説明

ウエハキャリアの温度補償によってウエハの表面温度を変化させるシステム及び方法

【課題】 ウエハ基板を均一に加熱するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】 化学蒸着反応装置などのウエハ処理システムに用いられるウエハキャリアに配置されるウエハ基板を均一に加熱するシステム及び方法である。ウエハ区画の第1パターン、例えば、ウエハキャリアの1つ又は複数のリングが、ウエハキャリアの表面に設けられ、ウエハキャリアの材料と異なる嵌込み材料の第2パターンが、ウエハキャリアの底面に嵌め込まれる。嵌込み材料の第2パターンは、ウエハ区画の第1パターンとは実質的に相補的な関係にある。その結果、ウエハ区画のない中間領域には、少なくともウエハとウエハ区画とを有するウエハ支持領域におけるよりも多い材料接触面が存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
Si系又はGaN系ウエハなどの薄い基板に適用される化学蒸着プロセスを含む多くの工業用用途にとって、均一に加熱することは重要である。いくつかの化学蒸着システムでは、1つ又は複数のウエハ基板が、通常、1つ又は複数のウエハ区画又はウエハポケットを有するウエハキャリアを含む反応装置内に配置される。次いで、ウエハキャリアとウエハ基板は、反応装置内で加熱され、基板表面の近傍で反応するガスに晒される。この反応によって、薄いエピタキシャル材料層がウエハ基板の表面に成長し、所望の結晶構造がその表面に生成される。得られた処理されたウエハは、例えば、集積回路や発光ダイオードなどの最終製品の製造に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
処理されたウエハ上に成長した層における組成の均一性は、効果的なウエハ成長にとって、重要である。例えば、いくつかの既存の基板処理システムは、ウエハ基板とウエハキャリアとの間の縁界面においてエッジ効果を呈する。これらのエッジ効果は、通常、ウエハキャリア内のウエハ基板のエッジがそのウエハ基板の残りに対して不均一に加熱された後に、観察される。不都合なことに、エッジ効果は、ウエハへのエピタキシャル成長層の不均一な蒸着をもたらすだけではなく、ウエハの一部への不純物の移動をもたらし、さらに、場合によっては、ウエハに「ポテトチップス」状の形状に至る反りをもたらすことがある。これによって、ウエハの歩留まりが低減し、ウエハの品質が低下し、処理されたウエハの欠陥や傷が増大することがある。
【0003】
これは、とりわけ、In、As、P、Mg、Te、Se、S、及びZnなどのより揮発性の成分を用いる蒸着プロセスに対して、特に当てはまる。これらのより揮発性の成分は、エピタキシャル層を基板ウエハ上に成長させるのに用いられる温度において、著しい蒸気圧を有し、ウエハ基板の全体にわたって、わずかに異なる温度のわずかに異なるガス相の平衡をもたらすことがある。従って、ウエハ基板の不均一な加熱によって、ウエハの1つの領域から他の領域への物質移動が生じる可能性がある。具体的には、ガスの流れがウエハのより温度の高い領域からわずかに温度の低い領域に移動すると、より温度の高い領域のガス相が、平衡時と比較して濃縮され、1つのウエハ領域から他のウエハ領域への質量異動を引き起こし、その結果、ウエハ表面の一部の領域だけに堆積される固相の揮発性種の組成がわずかに非対称に増大することがある。より温度の高い領域からより温度の低い領域へのこの物質移動によって、特にInを含む基板材料の場合、組成の不均一が生じる可能性がある。
【発明の開示】
【0004】
物質移動をもたらすエッジ効果を低減させながら、ウエハキャリア上のウエハの全ての部分に熱を均一に伝導することができる、ウエハ基板を均一に加熱するシステム及び方法が求められている。
【0005】
本発明によれば、その一態様として、ウエハキャリアが提供される。このウエハキャリアは、ウエハキャリア本体と、第1の材料からなる前記ウエハキャリア本体の第1の面であって、ウエハを収容する複数の区画を有する第1の面と、前記ウエハキャリア本体の前記第1の面の反対側に配置された第2の面であって、前記第1の材料と接触する第2の材料の層を含む第2の面とを備えており、前記第2の材料は、前記第2の面のうち、前記第1の面の前記複数のウエハ収容区画の実質的に反対側に当たる領域を除いて、前記第2の面の実質的に全面の範囲に及んでいる。
【0006】
また、ウエハキャリアは、別の態様として、ウエハキャリア本体と、ウエハ区画が第1のパターンで形成されている第1の面であって、前記ウエハキャリア本体の第1の材料から構成されている第1の面と、前記ウエハキャリア本体の前記第1の面の反対側に配置された第2の面であって、第2の材料が第2のパターンで配置されている第2の面とを備えたウエハキャリアであって、前記第2の材料の前記第2のパターンは、前記ウエハ区画の前記第1のパターンを実質的に反転させた関係にある。
【0007】
他の態様として、化学蒸着反応装置が提供される。化学蒸着反応装置は、反応室であって、この反応室の内側と外側を画定する一組の反応室壁と、上面と、底面とを備えた反応室と、前記反応室内に設置され、前記反応室内に少なくとも1つの外部ガス源からガスを供給するガスヘッドと、前記反応室内に設置された加熱素子と、前記サセプタ上に設置されたウエハキャリアであって、このウエハキャリアは、ウエハ区画が第1のパターンで配置された第1の面と、この第1の面の反対側に配置された第2の面とを備えており、前記第1の面は第1の材料で構成されており、前記第2の面には第2の材料が第2のパターンで嵌め込まれて配置されており、前記第2の材料の前記第2のパターンが、前記ウエハ区画の前記第1のパターンを実質的に反転させた関係にあるウエハキャリアと、前記反応室内において前記加熱素子と前記ウエハキャリアが上に設置された支持体とを備えている。
【0008】
