集積回路の発光画像を生成するための方法、システム、およびプログラム
【課題】デバイス画像を生成するための方法、システムおよびコンピュータ・プログラムを開示する。
【解決手段】方法は、デバイスの第一および第二画像を撮像するステップであって、該第一および第二画像はオーバーラップする部分を有する、撮像するステップと、オーバーラップする部分を予測して、第一および第二画像を近似的に整列するためのおおよそのシフト量を得るステップと、を含む。方法は、定義された相互相関アルゴリズムを使ってオーバーラップする部分を解析し、第一および第二画像を整列するための厳密なシフト量を計算するステップと、厳密なシフト量を使って第一および第二画像を一緒に結合するステップと、をさらに含む。一つの実施形態において、光学システムを使って画像が撮像され、第一および第二画像を撮像するために、ステージを使ってデバイスまたは光学システムのいずれかが移動され、予測するステップは、ステージの移動量を用いてオーバーラップする部分を予測するステップを含む。
【解決手段】方法は、デバイスの第一および第二画像を撮像するステップであって、該第一および第二画像はオーバーラップする部分を有する、撮像するステップと、オーバーラップする部分を予測して、第一および第二画像を近似的に整列するためのおおよそのシフト量を得るステップと、を含む。方法は、定義された相互相関アルゴリズムを使ってオーバーラップする部分を解析し、第一および第二画像を整列するための厳密なシフト量を計算するステップと、厳密なシフト量を使って第一および第二画像を一緒に結合するステップと、をさらに含む。一つの実施形態において、光学システムを使って画像が撮像され、第一および第二画像を撮像するために、ステージを使ってデバイスまたは光学システムのいずれかが移動され、予測するステップは、ステージの移動量を用いてオーバーラップする部分を予測するステップを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に集積回路の画像の生成に関し、さらに具体的には、本発明は集積回路の部分領域の発光画像の生成に関する。さらに詳しくいえば、本発明の実施形態は、画像の撮像に使われる光学システムの視野に入り切らない集積回路の領域の高解像度発光画像の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)からの内在性近赤外発光の時間平均画像(静止画像とも呼ばれる)がVLSI回路の測定および試験に広く使われている。例えば、オフ状態漏れ電流からの発光(LEOSLC)を、電荷結合素子(CCD)カメラ、光電管(PMTs)のような静的および動的な光検出装置によって測定することができる。この発光は、例えば、回路論理状態のマッピング、パワー・グリッド低下の計算、回路内部温度およびゲート自己発熱の測定、チップ全域に亘るパフォーマンス変動の評価などに応用されている。ICの時間平均および時間分解発光画像の最近の応用にICの変化および変性の検出に関するものがある。これらの変化には望ましいものもあれば、望ましくないものもある。ICの何らかの測定可能な特性(例えば、最高動作周波数、パワー消費、信頼性など)の改善を意図する回路設計の変更または製造工程の変更は望ましい変化の一例であろう。こういった変化を検証し測定するために発光ベースの技法を用いるとよい。望ましくない変化の例には、トランジスタ閾値のドーパント変動、トランジスタ寸法のライン・エッジ粗さなど、製造工程バラツキに起因するチップ内およびチップ間の変動がある。望ましくない変化の別の例として、セキュリティ・アプリケーションに関するものがあり、このようなICの変性は、アプリケーションの挙動に望ましくない変化をもたらす可能性がある。このような場合に、発光ベースの方法を用いることで、ICの電気的な試験および診断では観察できないこともあり得るかかる変化を見付け出し、識別し、測定することができるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多種類のアプリケーションに対し、チップ全域におけるバラツキの分布のような重要情報を得るために、チップ全体の画像が必要かまたは有用である。一方、より低廉なコスト、より高いパフォーマンスおよびさらなるチップ機能が継続して求められ、トランジスタ寸法の積極的なスケーリングとチップ面積の増大が生じている。この種のアプリケーションでは、回路の中の変化を識別できる高い空間解像能でかなり大きな領域(可能であればチップ全体)を観察できることが極めて重要となる。このことは、カメラが有するピクセルの数は限られており、光学システムの空間解像能はその視野に反比例するので、発光撮像に課された難題である。具体的にいえば、適切な空間解像能を得るため光学システムの倍率を増大すると、その反作用として視野は必然的に狭くなる。ゲートがサブミクロンの寸法を有し、チップ・サイズが1インチ角(2.54cm×2.54cm)にもなる最新のIC設計では、カバーされる範囲と空間解像能との間で妥協点を見出さなければならない。現在のハイ・エンド製品に関しては、メーカは、多くの光学システム、顕微鏡が提供できる可能な最低倍率であってもチップ全体からの発光を一回で撮像することができないというところに既に至っている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、デバイスの画像を生成するための方法、システム、およびコンピュータ・プログラムを提供する。一つの実施形態において、該方法は、デバイスの第一および第二領域から第一および第二画像を撮像するステップであって、該第一および第二画像はオーバーラップする部分を有する、該撮像するステップと、該オーバーラップする部分を予測して、該第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るステップとを含む。この方法は、定義された相互相関アルゴリズムを使って該オーバーラップする部分を解析し、第一および第二画像を位置合わせさせるための厳密なシフト量を計算するステップと、該計算された正確なシフト量を使って、第一および第二画像の結合画像を形成するステップとをさらに含む。
【0005】
一つの実施形態において、光学システムを用いて画像が撮像され、第一および第二画像を撮像するために、ステージを使ってデバイスまたは光学システムのいずれかが移動され、予測するステップは、オーバーラップ域を予測するため該ステージの移動量を使うステップを含む。一つの実施形態において、解析するステップは、オーバーラップする部分中の対応する位置を特定するステップと、該定義された相互相関アルゴリズムを、該特定された位置に適用して正確なシフト量を計算するステップとを含む。
【0006】
例えば、ピクセルのアレイを含む光学システムを使って、第一および第二画像を撮像することもでき、該対応する位置を、該アレイの特定のピクセルに対応する該第一および第二画像上の位置とすることもできる。別の例として、オーバーラップする部分には高発光の対応領域を含めることもでき、該オーバーラップする部分中の対応する位置を該高発光の対応領域とすることもできる。
【0007】
いろいろな種類のアルゴリズムを使って、2つの隣接する画像、または画像群の2つの縦列、または画像群の2つの横列を正確に位置合わせするのに必要な微細シフト量を見積もることもできる。一つの実施形態において、2D相互相関が用いられて計算された2D相互相関の2D最大が使われ、該最大の座標が画像のxおよびy方向のシフト量である。別の実施形態ではシフト法および相互相関を組み合わせた方法が使われる。他の実施形態において、画像をマッチングさせるため使われるアルゴリズムに対し、オーバーラップ域内の高発光の領域が選定される。別の実施形態において、でき得れば増倍係数を使って発光強度の差異を調整/補正した後、2つのオーバーラップする領域の差異を取ることもでき、オーバーラップ領域中の各ピクセルの差異の絶対値の積分をオーバーラップの適切さの性能指数として使うことができる。オーバーラップ領域をシフトしながら各平行移動値に対する違いを計算することによって性能指数の2Dカーブを計算することができる。かかるカーブの2D最大のxとyとの位置を、オーバーラップの微細調整のためのシフト値として用いることができる。
【0008】
ある実施形態において、ノイズを低減するため、フィルタ(画像処理)をオーバーラップ域に適用することもできる。例えば、2つのオーバーラップ域を平均化してノイズを低減することもできる。別の実施形態において、2つのオーバーラップ域を見分けて、2つのオーバーラップ領域の一つだけに存在し、他方には存在しない大きな孤立したピーク群を見出し、それらピークを元の画像から除去することもできる。
【0009】
一つの実施形態において、画像を取得する位置を決定するため適応的手順が用いられる。この実施形態において、対象となる領域が定義され第一発光画像が撮像され格納される。この画像が解析され、発光の内容自体に基づいて妥当なオーバーラップ領域が選定される。次いで、該オーバーラップのサイズを使って次の画像を撮像する位置が計算される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1Aおよび図1Bは、本発明の2つの実施形態を図示する。
【図2】対象となる領域をカバーするために光学システムが走査するとよいスキャン・パターンの一例を示す。
【図3】試験中のデバイスの隣り合う領域の2つのオーバーラップ画像を示す。
【図4】本発明のある実施形態による方法を図示するフローチャートである。
【図5】試験中のデバイスの対象領域を示し、該対象領域に関連するいくつかのパラメータを図示する。
【図6】対象領域からの4つのサンプル発光画像を示す。
【図7】対象領域のトリミング後の画像を示す。
【図8】2つの隣接する画像のオーバーラップ域を見積もるために使用すればよい相互相関関数を図示する。
【図9】結合してより大きな合成画像を形成することができる2つの横列画像を示す。
【図10】本発明の実施形態による、より小さないくつかの画像を組み合わせて形成された画像を示す。
【図11】一緒に組合せることが可能なさらに多数の発光画像を示す。
【図12】図11のより小さな画像から形成された一連の横列画像と、これら一連の横列画像で形成されたより大きな合成画像とを示す。
【図13】2つの画像のオーバーラップ領域をマッチングさせるための最初の近似法として使用すればよい一つの手順を図示する。
【図14】2つの画像のオーバーラップ領域に適用すればよい処理を図示する。
【図15】本発明の実施形態による、画像が撮像される位置を決定するための適応的方法のフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態に使えばよいコンピューティング環境を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当業者がよく理解するように、本発明は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品として具現することもできる。従って、本発明は、完全にハードウエアの実施形態、完全にソフトウエアの実施形態(ファームウエア、常駐ソフトウエア、マイクロ・コードなどを含む)、またはソフトウエアおよびハードウエアの態様を組み合わせた実施形態を取ることもできる。本明細書では、これら全てを一般的に「回路」、「モジュール」または「システム」ともいう。さらに、本発明は、媒体中に具現されたコンピュータ可用のプログラム・コードを有する、任意の有形表現媒体の中に具現されたコンピュータ・プログラム製品の形態を取ることもできる。
【0012】
一つ以上のコンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体(群)の任意の組合せを用いることもできる。該コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体は、例えば、以下に限らないが、電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外的な、または半導体の、システム、装置、デバイス、または伝播媒体とすることもできる。コンピュータ可読媒体のさらに具体的な例(ただし全網羅的リストではない)には、一つ以上の配線を有する電気接続、携帯型コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、読取り専用メモリ(ROM:read−only memory)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM(erasable programmable read−only memory)またはフラッシュ・メモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD ROM:compact disc read−only memory)、光学式記憶デバイス、インターネットまたはイントラネットを支えているような伝送媒体、または磁気記憶デバイスが含まれよう。なお、コンピュータ可用またはコンピュータ可読の媒体を、紙または別の妥当な媒体にすることすら可能であり、その上にプログラムを印刷し、例えば、その紙または他の媒体の光学スキャンを介して、該プログラムを取得し、次いでコンパイルし、解釈し、または必要に応じ、妥当なやり方で別途処理し、その後コンピュータ・メモリに格納することができる。
【0013】
本文書の文脈において、コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体は、命令を実行するシステム、装置、またはデバイスで使用するため、またはこれらに関連して、該プログラムを包含、格納、通信、伝播、または搬送することが可能な任意の媒体とすることもできる。コンピュータ可用媒体には、ベースバンド、または搬送波の一部、として具現されたコンピュータ可用プログラム・コードを担持する伝播データ信号を含めることもできる。該コンピュータ可用プログラム・コードは、以下に限らないが、無線、有線、光ファイバ・ケーブル、RFなどを含めて適切な任意の媒体を使って送信することもできる。
【0014】
