説明

アルブチン、アスコルビン酸、オレウロペインまたはその誘導体を含む分子複合体および医薬分野における関連する使用

本発明は、アルブチン、アスコルビン酸、オレウロペインまたはその誘導体を含む分子複合体および、医薬分野における、例えば皮膚、粘膜および漿膜の治療のための、皮膚の老化、皮膚の色素沈着過剰および皮膚疾患の治療のための関連する使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルブチン、アスコルビン酸、オレウロペイン(oleuropeina)またはその誘導体を含む分子複合体および医薬分野における関連する使用に関する。より具体的には、本発明は、上記分子複合体を含む、皮膚、粘膜および漿膜の治療のための、例えば、皮膚の老化、皮膚の色素沈着過剰および皮膚疾患の治療のための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現今、天然のハイドロキノン誘導体であるアルファアルブチンは、チロシナーゼ阻害剤であるので漂白剤として美容分野において広く用いられている。関連文献および特許、JP 2002265316、JP 2002145759、JP 2003277261 、JP 2003277261 、JP 2004115392は、0,05 〜10%の範囲の濃度でのかかる化合物の使用を開示している。しかし、アルブチンは矛盾した色素沈着過度を誘導しうることが知られている。この問題を解決するために、チロキシン形成を阻害するその他の物質とともにアルブチンを含む組成物への、ハイドロキノン、アゼライン酸およびコウジ酸(cogic acid)の添加といった様々な解決手段が示唆された。
【0003】
美容分野におけるアルブチンの使用は0,5〜1 %の間から2%までの様々な濃度において推奨されている。これらの濃度は、特に1-2%を超える高い用量でのアルブチンの長期使用の際に、矛盾した色素沈着過度反応が誘発されうるために標準化されている。かかる色素沈着過度反応は明らかに実証可能であり、チロシナーゼ酵素の上昇によっては判定されない。というのは、酵素が阻害されても、チロキシン産生に関連する遺伝子1逆ポリメラーゼ転写の上昇はもたらされないが、長期間ではもたらされるためである(Pigment Cell Res. 1998 febr; 11(1): 12-7)。アルブチンはチロシナーゼ活性の誘導以外の機構によって培養ヒトメラノサイトの色素沈着を上昇させる。アルブチンの高用量の長期使用の後の、矛盾した色素沈着過度は、転写前の局在化の理由により引き起こされる。逆転写酵素(inverse transcriptase)は、エンドセリン-1 発現上昇およびエンドセリン b 受容体の上昇の存在を示す。実際、エンドセリンはチロシナーゼ mRNA 発現の上昇に随伴し、それによって増強される。さらに、これら因子すべてはTNFα、「腫瘍壊死因子アルファ」の発現につながり、これは炎症後色素沈着過度の形成、日光によるほくろ(lentigo Solaris) の形成、乾癬、組織治癒および急性および慢性炎症工程において必須の役割を果たしている(J. Invest Dermatol. April; 116 (4):571-7. The role of epidermal endothelin cascade in the hyperpigmantation mechanism of lentigo senilis、Kadono S et Al.)。それゆえ、エンドセリン B 受容体の上昇は、矛盾した色素沈着過度または日光によるほくろ(lentigo Solaris)および炎症後色素沈着過度において重要な役割を果たしている。さらに、日光への曝露の後のET1 サイトカインにより誘導されうるTNF-アルファ 発現の高い発現は、後者はメラニン形成において中心的な役割を果たしている TNF アルファの発現上昇に厳密に関連しているため、チロキシンの作用に勝る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に鑑み、アルブチンを含む既知の組成物の欠点を克服することができる新規な製剤が求められていることは明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者はこのたび、アルブチン、アスコルビン酸およびオレウロペインまたはその誘導体を含み、所望により、イオネンポリマーを含んでいてもよい分子複合体を調製した。この複合体は新規な安定な分子を表し、これによって矛盾した色素沈着過度現象を示すことなく既知の組成物よりも高濃度のアルブチンを含む組成物の調製物を得ることを可能にする;それゆえ、この複合体はそれ自体で新規な分子を表す。
【0006】
具体的には、アルファアルブチン、アスコルビン酸およびオレウロペイン、そして所望によりイオネンポリマーを同じ比で適当な反応条件で混合することにより、これら化合物間の3または4分子複合体が生成し、ここで、オレウロペインのフェニル基のヒドロキシルがアスコルビン酸のヒドロキシルと反応し、酸化に対する耐性および安定性を付与する; アルブチンのフェニル基のパラヒドロキシルはアスコルビン酸の遊離のヒドロキシルと相互作用し、その結果、安定な結合が形成され、ここで、酸素が負の電荷を獲得する。それゆえ、3分子複合体は下記式 (I)を有する:
【化1】


【0007】
上記の化合物の間の相互作用はアスコルビン酸作用にさらに安定性および有効性を与える。さらに、イオネンポリマーの添加により、アスコルビン酸の酸素原子上の負の電荷が、正の電荷を有するイオネンポリマーのアミン窒素と相互作用し、それによって下記式 (II)を有する4分子複合体が形成する:
【化2】


【0008】
上記化合物の間の相互作用を図 1に示す。
【0009】