他の態様として、ウエハ上にエピタキシャル層を堆積させる方法が提供される。この方法は、ウエハキャリアの表面に第1のパターンで配置された複数のウエハ区画に複数のウエハを置くステップであって、前記ウエハキャリアの底面には、第2のパターンで放射性材料が嵌め込まれているステップと、互いに対向する第1の面と第2の面を設けることによって、前記ウエハキャリアに熱を均一に分配するように前記ウエハキャリアを加熱するステップであって、前記構造体が、ウエハ収容領域と中間領域とを備えており、前記構造体が、前記第1の面の前記ウエハ収容領域内にウエハを収容するように構成されており、前記中間領域における前記第1の面と前記第2の面との間の熱伝導率が、前記ウエハ収容領域における前記第1の面と前記第2の面との間の熱伝導率よりも低く、前記構造体が、前記中間領域において、間に少なくとも1つの熱接触面を画定する少なくとも2つの要素を備えるステップとを含む。
【0009】
また別の態様として、互いに対向する第1の面と第2の面を画定する構造体を備えるウエハキャリアが提供される。このウエハキャリアは、前記構造体が、ウエハ収容領域と中間領域とを備えており、前記構造体が、前記第1の面の前記ウエハ収容領域内にウエハを収容するように構成されており、前記中間領域における前記第1の面と前記第2の面との間の熱伝導率が、前記ウエハ収容領域における前記第1の面と前記第2の面との間の熱伝導率よりも低く、前記構造体が、前記中間領域において、間に少なくとも1つの熱接触面を画定する少なくとも2つの要素を備える。
【0010】
ウエハキャリアの構造体をなす材料間の接触面の数を調整することによって、ウエハ加熱の均一性が著しく改良されることが、見出されている。具体的には、ウエハ区画が存在しないウエハキャリアの領域において、第1のウエハキャリア材料と第2のウエハキャリア材料との間の接触面をウエハキャリア内に追加的に設けることによって、ウエハキャリアと(エッジ効果が生じることがある)ウエハとの間の接触面の作用が相殺され、ウエハ加熱の均一性が著しく改良される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、従来の化学蒸着反応装置を簡略して示す断面図である。反応室100は、反応室上面105と、反応室壁110と、反応室底面115と、反応室ヘッド又はフランジ120とによって画定されている。ヘッド又はフランジ120は、1つ又は複数のガス源125につながっている。ガスは、ヘッド又はフランジ120を介して反応室100内に導入され、ウエハキャリア130の1つ又は複数のウエハ区画135に配置された1つ又は複数のウエハ基板140の近傍で反応に関与し、基板上に堆積する。ウエハキャリア130において、ウエハ基板140は、ウエハ区画135の表面に沿ってウエハ−キャリア接触面145を形成する。ウエハキャリア130は、通常、サセプタ150上に直接置かれるか、又は1つ又は複数のウエハキャリアタブ155を介して、サセプタ内に着座させる。サセプタ150は、1つ又は複数の加熱素子160によって加熱される。加熱素子160は、当業者に周知の形式の加熱素子用の制御回路165によって制御及び/又は監視される。加熱素子に隣接して、通常は加熱素子の下方に、熱シールド170が配置されている。
【0012】
ウエハ基板140とウエハキャリア130とサセプタ150は、スピンドル180の上に固定されている。回転式ディスク反応装置の場合、スピンドルは、反応室100の中心軸αを中心にして、モータシステム185により回転速度βで回転する。ガスは、排気通路190を介して、反応装置から排出される。
【0013】
図2は、図1の反応装置で使用される従来のタイプの複数ウエハ用のキャリアを簡略的に示す断面図である。なお、ウエハキャリアの各寸法は、正確に縮尺したものではなく、キャリアの各構成を明確にするように描いている。ウエハキャリア130は、表面200と底面210とを備えている。ウエハキャリア表面200には、1つ又は複数のウエハ区画135が設けられている。この1つ又は複数のウエハ区画135に1つ又は複数のウエハ140を置くことで、ウエハ区画135において、ウエハ140とウエハキャリア130の材料との間の境界に、ウエハ−キャリア接触面145が生成する。
【0014】
ウエハキャリアは、(1)ウエハ区画が存在する領域と、(2)ウエハ区画が存在しない領域とを備えている。ウエハ区画が存在しない領域では、ウエハキャリア130の第1面200及び第2面210と直交してウエハキャリア130を縦断するように描かれている第1の垂直線222は、他の材料との接触面に交わることはない。しかし、ウエハキャリア内にウエハが存在する領域では、第2の垂直線225は、ウエハ区画135のウエハ140自体とウエハキャリア130との間の接触面145と交わることになる。従って、ウエハ区画が存在する領域は、ウエハ区画が存在しない領域よりも多くの接触面が存在し、その結果、これらの両領域の間では、熱伝導率が異なると考えられる。
【0015】
図3Aは、本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示す断面図である。改良したウエハキャリア300は、1つ又は複数のウエハ区画335内に1つ又は複数のウエハ340を収納する。ウエハ区画335のウエハ340とウエハキャリア300との間には、接触面345が生成する。この改良したウエハキャリア300は、例えば、限定するものではないが、図1の反応室等の化学蒸着反応室において、サセプタ上に又はサセプタ内に、直接的に又はキャリアタブ310を介して、配置することができる。
【0016】
この改良したウエハキャリア300は、表面360と底面365を備え、ウエハ区画335とウエハ340は、表面360に配置されている。
【0017】
一方、ウエハキャリア300の底面365は、ウエハキャリアの材料とは異なる材料が嵌め込まれた領域350を含むように、改良されている(ここで、同一のウエハキャリアの材料からなる2つの要素間の接触面が用いられてもよいが、ウエハキャリアの材料とは異なる材料の方が好ましい)。この嵌込み領域350は、ウエハキャリア300の表面360に見られるウエハ区画335のパターン(第1パターン)に対して、写真のネガのように実質的に嵌め込み部分が反転したパターン(第2パターン)をなすように、ウエハキャリア300の底面365に形成されている。第1パターンと第2パターンを、図10Aと図10Bに詳細に示す。なお、図3の断面図は、図10A、図10Bに示す二等分線(γ)に沿ったウエハキャリアの断面図である。
