説明

難燃性樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、積層板、金属張積層板、印刷配線板及び多層印刷配線板

【課題】臭素を含有する材料を必要とせずに優れた難燃性を発現し、かつ高い耐熱性を実現するプリプレグ、積層板、銅張積層板、印刷配線板、多層配線板などを提供する。
【解決手段】シリコーン重合体、金属水和物及び樹脂材料を必須成分として含み、樹脂組成物の全固形分中で金属水和物が20重量%以上である難燃性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子材料に好適に用いられる難燃性樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、積層板、金属張積層板、印刷配線板及び多層印刷配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器等に用いられる多くの樹脂組成物には、火災等に対する安全性を確保するために難燃性が付与されている。難燃化には様々な手法が用いられているが、その優れた難燃性からこれまで臭素化合物が広く用いられてきた。しかしながら、地球規模で環境破壊に関する問題意識が高まるなか、焼却時等に腐食性の臭素だけでなく毒性の高い化合物を形成する可能性がある臭素化合物に代わる難燃システムが検討されている。一方、実装部品のはんだ材料に関しても、従来Sn−Pb系が主に使用されているが、廃棄処理時等に土壌等を汚染する可能性があるPbを用いないはんだ材料の検討も進んでいる。はんだ材料のPbフリー化に関する報告等を見ると融点は上昇することが予想されており、これに伴ってリフロー温度も上昇する可能性が高い。こうした状況において、今後の電子材料に用いられる樹脂組成物には、臭素化合物を用いないことと同時にこれまで以上に高い耐熱性が要求される。
【0003】
臭素化合物に代わる難燃化の手法としては、従来からリンや窒素化合物の添加や樹脂骨格への導入等が行われている(例えば、特許文献1及び2参照。)。しかしながら、リンや窒素により難燃性を確保するためにはある程度の量を配合する必要があり、これによって吸水率の増加や耐熱性の低下等を引き起こす問題があった。リンや窒素の導入量を低減した難燃化方法として、金属水和物を使用する方法がある。例えば、特許文献3では、水和アルミナを使用する難燃化技術について開示されている。しかしながら、金属水和物は燃焼時に冷却効果を発現する水を多くトラップしているため、ある程度以上の量を配合すると耐熱性が急激に低下する問題がある。
【0004】
金属水和物を用いた場合に耐熱性が低下する問題は、金属水和物が水をリリースする温度がはんだの溶融温度よりも低いことに起因している。この傾向は今後溶融温度が更に高くなることが予想されているPbフリーのはんだではより顕著になると思われる。金属水和物を用いた場合の耐熱性を向上させる手法として、水をリリースする温度が比較的高い(約340℃)水酸化マグネシウムを用いる方法(例えば、特許文献4参照)があるが、水酸化マグネシウムは耐酸性に劣るという問題がある。また、金属水和物の分散性の向上や引張強度や伸びの向上等を目的として金属水和物の表面にシラン化合物モノマでシラン処理を施す方法もあるが(例えば、特許文献5及び6参照)、シラン化合物モノマでは、モノマ自体の耐熱性が低いことや金属水和物表面への処理効率が低いことも有り、金属水和物の耐熱性の向上は認められない。
【特許文献1】特開平11−124489号公報
【特許文献2】特開平11−199753号公報
【特許文献3】特開平11−181243号公報
【特許文献4】特開平11−181305号公報
【特許文献5】特開平11−181380号公報
【特許文献6】特開平11−217467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような問題点を解決し、耐熱性が高く、臭素化合物を必要としない難燃性樹脂組成物及びこれを用いた積層板、印刷配線板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、次のものに関する。
【0007】
(1) シリコーン重合体、金属水和物及び樹脂材料を必須成分として含み、樹脂組成物の全固形分中で金属水和物が20重量%以上である難燃性樹脂組成物。
【0008】
(2) 樹脂材料が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂及びこれら樹脂を変性した変性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂を含む(1)に記載の難燃性樹脂組成物。
【0009】
(3) 金属水和物としてシリコーン重合体で表面処理した金属水和物を用いることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【0010】
(4) 金属水和物として水酸化アルミニウムを含む(1)〜(3)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【0011】
(5) 水酸化アルミニウムの平均粒径が5μm以下である(4)に記載の難燃性樹脂組成物。
【0012】
(6) 金属水和物として水酸化マグネシウムを含む(1)〜(3)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【0013】
(7) 金属水和物として水酸化カルシウムを含む(1)〜(3)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【0014】
