説明

エンジン始動時の走行性能向上および排気低減

本発明はエンジンの始動時における走行性能の向上と排気ガスの削減とに関する。具体的には、エンジンの始動時またはエンジンの始動の直前に燃料タンクから燃料蒸気を引き出す。その後エンジンが少なくとも部分的に暖機するように燃料蒸気を用いてエンジンを稼動させ続ける。始動開始後の、エンジンが少なくとも部分的に暖機しているときに、液体燃料をエンジンに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体燃料スパーク点火エンジンにおける走行性能改善および排気ガス低減に関する。より具体的には、本発明は、エンジン始動時に、走行性能を向上させ、かつ排気ガスを減少させるために、必要により減圧を用いて燃料タンクから燃料の最も気化し易い成分を採取する。
【背景技術】
【0002】
ガソリン車から排出される未燃炭化水素のうちの不釣合いな程に大きな部分は、コールドスタートからの1〜2分間に放出される。その理由は、1)触媒が低温であるため放出された炭化水素を酸化できないこと、および2)安定な燃焼を確保するために、エンジンはほぼ燃料供給過剰状態であることである。この燃料過剰状態は、エンジン温度が低いときには、ガソリン(および他の多成分液体燃料)を充分に気化させることが困難であることの直接的な結果である。
【0003】
始動時には、完全燃焼に要するよりも多量の燃料がエンジンに導入されねばならない。燃料のうち最も揮発性を呈する部分のみが気化して燃焼し(多くの場合、10〜15%程度)、一方、燃料のうち最も揮発しにくい部分は吸気ポートまたはシリンダ内に残留する。過剰な低揮発性燃料の一部は未燃炭化水素として排出される。エンジンが暖機するに伴い燃料が気化し易くなり、吸気中の低揮発性燃料の一部も燃焼する。しかし、それ以前のサイクルにおいて噴射された燃料について説明することは困難であり、さらにエンジンの走行性能(運転者の感覚)は劣る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、始動開始時および始動後の最初の数秒間に、燃料の最も揮発性を有する部分を選択的に用いることにより、ガソリン(および他の液体燃料)を用いたスパーク点火エンジンのコールドスタート挙動を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の方法は、燃料タンクを大気圧以下(減圧)に暴露することにより、燃料のうち最も揮発性を有する部分を選別する工程、すなわち採取する工程を備える。燃料の最も揮発性を有する部分は減圧下(低温下においてさえ)において気化し、燃料の蒸気部分が採取され、始動させるべくエンジンに提供されたり、計量されたりする。始動後にエンジン温度が上昇を始めると、タンクからの液体燃料による通常の燃料供給が再開される。本発明の実施態様によれば、エンジン冷媒の温度センサが所定の温度、または設定した温度に達すると、タンクからの液体燃料部分による通常の燃料供給が開始される。エンジンが暖機するにつれて始動燃料が徐々に減少し、低負荷サイクルにおける通常のポートへの燃料噴射器を使用可能とすることにより、通常の燃料システムを用いた操作への切り替えを徐々に実施する。これに替えて、通常の燃料システムを用いる操作への切り替えを急激に実施することが提案される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1には本発明の装置10の概略を図示する。同装置10はエンジン14、および燃料タンク42内の雰囲気圧を低減させるアセンブリ18を備え、同アセンブリは燃料の高揮発性部分をエンジン14に提供する。エンジン14はスパーク点火エンジンであって、全体が液体である燃料、またはほぼ全体が液体である燃料を収受する複数のシリンダ22a,22b,22c,22dを備える。液体燃料は、スパーク点火エンジンに使用されるガ
ソリン、アルコール、および/またはM85、E85などのガソリン・アルコール混合物、または任意の他の多成分液体燃料を含むと定義される。液体燃料は液体燃料噴射器26a,26b,26c,26dにより送入される。液体燃料噴射器26a,26b,26c,26dは夫々シリンダ22a,22b,22c,22dの1つに連通しており、特定の
シリンダに液体燃料を提供する。他の実施態様において、全てのシリンダに対して1つの燃料噴射器などのように、燃料噴射器数はエンジンのシリンダ22a,22b,22c,22dの数とは異なっている。
【0007】
液体燃料は液体燃料ポンプ34に接続された液体燃料レール30を用いて液体燃料噴射器26a,26b,26c,26dに供給される。液体燃料ポンプ34はエンジン始動後に操作すなわち起動される。これは通常、エンジン14の点火すなわち起動から30〜60秒後である。