【0018】
嵌込み領域350は、好ましくは、ウエハ区画が存在しないウエハキャリアの領域との間に、永久的な接触面355を形成するために、ねじ止め、溶接、又はその他の処理によって、ウエハキャリア300に永久的に結合されている。一実施形態では、ウエハキャリア300の嵌込み領域350に切られたねじ穴にねじを取り付けて、ウエハキャリアの座ぐり穴にねじ頭部を埋め込むことによって、嵌込み領域350を形成する。有利には、この接触面355は、ウエハ区画335が存在しないウエハキャリア300の一部の領域において、嵌込み領域350とウエハキャリア300との間に伝導性のバリアを形成する。
【0019】
一実施形態では、ウエハキャリア300は、好ましくは、ガラス状表面被膜(例えば、黒鉛の多孔率を約12%に減らす薄い非多孔性の表面被膜)を有する黒鉛を含む第1の材料から構成される。ウエハキャリアの嵌込み材料350として機能する第2の材料は、好ましくは、モリブデン又はその合金である。一般的には、ウエハキャリア300の構成材の全てと第2の材料350は、限定するものではないが、例えば、被膜を有しない黒鉛又はSiC、熱分解黒鉛、ファブメイト(FABMATE)(PACO GRAPHITE社の登録商標)などの種々の表面被膜を有する黒鉛、(好ましくは、ホットプレス又はCVDプロセスによって得られる)SiC、AlN、Al23などのバルク状のセラミックス、モリブデン、タングステン、TZM(ADVANCED MATERIALS AND DESIGN社の登録商標)などの高融点材料、又は表面被膜が有しているか又は有していないこれらの他の合金又は組合せを含む多数の材料から作ることができる。
【0020】
ウエハキャリア300は、互いに対向する第1の面360と第2の面365とを含む形態で示されている。さらに、ウエハキャリアは、ウエハ収容領域330とその中間領域320とに分割された形態で示されている。ウエハ収容領域330は、ウエハキャリアのうち、第1の面360にウエハ区画335を備えた部分を含んでおり、ウエハキャリアの本体は、ウエハ340を第1の面360のウエハ収容領域330に収容するように形成されている。
【0021】
中間領域320は、ウエハキャリアのうち、ウエハ区画335のない部分を含んでいる。中間領域320における第1の面360と第2の面365との間の熱伝導率は、有利には、ウエハ収容領域330における第1の面360と第2の面365との間の熱伝導率よりも低い。伝導率は、例えば、抵抗の逆数として定義することができ、電圧に対する電流の比(I/E)として測定することができる。
【0022】
中間領域320は、その中間領域においてウエハキャリアの材料との間に接触面を生成するために、異なる材料からなる嵌込み領域350を含むことができる。その結果、中間領域において、少なくとも2つの要素(嵌込み領域とウエハキャリア自体)が、それらの間に少なくとも1つの熱接触面を画定する。代替的に、中間領域320は、その中間領域においてウエハキャリアの材料との間の接触面を上と下に形成するサンドイッチ構造の領域(例えば、図4、図5を参照)として形成することができる。結果的に、ウエハキャリアの熱伝導率は、2つの異なる領域間で、実質的に等しくなる。従って、ウエハのない領域(中間領域320)では、ウエハキャリア300の第1の面360及び第2の面365と直交してウエハキャリア300を貫通する第1垂直線322は、嵌込み材料350との間の少なくとも1つの接触面355と交わる。ウエハキャリア内にウエハが存在する領域(ウエハ支持領域330)では、第2垂直線325は、ウエハ区画335においてウエハ340自体とウエハキャリア300との間のウエハ−ウエハキャリア接触面345と交わる。
【0023】
図3Bに、ウエハ区画のない領域とウエハ区画のある領域とに分割された図3Aの複数ウエハ用のキャリアの一体構造の本体305の一実施形態を示す。好ましくは、ウエハキャリア300の構造体は、ウエハキャリアの第1の面360と第2の面365の両方を画定する一体構造の本体305から構成される。好ましくは、この本体305は、中間領域(ウエハを支持しない領域)320内にまで延び、これにより、中間領域320において熱接触面を形成する2つの要素のうち、1つが一体構造の本体で、他の要素が嵌込み材料又は中間材料350である。同じように、好ましくは、一体構造の本体は、中間領域320において第1の面360を画定し、ウエハ支持領域330において第2の面365を実質的に画定する。
【0024】
図4は、インターフェイス材料からなる中間層を含む本発明に係る複数のウエハ用キャリアの一実施形態を概略的に示す断面図である。ウエハキャリア400は、この実施形態では、ウエハキャリアタブ410と、ウエハ区画435が存在しない一組の第1領域(中間領域)420と、ウエハ区画435が存在する一組の第2領域(ウエハ収容領域)430とを備えている。前述したように、ウエハ基板440が、ウエハキャリア400のウエハ区画435内に配置され、ウエハ−ウエハキャリア接触面445を生成している。ウエハキャリアは、表面460と底面465とを備えている。前述の実施形態と同様に、ウエハキャリア400の中間領域420では、嵌込み材料450、470が底面に設けられ、これら嵌込み材料450、470は、ウエハキャリア400との間に接触面455を生成すると共に、底面465に連なる平面をなす。
【0025】
この実施形態では、ウエハキャリアのうち、ウエハ区画を含まない領域の嵌込み部は、複数の材料層によって構成されている。第1の嵌込み材料450と第2の嵌込み材料470は、両方ともウエハキャリア400の底面465の領域に嵌め込まれている。その結果、第1接触面455が、第1の嵌込み材料450とウエハキャリア400との間に生成され、第2接触面475が、第1の嵌込み材料450と第2の嵌込み材料470との間に生成される。
【0026】
