説明

エッチングで形成された溝を用いて厚い誘電体領域を形成する方法

【課題】エピタキシアル沈着工程だけを用いて製造される縁部端子領域を有する高電圧半導体ディバイスを提供すること。
【解決手段】半導体ディバイスの製造方法は相互に対向する第1及び第2の主表面を有する半導体基板を設けることを含む。この方法は、上記の半導体基板に少なくとも1つの溝と、第1メサおよび第2メサとを設けることを含む。この方法は、また、各溝の両側壁と底部とを酸化し、ドープされた酸化物を各溝ならびに第1および第2メサの頂部に沈着させて、沈着せられた酸化物が流動して、各第1メサのシリコンが完全に二酸化ケイ素に変換し、各第2メサのシリコンが部分的にのみ二酸化ケイ素に変換し、各溝には酸化物が充填される温度で、半導体基板を熱酸化させることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、“エッチングで形成された溝を用いて厚い誘電体領域を形成する方法”と称する、2003年12月19日出願された米国仮特願第60/531,373の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、厚い酸化物領域を含む縁部端子構造体を有する半導体ディバイスの製造方法、特に、作動中の抵抗が低く破壊電圧の高い、電力スイッチングに適したMOSゲート半導体である半導体ディバイスに関するものである。
【0003】
米国特許第5,216,275号に開示されている、キシンビ チェン博士(Dr.Xingbi Chen)による超接合ディバイスの発明以来、彼の発明の超接合効果を拡大及び改良する多くの試みがなされた。米国特許第6,410,958号および米国特許第6,300,171号ならびに米国特許第6,307,246号はそのような努力の例であり、これらを言及することによりそれらの内容を本願に組み込むこととする。
【0004】
米国特許第6,410,958号(Usui, et al.)は縁部端子構造と半導体構成要素としてのドリフト領域に関する。1つの導電型の半導体本体は、他の導電型の複数個の領域が2つ以上の異なる面に埋め込まれている縁領域を有する。半導体構成要素の作動領域の下方に、その下にある基板を用いてドリフト(漂流)領域が結合されている。
【0005】
米国特許第6,307,246号(Nitta, et al.)は高電圧維持縁部構造体を有する半導体構成要素を開示する。この構造体内では、多数の平行に結合した個別の構成要素がセル通路の多数のセルに配置されている。縁領域では、半導体構成要素は、遮光源ゾーン領域を備えたセルを有する。この遮光源ゾーン領域では電力半導体構成要素の整流中、不均一に大きい逆流電流密度によって寄生バイポーラートランジスタの電源が入るのを抑制する。更に、遮光源ゾーン領域を有する縁部構造体は、Nitta, et al.で論じられている科学技術条件で非常に簡単に製造できる。Nitta, et alはパラメータの効果を明確にし、on状態で導電し、off状態では、導電しない平行PN層からなるドリフト層を有する超接合半導体ディバイスの大量生産を可能にしている。N形のドリフト領域での作動不純物の総量は、P形の区分領域の作動不純物の総量の100%から150%の範囲内である。加えて、N形ドリフト領域とP形区分領域とのいずれか1方の幅は、他方の領域の94%から106%の範囲内である。
【0006】
米国特許第6,300,171号(Frisina)は、高電圧半導体ディバイスの縁部構造体の製造方法を開示する。この方法は、第1導電型の第1半導体層を形成する第1工程と、この第1半導体層の頂面上に第1マスクを形成する第2工程と、このマスクの1部を除去して、マスクに少なくとも1つの開口部を形成する第3工程と、この少なくとも1つの開口部を介して、第1半導体層に第2導電型のドーパントを導入する第4工程と、第1マスクを完全に除去し、第1半導体層上に、第1導電型の第2半導体層を形成する第5工程と、第1半導体層に打込んだドーパントを拡散させて、第1および第2の半導体層に第2導電型のドープされた領域を形成する第6工程とを含む。第2工程から第6工程までを1回以上繰り返し、多数の第1導電型の積層された半導体層と、第2導電型の2列以上のドープ領域を含む最終縁部構造体を形成する。上記の列は、上記の多数の積層された半導体層に挿入され、その後マスクの開口部を介して打込まれたドープ領域を積層することにより形成され、高電圧半導体ディバイスに近い列は、それより遠い列よりも深い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,216,275号
