説明

電子部品の実装装置及び実装方法

【課題】この発明は液晶パネルにTCPを精度よく実装することができるようにした実装装置を提供することにある。
【解決手段】液晶パネル4のTCP6が接続された側辺部の下面を支持するバックアップツール17と、バックアップツールの上方に対向して配置され加圧用駆動源16によって下降方向に駆動されることで、液晶パネルの側辺部の上面に仮圧着されたTCPを加圧加熱して異方性導電部材5を溶融硬化させて本圧着するヒータ15bを有する加圧ツール15と、加圧ツールによって本圧着された液晶パネルの第1のリードとTCP6の第2のリードとのずれ量を測定する測定部41と、測定部が測定した第1のリードと第2のリードのずれ量に基いて加圧用駆動源による加圧ツールの下降速度を制御してTCPが液晶パネルに本圧着される前に加圧ツールの熱によって膨張する長さを設定する制御装置を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は液晶パネルなどの基板にTCP(Tape Carrier Package)などの電子部品を実装する電子部品の実装装置及び実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、基板としての液晶パネルには粘着性を有する熱硬化性樹脂に導電性の金属粒子を混入してなる異方性導電部材(ACF)を介して電子部品である上記TCPが圧着される。上記液晶パネルは、2枚のガラス板をシール剤によって所定の間隔で接着し、これらガラス板間に液晶を封入するとともに、各ガラス板の外面にそれぞれ偏光板を貼着して構成される。そして、上記構成の液晶パネルには、側辺部の上面に上記異方性導電部材を貼着し、この異方性導電部材上に上記TCPの一端部を仮圧着した後、その一端部を本圧着(実装)するようにしている。
【0003】
上記液晶パネルの側辺部の上面にTCPを本圧着する場合、まず、一側部にTCPが仮圧着された液晶パネルを搬送テーブルに供給載置する。ついで、上記液晶パネルを搬送テーブルによって搬送し、TCPが仮圧着された一側部をバックアップツールの上端面に位置決め載置して上記一側部の下面を支持したならば、バックアップツールの上方に配置された加圧ツールを下降させ、上記TCPの仮圧着された一端部を加圧する。
【0004】
上記バックアップツールと加圧ツールにはヒータが設けられている。それによって、液晶パネルの一側部に貼着された異方性導電部材が加圧されながら上記各ヒータによって加熱されるから、上記異方性導電部材が溶融硬化して上記TCPが上記液晶パネルの一側部に接続固定される。つまり、上記TCPの一端部が上記液晶パネルに本圧着されることになる。
【0005】
ガラス板からなる上記液晶パネルと、テープ状の樹脂材料によって形成された上記TCPとでは材料が異なることで熱膨張率も大きく相違する。つまり、ガラス製の液晶パネルの熱膨張率に比べ、樹脂製のTCPの熱膨張率の方がはるかに大きい。
【0006】
そのため、液晶パネルにTCPが実装される前の状態、つまり液晶パネルとTCPが加圧加熱される前の状態においては、液晶パネルに形成された端子のピッチよりも、TCPに形成された端子のピッチが小さくなるよう設計しておき、TCPが上記加圧ツールとバックアップツールによって加圧加熱されながら液晶パネルに実装される際、TCPが熱膨張しながら本圧着されることで、TCPのリードのピッチを液晶パネルのリードのピッチに一致させるようにしている。
【0007】
そこで、従来ではTCPのリードのピッチ寸法が最適値よりもどの程度小さく設定されているのかを基準にし、上記加圧ツールの下降速度、加圧温度及び加圧時間を設定して上記TCPを本圧着することで、TCPのリードのピッチ寸法が液晶パネルのリードのピッチ寸法に一致するよう、上記リードを最適なピッチ寸法に熱膨張させるということが行なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−134554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、TCPに形成されるリードのピッチ間隔は、製造品質やロッドバラツキなどを含む製造環境や生産工場の現場環境などを含む保存環境における温度や湿度などによって大きく変化する。
【0010】
そのため、TCPのリードのピッチ寸法が最適値よりもどの程度小さく設計されているかということを基準にして、上記加圧ツールの下降速度、加圧温度及び加圧時間を設定して上記TCPを本圧着しても、上述した製造環境や保存環境における温度や湿度などの変化によってリードのピッチ間隔が設計されたピッチ間隔と異なっていることがあり、そのような場合には、本圧着されたTCPのリードのピッチ間隔が最適値にならないということがある。
【0011】
そして、そのような場合、TCPのリードと液晶パネルのリードとが電気的に確実に接続されない実装不良を招くという虞がある。
【0012】
