説明

障壁表面上のコバルト堆積

本発明の実施形態は、障壁層上にコバルト層を堆積させた後、コバルト層上に銅または銅合金などの導電材料を堆積させるプロセスを提供する。一実施形態では、基板表面上に材料を堆積させる方法であって、基板上に障壁層を形成するステップと、気相成長プロセス(たとえば、CVDまたはALD)中に基板をジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレン(CCTBA)および水素に露出させて障壁層上にコバルト層を形成するステップと、コバルト層を覆うように導電材料を堆積させるステップとを含む方法が提供される。いくつかの例では、障壁層および/またはコバルト層は、熱プロセス、インサイチュプラズマプロセス、または遠隔プラズマプロセスなどの処理プロセス中にガスまたは試薬に露出させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に電子および半導体デバイスを製造する金属化プロセスに関し、より詳細には、実施形態は、障壁層上にコバルト層を堆積させてからコバルト層上に導電層またはコンタクト材料を堆積させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銅は現在、デバイスの製造にとって決定的な多重レベルの金属化プロセスで使用するために選択されている金属である。製造プロセスを動かす多重レベルの相互接続には、コンタクト、バイア、回線、および他のフィーチャを含む高いアスペクト比の開口を平坦化する必要がある。フィーチャのアスペクト比が高ければ高いほど、空隙を作ったり、フィーチャの幾何形状を変形させたりすることなく、これらのフィーチャを充填するのはより困難になる。製造者が回路の密度および品質を増大させようと努力するにつれて、相互接続を確実に形成することもより困難になる。
【0003】
その相対的な低コストおよび加工特性のため、銅の使用が市場に浸透しているので、半導体の製造者は引き続き、銅拡散およびディウェッティングを低減させることによって、銅と誘電体材料の間の境界領域を改善する方法を探している。フィーチャ寸法が低減するにつれて、銅の相互接続を製造するいくつかの加工方法が開発された。各加工方法は、境界領域全体にわたる銅拡散、銅の結晶構造の変形、およびディウェッティングなどの誤りの可能性を増大させることがある。相互接続を形成する銅を操作するには、物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、原子層堆積(ALD)、電気化学めっき(ECP)、無電解堆積、化学的機械研磨(CMP)、電気化学的機械研磨(ECMP)、ならびに銅層を堆積および除去する他の方法で機械的、電気的、または化学的方法を利用する。銅を含有するには、障壁層およびキャッピング層を堆積させることができる。
【0004】
過去には、タンタル、窒化タンタル、または銅合金の層とスズ、アルミニウム、またはマグネシウムをともに使用して、銅と他の材料の間に障壁層または粘着促進剤を提供した。これらの選択肢は、通常は高価であり、部分的な効果しかない。銅原子が境界領域に沿って、複数ステップの半導体加工では一般的な温度、圧力、大気条件、または他のプロセス上の変動要素の変化を受けるにつれて、銅は、境界領域に沿って移動して凝集することがある。銅はまた、境界領域に沿ってあまり均一に分散されず、ディウェッティングされることがある。境界領域内のこれらの変化には、銅原子のストレスマイグレーションおよびエレクトロマイグレーションが含まれる。誘電体層または他の構造全体にわたる銅のストレスマイグレーションおよびエレクトロマイグレーションは、その結果得られる構造の抵抗率を増大させ、その結果得られるデバイスの信頼性を低減させる。
【0005】
したがって、障壁層上の導電層またはコンタクト材料の安定性および粘着性を強化する必要がある。また、誘電体材料など隣接する材料内への銅の拡散を防止しながら、特に銅線形成のための銅含有層のエレクトロマイグレーション信頼性を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、障壁層上にコバルト層を堆積させてからコバルト層上に導電層を堆積させるプロセスを提供する。一実施形態では、基板表面上に材料を堆積させる方法であって、基板上に障壁層を形成するステップと、気相成長プロセス中に基板をジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレン(CCTBA)および水素(H)に露出させて障壁層上にコバルト層を形成するステップと、コバルト層を覆うように導電材料を堆積させるステップとを含む方法が提供される。
【0007】
一例では、基板は、熱CVDプロセス中にCCTBAおよび水素を含有する堆積ガスに露出させることができる。別の例では、基板は、ALDプロセス中にCCTBAおよび水素に順次露出させることができる。基板は、CVDまたはALDプロセス中に約100℃から約250℃の範囲内の温度に加熱することができる。コバルト層は、約40Å未満の厚さで堆積させることができる。
【0008】
いくつかの例では、処理プロセス中に障壁層および/またはコバルト層をガスまたは試薬に露出させることができる。この処理は、熱プロセス、インサイチュ(in situ)プラズマプロセス、または遠隔プラズマプロセスとすることができる。ガスまたは試薬は、窒素(N)、アンモニア(NH)、水素(H)、アンモニア/水素混合物、シラン、ジシラン、ヘリウム、アルゴン、これらのプラズマ、これらの誘導体、もしくはこれらの組合せとすることができ、またはこれらを含有することができる。障壁層またはコバルト層は、約1秒から約30秒の範囲内の期間にわたってガス、試薬、またはプラズマに露出させることができる。基板は、処理プロセス中に約50℃から約400℃の範囲内の温度に加熱することができる。
【0009】
いくつかの例では、導電材料は、銅または銅合金を含有することができる。導電材料は、シード層およびバルク層を含むことができる。別法として、導電材料は、電気化学めっき(ECP)プロセスなどによって、コバルト層上に直接堆積させることができる。一例では、PVDプロセスまたはCVDプロセスによって、銅を含有するシード層を堆積させることができる。別の例では、バルク層が銅を含有し、ECPプロセスによって堆積させることができる。障壁層は、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、タングステン、窒化タングステン、これらの合金、これらの誘導体、またはこれらの組合せを含有することができる。一例では、障壁層は、タンタル層上に配置された窒化タンタル層とすることができる。
【0010】