第1の嵌込み材料450と第2の嵌込み材料470は、ここでも、主として、ウエハキャリアのうち、ウエハ区画420を含まない領域に配置されている。代替例では、第1の嵌込み材料450と第2の嵌込み材料470は、例えば、図10A、図10Bに示す反転パターンのように、ウエハキャリア400の表面460におけるウエハ区画435のパターンを実質的に反転させたパターンで、ウエハキャリアの底面465に嵌め込まれる。ウエハ支持領域430では、ウエハキャリアの主材料490が、ウエハキャリアの底面465の少なくとも一部を形成する。
【0027】
加えて、第1の嵌込み材料450と第2の嵌込み材料470は、好ましくは、化学成分又は合金百分率が異なっているとよく、又は代替的に、濃縮度、相対的な金属百分率、又は重量が異なっていれば、同じ成分でもよい。代替的に、これらの材料は、2つの要素間に材料の接触面が形成されるなら、同一の材料であってもよい。異なる材料による複数の接触面455、475によって、ウエハキャリアのウエハ区画のない領域における熱導電率が相対的に低下し、これによって、ウエハキャリア内に配置されるウエハの特定領域のエッジ効果、過熱、又は加熱不足を低減することができる。
【0028】
図5は、嵌込みインターフェイス材料からなる3つの層を含む本発明の複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示す断面図である。この例では、嵌込み材料からなる3つの層は、ウエハキャリアの底面の領域に、ウエハキャリアの表面におけるウエハ区画のパターンを実質的に反転させたパターンをなして、配置されている。
【0029】
第3の材料580は、第3の材料接触面585を生成する。第3の材料580は、ウエハキャリア500の材料と、第1の嵌込み材料550と、第2の嵌込み材料570と異なっていてもよい。代替的に、この材料580は、得られる接触面555、575、585の各々が各材料接触面で材料間に、(この接触面が異なる材料間であるか又は同一材料間であるかにかかわらず)、不連続性を生成する限り、他の材料の1つと同一であってもよい。さらに、これらの材料層の各々は、異なるパターンであってもよい。具体的には、これらの嵌込み材料層の全てが、必ずしも、ウエハキャリアの表面におけるウエハ区画のパターンを正確に反転させたパターンである必要はない。
【0030】
さらに、ウエハキャリア500の底面565の嵌込み材料550、570及び/又は580は、通常、ウエハ区画が存在しない第1領域520内にあるが、必ずしも、第1領域520内に正確にとどまっている必要はない。例えば、第1の嵌込み材料550は、第1領域520では、ウエハキャリアとの接触面を有しているが、第2領域530では、ウエハキャリアとの接触面を有していない。第2の嵌込み材料570は、第1領域520の全体にわたって、ウエハキャリアとの接触面を有し、第2領域530のわずかな部分においても、ウエハキャリアとの接触面を有している。第3嵌込み材料580は、第1領域520の全体に至らない範囲内で、ウエハキャリアとの接触面を有し、第2領域530では、ウエハキャリアとの接触面を有していない。従って、これらの嵌込み材料は、大体は、第1領域内で第2領域の外にとどまっているが、各嵌込み材料の境界を、有利な均一な加熱特性を維持しながら、変更させることができる。例えば、嵌込み材料は、第1領域の熱勾配とバルクの材料特性が干渉する縁の約2〜4mmを典型的には覆っていなくても、実質的に第1領域を覆うことができる。具体的には、2〜6インチ(50.8mm〜152.4mm)ウエハの場合、第1領域を覆う嵌込み材料の重なりは、好ましくは、略2〜4mm(2インチ(50.8mm)ウエハの場合、約2mmで、6インチ(152.4mm)ウエハの場合、約4mm)の範囲内にある。
【0031】
代替的に、底面565の嵌込み材料は、ウエハキャリアの表面560におけるウエハ区画535のパターンを反転させたパターンに従うものの、これらの両パターンは、必ずしも正確に反転させたものでなくてもよく、例えば、一実施形態では、それぞれに対して、約5〜10%以上、又は他の実施形態では、約10〜25%のように大きな比率で、変更させてもよい。ウエハ支持領域530では、ウエハキャリアの主材料590は、ウエハキャリアの底面565の少なくとも一部を形成する。
【0032】
図6は、嵌込みインターフェイス材料からなる単一層を含む本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示す断面図である。改良した単一ウエハ用のキャリア600は、ウエハキャリアタブ610と、表面620と、底面630とを備えている。表面620は、その表面620内に設置されたウエハ区画635を備え、底面630は、嵌込み材料650を備えている。嵌込み材料650は、嵌込み材料−ウエハキャリア接触面655を生成する。このようにして、ウエハ640は、ウエハ区画635内に配置されると、ウエハ材料とウエハキャリアの材料との間にウエハ−ウエハキャリア接触面645を生成する。
【0033】
図7は、中間嵌込みインターフェイス材料からなる単一層を含み、改良したウエハ区画をさらに含む本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示す断面図である。改良した単一ウエハ用のキャリア700は、表面720と、底面730と、表面720にウエハを嵌め込むためのウエハ区画735とを備えている。ウエハキャリア700の表面720の外縁には、表面720に隣接して任意のウエハキャリアタブ710が設けられている。ウエハキャリアから、ウエハ区画735に配置されたウエハ740への熱伝達をさらに調整するために、材料−材料接触面の代わりに、ウエハ区画735には、改良された凹状の底間隙745が形成されている。底面730には、中間嵌込み材料750が嵌め込まれている。この実施形態では、中間嵌込み材料は、ウエハキャリア700内に嵌め込まれ、ウエハキャリア700の底面730と接触しない。その代わりに、中間嵌込み材料750は、2つの嵌込み材料−ウエハキャリア接触面755、760を生成する。
【0034】
従って、ウエハ740は、ウエハ区画735内に配置されると、もはや、ウエハ材料とウエハキャリアの材料との間のウエハ−ウエハキャリア接触面を生成せず、むしろ、ウエハ740とウエハ区画735の凹状面との間の間隙745のみを生成する。
【0035】