この発明は、製造環境や保存環境における温度や湿度などの変化によって電子部品のリードのピッチ間隔が変化しても、その変化に応じて電子部品のリードのピッチ間隔が最適値になるよう加圧ツールの下降速度を制御して電子部品を基板の実装できるようにした電子部品の実装装置及び実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、第1のリードを有する基板の側辺部の上面に粘着性を有する異方性導電部材によって仮圧着された第2のリードを有する電子部品を加圧加熱して本圧着する電子部品の実装装置であって、
上記基板の上記電子部品が接続された側辺部の下面を支持するバックアップツールと、
このバックアップツールの上方に対向して配置され駆動手段によって下降方向に駆動されることで、上記基板の側辺部の上面に仮圧着された上記電子部品を加圧加熱して上記異方性導電部材を溶融硬化させて本圧着するヒータを有する加圧ツールと、
この加圧ツールによって本圧着された上記基板の第1のリードと上記電子部品の第2のリードとのずれ量を測定する測定手段と、
この測定手段が測定した上記第1のリードと上記第2のリードのずれ量に基いて上記駆動手段による上記加圧ツールの下降速度を制御して上記電子部品が上記基板に本圧着される前に上記加圧ツールの熱によって膨張する長さを設定する制御手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置にある。
【0014】
上記基板と上記電子部品とにはそれぞれ複数の第1のリードと第2のリードが所定間隔で設けられていて、
上記測定手段は、上記複数の第1のリードの配置方向両端に位置する一対の第1のリードに対して上記複数の第2のリードの配置方向両端に位置する一対の第2のリードが配置方向の内側と外側のどちらに位置するかを判定し、
上記制御手段は、上記基板の第1のリードに対して上記電子部品の第2のリードが配置方向の内側に位置するときには上記加圧ツールの下降速度を遅くし、外側に位置するときには上記加圧ツールの下降速度を速くするよう上記加圧ツールを駆動する駆動手段を制御することが好ましい。
【0015】
上記測定手段は、上記複数の第1のリードと第2のリードの配置方向中央に位置する上記第1のリードと第2のリードのずれ量を算出して補正ずれ量とし、
複数の第1のリードの配置方向両端に位置する一対の第1のリードに対する上記複数の第2のリードの配置方向両端に位置する一対の第2のリードのずれ量からそれぞれ上記補正ずれ量を差し引いて実質ずれ量とし、
上記制御手段は、上記実質ずれ量に基いて上記駆動手段による上記加圧ツールの下降速度を制御することが好ましい。
【0016】
上記加圧ツールは上記異方性導電部材を溶融硬化させる温度に加熱され、上記バックアップツールは上記異方性導電部材を溶融硬化させることのない温度に加熱されることが好ましい。
【0017】
この発明は、第1のリードを有する基板の側辺部の上面に粘着性を有する異方性導電部材によって仮圧着された第2のリードを有する電子部品を加圧加熱して本圧着する電子部品の実装方法であって、
上記基板の上記電子部品が接続された側辺部の下面をバックアップツールによって支持する工程と、
上記バックアップツールの上方に対向して配置された加圧ツールを駆動手段によって下降方向に駆動して上記基板の側辺部の上面に仮圧着された上記電子部品を加圧加熱して上記異方性導電部材を溶融硬化させて本圧着する工程と、
上記加圧ツールによって本圧着された上記基板の第1のリードと上記電子部品の第2のリードとのずれ量を測定する工程と、
測定された上記第1のリードと上記第2のリードのずれ量に基いて上記駆動手段による上記加圧ツールの下降速度を制御して上記電子部品が上記基板に本圧着される前に上記加圧ツールの熱によって膨張する長さを設定する工程と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装方法にある。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、実装後の電子部品のリードと基板のリードのずれ量を測定し、その測定に基いて電子部品のリードのピッチが基板のリードのピッチに一致するよう加圧ツールの下降速度を制御して電子部品を熱膨張させるようにした。
【0019】
そのため、製造環境や保存環境における温度や湿度などの変化によって電子部品のリードのピッチ間隔が変化していても、電子部品のリードのピッチ間隔を基板のリードのピッチ間隔に一致するよう電子部品を熱膨張させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施の形態を示す実装装置の構成図。
【図2】図1に示す実装装置の制御系統図。
【図3】液晶パネルの斜視図。
【図4】液晶パネルとTCPに設けられたリードを示す斜視図。
【図5】測定部の液晶パネルと第1乃至第3の撮像カメラを示す側面図。
【図6】測定部の液晶パネルと第1乃至第3の撮像カメラを示す平面図。
【図7】(a)は液晶パネルとTCPのリードのピッチ間隔が一致している状態を示す説明図、(b)は液晶パネルのリードに対してTCPのリードのピッチが小さい状態を示す説明図、(c)は液晶パネルのリードに対してTCPのリードのピッチが大きい状態を示す説明図。