別の実施形態では、基板表面上に材料を堆積させる方法であって、基板上に障壁層を形成するステップと、前処理プロセス中に障壁層を第1のプラズマに露出させるステップと、気相成長プロセス中に基板をCCTBAおよび水素に露出させて障壁層上にコバルト層を形成するステップと、後処理プロセス中にコバルト層を第2のプラズマに露出させるステップと、PVDプロセスまたはCVDプロセスなどの気相成長プロセスによってコバルト層上に銅層を堆積させるステップとを含む方法が提供される。
【0011】
別の実施形態では、基板表面上に材料を堆積させる方法であって、基板上に障壁層を形成するステップと、前処理プロセス中に障壁層をプラズマに露出させるステップと、気相成長プロセス中に基板をCCTBAおよび還元ガスに露出させて障壁層上にコバルト層を形成するステップと、後処理プロセス中にコバルト層を水素プラズマに露出させるステップと、コバルト層を覆うように銅材料を堆積させるステップとを含む方法が提供される。一例では、コバルト層を堆積させる気相成長プロセスおよび後処理プロセスを順次繰り返して、コバルト材料を形成する。コバルト材料は複数のコバルト層を含有し、それぞれ水素プラズマに露出させてから、その上に別のコバルト層を堆積させたものである。
【0012】
本発明の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に概要を述べた本発明について、実施形態を参照してより具体的に説明することができる。実施形態のいくつかは、添付の図面に図示する。しかし、本発明には他の等しく効果的な実施形態が認められるので、添付の図面は本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって本発明の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本明細書に記載の一実施形態によるプロセスを示す流れ図である。
【図2】A〜Fは、本明細書に記載の一実施形態による異なるプロセスステップでの基板の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、障壁層または層上にコバルト層を堆積させてからコバルト層上に導電層を堆積させる方法を提供する。コバルト層および障壁層はそれぞれ任意選択で、プラズマプロセスまたは熱プロセスなどの処理プロセスに露出させることができる。導電層は、銅または銅合金を含有することができ、物理気相成長(PVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス、電気化学めっき(ECP)プロセス、または無電解堆積プロセスによって堆積させることができる。コバルト層は、粘着性を促進し、ギャップフィルおよびエレクトロマイグレーション性能を改善し、拡散および凝集を低減させ、また加工中に基板表面の粗さおよび濡れ性を均一にするように、銅の境界領域の特性を改善する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態によるプロセス100を示す流れ図を表す。プロセス100を使用して、基板上に相互接続または他のデバイスを形成することができる。一実施形態では、プロセス100のステップ110〜150を、図2A〜2Fに表す基板200上で実行することができる。プロセス100は、基板上に障壁層を堆積または形成するステップ(ステップ110)と、任意選択で障壁層を前処理プロセスに露出させるステップ(ステップ120)と、障壁層上にコバルト層を堆積させるステップ(ステップ130)と、任意選択でコバルト層を後処理プロセスに露出させるステップ(ステップ140)と、コバルト層上に少なくとも1つの導電層を堆積させるステップ(ステップ150)とを含む。
【0016】
図2Aは、下層202を覆うように配置された誘電体層204を含む基板200を表す。誘電体層204内には開口206が形成される。開口206は、誘電体層204内に形成されたバイア、ダマシン、トラフ、または他の通路とすることができる。下層202は、デバイス構造に応じて、基板、基板表面、コンタクト層、または別の層とすることができる。誘電体層204は、低誘電率誘電体材料などの誘電体材料を含有することができる。一例では、誘電体層204は、炭化酸化シリコン材料または炭素ドープ酸化シリコン材料などの低誘電率誘電体材料、たとえばカリフォルニア州サンタクララにあるApplied Materials社から入手可能なBLACK DIAMOND(登録商標)IIという低誘電率誘電体材料を含有する。誘電体層204に適した材料の別の例は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,537,733号、第6,790,788号、および第6,890,850号に記載のような化学気相成長(CVD)またはプラズマ強化CVD(PE−CVD)プロセスを使用して形成された炭化シリコンベース膜である。これらの特許を、参照により本明細書に組み込む。
【0017】
一実施形態では、プロセス100のステップ110中に、少なくとも1つの障壁層または材料を基板上に堆積または形成することができる。一例では、図2Bは、基板200上に、誘電体層204を覆うように、開口206内で共形に配置された障壁層210を表す。障壁層210は、1つまたは複数の層とすることができる。障壁層210は、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、窒化タングステン、これらのケイ化物、これらの誘導体、またはこれらの組合せを含有することができる。いくつかの実施形態では、障壁層210は、タンタル/窒化タンタル、チタン/窒化チタン、またはタングステン/窒化タングステンの二重層を含有することができる。障壁層210は、約5Åから約50Å、好ましくは約10Åから約30Åの範囲内の厚さを有することができ、PVD、ALD、プラズマ強化ALD(PE−ALD)、CVD、PECVD、パルスCVD、またはこれらの組合せによって形成または堆積させることができる。
【0018】
一例では、障壁層210は、PVDプロセスによって堆積させた金属タンタルの下部層と、下部層を覆うように配置された、別のPVDプロセスによって堆積させた窒化タンタル層の上部層とを含む。別の例では、障壁層210は、ALDプロセスによって堆積させた金属タンタルの下部層と、下部層を覆うように配置された、CVDプロセスによって堆積させた窒化タンタル層の上部層とを含む。別の例では、障壁層210は、PVDプロセスによって堆積させた金属タンタルの下部層と、下部層を覆うように配置された、CVDプロセスによって堆積させた窒化タンタル層の上部層とを含む。
【0019】
