説明

GaN基板および発光デバイス

【課題】発光デバイスの発光の波長領域内における波長の光に関して低い吸収係数を有し、かつ、所定値以下の比抵抗を有し、その発光デバイスに好適なGaN基板を提供する。
【解決手段】GaN基板10は、波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、少なくとも波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満であり、比抵抗が0.02Ωcm以下である。ここで、波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数を7cm-1未満とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤色光領域または青色から赤色までの可視光領域の光の透過率が高く、導電性が高いGaN基板およびかかるGaN基板を含む発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光デバイスに用いられる基板としては、光の透過率が高く、導電性が高い基板が求められている。たとえば、特開2005−213075号公報(特許文献1)は、波長が375nm〜500nmの光の吸収係数が7cm-1〜68nm-1であるGaN基板を開示する。また、特開2007−126320号公報(特許文献2)は、基板上に多数の微細孔を有するTiN薄膜を形成しそのTiN薄膜上にSi以外の不純物の混入を抑制してGaN結晶を成長させることにより、波長380nm以上の光に対する吸収係数が7cm-1未満であるGaN基板を得ることを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−213075号公報
【特許文献2】特開2007−126320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、光の透過率と導電性とは、二律背反の関係にあり、光の透過率を高めるために基板中の不純物を低減すると導電性が低くなり、導電性を高めるために基板中の不純物を増大させると光の透過率が低くなる。
【0005】
たとえば、特開2005−213075号公報(特許文献1)は、所定の導電性を維持するために、波長が375nm〜500nmの光の吸収係数を7cm-1程度までにしか低減することができなかった。
【0006】
一方、特開2007−126320号公報(特許文献2)は、所定の導電性を維持するとともに、波長380nm以上の光に対する吸収係数が7cm-1未満であるGaN基板を開示するが、かかる基板は、基板上に多数の微細孔を有するTiN薄膜を形成しそのTiN薄膜上にSi以外の不純物の混入を抑制してGaN結晶を成長させるという特殊な方法(VAS(Void-Assisted Separation)法と呼ばれる)を用いて作製されるため、非常にコストが高い。
【0007】
また、発光デバイス用の基板は、発光の波長領域内における波長の光に関して低い吸収係数を有していれば足り、発光の波長領域外の波長の光に関してまで低い吸収係数を有している必要はない。
【0008】
したがって、上記観点から、本発明は、発光デバイスの発光の波長領域内における波長の光に関して低い吸収係数を有し、かつ、所定値以下の比抵抗を有し、その発光デバイスに好適なGaN基板およびかかるGaN基板を含む発光デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、少なくとも波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満であり、比抵抗が0.02Ωcm以下であるGaN基板である。
【0010】
本発明かかるGaN基板において、波長が440nm以上780nm以下の光に関する吸収係数を7cm-1未満とすることができる。
【0011】
また、本発明は、波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、少なくとも波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満であり、比抵抗が0.02Ωcm以下である上記のGaN基板を含み、発光のピーク波長が500nm以上780nm以下である発光デバイスである。また、本発明は、波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、比抵抗が0.02Ωcm以下である上記のGaN基板を含み、発光のピーク波長を440m以上780nm以下である発光デバイスである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発光デバイスの発光の波長領域内における波長の光に関して低い吸収係数を有し、かつ、所定値以下の比抵抗を有し、その発光デバイスに好適なGaN基板およびかかるGaN基板を含む発光デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のある実施形態であるGaN基板を製造する方法の一例を示す概略断面図である。ここで、(A)は下地基板を準備する工程および下地基板上に不純物が添加されたGaN結晶を成長させる工程を示し、(B)はGaN結晶を加工してGaN基板を形成する工程を示す。
