説明

シリコン選択エッチ方法

基板上に設けられるシリコン層をエッチングする方法は、シリコン層に第1のトレンチを異方性エッチングすること;第1のトレンチ内のシリコン表面を選択的に異方性ウェットエッチングすることであって、該ウェットエッチングが、シリコン表面を、芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物と、非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩とを含む水性組成物に曝すことを含み、該ウェットエッチングが、シリコン層の(110)面及び(100)面をおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的にエッチングして、(111)面に側壁を有する拡大されたトレンチを形成する、選択的に異方性ウェットエッチングすることを含む。応力をシリコン層の少なくとも一部分に導入するプロセスの一環として、このようにして作製したトレンチ内にシリコン合金をエピタキシャル堆積させてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的に、金属酸化物の半導体電界効果トランジスタ及び他のシリコンベースのデバイスの製作に関する。より詳細には、本発明は、このようなデバイス及び類似のデバイスに使用されるシリコンを選択的にエッチングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウェットエッチは、集積回路の製造において重要な方法である。シリコン選択ウェットエッチにかかる具体的な用途は、トランジスタの構築の前半部(FEOL)プロセスにおけるゲート形成にかかる歪みの導入に関するものである。ゲート酸化物、酸化シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン及び他の薄膜を、シリコン上に堆積させて、連続する堆積工程、パターニング工程及びエッチング工程を通じてトランジスタゲート構造を形成することができる。このプロセス中、選択的なマスキングを通して、シリコン表面に、ホウ素、リン、ヒ素、又はシリコンに負バイアス若しくは正バイアスをかける他の元素をドープさせる。次に、シリコン表面を加熱して、ドーパントをシリコン中に追い込む。その後、単結晶シリコンをエッチングして、ゲート間にチャネルを生じさせ、その後歪み誘導性のシリコン合金、例えばシリコンゲルマニウム(SiGe)の堆積を行う。幾らかの量の歪みは、例えば、MOSトランジスタチャネル領域におけるキャリアの移動度を改良する上で有益であることが見出されている。このような歪みの導入に関する多数のプロセスが開示されているが、シリコン合金を堆積させるトレンチをより効果的かつ制御可能にエッチングし、また所望量の歪みを効果的かつ制御可能にチャネル内により生じさせるとともにチャネルに印加させるような改良が要求されている。歪み誘導性のシリコン合金が結晶構造中にあまりに多くの転位を含む場合には、転位が歪みを逃し、かつ/又は堆積させる場合に十分な歪みが発生しないため、所望される歪みの量を得ることが難しいことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
積層欠陥は、成長中の局所的な環境変化に起因して、例えば表面粗さによって、結晶積層順序が崩壊する際にエピタキシャル薄膜において起こり得る、平面欠損である。欠損は、欠損のいずれかの側面上における平面間の変位が、問題の材料に対する完全な結晶平行移動ベクトルでないことを特徴とする。例えば、結晶が最密充填積層順序ABCABC(A、B及びCは、その間の結晶平行移動ベクトルが(1/2)[110]である別個の積層部位である)に従い(111)方向に成長する材料に関して、ABCAB//ABCの積層順序は、「//」で示される、平面「B」と平面「A」との間の欠陥を含み、イントリンシック積層欠陥と称され、結晶面(この場合「C」)が取り除かれていると考えることができる。対照的に、ABCA/C/BCABCの積層順序は、エキストリンシック積層欠陥と称され、積層順序への余分な平面(この場合「C」)が挿入されていると考えることができる。
【0004】
本発明者らは、シリコン表面の粗さの増大をほとんど又は全くもたらすことのない、シリコンを選択的にエッチングするための方法及び組成物を利用することによって、未処理のシリコン表面と比べて、歪み誘導性のシリコン合金のその後の堆積において所望量の歪みを制御可能かつ効果的に得ることができることを発見した。本発明者らは、(111)表面における任意の粗さが、幾らかの(110)表面特徴を含み、また歪み誘導性のシリコン合金、例えばSiGeが(110)表面上で(111)表面と比べて過度に速く成長するため、粗さが、堆積された歪み誘導性のシリコン合金における不連続性(すなわち、積層欠陥)をもたらし、これにより堆積された歪み誘導性のシリコン合金の結晶構造において転位が起こること、及び本明細書中に開示される方法及び組成物の使用によって、粗さを低減することができることを発見した。転位又は積層欠陥は、歪みを低減させるため、要求される歪み誘導性の堆積において所望量の歪みを得ることができない。本発明者らは、シリコンをエッチングする上で使用される、本明細書中に記載の組成物を選択することによって、粗さの増大を回避することができ、より平滑な表面を得ることができ、歪み誘導性のシリコン合金によって誘導される歪みの量をより良好に制御することができることを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施の形態によれば、シリコンを選択的にエッチングするための方法及び組成物が提供される。エッチングプロセスでは、シリコンが、(111)面と比べて(110)面及び(100)面において選択的にエッチングされ、極めて平滑な表面が得られる。本発明によれば、(110)面及び(100)面は、互いにほぼ同じ速度でエッチングされるが、これらの平面は、顕著により遅い速度でエッチングされる(111)面に対して優先的にエッチングされる。改善されるものの、制御されかつ極端でない選択性は、歪み誘導性のシリコン合金、例えばシリコンゲルマニウム又はシリコン炭素のその後のエピタキシャル堆積のためのシリコン表面の改良をもたらす。本発明の実施の形態による方法により起こるシリコン表面の改良は、歪みの導入の改善、及び歪みを発生させるシリコン合金がエピタキシャル堆積されるトレンチ内のより平滑でより規則的な表面をもたらす。上記で述べたように、歪み誘導性のシリコン合金を粗過ぎるシリコン表面上に効果的にエピタキシャル堆積させることはより困難である。したがって、本発明によって得られる平滑で規則的な表面は、続く工程におけるシリコン合金をエピタキシャル堆積させる能力を改善させ、このことは所望量の歪みを得るのに重要である。
【0006】
1つの実施の形態において、本発明の方法は、第四級オニウム水酸化物と、非対称第四級ホスホニウム塩とを含む組成物を使用している。1つの実施の形態において、組成物はグリコールエーテルを更に含む。
【0007】
したがって、1つの実施の形態において、本発明の方法は、基板上に設けられるシリコン層をエッチングする方法であって、
前記シリコン層中に第1のトレンチを異方性エッチングすることと、
前記第1のトレンチ内のシリコン表面を選択的に異方性ウェットエッチングすることであって、該ウェットエッチングが、該シリコン表面を、
芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物と、
非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩と、
を含む水性組成物に曝すことを含み、該ウェットエッチングが、前記シリコン層の(110)面及び(100)面をおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的にエッチングして、該(111)面に側壁を有する拡大されたトレンチを形成する、選択的に異方性ウェットエッチングすることと、
を含む、基板上に設けられるシリコン層をエッチングする方法を提供する。ウェットエッチングは、選択的な異方性エッチであり、(111)面に対してシリコン層の(110)面及び(100)面を、約1.4:1〜約2.3:1の範囲の係数で、又は1つの実施の形態において、約2:1の係数で優先的にエッチングする一方、ウェットエッチングは、(100)面を超える(110)面についての選択性をほとんど示さない。これらの選択性比率は、例えば、35:1の(100)/(111)についての強い配向性の優先度を示す典型的な第四級アンモニウム水酸化物のエッチと、単純なテトラメチルアンモニウムヒドロキシドのエッチに対する2:1以上の(110)/(100)のエッチ速度とでかなり異なる。そのため、本発明が異方性ウェットエッチである一方、これまでに使用されてきたアルカリ性の異方性エッチとは、選択的な異方性ウェットエッチである点で異なる。本発明の異方性エッチの選択性は、それぞれのシリコン平面に対する相対的なエッチ速度に関して制御可能であり、これまでにない制御度合いをもたらし、また顕著により平滑なエッチング表面をもたらす。平滑度の改良は、引き続き堆積される歪み誘導性のシリコン合金にとって重要である。
【0008】
1つの実施の形態において、本発明による方法は、極めて平滑で欠損のないエッチング表面をもたらす。したがって1つの実施の形態において、前記拡大されたトレンチが、原子間力顕微鏡検査(AFM)によって測定する場合、約0.340nm〜約0.450nmの範囲の粗さRを有する曝露シリコン表面を含む。1つの実施の形態において、前記拡大されたトレンチが、原子間力顕微鏡検査(AFM)によって測定する場合、約0.430nm〜約0.550nmの範囲の粗さRrmsを有する曝露シリコン表面を含む。1つの実施の形態において、前記拡大されたトレンチが、AFMによって測定する場合、約4.9nm〜約6nmの範囲の粗さRmaxを有する曝露シリコン表面を含む。
【0009】
トレンチの凹表面に関するAFM測定は、無処理のトレンチに関して行うことは難しい。本明細書中に報告される粗さの測定値は、トレンチの底部に対応する(100)面配向表面の粗さを表している。(111)面配向された側壁の粗さは、本発明のエッチング溶液を用いて作製した場合、(111)表面上の粗さ特徴の結晶配向が、(111)以外の結晶面配向を有すると考えられ、かつ下層平面よりも容易にエッチングされるため、測定した(100)表面の粗さよりも小さくなると予想される。
