説明

軸受兼用シール部材並びにこれを用いた現像装置および画像形成装置

【課題】小型化且つ製造が容易な軸受部材とシール部材とが一体的に形成された軸受兼用シール部材並びにこれを用いた現像装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】回転軸を回転自在に支持する軸受部材154と、前記軸受部材154の軸方向に沿った一側に一体的に設けられ、前記回転軸をシールするシール部材155と、前記軸受部材154及び前記シール部材155のうち、一方の部材から他方の部材に向けて前記軸方向に沿って延長され、延長方向の先端側が基端側よりも前記軸方向と交差する方向に突出して前記軸受部材154と前記シール部材155とを一体的に結合する結合部160とを備えるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、軸受兼用シール部材並びにこれを用いた現像装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記現像装置に用いられるシール部材としては、例えば、特開平03−189666号公報、特開2002−323139号公報、特許第4072589号公報、特許第4105370号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0003】
特開平03−189666号公報に係る現像装置は、前方に開口部を有する現像剤容器と、該開口部に配設され磁界発生手段を内包した現像剤担持体と、上記現像剤容器内部に回転軸を有して回転自在に配設された該現像剤容器内の現像剤を攪拌して上記現像剤担持体側へ現像剤を搬送せしめる攪拌部材とを備えた現像装置において、上記現像剤容器の側板に形成された上記回転軸のための取付穴の内径に配設された金属製軸受部材と、該軸受部材よりも現像剤容器の内部側にて上記取付穴をシールするシール部材とを備え、上記軸受部材と上記シール部材は非磁性部材で形成されているように構成したものでる。
【0004】
特開2002−323139号公報に係る軸受兼用シール装置は、中心部に回転軸を貫通する軸孔を形成した円筒状若しくはリング状の合成樹脂製の支持リングと、先端部に前記回転軸に摺接するリップ部を有するシール体とを備え、前記支持リングの軸孔の内周側に前記シール体の半径方向外方に向いた基部をインサート成形にて一体化するとともに、該支持リングの軸孔の一部に前記回転軸に直接摺接し又は前記リップ部を介して回転軸を回転可能に支持する軸受部を形成してなるものである。
【0005】
第4072589号公報に係る回転部材のシール構造は、現像剤を収容した現像容器内に回転部材が設けられ、該回転部材の回転軸が前記容器に軸受を介して回転自在に支持され、シール部材によって前記回転軸と軸受との間への現像剤の侵入を防止するシール構造であって、前記シール部材は、前記回転軸よりも小径の貫通孔を有する円盤状の弾性材料からなり、前記軸受は、前記シール部材を係合するための軸受ケースを備え、容器内側からシール部材を軸受ケースに固定するためのリング部材が設けられ、リング部材は、軸受けケースと同一の材料からなり、円筒状のリング部材の内周面は、外端側の内径が内端側の内径より小とされたテーパ状に形成され、前記シール部材に、前記回転軸により前記貫通孔が押し広げられて、自身の復元力を利用して前記回転軸に摺接するリップ部が形成され、前記シール部材の貫通孔の周囲に、リップ部を形成するために折り癖が付けられ、前記リップ部の先端が前記容器の外側を向くように前記シール部材が配置されたものである。
【0006】
特許第4105370号公報に係るローラ支持用軸受装置は、軸受と、この軸受内部を保護するリップパッキンとを備えてなるローラ支持用軸受装置において、前記リップパッキンは、弾性体の一体成形品からなり、該一体成形品は前記軸受に支持される支持軸の周面に摺接するリップ部と、前記軸受に固定される固定部とから構成され、前記軸受に形成されるリップパッキン嵌合固定部分は、前記支持軸の軸中心と同心円状で、軸中心線方向および軸径方向にそれぞれ所定の凹み長さを有する圧入溝を有し、前記リップパッキンの固定部は、前記圧入溝に嵌合するための凸部が形成されて、この固定部が前記軸受のリップパッキン嵌合固定部分に補強環を使用することなく圧入嵌合されてなるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平03−189666号公報
【特許文献2】特開2002−323139号公報
【特許文献3】特許第4072589号公報
【特許文献4】特許第4105370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明が解決しようとする課題は、小型化且つ製造が容易な軸受部材とシール部材とが一体的に形成された軸受兼用シール部材並びにこれを用いた現像装置および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載された発明は、回転軸を回転自在に支持する軸受部材と、
前記軸受部材の軸方向に沿った一側に一体的に設けられ、前記回転軸をシールするシール部材と、
前記軸受部材及び前記シール部材のうち、一方の部材から他方の部材に向けて前記軸方向に沿って延長され、延長方向の先端側が基端側よりも前記軸方向と交差する方向に突出して前記軸受部材と前記シール部材とを一体的に結合する結合部と、を備えたことを特徴とする軸受兼用シール部材である。
【0010】
請求項2に記載された発明は、回転軸を回転自在に支持する軸受孔を有する軸受部材と、
前記軸受部材の軸方向に沿った一側に一体的に設けられ、前記回転軸をシールするシール部材と、
前記軸受部材及び前記シール部材のうち、一方の部材から他方の部材に向けて前記軸方向に沿って延長され、延長方向の先端側が基端側よりも前記軸方向と交差する方向に突出して前記軸受部材と前記シール部材とを一体的に結合する結合部と、
前記軸受部材の前記シール部材側の端面であって、前記軸受孔よりも半径方向外側に設けられ、前記シール部材の内側面を成形する金型部材の先端面を突き当てることにより、前記シール部材の射出成形時にバリが発生するのを抑止するバリ発生抑止部と、を備えたことを特徴とする軸受兼用シール部材である。
【0011】
請求項3に記載された発明は、前記バリ発生抑止部は、前記軸受孔の外周に段差部または傾斜面を介して当該軸受孔の全周にわたって環状に突出した状態で設けられていることを特徴とする請求項2に記載の軸受兼用シール部材である。
【0012】
請求項4に記載された発明は、前記結合部は、前記シール部材から前記軸受部材に向けて前記軸方向に沿って円柱形状に延長された円柱状部と、
前記円柱状部の先端側に基端側よりも外径が大きく設定された大径部と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の軸受兼用シール部材である。
【0013】
請求項5に記載された発明は、前記シール部材は、その半径方向の内周側に前記回転軸の前記軸方向に沿って円筒形状に設けられ、前記回転軸の外周面に接触してシールするリップ部を有しており、
前記リップ部は、その先端部の内径が前記回転軸の外径よりも小さく設定されているとともに、その基部の内径が前記回転軸の外径よりも大きく設定されており、先細り状に傾斜して配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の軸受兼用シール部材である。
【0014】
請求項6に記載された発明は、前記シール部材は、前記軸受部材を介して前記回転軸を回転自在に支持する支持部材に設けられた装着孔に挿入されて使用され、当該シール部材の外径が前記支持部材の前記装着孔の内径よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の軸受兼用シール部材である。