【図2】GaN結晶の成長に用いられるHVPE装置を示す概略図である。
【図3】本発明の他の実施形態である発光デバイスの一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[GaN基板]
本発明のある実施形態であるGaN基板は、波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、少なくとも波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満であり、比抵抗が0.02Ωcm以下である。ここで、光の吸収係数は、分光光度計を用いて対象とする波長の光の透過率および反射率を測定することにより、算出される。また、比抵抗は、比抵抗計を用いて四探針法により測定される。
【0015】
かかるGaN基板は、発光のピーク波長が少なくとも500nm以上780nm以下の発光デバイスのGaN基板として好適に用いられる。以下に、より具体的な実施形態を説明する。
【0016】
(実施形態1)
本実施形態のGaN基板は、波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満であり、比抵抗が0.02Ωcm以下である。本実施形態のGaN基板は、発光のピーク波長が500nm以上780nm以下の赤色光領域である発光デバイスの基板として好適に用いられる。かかる観点から、波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数は5cm-1以下であることが好ましい。また、比抵抗は0.015Ωcm以下が好ましい。
【0017】
(実施形態2)
本実施形態のGaN基板は、波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、波長が440nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満であり、比抵抗が0.02Ωcm以下である。本実施形態のGaN基板は、発光のピーク波長が440nm以上780nm以下の青色光領域から赤色光領域までの可視光領域である発光デバイスの基板として好適に用いられる。かかる観点から、波長が440nm以上780nm以下の光に関する吸収係数は5cm-1以下であることが好ましい。また、比抵抗は0.015Ωcm以下が好ましい。
【0018】
上記のいずれの実施形態のGaN基板は、キャリア濃度が5×1017cm-3以上2×1018cm-3以下であることが好ましい。キャリア濃度が低すぎると比抵抗が大きくなり過ぎ、キャリア濃度が高すぎると光の吸収係数が大きくなり過ぎる。かかる観点から、キャリア濃度が7×1017cm-3以上1.1×1018cm-3以下であることがより好ましい。ここで、キャリア濃度は、CV特性測定法を用いて測定される。
【0019】
上記のいずれの実施形態のGaN基板は、その主表面を貫通する転位の平均密度(平均転位密度という、以下同じ。)が3×106cm-2以下であることが好ましい。かかる転位の平均密度が低いほど信頼性の高い発光デバイスが得られる。かかる観点から、主表面を貫通する転位の平均密度(平均転位密度)は1×106cm-2以下であることがより好ましい。また、現在の基板の製造技術の観点から、主表面を貫通する転位の平均密度(平均転位密度)は、現在のところ、10cm-2より小さくとすることは困難であり、したがって10cm-2程度以上である。GaN基板の主表面を貫通する転位の平均密度は、CL(カソードルミネッサンス)による暗点密度の測定から算出される。
【0020】
上記のいずれの実施形態のGaN基板は、その主表面が平坦であって、その主表面に最も近い結晶面の曲率半径が10m以上であることが好ましい。かかる結晶面の曲率半径が大きいほど基板面内で発光波長が均一な発光デバイスが得られる。かかる観点から、主表面に最も近い結晶面の曲率半径は20m以上であることがより好ましい。また、現在の基板の製造技術の観点から、主表面を貫通する転位の平均密度は、現在のところ、100mより大きくすることは困難であり、したがって100m程度以下である。結晶面の曲率半径は、対象される結晶面に関するX線回折により測定される。
【0021】
GaN基板の主表面に最も近い結晶面は、特に制限はないが、その主表面上に結晶性の高い半導体層をエピタキシャル成長させる観点から、{0001}面、{10−10}面、{11−20}面、{10−11}面、{11−22}面、{20−21}面、{22−44}面などが好ましい。また、GaN基板の主表面上に結晶性の高い半導体層をエピタキシャル成長させる観点から、GaN基板の主表面は、上記結晶面に対するオフ角の絶対値が5°以下であることが好ましい。ここで、GaN基板に最も近い結晶面の面方位およびその主表面とその結晶面とのオフ角は、X線回折により測定される。
