説明

アモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法

【課題】所望のバンドギャップエネルギーを容易に実現できるアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法を提供する。
【解決手段】アモルファスカーボンCを成長させるための基材Bをチャンバ11内に収容し、そのチャンバ11内に原料ガスGを供給し、供給した原料ガスGのプラズマPを生成し、生成されたプラズマPの基材Bに到達する際の速度を制御してアモルファスカーボンCの製造を行う。これにより、プラズマPの到達速度に対応させてカーボンの結晶化及び選択的エッチング効果を生じさせることができる。このため、カーボンのsp2/sp3結合比を調整することができ、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンCを容易に製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アモルファスカーボンを製造するアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アモルファスカーボンの製造方法及び製造装置として、特開平8−217596号公報に記載されるように、基材表面温度が一定になるまで基材の表面をプラズマ洗浄し、そのプラズマ洗浄された基材上にCVD(Chemical Vapor Deposit)法によりダイヤモンドライクカーボン膜、即ちアモルファスカーボン膜を形成するものが知られている。
【特許文献1】特開平8−217596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、アモルファスカーボンは、コーティング用途のほか、半導体材料としても注目されている。炭素の結合形態にはsp2結合およびsp3結合の二種類があり、sp2結合のみで構成されると層状構造のグラファイトとなり、sp3結合のみで構成されるとダイヤモンドとなる。グラファイトはバンドギャップエネルギーが0の導電体であるが、ダイヤモンドはバンドギャップエネルギーが約5.5[eV]の絶縁体である。アモルファスカーボンは、sp2結合およびsp3結合が混在する構成を有しており、半導体材料としての利用可能性が模索されている。
【0004】
アモルファスカーボンを半導体として利用するためには、そのバンドギャップエネルギーを所望の値に制御する必要がある。しかしながら、アモルファス状態(非結晶)の場合、構造に規則性がないため、構造変化がバンドギャップエネルギーに及ぼす影響の予測が難しい。したがって、従来では様々な製造パラメータを試した上で所望のバンドギャップエネルギーを実現できる製造パラメータを特定しており、極めて非効率的であった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を鑑みてなされたものであり、所望のバンドギャップエネルギーを容易に実現できるアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係るアモルファスカーボン製造装置は、アモルファスカーボンを成長させるための基材を収容したチャンバと、前記チャンバ内に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、前記チャンバ内に前記原料ガスのプラズマを生成するプラズマ生成部と、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御する速度制御部とを備えて構成されている。
【0007】
この発明によれば、チャンバ内で生成されるプラズマの基材に到達する際の速度を制御することにより、プラズマの到達速度に対応させて選択的エッチング効果、カーボンの結晶化(グラファイト化)を生じさせることができる。このため、カーボンのsp2/sp3結合比を調整することが可能となる。従って、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンを容易に製造することができる。
【0008】
また本発明に係るアモルファスカーボン製造装置において、前記速度制御部は、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を製造すべきアモルファスカーボンのバンドギャップに対応させて制御することが好ましい。
【0009】
この発明によれば、プラズマの基材に到達する際の速度を製造すべきアモルファスカーボンのバンドギャップに対応させて制御することにより、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンを容易に製造することができる。
【0010】
また本発明に係るアモルファスカーボン製造装置において、前記速度制御部は、前記チャンバ内のプラズマ生成領域と前記基材の間に電圧を印加して、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御することが好ましい。
【0011】
この発明によれば、チャンバ内のプラズマ生成領域と基材の間に電圧を印加することにより、プラズマの基材に到達する際の速度を容易に制御することができる。このため、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンを容易に製造することができる。
【0012】
また本発明に係るアモルファスカーボン製造装置において、前記速度制御部は、前記チャンバ内のプラズマ生成領域と前記基材の間に直流電圧を印加して、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御することが好ましい。
【0013】
この発明によれば、チャンバ内のプラズマ生成領域と基材の間に直流電圧を印加することにより、プラズマの基材に到達する際の速度を制御することができる。このため、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンを製造することができる。
【0014】
また本発明に係るアモルファスカーボン製造方法は、チャンバ内で原料ガスのプラズマを生成するプラズマ生成工程と、前記チャンバ内で生成されるプラズマの基材に到達する際の速度を制御する速度制御工程と、前記基材上にアモルファスカーボンを形成する形成工程とを備えて構成されている。
