説明

Ge−Sb−Te膜の成膜方法および記憶媒体

【課題】CVDにより平滑性の高いGe−Sb−Te膜を得ることができるGe−Sb−Te膜の成膜方法を提供すること。
【解決手段】処理容器内に基板を配置し、気体状のGe原料と、気体状のSb原料と、気体状のTe原料とを前記処理容器内に導入してCVDにより基板上にGeSbTeとなるGe−Sb−Te膜を成膜するGe−Sb−Te膜の成膜方法であって、気体状のGe原料および気体状のSb原料を処理容器内に導入して基板上に第1段階の成膜を行う工程(工程2)と、気体状のSb原料および気体状のTe原料を処理容器内に導入して第1段階の成膜で得られた膜の上に第2段階の成膜を行う工程(工程3)とを有し、工程2により得られた膜と、工程3により得られた膜により、Ge−Sb−Te膜を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CVDによりGe−Sb−Te膜を成膜するGe−Sb−Te膜の成膜方法および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、相変化膜を用いて情報を記憶するPRAM(Phase-change Random Access Memory)が高速、長寿命の不揮発性メモリ素子として注目されている。相変化膜は、高温(例えば600℃以上)に加熱し、急冷することにより高い抵抗値を示すアモルファスになり、低温(例えば400℃以上)に加熱し、徐冷することにより通常の抵抗値を示す結晶相になる材料で形成され、PRAMは、この2つの相の抵抗値の差を利用してデータの記憶を行う。この相変化は、電流パルスの大きさを制御することにより実現する。つまり、大きな電流パルスを流すことでアモルファス相になり、小さい電流パルスを流すことで結晶相になる。
【0003】
このようなPRAMに用いる相変化膜の材料としてGe−Sb−Te膜であるGeSbTeが用いられている(特許文献1等)。特許文献1に記載されているように、このGe−Sb−Te膜は、スパッタリングのようなPVDにより形成されるのが一般的であったが、PVDではステップカバレッジが十分でないことから、ステップカバレッジの良好なCVDにより成膜することが試みられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−103731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなGe−Sb−Te膜をCVDにより形成する場合、成膜原料として有機化合物であるGe化合物、Sb化合物、Te化合物を用いるのが一般的であるが、これらの原料を用いてCVDによりGe−Sb−Te膜を形成した場合、膜表面の平滑性が悪いという問題が生じることが判明した。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、CVDにより平滑性の高いGe−Sb−Te膜を得ることができるGe−Sb−Te膜の成膜方法を提供することを目的とする。
また、上記目的を達成するための方法を実行させるプログラムが記憶された記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、気体状のGe原料と、気体状のSb原料と、気体状のTe原料とを用いてCVDによりGeSbTeとなるGe−Sb−Te膜を成膜するに際し、これら原料を同時に供給する場合には、強い晶癖を示す結晶粒が疎に形成され、表面平滑性の悪い膜となるが、第1段階として、気体状のGe原料および気体状のSb原料、または、それらに加えてGeSbTeが形成されない程度の少量の気体状のTe原料を用いて成膜を行い、その後第2段階として、気体状のSb原料および気体状のTe原料、または、それらに加えてGeSbTeが形成されない程度の少量の気体状のGe原料を用いて成膜を行えば、これらの膜が一体化して表面の平滑性が高いGe−Sb−Te膜となることを見出した。
【0008】
本発明はそのような知見に基づいて完成されたものであり、処理容器内に基板を配置し、気体状のGe原料と、気体状のSb原料と、気体状のTe原料とを前記処理容器内に導入してCVDにより基板上にGeSbTeとなるGe−Sb−Te膜を成膜するGe−Sb−Te膜の成膜方法であって、気体状のGe原料および気体状のSb原料、または、それらに加えてGeSbTeが形成されない程度の少量の気体状のTe原料を前記処理容器内に導入して基板上に第1段階の成膜を行う第1工程と、気体状のSb原料および気体状のTe原料、または、それらに加えてGeSbTeが形成されない程度の少量の気体状のGe原料を前記処理容器内に導入して前記第1工程で成膜された膜の上に第2段階の成膜を行う第2工程とを有し、前記第1工程により得られた膜と、前記第2工程により得られた膜により、前記Ge−Sb−Te膜を得ることを特徴とするGe−Sb−Te膜の成膜方法を提供する。
【0009】