【0022】
[GaN基板の製造方法]
図1は、本実施形態のGaN基板を製造する方法の一例を示す概略断面図である。本実施形態のGaN基板の製造方法は、特に制限はないが、図1を参照して、下地基板11を準備する工程、下地基板11上に不純物が添加されたGaN結晶12を成長させる工程、GaN結晶12を加工してGaN基板10を形成する工程を備える。かかる製造方法において、GaN結晶12に添加される不純物(ドーパントという、以下同じ)の濃度を調製することにより、低コストで本実施形態のGaN基板10が得られる。
【0023】
(下地基板を準備する工程)
図1(A)を参照して、下地基板11を準備する工程において準備される下地基板11は、GaN結晶12をエピタキシャル成長させることができる基板であれば特に制限はないが、GaN結晶との格子整合性が高い観点から、シリコン(Si)下地基板、サファイア(Al23)下地基板、GaAs下地基板、ならびにGaN下地基板およびAlN下地基板などのIII族窒化物下地基板などが好ましく用いられ、中でもGaN下地基板が特に好ましく用いられる。GaN下地基板を使用することによって、下地基板からの不純物の混入を抑制することができるので好ましい。この観点からは下地基板の表面の清浄度が重要である。特に下地基板の裏面(成長炉の内壁に接する下地基板の面をいう。以下同じ。)は結晶成長前に成長炉内でエッチングすることができないので、成長炉内に投入する前に清浄度を上げる必要がある。そのため基板裏面をエッチングしてから成長炉内に投入することが好ましい。エッチング方法としてはアルカリ溶剤によるエッチングや、ハロゲン系ガスによるエッチングなどが挙げられる。
【0024】
(不純物が添加されたGaN結晶を成長させる工程)
図1(A)を参照して、上記の下地基板11上に不純物が添加されたGaN結晶12を成長させる方法には、エピタキシャル成長ができる方法であれば特に制限はないが、結晶性の高いGaN結晶12を成長させる観点から、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線成長)法などの気相法が好ましく、中でも結晶成長速度が高い観点からHVPE法が特に好ましい。
【0025】
ここで、HVPE法では通常、石英反応管内で成長が行われるので、石英反応管内の結晶を加熱するため、結晶と共に石英反応管も加熱される。そのため高温に加熱された石英反応管からの分解ガスが不純物として結晶に取り込まれてしまう。そこで石英反応管の内部を成長温度下で安定な材質(たとえば、pBN)で形成されたライナー管でカバーすることが好ましい。さらに、石英反応管とライナー管の隙間をパージするパージガス(たとえば、H2、N2、および/またはAr)を流し、不純物が滞留しないようにすることが好ましい。また下地基板を配置するサセプタも高温になるので、かかるサセプタをpBNで形成したり、pBN、AlN、Al23、SiCなどの高純度で安定な材質を用いてコーティングしておくことが好ましい。
【0026】
GaN結晶12に添加される不純物(ドーパント)は、特に制限はないが、光の吸収係数の低減が少なく比抵抗が低い観点から、Siが好ましい。また、GaN結晶12にSiを添加する方法には、特に制限はないが、ドーピングガスとして、Siを含有するガス、たとえば、SiF4(四フッ化珪素)ガス、SiH4(シラン)ガス、Si26(ジシラン)ガス、SiH3Cl(一塩化シラン)ガス、SiH2Cl2(二塩化シラン)ガス、SiHCl3(三塩化シラン)ガス、SiCl4(四塩化珪素)ガスなどが好ましく用いられ、この中でもSiF4ガスが特に好ましく用いられる。SiF4ガスは、他のSiを含有するガスに比べて、900℃以上1300℃以下の高温においても分解されにくいため、GaN結晶12に効率よく添加することができる。
【0027】
たとえば、ドーパントとしてSiが添加されたGaN結晶12をHVPE法により成長させる方法を、以下に説明する。図2は、GaN結晶12の成長に用いられるHVPE装置を示す概略図である。図2を参照して、HVPE装置100は、第1原料ガスボンベ101と、ドーピングガスボンベ102と、第2原料ガスボンベ103と、第1ガス導入管104と、ドーピングガス導入管105と、第2ガス導入管106と、ソースボート107と、サセプタ108と、ヒータ109と、反応管110と、排気管111と、排ガス処置装置とを備えている。HVPE装置100は、たとえば横型反応管としている。なお、HVPE装置100は、縦型反応管であってもよい。
【0028】