本発明による調製物において、アルファアルブチン、アスコルビン酸 (LAA)およびオレウロペインを含むオリーブ(olea europea)、および所望によりイオネンポリマーの濃度は、複合体が一つの分子を形成するよう同じ比率でなければならず、該複合体は、チロシナーゼ酵素活性を阻害することにより作用するだけでなく、同時にET1放出を誘導するすべてのカスケード機構およびその他のTNFα形成を刺激するシグナルを阻害することによって上流の作用を示し、後者は矛盾した色素沈着過度に直接関与する媒体の1つである。
【0010】
オレウロペイン、チロソールおよびヒドロキシチロソール(後者の2つもオリーブ(olea europea) 抽出物中にみられる)は、矛盾した色素沈着過度に関与し、メラノサイトの中でET によって惹起されるこれら細胞内シグナルを媒介する(ETbR mRNA 発現を含む)サイトカイン IL1αおよび TNFαに対する直接的作用を誘導する。上記複合体の作用機構の説明は、本明細書においては必須ではないが、様々な作用機構が考えられる: TNF アルファのH原子の間の結合が、分子複合体がTNFα 三次元立体配置に三次元的に類似するために形成されうる、即ち、複合体がケラチノサイトおよびその他の皮膚細胞からのTNF アルファ 受容体に結合しうる(図3、4)。本発明による複合体を含む製剤は、細胞内および細胞外作用の両方を有する。複合体はピノサイトーシスまたはエンドサイトーシス工程により細胞へと移動する。というのは本発明による製剤は 3.0 〜 5.5のpHを有し、より正確には3.7〜 4.4のpHを有するからである;細胞内および細胞外環境の間のこのpHの相違により、物質が細胞外から細胞内環境へとピノサイトーシスまたはエンドサイトーシスによって移動することが可能となる。新規な複合体はTNFα 産生刺激に対して直接的作用を有するはずである。天然化合物からできている該複合体は、チロシナーゼ阻害を介して細胞毒性作用なしにメラニン過剰産生の阻害を可能とし、さらに、通常の生物免疫応答に影響することなく、TNFα 産生、即ちその皮膚レベルでのおよび/またはTNFαが関与する疾患の悪化における副作用を選択的に破壊し、その一方で、チロシナーゼ酵素産生を誘導する遺伝子の発現に対して作用しない。新規な複合体は、メラニン分布を再平衡化および表皮レベルで均一にすることにより、皮膚が均一な色を呈することを可能にし、さらに光線放射への曝露の後の細胞のDNA損傷の修復において作用する。メラニン合成がTNFαによって刺激され得るという事実に鑑み、本発明の目的の複合体の作用は、免疫応答を変化させずに上記様々なレベルでの発現を選択的に制御することである。本発明による複合体の可能性のある作用機構はそれらの類似のスラミン構造を観察することにより確認できる。実際、スラミンが TNF アルファ 受容体に対する阻害作用を有することが確認されている(Biochem Pharmacol 1999 sept. 1;58 (5): 851-9、"Inhibition of Tumor necrosis factor alpha/alpha receptor binding by structural analogues of suramin" di Mancini F et al.)。スラミン分子を観察することにより、4つの環から本発明による複合体の構造が想起される。スラミンの第4の環はベンゼン環であるが、本発明による分子においては、それはビタミン Cのラクトン環によって表され、さらに、右旋性および左旋性形態の両方における同じ分子によって構成されるスラミンはより大きいが、これら2つの分子は特定の三次元での類似性を示す (図2参照)。おそらく細胞の内側で、本発明の目的である分子複合体はチロシナーゼに対する直接的作用により漂白作用を発揮し、したがって TNFα作用を低下させ、ミトコンドリア DNA損傷を修復する。スラミン作用はDNA修復に対するよりも抗炎症性である。さらに、スラミンは細菌発育抑制剤(antiblastic)として、および化学療法において使用され、それゆえその副作用は関連している (Cancer. 1999 Nov 1;86(9): 1733-41. Combining suramin and a chimeric toxin directed to basic fibroblast growth factor receptors increases therapeutic efficacy against human melanoma in an animal model. Davol PA、Garza S、Frackelton AR Jr.) (Anat Embryol (Berl). 2003 Feb; 206 Teratogenic effects of suramin on the chick embryo. Manner J、Seidl W、Heinicke F、Hesse H)。
【0011】
本発明による複合体はいままでにみられなかった作用を示し、実際、それはコラーゲン合成を促進し、細胞の損傷を修復し、医薬、皮膚科学および美容分野において用いられるすべての物質の作用を安定化および増強し、複合体化した物質の浸透を可能とし、それらの正の特徴を促進し、治療上および美容上の有効性を増強する。本発明による分子複合体は(タンパク質生合成にも作用することにより)細胞質内作用を有するであろうし、同時に、細胞内作用を有し、ミトコンドリアおよび核にてDNAを安定化し、侵害受容に対するDNA の耐性を高め、DNAが既に損傷されている場合であっても、迅速な修復またはアポトーシスを誘導するであろう。
【0012】