【0010】
1つの実施の形態において、本発明により得られる拡大されたトレンチは、類似の未処理のシリコン表面の粗さから顕著に増大しない、AFMによって測定されるRrms粗さを有する曝露シリコン表面を含む。したがって、このような1つの実施の形態では、エッチング後のシリコン表面が、類似の未処理の結晶性シリコン表面のものよりも約6%以内で大きい、AFMによって測定されるRrms粗さを有する。別の実施の形態では、エッチング後のシリコン表面が、類似の未処理の結晶性シリコン表面のものよりも約10%以内で大きい、AFMによって測定されるRrms粗さを有する。別の実施の形態では、エッチング後のシリコン表面が、類似の未処理の結晶性シリコン表面のものよりも約25%以内で大きい、AFMによって測定されるRrms粗さを有する。別の実施の形態では、エッチング後のシリコン表面が、類似の未処理の結晶性シリコン表面のものよりも約90%以内で大きい、AFMによって測定されるRrms粗さを有する。
【0011】
1つの実施の形態において、本発明により得られる拡大されたトレンチは、歪み誘導性のシリコン合金をトレンチ内に堆積させる場合、類似の未処理の結晶性シリコン表面上に、同様の歪み誘導性のシリコン合金を堆積させることによって得られると考えられる、積層欠陥又は転位の数の約10倍以内の多数の積層欠陥又は転位を堆積物が含有するような、粗さを有する、側壁及び他の曝露シリコン表面を含む。すなわち、例えば、歪み誘導性のSiGe合金を未処理の結晶性シリコン表面上に堆積させると、1平方センチメートル当たり約10の転位(10/cm)がもたらされ、1つの実施の形態では、本発明に従ってエッチングされる表面上に堆積される、歪み誘導性のSiGe合金における転位の数が、1平方センチメートル当たりせいぜい約10の転位(10/cm)に過ぎない。転位/cmの実際の数は、多くの因子、例えば、Siと合金元素との比率、堆積の条件、任意の続くアニーリング、及び熟練者にとって既知の他の因子に応じて、広く変動し得ることが認識されている。しかしながら、この特徴は、2つの異なる基板、すなわち、未処理の基板及び本発明に従ってエッチングされる基板上に、実質的に同一の条件下で堆積される、歪み誘導性のシリコン合金を比較することによって、難なく求めることができる。
【0012】
別の実施の形態では、本発明は、基板上に設けられるシリコン層をエッチングする方法であって、その上に、該シリコン層を曝す開口を生じるように設けられる複数の構造、例えばスペーサ特徴又はゲート構造を有し、
前記開口を通じて、前記シリコン層中に第1のトレンチを異方性エッチングすることと、
前記第1のトレンチ内のシリコン表面を選択的に異方性ウェットエッチングすることであって、該ウェットエッチングが、該シリコン表面を、
芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物と、
非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩と、
を含む水性組成物に曝すことを含み、該ウェットエッチングが、前記シリコン層の(110)面及び(100)面をおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的にエッチングして、該(111)面に側壁を有する拡大されたトレンチを形成する、選択的に異方性ウェットエッチングすることと、
を含む、基板上に設けられるシリコン層をエッチングする方法を提供する。
【0013】
別の実施の形態では、本発明は、シリコン層中に応力を導入する方法であって、第1のトレンチをエッチングするとともに、選択的に異方性ウェットエッチングして、拡大されたトレンチを形成する前述の工程を含み、拡大されたトレンチの少なくとも一部分にシリコン合金をエピタキシャル堆積させることを更に含む、シリコン層中に応力を導入する方法を提供する。
【0014】
1つの実施の形態において、本発明は、選択位置に所望の歪み特徴を含有する改良されたシリコン層の形成を可能にする。本発明の組成物は、平滑な水平面をもたらすような方法でシリコン層をエッチングすることを可能にし、その後、続いて堆積されたシリコン合金層又はフィル(fill)を確実にエピタキシャル堆積させることができる。すなわち、本発明による方法によって得られるこの平滑で規則的なシリコン表面に起因して、シリコン合金のエピタキシャル堆積物をもたらすよう原子を位置合わせするように、続いて堆積されるシリコン合金を堆積させることができる。1つの実施の形態において、シリコン合金はシリコンゲルマニウムとすることができ、別の実施の形態では、シリコン合金がシリコン炭素とすることができる。
【0015】
エッチング後に残るシリコンにおいて平滑面を得る目的でシリコンをエッチングするのに他のプロセスを使用したが、これらのプロセスは、主要なエッチ工程後に付加的な平滑化工程の適用を要した。本発明は、選択的な異方性ウェットエッチング工程において所望の平滑面を直接得る方法を提供するため、その後の平滑化工程を含む必要がない。より少ない工程を要する何らかの方法が望ましく、かつ半導体の製作プロセスにおける使用に求められてきたため、これは顕著な改良を表す。それ故、本発明は、トランジスタの構築の前半部(FEOL)プロセスにおけるゲート形成の際に制御可能な量の歪みを得るという課題に対処し、またこの課題に対する解決策を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、従来技術のエッチプロセスと、本発明の一実施形態によるエッチプロセスとを比較する、未完成の半導体デバイスの一部の概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による選択的な異方性ウェットエッチを示す概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態の重要な態様を示す未完成のトランジスタの概略断面図である。
【図4】図4A及び4Bは、シリコン合金の堆積、及びシリコン合金の存在の結果としてトランジスタのチャネル内に生じる応力を示す概略断面図である。
【図5】図5A〜5Dは、本発明の別の実施形態に従い、シリコン基板をエッチングして開口を形成し、その後開口内にシリコン合金を堆積させる方法を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
当然のことながら、図面を簡潔かつ明確にするために、図に示される要素は、必ずしも一定の縮尺で示されているわけではない。例えば、要素の幾つかの寸法は明確性のために相互に誇張されている。さらに、適当であると考えられる場合には、対応する要素を示すように参照番号を複数の図で繰り返している。
【0018】
当然のことながら、本明細書中に記載されるプロセス工程及び構造は、半導体デバイス又は他のデバイスを製造する上で使用されると考えられるような、シリコンエッチングプロセス又はシリコンエッチング及び歪み導入プロセスを実行するための完全なシステム又はプロセスフローを形成しない。本発明は、当該技術分野において現在使用されている製作技法及び装置と併せて実践することができ、本発明の理解のために必要であれば、或る程度の一般的に扱われている材料、装置及びプロセス工程が含まれる。
【0019】
開示及び特許請求の範囲を通じて、開示される範囲及び比率の数値限定を組み合わせることができ、また範囲の開示によって介在値は全て開示されているものと考えられる。開示及び特許請求の範囲を通じて、群の任意の成員を該群から削除してもよい。開示及び特許請求の範囲を通じて、開示される様々な要素の可能な組合せを全て組み合わせることができ、このような組合せは全て、本発明の範囲内に含まれるものと考えられる。他に特に規定がなければ、温度は全てセルシウス度で測定され、プロセスは全て室温又は周囲温度で行われ、圧力は全て大気圧である。
【0020】
明細書及び特許請求の範囲を通じて、範囲限定及び比率限定を組み合わせてもよい。特に指定のない限り、「a」、「an」及び/又は「the」に対する言及は1つ又は1つよりも多い数を含んでいてもよく、単数の項目に対する言及も複数の項目を含んでいてもよいことを理解されたい。明細書及び特許請求の範囲において規定される組合せは全て、任意に組み合わせてもよく、要素の群のうちの任意の1つ又は複数の個々の要素を該群から省略するか又は限定してもよい。
【0021】
当業者が本発明を行いかつ使用することができるように、前述の概要に簡単に記載される或る特定の本発明の実施形態を、以下に記載の明細書中でより詳細に説明する。
【0022】
本明細書中で使用される場合、シリコン合金は、エピタキシャル共堆積された、シリコン、及び類似の原子特徴を有する別の原子、例えばゲルマニウム若しくは炭素、又はゲルマニウムと炭素との組合せによって形成される合金である。シリコン合金では、合金原子、例えばゲルマニウム若しくは炭素又は両方が、シリコン堆積物中において幾つかの数のシリコン原子に取って代わる。本発明の実施形態によれば、シリコン合金堆積物は、単結晶シリコン基板又は単結晶シリコン基板の表面上にシリコン合金をエピタキシャル堆積させることによって得られる結晶性堆積物である。理解されるように、シリコン基板は、シリコン合金のエピタキシャル堆積前に幾つかの点でドープされていてもよい。
【0023】
本明細書中で使用される場合、芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物は、芳香族、例えばフェニル、ナフチル又はベンジルである1つの置換基を含有する第四級アンモニウム水酸化物又は第四級ホスホニウム水酸化物であり、ここで、それぞれのフェニル基、ナフチル基又はベンジル基は、ハロゲン、ニトロ基、低級アルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、低級アルコキシ基、アシル基の1つ又は複数で更に置換されていてもよく、また3つの低級アルキル基又はアルコキシ基は独立して、C〜Cアルキル基であるか又はそれらを含有する。
【0024】