たとえば、障壁層210は、タンタル含有化合物またはタンタル前駆体(たとえば、PDMAT)と窒素前駆体(たとえば、アンモニア)を反応させるCVDプロセスまたはALDプロセスを使用して堆積させた窒化タンタルを含有することができる。一実施形態では、2002年10月25日に出願され米国特許出願公開第2003−0121608号として公開された本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第10/281,079号に記載のALDプロセスによって、障壁層210としてタンタルおよび/または窒化タンタルが堆積される。同出願を、参照により本明細書に組み込む。一例では、ALD、CVD、および/またはPVDプロセスによって一方の層を他方の層の上にどちらかの順序で独立して堆積させた金属タンタル層および窒化タンタル層など、障壁層210としてTa/TaN二重層を堆積させることができる。
【0020】
別の例では、ALD、CVD、および/またはPVDプロセスによって一方の層を他方の層の上にどちらかの順序で独立して堆積させた金属チタン層および窒化チタン層など、障壁層210としてTi/TiN二重層を堆積させることができる。別の例では、ALD、CVD、および/またはPVDプロセスによって一方の層を他方の層の上にどちらかの順序で独立して堆積させた金属タングステン層および窒化タングステン層など、障壁層210としてW/WN二重層を堆積させることができる。
【0021】
ステップ120では、任意選択で、障壁層210をプラズマプロセスまたは熱プロセスなどの前処理プロセスに露出させることができる。プラズマまたは熱前処理プロセス中に基板200に露出できるプロセスガスおよび/または試薬には、水素(たとえば、Hもしくは原子状H)、窒素(たとえば、Nもしくは原子状N)、アンモニア(NH)、水素とアンモニアの混合物(H/NH)、ヒドラジン(N)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、ヘリウム、アルゴン、これらの誘導体、これらのプラズマ、またはこれらの組合せが含まれる。プロセスガスは、約500sccmから約10slm、好ましくは約1slmから約6slmの範囲内、たとえば約3slmの流量で、加工チャンバ内へ流れることができ、または基板に露出させることができる。
【0022】
一実施形態では、ステップ120で前処理プロセス中に、基板200および障壁層210をプラズマに露出させて、障壁層210から汚染物質を除去することができる。基板200を加工チャンバ内に位置決めし、プラズマを形成するように着火されたプロセスガスに露出させることができる。プロセスガスは、1つのガス状化合物または複数のガス状化合物を含有することができる。基板200は、室温(たとえば、23℃)とすることができるが、通常は、その後の堆積プロセスの所望の温度に予め加熱される。基板200は、約200℃または約250℃など、約100℃から約400℃、好ましくは約125℃から約350℃、より好ましくは約150℃から約300℃の範囲内の温度に加熱することができる。
【0023】
加工チャンバは、インサイチュプラズマを発生させることができ、または遠隔プラズマ源(RPS)を装備することができる。一実施形態では、約0.5秒から約90秒、好ましくは約10秒から約60秒、より好ましくは約20秒から約40秒の範囲内の期間にわたって、基板200をプラズマに(たとえば、インサイチュまたは遠隔で)露出させることができる。プラズマは、約100ワットから約1,000ワット、好ましくは約200ワットから約600ワット、より好ましくは約300ワットから約500ワットの範囲内の電力で発生させることができる。加工チャンバは通常、約0.1トルから約100トル、好ましくは約0.5トルから約50トル、より好ましくは約1トルから約10トルの範囲内など、約100トル以下の内圧を有する。
【0024】
一例では、基板200および障壁層210は、水素、アンモニア、窒素、またはこれらの混合物から生成されたプラズマに露出させることができる。別の例では、基板200および障壁層210は、水素およびアンモニアから生成されたプラズマに露出させることができる。別の例では、基板200および障壁層210は、水素、窒素、シラン、ジシラン、またはこれらの混合物から生成されたプラズマに露出させることができる。別の例では、基板200および障壁層210は、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはこれらの混合物から生成されたプラズマに露出させることができる。
【0025】
別の実施形態では、ステップ120で熱前処理プロセス中に、基板200および障壁層210をプロセスガスに露出させて、障壁層210から汚染物質を除去する。熱前処理プロセスは、急速熱プロセス(RTP)または急速熱アニーリング(RTA)プロセスとすることができる。基板200を加工チャンバ内に位置決めし、少なくとも1つのプロセスガスおよび/または試薬に露出させることができる。加工チャンバは、PVDチャンバ、CVDチャンバ、またはALDチャンバなど、その後の堆積プロセスに使用される堆積チャンバとすることができる。別法として、加工チャンバは、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials社から市販のRADIANCE(登録商標)というRTAチャンバなどの熱アニーリングチャンバとすることができる。基板200は、約25℃から約800℃、好ましくは約50℃から約400℃、より好ましくは約100℃から約300℃の範囲内の温度に加熱することができる。基板200は、約2分から約20分、好ましくは約5分から約15分の範囲内の期間にわたって加熱することができる。たとえば、基板200は、加工チャンバ内で約12分間にわたって約400℃に加熱することができる。
【0026】
一例では、基板200および障壁層210は、加工チャンバ内で加熱しながら、水素、アンモニア、窒素、またはこれらの混合物に露出させることができる。別の例では、基板200および障壁層210は、加工チャンバ内で加熱しながら、アンモニア/水素混合物に露出させることができる。別の例では、基板200および障壁層210は、加工チャンバ内で加熱しながら、水素、窒素、シラン、ジシラン、またはこれらの混合物に露出させることができる。別の例では、基板200および障壁層210は、加工チャンバ内で加熱しながら、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはこれらの混合物に露出させることができる。
【0027】