【特許文献2】米国特許第6,410,958号
【特許文献3】米国特許第6,300,171号
【特許文献4】米国特許第6,307,246号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
また、エピタキシアル沈着工程だけを用いて製造される縁部端子領域を有する高電圧半導体ディバイスを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
簡単に述べると、本発明は、相互に対向する第1及び第2の主表面を有する半導体基板を設けること含む半導体ディバイスの製造方法からなる。上記の半導体基板は、第2主表面に近接して、第1あるいは第2導電型の強くドープされた領域を有し、第1主表面に近接して、第1導電型の軽くドープされた領域を有する。この方法は、上記の半導体基板に少なくとも1つの溝と、第1メサおよび第2メサとを設けることを含む。各溝は、隣接するメサ同士の間に位置し、その全長に渡ってほぼ等しい幅を有する。第1メサは、第2メサより実質的に小さい幅を有する。この方法は、また、各溝の両側壁と底部とを酸化し、ドープされた酸化物を各溝および第1および第2メサの頂部に沈着させて、沈着せられた酸化物が流動して、各第1メサのシリコンが完全に2酸化ケイ素に変換し、各第2メサのシリコンが部分的にのみ2酸化ケイ素に変換し、各溝には酸化物が充填される温度で、半導体基板を熱酸化させることを含む。
【0010】
本発明は、相互に対向する第1及び第2の主表面を有する半導体基板を設けること含む半導体ディバイスの製造方法からなる。上記の半導体基板は、第2主表面に近接して、第1あるいは第2導電型の強くドープされた領域を有し、第1主表面に近接して、第1導電型の軽くドープされた領域を有する。この方法は、上記の半導体基板に少なくとも1つの溝と、少なくとも1つの第1メサおよび少なくとも1つの第2メサとを設けることを含む。上記の少なくとも1つの溝は、隣接するメサ同士の間に位置し、上記の少なくとも1つの第1メサは、上記の少なくとも1つの第2メサより実質的に小さい幅を有する。各メサは、強くドープされた領域に向け、第1主表面から第1深さ位置まで伸びる第1延長部分を有し、第1主表面に対し所定の傾斜を維持する側壁面を備え、各溝はほぼ等しい幅を有すると共に上記の複数個の溝の各々もほぼ等しい幅を有し、各メサ領域は、1つの溝によって囲まれている。この方法は、また、第2導電型のドーパントを、各メサの側壁面に斜めに打込み、各メサの側壁面に第1ドープ領域を形成する。この第2導電型の第1ドープ領域は強くドープされた領域より低いドープ濃度を有し、各溝の深さ方向に沿って位置するP−N接合を提供する。更にまた、この方法は各溝の底部および側壁を酸化して、底部酸化物層を形成し、この底部酸化物層を、フォスホシリケート・グラス(PSG)、ボロシリケート・グラス(BSG)およびボロフォスホシリケート・グラス(BPSG)を含むグループから選ばれ、ドープされた二酸化ケイ素を用いて各溝に沈着させ、沈着せられた酸化物が流動して、少なくとも1つの第1メサのシリコンが完全に二酸化ケイ素に変換し、少なくとも1つの第2メサのシリコンが部分的にのみ二酸化ケイ素に変換し、各溝には酸化物が充填される温度で、半導体基板を熱酸化させて、半導体ディバイスの頂面を平坦化することを含む。
【0011】
本発明は、また、半導体基板と、少なくとも複数個の溝にドープされた酸化物層とを含む半導体ディバイスからなる。上記の半導体基板は、相互に対向する第1及び第2の主表面と、第2主表面に近接して、第1あるいは第2導電型の強くドープされた領域と、第1主表面に近接して、第1導電型の軽くドープされた領域とを有する。上記の第1主表面は、複数個の溝と、複数個の第1メサおよび複数個の第2メサとを含む。上記の第1メサは、上記の第2メサより実質的に小さい幅を有し、上記の溝は、隣接するメサ同士の間に位置する。上記の第1メサは完全に2酸化ケイ素で形成され、第2メサの一部分は二酸化ケイ素そして一部分はシリコンから形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】高電圧金属酸化物半導体電磁界効果トランジスタ(MOSFET)を製造するための半導体ウエハの部分断面図である。
【図2】溝を作成するエッチング工程後の半導体ウエハの部分断面図である。
【図3】図2の半導体ウエハの部分平面図である。
【図4】イオン打込み工程が行われた図2の部分断面図である。
【図5】酸化工程後の図4の半導体ウエハの部分断面図である。
