説明

通信端末、データ送信方法、データ受信方法、データ送信プログラム、データ受信プログラムおよび記録媒体

【課題】それぞれの端末において取得可能な映像データを有効に活用すること。
【解決手段】第1の通信端末110および第2の通信端末120は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末である。第1の通信端末110は、入力部111、取得部112、配信部113、受信部114、送信部115によって構成される。入力部111は、映像データの撮像入力を受け付ける。取得部112は、入力部111によって撮像入力された場合、映像データを、その撮像中における第1の通信端末110の地点情報とともに取得する。配信部113は、取得部112によって取得された地点情報を、第2の通信端末120を含む他の通信端末に配信する。受信部114は、地点情報が配信された結果、映像データの送信要求信号を他の通信端末から受信する。送信部115は、送信要求信号を送信した通信端末に映像データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間でのデータの送受信に用いる通信端末、データ送信方法、データ受信方法、データ送信プログラム、データ受信プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、本発明の利用は、上述した通信端末、データ送信方法、データ受信方法、データ送信プログラム、データ受信プログラムおよび記録媒体に限られない。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークインフラの整備や、情報通信端末の普及などによって、個人のユーザ間で、ネットワークを介したデータ(情報)の授受がおこなわれ、同じ情報を共有するコミュニティが形成されている。
【0003】
このようなコミュニティでは、たとえば、近距離無線通信範囲内の携帯端末より発信される信号を、他の携帯端末が近距離無線通信部によって受信し、必要なデータの交換をおこなう。受信されたデータは表示器に表示されるとともに、次フェーズへの移行が促される。つぎに、広域網上のサーバへ広域無線通信部によって接続がおこなわれ、相手の身元を確認するとともに、次フェーズへの移行が促される。この時点で個人詳細データが端末と端末との間で交換される(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−333451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術によれば、通信相手が保持する情報が、自己が必要とする情報であるか否かを知ることができないという問題点が一例として挙げられる。特に、通信可能な相手の数が多い場合には、どの通信相手から情報を取得するかを効率的に判断する必要があるという問題点が一例として挙げられる。
【0006】
また、通信相手の現在位置はある程度特定できるとしても、通信相手が保持する情報が、その場所に関するものであるとは限らないという問題点が一例として挙げられる。特に、移動可能な通信端末を用いた通信においては、その情報がどの場所に関するものであるかが、情報を取得するか否かを判断する重要な要素となるという問題点が一例として挙げられる。
【0007】
さらに、通信相手が保持する情報が、生成された時間(時刻)を知ることができないという問題点が一例として挙げられる。特に、時々刻々と変化する情報に関しては、生成されてから時間が経過してしまった情報には情報価値がなく、その情報がいつ生成されたものであるかが、情報を取得するか否かを判断する重要な要素となるという問題点が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる通信端末は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、映像データの撮像入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって撮像入力された場合、前記映像データを、当該映像データの撮像中における前記通信端末の地点情報とともに取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された地点情報を、前記他の通信端末に配信する配信手段と、前記配信手段によって前記地点情報が配信された結果、前記映像データの送信要求信号を、前記他の通信端末から受信する受信手段と、前記受信手段によって送信要求信号が受信された場合、前記送信要求信号を送信した通信端末に前記映像データを送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明にかかる通信端末は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、映像データの撮像入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって撮像入力された場合、前記映像データを、当該映像データの撮像時間に関する情報とともに取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された撮像時間に関する情報を、前記他の通信端末に配信する配信手段と、前記配信手段によって前記地点情報が配信された結果、前記映像データの送信要求信号を、前記他の通信端末から受信する受信手段と、前記受信手段によって送信要求信号が受信された場合、前記送信要求信号を送信した通信端末に前記映像データを送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明にかかる通信端末は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、映像データの撮像入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって撮像入力された場合、前記映像データを、当該映像データの撮像中における前記通信端末の速度情報とともに取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された速度情報を、前記他の通信端末に配信する配信手段と、前記配信手段によって前記速度情報が配信された結果、前記映像データの送信要求信号を、前記他の通信端末から受信する受信手段と、前記受信手段によって送信要求信号が受信された場合、前記送信要求信号を送信した通信端末に前記映像データを送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明にかかる通信端末は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、前記通信端末以外の他の通信端末により撮像された映像データの撮像地点情報を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段によって受信された