それゆえ本発明の目的は、アスコルビン酸 またはその誘導体、オレウロペインまたはその誘導体およびアルブチンまたはその誘導体を含む分子複合体の、以下の工程を含む調製方法である: a) 40〜50℃の温度で水中に適当な量のアスコルビン酸またはその誘導体を可溶化する工程、および; b)等量のオレウロペインまたはその誘導体をアスコルビン酸またはその誘導体に添加し、次いでアルファまたはベータアルブチンまたはその誘導体を添加し、透明な溶液が得られるまで混合する工程。分子複合体はさらにイオネンポリマーを含んでいてもよく、それゆえ複合体の調製方法はさらに以下の工程を含んでいてもよい:c) 0.01 〜20%の範囲の可変濃度にてイオネンポリマーを添加する工程。溶液はスターラーヒーターを用いて4.500 回転までにてホモゲナイザーにより調製することが出来、実際、これにより完全な生成物の均質化および3または4分子複合体形成が助けられる。複合体成分の間の反応の際に水の形成が観察されうる。オレウロペインはオリーブ(olea europea) 抽出物を用いて添加してもよく、好ましくは、水性抽出物を用いる。アスコルビン酸はL- アスコルビン酸であり得るが、アスコルビン酸誘導体はアスコルビン酸と脂肪酸とのエステル、例えば、パルミチン酸アスコルビルおよびそれらの塩であり得る。イオネンポリマーは一般式 (III)を有しうる: [-N(CH3)2-(CH2)x-N(CH3)2-(CH2)y-]-2Z- (III)、ここで、xおよびyは1 〜 10の整数、好ましくは2〜5であり、Zはハロゲン、例えば、BrまたはClである。イオネンポリマーは1 ,4-ジクロロブタンと テトラメチレンジアミンとの反応によりえられ得る。さらに、イオネンポリマーは1 ,4-ジクロロブタンと、 ポリ(オキシエチレン(ジメチルイミノ)-エチレン(ジメチルイミノ)エチレン ジハライド)、ポリ(2-ヒドロキシエチレン-ジメチルイミノ-2-ヒドロキシプロピレン- ジメチルイミノ メチレン)ジハライド、ポリ[{アルキル-(3- アンモニオプロピル)イミノ}トリメチレン ジハライド]、ポリ-[ジアルキル-イミノ)エチレン ハライド] または ポリ-[(ヒドロキシ-ジアルキル-イミノ)エチレンハライドとの反応によって得られるものから選択されうる。
【0013】
分子複合体形成成分である、アスコルビン酸またはその誘導体、オレウロペインまたはその誘導体およびアルブチンまたはその誘導体、イオネンポリマーの重量パーセンテージは、それぞれ独立に 0,01〜35%、好ましくは0,5% 〜20%、より好ましくは1 % 〜12%の範囲である。
【0014】
上記方法によって得られうる、アスコルビン酸、例えば L-アスコルビン酸、またはその誘導体、オレウロペインまたはその誘導体、アルファ またはべータアルブチンまたはその誘導体を含む分子複合体は本発明の目的である。アスコルビン酸誘導体は、アスコルビン酸と脂肪酸とのエステル、例えば パルミチン酸アスコルビルまたはその塩であり得る。
【0015】
分子複合体はさらにイオネンポリマーを含んでいてもよい。 イオネンポリマーは一般式 (III)を有しうる: [-N(CH3)2-(CH2)x-N(CH3)2-(CH2)y-]-2Z- (III) 、ここでxおよびy は1〜10の整数、好ましくは2〜 5であり、Zはハライド、例えば Brまたは Clである。具体的には、イオネンポリマーは1 ,4- ジクロロブタンとテトラメチレンジアミンとの反応により得られうる。イオネンポリマーの例は、1 ,4-ジクロロブタンと、ポリ(オキシエチレン(ジメチルイミノ)-エチレン(ジメチルイミノ)エチレン ジハライド)、ポリ(2-ヒドロキシエチレン-ジメチルイミノ-2-ヒドロキシプロピレン- ジメチルイミノ メチレン)ジハライド、ポリ[{アルキル-(3- アンモニオプロピル)イミノ}トリメチレン ジハライド]、ポリ-[ジアルキル-イミノ)エチレン ハライド]またはポリ-[(ヒドロキシ-ジアルキル-イミノ)エチレン ハライドとの反応により得られるものである。イオネンポリマーは医薬分野におけるその性質にとって重要な有効成分であり、本明細書において抗老化剤として用いられ、その他の化合物と組みあわさって、医学、薬学および美容分野において用いられたことのない新規な複合体を形成する。
【0016】
分子複合体形成成分である、アスコルビン酸またはその誘導体、オレウロペインまたはその誘導体およびアルブチンまたはその誘導体、イオネンポリマーの重量パーセンテージは、 0.01 〜 35%、好ましくは 0.5%〜 20%、より好ましくは 1 % 〜 12%の範囲であり、イオネンポリマーは0.01% 〜 20%の範囲である。
【0017】
複合体のオレウロペインはオリーブ(olea europea) 抽出物、好ましくは水性抽出物を用いて提供することが出来る。
【0018】
本発明による分子複合体は医薬分野において有利に用いることが出来る。
【0019】
上記分子複合体を有効成分として、医薬上または美容上許容される1以上の補助剤および/または賦形剤とともに含む組成物が本発明のさらなる目的である。該組成物はさらにホルモン、例えばメラトニンを含んでいてもよい。
【0020】
本発明による組成物はさらにチロソールおよびヒドロキシチロソールを含んでいてもよい。さらに、該組成物はビタミン A および/または ビタミン E (アルファ トコフェロール)を、例えば、0.01% 〜20%、好ましくは2%〜7%の濃度で好ましくはその酢酸塩形態において含んでいてもよい。
【0021】
本発明による組成物はさらに、アロエ(Aloe)および/またはサボテン(Opunzia)およびそれらからの誘導体を含んでいてもよい。さらに、組成物は漂白物質、例えば、コウジ酸(cogic acid)、アゼライン酸、リコリッシュ抽出物(liquorice extract)を含んでいてもよいし、あるいは、すぐに使用できる細胞エネルギー(ADPまたはATPまたはNADH)を提供する物質としてアデノシン三リン酸またはニコチンアミドを含んでいてもよい。組成物はさらに、グリコール酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、L-アスパラギン酸、グルコン酸、フィチン酸(fitic acid)、トランスおよびシス-レチノイン酸からなる群から選択される1以上の化合物を、例えば、0.5% 〜20%の濃度で、一方、トランスおよびシス-レチノイン酸を0.01%〜5%の濃度で含んでいてもよい。特に、フィチン酸(fitic acid) はクリームを赤色にする。