本発明のオペレーションを実施するためのコンピュータ・プログラム・コードは、Java、Smalltalk、C++、または類似言語などのオブジェクト指向プログラミング言語、および、「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語など従来式の手続きプログラミング言語を含む、一つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書くこともできる。また、Matlab、Mathematica(登録商標)、Octaveなどのサイエンティフィック・スクリプト/プログラミング言語は、高度の画像解析およびデータ操作機能を内蔵しているので、この目的には特に適しているであろう。該プログラム・コードは、単独型のソフトウエア・パッケージとして全体をユーザのコンピュータでまたは部分的にユーザのコンピュータで、あるいは一部をユーザのコンピュータで他の部分を遠隔コンピュータで、あるいは全体を遠隔コンピュータまたはサーバで実行することができる。この後者のシナリオでは、該遠隔コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することもでき、あるいは、(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使ってインターネットを介し)外部のコンピュータに接続をすることもできる。
【0015】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら、以下に本発明を説明する。フローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方のブロック群の組合せがコンピュータ・プログラム命令によって実行可能であることは理解できるだろう。これらのコンピュータ・プログラム命令を、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに供給してマシンを生成し、該命令を該コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行し、上記フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の中のブロックまたはブロック群中に規定された機能/処置を実行するための手段を生成することもできる。また、これらのコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置に特定の仕方で機能するよう方向付けできるコンピュータ可読媒体の中に格納し、該コンピュータ可読媒体中に格納された命令が、該フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の中のブロックまたはブロック群中に規定された機能/処置を実行する命令手段を包含する、製品を形成するようにすることもできる。
【0016】
また、これらコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置にロードし、該コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置に一連のオペレーション・ステップを遂行させ、該コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置で実行される命令が、上記フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の中のブロックまたはブロック群中に規定された機能/処置を実行するためのプロセスを提供するようにコンピュータ実行の工程を生成することができる。
【0017】
本発明の実施形態は、集積回路の大きな領域の発光の高解像度画像を生成するための、方法、システム、およびコンピュータ・プログラム製品を提供する。図1Aおよび図1Bは、本発明の2つのシステムの実施形態10、12を示す。一般的には、各システムは、試験中のデバイス(DUT(device under test)16)からの光を収集するための光学システム14と、光強度を測定するための撮像検出装置(カメラ)20と、光学システムに対してDUTを移動する、またはDUTに対して光学システムを移動する平行移動ステージ22と、この移動の制御、画像群の撮像の制御、および、これら画像群を高解像度と広域の撮像範囲とを備えた単一の画像に結合(とじ合わせ)するための制御を行う制御ユニット24を含む。一部の実施形態では、この結合を別のコンピュータにおいてオフラインで行うこともできる。
【0018】
これらの実施形態において、光学システム14は、顕微鏡26とDUT16からの光を収集するための対物レンズ(または1または複数のレンズ)30を含む。光学システムに対するDUTの相対的移動を可能にするために、DUT(図1Aに示すように)または光学システム(図1Bに示すように)のいずれかが平行移動ステージ22の上に搭載される。該ステージは制御ユニット24に連結される。該ユニットは、例えばパソコンとすることができ、ステージを画像撮像に必要な所望の位置に移動するために使われる。
【0019】
カメラ20が顕微鏡26の上に搭載され、収集された光は、撮像のためかかる検出装置上に焦点が合わさる。該検出装置は、裏面照射型または増倍型該電荷結合素子(CCD)、InGaAsカメラ、MgCdTe(MCT)カメラ、光電管(PMT)、スペクトルの近赤外域に感受性の高い別の種類の新規カメラ類および材料などいろいろな種類のものとすることができる。異なった種類のカメラを、それらのスペクトル応答、ノイズ、感度、ピクセルの数およびピクセル・サイズに応じて選択することもできる。カメラ20はコンピュータ24に制御され、該コンピュータは、画像撮像の開始/停止を管理し、カメラから画像を回収し、さらなる解析のためそれをメモリまたはディスクに格納する。
【0020】
光学システム14に使われるピクセル・サイズと対物レンズ30の倍率とが、一回の撮像で検出可能な最小の特徴(フィーチャ)を決める。また、検出装置の動作可能域のサイズと対物レンズが単一回の撮像の最大視野を決める。所与のカメラに対し、対物レンズ倍率は、第一には所望の空間解像能を得られるように選定される。例えば、aをカメラのピクセル・サイズとし、m×nを該検出装置のピクセルの数とする。この場合、倍率がMに等しいとすれば、a/Mの解像能を実現してam/M×an/MのDUT域をカバーするものと見込むことができる。
【0021】
前述したように、とりわけ注目すべきことは、発光撮像の対象となる領域がシステムの視野より大きいといった状態の場合である。かかる場合において、光学システムに対しDUTを移動して、複数の画像を撮像することができる。図2は、対象となる全領域をカバーするために走査するとよいスキャン・パターンの一例を示す(他の方向のまたは同心円状のパターンを含め、他のスキームによる走査も可能である)。このDUTの移動量は、光学システムの視野よりも小さくし、図3の32に示すように、隣り合う領域の2つの画像(i)と(i+1)とがオーバーラップする部分を含むようにしなければならない。コンピュータは、該オーバーラップ域を使って、各対の画像34、36の相対位置を微細調整し、その後これらを一緒に結合して、個々の画像と同一の空間解像度を有しながら個別画像よりも大きな領域を有する、ステージの移動でカバーされた全域と等しい一つの大きな画像を生成する。
【0022】
所与の、対物レンズ、光学システム、およびカメラの組合せにより、ある特定の空間解像能とDUTの視野範囲とが可能になる。従って、所望の空間解像能を得るためにある特定の倍率を選んだ場合、DUTの対象領域(ROI:region of interest)が単一の発光画像の視野に入り切らないことがある。この問題を解決するため、本発明の実施形態は、いくつかの部分的にオーバーラップした発光画像を、所定の解像度で全ROIの画像が取得されるまで撮像する。その後、個別の画像を適切なプログラムと方法とを使って一緒に結合し、全ROIからの発光の高解像度での単一大画像が得る。DUTは、システムによって全ROIのカバーが達成されるように、光学システムに対し相対的に移動される(図1参照)。
【0023】
図4は、本発明の実施形態による一方法の説明図を示す。ステップ41において、発光を撮像しなければならないROIがユーザによって定義され、かかるROIは、所望の空間解像能のため必要な倍率では、光学システムの視野(FOV:field of view)より大きくなる。ステップ42において、FOVおよびオーバーラップ・サイズに基づき、ROIが部分的にオーバーラップする個々の画像にさらに分割される。各個別の撮像の位置が計算され、次にステップ43において、ステージが第一位置へ移動され、さらに全ての位置を通って移動されて、ステップ44、45、および46に表されているように、ステージが移動されるたび毎に発光画像が撮像され、後の処理のため格納される。全ROIが撮像でカバーされたならば、次いでステップ47で個別の画像が処理され、ステップ48において一緒に結合される。コントローラ/コンピュータが、ステージの移動または新規の画像撮像あるいはその両方の完了を待っている間に、コントローラ/コンピュータに、先に撮像した画像の結合作業をさせることも可能である。例えば、第一画像が撮像され格納され、次いでステージが第二の位置に移動する。第二画像も同様に撮像され格納される。次に、第三位置への移動が開始され、その間に、最初の2つの画像が処理され一緒に結合される。新しい画像が撮像されている間に、直近で撮られた画像がその前の画像と結合されて、部分的に結合された画像が生成される。この方法は、47と48とを順次に行う必要がなく、ステージの移動と並行して行えるので、全体の処理をスピード・アップさせることができる。別の利点は、ユーザに対しリアルタイムで部分的に結合された画像を提示し、処理の停止、一部のパラメータの変更などといった処置が取れるようにすることであろう。
【0024】
適切な結合を行うために必要な画像の最小オーバーラップ量は、発光強度、画像の質、および発光パターンを含めて、多くのファクタに依存する。通常、オーバーラップ域が、画像の適切な位置合わせおよび結合を可能にするのに十分な特徴を含むことを確認することが必要となる。図5を参照し、ROI(x)の一つの次元を考える。この一次元方向のROIのサイズをROIxとし、これと同じ方向の一つの画像でカバーされる視野のサイズをFOVxとすれば、上記の次元をカバーするのに必要な画像の最小数Nは、N=ceil(ROIx/(FOVx−OLx))式で与えられる。OLxは画像のオーバーラップ部分であり、ceil(…)関数は、より大きな次の整数への丸め関数である。
【0025】
一例として、全ROIをカバーするために2×2の画像が必要な、具体的な発光測定のケースを考える。図6は、ROIをカバーするため撮像された4つの画像61、62、63、64を示す。この事例では、画像の縁部に光学システムの限界に起因する収差およびゆがみが見られる。この場合、隣接する画像の側部をトリミングして、光学システムによるかかる収差またはゆがみを除去することができ、その結果、図7の画像71、72、73、74が得られる。ここで、底部の2つの画像(すなわち、図6および7の(0,0)および(1,0))だけを考える。図8のボックス81、82によって示されるようなi番目の画像と(i+1)番目の画像との間のオーバーラップ域が、ステージの移動量およびFOVのサイズについての既知の情報に基づいて予測(estimate)される。次いで、両方の画像83、84中の対応するオーバーラップ域が解析のため選び出される。2つの画像間の平行移動ステージの移動量は、該ステージの機械的限界、たるみ、および温度ドリフトなどのファクタに起因して、近似的に分かっているだけなので、このステップが有用となる。この結果を基に、光学システムによって得られた所定の解像能によって、2つの画像の相対的位置を微細調整するための方法が用いられる。その結果、2つのオーバーラップ領域の間のシフト量が正確に計算され、ステージの移動量を厳密に補正した後、そのシフト量を使って2つの画像が結合される。
【0026】
この場合、該2つのオーバーラップ域間の相互相関関数が計算される。図8のカーブ85は、水平(x)次元だけを考慮した相互相関の一例を示す。相互相関カーブの最大が求められ、これに対応する位置が2つのオーバーラップ域81、82間の正確な微細シフト量を表す。結合処理は、例えば、図9の90で示すように、全ての画像を各横列画像になるよう一緒に結合し、その後、これら横列群に相当するより大きな画像を一緒に結合することができる。この処理が、図10の100に示すような高解像度で単一の大きな画像が得られるまで、両方向に、全ての隣接する画像に対して繰り返される。
【0027】
最初に画像を縦列に結合し次いで縦列の画像を結合しても、同様な結果を得ることができる。さらに、横列または縦列に編成せずに、一度に一つずつ画像を付け加えて行くこともできる。この場合、2つの画像の一つが先に結合された画像を含み他方よりも大きくことを除けば、上記で2つの画像に対し使われたのと同じ処理法を用いることができる。
【0028】
他のいろいろなアルゴリズムを使って、2つの隣接する画像、または2つの縦列、または2つの横列を適切に位置合わせするため必要な微細シフト量を評価することもできる。一つの実施形態において、2D相互相関が用いられ、2D最大点が使われ、最大の座標は画像のxおよびy方向のシフト量である。
【0029】
別の実施形態において、シフト法と相互相関とを組み合わせた技法が用いられる。例えば、DUTを光学システムに対し水平方向に移動して得られた、同じ横列中の隣り合う2つの画像を一緒に結合するケースを考えてみよう。この場合、縦方向のシフトは通常小さく、移動する方向へのシフトは、大きな不確かさを持つものとなる。従って、一つの画像の他方画像に対する縦方向のシフト量については小さなシフト量を取り入れておけばよく、各ピクセル・シフトに対して2つのオーバーラップ域の2D相互相関が計算され、各シフトに対する最大が記録される。可能な全シフト値がこのような仕方で評価された後、計算された全ての相互相関極大中の最大が識別される。上記の値に対応する縦方向シフト量を使って画像が縦方向にシフトされ、水平方向シフト量は上記に対応する相互相関関数から得られる。一次元の相互相関だけを使うことによって、図11および12に示されるように画像の数が多い場合に、マッチングアルゴリズムの大幅なスピード・アップが可能になる。
【0030】
別の実施形態において、相互相関アルゴリズムを差分アルゴリズムで置き換えることもできる。画像フィルタリングおよび強度レベルの調整など、適切な処理の後、2つの隣接する画像のオーバーラップ領域は(ピクセル毎に)減算/差分され、オーバーラップ領域中の各ピクセルの差の絶対値の積分が計算され、これをオーバーラップ設定の適切性の性能指数(FOM:figure of merit)として使うことができる。関連するオーバーラップ領域中にxおよびyシフトを導入し、各々のxシフトとyシフトとに対する対応FOMを計算することによって、オーバーラップの品質を測定する2Dカーブを生成することができる。かかるカーブの最大によって、2つのオーバーラップ領域の間の最小差が識別される。かかる最大のxおよびy座標は、最善のマッチングを提供する、2つの画像の最適シフト量に相当する。
【0031】