前記第1工程において、気体状のTe原料を導入する場合に、得られた膜のTeの含有量が10at%未満になる程度の流量とすることが好ましい。また、 前記第1工程において、得られた膜の組成比Ge/Sbが原子数比で50/50〜70/30となるか、またはGe原料の流量をx(mL/min(sccm))、Sb原料のキャリアArガスの流量をy(mL/min(sccm))とするとき、y/xが0.01〜0.1となるように気体状のGe原料および気体状のSb原料を導入することが好ましい。
【0010】
前記第2工程は、前記第1段階の成膜と前記第2段階の成膜とで安定してGeSbTeが得られる組成となる流量比で気体状のSb原料および気体状のTe原料を供給することが好ましい。この場合に、前記第2工程は、Sb原料のキャリアArガスの流量をy(mL/min(sccm))、Te原料のキャリアArガス流量をz(mL/min(sccm))とするとき、y=20(mL/min(sccm))、z=50(mL/min(sccm))の条件で30secフローするとGe26Sb26Te48が得られ、15secフローするとGe31Sb32Te36が得られる。また、前記第2工程単体で、GeSbTeの組成比が得られるようなGe、Sb、Te原料比で30secフローするとGe34Sb32Te34が得られる。
【0011】
本発明は、また、コンピュータ上で動作し、成膜装置を制御するプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、上記成膜方法が行われるように、コンピュータに前記成膜装置を制御させることを特徴とする記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、CVDによりGe−Sb−Te系膜を成膜する際に、第1段階として、気体状のGe原料および気体状のSb原料、または、それらに加えてGeSbTeが形成されない程度の少量の気体状のTe原料を用いて成膜を行い、その後第2段階として、気体状のSb原料および気体状のTe原料、または、それらに加えてGeSbTeが形成されない程度の少量の気体状のGe原料を用いて成膜を行うので、強い晶癖を示すGeSbTeを生成させることなく、GeSbTeとなるGe−Sb−Te膜を得ることができ、表面平滑性が良好なGe−Sb−Te膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るGe−Sb−Te膜の成膜方法の実施に用いることができる成膜装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の成膜方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】実験1により得られた膜の表面状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】実験2により得られた膜の表面状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】実験3により得られた膜の表面状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】実験4により得られた膜の表面状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】実験5において第1段階のGe/Sbの組成比を変化させた場合の膜の表面状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
ここでは、Ge−Sb−Te膜を、半導体ウエハ上にPRAMの相変化層として成膜する場合について説明する。
【0015】
なお、以下の説明において、ガスの流量の単位はmL/minを用いているが、ガスは温度および気圧により体積が大きく変化するため、本発明では標準状態に換算した値を用いている。なお、標準状態に換算した流量は通常sccm(Standerd Cubic Centimeter per Minutes)で標記されるためsccmを併記している。ここにおける標準状態は、温度0℃(273.15K)、気圧1atm(101325Pa)の状態である。
【0016】
図1は、本発明に係るGe−Sb−Te膜の成膜方法の実施に用いることができる成膜装置の概略構成を示す断面図である。図1に示す成膜装置100は、例えばアルミニウムなどにより円筒状あるいは箱状に成形された処理容器1を有しており、処理容器1内には、被処理基板である半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)Wが載置される載置台3が設けられている。載置台3は厚さ1mm程度の例えばグラファイト板あるいはSiCで覆われたグラファイト板などのカーボン素材、窒化アルミニウムなどの熱伝導性の良いセラッミクス等により構成される。
【0017】
載置台3の外周側には、処理容器1底部より起立させた円筒体状の例えばアルミニウムよりなる区画壁13が形成されており、その上端を例えばL字状に水平方向へ屈曲させて屈曲部14を形成している。このように、円筒体状の区画壁13を設けることにより、載置台3の裏面側に不活性ガスパージ室15が形成される。屈曲部14の上面は、載置台3の上面と実質的に同一の平面上にあり、載置台3の外周から離間しており、この間隙に連結棒12が挿通されている。載置台3は、区画壁13の上部内壁より延びる3本(図示例では2本のみ記す)の支持アーム4により支持されている。