【図6】ドープされたグラスの層の沈着後の図5の部分断面図である。
【図7】酸化と再流動との組合わせ工程後の図6の半導体ウエハの部分断面図である。
【図8】シリコン柱の頂部から酸化物を除去した平坦化工程後の半導体ウエハの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の要約ならびに本発明の好ましい実施例の以下の詳細な記載は、添付図面と共に読めばより良く理解される。本発明を図示するため、図中には、現在好ましい実施例が図示されているが、本発明は、図示されている正確なディバイスおよび器具に限定されるものではない。
【0014】
ある種の言葉が便宜上のみ以下の記載に使用されているが、これに限るものではない。“右”、“左”、“下方”および“上方”の言葉は、言及している図面の方向を示すものである。“内方”および“外方”の言葉は、記載している物体とその示されている部分の幾何学的中心に向かうおよびこれから遠のく方向のことを言う。加えて、クレームおよび明細書中の対応個所で使われている“a”の言葉は“少なくとも1つの”を意味する。
【0015】
図1には、N+基板3とN−のドープされたエピタキシアル層5とを含む半導体ウエハの部分図が示されている。ここで用いられているように、導電率とは、記載の実施例に制限されるが、当業者であれば、P形導電率は、N形導電率に変えることができ、また、その反対も可能であることと、P+基板上にP形エピタキシィを用いて製造されたPチャネルMOSFETも機能的には正しい(即ち、第1あるいは第2導電型を用いると言っている。)ことが分かる。絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBTs)等のMOSゲートディバイスは、また、P+のドープされた基板上にN形のエピタキシアル層を置いて(反対も可)エピタキシアルウエハで作製することもできる。然し、明細書全体を明確にしておくため、NチャネルのMOSFETの作製のみについて十分に記載する。
【0016】
図2には、当業界で周知の技術を用いて、エピタキシアル層5がエッチングされて、溝が、基板3と、エピタキシアル層5と間の界面に接近しているが、ディバイスの破壊に影響する距離よりは遠くなるよう溝を形成してある。このエッチング方法で、溝9、第1メサ7および第2メサ11が形成されている。第1メサ7は、ここに記載されている方法工程中二酸化ケイ素に変換されるので“捨てメサ”と言う。第2メサ11は、この方法で製造される各トランジスタ・セルのための電圧維持層を形成するため用いられる“ディバイスメサ”である。矢印13で示されているように、メサ7は、所謂“端子領域”あるいは“縁部端子領域”に位置し、メサ11は、矢印15で示すように、“作動領域”に位置する。メサ7と11の両タイプとも、溝のエッチング工程中マスク層としての役割をなす誘電体層を備える。
【0017】
図3は、図2の平面図で、ここには複数個のディバイスメサ11と捨てメサ7が示されている。メサ11はメサ7より幅が広いのが分かる。酸化工程中捨てメサ7は完全に二酸化ケイ素に変換されるのに対し、メサ11はその1部だけが二酸化ケイ素に変換されるので、この幅の相異は必要である。然し、メサ7と11に隣接する溝9の幅はほぼ同じである。
【0018】
必要なら、最初の溝を形成するエッチングの後、以下の工程の1つ以上を用いて、各溝9の側壁を平滑にする。
・溝の表面からシリコンの薄層(約100〜1,000Å)を除去するため等方性(isotropic)プラズマ・エッチングが用いられる。
・捨て二酸化シリコン層を溝9の表面で成長させ、ついで、バッファ酸化物エッチングあるいは希釈フッ化水素エッチング等のエッチング法を用いて除去する。
【0019】
これらの技術のいずれかあるいは両方を用いると溝の角は丸くなり表面は滑らかになると共に、残存するストレスや望ましくない混入物を除去できる。
【0020】
溝9の側壁をド−プするのに用いられる幾つかの技術がある。これらの1つを、明細書の後半部で論じる。図4に進むと、イオンビームに対してウエハは少し傾けられているが、マスク工程の必要はなく、メサ11と7との所定側壁にホウ素が、打込み矢印(B)で示されているように打込まれる。打込み角度は、2度と12度との間であるが、ホウ素(B)の打込み角度は、溝9の幅(A)と深さ(D)とにより決定される。
【0021】
