面や、端部カバー部材4や連結カバー部材5の左右方向端部の外壁面)に比べ、走行風50がより高い割合で接触することになる。さらに、本実施形態では、傾斜壁面部6は、その法線ベクトルが前向きだけでなく上向きの成分を有している面であるため、走行風50は傾斜壁面部6の近傍を円滑に前方から後方に向かって流れる。なお、車両用駆動装置1を、ラジエータRの側方等の後方以外に配置する構成としても良い。
【0039】
3.接続部材の配置構成
上記のように、車両用駆動装置1のケース2には、車両Cの走行時に走行風50がより高い割合で接触する傾斜壁面部6が形成されており、この傾斜壁面部6に第一接続部材21及び第二接続部材22が配置されている。第一接続部材21を介して、ケース2に配置された回転電機MG1側の電源端子である第一電源端子31と、ケース2とは分離して配置された制御装置11に接続されるケース外電源配線41とが電気的に接続されている。また、第二接続部材22を介して、ケース2に配置された回転電機MG2側の電源端子である第二電源端子32と、ケース2とは分離して配置された制御装置11に接続されるケース外電源配線42とが電気的に接続されている。以下、これらの接続部材21,22の配置構成について説明する。
【0040】
図2に示されるように、ケース2の傾斜壁面部6には回転電機MG1側の電源端子である第一電源端子31と、回転電機MG2側の電源端子である第二電源端子32とが配置されている。本実施形態においては、第一電源端子31及び第二電源端子32を備えて、本発明における電源端子が構成されている。なお、このような電源端子31,32の構成は周知であるので詳細な説明は省略するが、例えば図2に示されるように、第一電源端子31及び第二電源端子32を銅等の導電性材料で形成された板状体で構成し、当該板状体が樹脂等の絶縁体で形成された略円筒状の部材の中に保持された構成とすることができる。
【0041】
第一電源端子31は、ケース2の内部に配置されたケース内電源配線(図示せず)を介して、第一軸A1上に配置された第一回転電機MG1に電気的に接続されている。第二電源端子32は、ケース2の内部に配置されたケース内電源配線(図示せず)を介して、第二軸A2上に配置された第二回転電機MG2に電気的に接続されている。上記のように、本実施形態においては第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2は三相交流で駆動される回転電機である。そのため、第一回転電機MG1のU相、V相、W相のそれぞれのコイルに接続される3個の第一電源端子31と、第二回転電機MG2のU相、V相、W相のそれぞれのコイルに接続される3個の第二電源端子32とが、傾斜壁面部6に備えられている。そして、図2に示されるように、これらの第一電源端子31及び第二電源端子32のそれぞれは、傾斜壁面部6に沿って上下方向に一列に並ぶ状態で配置されている。なお、本例では、第二電源端子32が、第一電源端子31に対して後上方側に配置されるとともに、第二回転電機MG2が、第一回転電機MG1に対して後上方側に配置されている。よって、第一電源端子31と第一回転電機MG1とを接続するケース内電源配線、及び、第二電源端子32と第二回転電機MG2とを接続するケース内電源配線の双方の配線長を短くすることができる。なお、第一電源端子31及び第二電源端子32のそれぞれが、傾斜壁面部6に沿って左右方向に一列に並ぶ状態で配置される構成や、第一電源端子31及び第二電源端子32のそれぞれが、三角形を成すように配置される構成としても良い。
【0042】
また、第一接続部材21及び第二接続部材22は、図2に示されるように、締結部材が挿通される複数の挿通孔を有する樹脂カバーを備えている。なお、第一接続部材21及び第二接続部材22の樹脂カバーは、周囲をカバー等で覆われた空間ではなく、外部に露出した空間に配置される。よって、車両Cの走行時の走行風50が樹脂カバーに高い割合で接触し、第一接続部材21及び第二接続部材22が効率良く冷却される。そして、当該樹脂カバーの内部には、図示は省略するが、回転電機MG1,MG2側の電源端子31,32に嵌合する接続部材側電源端子が備えられている。なお、接続部材側電源端子は、樹脂カバーの内部でケース外電源配線41,42と電気的に接続されており、接続部材側電源端子と回転電機MG1,MG2側の電源端子31,32が嵌合することで、回転電機MG1,MG2と制御装置11とが電気的に接続される。
【0043】
そして、これらの第一接続部材21及び第二接続部材22は、図1、図3及び図4に示されるように、傾斜壁面部6に沿って上下方向に並べて配置されている。なお、図3及び図5に示されるように、傾斜壁面部6は車両Cの走行時に走行風50が通過するように配置されている。ここでは、傾斜壁面部6は車両Cの走行時に走行風50が通過する経路に隣接して配置されている。よって、傾斜壁面部6に配置された第一接続部材21及び第二接続部材22には車両Cの走行時に走行風50が接触し、第一接続部材21及び第二接続部材22の発熱が抑制される。その際、上記の通り、走行風50は傾斜壁面部6により高い割合で接触するとともに、傾斜壁面部6の近傍を円滑に前方から後方に向かって流れるため、第一接続部材21及び第二接続部材22を効率良く冷却でき、第一接続部材21及び第二接続部材22の発熱を抑制することができる。