(8) シリコーン重合体が末端にシラノール基を有していることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【0015】
(9) シリコーン重合体の重合度が2〜7000であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【0016】
(10) シリコーン重合体が芳香族基を含有していることを特徴とする(1)〜(9)に記載の難燃性樹脂組成物。
【0017】
(11) シリコーン重合体の各シロキサン単位に各々1つ以上の芳香族基を含有することを特徴とする(1)〜(9)に記載の難燃性樹脂組成物。
【0018】
(12) (1)〜(11)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を使用して製造されるプリプレグ。
【0019】
(13) (12)に記載のプリプレグを使用して製造される積層板。
【0020】
(14) (12)に記載のプリプレグを使用して製造される金属張積層板。
【0021】
(15) (13)に記載の積層板又は(14)に記載の金属張積層板を使用して作製される印刷配線板。
【0022】
(16) (12)に記載のプリプレグ、(13)に記載の積層板、(14)に記載の金属張積層板又は(15)に記載の印刷配線板を使用して作製される多層印刷配線板。
【0023】
(17) シリコーン重合体を含有する処理溶液に金属水和物を混合した後、他の樹脂成分を配合することを特徴とする難燃性樹脂組成物の製造方法。
【0024】
(18) 金属水和物として水酸化アルミニウムを用いることを特徴とする(17)に記載の難燃性樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0025】
本発明の難燃性樹脂組成物を使用することにより、近年望まれていた、臭素を含有する材料を必要とせずに優れた難燃性を発現し、かつ高い耐熱性を実現するプリプレグ、積層板、銅張積層板、印刷配線板、多層配線板などを作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、金属水和物とシリコーン重合体を用いて臭素化合物を必要としない難燃性樹脂組成物及びこれを用いた積層板、印刷配線板である。以下、本発明について詳述する。
【0027】
本発明で用いる金属水和物は特に限定されず、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の従来より難燃性樹脂組成物に使用されている公知のものを使用することができる。耐熱性、難燃性及び粒子の分散性が特に良好なため、金属水和物の平均粒径が10μm以下であることが好ましい。また、金属水和物として水酸化アルミニウムを使用する場合、水をリリースする温度が高く、さらに耐熱性が良いことから、平均粒径が5μm以下の水酸化アルミニウムを用いることが特に好ましい。粒径の最小値はその粒度分布にも依存するため特に限定するものではないが,0.5μm以上が好ましい。0.5μm未満の場合,ワニス化した際の粘度が高くなり,樹脂の流動性の低下が顕著となる。また、これら金属水和物とその他の無機充填剤を併用することもできる。併用する無機充填剤の種類や形状は、特に限定するものではなく、例えば炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン、マイカ、炭酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、シリカ、ガラス短繊維やホウ酸アルミニウムや炭化ケイ素等の各種ウィスカ等が用いられる。さらに、これらを数種類併用しても良い。無機充填剤の配合量は、樹脂組成物の全固形分に対して20〜80重量%であることが好ましく,その中で金属水和物が樹脂組成物の全固形分に対して20重量%以上であることが好ましい。なお、本発明において、樹脂組成物の全固形分とは、無機充填剤、樹脂および必要に応じて用いられる硬化剤、硬化促進剤の合計量を指す。
【0028】
本発明におけるシリコーン重合体は、2官能性シロキサン単位(RSiO2/2)、3官能性シロキサン単位(RSiO3/2)(式中、Rは有機基であり、シリコーン重合体中のR基は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。)及び4官能性シロキサン単位(SiO4/2)から選ばれる少なくとも1種類のシロキサン単位を含有し、末端に水酸基と反応する官能基を1個以上有するものである。重合度は2〜7000が好ましく、さらに好ましい重合度は2〜100、特に好ましい重合度は2〜70である。ここで、重合度は、その重合体の分子量(低重合度の場合)又はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準ポリスチレン若しくはポリエチレングリコールの検量線を利用して測定した数平均分子量から算出したものである。前記Rとしては、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基等の芳香族基などがあるが、耐熱性をより向上させるためには芳香族基の比率を高くすることが好ましく、シリコーン重合体の各シロキサン単位に各々1つ以上の芳香族基、特にフェニル基を含有することが特に好ましい。水酸基と反応する官能基としては、シラノール基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数1〜4のアシルオキシ基、塩素等の臭素以外のハロゲン等が好ましい。
【0029】
本発明おけるシリコーン重合体は、一般式(I)
R′SiX4−n (I)