反応管110は、内部に下地基板11を保持して、その下地基板11上にGaN結晶12を成長させるための容器である。反応管110は、たとえば石英反応管などを用いることができる。また、反応管110の内部には、pBN製のライナー管120が配置されている。第1原料ガスボンベ101、第2原料ガスボンベ103およびソースボート107には、成長させるGaN結晶を構成する元素を含む原料がそれぞれ供給される。ドーピングガスボンベ102には、ドーパントであるSiを含むガスとしてたとえばSiF4ガスが充填されている。第1ガス導入管104、ドーピングガス導入管105および第2ガス導入管106は、第1原料ガスG1、ドーピングガスG2および第2原料ガスG3の各々を反応管110の外部から内部へ導入するために反応管110に設けられている。ソースボート107は、GaN結晶の金属原料としてたとえば金属Gaを収容保持し、第2ガス導入管106内に配置されている。
【0029】
サセプタ108は、pBN製の膜でコーティングされており、下地基板11を保持している。反応管110内においてサセプタ108により下地基板11が保持されている面が第1ガス導入管104、ドーピングガス導入管105および第2ガス導入管106の下方に位置するように、サセプタ108は配置されている。サセプタ108は、反応管110の内部で横置きに配置されている。なお、サセプタ108は、下地基板11を縦向きに配置するように構成されていてもよい。また、HVPE装置100は、下地基板11の抵抗加熱ヒータなど加熱用の局所加熱機構をさらに備えていてもよい。
【0030】
ヒータ109は、反応管110の外部に配置され、反応管110の内部を全体的にたとえば700℃以上1500℃以下に加熱する能力を有している。排気管111は、反応後のガスを反応管110の外部に排出するために、反応管110に設けられている。排ガス処置装置は、排気管111から排出される反応後のガスを環境への負荷を減らすように除害するように構成されている。
【0031】
図2に示すように、まず、準備した下地基板11をサセプタ108に保持させる。このとき複数枚の下地基板11をサセプタ108に保持させてもよい。
【0032】
次に、第1原料ガスとしてのNH3(アンモニア)ガスおよび第2原料ガスとしてのHCl(塩化水素)ガスをそれぞれ充填した第1原料ガスボンベ101および第2原料ガスボンベ103を準備する。また、ソースボート107に金属Gaを供給する。また、SiF4ガスを内部に充填したドーピングガスボンベ102を準備する。
【0033】
その後、ソースボート107を加熱する。そして、第2ガス導入管106から供給されるHClガス(第2原料ガスG3)と、ソースボート107の金属Gaとを反応させてGaClガス(塩化ガリウム)ガス(反応ガスG7)を生成する。第1ガス導入管104から供給されるNH3ガス(第1原料ガスG1)と、ドーピングガスG2と、反応ガスG7とを下地基板11の表面に当たるように流して(供給して)反応させる。このとき、これらのガスを下地基板11に運搬するためのキャリアガスを用いてもよい。キャリアガスは、たとえばN2(窒素)ガス、H2(水素)ガスおよびAr(アルゴン)ガスなどの不活性ガスを用いることができる。
【0034】
HVPE法では、ヒータ109を用いて、反応管110の内部をGaN結晶12が適切な速度で成長する温度に加熱する。GaN結晶12を成長させる温度は、好ましくは900℃以上1300℃以下であり、より好ましくは1050℃以上1200℃以下である。900℃以上でGaN結晶12を成長させる場合、GaN結晶12の欠陥の発生を防止でき、かつ成長させる面方位と異なる面方位(たとえばc面の場合にはピットなど)が発生することを抑制できる。すなわち、成長させる面方位に対して、安定して良好な結晶性を有するGaN結晶12を成長させることができる。1050℃以上でGaN結晶12を成長させる場合、結晶性をより良好にできる。一方、1300℃以下でGaN結晶12を成長させる場合、成長させるGaN結晶12が分解することを抑制できるので、その結晶性の劣化を抑制できる。1200℃以下でGaN結晶12を成長させる場合には、結晶性の劣化をより抑制できる。
【0035】
ここで、成長させるGaN結晶の結晶成長表面は、(0001)面からの傾斜角が1°未満であることが好ましい。GaN結晶において、(0001)面からの結晶成長面の傾斜角を1°未満とすることにより、結晶成長表面におけるドーピングガス以外の不純物の取り込みを抑制することができる。GaN結晶の結晶成長表面の(0001)面からの傾斜角を1°未満とするためには、結晶成長温度を1100℃以上にすることが好ましい。また、上記の原料ガス、キャリアガスおよびドーピングガスの流し方および流量を最適化することによって、結晶成長表面のほぼ全域(80%以上から100%)において、(0001)面からの傾斜角を1°未満とすることができる。
【0036】
GaN結晶12の成長時におけるSiを含むガス(SiF4ガス)の分圧は、2.0×10-7atm以上1.0×10-5atm以下であることが好ましい。Siを含むガス(SiF4ガス)の分圧が2.0×10-7atm以上の場合、n型ドーパントとしてのSiが十分にGaN結晶12に取り込まれる。一方、SiF4ガスの分圧が1.0×10-5atm以下である場合、Sixy(窒化シリコン)系化合物の生成をより抑制できるため、Siをドーピングする制御性をより良好にできる。また、GaN結晶12にドーピングされるSiの濃度を考慮すると、Siを含むガス(SiF4ガス)の分圧は1.0×10-5atm以下である。なお、原料ガス、キャリアガスおよびドーピングガスなどの反応管110内に含まれるガスのそれぞれの分圧の合計(全体)が1atmである。Siを含むガス(SiF4ガス)の濃度は、分圧に比例する。