【0022】
さらに、本発明による組成物は、1以上の軟化剤、流動剤(flowing)、乳化剤、保存料、界面活性剤、殺菌剤を含んでいてもよい。 例えば、軟化剤は0.1%〜10%の濃度の、好ましくは5% 〜9%のセチルエステルであり、流動剤(flowing)は0.1%〜15%の濃度の、好ましくは5%〜 12%のステアリルアルコール、または 5% 〜12%の濃度のシェリル(cheryl)アルコールから選択され、乳化剤は、0.1% 〜 6%、好ましくは2%〜5%の濃度のセチルアルコール、0.1 %〜20%、好ましくは2%〜 20%の濃度のグリセリン、0.1 % 〜1.5%、好ましくは0.5% 〜 1.0%のラウリル硫酸ナトリウムから選択される。
【0023】
セチルエステルは合成起源のものであり、化学組成および性質に関する限り天然の鯨ろうに由来する蝋からいずれにせよ識別不可能である。該エステルはアルコールに加えて14〜18の炭素原子を含む脂肪酸のエステルの混合物からなり、それらは軟化剤または「柔軟剤」として製剤に含めることが出来る。セチル エステル、ステアリルアルコール、セチルアルコール、およびグリセリンは正の作用により皮膚への塗布を促進する保湿基礎クリームを形成する。以下の3成分は本発明による製剤の安定性を改善させることが示された。
【0024】
脱イオン水または蒸留水は本発明による製剤中に希釈剤として作用すると同時に湿潤性を有する不活性担体として存在しうる。
【0025】
使用する保存料は 0.1 %〜 0.4%、好ましくは0.05%〜 0.3%の濃度のメチルパラベンであり得る。界面活性剤は、0.01% 〜 0.15%、好ましくは 0.05% 〜 0.12%の濃度で存在しうる。殺菌剤は0.01% 〜 0.1%、好ましくは0.02%〜 0.05%の濃度のプロピルパラベンであり得る。
【0026】
本発明による組成物は、セラム、溶液、ゲル、乳液、クリーム、スプレー、錠剤、カプセル、坐薬、医療用具、例えば、ガーゼ、包帯、絆創膏、シリコンバー、静脈内、筋肉内、腹腔内(ipo-)または皮内浸潤のためのバイアルの形態に調製することが出来る。
【0027】
本発明の好ましい態様によると、組成物は、0.01重量%〜20重量%の各成分である、イオネンポリマー、オリーブ(Olea Europea)、アルブチン、L-アスコルビン酸; 0.5重量% 〜 20重量%の、コウジ酸(cogic acid)、アゼライン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、L-アスパラギン酸、グルコン酸からなる群から選択される酸; 0.01重量%〜5重量%のトランス-シスレチノイン酸 (ビタミン A); 0.5重量%〜 10重量%のビタミン E酢酸塩; 0.1重量% 〜10重量%の天然または合成のビタミン;を1以上の医薬上または美容上許容される補助剤および/または賦形剤とともに含む。本発明の別の好ましい態様は、 2.1 % イオネンポリマー、5% アルファアルブチン、5% アスコルビン酸 (LAA)、5% オリーブ(Olea Europea)、0.08% シス- レチノイン酸 (ビタミン A)、0.5% ビタミン E酢酸塩、4.2% コウジ酸( cogic acid)、8.4% セチル エステル、4% セチルアルコール、10% グリセリン、0.2% メチルパラベン、0.02% プロピルパラベン、0.1 % カチオン性界面活性 クオタニウム(Quaternium)/15、2.5% ラウリル硫酸ナトリウム、100%までの脱イオン水にある。本発明の別の好ましい態様 はDNA損傷の修復のために、または前癌状態において有用であり得る12% アルファアルブチン、L アスコルビン酸およびオリーブ(Olea Europea)の3分子複合体からなり、以下を含む漂白クリームの組成物にある: 34-50% 水、0.2-4% キサンタンガム、0.4-1% EDTA、5-20% グリセリン、2-10% トランスクトール、1.0% アミグダロール(Amigdalol)、3-8% マカダミア、3-10% ミリスチン酸イソプロピル、1-6% セチル(Cetylic)3M、3-10% ファッティラン(Fattilan)、0.05-2% BHT、0.4-2% UBF、0.1-3% ジメチコン、0.05-1% サボテン(Opuntia)、12% アルブチン、12% オリーブ、12% L-アスコルビン酸、1.0% 〜 20.0% 水酸化ナトリウム(Sodium hydrate)、0.4-4% グレープフルーツ種子。
【0028】
上記に規定した組成物は医学、薬学および美容分野において有益に利用することが出来る。
【0029】
本発明の別の側面は、上記の分子複合体および上記の組成物の例えば、皮膚および非審美性の美容または医学処置のための使用に関し、用いる濃度に依存するが、例えば、皮膚の老化、しわ、肝斑に対しての使用、光線角化症を含む皮膚の色素沈着過剰および前癌状態の治療のための使用にも関する。
【0030】
本発明のさらなる目的は、あらゆる植物または動物起源由来のコラーゲンまたはフィブリン接着剤とともの、皮膚疾患、粘膜、および漿膜を局所的治療するための、抗炎症治療のための、光線角化症の治療のための、創傷治癒相の治療のための、および炎症後色素沈着過度の予防のための、おそらくはメラトニンに関連する傷(sore)の治療のための、糖尿病性皮膚潰瘍、および皮膚の急性または慢性病巣の治療のための、口腔粘膜の病巣の治療のための、皮膚腫瘍の予防および治療のための、乾癬の治療のための、毛包炎の治療のための医薬の調製のための、本発明による分子複合体および組成物の使用である。
【0031】
添付の図面の図および実施例を特に参照して本発明を好ましい態様にしたがって限定する目的ではなく例示のために記載している。
【0032】
図中、
図 1は、アスコルビン酸、アルブチン、オレウロペインおよびイオネンポリマーの4分子複合体の分子間の相互作用を示す。
