説明

電動過給機

【課題】過給が要求されないときであっても、誘導加熱により加熱対象物を加熱する。
【解決手段】ECUは、エンジンの始動条件が成立すると(S100にてYES)、冷却水の温度を取得するステップ(S102)と、エンジン回転数が略ゼロであって(S104にてNO)、加熱が要求され(S106にてYES)、バッテリの残量が総容量の40%よりも大きいと(S112にてYES)、エアバイパスバルブを開くステップ(S114)と、回転電機を給電するステップ(S116)と、エンジン回転数が略ゼロではなく(S104にてNO)、回転電機が給電中でなく(S118にてNO)、加熱が要求されていると(S120にてYES)、エアバイパスを開くステップ(S114)と、回転電機を給電するステップ(S116)とを含む、プログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機を有する電動過給機に関し、特に、回転電機と電源とを電気的に接続する導線を加熱対象物に巻回して、誘導加熱により加熱する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱対象物に導線を巻回して、交流電力を供給して、誘導加熱により加熱対象物を加熱する技術が公知である。特に、交流電力を供給する電源と電源から供給される電力により作動する負荷(たとえば、モータ)との間の導線を加熱対象物に巻回することにより、負荷を作動させるとともに、加熱対象物を加熱する技術が公知である。
【0003】
特開2000−323269号公報(特許文献1)は、構造の複雑化や装置の大型化を招来することなく、誘導加熱を利用した加熱を行なう加熱装置を開示する。この加熱装置は、交流電源から負荷に至る導線の経路中に磁性体を配置するとともに、この磁性体に誘導加熱を生じさせるべく導線を巻回させる。
【0004】
上述した公報に開示された加熱装置によると、本来負荷に対して供給される電流を利用して磁性体に誘導加熱を生じさせるようにしているため、導線を巻回させた部分において十分に電圧を降下させる必要がなく、磁性体に対するラインの巻回数を著しく低減することができるようになり、構造の簡略化や装置の小型化を図ることができるようになる。
【0005】
一方、内燃機関に設けられる過給機として、排気タービン駆動式の過給機が実用化されている。排気タービン駆動式の過給機は、排気ガスのエネルギでタービンを回転させ、それと直結したコンプレッサで吸入空気を圧縮してエンジンに供給するものである。このような過給機として、内燃機関の低回転域において排気エネルギが小さいことから、回転電機を用いて、低回転域の過給圧を強制的に上昇させる電動過給機が公知である。
【特許文献1】特開2000−323269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された加熱装置を、上述した電動過給機に適用する場合を想定すると、回転電機に電力が供給されないかぎり、誘導加熱により加熱対象物を加熱することができない。そのため、回転電機による過給と誘導加熱による加熱のうちのいずれか一方が要求される場合に要求を満足することができないという問題がある。
【0007】
このような問題に対して、加熱対象物に巻回される導線に交流電力を供給するか否かを切り換えるスイッチ等を設けることが考えられる。スイッチにより回転電機による過給時に加熱対象物の加熱を停止することができる。しかしながら、過給が要求されていないときに、加熱対象物の加熱が要求される場合には、要求を満足することができないという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、内燃機関に対して過給が要求されないときであっても、誘導加熱により加熱対象物を加熱することができる電動過給機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る電動過給機は、内燃機関に吸入される空気を過給するコンプレッサと、コンプレッサを駆動する回転電機と、回転電機に交流電力を供給する電源と、加熱対象物に巻回され、電源と回転電機とを電気的に接続する導線と、交流電力を制御するための制御手段とを含む。制御手段は、加熱対象物の加熱が要求される状態になると、回転電機が駆動するように交流電力を制御するための手段を含む。
【0010】
第1の発明によると、制御手段は、加熱対象物(たとえば、内燃機関の暖機時に温度上昇が要求される部品)の加熱が要求される状態(たとえば、内燃機関の暖機が要求される状態)になると、回転電機が駆動するように交流電力を制御する。これにより、回転電機には、導線を介して交流電力が供給されるため、導線が巻回された加熱対象物を誘導加熱により加熱し、その温度を上昇させることができる。そのため、たとえば、暖機時に温度上昇が要求される部品を加熱することにより、内燃機関の暖機時間を短縮することができる。
【0011】
第2の発明に係る電動過給機は、第1の発明の構成に加えて、コンプレッサによる過給圧の上昇を制限するための制限手段をさらに含む。制御手段は、過給が要求されない場合には、制限手段により過給圧の上昇を制限しつつ、交流電力を制御するための手段を含む。
【0012】
第2の発明によると、制御手段は、過給が要求されない場合(たとえば、内燃機関のアイドリング時)には、加熱対象物(たとえば、内燃機関の暖機時に温度上昇が要求される部品)の加熱が要求される状態(たとえば、内燃機関の暖機が要求される状態)になると、制限手段(たとえば、コンプレッサを迂回するバイパス通路を連通状態にするエアバイパスバルブ)により過給圧の上昇を制限しつつ、交流電力を制御する。これにより、過給が要求されないときに、回転電機が駆動しても制限手段により過給圧の上昇が制限される。一方、回転電機には、導線を介して交流電力が供給されるため、導線が巻回された加熱対象物を誘導加熱により加熱し、その温度を上昇させることができる。したがって、内燃機関に対して過給が要求されないときであっても、誘導加熱により加熱対象物を加熱することができる。また、内燃機関の暖機時に温度上昇が要求される部品の温度を速やかに上昇させると、内燃機関の暖機時間を短縮することができる。
【0013】
第3の発明に係る電動過給機においては、第2の発明の構成に加えて、制限手段は、コンプレッサを迂回するバイパス通路に設けられ、バイパス通路を連通状態にすることにより過給圧の上昇を制限するための手段を含む。
【0014】
第3の発明によると、制限手段は、コンプレッサを迂回するバイパス通路に設けられ、バイパス通路を連通状態にする。これにより、コンプレッサにより排出される空気は、バイパス通路を経由して、再びコンプレッサに流通するため、内燃機関の吸入される空気の過給圧の上昇を抑制することができる。したがって、回転電機が駆動しても過給圧の上昇を抑制することができる。
【0015】
第4の発明に係る電動過給機においては、第2の発明の構成に加えて、制限手段は、回転電機からコンプレッサへの動力伝達を遮断することにより過給圧の上昇を制限するための手段を含む。
【0016】
第4発明によると、制限手段は、回転電機からコンプレッサへの動力伝達を遮断する。これにより、回転電機が駆動してもコンプレッサが作動しないため、過給圧の上昇を抑制することができる。
【0017】
第5の発明に係る電動過給機においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、内燃機関の始動が要求されるときに、加熱対象物が予め定められた温度以下であると、交流電力を制御するための手段を含む。
【0018】
第5発明によると、制御手段は、内燃機関の始動が要求されるときに(たとえば、運転者によりイグニッションスイッチがオンされたとき)、加熱対象物(たとえば、内燃機関の暖機時に温度上昇が要求される部品)が予め定められた温度(たとえば、部品が十分機能しない温度)以下であると、交流電力を制御する。これにより、内燃機関の始動が要求されるときに、すなわち、内燃機関が始動する以前の過給が要求されないときに、加熱対象物が予め定められた温度以下であると、交流電力が供給される。交流電力の供給により回転電機が駆動しても制限手段により過給圧の不要な上昇が制限される。一方、回転電機には、導線を介して交流電力が供給されるため、導線が巻回された加熱対象物を誘導加熱により加熱し、その温度を上昇させることができる。したがって、内燃機関の始動後に、暖機を短時間で完了させることができるため、加熱対象物の機能を速やかに発現させることができる。