本明細書中で使用される場合、非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩は、アルキル基の3つが、独立してC〜Cアルキル基である低級アルキル基であり、第4のアルキル基が、約8個〜約22個の炭素原子を含有する分岐状又は非分岐状のアルキル基であり、また、塩が、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、スルホン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン又は重炭酸イオンの1つ又は複数であってもよく又はこれらを含み得るアニオンを含む、第四級ホスホニウム塩である。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、基板上に設けられるシリコン層をエッチングする方法が提供される。一実施形態において、シリコン層は、その上に、シリコン層を曝す開口を作るように設けられる複数の構造、例えばスペーサ特徴及び/又はゲート構造を有し得る。本方法は少なくとも、
前記シリコン層中に第1のトレンチを異方性エッチングする工程と、
前記第1のトレンチ内のシリコン表面を選択的に異方性ウェットエッチングする工程であって、該ウェットエッチングが、該シリコン表面を、
芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物と、
非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩と、
を含む水性組成物に曝すことを含み、該ウェットエッチングが、前記シリコン層の(110)面及び(100)面をおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的にエッチングして、該(111)面における側壁を有する拡大されたトレンチを形成する、選択的に異方性ウェットエッチングする工程とを含む。
【0026】
本明細書中で使用される場合、「およそ等しい速度」とは、(100)/(110)エッチ速度の比率が、約0.8:1〜約1.2:1、一実施形態では、約0.8:1〜約1:1、別の実施形態では、約0.9:1〜約1.1:1、別の実施形態では、約0.9:1〜約1:1の範囲をとることを意味する。上記で述べたように、本発明による(100)/(110)エッチ比率のこの「およそ等しい速度」は、従来のエッチング組成物及びエッチングプロセスによって得られる、約0.5:1から0.1:1以下までの、(100)/(110)のエッチの全く等しくない比率と対照をなす。(100)/(110)のエッチのおよそ等しい速度を得る上で、(111)面に対するこれらの面の優先的なエッチングに加えて、本発明は、未加工の(100)シリコン表面に比べて極めて平滑である側壁を(111)面に有するトレンチの形成を可能とする選択的に制御可能な異方性エッチを提供する。
【0027】
表面が該構造及び該開口を含む場合、シリコンエッチング工程は一般に、開口を介して又は経由してシリコンにアクセスすることによって行われる。構造は単に、パターニングされたマスキング層又は未完成若しくは実際の能動デバイス要素、例えば、ゲート構造の側壁スペーサ又はその上に塗布されるコーティングが下位のシリコン層への開口を作る構造を構成するゲート構造であってもよい。代替的には、好適に選択された位置に好適なサイズの開口をもたらすのに必要とされるため、このような能動構造とパターニングされたマスキング層との組合せが存在し得る。
【0028】
一実施形態において、前記シリコン層が、その上に、前記シリコン層を曝す開口を作るように設けられる複数の構造を有し、前記選択的異方性エッチングを、該開口を通じて行う。
【0029】
一実施形態において、前記選択的に異方性ウェットエッチングすることによって、前記複数の構造の各々を部分的に切り下げ、前記拡大されたトレンチが前記(111)面に2つの側壁を備える。これは、図面の説明においてより詳細に示され、また記載される。
【0030】
一実施形態において、芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物は、アンモニウム若しくはホスホニウム、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを含む。一実施形態において、芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物中、(低級)アルキル基のそれぞれは独立して1個〜約4個の炭素原子を含有する。一実施形態において、芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物中、芳香族基はベンジル基又はフェニル基であり、各低級アルキルは独立してメチル又はエチルである。これらの化合物は、オニウム化合物の以下の記載においてより詳細に説明される。
【0031】
一実施形態において、非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩は、約8個〜約18個の炭素原子を有するアルキル基を含み、1個〜約4個の炭素原子を独立して含有する1つ又は複数の低級アルキル基を更に含む。これらの化合物は、オニウム化合物の以下の記載においてより詳細に説明される。
【0032】
一実施形態において、水性組成物はグリコールエーテルを更に含む。一実施形態において、グリコールエーテルはモノアルキルエーテルである。一実施形態において、グリコールエーテルはジプロピレングリコールモノメチルエーテルである。一実施形態において、グリコールエーテルは最大約5wt.%の濃度で存在する。
【0033】
有機オニウム化合物
本発明にかかる有用な有機オニウム化合物としては、有機オニウム塩、並びに有機オニウム水酸化物、例えば第四級アンモニウム水酸化物及び第四級ホスホニウム水酸化物が挙げられる。
【0034】
一実施形態において、オニウム水酸化物は一般に式(I)を特徴とし得る:
【化1】

(式(I)中、Aは芳香族基を含有するオニウム基であり、xはAの価数に等しい整数である)。ほとんどの場合、Aは、単一の正電荷、すなわち+1の価数を有するオニウムイオンであるが、複数の正電荷、例えば2個〜4個の正電荷を有するオニウムイオンは、本発明におけるAの定義の範囲内である。オニウム基の例としては、アンモニウム基及びホスホニウム基が挙げられる。オニウム水酸化物は、溶液、例えば水、アルコール若しくは他の有機液体、又はそれらの混合物に十分に溶解して、有用なウェットエッチ速度を可能にするものでなければならない。
【0035】
一実施形態において、第四級オニウム水酸化物は式(II)を特徴とする:
【化2】

(式(II)中、Aは窒素原子又はリン原子であり、Rは芳香族基を含有する基であり、R、R及びRはそれぞれ独立して、低級アルキル基、アルコキシ基又はヒドロキシアルキル基である)。一実施形態において、低級アルキル基は独立して1個〜約4個の炭素原子を含有し、ヒドロキシアルキル基は1個〜約4個の炭素原子を含有し、アルコキシアルキル基は2個〜約5個の炭素原子を含有する。
【0036】
式(II)中、芳香族基を含有する基は、アリール基又はヒドロキシアリール基であってもよい。好適なアリール基及びヒドロキシアリール基の例としては、フェニル、ベンジル、1−ナフチル、2−ナフチル、フェナントリル、及び1個〜約4個の炭素原子の範囲をとる低級アルキルで置換した類似体、例えばトリル又はキシリル、及び低級アルキルで置換した類似体を含む芳香族環が1つ又は複数のヒドロキシ基で置換された対応するヒドロキシアリール基が挙げられる。
【0037】
式(II)中、R基〜R基は独立して線形又は分岐状であってもよく、このような低級アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基が挙げられる。また、R基〜R基の1つ又は複数は独立して、1個〜4個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシエチル、及びヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルの様々な異性体等であってもよい。また、R基〜R基の1つ又は複数は独立して、2個〜5個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシエチル、及びアルコキシプロピル、アルコキシブチルの様々な異性体等であってもよい。前述のアルキル基、ヒドロキシアルキル基及びアルコキシアルキル基の任意の組合せを使用してもよいことが具体的に意図される。
【0038】
一実施形態において、本発明の方法に従って使用され得る第四級アンモニウム水酸化物としては、例えば、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、及びベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、又はこれらのいずれかの混合物が挙げられ得る。
【0039】
一実施形態において、本発明により使用され得る非対称第四級ホスホニウム塩は、式(III)を特徴とする:
【化3】

(式(III)中、Rは、約8個〜約22個の炭素原子を含有する分岐状又は非分岐状のアルキル基であり、R、R及びRは式(II)で定義される通りであり、Xは酸のアニオンであり、yはXの価数に等しい数である)。酸のアニオンの例としては、重炭酸イオン、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、リン酸イオン等が挙げられる。一実施形態において、RはC10〜C22アルキル基であり、一実施形態では、RはC14〜C18アルキル基である。
【0040】
本発明により使用され得る、式(III)を代表する第四級ホスホニウム塩の例としては、テトラデシルトリブチルホスホニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルホスホニウムクロリド、テトラデシルトリエチルホスホニウムクロリド、ヘキサデシルトリエチルホスホニウムクロリド、ドデシルトリブチルホスホニウムクロリド、ドデシルトリメチルホスホニウムクロリド、オクタデシルトリブチルホスホニウムクロリド、オクタデシルトリメチルホスホニウムクロリド等、並びに例えば、フッ化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン及びリン酸イオンを含む対応するアニオンが挙げられる。一実施形態では、フッ化物がシリコンの望ましくないエッチングをもたらすおそれがあるため、フッ化物を使用しない。