撮像地点情報を出力する出力手段と、前記出力手段によって前記撮像地点情報が出力された場合、前記映像データの送信要求の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって前記送信要求の入力があった場合、前記映像データの送信要求信号を送信する送信手段と、前記送信手段によって前記送信要求信号が送信された結果、前記他の通信端末から前記映像データを受信する第2の受信手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明にかかる通信端末は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、前記通信端末以外の他の通信端末により撮像された映像データの撮像時間情報を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段によって受信された撮像時間情報を出力する出力手段と、前記出力手段によって前記撮像時間情報が出力された場合、前記映像データの送信要求の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって前記送信要求の入力があった場合、前記映像データの送信要求信号を送信する送信手段と、前記送信手段によって前記送信要求信号が送信された結果、前記他の通信端末から前記映像データを受信する第2の受信手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明にかかる通信端末は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、前記通信端末以外の他の通信端末の速度情報を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段によって受信された速度情報を出力する出力手段と、前記出力手段によって前記速度情報が出力された場合、当該速度情報に関連付けられている映像データの送信要求の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって前記送信要求の入力があった場合、前記映像データの送信要求信号を送信する送信手段と、前記送信手段によって前記送信要求信号が送信された結果、前記他の通信端末から前記映像データを受信する第2の受信手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明にかかるデータ送信方法は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末を用いるデータ送信方法であって、映像データの撮像入力を受け付ける入力工程と、前記入力工程によって撮像入力された場合、前記映像データを、当該映像データの撮像中における前記通信端末の地点情報とともに取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された地点情報を、前記他の通信端末に配信する配信工程と、前記配信工程によって前記地点情報が配信された結果、前記映像データの送信要求信号を、前記他の通信端末から受信する受信工程と、前記受信工程によって送信要求信号が受信された場合、前記送信要求信号を送信した通信端末に前記映像データを送信する送信工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明にかかるデータ受信方法は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末を用いるデータ受信方法であって、前記通信端末以外の他の通信端末により撮像された映像データの撮像地点情報を受信する第1の受信工程と、前記第1の受信工程によって受信された撮像地点情報を出力する出力工程と、前記出力工程によって前記撮像地点情報が出力された場合、前記映像データの送信要求の入力を受け付ける入力工程と、前記入力工程によって前記送信要求の入力があった場合、前記映像データの送信要求信号を送信する送信工程と、前記送信工程によって前記送信要求信号が送信された結果、前記他の通信端末から前記映像データを受信する第2の受信工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明にかかるデータ送信プログラムは、請求項7に記載のデータ送信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
また、請求項10の発明にかかるデータ受信プログラムは、請求項8に記載のデータ受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
また、請求項11の発明にかかる記録媒体は、請求項9に記載のデータ送信プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能なことを特徴とする。
【0019】
また、請求項12の発明にかかる記録媒体は、請求項10に記載のデータ受信プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能なことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる通信端末、データ送信方法、データ受信方法、データ送信プログラム、データ受信プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(実施の形態)
はじめに、実施の形態にかかるデータ送受信システムの機能的構成について説明する。図1は、実施の形態にかかるデータ送受信システムの機能的構成を示すブロック図である。図1において、データ送受信システム100は、映像データを送信する第1の通信端末110および映像データを受信する第2の通信端末120から構成される。第1の通信端末110および第2の通信端末120は、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末である。
【0022】
第1の通信端末110は、入力部111、取得部112、配信部113、受信部114、送信部115によって構成される。入力部111は、映像データの撮像入力を受け付ける。ここで、撮像入力とは、映像の撮影を指示する情報の入力である。入力部111は、具体的には、たとえば、第1の通信端末110に設けられた操作ボタンからの入力や音声入力などを受け付ける。
【0023】
取得部112は、入力部111によって撮像入力された場合、映像データを、当該映像データの撮像中における第1の通信端末110の地点情報(以下、撮像地点情報という)とともに取得する。第1の通信端末110の撮像地点情報とは、第1の通信端末110の、それぞれの時刻における現在位置を特定する情報であり、たとえば、第1の通信端末110のそれぞれの時刻における緯度経度情報である。また、映像データには静止画および動画が含まれる。取得部112は、たとえば、第1の通信端末110に設けられたカメラによって映像データを撮像し、撮像地点情報を付加して保存する。