【0015】
この発明によれば、チャンバ内で生成されるプラズマの基材に到達する際の速度を制御することにより、プラズマの到達速度に対応させて選択的エッチング効果、カーボンの結晶化(グラファイト化)を生じさせることができる。このため、カーボンのsp2/sp3結合比を調整することが可能となる。従って、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンを容易に製造することができる。
【0016】
また本発明に係るアモルファスカーボン製造方法において、前記速度制御工程では、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を製造すべきアモルファスカーボンのバンドギャップに対応させて制御することが好ましい。
【0017】
この発明によれば、プラズマの基材に到達する際の速度を製造すべきアモルファスカーボンのバンドギャップに対応させて制御することにより、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンを容易に製造することができる。
【0018】
また本発明に係るアモルファスカーボン製造方法において、前記速度制御工程では、前記チャンバ内のプラズマ生成領域と前記基材の間に電圧を印加して、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御することが好ましい。
【0019】
この発明によれば、チャンバ内のプラズマ生成領域と基材の間に電圧を印加することにより、プラズマの基材に到達する際の速度を容易に制御することができる。このため、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンを容易に製造することができる。
【0020】
また本発明に係るアモルファスカーボン製造方法において、前記速度制御工程では、前記チャンバ内のプラズマ生成領域と前記基材の間に直流電圧を印加して、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御することが好ましい。
【0021】
この発明によれば、チャンバ内のプラズマ生成領域と基材の間に直流電圧を印加することにより、プラズマの基材に到達する際の速度を制御することができる。このため、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンを製造することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によるアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法によれば、所望のバンドギャップエネルギーのアモルファスカーボンを容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明によるアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明に係るアモルファスカーボン製造装置の一実施形態として、プラズマCVD装置10の構成を示す側面断面図である。図1に示すように、プラズマCVD装置10は、チャンバ11と、原料ガス源12と、導波路14と、マイクロ波発生部15とを備えている。
【0025】
チャンバ11は、原料ガスGのプラズマPが生成するための気密容器である。チャンバ11は、原料ガス源12と配管22を介して接続されている。原料ガス源12はチャンバ11に原料ガスGを供給する。原料ガス源12及び配管22は、原料ガス供給部として機能する。
【0026】
チャンバ11の排出口19には、排気ポンプからなる排気手段13が設けられている。アモルファスカーボン膜を成長するに先立って、排気手段13は真空引きによりチャンバ11内を減圧する。チャンバ11内には、アモルファスカーボンCを成長させるための基材Bが収容されている。また、チャンバ11内には、基材Bを支持するための基材ステージ18が設けられている。
【0027】
マイクロ波発生部15は、チャンバ11に導入された原料ガスGをプラズマ化するためのマイクロ波Wを、導波路14を介してチャンバ11へ出力し、原料ガスGに照射する。マイクロ波発生部15は、例えば出力600〜1400[W]、周波数2.45GHzのマイクロ波Wをマグネトロン等により発生する。マイクロ波発生部15及び導波路14は、チャンバ11内に原料ガスGのプラズマを生成するプラズマ生成部として機能する。
【0028】
導波路14は、マイクロ波発生部15から出力されたマイクロ波Wを導波しつつ、チャンバ11の内部へ提供する。導波路14は、チャンバ11上に石英窓16を介して設けられている。導波路14におけるチャンバ11と対向する面にはスロットアンテナ17が設けられており、マイクロ波Wはこのスロットアンテナ17を介してチャンバ11内部の原料ガスGに照射される。なお、導波路14上には導波路14を冷却するための冷却ファン20が設置されている。
【0029】
原料ガス源12は、アモルファスカーボンCを成長するための原料ガスGをチャンバ11に供給する。原料ガス源12は、炭素原料ガス源としてメタン(CH)源、エチレン(C)源、およびアセチレン(C)源のうち少なくとも一つを含んで構成される。また、原料ガス源12は、アモルファスカーボン膜に添加される不純物原子(ドーパント)を供給するためのドーパントガス源として、例えば窒素(N)源を含んで構成される。また、原料ガス源12は、キャリアガスを供給するためのキャリアガス源として、アルゴン(Ar)源などの不活性ガス源を含んで構成される。これらのガス源は、それぞれガス流量を調整する図示しないマスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controler)を介してチャンバ11に接続されており、各原料ガスはマスフローコントローラを経由した後に混合されて原料ガスGとしてチャンバ11に供給される。
【0030】
プラズマCVD装置10には、チャンバ11内で生成されるプラズマの基材Bに到達する際の速度を制御する速度制御部30が設けられている。速度制御部30は、チャンバ11内のプラズマ生成領域と基材Bの間に直流電圧を印加して、チャンバ11内で生成されるプラズマP、すなわちプラズマPの粒子の基材Bに到達する際の速度を制御するものである。