【図8】(a)は加圧ツールの駆動高さと時間との関係を示すグラフ、(b)は加圧ツールの移動速度と時間との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1はこの発明の一実施の形態に係る実装装置の概略的構成図を示す。この実装装置では、図3に示すガラス製の基板として液晶パネル4の一側部に、粘着性を有するテープ状の異方性導電部材5によって仮圧着された電子部品としてのTCP6が後述するように本圧着される。TCP6は樹脂製のキヤリアテープから打ち抜かれる。したがって、TCP6の材料はガラス製の液晶パネル4の材料に比べて熱膨張率が大きい。
【0023】
図4に示すように、上記液晶パネル4の一側部の上面には複数の第1のリード4aが所定のピッチで設けられ、上記TCP6の一端部の下面には上記第1のリード4aよりも小さなピッチで複数の第2のリード6aが設けられている。
【0024】
つまり、図4に示すように液晶パネル4に設けられた第1のリード4aのピッチをP1とし、TCP6に設けられた第2のリード6aのピッチをP2とすると、P1>P2に設定されている。
【0025】
そして、後述するように上記液晶パネル4の側辺部の下面をバックアップツール17の上端面で支持して上記側辺部の上面に仮圧着された上記TCP6を加圧ツール15で加圧加熱して本圧着(実装)するとき、上記TCP6の第2のリード6aのピッチP2が上記液晶パネル4の第1のリード4aのピッチP1と同じになるよう、上記TCP6を熱膨張させてから本圧着されるようになっている。
【0026】
なお、液晶パネル4の第1のリード4aの列方向の両端には一対の第1の位置決めマーク7aが設けられ、TCP6の第2のリード6aの列方向の両端には一対の第2の位置決めマーク7bが設けられている。そして、これら第1、第2の位置合わせマーク7a,7bを位置合わせして液晶パネル4にTCP6が仮圧着されるようになっている。
【0027】
図3に示すように、上記液晶パネル4は、一対のガラス板4bを図示しないシール剤を介して所定の間隔で接着し、これらの間に液晶が封入されるとともに、各ガラス板4bの外面には周縁部を除く全面にわたってそれぞれ偏光板4c(一方のみ図示)が貼着されている。下側のガラス板4bの側辺部の上面には上記TCP6が上記異方性導電部材5を介して仮圧着されており、仮圧着されてから後述するように本圧着される。この実施の形態では、上記異方性導電部材5は100度で溶融硬化するものが用いられている。
【0028】
なお、図示はしないが、液晶パネル4には1つの側辺部だけでなく、2つ或いは3つの側辺部に対してTCP6を実装することもあるが、この実施の形態では1つの側辺部に対してTCP6を実装する例を挙げて説明している。
【0029】
図1に示すように、上記実装装置は加圧手段としての圧着ユニット11及び後述する実装ステージ37を水平方向(X、Y方向)、回転方向(θ方向)及び矢印で示す上下方向(Z方向)に移動させる位置決めユニット12を備えている。
【0030】
上記圧着ユニット11は架台13を有し、この架台13の上端に設けられた支持部14には加圧ツール15が駆動手段としての加圧用駆動源16によって上下方向に対して駆動及び位置決め可能に設けられている。
【0031】
上記加圧用駆動源16は、図2に示すサーボモータ16aとエアーシリンダ16bが一体化されていて、上記サーボモータ16aによって上記加圧ツール15の下降速度が制御され、上記エアーシリンダ16bによって本圧着時の加圧力を発生させるようになっている。
【0032】
上記加圧ツール15には第1のヒータ15bが内蔵され、この加圧ツール15を数百度に加熱することができるようになっている。また、加圧ツール15の下端面は加圧面15aに形成され、この加圧面15aの下方には上記バックアップツール17が垂直に立設されている。上記バックアップツール17の上端部には第2のヒータ17bが埋設されていて、その上端面は上記加圧ツール15の加圧面15aと平行な支持面17aとなっている。
【0033】
上記第1のヒータ15bによる加圧ツール15の加熱温度は上記異方性導電部材5を溶融硬化させる温度であって、この実施の形態では約370度に設定されている。さらに、異方性導電部材5は約170度に達すると、約5秒で溶融硬化が終了するものが用いられている。
【0034】
上記第2のヒータ17bによる上記バックアップツール17の上端部の加熱温度はたとえば80度に設定されている。つまり、バックアップツール17は異方性導電部材5を溶融硬化させることのない温度であって、しかも液晶パネル4の温度のばらつきをなくして温度に対する伸びを一定にするために加熱されるようになっている。
【0035】
上記バックアップツール17は液晶パネル4の側辺部の全長を支持できる長さを有し、上記加圧ツール15は上記バックアップツール17と対応する長さに設定されている。
【0036】
上記位置決めユニット12は上記圧着ユニット11の側方に配置されている。この位置決めユニット12はXステージ18を有し、このXステージ18にはX駆動源19によってX方向に駆動されるX可動体20が設けられている。