別の実施形態において、画像のマッチングに使われるアルゴリズム(例、相互相関アルゴリズム)のために、オーバーラップ域内のより強い発光の領域が選択される。実際上、発光画像は、特に高い倍率では、非常に弱く、カメラのノイズ、およびα粒子などに起因するスプリアスな発光のピークによって、比較的大きなオーバーラップ域上の発光を正確にマッチングさせることがより難しくなる。従って、より強い発光領域を選択することによって、より良好な信号対ノイズ比のデータを使ってアルゴリズムを機能させることができる。さらに、図13を参照すると、輝点131、132を使って、まずは迅速な画像の近似を実施し、その後もっと精度の高いマッチングアルゴリズムを適用することもできる。このときには近似的な位置合わせは既に済んでいるので、より高い精度の相互相関アルゴリズムは可能なより小さなシフトに限定でき、これによりスピードはさらに向上する。
【0032】
図14を参照すると、正確なシフト量が計算された後、2つの隣接する画像141、142を結合する過程で、ノイズを削減するためオーバーラップ域にフィルタ(画像処理)を適用することもできる。具体的には、一つの実施形態において、同一の領域から発光が2回撮像されているので、該2つのオーバーラップ域を平均化してノイズを削減することができ、これらオーバーラップ域が最終画像の重要な部分であれば、これによってかかる最終画像の全体的品質を大きく向上することができる。別の実施形態では、2つのオーバーラップ域が識別され、2つのオーバーラップ域の一つだけに存在し、他方には存在しない孤立した大きなピークが見出される。これらのピークは(両画像双方にはないので)チップからの内在性発光とは関係がなく、ノイズ、α粒子、またはカメラのアーチファクトに起因するものである。従って、こういったものが識別されたならば、これを元の画像から除去し、その結果、その画像の信号対ノイズ比を改善することができる。
【0033】
上記で説明したように、本発明の実施形態は、より小さな領域の個々の画像を一緒に結合することによって、チップの高解像度で大きな領域からなる発光画像を生成する方法を提供する。この方法は、ROI全体の、部分的にオーバーラップした画像群を撮像するため、光学システムに対するDUTの相対移動を必要とする。この実施形態においては、画像の枚数、オーバーラップする部分、および、画像を撮像するステージの位置が、撮像の開始前に事前設定される。しかし、これは、本発明の他の実施形態では必須ではないが、オーバーラップ領域に、相互相関アルゴリズムによって所望のマッチングが可能なほど十分な発光特徴が含まれていない状況がもたらされる可能性がある。
【0034】
上記に対処するため、本発明の実施形態は、図15に記載された適応化された方法を提供する。この方法では、ステップ151、152、153において、対象領域が定義され、平行移動ステージが初期位置に移動され、最初の発光画像が撮像され格納される。ROIが定義され最初の画像が撮像された後、ステップ154、155において、画像が解析され、発光自体の内容に基づいて適切なオーバーラップ領域が選定される。相互相関(又は他の)アルゴリズムによって、隣接画像を容易にマッチングすることが可能な、十分な発光および特徴がオーバーラップ領域内にあるのを確認することが必要となる。次いで、ステップ156において、オーバーラップのサイズを使って、次の画像を撮像する位置が計算され、平行移動ステージが計算された量だけ移動される。ステップ157で表されるように、全ROIが撮像でカバーされるまでこれが続くことになり、ステップ158、159に表されるように、これら個々の撮像から最終的な大きな画像を構築することとなる。
【0035】
例えば、i番目の画像が撮像され、システムが(i+1)番目の画像のためステージをどこに移動するか決めなければならない場合を考えてみよう。この例では、(i+1)番目の画像は、i番目の画像の右側にあるものとする。i番目の画像が撮像された後、ステージが移動される前に、i番目の画像の右手側が解析され、その領域中の発光の強度および特徴に基づいて妥当なオーバーラップが計算される。一つの実施形態において、最小限の発光量を得る必要があり、オーバーラップ量は、かかる発光レベルを保証可能な、画像の右手側からの最小値となるように選択される。別の実施形態では、背景に対し特定の増幅度を有する特徴(例、発光ピーク)を得なければならない。この場合、オーバーラップ領域は、該オーバーラップ領域中にこういったピークが含まれていることを保証可能な最小値になるように選択される。別の実施形態において、諸方法の組合せを使って、最小オーバーラップ領域を定義することもできる。全ての場合において、最大限のオーバーラップ値を設定して、ステージの移動が過小になるのを回避することもできる。また、計算されたオーバーラップ値に特定のマージンを加え、ステージ移動の望ましくない事象(ドリフト、温度影響)が生じても、(i+1)番目の画像中に所望の特徴が観測可能なようにすることもできる。オーバーラップ値が計算されたならば、ステージは、FOV−OLと等しい距離だけ移動される。(i+1)番目の画像が撮像され、この工程は、全ROIのカバーが完了するまで、次の画像へと進む。
【0036】
例えば、図16と以下の説明とにより、本発明が実施されてもよい適切なコンピューティング環境の簡単な概要を提供する。ただし、本発明に関連して、手持ち型、携帯型、および他の全ての種類のコンピューティング・デバイスの使用が意図されていることを理解すべきである。以下に汎用コンピュータについて説明するが、これは一つの例であって、本発明は、例えば、クライアントの装置がワールド・ワイド・ウェブのブラウザまたはインタフェースとしてだけ機能しているようなネットワーク環境など、非常に少ないまたは最低限のクライアント資源が関与する、ネットワーク・ホスト型サービス環境においても実施することが可能である。
【0037】
必須ではないが、本発明は、開発者による使用のためアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を介して実施することができ、またはネットワーク・ブラウザ・ソフトウエア内に含めることができ、あるいはその両方を行うことができ、本発明は、クライアント・ワークステーション、サーバ、または他の装置など一つ以上のコンピュータで実行されるプログラム・モジュールのような、コンピュータ実行可能な命令の一般的コンテキストで記述することができる。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを遂行するまたは特定の抽象データ型を実行する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。通常、プログラム・モジュールの機能は、さまざまな実施形態において、必要に応じ組み合わされ、分割されることもある。さらに、当業者は、本発明を他のコンピュータ・システム構成を使って実施できることをよく理解していよう。
【0038】
本発明とともに使用するのに適しているであろう他の周知の計算システム、環境または構成あるいはこれらの組合せには、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ・コンピュータ、手持ち型またはラップトップ型装置、多重プロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのシステム、プログラム可能家電機器、ネットワークPC類、ミニコンピュータ、大型コンピュータなどが含まれるが、これらに限られない。また、本発明は、通信ネットワークまたは他のデータ送信媒体を介してリンクされた遠隔処理装置群によってタスクが遂行される、分散型コンピューティング環境でも実施することができる。分散型コンピューティング環境において、プログラム・モジュールは、記憶装置を含め、ローカルおよび遠隔コンピュータ双方の記憶媒体に配置することもできる。
【0039】
図16には、本発明が実施されてもよい適切な計算システム環境200の例が図示されている。ただし、前述の例で明確にしたのと同様に、計算システム環境200は、適切なコンピューティング環境の単なる一例であって、本発明の用途または機能の範囲についていかなる限定の示唆をも意図するものではない。例示的動作環境200中に図示された構成要素のいかなる要素または要素の組合せに関しても、コンピューティング環境200がいかなる依存性も必然性も有すると解釈してはならない。
【0040】
図16を参照すると、本発明を実施するための例示的システムは、コンピュータ210の形で汎用計算装置を含んでいる。コンピュータ210の構成要素には、以下に限らないが、処理ユニット220と、システム・メモリ230と、システム・メモリから処理ユニット220を含めさまざまなシステム構成要素を連結するシステム・バス221とを含めればよい。システム・バス221は、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺機器用バス、および各種バス・アーキテクチャのいずれかを用いたローカル・バスを含め、いくつかの種類のバス構造の任意のものとすればよい。限定でなく例示として、かかるアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(ISA:Industry Standard Architecture)バス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(Enhanced ISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス標準協会(VESA:Video Electronics Standards Association)ローカル・バス、および周辺装置相互接続(PCI)バス(メザニン・バスとしても知られる)が含まれる。
【0041】
コンピュータ210は、通常、さまざまなコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ210がアクセス可能な任意の利用可能な媒体とすることができ、揮発性および不揮発性媒体、取り外し可能および取外し不可能媒体の各双方を含む。限定でなく例示として、コンピュータ可読媒体には、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含めることもできる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読の命令、データ構造、プログラム・モジュール、または他のデータ類などの情報を格納するため、任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取外し不可能媒体を含む。コンピュータ記憶媒体には、以下に限らないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリまたは他のメモリ技術、CD ROM、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)または他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望の情報を格納するため使用でき、コンピュータ210がアクセス可能な他の任意の媒体が含まれる。
【0042】
通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読の命令、データ構造、プログラム・モジュールまたは他のデータを、搬送波または他の伝送メカニズムなどの変調データ信号中に具現し、一切の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、情報を信号中に符号化するための一つ以上の特性集合を有する信号、または信号中に情報を符号化するような仕方で変調された信号をいう。限定でなく例示として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体と、音響、RF、赤外、および他の無線媒体などの無線媒体とを含む。上記の任意の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれることになる。
【0043】
システム・メモリ230は、揮発性メモリ、または読取り専用メモリ(ROM)231およびランダム・アクセス・メモリ(RAM)232などの不揮発性メモリ、あるいはその両方の形態のコンピュータ記憶媒体を含む。例えばスタートアップ時にコンピュータ210内の諸要素の間の情報伝送を助ける、基本的ルーチンを包含する基本入出力システム233(BIOS)は、通常ROM231に格納される。RAM232は、通常、処理ユニット220が直ちにアクセス可能なまたは現在作動中のあるいはその両方の、データまたはプログラム・モジュールあるいはその両方を包含する。限定でなく例示として、図16には、オペレーティング・システム234、アプリケーション・プログラム235、他のプログラム・モジュール236、およびプログラム・データ237が示されている。
【0044】
また、コンピュータ210には、他の取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体を含めることができる。単なる例として、図16には、取り外し不可能で不揮発性の磁気媒体の読取りまたは書込みを行うハード・ディスク・ドライブ241、取り外し可能で不揮発性の磁気ディスク252の読取りまたは書込みを行う磁気ディスク・ドライブ251、および、CDROMまたは他の光媒体など取り外し可能で不揮発性の光ディスク256の読取りまたは書込みを行う光ディスク・ドライブ255が示されている。該例示的動作環境で使用可能な、他の取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体には、以下に限らないが、磁気テープ・カセット、フラッシュ・メモリ・カード、デジタル多用途ディスク、デジタル・ビデオ・テープ、半導体RAM、半導体ROMなどが含まれる。ハード・ディスク・ドライブ241は、通常、インタフェース240のような取り外し不可能メモリ用インタフェースを介しシステム・バス221に連結され、磁気ディスク・ドライブ251および光ディスク・ドライブ255は、通常、インタフェース250のような取り外し可能メモリ用インタフェースを介しシステム・バス221に連結される。
【0045】