【0015】
請求項7に記載された発明は、前記結合部は、前記回転軸の周方向に沿って3箇所以上等間隔に設けられたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の軸受兼用シール部材である。ここで、「等間隔」とは、正確に等間隔である場合を含むことは言うまでもないが、略等間隔の場合も含む概念である。略等間隔の場合においても、後述する請求項7の効果を奏するからである。
【0016】
請求項8に記載された発明は、内部に収容された現像剤を攪拌しつつ搬送するように回転駆動される攪拌搬送部材と、
前記攪拌搬送部材によって攪拌しつつ搬送される前記現像剤を担持する現像剤担持体と、
現像装置本体に設けられた装着孔に装着され、前記攪拌搬送部材の回転軸を回転自在に支持する請求項1乃至7のいずれかに記載の軸受兼用シール部材と、
を備えたことを特徴とする現像装置である。
【0017】
請求項9に記載された発明は、画像情報に応じた静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する請求項8に記載の現像装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、小型化且つ製造が容易な軸受兼用シール部材を提供することができる。
【0019】
請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、小型化且つ製造が容易な軸受兼用シール部材を提供することができるのみならず、シール部材の内周にバリが発生するのを抑止することができる。
【0020】
請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、前記シール部材の内側面を成形する金型部材の先端面をバリ発生抑止部に突き当てることにより、軸受部材の軸受孔が変形するのを回避できる。
【0021】
請求項4に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、簡単な構造で軸受部材とシール部材とを一体的に形成することができる。
【0022】
請求項5に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、リップ部の弾性変形を利用してシールするためシール部材からの漏れを確実に防止できる。
【0023】
請求項6に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、シール部材外径の弾性変形を利用してシールするため回転軸の周方向に沿って安定したシールが可能となる。また、樹脂軸受けでシールする場合と比較して圧入抵抗が小さいためシールするために必要な外径寸法交差を緩和できる。
【0024】
請求項7に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、軸受部材とシール部材の中心位置を高精度に位置決め固定することができる。
【0025】
請求項8に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、現像装置を小型化した場合であっても、現像装置によって良好な現像が可能となる。
【0026】
さらに、請求項9に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、画像形成装置を小型化した場合であっても、現像装置によって良好な現像が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材を示す断面構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材を適用した画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラープリンタを示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材を適用した画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラープリンタの画像形成部を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材を適用した画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラープリンタの画像露光装置を示す斜視構成図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材を適用した画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラープリンタの現像装置を示す断面構成図である。
【図6】現像装置の軸受部を示す断面構成図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材を示す斜視構成図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材の製造装置を示す断面構成図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材の製造装置を示す断面構成図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材の製造装置を示す断面構成図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材の製造装置を示す断面構成図である。
【図12】シール部材のリップ部の内径及び肉厚を示す模式図である。
【図13】シール部材のリップ部の内径及び肉厚と回転軸のトルクの関係を示すグラフである。
【図14】この発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材の変形例を示す断面構成図である。
【図15】この発明の実施の形態2に係る軸受兼用シール部材を示す断面構成図である。
【図16】軸受兼用シール部材の成形時の要部を示す断面構成図である。
【図17】軸受兼用シール部材の成形時の要部を示す断面構成図である。
【図18】この発明の実施の形態2に係る軸受兼用シール部材の製造装置を示す断面構成図である。
【図19】この発明の実施の形態2に係る軸受兼用シール部材のバリ発生抑止部の潰し量を示す断面構成図である。
【図20】この発明の実施の形態2に係る軸受兼用シール部材の製造装置を示す断面構成図である。
【図21】この発明の実施の形態2に係る軸受兼用シール部材の製造装置を示す断面構成図である。
【図22】この発明の実施の形態2に係る軸受兼用シール部材の製造装置を示す断面構成図である。
【図23】この発明の実施の形態2に係る軸受兼用シール部材の変形例を示す構成図である
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
〔実施の形態1〕
(画像形成装置)
図2はこの発明の実施の形態1に係る軸受兼用シール部材を用いた画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンタを示すものである。
【0030】
図2に示すように、プリンタ本体1の内部には、その略中央部に、画像形成部2が鉛直方向に沿って上下に配設されている。また、プリンタ本体1の内部には、画像形成部2の一側(図2の紙面右側)に、画像形成部2で形成された複数色のトナー像が転写される転写材を吸着した状態で搬送する用紙搬送ベルトユニット3が配設されているとともに、画像形成部2の他側(図2の紙面左側)には、制御回路等を備えた制御ユニット4が、画像形成部2の斜め下方に、高圧電源回路等を備えた電源回路ユニット5が、それぞれ配設されている。また、上記プリンタ本体1内の底部には、転写材としての転写用紙37等を給紙する給紙装置39が配設されている。