【0019】
第6の発明に係る電動過給機においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、内燃機関の始動後に、加熱対象物が予め定められた温度以下であると、交流電力を制御するための手段を含む。
【0020】
第6の発明によると、制御手段は、内燃機関の始動後に、加熱対象物(たとえば、内燃機関の暖機時に温度上昇が要求される部品)が予め定められた温度(たとえば、部品が十分機能しない温度)以下であると、交流電力を制御する。たとえば、内燃機関の始動後のアイドリング状態においては、過給が要求されない状態である。このとき、加熱対象物が予め定められた温度以下であると、交流電力が供給される。交流電力の供給により回転電機が駆動しても制限手段により過給圧の不要な上昇が制限される。一方、回転電機には、導線を介して交流電力が供給されることにより、導線が巻回された加熱対象物を誘導加熱により加熱し、その温度を上昇させることができる。したがって、内燃機関の暖機を短時間で完了させることができるため、、加熱対象物の機能を速やかに発現させることができる。
【0021】
第7の発明に係る電動過給機においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、加熱対象物は、内燃機関の暖機時に温度上昇が要求される部品である。
【0022】
第7の発明によると、加熱対象物は、内燃機関の暖機時に温度上昇が要求される部品(たとえば、触媒)である。内燃機関の暖機時に回転電機に交流電力を供給して誘導加熱により加熱することにより、部品の機能(たとえば、排気ガスの浄化作用)を速やかに発現させることができる。
【0023】
第8の発明に係る電動過給機においては、第7の発明の構成に加えて、部品は、内燃機関の排気通路に設けられる触媒よりも上流の排気管である。
【0024】
第8の発明によると、部品は、内燃機関の排気通路に設けられる触媒よりも上流の排気管である。排気管の温度が低いと、排気管に排気ガスの熱が奪われるため、下流に設けられる触媒に流通する排気ガスの温度も低くなり、触媒の温度が上昇しにくい。触媒の温度が低いと、排気ガスの浄化作用が活発にならず、その機能を十分に発現できない。したがって、過給が要求されない場合に、排気管の加熱が要求されると(たとえば、内燃機関が冷間始動後のアイドリング状態であると)、制限手段により過給圧の上昇を制限しつつ、回転電機に交流電力が供給されることにより、誘導加熱により排気管の温度を上昇させることができる。これにより、触媒に流通する排気ガスの温度を速やかに上昇させることができる。そのため、短時間で暖機が完了するため、触媒における排気ガスの浄化作用を速やかに活発にすることができ、エミッションの悪化を抑制することができる。
【0025】
第9の発明に係る電動過給機においては、第7の発明の構成に加えて、部品は、内燃機関の排気通路に設けられる触媒である。
【0026】
第9の発明によると、部品は、内燃機関の排気通路に設けられる触媒である。触媒の温度が低いと、排気ガスの浄化作用が活発にならないため、その機能を十分に発現できない。したがって、過給が要求されない場合に、触媒の加熱が要求されると(たとえば、内燃機関が冷間始動後のアイドリング状態であると)、制限手段により過給圧の上昇を制限しつつ、回転電機に交流電力が供給されることにより、誘導加熱により触媒の温度を上昇させることができる。これにより、短時間で暖機が完了するため、排気ガスの浄化作用を速やかに活発にすることができ、エミッションの悪化を抑制することができる。
【0027】
第10の発明に係る電動過給機においては、第7の発明の構成に加えて、部品は、内燃機関から排出される排気ガスによりコンプレッサを駆動するタービンである。
【0028】
第10の発明によると、部品は、内燃機関から排出される排気ガスによりコンプレッサを駆動するタービンである。タービンの温度が低いと、タービンに排気ガスの熱が奪われるため、下流に設けられる触媒に流通する排気ガスの温度が低くなり、触媒の温度が上昇しにくい。触媒の温度が低いと、排気ガスの浄化作用が活発にならず、その機能を十分に発現できない。したがって、過給が要求されない場合に、タービンの加熱が要求されると(たとえば、内燃機関が冷間始動後のアイドリング状態であると)、制限手段により過給圧の上昇を制限しつつ、回転電機に交流電力を供給することにより、誘導加熱によりタービンの温度を上昇させることができる。これにより、触媒に流通する排気ガスの温度を速やかに上昇させることができる。そのため、短時間で暖機が完了するため、触媒における排気ガスの浄化作用を速やかに活発にすることができ、エミッションの悪化を抑制することができる。
【0029】
第11の発明に係る電動過給機においては、第7の発明の構成に加えて、部品は、内燃機関を冷却する冷却媒体が流通する冷却配管である。
【0030】
第11の発明によると、部品は、内燃機関の温度を調整する冷却媒体が流通する冷却配管である。冷却媒体の温度が低いと、内燃機関本体の温度が低く、その内部の軸受部における潤滑油の粘性も高くなる。潤滑油の粘性が高くなることにより、摩擦損失が大きくなり燃費が悪化する場合がある。また、内燃機関本体の温度が低いと、気筒に噴射される燃料が気化しにくくなるため、燃料の噴射量が増加して、燃費あるいはエミッションが悪化する場合がある。したがって、過給が要求されない場合に、冷却配管の加熱が要求されると(たとえば、内燃機関が冷間始動後のアイドリング状態であると)、制限手段により過給圧の上昇を制限しつつ、回転電機に交流電力が供給されることにより、誘導加熱により冷却配管の温度を上昇させることができる。これにより、冷却媒体の温度を速やかに上昇させることができるため、内燃機関本体の温度を上昇させることができる。したがって、短時間で暖機が完了するため、潤滑油の粘性を速やかに低下させて摩擦損失の低減が図れ、燃費の悪化を抑制することができる。また、内燃機関本体の温度が上昇することにより、気筒に噴射される燃料も気化しやすくなるため、燃料の噴射量の増加が抑制され、燃費およびエミッションの悪化を抑制することができる。
【0031】
第12の発明に係る電動過給機においては、第7の発明の構成に加えて、部品は、シリンダブロックとシリンダヘッドとを含むエンジンブロックである。
【0032】
第12の発明によると、部品は、シリンダブロックとシリンダヘッドとを含むエンジンブロックである。エンジンブロックの温度が低いと、その内部の軸受部における潤滑油の粘性が高くなる。潤滑油の粘性が高くなることにより、摩擦損失が大きくなり燃費が悪化する場合がある。また、エンジンブロックの温度が低いと、気筒に噴射される燃料が気化しにくくなるため、燃料の噴射量が増加して、燃費あるいはエミッションが悪化する場合がある。したがって、過給が要求されない場合に、エンジンブロックの加熱が要求されると(たとえば、内燃機関が冷間始動後のアイドリング状態であると)、制限手段により過給圧の上昇を制限しつつ、回転電機に交流電力が供給されることにより、誘導加熱によりエンジンブロックの温度を上昇させることができる。したがって、短時間で暖機が完了するため、潤滑油の粘性を速やかに低下させて摩擦損失の低減が図れ、燃費の悪化を抑制することができる。また、エンジンブロックの温度が上昇することにより、気筒に噴射される燃料も気化しやすくなるため、燃料の噴射量の増加が抑制され、燃費およびエミッションの悪化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0034】
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る電動過給機が搭載される車両の構成について説明する。