上記で説明し図16に示されたドライブとそれらに関連するコンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ210に対し、コンピュータ可読の命令、データ構造、プログラム・モジュール、および他のデータ類を提供する。例えば、図16において、ハード・ディスク・ドライブ241は、オペレーティング・システム244、アプリケーション・プログラム245、他のプログラム・モジュール246、およびプログラム・データ247を格納しているとして図示されている。なお、これらのコンポーネントは、オペレーティング・システム234、アプリケーション・プログラム235、他のプログラム・モジュール236、およびプログラム・データ237と同じとすることも異なるものとすることもできる。本図では、オペレーティング・システム244、アプリケーション・プログラム245、他のプログラム・モジュール246、およびプログラム・データ247が、少なくとも、上記後者とは異なったコピーであることを示すために、これらに異なった番号が付与されている。
【0046】
ユーザは、キーボード262、および、通例、マウス、トラックボール、またはタッチパッドなどと称されるポインティング・デバイス261などの入力装置を介して、コンピュータ210に命令および情報を入力すればよい。他の入力装置(図示せず)として、マイクロホン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、パラボラアンテナ、スキャナなどを含めることもできる。多くの場合、これらのまたは他の入力装置は、システム・バス221に連結されたユーザ入力インタフェース260を介して処理ユニット220に接続されるが、例えば、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、またはユニバーサル・シリアル・バス(USB)など、他のインタフェースおよびバス構造によって接続することもできる。
【0047】
また、モニタ291または他の種類のディスプレイ装置も、ビデオ・インタフェース290などのインタフェースを介してシステム・バス221に接続される。また、ノースブリッジなどのグラフィック・インタフェース282をシステム・バス221に接続することもできる。ノースブリッジは、CPUまたはホスト処理ユニット220と交信し、アクセラレーテッド・グラフィック・ポート(AGP)通信を引き受けるチップセットである。一つ以上のグラフィックス処理ユニット(GPU)284が、グラフィックス・インタフェース282と交信することもできる。これに関し、GPU284は、一般に、レジスタ記憶素子などのオン・チップメモリ記憶素子を含み、GPU284はビデオ・メモリ286と交信する。ただし、GPU284は補助プロセッサの一例であり、さまざまな補助処理デバイスをコンピュータ210に含めることもできる。また、モニタ291または他の種類のディスプレイ装置が、ビデオ・インタフェース290などのインタフェースを介してシステム・バス221に接続され、該インタフェースが中継してビデオ・メモリ286と交信することができる。また、コンピュータには、モニタ291に加えて、スピーカ297およびプリンタ296など、他の周辺出力装置を含めることができ、これらは出力周辺機器インタフェース295を介して接続すればよい。
【0048】
コンピュータ210は、遠隔コンピュータ280など一つ以上の遠隔コンピュータへの論理結合を用いたネットワーク化環境において作動すればよい。遠隔コンピュータ280は、個人用コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピア・デバイス、または他の一般的なネットワーク・ノードとすればよく、図16にはメモリ記憶装置281だけが図示されているが、通常、コンピュータ210に関して上記で説明した要素の多くまたは全てを含む。図16に描かれた論理接続には、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)271および広域ネットワーク(WAN)273が含まれるが、他のネットワークを含めることもできる。かかるネットワーク化環境は、諸オフイス、全企業的なコンピュータ・ネットワーク、イントラネット、およびインターネットでは当たり前になっている。
【0049】
LANネットワーク化環境で用いられる場合、コンピュータ210は、ネットワーク・インタフェースまたはアダプタ270を介してLAN271に接続される。WANネットワーク化環境で用いられる場合、コンピュータ210は、通常、インターネットなどのWAN273を介する通信を設定するためのモデム272または他の手段を含む。モデム272は、内蔵としても外付けとしてもよく、ユーザ入力インタフェース260または他の適切なメカニズムを介してシステム・バス221に接続することもできる。ネットワーク化環境において、コンピュータ210に関連して示したプログラム・モジュール群またはその一部を、遠隔メモリ記憶装置に格納することもできる。限定でなく例示として、図16には、メモリ装置281に在置された遠隔アプリケーション・プログラム285が図示されている。図示されたネットワーク接続は例示的なものであり、コンピュータの間の通信リンクを設定する他の手段を用いることもできるのはよく理解されていよう。
【0050】
当業者は、コンピュータ210または他のクライアント装置を、コンピュータ・ネットワークの部分として展開できることを十分理解することができる。この点に関し、本発明は、任意の数のメモリまたは記憶装置と、任意の数の記憶装置またはボリュームに亘って実施される任意の数のアプリケーションおよび処理と、を有する任意のコンピュータ・システムに対して適応する。本発明は、ネットワーク環境に展開されたサーバ・コンピュータおよびクライアント・コンピュータを有し、遠隔またはローカル記憶装置を備えた環境に適用することもができる。また、本発明は、プログラミング言語機能、解釈および実行能力を有する独立型のコンピューティング装置にも適用することができる。
【0051】
以上、方法、システムおよびコンピュータ・プログラム製品について説明してきた。前述の明細書において、本発明を、その特定の例示的実施形態を参照しながら説明してきた。後記の請求項に記載された本発明の大局的精神および範囲から逸脱することなく、これらの実施形態にさまざまな変更を加えることが可能なことは自明であろう。従って、本明細書および図面は、限定的意味でなく例示的意味で理解されるべきものである。
【符号の説明】
【0052】
10 本発明のシステム
12 本発明のシステム
14 光学システム
16 DUT
20 撮像検出装置(カメラ)
22 平行移動ステージ
24 制御ユニット
26 顕微鏡
30 対物レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に集積回路の画像の生成に関し、さらに具体的には、本発明は集積回路の部分領域の発光画像の生成に関する。さらに詳しくいえば、本発明の実施形態は、画像の撮像に使われる光学システムの視野に入り切らない集積回路の領域の高解像度発光画像の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)からの内在性近赤外発光の時間平均画像(静止画像とも呼ばれる)がVLSI回路の測定および試験に広く使われている。例えば、オフ状態漏れ電流からの発光(LEOSLC)を、電荷結合素子(CCD)カメラ、光電管(PMTs)のような静的および動的な光検出装置によって測定することができる。この発光は、例えば、回路論理状態のマッピング、パワー・グリッド低下の計算、回路内部温度およびゲート自己発熱の測定、チップ全域に亘るパフォーマンス変動の評価などに応用されている。ICの時間平均および時間分解発光画像の最近の応用にICの変化および変性の検出に関するものがある。これらの変化には望ましいものもあれば、望ましくないものもある。ICの何らかの測定可能な特性(例えば、最高動作周波数、パワー消費、信頼性など)の改善を意図する回路設計の変更または製造工程の変更は望ましい変化の一例であろう。こういった変化を検証し測定するために発光ベースの技法を用いるとよい。望ましくない変化の例には、トランジスタ閾値のドーパント変動、トランジスタ寸法のライン・エッジ粗さなど、製造工程バラツキに起因するチップ内およびチップ間の変動がある。望ましくない変化の別の例として、セキュリティ・アプリケーションに関するものがあり、このようなICの変性は、アプリケーションの挙動に望ましくない変化をもたらす可能性がある。このような場合に、発光ベースの方法を用いることで、ICの電気的な試験および診断では観察できないこともあり得るかかる変化を見付け出し、識別し、測定することができるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多種類のアプリケーションに対し、チップ全域におけるバラツキの分布のような重要情報を得るために、チップ全体の画像が必要かまたは有用である。一方、より低廉なコスト、より高いパフォーマンスおよびさらなるチップ機能が継続して求められ、トランジスタ寸法の積極的なスケーリングとチップ面積の増大が生じている。この種のアプリケーションでは、回路の中の変化を識別できる高い空間解像能でかなり大きな領域(可能であればチップ全体)を観察できることが極めて重要となる。このことは、カメラが有するピクセルの数は限られており、光学システムの空間解像能はその視野に反比例するので、発光撮像に課された難題である。具体的にいえば、適切な空間解像能を得るため光学システムの倍率を増大すると、その反作用として視野は必然的に狭くなる。ゲートがサブミクロンの寸法を有し、チップ・サイズが1インチ角(2.54cm×2.54cm)にもなる最新のIC設計では、カバーされる範囲と空間解像能との間で妥協点を見出さなければならない。現在のハイ・エンド製品に関しては、メーカは、多くの光学システム、顕微鏡が提供できる可能な最低倍率であってもチップ全体からの発光を一回で撮像することができないというところに既に至っている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、デバイスの画像を生成するための方法、システム、およびコンピュータ・プログラムを提供する。一つの実施形態において、該方法は、デバイスの第一および第二領域から第一および第二画像を撮像するステップであって、該第一および第二画像はオーバーラップする部分を有する、該撮像するステップと、該オーバーラップする部分を予測して、該第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るステップとを含む。この方法は、定義された相互相関アルゴリズムを使って該オーバーラップする部分を解析し、第一および第二画像を位置合わせさせるための厳密なシフト量を計算するステップと、該計算された正確なシフト量を使って、第一および第二画像の結合画像を形成するステップとをさらに含む。
【0005】
一つの実施形態において、光学システムを用いて画像が撮像され、第一および第二画像を撮像するために、ステージを使ってデバイスまたは光学システムのいずれかが移動され、予測するステップは、オーバーラップ域を予測するため該ステージの移動量を使うステップを含む。一つの実施形態において、解析するステップは、オーバーラップする部分中の対応する位置を特定するステップと、該定義された相互相関アルゴリズムを、該特定された位置に適用して正確なシフト量を計算するステップとを含む。
【0006】
例えば、ピクセルのアレイを含む光学システムを使って、第一および第二画像を撮像することもでき、該対応する位置を、該アレイの特定のピクセルに対応する該第一および第二画像上の位置とすることもできる。別の例として、オーバーラップする部分には高発光の対応領域を含めることもでき、該オーバーラップする部分中の対応する位置を該高発光の対応領域とすることもできる。
【0007】
いろいろな種類のアルゴリズムを使って、2つの隣接する画像、または画像群の2つの縦列、または画像群の2つの横列を正確に位置合わせするのに必要な微細シフト量を見積もることもできる。一つの実施形態において、2D相互相関が用いられて計算された2D相互相関の2D最大が使われ、該最大の座標が画像のxおよびy方向のシフト量である。別の実施形態ではシフト法および相互相関を組み合わせた方法が使われる。他の実施形態において、画像をマッチングさせるため使われるアルゴリズムに対し、オーバーラップ域内の高発光の領域が選定される。別の実施形態において、でき得れば増倍係数を使って発光強度の差異を調整/補正した後、2つのオーバーラップする領域の差異を取ることもでき、オーバーラップ領域中の各ピクセルの差異の絶対値の積分をオーバーラップの適切さの性能指数として使うことができる。オーバーラップ領域をシフトしながら各平行移動値に対する違いを計算することによって性能指数の2Dカーブを計算することができる。かかるカーブの2D最大のxとyとの位置を、オーバーラップの微細調整のためのシフト値として用いることができる。
【0008】
ある実施形態において、ノイズを低減するため、フィルタ(画像処理)をオーバーラップ域に適用することもできる。例えば、2つのオーバーラップ域を平均化してノイズを低減することもできる。別の実施形態において、2つのオーバーラップ域を見分けて、2つのオーバーラップ領域の一つだけに存在し、他方には存在しない大きな孤立したピーク群を見出し、それらピークを元の画像から除去することもできる。
【0009】
一つの実施形態において、画像を取得する位置を決定するため適応的手順が用いられる。この実施形態において、対象となる領域が定義され第一発光画像が撮像され格納される。この画像が解析され、発光の内容自体に基づいて妥当なオーバーラップ領域が選定される。次いで、該オーバーラップのサイズを使って次の画像を撮像する位置が計算される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1Aおよび図1Bは、本発明の2つの実施形態を図示する。
【図2】対象となる領域をカバーするために光学システムが走査するとよいスキャン・パターンの一例を示す。
【図3】試験中のデバイスの隣り合う領域の2つのオーバーラップ画像を示す。
【図4】本発明のある実施形態による方法を図示するフローチャートである。
【図5】試験中のデバイスの対象領域を示し、該対象領域に関連するいくつかのパラメータを図示する。
【図6】対象領域からの4つのサンプル発光画像を示す。
【図7】対象領域のトリミング後の画像を示す。
【図8】2つの隣接する画像のオーバーラップ域を見積もるために使用すればよい相互相関関数を図示する。
【図9】結合してより大きな合成画像を形成することができる2つの横列画像を示す。
【図10】本発明の実施形態による、より小さないくつかの画像を組み合わせて形成された画像を示す。
【図11】一緒に組合せることが可能なさらに多数の発光画像を示す。
【図12】図11のより小さな画像から形成された一連の横列画像と、これら一連の横列画像で形成されたより大きな合成画像とを示す。
【図13】2つの画像のオーバーラップ領域をマッチングさせるための最初の近似法として使用すればよい一つの手順を図示する。