図8Aは、嵌込みインターフェイス材料からなる単一層と、改良したウエハ区画と、ウエハ区画内に配置されたウエハを「テーブル」の形態で保持するためにウエハを適所に保持する半径方向の段差とを含む本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示す断面図である。ここで、半径方向の段差は、ウエハ区画835の外側リムをなしている。改良した単一ウエハ用キャリア800は、ウエハタブ810と、表面820と、底面830とを備えている。表面820には、ウエハを嵌め込むためのウエハ区画835が設けられている。ウエハキャリアから、ウエハ区画835に配置されたウエハ840への熱伝達をさらに調整するために、ウエハ区画835には、改良された矩形の深い底間隙845があり、また、ウエハ区画835内に配置されたウエハ840を保持するために、ウエハ区画835の縁から延びる段差870が設けられている。前述したように、表面のウエハ区画835のパターンを反転させたパターンで、嵌込み材料850が底面830に嵌め込まれている。嵌込み材料850は、嵌込み材料−ウエハキャリア接触面855を生成する。従って、ウエハ840は、ウエハ区画835内に配置されると、段差870上に置かれ、ウエハ材料とウエハキャリアの材料との間には、底間隙845の空間が生成するので、もはや、ウエハ−ウエハキャリア接触面は生成されない。段差870は、好ましくは、ウエハ区画835の内径の周囲に外側リムを形成し、この外側リムは、一実施形態では、ウエハ区画835に対して、略1〜2mmの幅と10〜200μmの深さを有している。
【0036】
図8Bは、改良されたウエハキャリアの内径に沿って外側リムをなす段差870を有する図8Aに示す本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を示す平面図である。ウエハキャリア800は、ウエハキャリア800の底面830(図8Aを参照)に嵌込み材料領域850を備えている。ウエハ840は、ウエハ区画835内に配置され、段差870上に載せられる。段差870は、図8A、図8Bでは、連続した形態のものが示されているが、不連続であってもよく、ウエハ区画835の内径に沿った数箇所にタブとして設けられてもよい。
【0037】
図9Aは、嵌込みインターフェイス材料からなる単一層と、改良されたウエハ区画と、ウエハ区画に配置されたウエハを「テーブル」の形態で保持するためにウエハを適所に保持する複数の脚とを含む本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示す断面図である。改良された単一ウエハ用キャリア900は、ウエハタブ910と、表面920と、底面930とを備えている。表面920には、ウエハを嵌め込むためのウエハ区画935が設けられている。ウエハキャリアから、ウエハ区画935に配置されたウエハ940への熱伝達をさらに調整するために、ウエハ区画935には、改良された矩形の深い底間隙945があり、ウエハ区画に配置されたウエハ940を保持するために、底間隙945に延びる複数の脚970が設けられている。前述したように、表面のウエハ区画935のパターンを反転したパターンで、嵌込み材料950が底面930に嵌め込まれている。嵌込み材料950は、嵌込み材料−ウエハキャリア接触面955を生成する。従って、ウエハ940は、ウエハ区画935内に配置されると、脚970に載せられ、ウエハ材料とウエハキャリアの材料との間に、底間隙945の空間が生成するので、もはや、ウエハ−ウエハキャリア接触面は生成されない。
【0038】
図9Bは、改良されたウエハキャリア内にウエハを保持する三角形パターンの3つの脚を有する図9Aに示す本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を示す平面図である。ウエハキャリア900は、ウエハキャリア900の底面930(図9Aを参照)に嵌込み材料領域950を備えている。ウエハ940は、ウエハ区画935内に配置され、一組の脚970上に載せられる。
【0039】
図10Aは、図3Aに示す本発明に係る複数ウエハ用のキャリア300の一実施形態を上から見た斜視図である。図3Aの複数ウエハ用のキャリア230は、ウエハキャリア300の表面において第1パターン330のウエハ区画335を備え、このウエハ区画は、第2パターンの中間領域320によって包囲されている。底面365は図10Bに示す。各ウエハ区画は、通常、ウエハ340を保持しているが、ウエハが存在しないウエハキャリアの本体305の構造(図3を参照)を示すために、いくつかの区画335を空の状態で示す。好ましくは、各ウエハ340は、ウエハキャリア340の表面360と同一の平面になるように、各区画335内に実質的に嵌め込まれて着座するが、必ずしも、この通りでなくてもよい。図10Aに示すウエハキャリアの二等分線(γ)に沿った断面図を、図3に示す。
【0040】
図10Bは、図3、図10Aに示す本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を下から見た斜視図である。底面365には、ウエハキャリア300の表面360のウエハ区画領域330の第1パターンを実質的に反転させた第2パターンの中間領域320がある。第2パターン320には、嵌込み材料350が充填されている。嵌込み材料350は、好ましくは、ウエハキャリア300の一体構造の本体を形成する材料とは異なる材料である。第2パターン320の部分ではない領域では、第1ウエハ支持領域パターン330と実質的に類似(しかし、同一である必要はない)のパターンで、ウエハキャリア300の一体構造の材料と同じ材料が、嵌込み材料350を貫通して、平面を形成している。この第3のパターンのエッジ及び境界は、第1のパターンとは10〜25%の大きな比率で異なっていてもよい。図10Bに示すウエハキャリアの二等分線(γ)に沿った断面図を、図3に示す。他のパターンも想定できる。例えば、ウエハ区画の対称的な組合せ及び非対称的な組合せ、単一ウエハ用のキャリア(図6〜図9)、円形又は非円形のウエハ区画を有する複数ウエハ区画領域を含むウエハ区画領域と非ウエハ区画領域のモザイク構造、並びに他の設計も考えられる。