【0037】
不純物が添加されたGaN結晶を成長させる工程においては、GaN結晶12中のキャリア濃度が好ましくは5×1017cm-3以上1.5×1018cm-3以下(対応するSi濃度が5×1017cm-3以上1.6×1018cm-3以下)、より好ましくは6.6×1017cm-3以上1.1×1018cm-3以下(対応するSi濃度が6.9×1017cm-3以上1.1×1018cm-3以下)になるようにドーピングガスを下地基板11に供給する。キャリア濃度が5×1017cm-3以上の場合、GaN結晶12の比抵抗を小さくして導電性を十分に確保できる。キャリア濃度が6.6×1017cm-3以上の場合、GaN結晶12の比抵抗をより小さくして導電性をより十分に確保できる。一方、キャリア濃度が1.5×1018cm-3以下の場合、GaN結晶の光の吸収係数を小さくして光の透過性を十分に確保できる。キャリア濃度が1.1×1018cm-3以下の場合、GaN結晶の光の吸収係数をより小さくして光の透過性をより十分に確保できる。さらに、Si以外の不純物(酸素、炭素など)のドーピング量は、Siドーピング量の1/5以下が好ましく、1/10以下がより好ましく、1/20以下がさらに好ましい。
【0038】
不純物が添加されたGaN結晶12を成長させる工程においては、GaN結晶12の比抵抗が0.02Ωcm以下、好ましくは0.015Ωcm以下となるようにGaN結晶12を成長させる。比抵抗が0.02Ωcm以下の場合、発光デバイスの基板に好適に用いられる導電性を有するGaN結晶12を成長させることができる。GaN結晶の比抵抗が0.015Ωcm以下の場合、発光デバイスの基板により好適に用いられる。
【0039】
不純物が添加されたGaN結晶12を成長させる工程においては、GaN結晶12について、波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満、好ましくは5cm-1以下となるようにGaN結晶を成長させる。GaN結晶12は、波長が500nm以上780nm以下の光に関する光の吸収係数が、7cm-1未満の場合、好ましくは5cm-1以下の場合、発光のピーク波長が500nm以上780nm以下の発光デバイスの基板に好適に用いられる。
【0040】
不純物が添加されたGaN結晶12を成長させる工程においては、GaN結晶12について、波長が440nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満、好ましくは5cm-1以下となるようにGaN結晶を成長させる。GaN結晶12は、波長が440nm以上780nm以下の光に関する光の吸収係数が、7cm-1未満の場合、好ましくは5cm-1以下の場合、発光のピーク波長が440nm以上780nm以下の発光デバイスの基板に好適に用いられる。
【0041】
不純物が添加されたGaN結晶を成長させる工程においては、GaN結晶12中の転位の平均密度が、好ましくは3×106cm-2以下であり、より好ましくは1×106cm-2以下になるようにGaN結晶12を成長させる。かかるGaN結晶を加工することにより、主表面12mを貫通する転位の平均密度が、好ましくは3×106cm-2以下であり、より好ましくは1×106cm-2以下であるGaN基板が容易に得られる。ここで、GaN結晶12中の転位の平均密度およびGaN基板の主表面12mを貫通する転位の平均密度(平均転位密度)は、CL(カソードルミネッサンス)による暗点密度の測定から算出される。
【0042】
図1(A)を参照して、不純物が添加されたGaN結晶12を成長させる工程においては、主表面11mが{0001}面、{10−10}面、{11−20}面、{10−11}面、{11−22}面、{20−21}面および{22−44}面のいずれかの面からのオフ角の絶対値が5°以下のIII族窒化物基板(下地基板11)を用いて、結晶成長の主表面12mが{0001}面、{10−10}面、{11−20}面、{10−11}面、{11−22}面、{20−21}面および{22−44}面のいずれかの面からのオフ角の絶対値が5°以下のGaN結晶12を成長させることが好ましい。かかるGaN結晶から、主表面10mが{0001}面、{10−10}面、{11−20}面、{10−11}面、{11−22}面、{20−21}面および{22−44}面のいずれかの面からのオフ角の絶対値が5°以下のGaN基板10が容易に得られる。
【0043】
(GaN結晶を加工してGaN基板を形成する工程)