【図14】2つの画像のオーバーラップ領域に適用すればよい処理を図示する。
【図15】本発明の実施形態による、画像が撮像される位置を決定するための適応的方法のフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態に使えばよいコンピューティング環境を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当業者がよく理解するように、本発明は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品として具現することもできる。従って、本発明は、完全にハードウエアの実施形態、完全にソフトウエアの実施形態(ファームウエア、常駐ソフトウエア、マイクロ・コードなどを含む)、またはソフトウエアおよびハードウエアの態様を組み合わせた実施形態を取ることもできる。本明細書では、これら全てを一般的に「回路」、「モジュール」または「システム」ともいう。さらに、本発明は、媒体中に具現されたコンピュータ可用のプログラム・コードを有する、任意の有形表現媒体の中に具現されたコンピュータ・プログラム製品の形態を取ることもできる。
【0012】
一つ以上のコンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体(群)の任意の組合せを用いることもできる。該コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体は、例えば、以下に限らないが、電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外的な、または半導体の、システム、装置、デバイス、または伝播媒体とすることもできる。コンピュータ可読媒体のさらに具体的な例(ただし全網羅的リストではない)には、一つ以上の配線を有する電気接続、携帯型コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、読取り専用メモリ(ROM:read−only memory)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM(erasable programmable read−only memory)またはフラッシュ・メモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD ROM:compact disc read−only memory)、光学式記憶デバイス、インターネットまたはイントラネットを支えているような伝送媒体、または磁気記憶デバイスが含まれよう。なお、コンピュータ可用またはコンピュータ可読の媒体を、紙または別の妥当な媒体にすることすら可能であり、その上にプログラムを印刷し、例えば、その紙または他の媒体の光学スキャンを介して、該プログラムを取得し、次いでコンパイルし、解釈し、または必要に応じ、妥当なやり方で別途処理し、その後コンピュータ・メモリに格納することができる。
【0013】
本文書の文脈において、コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体は、命令を実行するシステム、装置、またはデバイスで使用するため、またはこれらに関連して、該プログラムを包含、格納、通信、伝播、または搬送することが可能な任意の媒体とすることもできる。コンピュータ可用媒体には、ベースバンド、または搬送波の一部、として具現されたコンピュータ可用プログラム・コードを担持する伝播データ信号を含めることもできる。該コンピュータ可用プログラム・コードは、以下に限らないが、無線、有線、光ファイバ・ケーブル、RFなどを含めて適切な任意の媒体を使って送信することもできる。
【0014】
本発明のオペレーションを実施するためのコンピュータ・プログラム・コードは、Java、Smalltalk、C++、または類似言語などのオブジェクト指向プログラミング言語、および、「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語など従来式の手続きプログラミング言語を含む、一つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書くこともできる。また、Matlab、Mathematica(登録商標)、Octaveなどのサイエンティフィック・スクリプト/プログラミング言語は、高度の画像解析およびデータ操作機能を内蔵しているので、この目的には特に適しているであろう。該プログラム・コードは、単独型のソフトウエア・パッケージとして全体をユーザのコンピュータでまたは部分的にユーザのコンピュータで、あるいは一部をユーザのコンピュータで他の部分を遠隔コンピュータで、あるいは全体を遠隔コンピュータまたはサーバで実行することができる。この後者のシナリオでは、該遠隔コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することもでき、あるいは、(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使ってインターネットを介し)外部のコンピュータに接続をすることもできる。
【0015】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら、以下に本発明を説明する。フローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方のブロック群の組合せがコンピュータ・プログラム命令によって実行可能であることは理解できるだろう。これらのコンピュータ・プログラム命令を、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに供給してマシンを生成し、該命令を該コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行し、上記フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の中のブロックまたはブロック群中に規定された機能/処置を実行するための手段を生成することもできる。また、これらのコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置に特定の仕方で機能するよう方向付けできるコンピュータ可読媒体の中に格納し、該コンピュータ可読媒体中に格納された命令が、該フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の中のブロックまたはブロック群中に規定された機能/処置を実行する命令手段を包含する、製品を形成するようにすることもできる。
【0016】
また、これらコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置にロードし、該コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置に一連のオペレーション・ステップを遂行させ、該コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置で実行される命令が、上記フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の中のブロックまたはブロック群中に規定された機能/処置を実行するためのプロセスを提供するようにコンピュータ実行の工程を生成することができる。
【0017】
本発明の実施形態は、集積回路の大きな領域の発光の高解像度画像を生成するための、方法、システム、およびコンピュータ・プログラム製品を提供する。図1Aおよび図1Bは、本発明の2つのシステムの実施形態10、12を示す。一般的には、各システムは、試験中のデバイス(DUT(device under test)16)からの光を収集するための光学システム14と、光強度を測定するための撮像検出装置(カメラ)20と、光学システムに対してDUTを移動する、またはDUTに対して光学システムを移動する平行移動ステージ22と、この移動の制御、画像群の撮像の制御、および、これら画像群を高解像度と広域の撮像範囲とを備えた単一の画像に結合(とじ合わせ)するための制御を行う制御ユニット24を含む。一部の実施形態では、この結合を別のコンピュータにおいてオフラインで行うこともできる。
【0018】
これらの実施形態において、光学システム14は、顕微鏡26とDUT16からの光を収集するための対物レンズ(または1または複数のレンズ)30を含む。光学システムに対するDUTの相対的移動を可能にするために、DUT(図1Aに示すように)または光学システム(図1Bに示すように)のいずれかが平行移動ステージ22の上に搭載される。該ステージは制御ユニット24に連結される。該ユニットは、例えばパソコンとすることができ、ステージを画像撮像に必要な所望の位置に移動するために使われる。
【0019】
カメラ20が顕微鏡26の上に搭載され、収集された光は、撮像のためかかる検出装置上に焦点が合わさる。該検出装置は、裏面照射型または増倍型該電荷結合素子(CCD)、InGaAsカメラ、MgCdTe(MCT)カメラ、光電管(PMT)、スペクトルの近赤外域に感受性の高い別の種類の新規カメラ類および材料などいろいろな種類のものとすることができる。異なった種類のカメラを、それらのスペクトル応答、ノイズ、感度、ピクセルの数およびピクセル・サイズに応じて選択することもできる。カメラ20はコンピュータ24に制御され、該コンピュータは、画像撮像の開始/停止を管理し、カメラから画像を回収し、さらなる解析のためそれをメモリまたはディスクに格納する。
【0020】
光学システム14に使われるピクセル・サイズと対物レンズ30の倍率とが、一回の撮像で検出可能な最小の特徴(フィーチャ)を決める。また、検出装置の動作可能域のサイズと対物レンズが単一回の撮像の最大視野を決める。所与のカメラに対し、対物レンズ倍率は、第一には所望の空間解像能を得られるように選定される。例えば、aをカメラのピクセル・サイズとし、m×nを該検出装置のピクセルの数とする。この場合、倍率がMに等しいとすれば、a/Mの解像能を実現してam/M×an/MのDUT域をカバーするものと見込むことができる。
【0021】
前述したように、とりわけ注目すべきことは、発光撮像の対象となる領域がシステムの視野より大きいといった状態の場合である。かかる場合において、光学システムに対しDUTを移動して、複数の画像を撮像することができる。図2は、対象となる全領域をカバーするために走査するとよいスキャン・パターンの一例を示す(他の方向のまたは同心円状のパターンを含め、他のスキームによる走査も可能である)。このDUTの移動量は、光学システムの視野よりも小さくし、図3の32に示すように、隣り合う領域の2つの画像(i)と(i+1)とがオーバーラップする部分を含むようにしなければならない。コンピュータは、該オーバーラップ域を使って、各対の画像34、36の相対位置を微細調整し、その後これらを一緒に結合して、個々の画像と同一の空間解像度を有しながら個別画像よりも大きな領域を有する、ステージの移動でカバーされた全域と等しい一つの大きな画像を生成する。
【0022】
所与の、対物レンズ、光学システム、およびカメラの組合せにより、ある特定の空間解像能とDUTの視野範囲とが可能になる。従って、所望の空間解像能を得るためにある特定の倍率を選んだ場合、DUTの対象領域(ROI:region of interest)が単一の発光画像の視野に入り切らないことがある。この問題を解決するため、本発明の実施形態は、いくつかの部分的にオーバーラップした発光画像を、所定の解像度で全ROIの画像が取得されるまで撮像する。その後、個別の画像を適切なプログラムと方法とを使って一緒に結合し、全ROIからの発光の高解像度での単一大画像が得る。DUTは、システムによって全ROIのカバーが達成されるように、光学システムに対し相対的に移動される(図1参照)。
【0023】
図4は、本発明の実施形態による一方法の説明図を示す。ステップ41において、発光を撮像しなければならないROIがユーザによって定義され、かかるROIは、所望の空間解像能のため必要な倍率では、光学システムの視野(FOV:field of view)より大きくなる。ステップ42において、FOVおよびオーバーラップ・サイズに基づき、ROIが部分的にオーバーラップする個々の画像にさらに分割される。各個別の撮像の位置が計算され、次にステップ43において、ステージが第一位置へ移動され、さらに全ての位置を通って移動されて、ステップ44、45、および46に表されているように、ステージが移動されるたび毎に発光画像が撮像され、後の処理のため格納される。全ROIが撮像でカバーされたならば、次いでステップ47で個別の画像が処理され、ステップ48において一緒に結合される。コントローラ/コンピュータが、ステージの移動または新規の画像撮像あるいはその両方の完了を待っている間に、コントローラ/コンピュータに、先に撮像した画像の結合作業をさせることも可能である。例えば、第一画像が撮像され格納され、次いでステージが第二の位置に移動する。第二画像も同様に撮像され格納される。次に、第三位置への移動が開始され、その間に、最初の2つの画像が処理され一緒に結合される。新しい画像が撮像されている間に、直近で撮られた画像がその前の画像と結合されて、部分的に結合された画像が生成される。この方法は、47と48とを順次に行う必要がなく、ステージの移動と並行して行えるので、全体の処理をスピード・アップさせることができる。別の利点は、ユーザに対しリアルタイムで部分的に結合された画像を提示し、処理の停止、一部のパラメータの変更などといった処置が取れるようにすることであろう。
【0024】
適切な結合を行うために必要な画像の最小オーバーラップ量は、発光強度、画像の質、および発光パターンを含めて、多くのファクタに依存する。通常、オーバーラップ域が、画像の適切な位置合わせおよび結合を可能にするのに十分な特徴を含むことを確認することが必要となる。図5を参照し、ROI(x)の一つの次元を考える。この一次元方向のROIのサイズをROIxとし、これと同じ方向の一つの画像でカバーされる視野のサイズをFOVxとすれば、上記の次元をカバーするのに必要な画像の最小数Nは、N=ceil(ROIx/(FOVx−OLx))式で与えられる。OLxは画像のオーバーラップ部分であり、ceil(…)関数は、より大きな次の整数への丸め関数である。
【0025】