【0037】
なお、上記圧着ユニット11のバックアップツール17の長手方向と平行な方向である、図1の紙面に対して直交する方向をX方向とし、このX方向と交差する方向をY方向とする。Y方向は図1に矢印で示す。したがって、上記加圧ツール15と上記バックアップツール17はX方向に対して長く形成されていることになる。
【0038】
上記加圧ツール15の加圧面15aと、上記バックアップツール17の支持面17aとの間には上記X方向に沿ってクッションシート24が設けられている。このクッションシート24はたとえばフッ素樹脂などの耐熱性を有する樹脂によって形成されている。
【0039】
上記クッションシート24は、上記液晶パネル4に仮圧着されたTCP6を上記加圧ツール15によって本圧着するときに、これらの間に介在して溶融した異方性導電部材5が上記加圧ツール15の加圧面15aに付着するのを阻止したり、加圧ツール14の平坦度のむらを吸収するようになっている。
【0040】
なお、クッションシート24は上記加圧ツール15の長手方向一端側に配置された図示しない供給リールから繰り出され、使用された部分は長手方向他端側に配置された同じく図示しない巻き取りリールによって巻き取られるようになっている。
【0041】
上記X可動体20の上面にはYステージ21が一体的に設けられている。このYステージ21の上面にはY可動体22が設けられている。このY可動体22はY駆動源23によって上記X方向と直交するY方向に駆動されるようになっている。
【0042】
上記Y可動体22の上面には側面形状がクランク状の支持体25が立設されている。この支持体25の上端部の支持部26と上記Y可動体22との間にはねじ軸27とガイド軸28とが軸線をX方向とY方向がなす平面に対して垂直にして設けられている。ねじ軸27は回転可能に設けられ、ガイド軸28は固定的に設けられている。
【0043】
上記ねじ軸27にはZ可動体29が螺合され、このZ可動体29には上記ガイド軸28がスライド可能に挿通されている。したがって、ねじ軸27を回転させれば、上記Z可動体29は回転することなく、上記ガイド軸28に沿って上下動するようになっている。
【0044】
上記ねじ軸27の上端部は上記支持部26の上面から突出し、その突出端には従動歯車30が嵌着されている。この従動歯車30には駆動歯車31が噛合している。この駆動歯車31は上記支持体25に設けられたZ駆動源32の駆動軸32aに固定されている。
【0045】
したがって、上記Z駆動源32が作動してその駆動軸32aが回転すれば、噛合した一対の歯車30、31を介してねじ軸27が回転されるから、上記Z可動体29が図1に矢印で示す上下方向であるZ方向に駆動されることになる。
【0046】
上記Z可動体29にはL字状の取付け部材34の一辺が固着されている。この取付け部材34の水平となった他辺の下面にはθ駆動源35が設けられ、上面にはθ駆動源35によって垂直軸線を中心にして回転駆動されるθ可動体36が設けられている。
【0047】
上記θ可動体36の上面には平面形状が矩形状の上記実装ステージ37がその中央部をθ可動体36の回転中心に一致させて設けられている。この実装ステージ37の上面37aには、真空ポンプによって吸着力が生じる吸引孔(ともに図示せず)が開口形成されていて、上記上面37aに供給された上記液晶パネル4が吸着保持されるようになっている。
【0048】
なお、液晶パネル4は、図1に示すように、TCP6が仮圧着された側辺部を実装ステージ37のX方向に沿う側縁から外方へ突出させた状態で上記実装ステージ37上に保持される。
【0049】
上記圧着ユニット11と位置決めユニット12の間で、上記バックアップツール17の近傍には、上記液晶パネル4に上記TCP6が本圧着された後、−Y方向に所定距離移動したときに、上記液晶パネル4の下面側からこの液晶パネル4と、液晶パネル4の第1のリード4aに本圧着されたTCP6の第2のリード6aとのずれ量を測定する測定手段としての測定部41が設けられている。
【0050】
上記測定部41は、図1に示すように上記バックアップツール17の−Y方向側の一側面の上端部に設けられたL字状の取付け部材40を有し、この取付け部材40の上面に図5と図6に示すように第1乃至第3の撮像カメラ42a〜42cが上記液晶パネル4の側辺部の長手方向に沿って所定間隔で配置されている。
【0051】
上記第1の撮像カメラ42aは液晶パネル4の側辺部の長手方向の中央部に本圧着されたTCP6の幅方向の中央部を撮像し、第2のカメラ42bは幅方向の一端部、第3のカメラ42cは他端部を撮像するようになっている。
【0052】
本圧着時に上記TCP6が設計された第2のリード6aのピッチ間隔に応じた加熱温度で加熱されることで最適値に熱膨張していれば、図7(a)に示すように上記液晶パネル4の第1のリード4aに対して上記TCP6の第2のリード6aが一致し、第1乃至第3のカメラ42a〜42cが撮像した中央部及び両端部の3つの部位における第1のリード4aと第2のリード6aのずれ量は0になる。
【0053】