【0031】
この速度制御部30は、例えばチャンバ11と基材ステージ18に配線によって接続され、チャンバ11と基材ステージ18の間に電位差を生じさせる電源装置によって構成される。この場合、チャンバ11内のプラズマ生成領域と基材ステージ18に設置される基材Bとの間に電位差を生じ、プラズマ生成領域と基材Bとの間に所定の電界が形成される。また、速度制御部30として、印加する電圧を可変できるものを用いることが好ましい。速度制御部30による印加電圧は、プラズマ生成領域と基材Bの間の距離やプラズマCVD装置10の大きさなどに応じて適宜設定すればよい。なお、速度制御部30は、チャンバ11内に電界を形成してチャンバ11内で生成されるプラズマの基材Bに到達する際の速度を制御可能なものであれば、図1に示すもの以外のものであってもよい。
【0032】
速度制御部30によってチャンバ11内のプラズマ生成領域と基材Bの間に電位差を生じさせることで、プラズマ生成領域と基材Bとの間に所定の電界が形成される。この電界の強度によって、プラズマの粒子、例えば電子、イオンなどの基材Bに到達する際の速度を制御することができる。例えば、プラズマ生成領域と基材Bの間に印加する電圧を大きくすることによりプラズマの移動速度を速くして、堆積するアモルファスカーボンのバンドギャップを小さくすることができる。一方、プラズマ生成領域と基材Bの間に印加する電圧を小さくすることによりプラズマの移動速度を遅くして、堆積するアモルファスカーボンのバンドギャップを大きくすることができる。
【0033】
次に、本実施形態に係るアモルファスカーボン製造装置の動作及びアモルファスカーボン製造方法について説明する。
【0034】
図1において、まず、チャンバ11の基材ステージ18に基材Bを設置したのち、チャンバ11の内部を減圧する。そして、原料ガス源12より、メタン、エチレン、アセチレンなどの炭素原料ガスと、窒素などのドーパントガスと、アルゴンなどのキャリアガスとを含む原料ガスGをチャンバ11内に供給しつつ、マイクロ波発生部15からマイクロ波Wを出力し、このマイクロ波Wをチャンバ11内の原料ガスGに照射する。
【0035】
チャンバ11の内部では、マイクロ波発生部15から導波路14を介して照射されたマイクロ波Wによって表面波プラズマPが発生する。これにより、原料ガスGは炭素を含むラジカルに変化し、基材Bの表面へ移動し、堆積する。
【0036】
このとき、プラズマ生成領域と基材Bの間に電圧が印加され電界が形成されている。このため、形成される電界の強度に応じてプラズマPの荷電粒子(電子、イオン)が加速され、プラズマPの移動速度が制御される。すなわち、プラズマ生成領域と基材Bの間に印加する電圧を大きくすることによりプラズマPの移動速度を速くすることができ、プラズマ生成領域と基材Bの間に印加する電圧を小さくすることによりプラズマPの移動速度を遅くすることができる。
【0037】
プラズマPの基材Bへの移動速度、すなわち印加電圧は、製造すべきアモルファスカーボンCのバンドギャップに対応して設定される。プラズマ生成領域と基材Bとの間の印加電圧と製造されるアモルファスカーボンCのバンドギャップとの関係を予め調べておき、所望のバンドギャップが得られるように印加電圧を設定すればよい。
【0038】
そして、プラズマPが基材B上に堆積してアモルファスカーボンCが成長し、所定のバンドギャップエネルギーを有するアモルファスカーボンCを生成することができる。
【0039】
以上のように本実施形態に係るアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法によれば、チャンバ11内で生成されるプラズマPの基材Bに到達する際の速度を制御することにより、プラズマPの到達速度に対応させて選択的エッチング効果、カーボンの結晶化(グラファイト化)を生じさせることができる。このため、カーボンのsp2/sp3結合比を調整することが可能となる。従って、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンCを容易に製造することができる。
【0040】
また本実施形態に係るアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法によれば、プラズマPの基材Bに到達する際の速度を製造すべきアモルファスカーボンのバンドギャップに対応させて制御することにより、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンCを容易に製造することができる。
【0041】
また本実施形態に係るアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法によれば、チャンバ11内のプラズマ生成領域と基材Bの間に電圧を印加することにより、プラズマPの基材Bに到達する際の速度を容易に制御することができる。このため、所望のバンドギャップを有するアモルファスカーボンCを容易に製造することができる。
【0042】
図2は、本実施形態に係るアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法を用いてアモルファスカーボンを製造した際のバンドギャップとバイアス電圧の関係を示す図である。
【0043】
アモルファスカーボンの製造の成膜手法としては、マイクロ波を用いた表面波プラズマCVD法を用いた。材料ガスとその流量は、アセチレンを20ml/min、四フッ化炭素(CF)を1ml/minとした。キャリアガスとその流量は、Arを200ml/minとした。チャンバ内の圧力は、ガス導入時に100Paとした。基材としては、シリコン基板を用いた。
【0044】
マイクロ波のパワーは、1000wとし連続的に供給した。そして、バイアス電圧は、基材側を−、プラズマ側を+として直流電圧を0V、50V、100V、150V、200Vと段階的に変えながら、それぞれの電圧についてアモルファスカーボンを製造した。
【0045】