一例として、全ROIをカバーするために2×2の画像が必要な、具体的な発光測定のケースを考える。図6は、ROIをカバーするため撮像された4つの画像61、62、63、64を示す。この事例では、画像の縁部に光学システムの限界に起因する収差およびゆがみが見られる。この場合、隣接する画像の側部をトリミングして、光学システムによるかかる収差またはゆがみを除去することができ、その結果、図7の画像71、72、73、74が得られる。ここで、底部の2つの画像(すなわち、図6および7の(0,0)および(1,0))だけを考える。図8のボックス81、82によって示されるようなi番目の画像と(i+1)番目の画像との間のオーバーラップ域が、ステージの移動量およびFOVのサイズについての既知の情報に基づいて予測(estimate)される。次いで、両方の画像83、84中の対応するオーバーラップ域が解析のため選び出される。2つの画像間の平行移動ステージの移動量は、該ステージの機械的限界、たるみ、および温度ドリフトなどのファクタに起因して、近似的に分かっているだけなので、このステップが有用となる。この結果を基に、光学システムによって得られた所定の解像能によって、2つの画像の相対的位置を微細調整するための方法が用いられる。その結果、2つのオーバーラップ領域の間のシフト量が正確に計算され、ステージの移動量を厳密に補正した後、そのシフト量を使って2つの画像が結合される。
【0026】
この場合、該2つのオーバーラップ域間の相互相関関数が計算される。図8のカーブ85は、水平(x)次元だけを考慮した相互相関の一例を示す。相互相関カーブの最大が求められ、これに対応する位置が2つのオーバーラップ域81、82間の正確な微細シフト量を表す。結合処理は、例えば、図9の90で示すように、全ての画像を各横列画像になるよう一緒に結合し、その後、これら横列群に相当するより大きな画像を一緒に結合することができる。この処理が、図10の100に示すような高解像度で単一の大きな画像が得られるまで、両方向に、全ての隣接する画像に対して繰り返される。
【0027】
最初に画像を縦列に結合し次いで縦列の画像を結合しても、同様な結果を得ることができる。さらに、横列または縦列に編成せずに、一度に一つずつ画像を付け加えて行くこともできる。この場合、2つの画像の一つが先に結合された画像を含み他方よりも大きくことを除けば、上記で2つの画像に対し使われたのと同じ処理法を用いることができる。
【0028】
他のいろいろなアルゴリズムを使って、2つの隣接する画像、または2つの縦列、または2つの横列を適切に位置合わせするため必要な微細シフト量を評価することもできる。一つの実施形態において、2D相互相関が用いられ、2D最大点が使われ、最大の座標は画像のxおよびy方向のシフト量である。
【0029】
別の実施形態において、シフト法と相互相関とを組み合わせた技法が用いられる。例えば、DUTを光学システムに対し水平方向に移動して得られた、同じ横列中の隣り合う2つの画像を一緒に結合するケースを考えてみよう。この場合、縦方向のシフトは通常小さく、移動する方向へのシフトは、大きな不確かさを持つものとなる。従って、一つの画像の他方画像に対する縦方向のシフト量については小さなシフト量を取り入れておけばよく、各ピクセル・シフトに対して2つのオーバーラップ域の2D相互相関が計算され、各シフトに対する最大が記録される。可能な全シフト値がこのような仕方で評価された後、計算された全ての相互相関極大中の最大が識別される。上記の値に対応する縦方向シフト量を使って画像が縦方向にシフトされ、水平方向シフト量は上記に対応する相互相関関数から得られる。一次元の相互相関だけを使うことによって、図11および12に示されるように画像の数が多い場合に、マッチングアルゴリズムの大幅なスピード・アップが可能になる。
【0030】
別の実施形態において、相互相関アルゴリズムを差分アルゴリズムで置き換えることもできる。画像フィルタリングおよび強度レベルの調整など、適切な処理の後、2つの隣接する画像のオーバーラップ領域は(ピクセル毎に)減算/差分され、オーバーラップ領域中の各ピクセルの差の絶対値の積分が計算され、これをオーバーラップ設定の適切性の性能指数(FOM:figure of merit)として使うことができる。関連するオーバーラップ領域中にxおよびyシフトを導入し、各々のxシフトとyシフトとに対する対応FOMを計算することによって、オーバーラップの品質を測定する2Dカーブを生成することができる。かかるカーブの最大によって、2つのオーバーラップ領域の間の最小差が識別される。かかる最大のxおよびy座標は、最善のマッチングを提供する、2つの画像の最適シフト量に相当する。
【0031】
別の実施形態において、画像のマッチングに使われるアルゴリズム(例、相互相関アルゴリズム)のために、オーバーラップ域内のより強い発光の領域が選択される。実際上、発光画像は、特に高い倍率では、非常に弱く、カメラのノイズ、およびα粒子などに起因するスプリアスな発光のピークによって、比較的大きなオーバーラップ域上の発光を正確にマッチングさせることがより難しくなる。従って、より強い発光領域を選択することによって、より良好な信号対ノイズ比のデータを使ってアルゴリズムを機能させることができる。さらに、図13を参照すると、輝点131、132を使って、まずは迅速な画像の近似を実施し、その後もっと精度の高いマッチングアルゴリズムを適用することもできる。このときには近似的な位置合わせは既に済んでいるので、より高い精度の相互相関アルゴリズムは可能なより小さなシフトに限定でき、これによりスピードはさらに向上する。
【0032】
図14を参照すると、正確なシフト量が計算された後、2つの隣接する画像141、142を結合する過程で、ノイズを削減するためオーバーラップ域にフィルタ(画像処理)を適用することもできる。具体的には、一つの実施形態において、同一の領域から発光が2回撮像されているので、該2つのオーバーラップ域を平均化してノイズを削減することができ、これらオーバーラップ域が最終画像の重要な部分であれば、これによってかかる最終画像の全体的品質を大きく向上することができる。別の実施形態では、2つのオーバーラップ域が識別され、2つのオーバーラップ域の一つだけに存在し、他方には存在しない孤立した大きなピークが見出される。これらのピークは(両画像双方にはないので)チップからの内在性発光とは関係がなく、ノイズ、α粒子、またはカメラのアーチファクトに起因するものである。従って、こういったものが識別されたならば、これを元の画像から除去し、その結果、その画像の信号対ノイズ比を改善することができる。
【0033】
上記で説明したように、本発明の実施形態は、より小さな領域の個々の画像を一緒に結合することによって、チップの高解像度で大きな領域からなる発光画像を生成する方法を提供する。この方法は、ROI全体の、部分的にオーバーラップした画像群を撮像するため、光学システムに対するDUTの相対移動を必要とする。この実施形態においては、画像の枚数、オーバーラップする部分、および、画像を撮像するステージの位置が、撮像の開始前に事前設定される。しかし、これは、本発明の他の実施形態では必須ではないが、オーバーラップ領域に、相互相関アルゴリズムによって所望のマッチングが可能なほど十分な発光特徴が含まれていない状況がもたらされる可能性がある。
【0034】
上記に対処するため、本発明の実施形態は、図15に記載された適応化された方法を提供する。この方法では、ステップ151、152、153において、対象領域が定義され、平行移動ステージが初期位置に移動され、最初の発光画像が撮像され格納される。ROIが定義され最初の画像が撮像された後、ステップ154、155において、画像が解析され、発光自体の内容に基づいて適切なオーバーラップ領域が選定される。相互相関(又は他の)アルゴリズムによって、隣接画像を容易にマッチングすることが可能な、十分な発光および特徴がオーバーラップ領域内にあるのを確認することが必要となる。次いで、ステップ156において、オーバーラップのサイズを使って、次の画像を撮像する位置が計算され、平行移動ステージが計算された量だけ移動される。ステップ157で表されるように、全ROIが撮像でカバーされるまでこれが続くことになり、ステップ158、159に表されるように、これら個々の撮像から最終的な大きな画像を構築することとなる。
【0035】
例えば、i番目の画像が撮像され、システムが(i+1)番目の画像のためステージをどこに移動するか決めなければならない場合を考えてみよう。この例では、(i+1)番目の画像は、i番目の画像の右側にあるものとする。i番目の画像が撮像された後、ステージが移動される前に、i番目の画像の右手側が解析され、その領域中の発光の強度および特徴に基づいて妥当なオーバーラップが計算される。一つの実施形態において、最小限の発光量を得る必要があり、オーバーラップ量は、かかる発光レベルを保証可能な、画像の右手側からの最小値となるように選択される。別の実施形態では、背景に対し特定の増幅度を有する特徴(例、発光ピーク)を得なければならない。この場合、オーバーラップ領域は、該オーバーラップ領域中にこういったピークが含まれていることを保証可能な最小値になるように選択される。別の実施形態において、諸方法の組合せを使って、最小オーバーラップ領域を定義することもできる。全ての場合において、最大限のオーバーラップ値を設定して、ステージの移動が過小になるのを回避することもできる。また、計算されたオーバーラップ値に特定のマージンを加え、ステージ移動の望ましくない事象(ドリフト、温度影響)が生じても、(i+1)番目の画像中に所望の特徴が観測可能なようにすることもできる。オーバーラップ値が計算されたならば、ステージは、FOV−OLと等しい距離だけ移動される。(i+1)番目の画像が撮像され、この工程は、全ROIのカバーが完了するまで、次の画像へと進む。
【0036】
例えば、図16と以下の説明とにより、本発明が実施されてもよい適切なコンピューティング環境の簡単な概要を提供する。ただし、本発明に関連して、手持ち型、携帯型、および他の全ての種類のコンピューティング・デバイスの使用が意図されていることを理解すべきである。以下に汎用コンピュータについて説明するが、これは一つの例であって、本発明は、例えば、クライアントの装置がワールド・ワイド・ウェブのブラウザまたはインタフェースとしてだけ機能しているようなネットワーク環境など、非常に少ないまたは最低限のクライアント資源が関与する、ネットワーク・ホスト型サービス環境においても実施することが可能である。
【0037】
必須ではないが、本発明は、開発者による使用のためアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を介して実施することができ、またはネットワーク・ブラウザ・ソフトウエア内に含めることができ、あるいはその両方を行うことができ、本発明は、クライアント・ワークステーション、サーバ、または他の装置など一つ以上のコンピュータで実行されるプログラム・モジュールのような、コンピュータ実行可能な命令の一般的コンテキストで記述することができる。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを遂行するまたは特定の抽象データ型を実行する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。通常、プログラム・モジュールの機能は、さまざまな実施形態において、必要に応じ組み合わされ、分割されることもある。さらに、当業者は、本発明を他のコンピュータ・システム構成を使って実施できることをよく理解していよう。
【0038】
本発明とともに使用するのに適しているであろう他の周知の計算システム、環境または構成あるいはこれらの組合せには、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ・コンピュータ、手持ち型またはラップトップ型装置、多重プロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのシステム、プログラム可能家電機器、ネットワークPC類、ミニコンピュータ、大型コンピュータなどが含まれるが、これらに限られない。また、本発明は、通信ネットワークまたは他のデータ送信媒体を介してリンクされた遠隔処理装置群によってタスクが遂行される、分散型コンピューティング環境でも実施することができる。分散型コンピューティング環境において、プログラム・モジュールは、記憶装置を含め、ローカルおよび遠隔コンピュータ双方の記憶媒体に配置することもできる。
【0039】
図16には、本発明が実施されてもよい適切な計算システム環境200の例が図示されている。ただし、前述の例で明確にしたのと同様に、計算システム環境200は、適切なコンピューティング環境の単なる一例であって、本発明の用途または機能の範囲についていかなる限定の示唆をも意図するものではない。例示的動作環境200中に図示された構成要素のいかなる要素または要素の組合せに関しても、コンピューティング環境200がいかなる依存性も必然性も有すると解釈してはならない。
【0040】
図16を参照すると、本発明を実施するための例示的システムは、コンピュータ210の形で汎用計算装置を含んでいる。コンピュータ210の構成要素には、以下に限らないが、処理ユニット220と、システム・メモリ230と、システム・メモリから処理ユニット220を含めさまざまなシステム構成要素を連結するシステム・バス221とを含めればよい。システム・バス221は、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺機器用バス、および各種バス・アーキテクチャのいずれかを用いたローカル・バスを含め、いくつかの種類のバス構造の任意のものとすればよい。限定でなく例示として、かかるアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(ISA:Industry Standard Architecture)バス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(Enhanced ISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス標準協会(VESA:Video Electronics Standards Association)ローカル・バス、および周辺装置相互接続(PCI)バス(メザニン・バスとしても知られる)が含まれる。
【0041】