しかしながら、上記TCP6が最適値に熱膨張していない場合には、第1乃至第3のカメラ42a〜42cが撮像した部位において、第1のリード4aと第2のリード6aにずれが発生する。
【0054】
たとえば、上記TCP6の熱膨張が最適値に対して小さな場合、図7(b)に示すように液晶パネル4の第1のリード4aの列に対し、上記TCP6の幅方向両端部に位置する第2のリード6aが幅方向内方に位置することになる。
【0055】
逆に、上記TCP6の熱膨張が最適値に対して大きな場合、図7(c)に示すように液晶パネル4の第1のリード4aの列に対し、上記TCP6の幅方向両端部に位置する第2のリード6aが幅方向外方に位置することになる。
【0056】
図7(b)と図7(c)の場合、第1のカメラ42aによって撮像される幅方向中央部の第1のリード4aと第2のリード6aにはずれが生じない場合があるが、同図に示すようにずれが生じる場合もある。この実施の形態ではずれが生じている場合を例に挙げて説明している。すなわち、図7(b)の場合に生じる幅方向中央部及び両端部のずれ量をA,B,Cとし、図7(c)の場合に生じる幅方向中央部及び両端部のずれ量をA,D,Eとする。
【0057】
図2に示すように、上記第1乃至第3の撮像カメラ42a〜42cの撮像信号は画像処理部44に出力される。画像処理部44で処理された撮像信号は制御手段としての制御装置45に出力される。
なお、図7(b)におけるTCP6の幅方向中央におけるずれ量Aと、図7(c)におけるTCP6の幅方向中央におけるずれ量Aとは同じ場合もあるが、異なる場合もある。
【0058】
上記制御装置45では、撮像カメラ42a〜42cの撮像信号から図7(b)におけるずれ量をA,B,C或いは図7(c)におけるずれ量をA,D,Eとすると、これらのずれ量から液晶パネル4に対するTCP6の実際のずれ量である、実質ずれ量が算出される。
【0059】
上記実質ずれ量は、(B−A)、(C−A)、或いは(D−A)、(E−A)によって算出される。そして、上記制御装置45は算出された実質ずれ量に基いて上記加圧ツール15の下降速度を後述するように制御する。
【0060】
なお、図7(b)に示すように、液晶パネル4の第1のリード4aの列の幅方向両端に位置する一対の第1のリード4aに対し、上記TCP6の幅方向両端部に位置する第2のリード6aが幅方向内方に位置する場合、上記TCP6の熱膨張が最適値よりも小さことになる。
【0061】
したがって、その場合には上記加圧ツール15の下降速度が最適速度に対して減速される。それによって、上記加圧ツール15が下降し始めてから、その加圧面15aが仮圧着されたTCP6に接触するまでの時間が長くなるから、その分、TCP6が加圧ツール15から受ける輻射による熱量が増大して熱膨張が大きくなる。
【0062】
逆に、液晶パネル4の第1のリード4aの列の幅方向両端に位置する一対の第1のリード4aに対し、上記TCP6の幅方向両端部に位置する第2のリード6aが幅方向外方に位置する場合、上記TCP6の熱膨張が最適値よりも大きいことになる。
【0063】
したがって、その場合には上記加圧ツール15の下降速度が最適速度に対して増加させられる。それによって、上記加圧ツール15が下降し始めてから、その加圧面15aが仮圧着されたTCP6に接触するまでの時間が短くなるから、その分、TCP6が加圧ツール15から受ける輻射による熱量が減少して熱膨張が小さくなる。
【0064】
上記TCP6の熱膨張と、上記加圧ツール15の下降速度との関係は予め測定されていて、そのデータは制御装置45に記憶されている。したがって、測定部41の測定に基いて制御装置45がずれ量を算出すると、そのずれ量に基いて制御装置45は上記加圧用駆動源16のサーボモータ16aによって加圧ツール15の下降速度を制御するようになっている。
【0065】
図2は上記実装装置の制御系統図であって、上記制御装置45は、上記加圧用駆動源16、X駆動源19、Y駆動源23、Z駆動源32及びθ駆動源35、第1のヒータ15b、第2のヒータ17bの駆動を制御する。上記測定部41の第1乃至第3の撮像カメラ42a〜42cの撮像信号は、上記画像処理部44を介して上記制御装置45に出力される。
【0066】
つぎに、上記構成の実装装置によって液晶パネル4の一側部の上面に仮圧着されたTCP6を本圧着するときの動作について説明する。まず、上面37aに液晶パネル4が保持された実装ステージ37がX駆動源19、Y駆動源23及びZ駆動源32によってX、Y及びZ方向に駆動され、上記液晶パネル4のTCP6が仮圧着された側辺部の下面がバックアップツール17の上端の支持面17aに支持される。
【0067】
液晶パネル4の側辺部の下面がバックアップツール17の支持面17aによって支持されると、加圧用駆動源16によって上昇待機位置で待機していた加圧ツール15が下降方向に駆動され、その加圧面15aによってクッションシート24を押圧しながら下降する。
【0068】
このときの加圧ツール15の下降速度は、液晶パネル4の第1のリード4aのピッチ間隔に対して設定されたTCP6の第2のリード6aのピッチ間隔が加圧ツール15から受ける輻射熱によって理論上、第2のリード6aのピッチ間隔が第1のリード4aのピッチ間隔と同じになるよう上記TCP6が熱膨張する速度、つまり後述するように図8(b)のV2で示す速度に設定されている。