【0031】
画像形成部2は、下から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像を形成する4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kを備えており、これらの4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kは、鉛直方向に沿って一定の間隔を隔てて並列的に配設されている。
【0032】
これらの4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kは、形成する画像の色以外はすべて同様に構成されており、大別して、図3に示すように、矢印方向に沿って所定の回転速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム8と、この感光体ドラム8の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール9と、後述する画像露光装置21によって感光体ドラム8の表面に各色に対応した画像露光を施して静電潜像を形成するための画像露光用通路10と、感光体ドラム8上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する現像装置11(11Y、11M、11C、11K)と、感光体ドラム8上に残留した転写残トナーをクリーニングするクリーニング装置12とから構成されている。
【0033】
なお、現像剤110としては、トナーおよびキャリア等を含む所謂二成分現像剤であっても、トナーのみからなる所謂一成分現像剤であってもよく、本実施の形態では、トナーおよびキャリアを含む所謂二成分現像剤を用いている。
【0034】
画像露光装置21は、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kが共通に構成されている。イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データに基づいてレーザービームLBを出射する4つの半導体レーザー14と、4つの半導体レーザー14からそれぞれ出射された4本のレーザービームLBを平行光化するコリメータレンズ15と、半導体レーザー14から出射されたレーザービームLBを反射する反射ミラー16と、この反射ミラー16で反射されたレーザービームLBを偏向走査する回転多面鏡17と、この回転多面鏡17で反射されたレーザービームLBを各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの感光体ドラム8上に走査露光する複数枚の反射ミラー18(18Y、18M、18C、18K)、19(19M、19C)と、レーザービームLBを透過する透過ガラス20とを備えるように構成されている。なお、反射ミラー18、19は、レーザービームLBの偏向角度(θ)に応じて焦点距離(f)を変える機能を有している。
【0035】
また、画像露光装置21によって感光体ドラム8上に走査露光されるレーザービームLBは、図2に示すように、半導体レーザー14から出射されたレーザービームLBを、コリメータレンズ15を介して回転多面鏡17の表面にスポット状に照射し、高速で回転駆動される回転多面鏡17の各表面によって反射することにより、感光体ドラム8の表面に走査露光されるものである。そのため、レーザービームLBは、図4に示すように、高速で回転駆動される回転多面鏡17の各表面によって反射されることにより、略扇形状に感光体ドラム8の表面に走査露光される。
【0036】
また、現像装置11は、図3に示すように、内部に現像剤110が収容された現像装置本体111を備えており、現像装置本体111の一端部には、感光体ドラム8に対向する位置に開口部112が設けられている。この現像装置本体111の開口部112には、現像剤担持体としての現像ロール113が配置されている。この現像ロール113は、内部に固定した状態で装着されるマグネットロール114と、マグネットロール114の外周に矢印方向に沿って回転可能に装着された現像スリーブ115とから構成されている。
【0037】
さらに、現像装置本体111の内部には、現像ロール113に対して現像剤110を供給する供給パドル116が、現像ロール113の斜め下方に回転可能に配置されているとともに、現像ロール113の表面に供給された現像剤110の層厚を規制する層厚規制部材117が、供給パドル116よりも開口部112側の位置に固定した状態で配置されている。
【0038】
また、現像装置本体111の内部には、供給パドル116の背面側に、現像装置本体111の内部に収容された現像剤110を攪拌しつつ、図面に垂直な互いに逆方向に現像剤110を攪拌しつつ、供給パドル116へと現像剤110を供給する第1及び第2の攪拌搬送用オーガー118、119が回転可能に設けられている。上記第1及び第2の攪拌搬送用オーガー118、119の間は、図5に示すように、仕切り壁120によって仕切られており、仕切り壁120の長手方向に沿った両端部には、これら第1及び第2の攪拌搬送用オーガー118、119の間で現像剤110の受け渡しを行うための通路121、122が設けられている。
【0039】
供給パドル116は、図3及び図5に示すように、回転軸123の外周に半径方向外方へ向けて平板状のパドル部材124を、周方向に沿って例えば互いに90度の角度を成すように4枚取り付けたものが用いられる。この供給パドル116は、回転軸120の軸方向に沿った両端部に突出した端部が現像装置本体111の両側壁125、126に回転自在に取り付けられている。
【0040】
また、第1及び第2の攪拌搬送用オーガー118、119は、図5に示すように、回転軸127、128の外周に攪拌搬送用の羽根129、130を予め定められたピッチで螺旋状に設けたものが用いられる。これらの第1及び第2の攪拌搬送用オーガー118、119も、回転軸127、128の軸方向に沿った両端部に突出した端部が現像装置本体111の側壁125、126に回転自在に取り付けられている。
【0041】
そして、現像装置11では、図3に示すように、第1及び第2の攪拌搬送用オーガー118、119によって循環するように攪拌搬送されるとともに、第1の攪拌搬送用オーガー118から供給パドル116によって現像ロール113へと供給された現像剤110の層厚を、層厚規制部材117によって所定の値に規制しながら、感光体ドラム8と対向する現像領域へと搬送し、感光体ドラム8の表面に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像するようになっている。
【0042】
さらに、クリーニング装置12は、図3に示すように、感光体ドラム8の表面に残留した転写残トナーを、クリーニングブレード26によって除去し、除去された転写残トナーをクリーニング装置12の内部27へと回収して収容するように構成されている。
【0043】
一方、プリンタ本体1の内部には、図2に示すように、制御ユニット4が配設されている。この制御ユニット4には、例えば、画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理装置30が設けられている。この画像処理装置30からは、画像露光装置21にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが順次出力され、この画像露光装置21から画像データに応じて出射される4本のレーザービームLBが、それぞれの感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に走査露光されて静電潜像が形成される。各感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に形成された静電潜像は、現像装置11Y、11M、11C、11Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0044】