【0041】
一実施形態において、より大きな有機基を有するものを含むより大きなオニウムカチオンは、フォトレジスト材料とのより大きな適合性をもたらす。一実施形態において、より大きなホスホニウムイオンは、長鎖アルキル基を欠くホスホニウムイオンに比べてより平滑なエッチング表面をもたらす。
【0042】
前述のオニウム水酸化物及びホスホニウム塩は、例えばSACHEM, Inc.(Austin, Texas)から市販されている。加えて、オニウム水酸化物は、対応するオニウム塩、例えば対応するオニウムのハロゲン化物、炭酸塩、ギ酸塩、硫酸塩等から調製することができる。様々な調製方法は、米国特許第4,917,781号(Sharifian et al)及び同第5,286,354号(Bard et al)(参照により本明細書に援用される)に記載されている。オニウム水酸化物又はオニウム塩を得るか又は調製する方法に関して特別な限定は存在しない。一実施形態において、オニウム水酸化物及びオニウム塩の金属含有量は、可能な限り低いものとされ、明細書内に記載され、かつ半導体デバイス加工における使用に好適なものとする。
【0043】
本発明の組成物中の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物の濃度は、ウェットエッチング組成物の0.1wt%〜約20wt%の範囲をとり得る。適切な希釈度は、ウェットエッチング組成物中で使用するための供給濃度及び望ましい濃度に基づき、当業者によって決定することができる。一実施形態において、芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物の濃度は約0.5wt%〜約15wt%の範囲内であり、別の実施形態では、芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物の濃度が、約2wt%〜約10wt%の範囲内であり、別の実施形態では、芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物の濃度が、約3wt%〜約8wt%の範囲内であり、一実施形態では、芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物の濃度が約4wt%であり、濃度は全てウェットエッチング溶液の総重量に基づくものである。
【0044】
本発明の組成物中の非対称ホスホニウム塩の濃度は、ウェットエッチング組成物の0.1wt%〜約20wt%の範囲をとり得る。適切な希釈度は、ウェットエッチング組成物中で使用するための供給濃度及び望ましい濃度に基づき、当業者によって決定することができる。一実施形態において、非対称ホスホニウム塩の濃度は約0.5wt%〜約15wt%の範囲内であり、別の実施形態では、非対称ホスホニウム塩の濃度が、約2wt%〜約10wt%の範囲内であり、別の実施形態では、非対称ホスホニウム塩の濃度が、約3wt%〜約8wt%の範囲内であり、一実施形態では、非対称ホスホニウム塩の濃度が約4wt%であり、濃度は全てウェットエッチング組成物の総重量に基づくものである。
【0045】
一実施形態において、ウェットエッチング組成物は、約0.1wt%〜約20wt%の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物と、約0.1wt%〜約20wt%の非対称ホスホニウム塩とを含有し、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。一実施形態において、ウェットエッチング組成物は、約0.5wt%〜約15wt%の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物と、約0.1wt%〜約20wt%の非対称ホスホニウム塩とを含有し、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。一実施形態において、ウェットエッチング組成物は、約2wt%〜約10wt%の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物と、約0.1wt%〜約20wt%の非対称ホスホニウム塩とを含有し、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。一実施形態において、ウェットエッチング組成物は、約3wt%〜約8wt%の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物と、約0.1wt%〜約20wt%の非対称ホスホニウム塩とを含有し、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。一実施形態において、ウェットエッチング組成物は、約0.1wt%〜約20wt%の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物と、約0.5wt%〜約15wt%の非対称ホスホニウム塩とを含有し、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。一実施形態において、ウェットエッチング組成物は、約0.1wt%〜約20wt%の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物と、約2wt%〜約10wt%の非対称ホスホニウム塩とを含有し、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。一実施形態において、ウェットエッチング組成物は、約0.1wt%〜約20wt%の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物と、約3wt%〜約8wt%の非対称ホスホニウム塩とを含有し、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。一実施形態において、ウェットエッチング組成物は、約3wt%の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物と、約1.5wt%の非対称ホスホニウム塩とを含有し、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。一実施形態において、ウェットエッチング組成物は、約9wt%の芳香族トリ(低級)アルキルオニウム水酸化物と、約1.5wt%の非対称ホスホニウム塩とを含有し、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。前述のそれぞれにおいて、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せが存在する場合には、ウェットエッチング組成物の最大約5wt%の量で存在し得る。
【0046】
前述の全てにおいて、オニウム化合物の濃度は独立して、開示の範囲内において決定され、任意の所与のエッチング剤組成物中に使用される水酸化物及び/又は塩のいずれか2つ以上の混合物が存在していてもよく、またエッチング組成物は、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを任意で更に含む。
【0047】
応力の導入
一実施形態において、本発明は、シリコン層中に応力を導入する方法に関する。背景技術の節で論じたように、シリコン層中への応力の導入は、半導体材料及びとりわけMOSトランジスタのチャネル領域における電子及びホールの移動度を改善させるために使用されてきた。本発明の組成物は、上記の方法で使用される場合、シリコン合金を堆積させて応力を発生させる構造をもたらし得る空隙を形成するのにとりわけ有用である。この実施形態によれば、応力を導入する方法は少なくとも、
基板上に設けられるシリコン層を準備する工程であって、該シリコン層に開口を作るように、該シリコン層がその上に設けられる複数のスペーサ特徴を有する、シリコン層を準備する工程と、
前記開口を通じて、前記シリコン層中に第1のトレンチを異方性エッチングする工程と、
前記第1のトレンチ内のシリコン表面を選択的に異方性ウェットエッチングする工程であって、該ウェットエッチングが、該シリコン表面を、
芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物と、
非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩と、
を含む水性組成物に曝すことを含み、該ウェットエッチングが、前記シリコン層の(110)面及び(100)面をおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的にエッチングして、該(111)面における側壁を有する拡大されたトレンチを形成する、選択的に異方性ウェットエッチングする工程と、
前記拡大されたトレンチの少なくとも一部分のシリコン表面上にシリコン合金をエピタキシャル堆積させる工程とを含む。
【0048】
一実施形態において、前記シリコン合金が、前記シリコン層に応力を導入する。
【0049】
一実施形態において、前記シリコン合金がシリコンゲルマニウムを含む。
【0050】
一実施形態において、前記シリコン合金がシリコン炭素を含む。
【0051】
シリコン合金は、拡大されたトレンチの表面上にエピタキシャルに形成される。一実施形態では、シリコン合金がシリコン及びゲルマニウムを含む。別の実施形態では、シリコン合金が、シリコン、ゲルマニウム及びホウ素を含み、ホウ素はドーパントとして添加される。薄膜は、例えば200mmの化学気相堆積チャンバにおいて、以下の加工条件:20sccmのジクロロシラン及び50sccmのゲルマン、740℃の温度で形成することができる。ホウ素を含む実施形態では、これらのフロー及び温度に、1%濃度の70sccmのジボランを添加して、ホウ素をドーパントとして付与してもよい。