(式中Xは、塩素等の臭素以外のハロゲン又は−ORを示し、ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルカルボニル基を示し、R′は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基等の有機基、nは0〜2の整数を意味する)で表されるシラン化合物を加水分解、重縮合させて得ることができる。
【0030】
前記一般式(I)で表されるシラン化合物は、具体的には、
Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のテトラアルコキシシランなどの4官能性シラン化合物(以下、シラン化合物における官能性とは、縮合反応性の官能基を有することを意味する。)、
CSi(OCH、HSi(OCH、HSi(OCH、HSi(OCH、HCSi(OC、HSi(OC、HSi(OC、HSi(OC、HCSi(OC、HSi(OC、HSi(OC、HSi(OC、HCSi(OC、HSi(OC、HSi(OC、HSi(OC、等のモノアルキルトリアルコキシシラン、
PhSi(OCH、PhSi(OC、PhSi(OC、PhSi(OC(ただし、Phはフェニル基を示す。以下同様)等のフェニルトリアルコキシシラン、
(HCCOO)SiCH、(HCCOO)SiC、(HCCOO)SiC、(HCCOO)SiC等のモノアルキルトリアシルオキシシラン、
ClSiCH、ClSiC、ClSiC、ClSiC等のモノアルキルトリハロゲノシランなどの3官能性シラン化合物、
(HC)Si(OCH、(HSi(OCH3)、(HSi(OCH、(HSi(OCH、(HC)Si(OC、(HSi(OC、(HSi(OC、(HSi(OC、(HC)Si(OC、(HSi(OC、(HSi(OC、(HSi(OC、(HC)Si(OC、(HSi(OC、(HSi(OC、(HSi(OC等のジアルキルジアルコキシシラン、
PhSi(OCH、PhSi(OC等のジフェニルジアルコキシシラン、
(HCCOO)Si(CH、(HCCOO)Si(C、(HCCOO)Si(C、(HCCOO)Si(C等のジアルキルジアシルオキシシラン、
ClSi(CH、ClSi(C、ClSi(C、ClSi(C、等のアルキルジハロゲノシランなどの2官能性シラン化合物がある。
【0031】
本発明に用いられる前記一般式(I)で表されるシラン化合物としては、4官能性シラン化合物又は3官能性シラン化合物、2官能性シラン化合物のいずれか若しくはその混合物が適宜使用される。耐熱性向上のためには、芳香族基を有するシラン化合物を用いることが好ましく、フェニル基を有するフェニルトリアルコキシシラン化合物やジフェニルジアルコキシシラン化合物などを用いることが特に好ましい。これらフェニル基を有する化合物の使用量としては、総シラン化合物に対して好ましくは、5〜100モル%の割合で使用され、特に好ましくは、50〜100モル%の割合で使用される。
【0032】
本発明におけるシリコーン重合体は、前記した一般式(I)で表されるシラン化合物を加水分解、重縮合して製造されるが、このとき、触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、フッ酸等の無機酸、シュウ酸、マレイン酸、スルホン酸、ギ酸等の有機酸を使用することが好ましく、アンモニア、トリメチルアンモニウムなどの塩基性触媒を用いることもできる。これら触媒は、一般式(I)で表されるシラン化合物の量に応じて適当量用いられるが、好適には一般式(I)で表されるシラン化合物1モルに対し0.001〜1.0モルの範囲で用いられる。
【0033】
また、この反応に際して、水が存在させられる。水の量も適宜決められるが、多すぎる場合には塗布液の保存安定性が低下するなどの問題があるので、水の量は、一般式(I)で表されるシラン化合物が有する加水分解性基(例えばアルコキシル基等)1モルに対して、0〜5モルが好ましく、0.5〜2モルの範囲とすることがより好ましい。
【0034】
また、上記の加水分解・重縮合は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては特に限定するものではない。シリコーン重合体の反応は、シラン化合物と触媒、水、溶媒を適宜配合・攪拌して得られるが、その際のシラン化合物の濃度や反応温度、反応時間等は特に限定するものではない。
【0035】
これらシリコーン重合体は、金属水和物の表面を覆って金属水和物が持っている水をリリースする温度を向上させるはたらきがある。通常、金属水和物が水をリリースする温度は、金属水和物を単独で加熱減量や示差走査熱量計、熱分解ガスクロマトグラフィ等で測定することができる。水をリリースする温度は金属水和物の種類や形状等により大きく異なるが、金属水和物として水酸化アルミニウムを用いた場合には、上記シリコーン重合体で処理することにより数℃から数十℃高くなる。
【0036】
シリコーン重合体の配合量は、耐熱性を考慮すると、無機充填剤100重量部に対して0.01〜20重量部とすることが好ましく、0.1〜10重量部とすることが特に好ましい。
【0037】
また本発明では、シリコーン重合体以外に各種カップリング剤等を併用してもよい。カップリング剤としてはシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤等があり、シラン系カップリング剤としては、一般にエポキシシラン系、アミノシラン系、カチオニックシラン系、ビニルシラン系、アクリルシラン系、メルカプトシラン系及びこれらの複合系等がある。各種シランカップリグ剤を併用する場合の配合割合は特に制限はなく、両方の特性を発揮させるためには、カップリング剤:シリコーン重合体の重量比を0.001:1〜1:0.001とすることが好ましく、0.001:1〜1:1とすることが特に好ましい。
【0038】