さらに、上記用紙搬送ベルトユニット3は、図2に示すように、無端状ベルトとして、切れ目が無く循環し移動する用紙搬送ベルト31を備えている。用紙搬送ベルト31は、各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kで形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像が転写される転写用紙37を静電的に吸着した状態で搬送するように構成されている。また、用紙搬送ベルトユニット3は、後述する反転用の用紙搬送経路50に設けられた搬送ロール49と共に一体的にユニット化されており、転写用紙37のジャム等が発生した場合に、図2に破線で示すように、プリンタ本体1のフロントカバー32を開けることにより、プリンタ本体1に対して時計周り方向に回動した退避位置に移動可能となっている。
【0045】
用紙搬送ベルト31は、図2に示すように、鉛直方向に沿って配設された駆動ロール33と従動ロール34との間に、所定のテンションで張架されており、例えば、駆動モータ35によって図示しないギア等を介して回転駆動される駆動ロール33によって、所定の速度で時計周り方向に沿って循環移動するように構成されている。駆動ロール33と従動ロール34との距離は、例えば、A3サイズの転写用紙37の長さと略等しい長さに設定されているが、これに限らず、駆動ロール33と従動ロール34との距離は、任意に設定して良いことは勿論である。用紙搬送ベルト31としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0046】
また、従動ロール34の表面には、図2に示すように、転写用紙37を用紙搬送ベルト31の表面に静電的に吸着させるための吸着ロール36が、用紙搬送ベルト31を介して当接するように配設されている。この吸着ロール36は、例えば、画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの帯電ロール9と同様に、金属製芯金の表面に導電性ゴムを被覆して構成されており、金属製芯金に所定の吸着用のバイアス電圧が印加されるようになっている。そして、吸着ロール36は、給紙装置39から送られてくる転写用紙37を静電的に帯電して、用紙搬送ベルト31の表面に吸着させるように構成されている。
【0047】
各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、用紙搬送ベルト31の表面に吸着された状態で搬送される転写用紙37上に、転写ロール38Y、38M、38C、38Kによって互いに重ね合わされた状態で多重に転写される。なお、転写ロール38Y、38M、38C、38Kは、図2に示すように、用紙搬送ベルトユニット3側に一体的に取り付けられている。
【0048】
転写用紙37は、図2に示すように、プリンタ本体1の底部に配設された給紙装置39から給紙される。この給紙装置39は、所望のサイズや材質の転写用紙37を収容した用紙トレイを備えており、当該用紙トレイからは、所望のサイズや材質の転写用紙37が給送ロール40によって給送されるとともに、供給ロール41と捌きロール42によって1枚ずつ分離された状態で給紙され、レジストロール43を介して所定のタイミングで用紙搬送ベルト31上の吸着位置へと搬送されるようになっている。
【0049】
なお、転写用紙37としては、シート状部材であって、例えば、A4サイズやA3サイズ、あるいはB5サイズやB4サイズなど種々のサイズ、及び、普通紙、コート紙等の厚紙や、OHPシートなど、種々の材質のものが用いられる。
【0050】
そして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像が多重に転写された転写用紙37は、図2に示すように、転写用紙37自身が有する剛性(所謂、コシ)によって用紙搬送ベルト31から分離された後、ガイド部材53を介して定着装置44へと搬送され、定着装置44によって熱及び圧力で、各色のトナー像が転写用紙37上に定着される。用紙搬送ベルト31と定着装置44は、近接して配設されており、定着装置44から分離された転写用紙37は、用紙搬送ベルト31の搬送力によって定着装置44へと搬送される。その後、各色のトナー像が定着された転写用紙37は、定着装置44の出口ロール45を介して、排出ロール46によって、プリンタ本体1の上部に設けられた排出トレイ47上にプリント面を下にした状態で排出され、プリント動作が終了する。
【0051】
なお、上記フルカラープリンタでは、フルカラーの画像に限らず、モノクロなど所望の色の画像をプリントすることが可能となっており、プリントする画像の色に応じて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のすべて、又は一部の画像形成部7Y、7M、7C、7Kによってトナー像が形成される。
【0052】
また、上記フルカラープリンタによって転写用紙37の両面に画像を形成する場合には、定着装置44によって片面に画像が定着された転写用紙37を、そのまま排出ロール46によって排出トレイ47上に排出せずに、転写用紙37の後端が排出ロール46によって保持された状態で、排出ロール46を一旦停止させて逆転させるとともに、切り替えゲート48によって、転写用紙37の搬送経路を上方に切り替え、プリンタ本体1の一側面に沿って設けられた搬送ロール49を備えた反転用の用紙搬送経路50へと搬送する。そして、用紙搬送経路50に搬送された転写用紙37は、その表裏が反転された状態で、再度、レジストロール43によって用紙搬送ベルト31の吸着位置まで搬送され、裏面にトナー像が転写された後、定着装置44によって熱及び圧力で定着処理が施され、排出ロール46によってプリンタ本体1の上部に設けられた排出トレイ47上に排出されるようになっている。
【0053】
なお、図2中、符号51はプリンタ本体1の側面に設けられた図示しない手差しトレイから、所望のサイズ及び材質の転写材を給紙するための給紙ロールを、符合52は給紙ロール51によって給紙された転写材をレジストロール43へ搬送する搬送ロールをそれぞれ示している。
【0054】
ところで、この実施の形態1に係る現像装置11の現像装置本体111には、図5及び図6に示すように、供給パドル116の回転軸123及び第1、第2の攪拌搬送オーガー118、119の回転軸127、128の両端部に対応した位置に、これら供給パドル116の回転軸123及び第1、第2の攪拌搬送オーガー118、119の回転軸127、128を回転自在に支持するとともに、現像剤110の漏れを防止するシール部材としての機能を備えた軸受け兼用のシール部材150を装着するための装着孔151がそれぞれ設けられている。これら装着孔151は、予め定められた内径を有する円筒形状に形成されているとともに、現像装置本体111の内部側の端部152は、装着孔151の内径が小さく設定されており、軸受兼用シール部材150の端面153が当接するように構成されている。
【0055】
(軸受兼用シール部材)
供給パドル116の回転軸123及び第1、第2の攪拌搬送オーガー118、119の回転軸127、128を支持する軸受兼用シール部材150は、これらの回転軸123、127、128の外径に対応した内径等に設定される以外は、基本的に同様に構成されている。
【0056】
軸受兼用シール部材150は、図1に示すように、回転軸123、127、128を回転自在に支持する軸受部材154と、軸受部材154の軸方向に沿った一側に一体的に設けられて回転軸123、127、128をシールするシール部材155とから構成されている。