図1(B)を参照して、得られた不純物が添加されたGaN結晶12を加工してGaN基板10を形成する工程は、特に制限はなく、下地基板11を除去するサブ工程を含むことができる。下地基板11を除去する方法は、特に制限はなく、外周刃、内周刃、ワイヤーソー、レーザなどで切断する方法、ダイヤモンド砥石などで研削する方法などがある。このようにして主表面12m,12nを有するGaN結晶12が得られる。
【0044】
GaN結晶12を加工してGaN基板10を形成する工程は、また、GaN結晶12をスライスするサブ工程を含むことができる。GaN結晶12をスライスする方法は、特に制限はなく、外周刃、内周刃、ワイヤーソー、レーザなどで切断する方法などがある。また、スライスされたGaN結晶12の主表面を研磨および/または表面処理するサブ工程を含むことができる。GaN結晶12の主表面を研磨する方法は、たとえば、機械的研磨、化学機械的研磨などの方法がある。GaN結晶12の主表面を処理する方法は、たとえば、ドライエッチング、ウエットエッチングなどの方法がある。
【0045】
GaN結晶12を加工してGaN基板10を形成する工程は、また、GaN結晶12の外周部を除去するサブ工程を含むことができる。GaN結晶12の外周部を除去する方法は、特に制限はなく、ダイヤモンド砥石などで研削する方法などがある。
【0046】
上記の1つ以上のサブ工程により、GaN結晶12からGaN基板10が得られる。
上記のGaN基板の製造方法により得られた本実施形態のGaN基板10は、その主表面を貫通する転位の平均密度(平均転位密度)が、3×106cm-2以下が好ましく、1×106cm-2以下がより好ましい。かかる転位の平均密度が低いほど信頼性の高い発光デバイスが得られる。また、現在の基板の製造技術の観点から、主表面を貫通する転位の平均密度は、現在のところ、1×104cm-2より小さくとすることは困難であり、したがって1×104cm-2程度以上である。
【0047】
また、上記のGaN基板の製造方法により得られた本実施形態のGaN基板は、その主表面が平坦であって、その主表面に最も近い結晶面の曲率半径が10m以上であることが好ましく、20m以上であることがより好ましい。かかる結晶面の曲率半径が大きいほど発光波長の面内均一性の高い発光デバイスが得られる。また、現在の基板の製造技術の観点から、主表面を貫通する転位の平均密度は、現在のところ、100mより大きくすることは困難であり、したがって100m程度以下である。
【0048】
[発光デバイス]
図3は、本発明の他の実施形態である発光デバイスの一例を示す概略断面図である。図3を、参照して、本実施形態の発光デバイスは、上記の実施形態1または実施形態2のGaN基板10を含み、発光のピーク波長が500nm以上780nm以下または440nm以上780nm以下である。本実施形態の発光デバイスは、500nm以上780nm以下または440nm以上780nm以下の波長領域の光について、基板における光の吸収係数が低く、発光効率が高い。
【0049】
図3を参照して、本実施形態の発光デバイスは、より具体的には、上記の実施形態1または実施形態2のGaN基板10と、GaN基板10の一方の主表面10m上に形成された少なくとも1層の半導体層20と、半導体層20の最外層上に形成された第1電極30と、GaN基板10の他方の主表面10n上に形成された第2電極40と、を含む。かかる発光デバイスは、半導体層20中に発光層が含まれており、GaN基板10側から発光する。以下に、より具体的な実施形態を説明する。
【0050】
(実施形態3)
図3を参照して、本実施形態の発光デバイスは、波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満であり、比抵抗が0.02Ωcm以下であるGaN基板10と、GaN基板10の一方の主表面10m上に形成された少なくとも1層の半導体層20と、半導体層20の最外層上に形成された第1電極30と、GaN基板10の他方の主表面10n上に形成された第2電極40と、を含み、発光のピーク波長が500nm以上780nm以下である。
【0051】
(実施形態4)
図3を参照して、本実施形態の発光デバイスは、波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、波長が440nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満であり、比抵抗が0.02Ωcm以下であるGaN基板10と、GaN基板10の一方の主表面10m上に形成された少なくとも1層の半導体層20と、半導体層20の最外層上に形成された第1電極30と、GaN基板10の他方の主表面10n上に形成された第2電極40と、を含み、発光のピーク波長が440nm以上780nm以下である。
【0052】
上記の実施形態3および実施形態4の発光デバイスにおいて、半導体層20の化学組成および/または構成を変えることにより、その発光の波長領域およびピーク波長を変えることができる。
【0053】
[発光デバイスの製造方法]