本発明で用いる樹脂材料は臭素を含まないものであれば特に限定されず、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、これら樹脂の変性物等が用いられる。また、これらの樹脂は2種類以上を併用してもよく、必要に応じて各種硬化剤、硬化促進剤等を使用することができ、これらを溶剤溶液として配合してもかまわない。配合量は金属水和物を含めた無機充填剤との割合で決まり、樹脂及び必要に応じて用いられる硬化剤、硬化促進剤の配合量の合計が、樹脂組成物の全固形分の20重量%〜80重量%であることが好ましい。耐熱性、耐湿性等の特性やコスト等のバランスを考慮するとエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂としてはたとえば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が好ましく用いられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドフェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂がより好ましく用いられる。耐熱性の向上の点から、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂またはサリチルアルデヒドフェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いることが特に好ましい。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、また2種類以上を併用することもできる。
【0039】
硬化剤としては、従来公知の種々のものを使用することができ、例えば樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、フェノールノボラックやクレゾールノボラック等の多官能性フェノール等をあげることができる。これら硬化剤は何種類かを併用することも可能である。促進剤の種類や配合量は特に限定するものではなく、例えばイミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が用いられ、2種類以上を併用してもよい。
【0040】
これら樹脂材料及び金属水和物、シリコーン重合体等を希釈してワニス化するためにしばしば溶剤が用いられる。この溶剤は特に限定はなく、例えばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール等があり、これらは何種類かを混合してもよい。また、ワニスの固形分濃度は特に制限はなく、樹脂組成や無機充填剤の種類及び配合量等により適宜変更できるが、50重量%〜85重量%の範囲が好ましい。50重量%より低いとワニス粘度が低く、プリプレグの樹脂分が低くなりすぎ、85重量%より高いとワニスの増粘等によりプリプレグの外観等が著しく低下しやすい。
【0041】
ワニス化する際の金属水和物の表面処理方法は特に限定されず、上記シリコーン重合体等を予め処理した金属水和物を使用したり、ワニス化する際に樹脂や金属水和物と一緒に配合したり、予めシリコーン重合体等が入っている処理液中に金属水和物を入れて攪拌処理後、そのままワニス化してもかまわない。
【0042】
前記各成分を配合して得たワニスは、基材に含浸させ、乾燥炉中で80℃〜200℃の範囲で乾燥させることにより、印刷配線板用プリプレグを得る。基材としては、金属箔張り積層板や多層印刷配線板を製造する際に用いられるものであれば特に制限されないが、通常織布や不織布等の繊維基材が用いられる。繊維基材としては、たとえばガラス、アルミナ、アスベスト、ボロン、シリカアルミナガラス、シリカガラス、チラノ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア等の無機繊維やアラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、カーボン、セルロース等の有機繊維等及びこれらの混抄系があり、特にガラス繊維の織布が好ましく用いられる。
【0043】
かくして得られたプリプレグを、製造しようとする積層板の厚さに応じた枚数重ね、加熱加圧して積層板とすることができる。他のプリプレグと組み合わせて使用しても良いが、難燃性において、炎に接する積層板の表面が重要であることから本発明によるプリプレグを少なくとも表層に用いることが好ましい。プリプレグ上に金属箔を重ねて、150℃〜200℃、1.0MPa〜8.0MPa程度の範囲で加熱加圧することにより金属張積層板が製造される。金属箔としては特に限定されないが、電気的、経済的に銅箔が好ましく用いられる。この金属張積層板をサブトラクト法や穴あけ加工などの通常用いられる方法により加工することで印刷配線板を得ることができる。
【0044】
本発明のプリプレグ、金属積層板、印刷配線板は多層配線板の材料として用いることができる。
【0045】
以上で述べたように本発明によれば、金属水和物とシリコーン重合体を併用することにより積層板とした場合に、臭素化合物を使用しない樹脂組成物を用いても難燃性が発現でき、金属水和物を配合したことによる耐熱性の低下も抑えることが可能となる。
【実施例】
【0046】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0047】
(実施例1)