【0024】
配信部113は、取得部112によって取得された撮像地点情報を、第2の通信端末120を含む他の通信端末に配信する。配信部113は、具体的には、たとえば、通信ネットワーク内の全ての通信端末に情報を送信する同報アドレスを用いて、撮像地点情報を送信する。また、配信部113は、特定の基地局の通信エリア内に位置する通信端末のみに撮像地点情報を送信したり、第2の通信端末120の通信用アドレスを個別に特定するなどによって、他の通信端末のうち限られたものだけに撮像地点情報を配信することとしてもよい。
【0025】
受信部114は、配信部113によって撮像地点情報が配信された結果、映像データの送信要求信号を、第2の通信端末120を含む他の通信端末から受信する。受信部114が受信する送信要求信号には、映像データの長さや、さらに絞り込んだ撮影地点を特定する情報が含まれていてもよい。
【0026】
送信部115は、受信部114によって送信要求信号が受信された場合、送信要求信号を送信した通信端末に映像データを送信する。このとき、受信部114が受信した送信要求信号に、映像データの長さや撮影地点を特定する情報が含まれていた場合は、取得部112によって撮影された映像データを切り出して送信する。
【0027】
送信部115は、たとえば、受信部114で受信した送信要求信号から第2の通信端末120の通信アドレスを特定し、映像データを送信する。なお、映像データの送信は、一定時間分の映像データを1つのファイルとして一括送信してもよいし、一定期間接続を維持してストリーミング送信してもよい。さらに、映像データや付加情報の形式によっては、送信先での利用に必要なプラグインを添付して送信してもよい。
【0028】
つぎに、第2の通信端末120の機能的構成について説明する。第2の通信端末120は、第1の受信部121、出力部122、入力部123、送信部124、第2の受信部125によって構成される。第1の受信部121は、第2の通信端末120以外の他の通信端末(たとえば、第1の通信端末110)により撮像された映像データの撮像地点情報を受信する。撮像地点情報とは、映像データが撮影された時刻における他の通信端末の現在位置を特定する情報であり、たとえば、それぞれの時刻における緯度経度情報である。
【0029】
出力部122は、第1の受信部121によって受信された撮像地点情報を出力する。出力部122は、たとえば、撮像地点情報を地図上に描画したものを画面表示したり、テキスト形式の撮像地点情報を画面表示したり音声出力したりする。
【0030】
入力部123は、出力部122によって撮像地点情報が出力された場合、映像データの送信要求の入力を受け付ける。このとき、映像データの長さや、撮影地点をさらに絞り込んで指定してもよい。また、映像データの送信方法(一括送信かストリーミング送信か)を指定できるようにしてもよい。
【0031】
入力部123は、具体的には、たとえば、出力部122によって出力された情報をもとに、ユーザが入力するデータの送信要求を受け付ける。入力部123は、具体的には、たとえば、操作ボタンやタッチパネル、音声入力装置などによって映像データの送信要求の入力を受け付ける。
【0032】
送信部124は、入力部123によって送信要求の入力があった場合、映像データの送信要求信号を送信する。送信部124は、たとえば、第1の受信部121によって受信した撮像地点情報の送信元アドレスから第1の通信端末110の通信アドレスを特定し、送信要求信号を送信する。
【0033】
第2の受信部125は、送信部124によって送信要求信号が送信された結果、他の通信端末から映像データを受信する。
【0034】
なお、上述した構成においては、第1の通信端末110の取得部112は、映像データの撮像中における第1の通信端末110の地点情報である撮像地点情報を取得することとしたが、この他、映像データの撮像時間(映像データを撮影した時刻)に関する情報や、映像データの撮像中における第1の通信端末110の速度情報(たとえば、停止しているか、所定以上の速度で移動しているかなど)を取得することとしてもよい。
【0035】
この場合、配信部113は、取得部112によって取得された各情報(撮影時間に関する情報、速度情報)を他の通信装置に送信する。また、第2の通信端末120は、第1の受信部121によって各情報を受信し、出力部122によって出力する。また、各情報は、撮像地点情報および撮像時間情報など、複数の種類の情報を同時に取得・配信することとしてもよい。
【0036】
つぎに、データ送受信システム100によるデータ送受信処理の手順について説明する。以下、データの送信をおこなう第1の通信端末110のデータ送信処理、およびデータの受信をおこなう第2の通信端末120のデータ受信処理に分けて説明する。図2は、第1の通信端末のデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。
【0037】
図2のフローチャートにおいて、第1の通信端末110は、まず、入力部111によって、映像データの撮像入力を受け付けるまで待機する(ステップS201:Noのループ)。映像データの撮像入力を受け付けると(ステップS201:Yes)、取得部112によって、映像データおよび撮像地点情報を取得する(ステップS202)。
【0038】
つぎに、配信部113によって、相互に通信可能な他の通信端末に撮像地点情報を配信する(ステップS203)。そして、他の通信端末(たとえば、第2の通信端末120)から送信要求信号を受信するまで待機して(ステップS204:Noのループ)、送信要求信号を受信すると(ステップS204:Yes)、ステップS202で取得した映像データを送信して(ステップS205)、本フローチャートによる処理を終了する。映像データの送信は、一定時間分の映像データをファイルとして一括送信してもよいし、一定時間接続を維持してストリーミング送信してもよい。
【0039】
つぎに、第2の通信端末120がおこなう処理について説明する。図3は、第2の通信端末のデータ受信処理の手順を示すフローチャートである。図3のフローチャートにおいて、第2の通信端末120は、まず、第1の受信部121によって、相互に通信可能な他の通信端末(たとえば、第1の通信端末110)から撮像地点情報を受信するまで待機する(ステップS301:Noのループ)。
【0040】
撮像地点情報を受信すると(ステップS301:Yes)、出力部122によって、撮像地点情報を出力する(ステップS302)。そして、入力部123によって、映像データの送信要求を受け付けたか否か判断する(ステップS303)。送信要求を受け付けた場合は(ステップS303:Yes)、送信部124によって、撮像地点情報を送信した他の通信端末に、映像データ送信要求信号を送信する(ステップS304)。
【0041】
そして、第2の受信部125によって、送信要求信号を送信した他の通信端末から映像データを受信するまで待機して(ステップS305:Noのループ)、映像データを受信すると(ステップS305:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、ステップS303において、送信要求を受け付けない場合は(ステップS303:No)、ステップS301に戻り、撮像地点情報の受信を継続する。