別の実施形態では、プロセス100のステップ130中、少なくともコバルト材料または層を基板上に堆積または形成することができる。一例では、図2Cは、基板200上に、障壁層210を覆うように、開口206内で共形に配置されたコバルト層220を表す。コバルト層220は通常単一の層であるが、複数の層を含むこともできる。コバルト層220は、障壁層210全体にわたって連続する層であっても連続しない層であってもよい。コバルト層220は、約2Åから約40Å、好ましくは約5Åから約30Åの範囲内など、約40Å以下の厚さを有することができる。コバルト層220は、CVD、PE−CVD、パルスCVD、ALD、PE−ALD、またはPVDなどの気相成長プロセスによって形成または堆積させることができる。プラズマ強化気相成長プロセス、すなわちPE−CVDおよびPE−ALDは、加工チャンバ内のインサイチュプラズマプロセスとすることができ、またはRPSによってプラズマを着火して加工チャンバ内へ誘導するような遠隔プラズマプロセスとすることができる。多くの例では、コバルト層220は金属コバルトを含有する。別法として、他の例では、コバルト層220は、金属コバルト、ケイ化コバルト、ホウ化コバルト、燐化コバルト、これらの合金、これらの誘導体、またはこれらの組合せなど、1つまたは複数のコバルト材料を含有することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、コバルト層220は、熱CVDプロセス、パルスCVDプロセス、PE−CVDプロセス、またはパルスPE−CVDプロセス中にコバルト前駆体および試薬を加工チャンバ内へ同時に導入することによって形成または堆積させることができる。他の実施形態では、熱CVDプロセス、パルスCVDプロセス、PE−CVDプロセス、またはパルスPE−CVDプロセス中に試薬なしでコバルト前駆体を加工チャンバ内へ導入することができる。別法として、他の実施形態では、コバルト層220は、熱ALDプロセスまたはPE−ALDプロセス中にコバルト前駆体および試薬を加工チャンバ内へ順次導入することによって形成または堆積させることができる。
【0029】
コバルト層220は、いくつかの例では金属コバルトを含有することができるが、他の例では他のコバルト材料を含有することもできる。本明細書に記載のCVDまたはALDプロセスによってコバルト材料(たとえば、金属コバルトまたはコバルト合金)を形成するのに適したコバルト前駆体には、コバルトカルボニル錯体、コバルトアミジナート化合物、コバルトセン化合物、コバルトジエニル錯体、コバルトニトロシル錯体、これらの誘導体、これらの錯体、これらのプラズマ、またはこれらの組合せが含まれる。いくつかの実施形態では、コバルト材料は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,264,846号および第7,404,985号にさらに記載のCVDおよびALDプロセスによって堆積させることができる。これらの特許を、参照により本明細書に組み込む。
【0030】
いくつかの実施形態では、コバルト前駆体としてコバルトカルボニル化合物または錯体を利用することができる。コバルトカルボニル化合物または錯体は、一般的化学式(CO)Coを有する。上式で、Xは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12とすることができ、Yは1、2、3、4、または5とすることができ、Zは1、2、3、4、5、6、7、または8とすることができる。基Lは、リガンドなし、1つのリガンド、または複数のリガンドであり、複数のリガンドは、同じリガンドであっても異なるリガンドであってもよく、またリガンドには、シクロペンタジエニル、アルキルシクロペンタジエニル(たとえば、メチルシクロペンタジエニルもしくはペンタメチルシクロペンタジエニル)、ペンタジエニル、アルキルペンタジエニル、シクロブタジエニル、ブタジエニル、エチレン、アリル(もしくはプロピレン)、アルケン類、ジアルケン類、アルキン類、アセチレン、ブチルアセチレン、ニトロシル、アンモニア、これらの誘導体、これらの錯体、これらのプラズマ、またはこれらの組合せが含まれる。
【0031】
一実施形態では、堆積プロセス中に、ジコバルトヘキサカルボニルアセチル化合物を使用してコバルト材料(たとえば、コバルト層220)を形成することができる。ジコバルトヘキサカルボニルアセチル化合物は、(CO)Co(RC≡CR’)という化学式を有することができる。上式で、RおよびR’は独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンタ、ベンジル、アリール、これらの異性体、これらの誘導体、またはこれらの組合せから選択される。一例では、ジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレン(CCTBA、(CO)Co(HC≡CBu))がコバルト前駆体になる。ジコバルトヘキサカルボニルアセチル化合物の他の例には、ジコバルトヘキサカルボニルメチルブチルアセチレン((CO)Co(MeC≡CBu))、ジコバルトヘキサカルボニルフェニルアセチレン((CO)Co(HC≡CPh))、ヘキサカルボニルメチルフェニルアセチレン((CO)Co(MeC≡CPh))、ジコバルトヘキサカルボニルメチルアセチレン((CO)Co(HC≡CMe))、ジコバルトヘキサカルボニルジメチルアセチレン((CO)Co(MeC≡CMe))、これらの誘導体、これらの錯体、これらのプラズマ、またはこれらの組合せが含まれる。他の例示的なコバルトカルボニル錯体には、シクロペンタジエニルコバルトビス(カルボニル)(CpCo(CO))、トリカルボニルアリルコバルト((CO)Co(CHCH=CH))、これらの誘導体、これらの錯体、これらのプラズマ、またはこれらの組合せが含まれる。
【0032】
別の実施形態では、コバルト前駆体としてコバルトアミジナートまたはコバルトアミド錯体を利用することができる。コバルトアミド錯体は、一般的化学式(RR’N)Coを有する。上式で、Xは1、2、または3とすることができ、RおよびR’は独立して水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アルキル、シリル、アルキルシリル、これらの誘導体、またはこれらの組合せである。いくつかの例示的なコバルトアミド錯体には、ビス(ジ(ブチルジメチルシリル)アミド)コバルト(((BuMeSi)N)Co)、ビス(ジ(エチルジメチルシリル)アミド)コバルト(((EtMeSi)N)Co)、ビス(ジ(プロピルジメチルシリル)アミド)コバルト(((PrMeSi)N)Co)、ビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)コバルト(((MeSi)N)Co)、トリス(ジ(トリメチルシリル)アミド)コバルト(((MeSi)N)Co)、これらの誘導体、これらの錯体、これらのプラズマ、またはこれらの組合せが含まれる。
【0033】