撹拌装置、コンデンサ及び温度計を備えたガラスフラスコに、テトラメトキシシランを40g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.47g、蒸留水を18.9g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は20であった。なお、重合度の平均はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準ポリスチレンの検量線を利用して測定した数平均分子量から算出したものである。これにメチルエチルケトンを加えて、固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を作製した。このシリコーン重合体溶液を用いて、以下に示す樹脂及び金属水和物とメチルエチルケトンを加えて固形分70重量%のワニスを作製した。
【0048】
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂 30重量部
(油化シェルエポキシ製Ep1001、エポキシ当量:466)
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 70重量部
(住友化学製ESCN−195、エポキシ当量:195)
・ジシアンジアミド 5重量部
・2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.5重量部
・水酸化アルミニウム 155重量部
(住友化学製CL310)
・シリコーン重合体溶液(25重量%) 4重量部
(実施例2)
実施例1と同様に、トリメトキシメチルシランを40g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.53g、蒸留水を15.8g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は15であった。これにメチルエチルケトンを加えて、作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0049】
(実施例3)
実施例1と同様に、ジメトキシジメチルシランを20g、テトラメトキシシランを25g、メタノールを105g配合した溶液に、酢酸を0.60g、蒸留水を17.8g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は30であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0050】
(実施例4)
実施例1と同様に、トリメトキシメチルシランを20g、テトラメトキシシランを22g、メタノールを98g配合した溶液に、酢酸を0.52g、蒸留水を18.3g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は25であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0051】
(実施例5)
実施例1と同様に、ジメトキシジメチルシランを10g、トリメトキシメチルシランを10g、テトラメトキシシランを20g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.52g、蒸留水を16.5g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は23であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0052】
(実施例6)
実施例1と同様に、テトラエトキシシランを40g、メタノールを93g配合した溶液に、酢酸を0.34g、蒸留水を13.8g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は19であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0053】
(実施例7)
実施例1と同様に、ジフェニルジメトキシシランを40g、メタノールを10g配合した溶液に、酢酸を0.20g、蒸留水を6.0g配合後25℃で1時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は2であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0054】
(実施例8)
実施例7と同様に、ジフェニルジメトキシシランを40g、メタノールを10g配合した溶液に、酢酸を0.20g、蒸留水を6.0g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は8であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0055】
(実施例9)
実施例1と同様に、フェニルトリメトキシシランを40g、メタノールを10g配合した溶液に、酢酸を0.24g、蒸留水を11.0g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は12であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0056】
(実施例10)
実施例1と同様に、ジフェニルジエトキシシランを40g、メタノールを10g配合した溶液に、酢酸を0.18g、蒸留水を5.5g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は10であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0057】
(実施例11)
実施例1と同様に、フェニルトリエトキシシランを40g、メタノールを10g配合した溶液に、酢酸を0.20g、蒸留水を9.0g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は9であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0058】