【0018】
載置台3の下方には、複数本、例えば3本のL字状のリフタピン5(図示例では2本のみ記す)がリング状の支持部材6から上方に突出するように設けられている。支持部材6は、処理容器1の底部から貫通して設けられた昇降ロッド7により昇降可能となっており、昇降ロッド7は処理容器1の下方に位置するアクチュエータ10により上下動される。載置台3のリフタピン5に対応する部分には載置台3を貫通して挿通穴8が設けられており、アクチュエータ10により昇降ロッド7および支持部材6を介してリフタピン5を上昇させることにより、リフタピン5をこの挿通穴8に挿通させてウエハWを持ち上げることが可能となっている。昇降ロッド7の処理容器1への挿入部分はベローズ9で覆われており、その挿入部分から処理容器1内に外気が侵入することを防止している。
【0019】
載置台3の周縁部には、ウエハWの周縁部を保持してこれを載置台3側へ固定するため、ウエハWの輪郭形状に沿った略リング状の例えば窒化アルミニウムなどのセラミック製のクランプリング部材11が設けられている。クランプリング部材11は、連結棒12を介して上記支持部材6に連結されており、リフタピン5と一体的に昇降するようになっている。リフタピン5や連結棒12等はアルミナなどのセラミックスにより形成される。
【0020】
リング状のクランプリング部材11の内周側の下面には、周方向に沿って略等間隔で配置された複数の接触突起16が形成されており、クランプ時には、接触突起16の下端面が、ウエハWの周縁部の上面と当接してこれを押圧するようになっている。なお、接触突起16の直径は1mm程度であり、高さは略50μm程度であり、クランプ時にはこの部分にリング状の第1ガスパージ用間隙17を形成する。なお、クランプ時のウエハWの周縁部とクランプリング部材11の内周側とのオーバラップ量(第1ガスパージ用間隙17の流路長さ)L1は数mm程度である。
【0021】
クランプリング部材11の外周縁部は、区画壁13の上端屈曲部14の上方に位置され、ここにリング状の第2ガスパージ用間隙18が形成される。第2ガスパージ用間隙18の幅(高さ)は、例えば500μm程度であり、第1ガスパージ用間隙17の幅よりも10倍程大きい幅とされる。クランプリング部材11の外周縁部と屈曲部14とのオーバラップ量(第2ガスパージ用間隙18の流路長さ)は、例えば略10mm程度である。これにより、不活性ガスパージ室15内の不活性ガスは、両間隙17、18から処理空間側へ流出できるようになっている。
【0022】
処理容器1の底部には、上記不活性ガスパージ室15に不活性ガスを供給する不活性ガス供給機構19が設けられている。このガス供給機構19は、不活性ガス例えばArガス(バックサイドAr)を不活性ガスパージ室15に導入するためのガスノズル20と、不活性ガスとしてのArガスを供給するためのArガス供給源21と、Arガス供給源21からガスノズル20にArガスを導くガス配管22とを有している。また、ガス配管22には、流量制御器としてのマスフローコントローラ23および開閉バルブ24,25が設けられている。不活性ガスとしてArガスに替えてHeガス等の他の希ガスを用いてもよい。
【0023】
処理容器1の底部の載置台3の直下位置には、石英等の熱線透過材料よりなる透過窓30が気密に設けられており、この下方には、透過窓30を囲むように箱状の加熱室31が設けられている。この加熱室31内には、加熱手段として複数個の加熱ランプ32が、反射鏡も兼ねる回転台33に取り付けられている。回転台33は、回転軸を介して加熱室31の底部に設けられた回転モータ34により回転される。したがって、加熱ランプ32より放出された熱線が透過窓30を透過して載置台3の下面を照射してこれを加熱する。
【0024】
また、処理容器1底部の周縁部には、排気口36が設けられ、排気口36には図示しない真空ポンプに接続された排気管37が接続されている。そして、この排気口36および排気管37を介して排気することにより処理容器1内を所定の真空度に維持し得るようになっている。また、処理容器1の側壁には、ウエハWを搬入出する搬入出口39と、搬入出口39を開閉するゲートバルブ38が設けられる。
【0025】
一方、載置台3と対向する処理容器1の天井部には、ソースガスなどを処理容器1内へ導入するためシャワーヘッド40が設けられている。シャワーヘッド40は、例えばアルミニウム等により構成され、内部に空間41aを有する円盤状をなすヘッド本体41を有している。ヘッド本体41の天井部にはガス導入口42が設けられている。ガス導入口42には、Ge−Sb−Te膜の成膜に必要な処理ガスを供給する処理ガス供給機構50がその配管51によって接続されている。ヘッド本体41の底部には、ヘッド本体41内へ供給されたガスを処理容器1内の処理空間へ放出するための多数のガス噴射孔43が全面に亘って配置されており、ウエハWの全面にガスを放出するようになっている。また、ヘッド本体41内の空間41aには、多数のガス分散孔45を有する拡散板44が配設されており、ウエハWの表面に、より均等にガスを供給可能となっている。さらに、処理容器1の側壁内およびシャワーヘッド40の側壁内およびガス噴射孔43の配置されたウエハ対向面内には、それぞれ温度調整のためのカートリッジヒータ46,47が設けられており、ソースガスとも接触する側壁やシャワーヘッド部を所定の温度に保持できるようになっている。