【0052】
理解されるように、シリコン及びゲルマニウムは、拡大されたトレンチの表面のシリコンの格子の構造と同様の構造を有する格子を有する合金を形成する。しかしながら、シリコンとゲルマニウムとの合金の格子は、拡大されたトレンチのシリコンの格子の間隔よりも大きな間隔を有する。シリコン合金の格子は拡大されたトレンチのシリコンと同様の構造を有するため、シリコン合金は、拡大されたトレンチのシリコン表面上にエピタキシャルに生じる。しかしながら、シリコン合金の格子のより大きな間隔のために、シリコン合金は、拡大されたトレンチに隣接するチャネル内に圧縮応力を引き起こす。一実施形態において、ゲルマニウムは、シリコンとゲルマニウムとの組合せ中に約15原子百分率で存在する。シリコンとゲルマニウムとの組合せの最大20原子百分率(体積)のゲルマニウム濃度により、エピタキシが維持され得ることが見出された。この実施形態は、チャネル内におけるホールの移動度が改善される。
【0053】
ホウ素が存在する実施形態では、ホウ素濃度が、およそ0.5×1020/cm〜約3×1020/cmであり得る。それ故、得られるシリコンゲルマニウム堆積物はドープされたP+型である。
【0054】
理解されるように、シリコン合金がシリコン炭素である場合、シリコン合金をエピタキシャル堆積させるのに類似の条件を使用することができるが、僅かにより大きな格子を形成する代わりに、シリコン炭素合金が、僅かにより小さな格子を形成し、チャネル領域に印加される圧縮応力の代わりに、チャネル領域に引張応力が印加される。この実施形態は、チャネル内における電子の移動度を改善させる。また、理解されるように、シリコン炭素合金も必要に応じてドープすることができる。
【0055】
例示的なプロセス
以下は、本発明の実施形態を実施するための例示的なプロセスであり、(100)、(110)及び(111)のシリコン平面のエッチング速度を評価するように、例示的で非限定的な目的で提供される。
【0056】
エッチング実験は、(100)配向のpドープされた4インチのシリコンウエハを用いて実施する。1.2μm〜1.5μmの熱酸化物のマスキング層を、炉内で成長させ、パッシベーションに使用する。そして、約1mm〜約3mmの直径を有する円の単純なパターンを、基本的なフォトリソグラフィを用いて熱酸化物層中に形成する。このシリコンウエハを複数の切片に切断し、100:1のHFを含有するプラスチックビーカー内に2分間沈め、円のシリコンから(パッシベーション酸化物は除去しないものの)表面酸化物を除去して、DI水で濯ぎ、乾燥させる。その後、シリコンエッチング組成物を撹拌しながら、55℃〜90℃の範囲で示される温度のエッチング剤溶液に浸漬させることによって、チップを加工する。ウエハ切片を5分間〜30分間加工した後、それらをDI水で濯ぎ、窒素でブロー乾燥させる(blown dry)。その後、形状測定、AFM又はSEMによってウエハを試験する。
【0057】
プロセス温度
本発明の実施形態に従いシリコン層を選択的に異方性ウェットエッチングするプロセスを実行するためのバス(bath)又は溶液の温度は、エッチングされるシリコン層の特定のシリコン組成物の特性、エッチングされるシリコン層の厚み、アンモニウム水酸化物及び/若しくはホスホニウム水酸化物、並びに/又は塩の濃度、エッチングに割り当てられる時間、及びシリコンエッチングプロセスにおけるエッチ速度に影響を及ぼすことが知られている類似の因子を含む、当業者に既知の因子に基づき好適に選択され得る。一実施形態において、シリコン層を選択的に異方性ウェットエッチングするためのウェットエッチング組成物のバス又は溶液の温度は、約30℃〜約90℃の範囲をとり、別の実施形態では、バス又は溶液の温度が約50℃〜約80℃の範囲をとり、別の実施形態では、バス又は溶液の温度が約60℃〜約75℃の範囲をとり、さらに別の実施形態では、バス又は溶液の温度が約70℃である。
【0058】
エッチ選択性
一実施形態において、本明細書中で方法に記載されるように、本発明によるウェットエッチング組成物を用いることによって得られる、(111)面に対する(100)面についての選択性は、約1.4〜約2.5の範囲をとり、(111)面に対する(110)面についての選択性は約1.5〜約2.5の範囲をとる。
【0059】
一実施形態において、(100)面及び(110)面についての相対的なエッチ速度は、実質的に類似の速度、例えば、(上記で定義したように)およそ等しい速度であり、一実施形態において、(100)/(110)及び(110)/(100)についてのエッチ速度比率はともに、約0.8〜約1.2の範囲内である。
【0060】
以下の表中のデータは、第一に様々な温度条件で、第二にグリコールエーテルを添加して、2つの異なる組成物を用いて示されるように、本発明の実施形態による方法を用いて得られ得る結果を表す。表中に示されるように、本方法は、(111)面よりも(100)面及び(110)面についてより速いエッチ速度を得る。
【0061】
【表1】

【0062】
本発明のエッチング剤に関する前述のエッチ速度は、形状測定又はSEMによって求められる。以下の比較データは、本発明によるものではなく、単純な第四級オニウム水酸化物に関するものである。
【0063】
【表2】

【0064】
従来技術のエッチング剤に関する前述のエッチ速度は、エッチング剤を(100)、(110)及び(111)の未加工のシリコン表面に適用することによる重量損失から求められる。
【0065】
上記のデータから明らかなように、本発明の実施形態による組成物は、比較データに示されるような、従来のシリコンエッチング剤によって得られるシリコンエッチ速度よりも、実質的に遅いシリコンエッチ速度を得る。このシリコンエッチ速度の低減は、緩和されるだけでなく、前述のデータによっても示されるように、選択性が顕著に改良される点で利得である。比較データでは、シリコンエッチ速度が非常に速いものの、選択性が[(110)≒(100)]>(111)(ここで、≒は、上記で定義したように、実質的に類似の、例えば、およそ等しいエッチ速度を示す)である本発明に比べて、選択性は(110)>>(100)>(111)(ここで、>>はよりはるかに速いエッチ速度を示し、>はより速いエッチ速度を示す)である。よって、本発明の実施形態によれば、(110)面及び(100)面を両方とも互いに実質的に類似の速度で確実にエッチングするのに、該シリコンエッチ速度を使用することができ、両方のエッチ速度は、(111)面におけるエッチ速度よりも顕著に大きいため、(111)面により多くのシリコンが優先的に残る。この利得に加えて、全体エッチ速度の低減は、大概、(111)面におけるより遅いエッチ速度に起因して、エッチング後に、とりわけ(111)面に極めて平滑なシリコン表面をもたらす。
【0066】
エッチングシリコン表面の粗さ
上記のように、本発明の方法によってエッチングされる表面上へのシリコン合金のエピタキシャル堆積を改善させるために、これらの表面を可能な限り平滑にすることが重要である。
【0067】
一実施形態において、拡大されたトレンチは、原子間力顕微鏡検査(AFM)によって測定される場合、約0.34nm〜約0.45nmの範囲の粗さRを有する曝露シリコン表面を含む。一実施形態において、拡大されたトレンチは、AFMによって測定される場合、約0.35nm〜約0.43nmの範囲の粗さRを有する曝露シリコン表面を含む。一実施形態において、拡大されたトレンチは、AFMによって測定される場合、約0.35nm〜約0.36nmの範囲の粗さRを有する曝露シリコン表面を含む。
【0068】
一実施形態において、拡大されたトレンチは、AFMによって測定される場合、約0.43nm〜約0.55nmの範囲の粗さRrmsを有する曝露シリコン表面を含む。一実施形態において、拡大されたトレンチは、AFMによって測定される場合、約0.43nm〜約0.455nmの範囲の粗さRrmsを有する曝露シリコン表面を含む。一実施形態において、拡大されたトレンチは、AFMによって測定される場合、約0.13nm〜約0.5nmの範囲の粗さRrmsを有する曝露シリコン表面を含む。一実施形態において、拡大されたトレンチは、AFMによって測定される場合、約0.14nm〜約0.25nmの範囲の粗さRrmsを有する曝露シリコン表面を含む。
【0069】
一実施形態において、拡大されたトレンチは、AFMによって測定される場合、約1.4nm〜約6nmの範囲の粗さRmaxを有する曝露シリコン表面を含む。一実施形態において、拡大されたトレンチは、AFMによって測定される場合、約4.9nm〜約6nmの範囲の粗さRmaxを有する曝露シリコン表面を含む。一実施形態において、拡大されたトレンチは、AFMによって測定される場合、約1.5nm〜約2.2nmの範囲の粗さRmaxを有する曝露シリコン表面を含む。
【0070】
本発明の結果得られる表面の改良された平滑度は他の方法で表現してもよい。それ故、一実施形態において、本発明により得られる拡大されたトレンチは、類似の未処理のシリコン表面の粗さから顕著に増大しない、AFMによって測定されるRrms粗さを有する、側壁及び他の曝露シリコン表面を含む。このため、このような一実施形態では、エッチング後のシリコン表面が、類似の未処理の結晶性シリコン表面のものよりも約6%以内で大きい、AFMによって測定されるRrms粗さを有する。別の実施形態では、エッチング後のシリコン表面が、類似の未処理の結晶性シリコン表面のものよりも約10%以内で大きい、AFMによって測定されるRrms粗さを有する。別の実施形態では、エッチング後のシリコン表面が、類似の未処理の結晶性シリコン表面のものよりも約25%以内で大きい、AFMによって測定されるRrms粗さを有する。別の実施形態では、エッチング後のシリコン表面が、類似の未処理の結晶性シリコン表面のものよりも約90%以内で大きい、AFMによって測定されるRrms粗さを有する。
【0071】