いくつかの例示的なコバルト前駆体には、メチルシクロペンタジエニルコバルトビス(カルボニル)(MeCpCo(CO))、エチルシクロペンタジエニルコバルトビス(カルボニル)(EtCpCo(CO))、ペンタメチルシクロペンタジエニルコバルトビス(カルボニル)(MeCpCo(CO))、ジコバルトオクタ(カルボニル)(Co(CO))、ニトロシルコバルトトリス(カルボニル)((ON)Co(CO))、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト、(シクロペンタジエニル)コバルト(シクロヘキサジエニル)、シクロペンタジエニルコバルト(1,3−ヘキサジエニル)、(シクロブタジエニル)コバルト(シクロペンタジエニル)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)コバルト、(シクロペンタジエニル)コバルト(5−メチルシクロペンタジエニル)、ビス(エチレン)コバルト(ペンタメチルシクロペンタジエニル)、コバルトテトラカルボニルイオダイド、コバルトテトラカルボニルトリクロロシラン、カルボニルクロライドトリス(トリメチルホスフィン)コバルト、コバルトトリカルボニル−ハイドロトリブチルホスフィン、アセチレンジコバルトヘキサカルボニル、アセチレンジコバルトペンタカルボニルトリエチルホスフィン、これらの誘導体、これらの錯体、これらのプラズマ、またはこれらの組合せが含まれる。
【0034】
いくつかの例では、本明細書に記載のプロセスによってコバルト前駆体と反応させながらコバルト材料(たとえば、金属コバルトまたはコバルト合金)を形成するのに使用できる還元剤を含む代替の試薬には、水素(たとえば、Hもしくは原子状H)、窒素(たとえば、Nもしくは原子状N)、アンモニア(NH)、ヒドラジン(N)、水素とアンモニアの混合物(H/NH)、ボラン(BH)、ジボラン(B)、トリエチルボラン(EtB)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、メチルシラン(SiCH)、ジメチルシラン(SiC)、ホスフィン(PH)、これらの誘導体、これらのプラズマ、またはこれらの組合せが含まれる。
【0035】
一実施形態では、熱CVDプロセス中に基板200をコバルト前駆体ガスおよび還元剤に同時に露出させることによって、金属コバルトを含有するコバルト層220を堆積させる。代替実施形態では、プラズマ強化CVDプロセス中に基板200をコバルト前駆体ガスおよび還元剤ガスに同時に露出させることによって、金属コバルトを含有するコバルト層220を堆積させる。プラズマ源は、CVDチャンバ内のインサイチュプラズマ源とすることができ、またはCVDチャンバの外に位置決めされたRPSとすることができる。コバルト前駆体ガスは、キャリアガス(たとえば、窒素またはアルゴン)をコバルト前駆体(たとえば、CCTBA)のアンプルに通すことによって形成することができる。還元剤ガスは、単一の化合物(たとえば、H)とすることができ、したがってキャリアガスをもたなくてもよい。別法として、還元剤ガスは、キャリアガスを還元剤のアンプルに通すことによって形成することができる。
【0036】
プロセス中に使用されるコバルト前駆体または還元剤に応じて、アンプルを加熱することができる。一例では、ジコバルトヘキサカルボニルアセチル化合物または他のコバルトカルボニル化合物(たとえば、(CO)Co)などのコバルト前駆体を含むアンプルを、約30℃から約500℃の範囲内の温度に加熱することができる。コバルト前駆体ガスは通常、約100sccm(標準立方センチメートル/分)から約2,000sccm、好ましくは約200sccmから約1,000sccm、より好ましくは約300sccmから約700sccmの範囲内、たとえば約500sccmの流量を有する。還元剤ガスは通常、約0.5slm(標準リットル/分)から約10slm、好ましくは約1slmから約8slm、より好ましくは約2slmから約6slmの範囲内の流量を有する。一例では、還元剤ガスは水素であり、約4slmなど、約2slmから約6slmの範囲内の流量を有する。
【0037】
堆積プロセス中、加工チャンバに入る前、その間、またはその後に、コバルト前駆体ガスと還元剤ガスを組み合わせて堆積ガスを形成し、コバルト層220を堆積させることができる。基板200を加工チャンバ内に位置決めし、約150℃など、約25℃から約800℃、好ましくは約50℃から約400℃、より好ましくは約100℃から約250℃の範囲内の温度に加熱することができる。所定の温度になった後、基板200は、約0.1秒から約120秒、好ましくは約1秒から約60秒、より好ましくは約5秒から約30秒の範囲内の期間にわたって、コバルト前駆体ガスおよび還元剤ガスを含有する堆積ガスに露出させることができる。たとえば、CVDプロセス中に基板200を加工チャンバ内で約10分間にわたって約150℃に加熱しながら、コバルト層220を形成することができる。
【0038】
ステップ140で、コバルト層220を、プラズマプロセスまたは熱プロセスなどの後処理プロセスに任意選択で露出させることができる。プラズマまたは熱後処理プロセス中に基板200およびコバルト層220に露出できるプロセスガスおよび/または試薬には、水素(たとえば、Hもしくは原子状H)、窒素(たとえば、Nもしくは原子状N)、アンモニア(NH)、水素とアンモニアの混合物(H/NH)、ヒドラジン(N)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、ヘリウム、アルゴン、これらの誘導体、これらのプラズマ、またはこれらの組合せが含まれる。プロセスガスは、約500sccmから約10slm、好ましくは約1slmから約6slmの範囲内、たとえば約3slmの流量で、加工チャンバ内へ流れることができ、または基板に露出させることができる。
【0039】
一実施形態では、ステップ140で後処理プロセス中に、基板200およびコバルト層220をプラズマに露出させて、コバルト層220から汚染物質を除去する。基板200を加工チャンバ内に位置決めし、プラズマを形成するように着火されたプロセスガスに露出させることができる。プロセスガスは、1つのガス状化合物または複数のガス状化合物を含有することができる。基板200は、室温(たとえば、23℃)とすることができるが、通常は、その後の堆積プロセスの所望の温度に予め加熱される。基板200は、約200℃または約250℃など、約100℃から約400℃、好ましくは約125℃から約350℃、より好ましくは約150℃から約300℃の範囲内の温度に加熱することができる。
【0040】