これにより、図2に示すように、バイアス電圧0Vでバンドギャップ2.4eV、バイアス電圧50Vでバンドギャップ2.3eV、バイアス電圧100Vでバンドギャップ2.0eV、バイアス電圧150Vでバンドギャップ1.8eV、バイアス電圧200Vでバンドギャップ1.5eVのアモルファスカーボンを製造することができた。
【0046】
このようなバンドギャップの変化は、プラズマと基材間の原料粒子(イオン、電子、ラジカル、中性分子など)のうち、正電荷を有する粒子がバイアス電圧により加速され、勢いよく基材又はアモルファスカーボン膜に衝突する際の衝突エネルギにより結晶(グラファイト)化する成分が相対的に多くなるためと考えられる。
【0047】
また、本実施形態により製造されるアモルファスカーボン膜は、例えば太陽電池や受光素子などの用途に特に好適である。例えば、タンデム型と呼ばれる太陽電池は、バンドギャップが異なる複数種類のpn接合層が光学的に直列に接続されて構成されるが、これらの層をアモルファスカーボンとして本実施形態の方法により形成すれば、各層のバンドギャップを容易に異ならせることができる。
【0048】
なお、上述した実施形態は本発明に係るアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法の一例を示すものである。本発明に係るアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法は、この実施形態に係るアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係るアモルファスカーボン製造装置及びアモルファスカーボン製造方法を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0049】
例えば、上述した実施形態では、チャンバ内のプラズマ生成領域と基材の間に電圧を印加してチャンバ内で生成されるプラズマの基材に到達する際の速度を制御する場合について説明したが、チャンバ内のプラズマ生成領域と基材の間に磁界を形成し、その磁界の強さによってチャンバ内で生成されるプラズマの基材に到達する際の速度を制御してもよい。この場合、電磁石装置によりチャンバ内に磁界を形成して実施すればよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、マイクロ波を用いてプラズマを生成していたが、マイクロ波以外の熱などを用いてプラズマを生成するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態係るアモルファスカーボン製造装置の構成概要図である。
【図2】アモルファスカーボンを製造した際のバンドギャップとバイアス電圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10…プラズマCVD装置、11…チャンバ、12…原料ガス源、13…排気手段、14…導波路、15…マイクロ波発生部、16…石英窓、17…スロットアンテナ、18…基材ステージ、19…排出口、20…冷却ファン、B…基材、C…アモルファスカーボン、G…原料ガス、P…表面波プラズマ、W…マイクロ波。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アモルファスカーボンを成長させるための基材を収容したチャンバと、
前記チャンバ内に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
前記チャンバ内に前記原料ガスのプラズマを生成するプラズマ生成部と、
前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御する速度制御部と、
を備えたアモルファスカーボン製造装置。
【請求項2】
前記速度制御部は、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を製造すべきアモルファスカーボンのバンドギャップに対応させて制御することを特徴とする請求項1に記載のアモルファスカーボン製造装置。
【請求項3】
前記速度制御部は、前記チャンバ内のプラズマ生成領域と前記基材の間に電圧を印加して、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御することを特徴する請求項1又は2に記載のアモルファスカーボン製造装置。
【請求項4】
前記速度制御部は、前記チャンバ内のプラズマ生成領域と前記基材の間に直流電圧を印加して、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御することを特徴する請求項3に記載のアモルファスカーボン製造装置。
【請求項5】
チャンバ内で原料ガスのプラズマを生成するプラズマ生成工程と、
前記チャンバ内で生成されるプラズマの基材に到達する際の速度を制御する速度制御工程と、
前記基材上にアモルファスカーボンを形成する形成工程と、
を備えたアモルファスカーボン製造方法。
【請求項6】
前記速度制御工程では、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を製造すべきアモルファスカーボンのバンドギャップに対応させて制御することを特徴とする請求項5に記載のアモルファスカーボン製造方法。
【請求項7】
前記速度制御工程では、前記チャンバ内のプラズマ生成領域と前記基材の間に電圧を印加して、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御することを特徴する請求項5又は6に記載のアモルファスカーボン製造方法。
【請求項8】
前記速度制御工程では、前記チャンバ内のプラズマ生成領域と前記基材の間に直流電圧を印加して、前記チャンバ内で生成されるプラズマの前記基材に到達する際の速度を制御することを特徴する請求項7に記載のアモルファスカーボン製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−132543(P2009−132543A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307800(P2007−307800)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(500433225)学校法人中部大学 (105)
【Fターム(参考)】