本実施形態の発光デバイスを製造する方法は、特に制限はないが、たとえば、図3を参照して、実施形態1または実施形態2のGaN基板10を準備する工程と、GaN基板10の一方の主表面上に少なくとも1層の半導体層20を形成する工程と、半導体層20の最外層上に形成された第1電極30を形成する工程と、GaN基板10の他方の主表面10n上に第2電極40を形成する工程と、を含む。ここで、第1電極30を形成する工程と第2電極40を形成する工程とは、順序が逆になってもよい。
【0054】
(GaN基板を準備する工程)
実施形態1または実施形態2のGaN基板を準備する方法は、上記のGaN基板の製造方法で説明したとおりである。
【0055】
(GaN基板上に少なくとも1層の半導体層を形成する工程)
GaN基板10の一方の主表面10m上に少なくとも1層の半導体層20を形成する方法は、特に制限ないが、GaN基板上に結晶性のよい半導体層20をエピタキシャル成長させる観点から、MOCVD法、MBE法、HVPE法などの気相法が好ましい。また、半導体層20の化学組成および/または構成を変えることにより、発光の波長領域およびピーク波長を変えることができる。
【0056】
(第1電極および第2電極を形成する工程)
第1電極および第2電極を形成する方法は、特に制限はないが、生産性を高め生産コストを低減する観点から、スパッタ法、蒸着法などが好ましい。
【0057】
[実施例]
本実施例においては、以下の方法により、HVPE法においてSiを含むドーピングガスの分圧を変えることにより、キャリア濃度、比抵抗および光の吸収係数が互いに異なる複数のGaN基板が得られた。
【0058】
1.下地基板の準備
図1(A)を参照して、まず、直径60mmで厚さ400μmのGaN下地基板11を準備した。下地基板11の主表面11mは平坦であり、主表面11mに最も近い結晶面が(0001)面であった。(0001)面の曲率半径は、X線回折により測定したところ、20mであった。下地基板11の主表面11mを貫通する転位の平均密度(平均転位密度という、以下同じ)は、CL(カソードルミネッサンス)による暗点密度の測定から算出したところ、5×105cm-3であった。
【0059】
2.GaN結晶の成長
次に、図1(A)を参照して、HVPE法により、下地基板11上に、SiF4ガスをドーピングガスとして用いることによりSi濃度が異なる7つのGaN結晶12を成長させた(実験No.1〜7)。
【0060】
これらのGaN結晶の成長には、図2に示すHVPE装置を用いた。第1原料ガスG1としてNH3ガスを、第2原料ガスG3としてHClガスを、ドーピングガスG2としてSiF4ガスを、キャリアガスとして純度が99.999%以上のH2ガスを準備した。第1ガス導入管104、第2ガス導入管106およびドーピングガス導入管105のそれぞれから、キャリアガスを反応管110の内部に導入し、ヒータ109の温度を1100℃に上昇させた。その後、ソースボート107に金属Gaを供給して、ソースボート107を加熱した。
【0061】
第2ガス導入管106から供給されるHClガスとソースボート107のGaとを、Ga+HCl→GaCl+1/2H2のように反応させることにより、反応ガスG7としてGaClガスを生成した。
【0062】
次いで、第1ガス導入管104から供給される第1原料ガスG1としてNH3ガスと、GaClガスとを下地基板11のGaN結晶を成長させる主表面に当たるようにキャリアガスとともに流して、その主表面上で、GaCl+NH3→GaN+HCl+H2のように反応させた。
【0063】
Si濃度の異なる7つのGaN結晶12(実験No.1〜7)を成長させる条件として、ドーピングガスの供給分圧を表1に示す値に調整した。これにより、結晶成長温度1100℃、結晶成長時間16.67時間で、直径60mmで厚さ5mmのSi濃度の異なる7つのGaN結晶を成長させた。これらのGaN結晶の成長速度は300μm/hrであった。
【0064】
3.GaN基板の形成
次に、図1(B)を参照して、それぞれ得られたGaN結晶12を、スライサーを用いて厚さ方向にスライス加工した。次いで、スライスしたGaN結晶12の外周部を除去した。次いでスライスして外周部を除去したGaN結晶にCMP(化学機械的研磨)を行い、その加工変質層を除去した。こうして、それぞれのGaN結晶から、直径2インチ(50.8mm)で厚さ400μmのGaN基板10が5枚得られた。
【0065】
4.GaN基板の物性測定
得られた5枚のGaN基板10a,10b,10c,10d,10eのうち、下地基板11側から3枚目のGaN基板10cの5つの測定点において、Si濃度、キャリア濃度、比抵抗、ならびに波長が380nm、500nm〜780nm、440nm〜780nmおよび1500nmの光に関する吸収係数測定して、それらの最小値と最大値とを算出した。ここで、5つの測定点は、1枚のGaN基板について、主表面上の中央点、中央点から[11−20]方向に−2cm離れた点および+2cm離れた点、ならびに中央点から[10−10]方向に−2cm離れた点および+2cm離れた点の合計5つの点とした。ここで、Si濃度は、SIMS(2次イオン質量分析)により測定した。キャリア濃度は、CV特性測定法により測定した。比抵抗は、比抵抗計を用いて四探針法により測定した。光の吸収係数は、分光光度計を用いて透過率および反射率を測定して算出した。ここで、GaN基板内の吸収係数は深さによらず一定と仮定して、多重反射も考慮した。結果を表1にまとめた。