【0033】
図 2は、本発明による4分子複合体の式およびスラミンとの比較を示す。
【0034】
図 3は、3分子複合体の三次元構造を示す。
【0035】
図 4は、TNF アルファ 受容体と3分子複合体との結合を示す。
【0036】
図 5は、本発明の組成物による皮膚の色素沈着過剰および光線角化症の9 ヶ月の治療の結果を示す。
【0037】
図 6は、糖尿病性傷(sore)の本発明による組成物の使用による回復工程を示す。
【0038】
図 7は、本発明による組成物の使用による6 週間治療後の皮膚に対する漂白作用を示す。
【0039】
図 8は、本発明による組成物による顔の日焼けの治療の結果を示す。
【0040】
図 9は、本発明による組成物での顔の毛包炎の治療の結果を示す。
【0041】
図 10は、本発明による組成物による胸部ケロイドの治療の結果および漂白作用を示す。
【0042】
実施例 1: 本発明による組成物
以下を含む12% アルファアルブチン、L アスコルビン酸およびオリーブ(Olea Europea)の3分子複合体を含む漂白クリーム:
34,0% 水、
0.2% キサンタンガム、
0.04% Edta、
5.0% グリセリン、
5% トランスクトール、
1.0% アミグダロール(Amigdalol)、
3.0% マカダミア、
3.0% ミリスチン酸イソプロピル、
3.0% セチル(cetylic)3M、
6.41 % ファッティラン(Fattilan)、
0.5% BHT、
0.4% UBF、
1.0% ジメチコン、
0.05% サボテン(Opuntia)、
12.0% アルブチン、
12.0% オリーブ、
12.0% L-アスコルビン酸、
1.0% 水酸化ナトリウム(Sodium hydrate)、
0.4% グレープフルーツ種子。
【0043】
組成物の調製は以下の工程を含む:
1) 第一段階: アルブチン、オリーブおよびビタミン Cを40/50℃の温度で水に溶解し、ホモゲナイズし、次いで溶液が透明になるまで可溶化した。
2) 第二段階: キサンタンガム、グリセリン、トランスクトール、etda4ナトリウムを水 に70℃の温度で可溶化した。
3) 第三段階: アミグダロール(Amigdalol)、マカダミア、ミリスチン酸イソプロピル、セチル3M、ファッティラン(Fattilan)、ジメチコン、BHTを80℃までの温度で可溶化した。
4) 第四段階:第二段階、第三段階を3.500回転での均質化により混合し、全体をホモゲナイズした。
5) 第五段階: 第一段階、即ち4分子複合体、ビタミンEを温度が50℃に達した時に組成物に添加し、pHを測定し、必要により水酸化ナトリウム(Sodium hydrate)、およびグレープフルーツ種子を添加した。したがって、高い吸収性の形態のクリーム組成物が得られた。
【0044】
実施例 2: 実施例 1による組成物(12% アルファアルブチン含有クリーム)の使用による皮膚の色素沈着過剰の治療
53 歳の女性の N. Bは、散在性前癌状態であり、色素性乾皮症の可能性があった。組成物を1日2回毎日投与し、患者はクリームを均一にのばし、シミまたは前癌状態への塗布は重ねて行うよう指導され、局所的治療を2つの血管レーザー通過(vascular Laser passage)とともに行い、その一方は3ヶ月後であり、他方は病巣部周囲の皮膚毛細血管拡張症の治療のためのものであった。治療開始から9 ヶ月後、結果は強力な漂白作用および皮膚前癌状態に対する主作用を示した。以前の外科手術の瘢痕は、本発明の目的の生成物のコラーゲン刺激作用によってほとんど消失した。局所的治療のみの後に消失する前癌状態および光線角化症に対する作用はより大きい。
【0045】
図 5は治療の9 ヶ月後にどのように均一な皮膚の色が得られたを示し、過剰用量による矛盾した色素沈着過度や炎症工程の活性化はみれらなかった。
【0046】
実施例 3:実施例 1の組成物の使用による糖尿病性傷の治療
いくつかの場所でその他の生成物によって9 ヶ月以上治療されている糖尿病性傷を65歳の患者は患っていた。本発明の目的であるクリームの1日1回の局所塗布により治療を開始、メラトニン、およびビタミン C セラムおよび傷(sore)の外科的掻爬も用いた。
【0047】
図 6は、治療2 ヶ月後の糖尿病性傷の回復工程を示す。
【0048】
実施例 4: 実施例 1の組成物を用いたケロイド治療および皮膚の漂白
35歳の患者は黒色人種であり、子供の時に起こった以前の事故による火傷に起因する胸部ケロイドを有していた; これらケロイドは非弾性の固形新生物として現れ、さわると硬く、移動せず、むしろ皮下の面に固定されていた。患者は毎日用量1 gの本発明の目的である新規クリームを1日2回塗布することにより治療された。患者はより暗色の皮膚領域には塗布を重ねた。クリームは1日2回胸部ケロイドにも塗布した。
【0049】
7 週間後、皮膚の漂白がみられただけでなく、ケロイドはより軟らかくなった。 これはさわったり指ではさむ操作により主に示された(図7および10)。
【0050】
クリームを顔面全体に均一に塗布し、シミには重ねて塗布した。胸部の全体の漂白も示された。
【0051】
実施例 5:実施例 1の組成物を用いる顔の日焼けの治療
強い日光に当たった後に肝斑を患う39 歳の女性の患者は二次的な表面の火傷を示す。患者を本発明の目的であるクリームの局所塗布とメラトニンとの組合せにより治療した。抗炎症薬またはステロイドまたはその他の種類の再上皮形成薬はそれら生成物それ自体が活性であるためにいずれも用いなかった。患者は治療の7日後いかなる種類の炎症後色素沈着過度も有さず、むしろ顔にひろがっていた肝斑は結果的に顕著に減少した。塗布は以下のように行った:本発明の目的である4分子複合体を含むクリームを、毎朝一度塗布し、シミの上には重ねて塗布した。患者は毎晩メラトニンを含むクリームの局所塗布を行った。図 8は4 週間後の漂白および再上皮形成を示す。この3分子複合体と組み合わせたメラトニンの抗炎症作用を示すために、ステロイド局所治療は行わなかったことに注目すべきである。