【0026】
処理ガス供給機構50は、Te原料を貯留するTe原料貯留部52と、Sb原料を貯留するSb原料貯留部53と、Ge原料を貯留するGe原料貯留部54と、処理容器1内のガスを希釈するためのアルゴンガス等の希釈ガスを供給する希釈ガス供給源55とを有している。なお、膜質向上のための添加ガスとしてNHガス、Hガスを供給可能な構成とすることもできる。
【0027】
シャワーヘッド40に接続されている配管51には、Te原料貯留部52から延びる配管56、Sb原料貯留部53から延びる配管57、Ge原料貯留部54から延びる配管58が接続されており、配管51には上記希釈ガス供給源55が接続されている。配管51には、流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)60とその前後の開閉バルブ61,62が設けられている。また、配管58には、流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)63とその前後の開閉バルブ64,65が設けられている。
【0028】
Te原料貯留部52には、Ar等のバブリングのためのキャリアガスを供給するキャリアガス供給源66が配管67を介して接続されている。配管67には、流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)68とその前後の開閉バルブ69,70が設けられている。また、Sb原料貯留部53にも、Ar等のキャリアガスを供給するキャリアガス供給源71が配管72を介して接続されている。配管72には、流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)73とその前後の開閉バルブ74,75が設けられている。Te原料貯留部52、Sb原料貯留部53には、それぞれヒータ76、77が設けられている。そして、Te原料貯留部52に貯留されたTe原料およびSb原料貯留部53に貯留されたSb原料は、これらヒータ76、77で加熱された状態で、バブリングにより処理容器1に供給されるようになっている。また、Ge原料貯留部54に貯留されたGe原料はマスフローコントローラ(MFC)63により流量制御しつつ処理容器1に供給されるようになっている。図示してはいないが、Ge原料、Sr原料およびTi原料を気化した状態で供給する処理容器1までの配管やマスフローコントローラにもヒータが設けられている。
【0029】
なお、本実施形態では、Ge原料をマスフローコントローラ供給とし、Sb原料およびTe原料をバブリング供給した例を示したが、Ge原料をバブリング供給してもよいし、Sb原料、Te原料をマスフローコントローラ供給してもよい。また、液体の状態の原料を液体マスフローコントローラで流量制御して気化器により気化して供給するようにしてもよい。
【0030】
Ge原料、Sb原料、Te原料としては、気体供給が可能な化合物であれば用いることができる。蒸気圧が高い化合物であれば気化しやすく有利である。アルキル基を含む化合物は、蒸気圧が高く安価であるため、好適に用いることができる。ただし、アルキル基を含むものに限定されない。
【0031】
アルキル基を含むものとして具体的には、Ge原料としては、メチルゲルマニウムGe(CH)H、ターシャリブチルゲルマニウム[Ge((CHC)H]、テトラメチルゲルマニウム[Ge(CH]、テトラエチルゲルマニウム[Ge(C]、テトラジメチルアミノゲルマニウム[Ge((CHN)]等を挙げることができ、Sb原料としては、トリイソプロピルアンチモン[Sb(i−C]、トリメチルアンチモン[Sb(CH]、トリスジメチルアミノアンチモン[Sb((CHN)]等を挙げることができ、Te原料としては、ジイソプロピルテルル[Te(i−C]、ジターシャリブチルテルル[Te(t−C]、ジエチルテルル[Te(C]等を挙げることができる。
【0032】
処理容器1の側壁上部には、クリーニングガスであるNFガスを導入するクリーニングガス導入部81が設けられている。このクリーニングガス導入部81にはNFガスを供給する配管82が接続されており、この配管82にはリモートプラズマ発生部83が設けられている。そして、このリモートプラズマ発生部83において配管82を介して供給されたNFガスがプラズマ化され、これが処理容器1内に供給されることにより処理容器1内がクリーニングされる。なお、リモートプラズマ発生部をシャワーヘッド40の直上に設け、クリーニングガスをシャワーヘッド40を介して供給するようにしてもよい。また、NFの代わりにFを用いてもよいし、リモートプラズマを使用せず、ClF等によるプラズマレスの熱クリーニングを行うようにしてもよい。
【0033】