【0057】
軸受部材154は、図1に示すように、回転軸123、127、128の外径に対応して予め定められた内径と、装着孔151の内径に対応して予め定められた外径とを有する円筒形状に形成されている。この軸受部材154は、例えば、外径が約8mm、内径が約4mmに設定されており、非常に小型に形成されている。ただし、軸受部材150の寸法形状は、上記の値に限定されるものではなく、これによりも大きく設定しても、あるいは小さく設定しても良い。軸受部材154は、例えば、PA、PC、POM、PET、PBT、PPE、PPS、ABS、PS、PP等の良好な摺動性を有する合成樹脂を射出成形することによって形成される。
【0058】
また、シール部材155は、図1に示すように、軸受部材154の軸方向に沿った一端側、即ち現像装置本体111の内部側において軸受部材154と一体的に設けられる。シール部材155は、回転軸123、127、128の軸方向に沿って予め定められた長さを有する円筒形状に形成された円筒部156と、円筒部156の軸方向の一端側(内部側)であって、且つ内周端に斜めに傾斜して突出した状態で設けられたリップ部157と、円筒部156の軸方向の一端側(内部側)であって、且つ外周端に円筒部156と等しい外径で突出した状態で設けられた外周円筒部158とから構成されている。リップ部157及び外周円筒部158の軸方向の一端側(内部側)に位置する端面153は、軸方向に対して略垂直に交差する同一平面を形成するように構成されている。
【0059】
なお、円筒部156の内径は、その軸受部材154側の端部156aのみが予め定められた微小な長さにわたって、回転軸123、127、128の外径と等しいか僅かに小さく設定されており、円筒部156の他の部分156bの内径は、摺動抵抗を小さくするため、回転軸123、127、128の外径よりも僅かに大きな値に設定されている。
【0060】
リップ部157は、予め定められた肉厚tを有し、且つ半径方向の内側に向けて予め定められた角度θ(例えば、約9度)だけ傾斜した状態で設けられている。また、上記リップ部157の外周と外周円筒部158の内周との間には、リップ部157が半径方向の外側に向けて弾性変形可能なように、軸方向外方向へ向けて開口された空所159が設けられている。
【0061】
シール部材155の材料としては、軸受兼用シール部材150の材料を考慮すれば、熱可塑性エラストマーを使用するのが望ましい。シール部材155は、従来、ニトリルゴム等の熱硬化性のゴム材料によって形成されていたが、後述するように、射出成形等の工程によって軸受兼用シール部材150を製造する場合には、加熱することによって溶融乃至軟化する熱可塑性を有するエラストマー(高分子弾性材料)が適している。
【0062】
軸受部材154を構成する材料としては、上述したように、種々の合成樹脂を使用することができるが、軸受け部材としての良好な摺動性(低摺動性)を考慮すると、POMを使用するのが望ましい。
【0063】
本発明者が検討した軸受兼用シール部材150を構成する軸受部材154とシール部材155との接着性によれば、軸受部材154を構成する材料としてのPOMは、シール部材155としての熱可塑性エラストマーと接着(固着)しないことが知られている。
【0064】
そこで、軸受部材154を構成する材料として良好な摺動性(低摺動性)を有するPOMを選択し、シール部材155として熱可塑性エラストマーを選択した場合、これらの材料を一体化させて軸受兼用シール部材150を形成する上で、軸受部材154とシール部材155とを強固に一体化させて、軸方向あるいは半径方向に沿った荷重が複雑に作用した場合であっても、良好な軸受け性能とシール性能とを両立する必要がある。
【0065】
その理由は、軸受部材154とシール部材155とが使用中に分離乃至離間した場合には、回転軸123、127、128の傾斜はゼロでは無い為、分離乃至離間距離が大きくなる程、リップ部と回転軸との間の接触圧(シール性)の偏りが大きくなり、シール部材155のシール不良による現像剤110の漏れ等の原因となり易いためである。また分離乃至離間することで軸受けが傾き易くなり軸受抵抗の増大に伴う軸受部材154の低寿命化が生じる。
【0066】
この実施の形態1に係る軸受兼用シール部材150は、軸受部材154及びシール部材155のうち、一方の部材から他方の部材に向けて軸方向に沿って延長され、延長方向の先端側が基端側よりも軸方向と交差する方向に突出して軸受部材154とシール部材155とを一体的に結合する結合部160とを備えるように構成されている。
【0067】
すなわち、軸受兼用シール部材150のシール部材155には、図1及び図7に示すように、その円筒部156の軸受部材154側の端面に、シール部材155から軸受部材154に向けて軸方向に沿って円柱形状に延長された結合部160の一部を構成する円柱部161が、周方向に沿って互いに120度の角度を成すように軸方向に沿って3つ突出した状態で設けられている。また、3つの円柱部161の先端には、延長方向の先端側が基端側よりも軸方向と交差する方向に突出した結合部160の一部としての大径部162が設けられている。この大径部162は、図7(d)に示すように、例えば、円柱部161よりも直径が大きな円柱形状に形成され、延長方向の先端側の部分である大径部162が、基端側の部分である円柱部161よりも軸方向と交差する方向に突出した結合部160を構成している。なお、上記結合部160の数は、3個に限定されるものではなく、1個又は2個、あるいは4個以上であっても良い。
【0068】
これに対応して、軸受部材154には、3つの結合部160が挿入された状態で配置される3つの凹部163が形成されており、これらの3つの凹部163の形状は、結合部160に対応した形状に設定されている。ただし、結合部160の大径部162が挿入される第2の凹部165の軸方向の長さは、反対側の面に貫通するように大径部162の軸方向の長さよりも長く形成されている。
【0069】
また、上記円柱部161及び大径部162からなる結合部160は、図1に示すように、軸受部材154の内部に設けられているため、例えば、外径が約8mm、内径が約4mm、厚さが約2mmにそれぞれ設定された軸受部材154の内部に形成する必要がある。
【0070】
結合部160を構成する大径部162は、図7(e)に示すように、軸受部材154の半径方向ではなく、基端側である円柱部161よりも軸方向と交差する方向のうち、半径方向内外方向ではなく、周方向に沿った長さが長くなるようにしても良い。このように大径部162を略長方形状乃至略扇型形状に形成することによって、円柱部161と大径部162との段差(面積)を大きくして抜け止め防止効果に起因した結合効果を高めることができる。
【0071】
(軸受兼用シール部材の製造装置および製造方法)
上記の如く構成される軸受兼用シール部材150は、例えば、次のようにして製造される。
【0072】
図8及び図9は軸受兼用シール部材150を製造するための製造用金型からなる製造装置200を示すものである。
【0073】
製造装置200は、図8に示すように、大別して、軸受部材154を成形するための第1の製造用金型201と、第1の製造用金型201によって成形された軸受部材154を装着した状態で、軸受部材154と一体的にシール部材155を成形するための第2の製造用金型202とから構成されている。
【0074】
第1の製造用金型201は、図8(a)に示すように、軸受部材154を形成する合成樹脂の原材料203を投入して、合成樹脂の原材料203を加熱溶融するとともに加圧して金型のキャビティに圧入するための溶融加圧装置204と、軸受部材154を成形するための固定側の金型205と、軸受部材を形成するキャビティが形成された可動側の金型206とを備えている。溶融加圧装置204によって溶融加圧された合成樹脂の原材料203は、固定側金型206に設けられた圧入通路207を介して可動側の金型206内キャビティ208に射出され、軸受部材154が成形される。また、固定側の金型205及び可動側の金型206には、結合部160および軸受孔を成形するための中子209〜211が一体的又は分離可能に設けられている。