【0069】
上記加圧ツール15は第1のヒータ15bによってたとえば370度に加熱されている。したがって、速度V2で下降する加圧ツール15からの輻射熱によってTCP6は加熱されて熱膨張することになる。
【0070】
そして、理論上は、加圧ツール15の下降速度を速度V2に設定することで、上記加圧ツール15の加圧面15aがTCP6を加圧する高さまで下降すると、その間に上記TCP6が上記加圧ツール15からの輻射熱によって熱膨張し、図7(a)に示すようにその第2のリード6aのピッチ間隔が液晶パネル4の第1のリード4aのピッチ間隔と一致することになる。
【0071】
そして、加圧ツール15の加圧面15aがTCP6を加圧する図8(a)にdで示す高さまで下降した後、上記加圧ツール15が図8(a)にcで示す加圧終了位置までさらに下降する。それによって、液晶パネル4とTCP6との間に設けられた異方性導電部材5が圧縮されながら溶融して硬化するから、TCP6が液晶パネル4に本圧着されることになる。
【0072】
このようにしてTCP6が本圧着されると、上記加圧ツールが所定の上昇速度で上昇する。上昇後、実装ステージ37は−Y方向に駆動され、液晶パネル4の側辺部の長手方向中央部のTCP6が実装された箇所が測定部41の上方に位置決めされる。
【0073】
それによって、上記測定部41の第1乃至第3の撮像カメラ42a〜42cが液晶パネル4の側辺部の長手方向中央部に実装されたTCP6を液晶パネル4の下面側から撮像する。なお、第1乃至第3の撮像カメラ42a〜42cによる撮像は、実装ステージ37を停止させずに行うことも可能である。
【0074】
上記第1乃至第3の撮像カメラ42a〜42cの撮像信号は画像処理部44でデジタル信号に処理されてから、制御装置45に出力される。制御装置45では、上記TCP6の幅方向中央部及び両端部の三箇所における液晶パネル4の第1のリード4aとTCP6の第2のリード6aのずれ量を算出する。
【0075】
それによって、加圧ツール15を速度V2で下降させてTCP6を液晶パネル4に実装したとき、TCP6の熱膨張が加圧ツール15から受ける輻射熱によって最適であるか否かが判定される。
【0076】
つまり、加圧ツール15の速度V2が最適な速度であれば、図7(a)に示すようにTCP6の幅方向中央部と両端部の三箇所において理論的には第1のリード4aと第2のリード6aにずれは生じない。
【0077】
しかしながら、TCP6の第2のリード6aのピッチ間隔が製造環境や保存環境における温度や湿度などの影響を受けて設計上のピッチ間隔に対して変化している場合、加圧ツール15の下降速度を理論上の下降速度、つまり理論速度Vtに設定して下降させても、TCP6が最適値になるよう膨張せず、液晶パネル4の第1のリード4aに対してTCP6の第2のリード6aがずれることになる。
【0078】
そして、上記第1のリード4aに対する第2のリード6aのずれの状態が図7(b)の状態であるのか、或いは図7(c)の状態であるのかによって、加圧ツール15の下降速度が理論速度Vtに対して速いか、遅いのかが判定される。
【0079】
そして、その判定結果に基いてつぎにTCP6を本圧着するときの加圧ツール15の下降速度が修正速度Vcに変更設定される。
【0080】
このようにして、上記測定部41の上方で液晶パネル4の一側部が撮像され終わると、実装ステージ37は図示しない排出位置まで後退して液晶パネル4が排出され、新たな液晶パネル4、つまりTCP6が仮圧着状態にある液晶パネル4が供給載置された後、その液晶パネル4のTCP6が仮圧着された一側部が上記バックアップツール17の支持面17a上に載置される。
【0081】
ついで、加圧ツール15が輻射熱によってTCP6を加熱しながら、先程の実装結果に基いて変更設定された修正速度Vcで下降して、上記TCP6を本圧着する。今回、本圧着されるTCP6が先程、本圧着されたTCP6と製造環境や保存環境における温度や湿度などの条件が同一であれば、理論上は液晶パネル4の第1のリード4aのピッチ間隔に対してTCP6の第2のリード6aのピッチ間隔が同じになるようTCP6が熱膨張することになる。
【0082】
したがって、加圧ツール15が先程の実装結果に基いて変更設定された修正速度Vcで下降方向に駆動されることで、上記液晶パネル4にTCP6を、これらのリード4a,6aにずれが生じることなく上記TCP6を熱膨張させて本圧着することができる。
【0083】
以上のように、TCP6の製造環境や保存環境における温度や湿度などの条件が変化すると、加圧ツール15を理論速度Vrで下降させ、この加圧ツール15から受ける輻射熱によって上記TCP6を熱膨張させても、その第2のリード6aのピッチ間隔が液晶パネル4の第1のリードのピッチ間隔と一致しないことがある。
【0084】
しかしながら、そのような場合であっても、本圧着後における第1のリード4aに対する第2のリード4aのずれ量が測定部41で測定され、その測定に基づいて加圧ツール15の下降速度が補正されてつぎの本圧着が行なわれる。