図5に関し、打込まれたドーパントの拡散の後、通常蒸気中で行われる酸化工程を行う。この工程では、メサ7、11はN形およびP形ドーパントを含み、二酸化ケイ素123で囲まれる柱25、27に変換される。各酸化物メサ同士の間に小さな間隙33を残し、第1酸化の後捨てメサ7を完全に酸化しないことが好ましい。この間隙33も、また、頂部のほうが僅かに広いが、その後フォスフォシリケート・グラス(PSG)、ボロシリケート・グラス(BSG)あるいはボロフォスフォシリケート・グラス(BPSG)等のドープされた二酸化ケイ素が部分的に充填される。その他の類似の酸化物材料も使用可能である。この工程が図6に示されている。
【0022】
図7では、ドープされた二酸化ケイ素125が、沈着されたグラス中のドーパントのドープ濃度およびドープ形により、酸化雰囲気中で、約800℃および1000℃の間の温度まで加熱されている。熱と酸化雰囲気とが組み合って、メサ11のシリコンの1部は変換されないままであるが、メサ7に残っているシリコンを二酸化ケイ素に変換する。そして、ドープされた流動グラスと、メサ7に残っているシリコンの変換により生じた酸化物との組合わせものが全ての間隙33を充填する。
【0023】
溝9の幅(A)とメサは任意ではない。シリコンの酸化では、生じる二酸化ケイ素の各0.1マイクロメータあるいはミクロン(μm)に対し、約0.0450ミクロンのシリコンが消費される。よって、幅(A)の各溝9を充填するために消費されるシリコンの量は0.45A(2つの対向する溝の各側壁から来る量の1/2である)。消費される酸化物の量に対する溝幅(A)の比率は(1.0−0.45)/0.45=0.55/0.45=1.222であるので、各溝は、最小で、エッチング工程直後の捨てメサ7より1.22倍広くなくてはならない。沈着せられた酸化物により酸化物の厚さが追加できるように、熱で成長した酸化物は溝9の全酸化物の70%と95%との間でなければならない。所定の溝幅(A)に対しては、捨てメサ7は、エッチング工程直後の溝幅(A)の約0.32(0.7x0.45)と0.43(0.95x0.45)との間でなければならない。通常、溝幅(A)は、600ボルトの破壊電圧(Vb)に対し0.5μmから5.0μmの範囲内である。
【0024】
この時点で、N/Pドープ柱27の頂部を覆っている誘電体層129(図7)を部分的にあるいは完全に除去するためエッチングする。誘導体層129の厚さは、文字“T”で示されており、約0.5〜3.0μmである。用いられるエッチング法および表面の平坦さにより、酸化物の沈着はエッチング工程を行う前に必要かもしれない。この酸化物層の沈着はTEOS酸化物沈着法を含む多数の技術のうちの1つを用いて行うことができる。TEOSとは、酸化物層(図示略)を沈着するため用いられる化学的テトラエチルオルトシリケート(TEOS)のことを言う。あるいは、酸化物層は、SOGあるいはその他どんな沈着された酸化物層でもよい。
【0025】
また、平坦化工程は、化学機械的平坦化法(CMP)を用いて行われる。図8は、誘電体被覆129が表面から除去され、N/Pドープ柱27’の頂部が、トランジスタのディバイス特徴を形成するため露出されているのを示す。また、ウエハを平坦化し、柱の頂部の酸化物層を残すことも出来る。高電圧MOSゲートディバイスは、端子領域に厚い酸化物の領域と、N形およびP形の両ドーパントを含むシリコン柱とを有する基板を用いて、周知の製造技術およびディバイス幾何学により製造される。
【0026】
上記より、本発明は、厚い酸化物領域を含む縁部端子構造体を有する半導体ディバイスの製造方法およびMOSゲート電力半導体に関する。当業者であれば、上記の実施例には、その広い発明概念から逸脱することなく変形が可能であることが感得せられる。よって、本発明は、開示されている特定の実施例に限定されるものではなく、添付特許請求の範囲に記載されている本発明の精神と範囲内の変形例もカバーするものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ディバイスの製造方法であって、
相互に対向する第1及び第2の主表面を有する半導体基板を設け、この半導体基板は、第2主表面に近接して、第1あるいは第2導電型の強くドープされた領域を有するとともに、第1主表面に近接して、第1導電型の軽くドープされた領域を有し、
上記の半導体基板に少なくとも1つの溝と、第1メサおよび第2メサとを形成し、各溝は、隣接するメサ同士の間に位置してその全長にわたってほぼ等しい幅を有し、第1メサは第2メサより実質的に小さい幅を有しており、
各溝の両側壁と底部とを酸化し、
ドープされた酸化物を各溝ならびに第1および第2メサの頂部に沈着させ、
