説明

車載処理システム

【課題】メータパネル内においてメータ制御装置とは別の第2の制御装置によって生成される画像を表示させる場合に、車両が発進可能な状態になるまでの間において当該画像の表示状態が不適切な状態になることを防止する。
【解決手段】メータECU10は、起動が完了するとメータに関する各種制御を実行すると共に、ナビECU60から起動完了を通知されていなければ、表示制御主体切替スイッチ20をメータECU10側に切り替え、TFT表示器30におけるナビ表示領域32に対して表示制御を実行する。その後、ナビECU60から起動完了を通知されたら、表示制御主体切替スイッチ20をナビECU60側に切り替える。ナビECU60は、起動が完了したらメータECU10へ起動完了を通知し、ナビ表示領域32に対して表示制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メータ制御装置と、ナビゲーション装置等の第2の制御装置と、メータパネル内に設けられ、少なくとも第2の制御装置にて生成された画像を表示するための表示手段とを備えた車載処理システムにおける、表示手段への表示制御に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ナビゲーション装置によって出力される視覚情報(例えば、地図情報や、経路情報や、施設情報等)は、車両のセンターコンソール部に配置された表示装置(例えば、液晶ディスプレイ等)に表示されて運手者に伝達されるようになっている。しかし、そのようなセンターコンソール部に配置された表示装置では運転者の視線移動が多く、表示装置に表示された情報を運転者が見落とす場合があった。
【0003】
そのため、メータパネル内にナビゲーション画像を表示する技術が考えられている(特許文献1,2,3参照)。
例えば特許文献1に開示された技術では、機械式メータではなく、メータパネル内に全面的に表示装置を設け、その表示装置に指針駆動タイプのメータ画像(アナログ式メータ画像)を表示している。そして、そのメータ画像と共にナビゲーション画像を表示し、両方の画像を大きな視線移動なく視認できるようにしている。
【0004】
また、特許文献2に開示された技術では、メータパネル内に設けられた表示装置に、デジタル式メータ画像とナビゲーション画像を共に表示させている。この場合も、メータ画像と共にナビゲーション画像の両方の画像を大きな視線移動なく視認できる。
【0005】
また、特許文献3に開示された技術では、機械式メータの間に液晶表示装置を設け、その液晶表示装置にナビゲーション画像を表示している。この場合も、同じメータパネル内においてメータ表示とナビゲーション画像の両方を大きな視線移動なく視認できる。
【特許文献1】特開特開2004−157434号公報
【特許文献2】特開平11−51686号公報
【特許文献3】特開2001−183149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、メータパネル内にナビゲーション画像を表示するという思想はあるが、現実的な問題として、次のような不都合が発生し得る。つまり、メータ制御システムと、ナビゲーション制御システムとを比較した場合、一般的に考えると、ナビゲーション制御システムよりもメータ制御システムの方が処理負荷としては軽いため、システムが起動して安定した表示制御状態となるまでに時間差が発生する。
【0007】
したがって、両システムへ同時期に電源供給がなされて起動処理を開始したとしても、一般的に考えると、メータ制御システムの起動が先に完了してメータ表示が先になされる。そして、ナビゲーション制御システムの起動完了はそれよりも遅れると考えられるが、その際に、ノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたり、不安定な画像が表示されてしまう可能性がある。このような状態は、メータ表示に対する視認性を低下させ、また見映えを悪くする要因となる。もちろん、ナビゲーション制御システム以外のシステムからの画像を表示させる場合であっても、起動完了がメータ制御システムに比べて遅いシステムであれば同様の問題が生じる。
【0008】
なお、特開2005−17072号公報には、システム起動時の表示器への表示方法についての技術開示がある。しかし、ここで開示されているのは、正しいデータを表示させるため、システム起動時において信頼性が低いと判断される時間帯に受信したデータを読み捨てるという技術思想のみである。つまり、複数のシステムによる複数の表示を前提としたものではないため、本発明が問題としている観点とは異なる。
【0009】
また、エンジン始動のためにスタータが使用された場合、車載バッテリからナビゲーション制御システムへの電源供給状態が変化することがある。電圧変動により、やはり一時的に停止された場合にはナビゲーション画像が一時的に表示されなくなり、ノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたり、不安定な画像が表示されてしまう可能性がある。
【0010】
このように、車両が発進可能な状態になるまでの間において、メータパネルにおける表示状態が不適切な状態になる可能性がある。
本発明は、そのような課題に鑑み、メータパネル内においてメータ制御装置とは別の第2の制御装置によって生成される画像を表示させる場合に、車両が発進可能な状態になるまでの間において当該画像の表示状態が不適切な状態になることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る車載処理システムは、メータに関する各種制御を実行するメータ制御装置(10:なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において説明した構成要素を括弧内に示すが、この記載によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)と、各種制御を実行し、且つ前記メータ制御装置(10)よりも起動開始から完了までの時間が長い第2の制御装置(60)と、メータパネル内に設けられ、少なくとも第2の制御装置(60)にて生成された画像を表示するための表示手段(32)と、を備えている。