【0075】
そして、第1の製造用金型201によって図7(b)に示すような軸受部材154が成形される。
【0076】
その後、上記軸受部材154は、第1の製造用金型201から取り出され、図8(b)に示すように、第2の製造用金型202内にセットされる。この第2の製造用金型202は、シール部材155を軸受部材154と一体的に成形するための固定側の金型213と、軸受部材154をセットするとともにシール部材155を形成するキャビティが形成された可動側の金型213とを備えている。
【0077】
上記の如く第1の製造用金型201によって成形された軸受部材154は、可動側の金型213内に設けられたキャビティ214の予め定められた位置にセットされ、図9に示すように、可動側の金型213を移動させて固定側の金型212に固定し、固定側金型213に設けられた圧入通路215を介して可動側の金型213内のキャビティ214に、加熱溶融された熱可塑性エラストマーが射出され、シール部材155が軸受部材154と一体的に成形される。また、固定側の金型212には、シール部材155のリップ部157などを成形するための中子216や217などが一体的又は分離可能に設けられている。なお、結合部160は、軸受部材154に予め成形された凹部164、165に溶融した熱可塑性エラストマーが流れ込むことによって一体的に成形される。
【0078】
なお、上述した製造装置200は、あくまで一例であって、本発明に係る軸受兼用シール部材150を製造するための製造装置としては他のものを用いても良い。
【0079】
図10及び図11に示すように、回転式のテーブル401に一次金型402と二次金型403とを装着し、一次金型402によって軸受部材154を成形した後に(図10(a))、軸受部材154を一次金型の固定側の金型406に残したまま回転式のテーブル401を回転させて(図10(b))、2次金型403でシール部材155を軸受部材154と一体的に成形するように構成しても良い(図10(c))。またその時、一次金型402には軸受部材154が成形される(図10(d))。
【0080】
この回転2色式の製造装置400の場合には、軸受部材154を先に成形した後、軸受部材154を一旦金型から取り出す必要がないので、軸受兼用シール部材150の製造を自動化するのに適しており品質が安定し、コストダウンも可能となる。また、製造装置400による軸受兼用シール部材150の製造方法は、軸受部材154とシール部材155の同軸精度を前記した製造装置200による製造方法よりも高精度に成形できる。
【0081】
また、図12及び図13は、シール部材155のリップ部157の内径及び肉厚と回転軸のトルクとの関係を調べたものである。これによれば、リップ部157の内径及び肉厚をある定められた範囲に規定することにより、現像剤110の漏れを防止しつつ、回転軸の駆動トルクが上昇するのを回避することができることが判った。
【0082】
以上の構成において、この実施の形態1では、次のようにして、小型化且つ製造が容易な軸受兼用シール部材を提供することが可能となっている。
【0083】
すなわち、この実施の形態1に係る軸受兼用シール部材を適用した現像装置及び画像形成装置としてのカラープリンタでは、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kにおいて対応する色のトナー像が順次形成され、これら各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kの感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、用紙搬送ベルト31の表面に静電的に吸着された状態で搬送される転写用紙37上に順次多重に転写される。
【0084】
そして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)等の各色のトナー像が転写された転写用紙37は、図2に示すように、定着装置44によって定着処理が施され、プリンタ本体1の上部に設けられた排出トレイ47上に排出される。
【0085】
その際、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット7Y、7M、7C、7Kでは、現像装置11Y、11M、11C、11Kによって感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に形成された静電潜像が現像されて、感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kの表面に対応する色のトナー像が形成される。
【0086】
現像装置11Y、11M、11C、11Kでは、図3及び図5に示すように、現像装置本体111内において、供給パドル116及び第1、第2の攪拌搬送オーガー118、119などが回転駆動され、現像装置本体111の内部に収容された現像剤110が攪拌されるとともに搬送され、現像ロール113へと供給されて、感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kの表面に形成された静電潜像が現像される。
【0087】
現像装置本体111は、プリンタ本体1及び現像装置11Y、11M、11C、11Kの小型化に伴って小型に形成されており、供給パドル116及び第1、第2の攪拌搬送オーガー118、119の回転軸123、127、128を小型の軸受部材154によって回転自在に支持するとともに、軸受部材154からのトナー漏れを確実に防止する必要がある。
【0088】
ところで、この実施の形態では、図1に示すように、軸受部材154とシール部材155とを一体的に形成した軸受兼用シール部材150を採用しており、軸受部材154を小型化しつつ軸受部材154からのトナー漏れを確実に防止することが可能となっている。
【0089】
更に説明すると、軸受兼用シール部材150は、図1に示すように、シール部材155側から軸受部材154に向けて延長した結合部160によって機械的(構造的)に結合されており、軸受部材154とシール部材155とを精度良く且つ強固に一体化することができるとともに、金型を用いた射出成形等によって容易に製造することができる。
【0090】
したがって、この実施の形態に係る軸受兼用シール部材150を現像装置11Y、11M、11C、11Kに使用することによって、軸受部材154とシール部材155とを一体化させるために、軸受部材154の外径が不必要に大きくなって、現像装置11の大型化を招いたり、軸受兼用シール部材150の構造が複雑となって、コストアップを招いたりすることがなく、小型の軸受部材154とシール部材155とを別個に製造するよりも、低コストにて軸受兼用シール部材150を製造することが可能となる。
【0091】
尚、上記結合部160の形状としては、図1等に示すものに限定されるものではなく、図14に示すように、軸受部材154側からシール部材155側に延長させた部分に設けても良い。
【0092】
また、この実施の形態に係る軸受兼用シール部材150は、軸受部材154とシール部材155とを一体化させることにより、軸受兼用シール部材150を現像装置11の現像装置本体111に組み付ける際に、軸受部材154によってシール部材155をガイドしながら挿入することができるため、シール部材155が傾いた状態で組み付けられるのを回避することができ、その結果、シール部材155によるシール性を向上させることができる。
【0093】
〔実施の形態2〕