【0085】
そのため、TCP6の製造環境や保存環境における温度や湿度などの条件の変化によってその第2のリード6aのピッチ間隔が設計値に対して変化していても、上記TCP6をその第2のリード6aが液晶パネル4の第1のリード4aのピッチ間隔に一致するよう熱膨張させて、液晶パネル4に本圧着することができる。
【0086】
すなわち、液晶パネル4の第1のリード4aに対してTCP6の第2のリード6aがずれが生じても、そのずれが生じないよう加圧ツール15の下降速度を直ちに修正して上記TCP6を液晶パネル4に本圧着することができる。
【0087】
図8(a)はTCP6を液晶パネル4に本圧着するときの加圧ツール15の高さ位置と時間の関係を示し、図8(b)加圧ツール15の移動速度(下降及び上昇速度)と時間の関係を示している。図8(a)に示すaの位置は、加圧ツール15の上昇待機位置で、たとえばTCP6の100mm上方の位置に設定されている。
【0088】
上記加圧ツール15は上昇待機位置aからクッションシート24に接触しない所定高さ上方の位置b、つまりTCP6が加圧ツール15の輻射熱によって加熱される位置bまで速度V1で下降したならば、この加圧ツール15は速度V2で加圧終了位置cまで下降する。速度V2は上述した理論速度Vr又は修正速度Vcに相当する。
【0089】
なお、加圧ツール15の加圧面はd点にてクッションシート24と接触を開始し、c点までクッションシート24や異方性導電部材5を押し潰すことになる。
【0090】
加圧終了位置cでt1で示す加熱時間、たとえば2〜3秒間停止してTCP6を加熱する。それによって、熱膨張したTCP6を貼着した異方性導電部材5が溶融硬化して上記TCP6が液晶パネル4に本圧着されることになる。
【0091】
加熱時間t1でTCP6を加圧加熱したならば、加圧ツール15は実装位置cからdで示す上昇位置まで速度V3で上昇した後、この速度V3よりも速い速度V4で上昇待機位置aまで上昇する。なお、図8(b)では上昇時の速度V3、V4を下降時の方向と逆向きに示している。
【0092】
上記実施の形態では測定部41を圧着ユニット11の近傍に設けたが、仮圧着が終了した本圧着後に測定できるよう上記測定部41を設けるようにしてもよい。測定部41で測定されたずれ量は仮圧着用の制御装置45に出力されて上述した制御が行なわれる。
【0093】
このように、本圧着後にずれ量を測定するようにすることで、仮圧着及び本圧着のタクトタイムに影響を与えることなく、ずれ量の測定を行なうことができるから、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0094】
また、ずれ量を測定するのにTCP6のリード6aと液晶パネル4のリード4aを用いるようにしたが、液晶パネル4の第1の位置決めマーク7aと、TCP6の第2の位置決めマーク7bのずれ量を測定する。これら第1の位置合わせマーク7aと第2の位置合わせマーク7bのずれ量は第1のリード4aと第2のリード6aのずれ量と同じであるとみなすことができるから、上記第1、第2の位置合わせマーク7a,7bのずれ量に基いて加圧ツール15の下降速度を制御するようにしてもよい。この場合、測定部の撮像カメラは2つでよい。
【0095】
すなわち、第1のリード4aと第2のリード6aのずれ量の測定は、これらリード4a,6aのずれ量を直接測定するようにしてもよいが、上記第1、第2の位置合わせマーク7a,7bを利用して間接的に測定するようにしてもよい。
【0096】
また、測定部41に3つの撮像カメラ42a〜42cを設けたが、測定部のカメラを1つとし、このカメラをTCP6の幅方向一端部、中央部及び他端部に移動させて各移動部で測定を行うようにしてもよい。この場合、上記カメラをTCPの幅方向一端部と他端部の2箇所に移動させて測定を行うようにしてもよい。
【0097】
なお、位置合わせマークを測定する場合にはTCP6の幅方向一端部と他端部との間で移動させるようにすればよい。
【0098】
また、図7(b),(c)で説明した第1のカメラ42aによる幅方向中央部の第1のリード4aと第2のリード6aのずれ量Aは本圧着の前工程である液晶パネル4にTCP6を仮圧着する過程で生じることは少なく、本圧着時に液晶パネル4が熱膨張することで上記ずれ量Aとなる。
【0099】
なお、上記ずれ量Aは、本圧着時に液晶パネル4を裏面からバックアップツール17で所定温度に加熱するために上記液晶パネル4が膨張するために生じる。そのため、上記ずれ量Aは、図3で示す液晶パネル4の幅方向中央部に貼着されたTCP4よりも外側に貼着されたTCP43の方が大きくなる。
【0100】
したがって、上記すれ量Aは、液晶パネル4にTCP6を仮圧着する際、TCP6を仮圧着するための仮圧着装置の仮圧着ヘッドの移動を制御する制御装置にフィードバックさせ、上記TCP6の仮圧着位置を補正することで、なくすことが可能となる。それによって、液晶パネル4に仮圧着されるTCP6の幅方向中央部のずれ量Aをなくすことができるから、上記TCP6の実装精度を向上させることができる。