【0012】
表示手段(32)に対する表示制御は、第2の制御装置(60)だけでなくメータ制御装置(10)も実行可能に構成されている。また、表示手段(32)に対する表示制御の主体として、メータ制御装置(10)及び第2の制御装置(60)の内の何れかを選択して切り替え可能な制御主体切替手段(20)を備え、この制御主体切替手段(20)は、デフォルト状態では第2の制御装置(60)が制御主体となるように設定されていると共に、メータ制御装置(10)が切り替え可能に構成されている。
【0013】
そしてメータ制御装置(10)は、自装置(10)の起動が完了するとメータに関する各種制御を実行すると共に、自装置(10)の起動が完了した時点で第2の制御装置(60)から起動完了を通知されていなければ、制御主体切替手段(20)をメータ制御装置(10)側に切り替え、表示手段(32)に対して表示制御を実行し、その後、第2の制御装置(60)から起動完了を通知されたら、制御主体切替手段(20)を第2の制御装置(60)側に切り替える。
【0014】
一方、第2の制御装置(60)は、自装置(60)の起動が完了した時点で制御主体切替手段(20)がメータ制御装置(10)側に切り替わっていなければ、表示手段(32)に対して表示制御を実行し、自装置(60)の起動が完了した時点で制御主体切替手段(20)がメータ制御装置(60)側に切り替わっていれば、メータ制御装置(10)へ起動完了を通知し、表示手段(32)に対して表示制御を実行する。
【0015】
第2の制御装置(60)の具体例としては、例えば地図画像や経路案内画像を表示するナビゲーション制御装置(60)や車両周辺の撮像画像を表示する周辺監視制御装置などが考えられる。これらの制御装置は、その処理内容の複雑さなどから一般的に起動完了までの時間がメータ制御装置(10)よりも長く必要とされる。なお、例えばメータ制御装置(10)はイグニッション(IGN)スイッチ(5)がオンされた場合に起動開始し、ナビゲーション制御装置(60)はアクセサリ(ACC)スイッチ(3)がオンされた場合に起動開始するよう構成されていた場合であっても、ACCスイッチオン→IGNスイッチオンという状態が連続的な動作で実行されることが多く、メータ制御装置(10)とナビゲーション制御装置(60)がほぼ同時期に起動開始することとなる。両装置の起動に要する時間が数秒程度異なるならば、やはり、メータ制御装置(10)が起動完了した時点でナビゲーション制御装置(60)の起動が完了していないこととなる。
【0016】
そういった場合の対応として、本発明の車載処理システムでは、メータ制御装置(10)が起動完了した時点で第2の制御装置(60)の起動が完了していなければ、第2の制御装置(60)の起動が完了するまでの間、表示手段(32)に対する表示制御の制御主体をメータ制御装置(10)が取るようにした。第2の制御装置(60)が起動完了するまでの間においても表示手段(32)に対する表示制御の制御主体となってしまうと、ノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたり、不安定な画像が表示されてしまう可能性があり、メータ表示に対する視認性を低下させ、また見映えを悪くする要因となってしまう。しかし、上述のように起動完了したメータ制御装置(10)が制御主体となるため、そのような不都合は防止できる。
【0017】
メータ制御装置(10)が第2の制御装置(60)の代わりに表示手段(32)に対して実行する表示制御は、表示領域全面を単一色で表示する制御であってもよいし、何も表示しない制御であってもよい。つまり、「起動完了していない」第2の制御装置(60)が表示手段(32)に対する表示制御の制御主体となることで上述したノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたりといった不都合が生じるため、表示制御の制御主体が「起動完了している」メータ制御装置(10)となればよい。もちろん、簡単な文字を表示したり、もっと複雑な画像を表示してもよいが、その場合は画像の描画機能をメータ制御装置(10)に持たせる必要があり、配線増加による構成の複雑化、コストアップといった不都合が生じるため、単一色で表示する程度でも十分である。これであれば、定電位で描画すればよい。また、ノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたりといった不都合が生じないようにすればよいので、特に何も表示させなくても良い。不適切な表示状態を排除してメータの視認性を良くするという目的はこれでも十分達成できる。
【0018】
請求項1に係る車載処理システムの場合は、メータ制御装置(10)が、第2の制御装置(60)から起動完了を通知されたら、制御主体切替手段(20)を第2の制御装置(60)側に切り替えるようにしたが、請求項2に示すように、この切替を第2の制御装置(60)が自ら実行するようにしてもよい。つまり、制御主体切替手段(20)に関して、メータ制御装置(10)及び第2の制御装置(60)の何れもが切り替え可能に構成しておく。そして、自装置(10)の起動が完了した時点で第2の制御装置(60)から起動完了を通知されていなければ、制御主体切替手段(20)をメータ制御装置(10)側に切り替え、表示手段(32)に対して表示制御を実行する。一方、第2の制御装置(60)は、自装置(60)の起動が完了したら、メータ制御装置(10)へ起動完了を通知し、制御主体切替手段(20)を第2の制御装置(60)側に切り替え、表示手段(32)に対して表示制御を実行するのである。
【0019】