成膜装置100はマイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ90を有しており、成膜装置100の各構成部がこのプロセスコントローラ90に接続されて制御される構成となっている。また、プロセスコントローラ90には、オペレータが成膜装置100の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作などを行うキーボードや、成膜装置100の各構成部の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース91が接続されている。さらに、プロセスコントローラ90には、成膜装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ90の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて成膜装置100の各構成部に所定の処理を実行させるための制御プログラムすなわち処理レシピや、各種データベース等が格納された記憶部92が接続されている。処理レシピは記憶部92の中の記憶媒体(図示せず)に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスク等の固定的に設けられているものであってもよいし、CDROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0034】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース91からの指示等にて所定の処理レシピを記憶部92から呼び出してプロセスコントローラ90に実行させることで、プロセスコントローラ90の制御下で、成膜装置100での所望の処理が行われる。
【0035】
次に、以上のように構成された成膜装置を用いて行われる成膜処理方法の実施形態について図2のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0036】
まず、ゲートバルブ38を開けて、搬入出口39から処理容器1内にウエハWを搬入し、載置台3の上に載置する(工程1)。そして、ゲートバルブ38を閉じ、処理容器1内を排気して所定の真空度に調整する。載置台3はあらかじめ加熱ランプ32により放出され透過窓30を透過した熱線により加熱されており、その熱によりウエハWを加熱する。
【0037】
次に、Ge原料ガス、Sb原料ガスを所定流量で流し、Te原料ガスを流さないか、または少量流してウエハW上にGeSb膜またはTe量の少ないGeSbTe膜を成膜する第1段階の成膜を行う(工程2)。この第1段階の成膜においては、まず希釈ガス供給源55から希釈ガスとして例えばArガスを100〜500mL/sec(sccm)の流量で供給しつつ、図示しない真空ポンプにより排気口36および排気管37を介して処理容器1内を排気することにより処理容器1内の圧力を60〜1330Pa程度に真空排気する。この際のウエハWの加熱温度は、例えば200〜600℃に、好ましくは300〜400℃に設定される。
【0038】
そして、希釈用ガス、例えばArガスの流量を200〜1000mL/sec(sccm)としつつ、処理容器1内の圧力を成膜圧力である60〜6650Paに制御し、実際の成膜を開始する。なお、処理容器1内の圧力調整は、排気管37に設けられた自動圧力制御器(APC)によりなされる。
【0039】
この状態で、例えば所定流量のキャリアガスを流してバブリングにより、Sb原料貯留部53からのSb原料ガスを処理容器1内に導入し、さらに、マスフローコントローラ(MFC)63によりGe原料貯留部54から所定流量のGe原料ガスを処理容器1内に導入する。またはこれに加えて、例えば所定流量のキャリアガスを流してバブリングにより、Te原料貯留部52からの少量のTe原料ガスを処理容器1内に導入する。これにより、GeSb膜または少量のTeを含有したGeSbTe膜が形成される。この際に形成されるGeSb膜または少量のTeを含有したGeSbTe膜は、表面の平滑性が良好な膜となる。
【0040】
従来のように、GeSbTeが形成される流量比で、Ge原料ガス、Sb原料ガス、Te原料ガスを同時に処理容器1内に導入すると、ウエハW上に強い晶癖を示す結晶粒が疎に形成され、表面平滑性の悪い膜となる。これに対して、Teを含まないGeSb膜または少量のTeを含有したGeSbTe膜は、このような強い晶癖を示す結晶粒がほとんど形成されないため、表面平滑性の高い膜となる。
【0041】
工程2の第1段階の成膜において、Teの量はGeSbTeが形成されない程度であれば許容される。具体的にはTeを含有させる場合にはTeが10at%未満になる程度の量にする必要があり、その量以下になるようにTe原料ガスが供給される。また、GeとSbの組成比Ge/Sbは、原子数比で50/50〜70/30とするか、またはGe原料の流量(N換算で)をx(mL/min(sccm))、Sb原料のキャリアArガスの流量をy(mL/min(sccm))とするとき、y/xが0.01〜0.1となるようにすることが好ましく、このような範囲の組成比になるように、Ge原料ガスおよびSb原料ガスの流量比を制御することが好ましい。y/xが0.1よりも大きい、あるいは膜のGe/Sb(原子数比)が1.0よりも小さいと、表面平滑性が劣化し、y/xが0.01よりも小さい、あるいは膜のGe/Sb(原子数比)が2.5よりも大きいと成膜速度が著しく低下する。なお、Ge原料の流量(N換算で)とは、Ge原料の流量をN用マスフローコントローラにて測定したときの測定値である。