【0052】
注目すべきことに、1日2回顔に塗られた新規な分子は肝斑および日焼けを治療するだけでなく、通常は確実に肝斑の患者にみられるであろう炎症後色素沈着過度が結果として起こることを妨げた。さらに、炎症後色素沈着過度は部分的にTNF アルファにより引き起こされ、これは新規な分子の有益な効果のさらなる証拠である。
【0053】
実施例 6:実施例 1の組成物を用いる顔の毛包炎の治療
35歳の患者は顎髭部分の付近に散在した顔の毛包炎を患っていた。さらに、顎、額および目周囲の領域付近に散在した色素沈着過度が観察された。患者は1日1回本発明の目的である複合体を均一に含むクリームを塗布することにより治療を行い、シミおよび毛包炎の上には半分のグラム数の量の塗布を1日1回重ねて行った。4週間後、毛包炎は溶解し、皮膚の色は均一となり、コラーゲン刺激により血管新生および緻密さが改善された(図 9)。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図 1は、アスコルビン酸、アルブチン、オレウロペインおよびイオネンポリマーの4分子複合体の分子間の相互作用を示す。
【図2】図 2は、本発明による4分子複合体の式およびスラミンとの比較を示す。
【図3】図 3は、3分子複合体の三次元構造を示す。
【図4】図 4は、TNF アルファ 受容体と3分子複合体との結合を示す。
【図5】図 5は、本発明の組成物による皮膚の色素沈着過剰および光線角化症の9 ヶ月の治療の結果を示す。
【図6】図 6は、糖尿病性傷(sore)の本発明による組成物の使用による回復工程を示す。
【図7】図 7は、本発明による組成物の使用による6 週間治療後の皮膚に対する漂白作用を示す。
【図8】図 8は、本発明による組成物による顔の日焼けの治療の結果を示す。
【図9】図 9は、本発明による組成物での顔の毛包炎の治療の結果を示す。
【図10】図 10は、本発明による組成物による胸部ケロイドの治療の結果および漂白作用を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、アスコルビン酸またはその誘導体、オレウロペインまたはその誘導体およびアルブチンまたはその誘導体を含む分子複合体の調製方法:
a)適当な量のアスコルビン酸またはその誘導体を、40〜50℃の温度で水中に可溶化する工程;
b)等量のオレウロペインまたはその誘導体を、次いでアルブチンまたはその誘導体をアスコルビン酸またはその誘導体に透明な溶液が得られるまで混合することにより添加する工程。
【請求項2】
さらに以下の工程を含む、イオネンポリマーをさらに含む分子複合体の調製のための請求項 1の方法:
c) 0.01% 〜20%の範囲の濃度のイオネンポリマーを添加する工程。
【請求項3】
オリーブ抽出物を用いてオレウロペインを添加する請求項1または2の方法。
【請求項4】
オリーブ抽出物が水性抽出物である請求項 3の方法。
【請求項5】
アスコルビン酸がL-アスコルビン酸である請求項1から4のいずれかの方法。
【請求項6】
アスコルビン酸誘導体がアスコルビン酸と脂肪酸とのエステルおよびその塩である請求項1から5のいずれかの方法。
【請求項7】
アスコルビン酸と脂肪酸とのエステルがパルミチン酸アスコルビルである請求項 6の方法。
【請求項8】
アルブチンがアルファまたはベータアルブチンである請求項1から7のいずれかの方法。
【請求項9】
イオネンポリマーが一般式 (III)を有する請求項2から8のいずれかの方法:
[-N(CH3)2-(CH2)x-N(CH3)2-(CH2)y-] 2Z- (III)
{式中、xおよびyは1〜10、好ましくは 2〜5の整数であり、Zはハライドである}。
【請求項10】
ZがBrまたはClである請求項 9の方法。
【請求項11】
イオネンポリマーが1,4-ジクロロブタンとテトラメチレンジアミンとの反応により得られる請求項2から10のいずれかの方法。
【請求項12】
イオネンポリマーが、1 ,4- ジクロロブタンと、ポリ(オキシエチレン(ジメチルイミノ)-エチレン(ジメチルイミノ)エチレン ジハライド)、ポリ(2-ヒドロキシエチレン- ジメチルイミノ-2-ヒドロキシプロピレン-ジメチルイミノ メチレン)ジハライド、ポリ[{アルキル-(3-アンモニオプロピル)イミノ}トリメチレン ジハライド]、ポリ-[ジアルキル- イミノ)エチレン ハライド] またはポリ-[(ヒドロキシ-ジアルキル-イミノ)エチレン ハライドとの反応によって得られるもののなかから選択される請求項2から11のいずれかの方法。
【請求項13】
分子複合体を形成する成分であるアスコルビン酸 またはその誘導体、オレウロペインまたはその誘導体およびアルブチンまたはその誘導体の重量パーセンテージが0.01〜35%の範囲である請求項1から12のいずれかの方法。
【請求項14】
該成分の重量パーセンテージが0.5% 〜 20%の範囲である請求項 13の方法。
【請求項15】
該成分の重量パーセンテージが1%〜12%の範囲である請求項14の方法。
【請求項16】
請求項 1〜15のいずれかの方法によってえられ得る、アスコルビン酸またはその誘導体、オレウロペインまたはその誘導体、アルファまたはベータアルブチンまたはその誘導体を含む分子複合体。
【請求項17】
アスコルビン酸がL-アスコルビン酸である請求項 16の分子複合体。
【請求項18】
アスコルビン酸誘導体がアスコルビン酸と脂肪酸とのエステルまたはその塩である請求項 16の分子複合体。
【請求項19】
アスコルビン酸と脂肪酸とのエステルがパルミチン酸アスコルビルである請求項 18の分子複合体。
【請求項20】
アルブチンがアルファまたはベータ アルブチンである請求項16 〜 19のいずれかの分子複合体。
【請求項21】
さらにイオネンポリマーを含む請求項16 〜20のいずれかの分子複合体。