沈着した酸化物が流動して、各第1メサのシリコンが完全に二酸化ケイ素に変換し、各第2メサのシリコンが部分的にのみ二酸化ケイ素に変換し、各溝には酸化物が充填される温度で、半導体基板を熱酸化させることからなるもの。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体ディバイスの製造方法であって
上記の半導体ディバイスは、作動領域と端子領域とを含み、作動領域の溝はメサと、強くドープされた領域に向け、第1主表面から第1深さ方向まで伸びる第1延長部分とを備え、各メサは、第1主表面に対し所定の傾斜を維持する側壁面を有し、上記の方法が、
側壁を酸化する前に、半導体基板の第1および第2メサのうちの少なくとも1つのメサに、第2導電型のドーパントを1つの溝の側壁面において打込み、第1および第2メサの上記少なくとも1つのメサの側壁面に、強くドープされた領域より低いドープ濃度を有する第2導電型の第1領域を形成して少なくとも1つの溝の深さ方向に沿って位置するPN接合を設けることからなるもの。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、更に、
熱酸化および再流動の工程に続いて半導体ディバイスの頂面を平坦化することからなるもの。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、
沈着されたドープ酸化物がホウ素、リンおよびホウ素とリンとの組合わせ物のうちの1つを含むもの。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、
溝が、約0.5と5.0マイクロメータとの間の幅を有するもの。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、
沈着せられた酸化物が最初の溝幅の1/2の約5%と30%との間の厚さを有するもの。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、
溝の頂部が底部より約1%から10%広いもの。
【請求項8】
半導体ディバイスの製造方法であって、
相互に対向する第1及び第2の主表面を有する半導体基板を設け、この半導体基板は、第2主表面に近接して、第1あるいは第2導電型の強くドープされた領域を有し、第1主表面に近接して、第1導電型の軽くドープされた領域を有し、
上記の半導体基板に少なくとも1つの溝と、少なくとも1つの第1メサおよび少なくとも1つの第2メサとを設け、上記の少なくとも1つの溝は、隣接するメサ同士の間に位置し、上記の少なくとも1つの第1メサは、上記の少なくとも1つの第2メサより実質的に小さい幅を有し、各メサは、強くドープされた領域に向け、第1主表面から第1深さ位置まで伸びる第1延長部分を有し、各溝はほぼ等しい幅を有すると共に上記の複数個の溝の各々もほぼ等しい幅を有し、各メサ領域は、1つの溝によって囲まれていて、
第2導電型のドーパントを、各メサの側壁面に打込み、各メサの側壁面に強くドープされた領域より低いドープ濃度を有する第2導電型の第1ドープ領域を形成し、
各溝の底部および側壁を酸化して、底部酸化物層を形成し、
この底部酸化物層を、フォスホシリケート・グラス(PSG)、ボロシリケート・グラス(BSG)およびボロフォスホシリケート・グラス(BPSG)を含むグループから選ばれ、ドープされた二酸化ケイ素を用いて各溝に沈着させ、
沈着せられた酸化物が流動して、少なくとも1つの第1メサのシリコンが完全に二酸化ケイ素に変換し、少なくとも1つの第2メサのシリコンが部分的にのみ二酸化ケイ素に変換し、各溝には酸化物が充填される温度で、半導体基板を熱酸化させて、半導体ディバイスの頂面を平坦化することからなるもの。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、更に、
熱酸化および再流動の工程に続いて半導体ディバイスの頂面を平坦化することからなるもの。
【請求項10】
請求項8に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、
溝が、約0.5と5.0マイクロメータとの間の幅を有するもの。
【請求項11】
請求項8に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、
沈着せられた酸化物層が最初の溝幅の1/2の約5%と30%との間の厚さを有するもの。
【請求項12】
請求項8に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、
溝の頂部が底部より広いもの。
【請求項13】
半導体ディバイスであって、