【0041】
例えば、図11Aは、より大きい化学蒸着システムに用いられるウエハ区画の2つのリングを含む本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を上から見た斜視図である。ウエハキャリア1100は、表面1160と底面1165とを備えている。表面1160には、複数のウエハ区画1130と、ウエハ区画1130の間および周囲に位置する表面1160の部分を含む中間領域1120とを備えている。ウエハ区画1130には、有利には、ウエハ1140が収容されている。さらに、ウエハキャリアの表面1160において、複数のウエハ区画1130が、第1リング1142と第2リング1144を形成している。この実施形態では、第1リングは、14個のウエハ区画を含む外側リングであり、第2リングは、7個のウエハ区画を含む内側リングである。ここで、各ウエハ区画は、好ましくは、約2インチ(50.8mm)である。しかし、ウエハ区画のパターンは、融通性がある。すなわち、3つのリング、例えば、21個、14個、及び7個のウエハ区画をそれぞれ含む外側リング、中間リング、及び内側リングを含むより大きいウエハキャリアを、より大きい化学蒸着システムに適用できる。ここで、他の幾何学的形状は、ウエハキャリアが実施されるシステムに依存する。
【0042】
図11Bは、図11Aに示すウエハ区画の2つのリングを含む本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を下から見た斜視図である。ウエハキャリア1100は、図11Aとは逆の視点から観察されている。従って、底面1165は、観察されるが、表面1160(図11Aを参照)は、観察されない。ウエハキャリア1130の底面1165の中間領域1120のパターンは、ウエハキャリア1130の表面1160のウエハ区画領域1130の第1パターンを実質的に反転させた関係にある。この第2のパターン1120には、嵌込み材料が充填されており、この嵌込み材料は、ウエハキャリア1100の一体構造の本体を形成する材料とは異なることが好ましいが、必ずそうする必要もない。第2パターン1120の部分ではない領域では、ウエハキャリア1100の表面1160におけるウエハ区画1130のパターンと実質的に同様のパターンで、好ましくは、ウエハキャリア1100の一体構造の本体の材料と同じ材料が、嵌込み材料を貫通して、平面1150を形成している。特に、平面1150は、ウエハキャリアの底面1165で第1リング1152及び第2リング1154を含むパターンを形成し、このパターンは、ウエハキャリアの表面1160のウエハ区画の第1リング1142及び第2リング1144のパターンと略鏡像の関係にある。
【0043】
ここに示した種々の設計から分かるように、具体的なウエハキャリアとウエハ区画の幾何学的な形態は、例えば、複数ウエハ用の区画の幾何学的な形態を同一のウエハキャリアに用いることができるように、ここに記載した本発明の概念から逸脱することなく、寸法、形状、及び材料に関して、変更することができる。
【0044】
ここでは具体的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理と用途の単なる例示に過ぎないということを理解すべきである。従って、例示された実施形態に対して多くの変形がなされてもよく、特許請求の範囲で定義する本発明の精神と範囲から逸脱することなく、他の形態が考え出されてもよいということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】従来の化学蒸着反応装置を簡略的に示した断面図である。
【図2】従来の複数基板用のウエハキャリアの概略を示した断面図である。
【図3A】本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示した断面図である。
【図3B】ウエハ区画のない領域とウエハ区画のある領域に分割した図3Aの複数ウエハ用のキャリアの一体構造の本体の一実施形態を示す図である。
【図4】嵌込みインターフェイス材料からなる2つの層を含む本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示した断面図である。
【図5】嵌込みインターフェイス材料からなる3つの層を含む本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示した断面図である。
【図6】嵌込みインターフェイス材料からなる単一層を含む本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示した断面図である。
【図7】中間嵌込みインターフェイス材料からなる単一層と改良されたウエハ区画とを含む本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示した断面図である。
【図8A】嵌込みインターフェイス材料からなる単一層と、改良されたウエハ区画と、ウエハを適所に保持する半径方向の段差とを含む本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示した断面図である。
【図8B】図8Aに示す本発明の単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を示す平面図である。
【図9A】嵌込みインターフェイス材料からなる単一層と、改良されたウエハ区画と、ウエハを適所に保持する複数の脚とを含む本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を概略的に示した断面図である。
【図9B】図9Aに示す本発明に係る単一ウエハ用のキャリアの一実施形態を示す平面図である。
【図10A】図3に示す本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を上から見た斜視図である。
【図10B】図3に示す本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を下から見た斜視図である。