【0035】
本実施の形態において内燃機関(以下、エンジンと記載する)100は、エアクリーナ300から吸入された空気が導入されるインテークマニホールド(以下、インマニと記載する)104と、複数の気筒が設けられるエンジンブロック102と、エンジンブロック102内で燃焼した排気ガスが排出されるエキゾーストマニホールド(以下、エキマニと記載する)106とを含む。
【0036】
エンジンブロック102は、シリンダヘッドとシリンダブロックとから構成される。エンジンブロック102内の気筒にはピストンが気筒内部を摺動可能に設けられる。ピストンは、クランク機構を介してクランクシャフト108に接続される。
【0037】
インマニ104から吸気された空気が気筒内で燃焼することによりピストンが押し下げられると、クランク機構によりピストンの上下運動がクランクシャフト108の回転運動に変換されて伝達される。
【0038】
クランクシャフト108の一方端には、クランクシャフト108の回転方向に沿って複数の歯部が設けられる円板形状のタイミングロータ110が設けられる。タイミングロータ110の歯部に対向するようにクランクポジションセンサ112が設けられる。クランクポジションセンサ112は、電磁ピックアップセンサである。クランクシャフト108が回転することにより、タイミングロータ110の歯部と、クランクポジションセンサ112とのエアギャップが変化するため、クランプポジションセンサ112のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ112は、起電力を表す信号を、ECU600に送信する。
【0039】
エンジンブロック102の内部には、エンジン100の温度を調整する冷却媒体(冷却水)が流通する冷却水通路が設けられる。エンジンブロック102には、冷却水温センサ114が設けられる。冷却水温センサ114は、冷却水通路を流通する冷却水の温度を検知する。冷却水温センサ114は、検知した冷却水の温度を表す信号をECU600に送信する。
【0040】
本実施の形態に係る電動過給機200は、エンジン100の吸気経路上に設けられたコンプレッサ206と、エンジン100の排気経路上に設けられたタービン202と、コンプレッサ206とタービン202との間に設けられた回転電機210とを含む。
【0041】
タービン202の内部には、タービンホイール(タービンロータ、タービンブレードなどとも呼ばれる)204が収納される。コンプレッサ206の内部には、コンプレッサホイール(コンプレッサロータ、コンプレッサブレードなどとも呼ばれる)208が収納される。タービンホイール204とコンプレッサホイール208とは、シャフト212により連結される。
【0042】
なお、エンジン100は、ガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよく、特に限定されるものではない。また、車両はハイブリッド車両であってもよく、特に限定されるものではない。また、本発明に係る電動過給機200は車両に限定して適用されるものではない。
【0043】
コンプレッサ206には、シャフト212の回転軸の延長方向に入口が設けられる。コンプレッサ206の入口は、吸気通路302の一方端に接続される。吸気通路302の他方端はエアクリーナ300に接続される。
【0044】
コンプレッサ206には、シャフト212の回転軸と直交する方向に出口が設けられる。コンプレッサ206の出口は、吸気通路316の一方端に接続される。吸気通路316の他方端は、吸気通路314を介してインタークーラ304の一方端に接続される。インタークーラ304の他方端は、吸気通路312の一方端に接続される。吸気通路312の他方端は、エンジン100のインマニ104に接続される。吸気通路312の途中には、吸気通路312を流通する空気の流量を調整するスロットルバルブ322が設けられる。
【0045】
また、吸気通路302の途中と、吸気通路316の他方端とを接続するバイパス通路318が設けられる。バイパス通路318の途中には、バイパス通路318を連通状態および遮断状態のうちのいずれかの状態にするエアバイパスバルブ310が設けられる。エアバイパスバルブ310の初期状態は、閉状態である。エアバイパスバルブ310は、アクチュエータにより作動する。アクチュエータは、モータなど電動で作動するものであってもよいし、油圧で作動するものであってもよい。
【0046】
タービン202には、シャフト212の回転軸と直交する方向に入口が設けられる。タービン202の入口は、排気通路320の一方端に接続される。排気通路320の他方端は、エンジン100のエキマニ106に接続される。
【0047】
タービン202には、シャフト212の回転軸の延長方向に出口が設けられる。タービン202の出口は、排気管306の一方端に接続される。排気管306の途中には、触媒308が設けられる。排気管306の他方端は、マフラー(図示せず)に接続される。
【0048】
回転電機210は、電力の供給を受けてシャフト212を回転させる。回転電機210は、交流モータであり電動機としても発電機としても機能し得る。回転電機210には、インバータ400を介してバッテリ500から交流電力が供給される。
【0049】
バッテリ500は、たとえば、蓄電機構であれば特に限定されるものではないが、本実施の形態においては、たとえば、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池等の二次電池である。なお、バッテリ500に代えてキャパシタを用いるようにしてもよい。
【0050】
バッテリ500の内部には、電流検知センサおよび温度検知センサ(いずれも図示せず)が設けられる。電流検知センサは、バッテリ500の充電電流あるいは放電電流を検知する。電流検知センサは、検知した電流値を表す信号をECU600に送信する。温度検知センサは、バッテリ500の温度を検知する。温度検知センサは、検知したバッテリ500の温度を表す信号をECU600に送信する。
【0051】
インバータ400とバッテリ500とは、パワーケーブル502により電気的に接続される。バッテリ500は、インバータ400に対して直流電流を供給する。インバータ400は、バッテリ500から供給される直流電流を交流電流に変換して、回転電機210に供給する。インバータ400から回転電機210に供給される交流電力は、ECU600により制御される。
【0052】
インバータ400と回転電機210とは、三相パワーケーブル402を介して電気的に接続される。三相パワーケーブル402は、各相に対応する3本の導線404により構成される。
【0053】
三相パワーケーブル402には、回転電機210とインバータ400との間に、導線404が排気管306に巻回されて、巻回部406が形成される。具体的には、三相パワーケーブル402の導線404が、断熱材408が巻回された排気管306に数回巻付けられた上で、回転電機210とインバータ400とにそれぞれ接続される。排気管306に巻付けられる回数は特に限定されるものではなく、実験等により適合される。
【0054】
ECU600は、CPUおよびメモリ等から構成される。ECU600は、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、電流検知センサおよび温度検知センサから受信する充放電電流および温度に基づくバッテリ500の充電状態、クランクポジションセンサ112から受信するエンジン100の回転数、冷却水温センサ114から受信する冷却水温度等により、エンジン100および回転電機210に供給される交流電力を制御する。
【0055】
以上のような構成を有する電動過給機200においては、エンジン100の作動中においては、エンジンブロック102の気筒内で燃料と混合された空気が燃焼された後、排気ガスは、エンジン100の各気筒に接続されたエキマニ106から排気通路320を介してタービン202内に導かれる。排気ガスはそこでタービンホイール204を回転させ、その回転力がシャフト212に伝達される。その後、排気ガスは、触媒308に導かれ、浄化された状態で車外へ排出される。