【0042】
この工程2の第1段階の成膜が終了したら、Sb原料ガス、Te原料ガスを所定流量で流し、Ge原料ガスを流さないか、または少量流して第1段階で形成された膜の上にSbTe膜またはGe量の少ないGeSbTe膜を成膜する第2段階の成膜を行う(工程3)。これにより、第1段階の膜と第2段階の膜とが一体化して、安定でかつ表面平滑性が良好な、GeSbTeを組成比とするGe−Sb−Te膜が得られる。
【0043】
第2段階の成膜において、Sb原料ガス、Te原料ガス、Ge原料ガスの供給は、第1段階の成膜と同様にして行う。また、第2段階の成膜においては、第1段階および第2段階の成膜により安定してGeSbTeの組成比が得られる程度の流量比でSb原料ガスおよびTe原料ガスを、あるいはこれらに加えて少量のGe原料ガスを流せばよい。このときのSbとTeの組成比Sb/Teは、第1段階および第2段階の成膜により安定してGeSbTeの組成比が得られる流量比であれば特に制限はないが、第1段階および第2段階の成膜を行った後に最終的に得られる膜の組成は、第1段階の膜が同じでも、第2段階の成膜のSb、Te、少量のGe原料流量比とその流通時間により異なり、Ge原料の流量をx(mL/min(sccm))、Sb原料のキャリアArガスの流量をy(mL/min(sccm))、Te原料のキャリアArガス流量をz(mL/min(sccm))とするとき、y=20(sccm)、z=50(mL/min(sccm))の条件で30secフローするとGe26Sb26Te48が得られ、15secフローするとGe31Sb32Te36が得られる。また、前記第2工程単体で、GeSbTeの組成比が得られるようなGe、Sb、Te原料比あるいはx=550(mL/min(sccm))、y=20(mL/min(sccm))、z=50(mL/min(sccm))の条件で30secフローするとGe34Sb32Te34が得られる。また、第2段階の成膜において、Te原料のみを供給すると、第1段階で成膜したTeを含まない膜または低Te膜をエッチングし、その組成比がGeSbTeとなった反応性生成物が気体となって出ていくので、表面状態の悪い膜となってしまう。
【0044】
これら第1段階および第2段階の成膜において、原料の流量比は、用いる原料に応じて、所望の組成のGe−Sb−Te膜が形成されるように予め把握しておくことが好ましい。
【0045】
工程3の第2段階の成膜が終了後、原料の供給を停止し、処理容器1内を希釈ガスによりパージした後、ゲートバルブ38を開け、成膜後の基板Sを処理容器から搬出する(工程4)。これにより1枚のウエハに対する成膜処理が完了する。
【0046】
次に、実際にGe−Sb−Te膜を成膜した実験結果について示す。
<実験1>
上記図1の成膜装置において、カートリッジヒータにより処理容器壁の温度を160℃に設定し、ランプパワーを調節して、載置台の温度を360℃に設定し、搬送ロボットのアームを用いて処理容器内に直径200mmの円板状をなすウエハを搬入し、Ge−Sb−Te膜を成膜した。なお、Ge原料、Sb原料、Te原料として、ターシャリブチルゲルマニウム、トリイソプロピルアンチモン、ジイソプロピルテルルを用いた。ターシャリブチルゲルマニウムは、常温の原料容器の後段に設置したマスフローコントローラにて蒸気流量を直接制御して処理容器に供給し、トリイソプロピルアンチモンは、50℃に温度コントロールした原料容器にキャリアガスとして流量制御されたArガスを容器内に通じたバブリング法にて処理容器に供給し、ジイソプロピルテルルは、35℃に温度コントロールした原料容器にキャリアガスとして流量制御されたArガスを容器内に通じたバブリング法にて処理容器に供給した。この際、トリイソプロピルアンチモンの飽和蒸気圧は266Paであり、ジイソプロピルテルルの飽和蒸気圧は905Paであった。また、マスフローコントローラおよび原料容器から処理容器までの配管は、マントルータにより160℃に保持した。
【0047】
そして、以下の条件でGe−Sb−Te系膜を成膜した。
載置台温度:360℃
処理容器内圧力:665Pa
Ge原料ガス流量:550mL/min(sccm):ただしN換算にて
SbキャリアArガス流量:20mL/min(sccm)
TeキャリアArガス流量:50mL/min(sccm)
希釈Arガス流量:100mL/min(sccm)
バックサイドArガス流量:200mL/min(sccm)
成膜時間:90sec
【0048】
蛍光X線分析法(XRF)にて得られた膜の組成を測定した結果、Ge/Sb/Te=22/26/53(at%)となり、XRF換算膜厚は151nmであった。その表面性状は図3の走査型電子顕微鏡(SEM)写真で示すように、晶癖の強い粒が疎に集合したもので膜の平滑性は不良であった。
【0049】
<実験2>