請求項3に係る車載処理システムは、メータに関する各種制御を実行するメータ制御装置は、メータに関する各種制御を実行するメータ制御装置(10)と、各種制御を実行し、且つスタータ(100)使用時のバッテリからの電源供給状態の変化によって通常の表示制御の実行が困難になる第2の制御装置(60)と、メータパネル内に設けられ、少なくとも第2の制御装置(60)にて生成された画像を表示するための表示手段(32)と、を備えている。
【0020】
表示手段(32)に対する表示制御は、第2の制御装置(60)だけでなくメータ制御装置(10)も実行可能に構成されている。また、表示手段(32)に対する表示制御の主体として、メータ制御装置(10)及び第2の制御装置(60)の内の何れかを選択して切り替え可能な制御主体切替手段(20)を備え、この制御主体切替手段(20)は、デフォルト状態では第2の制御装置(60)が制御主体となるように設定されていると共に、メータ制御装置(10)が切り替え可能に構成されている。
【0021】
メータ制御装置(10)は、メータに関する各種制御を実行すると共に、スタータ(100)の使用が開始されると、制御主体切替手段(20)をメータ制御装置(10)側に切り替え、表示手段(32)に対して表示制御を実行し、その後、スタータ(100)の使用が終了したら、制御主体切替手段(20)を第2の制御装置(60)側に切り替える。 一方、第2の制御装置(60)は、表示手段(32)に対して表示制御を実行する。
【0022】
第2の制御装置(60)の具体例としては、例えば地図画像や経路案内画像を表示するナビゲーション制御装置(60)や車両周辺の撮像画像を表示する周辺監視制御装置などが考えられる。これらの制御装置は、エンジン始動のためにスタータ(100)が使用された場合、車載バッテリから供給される電源供給状態が変化(例えば電圧低下)することによって、一時的に通常動作ができなくなる。その場合、ナビゲーション画像等が一時的に表示されなくなったり、ノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたり、不安定な画像が表示されてしまうという不都合が考えられる。
【0023】
そういった場合の対応として、本発明の車載処理システムでは、スタータ(100)が使用されている期間中、メータ制御装置(10)が第2の制御装置(60)に代わって表示手段(32)に対する表示制御の制御主体となる。スタータ(100)の使用期間中に第2の制御装置(60)が表示手段(32)に対する表示制御の制御主体となってしまうと、上述のように不適切な表示状態となってしまう可能性があり、メータ表示に対する視認性を低下させ、また見映えを悪くする要因となってしまう。しかし、上述のようにメータ制御装置(10)が制御主体となれば、そのような不都合を防止できる。
【0024】
メータ制御装置(10)が第2の制御装置(60)の代わりに表示手段(32)に対して実行する表示制御は、表示領域全面を単一色で表示する制御であってもよいし、何も表示しない制御であってもよい。
【0025】
請求項3に係る車載処理システムの場合は、メータ制御装置(10)が、スタータ(100)の使用が終了したら、制御主体切替手段(20)を第2の制御装置(60)側に切り替えるようにしたが、請求項4に示すように、この切替を第2の制御装置(60)が自ら実行するようにしてもよい。つまり、制御主体切替手段(20)に関して、メータ制御装置(10)及び第2の制御装置(60)の何れもが切り替え可能に構成しておく。そして、第2の制御装置(60)は、スタータ(100)の使用が終了したら、制御主体切替手段(20)を第2の制御装置(60)側に切り替えるようにするのである。
【0026】
このように、本発明の車載処理システムにおいては、メータパネル内においてメータ制御装置とは別の第2の制御装置によって生成される画像を表示させる場合に、車両が発進可能な状態になるまでの間において当該画像の表示状態が不適切な状態になることを適切に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0028】
[構成の説明]
図1は、実施形態の車載処理システムの概略構成を示すブロック図、図2は図示しないメータパネル内に設けられたTFT表示器30の正面図である。
【0029】
車載処理システムは、メータECU10と、車内LAN通信部15と、表示制御主体切替スイッチ20と、TFT光源25と、TFT表示器30と、ナビECU60と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群61と、車両の現在位置を検出する位置検出器64と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器65とを備える。
【0030】
車内LAN通信部15は、図示しない車内LANに接続された種々のECU(例えば、エンジンECU、AT−ECU等)や各種警告センサ(ブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯等)との通信を担う部位である。
【0031】
TFT光源25は、TFT表示器30のための光源である。
TFT表示器30は、図示しないメータパネル内に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器30はカラー画像表示機能を有しており、その表示領域は、図2に示すように、メータ表示領域31とナビ表示領域32と車両状態表示領域33に分けることができる。
【0032】
メータ表示領域31は、車内LAN通信部15を介して図示しない各種ECUから取得した車速情報、エンジン回転数、燃料残量及びエンジン冷却水温等をアナログメータ風に画像として表示するための表示領域である。本実施形態においては、図2に示すように、運転者から見て左側に速度メータ画像31aと燃料残量メータ画像31cが表示され、運転者から見て右側にタコメータ画像31bとエンジン冷却水温メータ画像31dが表示される。
【0033】