【0042】
以上説明したように、実施の形態にかかるデータ送受信システム100によれば、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワークにおいて、第1の通信端末110によって取得された映像データの撮像地点情報を、第2の通信端末120を含む他の通信端末に送信する。これにより、第2の通信端末120は、第1の通信端末110によって取得された映像データを、撮像地点情報を参考にして必要か否かを判断し、必要がある場合には送信を要求することができる。
【0043】
また、撮像地点情報の配信からの経過時間と、送信要求信号の受信時刻とに基づいて、第1の通信端末110で映像データを送信するか否かを判断することとしてもよい。これにより、時間の経過とともに情報価値が薄れるデータを、他の通信端末に配信することを回避することができる。
【0044】
また、上述した実施の形態においては、第1の通信端末110が取得した映像データを、直接第2の通信端末120に送信したが、第1の通信端末110が取得した映像データを、通信サーバを介して第2の通信端末120に送信することとしてもよい。
【0045】
具体的には、たとえば、第1の通信端末110は、取得した映像データおよび撮像地点情報を通信サーバに送信する。通信サーバでは、送信された映像データを保存するとともに、第1の通信端末110以外の通信端末に、撮像地点情報を送信する。撮像地点情報が送信された他の通信端末は、通信サーバに対して映像データの送信要求信号を送信し、通信サーバは送信要求信号の送信元の通信端末に、映像データを送信する。
【0046】
これにより、たとえば、データの通信量や送受信状況を通信サーバによって一元管理することができる。また、直接データの送受信をおこなわないため、第1の通信端末110および第2の通信端末120の通信用アドレスを、相互に知られることがなく、個人情報を保護することができる。
【実施例】
【0047】
つぎに、上述した実施の形態にかかるデータ送受信システム100の実施例について説明する。以下の実施例においては、データ送受信システム100を、車両に搭載されたナビゲーション装置を用いたデータ送受信システム400に適用した場合について説明する。
【0048】
まず、実施例にかかるデータ送受信システム400のシステム構成について説明する。図4は、実施例にかかるデータ送受信システムのシステム構成を示す説明図である。図4において、道路L1,L2には車両410,420(420a〜420e)が走行している。
【0049】
また、車両410,420には、それぞれナビゲーション装置411,421(421a〜421e)が搭載されている。ナビゲーション装置411,421は、車両410,420がそれぞれ走行する道路脇に設置された路側機430(430a〜430c)と交信し、データの送受信をおこなう。
【0050】
路側機430a〜430cは、それぞれネットワークと接続されており、通信エリアは、それぞれ図4中の点線で示すエリアA,B,Cである。路側機430a〜430cの通信エリア内に進入した車両410,420は、それぞれの路側機430a〜430cを介してネットワークに接続し、データの送受信をおこなう。路側機430は、図示した他、道路や駐車場など車両410,420が進入し得る地点を通信エリアとしてカバーできるよう設置されている。
【0051】
車両410,420は、それぞれ自車を特定するIDが、たとえば、IPアドレスのように、それぞれの車両410,420に一意に割り振られている。このIDは、データ送受信システム400において通信用アドレスに用いられ、ナビゲーション装置411,421は、車両410,420のIDを用いて特定の車両410,420に情報を送信することができる。それぞれの車両410,420のIDは、それぞれのナビゲーション装置411,421に記憶されている。
【0052】
また、ナビゲーション装置411,421は、全ての路側機430の通信エリア内にある車両410,420の共通アドレスである「同報アドレス」を用いて情報を送信することができる。同報アドレスを用いることによって、個々の車両410,420のIDを知らない場合であっても、不特定の車両410,420に情報を送信することができる。また、個々の路側機430ごとの同報アドレスを設けてもよい。たとえば、路側機430a用の同報アドレスを用いて情報を配信した場合、エリアA内にある車両410,420に情報が配信される。
【0053】
なお、図4では全て路側機430の通信エリア内にある車両410,420を対象として同報アドレスを用いて情報を送信するとしているが、これに限ることなく、その通信エリア外の車両を含めて同報アドレスを用いて情報を送信するようにしてもよい。つまり、図4の通信エリア内に存在する車両間のみならず、図4の通信エリア外であってL1、L2以外の道路を走行している他の車両や、図4の通信エリア外であって車両410,420の後方遠くを走行している他の車両等を含めて同報アドレスを用いて情報を送信するようにしてもよい。これにより、広範囲における不特定の車両に情報を送信することができる。
【0054】
また、情報を送信するエリアを指定して送信するようにしてもよい。上述したように路側機430に同報アドレスが設けられている場合にはその路側機430を指定することによりエリアを指定することができる。この指定は、別の道路を走行している車両からも当然可能であり、その車両から例えば路側機430cが指定して情報が送信されると、そのエリアC内にある車両に情報が配信されることになる。
【0055】
また、ナビゲーション装置411,421は、それぞれ映像撮影用のカメラを備えている。カメラでは、静止画および動画の撮影が可能である。また、手持ちのデジタルカメラや携帯電話のカメラなどを用いて撮影した静止画や動画の映像データを取り込むことができる。車両410,420の搭乗者は、ナビゲーション装置411,412のカメラで撮影した、または他の機器から取り込んだ映像データを、ネットワークを介して他の車両410,420に送信することができる。
【0056】
これに対し、他の車両410,420の搭乗者は、送信される映像データが必要か否かを判断した上で、送信を受けるか否かを判断する。たとえば、自車の現在位置近くの車両410,420や、自車がこれから走行する地点にいる車両410,420が送信する映像データ、興味がある分野の映像データであれば、送信を受ける可能性が高い。
【0057】
以下、映像データを提供する(送信する)側の車両を車両410、映像データを提供される(受信する)側の車両を車両420として説明するが、映像データの送信および受信は、いずれの車両410,420が送信側、受信側となってもよい。
【0058】
(ナビゲーション装置411,421のハードウェア構成)