【図11A】ウエハ区画の2つのリングを含む本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を上から見た斜視図である。
【図11B】ウエハ区画の2つのリングを含む本発明に係る複数ウエハ用のキャリアの一実施形態を下から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
100 反応室
105 反応室上面
110 反応室壁
115 反応室底面
120 フランジ
125 ガス源
130、300、400、500、600、700、800、900、1100 ウエハキャリア
135、335、435、535、635、735、835、935、1130 ウエハ区画
140、340、440、540、640、740、840、940、1140 ウエハ基板
145、345、355、445、645、655、755、760、855、955 ウエハ−キャリア接触面
150 サセプタ
155、310、410、610、710、810、910 タブ
160 加熱素子
165 制御回路
170 熱シールド
180 スピンドル
185 モータシステム
190 排気通路
200、360、460、560、620、720、820、920、1160 表面
210、365、465、565、630、730、830、930、1165 底面
222、322 第1垂直線
225、325 第2垂直線
305 本体
320 第2パターン
330 第1パターン
350 嵌込み領域
390、490、590 ウエハキャリアの主材料
420、520 第1の領域
430、530 第2の領域
450、550 第1の嵌込み材料
455、555 第1の接触面
470、570 第2の嵌込み材料
475、575 第2の接触面
580 第3の嵌込み材料
585 第3の接触面
650、850、950 嵌込み材料
745、845、945 底間隙
750 中間嵌込み材料
870 段差
970 脚
1120 中間領域
1142、1152 第1リング
1144、1154 第2リング
1150 平面
α 中心軸
β 回転速度
γ 二等分線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハキャリア本体と、
第1の材料からなる前記ウエハキャリア本体の第1の面であって、ウエハを収容する複数の区画を有する第1の面と、
前記ウエハキャリア本体の前記第1の面の反対側に配置された第2の面であって、前記第1の材料と接触する第2の材料の層を含む第2の面と
を備えたウエハキャリアであって、
前記第2の材料が、前記第2の面のうち、前記第1の面の前記複数のウエハ収容区画の実質的に反対側に当たる領域を除いて、前記第2の面の実質的に全面の範囲に及んでいるウエハキャリア。
【請求項2】
前記第1の材料が、前記第2の面のうち、前記第1の面の前記複数のウエハ収容区画の実質的に反対側に当たる領域の実質的に全ての範囲に渡っている請求項1に記載のウエハキャリア。
【請求項3】
前記第1の材料が、黒鉛、SiC、AlN、Al23、モリブデン、タングステン、及びそれらの混合物又は合金の1つ又は複数から選択される材料であって、表面被膜を有するか又は表面被膜を有しない材料である請求項1に記載のウエハキャリア。
【請求項4】
前記第2の材料が、黒鉛、SiC、AlN、Al23、モリブデン、タングステン、及びそれらの混合物又は合金の1つ又は複数から選択される材料であって、表面被膜を有するか又は表面被膜を有しない材料である請求項3に記載のウエハキャリア。
【請求項5】
前記第2の面が平らであって、前記第1の面が前記ウエハ収容区画を除けば平らであって、前記ウエハ収容区画が、このウエハ収容区画にウエハを着座させる段状の外側リムを備える請求項1に記載のウエハキャリア。
【請求項6】
前記第2の材料が、複数の材料の層から構成され、これら複数の材料の層の少なくとも1つは、前記第1の材料と異なるものである請求項1に記載のウエハキャリア。
【請求項7】
ウエハキャリア本体と、
ウエハ区画が第1のパターンで形成されている第1の面であって、前記ウエハキャリア本体の第1の材料から構成されている第1の面と、
前記ウエハキャリア本体の前記第1の面の反対側に配置された第2の面であって、第2の材料が第2のパターンで配置されている第2の面と
を備えたウエハキャリアであって、
前記第2の材料の前記第2のパターンが、前記ウエハ区画の前記第1のパターンを実質的に反転させた関係にあるウエハキャリア。
【請求項8】
前記第1の材料が、実質的に前記第1のパターンで、前記第2の面にまで達しており、前記第2の材料が、実質的に前記第2のパターンで、前記第2の面に嵌め込まれている請求項7に記載のウエハキャリア。
【請求項9】
前記第1の面が、前記ウエハ区画を除けば平らである請求項8に記載のウエハキャリア。
【請求項10】
前記ウエハ区画が、このウエハ区画にウエハを着座させる段状の外側リムを備える請求項9に記載のウエハキャリア。
【請求項11】
前記ウエハ区画が、このウエハ区画にウエハを着座させる凹面、鋸歯、段差、及び複数の脚の形状から選択される形状を有する請求項8に記載のウエハキャリア。
【請求項12】
前記第2の材料が、複数の材料の層から構成され、これら複数の材料の層の少なくとも1つは、前記第1の材料と異なるものである請求項7に記載のウエハキャリア。
【請求項13】
前記第1の材料が、黒鉛、SiC、AlN、Al23、モリブデン、タングステン、及びそれらの混合物又は合金の1つ又は複数から選択される材料であって、表面被膜を有するか又は表面被膜を有しない材料である請求項7に記載のウエハキャリア。
【請求項14】
前記第2の材料が、黒鉛、SiC、AlN、Al23、モリブデン、タングステン、及びそれらの混合物又は合金の1つ又は複数から選択される材料であって、表面被膜を有するか又は表面被膜を有しない材料である請求項13に記載のウエハキャリア。
【請求項15】
前記ウエハ区画が、前記ウエハキャリアの前記表面においてリングのパターンを形成する請求項7に記載のウエハキャリア。
【請求項16】
前記ウエハ区画が、前記ウエハキャリアの前記表面において複数のリングのパターンを形成する請求項15に記載のウエハキャリア。