加工チャンバは、インサイチュプラズマを発生させることができ、またはRPSを装備することができる。一実施形態では、約0.5秒から約90秒、好ましくは約10秒から約60秒、より好ましくは約20秒から約40秒の範囲内の期間にわたって、基板200をプラズマに(たとえば、インサイチュまたは遠隔で)露出させることができる。プラズマは、約100ワットから約1,000ワット、好ましくは約200ワットから約600ワット、より好ましくは約300ワットから約500ワットの範囲内の電力で発生させることができる。加工チャンバは通常、約0.1トルから約100トル、好ましくは約0.5トルから約50トル、より好ましくは約1トルから約10トルの範囲内など、約100トル以下の内圧を有する。
【0041】
一例では、基板200およびコバルト層220は、水素、アンモニア、窒素、またはこれらの混合物から生成されたプラズマに露出させることができる。別の例では、基板200およびコバルト層220は、水素およびアンモニアから生成されたプラズマに露出させることができる。別の例では、基板200およびコバルト層220は、水素、窒素、シラン、ジシラン、またはこれらの混合物から生成されたプラズマに露出させることができる。別の例では、基板200およびコバルト層220は、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはこれらの混合物から生成されたプラズマに露出させることができる。
【0042】
いくつかの例では、基板200およびコバルト層220は、RPSによって着火された水素ガスから生成された水素プラズマに露出させることができる。コバルト層220は、約2slmから約4slmの範囲内の流量で水素ガスに露出させることができる。加工チャンバは、約1トルから約10トルの範囲内の内圧を有することができ、約300ワットから約500ワットの範囲内の電力を有するRPSによってプラズマが着火される。一実施形態では、約7Åから約10Åの範囲内の厚さを有する堆積させたコバルト材料層ごとに、約20秒から約40秒の範囲内の期間にわたってプラズマをコバルト層220に露出させることができる。堆積させた複数のコバルト材料層で複数の処理を順次実行しながら、コバルト層220を形成することができる。
【0043】
別の実施形態では、ステップ140で熱後処理プロセス中に、基板200およびコバルト層220をプロセスガスに露出させて、コバルト層220から汚染物質を除去する。熱後処理プロセスは、RTPまたはRTAプロセスとすることができる。基板200を加工チャンバ内に位置決めし、少なくとも1つのプロセスガスおよび/または試薬に露出させることができる。加工チャンバは、PVDチャンバ、CVDチャンバ、またはALDチャンバなど、先の堆積プロセスで使用したまたはその後の堆積プロセスに使用される堆積チャンバとすることができる。別法として、加工チャンバは、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials社から市販のRADIANCE(登録商標)というRTAチャンバなどの熱アニーリングチャンバとすることができる。基板200は、約25℃から約800℃、好ましくは約50℃から約400℃、より好ましくは約100℃から約300℃の範囲内の温度に加熱することができる。基板200は、約2分から約20分、好ましくは約5分から約15分の範囲内の期間にわたって加熱することができる。たとえば、基板200は、加工チャンバ内で約12分間にわたって約400℃に加熱することができる。
【0044】
一例では、基板200およびコバルト層220は、加工チャンバ内で加熱しながら、水素、アンモニア、窒素、またはこれらの混合物に露出させることができる。別の例では、基板200およびコバルト層220は、加工チャンバ内で加熱しながら、アンモニア/水素混合物に露出させることができる。別の例では、基板200およびコバルト層220は、加工チャンバ内で加熱しながら、水素、窒素、シラン、ジシラン、またはこれらの混合物に露出させることができる。別の例では、基板200およびコバルト層220は、加工チャンバ内で加熱しながら、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはこれらの混合物に露出させることができる。
【0045】
図2Cは、基板200上で誘電体層204内に形成された開口206を表す。開口206は、中に共形に配置された障壁層210およびコバルト層220を含む。別の実施形態では、プロセス100のステップ150中、コバルト層220上に、またはコバルト層220を覆うように、導電層を堆積または形成することができる。一実施形態では、導電層は、図2Dに表すように、コバルト層220を覆うように直接堆積させることができるバルク層240である。別法として、別の実施形態では、導電層は、シード層230およびバルク層240である。図2E〜2Fに表すように、コバルト層220を覆うようにシード層230を堆積させることができ、その後、シード層230を覆うようにバルク層240を堆積させることができる。
【0046】
シード層230およびバルク層240は、単一の堆積プロセスまたは複数の堆積プロセス中に堆積または形成することができる。シード層230は、銅、タングステン、アルミニウム、ルテニウム、コバルト、銀、白金、パラジウム、これらの合金、これらの誘導体、またはこれらの組合せを含有することができる。バルク層240は、銅、タングステン、アルミニウム、これらの合金、これらの誘導体、またはこれらの組合せを含有することができる。通常、シード層230およびバルク層240は独立して、銅、タングステン、アルミニウム、これらの合金、これらの誘導体、またはこれらの組合せを含有することができる。シード層230およびバルク層240は独立して、CVDプロセス、ALDプロセス、PVDプロセス、無電解堆積プロセス、ECPプロセス、これらの派生物、またはこれらの組合せなど、1つまたは複数の堆積プロセスを使用して堆積させることができる。
【0047】
一例では、シード層230とバルク層240はそれぞれ、銅または銅合金を含有する。たとえば、PVDプロセスによってコバルト層220上に銅を含有するシード層230を形成することができ、その後、ECPプロセスまたは無電解堆積プロセスによって銅を含有するバルク層240を堆積させて、開口206を充填することができる。別の例では、ALDプロセスによってコバルト層220上に銅を含有するシード層230を形成することができ、その後、ECPプロセスまたは無電解堆積プロセスによって銅を含有するバルク層240を堆積させて、開口206を充填することができる。別の例では、CVDプロセスによってコバルト層220上に銅を含有するシード層230を形成することができ、その後、ECPプロセスまたは無電解堆積プロセスによって銅を含有するバルク層240を堆積させて、開口206を充填することができる。別の例では、無電解プロセスによってコバルト層220上に銅を含有するシード層230を形成することができ、その後、ECPプロセスまたは無電解堆積プロセスによって銅を含有するバルク層240を堆積させて、開口206を充填することができる。別の例では、コバルト層220がシード層として働き、そこにECPプロセスまたは無電解堆積プロセスによって銅を含有するバルク層240を直接堆積させて、開口206を充填することができる。