【0056】
一方、エンジン100に供給するため車外より吸入された空気は、エアクリーナ300によってろ過された後、吸気通路302を流通してコンプレッサ206に導かれる。空気は、そこで、シャフト212と一体となって回転するコンプレッサホイール208によって圧縮(加圧)される。圧縮された空気は、吸気通路316,314を介してインタークーラ304に導かれ、冷却された状態でスロットルバルブ322で流量が調整された後に、エンジン100のインマニ104に吸入される。
【0057】
また、ECU600は、エンジン100の低回転域において、コンプレッサ206において圧縮される空気が所望の過給圧に到達しない場合(たとえば、エンジン100の回転数が予め定められた回転数以下である場合)には、インバータ400から回転電機210に供給される交流電力を制御して、回転電機210を駆動することにより、コンプレッサ206の過給圧が強制的に上昇するように制御する。
【0058】
このとき、インバータ400から回転電機210に交流電力が供給されると、巻回部406において、導線404に交流電流が流れることにより発生した磁束が導電体である排気管306と交差すると、排気管306内に高周波の渦電流が誘起され、ジュール熱が発生する。すなわち、渦電流が排気管206の固有抵抗にしたがって流れることにより発熱する。このようにして起こる誘導加熱により排気管306は加熱される。本実施の形態において「加熱対象物」は、排気管306である。
【0059】
以上のような構成を有する車両において、本発明は、電動過給機200による過給が要求されない場合には、排気管306の加熱が要求される状態になると、ECU600がエアバイパスバルブ310を開状態に制御することにより過給圧の上昇を制限しつつ、回転電機210が駆動するように交流電力を制御する点に特徴を有する。なお、電動過給機200による過給が要求されない状態とは、たとえば、エンジン100のアイドリング状態である。
【0060】
図2を参照して、本実施の形態に係る電動過給機200において、ECU600で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0061】
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU600は、エンジン100の始動条件が成立したか否かを判断する。たとえば、ECU600は、運転者によりイグニッションスイッチ(図示せず)がオンされたか否かを判断する。あるいは、車両がアイドリングストップシステムが搭載される場合においては、ECU600は、予め定められたエンジン100の始動条件が成立したか否かを判断するようにしてもよい。エンジン100の始動条件が成立すると(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS100に戻される。すなわち、エンジン100の始動条件が成立するまで待機する。
【0062】
S102にて、ECU600は、冷却水温センサ114により検知された冷却水の温度を取得する。なお、ECU600は、エンジン100の暖機状態を表す情報を取得できればよく、冷却水の温度に代えて、本実施の形態における加熱対象物である排気管306に温度センサを設けてその温度を取得するようにしてもよいし、または、タービン202あるいは触媒308に温度センサを設けてその温度を取得するようにしてもよい。
【0063】
S104にて、ECU600は、クランクポジションセンサ112により検知されるエンジン100の回転数が略ゼロであるか否かを判断する。エンジン100の回転数が略ゼロであると(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでないと(S104にてNO)、処理はS118に移される。
【0064】
S106にて、ECU600は、本実施の形態における加熱対象物である排気管306を加熱する要求があるか否かを判断する。具体的には、ECU600は、冷却水の温度が予め定められた温度以下であると、排気管306を加熱する要求があると判断する。あるいは、ECU600は、加熱対象物である排気管306の温度が予め定められた温度以下であると、排気管306を加熱する要求があると判断するようにしてもよい。排気管306を加熱する要求があると(S106にてYES)、処理はS110に移される。もしそうでないと(S106にてNO)、処理はS108に移される。
【0065】
S108にて、ECU600は、エンジン100が始動するように制御する。具体的には、ECU600は、スタータを駆動させてエンジン100のクランクシャフト108を回転させつつ、インジェクタから気筒内に燃料を噴射して、プラグを点火させるように制御する。
【0066】
S110にて、ECU600は、バッテリ500の残量(SOC(State Of Charge))を取得する。具体的には、ECU600は、電流検知センサから受信する充放電電流および温度検知センサから受信するバッテリ500の温度等に基づいて、バッテリ500の残量を取得する。
【0067】
S112にて、ECU600は、バッテリ500の残量が総容量の40%より大きいか否かを判断する。なお、本実施の形態において「40%」に限定されるものではない。バッテリ500の残量が総容量の40%よりも大きいと(S112にてYES)、処理はS114に移される。もしそうでないと(S112にてNO)、処理はS108に移される。
【0068】
S114にて、ECU600は、エアバイパスバルブ310を開くように制御する。S116にて、ECU600は、回転電機210が駆動するように、インバータ400から回転電機210に供給される交流電力を制御する。なお、供給される交流電流の周波数は高周波であるほど、加熱対象物の表面付近の温度を速やか上昇させることができる。そのため、排気管306が中空形状であることから、好ましくは巻回部406の導線404に対して高周波の交流電流を供給することが望ましい。このようにすると、高周波の交流電流が供給されると、排気管306の温度を効率良く上昇させることができる。そして、S116の処理の後、処理はS102に戻される。
【0069】
S118にて、ECU600は、インバータ400から回転電機210に対して交流電力が供給されている状態(給電中)であるか否かを判断する。回転電機210に交流電力が供給されている状態であると(S118にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S118にてNO)、処理はS120に移される。
【0070】
S120にて、ECU600は、加熱対象物である排気管306を加熱する要求があるか否かを判断する。排気管306を加熱する要求があると(S106にてYES)、処理はS114に移される。もしそうでないと(S120にてNO)、この処理は終了する。
【0071】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る電動過給機の動作について説明する。
【0072】
エンジン100の冷間時において、運転者がイグニッションスイッチをオンすると(S100にてYES)、冷却水の温度が取得される(S102)。エンジン100は停止状態であるため(S104にてYES)、冷却水の温度が予め定められた温度以下であるなどして、排気管306の加熱の要求があると(S106にてYES)、バッテリ500の残量が取得される(S110)。取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%よりも大きいと(S112にてYES)、エアバイパスバルブ310が開状態にされる(S114)。そして、回転電機210に交流電力が供給される(S116)。
【0073】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206から排出される空気は、吸気通路316、バイパス通路318を経由して吸気通路302に流通する。吸気通路302に流通した空気は、再びコンプレッサ206に流入する。このように空気は、吸気通路316、バイパス通路318、吸気通路302およびコンプレッサ206を循環するため、過給圧の上昇が制限される。