【0008】
大気圧より減圧した燃料を提供するアセンブリ18は減圧装置38を備える。その減圧装置38は、燃料タンク42の燃料に対して提供され、かつ大気圧すなわち常圧よりも低い負圧を確立すなわち発生させるためのものである。これに代えて、燃料タンク42内に減圧を発生させるためにエンジンバキュームのみを用いる方法が提案されている。その場合には、減圧装置38はバキュームアキュムレータとバキュームバルブとを備える。アセンブリ18はまた、燃料タンク42に連通する蒸気燃料ライン46を備える。より詳細には、蒸気燃料ライン46は燃料タンク42中に延びる開口端すなわち自由端を有する。蒸気燃料ライン46の開口端は、少なくとも減圧装置38が稼動中には燃料タンク42の液面の上方に配置される。燃料タンク42は液体燃料レール30により液体燃料噴射器22a,22b,22c,22dに送液される液体燃料を収容している。しかし、燃料は、燃料タンクから蒸気燃料ライン46にて搬送されるが、エンジン14に配送される液体燃料は、その燃料タンクから他の容器または別のチャンバに収容され得ることは、充分に理解されるべきである。
【0009】
減圧装置38は、燃料タンク42から複数の吐出ポート54a,54b,54c,54dを備える吐出ライン50に燃料蒸気のみ、またはほぼ燃料蒸気のみを採取し吐出するように構成されている。これらのポート54a,54b,54c,54dは夫々シリンダ22a,22b,22c,22dの1つに連通している。別の実施態様において、例えば、1つの蒸気燃料導入口を備えた1つのポート54のように、ポート数はシリンダ22a,22b,22c,22dの数とは異なっている。ポート54a,54b,54c,54dは液体燃料噴射器26a,26b,26c,26dの上流にあるように図示されている。しかし、ポート54a,54b,54c,54dは、燃料噴射器26a,26b,26c,26dの下流を含め、エンジン吸気口の上流である任意の位置に配置することができる。蒸気燃料ライン46は燃料蒸気のみ、またはほぼ燃料蒸気のみを搬送する。しかし、減圧装置38の吐出側はその燃料タンク側より高圧であるため、吐出ライン50は燃料蒸気が再凝縮することにより生成される可能性のある幾らかの液体燃料を搬送する。それにもかかわらず、このような燃料は、たとえ一部が液体であっても、吸気マニホールド条件の下において燃料タンク42中の液体燃料よりきわめて容易に気化する。本発明の実施態様によれば、ポート54はシリンダ22に提供される燃料蒸気量を制御するために、較正したオリフィスを備える。さらに別の実施態様において、真空ポンプ38は計量された蒸気燃料量をシリンダ22に対して制御するべく稼動する。負圧の大きさはエンジン14からの蒸気燃料の要求量に対応して変化する。本発明のさらに別の実施態様または代替の実施態様によれば、減圧装置38は、シリンダ22に提供される燃料蒸気量を制御するため、所定圧力にて吐出ポート54に燃料を提供するように較正されたポンプを備える。本発明のさらに別の実施態様によれば、吐出ポート54は蒸気燃料噴射器を備えており、シリンダ22に提供される燃料蒸気量を正確に制御することを可能としている。
【0010】
稼動に関しては、燃料噴射器26a,26b,26c,26dを有するエンジン14は、コールドスタート時を除き公知の方法により制御される。コールドスタートとは、エンジン冷媒の温度が特定の閾値温度未満であり、かつエンジン14の始動すなわち点火後の最初の数10秒と定義される。したがって、エンジン14は冷媒温度センサ62を備える。代替案または追加案としては、エンジン14の一部として備えられている油温センサ66および/または排気温度センサ70からの信号が、エンジン14がコールドスタート条件にあるときを判定するために使用される。コールドスタート時には、エンジン14が点火されたり始動されたりする前に装置38が駆動される。真空ポンプなどの減圧装置38は、駆動をすると燃料タンク42内の雰囲気圧を低減させる。雰囲気圧が低いと最も揮発性である燃料成分が気化し、真空ポンプにより吸引される。したがって、初期の燃料、すなわち始動時の燃料は、選択的に燃料のうちの最も揮発性の部分からなる。一実施態様において、負圧の大きさは室温などの1つの因子または複数の因子に基づき制御される。別の実施態様において、発生される負圧は室温にかかわらず常時ほぼ同一である。
【0011】