【0048】
一例では、シード層230とバルク層240はそれぞれ、タングステンまたはタングステン合金を含有する。たとえば、PVDプロセスによってコバルト層220上にタングステンを含有するシード層230を形成することができ、その後、CVDプロセスまたはパルスCVDプロセスによってタングステンを含有するバルク層240を堆積させて、開口206を充填することができる。別の例では、ALDプロセスによってコバルト層220上にタングステンを含有するシード層230を形成することができ、その後、CVDプロセスまたはパルスCVDプロセスによってタングステンを含有するバルク層240を堆積させて、開口206を充填することができる。別の例では、パルスCVDプロセスによってコバルト層220上にタングステンを含有するシード層230を形成することができ、その後、CVDプロセスまたはパルスCVDプロセスによってタングステンを含有するバルク層240を堆積させて、開口206を充填することができる。別の例では、無電解プロセスによってコバルト層220上にタングステンを含有するシード層230を形成することができ、その後、CVDプロセスまたはパルスCVDプロセスによってタングステンを含有するバルク層240を堆積させて、開口206を充填することができる。別の例では、コバルト層220がシード層として働き、そこにCVDプロセスまたはパルスCVDプロセスによってタングステンを含有するバルク層240を直接堆積させて、開口206を充填することができる。
【0049】
本明細書に記載の実施形態中で使用されるALD加工チャンバは、カリフォルニア州サンタクララにあるApplied Materials社から入手可能である。ALD加工チャンバの詳細な説明は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,916,398号および第6,878,206号、2002年10月25日に出願され米国特許出願公開第2003−0121608号として公開された本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第10/281,079号、ならびにそれぞれ2006年11月6日に出願され米国特許出願公開第2007−0119379号、第2007−0119371号、第2007−0128862号、第2007−0128863号、および第2007−0128864号として公開された本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第11/556,745号、第11/556,752号、第11/556,756号、第11/556,758号、第11/556,763号に見ることができる。これらの特許および出願を、全体として参照により本明細書に組み込む。別の実施形態では、コバルト含有材料を堆積させるために使用できるALDモードならびに従来のCVDモードの両方で動作するように構成されたチャンバは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,204,886号に記載されている。同特許を、全体として参照により本明細書に組み込む。コバルト含有材料を形成するALDプロセスの詳細な説明は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,264,846号および第7,404,985号にさらに開示されている。これらの特許を、全体として参照により本明細書に組み込む。他の実施形態では、コバルト含有材料を堆積させるために使用できるALDモードならびに従来のCVDモードの両方で動作するように構成されたチャンバは、カリフォルニア州サンタクララにあるApplied Materials社から入手可能なTXZ(登録商標)というシャワーヘッドおよびCVDチャンバである。適切な気相成長チャンバの一例には、カリフォルニア州サンタクララにあるApplied Materials社から市販のWXZ(商標)というCVDチャンバが含まれる。この気相成長チャンバは、従来のCVD、パルスCVD、またはPE−CVD技法によって、ならびにALDおよびPE−ALD技法によって材料を堆積させるように適合することができる。また、気相成長チャンバは、インサイチュプラズマプロセス、遠隔プラズマプロセス、または熱アニーリングプロセスなどの処理プロセスに使用することができる。
【0050】
本明細書では、「基板表面」または「基板」とは、製作プロセス中にその上で成膜加工が実行される任意の基板または基板上に形成された材料表面を指す。たとえば、加工を実行できる基板表面は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、もしくは非晶質シリコン、歪みシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、ドープシリコン、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、砒化ガリウム、ガラス、サファイア、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、および/またはSiOなどの炭素ドープ酸化シリコン、たとえばカリフォルニア州サンタクララにあるApplied Materials社から入手可能なBLACK DIAMOND(登録商標)という低誘電率誘電体などの材料を含む。基板は、直径100mm、200mm、300mm、または450mmのウェーハなど、様々な寸法、ならびに方形または正方形の平面を有することができる。別に指定しない限り、本明細書に記載の実施形態および例は通常、直径200mmまたは直径300mm、より好ましくは直径300mmの基板上で行われる。本明細書に記載の実施形態のプロセスを使用して、多くの基板および表面、特に障壁層および層上にコバルト材料(たとえば、金属コバルト)を堆積させることができる。本発明の実施形態が有用となりうる基板には、それだけに限定されるものではないが、結晶シリコン(たとえば、Si<100>またはSi<111>)、酸化シリコン、歪みシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープまたは非ドープポリシリコン、ドープまたは非ドープシリコンウェーハ、およびパターン形成されたまたはパターン形成されていないウェーハなどの半導体ウェーハが含まれる。基板を前処理プロセスに露出させて、基板または基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、加熱、および/またはアニールすることができる。