一実施形態において、本発明により得られる拡大されたトレンチは、歪み誘導性のシリコン合金をトレンチ内に堆積させる場合、類似の未処理の結晶性シリコン表面上に、同様の歪み誘導性のシリコン合金を堆積させることによって得られると考えられる、積層欠陥又は転位の数の約10倍以内の多数の積層欠陥又は転位を堆積物が含有するような、粗さを有する、側壁及び他の曝露シリコン表面を含む。つまり、例えば、未処理の結晶性シリコン表面上に堆積される、歪み誘導性のSiGe合金が、1平方センチメートル当たり約10の転位(10/cm)をもたらすと考えると、一実施形態において、本発明に従いエッチングされる表面上に堆積される、歪み誘導性のSiGe合金における転位の数は、1平方センチメートル当たり約10の転位(10/cm)に過ぎないと考えられる。転位/cmの実際の数は、多くの因子、例えば、Siと合金元素との比率、堆積の条件、任意の続くアニーリング、及び熟練者にとって既知の他の因子に応じて、広く変動し得ることが認識されている。しかしながら、この特徴は、2つの異なる基板、すなわち、未処理の基板及び本発明に従ってエッチングされる基板上に、実質的に同一の条件下で堆積される、歪み誘導性のシリコン合金を比較することによって、容易に求めることができる。
【0072】
前述に記載したように、本発明の方法によってエッチングされる表面上へのシリコン合金のエピタキシャル堆積を改善させるために、これらの表面を可能な限り平滑にすることが重要である。本発明によって達成される平滑度(又は、逆の言い方をすれば、粗さの欠如)は、当該技術分野において重要な進歩をもたらす。付加的な平滑化工程を伴わずに、所望の比較的平滑な表面を達成させる本発明の能力は、半導体の製作プロセスにおける工程の総数の制御を助ける上で重要である。
【0073】
一実施形態において、拡大されたトレンチは、(100)面における未加工の能動シリコン表面の粗さと実質的に類似の、AFMによって測定される粗さを有する側壁を含む。「実質的に類似」であるためには、エッチングシリコン表面の粗さが、AFMによって測定されるRrms粗さに基づき、(100)面における未加工の能動シリコン表面の粗さより約100%大きいに過ぎないものとされる。
【0074】
以下の表は、未加工のシリコンに関する比較用のAFM Rrms粗さの値、及び本発明の2つの実施形態によるシリコン表面の処理後のシリコン表面に関する粗さ測定値を示す。表中、「1」は、3%のベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド及び1.5%のテトラデシルトリブチルホスホニウムクロリドであり、「2」は、0.2%のベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、0.5%のヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロリド及び0.5%のジプロピレングリコールモノブチルエーテルである。
【0075】
【表3】

【0076】
上記の表に示されるように、試料1の420秒の適用におけるエッチングシリコン表面のRrms粗さは、(0.543−0.430)/0.430×100=26.3%粗い。試料1の320秒の適用におけるエッチングシリコン表面のRrms粗さは、(0.455−0.430)/0.430×100=5.8%粗い。試料2の300秒の適用におけるエッチングシリコン表面のRrms粗さは、(0.253−0.134)/0.134×100=88.8%粗い。
【0077】
図面
図1〜図3は、本発明による方法の利用の作用を示すものである。
【0078】
図1は、従来技術のエッチプロセスと、本発明の実施形態によるエッチプロセスとを比較する、未完成の半導体デバイスの一部の概略断面図である。図1に概略的に示されるように、典型的な非選択性の等方性ドライエッチを適用する場合、得られるエッチングは、シリコン結晶構造の(100)面、(110)面及び(111)面のエッチの各々に実質的に等しく影響を及ぼし、シリコン結晶構造の平面のいずれとも位置合わせされないエッチング表面をもたらす。よって、応力を誘導する材料を堆積させようとする試みを行うと、結果が不満足なものとなる。
【0079】
対照的に、図1に描かれるように、本発明による選択的な異方性ウェットエッチをシリコン基板に適用する場合、選択的なエッチングが、(100)面及び(110)面をおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的にエッチングすることをもたらす。選択的な異方性ウェットエッチングにおけるこの制御された選択性は、図1に描かれるように、(111)面にシリコンが残り、かつ(111)表面が非常に平滑である、エッチング表面をもたらす。トレンチの底部は当然のことながら、概して(100)面に存在する。
【0080】
図2は、本発明の一実施形態による選択的な異方性ウェットエッチを示す概略断面図である。図2に概略的に示されるように、単結晶シリコン基板、例えばSi(100)基板を、本発明に従ってエッチングする。この際、(100)面及び(110)面を同等のおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的に選択的にエッチングすると、得られるシリコンが、主として(111)面にファセットを示す。図2に示されるように、本実施形態では、選択的な異方性ウェットエッチングによって、複数の構造の各々を部分的に切り下げ、拡大されたトレンチが(111)面に2つの側壁を含む。これは、図1、図3及び図5Cにも示される。図5Cでより詳細に示されかつ記載されるように、本実施形態では、内側側壁がともに(111)面にファセットを有する。
【0081】
図3は、本発明の実施形態の重要な態様を示す未完成のトランジスタの概略断面図である。図3は、本発明の実施形態を適用することができるトランジスタ構造における幾つかの限界寸法を示す。図3の未完成のトランジスタは、本発明による方法の適用後の或る段階で示されるものである。デバイスにおける重要寸法及び/又は特徴すなわち限界寸法及び/又は特徴は、項目(a)、項目(b)、項目(c)及び項目(d)として特定される。
【0082】
図3の項目(a)は、トランジスタのソース及びドレインとなると考えられるものの間のチャネル領域を介する最も小さいすなわち最も短い経路であるネック寸法を示す。本発明によれば、ネックは、(111)面に対する(100)面及び(110)面の優先的なエッチングにより生じ、続いて、シリコン合金をソース領域及びドレイン領域に堆積させると、チャネル領域に印加されるより強力な圧縮応力又は引張応力がもたらされる。より強力な応力の結果として、(シリコン合金に応じて)ホール又は電子の移動度が増大することにより、トランジスタの電流駆動能力を向上することができる。
【0083】
図3の項目(b)は、本発明の実施形態によるエッチプロセス中に望ましく制御されるトレンチ深さを示し、そのため、制御された所望の深さがエッチプロセスで達成される。本発明によるエッチングプロセスでは、(100)面及び(110)面が(111)面と比べて選択的にエッチングされる。それ故、(a)においてネックが形成するとともに、トレンチ深さ(b)が増大する。
【0084】
図3の項目(c)は概して、側壁及びトレンチの底部の粗さについて言及するものである。本発明の実施形態によれば、選択的な異方性ウェットエッチングを実行すると、極めて平滑な面が達成される。正確に何の因子が、観測される平滑度に貢献するかは確実には分かっていないものの、本発明に従ってエッチングされる表面が、同様の一般的な目的で使用される従来技術の選択的なエッチング剤によってエッチングされる表面よりも著しく平滑でかつより平坦であることが見出された。それ故、項目(c)は、本発明による方法の重要な予期せぬ特徴を示す。
【0085】
図3の項目(d)は、ゲート酸化物、ゲート窒化物及び/又はゲート構造中の他の材料が、本発明に従って使用される組成物によってエッチングされないことを示す。そのため、本発明の実施形態では、ゲート酸化物、ゲート窒化物及び/又は他の材料を含むゲート構造が、マスクとして、かつ/又はこのプロセスでエッチングされるであろう範囲を定めるために機能する。
【0086】
一実施形態において、本発明は更に、改良されたPMOS半導体トランジスタを製造する方法に関する。エピタキシャルシリコンの層中にくぼみをエッチングする。ソース膜及びドレイン膜をくぼみ内に堆積させる。ソース膜及びドレイン膜は、堆積中に組み込まれる、シリコン、ゲルマニウム及びホウ素の合金からなる。堆積中にホウ素を組み込むことによって、注入技法によるものよりも高い活性ドーパント濃度を得ることができる。合金は、シリコンの層上にエピタキシャル堆積される。よって、合金は、シリコンの層の格子の結晶構造と同様の結晶構造を有する格子を有する。しかしながら、シリコン原子の幾つかに代わってゲルマニウムを包含することに起因して、合金の格子は、シリコンの層の格子間隔よりも大きな間隔を有する。より大きな間隔は、ソース膜とドレイン膜との間のトランジスタのチャネルに応力を発生させる。より高い活性ドーパント濃度に起因する抵抗率の低減と相まって、応力は、トランジスタのIDSAT及びIDLINを増大させる。NMOSトランジスタは、ゲルマニウムの代わりに合金原子として炭素を含ませることによって、類似の方法で製造することができ、これによって、引張応力が発生する。本発明は、PMOSトランジスタの形成に関して記載する。当業者は、ドーピング導電型及び格子間隔を逆転させる以外は類似の方法で、NMOSトランジスタを製造することができると認識するであろう。
【0087】
本発明の一実施形態によれば、シリコン合金の選択されたドーピングによって得られる所定の導電性を有し得るシリコン合金層を、チャネル領域に隣接してエピタキシャル成長させ、応力をチャネル領域内に誘導し、これによって、チャネル領域を介してキャリアの移動度が大いに向上する。
【0088】
例えば、半導体デバイスがp−チャネルMOSトランジスタである場合、シリコン合金層はSiGe合金から形成され、圧縮応力が、チャネル領域の2つの側面上のSiGe合金層から、ホールの移動方向に沿ってチャネル領域へと印加される。SiGe合金層をΣ形状(シグマ形状)に形成した実施形態では、SiGe合金層の拡張部分、SiGe混晶層の拡張部分が、チャネル領域内のシリコン結晶に応力を発生させる。結果として、チャネル領域上に圧縮応力を効果的に印加させることが可能であり、これによりチャネル領域内のキャリアの移動度が増大する。
【0089】
他方、半導体デバイスがn−チャネルMOSトランジスタである場合、シリコン合金層は、SiC合金から形成され、引張応力が、電子の移動方向に沿ってチャネル領域上に誘導され、これによりチャネル領域内の電子の移動度が増大する。