図15はこの発明の実施の形態2を示すものである。
【0094】
(軸受兼用シール部材)
実施の形態2に係る軸受兼用シール部材150は、図15に示すように、軸受部材154を先に成形した後に、軸受部材154のシール部材155側の端面170に、シール部材155を一体的に射出成形することにより製造される。シール部材155の射出成形時にバリが発生するのを抑止するため、軸受部材154のシール部材155側の端面170にバリ発生抑止部171が設けられている。このバリ発生抑止部171は、軸受部材154のシール部材155側の端面170において、回転軸を回転自在に支持する軸受孔172よりも半径方向外側に予め定められた微小な距離dだけ変位した位置に、軸受孔172の全周にわたって段差部173を介して環状に突出した形状に一体的に設けられている。バリ発生抑止部171が軸受孔172の内周面から半径方向外側に変位した距離dは、バリ発生抑止部171にシール部材155の内側面を成形する金型部材217の先端面が突き当てられたときに、バリ発生抑止部171が変形した影響が、軸受部材154の軸受孔172に及ばない程度、例えば、0.1〜0.3mm程度の範囲に設定される。また、バリ発生抑止部171の突出量Xは、例えば、0.05〜0.3mm程度に設定される。本発明は、これらの値に限定されないことは勿論である。
【0095】
バリ発生抑止部171は、軸受孔172の外周に段差部173を介して設ける代わりに、図15(d)に示すように、軸受孔172の外周に傾斜面174を介して軸受孔172の全周にわたって環状に突出した状態で設けても良い。
【0096】
前記した実施の形態1においては、図17に示すように、シール部材155の射出成形時に、軸受部材154の軸受孔172に挿入された軸受部材154側の円柱形状の金型部材211の先端211aに、シール部材155の内側面を成形する金型部材217の先端面217aが突き当てられ、軸受部材154のシール部材155側にシール部材成形用の空間であるキャビティ空間214が形成される。軸受部材154を構成する樹脂は、シール部材155の内側面を成形する金型部材217の先端面217aから離れる方向に収縮する傾向にある。このため、軸受部材154側の円柱形状の金型部材211の先端面211aとシール部材155の内側面を成形する金型部材217の先端面217aとの間に微小な隙間が生じた場合、図17(c)に示すように、当該隙間に成形用の合成樹脂が流れ込んでバリBが発生することがある。このように、軸受部材154とシール部材155との間に位置する内周面にバリBが発生すると、軸受兼用シール部材150の軸受やシールの精度が低下するため、金型を構成する各部品を高精度に加工し、金型を高精度に組立する必要がある。
【0097】
これに対して、本実施の形態2は、バリ発生抑止部171には、図16に示すように、シール部材155の内側面を成形する金型部材217の先端面217aを突き当てることにより、金型部材217によって軸受部材154のバリ発生抑止部171が僅かに変形する。そうすると、金型部材217の先端面217aと軸受部材154のバリ発生抑止部171の表面171aとが図16(b)に示すように密着し、両者の間に隙間が発生するのを抑止する。つまり、通常の加工精度の金型部品を準備し、通常の方法で金型を組み立ててた場合であっても、シール部材155の射出成形時に、成形用の合成樹脂が隙間に流れ込んでバリが発生するのを抑止することができる。
【0098】
(軸受兼用シール部材の製造装置および製造方法)
図18はこの実施の形態2に係る軸受兼用シール部材を射出成形するための製造装置300を示す断面図である。
【0099】
この製造装置300は、図18に示すように、大別して、固定側受板301と、固定側型板302と、挿入型板303と、可動側型板304と、可動側受板305とを備えている。固定側型板302と可動側型板304には、成形品(軸受兼用シール部材)を取り出し可能とするため、これら固定側型板302と可動側型板304とを互いに平行に移動させる第1のガイドピン306と、当該第1のガイドピン306を挿入するための第1の挿入孔307とが設けられている。
【0100】
固定側型板302と挿入型板303には、成形品を取り出し可能とするため、これら固定側型板302と挿入型板303とを互いに平行に移動させる第2のガイドピン308と、当該第2のガイドピン308を挿入するための第2の挿入孔309とが設けられている。
【0101】
固定側型板302と挿入型板303には、挿入型板303が固定側型板302から離間する距離を規制する規制用ボルト310が、固定側型板302にネジ止め固定された状態で設けられており、挿入型板303が固定側型板302から離間する際に、規制用ボルト310の頭部310aが挿入孔310bに突き当たることで、挿入型板303が固定側型板302から離間する距離が規制されている。
【0102】
可動側型板304には、図18(a)に示すように、軸受部材154の軸受孔172に挿入される金型部材としての軸受部材側のピン211が挿入されている。この軸受部材側のピン211は、長尺に形成されており、その基端部が可動側受板305の背面側に設けられた保持板311に連結され固定されている。
【0103】
挿入型板303には、図18(b)に示すように、シール部材155の外周面を成形するためのシール部材成形用の空間であるキャビティ空間214が形成されている。固定側型板302と挿入型板303には、シール部材155の内周面を成形する金型部材としてのコアピン217(残りピン)と、シール部材155のリップ部157を成形する金型部材としてのコアスリーブ216(先抜きピン)とが挿入された状態に設けられている。コアピン217は、コアスリーブ216の内部に移動自在に挿入されている。コアピン217の先端部217aは、シール部材155のリップ部157の内周面を成形するための直径が可動型板303側に向けて拡大するように円錐形状に形成されている。
【0104】
コアスリーブ216は、シール部材155のリップ部157の外周面と、リップ部157の外周に設けられる外周円筒部158と、シール部材155のリップ部157及び外周円筒部158の端面を成形するものである。
【0105】
コアスリーブ216の内部には、コアピン217が移動自在に挿入されているとともに、コアピン217の基端部には、型抜きする際にコアピン217の移動量を規制する大径部220が設けられている。製造装置300は、型抜きする際にコアピン217の大径部220がコアスリーブ216の基端部に設けられた段差部221に当接することで、コアピン217の移動量が規制される。
【0106】
以上の構成において、この実施の形態2に係る軸受兼用シール部材では、次のようにして、シール部材の射出成形時にバリが発生するのを抑止することが可能となっている。
【0107】
すなわち、この実施の形態2では、図18に示すように、軸受兼用シール部材150を射出成形するための製造装置300の可動側型板304に設けられた凹部312に予め成形された軸受部材154をセットした状態で、製造装置300の可動側型板304及び可動側受板305を閉じ、シール部材成形用のキャビティ空間214に成形樹脂としてのオレフィン系のエラストマーであるTPE(Thermoplastic Elastomer)熱可塑性エラストマー樹脂を流し込んで成形される。
【0108】
なお、シール部材155の成形時には、製造装置300の可動側型板304や可動側受板305等からなる金型は、40℃程度に加熱されるとともに、成形樹脂は、可塑化温度である195℃程度に加熱されて溶融され、シール部材成形用のキャビティ空間214に流し込まれる。
【0109】