つぎに、ナビゲーション装置411,421のハードウェア構成について説明する。図5は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図5において、ナビゲーション装置411,421は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、音声I/F(インターフェース)508と、マイク509と、スピーカ510と、入力デバイス511と、映像I/F512と、ディスプレイ513と、通信I/F514と、GPSレシーバ515と、を備えている。また、各構成部501〜515はバス520によってそれぞれ接続されている。
【0059】
まず、CPU501は、ナビゲーション装置411,421の全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラム、通信プログラム、データベース作成プログラム、データ解析プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
【0060】
磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク505は、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク505としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0061】
また、光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク507は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク507のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0062】
また、音声I/F508は、音声入力用のマイク509および音声出力用のスピーカ510に接続される。マイク509に受音された音声は、音声I/F508内でA/D変換される。また、スピーカ510からは音声が出力される。なお、マイク509から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク505あるいは光ディスク507に記録可能である。
【0063】
また、入力デバイス511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。さらに、入力デバイス511は、デジタルカメラなどの他の情報処理端末(以下、単に機器という)を接続し、データの入出力をおこなうことができる。
【0064】
この他、入力デバイス511は、静止画や動画(映像)を撮影可能なカメラを備えている。カメラで撮影された静止画や動画は、映像データとして磁気ディスク505あるいは光ディスク507に記録可能である。また、手持ちのデジタルカメラや携帯電話などの他の機器を入力デバイス511に接続し、それぞれの機器で撮影した映像データを取り込むことも可能である。
【0065】
また、映像I/F512は、ディスプレイ513と接続される。映像I/F512は、具体的には、たとえば、ディスプレイ513全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ513を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0066】
ディスプレイ513には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ513は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0067】
また、通信I/F514は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置411,421とCPU501とのインターフェースとして機能する。通信I/F514は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU501とのインターフェースとしても機能する。
【0068】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F514は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0069】
また、GPSレシーバ515は、GPS(Global Positioning System)や各種センサからの出力値を用いて、車両410,420の現在位置(ナビゲーション装置411,421の現在位置)を示す情報を取得する。現在位置を示す情報は、たとえば緯度経度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
【0070】
(データ送受信システム400のデータ送受信処理)
つぎに、データ送受信システム400がおこなうデータ送受信処理の手順について説明する。以下、データを送信する車両410のナビゲーション装置411でおこなう処理と、データを受信する車両420のナビゲーション装置421でおこなう処理とに分けて説明する。
【0071】
図6は、データを送信する車両のナビゲーション装置のデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置411は、入力デバイス511を介して、映像データの撮影開始指示が入力されるまで待機する(ステップS601:Noのループ)。撮影開始指示が入力されると(ステップS601:Yes)、ナビゲーション装置411は、自装置に設けられたカメラによって周囲の映像を撮影する(ステップS602)。
【0072】
ナビゲーション装置411は、撮影終了指示が入力されない間は(ステップS603:No)、ステップS602に戻り、周囲の撮影を継続する。このとき、ディスク容量などハードウェア資源に制約がある場合には、一定時間ごと、または一定距離ごとに撮影することとしてもよい。また、映像データに関する状況解説の音声情報やテキスト情報など(以下、付加情報という)を付加してもよい。
【0073】
そして、撮影終了指示が入力されると(ステップS603:Yes)、撮影を終了し、詳細情報を付加して映像データを保存する(ステップS604)。ここで、ステップS604で付加する詳細情報とは、たとえば、映像データの撮影時におけるナビゲーション装置411の現在地点(すなわち、映像データの撮影地点)や、映像データが撮影された時間(時刻)、映像データのカテゴリー(たとえば、渋滞に関する映像、風景に関する映像など)、映像データのタイトル、付加情報(状況解説の音声情報やテキスト情報など)の有無である。
【0074】
また、詳細情報には、撮影時に車両410が停止しているか、高速で走行しているかなどの速度情報を付加してもよい。この場合、たとえば、停止した車両410が定点観測的に捉えた映像や、所望の経路を高速で走行する車両410の映像、渋滞に巻き込まれ低速で走行する車両410の映像などを選別することができる。
【0075】