相互に対向する第1及び第2の主表面を有する半導体基板からなり、この半導体基板は、第2主表面に近接して、第1あるいは第2導電型の強くドープされた領域を有し、第1主表面に近接して、第1導電型の軽くドープされた領域を有するものであって、
上記の第1主表面は、複数個の溝と、複数個の第1メサおよび複数個の第2メサとを含み、上記の第1メサは、上記の第2メサより実質的に小さい幅を有し、上記の溝は、隣接するメサ同士の間に位置し、上記の第1メサは完全に二酸化ケイ素で形成され、第2メサの一部分は二酸化ケイ素そして一部分はシリコンから形成されており、
ドープされた酸化物層が少なくとも複数個の溝内にあるもの。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体ディバイスであって、PN接合が複数個の溝の深さ方向に沿って位置するもの。
【請求項15】
請求項13に記載の半導体ディバイスであって、
ドープされた酸化物がホウ素とリンとの少なくとも1つを含むもの。
【請求項16】
請求項13に記載の半導体ディバイスであって、
溝が、約0.5と5.0マイクロメータとの間の幅を有するもの。
【請求項17】
請求項8に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、
各メサが、第1主表面に対し所定傾斜を維持する側壁面を有するもの。
【請求項18】
請求項8に記載の半導体ディバイスの製造方法であって、
第2導電型のドーパントが所定打込み角度で打込まれるもの。
【請求項19】
請求項1に記載の半導体ディバイスの製造方法により形成される半導体ディバイス。
【請求項20】
請求項8に記載の半導体ディバイスの製造方法により形成される半導体ディバイス。
【請求項21】
半導体ディバイスであって、
相互に対向する第1及び第2の主表面を有する半導体基板からなり、この半導体基板は、第2主表面に近接して、第1あるいは第2導電型の第1ドープ領域を有し、第1主表面に近接して、第1あるいは第2導電型の第1ドープ領域を有するものであって、
上記の第1主表面は、複数個の溝と、複数個の第1メサおよび複数個の第2メサとを含み、上記の第1メサは、上記の第2メサより実質的に小さい幅を有し、上記の溝は、隣接するメサ同士の間に位置し、上記の第1メサは完全に二酸化ケイ素で形成され、第2メサの1部分は二酸化ケイ素そして一部分はシリコンから形成されており、
ドープされた酸化物層が少なくとも複数個の溝内にあるもの。
【請求項22】
請求項21に記載の半導体ディバイスであって、PN接合が複数個の溝の深さ方向に沿って位置するもの。
【請求項23】
請求項21の半導体ディバイスであって、
ドープされた酸化物がホウ素とリンとの少なくとも1つを含むもの。
【請求項24】
請求項21に記載の半導体ディバイスであって、
溝が、約0.5と5.0ミクロメータとの間の幅を有するもの。
【請求項25】
請求項21に記載の半導体ディバイスであって、
溝の頂部が底部より約1%から10%広いもの。
【請求項26】
請求項21に記載の半導体ディバイスであって、
高電圧金属酸化物半導体電解効果トランジスタ(MOSFET)と高電圧絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)とのうちの1つを形成するため用いられるもの。
【請求項27】
請求項21の半導体ディバイスであって、
溝が、第1主表面から、第1ドープ領域と第2ドープ領域の界面までの全ての距離に亘って延びるもの。
【請求項28】
請求項21に記載の半導体ディバイスであって、
溝が、第1主表面から、第1ドープ領域と第2ドープ領域の界面から離れた、第1ドープ領域内の位置まで延びるもの。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−109591(P2012−109591A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1523(P2012−1523)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2006−545731(P2006−545731)の分割
【原出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(506207200)サード ディメンジョン (スリーディ) セミコンダクタ インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】