ナビ表示領域32は、ナビECU60によって生成されたナビゲーション画像(例えば、現在位置付近の地図や、現在位置を示すアイコンや、経路案内のための案内図等の画像)を表示するための表示領域である。
【0034】
車両状態表示領域33は、車内LAN通信部15を介して図示しない各種警告センサから取得した警告センサ状態、つまり警告の必要があるか否かを示す情報を取得し、警告の必要がある場合には、該当する警告センサに対応する警告灯画像として表示するための表示領域である。この警告灯画像は、例えばブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯などの警告灯を模式図によって示す画像である。この画像自体は公知の内容なので詳しい説明は省略する。
【0035】
操作スイッチ群61は、TFT表示器30の表示面と一体に構成されたタッチパネル及びTFT表示器30の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成され、運転者からの様々な指令を入力する。なお、タッチパネルとTFT表示器30とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式・電磁誘導方式・静電容量方式・あるいはこれらを組み合わせた方式等、各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0036】
位置検出器64は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサとを備えている。そして、これら各センサ等からの出力信号に基づいてナビECU60が、車両の位置・方位・速度等を算出する。
【0037】
地図データ入力器65は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、地図データ記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
【0038】
メータECU10は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、車内LAN通信部15を介して各種ECU等から受信したデータに基づいて、車速、エンジン回転数、燃料残量及びエンジン冷却水温等をアナログ表示によってTFT表示器30のメータ表示領域31に表示させる処理や、車内LAN通信部15を介して各種警告センサから取得した警告センサ状態に基づいて、警告の必要がある警告内容を示す警告灯画像をTFT表示器30の車両状態表示領域33に表示させる処理等を実行する。
【0039】
ナビECU60は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器64からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器65を介して読み込んだ現在位置付近の地図等をTFT表示器30のナビ表示領域32に表示させたりする処理や、地図データ入力器65に格納された地図データと、操作スイッチ群61の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路をTFT表示器30に表示させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
【0040】
また、これらメータECU10とナビECU60は、相互にデータ通信可能に構成されている。
上述したTFT表示器30のメータ表示領域31及び車両状態表示領域33に関しては、メータECU10のみが表示制御の主体となり得るが、TFT表示器30のナビ表示領域32に関しては、表示制御主体切替スイッチ20を介して、メータECU10及びナビECU60の何れかが選択的に表示制御の主体となり得るよう構成されている。本実施形態においては、メータECU10及びナビECU60の両方が表示制御主体切替スイッチ20を制御可能に構成されている。なお、表示制御主体切替スイッチ20は、デフォルト状態では、ナビECU60が表示制御主体となるように構成されている。なお、TFT光源25に関しては、メータECU10及びナビECU60のいずれも制御可能に構成されている。
【0041】
メータECU10とナビECU60には、アクセサリ(ACC)スイッチ3とイグニッション(IGN)スイッチ5も接続されている。運転者によってイグニッションキーが操作されてACCスイッチ3がオン(ON)状態になると、図示しない車載バッテリからナビECU60等のナビゲーション処理に関連する構成部分への電源供給がなされる。一方、運転者によってイグニッションキーが操作されてIGNスイッチ5がオン(ON)状態になると、メータECU10等のメータ表示処理に関連する構成部分への電源供給がなされる。
【0042】
なお、イグニッションキーを回転操作することでACCスイッチ3やIGNスイッチ5をオンさせる構成ではなく、いわゆるスマートキーを所持したユーザがノブを回転操作したりボタンを押下することでスイッチをオンさせる構成を採用しても、もちろんよい。
【0043】
また、これらメータECU10及びナビECU60には、エンジンのスタータ100からのスタータ信号も入力するよう構成されている。
[作動及び効果説明]
次に、車載処理システムの作動について説明する。
【0044】
運転者が車両に乗り込んでACCスイッチ3やIGNスイッチ5をオンさせ、その後にスタータ100を使用してエンジンを始動させ、車両が発進可能な状態になるまでの間において、本車載処理システムのメータECU10及びナビECU60は、TFT表示器30におけるナビ表示領域32の表示状態が不適切な状態になることを防止することを目的とした処理を実行する。その処理について、2種類説明する。一つは、表示制御主体切替スイッチ20の切替をメータECU10及びナビECU60の両方が実行するパターンであり、もう一つは表示制御主体切替スイッチ20の切替をメータECU10のみが実行するパターンである。
【0045】