また、たとえば、ユーザが周囲に撮影したいものを発見した場合、その後に撮影開始指示を入力しても、車両410は移動しており、撮影したいものを取り逃してしまう可能性がある。これを回避するため、撮影の指示に関わらず、常時周囲の映像を一定時間分バッファリングしておいてもよい。この場合、入力操作によって、撮影したいものを捉えた映像を切り出し、該当する詳細情報を付加して保存する。
【0076】
つぎに、ナビゲーション装置411は、入力デバイス511を介して、保存した映像データの送信希望が入力されたか否かを判断する(ステップS605)。送信希望が入力された場合は(ステップS605:Yes)、他の車両420のナビゲーション装置421に、同報アドレスを用いて映像データ送信希望通知を配信する(ステップS606)。一方、映像データの送信希望が入力されない場合は(ステップS605:No)、ステップS601に戻り、映像の撮影開始の指示を待つ。
【0077】
ステップS606で配信する映像データ送信希望通知には、送信を希望する映像データについての詳細情報が含まれている。詳細情報は、前述したように映像データの撮影地点や、映像データが撮影された時間(時刻)、映像データのカテゴリー、映像データのタイトル、付加情報の有無などである。なお、これらの情報が常時共通している場合などは、送信を省略してもよい。
【0078】
ステップS602の撮影が、車両410の移動を伴いながらおこなわれた場合、詳細情報のうち映像データの撮影地点情報は、映像を撮影した区間の経路の情報となる。また、撮影時間の情報は、映像を撮影した時間帯情報となる。この他、車両410の走行経路の位置情報を全て送信してもよい。この場合、他のナビゲーション装置421において、車両410の走行経路を全て表示した上で、映像データが存在する区間を把握することができる。
【0079】
また、データに対して送信期限を設けてもよい。たとえば、渋滞情報など、時間の経過とともに変動する情報は、あまりに古い情報を送信しても情報価値がない。このため、たとえば、映像データ送信希望通知を送信した後、一定時間経過後はデータ送信をおこなわないよう設定する。
【0080】
一方、特に期限を定めず映像データを送信したいときは、「常設送信」などに設定できるようにしてもよい。また、たとえば、車両410,420などの移動体だけではなく、信号機など道路近くの地物にカメラを設置してもよい。この場合も、アクセス期限を定めず「常設送信」とすれば、ユーザは常に固定した場所の映像データを得ることができる。
【0081】
さらに、全ての車両420に送信される同報アドレスではなく、特定の基地局内にいる車両420のみに送信される同報アドレスを用いるなどによって、特定のエリア内にのみ映像データ送信希望通知を配信してもよい。他にも、たとえば、知り合いのグループや特定のサービスを受けられる端末を持っているグループなどを指定できる同報アドレスを用いてもよい。
【0082】
ステップS606で映像データ送信希望通知を配信すると、ナビゲーション装置411は、他の車両420のナビゲーション装置421から映像データ送信要求信号を受信するまで待機する(ステップS607:Noのループ)。そして、映像データ送信要求信号を受信した場合は(ステップS607:Yes)、映像データ送信要求信号を送信した車両420のナビゲーション装置421に、映像データを送信して(ステップS608)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0083】
なお、送信する映像データを利用するのに必要なプラグインがある場合には、映像データと合わせて送信する。また、一括送信かストリーミング送信かの指定がある場合は、指定に合わせた形式で送信する。
【0084】
つぎに、情報を受信する車両420のナビゲーション装置421がおこなう処理について説明する。図7は、データを受信する車両のナビゲーション装置のデータ受信処理の手順を示すフローチャートである。図7のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置421は、まず、車両410のナビゲーション装置411から映像データ送信希望通知を受信するまで待機する(ステップS701:Noのループ)。
【0085】
映像データ送信希望通知を受信すると(ステップS701:Yes)、ディスプレイ513による画面表示やスピーカ510からの音声出力などによって、受信した通知を出力する(ステップS702)。図6のステップS604で説明したように、映像データ送信希望通知には、映像データについての詳細情報が含まれている。ナビゲーション装置421は、受信したこれらの情報を出力し、ユーザがデータを受信するか否かの判断を待つ。すなわち、映像データの送信を求める映像データ送信要求が入力されたか否かを判断する(ステップS703)。
【0086】
ユーザが映像データを受信すると判断し、映像データの送信を求める映像データ送信要求が入力されると(ステップS703:Yes)、ナビゲーション装置421は、ナビゲーション装置411に対して、映像データ送信要求信号を返信する(ステップS704)。このとき、映像データの送信形式や長さなどを指定してもよい。ナビゲーション装置411の通信用アドレスは、ステップS701で受信した映像データ送信希望通知の送信元アドレスを用いる。
【0087】
そして、送信要求した映像データを受信するまで待機して(ステップS705:Noのループ)、映像データを受信すると(ステップS705:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、ステップS703において、映像データ送信要求が入力されない場合は(ステップS703:No)、ステップS701に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0088】
ここで、ステップS702の映像データ送信希望通知の出力形態について説明する。図8は、映像データ送信希望通知の画面表示の一例を示す説明図である。図8の説明図において、ナビゲーション装置421のディスプレイ513には、映像データ送信希望通知の新着メッセージ801が表示されている。
【0089】
新着メッセージ801には、新しく映像データ送信希望通知がなされたデータの送信者情報811、位置情報812、カテゴリー情報813、受信日時情報814、アクセス期限情報815、付加情報の有無情報816が表示される。送信者情報811は、たとえば車両410,420のIDなど、映像データの送信元を特定する情報である。位置情報812は、送信される映像データが取得された位置を示す。
【0090】
カテゴリー情報813は、情報の内容がどのようなカテゴリーに属するかを示す。受信日時情報814は、映像データ送信希望通知を受信した日時を示す。アクセス期限情報815は、送信者が設定した映像データの送信期限を示す。付加情報の有無情報816は、映像データに関する付加情報の有無を示す。これらの情報は、映像データ送信希望通知に含まれている。
【0091】