【0044】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態においては、傾斜壁面部6は、その法線ベクトルが水平方向に対して約45°だけ上方を向くように形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、傾斜壁面部6の法線ベクトルの上向きの度合は、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2の配置位置や外径に依存するものであり、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2の配置位置や外径を変えることで、傾斜壁面部6の法線ベクトルの上向きの度合は任意に設定できる。例えば、0°以上90°未満の範囲から選択した所定の角度だけ法線ベクトルが上方を向くように傾斜壁面部6を形成すると好適である。なお、上記の角度として0°を選択した場合は、傾斜壁面部6の法線ベクトルは上向きの成分を有さないことになる。また、上記の所定の角度は傾斜壁面部6の近傍における走行風50の流れを円滑にして接続部材21,22の冷却効率を良好にするという観点から選択すれば良く、例えば30°から60°の範囲から選択すると好適である。
【0045】
(2)上記の実施形態においては、車両用駆動装置1が回転電機として第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2の2つを備えるとともに、第二回転電機MG2が配置される第二軸A2が第一回転電機MG1が配置される第一軸A1よりも車両後上方側に配置され、傾斜壁面部6が、第一回転電機MG1の外周面及び第二回転電機MG2の外周面の双方に接する面と略平行であって車両後方側へ向かうに従って車両上方側へ向かうように傾斜した面に沿って形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、第二回転電機MG2が配置される第二軸A2が第一回転電機MG1が配置される第一軸A1よりも車両後下方側に配置され、傾斜壁面部6が、第一回転電機MG1の外周面及び第二回転電機MG2の外周面の双方に接する面と略平行であって車両後方側へ向かうに従って車両下方側へ向かうように傾斜した面に沿って形成されている構成とすることも本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、傾斜壁面部6の法線ベクトルは、前向き及び下向きの成分を有することになる。また、傾斜壁面部6が、第一回転電機MG1の外周面及び第二回転電機MG2の外周面の双方に接する面と略平行ではない面に沿って形成されている構成としても良い。
【0046】
(3)上記の実施形態においては、車両用駆動装置1が接続部材として第一接続部材21及び第二接続部材22の2つの接続部材を備え、第一接続部材21と第二接続部材22とが、傾斜壁面部6に沿って車両上下方向に並べて配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、第一接続部材21と第二接続部材22とが、傾斜壁面部6に沿って車両左右方向に並べて配置される構成とすることも本発明の好適な実施形態の一つである。また、第一接続部材21と第二接続部材22とを一体的に構成し、接続部材が一つのみ備えられる構成としても好適である。
【0047】
(4)上記の実施形態においては、ケース2が、異形筒状のケース本体部3と、端部カバー部材4と、連結カバー部材5とを備えて構成されており、傾斜壁面部6が、ケース本体部3の周壁の一部により構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、傾斜壁面部6が、端部カバー部材4や連結カバー部材5に形成される構成とすることも本発明の好適な実施形態の一つである。また、ケース2の構成や形状は上記のものに限られず、法線ベクトルが車両前方方向の成分を有する傾斜壁面部6が形成されるのであれば、ケース2の構成や形状は任意に変更可能である。
【0048】
(5)上記の実施形態においては、車両用駆動装置1が、出力用差動歯車装置DFをケース2の内部に備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、車両用駆動装置1が、出力用差動歯車装置DFをケース2とは別のケースの内部に備える構成とすることも本発明の好適な実施形態の一つである。また、出力用差動歯車装置DF以外のギヤ機構、伝動軸、伝動ベルト、チェーン等の駆動伝達機構を備えて、駆動力源からの駆動力を出力する出力機構を構成とすることも本発明の好適な実施形態の一つである。
【0049】
(6)上記の実施形態においては、車両用駆動装置1が第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2の2つの回転電機を備え、第二回転電機MG2が第一回転電機MG1より大径である場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、第二回転電機MG2が第一回転電機MG1と同径又はそれより小径である構成としても好適である。また、車両用駆動装置1が、回転電機を一つだけ備え、或いは回転電機を3つ以上備える構成とすることも本発明の好適な実施形態の一つである。
【0050】