[A:表示制御主体切替スイッチ20の切替をメータECU10及びナビECU60の両方が実行する場合]
この場合の処理内容を、図3,4のフローチャートを参照して説明する。
【0046】
運転者によってイグニッションキーが操作されてアクセサリ給電(ACC)の状態になるとナビECU60は起動を開始し(図3のS10)、所定時間後に起動が完了する(S20)。起動が完了すると、メータECU10へ起動完了通知を送る(S30)。
【0047】
一方、運転者によってイグニッションキーがさらに操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になるとメータECU10は起動を開始し(図4のS110)、所定時間後に起動が完了する(S120)。起動が完了すると、TFT光源25をONすると共に、TFT表示器30のメータ表示領域31及び車両状態表示領域33への表示制御を開始する(S130)。
【0048】
メータECU10とナビECU60を比べた場合、起動開始から完了までの時間は、メータECU10に比べてナビECU60の方が長い。例えばナビECU60の方が数秒程度長い場合も考えられる。ACCスイッチ3オン→IGNスイッチ5オンという状態が連続的な動作で実行されると、メータECU10とナビECU60がほぼ同時期に起動開始することとなる。したがって、上述のように両ECU10,60の起動に要する時間が数秒程度異なるならば、メータECU10が起動完了した時点で、ナビECU60の起動が完了していないこととなる。このような場合は、図4のS130にてメータECU10がメータ表示制御を開始した時点で、ナビECU60から起動完了通知はないので(S140:NO)、S150へ移行する。
【0049】
S150では、表示制御主体切替スイッチ20を自ECU側(つまり、メータECU10側)へ切り替える。そして、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を開始する(S160)。ここで、メータECU10が実行する「TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御」について説明する。この表示制御の具体例としては、例えばナビ表示領域32へ「Hello!」とか「Welcome」といった内容の表示を行うことが考えられる。また、表示領域全面を単一色で表示する制御であってもよい。さらには、何も表示しない制御であってもよい。このようなナビ表示領域32への表示制御を開始した後、ナビECU60からの起動完了通知を待つ(S170)。ナビECU60からの起動完了通知があれば(S170:YES)、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を終了する(S180)。
【0050】
一方、ナビECU60では、上述のように、起動が完了するとメータECU10へ起動完了通知を送る(S30)。そして、表示制御主体切替スイッチ20が自ECU側(つまり、ナビECU60側)に切り替わった状態か否か判断し(S40)、自ECU側に切り替わってなければ(S40:NO)、表示制御主体切替スイッチ20を自ECU側に切り替える(S50)。そして、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を開始する(S60)。
【0051】
このようにすることで次のような効果が発揮される。つまり、「起動完了していない」ナビECU60がTFT表示器30におけるナビ表示領域32に対する表示制御の制御主体となった場合には、ノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたりといった不都合が生じる可能性がある。それに対して本車載処理システムによれば、メータECU10が起動完了した時点でナビECU60の起動が完了していなくても、ナビECU60の起動が完了するまでの間、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御の制御主体をメータECU10が取ることができる。そのため、上述したノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたりといった不都合を防止できる。
【0052】
メータECU10がナビECU60の代わりに実行する表示制御に関しては、上述したように、例えば表示領域全面を単一色で表示する制御や、あるいは何も表示しない制御であってもよい旨を説明した。このような制御であっても、ノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたりといった不都合を防止する点では問題ない。そして、表示領域全面を単一色で表示する制御ならば、定電位で描画すればよく、複雑な描画機能をメータECU10が有していなくても良いため、配線増加による構成の複雑化、コストアップといった不都合が生じない。また、何も表示させない制御ならば非常に簡素な構成でよい。これであっても、不適切な表示状態を排除してメータの視認性を良くするという目的は十分達成できる。
【0053】
なお、上述の説明は、ACCスイッチ3オン→IGNスイッチ5オンという状態が連続的な動作で実行された場合を想定して説明した。しかし、これは運転者の操作次第であるため、例えば、ACCスイッチ3がオン状態になった後、IGNスイッチ5がオンされるまでに数秒以上要する場合もあり得る。その場合は、メータECU10が起動完了した時点で、ナビECU60から起動完了通知が来ていることも想定される。その場合は、図4のS140で肯定判断となり、S150〜S180の処理を実行することなく、S190へ移行する。S150の処理が実行されないので、表示制御主体切替スイッチ20は、ナビECU60側のままである。
【0054】
したがって、図3に示すナビECU60の実行する処理中のS40で肯定判断となり、S50の処理を実行することなくS60へ移行する。