その際、製造装置300は、図18に示すように、可動側型板304及び可動側受板305を閉じて、シール部材成形用のキャビティ空間214を形成する際に、シール部材155の内側面を成形するコアピン217の先端面217aが、図16(a)に示すように、軸受部材155の端面に設けられたバリ発生抑止部171の表面に突き当てられる。コアピン217の突き当て量は、コアピン217の先端面217aが、可動側型板304の軸受部材155側のピン211の先端面211aに突き当たる位置で決定される。その際、軸受部材155の端面に設けられたバリ発生抑止部171は、コアピン217の先端面217aが突き当てられて変形するが、バリ発生抑止部171の変形量は、コアピン217の先端面217aが可動側型板304のピン211の先端面211aに突き当たる位置で決定され、例えば、約0.1〜0.3mm程度に設定されるが、軸受部材155を構成する合成樹脂材料の弾性率等によって決定される。
【0110】
また、バリ発生抑止部171にコアピン217の先端面217aが突き当てられる面積は、相対的に大きい方がバリ発生の抑止効果が大きいが、コアピン217の先端部217aの外周面は、シール部材155のリップ部157の内面を直接成形する部分であるため、コアピン217の先端面217aの外径を大きくして突き当て面積を増加させるにも限界がある。
【0111】
ただし、図19(b)に示すように、軸受部材155として直径の相対的に大きな回転軸を支持するものである場合には、コアピン217の先端面217aの外径を大きくして突き当て面積を増加させても、シール部材155のリップ部157の形状に与える影響が小さく、しかもバリを抑止する効果が高まるので望ましい。
【0112】
しかしながら、この実施の形態2では、バリ発生抑止部171が軸受部材154の軸受孔172よりも半径方向外側に変位した位置に、軸受孔172の全周にわたって設けられているため、バリ発生抑止部171が変形した場合でも、その影響が軸受孔172に及ぶのを回避することができる。
【0113】
なお、上記製造装置300によって軸受兼用シール部材150の成形が終了した後は、図20〜図22に示すように、製造装置300の可動側型板304や可動側受板305等を順次開いていくことにより、シール部材成形用のキャビティ空間214から軸受部材154とシール部材155とが一体的に成形された軸受兼用シール部材150が成形機300から取り出される。
【0114】
そのため、この実施の形態2では、シール部材155の内周面にバリが発生するのを抑止しつつ、軸受部材154の軸受孔172によって回転軸をシールしつつ支持することができる。
【0115】
(軸受兼用シール部材の変形例)
図23はこの実施の形態2に係る軸受兼用シール部材150の変形例を示すものである。この変形例では、軸受兼用シール部材150の外径が前記実施の形態1のものよりも大きく設定されており、回転軸の外径が大きい場合に適用される。なお、図23中、220は樹脂を注入する注入部を示している。
【0116】
また、上記軸受兼用シール部材150は、軸受部材155とシール部材155の外径が異なっており、軸受部材155の外径の方がシール部材155の外径よりも相対的に大きく設定されている。そのため、上記軸受部材155とシール部材155との間には、段差部及び傾斜面が形成されており、コアスリーブ216の先端部の外周端を軸受部材155の外周端にまでわたるバリ発生抑止部171に突き当てることにより、軸受部材155とシール部材155との外周端にもバリが発生するのを抑制するように構成されている。
【0117】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0118】
150:軸受兼用シール部材、154:軸受部材、155:シール部材、160:結合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を回転自在に支持する軸受部材と、
前記軸受部材の軸方向に沿った一側に一体的に設けられ、前記回転軸をシールするシール部材と、
前記軸受部材及び前記シール部材のうち、一方の部材から他方の部材に向けて前記軸方向に沿って延長され、延長方向の先端側が基端側よりも前記軸方向と交差する方向に突出して前記軸受部材と前記シール部材とを一体的に結合する結合部とを備えたことを特徴とする軸受兼用シール部材。
【請求項2】
回転軸を回転自在に支持する軸受孔を有する軸受部材と、
前記軸受部材の軸方向に沿った一側に一体的に設けられ、前記回転軸をシールするシール部材と、
前記軸受部材及び前記シール部材のうち、一方の部材から他方の部材に向けて前記軸方向に沿って延長され、延長方向の先端側が基端側よりも前記軸方向と交差する方向に突出して前記軸受部材と前記シール部材とを一体的に結合する結合部と、
前記軸受部材の前記シール部材側の端面であって、前記軸受孔よりも半径方向外側に設けられ、前記シール部材の内側面を成形する金型部材の先端面を突き当てることにより、前記シール部材の射出成形時にバリが発生するのを抑止するバリ発生抑止部とを備えたことを特徴とする軸受兼用シール部材。
【請求項3】
前記バリ発生抑止部は、前記軸受孔の外周に段差部または傾斜面を介して当該軸受孔の全周にわたって環状に突出した状態で設けられていることを特徴とする請求項2に記載の軸受兼用シール部材。
【請求項4】
前記結合部は、前記シール部材から前記軸受部材に向けて前記軸方向に沿って円柱形状に延長された円柱状部と、
前記円柱状部の先端側に基端側よりも外径が大きく設定された大径部と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の軸受兼用シール部材。
【請求項5】
前記シール部材は、その半径方向の内周側に前記回転軸の前記軸方向に沿って円筒形状に設けられ、前記回転軸の外周面に接触してシールするリップ部を有しており、
前記リップ部は、その先端部の内径が前記回転軸の外径よりも小さく設定されているとともに、その基部の内径が前記回転軸の外径よりも大きく設定されており、先細り状に傾斜して配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の軸受兼用シール部材。
【請求項6】
前記シール部材は、前記軸受部材を介して前記回転軸を回転自在に支持する支持部材に設けられた装着孔に挿入されて使用され、当該シール部材の外径が前記支持部材の前記装着孔の内径よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の軸受兼用シール部材。
【請求項7】
前記結合部は、前記回転軸の周方向に沿って3箇所以上等間隔に設けられたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の軸受兼用シール部材。
【請求項8】
内部に収容された現像剤を攪拌しつつ搬送するように回転駆動される攪拌搬送部材と、
前記攪拌搬送部材によって攪拌しつつ搬送される前記現像剤を担持する現像剤担持体と、
現像装置本体に設けられた装着孔に装着され、前記攪拌搬送部材の回転軸を回転自在に支持する請求項1乃至7のいずれかに記載の軸受兼用シール部材と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項9】
画像情報に応じた静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する請求項8に記載の現像装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−37198(P2013−37198A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173346(P2011−173346)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【特許番号】特許第4893871号(P4893871)
【特許公報発行日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】