(7)上記の実施形態においては、本発明に係る車両用駆動装置1を、FF(Front Engine Front Drive)車両に適用する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、車両Cに横置きされるエンジンEに対して車両Cの幅方向に隣接して配置され、エンジンEの出力軸Eoの軸方向に連結される駆動装置に採用可能な構成として適しており、例えば、本発明に係る車両用駆動装置1を、RR(Rear Engine Rear Drive)車両やMR(Midship Engine Rear Drive)車両等に適用しても好適である。
【0051】
(8)上記の実施形態においては、車両Cが駆動力源としてエンジンEを備えるとともに当該エンジンEの回転軸Eoが第一軸A1上に配置され、車両用駆動装置1がエンジンEに駆動連結されるエンジン連結部材Iを備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、エンジンEの回転軸Eoが、第一軸A1上に配置されない構成とすることも本発明の好適な実施形態の一つである。また、車両Cが駆動力源としてのエンジンEを備えない電動車両であり、車両用駆動装置1がエンジンEに駆動連結されるエンジン連結部材Iを備えない構成とすることも本発明の好適な実施形態の一つである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、回転電機の制御を行う制御装置が、回転電機を収容するケースから分離して配置されている車両用駆動装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
A1:第一軸
A2:第二軸
A3:第三軸
C:車両
DF:出力用差動歯車装置
E:エンジン
I:エンジン連結部材
MG1:第一回転電機
MG2:第二回転電機
1:車両用駆動装置
2:ケース
3:ケース本体部
4:端部カバー部材
5:連結カバー部材
6:傾斜壁面部
11:制御装置
21:第一接続部材
22:第二接続部材
31:第一電源端子(電源端子)
32:第二電源端子(電源端子)
41:第一ケース外電源配線(ケース外電源配線)
42:第二ケース外電源配線(ケース外電源配線)
50:走行風

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動力源としての回転電機と、当該回転電機を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記ケースに配置された前記回転電機側の電源端子と、前記ケースとは分離して配置され、前記回転電機に電力を供給する制御装置に接続されるケース外電源配線とを電気的に接続する接続部材を備え、
前記ケースは、その外壁面に、法線ベクトルが車両前方方向の成分を有する傾斜壁面部を備え、
前記接続部材は、前記傾斜壁面部に配置されている車両用駆動装置。
【請求項2】
前記傾斜壁面部は、前記車両の走行時に走行風が通過するように配置されている請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記ケース内に、前記回転電機として第一回転電機及び第二回転電機の2つを備えるとともに、前記車両の駆動力源からの駆動力を2つの車輪に分配する出力用差動歯車装置を更に備え、
前記第一回転電機は、車両前後方向に略直交する第一軸上に配置され、
前記第二回転電機は、前記第一軸と平行であって前記第一軸とは異なる第二軸上に、前記第一回転電機と軸方向に重複して配置され、
前記出力用差動歯車装置は、前記第一軸と平行であって前記第一軸及び前記第二軸とは異なる第三軸上に配置され、
前記第二軸は、前記第一軸よりも車両後上方側に配置され、
前記第三軸は、前記第一軸より車両後方側であって前記第二軸より車両下方側に配置され、
前記傾斜壁面部は、前記第一回転電機の外周面及び前記第二回転電機の外周面の双方に接する面と略平行であって車両後方側へ向かうに従って車両上方側へ向かうように傾斜した面に沿って形成されている請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記接続部材として、前記第一回転電機側の電源端子と前記ケース外電源配線とを電気的に接続する第一接続部材と、前記第二回転電機側の電源端子と前記ケース外電源配線とを電気的に接続する第二接続部材と、を備え、
前記第一接続部材と前記第二接続部材とが、前記傾斜壁面部に沿って車両上下方向に並べて配置されている請求項3に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
車両の駆動力源としてのエンジンに駆動連結されるエンジン連結部材を更に備え、当該エンジンの回転軸が前記第一軸上に配置されている請求項3又は4に記載の車両用駆動装置。
【請求項6】
前記ケースは、前記第一軸に略平行な軸を有して前記第一回転電機及び前記第二回転電機を主に収容する異形筒状のケース本体部と、当該ケース本体部の軸方向一方側の端部を閉塞する端部カバー部材と、前記ケース本体部の軸方向他方側の端部を閉塞するとともに前記ケース本体部と前記エンジンとを連結する連結カバー部材と、を備え、
前記傾斜壁面部は、前記ケース本体部の周壁の一部により構成されている請求項5に記載の車両用駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−206869(P2010−206869A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46767(P2009−46767)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】