【請求項22】
イオネンポリマーが一般式 (III)を有する請求項 21の分子複合体:
[-N(CH3)2-(CH2)x-N(CH3)2-(CH2)y-]-2Z- (III)
{式中、xおよびyは1から10、好ましくは2から5の整数であり、Zはハライドである}。
【請求項23】
ZがBrまたはClである請求項 22の分子複合体。
【請求項24】
イオネンポリマーが1 ,4-ジクロロブタンとテトラメチレンジアミンとの反応により得られる請求項16 〜 23のいずれかの分子複合体。
【請求項25】
イオネンポリマーが、1 ,4-ジクロロブタンと、ポリ(オキシエチレン(ジメチルイミノ)- エチレン(ジメチルイミノ)エチレン ジハライド)、ポリ(2-ヒドロキシエチレン- ジメチルイミノ-2-ヒドロキシプロピレン-ジメチルイミノ メチレン)ジハライド、ポリ[{アルキル-(3-アンモニオプロピル)イミノ}トリメチレン ジハライド]、ポリ-[ジアルキル- イミノ)エチレン ハライド] またはポリ-[(ヒドロキシ-ジアルキル-イミノ)エチレンハライドとの反応により得られるもののなかから選択される請求項16 〜 23のいずれかの分子複合体。
【請求項26】
分子複合体を形成する成分である、アスコルビン酸またはその誘導体、オレウロペインまたはその誘導体およびアルブチンまたはその誘導体の重量パーセンテージが0.01〜35%の範囲である請求項16〜 25のいずれかの分子複合体。
【請求項27】
該成分の重量パーセンテージがそれぞれ独立に0.5%〜20%の範囲である請求項16〜 25のいずれかの分子複合体。
【請求項28】
該成分の重量パーセンテージがそれぞれ独立に1%〜12%の範囲である請求項16〜 25のいずれかの分子複合体。
【請求項29】
イオネンポリマーの重量パーセンテージが 0.01%〜15%の範囲である請求項16-28のいずれかの分子複合体。
【請求項30】
オレウロペインがオリーブ抽出物由来である請求項16 〜29のいずれかの分子複合体。
【請求項31】
オリーブ抽出物が水性抽出物である請求項 30の分子複合体。
【請求項32】
医薬分野における使用のための請求項16〜 31のいずれかの分子複合体。
【請求項33】
活性成分として請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体を医薬上活性または美容上許容できる1以上の補助剤および/または賦形剤とともに含む組成物。
【請求項34】
さらにホルモンを含む請求項 33の組成物。
【請求項35】
ホルモンがメラトニンである請求項 34の組成物。
【請求項36】
チロソールおよびヒドロキシチロソールをさらに含む請求項33 〜35のいずれかの組成物。
【請求項37】
さらにビタミン A および/または ビタミン Eを含む請求項33-36のいずれかの組成物。
【請求項38】
ビタミン A および/または ビタミン Eが0.01%〜20%の濃度で存在する請求項 37の組成物。
【請求項39】
ビタミン A および/または ビタミン E が2%〜7%の濃度で存在する請求項 35の組成物。
【請求項40】
アロエおよび/またはサボテンをさらに含む請求項33-39のいずれかの組成物。
【請求項41】
漂白物質をさらに含む請求項33-40のいずれかの組成物。
【請求項42】
漂白物質が、コウジ酸、アゼライン酸、リコリッシュ抽出物からなる群から選択される請求項 41の組成物。
【請求項43】
ADP、ATPまたはNADHをさらに含む請求項33-42のいずれかの組成物。
【請求項44】
グリコール酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、L-アスパラギン酸、グルコン酸、フィチン酸、トランスおよびシス- レチノイン酸からなる群から選択される1以上の化合物をさらに含む請求項33-43のいずれかの組成物。
【請求項45】
該1以上の化合物が0.5% 〜20%の濃度で存在し、レチノイン酸が0.01%〜5%の濃度で存在する請求項 44の組成物。
【請求項46】
1以上の軟化剤、流動剤、乳化剤、保存料、界面活性剤、殺菌剤をさらに含む請求項33-45のいずれかの組成物。
【請求項47】
軟化剤が0.1%〜10%の濃度のセチルエステルである請求項 46の組成物。
【請求項48】
セチルエステルが5%〜9%の濃度で存在する請求項 47の組成物。
【請求項49】
流動剤が、0.1%〜15%の濃度のステアリルアルコールおよび、5%〜12%の濃度のシェリルアルコールから選択される請求項 46の組成物。
【請求項50】
ステアリルアルコールが5% 〜12%の濃度で存在する請求項 49の組成物。
【請求項51】
乳化剤が、0.1%〜 6%の濃度のセチルアルコール、0.1% 〜 18%のグリセリン、0.1%〜1.5%のラウリル硫酸ナトリウムから選択される請求項 46の組成物。
【請求項52】
セチルアルコールが 2%〜 5%の濃度で存在する請求項 51の組成物。
【請求項53】
グリセリンが2%〜20%の濃度で存在する請求項 51の組成物。
【請求項54】
ラウリル硫酸ナトリウムが0.5%〜1.0%の濃度で存在する請求項 51の組成物。
【請求項55】
保存料が 0.1% 〜 0.4%の濃度のメチルパラベンである請求項 46の組成物。
【請求項56】
メチルパラベンが0.05% 〜 0.3%の濃度で存在する請求項 55の組成物。
【請求項57】
界面活性剤が0.01%〜0.15%の濃度で存在する請求項 46の組成物。
【請求項58】
界面活性剤が0.05% 〜 0.12%の濃度で存在する請求項 57の組成物。
【請求項59】
殺菌剤が0.01% 〜 0.1%の濃度のプロピルパラベンである請求項 46の組成物。
【請求項60】
プロピルパラベンが0.02% 〜0.05%の濃度で存在する請求項 59の組成物。
【請求項61】
セラム、溶液、スプレー、ゲル、乳液、クリーム、錠剤、カプセル、坐薬、医療用具の形態である請求項33−60いずれかの組成物。