【0074】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱により排気管306が加熱され、その温度が上昇する。
【0075】
一方、取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%以下である場合には(S110,S112にてNO)、エンジン100が始動される(S108)。その後、冷却水の温度が取得され(S102)、始動後のエンジン100の回転数は略ゼロでないため(S104にてNO)、回転電機210に交流電力が供給されているか否かが判断される(S118)。エンジン100の始動後であって、回転電機210に給電されていない状態は、過給が要求されていない状態(たとえば、エンジン100のアイドリング状態)である。
【0076】
回転電機210に交流電力が供給されていないと(S118にてNO)、排気管306の加熱が要求されているか否かが判断される(S120)。排気管306の加熱が要求されると(S120にてNO)、エアバイパスバルブ310が開状態になる(S114)。そして、回転電機に交流電力が供給される(S116)。
【0077】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206にて排出される空気は、吸気通路316を流通した後、吸気通路314へと流通するほか、バイパス通路318へも流通する。バイパス通路318に流通する空気は、吸気通路302を経由して、コンプレッサ206に再び導入される。一方、吸気通路314に導入される空気は、インタークーラ304を経由した後、インマニ104に導入される。このとき、インタークーラ304側に流通する空気の圧力(過給圧)は、バイパス通路308が連通状態になることにより上昇が制限される。
【0078】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱により排気管306が加熱され、その温度が上昇する。排気管306の温度が上昇すると、触媒308に導入される排気ガスの温度を上昇させることができるため、触媒308の温度を速やかに上昇させることができる。そのため、触媒308の温度上昇により、排気ガスの浄化作用が活発になる。
【0079】
以上のようにして、本実施の形態に係る電動過給機によると、ECUは、エンジンが冷間始動後のアイドリング状態であるときに、冷却水の温度が予め定められた温度以下であると、エアバイパスバルブを開いて過給圧の上昇を制限しつつ、回転電機が駆動するように交流電力を制御する。これにより、過給が要求されないときに、回転電機が駆動しても過給圧の上昇が制限される。一方、導線に交流電力が供給されるため、導線が巻回された排気管を誘導加熱により加熱し、その温度を上昇させることができる。したがって、エンジンに対して過給が要求されないときであっても、誘導加熱により加熱対象物を加熱することができる電動過給機を提供することができる。
【0080】
また、エンジンの冷間始動後に排気管の温度を速やかに上昇させることにより、排気管を流通する排気ガスの温度低下を抑制あるいは温度を上昇させることができる、そのため、排気管の下流に設けられる触媒の温度を速やかに上昇させることができる。これにより、短時間で暖機が完了し、触媒における排気ガスの浄化作用を速やかに活発にし、エミッションの悪化を抑制することができる。
【0081】
なお、本実施の形態において、エアバイパスバルブを開状態にすることにより、バイパス通路を連通状態にして、回転電機に交流電力が供給されても過給圧の上昇を制限するようにしたが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、回転電機からコンプレッサホイールへの動力伝達を遮断する電磁クラッチ等の機構を設けるようにしてもよい。このようにすると、過給が要求されない場合に、加熱対象物の加熱が要求されると、電磁クラッチにより回転電機からコンプレッサホイールへの動力伝達を遮断することにより、回転電機に交流電力が供給されても過給圧の上昇を制限しつつ、誘導加熱により加熱対象物を加熱することができる。
【0082】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る電動過給機について説明する。本実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両は、上述の第1の実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両の構成と比較して、三相パワーケーブル402が巻回される加熱対象物が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0083】
図3に示すように、本実施の形態において、三相パワーケーブル402には、回転電機210とインバータ400との間に、導線404が触媒308に巻回されて、巻回部406が形成される。具体的には、三相パワーケーブル402の導線404が、断熱材408が巻回された触媒308に数回巻付けられた上で、回転電機210とインバータ400とにそれぞれ接続される。触媒308に巻付けられる回数は特に限定されるものではなく、実験等により適合される。本実施の形態において「加熱対象物」は、触媒308である。
【0084】
なお、本実施の形態に係る電動過給機200において、ECU600で実行されるプログラムの制御構造は、上述の第1の実施の形態において説明した図2のフローチャートと同様である。したがって、その詳細な説明は繰り返さない。
【0085】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る電動過給機の動作について説明する。
【0086】
エンジン100の冷間時において、運転者がイグニッションスイッチをオンすると(S100にてYES)、冷却水の温度が取得される(S102)。エンジン100は停止状態であるため(S104にてYES)、冷却水の温度が予め定められた温度以下であるなどして、触媒308の加熱の要求があると(S106にてYES)、バッテリ500の残量が取得される(S110)。取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%よりも大きいと(S112にてYES)、エアバイパスバルブ310が開状態にされる(S114)。そして、回転電機210に交流電力が供給される(S116)。
【0087】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206から排出される空気は、吸気通路316、バイパス通路318を経由して吸気通路302に流通する。吸気通路302に流通した空気は、再びコンプレッサ206に流入する。このように空気は、吸気通路316、バイパス通路318、吸気通路302およびコンプレッサ206を循環するため、過給圧の上昇が制限される。
【0088】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱により触媒308が加熱され、その温度が上昇する。
【0089】
一方、取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%以下である場合には(S110,S112にてNO)、エンジン100が始動される(S108)。その後、冷却水の温度が取得され(S102)、始動後のエンジン100の回転数は略ゼロでないため(S104にてNO)、回転電機210に交流電力が供給されているか否かが判断される(S118)。エンジン100の始動後であって、回転電機210に給電されていない状態は、過給が要求されていない状態(たとえば、エンジン100のアイドリング状態)である。
【0090】