次に、実験1と同様の装置条件で同様の原料を用い、以下の条件でGeSb膜を成膜した。
載置台温度:360℃
処理容器内圧力:1213Pa
Ge原料ガス流量:550mL/min(sccm):ただしN換算にて
SbキャリアArガス流量:20mL/min(sccm)
TeキャリアArガス流量:0mL/min(sccm)
希釈Arガス流量:500mL/min(sccm)
バックサイドArガス流量:200mL/min(sccm)
成膜時間:240sec
【0050】
蛍光X線分析法(XRF)にて得られた膜の組成を測定した結果、Ge/Sb/Te=61/39/0(at%)となり、XRF換算膜厚は40nmであった。その表面性状は図4の走査型電子顕微鏡(SEM)写真で示すように、平滑性が良好なものであった。
【0051】
<実験3>
実験2と同様の条件で第1段階の成膜を行った後、引き続き以下の条件でTe原料のみを供給する第2段階の成膜を行ってGe−Sb−Te膜を形成した。
載置台温度:360℃
処理容器内圧力:1213Pa
Ge原料ガス流量:0mL/min(sccm)
SbキャリアArガス流量:0mL/min(sccm)
TeキャリアArガス流量:50mL/min(sccm)
希釈Arガス流量:0mL/min(sccm)
バックサイドArガス流量:200mL/min(sccm)
成膜時間:120sec
【0052】
蛍光X線分析法(XRF)にて得られた膜の組成を測定した結果、あたかも実験2で得られた膜からGe24Sb25の膜が抜け落ちて、Teと入れ替わったような、Ge/Sb/Te=37/14/49(at%)の組成となり、XRF換算膜厚は128nmであった。その表面性状は図5の走査型電子顕微鏡(SEM)写真で示すように、実験2で形成された膜がエッチングされて晶癖の強い空乏が形成されているように見え、膜の平滑性は不良であった。これは、第1段階で形成されたGe/Sb/Te=61/39/0(at%)の組成の膜に、第2段階において供給したTe原料が到達すると、低融点・高蒸気圧のGeSbTeを形成して気相へ出て行くためであると考えられる。つまり、実験3の膜は、膜の組成としては実験2の膜よりGeSbTeに近いが、晶癖の強い空乏が存在する点で表面の平滑性が悪い。
【0053】
<実験4>
処理容器内圧力を1173Paとした以外は実験2と同様の条件で第1段階の成膜を行った後、引き続き以下の条件でSb原料ガスおよびTe原料ガスを供給する第2段階の成膜を行ってGe−Sb−Te膜を形成した。
載置台温度:360℃
処理容器内圧力:1173Pa
Ge原料ガス流量:0mL/min(sccm)
SbキャリアArガス流量:20mL/min(sccm)
TeキャリアArガス流量:50mL/min(sccm)
希釈Arガス流量:500mL/min(sccm)
バックサイドArガス流量:200mL/min(sccm)
成膜時間:30sec
【0054】
蛍光X線分析法(XRF)にて得られた膜の組成を測定した結果、Ge/Sb/Te=26/26/48(at%)とGeSbTeに近い組成となり、XRF換算膜厚は93nmであった。その表面性状は図6の走査型電子顕微鏡(SEM)写真で示すように、平滑性が良好であった。実験4では実験3と第1段階は同じであるが、第2段階では実験3と異なり、Te原料ガスのみならずSb原料ガスも同時に供給しており、実験3のようなTe原料ガスによるエッチングが抑制され、GeSbTeに近い組成でかつ表面平滑性が高いGe−Sb−Te膜が得られることが確認された。
【0055】
<実験5>
ここでは、第1段階の成膜におけるGe原料ガスとSb原料ガスの供給比率を変化させ、膜の組成と表面性状を把握した。載置台温度:360℃、処理容器内圧力:1213〜1293Pa、 希釈Arガス流量:500mL/min(sccm)、バックサイドArガス流量:200mL/min(sccm)とし、Ge原料ガス流量およびSbキャリアArガス流量を以下のNo.1〜7のように変化させた。
【0056】
No.1:
Ge原料ガス流量:800mL/min(sccm):ただしN換算にて
SbキャリアArガス流量:20mL/min(sccm)
(SbキャリアArガス流量/Ge原料ガス流量)=0.025
成膜時間:120sec
No.2(実験2と同じ):
Ge原料ガス流量:550mL/min(sccm):ただしN換算にて
SbキャリアArガス流量:20mL/min(sccm)
(SbキャリアArガス流量/Ge原料ガス流量)=0.036
成膜時間:240sec
No.3:
Ge原料ガス流量:550mL/min(sccm):ただしN換算にて
SbキャリアArガス流量:30mL/min(sccm)
(SbキャリアArガス流量/Ge原料ガス流量)=0.055
成膜時間:180sec
No.4:
Ge原料ガス流量:550mL/min(sccm):ただしN換算にて
SbキャリアArガス流量:40mL/min(sccm)
(SbキャリアArガス流量/Ge原料ガス流量)=0.072
成膜時間:120sec
No.5:
Ge原料ガス流量:550mL/min(sccm):ただしN換算にて
SbキャリアArガス流量:100mL/min(sccm)
(SbキャリアArガス流量/Ge原料ガス流量)=0.18