【0066】
ここで、GaN基板の主表面内におけるキャリア濃度の変動は平均値から±5%以内であり、厚み方向におけるキャリア濃度の変動も平均値から±5%以内であった。
【0067】
また、それぞれのGaN結晶12の3枚目のGaN基板10cの上記5つの測定点における主表面を貫通する転位の平均密度(平均転位密度)は、すべて5×105cm-2であり、下地基板11と同等に低密度であった。また、それぞれのGaN結晶12の3枚目のGaN基板10cの上記5つの測定点における(0001)面の曲率半径は、X線回折により測定したところ、20mであり、下地基板と同等に大きかった。また、得られたGaN基板は、いずれもクラックの発生はなかった。
【0068】
【表1】

【0069】
表1を参照して、HVPE法において、結晶成長温度を1000℃以上1200℃以下、Siを含むドーピングガスの分圧を0.6×10-6atm以上1.0×10-6atm以下に調整して、キャリア濃度を0.66×1018cm-3以上1.1×1018cm-3以下とすることにより、比抵抗が0.02Ωcm以下、波長が380nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上、波長が500nm〜780nmの光に関する吸収係数が7cm-1未満および波長が1500nmに光に関する吸収係数が7cm-1以上であるGaN基板が得られた。また、結晶成長温度を1000℃以上1200℃以下、Siを含むドーピングガスの分圧を0.6×10-6atm以上0.8×10-6atm以下に調整して、キャリア濃度を0.66×1018cm-3以上0.82×1018cm-3以下とすることにより、比抵抗が0.02Ωcm以下、波長が380nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上、波長が440nm〜780nmの光に関する吸収係数が7cm-1未満および波長が1500nmに光に関する吸収係数が7cm-1以上であるGaN基板が得られた。なお、成長させたすべての結晶中のSi以外の元素の不純物濃度は、SIMSで測定したところ、O(酸素)が5×1016cm-3以下であり、C(炭素)が5×1016cm-3以下であり、その他の元素も1×1016cm-3以下であった。
【0070】
上記実施例は、主表面に最も近い結晶面が(0001)面であるGaN基板を作製した場合であるが、主表面に最も近い結晶面が(10−10)面、(11−20)面、(10−11)面、(11−22)面、(20−21)面、または(22−44)面であるGaN基板を作製した場合でも同様の結果が得られた。
【0071】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
10,10a,10b,10c,10d,10e GaN基板、10m,10n,11m,12m,12n 主表面、11 下地基板、12 GaN結晶、20 半導体層、30 第1電極、40 第2電極、100 HVPE装置、101 第1原料ガスボンベ、102 ドーピングガスボンベ、103 第2原料ガスボンベ、104 第1ガス導入管、105 ドーピングガス導入管、106 第2ガス導入管、107 ソースボート、108 サセプタ、109 ヒータ、110 反応管、111 排気管、120 ライナー管、G1 第1原料ガス、G2 ドーピングガス、G3 第2原料ガス、G7 反応ガス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長が380nmの光および波長が1500nmの光に関する吸収係数が7cm-1以上であり、少なくとも波長が500nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満であり、比抵抗が0.02Ωcm以下であるGaN基板。
【請求項2】
波長が440nm以上780nm以下の光に関する吸収係数が7cm-1未満である請求項1に記載のGaN基板。
【請求項3】
請求項1に記載のGaN基板を含み、発光のピーク波長が500nm以上780nm以下である発光デバイス。
【請求項4】
請求項2に記載のGaN基板を含み、発光のピーク波長が440m以上780nm以下である発光デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−230955(P2011−230955A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102320(P2010−102320)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】