回転電機210に交流電力が供給されていないと(S118にてNO)、触媒308の加熱が要求されているか否かが判断される(S120)。触媒308の加熱が要求されると(S120にてNO)、エアバイパスバルブ310が開状態になる(S114)。そして、回転電機に交流電力が供給される(S116)。
【0091】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206にて排出される空気は、吸気通路316を流通した後、吸気通路314へと流通するほか、バイパス通路318へも流通する。バイパス通路318に流通する空気は、吸気通路302を経由して、コンプレッサ206に再び導入される。一方、吸気通路314に導入される空気は、インタークーラ304を経由した後、インマニ104に導入される。このとき、インタークーラ304側に流通する空気の圧力(過給圧)は、バイパス通路308が連通状態になることにより上昇が制限される。
【0092】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱により触媒308が加熱され、その温度が上昇する。そのため、触媒308の温度上昇により、排気ガスの浄化作用が活発になる。
【0093】
以上のようにして、本実施の形態に係る電動過給機によると、上述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る電動過給機について説明する。本実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両は、上述の第1の実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両の構成と比較して、三相パワーケーブル402が形成される加熱対象物が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0095】
図4に示すように、本実施の形態において、三相パワーケーブル402には、回転電機210とインバータ400との間に、導線404がタービン202に巻回されて、巻回部406が形成される。具体的には、三相パワーケーブル402の導線404が、断熱材408が巻回されたタービン202に数回巻付けられた上で、回転電機210とインバータ400とにそれぞれ接続される。タービン202に巻付けられる回数は特に限定されるものではなく、実験等により適合される。本実施の形態において「加熱対象物」は、タービン202である。
【0096】
なお、本実施の形態に係る電動過給機200において、ECU600で実行されるプログラムの制御構造は、上述の第1の実施の形態において説明した図2のフローチャートと同様である。したがって、その詳細な説明は繰り返さない。
【0097】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る電動過給機の動作について説明する。
【0098】
エンジン100の冷間時において、運転者がイグニッションスイッチをオンすると(S100にてYES)、冷却水の温度が取得される(S102)。エンジン100は停止状態であるため(S104にてYES)、冷却水の温度が予め定められた温度以下であるなどして、タービン202の加熱の要求があると(S106にてYES)、バッテリ500の残量が取得される(S110)。取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%よりも大きいと(S112にてYES)、エアバイパスバルブ310が開状態にされる(S114)。そして、回転電機210に交流電力が供給される(S116)。
【0099】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206から排出される空気は、吸気通路316、バイパス通路318を経由して吸気通路302に流通する。吸気通路302に流通した空気は、再びコンプレッサ206に流入する。このように空気は、吸気通路316、バイパス通路318、吸気通路302およびコンプレッサ206を循環するため、過給圧の上昇が制限される。
【0100】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱によりタービン202が加熱され、その温度が上昇する。
【0101】
一方、取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%以下である場合には(S110,S112にてNO)、エンジン100が始動される(S108)。その後、冷却水の温度が取得され(S102)、始動後のエンジン100の回転数は略ゼロでないため(S104にてNO)、回転電機210に交流電力が供給されているか否かが判断される(S118)。エンジン100の始動後であって、回転電機210に給電されていない状態は、過給が要求されていない状態(たとえば、エンジン100のアイドリング状態)である。
【0102】
回転電機210に交流電力が供給されていないと(S118にてNO)、タービン202の加熱が要求されているか否かが判断される(S120)。タービン202の加熱が要求されると(S120にてNO)、エアバイパスバルブ310が開状態になる(S114)。そして、回転電機に交流電力が供給される(S116)。
【0103】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206にて排出される空気は、吸気通路316を流通した後、吸気通路314へと流通するほか、バイパス通路318へも流通する。バイパス通路318に流通する空気は、吸気通路302を経由して、コンプレッサ206に再び導入される。一方、吸気通路314に導入される空気は、インタークーラ304を経由した後、インマニ104に導入される。このとき、インタークーラ304側に流通する空気の圧力(過給圧)は、バイパス通路308が連通状態になることにより上昇が制限される。
【0104】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱によりタービン202が加熱され、その温度が上昇する。タービン202の温度が上昇すると、触媒308に導入される排気ガスの温度を上昇させることができるため、触媒308の温度を速やかに上昇させることができる。そのため、触媒308の温度上昇により、排気ガスの浄化作用が活発になる。
【0105】
以上のようにして、本実施の形態に係る電動過給機によると、上述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0106】
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る電動過給機について説明する。本実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両は、上述の第1の実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両の構成と比較して、三相パワーケーブル402が形成される加熱対象物が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0107】
図5に示すように、エンジン100の内部に設けられる冷却水通路は、エンジン100の外部の冷却配管116,118に接続される。冷却配管116,118は、ラジエータ(図示せず)、サーモスタットあるいはウォータポンプ等の機構に接続される配管である。冷却配管116は、上述した機構からエンジン100へと冷却水を流通させる配管であり、冷却配管118は、エンジン100から上述した機構へと冷却水を流通させる配管である。
【0108】
本実施の形態において、三相パワーケーブル402には、回転電機210とインバータ400との間に、導線404が冷却配管116に巻回されて、巻回部406が形成される。具体的には、三相パワーケーブル402の導線404が、断熱材408が巻回された冷却配管116に数回巻付けられた上で、回転電機210とインバータ400とにそれぞれ接続される。冷却配管116に巻付けられる回数は特に限定されるものではなく、実験等により適合される。本実施の形態において「加熱対象物」は、冷却配管116である。