【0051】
上記は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく、本発明の他のさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲で決まる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面上に材料を堆積させる方法であって、
基板上に障壁層を形成するステップと、
気相成長プロセス中に前記基板をジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレン(CCTBA)および水素に露出させて前記障壁層上にコバルト層を形成するステップと、
前記コバルト層を覆うように導電材料を堆積させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
処理プロセス中に前記障壁層または前記コバルト層をプラズマに露出させるステップをさらに含み、このステップにおいて、前記プラズマが、窒素(N)、アンモニア(NH)、水素(H)、アンモニア/水素混合物、これらの誘導体、およびこれらの組合せからなる群から選択された試薬を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記障壁層または前記コバルト層を、約20秒から約40秒の範囲内の期間にわたって水素プラズマに露出させ、前記水素プラズマを、遠隔プラズマ源によって形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
熱処理プロセス中に前記障壁層または前記コバルト層をガスに露出させるステップをさらに含み、このステップにおいて、前記ガスが、窒素(N)、アンモニア(NH)、水素(H)、アンモニア/水素混合物、これらの誘導体、およびこれらの組合せからなる群から選択され、前記基板が、前記熱処理プロセス中に約50℃から約400℃の範囲内の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板を、熱化学気相成長プロセス中に前記CCTBAおよび前記水素を含む堆積ガスに露出させ、前記基板を、前記熱化学気相成長プロセス中に約100℃から約250℃の範囲内の温度に加熱する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記気相成長プロセスが、原子層堆積プロセス中に前記基板を前記CCTBAおよび前記水素に順次露出させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記障壁層が、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、タングステン、窒化タングステン、これらの合金、これらの誘導体、およびこれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記導電材料が銅または銅合金を含み、前記導電材料がシード層およびバルク層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シード層が、銅を含み、物理気相成長プロセスまたは化学気相成長プロセスによって堆積され、且つ前記バルク層が、銅を含み、電気化学めっきプロセスによって堆積される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
基板表面上に材料を堆積させる方法であって、
基板上に障壁層を形成するステップと、
前処理プロセス中に前記障壁層を第1のプラズマに露出させるステップと、
気相成長プロセス中に前記基板をジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレン(CCTBA)および水素に露出させて前記障壁層上にコバルト層を形成するステップと、
後処理プロセス中に前記コバルト層を第2のプラズマに露出させるステップと、
気相成長プロセスによって前記コバルト層上に銅層を堆積させるステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記第1のプラズマまたは前記第2のプラズマが、それぞれ独立して、窒素(N)、アンモニア(NH)、水素(H)、アルゴン、ヘリウム、アンモニア/水素混合物、これらの誘導体、およびこれらの組合せからなる群から選択されたガスを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
約20秒から約40秒の範囲内の期間にわたって、前記障壁層を前記第1のプラズマに、または前記コバルト層を前記第2のプラズマに、露出させ、前記第1および第2のプラズマを、遠隔プラズマ源によって形成する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記気相成長プロセスが、熱化学気相成長プロセス中に前記CCTBAおよび前記水素を含む堆積ガスに前記基板を露出させるステップを含み、前記基板を、前記熱化学気相成長プロセス中に約100℃から約250℃の範囲内の温度に加熱する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記気相成長プロセスが、原子層堆積プロセス中に前記基板を前記CCTBAおよび前記水素に順次露出させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
基板表面上に材料を堆積させる方法であって、
基板上に障壁層を形成するステップと、
前処理プロセス中に前記障壁層をプラズマに露出させるステップと、
気相成長プロセス中に前記基板をジコバルトヘキサカルボニルブチルアセチレン(CCTBA)および還元ガスに露出させて前記障壁層上にコバルト層を形成するステップと、
後処理プロセス中に前記コバルト層を水素プラズマに露出させるステップと、
前記コバルト層を覆うように銅材料を堆積させるステップと
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−501543(P2012−501543A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525098(P2011−525098)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/054307
【国際公開番号】WO2010/025068
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】