コンピュータ210は、通常、さまざまなコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ210がアクセス可能な任意の利用可能な媒体とすることができ、揮発性および不揮発性媒体、取り外し可能および取外し不可能媒体の各双方を含む。限定でなく例示として、コンピュータ可読媒体には、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含めることもできる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読の命令、データ構造、プログラム・モジュール、または他のデータ類などの情報を格納するため、任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取外し不可能媒体を含む。コンピュータ記憶媒体には、以下に限らないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリまたは他のメモリ技術、CD ROM、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)または他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望の情報を格納するため使用でき、コンピュータ210がアクセス可能な他の任意の媒体が含まれる。
【0042】
通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読の命令、データ構造、プログラム・モジュールまたは他のデータを、搬送波または他の伝送メカニズムなどの変調データ信号中に具現し、一切の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、情報を信号中に符号化するための一つ以上の特性集合を有する信号、または信号中に情報を符号化するような仕方で変調された信号をいう。限定でなく例示として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体と、音響、RF、赤外、および他の無線媒体などの無線媒体とを含む。上記の任意の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれることになる。
【0043】
システム・メモリ230は、揮発性メモリ、または読取り専用メモリ(ROM)231およびランダム・アクセス・メモリ(RAM)232などの不揮発性メモリ、あるいはその両方の形態のコンピュータ記憶媒体を含む。例えばスタートアップ時にコンピュータ210内の諸要素の間の情報伝送を助ける、基本的ルーチンを包含する基本入出力システム233(BIOS)は、通常ROM231に格納される。RAM232は、通常、処理ユニット220が直ちにアクセス可能なまたは現在作動中のあるいはその両方の、データまたはプログラム・モジュールあるいはその両方を包含する。限定でなく例示として、図16には、オペレーティング・システム234、アプリケーション・プログラム235、他のプログラム・モジュール236、およびプログラム・データ237が示されている。
【0044】
また、コンピュータ210には、他の取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体を含めることができる。単なる例として、図16には、取り外し不可能で不揮発性の磁気媒体の読取りまたは書込みを行うハード・ディスク・ドライブ241、取り外し可能で不揮発性の磁気ディスク252の読取りまたは書込みを行う磁気ディスク・ドライブ251、および、CDROMまたは他の光媒体など取り外し可能で不揮発性の光ディスク256の読取りまたは書込みを行う光ディスク・ドライブ255が示されている。該例示的動作環境で使用可能な、他の取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体には、以下に限らないが、磁気テープ・カセット、フラッシュ・メモリ・カード、デジタル多用途ディスク、デジタル・ビデオ・テープ、半導体RAM、半導体ROMなどが含まれる。ハード・ディスク・ドライブ241は、通常、インタフェース240のような取り外し不可能メモリ用インタフェースを介しシステム・バス221に連結され、磁気ディスク・ドライブ251および光ディスク・ドライブ255は、通常、インタフェース250のような取り外し可能メモリ用インタフェースを介しシステム・バス221に連結される。
【0045】
上記で説明し図16に示されたドライブとそれらに関連するコンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ210に対し、コンピュータ可読の命令、データ構造、プログラム・モジュール、および他のデータ類を提供する。例えば、図16において、ハード・ディスク・ドライブ241は、オペレーティング・システム244、アプリケーション・プログラム245、他のプログラム・モジュール246、およびプログラム・データ247を格納しているとして図示されている。なお、これらのコンポーネントは、オペレーティング・システム234、アプリケーション・プログラム235、他のプログラム・モジュール236、およびプログラム・データ237と同じとすることも異なるものとすることもできる。本図では、オペレーティング・システム244、アプリケーション・プログラム245、他のプログラム・モジュール246、およびプログラム・データ247が、少なくとも、上記後者とは異なったコピーであることを示すために、これらに異なった番号が付与されている。
【0046】
ユーザは、キーボード262、および、通例、マウス、トラックボール、またはタッチパッドなどと称されるポインティング・デバイス261などの入力装置を介して、コンピュータ210に命令および情報を入力すればよい。他の入力装置(図示せず)として、マイクロホン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、パラボラアンテナ、スキャナなどを含めることもできる。多くの場合、これらのまたは他の入力装置は、システム・バス221に連結されたユーザ入力インタフェース260を介して処理ユニット220に接続されるが、例えば、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、またはユニバーサル・シリアル・バス(USB)など、他のインタフェースおよびバス構造によって接続することもできる。
【0047】
また、モニタ291または他の種類のディスプレイ装置も、ビデオ・インタフェース290などのインタフェースを介してシステム・バス221に接続される。また、ノースブリッジなどのグラフィック・インタフェース282をシステム・バス221に接続することもできる。ノースブリッジは、CPUまたはホスト処理ユニット220と交信し、アクセラレーテッド・グラフィック・ポート(AGP)通信を引き受けるチップセットである。一つ以上のグラフィックス処理ユニット(GPU)284が、グラフィックス・インタフェース282と交信することもできる。これに関し、GPU284は、一般に、レジスタ記憶素子などのオン・チップメモリ記憶素子を含み、GPU284はビデオ・メモリ286と交信する。ただし、GPU284は補助プロセッサの一例であり、さまざまな補助処理デバイスをコンピュータ210に含めることもできる。また、モニタ291または他の種類のディスプレイ装置が、ビデオ・インタフェース290などのインタフェースを介してシステム・バス221に接続され、該インタフェースが中継してビデオ・メモリ286と交信することができる。また、コンピュータには、モニタ291に加えて、スピーカ297およびプリンタ296など、他の周辺出力装置を含めることができ、これらは出力周辺機器インタフェース295を介して接続すればよい。
【0048】
コンピュータ210は、遠隔コンピュータ280など一つ以上の遠隔コンピュータへの論理結合を用いたネットワーク化環境において作動すればよい。遠隔コンピュータ280は、個人用コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピア・デバイス、または他の一般的なネットワーク・ノードとすればよく、図16にはメモリ記憶装置281だけが図示されているが、通常、コンピュータ210に関して上記で説明した要素の多くまたは全てを含む。図16に描かれた論理接続には、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)271および広域ネットワーク(WAN)273が含まれるが、他のネットワークを含めることもできる。かかるネットワーク化環境は、諸オフイス、全企業的なコンピュータ・ネットワーク、イントラネット、およびインターネットでは当たり前になっている。
【0049】
LANネットワーク化環境で用いられる場合、コンピュータ210は、ネットワーク・インタフェースまたはアダプタ270を介してLAN271に接続される。WANネットワーク化環境で用いられる場合、コンピュータ210は、通常、インターネットなどのWAN273を介する通信を設定するためのモデム272または他の手段を含む。モデム272は、内蔵としても外付けとしてもよく、ユーザ入力インタフェース260または他の適切なメカニズムを介してシステム・バス221に接続することもできる。ネットワーク化環境において、コンピュータ210に関連して示したプログラム・モジュール群またはその一部を、遠隔メモリ記憶装置に格納することもできる。限定でなく例示として、図16には、メモリ装置281に在置された遠隔アプリケーション・プログラム285が図示されている。図示されたネットワーク接続は例示的なものであり、コンピュータの間の通信リンクを設定する他の手段を用いることもできるのはよく理解されていよう。
【0050】
当業者は、コンピュータ210または他のクライアント装置を、コンピュータ・ネットワークの部分として展開できることを十分理解することができる。この点に関し、本発明は、任意の数のメモリまたは記憶装置と、任意の数の記憶装置またはボリュームに亘って実施される任意の数のアプリケーションおよび処理と、を有する任意のコンピュータ・システムに対して適応する。本発明は、ネットワーク環境に展開されたサーバ・コンピュータおよびクライアント・コンピュータを有し、遠隔またはローカル記憶装置を備えた環境に適用することもができる。また、本発明は、プログラミング言語機能、解釈および実行能力を有する独立型のコンピューティング装置にも適用することができる。
【0051】
以上、方法、システムおよびコンピュータ・プログラム製品について説明してきた。前述の明細書において、本発明を、その特定の例示的実施形態を参照しながら説明してきた。後記の請求項に記載された本発明の大局的精神および範囲から逸脱することなく、これらの実施形態にさまざまな変更を加えることが可能なことは自明であろう。従って、本明細書および図面は、限定的意味でなく例示的意味で理解されるべきものである。
【符号の説明】
【0052】
10 本発明のシステム
12 本発明のシステム
14 光学システム
16 DUT
20 撮像検出装置(カメラ)
22 平行移動ステージ
24 制御ユニット
26 顕微鏡
30 対物レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスの画像を生成する方法であって、
前記デバイスの第一および第二領域からの第一および第二画像を撮像するステップであって、前記第一および第二画像はオーバーラップする部分を有する、前記撮像するステップと、
前記第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るために前記オーバーラップする部分を予測するステップと、
前記第一および第二画像を位置合わせするための厳密なシフト量を計算するために前記オーバーラップする部分を定義された相互相関アルゴリズムを使って解析するステップと、
前記第一および第二画像の結合画像を形成するために前記計算された正確なシフト量を使用するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記予測するステップは、前記オーバーラップする部分のサイズを予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光学システムを使って前記画像が撮像され、前記第一および第二画像を撮像するために、ステージを使って前記デバイスまたは前記光学システムのいずれかが移動され、前記予測するステップは、前記ステージの前記移動量を使って前記オーバーラップする部分を予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記解析するステップは、前記オーバーラップする部分中の対応する位置を特定するステップと、前記定義された相互相関アルゴリズムを前記特定された位置に適用して前記正確なシフト量を計算するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ピクセルのアレイを包含する光学システムを使って前記第一および第二画像が撮像され、前記対応する位置は、前記アレイの前記ピクセル中の特定のピクセルに対応する、前記第一および第二画像上の位置である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オーバーラップする部分は、高発光の対応領域を包含し、前記オーバーラップする部分中の前記対応する位置が前記高発光の対応領域である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記オーバーラップする部分は、高発光の対応領域を包含し、前記予測するステップは、前記高発光の対応領域を使って前記オーバーラップする部分を予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記オーバーラップする部分を処理してその中のノイズを削減するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記オーバーラップする部分は高発光の対応領域を包含し、前記処理するステップは、前記領域中の選定されたものを除去するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記除去するステップは、前記オーバーラップする部分のうち一方にはあって、前記オーバーラップする部分の他方には対応するものがない、高発光の領域を識別し、前記識別された領域の少なくとも一部を除去するするステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項12】
デバイスの画像を生成するためのシステムであって、
前記デバイスの第一および第二領域からの第一および第二画像を撮像する手段であって、前記第一および第二画像はオーバーラップする部分を有する、前記撮像する手段と、
前記第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るために前記オーバーラップする部分を予測する手段と、
前記第一および第二画像を位置合わせするための厳密なシフト量を計算するために前記オーバーラップする部分を定義された相互相関アルゴリズムを使って解析する手段と、