【0101】
また、ずれ量Aが0の場合でも、実質ずれ量(B−A)、(C−A)の両者、或いは(D−A)、(E−A)の両者のずれ量が異なる場合もある。
【0102】
このような場合は、BとCの平均値のずれ量、或いはDとEの平均値のずれ量がずれ量の中心となるように仮圧着装置でのTCP4の仮圧着位置を補正するようにすれば、最大ずれ量を小さくできるので、本圧着時のTCP4の実装精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0103】
4…液晶パネル(基板)、5…異方性導電部材、6…TCP、15…加圧ツール、15b…第1のヒータ、16…加圧用駆動源(駆動手段)、17…バックアップツール、37…実装ステージ、41…測定部(撮像手段)、42a〜42c…第1乃至第3の撮像カメラ(撮像手段)、45…制御装置(加熱制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のリードを有する基板の側辺部の上面に粘着性を有する異方性導電部材によって仮圧着された第2のリードを有する電子部品を加圧加熱して本圧着する電子部品の実装装置であって、
上記基板の上記電子部品が接続された側辺部の下面を支持するバックアップツールと、
このバックアップツールの上方に対向して配置され駆動手段によって下降方向に駆動されることで、上記基板の側辺部の上面に仮圧着された上記電子部品を加圧加熱して上記異方性導電部材を溶融硬化させて本圧着するヒータを有する加圧ツールと、
この加圧ツールによって本圧着された上記基板の第1のリードと上記電子部品の第2のリードとのずれ量を測定する測定手段と、
この測定手段が測定した上記第1のリードと上記第2のリードのずれ量に基いて上記駆動手段による上記加圧ツールの下降速度を制御して上記電子部品が上記基板に本圧着される前に上記加圧ツールの熱によって膨張する長さを設定する制御手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置。
【請求項2】
上記基板と上記電子部品とにはそれぞれ複数の第1のリードと第2のリードが所定間隔で設けられていて、
上記測定手段は、上記複数の第1のリードの配置方向両端に位置する一対の第1のリードに対して上記複数の第2のリードの配置方向両端に位置する一対の第2のリードが配置方向の内側と外側のどちらに位置するかを判定し、
上記制御手段は、上記基板の第1のリードに対して上記電子部品の第2のリードが配置方向の内側に位置するときには上記加圧ツールの下降速度を遅くし、外側に位置するときには上記加圧ツールの下降速度を速くするよう上記加圧ツールを駆動する駆動手段を制御することを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項3】
上記測定手段は、上記複数の第1のリードと第2のリードの配置方向中央に位置する上記第1のリードと第2のリードのずれ量を算出して補正ずれ量とし、
複数の第1のリードの配置方向両端に位置する一対の第1のリードに対する上記複数の第2のリードの配置方向両端に位置する一対の第2のリードのずれ量からそれぞれ上記補正ずれ量を差し引いて実質ずれ量とし、
上記制御手段は、上記実質ずれ量に基いて上記駆動手段による上記加圧ツールの下降速度を制御することを特徴とする請求項2記載の電子部品の実装装置。
【請求項4】
上記加圧ツールは上記異方性導電部材を溶融硬化させる温度に加熱され、上記バックアップツールは上記異方性導電部材を溶融硬化させることのない温度に加熱されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子部品の実装装置。
【請求項5】
第1のリードを有する基板の側辺部の上面に粘着性を有する異方性導電部材によって仮圧着された第2のリードを有する電子部品を加圧加熱して本圧着する電子部品の実装方法であって、
上記基板の上記電子部品が接続された側辺部の下面をバックアップツールによって支持する工程と、
上記バックアップツールの上方に対向して配置された加圧ツールを駆動手段によって下降方向に駆動して上記基板の側辺部の上面に仮圧着された上記電子部品を加圧加熱して上記異方性導電部材を溶融硬化させて本圧着する工程と、
上記加圧ツールによって本圧着された上記基板の第1のリードと上記電子部品の第2のリードとのずれ量を測定する工程と、
測定された上記第1のリードと上記第2のリードのずれ量に基いて上記駆動手段による上記加圧ツールの下降速度を制御して上記電子部品が上記基板に本圧着される前に上記加圧ツールの熱によって膨張する長さを設定する工程と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−12677(P2013−12677A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145847(P2011−145847)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】