【0090】
図4A、図4B及び図4Cは、前述の作用を概略的に示すものである。図4A、図4B及び図4Cは、半導体デバイスにおける未完成のトランジスタの一部の概略断面図である。図4Aに示されるように、未完成のトランジスタは、包括的に平らな表面を有する第1のトレンチを形成するように、図4Aに示されるゲート構造によって定められる開口における異方性エッチングを受けている(すなわち、シリコン基板における任意の特定の平面の選択的なエッチングによりもたらされるわけではない)。図4Aに示される未完成のトランジスタは次に、本発明の実施形態によるシリコン基板の選択的な異方性ウェットエッチングを受けて、図4Bのデバイスを形成する。その後、図4Bに示される未完成のトランジスタに、選択的な異方性ウェットエッチングによって得られる開口においてシリコン合金のエピタキシャル堆積を施して、図4Cに示される未完成のトランジスタに、ソース及びドレイン等の構造を形成する。上記のように、シリコン合金のエピタキシャル堆積は、図4Cのチャネル領域内に点線で示される、ソースとドレインとの間のチャネル領域内に応力をもたらす。
【0091】
図5A、図5B、図5C及び図5Dは、本発明の一実施形態による方法を概略的に示すものである。図5A、図5B、図5C及び図5Dは、本発明の実施形態に従って、シリコン層をエッチングするためのプロセス、及びシリコン層をエッチングするとともに、エッチングによって生じるトレンチ内にシリコン合金を堆積させるためのプロセスを含む、半導体デバイス10を製作するプロセスの工程を示す、未完成の半導体デバイス10の一部の概略断面図である。
【0092】
図5Aは、デバイス10の単結晶シリコン基板14上に設けられる、ゲート構造12の要素を概略的に示すものである。単結晶シリコン基板14は、主平面として(100)結晶面を有する。デバイス10は、例えばSTI型分離構造であり得る素子分離領域16によって定められるデバイス領域14Aを更に含む。デバイス10は、ソース領域14Sとドレイン領域14Dとを備える。ゲート構造12は、ゲート絶縁膜18とゲート電極20とを備え、これらは、SiON膜及びポリシリコン膜をパターニングすることによって形成することができ、様々な既知のプロセスによってシリコン基板14上に均一に形成されている。ゲート構造12は側壁絶縁膜22A及び22Bを更に備える。デバイス10は、ソース拡張領域14SEとドレイン拡張領域14DEとを更に備える。ソース拡張領域14SE及びドレイン拡張領域14DEはp型であり、それぞれp型拡散領域11S及び11Dと接触してデバイス10のソース領域11S及びドレイン領域11Dをそれぞれ形成する。ソース拡張領域14SE及びドレイン拡張領域14DEは、例えば、ゲート電極20をマスクとして使用して、ホウ素又は他のp型不純物を埋め込むことによって形成されている。当該技術分野で既知の更なる特徴をデバイス10に追加することができる。例えば、ゲート構造12は、第1の側壁絶縁構造及び第2の側壁絶縁構造(図示せず)を両方とも含むことができ、デバイス10は、ソースポケット領域及びドレインポケット領域、付加的な絶縁層等(図示せず)の特徴を備えることができる。
【0093】
次に、図5Bに示される工程では、シリコン基板14において、側壁絶縁膜22A及び22Bと素子分離領域16との間の、デバイス領域14Aにおけるソース領域11S及びドレイン領域11Dの一部を、例えばドライエッチングによって10nm〜60nmの深さに異方性エッチングして、初期のトレンチ26A及び26Bを形成する。初期のトレンチ26A及び26Bは、シリコン基板14の主要(100)面と実質的に垂直な側面14b、及びシリコン基板14の主要(100)面と実質的に平行な側面14cによって定められる。
【0094】
次に、図5Cに示される工程では、本発明の一実施形態による方法を利用して、シリコンを、(111)面に対して(100)面及び(110)面で選択的に異方性エッチングさせ、拡大されたトレンチ26AE及び26BEを形成する。本発明によれば、選択的な異方性エッチングによって、(110)面及び(100)面をおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的にエッチングさせる。本発明の一実施形態によれば、シリコン層14は、その上に、シリコン層を曝す開口を生じるように設けられる複数のゲート構造12を有し、開口を介してシリコン層中に異方性エッチングされた第1の初期トレンチ26A及び26Bを有し、この方法の次の主な工程が、第1の初期トレンチ26A及び26B中のシリコン表面の選択的な異方性ウェットエッチングを含む。本実施形態では、選択的な異方性ウェットエッチングが、シリコン表面、例えば、表面14a及び14cを、芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物と、非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩とを含む本発明による水性組成物に曝すことを含む。結果として、選択的なウェットエッチングは、シリコン層14の(110)面及び(100)面をおよそ等しい速度で、(111)面のエッチング速度よりも速く(すなわち、優先的に)エッチングして、(111)面に側壁14d及び14fを有する拡大されたトレンチを形成する。
【0095】
図5Cに示されるように、デバイス10におけるp−チャネルMOSトランジスタでは、シリコン基板14中の拡大されたトレンチ26AE及び26BEの各々が、シリコン基板14の主平面に実質的に平行な底面14cと、底面14cに対して約56°の角度でSi(111)面におけるファセットから形成され、また内向きに広がる側面14dと、底面14cに対して約124°の角度でSi(111)面におけるファセットから形成される側面14fとを含む。側面14fはシリコン基板14の表面から内向きに広がり、シリコン基板14と側壁絶縁膜22A及び22Bとの境界でもある。側面14d及び側面14fは、点14gで交わるため、図5Cに示されるように、チャネル領域に向かって内向きに対向するくさび形状が形成される。
【0096】
本発明によれば、本明細書中に開示される組成物によって得られる選択的なエッチングは、シリコンの高速で制御されたエッチングをもたらすため、図5Cに示されるくさび形状の形成がたやすく可能となる。(全く異なるエッチングの化学的性質を用いたものであるものの)類似の形状を得るための類似のエッチングが過去に行われているが、既知の方法ではあまり上手くいかず、本発明によってもたらされる所望の平面選択性及び非常に平滑なエッチング表面の両方を得ると同時に、所望のプロファイルを得ることは更に困難であった。
【0097】
一実施形態において、本発明は更に、拡大されたトレンチ26AE及び26BEの少なくとも一部内にシリコン合金をエピタキシャル堆積させることを含む。一実施形態において、シリコン合金はシリコンゲルマニウム(SiGe)合金であり、別の実施形態では、シリコン合金がシリコン炭素合金(SiC)である。シリコン合金は、簡潔にするために本明細書にはこれ以上記載しないが、当該技術分野で知られているように、ドーパントの共堆積又はドーパントのその後の注入のいずれかによって適切にドープすることができる。くさび形状のトレンチは、充填する場合、シグマ形状と称することができる形状を有する構造をもたらす。
【0098】
例えば、一実施形態では、図5Dに示されるように、p型SiGe混晶層28A及び28Bが拡大されたトレンチ26AE及び26BE内にエピタキシャル成長して、拡大されたトレンチ26AE及び26BEを充填する。当該技術分野で知られているように、また上記で簡潔に記載したように、エピタキシャル成長、及び純粋なSi結晶と比較してSiGe結晶の異なるより大きい格子パラメータに起因して、圧縮力が、SiGe混晶層28A及び28Bに隣接する構造に印加される。図2の記載と同様に、図5Dで、チャネル領域に生じる歪みが、チャネル領域内に点線によって概略的に示されている。
【0099】
SiGe混晶層28A及び28B中に、側面14dと側面14fとの交線であるくさびの内点14gが、第2の側壁絶縁膜24A又は24Bの外表面に対して内側の位置に形成され、SiGe混晶層28A及び28Bは、ゲート電極20のすぐ下のチャネル領域の近くにある。それ故、SiGe混晶層28AとSiGe混晶層28Bとの間のチャネル領域は、ソース及びドレインがゲート構造12に位置合わせされるより垂直な壁を有する従来技術におけるものよりも小さい。より小さなチャネル領域は、(適切なシリコン合金を伴えば)チャネル領域がN型又はP型であろうと、エピタキシャル成長したシリコン合金から生じる応力と合わさって、ソースからドレインへと移動する電荷の移動度を向上させる。
【0100】
拡大されたトレンチ26A及び26Bのくさび形状、並びにSiGe混晶層28A及び28BのΣ形状に起因して、標準的な側壁プロファイルを有する従来技術のp−チャネルMOSトランジスタにおけるものよりも強力な圧縮応力をチャネル領域内に誘導することができる。それ故、ホール移動度を増大させ、かつデバイス10におけるp−チャネルMOSトランジスタの電流駆動能力を向上させることが可能である。
【0101】
反対のドーピングを有し、かつくさび形状の拡大されたトレンチ26A及び26Bを充填するようにエピタキシャルに適用されるシリコン合金がSiCである実施形態では、引張応力が生じる。当該技術分野で知られているように、また上記で簡潔に記載したように、SiCがシリコン合金である場合には、エピタキシャル成長、及び純粋なSi結晶と比較してSiC結晶の異なるより小さい格子パラメータに起因して、引張応力が、SiC混晶層28A及び28Bに隣接する構造に印加される。引張応力は、電子の移動度の増大をもたらし、対応するn−チャネルMOSトランジスタの電流駆動能力を向上させる。
【0102】
図5A〜図5Dに関して上記で概説したプロセス工程後、当該技術分野で既知の通常の手順に従って半導体デバイス10を更に加工することができる。