【0109】
なお、本実施の形態に係る電動過給機において、ECU600で実行されるプログラムの制御構造は、上述の第1の実施の形態において説明した図2のフローチャートと同様である。したがって、その詳細な説明は繰り返さない。
【0110】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る電動過給機の動作について説明する。
【0111】
エンジン100の冷間時において、運転者がイグニッションスイッチをオンすると(S100にてYES)、冷却水の温度が取得される(S102)。エンジン100は停止状態であるため(S104にてYES)、冷却水の温度が予め定められた温度以下であるなどして、冷却配管116の加熱の要求があると(S106にてYES)、バッテリ500の残量が取得される(S110)。取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%よりも大きいと(S112にてYES)、エアバイパスバルブ310が開状態にされる(S114)。そして、回転電機210に交流電力が供給される(S116)。
【0112】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206から排出される空気は、吸気通路316、バイパス通路318を経由して吸気通路302に流通する。吸気通路302に流通した空気は、再びコンプレッサ206に流入する。このように空気は、吸気通路316、バイパス通路318、吸気通路302およびコンプレッサ206を循環するため、過給圧の上昇が制限される。
【0113】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱により冷却配管116が加熱され、その温度が上昇する。
【0114】
一方、取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%以下である場合には(S110,S112にてNO)、エンジン100が始動される(S108)。その後、冷却水の温度が取得され(S102)、始動後のエンジン100の回転数が略ゼロでないと(S104にてNO)、回転電機210に交流電力が供給されているか否かが判断される(S118)。エンジン100の始動後であって、回転電機210に給電されていない状態は、過給が要求されていない状態(たとえば、エンジン100のアイドリング状態)である。

回転電機210に交流電力が供給されていないと(S118にてNO)、冷却配管116の加熱が要求されているか否かが判断される(S120)。冷却配管116の加熱が要求されると(S120にてNO)、エアバイパスバルブ310が開状態になる(S114)。そして、回転電機に交流電力が供給される(S116)。
【0115】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206にて排出される空気は、吸気通路316を流通した後、吸気通路314へと流通するほか、バイパス通路318へも流通する。バイパス通路318に流通する空気は、吸気通路302を経由して、コンプレッサ206に再び導入される。一方、吸気通路314に導入される空気は、インタークーラ304を経由した後、インマニ104に導入される。このとき、インタークーラ304側に流通する空気の圧力(過給圧)は、バイパス通路308が連通状態になることにより上昇が制限される。
【0116】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱により冷却配管116が加熱され、その温度が上昇する。冷却配管116の温度が上昇すると、冷却配管116の内部を流通する冷却水、すなわち、エンジン100に流入する冷却水の温度を上昇させることができる。そのため、エンジンブロック102の温度を速やかに上昇させることができる。
【0117】
以上のようにして、本実施の形態に係る電動過給機によると、ECUは、エンジンが冷間始動後のアイドリング状態であるときに、冷却水の温度が予め定められた温度以下であると、エアバイパスバルブを開いて過給圧の上昇を制限しつつ、回転電機が駆動するように交流電力を制御する。これにより、過給が要求されないときに、回転電機が駆動しても過給圧の上昇が制限される。一方、導線に交流電力が供給されるため、導線が巻回された冷却配管を誘導加熱により加熱し、その温度を上昇させることができる。したがって、エンジンに対して過給が要求されないときであっても、誘導加熱により加熱対象物を加熱することができる電動過給機を提供することができる。
【0118】
また、冷却水の温度が低いと、内燃機関本体の温度が低く、その内部の軸受部における潤滑油の粘性も高くなる。潤滑油の粘性が高くなることにより、摩擦損失が大きくなり燃費が悪化する場合がある。また、内燃機関本体の温度が低いと、気筒に噴射される燃料が気化しにくくなるため、燃料の噴射量が増加して、燃費あるいはエミッションが悪化する場合がある。したがって、エンジンの冷間始動後に冷却配管の温度を速やかに上昇させることにより、冷却配管を流通する冷却水の温度を上昇させることができる。冷却水の温度を速やかに上昇させることができるため、エンジンブロックの温度を上昇させることができる。したがって、短時間で暖機が完了するため、潤滑油の粘性を速やかに低下させて摩擦損失の低減が図れ、燃費の悪化を抑制することができる。また、エンジンブロックの温度が上昇することにより、気筒に噴射される燃料も気化しやすくなるため、燃料の噴射量の増加が抑制され、燃費およびエミッションの悪化を抑制することができる。
【0119】
なお、本実施の形態においては、三相パワーケーブルの導線を冷却配管に巻回するとして説明したが、たとえば、エンジンを循環する媒体の配管であれば、特に限定されるものではなく、たとえば、エンジンの作動油が流通する配管に巻回するようにしてもよい。
【0120】
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態に係る電動過給機について説明する。本実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両は、上述の第1の実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両の構成と比較して、三相パワーケーブル402が形成される加熱対象物が異なる。それ以外の構成は、上述の第1の実施の形態に係る電動過給機を搭載する車両の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0121】
図6に示すように、本実施の形態において、三相パワーケーブル402には、回転電機210とインバータ400との間に、導線404がエンジンブロック102に巻回されて、巻回部406が形成される。具体的には、三相パワーケーブル402の導線404が、断熱材408が巻回されたエンジンブロック102に数回巻付けられた上で、回転電機210とインバータ400とにそれぞれ接続される。エンジンブロック102に巻付けられる回数は特に限定されるものではなく、実験等により適合される。本実施の形態において「加熱対象物」は、エンジンブロック102である。なお、導線404が巻回されるのは、エンジンブロック102の全体であってもよいし一部分であってもよい。
【0122】
なお、本実施の形態に係る電動過給機において、ECU600で実行されるプログラムの制御構造は、上述の第1の実施の形態において説明した図2のフローチャートと同様である。したがって、その詳細な説明は繰り返さない。
【0123】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る電動過給機の動作について説明する。
【0124】