続いて、スタータ100が使用される場合の対応について説明する。
【0055】
図4のS190に示すように、メータECU10は、スタータ100から出力されるスタータ(STA)信号がONとなったか否かを判断する。そして、スタータ信号がONとなった場合は(S190:YES)、表示制御主体切替スイッチ20を自ECU側(つまり、メータECU10側)へ切り替える(S200)。そして、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を開始する(S210)。この表示制御に関しては、S160の説明の際に行っているので、ここでは繰り返さない。そして、スタータ信号がOFFとなったら(S220:YES)、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を終了する(S230)。
【0056】
一方、ナビECU60では、スタータ信号がONされた後にOFFとなったか否かを判断し(S70)、そのような状態となった場合は(S70:YES)、表示制御主体切替スイッチ20を自ECU側(つまり、ナビECU60側)へ切り替える(S80)。
【0057】
エンジン始動のために運転者によってイグニッションキーが操作されてスタータ100が使用された場合、車載バッテリから供給される電源供給状態が変化(例えば電圧低下)することによって、一時的に通常動作ができなくなる。したがって、そのままナビECU60がTFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御の主体であり続けると、ナビゲーション画像等が一時的に表示されなくなったり、ノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたり、不安定な画像が表示されてしまうという不都合が考えられる。そのため、スタータ100が使用されている期間中は、メータECU10がナビECU60に代わってTFT表示器30におけるナビ表示領域32に対する表示制御の制御主体となる。このようにすれば、スタータ使用期間中にTFT表示器30におけるナビ表示領域32が不適切な表示状態となってしまうことを防止でき、メータ表示に対する視認性を低下や見映え悪化を防止できる。
【0058】
[B:表示制御主体切替スイッチ20の切替をメータECU10のみが実行する場合]
この場合の処理内容を、図5,6のフローチャートを参照して説明する。
この場合は、表示制御主体切替スイッチ20の切替をナビECU60は行わないため、ナビECU60が実行する処理は、図5に示すようにシンプルなものとなる。つまり、運転者によってイグニッションキーが操作されてアクセサリ給電(ACC)の状態になるとナビECU60は起動を開始し(S510)、所定時間後に起動が完了する(S520)。起動が完了すると、メータECU10へ起動完了通知を送る(S530)。そして、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を開始する(S540)。
なお、各ステップにおける処理内容に関して、図3を参照して説明した内容と重複する場合には、適宜説明を省略する。
【0059】
一方、メータECU10が実行する処理は、図6に示すようになる。なお、下記の説明における各ステップにおける処理内容に関して、図4を参照して説明した内容と重複する場合には、適宜説明を省略する。
【0060】
運転者によってイグニッションキーがさらに操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になるとメータECU10は起動を開始し(S610)、所定時間後に起動が完了する(S620)。起動が完了すると、TFT光源25をONすると共に、TFT表示器30のメータ表示領域31及び車両状態表示領域33への表示制御を開始する(S630)。
【0061】
S630にてメータECU10がメータ表示制御を開始した時点で、ナビECU60から起動完了通知がなければ(S140:NO)、表示制御主体切替スイッチ20を自ECU側(つまり、メータECU10側)へ切り替える(S650)。そして、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を開始する(S660)。ナビ表示領域32への表示制御を開始した後、ナビECU60からの起動完了通知があれば(S670:YES)、表示制御主体切替スイッチ20をナビECU60側に切り替える(S680)。そして、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を終了する(S690)。
【0062】
図5を参照して説明したように、ナビECU60としては、起動が完了すると(S520)、メータECU10へ起動完了通知を送り(S530)、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を開始する(S540)だけである。これに対して、メータECU10では、メータECU10が起動完了した時点でナビECU60の起動が完了していなくても、ナビECU60の起動が完了するまでの間、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を実行する。そして、ナビECU60からの起動完了通知があれば(S670:YES)、表示制御主体切替スイッチ20をナビECU60側に切り替える。したがって、その後は、ナビECU60の表示制御に基づくナビゲーション表示がなされることとなる。
【0063】
「起動完了していない」ナビECU60がTFT表示器30におけるナビ表示領域32に対する表示制御の制御主体となった場合には、ノイズ的な不定画像が表示されたり、ちらつきが生じたりといった不都合が生じる可能性があるが、上述した処理を実行すれば、やはりこのような不都合を防止できる。
【0064】
続いて、スタータ100が使用される場合の対応について説明する。