成膜時間:240sec
No.6:
Ge原料ガス流量:200mL/min(sccm):ただしN換算にて
SbキャリアArガス流量:50mL/min(sccm)
(SbキャリアArガス流量/Ge原料ガス流量)=0.25
成膜時間:240sec
No.7:
Ge原料ガス流量:200mL/min(sccm):ただしN換算にて
SbキャリアArガス流量:100mL/min(sccm)
(SbキャリアArガス流量/Ge原料ガス流量)=0.50
成膜時間:240sec
【0057】
蛍光X線分析法(XRF)にてNo.1〜7の膜の組成を測定した結果、以下のようになった。
No.1:Ge/Sb/Te=62/38/0(at%)
No.2:Ge/Sb/Te=61/39/0(at%)
No.3:Ge/Sb/Te=55/40/5(at%)
No.4:Ge/Sb/Te=57/43/0(at%)
No.5:Ge/Sb/Te=48/45/7(at%)
No.6:Ge/Sb/Te=34.8/55.9/9.3(at%)
No.7:Ge/Sb/Te=27.7/62.0/10.3(at%)
【0058】
また、No.1〜7の膜の表面性状は図7の走査型電子顕微鏡(SEM)写真で示すようなものとなった。すなわち、Sbの含有量が39at%のNo.2で最も表面の平滑性が良好となり、Sb含有量が43at%のNo.4までは平滑性が良好である。しかしそれよりもSbの量が多い、(Sbキャリア流量/Ge原料流量)比>0.1のNo.5〜7では、膜の表面に析出物が見られ、平滑性が多少劣化することが確認された。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種々限定可能である。例えば、成膜装置としてランプ加熱で被処理基板を加熱するものを示したが、抵抗加熱ヒータで加熱するものであってもよい。また、上記実施形態では、Ge−Sb−Te膜をPRAMの相変化層へ適用した例について示したが、相変化型光記憶媒体の記録層へ適用することもできる。
【符号の説明】
【0060】
1;処理容器
3;載置台
32;加熱ランプ
40;シャワーヘッド
50;処理ガス供給機構
52;Te原料貯留部
53;Sb原料貯留部
54;Ge原料貯留部
90;プロセスコントローラ
92;記憶部
100;成膜装置
W;半導体ウエハ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器内に基板を配置し、気体状のGe原料と、気体状のSb原料と、気体状のTe原料とを前記処理容器内に導入してCVDにより基板上にGeSbTeとなるGe−Sb−Te膜を成膜するGe−Sb−Te膜の成膜方法であって、
気体状のGe原料および気体状のSb原料、または、それらに加えてGeSbTeが形成されない程度の少量の気体状のTe原料を前記処理容器内に導入して基板上に第1段階の成膜を行う第1工程と、
気体状のSb原料および気体状のTe原料、または、それらに加えてGeSbTeが形成されない程度の少量の気体状のGe原料を前記処理容器内に導入して前記第1工程で成膜された膜の上に第2段階の成膜を行う第2工程と
を有し、
前記第1工程により得られた膜と、前記第2工程により得られた膜により、前記Ge−Sb−Te膜を得ることを特徴とするGe−Sb−Te膜の成膜方法。
【請求項2】
前記第1工程において、気体状のTe原料を導入する場合に、得られた膜のTeの含有量が10at%未満になる程度の流量とすることを特徴とする請求項1に記載のGe−Sb−Te膜の成膜方法。
【請求項3】
前記第1工程において、得られた膜の組成比Ge/Sbが原子数比で50/50〜70/30となるか、またはGe原料の流量をx(mL/min(sccm))、Sb原料のキャリアArの流量をy(mL/min(sccm))とするとき、y/xが0.01〜0.1となるように気体状のGe原料および気体状のSb原料を導入することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のGe−Sb−Te膜の成膜方法。
【請求項4】
前記第2工程は、前記第1段階の成膜と前記第2段階の成膜とで安定してGeSbTeが得られる組成となる流量比で気体状のSb原料および気体状のTe原料を供給することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のGe−Sb−Te膜の成膜方法。
【請求項5】
コンピュータ上で動作し、成膜装置を制御するプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、請求項1から請求項4のいずれかの成膜方法が行われるように、コンピュータに前記成膜装置を制御させることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−287705(P2010−287705A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139928(P2009−139928)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】