(実施例12)
実施例1と同様に、ジフェニルジメトキシシランを20g、テトラメトキシシランを20g、メタノールを10g配合した溶液に、酢酸を0.25g、蒸留水を12.5g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は15であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0059】
(実施例13)
実施例1と同様に、ジフェニルジメトキシシランを20g、ジメトキシジメチルシラン20g、メタノールを10g配合した溶液に、酢酸を0.28g、蒸留水を9.0g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は8であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0060】
(実施例14)
実施例1と同様に、ジフェニルジメトキシシランを20g、トリメトキシメチルシラン20g、メタノールを10g配合した溶液に、酢酸を0.25g、蒸留水を11.0g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は10であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0061】
(実施例15)
実施例1と同様に、ジフェニルジメトキシシランを20g、フェニルトリメトキシシラン20g、メタノールを10g配合した溶液に、酢酸を0.30g、蒸留水を5.9g配合後50℃で8時間撹拌し、シリコーン重合体を合成した。得られたシリコーン重合体の重合度の平均は6であった。これにメチルエチルケトンを加えて作製した固形分25重量%のシリコーン重合体溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0062】
(実施例16)
実施例7で得られたシリコーン重合体合成液に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:A−187、日本ユニカー(株)製)とメチルエチルケトンを加えて、シリコーン重合体:シランカップリング剤=50:50(重量比)で固形分が25重量%のシリコーン重合体・シランカップリング剤溶液を調整した。実施例1のシリコーン重合体溶液に換えて前記シリコーン重合体・シランカップリング剤溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0063】
(実施例17)
実施例7で得られたシリコーン重合体合成液に、チタネートカップリング剤としてイソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート(商品名:KR46B、味の素(株)製)とメチルエチルケトンを加えて、シリコーン重合体:チタネートカップリング剤=50:50(重量比)で固形分が25重量%のシリコーン重合体・チタネートカップリング剤溶液を調整した。実施例1のシリコーン重合体溶液に換えて前記シリコーン重合体・チタネートカップリング剤溶液を用いて、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0064】
(実施例18)
金属水和物として水酸化アルミニウムの代わりに水酸化マグネシウムを用いた以外は、実施例7と同様にワニスを作製した。
【0065】
(実施例19)
金属水和物として水酸化アルミニウムの代わりに水酸化カルシウムを用いた以外は、実施例7と同様にワニスを作製した。
【0066】
(実施例20)
金属水和物として水酸化アルミニウム100重量部と水酸化マグネシウム55重量部を用いた以外は、実施例7と同様にワニスを作製した。
【0067】
(実施例21)
エポキシ樹脂としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を100重量部(住友化学製ESCN−195、エポキシ当量:195)としジシアンジアミドの代わりにフェノールノボラック樹脂を55重量部(日立化成工業製HP−850N、水酸基当量:108)とした以外は、実施例7と同様にワニスを作製した。
【0068】
(実施例22)
水酸化アルミニウムの配合量を230重量部とした以外は、実施例7と同様にワニスを作製した。
【0069】
(実施例23)
水酸化アルミニウムの配合量を400重量部とした以外は,実施例7と同様にワニスを作製した。
【0070】
(実施例24)
実施例7で得られたシリコーン重合体にメタノールを加えて作製した固形分3重量%のシリコーン重合体処理液に実施例21と同量の水酸化アルミニウムを入れて25℃で1時間攪拌処理後、80℃で3時間乾燥させたシリコーン重合体処理水酸化アルミニウムを用いて、実施例21と同様にワニスを作製した。
【0071】
(実施例25)
実施例7で得られたシリコーン重合体にメチルエチルケトンを加えて作製した固形分5重量%のシリコーン重合体処理液に実施例21と同量の水酸化アルミニウムを入れて25℃で1時間攪拌処理後、その処理溶液を用いて実施例21と同様にワニスを作製した。
【0072】
(比較例1)
実施例1のワニスにシリコーン重合体溶液を配合せずに、ワニスを作製した。
【0073】
(比較例2)
実施例1のシリコーン重合体の代わりにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:A−187、日本ユニカー(株)製)を1重量部とした以外は、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0074】