図2には、本発明の実施態様の操作の態様を図示する。はじめにステップ600において、エンジンが始動されようとしていることを示す信号を受信する。その信号は、キーをイグニッションスイッチに装入したり、使用者が「始動ボタン」を選択したり、イグニッションスイッチを入れたり、またはエンジンを始動させることを示す任意の他の操作に対応して生成される。エンジンを始動する信号を受信した後、真空ポンプなどの減圧装置38が始動する(ステップ604)。減圧装置38の稼動によりタンク42内に部分的な減圧を発生させる。本発明の代替の実施態様によれば、燃料タンク42の燃料蒸気が占める部分における部分的な減圧を常時すなわち通常保持するために、減圧装置38は間歇的に稼動する。
【0012】
その後、減圧装置すなわちポンプ38により燃料タンク42から採取された燃料蒸気は吐出ポート54を介してシリンダすなわち燃焼室22に提供され、エンジンが始動する(ステップ608)。燃料蒸気に含まれる燃料の揮発性成分を使用することにより、エンジン14からの炭化水素および一酸化炭素の排出は、液体燃料を使用した類似の温度下における始動と比較すると低減される。さらに、走行性能が向上する。始動した後、エンジン14は採取された燃料蒸気を用いて稼動を継続する(ステップ612)。
【0013】
ステップ616において、エンジンが液体燃料を使用し始められるほど充分に暖機したか否かに関して判定が行われる。例えば、エンジン冷媒温度センサ62、エンジンオイル温度サンサ66、および/またはエンジン排気温度センサ70からの信号は、エンジンが液体燃料を使用し得る程に充分に暖機していることを示すか否かに関して判定が行われる。代替案としては、エンジンが最初に始動してからの所定の経過時間後に、エンジンは液体燃料の使用を開始する程に充分に暖機していると判定することができる。液体燃料の使用を開始する程には充分に暖機していないのなら、プロセッサはステップ612に戻り、エンジンは採取された燃料蒸気を用いて稼動を継続する。ステップ616においてエンジンが暖機していると判定されれば、液体燃料が燃焼室すなわちシリンダ22に提供される(ステップ620)。ステップ620においてはまた、減圧装置すなわち真空ポンプ38は停止され、エンジンは液体燃料を用いて稼動を続ける。燃料蒸気から液体燃料への移行は漸進的に行われる。例えば、減圧装置38は稼動を継続し、吐出ポート54を介して燃料蒸気をシリンダ22に提供し、同時に液体燃料噴射器26が稼動し、液体燃料をシリンダ22に提供する。当業者には充分に理解され得ることであるが、液体燃料噴射器26により提供される燃料の計量は、燃料蒸気がシリンダ22に提供され続けている移行期間においてさえ、従来型の燃料噴射制御システムにより実施され得る。本発明のさらに別の実施態様によれば、燃料蒸気による稼動から液体燃料による稼動への移行は急激であってもよい。例えば、減圧装置38を停止し、燃料蒸気の提供を中止し、その後液体燃料を提供することができる。
【0014】
当業者には本願の記載から充分に理解され得ることであるが、燃料蒸気がシリンダ22に提供される期間は多様である。例えば、エンジン14が比較的暖機されている場合には、エンジン14が始動してからほぼ瞬時の後に、液体燃料は液体燃料噴射器26により提供される。さらにエンジン14が高温の場合には、燃料蒸気の提供を完全に回避することができる。温度センサからの有用な信号を受信し、それに対応して液体燃料へ移行することに加え、他の種類のセンサおよび/またはタイマーを適用することができる。例えば、エンジン冷媒温度センサ62、エンジンオイル温度センサ66、排気温度センサ70、またはエンジン14の部品すなわちエンジンの一部の温度を提供するセンサは、燃料蒸気がシリンダ22に提供される期間を判定するために使用され得る。代替案または追加案としては、タイマーが、例えばコントローラにより実行される計時アルゴリズムの一部として付設され得る。
【0015】
したがって、所定の時間が経過した後に、蒸気燃料稼動から液体燃料稼動に切り替えるべくタイマーが使用され得る。本発明の実施態様によれば、0〜90秒の期間においては、減圧装置38および吐出ポート54の稼動により燃料蒸気がシリンダ22に提供される。充分に理解され得ることであるが、極端な条件においては燃料蒸気がシリンダ22に提供される期間はさらに長くなる。さらに、例えば、燃料蒸気が提供される期間は温度センサの入力値、前の始動からの時間、または他の幾つかの変数を参照して判定されると、燃料蒸気が提供される期間は始動毎に変化する。
【0016】
当業者であるなら本願の説明から充分に理解できるように、エンジン14のシリンダ22への燃料蒸気の提供のためのアセンブリ18の制御は、ハードウェアにより提供されたロジック、またはハードウェアに付設されたプログラム命令を用いるコントローラ74により実行される。本発明のさらに別の実施態様によれば、アセンブリ18の制御は、従来型の制御システムを備えるコントローラ74の適切なプログラムおよび相互接続により実行されてもよく、その従来型の制御システムはまた、エンジン14の液体燃料噴射システムを稼動するためにも使用される。