さらに、既に受信した映像データ送信希望通知の一覧である受信可能データ一覧821が表示される。受信可能データ一覧821に表示されるのは、新着メッセージ801同様、送信者情報831、位置情報832、カテゴリー情報833、受信日時情報834、アクセス期限情報835、付加情報の有無情報836が表示される。
【0092】
図示した例では、受信日時が新しい順にデータ一覧が表示されているが、それぞれの情報によってデータをソートあるいは選択することができる。また、検索入力ボックス841にキーワードを入力したり、ジャンル選択ボックス842からデータのジャンルを選択したりして、データを絞り込むことができる。なお、アクセス期限が経過したデータについては、受信可能データ一覧821から削除される。
【0093】
また、「地図上に表示」ボタン851を押下すると、ナビゲーション装置421に記憶されている地図情報上に、受信した映像データ送信希望通知の位置情報812,832が示す地点を描画して表示する。これにより、映像データの送信要求をし得る地点を、ユーザに対して直感的に把握させることができる。
【0094】
地図上に地点情報を表示する場合、映像データ送信希望通知を送信した車両410の映像データの地点情報、すなわち、映像データが撮影された地点にアイコンで表示させる。また、撮影された映像データの数が多い場合や、映像データが撮影された地点が一定の区間を有する場合(すなわち、移動しながら撮影した場合)、地図上の経路を塗りつぶしていく(道塗り)こととしてもよい。これにより、地点情報の送信元から送信される映像データがどの地点の映像かをより正確に把握することができる。
【0095】
さらに、「経路上のみ表示」ボタン852を押下すると、ナビゲーション装置421で設定された目的地点までの経路上の映像データ送信要求信号のみを表示する。これにより、ユーザは、自車がこれから走行する経路上の地点情報のみを表示させ、現在の状況の映像データを得ることができる。
【0096】
以上説明したように、実施例にかかるデータ送受信システム400によれば、相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワークにおいて、車両410で取得された現在位置に関するデータを、他の車両420を含む他の通信端末に送信する。その際、映像データ送信希望通知によって、映像データの取得場所や取得日時などを配信することによって、他の車両420の搭乗者に、映像データを送信要求するか否かをより的確に判断させることができる。
【0097】
また、車両410の走行経路のうち任意の場所を選んで撮影でき、その中から車両420の搭乗者が所望する箇所の映像データを選択送信する。このため、車両410の現在位置のみの映像を送信する場合と比べ、車両420の搭乗者が必要とする映像データが存在する可能性を高めることができる。
【0098】
また、映像データの送信期限を定めることによって、時間の経過とともに情報価値が薄れる映像データを、他の車両420に送信するのを回避することができる。このように、必要な映像データであるか否かの判断材料を提供することによって、ネットワーク上の膨大な量の情報から自己の必要とする映像データを適切に判断することができる。
【0099】
なお、上述した実施例では、車両410,420どうしで映像データの送受信をおこなったが、ネットワーク上に映像データ送受信用のサーバを設置して、データを一元管理してもよい。たとえば、車両410の搭乗者が送信したい映像データをサーバにアップすると同時に、サーバから映像データ送信希望通知を他の車両420に配信する。映像データ送信希望通知を受けた他の車両420の搭乗者は、映像データを利用する都度または定期的にサーバにアクセスし、必要な映像データをダウンロードする。または、サーバにデータの送信要求をおこなってもよい。
【0100】
以上のような構成によれば、さらに、映像データの通信量や送受信状況をサーバによって一元管理することができる。また、直接データの送受信をおこなわないため、車両410,420の通信用アドレスを、相互に知られることがなく、個人情報を保護することができる。
【0101】
なお、本実施の形態で説明したデータ送信方法、データ受信方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】実施の形態にかかるデータ送受信システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】第1の通信端末のデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】第2の通信端末のデータ受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】実施例にかかるデータ送受信システムのシステム構成を示す説明図である。
【図5】ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】データを送信する車両のナビゲーション装置のデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】データを受信する車両のナビゲーション装置のデータ受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】映像データ送信希望通知の画面表示の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0103】
100 データ送受信システム
110 第1の通信端末
111 入力部
112 取得部
113 配信部
114 受信部
115 送信部
120 第2の通信端末
121 第1の受信部
122 出力部
123 入力部
124 送信部
125 第2の受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、
映像データの撮像入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって撮像入力された場合、前記映像データを、当該映像データの撮像中における前記通信端末の地点情報とともに取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された地点情報を、前記他の通信端末に配信する配信手段と、
前記配信手段によって前記地点情報が配信された結果、前記映像データの送信要求信号を、前記他の通信端末から受信する受信手段と、
前記受信手段によって送信要求信号が受信された場合、前記送信要求信号を送信した通信端末に前記映像データを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項2】
相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、
映像データの撮像入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって撮像入力された場合、前記映像データを、当該映像データの撮像時間に関する情報とともに取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された撮像時間に関する情報を、前記他の通信端末に配信する配信手段と、