エンジン100の冷間時において、運転者がイグニッションスイッチをオンすると(S100にてYES)、冷却水の温度が取得される(S102)。エンジン100は停止状態であるため(S104にてYES)、冷却水の温度が予め定められた温度以下であるなどして、エンジンブロック102の加熱の要求があると(S106にてYES)、バッテリ500の残量が取得される(S110)。取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%よりも大きいと(S112にてYES)、エアバイパスバルブ310が開状態にされる(S114)。そして、回転電機210に交流電力が供給される(S116)。
【0125】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206から排出される空気は、吸気通路316、バイパス通路318を経由して吸気通路302に流通する。吸気通路302に流通した空気は、再びコンプレッサ206に流入する。このように空気は、吸気通路316、バイパス通路318、吸気通路302およびコンプレッサ206を循環するため、過給圧の上昇が制限される。
【0126】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱によりエンジンブロック102が加熱され、その温度が上昇する。
【0127】
一方、取得されたバッテリ500の残量が総容量の40%以下である場合には(S110,S112にてNO)、エンジン100が始動される(S108)。その後、冷却水の温度が取得され(S102)、始動後のエンジン100の回転数は略ゼロでないため(S104にてNO)、回転電機210に交流電力が供給されているか否かが判断される(S118)。エンジン100の始動後であって、回転電機210に給電されていない状態は、過給が要求されていない状態(たとえば、エンジン100のアイドリング状態)である。
【0128】
回転電機210に交流電力が供給されていないと(S118にてNO)、エンジンブロック102の加熱が要求されているか否かが判断される(S120)。エンジンブロック102の加熱が要求されると(S120にてNO)、エアバイパスバルブ310が開状態になる(S114)。そして、回転電機に交流電力が供給される(S116)。
【0129】
エアバイパスバルブ310が開状態になると、回転電機210が駆動してもコンプレッサ206にて排出される空気は、吸気通路316を流通した後、吸気通路314へと流通するほか、バイパス通路318へも流通する。バイパス通路318に流通する空気は、吸気通路302を経由して、コンプレッサ206に再び導入される。一方、吸気通路314に導入される空気は、インタークーラ304を経由した後、インマニ104に導入される。このとき、インタークーラ304側に流通する空気の圧力(過給圧)は、バイパス通路308が連通状態になることにより上昇が制限される。
【0130】
また、回転電機210に交流電力が供給されることにより、巻回部406を形成する導線404に交流電流が流れる。そのため、誘導加熱によりエンジンブロック102が加熱され、その温度が上昇する。
【0131】
以上のようにして、本実施の形態に係る電動過給機によると、上述の第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0132】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】第1の実施の形態に係る電動過給機の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る電動過給機において、ECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態に係る電動過給機の構成を示す図である。
【図4】第3の実施の形態に係る電動過給機の構成を示す図である。
【図5】第4の実施の形態に係る電動過給機の構成を示す図である。
【図6】第5の実施の形態に係る電動過給機の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0134】
100 エンジン、102 エンジンブロック、104 インテークマニホールド、106 エキゾーストマニホールド、108 クランクシャフト、110 タイミングロータ、112 クランクポジションセンサ、114 冷却水温センサ、116,118 冷却配管、200 過給機、202 タービン、204 タービンホイール、206 コンプレッサ、208 コンプレッサホイール、210 回転電機、212 シャフト、300 エアクリーナ、302,312,314,316 吸気通路、304 インタークーラ、306 排気管、308 触媒、310 エアバイパスバルブ、318 バイパス通路、320 排気通路、322 スロットルバルブ、400 インバータ、402 三相パワーケーブル、404 導線、406 巻回部、408 断熱材、500 バッテリ、502 パワーケーブル、600 ECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関に吸入される空気を過給するコンプレッサと、
前記コンプレッサを駆動する回転電機と、
前記回転電機に交流電力を供給する電源と、
加熱対象物に巻回され、前記電源と前記回転電機とを電気的に接続する導線と、
前記交流電力を制御するための制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記加熱対象物の加熱が要求される状態になると、前記回転電機が駆動するように交流電力を制御するための手段を含む、電動過給機。
【請求項2】
前記電動過給機は、前記コンプレッサによる過給圧の上昇を制限するための制限手段をさらに含み、
前記制御手段は、過給が要求されない場合には、前記制限手段により過給圧の上昇を制限しつつ、交流電力を制御するための手段を含む、請求項1に記載の電動過給機。
【請求項3】
前記制限手段は、前記コンプレッサを迂回するバイパス通路に設けられ、前記バイパス通路を連通状態にすることにより過給圧の上昇を制限するための手段を含む、請求項2に記載の電動過給機。
【請求項4】
前記制限手段は、前記回転電機からコンプレッサへの動力伝達を遮断することにより過給圧の上昇を制限するための手段を含む、請求項2に記載の電動過給機。
【請求項5】
前記制御手段は、前記内燃機関の始動が要求されるときに、前記加熱対象物が予め定められた温度以下であると、交流電力を制御するための手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の電動過給機。
【請求項6】
前記制御手段は、前記内燃機関の始動後に、前記加熱対象物が予め定められた温度以下であると、交流電力を制御するための手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の電動過給機。
【請求項7】
前記加熱対象物は、前記内燃機関の暖機時に温度上昇が要求される部品である、請求項1〜6のいずれかに記載の電動過給機。
【請求項8】
前記部品は、前記内燃機関の排気通路に設けられる触媒よりも上流の排気管である、請求項7に記載の電動過給機。
【請求項9】
前記部品は、前記内燃機関の排気通路に設けられる触媒である、請求項7に記載の電動過給機。
【請求項10】
前記部品は、前記内燃機関から排出される排気ガスにより前記コンプレッサを駆動するタービンである、請求項7に記載の電動過給機。
【請求項11】
前記部品は、前記内燃機関を冷却する冷却媒体が流通する冷却配管である、請求項7に記載の電動過給機。
【請求項12】
前記部品は、シリンダブロックとシリンダヘッドとを含むエンジンブロックである、請求項7に記載の電動過給機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−120376(P2007−120376A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312431(P2005−312431)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】