【請求項17】
反応室であって、この反応室の内側と外側を画定する一組の反応室壁と、上面と、底面とを備えた反応室と、
前記反応室内に設置され、前記反応室内に少なくとも1つの外部ガス源からガスを供給するガスヘッドと、
前記反応室内に設置された加熱素子と、
前記サセプタ上に設置されたウエハキャリアであって、このウエハキャリアは、ウエハ区画が第1のパターンで配置された第1の面と、この第1の面の反対側に配置された第2の面とを備えており、前記第1の面は第1の材料で構成されており、前記第2の面には第2の材料が第2のパターンで嵌め込まれて配置されており、前記第2の材料の前記第2のパターンが、前記ウエハ区画の前記第1のパターンを実質的に反転させた関係にあるウエハキャリアと、
前記反応室内において前記加熱素子と前記ウエハキャリアが上に設置された支持体と
を備えた化学蒸着反応装置。
【請求項18】
前記第2パターンの部分ではない前記第2の面の前記領域が、前記第1の材料によって実質的に覆われている請求項17に記載の反応装置。
【請求項19】
前記ウエハキャリアの前記第1の面が、前記ウエハ区画を除けば平らである請求項17に記載の反応装置。
【請求項20】
前記ウエハキャリアの前記第2の材料が、複数の材料の層から構成され、これら複数の材料の層の少なくとも1つは、前記第1の材料と異なるものである請求項17に記載の反応装置。
【請求項21】
前記ウエハキャリアの前記第1の材料は、黒鉛、SiC、AlN、Al23、モリブデン、タングステン、及びそれらの混合物又は合金の1つ又は複数から選択される材料であって、表面被膜を有するか又は表面被膜を有しない材料である請求項17に記載の反応装置
【請求項22】
前記ウエハキャリアの前記第2の材料は、黒鉛、SiC、AlN、Al23、モリブデン、タングステン、及びそれらの混合物又は合金の1つ又は複数から選択される材料であって、表面被膜を有するか又は表面被膜を有しない材料である請求項17に記載の反応装置。
【請求項23】
前記ウエハ区画が、このウエハ区画にウエハを着座させる段状の外側リムを備える請求項17に記載の反応装置。
【請求項24】
前記ウエハ区画の前記段状の外側リムが、1〜2mmの幅と10〜100μmの深さを有する請求項23に記載の反応装置。
【請求項25】
前記ウエハ区画の前記第1のパターンが、前記ウエハ区画から構成された一組の同心円状のリングである請求項17に記載の反応装置。
【請求項26】
ウエハ上にエピタキシャル層を堆積させる方法であって、
ウエハキャリアの表面に第1のパターンで配置された複数のウエハ区画に複数のウエハを置くステップであって、前記ウエハキャリアの底面には、第2のパターンで放射性材料が嵌め込まれているステップと、
互いに対向する第1の面と第2の面を設けることによって、前記ウエハキャリアに熱を均一に分配するように前記ウエハキャリアを加熱するステップであって、前記構造体が、ウエハ収容領域と中間領域とを備えており、前記構造体が、前記第1の面の前記ウエハ収容領域内にウエハを収容するように構成されており、前記中間領域における前記第1の面と前記第2の面との間の熱伝導率が、前記ウエハ収容領域における前記第1の面と前記第2の面との間の熱伝導率よりも低く、前記構造体が、前記中間領域において、間に少なくとも1つの熱接触面を画定する少なくとも2つの要素を備えるステップと
を含む方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法によって得られるウエハ。
【請求項28】
互いに対向する第1の面と第2の面を画定する構造体を備えるウエハキャリアであって、前記構造体が、ウエハ収容領域と中間領域とを備えており、前記構造体が、前記第1の面の前記ウエハ収容領域内にウエハを収容するように構成されており、前記中間領域における前記第1の面と前記第2の面との間の熱伝導率が、前記ウエハ収容領域における前記第1の面と前記第2の面との間の熱伝導率よりも低く、前記構造体が、前記中間領域において、間に少なくとも1つの熱接触面を画定する少なくとも2つの要素を備えるウエハキャリア。
【請求項29】
前記構造体が、前記ウエハ収容領域において前記第1の面と前記第2の面の両方を画定する一体構造の主要素を備える請求項28に記載のウエハキャリア。
【請求項30】
前記一体構造の主要素が、前記中間領域内に延びて、前記少なくとも2つの要素が、前記一体構造の主要素を含む請求項29に記載のウエハキャリア。
【請求項31】
前記一体構造の主要素が、前記中間領域の前記第1の面を画定する請求項30に記載のウエハキャリア。
【請求項32】
前記少なくとも2つの要素が、前記一体構造の主要素とは異なる組成を有する第2要素を含み、前記第2要素が、前記中間領域において、前記第2の面の少なくとも一部を画定する請求項30に記載のウエハキャリア。
【請求項33】
前記一体構造の主要素が、黒鉛、SiC、AlN、Al23、モリブデン、タングステン、及びそれらの混合物又は合金の1つ又は複数から選択される材料であって、表面被膜を有するか又は表面被膜を有しない材料であり、前記第2要素が、黒鉛、SiC、AlN、Al23、モリブデン、タングステン、及びそれらの混合物又は合金の1つ又は複数から選択される材料であって、表面被膜を有するか又は表面被膜を有しない材料である請求項32に記載のウエハキャリア。
【請求項34】
前記ウエハ収容領域が、前記一体構造の主要素に同心円状のリングのパターンで形成されている請求項29に記載のウエハキャリア。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【公開番号】特開2007−214577(P2007−214577A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−31672(P2007−31672)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(504225666)ビーコ・インストゥルメンツ・インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】