前記配信手段によって前記地点情報が配信された結果、前記映像データの送信要求信号を、前記他の通信端末から受信する受信手段と、
前記受信手段によって送信要求信号が受信された場合、前記送信要求信号を送信した通信端末に前記映像データを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項3】
相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、
映像データの撮像入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって撮像入力された場合、前記映像データを、当該映像データの撮像中における前記通信端末の速度情報とともに取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された速度情報を、前記他の通信端末に配信する配信手段と、
前記配信手段によって前記速度情報が配信された結果、前記映像データの送信要求信号を、前記他の通信端末から受信する受信手段と、
前記受信手段によって送信要求信号が受信された場合、前記送信要求信号を送信した通信端末に前記映像データを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項4】
相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、
前記通信端末以外の他の通信端末により撮像された映像データの撮像地点情報を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段によって受信された撮像地点情報を出力する出力手段と、
前記出力手段によって前記撮像地点情報が出力された場合、前記映像データの送信要求の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって前記送信要求の入力があった場合、前記映像データの送信要求信号を送信する送信手段と、
前記送信手段によって前記送信要求信号が送信された結果、前記他の通信端末から前記映像データを受信する第2の受信手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項5】
相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、
前記通信端末以外の他の通信端末により撮像された映像データの撮像時間情報を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段によって受信された撮像時間情報を出力する出力手段と、
前記出力手段によって前記撮像時間情報が出力された場合、前記映像データの送信要求の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって前記送信要求の入力があった場合、前記映像データの送信要求信号を送信する送信手段と、
前記送信手段によって前記送信要求信号が送信された結果、前記他の通信端末から前記映像データを受信する第2の受信手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項6】
相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末であって、
前記通信端末以外の他の通信端末の速度情報を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段によって受信された速度情報を出力する出力手段と、
前記出力手段によって前記速度情報が出力された場合、当該速度情報に関連付けられている映像データの送信要求の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって前記送信要求の入力があった場合、前記映像データの送信要求信号を送信する送信手段と、
前記送信手段によって前記送信要求信号が送信された結果、前記他の通信端末から前記映像データを受信する第2の受信手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項7】
相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末を用いるデータ送信方法であって、
映像データの撮像入力を受け付ける入力工程と、
前記入力工程によって撮像入力された場合、前記映像データを、当該映像データの撮像中における前記通信端末の地点情報とともに取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された地点情報を、前記他の通信端末に配信する配信工程と、
前記配信工程によって前記地点情報が配信された結果、前記映像データの送信要求信号を、前記他の通信端末から受信する受信工程と、
前記受信工程によって送信要求信号が受信された場合、前記送信要求信号を送信した通信端末に前記映像データを送信する送信工程と、
を含むことを特徴とするデータ送信方法。
【請求項8】
相互に通信可能な複数の通信端末からなる通信ネットワーク内の通信端末を用いるデータ受信方法であって、
前記通信端末以外の他の通信端末により撮像された映像データの撮像地点情報を受信する第1の受信工程と、
前記第1の受信工程によって受信された撮像地点情報を出力する出力工程と、
前記出力工程によって前記撮像地点情報が出力された場合、前記映像データの送信要求の入力を受け付ける入力工程と、
前記入力工程によって前記送信要求の入力があった場合、前記映像データの送信要求信号を送信する送信工程と、
前記送信工程によって前記送信要求信号が送信された結果、前記他の通信端末から前記映像データを受信する第2の受信工程と、
を含むことを特徴とするデータ受信方法。
【請求項9】
請求項7に記載のデータ送信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ送信プログラム。
【請求項10】
請求項8に記載のデータ受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ受信プログラム。
【請求項11】
請求項9に記載のデータ送信プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
請求項10に記載のデータ受信プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−104568(P2007−104568A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295134(P2005−295134)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】