前記第一および第二画像の結合画像を形成するために前記計算された正確なシフト量を使用する手段と、
を含む、前記システム。
【請求項13】
デバイスの画像を撮像し、処理するためのシステムであって、前記システムは、
前記デバイスからの光を収集する光学システムと、
前記収集された光の強度を測定するための撮像検出装置と、
前記光学システムまたは前記デバイスを移動して、前記光学システムが前記デバイスの相異なる領域の複数の画像を撮ることを可能にするための平行移動ステージと、
前記平行ステージの移動、前記画像群の撮像、および前記画像群を組合せ画像にする処理を制御するための制御ユニットを含み、
前記複数の画像は、前記デバイスの第一および第二領域の第一および第二画像を含み、前記第一および第二画像とはオーバーラップする部分を有し、
前記制御ユニットは、
前記第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るために前記オーバーラップする部分を予測する機能と、
前記第一および第二画像を位置合わせさせるための厳密なシフト量を計算するために前記オーバーラップする部分を定義された相互相関アルゴリズムを使って解析する機能と、
前記第一および第二画像の結合画像を形成するために前記計算された正確なシフト量を使用する機能と、
を有する、前記システム。
【請求項14】
前記複数の画像が所与のシーケンスで撮像され、前記制御ユニットは、前記所与のシーケンス中の前記複数の画像の少なくとも選定された画像群の各々に対し、前記所与のシーケンス中の次の画像に対するオーバーラップする部分を算定し、前記次の画像の撮像が可能となる前記平行移動ステージの位置を算定して、前記平行移動ステージを前記算定された位置に移動する機能を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
画像撮像においてデバイスの画像を撮像し処理するためのプログラムであって、前記デバイスからの光を収集するための光学システムと、および前記光学システムまたは前記デバイスを移動して前記光学システムが前記デバイスの相異なる領域の複数の画像を撮ることを可能にするための平行移動ステージを包む処理システムを含むシステムであって、前記複数の画像は前記デバイスの第一および第二領域の第一および第二画像を包含し、前記第一および第二画像はオーバーラップする部分を有するシステムに前記平行移動ステージの移動、前記画像群の撮像、および前記画像群を結合画像にする処理を制御するステップを実行させ、該ステップは、
前記第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るために前記オーバーラップする部分を予測するステップと、
前記第一および第二画像を位置合わせするための厳密なシフト量を計算するために前記オーバーラップする部分を定義された相互相関アルゴリズムを使って解析するステップと、
前記計算された正確なシフト量を使用して前記第一および第二画像の結合画像を形成するステップを含む、プログラム。
【請求項16】
画像を撮像するのに使われる光学システムの視野より大きな、集積回路の領域の発光画像を生成する方法であって、前記方法は、
光学システムを使って、集積回路の第一および第二領域に対応する第一および第二発光初期画像を撮像するステップであって、前記第一および第二初期画像はオーバーラップする部分を有する、前記撮像するステップと、
前記第一および第二初期画像のおおよその位置合わせを得るためのおおよそのシフト量を算定するステップと、
前記第一および第二発光初期画像を位置合わせするための厳密なシフト量を算定するために定義された相互相関アルゴリズムを使って前記第一および第二初期画像を少なくとも部分的に処理するステップと、
前記正確なシフト量を使って前記第一および第二初期画像を一緒に結合して合成画像を形成するステップを含み、
前記光学システムはある視野を有し、前記合成画像は、前記光学システムの前記視野より大きな、前記集積回路の領域に対応している、方法。
【請求項17】
前記撮像するステップは、前記集積回路と前記光学システムとの間の相対的な移動を用いて前記第一および第二初期画像を撮像するステップを含み、
前記算定するステップは、前記相対的な移動を使って前記おおよそのシフト量を算定するステップを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記撮像するステップは、前記集積回路の第三領域の第三発光初期画像を撮像するステップを含み、前記形成するステップは、前記第三発光初期画像を撮像しながら、前記合成画像を形成するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記相関は、前記第一および第二初期画像の一つの次元だけを対象とする、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記おおよそのシフト量を算定するステップは、前記第一および第二初期画像の前記オーバーラップする部分のサイズを予測するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項1】
デバイスの画像を生成する方法であって、
前記デバイスの第一および第二領域からの第一および第二画像を撮像するステップであって、前記第一および第二画像はオーバーラップする部分を有する、前記撮像するステップと、
前記第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るために前記オーバーラップする部分を予測するステップと、
前記第一および第二画像を位置合わせするための厳密なシフト量を計算するために前記オーバーラップする部分を定義された相互相関アルゴリズムを使って解析するステップと、
前記第一および第二画像の結合画像を形成するために前記計算された正確なシフト量を使用するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記予測するステップは、前記オーバーラップする部分のサイズを予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光学システムを使って前記画像が撮像され、前記第一および第二画像を撮像するために、ステージを使って前記デバイスまたは前記光学システムのいずれかが移動され、前記予測するステップは、前記ステージの前記移動量を使って前記オーバーラップする部分を予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記解析するステップは、前記オーバーラップする部分中の対応する位置を特定するステップと、前記定義された相互相関アルゴリズムを前記特定された位置に適用して前記正確なシフト量を計算するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ピクセルのアレイを包含する光学システムを使って前記第一および第二画像が撮像され、前記対応する位置は、前記アレイの前記ピクセル中の特定のピクセルに対応する、前記第一および第二画像上の位置である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オーバーラップする部分は、高発光の対応領域を包含し、前記オーバーラップする部分中の前記対応する位置が前記高発光の対応領域である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記オーバーラップする部分は、高発光の対応領域を包含し、前記予測するステップは、前記高発光の対応領域を使って前記オーバーラップする部分を予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記オーバーラップする部分を処理してその中のノイズを削減するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記オーバーラップする部分は高発光の対応領域を包含し、前記処理するステップは、前記領域中の選定されたものを除去するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記除去するステップは、前記オーバーラップする部分のうち一方にはあって、前記オーバーラップする部分の他方には対応するものがない、高発光の領域を識別し、前記識別された領域の少なくとも一部を除去するするステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項12】
デバイスの画像を生成するためのシステムであって、
前記デバイスの第一および第二領域からの第一および第二画像を撮像する手段であって、前記第一および第二画像はオーバーラップする部分を有する、前記撮像する手段と、
前記第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るために前記オーバーラップする部分を予測する手段と、
前記第一および第二画像を位置合わせするための厳密なシフト量を計算するために前記オーバーラップする部分を定義された相互相関アルゴリズムを使って解析する手段と、
前記第一および第二画像の結合画像を形成するために前記計算された正確なシフト量を使用する手段と、
を含む、前記システム。
【請求項13】
デバイスの画像を撮像し、処理するためのシステムであって、前記システムは、
前記デバイスからの光を収集する光学システムと、
前記収集された光の強度を測定するための撮像検出装置と、
前記光学システムまたは前記デバイスを移動して、前記光学システムが前記デバイスの相異なる領域の複数の画像を撮ることを可能にするための平行移動ステージと、
前記平行ステージの移動、前記画像群の撮像、および前記画像群を組合せ画像にする処理を制御するための制御ユニットを含み、
前記複数の画像は、前記デバイスの第一および第二領域の第一および第二画像を含み、前記第一および第二画像とはオーバーラップする部分を有し、
前記制御ユニットは、
前記第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るために前記オーバーラップする部分を予測する機能と、
前記第一および第二画像を位置合わせさせるための厳密なシフト量を計算するために前記オーバーラップする部分を定義された相互相関アルゴリズムを使って解析する機能と、
前記第一および第二画像の結合画像を形成するために前記計算された正確なシフト量を使用する機能と、
を有する、前記システム。
【請求項14】
前記複数の画像が所与のシーケンスで撮像され、前記制御ユニットは、前記所与のシーケンス中の前記複数の画像の少なくとも選定された画像群の各々に対し、前記所与のシーケンス中の次の画像に対するオーバーラップする部分を算定し、前記次の画像の撮像が可能となる前記平行移動ステージの位置を算定して、前記平行移動ステージを前記算定された位置に移動する機能を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
画像撮像においてデバイスの画像を撮像し処理するためのプログラムであって、前記デバイスからの光を収集するための光学システムと、および前記光学システムまたは前記デバイスを移動して前記光学システムが前記デバイスの相異なる領域の複数の画像を撮ることを可能にするための平行移動ステージを包む処理システムを含むシステムであって、前記複数の画像は前記デバイスの第一および第二領域の第一および第二画像を包含し、前記第一および第二画像はオーバーラップする部分を有するシステムに前記平行移動ステージの移動、前記画像群の撮像、および前記画像群を結合画像にする処理を制御するステップを実行させ、該ステップは、
前記第一および第二画像をおおよそ位置合わせするためのおおよそのシフト量を得るために前記オーバーラップする部分を予測するステップと、
前記第一および第二画像を位置合わせするための厳密なシフト量を計算するために前記オーバーラップする部分を定義された相互相関アルゴリズムを使って解析するステップと、
前記計算された正確なシフト量を使用して前記第一および第二画像の結合画像を形成するステップを含む、プログラム。
【請求項16】
画像を撮像するのに使われる光学システムの視野より大きな、集積回路の領域の発光画像を生成する方法であって、前記方法は、
光学システムを使って、集積回路の第一および第二領域に対応する第一および第二発光初期画像を撮像するステップであって、前記第一および第二初期画像はオーバーラップする部分を有する、前記撮像するステップと、
前記第一および第二初期画像のおおよその位置合わせを得るためのおおよそのシフト量を算定するステップと、
前記第一および第二発光初期画像を位置合わせするための厳密なシフト量を算定するために定義された相互相関アルゴリズムを使って前記第一および第二初期画像を少なくとも部分的に処理するステップと、
前記正確なシフト量を使って前記第一および第二初期画像を一緒に結合して合成画像を形成するステップを含み、
前記光学システムはある視野を有し、前記合成画像は、前記光学システムの前記視野より大きな、前記集積回路の領域に対応している、方法。
【請求項17】
前記撮像するステップは、前記集積回路と前記光学システムとの間の相対的な移動を用いて前記第一および第二初期画像を撮像するステップを含み、
前記算定するステップは、前記相対的な移動を使って前記おおよそのシフト量を算定するステップを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記撮像するステップは、前記集積回路の第三領域の第三発光初期画像を撮像するステップを含み、前記形成するステップは、前記第三発光初期画像を撮像しながら、前記合成画像を形成するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記相関は、前記第一および第二初期画像の一つの次元だけを対象とする、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記おおよそのシフト量を算定するステップは、前記第一および第二初期画像の前記オーバーラップする部分のサイズを予測するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−10300(P2011−10300A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142215(P2010−142215)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
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