【請求項62】
医療用具が、ガーゼ、包帯、絆創膏、シリコンバー、静脈内、筋肉内、腹腔内または皮内浸潤のためのバイアルの形態である請求項 61の組成物。
【請求項63】
医薬上または美容上許容される1以上の補助剤および/または賦形剤とともに、イオネンポリマー、オリーブ、アルブチン、L-アスコルビン酸の各成分を0.01重量% 〜20重量%; コウジ酸、アゼライン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、L-アスパラギン酸、グルコン酸からなる群から選択される酸を1.5重量%〜10重量%;トランス-シスレチノイン酸 (ビタミン A)を0.01重量%〜 5重量%;ビタミン E 酢酸塩を0.5重量%〜10重量%;天然または合成ビタミンを0.1重量%〜10重量%;含む、請求項33-62のいずれかの組成物。
【請求項64】
2.1% イオネンポリマー、5% アルファアルブチン、5% アスコルビン酸 (LAA)、5% オリーブ、0.08%シス-レチノイン酸 (ビタミン A)、0.5% ビタミン E 酢酸塩、4.2% コウジ酸、8.4% セチルエステル、4% セチルアルコール、10% グリセリン、0.2% メチルパラベン、0.02% プロピルパラベン、0.1% カチオン性界面活性クオタニウム/15、2.5% ラウリル硫酸ナトリウム、100%までの脱イオン水からなる請求項33-63のいずれかの組成物。
【請求項65】
34- 50% 水、0.2-4% キサンタンガム、0.4-1% EDTA、5-20% グリセリン、2-10% トランスクトール、1.0% アミグダロール、3-8% マカダミア、3-10% ミリスチン酸イソプロピル、1-6% セチル3M、3-10% ファッティラン、0.05-2% BHT、0.4-2% UBF、0.1-3% ジメチコン、0.05-1 % サボテン、12% アルブチン、12% オリーブ、12% L-アスコルビン酸、1.0% -20.0% 水酸化ナトリウム、0.4-4% グレープフルーツ種子からなる請求項33-63のいずれかの組成物。
【請求項66】
医薬分野における使用のための請求項33- 65のいずれかの組成物。
【請求項67】
請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の、皮膚および非審美性の美容的処置のための使用。
【請求項68】
皮膚の老化およびしわに対する処置のための請求項 67の使用。
【請求項69】
皮膚の色素沈着過剰の治療のための請求項 67の使用。
【請求項70】
請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の皮膚の色素沈着過剰の治療のための医薬の調製のための使用。
【請求項71】
請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の、前癌状態の治療のための医薬の調製または化学療法薬の調製のための使用。
【請求項72】
皮膚、粘膜、および漿膜疾患の局所治療のための医薬の調製のための、植物または動物起源あるいはフィブリン接着剤由来のコラーゲンと共の、請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。
【請求項73】
抗炎症治療用医薬の調製のための請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。
【請求項74】
光線角化症の治療用医薬の調製のための請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。
【請求項75】
創傷の治療用医薬の調製のための請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。
【請求項76】
傷の治療用医薬の調製のための請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。
【請求項77】
糖尿病性皮膚潰瘍および皮膚の急性または慢性病巣の治療用医薬の調製のための請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。
【請求項78】
口腔粘膜病巣の治療用医薬の調製のための請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。
【請求項79】
皮膚腫瘍の予防および治療用医薬の調製のための請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。
【請求項80】
乾癬の治療用医薬の調製のための請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。
【請求項81】
毛包炎、および自己免疫を含むその他の皮膚科学病巣の治療用医薬の調製のための請求項16 〜 31のいずれかの分子複合体および請求項33 〜66のいずれかの組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−546759(P2008−546759A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517704(P2008−517704)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【国際出願番号】PCT/IT2006/000464
【国際公開番号】WO2006/137100
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(506225031)メッド・ケア・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (2)
【氏名又は名称原語表記】MED CARE S.r.l.
【Fターム(参考)】