【0017】
本願における説明には、エンジン14が1つ以上のシリンダ22およびピストンを備える例を用いたが、本発明の実施態様はそれらに限定されない。例えば、本発明の実施態様はロータリーエンジンに関しても適用され得る。一般的には、本発明は通常液体燃料を提供される任意のスパーク点火型のエンジンに関して使用され得る。
【0018】
本発明はガソリンエンジンのコールドスタート時の挙動を改善して、炭化水素および一酸化炭素の排出を低減し、同時に走行性能を向上させる。エンジンからの炭化水素の排出を低減することにより、触媒の貴金属充填量を低減することが可能となり、それは車メーカーにとって最終的な原価低減になり得る。本発明は熱交換器およびコンデンサなどの蒸留システムを必要とするシステムおよび方法、ならびに燃料タンクを追加したり、燃料ポンプを追加したりする必要のあるシステムと比較すれば、実行することは複雑ではなくかつ費用がかからない。真空ポンプ、始動燃料を計量するハードウェア、およびコントローラが複雑となる費用は、触媒中の貴金属が過剰となることにより可能な原価削減と比較して小さいと考えられる。さらに、燃料蒸気などの燃料の最も揮発し易い部分の唯一の供給源としては、正規すなわち通常のエンジン稼動中に使用される液体燃料を収容しているものと同一の燃料タンクであることを要する。さらに本発明の実施態様は、始動するときにエンジンにより発生される減圧すなわち負圧のみに依存するものではない。むしろ本発明の実施態様は、コールドスタートに際してエンジンの燃焼室に燃料蒸気を提供するための、真空ポンプなどの減圧するための別個の装置を備えることができる。さらに、エンジンが点火されたり始動されたりする前に、燃料の雰囲気圧を低減するための真空ポンプを起動することができる。本発明のさらに別の実施態様によれば、コールドスタートに際して
、減圧装置を付加することなく燃焼室内のピストンすなわち部品を移動させることにより発生される減圧を利用して、エンジンの燃焼室に燃料蒸気を提供することができる。本発明のさらに別の実施態様によれば、エンジンを始動させるための燃料蒸気に関して、エンジンにより発生された減圧を後に使用するために、バキュームアキュムレータを用いて蓄積することができる。
【0019】
本発明に関する上記の検討は、図示および説明のために示したものである。さらに本発明の説明は、本発明を本願に開示した形状に限定することを意図したものではない。したがって、当業者の技術および知識内における上記の教示と同等の変更および修正は、本発明の範囲内にある。さらに本願に記載された実施態様は、本発明を実施する最良の形態を説明すること、ならびに、このような実施態様または他の実施態様と、本発明の具体的な適用すなわち使用を行うために必要な様々な改変とを行った上で、当業者が本発明を用いることを可能とすることを意図するものである。添付の請求項は、従来技術により許容される程度の代替の実施態様を含めるべきであると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施態様におけるアセンブリを組み込んだエンジンの概略図。
【図2】本発明の一実施態様における操作の順序を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの始動を制御する方法であって、
燃料タンク内に燃料を提供する提供工程と、該燃料の少なくとも大部分は燃料蒸気であることと、
前記提供工程において得られた燃料蒸気の少なくとも一部をエンジンに供給する供給工程とを備え、
前記供給工程にて供給された燃料蒸気は、エンジンの始動時に使用される唯一の燃料蒸気である方法。
【請求項2】
該燃料タンクは液体燃料を収容する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記提供工程は、負圧を発生させるための装置を使用する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記提供する工程は、常温において燃料蒸気を提供する工程を備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該燃料タンクは、エンジンの始動と、同始動以外のエンジン稼動とのための燃料の唯一の供給源である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記提供工程は、エンジンからは独立して、燃料の雰囲気圧を低減させる工程を備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記提供工程は、エンジン始動の一部として、エンジンの点火の前に行われる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