(比較例3)
実施例1のシリコーン重合体の代わりにイソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート(商品名:KR46B、味の素(株)製)を1重量部とした以外は、実施例1と同様にワニスを作製した。
【0075】
(比較例4)
実施例7のシリコーン重合体の代わりに、ジフェニルジメトキシシラン化合物を1重量部配合した以外は、実施例7と同様にワニスを作製した。
【0076】
(比較例5)
実施例1のワニスの水酸化アルミ155重量部を20重量部にして、ワニスを作製した。
【0077】
実施例1〜25及び比較例1〜5で作製したワニスを厚さ約0.1mmのガラス布(#2116、E−ガラス)に含浸後、150℃で3〜10分加熱乾燥して樹脂分43重量%のプリプレグを得た。これらプリプレグ4枚を重ね、その両側に厚みが18μmの銅箔を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。
【0078】
得られた両面銅張積層板について、難燃性、耐熱性を評価した。結果を表1〜表4に示す。試験方法は以下の通りである。
【0079】
難燃性:全面エッチングした積層板を用いて、UL94規格の垂直試験により評価した。
【0080】
耐熱性:50mm×50mmに切断した両面銅張積層板を用いて、260℃及び288℃の溶融はんだにフロートした際に積層板がふくれるまでの時間を測定した。ここで,積層板のふくれとは,ガラスと樹脂の界面の剥離・クラックやプリプレグ間の層間剥離を示す。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【0081】
また,実施例1について,これらの積層板に内層回路を施して両側に前記と同様にして作製したプリプレグを配して多層板を作製し上記試験を行った結果,難燃性,耐熱性とも上記結果と同等の良好な結果を示すことを確認した。
【0082】
以上の結果から、実施例1〜25は、UL94V−0を達成し、260℃の耐熱性及び288℃での耐熱性が良好である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン重合体、金属水和物及びシリコーン以外の樹脂材料を必須成分として含み、樹脂組成物の全固形分中で金属水和物が20重量%以上であって、前記金属水和物は水酸化アルミニウムであって、シリコーン重合体が芳香族基を含有していることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【請求項2】
前記樹脂材料が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂及びこれら樹脂を変性した変性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂を含む請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項3】
前記金属水和物としてシリコーン重合体で表面処理した金属水和物を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項4】
前記水酸化アルミニウムの平均粒径が5μm以下である請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項5】
金属水和物としてさらに水酸化マグネシウムを含む請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項6】
金属水和物としてさらに水酸化カルシウムを含む請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項7】
前記シリコーン重合体が末端にシラノール基を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項8】
前記シリコーン重合体の重合度が2〜7000であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項9】
前記シリコーン重合体の各シロキサン単位に各々1つ以上の芳香族基を含有することを特徴とする請求項1〜8に記載の難燃性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を使用して製造されるプリプレグ。
【請求項11】
請求項10に記載のプリプレグを使用して製造される積層板。
【請求項12】
請求項10に記載のプリプレグを使用して製造される金属張積層板。
【請求項13】
請求項11に記載の積層板又は請求項12に記載の金属張積層板を使用して作製される印刷配線板。
【請求項14】
請求項10に記載のプリプレグ、請求項11に記載の積層板、請求項12に記載の金属張積層板又は請求項13に記載の印刷配線板を使用して作製される多層印刷配線板。
【請求項15】
シリコーン重合体を含有する処理溶液に水酸化アルミニウムを含む金属水和物を混合した後、シリコーン重合体以外の樹脂成分を配合することを特徴とする難燃性樹脂組成物の製造方法。

【公開番号】特開2008−179819(P2008−179819A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4770(P2008−4770)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【分割の表示】特願2004−295821(P2004−295821)の分割
【原出願日】平成13年10月11日(2001.10.11)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】