図6のS700に示すように、メータECU10は、スタータ100から出力されるスタータ(STA)信号がONとなったか否かを判断する。そして、スタータ信号がONとなった場合は(S700:YES)、表示制御主体切替スイッチ20を自ECU側(つまり、メータECU10側)へ切り替える(S710)。そして、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を開始する(S720)。
【0065】
そして、スタータ信号がOFFとなったら(S730:YES)、表示制御主体切替スイッチ20をナビECU60側へ切り替え(S740)、TFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を終了する(S750)。
【0066】
スタータ100が使用されている期間中は、メータECU10がナビECU60に代わってTFT表示器30におけるナビ表示領域32に対する表示制御の制御主体となる。そして、スタータ100が使用されなくなったら、メータECU10が表示制御主体切替スイッチ20をナビECU60側へ切り替えてやる。したがって、ナビECU60側としては、図5のS540にてTFT表示器30におけるナビ表示領域32への表示制御を開始したら、その後、スタータ100のON/OFFに関係なく処理を続行すればよい。
【0067】
つまり、スタータ100の使用期間中は実質的に表示制御を実行できなくなる場合もあるが、その場合は、メータECU10が代わりに表示制御を実行する。そして、スタータ100が使用されなくなればメータECU10が表示制御主体切替スイッチ20をナビECU60側へ切り替えてくれるので、ナビECU60が特に何ら特別な処理をしなくても、その後は、ナビECU60の表示制御による画像がTFT表示器30におけるナビ表示領域32へ表示されることとなる。
【0068】
このように、本車載処理システムによれば、メータパネル内においてメータECU10とは別のナビECU60によって生成される画像を表示させる場合に、車両が発進可能な状態になるまでの間において当該画像の表示状態が不適切な状態になることを適切に防止することができる。
【0069】
[別実施形態]
(1)上記実施形態では、第2の制御装置の具体例としてナビECU60を挙げて説明したが、他に、例えば車両周辺の撮像画像を表示する周辺監視制御装置などであってもよい。つまり、例えば処理内容の複雑さなどから一般的に起動完了までの時間がメータECU10よりも長く必要とされるものに関しては、上述したナビECU60の場合と同様の問題が生じるため、同様に適用できる。
【0070】
(2)上記実施形態では、ACCスイッチ3がオン状態になると電源供給がなされるナビECU60、IGNスイッチ5がオン状態になると電源供給がなされるメータECU10を例示した。そのため、運転者の操作によっては、ACCスイッチ3がオン状態になった後、IGNスイッチ5がオンされるまでに数秒以上要する場合もあり得ることを想定した。ただし、同じスイッチによって同時に電源供給がなされる構成を想定した場合には、必ずナビECU60の起動完了がメータECU10の起動完了よりも遅れることとなる。
【0071】
(3)上記実施形態では、メータ表示や車両状態表示もTFT表示器30への画像表示によって実現する場合を例にとって説明した。しかし、いわゆる機械式メータタイプを前提としても同様に実現できる。つまり、各種メータや警告灯がメータパネルに元々存在しており、指針照明光源、文字盤照明光源、警告灯照明光源などの点灯・消灯を制御することで、メータ表示や車両状態表示を行う場合である。
【0072】
もちろん、メータ表示や車両状態表示の一部を画像表示によって実現し、一部は機械式メータタイプの構成を採用するような場合であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施形態の車載処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態のTFT表示器の正面図である。
【図3】表示制御主体切替スイッチの切替をメータECU及びナビECUの両方が実行する場合の、ナビECUの実行する処理を示すフローチャートである。
【図4】表示制御主体切替スイッチの切替をメータECU及びナビECUの両方が実行する場合の、メータECUの実行する処理を示すフローチャートである。
【図5】表示制御主体切替スイッチの切替をメータECUのみが実行する場合の、ナビECUの実行する処理を示すフローチャートである。
【図6】表示制御主体切替スイッチの切替をメータECUのみが実行する場合の、メータECUの実行する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1…車両用表示装置、3…ACCスイッチ、5…IGNスイッチ、10…メータECU、15…車内LAN通信部、20…表示制御主体切替スイッチ、25…TFT光源、30…TFT表示器、31…メータ表示領域、31a…速度メータ画像、31b…タコメータ画像、31c…燃料残量メータ画像、31d…エンジン冷却水温メータ画像、32…ナビ表示領域、33…車両状態表示領域、60…ナビECU、61…操作スイッチ群、64…位置検出器、65…地図データ入力器、100…スタータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータに関する各種制御を実行するメータ制御装置と、
各種制御を実行し、且つ前記メータ制御装置よりも起動開始から完了までの時間が長い第2の制御装置と、
メータパネル内に設けられ、少なくとも前記第2の制御装置にて生成された画像を表示するための表示手段と、
を備え、
前記表示手段に対する表示制御は、前記第2の制御装置だけでなくメータ制御装置も実行可能に構成されており、
前記表示手段に対する表示制御の主体として、前記メータ制御装置及び第2の制御装置の内の何れかを選択して切り替え可能な制御主体切替手段を備え、この制御主体切替手段は、デフォルト状態では第2の制御装置が制御主体となるように設定されていると共に、メータ制御装置が切り替え可能に構成されており、