提供されるほぼ全ての燃料は燃料蒸気である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該装置は吐出側を備え、かつ燃料蒸気の少なくとも一部は同吐出側に隣接して再凝結する請求項3に記載の方法。
【請求項10】
エンジンが暖機した後、エンジンに液体燃料を供給する工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
起動したときにエンジンの始動に用いるための燃料蒸気を提供するアセンブリであって、
燃料を有する燃料タンクと、
同燃料タンクに連通する蒸気燃料ラインと、
エンジンへの燃料蒸気の移動を制御するために使用される負圧を発生させる装置とを備え、
該装置は同エンジンとは異なるアセンブリ。
【請求項12】
該装置は蒸気燃料ラインに沿い、燃料タンクとエンジンとの間に配置された真空ポンプを備える請求項11に記載のセンブリ。
【請求項13】
燃料タンクは始動後のエンジンにより使用される液体燃料を備える請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項14】
エンジンにより発生されるいかなる減圧とも関係なく、燃料蒸気がエンジンに提供され
る請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項15】
エンジンが点火される前に該装置が起動される請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項16】
燃料蒸気は常温である請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項17】
燃料タンクは始動時にエンジンにより使用される燃料蒸気の唯一の供給源である請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項18】
エンジンを始動させる方法であって、
液体燃料タンクから蒸気を引き出す工程と、
液体燃料タンクから引き出された該蒸気を、エンジンの少なくとも第1の燃焼室に供給する工程とを備え、
エンジンは該蒸気を用いて始動される方法。
【請求項19】
エンジン温度を監視する工程と、
所定値を超える温度に対応して、液体燃料を少なくとも第1の燃焼室に提供する工程とをさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
エンジン温度を前記監視する工程は、エンジン冷媒、エンジンオイル、エンジン排気、およびエンジン部品のうちの少なくとも1つの温度を監視する工程を備える請求項19に記載の方法。
【請求項21】
所定値を超えた温度に対応して、液体燃料タンクから引き出された蒸気を供給することを停止する工程をさらに備える請求項19に記載の方法。
【請求項22】
エンジンを始動させた後、タイマーを始動させる工程と、
同タイマーが所定の時間が経過したことを示すことに対応して、液体燃料を少なくとも第1の燃焼室に提供する工程とをさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項23】
エンジンを始動させた後、同エンジンに液体燃料を提供する工程をさらに備え、
同液体燃料から少なくとも第1の燃焼室に引き出される蒸気は急激に停止される請求項18に記載の方法。
【請求項24】
エンジンを始動させた後、エンジンに液体燃料を提供する工程をさらに備え、
液体燃料から引き出された蒸気を少なくとも第1の燃焼室に供給する工程は漸次停止される請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−501352(P2007−501352A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522573(P2006−522573)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/022818
【国際公開番号】WO2005/016680
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(592246587)コロラド ステート ユニバーシティー リサーチ ファウンデーション (17)
【Fターム(参考)】