【0103】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて、開示された範囲及び比率の数値限定を組み合わせてもよく、また介在値を全て含むと考えられることに留意されたい。そのため、例えば、1〜100及び10〜50の範囲が具体的に開示されている場合、1〜10、1〜50、10〜100及び50〜100の範囲が、介在する整数値であるため、本開示の範囲内であると考えられる。さらに、数値は全て、修飾語「約」が具体的に記述されているか否かにかかわらず、この用語が前に付くと考えられる。最後に、開示された要素及び構成成分の全ての可能な組合せは、あらゆる可能な組合せ及び/又は成分の置換を挙げることは不可能であるため、具体的に言及されるか否かにかかわらず、本開示の範囲内であると考えられる。そのため、開示される発明の各要素の開示された成員のあらゆる組合せ及び置換が、例えば、欧州特許条約第123条(2)項に従って本開示の範囲内であることが考慮され、また当業者によって認識されるであろう。
【0104】
本発明の原則は、或る特定の実施形態に関して説明し、例示目的で提示するが、本明細書を読めば、その様々な変更形態が当業者にとって明らになるであろうことを理解されたい。したがって、本明細書中に開示される発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれるような変更形態を包含するように意図されることを理解されたい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に設けられるシリコン層をエッチングする方法であって、
前記シリコン層中に第1のトレンチを異方性エッチングすることと、
前記第1のトレンチ内のシリコン表面を選択的に異方性ウェットエッチングすることであって、該ウェットエッチングが、該シリコン表面を、
芳香族基を含有する第四級オニウム水酸化物と、
非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩と、
を含む水性組成物に曝すことを含み、該ウェットエッチングが、前記シリコン層の(110)面及び(100)面をおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的にエッチングして、該(111)面に側壁を有する拡大されたトレンチを形成する、選択的に異方性ウェットエッチングすることと、
を含む、基板上に設けられるシリコン層をエッチングする方法。
【請求項2】
前記シリコン層が、その上に、該シリコン層を曝す開口を生じるように設けられる複数の構造を有し、前記異方性エッチングを、該開口を通じて行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択的に異方性ウェットエッチングすることによって、前記複数の構造の各々を部分的に切り下げ、前記拡大されたトレンチが前記(111)面に2つの側壁を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記芳香族基を含有する第四級オニウム水酸化物が、アンモニウム若しくはホスホニウム、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記芳香族基を含有する第四級オニウム水酸化物が、該芳香族基に加えて、1個〜約4個の炭素原子を独立して含有する3つの基を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物において、前記芳香族基がベンジル基又はフェニル基であり、各低級アルキルが独立してメチル又はエチルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩が、約8個〜約18個の炭素原子を有するアルキル基を含み、1個〜約4個の炭素原子を独立して含有する1つ又は複数の低級アルキル基を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第四級オニウム水酸化物が、約0.1wt.%〜約20wt.%の範囲の濃度で存在し、前記第四級ホスホニウム塩が、約0.1wt.%〜約20wt.%の範囲の濃度で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記水性組成物が、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記グリコール、前記アルコール及び/又は前記グリコールエーテルが、最大約5wt.%の濃度で存在する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記拡大されたトレンチが、原子間力顕微鏡検査(AFM)によって測定する場合、約0.340nm〜約0.450nmの範囲の粗さRを有する曝露シリコン表面を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記異方性エッチングがドライエッチングである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
シリコン層中に応力を導入する方法であって、
基板上に設けられるシリコン層を準備することであって、該シリコン層に開口を生じるように、該シリコン層がその上に設けられる複数のスペーサ特徴を有する、準備すること;
前記開口を通じて、前記シリコン層中に第1のトレンチを異方性エッチングすること;
前記第1のトレンチ内のシリコン表面を選択的に異方性ウェットエッチングすることであって、該ウェットエッチングが、該シリコン表面を、
芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物と、
非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩と、
を含む水性組成物に曝すことを含み、該ウェットエッチングが、前記シリコン層の(110)面及び(100)面をおよそ等しい速度で(111)面よりも優先的にエッチングして、該(111)面に側壁を有する拡大されたトレンチを形成する、選択的に異方性ウェットエッチングすること;及び
前記拡大されたトレンチの少なくとも一部のシリコン表面上にシリコン合金をエピタキシャル堆積させること、
を含む、シリコン層中に応力を導入する方法。
【請求項14】
前記シリコン合金が、前記シリコン層の少なくとも一部分に応力を導入する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記シリコン合金がシリコンゲルマニウム又はシリコン炭素を含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記シリコン層が、その上に、前記シリコン層を曝す開口を生じるように設けられる複数の構造を有し、前記異方性エッチングを、該開口を通じて行う、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記選択的に異方性ウェットエッチングすることによって、前記複数の構造の各々を部分的に切り下げ、前記拡大されたトレンチが前記(111)面に2つの側壁を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記芳香族基を含有する第四級オニウム水酸化物が、アンモニウム若しくはホスホニウム、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを含む、請求項13〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記芳香族基を含有する第四級オニウム水酸化物が、該芳香族基に加えて、1個〜約4個の炭素原子を独立して含有する3つの基を含む、請求項13〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記芳香族トリ(低級)アルキル第四級オニウム水酸化物において、前記芳香族基がベンジル基又はフェニル基であり、各低級アルキルが独立してメチル又はエチルである、請求項13〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記非対称テトラアルキル第四級ホスホニウム塩が、約8個〜約18個の炭素原子を有するアルキル基を含み、1個〜約4個の炭素原子を独立して含有する1つ又は複数の低級アルキル基を更に含む、請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第四級オニウム水酸化物が、約0.1wt.%〜約20wt.%の範囲の濃度で存在し、前記第四級ホスホニウム塩が、約0.1wt.%〜約20wt.%の範囲の濃度で存在する、請求項13〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記水性組成物が、グリコール、アルコール、グリコールエーテル、又はそれらのいずれか2つ以上の組合せを更に含む、請求項13〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記グリコール、アルコール及び/又はグリコールエーテルが、最大約5wt.%の濃度で存在する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記拡大されたトレンチが、原子間力顕微鏡検査(AFM)によって測定する場合、約0.340nm〜約0.450nmの範囲の粗さRを有する曝露シリコン表面を含む、請求項13〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記異方性エッチングがドライエッチングである、請求項13〜25のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−509711(P2013−509711A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536866(P2012−536866)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/052856
【国際公開番号】WO2011/053470
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512110499)セイケム インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】