前記メータ制御装置は、
自装置の起動が完了するとメータに関する各種制御を実行すると共に、自装置の起動が完了した時点で第2の制御装置から起動完了を通知されていなければ、前記制御主体切替手段をメータ制御装置側に切り替え、前記表示手段に対して表示制御を実行し、その後、前記第2の制御装置から起動完了を通知されたら、前記制御主体切替手段を第2の制御装置側に切り替え、
前記第2の制御装置は、
自装置の起動が完了した時点で前記制御主体切替手段がメータ制御装置側に切り替わっていなければ、前記表示手段に対して表示制御を実行し、自装置の起動が完了した時点で前記制御主体切替手段がメータ制御装置側に切り替わっていれば、前記メータ制御装置へ起動完了を通知し、前記表示手段に対して表示制御を実行すること
を特徴とする車載処理システム。
【請求項2】
メータに関する各種制御を実行するメータ制御装置と、
各種制御を実行し、且つ前記メータ制御装置よりも起動開始から完了までの時間が長い第2の制御装置と、
メータパネル内に設けられ、少なくとも前記第2の制御装置にて生成された画像を表示するための表示手段と、
を備え、
前記表示手段に対する表示制御は、前記第2の制御装置だけでなくメータ制御装置も実行可能に構成されており、
前記表示手段に対する表示制御の主体として、前記メータ制御装置及び第2の制御装置の内の何れかを選択して切り替え可能な制御主体切替手段を備え、この制御主体切替手段は、デフォルト状態では第2の制御装置が制御主体となるように設定されていると共に、メータ制御装置及び第2の制御装置の何れもが切り替え可能に構成されており、
前記メータ制御装置は、
自装置の起動が完了するとメータに関する各種制御を実行すると共に、自装置の起動が完了した時点で第2の制御装置から起動完了を通知されていなければ、前記制御主体切替手段をメータ制御装置側に切り替え、前記表示手段に対して表示制御を実行し、
前記第2の制御装置は、
自装置の起動が完了した時点で前記制御主体切替手段がメータ制御装置側に切り替わっていなければ、前記表示手段に対して表示制御を実行し、自装置の起動が完了した時点で前記制御主体切替手段がメータ制御装置側に切り替わっていれば、前記メータ制御装置へ起動完了を通知し、前記制御主体切替手段を第2の制御装置側に切り替えると共に、前記表示手段に対して表示制御を実行すること
を特徴とする車載処理システム。
【請求項3】
メータに関する各種制御を実行するメータ制御装置と、
各種制御を実行し、且つスタータ使用時のバッテリからの電源供給状態の変化によって通常の表示制御の実行が困難になる第2の制御装置と、
メータパネル内に設けられ、少なくとも前記第2の制御装置にて生成された画像を表示するための表示手段と、
を備え、
前記表示手段に対する表示制御は、前記第2の制御装置だけでなくメータ制御装置も実行可能に構成されており、
前記表示手段に対する表示制御の主体として、前記メータ制御装置及び第2の制御装置の内の何れかを選択して切り替え可能な制御主体切替手段を備え、この制御主体切替手段は、デフォルト状態では第2の制御装置が制御主体となるように設定されていると共に、メータ制御装置が切り替え可能に構成されており、
前記メータ制御装置は、
メータに関する各種制御を実行すると共に、前記スタータの使用が開始されると、前記制御主体切替手段をメータ制御装置側に切り替え、前記表示手段に対して表示制御を実行し、その後、前記スタータの使用が終了したら、前記制御主体切替手段を第2の制御装置側に切り替え、
前記第2の制御装置は、
前記表示手段に対して表示制御を実行すること
を特徴とする車載処理システム。
【請求項4】
メータに関する各種制御を実行するメータ制御装置と、
各種制御を実行し、且つスタータ使用時のバッテリからの電源供給状態の変化によって通常の表示制御の実行が困難になる第2の制御装置と、
メータパネル内に設けられ、少なくとも前記第2の制御装置にて生成された画像を表示するための表示手段と、
を備え、
前記表示手段に対する表示制御は、前記第2の制御装置だけでなくメータ制御装置も実行可能に構成されており、
前記表示手段に対する表示制御の主体として、前記メータ制御装置及び第2の制御装置の内の何れかを選択して切り替え可能な制御主体切替手段を備え、この制御主体切替手段は、デフォルト状態では第2の制御装置が制御主体となるように設定されていると共に、メータ制御装置及び第2の制御装置の何れもが切り替え可能に構成されており、
前記メータ制御装置は、
メータに関する各種制御を実行すると共に、前記スタータの使用が開始されると、前記制御主体切替手段をメータ制御装置側に切り替え、前記表示手段に対して表示制御を実行し、
前記第2の制御装置は、
前記表示手段に対して表示制御を実行し、前記スタータの使用が終了したら、前記制御主体切替手段を第2の制御装置側に切り替えること
を特徴とする車載処理システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の車載処理システムにおいて、
前記メータ制御装置が前記第2の制御装置の代わりに前記表示手段に対して実行する表示制御は、表示領域全面を単一色で表示する制御であること
を特徴とする車載処理システム。
【請求項6】
請求項1〜4の何れかに記載の車載処理システムにおいて、
前記メータ制御装置が前記第2の制御装置の代わりに前記表示手段に対して実行する表示制御は、何も表示しない制御であること
を特徴とする車載処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−230451(P2007−230451A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56840(P2006−56840)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】